説明

自動食器洗い機用の物品洗浄組成物及びその使用方法

本発明によって物品洗浄用洗剤組成物が提供される。物品洗浄用洗剤組成物は洗浄剤、アルカリ源、及び腐食防止剤を含む。洗浄剤は洗浄力のある量の界面活性剤を含む。アルカリ源は、約5以上のpHを有する使用組成物を提供するのに有効な量で提供される。腐食防止剤は、アルミニウムイオン源及びカルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源の少なくとも1種を含む。カルシウムイオン又はマグネシウムイオンの量は、希釈の水の硬度に応じて選択できる。物品洗浄用洗剤組成物に使用法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗い機用の物品洗浄組成物、及び物品洗浄用組成物を自動食器洗い機に使用する方法に関する。自動食器洗い機は工業用又は家庭用食器洗い機でよい。物品洗浄用組成物はガラスの腐食を減らす腐食防止剤を含む。腐食防止剤は、アルミニウム、及びカルシウム、マグネシウム、亜鉛の少なくとも1種を含む。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗い機で繰り返し洗われるガラス製品には、不可逆の表面曇りを発現する傾向がある。大抵の場合、この曇りは、ガラス面からの反射光を受けて虹色を示す虹色光沢膜として自ずと現れる。そのガラスは、洗浄を繰り返すと次第に不透明になる。この曇りは、ガラスのエッチング又は腐食の一種であると考えられている。これと同種の腐食は、陶磁器、陶材及びセラミックなどの他の物品にも見られる。
【0003】
自動食器洗い機でのガラスの腐食は周知の現象である。「Soap and Chemical Specialties(1971年3月、p.62、64、及び67)」の「Etching of Glassware in Mechanical Dishwashing」という表題のD. Joubert及びH. Van Daeleの研究論文では、各種の洗剤成分、特にアルカリ性のものの影響について論じている。この主題は、1971年4月に「The Effect of Detergents on Glassware in Domestic Dishwashers」シンポジウム(ベルギー、シャルルロア)でTh. Altenschoepferによって提示された「The Present Position of Investigations into the Behavior of Glass During Mechanical Dishwashing」という表題の研究論文でも論じられている。また、同シンポジウムでP. Mayauxによって発表された「Mechanism of Glass Attack by Chemical Agents」という表題の別の研究論文も参照のこと。
【0004】
ガラス製品の腐食の問題は2つの別の問題に関することが分かっており、1つ目は、ケイ酸塩網目構造の加水分解とともにガラス組成物自体から無機物が浸出することによる腐食又はエッチングであり、2つ目は、ケイ酸塩物質のガラス上への堆積及び再堆積である。両方の現象は、自動食器洗い機でたびたび洗浄されたガラス製品の外観を曇らせることがある。大抵の場合、この曇りは、繰り返して洗浄すると次第に不透明になる虹色光沢膜として初期段階で自ずと現れる。
【0005】
腐食防止剤を自動食器洗い用組成物に加えて、ガラスに見られるエッチング又は腐食を減少させた。例えば、Wegstらの米国特許第2,447,297号明細書、Baconらの米国特許第2,514,304号明細書、Bairdらの米国特許第4,443,270号明細書、Cilleyらの米国特許第4,933,101号明細書、Caravajalらの米国特許第4,908,148号明細書、及びBeavanの米国特許第4,390,441号明細書を参照のこと。ガラス腐食の防止用に亜鉛が開示された。例えば、Cilleyの米国特許第4,917,812号明細書、Rutkowskiの米国特許第3,677,820号明細書、Knappの米国特許第3,255,117号明細書、Greenの米国特許第3,350,318号明細書、Baconらの米国特許第2,575,576号明細書、Austinの米国特許第3,755,180号明細書、及びGrayの米国特許第3,966,627号明細書を参照のこと。アルミニウム塩を含む自動食器洗い用洗剤組成物が、ガラス腐食を減らすために開示された。国際公開第96/36687号パンフレット、Austinらの米国特許第3,701,736号明細書、Angevaareらの米国特許第5,624,892号明細書、及びAngevaareらの米国特許第5,624,892号明細書、及びAngevaareらの米国特許第5,598,506号明細書を参照のこと。
【0006】
ガラスの腐食を制御するための取り組みは、2003年7月2日に米国特許商標局に出願された米国特許出願公開第2005−0003979A1号明細書及び2004年6月25日に米国特許商標局に出願された米国特許出願公開第2005−0020464A1号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【0007】
ガラスの腐食は、洗浄を重ねると次第に曇るガラス面からの反射光によって虹色を示す虹色光沢膜の外観によって特徴付けられる。ある種の腐食は、沈殿物から形成されたガラス面上の膜として自ずと現れ、別種の腐食は、ガラス面をエッチングした結果として自ずと現れることが分かっている。
【0008】
本願発明によって物品洗浄用洗剤組成物が提供される。物品洗浄用洗剤組成物は、洗浄剤、アルカリ源、及び腐食防止剤を含む。洗浄剤は、洗浄力のある量の界面活性剤を含む。アルカリ源は、約0.5重量%の固形物濃度で測定したときに約8以上のpHを有する使用組成物を提供するのに有効な量で提供される。腐食防止剤は、物品洗浄用洗剤組成物を、希釈水:洗剤組成物が約20以上:1の希釈比で希釈の水と混合したときに、ガラスの腐食を減らすのに十分な量で提供される。腐食防止剤は、アルミニウムイオン源、及びカルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源の少なくとも1種を含むことができる。
【0009】
カルシウムイオン源を含む腐食防止剤は、希釈の水が軟水と見なされる場合に好適であり、マグネシウムイオン源を含む腐食防止剤は、希釈の水が硬水と見なされる場合に好適である。さらに、カルシウムイオン源とマグネシウムイオン源の両方を含む腐食防止剤を選択して、軟水か硬水のいずれかで腐食防止性を提供できる。
【0010】
さらに、腐食防止剤は亜鉛イオン源を含むことができる。洗剤組成物がリン含有ビルダーを含むとき、亜鉛イオン源は腐食を減らすのに役立つことができる。洗剤組成物がリン非含有ビルダーと見なすことができるビルダーを含む場合には、リン非含有ビルダーが亜鉛イオン源とキレート化するビルダーの一種であるならば、亜鉛イオン源を含まない洗剤組成物を提供するのが望ましい。
【0011】
本発明によって物品洗浄用洗剤組成物の使用法が提供される。その方法は、希釈水:物品洗浄用洗剤組成物が約20以上:1の比で、希釈水によって物品洗浄用洗剤組成物を希釈する工程、及び自動食器洗い機内でその使用組成物を用いてガラスを洗浄する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ガラス製品、セラミック、又は陶材などの物品を、自動物品洗浄中又は物品洗浄中に自動物品洗浄機又は物品洗浄機における腐食から守るための物品洗浄用組成物を提供する。一般に、ガラス製品の腐食とは、ガラス製品、セラミック、又は陶材上で起こる腐食をいう。ガラス製品の腐食は、ガラス面の曇りとして見つけられる。腐食の初期段階は、ガラス面からの反射光を受けて虹色を示す虹色光沢膜として観測される。腐食が続くと、ガラス製品は次第に曇っていく。一般に、ガラス腐食とは、ケイ酸塩網目構造の加水分解とともにガラスから無機物が浸出することによるガラスのエッチング、ケイ酸塩物質がガラス上へ堆積及び再堆積することによる膜形成、又はこれらの両方によるガラスの劣化をいう。
【0013】
物品洗浄用組成物は、物品洗浄用洗剤組成物、洗浄組成物、又は組成物と称してよい。この物品洗浄用組成物は、自動物品洗浄又は物品洗浄機の内部以外の環境での洗浄に利用できる。例えば、本組成物は、流し台でガラス製品、皿などを洗浄するための炊事用具洗浄剤として使用できる。当然ながら、用語「物品洗浄」とは、物品洗浄及び皿洗いの両方をいい、これら両方を含むことを意図している。さらに、物品洗浄用組成物とは、濃縮体の形態で提供された又は使用組成物の形態で提供された組成物をいうものとする。一般に、濃縮体は、水で希釈されて、ガラス面と接触して洗浄のような所望の効果を与える使用組成物を提供するための組成物である。さらに、本洗剤組成物は、例えば、瓶洗浄及び車両洗浄などの環境で使用できる。通常は、本洗剤組成物は、ガラス、セラミック、又は陶材の腐食を減らすことが望ましい任意の環境で使用できる。
【0014】
物品洗浄用組成物は、ガラス腐食への耐性を示す使用組成物を提供するのに有効な量の腐食防止剤を含む。腐食防止剤に関する語句「有効な量」とは、複数回の洗浄後にガラスの腐食を低減するのに十分な量の腐食防止剤を含まないことを除いては同質の組成物よりも、ガラス腐食が減少したことを示す使用組成物を提供するのに十分な量をいう。
【0015】
腐食への耐性は、希釈の水が硬水又は軟水である場合に得られ、そしてリンを含む又はリンを含まない物品洗浄用組成物の状態で得られる。一般に、硬水は、200ppmを超える全溶解固形分(TDS)を有する水と見なされ、また軟水は、約200ppm未満の全溶解固形分を有する水と見なされる。溶解固形分とは、カルシウム及びマグネシウムの存在量をいう。主に硬水は、400ppmを超える、さらには800ppmを超える全溶解固形分を含む。水の硬度がガラス腐食を生じさせることがある。一般に、より高い全溶解固形分を有する水には、低濃度の全溶解固形分を有する水より速くガラスを腐食する傾向がある。水の硬度については数種類の方法で対処できる。例えば、水を軟化できる。つまり、水に存在するカルシウム及びマグネシウムをナトリウムに置き換えて水を軟化できる。さらに、物品洗浄用組成物は、硬度に対処するのに十分な濃度のビルダー又はキレート剤を含むことができる。硬水軟化剤は、しかしながら、時として崩壊するか、軟化効果を与える物質が尽きる。さらに、特定の環境は、物品洗浄用洗剤組成物のビルダー又はキレート容量を超える硬度を有する水を備えることがある。そのような状況では、ガラス腐食を助長するであろう遊離カルシウムイオンを利用してよい。これらの条件下でさえもガラス腐食に耐える腐食防止剤を用いて、物品洗浄用組成物を提供できる。
【0016】
政府系機関では、物品洗浄用組成物中のリンの存在を制限するか除去する傾向が強まっているようだ。伝統的には、物品洗浄用組成物は、ビルダー又はキレート剤としてリン酸塩又はホスホン酸塩を含んでいた。その環境でのリン含有物の累積効果のために、物品洗浄用組成物中のリンを禁止する傾向がある。物品洗浄用組成物が調合され、リンを含まないときには、リン酸塩又はホスホン酸塩の代わりに他のビルダー又はキレート剤が主に使われた。リン非含有ビルダー又はキレート剤には、腐食からガラス製品を保護するために存在する成分と相互作用する傾向がある。例えば、ビルダー/キレート剤のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)には、亜鉛をキレート化する傾向がある。結果として、腐食防止剤として亜鉛を含む物品洗浄用組成物は、EDTAによるキレート化イオンのために亜鉛の喪失に苦しむであろう。
【0017】
自動食器洗い工程で洗浄される物品と接触する物品洗浄用組成物を使用組成物ということができる。この使用組成物は、所望の水準の洗浄性を備える固形物濃度で提供できる。固形物濃度とは、使用組成物中の非水成分の濃度をいう。使用組成物を得るために希釈する前の物品洗浄用組成物を物品洗浄用組成物濃縮体又はより単純に濃縮体ということができる。濃縮体は、液体状又は固体状などの各種の形態で得ることができる。ペースト及びゲルは液体の一種と見なすことができる。粉末、凝集体、ペレット、タブレット、及びブロックは固体の一種と見なすことができる。
【0018】
物品洗浄用組成物は、使用組成物を提供する使用位置又は使用場所において水で濃縮体を希釈することによって、使用できる。自動物品洗浄又は物品洗浄機で物品洗浄用組成物を使用する多くの場合には、その使用位置又は使用場所が自動物品洗浄又は物品洗浄機の内部であることが分かっている。物品洗浄用組成物を居住施設用又は家庭用食器洗い機に使うとき、その組成物を食器洗い機の洗剤区画に配置してよい。通常は、洗剤区画は食器洗い機のドアに位置している。物品洗浄用組成物は、その区画中への1回分の物品洗浄用組成物の導入を可能にする形態で得ることができる。一般に、1回分とは、1回の物品洗浄サイクルに好適な物品洗浄用組成物の量をいう。多くの工業用皿洗い機又は物品洗浄機では、そして特定の居住施設用又は家庭用食器洗い機でさえも、大量の物品洗浄用組成物を、各物品洗浄又は皿洗いサイクル用組成物の1回分を放出できる区画内に提供できることが分かっている。そのような区画は、物品洗浄又は皿洗い機の一部分でよく、或いは、組成物を物品洗浄又は皿洗い機に送達するホースによって物品洗浄又は皿洗い機と接続している分離構造体でよい。例えば、物品洗浄用組成物のブロックをホッパーに入れて、そしてブロックの表面に対して水をスプレーして、物品洗浄機中に入れられる液状濃縮体を提供できる。ホッパーは物品洗浄機の一部分でよいし、又は物品洗浄機と分離していてよい。
【0019】
濃縮体を希釈して使用組成物を形成するのに使われる水は希釈の水と呼ばれ、場所によって異なることがある。ある場所で利用できる水が、比較的低い濃度の全溶解固形分を有する一方で、別の場所の水は比較的高い濃度の全溶解固形分を有するであろうことが分かっている。一般に、硬水は200ppmを超える全溶解固形分を有する水と見なされる。軟水である希釈の水又は硬水である希釈の水の存在下で腐食防止性を得られるように、本発明の物品洗浄用洗剤組成物を提供できる。
【0020】
洗剤組成物濃縮体は、リンを含まないようにして得られる。一般に、リンを含まない組成物とは、意図的に加えられたリン含有成分を含まない組成物を意味する。当然ながら、各種成分が微量のリンを含んでよい。しかし、リンを含まない組成物は、意図的に追加された成分としてリン酸塩又はホスホン酸塩ビルダー又はキレート成分を含まない。この組成物がリンを含まない場合、組成物はリン非含有ビルダー又はキレート剤を含むことができる。
【0021】
使用組成物は、使いすぎによって物品洗浄用組成物を無駄にしないようにしながら、所望の水準の洗浄を行なうのに十分な固形分を有してよい。一般に、使用組成物は、所望の水準の洗浄を可能にする約0.05重量%以上の固形分を有してよい。さらに、使用組成物は、その組成物を余りに使いすぎないように約1.0重量%未満の固形分を有してよい。さらに、使用組成物は、約0.05重量%〜約0.75重量%の固形分を有してよい。
【0022】
濃縮体を使いやすくして、かつ所望の洗浄性を有する使用組成物を形成できる希釈比で水を用いて希釈することにより、濃縮体から使用組成物を調製できる。水:濃縮体の比が約20以上:1で、さらには約20:1〜約2000:1で、濃縮体を希釈して、所望の洗浄性を有する使用組成物を提供できる。
【0023】
物品洗浄用組成物は固体の形態でよい。典型的な固体の物品洗浄組成物は、Lentschらの米国特許第6,410,495号明細書、Manらの米国特許第6,369,021号明細書、Weiらの米国特許第6,258,765号明細書、Lentschらの米国特許第6,177,392号明細書、Lentschらの米国特許第6,164,296号明細書、Lentschらの米国特許第6,156,715号明細書、及びLentschらの米国特許第6,150,624号明細書に開示されている。各特許の組成物は参照によりここに含まれる。それらの特許のそれぞれの組成物を改良して、ガラスのエッチング及び膜形成を望ましく減少させるのに有効な量の腐食防止剤を含む物品洗浄用組成物を提供できる。
【0024】
腐食防止剤
腐食防止剤は、腐食防止剤がないことを除いて同質の他の使用組成物に関するガラスの腐食の速度よりも少ないガラスの腐食の速度を示す使用組成物を提供するのに十分な量で物品洗浄用組成物に含まれる。腐食防止剤とは、アルミニウムイオン源とカルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、又は亜鉛イオン源の少なくとも1種との組み合わせをいう。アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源は、それぞれ、物品洗浄用組成物が使用組成物の形態で提供されるときにアルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及び亜鉛イオンを備える。どのような完全イオン形態が使用組成物に存在するのか、明確ではない。例えば、使用組成物がアルカリ性であるとき、アルミニウムイオンをアルミン酸塩イオンとして利用してよい。それ故に、当然ながら、用語「アルミニウムイオン」、「カルシウムイオン」、「マグネシウムイオン」、及び「亜鉛イオン」とは、それぞれ、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、及び亜鉛の原子を含むイオンをいう。使用組成物にアルミニウムイオンを提供する成分をアルミニウムイオン源といい、使用組成物にカルシウムイオンを提供する任意の成分をカルシウムイオン源といい、そして使用組成物にマグネシウムイオンを提供する任意の成分をマグネシウムイオン源といい、そして使用組成物に亜鉛イオンを提供する任意の成分を亜鉛イオン源ということができる。アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源が、反応してアルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、又は亜鉛イオンを形成する必要はない。アルミニウムイオンをアルミニウムイオン源と見なし、カルシウムイオンをカルシウムイオン源と見なし、マグネシウムイオンをマグネシウムイオン源と見なし、そして亜鉛イオンを亜鉛イオン源と見なすことができる。さらに、そのイオン源は、元素金属、有機塩、無機塩、有機酸化物、無機酸化物、又はこれらの混合物として提供できる。イオン源は、無水成分又は水和成分として提供できる。
【0025】
典型的なアルミニウムイオン源としては、アルミニウム、並びにアルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、アルミニウム・カリウム硫酸塩、アルニウム・亜鉛硫酸塩、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミノケイ酸ナトリウム、及びこれらの混合物などのアルミニウム塩が挙げられる。
【0026】
典型的なカルシウムイオン源としては、ホウ酸カルシウム、過ホウ酸カルシウム、過炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、ヒ化カルシウム、アジ化カルシウム、安息香酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、六ホウ化カルシウム、臭素酸カルシウム、臭化カルシウム、二炭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩素酸カルシウム、塩化カルシウム、亜塩素酸カルシウム、クロム酸カルシウム、クエン酸カルシウム、カルシウム・シアナミド、シアン化カルシウム、二リン酸カルシウム、ジチオン酸カルシウム、フッ化カルシウム、六リン酸二フッ化カルシウム、ギ酸カルシウム、d‐グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水素化カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫化水素カルシウム、水酸化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、カルシウム・鉄酸化物、乳酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、カルシウム・鉛酸化物、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、カルシウム・マグネシウム・ケイ素酸化物、メタリン酸カルシウム、モリブデン酸カルシウム、硝酸カルシウム、窒化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、パルミチン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、過マンガン酸カルシウム、過酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン化カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、セレン酸カルシウム、セレン化カルシウム、ケイ酸カルシウム、二ケイ化カルシウム、カルシウム・ケイ素酸化物、カルシウム・ケイ素・チタン酸化物、ステアリン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫化カルシウム、亜硫酸カルシウム、酒石酸カルシウム、カルシウム・メソ酒石酸塩‐3‐水テルル化物、チオ硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、カルシウム・チタン酸化物、タングステン酸カルシウム、カルシウム・バナジウム酸化物、アルミノケイ酸カルシウム、及びジルコン酸カルシウムなどのカルシウム塩が挙げられる。
【0027】
典型的なマグネシウムイオン源としては、ホウ酸マグネシウム、過ホウ酸マグネシウム、過炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アセチルサリチル酸マグネシウム、二アルミン酸マグネシウム、マグネシウムアミド、アンチモン化アルミニウム、ヒ酸マグネシウム、ヒ化マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ビスマス化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、二ホウ化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム炭酸塩‐水酸化物、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、二リン酸マグネシウム、鉄酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ゲルマニウム化マグネシウム、水素化マグネシウム、ヒ酸水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、マンデル酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、窒化マグネシウム、亜硝酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、過酸化マグネシウム、ペルオキソホウ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン化マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、マグネシウム・ケイ素酸化物、硫酸マグネシウム、d‐酒石酸マグネシウム、テルル化マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、及びタングステン酸マグネシウムなどのマグネシウム塩が挙げられる。
【0028】
典型的な亜鉛イオン源としては、過酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、過ホウ酸亜鉛、過炭酸亜鉛、亜鉛含有粘土、亜鉛含有ポリマー、酢酸亜鉛、亜鉛・アルミニウム酸化物、亜鉛ジアミド、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、炭酸亜鉛、塩素酸亜鉛、塩化亜鉛、クロム酸亜鉛、ギ酸亜鉛、水酸化亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛・鉄酸化物、硝酸亜鉛、窒化亜鉛、シュウ酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、p‐フェノールスルホン酸亜鉛、リン酸亜鉛、リン化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛、亜硫酸亜鉛、アルミノケイ酸亜鉛、及びテルル化亜鉛などの塩が挙げられる。
【0029】
アメリカ合衆国食品医薬品局により直接又は間接食品添加物として特徴付けられる成分に、アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源を選ぶことができる。物品洗浄用洗剤組成物は食品と接触する物品を洗浄するのに使われるので、アメリカ合衆国食品医薬品局に直接又は間接食品添加物として特徴付けられる成分にアルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、及びマグネシウムイオン源を選ぶことが望ましいであろう。
【0030】
アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源は、水中での可溶化を助ける形態(例えば使用組成物)で提供できる。例えば、アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源の寸法を調整して溶解度を増やせる。アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源を、約500nm未満の粒径を有する粒子として提供し、溶解速度を増やせる。例えば、イオン源をナノ粒子として提供することは、溶解の速度を増加させるのに役立つ。
【0031】
アルミニウムイオンと、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、又は亜鉛イオンの少なくとも1種とが相互作用して、洗浄される物品面上へ沈殿することによって、腐食防止剤が抗腐食性又は抗膜形成性を提供できることが分かっている。つまり、アルミニウムイオン、並びにカルシウムイオン、マグネシウムイオン、又は亜鉛イオンの少なくとも1種は、使用組成物中で相互作用して、ガラス面に沈殿してガラス面を保護できることが分かっている。さらに、沈殿物は、例えば、次の物品洗浄工程で、除去されるまで物品に残ることが分かっている。ガラス面上への除去可能な膜の制御された沈殿によって、ガラス面は腐食から保護されることが分かっている。さらに、ガラス面上へのアルミニウム沈殿物の比較的速い堆積は、曇った外観(曇った外観は不可逆であるか、除去するのがかなり困難である)によって、腐食と受け取られる膜形成を起こし得ることが分かっている。それ故に、洗剤組成物が使われる予定であり、そしてガラス面上への所望の水準の沈殿が、ガラスのエッチングから保護し、かつ裸眼で視認できるほど厚くない膜を提供できると分かる環境に基づいて、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及び亜鉛イオンの量と比の選択を制御できる。さらに、比較的薄い膜又はガラス面上の沈殿物の制御された堆積を提供することにより、その薄膜を次の洗浄中に除去して、そして新しい膜を堆積させて保護層を作ることができる。沈殿膜は除去可能と見なせるので、真珠光沢膜又は表面曇りを恒久的に作り出さない。結果として、沈殿膜は、ガラスの保護に利用できる一方で、次の洗浄によって除去及び再生できる。
【0032】
腐食防止剤沈殿物によってガラス面にできる膜は、実質的に裸眼では視認できない。当然ながら、語句「実質的に裸眼では視認できない」とは、通常の使用状態(例えば食卓)で個別に何気なくガラスを検査しても、目立つ膜形成がないことをいう。視認可能な膜形成とは、ガラスからの反射光を受けて虹色を示す虹色光沢膜から始まる曇った外観をいう。腐食防止剤を制御することにより、ガラスにできる沈殿物の量を制御して、実質的に裸眼では視認できず、かつ保護層として機能する膜をガラスに与える。保護層として機能することにより、沈殿で形成される膜は、ガラス面の腐食への耐性を備えることができる。つまり、アルカリ及びビルダー又は金属イオン封鎖剤などの使用組成物の他の成分が、ガラス面を攻撃する前に保護層を攻撃するであろう。保護層が犠牲層として機能する一方で、アルカリ、ビルダー、又は金属イオン封鎖剤がその犠牲層を攻撃して犠牲層の一部分を除去することが分かっている。
【0033】
カルシウム、マグネシウム、及び亜鉛が、様々な速度でアルミニウムと相互作用して沈殿を起こすことが観測された。一般に、カルシウムイオンには、亜鉛イオン及びマグネシウムイオンよりも速く、アルミニウムイオンと相互作用して沈殿を起こす傾向がある。マグネシウムイオンには、カルシウムイオン又は亜鉛イオンよりも遅く、アルミニウムイオンと相互作用して沈殿を起こす傾向がある。一般に、亜鉛イオンがアルミニウムイオンと相互作用して沈殿を起こす速度は、カルシウムイオン及びアルミニウムイオンの沈殿の速度とマグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの沈殿の速度との間である。この観測を信頼して、希釈の水が硬水又は軟水である場合に使用する腐食防止剤を選択できる。一般に、希釈水が硬水である状態では、腐食防止剤の一部としてさらにマグネシウムイオンを与えることが望ましいであろう。希釈の水が軟水である場合には、腐食防止剤にカルシウムイオンを与えることが、より望ましいであろう。
【0034】
物品洗浄用組成物中のリン含有物の存否、及び希釈の水の水硬度の予想水準に基づいて、物品洗浄用組成物のための腐食防止剤を選択できる。一般に、リン含有物を含まない(例えば、意図的に加えたリン含有物がない)物品洗浄用組成物を提供することが望ましい。典型的にはリン酸塩及びホスホン酸塩などのリン含有物がビルダー又はキレート剤として使われるので、通常はリン含有ビルダー又はキレート剤を、リンを含まない組成物のビルダー又はキレート剤のようなリン非含有成分に置き換えることが望ましい。多くのリン非含有ビルダー又はキレート剤には、亜鉛をキレート化する傾向がある。それ故に、リン非含有ビルダー又はキレート剤は亜鉛と結合し、アルミニウムによる沈殿に利用不可能な亜鉛イオンを作って、保護層を形成する。
【0035】
カルシウム水溶液には、腐食防止剤と相互作用し、ガラス面上に沈殿して、かなり速く可視膜を作る傾向があるので、硬水の存在下でガラスを洗浄することは問題となり得る。可視膜の存在を「膜形成」といってよく、そして実質的に不可逆であるから一種の腐食と見なせる。当然ながら、語句「実質的に不可逆」とは、通常の洗浄では膜が消えないことをいう。実験室内で、ある種の化学物質によって慎重に処理することで膜の一部分を除去できることが分かっている。物品洗浄機では、可視膜物を除去する処理は非実用的であろう。カルシウムの硬水溶液には、アルミニウムイオンと相互作用してガラス上へ沈殿する傾向がある。アルミン酸塩イオンの場合には、カルシウムがアルミン酸イオンと反応して、比較的速く沈殿するアルミン酸カルシウムを形成することが分かっている。
【0036】
ガラス面に所望の速度で保護層を堆積させる腐食防止剤の選択に影響する4つの条件としては、(a)希釈の水としての軟水の存在、(b)希釈の水としての硬水の存在、(c)ビルダー又はキレート剤としてのリン含有化合物の存在、並びに(d)ビルダー又はキレート剤としてのリン含有物の不在及びビルダー又はキレート剤としてのリン非含有化合物の存在が挙げられる。これらの4つの条件を考慮して、腐食防止剤を選択し、物品洗浄工程中に保護層を提供できる。希釈の水としての軟水、及びリン含有ビルダー又はキレート剤を含む物品洗浄用組成物の場合には、Ca/Al、Ca/Zn/Al、又はZn/Alの堆積により保護膜を形成できる。希釈の水としての硬水、及びリン含有ビルダー又はキレート剤を含む物品洗浄用組成物の場合には、Mg/Al、Mg/Zn/Al、又はZn/Alの堆積により保護膜を形成できる。希釈の水としての軟水、及びリンを含まない物品洗浄用組成物の場合には、Ca/Al又はCa/Mg/Alの堆積によって保護膜を形成できる。希釈の水としての硬水、及びリンを含まない物品洗浄用組成物の場合には、Mg/Al又はCa/Mg/Alの堆積により保護膜を形成できる。一般に、アルミニウムイオンによって沈殿するカルシウムイオン、マグネシウムイオン、及び亜鉛イオンの相対量を調整して保護層を形成することにより、これらの4つの条件のそれぞれで保護層を形成できる。
【0037】
当然ながら、前のパラグラフの特性化表現「CaAl」及び腐食防止剤の他の特性化表現は、膜を意味していることが文脈から明らかなときは、特定金属成分を含む膜を意味する。洗剤組成物を意味する状況では、むしろこの特性化表現は、洗剤組成物が使用組成物を形成するとすぐにカルシウム及びアルミニウムを含む保護膜を形成できる、カルシウムイオン源及びアルミニウムイオン源の存在を意味してよい。
【0038】
腐食防止剤の様々な実施形態が提供される。一実施形態では、腐食防止剤は実質的に亜鉛を含まないものとして特徴付けられる。別の実施形態では、腐食防止剤は亜鉛を含むことができる。一般に、腐食防止剤は、物品洗浄用洗剤組成物が意図的に加えられた亜鉛を含まないならば、実質的に亜鉛を含まないものとして特徴付けられる。さらに、腐食防止剤は、物品洗浄用洗剤組成物が亜鉛を含まなければ、実質的に亜鉛を含まないものとして特徴付けられるし、さもなければ、亜鉛が存在するならば、それは濃縮体の重量を基準とした0.01重量%未満の量で物品洗浄用洗剤組成物に存在する。亜鉛の重量は、亜鉛のイオン又は金属形態を基準とする。濃縮体が、濃縮体の重量(ただし、亜鉛の重量は亜鉛のイオン又は金属形態を基準とする)を基準とした0.01重量%を超える亜鉛を含むときには、物品洗浄用洗剤組成物は亜鉛を含有していると見なせる。
【0039】
キレート効果のために幾つかのリン非含有ビルダー又はキレート剤は亜鉛を有するので、より効果的なビルダー又はキレート剤を提供するために、亜鉛を含まない腐食防止剤をリン非含有ビルダー又はキレート剤系に与えることが望ましいであろう。言い換えれば、特定のリン非含有ビルダーキレート剤には、亜鉛とキレート化する傾向があるので、亜鉛を主成分としない腐食防止剤を提供するのが望ましい。亜鉛が存在しないので、リン非含有ビルダー又はキレート剤は、亜鉛と固く結合しないであろう。さらに、亜鉛を含まない物品洗浄用組成物を提供する利点があり得る。亜鉛を含む排水の処理に関連した追加のコストがあり得る。それ故に、物品洗浄用組成物からの亜鉛の除去は有利となり得る。
【0040】
実質的に亜鉛フリーの物品洗浄用洗剤組成物の場合には、腐食防止剤は、カルシウム/アルミニウム腐食防止剤、マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤、又はマグネシウム/カルシウム/アルミニウム腐食防止剤として提供できる。希釈の水が軟水の予定の亜鉛フリー物品洗浄用組成物には、カルシウム/アルミニウム腐食防止剤が好ましい。カルシウム/アルミニウム腐食防止剤は、所望の腐食防止性を提供する量のカルシウムイオン源及びアルミニウムイオン源を含むことができる。カルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約1未満:4(例えば、0.5:1又は1:5)、又は約2超:1(例えば、3:1)のカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を提供できる。さらに、カルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約1未満:5、又は約3を超える:1のカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を提供できる。硬水と見なせる希釈の水を使う予定の亜鉛フリー物品洗浄用組成物には、マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤が好ましい。所望の腐食防止性を提供する量のマグネシウムイオン源及びアルミニウムイオン源を含んでいる、マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を選択できる。一般に、マグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が、約1超:3(例えば、2:3)及び約3未満:1(例えば、2:1)の、マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を選択できる。さらに、マグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が、約2超:3及び約2未満:1のマグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を選択できる。範囲特性化後の典型的な量の特性値は、範囲特性を示すものであり、その範囲を特定値に限定するものではないと解するべきである。例えば、約3未満:1の比として表された範囲は、2:1の比の範囲を含む。
【0041】
カルシウム/マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤は、物品洗浄用組成物が亜鉛を含まないとき、そして希釈の水が硬水又は軟水のいずれかでよい場合に選択してよい。一般に、硬水又は軟水のいずれかに使われる腐食防止剤用のカルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びアルミニウムイオンの量は、次の式に基づいて決定してよい。
【0042】
式1
[(2.8*Mg+3.9*Ca+3.7*Al−4.4*Mg*Ca−6.2*Mg*Al−4.5*Ca*Al−34.2*Mg*Ca*Al−5.7*Mg*Ca*(Mg−Ca)+11.6*Mg*Al*(Mg−Al)−4.0*Ca*Al*(Ca−Al)−3/(95.3*111*82)]≧0
【0043】
亜鉛含有物品洗浄用洗剤組成物の場合には、腐食防止剤は、カルシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤、マグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤、又はカルシウム/マグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤として提供され得る。希釈の水が軟水であると予想される環境では、カルシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤が好ましい。一般に、この腐食防止剤のカルシウムイオン、亜鉛イオン、及びアルミニウムイオンの量の選択は、次の式によって制御できる。
【0044】
式2
[(0.82*Al+0.9*Ca+Zn+6*Al*Ca+10.3*Al*Zn+0.56*Ca*Zn+17.7*Al*Ca*Zn+4.1*Al*Ca*(Al−Ca)5.1*Al*Zn*(Al−Zn)+l.l*Ca*Zn*(Ca−Zn)−3)/(111*136.4*82)]>0
【0045】
希釈の水が硬水である環境ではマグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤が好ましい。一般に、この腐食防止剤用のマグネシウムイオン、亜鉛イオン、及びアルミニウムイオンの量は、次の式に基づいて決められる。
【0046】
式3
[(1.2Mg+3.2*Zn+1.2*Al−2.4*Mg*Zn+5.1*Mg*Al+5.1*Zn*Al+3.3*Mg*Zn*Al−4.8*Mg*Zn(Mg−Zn)−2.7*Mg*Al(Mg−Al)−8.7*Na*Al*(Zn−Al)−3)/(95.3*36.4*82)]>0
【0047】
カルシウム/マグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤は、希釈の水が硬水又は軟水のいずれかである環境に使用できる。一般に、この腐食防止剤用のカルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、及びアルミニウムイオンの量は、次の式に基づいて決められる。
【0048】
式4
1.8〜3.2(Mg+Zn):9〜32モルのCa:1.0〜7.3モルのAl
【0049】
当然ながら、式1〜4は、コンピュータプログラムDesign Expertを用いる実証的研究のコンピュータ解析の結果である。さらに、特定金属成分の量はモル量として得られる。
【0050】
腐食防止剤は、ガラスの腐食を減少させるのに有効な量で使用組成物に提供され得る。使用組成物は所望の腐食防止性を提供するために約6ppm以上の腐食防止剤を含むと予想される。腐食防止剤の量は、アルミニウムイオン源、カルシウムイオン源、マグネシウムイオン源、及び亜鉛イオン源の合計を基準として計算される。より大量の腐食防止剤を有害な効果のない使用組成物に使用できると予想される。ある時点では、腐食防止剤濃度を増加させた状態での増加した腐食耐性の追加的な効果が消え、そして追加の腐食防止剤は、洗浄組成物を用いるコストを増加させるだけであると予想される。200ppmを超える遊離カルシウムイオンを含む使用組成物の場合では、より高濃度のアルミニウムイオンの提供が、カルシウムイオンの有用性を増加させて、アルミニウムイオンによって沈殿させると予想される。それ故に、腐食防止剤の濃度の上限を選択して可視膜形成を避けされる。この使用組成物は、約6ppm〜約300ppmの腐食防止剤、そして約20ppm〜約200ppmの腐食防止剤を含むことができる。使用組成物へ希釈される予定の濃縮体の場合には、腐食防止剤を約0.01重量%以上の濃度で提供してよく、約0.05重量%以上の濃度で提供してよく、そして約0.1重量%以上の濃度で提供してよい。例えば、濃縮体は、約0.05重量%〜約25重量%、約0.1重量%〜約15重量%、約0.3重量%〜約10重量%、及び約0.5重量%〜約5重量%の濃度で腐食防止剤を含有できる。
【0051】
アルカリ源
本発明の物品洗浄用組成物は、有効な量の1つ又は複数のアルカリ源を含み、基材の洗浄性を高めて組成物の土壌除去性能を改良できる。一般に、1つ又は複数のアルカリ源の有効な量は、約8以上のpHを有する使用組成物を提供する量と見なすべきである。使用組成物が約8〜約10のpHを有するとき、それは弱アルカリ性と見なすことができ、そしてpHが約12を超えるとき、使用組成物は苛性と見なすことができる。一般に、弱アルカリ性洗浄組成物は苛性アルカリ系使用組成物よりも安全であると見なせるので、弱アルカリ性洗浄組成物として使用組成物を提供するのが望ましい。
【0052】
物品洗浄用組成物は、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物を含有できる。使用できる典型的な金属炭酸塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウムの、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、これらの混合物が挙げられる。使用できる典型的なアルカリ金属水酸化物としては、例えば、ナトリウム又はカリウムの水酸化物が挙げられる。固体ビーズの、水溶液に溶解した、又はこれらの組み合わせの形態の組成物にアルカリ金属水酸化物を加えてよい。アルカリ金属水酸化物は、約12〜100U.S.メッシュの範囲の粒径を併用した顆粒固体若しくはビーズの形態の固体として、又は水溶液として、例えば、50重量%及び73重量%の溶液として、市販されている。
【0053】
物品洗浄用組成物は、十分な量のアルカリ源を含み、約8以上のpHを有する使用組成物を提供できる。一般に、濃縮体は約5重量%以上、約10重量%以上、又は約15重量%以上の量のアルカリ源を含むと予想される。濃縮体中の他の成分に十分な余地を与えるために、アルカリ源は、約60重量%未満の量で濃縮体に提供され得る。さらに、アルカリ源は、約40重量%未満、約30重量%未満、又は約20重量%未満の濃度で提供され得る。この物品洗浄用組成物は、約8を下回るpHで有用な使用組成物を提供すると予想される。そのような組成物では、アルカリ源を省いてよく、そして追加のpH調整剤を使用して、所望のpHを有する使用組成物を提供してよい。それ故に、当然ながらアルカリ源は、任意的成分として特徴付けられる。
【0054】
洗浄剤
物品洗浄用組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含む少なくとも1種の洗浄剤を含んでよい。アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両イオン界面活性剤などの、各種の界面活性剤を物品洗浄用組成物に使用できる。当然ながら、界面活性剤は物品洗浄用組成物の任意的成分であり、濃縮体から除外してよい。
【0055】
使用できる典型的な界面活性剤としては、いろいろな種類が市販されている。界面活性剤について議論するためには、「Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (第3版)、第8巻、p. 900−912を参照のこと。物品洗浄用組成物が洗浄剤を含むときには、所望の水準の洗浄を行なうのに有効な量で洗浄剤を提供できる。
【0056】
物品洗浄用組成物に有用なアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸塩(カルボン酸塩)及びポリアルコキシカルボン酸塩、アルコールエトキシレートカルボン酸塩、ノニルフェノールエトキシレートカルボン酸塩などのようなカルボン酸塩;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホン酸化脂肪酸エステルなどのようなスルホン酸塩;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、硫酸アルキル、スルホコハク酸塩、硫酸アルキルエーテルなどのような硫酸塩;並びにアルキルリン酸エステルなどのようなリン酸エステルが挙げられる。典型的なアニオン界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、α‐オレフィンスルホン酸塩、及び脂肪族アルコール硫酸塩が挙げられる。
【0057】
物品洗浄用組成物に有用な非イオン界面活性剤としては、例えば、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキシドポリマーを有するものが挙げられる。そのような非イオン界面活性剤としては、例えば、塩素‐、ベンジル‐、メチル‐、エチル‐、プロピル‐、ブチル‐及び他のアルキルの結合した脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグリコシドなどのポリアルキレンオキシドフリー非イオン性物質;ソルビタン及びショ糖エステル並びにそれらのエトキシレート;アルコキシル化エチレンジアミンなどのアルコキシル化アミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートなどのようなアルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど;脂肪酸のグリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシル化物及びグリコールエステルなどのようなカルボン酸エステル;ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのようなカルボキシルアミド;並びに登録商標PLURONIC(BASF-Wyandotte社製)として市販されている物のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーなどのポリアルキレンオキシドブロックコポリマーなど;並びに他の非イオン性化合物が挙げられる。ABIL(登録商標)B8852のようなシリコーン界面活性剤を使用してもよい。
【0058】
物品洗浄用組成物に使用されるカチオン界面活性剤としては、C18アルキル又はアルケニル鎖を有する1級、2級及び3級モノアミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレート、イミダゾール(例えば、1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐2‐イミダゾリン、2‐アルキル‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐2‐イミダゾリン)などのアミン;並びに四級アンモニウム塩、例としては、n‐アルキル(C12〜C18)ジメチルベンジルアンモニウム塩化物、n‐テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム塩化物一水和物、ナフチレン置換の四級アンモニウム塩化物(例えば、ジメチル‐1‐ナフチルメチルアンモニウム塩化物)などのアルキル四級アンモニウム塩化物の、界面活性剤が挙げられる。カチオン界面活性剤を使用して消毒性を提供できる。
【0059】
物品洗浄用組成物に使用できる両イオン界面活性剤としては、ベタイン、イミダゾリン、及びプロピオネートが挙げられる。物品洗浄用組成物を自動物品洗浄又は物品洗浄機に使うことを意図しているので、選ばれた界面活性剤は、界面活性剤が使われるとすれば、皿洗い機又は物品洗浄機内で使われたときに許容できる水準の泡立ちを起こすものでよい。当然ながら、一般に自動物品洗浄又は物品洗浄機に使うための物品洗浄用組成物は、低泡立ち組成物と見なされる。
【0060】
界面活性剤を選択して低泡立ち性を提供できる。所望の水準の洗浄活性を提供する低泡立ち界面活性剤は、大量の泡立ちの存在が問題となり得る物品洗浄機のような環境において有利であると考えられている。低泡立ち界面活性剤の選択に加えて、脱泡剤を利用して泡の発生を減らすことができると考えられている。それ故に、低泡立ち界面活性剤と見なされる界面活性剤並びに他の界面活性剤を物品洗浄用組成物に使用して、脱泡剤を加えることによって泡立ちの程度を制御できる。
【0061】
物品洗浄用組成物は、濃縮体として提供されるときには、約0.05重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、約1重量%〜約15重量%、約1.5重量%〜約10重量%、及び約2重量%〜約5重量%の範囲で洗浄剤を含有できる。濃縮体中の界面活性剤の追加の典型的な範囲は、約0.5重量%〜約5重量%、及び約1重量%〜約3重量%である。
【0062】
他の添加剤
物品洗浄用組成物は、ビルダー又はキレート化/金属イオン封鎖剤、漂白剤、フィラー、硬化剤又は溶解性改質剤、脱泡剤、抗再堆積剤、しきい剤(threshold agent)、安定剤、分散剤、酵素、美観向上剤(すなわち、染料、香料)などのような標準的な添加剤などの、他の添加剤を含有できる。補助剤及び他の追加的成分は、製造されている組成物の種類によって変わるであろう。当然ながら、これらの添加剤は選択的であり、そして洗浄組成物に含まれる必要がない。それらが含まれているときには、それらは、特殊な種類の成分の有効性を提供する量で含まれてよい。
【0063】
物品洗浄用組成物は、アミノカルボン酸、縮合リン酸塩、ホスホン酸塩、ポリアクリル酸エステルなどのようなキレート化/金属イオン封鎖剤(例えば、ビルダー)を含有できる。一般に、キレート剤は、主に天然水中で発見される金属イオンと配位(すなわち、結合)して金属イオンが洗浄組成物の他の洗浄成分の作用に干渉しないようにできる分子である。一般に、キレート化/金属イオン封鎖剤は、主にビルダーの一種ということができる。キレート化/金属イオン封鎖剤は、有効な量で含まれているときには、しきい剤として機能してもよい。この濃縮体は、約1重量%〜約60重量%、約3重量%〜約50重量%、及び約6重量%〜約45重量%のビルダーを含むことができる。ビルダーの追加の範囲としては、洗浄用組成物が液体か固体のどちらで提供されるかどうかによるが、約3重量%〜約20重量%、6重量%〜約15重量%、25重量%〜約50重量%、及び35重量%〜約45重量%が挙げられる。
【0064】
ビルダー又はキレート剤はリン非含有ビルダー又はキレート剤として提供できる。典型的なリン非含有ビルダー又はキレート剤としては、N‐ヒドロキシエチルイミノアセト酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N‐ヒドロキシエチル‐エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレン三アミン五酢酸(DTPA)などのようなアミノカルボン酸が挙げられる。
【0065】
縮合リン酸塩の例としては、ナトリウム及びカリウムオルトリン酸塩、ナトリウム及びカリウムピロリン酸塩、ナトリウム三ポリリン酸塩、ナトリウム六メタリン酸塩などが挙げられる。縮合リン酸塩は、限定的には、水和の水として組成物に存在している遊離水を固定することによって、組成物の固化にも役立つであろう。
【0066】
本組成物は、1‐ヒドロキシエタン‐1,1‐ジホスホン酸CHC(OH)[PO(OH)(HEDP);アミノトリ(メチレンホスホン酸)N[CHPO(OH);アミノトリ(メチレンホスホン酸塩)、ナトリウム塩
【0067】
【化1】

【0068】
2‐ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)HOCHCHN[CHPO(OH);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(HO)POCHN[CHCHN[CHPO(OH);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)、ナトリウム塩C(28−X)Na15(x=7);ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホン酸塩)、カリウム塩C10(28−X)12(x=6);ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)(HO)POCHN[(CHN[CHPO(OH);及びリン酸HPOのようなホスホン酸塩を含んでよい。典型的なホスホン酸塩はHEDP、ATMP及びDTPMPである。中和された若しくはアルカリ性ホスホン酸塩、又はホスホン酸塩が加えられるときに中和反応により発生する熱やガスがほとんど又は全くないように、混合物中に加える前にホスホン酸塩をアルカリ源と組み合わせることが好ましい。ホスホン酸塩は、オルガノホスホン酸のカリウム塩(ホスホン酸カリウム)を含むことができる。固形洗剤の製造中に水酸化カリウム水溶液でホスホン酸を中和することにより、ホスホン酸のカリウム塩物質を形成できる。ホスホン酸金属イオン封鎖剤は、化学量論的量の水酸化カリウムを提供するのに適切な比率で水酸化カリウム溶液に混合されて、ホスホン酸を中和する。約1〜約50重量%の濃度を有する水酸化カリウムを使用できる。ホスホン酸は水性溶媒に溶解又は懸濁でき、そして次に中和処理のために水酸化カリウムをそのホスホン酸に加えることができる。
【0069】
水質調節ポリマーをビルダーの形態として使用できる。典型的な水質調節ポリマーとしては、ポリカルボン酸塩が挙げられる。ビルダー及び/又は水質調節ポリマーとして使用できる典型的なポリカルボン酸塩としては、ペンダント型カルボン酸塩(‐CO)基を有するものが挙げられ、そして例えば、ポリアクリル酸、マレイン酸/オレフィンコポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸‐メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリメタクリルアミド加水分解物、ポリアミド‐メタクリルアミドコポリマー加水分解物、ポリアクリロニトリル加水分解物、ポリメタクリロニトリル加水分解物、アクリロニトリル‐メタクリロニトリルコポリマー加水分解物などが挙げられる。キレート剤/金属イオン封鎖剤のさらなる検討については、「Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(第3版)、第5巻、p.339〜366及び第23巻、p. 319〜320を参照のこと(その開示内容は参照によりここに含まれる)。濃縮体は、約0.1重量%〜約5重量%及び約0.2重量%〜約2重量%の量で水質調節ポリマーを含むことができる。
【0070】
基材を明るくする又は漂白するために洗浄組成物に使われる漂白剤としては、典型的には洗浄工程で行なわれる条件下で、Cl、Br、‐OCl及び/又は‐OBrなどの、活性ハロゲン種を遊離できる漂白物質が挙げられる。本洗浄組成物に使われる適切な漂白剤としては、例えば、塩素、次亜塩素酸塩、クロラミンなどの、塩素含有物質が挙げられる。典型的なハロゲン放出物質としては、アルカリ金属ジクロロイソシアヌール酸塩、塩素化三ナトリウムリン酸塩、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロラミン及びジクロラミンなどが挙げられる。カプセル化塩素源を使用して組成物中の塩素源の安定性を増強しても良い(例えば、米国特許第4,618,914号明細書及び米国特許第4,830,773号明細書(これらの開示内容は参照によりここに含まれる)を参照)。漂白剤は、テトラアセチルエチレンジアミンなどのような活性剤を含む及び含まない、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水和物、リン酸過酸化水和物、過モノ硫酸カリウム、及びナトリウム過ホウ酸一及び四水和物などの、過酸化物又は活性酸素源でよい。この組成物は、有効な量の漂白剤を含むことができる。濃縮体が漂白剤を含むとき、それは約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約20重量%、約3重量%〜約8重量%、及び約3重量%〜約6重量%の量で含まれ得る。
【0071】
その組成物は、有効な量の洗剤フィラーを含むことができ、それは、それ自体では洗浄剤として働かないが、洗浄剤とともに組成物の全洗浄容量を増強できる。本洗浄組成物に使用するのに適切な洗剤フィラーの例としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、でんぷん、糖、プロピレングリコールなどのようなC〜C10アルキレングリコールが挙げられる。濃縮体が洗剤フィラーを含むとき、それは、約1重量%〜約20重量%及び約3重量%〜約15重量%の量で含まれてよい。
【0072】
泡の安定性を減少させる脱泡剤を組成物に含有させて泡立ちを減少させてもよい。濃縮体が脱泡剤を含むときには、脱泡剤は約0.01重量%〜約3重量%の量でを提供され得る。
【0073】
本組成物に使用できる脱泡剤の例としては、Pluranic N-3の名称で入手できるものなどのエチレンオキシド/プロピレンブロックコポリマー、ポリジメチルシロキサンに分散したシリカなどのシリコーン化合物、ポリジメチルシロキサン、及びAbil B9952の名称で入手できるものなどの官能化ポリジメチルシロキサン、脂肪酸アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール、脂肪酸せっけん、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、モノステアリルリン酸エステルなどのアルキルリン酸エステルが挙げられる。脱泡剤の詳細は、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号明細書、Brunelleらの米国特許第3,334,147号明細書、及びRueらの米国特許第3,442,242号明細書(これらの開示内容は参照によりここに含まれる)において求められる。
【0074】
本組成物は、土壌物質が洗浄溶液に持続して懸濁するのを促進し、そして除去された土壌物質が洗浄されている基材上へ再堆積しないようにするための抗再堆積剤を含むことができる。適切な抗再堆積剤の例としては、脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、リン酸エステル複合体、スチレンマレイン酸無水物コポリマー、及びヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのようなセルロース誘導体が挙げられる。濃縮体が抗再堆積剤を含むときには、約0.5重量%〜約10重量%、及び約1重量%〜約5重量%の量で抗再堆積剤を含むことができる。
【0075】
使用できる安定化剤としては、1級脂肪族アミン、ベタイン、ホウ素酸塩、カルシウムイオン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ギ酸ナトリウム、グリセリン、マレオン酸、有機二塩基酸、ポリオール、プロピレングリコール、及びその混合物が挙げられる。濃縮体は、安定化剤を含まなくてよいが、濃縮体が安定化剤を含むときには、所望の水準の濃縮体の安定性を提供する量でそれを含むことができる。安定化剤の典型的な範囲としては、約0〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、及び約2重量%〜約10重量%が挙げられる。
【0076】
本組成物に使用できる分散剤としては、マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、及びその混合物が挙げられる。濃縮体は分散剤を含まなくてよいが、分散剤が含まれるときには、所望の分散性を提供する量で含まれ得る。濃縮体中の分散剤の典型的な範囲は、約0〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、及び約2重量%〜約9重量%でよい。
【0077】
組成物に含有させられる酵素としては、でんぷん及び/又はタンパク染色剤の除去に役立つ酵素が挙げられる。典型的な種類の酵素としては、プロテアーゼ、α‐アミラーゼ、及びその混合物が挙げられる。利用できる典型的なプロテアーゼとしては、Bacillus licheniformix、 Bacillus lenus、Bacillus alcalophilus、及びBacillus amyloliquefacinsに由来するものが挙げられる。典型的なα‐アミラーゼとしては、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaceins及びBacillus licheniformisが挙げられる。濃縮体は酵素を含む必要がない。濃縮体が酵素を含む場合には、物品洗浄用組成物が使用組成物として提供されるときに所望の酵素活性を提供する量で含むことができる。濃縮体中の酵素の典型的な範囲としては、約0〜約15重量%、約0.5重量%〜約10重量%、及び約1重量%〜約5重量%が挙げられる。
【0078】
ケイ酸塩を物品洗浄用組成物に含有させて金属保護を行なうことができる。さらにケイ酸塩は、アルカリ性を与えることで知られ、さらに抗再堆積剤として機能する。典型的なケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが挙げられる。物品洗浄用組成物はケイ酸塩を含まないで提供できるが、ケイ酸塩が含まれるときには、それらは所望の金属保護を行なう量で含まれ得る。濃縮体は、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、及び約15重量%以上の量でケイ酸塩を含むことができる。さらに、濃縮体に他の成分のための十分な余地を残すために、約35重量%未満、約25重量%未満、約20重量%未満、及び約15重量%未満の濃度でケイ酸塩成分を含むことができる。
【0079】
濃縮体は水を含むことができる。一般に、水は処理助剤として存在し、そして除去されるか、水和の水になると予想される。水は液状濃縮体又は固体状濃縮体の両方に存在すると予想される。液状濃縮体の場合には、水は約5重量%〜約60重量%、約10重量%〜約35重量%、及び約15重量%〜約25重量%の範囲で存在すると予想される。固体状濃縮体の場合には、水は約0重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約5重量%、及び約2重量%〜約3重量%の範囲で存在すると予想される。さらに、水は脱イオン水又は軟水として提供されると解する。
【0080】
各種の染料、香料を含む着臭剤、及び他の美観向上剤が本組成物に含まれ得る。例えば、Direct Blue 86(Miles社製)、Fastusol Blue(Mobay Chemical社製)、Acid Orange 7(American Cyanamid社製)、Basic Violet 10(Sandoz社製)、Acid Yellow 23(GAF社製)、Acid Yellow 17(Sigma Chemical社製)、Sap Green(Keystone Analine and Chemical社製)、Metanil Yellow(Keystone Analine and Chemical社製)、Acid Blue 9(Hilton Davis社製)、Sandolan Blue/Acid Blue 182(Sandoz社製)、Hisol Fast Red(Capitol Color and Chemical社製)、Fluorescein (Capitol Color and Chemical社製)、Acid Green 25(Ciba-Geigy社製)などのような、染料を含有させて組成物の外観を変えてよい。
【0081】
組成物に含有させてよい香料又は香水としては、例えば、シトロネロールのようなテルペノイド、アミル桂皮アルデヒドのようなアルデヒド、C1Sジャスミン又はジャスマルのようなジャスミン、バニリンなどが挙げられる。
【0082】
濃縮体を形成するのに使われる成分は、処理の助剤としての水のような水性溶媒を含むことができる。水性溶媒は、処理に応じた粘度の成分を提供するのに役立つと予想される。さらに、水性溶媒は、固体として濃縮体を形成するのが好ましい固化工程に役立つと予想される。濃縮体が固体として提供されるときには、ブロック状又はペレット状で提供され得る。ブロックは約5g以上の質量を有し、そして約50gを超える質量を有することができると予想される。濃縮体は、約1重量%〜約50重量%、及び約2重量%〜約40重量%の量で水を含むと予想される。
【0083】
これらの成分を処理して濃縮体を形成するときには、成分は押し出し法又はキャスト法によって処理されると予想される。一般に、押し出し法によって成分を処理するときには、その組成物は、キャスト法よりも少ない量の処理用助剤として水を含むことができると分かっている。一般に、押し出しにより固体を調製するときには、組成物は約2重量%〜約10重量%の水を含むことができると予想される。キャストにより固体を調製するときには、水の量は約20重量%〜約40重量%の量であると予想される。
【0084】
濃縮体の形成
本組成物を混合し、押し出し又はキャストしてペレット又はブロックなどの固体を形成できる。外部熱源から熱をかけて、混合物の処理を促進できる。
【0085】
混合システムは、高せん断力で含有物の連続的な混合を行い、含有物がその塊中に分配される、実質的に均質の液体又は半固体の混合物を形成する。この混合システムは、含有物を混合して、流動可能なコンシステンシーで、約1,000〜1,000,000cP、好ましくは約50,000〜200,000cPの処理中の粘度を有する、混合物を維持するのに効果的なせん断力を提供する手段を備える。この混合システムは、連続フローミキサー又は一軸若しくは二軸押し出し機でよい。
【0086】
混合物は、約20〜80℃、及び約25〜55℃の大気温度のような、含有物の物理的及び化学的安定性を維持できる温度で処理してよい。限定された外部熱を混合物にかけてもよいが、その混合物によって達成される温度は、摩擦、大気条件の変化、及び/又は含有物間の発熱反応によって処理中に高温になるであろう。所望により、混合物の温度を、例えば、混合システムの入口又は出口で上げてよい。
【0087】
含有物は、液体又は乾燥微粒子のような固体の形態でよく、そして個別に、又は別の含有物(例えば、洗浄剤、水性溶媒、及び第二の洗浄剤、洗剤補助剤又他の添加剤、第二の硬化剤のような追加の含有物など)との予備混合物の一部分として、混合物に加えてよい。1つ又は複数の予備混合物を混合物に加えてよい。
【0088】
含有物を混合して、含有物が塊中に実質的に均質に分配される実質的に均質のコンシステンシーを形成する。この混合物は、金型又は他の成形手段によって混合システムから放出され得る。分析された押し出し物は、対照塊とともに有用な大きさに分けられる。押し出された固体はフィルムで包装される。混合システムから放出されたときの混合物の温度は、最初に混合物を冷却することなく、混合物がそのまま包装システムにキャストされる又は押し出されるようにするほど低くてよい。押し出し放出と包装との間の時間を調整して、さらなる処理及び包装中により良く取り扱うために、洗剤ブロックを固化させることができる。放出の時点での混合物は、約20〜90℃、及び約25〜55℃でよい。本組成物は、固体状(低密度、スポンジ状、可鍛性、コーキングのコンシステンシーから、高密度、縮合固体、コンクリートのようなブロックまでの範囲でよい)に固化されてよい。
【0089】
所望により、ミキサー内で所望の温度プロフィールを得るために、加熱及び冷却デバイスを混合機に隣接して取り付けて、熱をかける又は除去してよい。例えば、外部熱源を、含有物注入部、最後の出口部などの、ミキサーの1つ又は複数のシリンダー部に付けて、処理中の混合物の流動性を増加させてよい。好ましくは、放出口などにおける、処理中の混合物の温度は、好ましくは約20〜90℃に維持される。
【0090】
含有物の処理が完了したとき、その混合物を放出金型によってミキサーから放出してよい。本組成物は含有物の化学反応によって固化し、E形水和バインダーを形成する。例えば、キャスト又は押し出しされた組成物の寸法、組成物の含有物、組成物の温度、及び他の要因に応じて、固化工程は数分間〜約6時間持続するであろう。好ましくは、キャスト又は押し出し組成物は、約1分〜約3時間、好ましくは約1分〜約2時間、好ましくは約1分〜約20分以内に固体の形態に「なる」又は固化し始める。
【0091】
濃縮体は、液体の形態で提供できる。各種の液体の形態としては、ゲル及びペーストが挙げられる。当然ながら、濃縮体が液体の形態で提供されるときには、組成物を固化させて固体を形成する必要はない。実際には、組成物中の水の量は、固化を妨げるのに十分であると予想される。さらに、成分の望ましい分配を維持するために、分散剤及び他の成分を濃縮体中に含有させることができる。
【0092】
包装貯蔵器又は容器は硬くても柔らかくてもよく、そして、例えば、ガラス、金属、プラスチックフィルム又はシート、厚紙、厚紙の複合体、紙などのように、本発明によって製造された組成物を含むのに最適な任意の材料からなることができる。有利なことに、組成物は大気温度で又は大気温度付近で処理されるから、処理された組成物の温度は、材料を構造的に傷めることなく、その混合物がそのまま該容器又は他の包装システムの中にキャスト又は押し出しされるほど低い。結果として、溶融条件下で処理されて計量分配される組成物に使われるものよりも多様な種類の材料を利用して、容器を製造できる。組成物を含むのに使われる好ましい包装は、柔軟性があり、開けやすいフィルム材料から製造される。
【0093】
包装材料は水溶性包装フィルムのような水溶性包装材料として提供できる。典型的な水溶性包装フィルムは、米国特許第6,503,879号明細書、米国特許第6,228,825号明細書、米国特許第6,303,553号明細書、米国特許第6,475,977号明細書、及び米国特許第6,632,785号明細書(これらの開示内容は参照によりここに含まれる)に開示されている。濃縮体を包装するのに利用できる包装材料を提供可能な典型的な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコールが挙げられる。包装された濃縮体を1回分の包装体又は複数回分の包装体として提供できる。1回分の包装体の場合には、単一の包装されたユニットは物品洗浄機、例えば、物品洗浄機の洗剤区画に、設置されて、そして1回の洗浄サイクル中に使い尽くされると予想される。複数回分の包装体の場合には、そのユニットはホッパーに設置され、そして水流が濃縮体の表面を分解して、物品洗浄機に導入されるであろう液状濃縮体を提供すると予想される。
【0094】
本発明に利用してよい適切な水溶性ポリマーは、Davidson及びSittig編「Water Soluble Resins」、Van Nostrand Reinhold社(ニューヨーク、1968年)刊行に開示されている(参照によりここに含まれる)。水溶性ポリマーは、機械ハンドリングを可能にするために、強度や柔軟性などの固有の特性を有するものである。好ましい水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド、でんぷん、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル‐マレイン酸無水物、ポリマレイン酸無水物、スチレンマレイン酸無水物、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩、アクリルアミドコポリマー、グアーガム、カゼイン、エチレン‐マレイン酸無水物樹脂類、ポリエチレンイミン、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースが挙げられる。一般に、より低分子量の水溶性ポリビニルアルコールフィルム形成ポリマーが好ましい。利用できるポリビニルアルコールとしては、約1,000〜約300,000、及び約2,000〜約150,000、及び約3,000〜約100,000の重量平均分子量を有するものが挙げられる。
【0095】
本願発明によって作られた洗浄組成物は、米国特許第4,826,661号明細書、米国特許第4,690,305号明細書、米国特許第4,687,121号明細書、及び米国特許第4,426,362号明細書並びに米国特許再発行第32,763号明細書及び米国特許再発行第32,818号明細書(これらの開示内容は参照によりここに含まれる)に開示されているものなどの、スプレー型ディスペンサーから投与される。つまり、スプレー型ディスペンサーは、水スプレーを固体組成物の暴露された表面に衝突させて組成物の一部分を溶解させ、そして次に、直ぐにその組成物を含む濃縮体溶液をディスペンサーから貯蔵容器へ、又は直接に使用場所に向かわせることによって、機能する。使用時には、製品は(例えば)包装フィルムから外されて、そしてディスペンサーに入れられる。固形洗剤の形と適合する形のスプレーによって、水のスプレーを作ることができる。ディスペンサー筐体も、洗剤が誤って導入及び計量分配されるのを防ぐ計量分配システムの洗剤の形に密接に適合できる。
【0096】
本発明は自動食器洗い機で物品を洗浄するための物品洗浄用組成物に関して説明されているが、当然ながら、物品洗浄用組成物は非物品を洗浄するのに用いてよい。すなわち、物品洗浄用組成物は洗浄組成物と見なせるし、また各種の物体、特に、腐食及び/又はエッチングに苦しむであろう物体に使用できる。当然ながら、自動食器洗い機内で使う目的で物品洗浄用組成物に含まれる特定の組成物は、自動食器洗い機内で使う目的ではない洗浄組成物からは除外できるし、逆の場合も同じである。例えば、かなりの泡立ちを作る傾向のある界面活性剤を、自動食器洗い機に使用する目的ではない洗浄組成物に使用してよい。ガラスの腐食を減少させる腐食防止剤を含む洗浄組成物の用途としては、硬表面の洗浄が挙げられる。典型的な硬表面としては、ガラス及び/又はセラミックを含むものが挙げられる。典型的な表面としては窓及び鏡が挙げられる。当然ながら、そのような洗浄組成物は、自動車にガラスが存在するので、乗り物洗浄業界に応用されるであろう。
【0097】
物品洗浄用組成物は固体及び液体などの幾つかの形態でされ得る。固体状で提供されるときには、物品洗浄用組成物を粉末、顆粒、ペレット、タブレット、ブロック、キャストされた固体、及び押し出しされた固体の形態で提供できる。一例として、ペレットは約1mm〜約10mm直径の寸法を有し、タブレットは約1mm〜約10mm直径の寸法を有し、タブレットは約1cm〜約10cm直径の寸法を有し、そしてブロックは約10cm以上の直径の寸法を有することができる。液状で提供されるときには、物品洗浄用組成物をゲル又はペーストとして提供できる。
【0098】
ゲル又はペーストとして提供されたときの物品洗浄用組成物の成分の典型的な範囲を表1に示す。固体として提供されたときの物品洗浄用組成物の成分の典型的な範囲を表2に示す。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
物品洗浄用組成物濃縮体の各種の形態は、水溶性包装フィルムの形態で与えられる。すなわち、固体及び液体は水溶性フィルムに包装され得る。水溶性フィルムに包装される典型的な固体としては、粉末、ペレット、タブレット、及びブロックが挙げられる。水溶性フィルムに包装され得る典型的な液体としては、ゲル及びペーストが挙げられる。
【実施例】
【0102】
上記明細書によって本発明の範囲及び限界を理解する基礎が与えられる。次の実施例及び試験データによって本発明の特定の実施形態の理解が得られる。本実施例は、前述の詳細な説明で述べられた本発明の範囲を制限するものではない。本発明に関する応用例はその当業者にとって明らかである。
【0103】
表3に組成物A及び組成物Bを示す。
【0104】
【表3】

【0105】
次の実施例を行なって、幾つかの物品洗浄用組成物を基準としたリビーガラス製ガラス製品のエッチングを比較した。入手したガラス製品は未使用であり、箱から出したばかりであった。試験ごとに1つのガラスを使った。サンプルを保持するのに使われた容器は、フタに剥離紙のない石英プラスチック容器であった。
次の手順に従った。
1.ガラス製品と接触して皮脂が付かないように、ガラスを洗浄する前に手袋をはめる。
2.ガラス製品を中性pHの液状皿用洗剤(Ecolab社製の名称「Express」として入手できる炊事用具洗剤)で丹念に磨き洗いして、汚れや油を落とし、そして風乾する。
3.全ての容器を蒸留水ですすぎ、塵を除去して、風乾する。
4.洗剤溶液を調製する。
5.各プラスチック容器に1つのガラスを置いて、溶液をプラスチック容器中に注ぎ、ガラスが完全に覆われるようにする。容器にフタをして、溶液名をラベルする。
6.各溶液の20mLを1oz.のプラスチック瓶に注いでラベルする。
7.プラスチック容器を攪拌された水浴に入れる。水浴の温度を160°Fに制御する。
8.試験の期間中、水浴を満たせるように水の計量分配装置を設定する。
9.48時間ごとに溶液の20mLサンプルを集め、1oz.のプラスチック瓶に入れる。
10.試験が完了次第、サンプルのカルシウム及びケイ素含有量を分析した。
11.48時間の試験の前後のガラスを秤量する。
【0106】
ガラス腐食を測定して腐食防止剤の保護効果を実証するために、洗剤溶液に曝されたガラス製品から成分が除去される割合を測定する。数日に亘って、洗剤溶液サンプル中のケイ素元素及びカルシウム元素の濃度の変化を分析的に測定した。通常のソーダ石灰ガラスは、ケイ素、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムの酸化物を含む。洗剤ビルダーがカルシウムと複合体を形成できることはよく知られているから、試験溶液中のカルシウムの存在量を測定して、洗剤ビルダーがガラス面からのカルシウムの除去を促進することにより腐食工程の一因となるかどうかを決定した。そのガラス試料は高温で洗剤溶液に浸された。ポリエチレン瓶を使用して溶液を保管すると、ガラス試料は興味のある元素源のみであった。この実施例の結果を表4に示す。
【0107】
【表4】

【0108】
上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の組成物の製造及び使用を十分に説明するものである。本発明の多くの実施形態は、本発明の理念及び範囲から逸脱することなく行なえるから、本発明は特許請求の範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)洗浄力のある量の界面活性剤を含む洗浄剤;
(b)約0.5重量%の固形物濃度で測定したときに約8以上のpHを有する使用組成物を提供するのに有効な量のアルカリ源;並びに
(c)物品洗浄用洗剤組成物を、希釈水:洗剤組成物が約20以上:1の希釈比で希釈の水と混合したときに、ガラスの腐食を減少させるのに十分な量の腐食防止剤であって、
(i)アルミニウムイオン源、及び
(ii)カルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源の少なくとも1種
を含む腐食防止剤
を含む物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項2】
洗剤組成物が約0.05重量%〜約15重量%の洗浄剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項3】
洗浄剤がアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又は両イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項4】
洗剤組成物が約0.05重量%〜約15重量%の腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項5】
アルミニウムイオン源が、アルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、アルミニウム・カリウム硫酸塩、アルニウム・亜鉛硫酸塩、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸ナトリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項6】
腐食防止剤がカルシウムイオン源を含み、そして該カルシウムイオン源は、ホウ酸カルシウム、過ホウ酸カルシウム、過炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、ヒ化カルシウム、アジ化カルシウム、安息香酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、六ホウ化カルシウム、臭素酸カルシウム、臭化カルシウム、二炭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩素酸カルシウム、塩化カルシウム、亜塩素酸カルシウム、クロム酸カルシウム、クエン酸カルシウム、カルシウム・シアナミド、シアン化カルシウム、二リン酸カルシウム、ジチオン酸カルシウム、フッ化カルシウム、六リン酸二フッ化カルシウム、ギ酸カルシウム、d‐グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水素化カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫化水素カルシウム、水酸化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、カルシウム・鉄酸化物、乳酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、カルシウム・鉛酸化物、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、カルシウム・マグネシウム・ケイ素酸化物、メタリン酸カルシウム、モリブデン酸カルシウム、硝酸カルシウム、窒化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、パルミチン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、過マンガン酸カルシウム、過酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン化カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、セレン酸カルシウム、セレン化カルシウム、ケイ酸カルシウム、二ケイ化カルシウム、カルシウム・ケイ素酸化物、カルシウム・ケイ素・チタン酸化物、ステアリン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫化カルシウム、亜硫酸カルシウム、酒石酸カルシウム、カルシウム・メソ酒石酸塩‐3‐水テルル化物、チオ硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、カルシウム・チタン酸化物、タングステン酸カルシウム、カルシウム・バナジウム酸化物、アルミノケイ酸カルシウム、ジルコン酸カルシウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項7】
腐食防止剤がマグネシウムイオン源を含み、そして該マグネシウムイオン源は、ホウ酸マグネシウム、過ホウ酸マグネシウム、過炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アセチルサリチル酸マグネシウム、二アルミン酸マグネシウム、マグネシウムアミド、アンチモン化アルミニウム、ヒ酸マグネシウム、ヒ化マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ビスマス化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、二ホウ化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム炭酸塩‐水酸化物、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、二リン酸マグネシウム、鉄酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ゲルマニウム化マグネシウム、水素化マグネシウム、ヒ酸水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、マンデル酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、窒化マグネシウム、亜硝酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、過酸化マグネシウム、ペルオキソホウ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン化マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、マグネシウム・ケイ素酸化物、硫酸マグネシウム、d‐酒石酸マグネシウム、テルル化マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、タングステン酸マグネシウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項8】
組成物がリン含有物を含まない、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項9】
組成物が約1重量%〜約60重量%のビルダーを含み、該ビルダーはリン非含有ビルダーを含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項10】
腐食防止剤が亜鉛イオン源をさらに含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項11】
亜鉛イオン源が、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、塩素酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ギ酸亜鉛、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、フッ化ケイ酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酸化亜鉛、アルミン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミノケイ酸亜鉛の少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項10に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項12】
組成物が約1重量%〜約60重量%のビルダーを含み、該ビルダーはリン含有ビルダーを含む、請求項10に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項13】
アルカリ源がアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物及びこれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項14】
アルカリ源が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項15】
アルカリ源が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項16】
腐食防止剤がカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項17】
腐食防止剤が、カルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約1未満:4で、又はカルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約2超:1で得られたカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項18】
腐食防止剤がマグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項19】
腐食防止剤が、約1超:3のマグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比、又は約3未満:1のマグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比を有するマグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項20】
腐食防止剤がカルシウム/マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項1に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項21】
腐食防止剤がカルシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項10に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項22】
腐食防止剤がマグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項10に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項23】
腐食防止剤がカルシウム/マグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項10に記載の物品洗浄用洗剤組成物。
【請求項24】
物品洗浄用洗剤組成物を使用する方法であって、該方法が
(a)水:物品洗浄用洗剤組成物が約20以上:1の希釈比で、物品洗浄用洗剤組成物を水で希釈する工程、及び
(b)自動食器洗い機内で該使用組成物を用いてガラスを洗浄する工程
を含み、該物品洗浄用洗剤組成物が
(i)洗浄力のある量の界面活性剤を含む洗浄剤;
(ii)約0.5重量%の固形物濃度で測定したときに約8以上のpHを有する使用組成物を提供するのに有効な量のアルカリ源;並びに
(iii)該物品洗浄用洗剤組成物を、希釈水:洗剤組成物が約20以上:1の希釈比で希釈の水と混合したときに、ガラスの腐食を減少させるのに十分な量の腐食防止剤であって、
(A)アルミニウムイオン源、及び
(B)カルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源の少なくとも1種
を含む腐食防止剤
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
洗剤組成物が約0.05重量%〜約15重量%の洗浄剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
洗浄剤がアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又は両イオン界面活性剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
洗剤組成物が約0.05重量%〜約15重量%の腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
アルミニウムイオン源が、アルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、アルミニウム・カリウム硫酸塩、アルニウム・亜鉛硫酸塩、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸ナトリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
腐食防止剤がカルシウムイオン源を含み、そして該カルシウムイオン源は、ホウ酸カルシウム、過ホウ酸カルシウム、過炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、ヒ化カルシウム、アジ化カルシウム、安息香酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、六ホウ化カルシウム、臭素酸カルシウム、臭化カルシウム、二炭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩素酸カルシウム、塩化カルシウム、亜塩素酸カルシウム、クロム酸カルシウム、クエン酸カルシウム、カルシウム・シアナミド、シアン化カルシウム、二リン酸カルシウム、ジチオン酸カルシウム、フッ化カルシウム、六リン酸二フッ化カルシウム、ギ酸カルシウム、d‐グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水素化カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫化水素カルシウム、水酸化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、カルシウム・鉄酸化物、乳酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、カルシウム・鉛酸化物、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、カルシウム・マグネシウム・ケイ素酸化物、メタリン酸カルシウム、モリブデン酸カルシウム、硝酸カルシウム、窒化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、パルミチン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、過マンガン酸カルシウム、過酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン化カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、セレン酸カルシウム、セレン化カルシウム、ケイ酸カルシウム、二ケイ化カルシウム、カルシウム・ケイ素酸化物、カルシウム・ケイ素・チタン酸化物、ステアリン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫化カルシウム、亜硫酸カルシウム、酒石酸カルシウム、カルシウム・メソ酒石酸塩‐3‐水テルル化物、チオ硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、カルシウム・チタン酸化物、タングステン酸カルシウム、カルシウム・バナジウム酸化物、アルミノケイ酸カルシウム、ジルコン酸カルシウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
腐食防止剤がマグネシウムイオン源を含み、そして該マグネシウムイオン源は、ホウ酸マグネシウム、過ホウ酸マグネシウム、過炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アセチルサリチル酸マグネシウム、二アルミン酸マグネシウム、マグネシウムアミド、アンチモン化アルミニウム、ヒ酸マグネシウム、ヒ化マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ビスマス化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、二ホウ化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム炭酸塩‐水酸化物、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、二リン酸マグネシウム、鉄酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ゲルマニウム化マグネシウム、水素化マグネシウム、ヒ酸水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、マンデル酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、窒化マグネシウム、亜硝酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、過酸化マグネシウム、ペルオキソホウ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン化マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、マグネシウム・ケイ素酸化物、硫酸マグネシウム、d‐酒石酸マグネシウム、テルル化マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、タングステン酸マグネシウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
組成物がリン含有物を含まない、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
組成物が約1重量%〜約60重量%のビルダーを含み、該ビルダーはリン非含有ビルダーを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
腐食防止剤が亜鉛イオン源をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
亜鉛イオン源が、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、塩素酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ギ酸亜鉛、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、フッ化ケイ酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酸化亜鉛、アルミン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミノケイ酸亜鉛の少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
組成物が約1重量%〜約60重量%のビルダーを含み、該ビルダーはリン含有ビルダーを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
アルカリ源がアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、及びこれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
アルカリ源が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項38】
アルカリ源が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの少なくとも1種、又はこれらの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
腐食防止剤がカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項40】
腐食防止剤が、カルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約1未満:4で、又はカルシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比が約2超:1で得られたカルシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項41】
腐食防止剤がマグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
腐食防止剤が、約1超:3のマグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比、又は約3未満:1のマグネシウムイオン:アルミニウムイオンのモル比を有するマグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項43】
腐食防止剤がカルシウム/マグネシウム/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項44】
腐食防止剤がカルシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
腐食防止剤がマグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
腐食防止剤がカルシウム/マグネシウム/亜鉛/アルミニウム腐食防止剤を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
物品洗浄用洗剤組成物を希釈する水が、約200ppmを超える全溶解固形分を有する水を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項48】
物品洗浄用洗剤組成物を希釈する水が、約200ppm未満の全溶解固形分を有する水を含む、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544802(P2009−544802A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521777(P2009−521777)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/016455
【国際公開番号】WO2008/013746
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】