説明

自動車の車載部品取付構造

【課題】本発明は、車載部品をエンジンルーム内に取付ける自動車の車載部品取付構造において、車載部品の支持剛性を確保しつつも、後退する構造体が車載部品に干渉しても、取付ブラケット等の取付脚部が突っ張った状態とならず、ダッシュパネルの後退を低減することができる自動車の車載部品取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】第一取付片部11と第二取付片部12を、側面視で「略平行四辺形」を形成するように設定することで、取付片部11,12の突っ張りを防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車載部品取付構造に関し、特に、エンジンルーム内に設置される車載部品の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンルームの後壁を構成するダッシュパネル前面に車載部品を取付けることが知られている。例えば、下記特許文献1には、バキュームポンプで発生した負圧を蓄圧するバキュームタンクを取付ブラケットを介してダッシュパネル前面に取付けたものが開示されている。
【0003】
この特許文献1の取付ブラケットは、支持剛性を確保するために、両端部に脚部を設けた略ハット状のブラケット部材で構成しており、ダッシュパネルに組付けた状態で、平面視で略台形形状を形成するように構成している。
【0004】
【特許文献1】特開平10−329701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、エンジンルーム内には、エンジンや変速機等で構成されるパワートレイン等の重量を有する構造体が設置されており、車両衝突時には、この構造体がダッシュパネル側に後退してきて、ダッシュパネルを後退させてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、エンジンルーム内に車載部品の配置構造においては、衝突時のダッシュパネルの後退を、できるだけ少なくする構造が求められる。
【0007】
前述の特許文献1のように、支持剛性を確保するために車載部品の取付ブラケットを略台形形状とした場合には、構造体が後退して車載部品に干渉すると、取付ブラケットの両側の脚部が突っ張った状態となり、車載部品を破損させると共に、ダッシュパネルを後退させる可能性があった。
【0008】
そこで、本発明は、車載部品をエンジンルーム内に取付ける自動車の車載部品取付構造において、車載部品の支持剛性を確保しつつも、後退する構造体が車載部品に干渉しても、取付ブラケット等の取付脚部が突っ張った状態とならず、ダッシュパネルの後退を低減することができる自動車の車載部品取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の自動車の車載部品取付構造は、エンジンルームの後壁を構成するダッシュパネルと、該ダッシュパネルの前方に離間して設置される構造体と、該構造体の後方で且つ前記ダッシュパネルの前方に離間して設置される車載部品と、該車載部品から後方に向って延びダッシュパネルに取付けられる取付脚部とを備え、該取付脚部が、前後方向に対して直交する所定方向に傾斜して延びる第一の取付脚部と、該第一の取付脚部と同一方向に傾斜して延びる第二の取付脚部とを含むものである。
【0010】
上記構成によれば、車載部品を取付ける第一の取付脚部と第二の取付脚部が、所定方向に傾斜して略平行に延びるため、車両衝突時に、前方に設置された構造体が後退して車載部品に干渉すると、第一の取付脚部と第二の取付脚部が所定方向に倒れるように折れ曲り、車載部品が所定方向に変位(移動)することになる。
このため、車両衝突時に、車載部品を支持する第一の取付脚部と第二の取付脚部が、車両後方側に突っ張ってしまうことを防止することができる。
【0011】
なお、ここで「前後方向に対して直交する所定方向」とは、車幅方向両側の左右方向や上下方向、さらに、斜め上下方向等の方向を含む概念である。
また、「車載部品」には、ECU、ABSユニット、TRCユニット、ATユニット、ハイブリッド車用の制御ユニット等の電子制御ユニットが含まれる。
さらに、第一の取付脚部と第二の取付脚部は、取付ブラケットに一体的に構成されるものも含むし、別体的に構成されるものも含む。
【0012】
この発明の一実施態様においては、前記第一の取付脚部と第二の取付脚部を、それぞれ平板状部材で構成し、該平板状部材を、平板面に対して傾斜させることで、前記所定方向に傾斜するように設定したものである。
上記構成によれば、第一の取付脚部及び第二の取付脚部を、平板状部材が平板面に直交する方向に剛性が低いという特性を利用して、車両衝突時に容易に変形させることができる。
よって、第一の取付脚部及び第二の取付脚部に、余計な脆弱部等を形成することなく、車両衝突時に確実に変形を生じさせることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、前記第一の取付脚部及び第二の取付脚部の傾斜方向と異なる向きに板厚向きを設定した第三の取付脚部を設け、該第三の取付脚部に、前記傾斜方向に剛性の低くなる脆弱部を備えたものである。
上記構成によれば、第三の取付脚部を、ダッシュパネルへの組付け性やレイアウト性の要求により、やむを得ず他の取付脚部の傾斜方向と異なる向きに板厚向きを設定して設置する場合であっても、他の取付脚部の傾斜方向に剛性の低くなる脆弱部を設けているため、車両衝突時には、この第三の取付脚部にも、その脆弱部を起点として変形を生じさせることができる。
よって、第三の取付脚部を設けることで、車載部品を三点支持として支持剛性を高めつつも、第三の取付脚部が容易に変形するため、他の取付脚部の倒れ変形を阻害することなくダッシュパネルの後退を抑制することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品の上方に、前方に突出したカウルボックスを設け、該車載部品の車幅方向両側方に、第二の車載部品と第三の車載部品を配置して、前記第一の取付脚部と第二の取付脚部を前下がりに傾斜させて、前記所定方向が下方となるように設定したものである。
上記構成によれば、車載部品は、上方にカウルボックス、両側方に第二の車載部品と第三の車載部品が配置されることで、他の車載部品等に周辺が囲まれた場合であっても、第一の取付脚部と第二の取付脚部が前下がりに傾斜しているため、車両衝突時に、第一の取付脚部と第二の取付脚部が下方に倒れ変形することで、下方に変位することになる。
このため、車載部品を、デッドスペースである下方空間を有効に利用して、変位させることにより、第一の取付脚部と第二の取付脚部を容易且つ確実に変形させることができる。
よって、車載部品の周辺に、他の車載部品等を有効に配置してエンジンルーム内のレイアウト効率を高めつつも、ダッシュパネルの後退を確実に抑制することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記第二の取付脚部を第一の取付脚部に連結したものである。
上記構成によれば、第一の取付脚部と第二の取付脚部が連結されるため、第一の取付脚部の倒れ変形が第二の取付脚部にも伝達されることになり、車両衝突時には、二つの取付脚部が、ほぼ同様の倒れ変形をすることになる。
よって、第一の取付脚部と第二の取付脚部の倒れ変形が確実になり、ダッシュパネルの後退を抑制することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品の車幅方向側方に、マスターバックを設置して、前記第一の取付脚部を、該マスターバックの上方のダッシュパネル部分から前記車載部品の上部に向って前下がりに傾斜する脚部で構成し、前記第二の取付脚部を、該マスターバックの側方のダッシュパネル部分から前記車載部品の一方下部に向って前下がりに傾斜する脚部で構成し、前記第三の取付脚部を、該マスターバックの下方のダッシュパネル部分から前記車載部品の他方下部に向って他の脚部と異なる方向に傾斜もしくは水平方向に延びる脚部で構成したものである。
上記構成によれば、マスターバック周辺のダッシュパネルを有効に利用して、第一、第二、第三の取付脚部を組付け、車載部品をダッシュパネルから離間したマスターバックの前方側方位置に配置することができる。また、第一の取付脚部と第二の取付脚部が前下がりに傾斜していることで、車両衝突時には、取付脚部が倒れ変形をして、車載部品を下方に変位させることができる。
よって、マスターバックの前方空間を有効に利用して車載部品を配置しつつも、車両衝突時には、ダッシュパネルの後退を防ぐことができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品の車幅方向側方に、前後方向に延びるケーブル部材を設置して、前記ダッシュパネルに、該ケーブル部材を挿通する貫通孔を形成する共に、前記車載部品をダッシュパネルに取付ける取付ブラケットを、前記第一の取付脚部と車載部品を組付ける取付ベース部とからなる第一ブラケットと、一端が前記ケーブル部材の組付け前に前記ダッシュパネルの貫通孔近傍に組付けられ、他端が該一端から離間した位置で第一ブラケットに連結される前記第二の取付脚部からなる第二ブラケットで構成したものである。
上記構成によれば、車載部品をダッシュパネルに取付ける取付ブラケットを、第一の取付脚部と取付ベース部とからなる第一ブラケットと、第二の取付脚部とからなる第二ブラケットとで構成しているため、ダッシュパネルの貫通穴にケーブル部材を組付ける前に、予め第二ブラケットをダッシュパネルに組付けておき、ケーブル部材を組付けた後に、この第二ブラケットに第一ブラケットを連結することで、取付ブラケットを組付けるができる。
このため、ケーブル部材に近接したダッシュパネル位置に第二の取付脚部を組付ける場合であっても、組付け工具等でケーブル部材を傷つけることなく、組付け作業を行なうことができる。
よって、ケーブル部材を車載部品の近傍に設置するものであっても、ケーブル部材を傷つけることなく、取付ブラケットをダッシュパネルに組付けることができ、組付け作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、車両衝突時に、車載部品を支持する第一の取付脚部と第二の取付脚部が、前後方向に対して直交する所定方向に倒れ変形をするため、車両後方側に突っ張ることを防止することができる。
よって、車載部品をエンジンルーム内に取付ける自動車の車載部品取付構造において、車載部品の支持剛性を確保しつつも、後退する構造体が車載部品に干渉しても、取付脚部が突っ張った状態とならず、ダッシュパネルの後退を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、第一の実施形態の車載部品の取付構造を車両前方側斜め上方から見た全体斜視図である。
【0020】
本実施形態の車載部品であるECU(エンジン・コントロール・ユニット)1は、図1に示すように、エンジンルームERの後壁を構成するダッシュパネル2の前面側部に取付けている。このダッシュパネル2の側部前方には、車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム3(図面では左側のフロントサイドフレームのみ開示)を延設し、その外側側方(左側側方)には、ホイールハウスエプロン4を張設している。このホイールハウスエプロンには、上下方向に立設するサスタワー4aを中央位置に形成している。
【0021】
ダッシュパネル2の下部中央には、フロアトンネルに対応する上凹の凹部5を形成している。また、ダッシュパネル2上部には、車幅方向に延び前方に傾斜した傾斜面6を形成している。
【0022】
ダッシュパネル2の左側前面には、ブレーキ装置のマスターバック7を設置している。このマスターバック7は、運転席のブレーキペダル(図示せず)に対応した位置に設置しており、比較的大きな略円盤形状の部材で構成している。
【0023】
ダッシュパネル2の左側端部には、ワイヤーハーネス部材8を貫通配置する貫通穴9を形成している。この貫通穴9にはキャップ部材9c(図2参照)を嵌め込んでワイヤーハーネス部材8を挿通している。このワイヤーハーネス部材8は、エンジンルームER側から車室CR内側(図6参照)へ前後方向に配索している。
【0024】
ワイヤーハーネス部材8は、その側方に前述のサスタワー4aが車幅方向内方側に膨出するように位置していることから、中間部分を一旦車幅方向内方側に湾曲するように配索してサスタワー4aを回避している。このため、ワイヤーハーネス部材8は、極めてECU1に近接した位置に配索されている。
【0025】
前述のECU1は、薄型の略直方体形状の部材で構成して、マスターバック7の前方位置に、取付ブラケット10を介して取付けている。このECU1は、エンジンの燃焼制御等を行なうものであり、内部にはメモリ等の制御基板を設けており、前面にハーネス(図示せず)を差込む3つの結線ソケット1a、1b、1cを設けている。
【0026】
また、ECU1の右側には、上下方向に延びてECU1の右半分を覆うヒートインシュレータHを設けている。これにより、ECU1を排気管の熱害から保護している。
【0027】
ECU1の前方位置には、横置き配置したパワートレインの変速機Mを配置している。この変速機Mは、重量を有する構造体であり、車両の前面衝突時には、衝突荷重を受けて車両後方側に後退する。
【0028】
図2、図3、図4で、ECU1を取付ける取付ブラケット10について説明する。図2はECU1の取付構造を車両中央側の斜め前方から見た全体斜視図であり、図3、図4は取付ブラケット10の単品斜視図で、図3が左側後方斜視図、図4が右側後方斜視図である。
【0029】
この取付ブラケット10は、金属プレス成形部品で構成され、第一ブラケット10Aと第二ブラケット10Bからなる二分割構造で構成している。
【0030】
第一ブラケット10Aは、ECU1を取付けるベースプレート部14と車両後方側に延びてダッシュパネル2に締結固定される第一取付片部11と第三取付片部13とを備えている。一方、第二ブラケット10Bは、車両後方側に延びてダッシュパネル2に締結固定される第二取付片部12を備えている。この第一ブラケット10Aと第二ブラケット10Bは、一組の締結手段Xで連結することにより、一体となり取付ブラケット10を構成している(図2は、締結工具T(仮想線)で連結手段Xを締結している状態を示す)。
【0031】
取付ブラケット10の第一、第二、第三取付片部11,12、13は、それぞれマスターバック7の周囲を取り囲むようにしてダッシュパネル2に取付けている。第一取付片部11は、マスターバック7上方のダッシュパネル位置2aに、第二取付片部12は、マスターバック7左側方のダッシュパネル位置2bに、第三取付片部13は、マスターバック7下方のダッシュパネル位置2cに、それぞれ取付けている。
【0032】
第一ブラケット10Aのベースプレート部14は、縦長の略矩形形状の平板部材で構成している。そして、その前面にECU1を4つの締結ナットN…で取付けている。この締結ナットN…のうち、右側の2つでヒートインシュレータHも共締め固定している。
【0033】
第三取付片部13は、図3に示すように、ベースプレート部14の右側下部を折曲成形することにより形成している。この第三取付片部13は、前後方向に延びる腕部13aと、ダッシュパネル2に取付けられるフランジ部13bと有しており、これらの平板面が鉛直方向(縦方向)に延びるよう形成している。
【0034】
このうち、腕部13aの下側には、略矩形状に切り欠いた切欠部15を形成している。これにより、上下方向に剛性の低い脆弱部分を構成して、後述するECU1の下方変位の際に、第三取付片部13がこの切欠部15を起点として下方に折れ曲がるように構成している。
【0035】
また、腕部13aの上側には、樹脂製のプロテクター16を嵌め込み装着している。これにより、近接するマスターバック7に傷を付けないようにしている。
【0036】
一方、フランジ部13bには、ダッシュパネル2前面に立設するスタッドボルトSB(図6参照)を挿通する挿通穴17を形成している。この挿通穴17にスタッドボルトSBを挿通して締結ナットSN(図6参照)を締結することで、フランジ部13bをダッシュパネル2に取付けるようにしている。
【0037】
第一取付片部11は、ベースプレート部14後面の上部中央に接合される長尺の平板状部材によって形成しており、ベースプレート部14に接合される接合部11aと、前後方向に延びる腕部11bと、ダッシュパネル2に取付けられるフランジ部11cと、を備えている。
【0038】
第一取付片部11は、この上下方向に延びる接合部11aと、略水平方向に延びる腕部11bと、上下方向に延びるフランジ部11cとにより、側面視で、「略クランク形状」を形成するように構成している。
【0039】
このうち、腕部11bについては、その前端(接合部11a側)が前下がりとなるように傾斜形成している。これにより、第一取付片部11は、後述のように、車両前方から衝突荷重を受けた際に、下方側に倒れるように変形する。
【0040】
また、この腕部11bは、その平板面が略水平方向(横方向)に延びるように設定している。これにより、平板状部材の剛性特性を利用して、腕部11bを剛性の低い上下方向に変形しやすくしている。
【0041】
この腕部11bの右半分側には、第三取付片部13と同様に、樹脂製のプロテクター18を嵌め込み装着している。これにより、腕部11bで近接するマスターバック7に傷を付けないようにしている。
【0042】
接合部11aは、ベースプレート部14後面に上下2点の溶接ポイントで接合して、ベースプレート部14に強固に接合している。
【0043】
フランジ部11cは、スタッドボルトSBを挿通する挿通穴19を形成している。この挿通穴19に、スタッドボルトSBを挿通して締結ナットSNを締結することで(図6参照)、第一取付片部11をダッシュパネル2に取付けている。
【0044】
第二ブラケット10Bは、前述したように、後方側に延びてダッシュパネル2に締結固定される第二取付片部12からなる。
【0045】
この第二取付片部12は、ベースプレート部14後面の下部左側に連結される長尺の平板状部材によって形成しており、ベースプレート部14に連結される連結部12aと、前後方向に延びる腕部12bと、ダッシュパネル2に取付けられるフランジ部12cと、を備えている。
【0046】
この第二取付片部12も、上下方向に延びる連結部12aと、略水平方向に延びる腕部12bと、上下方向に延びるフランジ部12cとにより、側面視で、「略クランク形状」を形成するように構成している。
【0047】
このうち、腕部12bは、第一取付片部11と同様に、その前端(連結部側)が前下がりとなるように傾斜形成している。これにより、この第二取付片部12も、後述のように、車両前方から衝突荷重を受けた際に、下方側に倒れるように変形するようにしている。
【0048】
また、この腕部12bも、平板面が略水平方向(横方向)に延びるように設定している。これにより、腕部12bを剛性の低い上下方向に変形しやすくしている。
【0049】
連結部12aには、前述した締結手段のうちスタッドボルト20を前方に延びるように設けている(図6参照)。これにより、第一ブラケット10Aのベースプレート部14と連結するように構成している。
【0050】
フランジ部12cは、中間部の第一フランジ部12c1と端部の第二フランジ部12c2とからなり、各フランジ部12c1,12c2には、スタッドボルトSBを挿通する挿通穴21,22を形成している。これら挿通穴21,22に、ダッシュパネル2のスタッドボルトSBを挿通して締結ナットSNで締結固定することにより、第二取付片部12をダッシュパネル2に組付ける。
【0051】
このように、第二ブラケット10Bである第二取付片部12を二点でダッシュパネル2に取付けることにより、第二ブラケット10Bの取付剛性が高まり、第一ブラケット10Aとの連結作業を、安定して行なうことができる。また二点で、第二ブラケット10Bの取付け点が規定されるため、第二ブラケット10Bの位置も確実に規定され、第一ブラケット10Aとの連結作業も円滑に行なうことができる。
【0052】
次に、ECU1の取付ブラケット10のダッシュパネル2への組付け工程について、図5に示すダッシュパネル2前方からの正面図で説明する。(a)が第一の工程を示した図、(b)が第二の工程を示した図、(c)が第三の工程を示した図である。
【0053】
ECU1の取付ブラケット10は、まず初めに、(a)に示すように、第二ブラケット10Bのみをダッシュパネル2に組付ける。具体的には、第二取付片部12の第一フランジ部21c1と第二フランジ部21c2の挿通穴22,23を、ダッシュパネル2のスタッドボルトSBに挿通して、締結ナットSNで締結固定することで(図6参照)、第二ブラケット10Bをダッシュパネル2に組付ける。
【0054】
次に、(b)に示すように、ワイヤーハーネス部材8をダッシュパネル2に組付ける。具体的には、ダッシュパネル2に形成した貫通穴9((a)参照)にキャップ部材9cを嵌め込んで、そのキャップ部材9cにワイヤーハーネス部材8を挿通して、ダッシュパネル2にワイヤーハーネス部材8を組付ける。
【0055】
その後、(c)に示すように、第一ブラケット10AとECU1をダッシュパネル2に取付ける。具体的には、第一ブラケット10Aの第一取付片部11と第三取付片部13の各フランジ部の挿通穴19,17を、ダッシュパネル2のスタッドボルトSBに挿通して、締結ナットSNで締結固定する(図6参照)。そして、ベースプレート部14の左側下部の挿通穴24を、第二ブラケット10Bの連結部12aのスタッドボルト20(図6参照)に挿通して、締結手段Xである連結ナット21(図6参照)で締結固定する。こうして、第一ブラケット10Aと第二ブラケット10Bを連結した上で、第一ブラケット10AとECU1をダッシュパネル2に取付ける。
【0056】
このように、第二ブラケット10Bを予めダッシュパネル2に組み付けておき、ワイヤーハーネス部材8を組付けた後に、別途、第一ブラケット10A等を組付ける工程を採用することにより、締結工具T(図2参照)で取付ブラケット10を組付ける際、特に、第二取付片部12をダッシュパネル2に組付ける際に、ワイヤーハーネス部材8が存在しないため、締結工具Tがワイヤーハーネス部材8に接触するのを防いで、ワイヤーハーネス部材8が傷付くのを防止できる。
【0057】
次に、こうしてダッシュパネル2に取付けたECU1の取付ブラケットの車両衝突時の衝突挙動について、図6、図7、図8により説明する。図6は通常時の取付ブラケット近傍の概略側面図、図7は車両衝突時の取付ブラケット近傍の概略側面図、図8は従来構造の取付ブラケット近傍の概略側面図である。
【0058】
図6に示すように、通常時、ECU1は、ダッシュパネル2の前方で且つ変速機Mの後方位置に設置され、ダッシュパネル2から前方に離間するように、第一取付片部11、第二取付片部12、それと第三の取付片部13(図6では図示せず)の三つの取付片部で取付けられている。
【0059】
この組付け状態で、第一取付片部11と第二取付片部12は、側面視で前下がりの「略平行四辺形」形状を構成している。これは、前述したように、各取付片部11,12を前下がりに傾斜するように前後方向に延ばし、各取付片部11,12を上下方向に離間した位置に設置していることから、こうした形状に構成されるのである。
【0060】
このECU1の上方には、車幅方向に延びて左右のフロントピラー(図示せず)を連結するカウルボックス30を、ダッシュパネル2より前方側に突出するように設置している。
【0061】
なお、図6には図示はしないが、ECU1の左側位置には、ワイヤーハーネス部材8を前後方向に延びるように配置しており、ECU1の右側位置には、マスターバック7を配置している。
【0062】
このように、ECU1の周囲には、様々な車載部品や車体構造を設置しており、ECU1の下方に、わずかなデッドスペース空間Dを設定しているだけである。
【0063】
図7に示すように、車両衝突時、具体的には、車両の前面衝突の際には、重量物である変速機Mが衝突荷重を受けて車両後方側に後退してくる。この変速機Mの後退に対して、ECU1は、その後退する変速機Mと干渉して破損することになる。
【0064】
このとき、変速機Mから後方向きの荷重を受けた第一取付片部11と第二取付片部12は、「平行四辺形」が下方に潰れるような変形(倒れ変形)をして、ECU1を下方に変位させることになる。
【0065】
このため、第一取付片部11と第二取付片部12は、衝突荷重を受けた際に、ダッシュパネル2とECU1との間で突っ張ることなく、ダッシュパネル2に直接、衝突荷重が伝達されることがない。
【0066】
図8は、従来構造の取付ブラケット50を採用した場合の、(a)通常時と(b)衝突時である。
【0067】
この図に示すように、一般にECU1の取付ブラケット50は、ダッシュパネル2への取付作業性等を考慮して、下側の取付片部51を後下がり傾斜となるように設定して、上側の取付片部52との間で、取付片部51,52が側面視で「略台形形状」を形成するように構成する。
【0068】
しかし、取付ブラケット50をこのように構成した場合には、車両衝突時に変速機Mが後退して、衝突荷重が取付ブラケット50に作用すると、下側の取付片部51と上側の取付片部52とが相反する方向に倒れるような挙動が生じて、結果的に、取付片部51,52がECU1とダッシュパネル2との間で、突っ張るような状態となってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、図6に示すように、第一取付片部11と第二取付片部12を、側面視で「略平行四辺形」を形成するように設定することで、取付片部11,12の突っ張りを防止している。
【0070】
また、この実施形態では、取付ブラケット10の倒れ方向を下方に設定している。これにより、カウルボックス30やマスターバック7、ワイヤーハーネス部材8をECU1の周辺に配設しつつも、下方のデッドスペース空間Dを利用して確実に取付ブラケット10の倒れ挙動を確保することができる。
【0071】
次に、本実施形態の作用効果について、詳述する。
この実施形態の車載部品の取付構造は、エンジンルームERの後壁を構成するダッシュパネル2と、そのダッシュパネル2の前方に離間して設置される変速機Mと、その変速機Mの後方で且つダッシュパネル2の前方に離間して設置されるECU1と、そのECU1から後方に向って延びダッシュパネル2に取付けられる取付片部11,12,13とを備え、その取付片部11,12,13が、前下がりに傾斜して延びる第一取付片部11と、第一取付片部11と略平行に前下がりに傾斜して延びる第二取付片部12とを含んでいる。
【0072】
これにより、ECU1を取付ける取付ブラケット10の第一取付片部11と第二取付片部12が、前下がりに傾斜して略平行に延びるため、車両の前面衝突時に、前方に設置された変速機Mが後退してECU1に干渉すると、第一取付片部11と第二取付片部12が下方に倒れるように簡単に折れ曲り、ECU1が下方に変位(移動)することになる。
このため、車両の前面衝突時に、第一取付片部11と第二取付片部12がECU1とダッシュパネル2との間で突っ張ってしまうことを防止することができる。
【0073】
よって、ECU1をエンジンルームER内に取付ける取付構造において、ECU1の支持剛性を確保しつつも、後退する変速機MがECU1に干渉しても、取付片部11,12が突っ張った状態とならず、ダッシュパネル2の後退を低減することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、下方に変位するように取付片部11,12を前下がりに傾斜させたが、「前後方向に対して直交する方向」に変位するように構成すれば、同様の効果が得られるため、例えば、車幅方向両側の左右方向や上方、さらに斜め上下方向等に、取付片部が傾斜するように設定してもよい。
また、取付ブラケット10によって取付けられる車載部品もECU1に限定されるものではなく、例えば、ABSユニット、TRCユニット、ATユニット、ハイブリッド車用の制御ユニット等の電子制御ユニットであってもよい。
さらに、第一取付片部11と第二取付片部12も、本実施形態のように取付ブラケット10で一体的に構成されるものだけでなく、別体で構成されるものであってもよい。
【0075】
また、この実施形態では、第一取付片部11と第二取付片部12を、それぞれ平板状部材で構成し、その平板状部材を、平板面に対して傾斜させることで、前下がりに傾斜するように設定している。
これにより、第一取付片部11及び第二取付片部12を、平板状部材が平板面に直交する方向に剛性が低いという特性を利用して、車両衝突時に容易に変形させることができる。
よって、第一取付片部11と第二取付片部12に、余計な脆弱部等を形成することなく、車両衝突時に確実に変形を生じさせることができる。
【0076】
また、この実施形態では、縦方向に平板面が延びる第三取付片部13を設け、その第三取付片部13に、上下方向に剛性の低くなる切欠部15を備えている。
これにより、ECU1を三点でダッシュパネル2に取付けることが可能となる。もっとも、この第三取付片部13を、ダッシュパネル2への組付け性やレイアウト性の要求により、やむを得ず他の取付片部11,12の傾斜方向と異なる向きに平板面を設定して設置した場合でも切欠部15を設けているため、車両衝突時に、この第三取付片部13にも、下方向きに変形が生じさせることができる。
よって、第三取付片部13を設けることで、ECU1を三点支持として支持剛性を高めつつも、第三取付片部13が容易に変形するため、他の取付片部11,12の倒れ変形を阻害することなくダッシュパネル2の後退を抑制することができる。
【0077】
また、この実施形態では、ECU1の上方に前方に突出したカウルボックス30を設け、ECU1の車幅方向両側方に、マスターバック7とワイヤーハーネス部材8を配置している。
これにより、ECU1の周辺に複数の車載部品や車体部材を配置しつつも、車両衝突時には、ECU1が下方に変位するため、下方のデッドスペース空間Dを有効に利用して、第一取付片部11と第二取付片部12を容易且つ確実に変形させることができる。
よって、ECU1の周辺に他の車載部品等7,8,30を有効に配置してエンジンルームER内のレイアウト効率を高めつつも、ダッシュパネル2の後退を確実に抑制することができる。
【0078】
また、この実施形態では、第二取付片部12をベースプレート部14を介して第一取付片部11に連結している。
これにより、第一取付片部11の倒れ変形が第二取付片部12にも伝達されることになり、車両衝突時には、二つの取付片部11,12に、ほぼ同様の倒れ変形が確実に生じることになる。
よって、第一取付片部11と第二取付片部12の倒れ変形が確実になり、ダッシュパネル2の後退を抑制することができる。
【0079】
また、この実施形態では、ECU1の右側にマスターバック7を設置して、第一取付片部11を、マスターバック7上方のダッシュパネル部分2aから前下がりに傾斜するように設置して、第二取付片部12を、マスターバック7の左側方のダッシュパネル部分2bから前下がりに傾斜するように設置して、第三取付片部13を、マスターバック7下方のダッシュパネル部分2cから略水平方向に延びるように設置している。
これにより、マスターバック7周辺のダッシュパネル2を有効に利用して、第一取付片部11、第二取付片部12、第三取付片部13を組付けることが可能となり、ECU1をマスターバック7の前方側方位置に配置することができる。また、第一取付片部11と第二取付片部12が前下がりに傾斜していることで、車両衝突時には、取付片部11,12が倒れ変形をして、ECU1を下方のデッドスペース空間Dに変位させることができる。
よって、マスターバック7の前方空間を有効に利用してECU1を配置しつつも、車両衝突時には、ダッシュパネル2の後退を防ぐことができる。
【0080】
また、この実施形態では、ECU1の左側に、前後方向に延びるワイヤーハーネス部材8を設置して、ダッシュパネル2にワイヤーハーネス部材8を挿通する貫通孔9を形成する共に、ECU1をダッシュパネル2に取付ける取付ブラケット10を、第一取付片部11とベースプレート部14と備える第一ブラケット10Aと、第二取付片部12を備える第二ブラケット10Bで構成している。
これにより、ダッシュパネル2の貫通穴9にワイヤーハーネス部材8を組付ける前に、予め、第二ブラケット10Bをダッシュパネル2に組付けておき、ワイヤーハーネス部材8を組付けた後に、この第二ブラケット10Bに、第一ブラケット10Aを連結することで、取付ブラケット10を組付けことができる。
このため、ワイヤーハーネス部材8に近接した位置に第二取付片部12を組付ける場合であっても、先に、第二取付片部12を組付けておくことができるため、締結工具Tでワイヤーハーネス部材8を傷つけることなく、組付け作業を行なうことができる。
よって、ワイヤーハーネス部材8をECU1の近傍に設置しても、ワイヤーハーネス部材8を傷つけることなく、取付ブラケット10をダッシュパネル2に組付けることができ、組付け作業性を向上することができる。
【0081】
なお、この実施形態では、第一ブラケット10Aに第一取付片部11と第三取付片部13とを一体的に構成しているが、第三取付片部13を分割して、この第三取付片部13を別体の第三ブラケットとして構成してもよい。
【0082】
このように、別体の第三ブラケットを設定した場合には、第三取付片部13についても、予めダッシュパネル2に組付けることができる。このように、第三取付片部13を予めダッシュパネル2に組付けるように設定することにより、例えば、取付ブラケット10を組付けた状態でベースプレート部14によって覆われるダッシュパネル2位置についても、取付ブラケット10のダッシュパネル2への取付位置とすることができ、ダッシュパネル2に対して車載部品等を効率的に取り付けることができる。
【0083】
次に、第二の実施形態について、図9の取付ブラケット100の単品斜視図を利用して説明する。この単品斜視図は、第一実施形態の図3に対応する図であり、同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、その他の前提の構成要素については、第一の実施形態と同様である。
【0084】
この実施形態では、第三取付片部113を、他の取付片部11,12と同様に、腕部113aの平板面が略水平方向に延びるように形成したものである。
【0085】
具体的には、第三取付片部113を、前後方向に延びる腕部113aと、上下方向に延びるフランジ部113bとで構成して、腕部113aの平板面が略水平方向に延びるように形成している。
【0086】
また、腕部113aの中央には、車幅方向に延びる横ビード114を形成して、前後方向剛性を低くしている。さらに、フランジ部113bには、他の取付片部11,12と同様にスタッドボルトSBを挿通する挿通穴117を形成している。
【0087】
このように、第三取付片部113の腕部113aを、その平板面が略水平方向に延びるように形成していることで、車両前方側から衝突荷重を受けた場合に、第一実施形態よりも、さらに、第三取付片部13が下方に折れ曲りやすくなる。特に、横ビード144を設けることにより、さらに下方に変形し易くなり、取付ブラケット100の下方への倒れ変形がより容易に生じることになる。
【0088】
したがって、この実施形態によると、ECU1の下方変位がより確実に生じることになり、第一取付片部11と第二取付片部12の倒れ変形をより促進することができ、ダッシュパネル2の後退をより確実に抑制することができる。
その他の作用効果については、第一の実施形態と同様である。
【0089】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の車載部品は、実施形態のECU1に対応し、
以下、同様に、
構造体は、変速機Mに対応し、
第一の取付脚部は、第一取付片部11に対応し、
第二の取付脚部は、第二取付片部12に対応し、
第三の取付脚部は、第三取付片部13に対応し、
脆弱部は、切欠部15に対応し、
第二の車載部材は、マスターバック7に対応し、
第三の車載部材は、ワイヤーハーネス部材8に対応し、
ケーブル部材は、ワイヤーハーネス部材8に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車の車載部品の取付構造に適用する実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第一の実施形態を車両前方側斜め上方から見た全体斜視図。
【図2】ECUの取付構造を車両中央側の斜め前方から見た全体斜視図。
【図3】取付ブラケットの左側後方の単品斜視図。
【図4】取付ブラケットの右側後方の単品斜視図。
【図5】取付ブラケットのダッシュパネルへの組付け工程を示した正面図であり、(a)第一の工程を示した図、(b)が第二の工程を示した図、(c)が第三の工程を示した図。
【図6】通常時の取付ブラケット近傍の概略側面図。
【図7】車両衝突時の取付ブラケット近傍の概略側面図。
【図8】従来構造の取付ブラケット近傍の概略側面図。
【図9】第二の実施形態の取付ブラケットの左側後方の単品斜視図。
【符号の説明】
【0091】
M…変速機
1…ECU
2…ダッシュパネル
3…フロントサイドフレーム
7…マスターバック
8…ワイヤーハーネス部材
10,100…取付ブラケット
10A…第一ブラケット
10B…第二ブラケット
11…第一取付片部
12…第二取付片部
13,113…第三取付片部
15…切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車載部品取付構造であって、
エンジンルームの後壁を構成するダッシュパネルと、
該ダッシュパネルの前方に離間して設置される構造体と、
該構造体の後方で且つ前記ダッシュパネルの前方に離間して設置される車載部品と、
該車載部品から後方に向って延びダッシュパネルに取付けられる取付脚部とを備え、
該取付脚部が、前後方向に対して直交する所定方向に傾斜して延びる第一の取付脚部と、
該第一の取付脚部と同一方向に傾斜して延びる第二の取付脚部とを含む
自動車の車載部品取付構造。
【請求項2】
前記第一の取付脚部と第二の取付脚部を、それぞれ平板状部材で構成し、
該平板状部材を、平板面に対して傾斜させることで、前記所定方向に傾斜するように設定した
請求項1記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項3】
前記第一の取付脚部及び第二の取付脚部の傾斜方向と異なる向きに板厚向きを設定した第三の取付脚部を設け、
該第三の取付脚部に、前記傾斜方向に剛性の低くなる脆弱部を備えた
請求項2記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項4】
前記車載部品の上方に、前方に突出したカウルボックスを設け、
該車載部品の車幅方向両側方に、第二の車載部品と第三の車載部品を配置して、
前記第一の取付脚部と第二の取付脚部を前下がりに傾斜させて、前記所定方向が下方となるように設定した
請求項1〜3いずれか記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項5】
前記第二の取付脚部を第一の取付脚部に連結した
請求項1〜4いずれか記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項6】
前記車載部品の車幅方向側方に、マスターバックを設置して、
前記第一の取付脚部を、該マスターバックの上方のダッシュパネル部分から前記車載部品の上部に向って前下がりに傾斜する脚部で構成し、
前記第二の取付脚部を、該マスターバックの側方のダッシュパネル部分から前記車載部品の一方下部に向って前下がりに傾斜する脚部で構成し、
前記第三の取付脚部を、該マスターバックの下方のダッシュパネル部分から前記車載部品の他方下部に向って他の脚部と異なる方向に傾斜もしくは水平方向に延びる脚部で構成した
請求項3記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項7】
前記車載部品の車幅方向側方に、前後方向に延びるケーブル部材を設置して、
前記ダッシュパネルに、該ケーブル部材を挿通する貫通孔を形成する共に、
前記車載部品をダッシュパネルに取付ける取付ブラケットを、
前記第一の取付脚部と車載部品を組付ける取付ベース部とからなる第一ブラケットと、
一端が前記ケーブル部材の組付け前に前記ダッシュパネルの貫通孔近傍に組付けられ、他端が該一端から離間した位置で第一ブラケットに連結される前記第二の取付脚部からなる第二ブラケットで構成した
請求項1〜6いずれか記載の自動車の車載部品組付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−37301(P2008−37301A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215560(P2006−215560)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】