自動多段検出器アナライザ
患者サンプルを分析するための自動アナライザ。このアナライザは、複数のキュベットを含み、これらのキュベットで、サンプルを種々の試薬と混ぜ合わせることができる。このアナライザは、1つまたはそれ以上の検出器を含み、キュベット内の反応混合物の発光を検出するようになっている検出器を含む。このアナライザは、種々の診断評価分析をただ1つのシステムで実施するのを可能にすると共に、より迅速な速度でより高い感度の分析を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月18日に出願された米国特許出願番号第60/488,336号の優先権を主張している。
【0002】
本発明は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などのような患者の生物学的流体サンプルを自動的に処理する装置に関する。特に、本発明は、数多くの評価分析プロトコルのうちの1つまたはそれ以上に従ってサンプルの分析を行うことのできる複数の検出器を有する自動システムを提供する。
【背景技術】
【0003】
患者の感染部、体液または膿瘍部のサンプルの分析測定によって患者の診断および治療に関連した種々タイプの検査を実施できる。これらの評価分析には、代表的には、患者サンプルを収容しているバイアルを載せた自動アナライザを必要とする。アナライザは、サンプルをバイアルから抽出し、サンプルを特殊な反応キュベットまたはチューブ内で種々の試薬と混合する。しばしば、サンプルは、分析の前にインキュベートまたは他の処理を受ける。サンプル・試薬組み合わせと相互作用する検査用放射線ビームを使用して、たとえば濁度読み取り、蛍光読み取り、吸収読み取りなどの分析測定がしばしば実施される。これらの測定でエンドポイント値またはレイト値を確定し、この値から周知の較正技術を使用して被検物質の量を決定できる。
【0004】
サンプルの化学的、免疫化学的、生物学的な検査のためには種々の公知の臨床アナライザが利用できるが、分析臨床技術は、今、分析レベルの向上を迫られている。分析感度の向上は継続的な課題である。さらに、報告可能結果当たりのコストを減らすよう臨床検査室への圧力が高まっていることにより、自動臨床アナライザの総コストパフォーマンスの向上が絶えず必要である。しばしば、分析しようとしているサンプルを多数のサンプル・アリコートに分割し、異なったアナライザを使用していくつかの異なった分析技術によって処理しなければならないことがある。評価分析処理量および評価分析速度を向上させるという観点ならびに患者サンプルを評価する際の検査室の能率を高めるべく高度な分析オプションの数を増大させるという観点から、サンプル分析は絶えずもっと効率的となる必要がある。特に、サンプルについての最初の一続きの評価分析の結果は、しばしば、必然的に、診断を完了または確認するために次の一続きの異なった評価分析を行うこと(還流またはアドオン検査と呼ばれる)を左右する。このような例では、二回目の一続きの評価分析は、しばしば、一回目の一続きの評価分析よりも高度な分析技術で実施される。そのとき、サンプルは異なった分析検査室間を行ったり来たりしなければならない。この場合、効率が低下するのに加えて、余分なサンプル取り扱いでエラーの可能性が高まる。
【0005】
自動臨床アナライザは、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.から販売されているDimension(R)臨床化学アナライザで使用され、コンピュータ・ベースの電気機械管理プログラミングの分野で当業者によって広く使われているような機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15により実行されるソフトウェアによって制御される。このようなコンピュータは、アナライザによって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムを実行するが、とりわけ以下の項目を制御、追跡するようにプログラムすることも必要である。
【0006】
・血液、血清、尿などのような異なったサンプルについて100種を超える異なった評価分析を実施するための種々の分析デバイス。
・前の結果から必要となったときのサンプルの再検査およびアドオン検査。
・患者の識別、実施すべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ内に保持すべきかどうか。
・較正・品質管理手順。
・装入・送出用サンプル・チューブ移送システム。
・環境室内でのサンプル・アリコートの在庫管理およびアクセシビリティ。
・再使用可能なキュベットの洗浄および清掃。
・時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器毎の消費されたすべての試薬の消費日、および特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび、較正基準当りの各バイアル容器毎の消費された評価分析化学溶液の量。
・1時間当たり少なくとも1000回の評価分析をスケジュールに組むこと。
【0007】
臨床アナライザ内で行われる複雑な多数の作業についての上記説明から明らかなように、「ユーザーフレンドリーな」方法で比較的多数の異なった評価分析フォーマットを用いて分析検査を実施するように一台のアナライザの能力を向上させるということは、アナライザが、たとえば、たった2つの異なった評価分析フォーマットを行うときに遭遇する課題よりもかなり大きな課題を突きつける。しかしながら、臨床診断分野では、広い範囲の異なった被検物質に適応できるか、または、他の方法が適応しにくいことがある特殊な場合に使用できる新しくて正確な分析技術についての要望が絶えずある。液体内の低濃度の物質の存在を検出できる便利で信頼性が高く、危険がない手段が望まれている。臨床化学においては、これらの物質は、10-12モルより低い濃度で体液内に存在する可能性がある。これらの物質の低い濃度を検出することの困難さは、利用し得るサンプル・サイズが比較小さい場合に高まる。評価分析を開発するときには多くの考えなければならないことがある。1つの考えなければならないことは、被検物質の濃度変化に対する信号応答性である。第2の考えなければならないことは、評価分析用のプロトコルを実施する容易さである。第3の考えなければならないことは、サンプル毎の干渉変動である。試薬の調製および精製の容易さ、設備利用可能性、自動化の容易さおよび重要な物質との相互作用は、有用な評価分析を開発する際の付加的に考えなければならないことである。
【0008】
蛍光化合物および化学発光化合物のような発光化合物は、光を発するという能力のために評価分析分野では広く使用されている。この理由のために、発光化合物は、核酸評価分析、免疫評価分析のような評価分析でラベルとして利用されてきた。たとえば、或る特定の結合ペアのうちの1つのメンバを発光化合物に接合し、種々のプロトコルを使用する。発光化合物結合体は、被検物質を含んでいると思われるサンプル内の被検物質の量に関して固体相、液体相に分割できる。固体相、液体相のいずれかの発光を測定することによって、観察された発光レベルをサンプル内の被検物質の濃度に関連させることができる。
【0009】
ラテックス・ビーズやリポソームのような粒子も評価分析で利用されてきた。たとえば、ホモジニアス評価分析では、抗体または抗原でラベル付けしたリポソームの水性相に酵素を封入することができる。リポソームは、サンプルおよび補体の存在下で酵素を放出する。脂質の脂質二重層に溶解した水性相ベシクルまたは脂質可溶性染料内に封じ込めた水溶性蛍光性染料または水溶性非蛍光性染料を有する、抗体または抗原でラベルを付けたリポソームは、表面結合した抗体または抗原との免疫化学的反応を開始することができる被検物質の評価分析にも利用されてきた。染料をリポソームの水性相から解放するのに洗剤が使用されてきた。化学発光ラベルはリガンド結合評価分析に優れた感度を与えるが、通常、1つまたはそれ以上の化学活性化工程が必要となる。蛍光ラベルは、この欠陥を持っていないが、感度が低い。
【0010】
米国特許第5,340,716号および同第5,709,994号が、活性化時に一重項酸素を発生することのできる光増感剤を有する粒子と関連した第1の特異結合ペア・メンバと、光増感剤の活性化時に一重項酸素が発生し、化学発光化合物を活性化するように一重項酸素によって活性化されることができる化学発光化合物とを使用して発光酸素チャネルド免疫測定法(LOCI)として知られる高感度評価分析フォーマットで被検物質を確定する方法であって、第1の特異結合ペア・メンバが、被検物質または第2の特異結合ペア・メンバに結合して被検物質の存在に相関する複合体を形成することができ、光増感剤が活性化され、化学発光化合物で発生した発光量が検出され、サンプル内の被検物質の量に関連づけられる方法を開示している。
【0011】
米国特許第5,807,675が、励起状態で一重項酸素を生成できる光増感剤を使用して、蛍光酸素チャネルド免疫測定法(FOCI)として知られる感度の鈍い評価分析フォーマットで被検物質を測定する方法を開示している。この方法では、一重項酸素との反応の際に光活性インジケータを形成できる光活性インジケータ前駆物質と組み合わせて光増感剤を第1の特異結合ペア・メンバと結びつけ、光活性インジケータ前駆物質を第2の特異結合ペア・メンバと結びつける。この組み合わせに光を照射して光増感剤を励起し、最終工程で、蛍光を測定してサンプル内の被検物質の量と関連づける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
結合、未結合ラベルを分離する必要のないホモジニアス免疫測定法を小分子について先に説明してきた。これらの評価分析法としては、とりわけSYVAのFRAT評価分析法、EMIT(R)評価分析法、酵素チャネリング免疫測定法および蛍光エネルギ移動免疫測定法(FETI)、酵素阻害剤免疫測定法(Hoffman LaRoche および Abbott Laboratdries)、蛍光偏光免疫測定法(Dandlicker)などがある。これらの方法のすべては、感度に限界があり、FETIおよび酵素チャネリングを含むほんの少数の方法しか大きなマルチエピトーピック(multiepitopic)被検物質に適していない。分離工程を必要とするヘテロジニアス免疫測定法が、一般的に、小分子、大分子の両方について有用である。酵素(ELISA)、蛍光ラベル(FIA)、放射能ラベル(RIA)、化学発光ラベル(CLA)などを含めて種々のラベルが使用されてきた。このようなホモジニアスおよびヘテロジニアス免疫測定法を使用する臨床アナライザが市販されているが、一般的に非常に複雑である。たとえば、米国特許第6,074,615号、同第5,717,148号、同第5,985,672号、同第5,635,364号を参照されたい。これらの米国特許を検討すると明らかになるように、自動免疫測定システムを有する臨床アナライザの能力を、感度の良い発光酸素チャネルド免疫測定法を実施するために付加的な自動化能力で高めようとするとき、多くの課題が生まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のアナライザでは、種々の診断評価分析をただ1つのシステムで実施することができ、感度が高くなり、処理速度が速くなる。本発明の一態様によれば、自動アナライザは、複数のキュベットを含み、各キュベットは、サンプルと1つまたはそれ以上の試薬を含む反応混合物を収容するようになっている。このアナライザは、また、1つまたはそれ以上のキュベット内の反応混合物の発光を検出するようになっているLOCIリーダを含む。1つまたはそれ以上の他の検出器を含んでいてもよく、その場合、1つまたはそれ以上のキュベット内または液体フロースルセル内の反応混合物について他の分析を実施するようになっている。キュベット移送機構がキュベットを検出器まで移動させるようになっている。アナライザは、また、検出器およびキュベット移送機構を制御するようになっている制御機構を含む。本発明のさらなる態様は、詳細な説明に続く特許請求の範囲に基づいて明らかとなろう。
【0014】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行った以下の詳細な説明からより完全に理解して貰えよう。
図1は、本発明を説明する自動アナライザの概略平面図である。
図2は、図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
図3は、図1のアナライザで役に立つ試薬容器(container)の斜視図である。
図3Aは、図1のアナライザで役に立つ較正溶液バイアル容器の斜視図である。
図4は、図1のアナライザで役に立つアリコート受け器(vessel)アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
図4Aは、図1のアナライザで役に立つサンプル採取プローブである。
図4Bは、図1のアナライザで役に立つ洗浄ステーションである。
図5は、図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイである。
図6は、図1のアナライザで役に立つ容器移送システムの概略平面図である。
図7は、図1のアナライザで役に立つ容器シャトルの斜視図である。
図8は、図1のアナライザで役に立つ容器トレイ・シャトルの斜視図である。
図9は、本発明で役に立つビューイング画面である、
図10は、本発明で役に立つイオン選択性電極測定デバイスの斜視図である。
図11は、本発明で役に立つ光度測定デバイスの斜視図である。
図12は、本発明で役に立つLOCI測定デバイスの斜視図である。
【0015】
図1は、図2と共に、キュベット・ポート20を形成した外側キュベット回転コンベヤ14と受け器ポート22を形成した内側キュベット回転コンベヤ16とを支持している反応回転コンベヤ12を含む自動化学アナライザ10の諸要素を概略的に示している。外側キュベット回転コンベヤ14と内側キュベット回転コンベヤ16は開放溝18によって分離されている。キュベット・ポート20は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号09/949,132に開示されているような複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。反応キュベットは、在来の臨床評価分析および免疫測定評価分析のための種々の試薬およびサンプル液を収容している。一方、容器ポート22は、超高感度発光免疫測定専用の試薬を収容している複数の反応容器25を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、一定方向に段階的に移動するように回転可能であり、この段階的移動は一定の停止時間によって分けてあり、この停止時間中、回転コンベヤ12は静止状態に保たれ、センサ、試薬添加ステーション、混合ステーションなどのようなコンピュータ制御される評価分析操作装置13が、必要に応じて、キュベット24および反応容器25内に収容されている評価分析混合物に作用する。
【0016】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.の販売しているDimension(R)臨床化学アナライザで使用されており、コンピュータ・ベースの電気機械制御プログラミングの分野で当業者によって広く使用されているような機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15により実行されるソフトウェアによって制御される。コンピュータ15は、アナライザ10内の種々の分析手段によって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムも実行する。本発明によるアナライザ10は、多数の検出ユニット17A、17B、17C、17Dを含み、各検出ユニットは、1つまたはそれ以上の検出器を含む。好ましい実施形態においては、各検出ユニット17A、17B、17C、17Dは、異なった測定を実施し、続いて他の検出ユニットが種々の分析プロトコルを行うようになっている。検出器の多様性により、多種の検査を同じシステムで行うことができ、それによって、或る特定の被検物質について最も適切である評価分析(たとえば、この被検物質にとってきわめて特異的な評価分析)によってこの被検物質を測定できるという可能性を高めることができ、妥当な期間内に達成され、コスト効率も良い。サンプルおよび反応混合物は、それぞれの回転コンベヤ14、16内にある間にキュベット24、25において、分析してもよいし、または、在来のキュベット移送機(図示せず)によって検出ユニット17A、17B、17C、17Dに移動させてもよい。
【0017】
図1に示す実施形態においては、アナライザ10は、図12に例示する検出ユニット17Cを含む。この検出ユニットは、反応容器25の1つにある反応混合物の発光を検出するようになっている検出器を含む。好ましくは、この検出器は、在来のルミノメータ17Cまたはケミルミノメータ17Cである。さらに好ましくは、このルミノメータは、LOCIリーダ17Cとして構成される。すなわち、このルミノメータは、好ましくは、アナライザ10が発光酸素チャネリング免疫測定法(「LOCI」)を実施できるように構成されている。LOCI評価分析法は、非常に特異的であり、このような在来の免疫測定法に典型的に付随する時間のかかる分離工程の多くを必要とすることなく実施できるので、自動アナライザで行われる多くの在来の免疫測定法よりも意味のある利点を提供する。さらに、LOCIは、信頼性の高い方法であり、アナライザ停止時間を短くできる。先に説明したように、LOCI評価分析には、或る特定の被検物質の存在の下に光増感剤と結びつく化学発光化合物からの発光の測定が必要である。化学発光化合物が一重項酸素によって光化学的に励起されると最適である。一重項酸素は、好ましくは、光増感剤を照射することによって生成される。化学発光化合物の発する光を定量的に測定して被検物質の量を決定できる。したがって、保管領域26に保管される試薬として、光増感剤と、補完的な化学発光化合物とを含むと好ましい。検出ユニット17Cは、好ましくは、検出ユニット17Cおよびサンプルを評価分析にとって有害となる環境光に露出することから保護するようになっている環境室(点線で示す)によって取り囲まれている。さらに、キュベット25および/または一緒に動く回転コンベヤ16は、光に敏感な試薬または反応混合物を取り囲んでいる環境光から保護するように構成してあるとよい。
【0018】
他の検出ユニット17A、17B、17Dも発光を検出するようになっていてもよいが、異なった非発光ベースの分析を実施してアナライザ能力を最適化し、多様化するようになっている方が好ましい。たとえば、検出ユニット17Aは、フォトメータまたは濁度メータを含むとよい。イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.によって製造、販売されるDimension(R)臨床化学アナライザの一部として適切なフォトメータが使用される。検出ユニット17Bがさらに比濁計のような異なったタイプの検出器を含んでいてもよい。さらに、検出ユニット17dがイオン選択性電極のような異なったタイプの検出器を含んでいるのも好ましい。
【0019】
コンピュータ15は、公知のインタフェース・ソフトウェア・アプリケーションを使用して検査室情報システム(LIS)および/または病院情報システム(HIS)と相互連携しており、したがって、検査室作業員が、必要に応じて、患者、患者評価分析リクエスト、評価分析結果、アナライザ状況などに関する情報に直接アクセスすることができる。コンピュータ15は、代表的には、キーボード、モニタまたはフラットパネル・タッチ・ビューイング画面などからなるオペレータ・インタフェース・モジュールを含み、本明細書で説明するようなアナライザ10の作業可能状況についての情報を呼び出し、表示することもできるし、または、アナライザ10内の故障の場合などに自動的に表示できる。
【0020】
温度制御された試薬保管領域26、27、28が図3に示すように複数の細長い多区画試薬容器30を格納しており、これらの試薬容器30は、多数のウェル32内に所与の評価分析を行うのに必要な試薬を収容しており、各ウェルは、3.4ミリリットルほどの所与の試薬を収容している。試薬容器30は、それが新しくて未使用であるかどうか、または、それが既に使用されて、最初にアナライザ上へ置いたときはいつでも汚染されるおそれがあるかどうかをアナライザ10が自動的に決定するのを可能にする特徴を有する。図3Aは、較正溶液バイアル30V内に既知の被検物質濃度の較正溶液を収容している較正バイアル・キャリア30Aを示しており、これらの溶液は、アナライザ10内で周知の較正、品質管理手順を行うのに使用される。較正バイアル・キャリア30Aは、また、アナライザ10の試薬保管領域26、27、28内に在庫管理される。
【0021】
入力レーン34Aおよび出力レーン34Bを有する双方向装入・送出サンプル・チューブ移送システム36が、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,311に開示されているように、検査しようとしている検体液を収容し、サンプル・チューブ・ラック42内に装着された個々の装入サンプル・チューブ40を液体サンプル採取プローブ44のサンプル採取範囲内へ移送する。サンプル・チューブ40に収容された検体液は、その上に取り付けられたバーコード記号を在来のバーコードリーダを用いて読み取ることにより識別され、項目の中でも特に患者の身元、実施されるべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ10内に保持すべきかどうか、その場合にどのくらいの期間保持するのかという諸点を決定する。また、サンプル・チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数の在来のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ40およびサンプル・チューブ・ラック42の位置を確認、制御、追跡することもよく行われている。
【0022】
サンプル採取プローブ44は、移動可能な液体サンプル採取プローブ48を含み、その結果、サンプル採取アーム44の動きが、図4に示すように、サンプル・チューブ移送システム36およびアリコート受け器アレイ移送システム50と交差する円弧を描く。サンプル採取プローブ44は、図4Aに示すように、水平方向駆動部44Hと、垂直方向駆動部44Vと、洗浄モジュール44Wと、ポンプ・モジュール44Pと、以下の表1に記載した主要な機能を有する浄化モジュール44Cとを含む。サンプル採取プローブ44は、サンプル・チューブ40から液体サンプルを吸い込み、必要な評価分析を実施するのに必要なサンプルの量に応じて図5に示すようにアリコート受け器アレイ52に設けた複数の受け器52Vのうち1つまたはそれ以上にアリコート・サンプルを分配し、またアナライザ10によって環境室38内に保持されるべきサンプル・アリコートを与えるように作動可能である。
【0023】
【表1】
【0024】
環境室38は、先の一回目の検査に続いて二回目の検査として同じ患者検体を確実に検査するようにコンピュータ15によって作動させられる。処理効率の理由で、所定期間にわたって環境室38内に保持しているサンプル・アリコートを自動的に再処理するのが時には望ましい。検査しようとしている装入サンプルは、サンプル・チューブ40に設けたバーコード記号によって識別し、サンプル・アリコートを保持すべきか、保持するとしてどのくらいの期間かを決定できる。検査しようとしている患者の検体から採取された第1のサンプル・アリコートに加えて、第2のサンプル・アリコートも同じ患者の検体から採取され、環境室38内に保持される。最初のサンプル・アリコートについての検査が完了し、報告され、医師によって分析された後の或る期間で患者のサンプルを再検査または追加検査を行うことが望ましくなった場合、第2のサンプル・アリコートを環境室38内から迅速に取り出し、アナライザ10で検査することができ、それによって、時間を短縮し、まったく同じ患者検体を検査に供することができる。
【0025】
在来のイオン選択性電子プローブ49によって受け器52Vから吸引し、イオン選択性電子測定ステーション17Dで分配したサンプル・アリコートについてイオン被検物質測定を行うために、図10に示すように、在来のイオン選択性電子プローブ49を備えた在来のイオン選択性電子測定ステーション17Dをアリコート受け器移送システム50の近くに設置すると便利である。
【0026】
アリコート受け器移送システム50は、アリコート受け器アレイ保管・分配モジュール56と、反応回転コンベヤ12に接近して設置したサンプル吸引・分配アーム54の下方にある多数のアリコート受け器アレイ・トラック57内でアリコート容器アレイ52を双方向に平行移動させるようになっている多数のリニア駆動モータ58とを含む。サンプル吸引・分配アーム54は、コンピュータ15により制御され、在来の液体プローブ54Pを使用して、トラック57内のサンプル採取位置に位置した個々の受け器52Vから制御量のサンプルを吸引するようになっている。次いで、液体プローブ54Pが分配位置に動かされ、この位置において、適量の吸引サンプルがキュベット・ポート20にある1つまたはそれ以上のキュベット24に分配され、1つまたはそれ以上の被検物質についてアナライザ10が検査を行う。サンプルが反応キュベット24に分配された後、在来の移送手段が、必要に応じて、アリコート受け器アレイ移送システム50、環境室38、廃棄領域(図示せず)間でアリコート受け器アレイ52を移動させる。
【0027】
多数の試薬吸引・分配アーム60、61、62(各々、少なくとも1つの在来型の液体試薬プローブ60P、61P、62Pを含む)が、それぞれ、独立して装着してあり、それぞれ、試薬保管領域26、27、28間で移動可能となっている。プローブ60P、61P、62Pは、試薬添加位置で適切な試薬容器30のウェル32から指定評価分析を行うのに必要な試薬を吸引できる在来型の機構である。その後、プローブ60P、61P、62Pは、試薬が反応キュベット24に分配される試薬分配位置に動かされる。プローブ60P、61P、62Pは、また、必要に応じて較正溶液バイアル30Vから較正溶液および管理溶液を吸引し、アナライザ10の適切な作業を確実にするのに必要な較正手順および管理手順を実行するのにも使用される。その後、プローブ60P、61P、62Pは、溶液が反応キュベット24に分配され、分析手段17によって分析される較正溶液分配位置に移動させられる。
【0028】
反応キュベット装填ステーション61および反応受け器装填ステーション63が、それぞれ、外側キュベット回転コンベヤ14および内側受け器回転コンベヤ16に接近して設置してあり、たとえば移動可能なロボットアーム65を使用して、後に説明するように反応キュベット24を横向きにキュベット・ポート20に装填し、また、反応受け器25を受け器ポート22に装填するようになっている。操作に当たって、評価分析を最終的に行った使用済みのキュベット24は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,360に開示されるように洗浄ステーション67で洗浄、乾燥させられる。コンピュータ15は、使用済みの反応キュベット24を浄化するように洗浄ステーション67を作動させる。その結果、反応キュベット24において、次に実施されるべき或る「例外的な」評価分析がスケジュールにあるときはいつでも、使用済みの反応キュベット24が自動的に付加的な浄化または清掃作業を受ける。ここで用いる「清掃および浄化」という用語は、洗浄、すすぎ洗い、乾燥を含む。使用済みの反応キュベット24についてのこの選択的な清掃は、図4Bに示すような多数の洗浄・乾燥マニホルド67Mを設けることによって部分的に達成される。洗浄・乾燥マニホルド67は、各々、独立して選択的に起動され、その反応キュベット24で次に実施するようスケジュールに入れた評価分析の内容に応じて清掃作業を実施したり、しなかったりする。さらに、洗浄ステーション67は、キュベット24内の生化学反応からのバイオハザード廃棄残留物をキュベット24内の化学反応からの化学的廃棄残留物から分離し、真空管路67Vによって安全な生化学廃棄物保管部67Bおよび化学廃棄物保管部67Cに安全に廃棄するようにコンピュータ15によって作動させられる。
【0029】
本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/318,804に開示されているような理由のために他の指示がない限り、以降の評価分析が清掃された使用済みのキュベット24で行われる。コンピュータ15は、使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるようにスケジュールに入れられた評価分析が清掃された使用済みの反応キュベット24で先に実施された評価分析から残っている任意の汚染物質によって悪影響を受けるかもしれないときにはいつでも清掃された使用済みの反応キュベット24を再使用しないことを決定するようにプログラムされる。さらに、コンピュータ15は、清掃された使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるように或る評価分析がスケジュールに入っているときにはいつでも、清掃された使用済みの反応キュベット24を自動的に取り出し、廃棄して、新しい未使用の反応キュベット24と交換するようにアナライザ10を作動させてもよい。コンピュータ15は、場合により、清掃された使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるべき評価分析がスケジュールに入っており、同じ評価分析を以前に清掃された使用済みの反応キュベット24で実施しており、評価分析結果が通常の検査範囲から外れているときにはいつでも、清掃された使用済みの反応キュベット24を自動的に取り出し、廃棄して、新しい未使用の反応キュベット24と交換するようにアナライザ10を制御してもよい。キュベット取り出しステーション59が、再び装填ステーション61、63に示すような移動可能なロボットアーム65を使用してキュベット・ポート20から使用不可の反応キュベット24を取り出すようになっている。
【0030】
評価分析需要で使い尽くされたときに評価分析試薬および較正溶液を再供給するために、アナライザ10は、図6に示す単一の双方向リニア容器シャトル72を含み、この容器シャトル72は、その下方の装填位置に容器30およびキャリア30Aを自動的に位置決めするモータ駆動式レーキ73を有する容器装填トレイ29から試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを取り出すようになっている。シャトル72は、さらに、試薬保管領域27または28内の少なくとも1つのスロット付き試薬容器トレイ27Tまたは28Tのスロットに試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aをそれぞれ配置するようにもなっている。同様にして、シャトル72は、さらにまた、試薬容器トレイ27T、28Tから試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aを取り出し、試薬保管領域26内の2つの同心の試薬用回転コンベヤ26A、26Bのいずれかにこれらの試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aを配置するようになっている。シャトル72は、また、2つの同心の試薬用回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを移動させるようにもなっている。
【0031】
双頭円弧状矢印で示すように、試薬用回転コンベヤ26Aは、左右両方向に回転してそこに配置された試薬容器30のうちの任意特定のものを試薬吸引アーム60下方に置くことができる。試薬用回転コンベヤ26Bは、試薬吸引アーム60、62によってアクセスできる試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを収容してもよいが、過剰な在庫の試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aだけを格納するようになっていると好ましい。試薬容器トレイ27T、28T内に配置された試薬容器30のうち任意のものを、試薬保管領域27、28のそれぞれにある試薬容器シャトル27S、28Sによって試薬容器シャトル72下方にある装填位置または吸引・分配アーム61、62下方の試薬吸引位置に位置させることができる。試薬吸引アーム60、62は点線で示してあって、回転コンベヤ26Bに格納された試薬容器30、試薬容器トレイ27T、28Tそれぞれの表面上方に位置していることを表している。
【0032】
外側キュベット回転コンベヤ14に支持された反応キュベット24も点線で示してあるが、これは試薬容器30の表面よりも上方に位置していることを同様に表している。図6は、また、第1の試薬容器移送装置75によって試薬操作回転コンベヤ26Bに接続した試薬調製ステーション74も示している。試薬調製ステーション74は、必要に応じて化学物質添加、再混合、乾燥試薬粉末水和などのような多数の試薬調製作業を実施する。さらに、モータ駆動式ベルト・シャトル78が、第2の試薬容器移送装置77によって試薬操作回転コンベヤ26Bに接続してあり、それによって同様の装備のアナライザ間での試薬容器30の交換を可能にしている。図6に示すような容器シャトル・システムは、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,310に記載されている。
【0033】
図7に示す容器シャトルは、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,311に開示されている自動テンショナ72Tによって、モータ72M
で駆動される駆動ベルト72Bの未知の長さ変化を自動的に補正するようになっており、また、駆動方向の急な変化にもかかわらず駆動ベルト72Bを一定張力に維持するようになっている。その結果、クランプ72Cによってそれに取り付けた試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを、双頭矢印によって示すように、駆動ベルト72Bの方向に沿って正確に位置決めし、駆動ベルト72Bが摩滅したときに試薬容器シャトル72下方または保管領域26、27または28内の意図した位置に配置できる。試薬容器シャトル27S、28Sは、設計が互いに類似しており、図8に示すように、駆動ベルト28Bの一方の脚部に固定してあって、双頭矢印で示すように駆動ベルト28Bの方向に沿って前後に自由に駆動される試薬容器トレイ28Tを含む。したがって、トレイ28Tのスロット内にある試薬カートリッジ30を試薬容器シャトル72下方にあるピックアップ位置に自動的に位置決めすることができる。
【0034】
アナライザ10についての先の説明から当業者にとって明らかなように、コンピュータ15の制御下でのアナライザ10の能力には、容器装填トレイ29、試薬容器トレイ27T、28T、試薬用回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを自動的に移動させるという能力がある。シャトル27S、28Sの手段によって、アナライザ10は、さらに、試薬容器トレイ27T、28T内の試薬容器30および較正バイアル容器をプローブ61P、62Pによる適切な吸引位置へ(または、シャトル72下方の装填位置へ)それぞれ移動させることができ、その結果試薬用回転コンベヤ26A、26Bの能力と組み合わせて、任意の試薬コンテナ30または較正バイアル・キャリア30Aを試薬吸引アーム60P、61P、62Pの下に置くことができる。アナライザ10は、したがって、多数の異なった試薬および較正溶液を異なった吸引位置に位置決めするという融通性を持った自動ランダム・アクセス試薬・較正溶液補給システムを含む。
【0035】
アナライザ10内で最適な評価分析処理量を維持する際における鍵となる要因は、内部の試薬が使い尽くされるようになる前に試薬保管領域26、27、28内に試薬容器30を適切な時機に補給する能力である。同様に、バイアル・キャリア30A内の溶液が使い尽くされるようになる前にこのバイアル・キャリア30A内の較正・品質管理溶液を適切な時機に補給する能力も重要である。この場合、較正と較正間の時間または直前の較正から行った評価分析の数または正常範囲から外れている評価分析結果の数またはアナライザの性能の変化に基づくかどうか、必要に応じて、較正、管理手順を行うことができる。使い尽くされる前に較正手順および管理手順で使用される付加的な必要のある較正溶液および品質管理溶液(便宜上本明細書では標準化学溶液と呼ぶ)を適切な時機にアナライザ10に与え、中断せずにアナライザ10の評価分析処理量を維持することによって、この課題に対応することができる。
【0036】
評価分析処理量の継続性を維持するために、コンピュータ15は、時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器30毎の消費されたすべての試薬の消費日および特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび較正基準当りの各バイアル・キャリア30A毎の消費された評価分析化学溶液の量を追跡するようにプログラムする。本発明の譲受人に譲渡された審査継続中の米国特許出願番号10/662,435に開示されているように、コンピュータ15は、特に定めた時間周期について在庫品需要分析を行うようにプログラムされ、特に定めた時間周期について将来の評価分析在庫品需要を決定し、試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aが実際に必要となる前の適切な時機に将来必要となる試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aすべてのリストを図9に示すような表示ビューイング画面15Sでオペレータに表示する。
【0037】
コンピュータ15によって行われる分析の非常に簡略化した説明が表1に示してある。そこにおいては、前4回の火曜日での、それぞれ1255、1140、1050である総CO2量、クレアチニン、BUNについての最新履歴火曜日特定評価分析需要を使って、平均評価分析需要を月曜日に行っている。総CO2量、クレアチニンおよびBUBの評価分析を実施するのに必要な試薬を収容している異なった試薬容器30の1つ毎において行うことができる評価分析の回数を考慮し、そして、先に示した異なった試薬容器30のオンボード在庫管理を考慮することで、総CO2量についての1つの付加的な試薬容器30が火曜日について必要とされ、そして、クレアチニンおよびBUNについての2つの付加的な試薬容器30が火曜日について必要とされることは明らかである。この情報は、表示ビューイング画面15Sに表示される。その結果、必要な異なった試薬容器30を、必要に応じて、図6に示すような容器移送システムによってアナライザのトレイ29に適切な時機に供給し、アナライザ10を通じて往復動させ、アナライザ10内に継続した処理量を維持できる。
【0038】
【表2】
【0039】
この技術分野において知られているように、アナライザ10のようなアナライザは、表1の3つの評価分析に限らない。それどころか、代表的には、アナライザ10の保管領域26、27、28において、常にオンボードの状態でこれらの「オンボード評価分析」の約50%を実施するのに必要な試薬で180〜200回もの多くの異なった評価分析を実施するようになっている。アナライザ10の或る実施形態例では、評価分析処理量を向上させるために、すべての「オンボード評価分析」を実施するのに必要な試薬を収容している試薬容器30は、保管領域26に保持されることになると共に、それほど要求されることのないすべての「オンボード評価分析」を実施するのに必要な試薬を収容している試薬容器30は保管領域27、28に振り分けてもよい。このようにして作動させられるときに、保管領域26に保持された試薬容器30を使用して毎時約250〜500回の評価分析をコンピュータ15によってスケジュールに組み、一方、保管領域27、28の各々に保持されている試薬容器30を使用して毎時約500回の評価分析をコンピュータ15によってスケジュールに組んでもよい。その結果、コンピュータ15は、毎時1,250〜1,500回の評価分析をスケジュールに組むことになる。これらの評価分析処理量値は、アリコート受け器ウェル52Vで毎時約125の異なったサンプルについてイオン選択性電子測定ステーション47によって付加的に行われるナトリウム、カリウム、塩化物についての約375回のイオン被検物質測定を含まない。
【0040】
直ぐ前に説明したような処理量値は、コンピュータ15によるアナライザ10の動作中、異なった評価分析を実施しようとしている異なった装入サンプル40が、本発明の譲受人に譲渡され審査継続中の米国特許出願番号10/151,424(DCS-9128)に開示されているように、反応回転コンベヤ14で完了するのに評価分析について必要な時間長に従って多数の個別の評価分析グループに仕分けられるために達成できる。時間による評価分析の妥当な仕分けを慎重に設計された停止時間、反応受け器24の数および評価分析デバイス13の位置と共に採用することで、第1の中間時間長分析および第2の短時間長分析をたった1回の作動サイクルよりも短い時間で完了することが可能になる。それによって、分析してしまった反応混合物が非生産的な不活動期間について反応回転コンベヤ上に残留する可能性のある在来のアナライザと比較して、アナライザ10の体積処理量を高めることができる。特に、反応回転コンベヤ14の1回の完全作業サイクル中、多数の反応受け器24内で中間時間長分析がまず完了し、各中間時間長分析が完了する毎に、これらの反応受け器24が反応回転コンベヤ14から取り出され、新しいか清掃済みの反応受け器24と交換され、この反応受け器でより短い時間長の評価分析が完了する。長時間長分析は、完全作業サイクル中、反応回転コンベヤ14上に残る。
【0041】
コンピュータ15によって制御されるなどしてアナライザ10内で行われる多数の作業についての上記説明から明らかなように、解決されるべき複雑な問題は、所与の状況に関連する情報を、図9に示すような表示ビューイング画面15Sで「ユーザーフレンドリーな」方法によってどのように臨床検査室オペレータまたはアナライザ技術者に表示するかにある。
【0042】
表示モジュールの表示ビューイング画面15Sは、ビューイング画面15Sの重要な部分、好ましくは、大部分がアナライザ10の通常の作業で使用される通常の作業情報を表示するように区分化される。代表的には、ビューイング画面15Sの少なくとも90%がアナライザ10の通常作業で使用される通常作業情報を表示する。通常作業情報には、たとえば、サンプル注文を入力すること、分析されているサンプルの状況をチェックすること、サンプル結果を読み取ること、翌日にトレイ29に装填する必要のある試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aのリストを読み出すことなどについての情報がある。それと対照的に、ビューイング画面15Sの10%未満の部分は、アナライザ10の作業に関する詳細情報審査で使用される非通常作業情報または高度な作業情報を表示する。高度な作業情報としては、たとえば、アナライザ10が実施するように備えた異なった評価分析の各々を現在実施するのに試薬容器30ロットを使用していること、各試薬ロットの有効期限、各試薬ロットの較正状況、新しい較正と先の較正との間の較正係数の相対比較、現存する較正許容基準は何かなどについての情報がある。
【0043】
図9は、表示ビューイング画面15Sの具体例である。ここでは、通常作業情報は、画面15Sの、9Rで示す下方90%を超えて占有しており、この情報は、画面15Sの底にあるタブ列9B、9Cおよび後退/前進ボタン9Dのみを使用して容易にアクセスすることができる。図9は、普通の使用者が扱うことができないほどの複雑さにつまずくことがないようにオペレータ特定基準で画面15Sを構成するのにコンピュータ15がどのようにプログラムされるかを示している。この構築は、文書化プログラムおよび訓練プログラムとの関連を有し、また、オペレータが訓練を受けて、広範囲にわたる全体的な作業知識を得る必要なしに、アナライザ10の継続的な処理量を維持するのに必要な本質的な機能を果たすのをかなり容易に行えるようにする。それと対照的に、旧システムは、「機能毎に」構築されていた。その場合、たとえば、較正の複雑なものすべてが同じ画面スペースに表示される。通常のオペレータは、高い能力がある、訓練を受けたオペレータにとって利用できる機能と同じ機能に直面するが、これらの問題に対処する訓練を受けていない。コンピュータ15によって使用される通常画面では、通常のオペレータは、アナライザ10の処理量を維持することについての複雑で非日常的な作業側面に気づくことすら必要ない。問題が生じた場合には、警告が表示されるので、通常のオペレータは、問題を解決しようとすることを必要とするところに注目し、それを達成するツールを手で閉じる。通常画面は、単純な情報を表示しており、間違ったボタンを押すことによって保管部の在庫管理を破壊するなどのエラーを行うことは、あり得ないとは言えないまでも非常に難しい。臨床化学システムの非通常面のすべてについて知識のある高度の訓練を受けた、権限のある技術者が利用できるアドバンスド・モード・インタフェースがある。
【0044】
アナライザ10の上記説明からわかるように、コンピュータ15は、特に以下の項目を制御するようにプログラムされる。
・分析モジュール17A、17B、17C、17D。
・試薬容器30が新しくて未使用であるかどうかの決定。
・必要に応じて周知の較正、品質管理手順を行うこと。
・装入・送出用サンプル・チューブ移送システム36。
・患者の識別、実施すべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ10内に保持すべきかどうか。
・サンプル・チューブ40、サンプル・チューブ・ラック42およびアリコート受け器アレイ52の位置を制御、追跡すること。
・サンプル採取プローブ44の動作。
・環境室38内のサンプル・アリコートの在庫管理およびアクセシビリティ。
・イオン選択性電子プローブ49およびイオン選択性電子測定ステーション17D。
・アリコート受け器移送システム50。
・液体試薬プローブ60P、61P、62Pを含む試薬吸引・分配アーム60、61、62。
・反応キュベット装填ステーション61および反応受け器装填ステーション63。
・洗浄ステーション67。
・リニア容器シャトル72、試薬用回転コンベヤ26A、26B、シャトル27S、28S、試薬容器トレイ27T、28T。
・時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器30毎の消費されたすべての試薬の消費日、および、特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび較正基準当りの各バイアル容毎の消費された評価分析化学溶液の量の追跡。
・毎時1,250〜1,500の評価分析のスケジュール組み込み。
【0045】
上記の能力は、フォトメータ・アナライザまたは濁度メータ・アナライザ17Aおよび/または図11に示すような比濁メータ・アナライザ17Bおよび図12に示すような在来のルミノメータ・アナライザまたはケミルミノメータ・アナライザ17Cおよび図17Dに示すようなイオン選択性電極測定ステーション17Dを有するアナライザ10の作業を可能にする。それによって、より高い感度ならびにより迅速な処理速度を有するただ1つの分析システムで種々の診断評価分析を実施できる。
【0046】
当業者であれば明らかなように、発明の範囲から逸脱することなく検出ユニット17A、17B、17C、17Dのために他の在来の検出器を選んでもよいし、検出ユニット17A、17B、17C、17Dの相対的な位置決めを変えてもよい。図示した実施形態において、イオン選択性電極として利用される検出ユニット17Dをプローブ49によってサンプル採取するアリコート受け器アレイ52の近くに設置している。しかしながら、別の実施態様では、検出ユニット17Dをアナライザ上の他の位置に設置できる。
【0047】
本発明が広範囲にわたる利用、応用の余地があることは当業者であれば容易に理解するべきである。本明細書に開示したもの以外の本発明の多くの実施形態および適用ならびに多くの変更、修飾および均等な配置が、本発明の本質または範囲から逸脱することなく本発明およびその前記の説明から明らかであるか、または、合理的に示唆されている。
【0048】
したがって、本発明を特定の実施形態に関して詳しく本明細書に説明してきたが、この開示が本発明の例示に過ぎず、単に本発明の完全な可能にする開示を行うためのためにのみなされたものであることは了解されたい。前述の開示は、本発明を限定することを意図しておらず、また、そう解釈されるべきものではなく、またはその反対で、任意のそのような他の実施形態、変更、修飾、均等配置を排除することを意図したり、そう解釈したりするべきものではなく、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を説明する自動アナライザの概略平面図である。
【図2】図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
【図3】図1のアナライザで役に立つ試薬容器の斜視図である。
【図3A】図1のアナライザで役に立つ較正溶液バイアル容器の斜視図である。
【図4】図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
【図4A】図1のアナライザで役に立つサンプル採取プローブである。
【図4B】図1のアナライザで役に立つ洗浄ステーションである。
【図5】図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイである。
【図6】図1のアナライザで役に立つ容器移送システムの概略平面図である。
【図7】図1のアナライザで役に立つ容器シャトルの斜視図である。
【図8】図1のアナライザで役に立つ容器トレイ・シャトルの斜視図である。
【図9】本発明で役に立つビューイング画面である。
【図10】本発明で役に立つイオン選択性電極測定デバイスの斜視図である。
【図11】本発明で役に立つ光度測定デバイスの斜視図である。
【図12】本発明で役に立つLOCI測定デバイスの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月18日に出願された米国特許出願番号第60/488,336号の優先権を主張している。
【0002】
本発明は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などのような患者の生物学的流体サンプルを自動的に処理する装置に関する。特に、本発明は、数多くの評価分析プロトコルのうちの1つまたはそれ以上に従ってサンプルの分析を行うことのできる複数の検出器を有する自動システムを提供する。
【背景技術】
【0003】
患者の感染部、体液または膿瘍部のサンプルの分析測定によって患者の診断および治療に関連した種々タイプの検査を実施できる。これらの評価分析には、代表的には、患者サンプルを収容しているバイアルを載せた自動アナライザを必要とする。アナライザは、サンプルをバイアルから抽出し、サンプルを特殊な反応キュベットまたはチューブ内で種々の試薬と混合する。しばしば、サンプルは、分析の前にインキュベートまたは他の処理を受ける。サンプル・試薬組み合わせと相互作用する検査用放射線ビームを使用して、たとえば濁度読み取り、蛍光読み取り、吸収読み取りなどの分析測定がしばしば実施される。これらの測定でエンドポイント値またはレイト値を確定し、この値から周知の較正技術を使用して被検物質の量を決定できる。
【0004】
サンプルの化学的、免疫化学的、生物学的な検査のためには種々の公知の臨床アナライザが利用できるが、分析臨床技術は、今、分析レベルの向上を迫られている。分析感度の向上は継続的な課題である。さらに、報告可能結果当たりのコストを減らすよう臨床検査室への圧力が高まっていることにより、自動臨床アナライザの総コストパフォーマンスの向上が絶えず必要である。しばしば、分析しようとしているサンプルを多数のサンプル・アリコートに分割し、異なったアナライザを使用していくつかの異なった分析技術によって処理しなければならないことがある。評価分析処理量および評価分析速度を向上させるという観点ならびに患者サンプルを評価する際の検査室の能率を高めるべく高度な分析オプションの数を増大させるという観点から、サンプル分析は絶えずもっと効率的となる必要がある。特に、サンプルについての最初の一続きの評価分析の結果は、しばしば、必然的に、診断を完了または確認するために次の一続きの異なった評価分析を行うこと(還流またはアドオン検査と呼ばれる)を左右する。このような例では、二回目の一続きの評価分析は、しばしば、一回目の一続きの評価分析よりも高度な分析技術で実施される。そのとき、サンプルは異なった分析検査室間を行ったり来たりしなければならない。この場合、効率が低下するのに加えて、余分なサンプル取り扱いでエラーの可能性が高まる。
【0005】
自動臨床アナライザは、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.から販売されているDimension(R)臨床化学アナライザで使用され、コンピュータ・ベースの電気機械管理プログラミングの分野で当業者によって広く使われているような機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15により実行されるソフトウェアによって制御される。このようなコンピュータは、アナライザによって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムを実行するが、とりわけ以下の項目を制御、追跡するようにプログラムすることも必要である。
【0006】
・血液、血清、尿などのような異なったサンプルについて100種を超える異なった評価分析を実施するための種々の分析デバイス。
・前の結果から必要となったときのサンプルの再検査およびアドオン検査。
・患者の識別、実施すべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ内に保持すべきかどうか。
・較正・品質管理手順。
・装入・送出用サンプル・チューブ移送システム。
・環境室内でのサンプル・アリコートの在庫管理およびアクセシビリティ。
・再使用可能なキュベットの洗浄および清掃。
・時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器毎の消費されたすべての試薬の消費日、および特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび、較正基準当りの各バイアル容器毎の消費された評価分析化学溶液の量。
・1時間当たり少なくとも1000回の評価分析をスケジュールに組むこと。
【0007】
臨床アナライザ内で行われる複雑な多数の作業についての上記説明から明らかなように、「ユーザーフレンドリーな」方法で比較的多数の異なった評価分析フォーマットを用いて分析検査を実施するように一台のアナライザの能力を向上させるということは、アナライザが、たとえば、たった2つの異なった評価分析フォーマットを行うときに遭遇する課題よりもかなり大きな課題を突きつける。しかしながら、臨床診断分野では、広い範囲の異なった被検物質に適応できるか、または、他の方法が適応しにくいことがある特殊な場合に使用できる新しくて正確な分析技術についての要望が絶えずある。液体内の低濃度の物質の存在を検出できる便利で信頼性が高く、危険がない手段が望まれている。臨床化学においては、これらの物質は、10-12モルより低い濃度で体液内に存在する可能性がある。これらの物質の低い濃度を検出することの困難さは、利用し得るサンプル・サイズが比較小さい場合に高まる。評価分析を開発するときには多くの考えなければならないことがある。1つの考えなければならないことは、被検物質の濃度変化に対する信号応答性である。第2の考えなければならないことは、評価分析用のプロトコルを実施する容易さである。第3の考えなければならないことは、サンプル毎の干渉変動である。試薬の調製および精製の容易さ、設備利用可能性、自動化の容易さおよび重要な物質との相互作用は、有用な評価分析を開発する際の付加的に考えなければならないことである。
【0008】
蛍光化合物および化学発光化合物のような発光化合物は、光を発するという能力のために評価分析分野では広く使用されている。この理由のために、発光化合物は、核酸評価分析、免疫評価分析のような評価分析でラベルとして利用されてきた。たとえば、或る特定の結合ペアのうちの1つのメンバを発光化合物に接合し、種々のプロトコルを使用する。発光化合物結合体は、被検物質を含んでいると思われるサンプル内の被検物質の量に関して固体相、液体相に分割できる。固体相、液体相のいずれかの発光を測定することによって、観察された発光レベルをサンプル内の被検物質の濃度に関連させることができる。
【0009】
ラテックス・ビーズやリポソームのような粒子も評価分析で利用されてきた。たとえば、ホモジニアス評価分析では、抗体または抗原でラベル付けしたリポソームの水性相に酵素を封入することができる。リポソームは、サンプルおよび補体の存在下で酵素を放出する。脂質の脂質二重層に溶解した水性相ベシクルまたは脂質可溶性染料内に封じ込めた水溶性蛍光性染料または水溶性非蛍光性染料を有する、抗体または抗原でラベルを付けたリポソームは、表面結合した抗体または抗原との免疫化学的反応を開始することができる被検物質の評価分析にも利用されてきた。染料をリポソームの水性相から解放するのに洗剤が使用されてきた。化学発光ラベルはリガンド結合評価分析に優れた感度を与えるが、通常、1つまたはそれ以上の化学活性化工程が必要となる。蛍光ラベルは、この欠陥を持っていないが、感度が低い。
【0010】
米国特許第5,340,716号および同第5,709,994号が、活性化時に一重項酸素を発生することのできる光増感剤を有する粒子と関連した第1の特異結合ペア・メンバと、光増感剤の活性化時に一重項酸素が発生し、化学発光化合物を活性化するように一重項酸素によって活性化されることができる化学発光化合物とを使用して発光酸素チャネルド免疫測定法(LOCI)として知られる高感度評価分析フォーマットで被検物質を確定する方法であって、第1の特異結合ペア・メンバが、被検物質または第2の特異結合ペア・メンバに結合して被検物質の存在に相関する複合体を形成することができ、光増感剤が活性化され、化学発光化合物で発生した発光量が検出され、サンプル内の被検物質の量に関連づけられる方法を開示している。
【0011】
米国特許第5,807,675が、励起状態で一重項酸素を生成できる光増感剤を使用して、蛍光酸素チャネルド免疫測定法(FOCI)として知られる感度の鈍い評価分析フォーマットで被検物質を測定する方法を開示している。この方法では、一重項酸素との反応の際に光活性インジケータを形成できる光活性インジケータ前駆物質と組み合わせて光増感剤を第1の特異結合ペア・メンバと結びつけ、光活性インジケータ前駆物質を第2の特異結合ペア・メンバと結びつける。この組み合わせに光を照射して光増感剤を励起し、最終工程で、蛍光を測定してサンプル内の被検物質の量と関連づける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
結合、未結合ラベルを分離する必要のないホモジニアス免疫測定法を小分子について先に説明してきた。これらの評価分析法としては、とりわけSYVAのFRAT評価分析法、EMIT(R)評価分析法、酵素チャネリング免疫測定法および蛍光エネルギ移動免疫測定法(FETI)、酵素阻害剤免疫測定法(Hoffman LaRoche および Abbott Laboratdries)、蛍光偏光免疫測定法(Dandlicker)などがある。これらの方法のすべては、感度に限界があり、FETIおよび酵素チャネリングを含むほんの少数の方法しか大きなマルチエピトーピック(multiepitopic)被検物質に適していない。分離工程を必要とするヘテロジニアス免疫測定法が、一般的に、小分子、大分子の両方について有用である。酵素(ELISA)、蛍光ラベル(FIA)、放射能ラベル(RIA)、化学発光ラベル(CLA)などを含めて種々のラベルが使用されてきた。このようなホモジニアスおよびヘテロジニアス免疫測定法を使用する臨床アナライザが市販されているが、一般的に非常に複雑である。たとえば、米国特許第6,074,615号、同第5,717,148号、同第5,985,672号、同第5,635,364号を参照されたい。これらの米国特許を検討すると明らかになるように、自動免疫測定システムを有する臨床アナライザの能力を、感度の良い発光酸素チャネルド免疫測定法を実施するために付加的な自動化能力で高めようとするとき、多くの課題が生まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のアナライザでは、種々の診断評価分析をただ1つのシステムで実施することができ、感度が高くなり、処理速度が速くなる。本発明の一態様によれば、自動アナライザは、複数のキュベットを含み、各キュベットは、サンプルと1つまたはそれ以上の試薬を含む反応混合物を収容するようになっている。このアナライザは、また、1つまたはそれ以上のキュベット内の反応混合物の発光を検出するようになっているLOCIリーダを含む。1つまたはそれ以上の他の検出器を含んでいてもよく、その場合、1つまたはそれ以上のキュベット内または液体フロースルセル内の反応混合物について他の分析を実施するようになっている。キュベット移送機構がキュベットを検出器まで移動させるようになっている。アナライザは、また、検出器およびキュベット移送機構を制御するようになっている制御機構を含む。本発明のさらなる態様は、詳細な説明に続く特許請求の範囲に基づいて明らかとなろう。
【0014】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行った以下の詳細な説明からより完全に理解して貰えよう。
図1は、本発明を説明する自動アナライザの概略平面図である。
図2は、図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
図3は、図1のアナライザで役に立つ試薬容器(container)の斜視図である。
図3Aは、図1のアナライザで役に立つ較正溶液バイアル容器の斜視図である。
図4は、図1のアナライザで役に立つアリコート受け器(vessel)アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
図4Aは、図1のアナライザで役に立つサンプル採取プローブである。
図4Bは、図1のアナライザで役に立つ洗浄ステーションである。
図5は、図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイである。
図6は、図1のアナライザで役に立つ容器移送システムの概略平面図である。
図7は、図1のアナライザで役に立つ容器シャトルの斜視図である。
図8は、図1のアナライザで役に立つ容器トレイ・シャトルの斜視図である。
図9は、本発明で役に立つビューイング画面である、
図10は、本発明で役に立つイオン選択性電極測定デバイスの斜視図である。
図11は、本発明で役に立つ光度測定デバイスの斜視図である。
図12は、本発明で役に立つLOCI測定デバイスの斜視図である。
【0015】
図1は、図2と共に、キュベット・ポート20を形成した外側キュベット回転コンベヤ14と受け器ポート22を形成した内側キュベット回転コンベヤ16とを支持している反応回転コンベヤ12を含む自動化学アナライザ10の諸要素を概略的に示している。外側キュベット回転コンベヤ14と内側キュベット回転コンベヤ16は開放溝18によって分離されている。キュベット・ポート20は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号09/949,132に開示されているような複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。反応キュベットは、在来の臨床評価分析および免疫測定評価分析のための種々の試薬およびサンプル液を収容している。一方、容器ポート22は、超高感度発光免疫測定専用の試薬を収容している複数の反応容器25を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、一定方向に段階的に移動するように回転可能であり、この段階的移動は一定の停止時間によって分けてあり、この停止時間中、回転コンベヤ12は静止状態に保たれ、センサ、試薬添加ステーション、混合ステーションなどのようなコンピュータ制御される評価分析操作装置13が、必要に応じて、キュベット24および反応容器25内に収容されている評価分析混合物に作用する。
【0016】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.の販売しているDimension(R)臨床化学アナライザで使用されており、コンピュータ・ベースの電気機械制御プログラミングの分野で当業者によって広く使用されているような機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15により実行されるソフトウェアによって制御される。コンピュータ15は、アナライザ10内の種々の分析手段によって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムも実行する。本発明によるアナライザ10は、多数の検出ユニット17A、17B、17C、17Dを含み、各検出ユニットは、1つまたはそれ以上の検出器を含む。好ましい実施形態においては、各検出ユニット17A、17B、17C、17Dは、異なった測定を実施し、続いて他の検出ユニットが種々の分析プロトコルを行うようになっている。検出器の多様性により、多種の検査を同じシステムで行うことができ、それによって、或る特定の被検物質について最も適切である評価分析(たとえば、この被検物質にとってきわめて特異的な評価分析)によってこの被検物質を測定できるという可能性を高めることができ、妥当な期間内に達成され、コスト効率も良い。サンプルおよび反応混合物は、それぞれの回転コンベヤ14、16内にある間にキュベット24、25において、分析してもよいし、または、在来のキュベット移送機(図示せず)によって検出ユニット17A、17B、17C、17Dに移動させてもよい。
【0017】
図1に示す実施形態においては、アナライザ10は、図12に例示する検出ユニット17Cを含む。この検出ユニットは、反応容器25の1つにある反応混合物の発光を検出するようになっている検出器を含む。好ましくは、この検出器は、在来のルミノメータ17Cまたはケミルミノメータ17Cである。さらに好ましくは、このルミノメータは、LOCIリーダ17Cとして構成される。すなわち、このルミノメータは、好ましくは、アナライザ10が発光酸素チャネリング免疫測定法(「LOCI」)を実施できるように構成されている。LOCI評価分析法は、非常に特異的であり、このような在来の免疫測定法に典型的に付随する時間のかかる分離工程の多くを必要とすることなく実施できるので、自動アナライザで行われる多くの在来の免疫測定法よりも意味のある利点を提供する。さらに、LOCIは、信頼性の高い方法であり、アナライザ停止時間を短くできる。先に説明したように、LOCI評価分析には、或る特定の被検物質の存在の下に光増感剤と結びつく化学発光化合物からの発光の測定が必要である。化学発光化合物が一重項酸素によって光化学的に励起されると最適である。一重項酸素は、好ましくは、光増感剤を照射することによって生成される。化学発光化合物の発する光を定量的に測定して被検物質の量を決定できる。したがって、保管領域26に保管される試薬として、光増感剤と、補完的な化学発光化合物とを含むと好ましい。検出ユニット17Cは、好ましくは、検出ユニット17Cおよびサンプルを評価分析にとって有害となる環境光に露出することから保護するようになっている環境室(点線で示す)によって取り囲まれている。さらに、キュベット25および/または一緒に動く回転コンベヤ16は、光に敏感な試薬または反応混合物を取り囲んでいる環境光から保護するように構成してあるとよい。
【0018】
他の検出ユニット17A、17B、17Dも発光を検出するようになっていてもよいが、異なった非発光ベースの分析を実施してアナライザ能力を最適化し、多様化するようになっている方が好ましい。たとえば、検出ユニット17Aは、フォトメータまたは濁度メータを含むとよい。イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.によって製造、販売されるDimension(R)臨床化学アナライザの一部として適切なフォトメータが使用される。検出ユニット17Bがさらに比濁計のような異なったタイプの検出器を含んでいてもよい。さらに、検出ユニット17dがイオン選択性電極のような異なったタイプの検出器を含んでいるのも好ましい。
【0019】
コンピュータ15は、公知のインタフェース・ソフトウェア・アプリケーションを使用して検査室情報システム(LIS)および/または病院情報システム(HIS)と相互連携しており、したがって、検査室作業員が、必要に応じて、患者、患者評価分析リクエスト、評価分析結果、アナライザ状況などに関する情報に直接アクセスすることができる。コンピュータ15は、代表的には、キーボード、モニタまたはフラットパネル・タッチ・ビューイング画面などからなるオペレータ・インタフェース・モジュールを含み、本明細書で説明するようなアナライザ10の作業可能状況についての情報を呼び出し、表示することもできるし、または、アナライザ10内の故障の場合などに自動的に表示できる。
【0020】
温度制御された試薬保管領域26、27、28が図3に示すように複数の細長い多区画試薬容器30を格納しており、これらの試薬容器30は、多数のウェル32内に所与の評価分析を行うのに必要な試薬を収容しており、各ウェルは、3.4ミリリットルほどの所与の試薬を収容している。試薬容器30は、それが新しくて未使用であるかどうか、または、それが既に使用されて、最初にアナライザ上へ置いたときはいつでも汚染されるおそれがあるかどうかをアナライザ10が自動的に決定するのを可能にする特徴を有する。図3Aは、較正溶液バイアル30V内に既知の被検物質濃度の較正溶液を収容している較正バイアル・キャリア30Aを示しており、これらの溶液は、アナライザ10内で周知の較正、品質管理手順を行うのに使用される。較正バイアル・キャリア30Aは、また、アナライザ10の試薬保管領域26、27、28内に在庫管理される。
【0021】
入力レーン34Aおよび出力レーン34Bを有する双方向装入・送出サンプル・チューブ移送システム36が、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,311に開示されているように、検査しようとしている検体液を収容し、サンプル・チューブ・ラック42内に装着された個々の装入サンプル・チューブ40を液体サンプル採取プローブ44のサンプル採取範囲内へ移送する。サンプル・チューブ40に収容された検体液は、その上に取り付けられたバーコード記号を在来のバーコードリーダを用いて読み取ることにより識別され、項目の中でも特に患者の身元、実施されるべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ10内に保持すべきかどうか、その場合にどのくらいの期間保持するのかという諸点を決定する。また、サンプル・チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数の在来のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ40およびサンプル・チューブ・ラック42の位置を確認、制御、追跡することもよく行われている。
【0022】
サンプル採取プローブ44は、移動可能な液体サンプル採取プローブ48を含み、その結果、サンプル採取アーム44の動きが、図4に示すように、サンプル・チューブ移送システム36およびアリコート受け器アレイ移送システム50と交差する円弧を描く。サンプル採取プローブ44は、図4Aに示すように、水平方向駆動部44Hと、垂直方向駆動部44Vと、洗浄モジュール44Wと、ポンプ・モジュール44Pと、以下の表1に記載した主要な機能を有する浄化モジュール44Cとを含む。サンプル採取プローブ44は、サンプル・チューブ40から液体サンプルを吸い込み、必要な評価分析を実施するのに必要なサンプルの量に応じて図5に示すようにアリコート受け器アレイ52に設けた複数の受け器52Vのうち1つまたはそれ以上にアリコート・サンプルを分配し、またアナライザ10によって環境室38内に保持されるべきサンプル・アリコートを与えるように作動可能である。
【0023】
【表1】
【0024】
環境室38は、先の一回目の検査に続いて二回目の検査として同じ患者検体を確実に検査するようにコンピュータ15によって作動させられる。処理効率の理由で、所定期間にわたって環境室38内に保持しているサンプル・アリコートを自動的に再処理するのが時には望ましい。検査しようとしている装入サンプルは、サンプル・チューブ40に設けたバーコード記号によって識別し、サンプル・アリコートを保持すべきか、保持するとしてどのくらいの期間かを決定できる。検査しようとしている患者の検体から採取された第1のサンプル・アリコートに加えて、第2のサンプル・アリコートも同じ患者の検体から採取され、環境室38内に保持される。最初のサンプル・アリコートについての検査が完了し、報告され、医師によって分析された後の或る期間で患者のサンプルを再検査または追加検査を行うことが望ましくなった場合、第2のサンプル・アリコートを環境室38内から迅速に取り出し、アナライザ10で検査することができ、それによって、時間を短縮し、まったく同じ患者検体を検査に供することができる。
【0025】
在来のイオン選択性電子プローブ49によって受け器52Vから吸引し、イオン選択性電子測定ステーション17Dで分配したサンプル・アリコートについてイオン被検物質測定を行うために、図10に示すように、在来のイオン選択性電子プローブ49を備えた在来のイオン選択性電子測定ステーション17Dをアリコート受け器移送システム50の近くに設置すると便利である。
【0026】
アリコート受け器移送システム50は、アリコート受け器アレイ保管・分配モジュール56と、反応回転コンベヤ12に接近して設置したサンプル吸引・分配アーム54の下方にある多数のアリコート受け器アレイ・トラック57内でアリコート容器アレイ52を双方向に平行移動させるようになっている多数のリニア駆動モータ58とを含む。サンプル吸引・分配アーム54は、コンピュータ15により制御され、在来の液体プローブ54Pを使用して、トラック57内のサンプル採取位置に位置した個々の受け器52Vから制御量のサンプルを吸引するようになっている。次いで、液体プローブ54Pが分配位置に動かされ、この位置において、適量の吸引サンプルがキュベット・ポート20にある1つまたはそれ以上のキュベット24に分配され、1つまたはそれ以上の被検物質についてアナライザ10が検査を行う。サンプルが反応キュベット24に分配された後、在来の移送手段が、必要に応じて、アリコート受け器アレイ移送システム50、環境室38、廃棄領域(図示せず)間でアリコート受け器アレイ52を移動させる。
【0027】
多数の試薬吸引・分配アーム60、61、62(各々、少なくとも1つの在来型の液体試薬プローブ60P、61P、62Pを含む)が、それぞれ、独立して装着してあり、それぞれ、試薬保管領域26、27、28間で移動可能となっている。プローブ60P、61P、62Pは、試薬添加位置で適切な試薬容器30のウェル32から指定評価分析を行うのに必要な試薬を吸引できる在来型の機構である。その後、プローブ60P、61P、62Pは、試薬が反応キュベット24に分配される試薬分配位置に動かされる。プローブ60P、61P、62Pは、また、必要に応じて較正溶液バイアル30Vから較正溶液および管理溶液を吸引し、アナライザ10の適切な作業を確実にするのに必要な較正手順および管理手順を実行するのにも使用される。その後、プローブ60P、61P、62Pは、溶液が反応キュベット24に分配され、分析手段17によって分析される較正溶液分配位置に移動させられる。
【0028】
反応キュベット装填ステーション61および反応受け器装填ステーション63が、それぞれ、外側キュベット回転コンベヤ14および内側受け器回転コンベヤ16に接近して設置してあり、たとえば移動可能なロボットアーム65を使用して、後に説明するように反応キュベット24を横向きにキュベット・ポート20に装填し、また、反応受け器25を受け器ポート22に装填するようになっている。操作に当たって、評価分析を最終的に行った使用済みのキュベット24は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,360に開示されるように洗浄ステーション67で洗浄、乾燥させられる。コンピュータ15は、使用済みの反応キュベット24を浄化するように洗浄ステーション67を作動させる。その結果、反応キュベット24において、次に実施されるべき或る「例外的な」評価分析がスケジュールにあるときはいつでも、使用済みの反応キュベット24が自動的に付加的な浄化または清掃作業を受ける。ここで用いる「清掃および浄化」という用語は、洗浄、すすぎ洗い、乾燥を含む。使用済みの反応キュベット24についてのこの選択的な清掃は、図4Bに示すような多数の洗浄・乾燥マニホルド67Mを設けることによって部分的に達成される。洗浄・乾燥マニホルド67は、各々、独立して選択的に起動され、その反応キュベット24で次に実施するようスケジュールに入れた評価分析の内容に応じて清掃作業を実施したり、しなかったりする。さらに、洗浄ステーション67は、キュベット24内の生化学反応からのバイオハザード廃棄残留物をキュベット24内の化学反応からの化学的廃棄残留物から分離し、真空管路67Vによって安全な生化学廃棄物保管部67Bおよび化学廃棄物保管部67Cに安全に廃棄するようにコンピュータ15によって作動させられる。
【0029】
本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/318,804に開示されているような理由のために他の指示がない限り、以降の評価分析が清掃された使用済みのキュベット24で行われる。コンピュータ15は、使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるようにスケジュールに入れられた評価分析が清掃された使用済みの反応キュベット24で先に実施された評価分析から残っている任意の汚染物質によって悪影響を受けるかもしれないときにはいつでも清掃された使用済みの反応キュベット24を再使用しないことを決定するようにプログラムされる。さらに、コンピュータ15は、清掃された使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるように或る評価分析がスケジュールに入っているときにはいつでも、清掃された使用済みの反応キュベット24を自動的に取り出し、廃棄して、新しい未使用の反応キュベット24と交換するようにアナライザ10を作動させてもよい。コンピュータ15は、場合により、清掃された使用済みの反応キュベット24において、次に実施されるべき評価分析がスケジュールに入っており、同じ評価分析を以前に清掃された使用済みの反応キュベット24で実施しており、評価分析結果が通常の検査範囲から外れているときにはいつでも、清掃された使用済みの反応キュベット24を自動的に取り出し、廃棄して、新しい未使用の反応キュベット24と交換するようにアナライザ10を制御してもよい。キュベット取り出しステーション59が、再び装填ステーション61、63に示すような移動可能なロボットアーム65を使用してキュベット・ポート20から使用不可の反応キュベット24を取り出すようになっている。
【0030】
評価分析需要で使い尽くされたときに評価分析試薬および較正溶液を再供給するために、アナライザ10は、図6に示す単一の双方向リニア容器シャトル72を含み、この容器シャトル72は、その下方の装填位置に容器30およびキャリア30Aを自動的に位置決めするモータ駆動式レーキ73を有する容器装填トレイ29から試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを取り出すようになっている。シャトル72は、さらに、試薬保管領域27または28内の少なくとも1つのスロット付き試薬容器トレイ27Tまたは28Tのスロットに試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aをそれぞれ配置するようにもなっている。同様にして、シャトル72は、さらにまた、試薬容器トレイ27T、28Tから試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aを取り出し、試薬保管領域26内の2つの同心の試薬用回転コンベヤ26A、26Bのいずれかにこれらの試薬容器30または較正バイアル・キャリア30Aを配置するようになっている。シャトル72は、また、2つの同心の試薬用回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを移動させるようにもなっている。
【0031】
双頭円弧状矢印で示すように、試薬用回転コンベヤ26Aは、左右両方向に回転してそこに配置された試薬容器30のうちの任意特定のものを試薬吸引アーム60下方に置くことができる。試薬用回転コンベヤ26Bは、試薬吸引アーム60、62によってアクセスできる試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを収容してもよいが、過剰な在庫の試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aだけを格納するようになっていると好ましい。試薬容器トレイ27T、28T内に配置された試薬容器30のうち任意のものを、試薬保管領域27、28のそれぞれにある試薬容器シャトル27S、28Sによって試薬容器シャトル72下方にある装填位置または吸引・分配アーム61、62下方の試薬吸引位置に位置させることができる。試薬吸引アーム60、62は点線で示してあって、回転コンベヤ26Bに格納された試薬容器30、試薬容器トレイ27T、28Tそれぞれの表面上方に位置していることを表している。
【0032】
外側キュベット回転コンベヤ14に支持された反応キュベット24も点線で示してあるが、これは試薬容器30の表面よりも上方に位置していることを同様に表している。図6は、また、第1の試薬容器移送装置75によって試薬操作回転コンベヤ26Bに接続した試薬調製ステーション74も示している。試薬調製ステーション74は、必要に応じて化学物質添加、再混合、乾燥試薬粉末水和などのような多数の試薬調製作業を実施する。さらに、モータ駆動式ベルト・シャトル78が、第2の試薬容器移送装置77によって試薬操作回転コンベヤ26Bに接続してあり、それによって同様の装備のアナライザ間での試薬容器30の交換を可能にしている。図6に示すような容器シャトル・システムは、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,310に記載されている。
【0033】
図7に示す容器シャトルは、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,311に開示されている自動テンショナ72Tによって、モータ72M
で駆動される駆動ベルト72Bの未知の長さ変化を自動的に補正するようになっており、また、駆動方向の急な変化にもかかわらず駆動ベルト72Bを一定張力に維持するようになっている。その結果、クランプ72Cによってそれに取り付けた試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを、双頭矢印によって示すように、駆動ベルト72Bの方向に沿って正確に位置決めし、駆動ベルト72Bが摩滅したときに試薬容器シャトル72下方または保管領域26、27または28内の意図した位置に配置できる。試薬容器シャトル27S、28Sは、設計が互いに類似しており、図8に示すように、駆動ベルト28Bの一方の脚部に固定してあって、双頭矢印で示すように駆動ベルト28Bの方向に沿って前後に自由に駆動される試薬容器トレイ28Tを含む。したがって、トレイ28Tのスロット内にある試薬カートリッジ30を試薬容器シャトル72下方にあるピックアップ位置に自動的に位置決めすることができる。
【0034】
アナライザ10についての先の説明から当業者にとって明らかなように、コンピュータ15の制御下でのアナライザ10の能力には、容器装填トレイ29、試薬容器トレイ27T、28T、試薬用回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aを自動的に移動させるという能力がある。シャトル27S、28Sの手段によって、アナライザ10は、さらに、試薬容器トレイ27T、28T内の試薬容器30および較正バイアル容器をプローブ61P、62Pによる適切な吸引位置へ(または、シャトル72下方の装填位置へ)それぞれ移動させることができ、その結果試薬用回転コンベヤ26A、26Bの能力と組み合わせて、任意の試薬コンテナ30または較正バイアル・キャリア30Aを試薬吸引アーム60P、61P、62Pの下に置くことができる。アナライザ10は、したがって、多数の異なった試薬および較正溶液を異なった吸引位置に位置決めするという融通性を持った自動ランダム・アクセス試薬・較正溶液補給システムを含む。
【0035】
アナライザ10内で最適な評価分析処理量を維持する際における鍵となる要因は、内部の試薬が使い尽くされるようになる前に試薬保管領域26、27、28内に試薬容器30を適切な時機に補給する能力である。同様に、バイアル・キャリア30A内の溶液が使い尽くされるようになる前にこのバイアル・キャリア30A内の較正・品質管理溶液を適切な時機に補給する能力も重要である。この場合、較正と較正間の時間または直前の較正から行った評価分析の数または正常範囲から外れている評価分析結果の数またはアナライザの性能の変化に基づくかどうか、必要に応じて、較正、管理手順を行うことができる。使い尽くされる前に較正手順および管理手順で使用される付加的な必要のある較正溶液および品質管理溶液(便宜上本明細書では標準化学溶液と呼ぶ)を適切な時機にアナライザ10に与え、中断せずにアナライザ10の評価分析処理量を維持することによって、この課題に対応することができる。
【0036】
評価分析処理量の継続性を維持するために、コンピュータ15は、時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器30毎の消費されたすべての試薬の消費日および特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび較正基準当りの各バイアル・キャリア30A毎の消費された評価分析化学溶液の量を追跡するようにプログラムする。本発明の譲受人に譲渡された審査継続中の米国特許出願番号10/662,435に開示されているように、コンピュータ15は、特に定めた時間周期について在庫品需要分析を行うようにプログラムされ、特に定めた時間周期について将来の評価分析在庫品需要を決定し、試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aが実際に必要となる前の適切な時機に将来必要となる試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aすべてのリストを図9に示すような表示ビューイング画面15Sでオペレータに表示する。
【0037】
コンピュータ15によって行われる分析の非常に簡略化した説明が表1に示してある。そこにおいては、前4回の火曜日での、それぞれ1255、1140、1050である総CO2量、クレアチニン、BUNについての最新履歴火曜日特定評価分析需要を使って、平均評価分析需要を月曜日に行っている。総CO2量、クレアチニンおよびBUBの評価分析を実施するのに必要な試薬を収容している異なった試薬容器30の1つ毎において行うことができる評価分析の回数を考慮し、そして、先に示した異なった試薬容器30のオンボード在庫管理を考慮することで、総CO2量についての1つの付加的な試薬容器30が火曜日について必要とされ、そして、クレアチニンおよびBUNについての2つの付加的な試薬容器30が火曜日について必要とされることは明らかである。この情報は、表示ビューイング画面15Sに表示される。その結果、必要な異なった試薬容器30を、必要に応じて、図6に示すような容器移送システムによってアナライザのトレイ29に適切な時機に供給し、アナライザ10を通じて往復動させ、アナライザ10内に継続した処理量を維持できる。
【0038】
【表2】
【0039】
この技術分野において知られているように、アナライザ10のようなアナライザは、表1の3つの評価分析に限らない。それどころか、代表的には、アナライザ10の保管領域26、27、28において、常にオンボードの状態でこれらの「オンボード評価分析」の約50%を実施するのに必要な試薬で180〜200回もの多くの異なった評価分析を実施するようになっている。アナライザ10の或る実施形態例では、評価分析処理量を向上させるために、すべての「オンボード評価分析」を実施するのに必要な試薬を収容している試薬容器30は、保管領域26に保持されることになると共に、それほど要求されることのないすべての「オンボード評価分析」を実施するのに必要な試薬を収容している試薬容器30は保管領域27、28に振り分けてもよい。このようにして作動させられるときに、保管領域26に保持された試薬容器30を使用して毎時約250〜500回の評価分析をコンピュータ15によってスケジュールに組み、一方、保管領域27、28の各々に保持されている試薬容器30を使用して毎時約500回の評価分析をコンピュータ15によってスケジュールに組んでもよい。その結果、コンピュータ15は、毎時1,250〜1,500回の評価分析をスケジュールに組むことになる。これらの評価分析処理量値は、アリコート受け器ウェル52Vで毎時約125の異なったサンプルについてイオン選択性電子測定ステーション47によって付加的に行われるナトリウム、カリウム、塩化物についての約375回のイオン被検物質測定を含まない。
【0040】
直ぐ前に説明したような処理量値は、コンピュータ15によるアナライザ10の動作中、異なった評価分析を実施しようとしている異なった装入サンプル40が、本発明の譲受人に譲渡され審査継続中の米国特許出願番号10/151,424(DCS-9128)に開示されているように、反応回転コンベヤ14で完了するのに評価分析について必要な時間長に従って多数の個別の評価分析グループに仕分けられるために達成できる。時間による評価分析の妥当な仕分けを慎重に設計された停止時間、反応受け器24の数および評価分析デバイス13の位置と共に採用することで、第1の中間時間長分析および第2の短時間長分析をたった1回の作動サイクルよりも短い時間で完了することが可能になる。それによって、分析してしまった反応混合物が非生産的な不活動期間について反応回転コンベヤ上に残留する可能性のある在来のアナライザと比較して、アナライザ10の体積処理量を高めることができる。特に、反応回転コンベヤ14の1回の完全作業サイクル中、多数の反応受け器24内で中間時間長分析がまず完了し、各中間時間長分析が完了する毎に、これらの反応受け器24が反応回転コンベヤ14から取り出され、新しいか清掃済みの反応受け器24と交換され、この反応受け器でより短い時間長の評価分析が完了する。長時間長分析は、完全作業サイクル中、反応回転コンベヤ14上に残る。
【0041】
コンピュータ15によって制御されるなどしてアナライザ10内で行われる多数の作業についての上記説明から明らかなように、解決されるべき複雑な問題は、所与の状況に関連する情報を、図9に示すような表示ビューイング画面15Sで「ユーザーフレンドリーな」方法によってどのように臨床検査室オペレータまたはアナライザ技術者に表示するかにある。
【0042】
表示モジュールの表示ビューイング画面15Sは、ビューイング画面15Sの重要な部分、好ましくは、大部分がアナライザ10の通常の作業で使用される通常の作業情報を表示するように区分化される。代表的には、ビューイング画面15Sの少なくとも90%がアナライザ10の通常作業で使用される通常作業情報を表示する。通常作業情報には、たとえば、サンプル注文を入力すること、分析されているサンプルの状況をチェックすること、サンプル結果を読み取ること、翌日にトレイ29に装填する必要のある試薬容器30および較正/品質管理バイアル・キャリア30Aのリストを読み出すことなどについての情報がある。それと対照的に、ビューイング画面15Sの10%未満の部分は、アナライザ10の作業に関する詳細情報審査で使用される非通常作業情報または高度な作業情報を表示する。高度な作業情報としては、たとえば、アナライザ10が実施するように備えた異なった評価分析の各々を現在実施するのに試薬容器30ロットを使用していること、各試薬ロットの有効期限、各試薬ロットの較正状況、新しい較正と先の較正との間の較正係数の相対比較、現存する較正許容基準は何かなどについての情報がある。
【0043】
図9は、表示ビューイング画面15Sの具体例である。ここでは、通常作業情報は、画面15Sの、9Rで示す下方90%を超えて占有しており、この情報は、画面15Sの底にあるタブ列9B、9Cおよび後退/前進ボタン9Dのみを使用して容易にアクセスすることができる。図9は、普通の使用者が扱うことができないほどの複雑さにつまずくことがないようにオペレータ特定基準で画面15Sを構成するのにコンピュータ15がどのようにプログラムされるかを示している。この構築は、文書化プログラムおよび訓練プログラムとの関連を有し、また、オペレータが訓練を受けて、広範囲にわたる全体的な作業知識を得る必要なしに、アナライザ10の継続的な処理量を維持するのに必要な本質的な機能を果たすのをかなり容易に行えるようにする。それと対照的に、旧システムは、「機能毎に」構築されていた。その場合、たとえば、較正の複雑なものすべてが同じ画面スペースに表示される。通常のオペレータは、高い能力がある、訓練を受けたオペレータにとって利用できる機能と同じ機能に直面するが、これらの問題に対処する訓練を受けていない。コンピュータ15によって使用される通常画面では、通常のオペレータは、アナライザ10の処理量を維持することについての複雑で非日常的な作業側面に気づくことすら必要ない。問題が生じた場合には、警告が表示されるので、通常のオペレータは、問題を解決しようとすることを必要とするところに注目し、それを達成するツールを手で閉じる。通常画面は、単純な情報を表示しており、間違ったボタンを押すことによって保管部の在庫管理を破壊するなどのエラーを行うことは、あり得ないとは言えないまでも非常に難しい。臨床化学システムの非通常面のすべてについて知識のある高度の訓練を受けた、権限のある技術者が利用できるアドバンスド・モード・インタフェースがある。
【0044】
アナライザ10の上記説明からわかるように、コンピュータ15は、特に以下の項目を制御するようにプログラムされる。
・分析モジュール17A、17B、17C、17D。
・試薬容器30が新しくて未使用であるかどうかの決定。
・必要に応じて周知の較正、品質管理手順を行うこと。
・装入・送出用サンプル・チューブ移送システム36。
・患者の識別、実施すべき検査、サンプル・アリコートをアナライザ10内に保持すべきかどうか。
・サンプル・チューブ40、サンプル・チューブ・ラック42およびアリコート受け器アレイ52の位置を制御、追跡すること。
・サンプル採取プローブ44の動作。
・環境室38内のサンプル・アリコートの在庫管理およびアクセシビリティ。
・イオン選択性電子プローブ49およびイオン選択性電子測定ステーション17D。
・アリコート受け器移送システム50。
・液体試薬プローブ60P、61P、62Pを含む試薬吸引・分配アーム60、61、62。
・反応キュベット装填ステーション61および反応受け器装填ステーション63。
・洗浄ステーション67。
・リニア容器シャトル72、試薬用回転コンベヤ26A、26B、シャトル27S、28S、試薬容器トレイ27T、28T。
・時間経過に沿った試薬および評価分析化学溶液の消費量、および各試薬容器30毎の消費されたすべての試薬の消費日、および、特に定めた時間周期についての試薬容器当り、較正バイアル容器当り、品質管理容器当り、評価分析当りおよび較正基準当りの各バイアル容毎の消費された評価分析化学溶液の量の追跡。
・毎時1,250〜1,500の評価分析のスケジュール組み込み。
【0045】
上記の能力は、フォトメータ・アナライザまたは濁度メータ・アナライザ17Aおよび/または図11に示すような比濁メータ・アナライザ17Bおよび図12に示すような在来のルミノメータ・アナライザまたはケミルミノメータ・アナライザ17Cおよび図17Dに示すようなイオン選択性電極測定ステーション17Dを有するアナライザ10の作業を可能にする。それによって、より高い感度ならびにより迅速な処理速度を有するただ1つの分析システムで種々の診断評価分析を実施できる。
【0046】
当業者であれば明らかなように、発明の範囲から逸脱することなく検出ユニット17A、17B、17C、17Dのために他の在来の検出器を選んでもよいし、検出ユニット17A、17B、17C、17Dの相対的な位置決めを変えてもよい。図示した実施形態において、イオン選択性電極として利用される検出ユニット17Dをプローブ49によってサンプル採取するアリコート受け器アレイ52の近くに設置している。しかしながら、別の実施態様では、検出ユニット17Dをアナライザ上の他の位置に設置できる。
【0047】
本発明が広範囲にわたる利用、応用の余地があることは当業者であれば容易に理解するべきである。本明細書に開示したもの以外の本発明の多くの実施形態および適用ならびに多くの変更、修飾および均等な配置が、本発明の本質または範囲から逸脱することなく本発明およびその前記の説明から明らかであるか、または、合理的に示唆されている。
【0048】
したがって、本発明を特定の実施形態に関して詳しく本明細書に説明してきたが、この開示が本発明の例示に過ぎず、単に本発明の完全な可能にする開示を行うためのためにのみなされたものであることは了解されたい。前述の開示は、本発明を限定することを意図しておらず、また、そう解釈されるべきものではなく、またはその反対で、任意のそのような他の実施形態、変更、修飾、均等配置を排除することを意図したり、そう解釈したりするべきものではなく、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を説明する自動アナライザの概略平面図である。
【図2】図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
【図3】図1のアナライザで役に立つ試薬容器の斜視図である。
【図3A】図1のアナライザで役に立つ較正溶液バイアル容器の斜視図である。
【図4】図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
【図4A】図1のアナライザで役に立つサンプル採取プローブである。
【図4B】図1のアナライザで役に立つ洗浄ステーションである。
【図5】図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイである。
【図6】図1のアナライザで役に立つ容器移送システムの概略平面図である。
【図7】図1のアナライザで役に立つ容器シャトルの斜視図である。
【図8】図1のアナライザで役に立つ容器トレイ・シャトルの斜視図である。
【図9】本発明で役に立つビューイング画面である。
【図10】本発明で役に立つイオン選択性電極測定デバイスの斜視図である。
【図11】本発明で役に立つ光度測定デバイスの斜視図である。
【図12】本発明で役に立つLOCI測定デバイスの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルおよび少なくとも1つの試薬を含む反応混合物を収容するようになっている複数のキュベットと、これらのキュベットのうち少なくとも1つのキュベット内の反応混合物の発光を検出するようになっているLOCI検出器と、キュベットのうち少なくとも1つを検出器に向かって移動させるようになっているキュベット移送機構と、検出器およびキュベット移送機構を制御するようになっている制御機構とを含む自動アナライザ。
【請求項2】
さらに、反応キュベットの少なくとも1つにおいて反応混合物の分析を実施するようになっている少なくとも1つの他の検出器を含む、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項3】
少なくとも1つの他の検出器がフォトメータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項4】
少なくとも1つの他の検出器が濁度メータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項5】
少なくとも1つの他の検出器が比濁メータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項6】
少なくとも1つの他の検出器がイオン選択性電極を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項7】
少なくとも1つの他の検出器が、さらに、他の検出器とは異なる分析を実施するようになっている第3の検出器を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項8】
少なくとも1つの他の検出器が、さらに、他の検出器とは異なる分析を実施するようになっている第4の検出器を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項9】
反応キュベットが、第1セットの反応キュベットと第2セットの反応キュベットと含み、第1セットが、環境光から光感受性試薬を保護するようになっている、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項10】
キュベット移送機構が、第1の移送サブシステムと第2の移送サブシステムとを含み、第1の移送サブシステムが第1セットの反応キュベットを第1の検出器に向かって移動させるようになっており、第2の移送サブシステムが第2セットの反応キュベットを少なくとも1つの他の検出器に向かって移動させるようになっている、請求項9に記載の自動アナライザ。
【請求項11】
少なくとも1つの試薬が、光の吸収で一重項酸素を生成できる光増感剤を含む、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項12】
少なくとも1つの試薬が、さらに、一重項酸素と反応して光を放出できる化学発光化合物を含む、請求項11に記載の自動アナライザ。
【請求項1】
サンプルおよび少なくとも1つの試薬を含む反応混合物を収容するようになっている複数のキュベットと、これらのキュベットのうち少なくとも1つのキュベット内の反応混合物の発光を検出するようになっているLOCI検出器と、キュベットのうち少なくとも1つを検出器に向かって移動させるようになっているキュベット移送機構と、検出器およびキュベット移送機構を制御するようになっている制御機構とを含む自動アナライザ。
【請求項2】
さらに、反応キュベットの少なくとも1つにおいて反応混合物の分析を実施するようになっている少なくとも1つの他の検出器を含む、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項3】
少なくとも1つの他の検出器がフォトメータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項4】
少なくとも1つの他の検出器が濁度メータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項5】
少なくとも1つの他の検出器が比濁メータを含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項6】
少なくとも1つの他の検出器がイオン選択性電極を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項7】
少なくとも1つの他の検出器が、さらに、他の検出器とは異なる分析を実施するようになっている第3の検出器を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項8】
少なくとも1つの他の検出器が、さらに、他の検出器とは異なる分析を実施するようになっている第4の検出器を含む、請求項2に記載の自動アナライザ。
【請求項9】
反応キュベットが、第1セットの反応キュベットと第2セットの反応キュベットと含み、第1セットが、環境光から光感受性試薬を保護するようになっている、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項10】
キュベット移送機構が、第1の移送サブシステムと第2の移送サブシステムとを含み、第1の移送サブシステムが第1セットの反応キュベットを第1の検出器に向かって移動させるようになっており、第2の移送サブシステムが第2セットの反応キュベットを少なくとも1つの他の検出器に向かって移動させるようになっている、請求項9に記載の自動アナライザ。
【請求項11】
少なくとも1つの試薬が、光の吸収で一重項酸素を生成できる光増感剤を含む、請求項1に記載の自動アナライザ。
【請求項12】
少なくとも1つの試薬が、さらに、一重項酸素と反応して光を放出できる化学発光化合物を含む、請求項11に記載の自動アナライザ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−536500(P2007−536500A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520340(P2006−520340)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022792
【国際公開番号】WO2005/010489
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(500029718)デイド・ベーリング・インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】DADE BEHRING INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022792
【国際公開番号】WO2005/010489
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(500029718)デイド・ベーリング・インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】DADE BEHRING INC.
【Fターム(参考)】
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