説明

航空機通信システムとそのアンテナ指向制御方法

【課題】ロストした航空機の位置を予測して通信アンテナを航空機に指向させ、通信を再開させる。
【解決手段】衛星基地局S2から得られる位置情報、航空管制システム20で得られる位置情報、飛行計画書から得られる位置情報を入手し、直接通信が途絶えたとき、優先度判定を行って精度の高い順序で位置情報を予測アルゴリズムA2による予測処理を実行する。この予測アルゴリズムA2では、航空機Tが時刻t1の位置Aにて速度vで移動している状態でロストしたとすると、時刻t2の位置を予測し、さらに現在時刻tとの伝送時間差とアンテナ動作時間を演算し、時間差分の位置ずれを予測位置Bに反映させ、この予測位置情報を基に、通信アンテナ装置11の航空機Tの予測位置Bの方向を計算し(A3)、この計算結果から通信アンテナ装置11の指向方向(方位・仰角)を駆動制御して航空機Tの予測位置Bの方向にビームを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行中の航空機と地上の送受信機との間に無線通信リンクを成立させるためにアンテナを飛行中の航空機の方向に指向させる航空機通信システムとそのアンテナ指向制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、通信アンテナは信号源の方向に指向されているときに最大受信利得を得られる。しかしながら、対航空機の無線通信装置で使用されているアンテナでは、信号源となる航空機の位置が飛行中において絶えず変化するため、受信利得が最大となるようにアンテナの指向方向を正確に制御することは極めて困難である。このため、飛行中の航空機と地上基地の通信機との間に高い信頼性をもって遠隔通信リンクを確立することに関して問題がある。
【0003】
また、従来のアンテナ指向制御システムでは、航空機の送信装置から発信され、地上受信機で受信した航空機位置情報を基に航空機の自動追尾を行っている。しかしながら、音速を超えるような高速度で移動する航空機が追尾目標となると、その航空機が予想外の動きをした場合に、追尾することができなくなって通信が途絶えてしまい、位置情報が受信できなくなってしまうことがあった。その問題に対して、従来はアンテナをオープンループ的に消失した方位周辺へ指向させ、スパイラルサーチの方式で航空機を探索していた。
【0004】
尚、通信衛星の捕捉追尾については、例えば特許文献1にその一例が示されている。しかしながら、通信衛星の場合は、移動経路が予め確定されており、航空機のように変化の自由度がほとんどないことから、航空機の捕捉追尾に対する参考とはならない。
【特許文献1】特開2003−037424公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のアンテナ指向制御システムにあっては、高速移動中の航空機が追尾対象のとき、予想外の動きによってロストすると、航空機からの位置情報が得られなくなって追尾再開が不能となる。その対処方法として、従来ではスパイラルサーチ方式で航空機を探索しているが、その探索にはかなりの時間がかかり、その間通信不能状態が続くため、航空機にとって極めて危険な状態に陥ることになる。
【0006】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、航空機追尾のロストにより通信が途絶えた時でも航空機位置を正確に予測して通信アンテナを航空機に指向させ、通信を再開させることのできる航空機通信システムとそのアンテナ指向制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明に係る航空機通信システムは、航空機との間で直接通信を行うための通信アンテナを航空機からの位置情報に基づいて指向制御することで航空機を追尾して通信状態を維持するシステムであって、前記航空機から衛星通信リンクを経由して位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、前記航空機の管制あるいは警戒システムにおけるレーダ情報から位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、前記直接通信による航空機との通信接続状態を判定する接続状態判定手段と、前記第1及び第2の位置情報取得手段について優先度を設定し、前記接続状態判定手段で通信接続状態が切断されたと判定されたとき、前記優先度に従って前記第1及び第2の位置情報取得手段で取得される位置情報を選択的に用いて所定時間後の航空機の位置を予測する予測手段と、前記予測手段で予測された航空機の位置に前記通信アンテナを指向させる指向制御手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るアンテナ指向制御方法は、航空機との間で直接通信を行うための通信アンテナを航空機からの位置情報に基づいて指向制御することで航空機を追尾して通信状態を維持する方法であって、前記航空機から衛星通信リンクを経由して位置情報を取得し、前記航空機の管制あるいは警戒システムにおけるレーダ情報から位置情報を取得し、前記直接通信による航空機との通信接続状態を判定し、前記衛星通信リンクからの位置情報取得、レーダ情報からの位置情報取得について優先度を設定し、前記通信接続状態が切断されたと判定されたとき、前記優先度に従って位置情報を選択的に用いて所定時間後の航空機の位置を予測し、前記予測された航空機の位置に前記通信アンテナを指向させることを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明は、前述した問題に対して、予測外の通信切断時に航空機位置情報を衛星通信リンク、レーダ情報から取得し、情報の優先度設定を行い、取得した現在位置情報・予定位置情報から予測した方向をアンテナ指向制御にフィードバックすることにより、通信アンテナの方向精度を高め、通信を再開する。また通信確立時から上記動作を行なうことで通信切断を予防する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、航空機追尾のロストにより通信が途絶えた時でも航空機位置を正確に予測して通信アンテナを航空機に指向させ、通信を再開させることのできる航空機通信システムとそのアンテナ指向制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明に係る通信アンテナ指向制御システムの一実施形態として、追尾先が航空機である場合の構成を示すブロック図である。図1において、Tは追尾目標となる航空機である。この航空機Tは、姿勢制御用のジャイロT1、速度制御のための加速度計T2及び位置情報・測定時刻を取得するGPS(Grobal Positioning System)受信機T3等を搭載し、さらに地上局の通信アンテナ装置11との間で通信リンクをはって情報を送受信する送受信機及びアンテナ(図示せず)を搭載する。そして、各計測器T1〜T3で得られた姿勢情報、速度情報及び位置情報を含む送信データを、通信リンクを通じて地上局側の通信アンテナ装置11に向けて送信する。
【0013】
上記通信アンテナ装置11は、GPS受信機12によって時刻管理され、その受信出力は送受信機13に送られる。この送受信機13は、ユーザ処理端末14からの送信データを上記通信アンテナ装置11を介して航空機Tに向けて送信し、通信アンテナ装置11で受けた航空機Tから送信される位置・姿勢・速度情報データを受信復調して信号分配器15に出力する。この信号分配器15は、送受信機13で得られた受信データをユーザ処理端末14に送って通知すると共に、航空機Tとの接続情報を接続判定部16に送り、位置情報を予測処理部17の情報優先順位判定部171に送る。また、上記接続判定部16は、航空機Tとの接続情報から航空機Tとの通信リンクが途絶えていないか、すなわち直接通信が通信状態か切断状態かを判定するもので、その判定結果は予測処理部17の情報優先順位判定部171に送られる。
【0014】
一方、航空機Tは通信障害時の予備回線として、通信衛星S1、衛星基地局S2を経由する通信回線のリンク機能を備えており、この衛星通信リンクを通じて位置・姿勢・速度情報データを送信する。本システムは衛星通信回線を通じて航空機Tから送信される位置・姿勢・速度情報データを受信復調する送受信機18を備える。この送受信機18はGPS受信機19によって時刻管理され、受信復調された位置・姿勢・速度情報および測定時刻情報は上記予測処理部17の情報優先順位判定部171に送られる。
【0015】
また、航空機Tは、航空管制システム20において、レーダ21からの位置情報、GPS受信機22からの時刻情報に基づいて位置及び測定時刻が管理されており、ここで得られた位置情報及び測定時刻情報も上記予測処理部17の情報優先順位判定部171に送られる。
【0016】
上記予測処理部17において、情報優先順位判定部171は、信号分配器15を通じて航空機Tから直接送信される位置・姿勢・速度情報、衛星通信リンクを通じて航空機Tから予備的に送信される位置・姿勢・速度情報、航空管制システム20から提供されるレーダ情報に基づく位置情報を入力し、それぞれの情報を測定時刻に基づいて同期化し、精度順に優先度を決定する。ここで優先度が決定された位置情報は更新時間計算部172に送られ、測定時刻情報は遅延時間計算部173に送られ、姿勢・速度情報は進路ベクトル計算部174に送られる。また、位置情報は差分距離計算部175、予測位置計算部176にも送られる。
【0017】
上記更新時間計算部172は、航空機Tの移動速度・方向・距離を位置情報から計算し、この計算によって得られた航空機Tの移動速度・方向・距離とアンテナビーム幅から捕捉しきれる時間(航空機が送信ビーム幅を横切るのにかかる時間=±時間幅/2)を算出することで更新時間を出力するもので、一般的にはビーム幅が細くなったとき、航空機の移動速度が速くなったときに更新時間を短縮する。すなわち、更新間隔が短くなることは通信情報量が少なくなるため、トレードオフの関係にある。この更新情報は通信回線の送受信機13に通知され、次の情報要求に供される。
【0018】
上記遅延時間計算部173は、GPSによる現在時刻情報に基づいて測定時刻と現在時刻の差分(伝送遅延)を計算するもので、その計算によって得られた遅延時間は上記予測位置計算部176に送られる。上記進路ベクトル計算部174は、航空機TのジャイロT1、加速度計T2による姿勢・速度情報が得られている場合に、これらの情報に基づいて進路をベクトル形式で計算するもので、ここで得られた進路ベクトルは上記予測位置計算部176に送られる。
【0019】
また、航空機Tは、一般に、予め作成される予定飛行経路(フライトプラン)に従って飛行することになっている。予測処理部17では、記憶部177において、被管理対象航空機Tの予定飛行経路が蓄積されており、差分距離計算部175は、情報優先順位判定部171から姿勢・速度情報が与えられると、該当する航空機Tの予定飛行経路を読み出し、予定飛行経路と現在位置との差分距離を計算する。ここで得られた差分距離は誤差位置計算部178に送られる。この誤差位置計算部178は、差分距離情報を基に予定飛行経路からの誤差位置を計算する。この誤差位置は、航空機Tとの通信が途絶えて精度の高い位置情報が得られなくなった場合に、現在予測位置として予測位置計算部176に送られる。
【0020】
上記予測位置計算部176は、情報優先順位判定部171からの位置情報、遅延時間計算部173からの測定時刻情報、進路ベクトル計算部174からの進路ベクトル情報、誤差位置計算部178からの現在予測位置情報を入力し、これらの情報から所定時刻での航空機Tの予測位置を算出するものである。ここで得られた予測位置・時刻情報は指向方向計算部23に送られる。
【0021】
この指向方向計算部23は、航空機Tの所定時刻での予測位置からアンテナの指向方向(方位・仰角)を計算するもので、ここで得られたアンテナ指向方向はアンテナ制御部24に送られ、通信アンテナ装置11に対するアンテナ指向制御に供される。
【0022】
上記構成において、以下、予測処理によるアンテナ指向制御動作を説明する。
【0023】
まず、航空機Tでは、計測された位置・姿勢・速度・測定時刻情報を通信アンテナ装置11に向けて直接送信し、地上側は通信アンテナ装置11で受けた信号を送受信機13で受信復調して航空機Tの位置・姿勢・速度情報を得る。このとき、航空機Tとの接続状態は接続判定部16で監視されており、通信が途絶えると接続判定部16から「切断状態」の判定が出され、情報優先順位判定部171に送られる。一方、航空機Tは、直接通信に対する地上からの応答がなかった場合には、衛星通信に切り替えて位置・姿勢・速度・測定時刻情報を通信衛星S1に向けて送信する。
【0024】
この情報優先順位判定部171では、「切断状態」の情報が入力されると、予め決められた優先順位に基づいて位置・姿勢・速度・測定時刻情報が出力される。このとき、直接通信が途絶えた場合には、優先順位に基づき(ここでは衛星通信リンク経由、航空管制システム20からのレーダ情報の順)位置情報、姿勢・速度・測定時刻情報を取得する。遅延時間計算部173、進路ベクトル計算部174、差分距離計算部175では、取得された位置情報、姿勢・速度・測定時刻情報に基づいて遅延時間、進路ベクトル、差分距離を計算し、さらに誤差位置計算部176では差分距離から現在予測位置を計算する。予測位置計算部176では、情報優先順位判定部171で得られた位置情報と上記計算部173,174,178で計算された遅延時間、進路ベクトル、現在予測位置から所定時刻における予測位置を計算し、指向方向計算部23に送る。
【0025】
この指向方向計算部23では、航空機Tの所定時刻での予測位置からアンテナの指向方向(方位・仰角)を計算する。アンテナ制御部24では、計算された指向方向に基づいて通信アンテナ装置11のアンテナ指向方向を制御する。これにより、予測位置にアンテナビームが指向され、このビーム内に航空機Tが存在すれば、通信を再開することができる。
【0026】
上記予測処理によるアンテナ指向制御方法について、図2の具体例を参照して説明する。
【0027】
今、航空機Tが時刻t1の時点で位置Aに存在し、図中矢印の方向に移動しているものとする。このとき、直接通信が正常に機能していれば、航空機TからのNAVデータ(位置(緯度、経度、高度)・姿勢・速度・時刻)によって通信アンテナ装置11が航空機Tを追尾して通信状態を維持する。この状態から、何らかの要因によって直接通信が途絶えた場合、航空機Tは通信衛星S1、衛星基地局S2による衛星通信回線を用いてNAVデータを送信する。一方、航空管制システム20では、航空機Tをレーダによって捕捉しており、その位置情報が取得されている。また、航空機Tの飛行時には、予め飛行計画書(フライトプラン)の提出が義務づけられている。
【0028】
そこで、本システムでは、衛星基地局S2から得られる位置情報、航空管制システム20で得られる位置情報、飛行計画書から得られる位置情報を入手しておき、直接通信が途絶えて航空機Tからの位置情報が得られなくなったとき、優先度判定A1を行って精度の高い順序で位置情報を予測アルゴリズムA2による予測処理を実行する。この予測アルゴリズムA2は、時刻t1の位置Aにて速度vで移動後の時刻t2の位置を予測し、さらに現在時刻tとの差(伝送時間)とアンテナ動作時間を演算し、時間差分の位置ずれを予測位置(位置B)に反映させる。このようにして得られた予測位置情報を基に、直接通信のための通信アンテナ装置11を航空機Tの位置Bの方向に指向させるための指向方向を計算し(A3)、この計算結果から通信アンテナ装置11の指向方向(方位・仰角)を駆動制御して航空機Tの予測位置Bの方向にビームを形成する。
【0029】
このように、本システムでは、航空機Tとの通信が途絶えた場合でも、航空機Tが通過する位置を予測してビームを形成しているので、航空機Tがそのビーム内に入った時点で通信を再開することが可能となり、以後、航空機TからのNAVデータによって精度よく航空機Tを追尾して通信状態を継続することが可能となる。
【0030】
したがって、上記構成による航空機通信システムによれば、複数の位置情報取得経路を備えているので、冗長性が向上し、障害に強くなる。また、優先度の高い航空機からの情報が取得できない場合でも、レーダ等の情報を元に航空機Tの位置を予測して通信を再開することができる。また、航空機Tが地上局側の見通し外にいても通信衛星を利用可能としているので、航空機Tから位置情報を取得することができ、この情報から精度よく航空機Tの位置を予測してアンテナを指向させ、通信を再開することができる。さらに、更新時間を計算し、その更新時間によってそれぞれの経路の情報を取得するようにしているので、受信データに含まれる位置情報の割合を減らし、伝送効率を上げることができる。
【0031】
尚、上記実施形態では、航空管制システムからレーダ情報に基づく位置情報を取得する場合について説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、例えば警戒管制システムで得られる位置情報を利用するようにしてもよく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る航空機通信システムの一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す航空機通信システムの予測処理によるアンテナ指向制御方法を説明するための概念図。
【符号の説明】
【0033】
T…航空機、T1…ジャイロ、T2…加速度計、T3…GPS受信機、S1…通信衛星、S2…衛星基地局、11…通信アンテナ装置、12…GPS受信機、13…送受信機、14…ユーザ処理端末、15…信号分配器、16…接続判定部、17…予測処理部、171…情報優先順位判定部、172…更新時間計算部、173…遅延時間計算部、174…進路ベクトル計算部、175…差分距離計算部、176…予測位置計算部、177…記憶部、178…誤差位置計算部、18…送受信機、19…GPS受信機、20…航空管制システム、21…レーダ、22…GPS受信機、23…指向方向計算部、24…アンテナ制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機との間で直接通信を行うための通信アンテナを航空機からの位置情報に基づいて指向制御することで航空機を追尾して通信状態を維持する航空機通信システムにおいて、
前記航空機から衛星通信リンクを経由して位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
前記航空機の管制あるいは警戒システムにおけるレーダ情報から位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
前記直接通信による航空機との通信接続状態を判定する接続状態判定手段と、
前記第1及び第2の位置情報取得手段について優先度を設定し、前記接続状態判定手段で通信接続状態が切断されたと判定されたとき、前記優先度に従って前記第1及び第2の位置情報取得手段で取得される位置情報を選択的に用いて所定時間後の航空機の位置を予測する予測手段と、
前記予測手段で予測された航空機の位置に前記通信アンテナを指向させる指向制御手段と
を具備することを特徴とする航空機通信システム。
【請求項2】
さらに、前記航空機について予め提出される飛行計画情報を取得する飛行計画情報取得手段を備え、
前記予測手段は、前記飛行計画情報から前記アンテナ指向制御時の航空機の位置を予測して前記位置予測に反映させることを特徴とする請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項3】
前記航空機から前記位置情報と共に姿勢、速度、測定時刻情報が送信されるとき、
前記予測手段は、通信接続状態が切断されたと判定された時点での航空機の位置を基準に、その時点の航空機の速度、姿勢、伝送時間差、アンテナ動作時間に基づく時間差分の位置ずれを反映された時刻での航空機の位置を予測することを特徴とする請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項4】
航空機との間で直接通信を行うための通信アンテナを航空機からの位置情報に基づいて指向制御することで航空機を追尾して通信状態を維持する航空機通信システムのアンテナ指向制御方法において、
前記航空機から衛星通信リンクを経由して位置情報を取得し、
前記航空機の管制あるいは警戒システムにおけるレーダ情報から位置情報を取得し、
前記直接通信による航空機との通信接続状態を判定し、
前記衛星通信リンクからの位置情報取得、レーダ情報からの位置情報取得について優先度を設定し、前記通信接続状態が切断されたと判定されたとき、前記優先度に従って位置情報を選択的に用いて所定時間後の航空機の位置を予測し、
前記予測された航空機の位置に前記通信アンテナを指向させることを特徴とする航空機通信システムのアンテナ指向制御方法。
【請求項5】
前記航空機から前記位置情報と共に姿勢、速度、測定時刻情報が送信されるとき、
前記通信接続状態が切断されたと判定された時点での航空機の位置を基準に、その時点の航空機の速度、姿勢、伝送時間差、アンテナ動作時間に基づく時間差分の位置ずれを反映された時刻での航空機の位置を予測することを特徴とする請求項4記載の航空機通信システムのアンテナ指向制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−81696(P2009−81696A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249825(P2007−249825)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】