説明

自動立体視表示装置

【課題】ユーザが自身の頭部を、従ってユーザの目を所定の位置から外れて動かす場合、立体画像は歪められる。
【解決手段】本発明は、イメージング層9とレンズ層10とを有する自動立体視表示装置に係る。レンズ層10は、異なる内容を、イメージング層9からユーザの夫々左目及び右目まで投影する役割をはたす。レンズ層10は、異なる屈折率を有する2つの流体13,14を封入するレンズセル12を有する。流体間の界面の形状は、各レンズセル12の側部において2つの個別に制御可能な電極21,22を用いてエレクトロウェッティングを使用して変更され得る。表示装置は、ユーザ頭部トラッキング装置、及び、検出されたユーザ頭部の位置に依存してレンズセルの電極を制御する手段を更に有する。これによって、表示装置は、ユーザが自身の頭部を動かす場合でも正確な3D画像を表示し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係る。当該表示装置は、複数の画素を有するイメージング層、及び、自動立体視効果を与えるようイメージング層における異なる画素からユーザの左及び右の目まで光を投影する複数のレンズ素子を有するレンズ層を有する。各レンズ素子は、ユーザに面する前方壁、イメージング層に面する後方壁、及び、後方壁と前方壁とを接続する側壁を有する閉じられた空間を定義付ける少なくとも1つのレンズセルを有する。該閉じられた空間は、異なる屈折率を有する第1及び第2の実質的に非混和性の流体で充填される。各セルは、第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させる手段を有する。
【背景技術】
【0002】
かかる装置は、所謂エレクトロウェッティング効果に基づき、国際公開第03/071335A2号パンフレット(特許文献1)中に開示される。かかる装置において正しい自動立体視画像を与えるよう、表示装置に対するユーザの目の所定の位置が推測される。ユーザが自身の頭部を、従ってユーザの目を所定の位置から外れて動かす場合、画像は歪められる。正しい画像が1つより多い許容される頭部の位置において表示されるディスプレイを与えることは可能であるが、これには、より高い解像度を有するより複雑なイメージング層が求められる。更には、許容される頭部の位置の間では、画像は依然としてユーザに対して正しく表示されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第03/071335A2号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述された問題点を全体的に又は部分的に解決する、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1記載の表示装置及び請求項9記載の方法によって達成される。
【0006】
より具体的には、第1の態様によれば、本発明は、表示装置に係る。当該表示装置は、複数の画素を有するイメージング層、及び、自動立体視効果を与えるようイメージング層における異なる画素からユーザの左及び右の目まで光を投影する複数のレンズ素子を有するレンズ層を有する。各レンズ素子は、ユーザに面する前方壁、イメージング層に面する後方壁、及び、後方壁と前方壁とを接続する側壁を有する閉じられた空間を定義付ける少なくとも1つのレンズセルを有する。該閉じられた空間は、異なる屈折率を有する第1及び第2の実質的に非混和性の流体で充填される。各セルは、第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させる手段を有する。本発明によれば、各セルの側壁は、少なくとも第1及び第2の個別に制御可能な電極を有し、表示装置は、ユーザの頭部の位置を確定するトラッキング装置、及び、前出の位置に基づいて第1及び第2の電極の電位を制御する制御手段を有する。
【0007】
これにより、表示装置は、自動立体視の三次元画像を正確に表示するよう、ユーザの頭部の動きに従って調整され得る。望ましくは、各レンズ素子は細長く、イメージング層の線状のセグメントを上部から下部まで覆い、また、各レンズ素子は単一のレンズセルを有し得る。これは、低い複雑性を有する配置を与える。
【0008】
他の一実施例では、各レンズ素子は、複数のレンズセルを有し得る。これにより、更に異なる濃度を有する流体を使用することが可能である。
【0009】
他の一実施例では、レンズセルは、個別に制御可能であり得る。これは、例えばレンズの上部及び下部に対して、任意で異なる表示モードを可能にする。
【0010】
望ましい一実施例では、表示装置は、表示装置を2Dモードへと切り替える選択手段を有し、制御手段は、第1の流体と第2の流体との間の界面が実質的に平らであるようにする。
【0011】
望ましくは、第1の流体は、食塩水溶液等の電気伝導性流体であり、第2の流体は、オイル等の電気不伝導性流体であり、内側の前方壁及び側壁は、疎水性層を有して覆われる。これは、エレクトロウェッティングを使用して第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させ得る。
【0012】
望ましい一実施例では、トラッキング装置はビデオカメラを有する。これにより、画像分析方法を使用して、ユーザの頭部の位置は確定され得る。
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、立体効果を有する画像を表示する方法に係る。当該方法は、複数の画素を有するイメージング層、及び、イメージング層における異なる画素からユーザの左及び右の目まで光を投影する複数のレンズ素子を有するレンズ層を有し、各レンズ素子は、ユーザに面する前方壁、イメージング層に面する後方壁、及び、後方壁と前方壁とを接続する側壁を有する閉じられた空間を定義付ける少なくとも1つのレンズセルを有し、閉じられた空間は、異なる屈折率を有する第1及び第2の実質的に非混和性の流体で充填され、各セルは、第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させる手段を有し、各セルの側壁は、少なくとも第1及び第2の個別に制御可能な電極を有する、表示装置を使用する段階、トラッキング装置を使用してユーザの頭部の位置を確定する段階、及び、確定された頭部の位置に基づいて前出の第1及び第2の電極の電位を制御する段階、を有する。
【0014】
この方法は、表示装置の利点に類似する利点を与える。
【0015】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照して明らかに且つ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動立体視画像を取得する概略的なコンセプトを図示する。
【図2】自動立体視画像を取得する概略的なコンセプトを図示する。
【図3】イメージング層及びレンズ層を有する、本発明の一実施例に従った表示装置を図示する。
【図4】図3中の表示装置におけるレンズ素子を図示する。
【図5】図3中のレンズ素子及びイメージング層に対応する部分を介するより詳細な断面を図示する。
【図6】第1のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。
【図7】第2のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。
【図8】第3のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。
【図9】ユーザ頭部及び目のトラッキング手段を有する本発明の一実施例に従った表示装置を図示する。
【図10】本発明の一実施例に従った表示装置における機能モジュールを概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2は、自動立体視画像を取得する概略的なコンセプトを図示する。自動立体視画像とは、特別な眼鏡を使用することなく、ユーザには3次元に見える画像を意味する。
【0018】
図1を参照すると、第1の画像1は、ユーザの左目に対して表示されるよう意図され、第2の画像2は、ユーザの右目に対して表示されるよう意図される。かかる画像は、例えば人間の目に非常に似ている2つのオフセットカメラを使用して対象物を撮影することによって、取得され得る。当然のことながら、他の多くの手法においてかかる画像を取得することは可能である。
【0019】
合成画像3は、順序付けられた手法(左から右へ:第2の画像からの一番左の切片、第1の画像から一番左の切片、第2の画像から左から二番目の切片、等)において、第1及び第2の画像1,2から薄い水平方向の切片L1,L2等;R1,R2を挟むことによって取得され得る。合成画像は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を使用して表示され得る。
【0020】
図2は、ユーザの目6,7に対して液晶ディスプレイ4によって表示される、かかる合成画像を投影する配置を図示する。該配置は、複数の並列の円筒形平凸レンズを有するレンズ層5を有する。各レンズは、2つの切片R,Lを表示された合成画像において覆い、切片Rからユーザの右目6に向かって、また切片Lからユーザの左目7に向かって光を投影する役割をはたす。これは、所謂「3Dポストカード」において使用されるコンセプトと非常に類似しており、合成画像は、紙上に印刷され、レンズ層は、成形プラスチックシートを有する。
【0021】
図3は、本発明の一実施例に従った、イメージング層9及びレンズ層10を有する表示装置を図示する。イメージング層9は、望ましくは、バックライトをあてられたLCD層(LCD=液晶ディスプレイ)を有する。該LCD層は、当業者には周知であり、より詳細には説明されない。レンズ層10は、ユーザによって見られる通り垂直方向において延在する複数の並列の細長いレンズ素子11を有する。図3中の各レンズ素子は、図2中の1つのレンズ5に対応する。図3は概略的に描かれているが、表示装置は、多くの場合において非常により多くのレンズ素子を有する。
【0022】
図4は、図3中の表示装置におけるレンズ素子を図示する。この実施例では、各素子は、のちに説明される通り、1つのレンズセル12を有する。しかしながら、各レンズ素子11は他の一実施例において、図4中に点線で示される通り、1つより多いレンズセル12a,12b,12cを有し得る。これらのセル12a,12b,12cは、共に又は個別に制御され得る。
【0023】
図5は、図4中のレンズセル12及びイメージング層9の対応する部分を介する断面図をより詳細に示す。第1の基板15及び第2の基板16は、レンズセル12を達成する。レンズセル12は、閉じられた空間を定義付け、ユーザに面する前方壁17、イメージング層9に面する後方壁18、及び、後方及び前方壁18,17を接続する側壁19,20を有する。第1及び第2の基板15,16は、ガラスを有して作られ得る。レンズセルは、第1の流体14及び第2の流体14で充填される。第1の流体13は、食塩水を有する水を有し得、第2の流体は、シリコーン油又はアルカン等のオイルを有し得る。第1及び第2の流体13,14は、表示向きを独立させるよう、実質的には同等の濃度を望ましくは有するべきであるが、濃度特徴の要求は、図4中に示される通り、各レンズ素子11を複数のレンズセルへと分割することによって多少軽減され得る。この分割に対して使用される壁は、各壁において流体間の界面の接触角度が90°であるように扱われる。これは、接触角度を電気的に変えるよう使用され得る電極又はコーティングを使用することによって達成され得る(エレクトロウェッティング)。第1の流体13の濃度は、塩濃度を変更することによって調整され得る。第2の流体14の濃度は、分子成分を加えることによって増大され得る。
【0024】
第1及び第2の流体13,14は、水及び上述されたオイルの場合のように、実質的に非混和性であるべきである。更には、それらの夫々の屈折率は、実質的に異なるべきである。第1の流体13(食塩水)は、塩濃度に依存して1.32乃至1.50の範囲内の屈折率を有し得る。第2の流体14として使用されるオイルに依存して、屈折率は1.25乃至1.70で変化し得る。図示された実施例において、第1の流体13は、第2の流体14より高い屈折率を有するが、その逆の関係がある一実施例もまた同様に考えられ得る。第1の流体13は、極性且つ導電性であり、第2の流体14は電気的に絶縁である。
【0025】
レンズセル12の側壁19,20は各々、個別に制御可能な電極21,22を有する。後方壁18は、光透過性である後方壁電極23、又は、後方壁18の表面の小部分のみを覆う小さな金属電極を有する。電極は、導電性であり、例えばITO(インジウムスズ酸化物)を有し得る。セルの前方壁17及び側壁19,20は、例えばTEFLON(登録商標)AF1600である非晶質フルオロカーボン等を有し得る疎水性層24を有する。この層の疎水性効果は、弛緩状態(relaxedstate)では、第1の流体13が後方壁18から離れたレンズセルの壁範囲を可能な限り濡らさないようにする。故に、第1及び第2の流体13,14間の界面は、メニスカスを構成し、特定の接触角θを側壁19,20に与える。図5中に示される通り、第1及び第2の流体13,14間のメニスカスは、レンズセル12が正レンズとして機能するよう入射光を屈折させる役割をはたす。第1の流体13の屈折率が第2の流体14の屈折率より低い他の一実施例では、メニスカスは、正レンズを与えるよう対向する方向において湾曲するべきである。
【0026】
疎水性層(例えばAF1600)はまた、電極21及び22に対する電気的絶縁コーティングとしての役割をはたす。更に絶縁を強化するよう、例えばパリレンコーティングである更なるコーティングは、疎水性層の下方に置かれ得る。メニスカスの形状及び側壁の交点に対する各メニスカスの接触角は、第1の壁19の電極21、第2の壁20の電極22、及び後方電極23に対して異なる電位を印加することによって変えられ得る。電圧V−Vが第1の壁19の電極21と後方電極23との間に印加される場合、導電性の第1の流体13は、静電気力によって、疎水性層24の大部分を覆うようにされ、異なる接触角θ及び異なって形成されたメニスカスを伴う。
【0027】
側壁の電極21,22の電位V,Vが個別に制御可能であるため、可変の凸面を有するメニスカスを得ることが可能であるばかりではなく、以下に説明される通り、チルトされたメニスカスを得ることも可能である。
【0028】
図6は、第1のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。第1のモードでは、第1の電極21の電圧V−Vは、第2の電極22の電圧V−Vと同等である(例えば、電圧V=−50V;V=−50V;V=0V)。このモードにおいて、レンズ素子11は、ユーザがレンズ素子11のまっすぐ前に置かれる際に、内容を左L及び右Rのサブ画像切片から夫々ユーザの左及び右目まで表示するよう最適化される。
【0029】
図7は、第2のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。第2のモードでは、第1の電極21の電圧V−Vは、第2の電極22の電圧V−Vより大きい(例えば、電圧V=−75V;V=−250;V=0V)。これは、第1の側壁19及び第2の側壁29において異なる接触角θを伴い、メニスカスはチルトされる。このモードにおいて、レンズ素子11は、ユーザが図6中の位置と比較してレンズ素子11に対して右に横方向に移動される際、内容を左L及び右Rのサブ画像切片から夫々ユーザの左及び右目まで表示するよう最適化される。
【0030】
図8は、第3のモードにおける図4中のレンズ素子を概略的に図示する。第3のモードでは、第1の電極21の電圧V−Vは、第2の電極22の電圧V−Vと同等である(例えば、電圧V=−100V;V=−100V;V=0V)。電圧は、両側壁19,20における接触角θが90°と同等であるよう選択される。このモードにおいて、レンズ素子11は、レンズとして機能しないが、二次元に且つ二重解像度(doubleresolution)において内容を表示するよう最適化される。即ち、第3のモードにおいて、イメージング層は、合成画像の代わりに標準画像を表示するよう意図される。ボタン等の選択手段は、2Dと3Dとの間を切り替えるよう表示装置上に与えられ得る。全てのモードにおけるVは後方電極23が接地され得るよう0Vである、ことが留意される。しかしながら、他の電圧の組合せは、当然のことながら可能である。
【0031】
レンズの強度に一定のオフセットを与えるよう、可変レンズの前方に更なるレンズ状のシートを加えることは可能である。正レンズを有するレンズ状シートの場合、エレクトロウェッティングレンズは、二次元の内容を表示する際に負の強度を有するべきである。
【0032】
図9は、ユーザの頭部及び目のトラッキング手段26を有する本発明の一実施例に従った表示装置を図示する。望ましい一実施例では、ユーザ頭部トラッキング手段は、ビデオカメラ等の画像センサを有し得る。画像センサは、ユーザの頭部及び目の位置を推測するよう、表示装置の前方の周囲の画像を捉える。
【0033】
画像分析を使用して頭部及び目の位置をトラッキングする複数の方法は、先行技術において既知である。1つの可能な方法は、画像においてユーザの顔を見つけるよう肌色セグメンテーションを使用すること、即ち、予測された顔のカラー合成からの所定の閾値より画像のカラー合成が低く逸れる画像を識別すること、である。
【0034】
顔の範囲が検出された場合、この範囲における目の位置が推測され得るか、あるいは特定の目検出方法が使用され得る。かかる方法は、多くのユーザが両目を同時に瞬きさせるという事実に基づき得る。これは、連続的な画像フレームにおいて顔における2つの範囲が、画像分析アルゴリズムによって検出され得る素早く且つ同時の変化を与える、ことを意味する。
【0035】
画像センサデータは、必要に応じて、標準的なカメラの自動フォーカス機能に置いて使用されるものと同様な距離測定センサからのデータを組み合わせ得る。
【0036】
頭部トラッキング機能に基づく他の画像分析は、米国特許第6580810,B1号明細書先行技術において説明される。しかしながら、ユーザの頭部及び目の位置を確定する他の方法は考えられ得、例えば、ユーザに自身の位置が電磁場を使用して確定され得る物を着用させることである。
【0037】
図10は、本発明の一実施例に従った表示装置における機能的モジュールを概略的に図示する。画像センサ26は、プロセッサユニット27に対して画像情報を送る。受け取った情報に基づき、プロセッサユニット27は、表示装置に相対するユーザの頭部の相対的位置を確定する。プロセッサユニット27は画像センサと共に、頭部トラッキング手段、あるいは、プロセッサユニット27がユーザの目の位置を確定する場合、目トラッキング手段を構成する。
【0038】
故に得られたユーザの頭部及び/又は目の位置情報は、プロセッサユニット27から制御ユニット28まで与えられる。受けた情報に基づき、制御ユニットは、駆動信号V,V,Vを表示装置のレンズ層10における夫々のレンズセル12の電極に対して与える。駆動信号の値は、位置情報に基づいて算出され得るか、あるいは、参照テーブルから各レンズセルに対して取り出され得る。異なるレンズセル12は、それらのユーザの頭部に対する個別の相対位置が異なるため、異なる駆動信号を受けるべきである。
【0039】
機能モジュール26,27,28の多種の部分が、プロセッサによって実行されるソフトウェアのルーティンとして、又はASICハードウェア実行として等の異なる手法で実現され得る、ことは理解されるべきである。該モジュールはまた、異なる手法において互いに対して一体的にされ得る。
【0040】
要約すると、本発明は、イメージング層及びレンズ層を有する自動立体視表示装置に係る。レンズ層は、イメージング層からの異なる内容を夫々ユーザの左及び右目に投影する役割をはたす。レンズ層は、異なる屈折率を有する2つの流体を封入するレンズセルを有する。流体間の界面の形状は、各レンズセルの側部において個別に制御可能な2つの電極を用いて、エレクトロウェッティングを使用して変えられ得る。表示装置は更に、ユーザ頭部トラッキング装置、及び検出されたユーザの頭部位置に依存してレンズセル電極を制御する手段を有する。これにより、表示装置は、たとえユーザが自身の頭部を動かした場合でも正確な3D画像を表示し得る。
【0041】
本発明は、説明された実施例に制限されない。本発明は、添付の請求項の範囲内における異なる手法において変更され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
複数の画素を有するイメージング層と、自動立体視効果を与えるよう前記イメージング層における異なる画素からユーザの左及び右の目まで光を投影する複数のレンズ素子を有するレンズ層と、を有し、
各レンズ素子は、前記ユーザに面する前方壁と、前記イメージング層に面する後方壁と、前記後方壁と前記前方壁とを接続する側壁とを有する閉じられた空間を定義付ける少なくとも1つのレンズセルを有し、前記閉じられた空間は、異なる屈折率を有する第1及び第2の実質的に非混和性の流体で充填され、各セルは、前記第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させる手段を有し、
各レンズセルの前記側壁は、少なくとも第1及び第2の個別に制御可能な電極を有し、
前記表示装置は、ユーザの頭部の位置を確定するトラッキング装置と、前記位置に基づいて前記第1及び第2の電極の電位を制御する制御手段と、を有する、
表示装置。
【請求項2】
各レンズ素子は細長く、前記イメージング層の線状のセグメントを上部から下部まで覆う、
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
各レンズ素子は、単一のレンズセルを有する、
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
各レンズ素子は、複数のレンズセルを有する、
請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記レンズセルは、個別に制御可能である、
請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置を2Dモードへと切り替える選択手段を有して、前記制御手段が前記第1の流体と第2の流体との間の界面が実質的に平らであるよう影響を与えるようにする、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の流体は、水溶性食塩水等の電気伝導流体であり、前記第2の流体は、オイル等の電気不伝導流体であり、
内側の前方壁及び側壁は、疎水性層で覆われる、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の表示装置。
【請求項8】
前記トラッキング装置は、ビデオカメラを有する、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の表示装置。
【請求項9】
自動立体視効果を有する画像を表示する方法であって、
複数の画素を有するイメージング層と、自動立体視効果を与えるよう前記イメージング層における異なる画素からユーザの左及び右の目まで光を投影する複数のレンズ素子を有するレンズ層とを有し、各レンズ素子は、前記ユーザに面する前方壁と、前記イメージング層に面する後方壁と、前記後方壁と前記前方壁とを接続する側壁とを有する閉じられた空間を定義付ける少なくとも1つのレンズセルを有し、前記閉じられた空間は、異なる屈折率を有する第1及び第2の実質的に非混和性の流体で充填され、各セルは、前記第1の流体と第2の流体との間の界面の形状を変化させる手段を有し、各セルの前記側壁は、少なくとも第1及び第2の個別に制御可能な電極を有する、表示装置を使用する段階と、
トラッキング装置を使用してユーザの頭部の位置を確定する段階と、
前記確定された頭部の位置に基づいて前記第1及び第2の電極の電位を制御する段階と、
を有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−141570(P2011−141570A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−88297(P2011−88297)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−507878(P2007−507878)の分割
【原出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】