薄板の表面形状測定装置
【課題】 垂直に保持した薄板の表面形状の測定において、安定した作動、測定精度の向上、および測定結果の信頼性の向上を達成することを目的とする。
【解決手段】 基台110上に垂直保持機構120によって保持された薄板100の側縁の外側に立設された垂直駆動手段310と、左右の前記垂直駆動手段310の間に架設された水平駆動手段320と、前記水平駆動手段320に装着され前記薄板100の表面形状を測定する測定部330とを備え、前記垂直駆動手段310は、スライド機構340とこのスライド機構340に平行に前記薄板100側に配設された送り機構350とからなり、前記水平駆動手段320の端部が前記スライド機構340のスライド部360と前記送り機構350の送り部材400とによって支持されることを特徴とする。
【解決手段】 基台110上に垂直保持機構120によって保持された薄板100の側縁の外側に立設された垂直駆動手段310と、左右の前記垂直駆動手段310の間に架設された水平駆動手段320と、前記水平駆動手段320に装着され前記薄板100の表面形状を測定する測定部330とを備え、前記垂直駆動手段310は、スライド機構340とこのスライド機構340に平行に前記薄板100側に配設された送り機構350とからなり、前記水平駆動手段320の端部が前記スライド機構340のスライド部360と前記送り機構350の送り部材400とによって支持されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板の表面形状を測定するための測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶基板等の大型薄板において、その厚さおよび表面形状(例えば、平坦度)等を測定するような場合、従来、例えば、特許文献1に開示されているように、測定するガラス基板を水平に置いて、自重の影響を無くす工夫がされている。この従来技術においては、ガラス基板の下方から、該ガラス基板の単位面積あたりの重量に等しい空気圧力を付与して、ガラス基板を水平に保持しようというものであるが、装置が大掛かりとなり、制御が面倒であり且つ高価となる等、デメリットも多かった。そこで、この被測定物であるガラス基板を今度は垂直に保持して自重の影響を少なくしようとする考え方が提案されている。
【0003】
例えば、図8に示すように、被測定物であるガラス基板100を垂直に配置して、表面形状を測定する装置が考えられている。このような測定装置は、基台110の上にガラス基板100を垂直に保持する垂直保持機構120(垂直保持機構)および表面形状を測定する測定機構130を備えている。
【0004】
この測定機構130は、基台110の両端部に立設したエアスライド140、140(スライド機構)と、その外側に配設されたねじ送り機構150、150(送り機構)とからなる垂直駆動手段160を備えている。さらに、左右両側の垂直駆動手段160、160のエアスライド140、140のスライド部170、170には水平駆動手段180の両端部がそれぞれ取り付けられ、この水平駆動手段180に測定部190が装着されている。
測定部190は、水平駆動手段180によって水平移動自在に、そして、垂直駆動手段160によって上下移動自在になっており、被測定物であるガラス基板100の表面形状を連続して非接触で測定していくものである。
【特許文献1】特開平9−126745号公報(段落0005、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8に示すような装置においては、水平駆動手段180の両端部は、それぞれ垂直駆動手段のスライド部170、170に取り付けられて上下移動するため、スライド部170、170には、水平駆動手段180の重量、およびそれに装着された測定部190の重量の合計重量Wが、モーメント荷重Mとして加わることになる。この結果、スライド部170、170が傾斜したり、エアスライド140、140の外側に配設されたねじ送り機構150、150へもモーメント荷重が加わって、スライド部170の送り作動に影響を生じ、測定結果に影響を与え、信頼性を低下するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、水平駆動手段および測定部の重量によって生ずるモーメント荷重が、垂直駆動手段に与える影響を少なくして、安定した作動を達成し、測定精度を向上し、測定結果の信頼性を向上することができる薄板の表面形状測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基台上に被測定物である薄板を垂直に保持する垂直保持機構と、前記垂直保持機構によって保持された薄板の側縁の外側に立設された垂直駆動手段と、前記薄板の両面側に配置された前記垂直駆動手段の間に架設された水平駆動手段と、前記水平駆動手段に装着され前記薄板の表面形状を測定する測定部とを備え、前記垂直駆動手段は、スライド機構とこのスライド機構に平行に前記薄板側に配設された送り機構とから構成され、前記水平駆動手段の端部は前記スライド機構のスライド部と前記送り機構の送り部材とによって支持されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、測定部が装着された水平駆動手段の端部は、垂直駆動手段を構成するスライド機構のスライド部に支持されるだけではなく、スライド機構よりも薄板側に配置された送り機構の送り部材によっても支持される。これによって水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重が、直接的にスライド部に加わることが防止され、スライド機構の作動性の低下を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記水平駆動手段は前記薄板の両面側にそれぞれ位置され、前記測定部によって前記薄板の両面の形状が同時に測定されるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、垂直に保持された被測定物である薄板の表裏両面の形状を同時に計測することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記送り機構がねじ送り機構からなり、前記送り機構の送り部材が送りナットであり、前記水平駆動手段の端部が前記送りナットにフローティング機構を介して支持されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ねじ送り機構の送りナットにフローティング機構を介して水平駆動手段の端部が支持されるため、水平駆動手段の作動によって生じる水平方向の衝撃力等が、直接的に送りナットに加わらないようになり、ねじ送り機構の送り作動の安定性を向上することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記スライド機構がエアスライド機構からなり、このエアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、エアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されているため、水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重が加わってもスライド部の充分な剛性が確保され、スライド部の作動の安定性を向上することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記スライド部は前記スライドレールを左右から挟むように装着され、前記エアパッドが前記スライド部の左右部分における上下の4箇所に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、スライド部はスライドレールを左右から挟むように装着され、エアパッドが、水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重がスライド部に大きく加わる左右部分における上下の4箇所に設けられているため、モーメント荷重に対するスライド部の剛性を効果的に確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の薄板の表面形状測定装置によれば、水平駆動手段および測定部の重量によって生ずるモーメント荷重が、スライド部の作動に与える影響を少なくして、安定した作動の達成、測定精度の向上、および測定結果の信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
参照する図面において、図1は、本発明に係る薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図であり、図2は、図1のA矢視図である。また、図3は、図1のB部分の拡大図であり、図4は、図3に示される受け板部の拡大図である。また、図5は、バランスウエイトの説明図である。図6は、図3に示されるスライド部の正面拡大図であり、図7は、図6に示されるスライド部に装着されるエアパッド部分の説明図である。なお、従来の装置(図8)において説明した要素と同一要素について、同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図1に示すように、液晶基板等のガラス基板100(薄板)の表面形状測定装置1は、ガラス基板100を基台110の上に垂直に保持する垂直保持機構200と、ガラス基板の表面形状を測定する測定機構300とから構成されている。
【0020】
垂直保持機構200は、下部保持部210と上部保持部220とから構成されている。下部保持部210は、基台110の略中央部に間隔を置いて2箇所設けられた下部保持部材211、211から構成され、上部保持部220は、基台110の略中央部に立設された柱状保持本体230に設けられている。柱状保持本体230の内部には、上部保持部用のねじ送り機構240が内蔵され、そのねじ送り機構240と連結した上部保持用スライド部250の下部に上部保持部220が装着されている。
【0021】
上部保持部220は、上部保持部用のねじ送り機構240によって上下動の移動のみ自由であり、下部保持部210は、下部保持部材211、211の間隔が横方向に調整可能になっている(図示せず)。そして、上部保持部220は、常に中央に位置するように下部保持部材211、211の間隔が調整される。すなわち、下部保持部材211、211は、近づく方向、あるいは遠ざかる方向へ移動可能に構成されている。
【0022】
一方、測定機構300は、基台110上の両端側に立設された垂直駆動手段310、310と、これら垂直駆動手段310、310の間に架設された水平駆動手段320と、この水平駆動手段320に装着された測定部330から構成されている。垂直駆動手段310は、エアスライド340(スライド機構)と垂直駆動用ねじ送り機構350(送り機構)とからなり、垂直駆動用ねじ送り機構350は、基台110上に設けた基台ねじ送り機構351を介してモータ等の駆動手段352へ連結されている。この駆動手段352の駆動によって、左右両側の垂直駆動手段310、310の上下動は同期して移動するように構成されている。
【0023】
水平駆動手段320は、その両端部を垂直スライド部360、360に連結して橋状に形成されており、また、水平駆動手段320は、水平方向に所定の間隔をおいて平行に2本の水平スライドレール370、370を有し、それぞれの水平スライドレール370、370には図示しないリニアモータにより移動自在な水平スライド部380、380が装着され、その各水平スライド部には測定部330を構成する変位センサ330a、330bが取り付けられている。
また、2本の水平スライドレール370、370のそれぞれは、端部で相互に連結され、垂直駆動手段310によって2本の水平スライドレール370、370が上下動したときには、2本のスライドレール370、370の間にガラス基板100が位置されるように構成されている。従って、変位センサ330a、330bは、測定する際に、ガラス基板100の表裏の両面側に位置し、非接触で両面の形状測定が可能なようになっている。
【0024】
このような測定機構300によれば、測定する際に、駆動手段352が駆動することで、左右の垂直駆動手段310、310が同期して作動して、垂直スライド部360が矢印Y方向(図1参照)に上下動する。さらに、左右の垂直スライド部360、360に保持された水平駆動手段320が作動して変位センサ330a、330bは矢印X方向(図1参照)に左右に移動する。そして、ガラス基板100の表裏両面の全面に亘って変位センサ330a、330bを走査でき、その表面形状を測定することができる。
【0025】
次に、図3を参照して、水平駆動手段320の端部とエアスライド340の垂直スライド部360との連結部分について説明する。図3に示すように、垂直駆動用ねじ送り機構350は、エアスライド340の内側(ガラス基板100側)に配置されている。また、エアスライド340の垂直スライド部360に水平スライドレール370の端部を連結するために受け板部390が設けられている。この受け板部390は、一端部が垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部が水平スライドレール370の端部下面に取り付けられ、さらに中央部が垂直駆動用ねじ送り機構350の送りナット400(送り部材)によって支持されている。
【0026】
図4に示すように、受け板部390は、上部受け板部390aと下部受け板部390bとから構成され、上部受け板部390aの一端部は、垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部は、下部受け板部390bに連結されている。また、下部受け板部390bの一端部は、垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部は、水平スライドレール370の端部下面に取り付けられている。
上部受け板部390aと下部受け板部390bとの間には、フローティング機構410が装着され、第1ベアリングガイド420と第2ベアリングガイド430とを上下に有して構成されている。
【0027】
第1ベアリングガイド420は、上部受け板部390aおよび下部受け板部390bに対して、送りナット400を図4に矢印Fで示す方向へ動き得るように支持し、第1ベアリングガイド420の上方に配置された第2ベアリングガイド430は、第1ベアリングガイド420の動きと直交する方向(紙面の前後方向)に動き得るように送りナット400を支持している。すなわち、第2ベアリングガイド430(図4参照)は、インナレース431とアウターレース432とから構成され、インナレース431が上部受け板部390a側に固定され、アウターレース432が送りナット400側に固定され、紙面の前後方向への動きが可能なように送りナット400が受け板部390に支持されている。なお、第1ベアリングガイド420も同様の構成を有し、矢印Fで示す方向へ動き得るように支持されている。
【0028】
従って、送りナット400に加わる水平方向の動きをこの第1ベアリングガイド420と第2ベアリングガイド430とでフローティングしている。その結果、測定部330が水平方向に移動する際に送りナット400に加わる水平方向の衝撃力等は、フローティング機構410によって直接作用しないようになるため、送りナット400の作動に支障を生じることを抑制して送り動作が確実になる。さらに、送りナット400は、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量の垂直方向荷重のみが作用するように連結構成されているため、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重を効果的に支持することができ、垂直スライド部360に直接的にモーメント荷重が加わることを防止することができる。
【0029】
上部受け板部390aの上部には、固定具440、440が取り付けられ、それぞれにワイヤロープ450、450が装着されており、その先端は図5に示すように、装置本体460の上部を通って後ろ側に延長されて、バランスウエイト470が取り付けられている。
【0030】
これは、前述した水平駆動手段320の重量および測定部330の重量に対して、重量バランスを取るためのものである。その作動原理は、一般的に利用されているものであり、図5に示すように、受け板部390に加わる水平駆動手段320の重量および測定部330の重量の合計重量Wは、ワイヤロープ450を介して装置本体460の後ろ側に吊り下げられたバランスウエイト470によって重量バランスがとられている。当然に、このバランスウエイト470の重量と水平駆動手段320および測定部330の重量の合計重量とは、ほぼ等しい関係になっている。
【0031】
このように、バランスウエイト470を設けることよって、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重が送りナット400に加わって、垂直駆動用ねじ送り機構350の作動に支障が生じることを抑制できるため、モーメント荷重による負荷の軽減が図れ、作動の安定性、測定精度の向上が図れる。
【0032】
次に、図6および図7に示すように、エアスライド340の垂直スライド部360と垂直スライドレール480との間に介在されるエアパッド490について説明する。垂直スライド部360は、垂直スライドレール480を囲って左右から挟むように装着され、エアパッド490は、垂直スライド部360と垂直スライドレール480との摺動部のうち垂直スライド部360の左右部分における上下の4箇所に設けられている。
【0033】
このエアパッド490は、図7に示すように、多孔質材製(例えば、多孔質カーボン材等)よりなり、垂直スライドレール480に向い合う面にエア噴出穴500を有している。また、エアスライド340の圧力エアが供給されるようにエア供給口510を備えている。さらに、エアパッド490は、エアパッド490と垂直スライドレール480との間に微小隙間を有するように垂直スライド部360に装着されている。
【0034】
従って、垂直スライド部360が摺動する際に、エアスライド340の圧力エアが4隅部分に位置するエアパッド490へも供給されて、垂直スライドレール480に垂直スライド部360が支持されることとなるため、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重が加わっても、充分な剛性を保持でき垂直スライド部360が傾斜するようなことを防止して、装置全体の作動性、測定時の精度に対して安定性を確保できる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB部分の拡大図である。
【図4】図3に示される受け板部の拡大図である。
【図5】バランスウエイトの説明図である。
【図6】図3に示されるスライド部の正面拡大図である。
【図7】図6に示されるスライド部に装着されるエアパッド部分の説明図である。
【図8】従来の薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 表面形状測定装置
100 ガラス基板(薄板)
110 基台
200 垂直保持機構
300 測定機構
310 垂直駆動手段
320 水平駆動手段
330 測定部
340 エアスライド(スライド機構)
350 垂直駆動用ねじ送り機構(送り機構)
360 垂直スライド部(スライド部)
400 送りナット(送り部材)
410 フローティング機構
490 エアパッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板の表面形状を測定するための測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶基板等の大型薄板において、その厚さおよび表面形状(例えば、平坦度)等を測定するような場合、従来、例えば、特許文献1に開示されているように、測定するガラス基板を水平に置いて、自重の影響を無くす工夫がされている。この従来技術においては、ガラス基板の下方から、該ガラス基板の単位面積あたりの重量に等しい空気圧力を付与して、ガラス基板を水平に保持しようというものであるが、装置が大掛かりとなり、制御が面倒であり且つ高価となる等、デメリットも多かった。そこで、この被測定物であるガラス基板を今度は垂直に保持して自重の影響を少なくしようとする考え方が提案されている。
【0003】
例えば、図8に示すように、被測定物であるガラス基板100を垂直に配置して、表面形状を測定する装置が考えられている。このような測定装置は、基台110の上にガラス基板100を垂直に保持する垂直保持機構120(垂直保持機構)および表面形状を測定する測定機構130を備えている。
【0004】
この測定機構130は、基台110の両端部に立設したエアスライド140、140(スライド機構)と、その外側に配設されたねじ送り機構150、150(送り機構)とからなる垂直駆動手段160を備えている。さらに、左右両側の垂直駆動手段160、160のエアスライド140、140のスライド部170、170には水平駆動手段180の両端部がそれぞれ取り付けられ、この水平駆動手段180に測定部190が装着されている。
測定部190は、水平駆動手段180によって水平移動自在に、そして、垂直駆動手段160によって上下移動自在になっており、被測定物であるガラス基板100の表面形状を連続して非接触で測定していくものである。
【特許文献1】特開平9−126745号公報(段落0005、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8に示すような装置においては、水平駆動手段180の両端部は、それぞれ垂直駆動手段のスライド部170、170に取り付けられて上下移動するため、スライド部170、170には、水平駆動手段180の重量、およびそれに装着された測定部190の重量の合計重量Wが、モーメント荷重Mとして加わることになる。この結果、スライド部170、170が傾斜したり、エアスライド140、140の外側に配設されたねじ送り機構150、150へもモーメント荷重が加わって、スライド部170の送り作動に影響を生じ、測定結果に影響を与え、信頼性を低下するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、水平駆動手段および測定部の重量によって生ずるモーメント荷重が、垂直駆動手段に与える影響を少なくして、安定した作動を達成し、測定精度を向上し、測定結果の信頼性を向上することができる薄板の表面形状測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基台上に被測定物である薄板を垂直に保持する垂直保持機構と、前記垂直保持機構によって保持された薄板の側縁の外側に立設された垂直駆動手段と、前記薄板の両面側に配置された前記垂直駆動手段の間に架設された水平駆動手段と、前記水平駆動手段に装着され前記薄板の表面形状を測定する測定部とを備え、前記垂直駆動手段は、スライド機構とこのスライド機構に平行に前記薄板側に配設された送り機構とから構成され、前記水平駆動手段の端部は前記スライド機構のスライド部と前記送り機構の送り部材とによって支持されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、測定部が装着された水平駆動手段の端部は、垂直駆動手段を構成するスライド機構のスライド部に支持されるだけではなく、スライド機構よりも薄板側に配置された送り機構の送り部材によっても支持される。これによって水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重が、直接的にスライド部に加わることが防止され、スライド機構の作動性の低下を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記水平駆動手段は前記薄板の両面側にそれぞれ位置され、前記測定部によって前記薄板の両面の形状が同時に測定されるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、垂直に保持された被測定物である薄板の表裏両面の形状を同時に計測することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記送り機構がねじ送り機構からなり、前記送り機構の送り部材が送りナットであり、前記水平駆動手段の端部が前記送りナットにフローティング機構を介して支持されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ねじ送り機構の送りナットにフローティング機構を介して水平駆動手段の端部が支持されるため、水平駆動手段の作動によって生じる水平方向の衝撃力等が、直接的に送りナットに加わらないようになり、ねじ送り機構の送り作動の安定性を向上することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記スライド機構がエアスライド機構からなり、このエアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、エアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されているため、水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重が加わってもスライド部の充分な剛性が確保され、スライド部の作動の安定性を向上することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の薄板の表面形状測定装置であって、前記スライド部は前記スライドレールを左右から挟むように装着され、前記エアパッドが前記スライド部の左右部分における上下の4箇所に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、スライド部はスライドレールを左右から挟むように装着され、エアパッドが、水平駆動手段の重量および測定部の重量によるモーメント荷重がスライド部に大きく加わる左右部分における上下の4箇所に設けられているため、モーメント荷重に対するスライド部の剛性を効果的に確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の薄板の表面形状測定装置によれば、水平駆動手段および測定部の重量によって生ずるモーメント荷重が、スライド部の作動に与える影響を少なくして、安定した作動の達成、測定精度の向上、および測定結果の信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
参照する図面において、図1は、本発明に係る薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図であり、図2は、図1のA矢視図である。また、図3は、図1のB部分の拡大図であり、図4は、図3に示される受け板部の拡大図である。また、図5は、バランスウエイトの説明図である。図6は、図3に示されるスライド部の正面拡大図であり、図7は、図6に示されるスライド部に装着されるエアパッド部分の説明図である。なお、従来の装置(図8)において説明した要素と同一要素について、同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図1に示すように、液晶基板等のガラス基板100(薄板)の表面形状測定装置1は、ガラス基板100を基台110の上に垂直に保持する垂直保持機構200と、ガラス基板の表面形状を測定する測定機構300とから構成されている。
【0020】
垂直保持機構200は、下部保持部210と上部保持部220とから構成されている。下部保持部210は、基台110の略中央部に間隔を置いて2箇所設けられた下部保持部材211、211から構成され、上部保持部220は、基台110の略中央部に立設された柱状保持本体230に設けられている。柱状保持本体230の内部には、上部保持部用のねじ送り機構240が内蔵され、そのねじ送り機構240と連結した上部保持用スライド部250の下部に上部保持部220が装着されている。
【0021】
上部保持部220は、上部保持部用のねじ送り機構240によって上下動の移動のみ自由であり、下部保持部210は、下部保持部材211、211の間隔が横方向に調整可能になっている(図示せず)。そして、上部保持部220は、常に中央に位置するように下部保持部材211、211の間隔が調整される。すなわち、下部保持部材211、211は、近づく方向、あるいは遠ざかる方向へ移動可能に構成されている。
【0022】
一方、測定機構300は、基台110上の両端側に立設された垂直駆動手段310、310と、これら垂直駆動手段310、310の間に架設された水平駆動手段320と、この水平駆動手段320に装着された測定部330から構成されている。垂直駆動手段310は、エアスライド340(スライド機構)と垂直駆動用ねじ送り機構350(送り機構)とからなり、垂直駆動用ねじ送り機構350は、基台110上に設けた基台ねじ送り機構351を介してモータ等の駆動手段352へ連結されている。この駆動手段352の駆動によって、左右両側の垂直駆動手段310、310の上下動は同期して移動するように構成されている。
【0023】
水平駆動手段320は、その両端部を垂直スライド部360、360に連結して橋状に形成されており、また、水平駆動手段320は、水平方向に所定の間隔をおいて平行に2本の水平スライドレール370、370を有し、それぞれの水平スライドレール370、370には図示しないリニアモータにより移動自在な水平スライド部380、380が装着され、その各水平スライド部には測定部330を構成する変位センサ330a、330bが取り付けられている。
また、2本の水平スライドレール370、370のそれぞれは、端部で相互に連結され、垂直駆動手段310によって2本の水平スライドレール370、370が上下動したときには、2本のスライドレール370、370の間にガラス基板100が位置されるように構成されている。従って、変位センサ330a、330bは、測定する際に、ガラス基板100の表裏の両面側に位置し、非接触で両面の形状測定が可能なようになっている。
【0024】
このような測定機構300によれば、測定する際に、駆動手段352が駆動することで、左右の垂直駆動手段310、310が同期して作動して、垂直スライド部360が矢印Y方向(図1参照)に上下動する。さらに、左右の垂直スライド部360、360に保持された水平駆動手段320が作動して変位センサ330a、330bは矢印X方向(図1参照)に左右に移動する。そして、ガラス基板100の表裏両面の全面に亘って変位センサ330a、330bを走査でき、その表面形状を測定することができる。
【0025】
次に、図3を参照して、水平駆動手段320の端部とエアスライド340の垂直スライド部360との連結部分について説明する。図3に示すように、垂直駆動用ねじ送り機構350は、エアスライド340の内側(ガラス基板100側)に配置されている。また、エアスライド340の垂直スライド部360に水平スライドレール370の端部を連結するために受け板部390が設けられている。この受け板部390は、一端部が垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部が水平スライドレール370の端部下面に取り付けられ、さらに中央部が垂直駆動用ねじ送り機構350の送りナット400(送り部材)によって支持されている。
【0026】
図4に示すように、受け板部390は、上部受け板部390aと下部受け板部390bとから構成され、上部受け板部390aの一端部は、垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部は、下部受け板部390bに連結されている。また、下部受け板部390bの一端部は、垂直スライド部360の側面に取り付けられ、他端部は、水平スライドレール370の端部下面に取り付けられている。
上部受け板部390aと下部受け板部390bとの間には、フローティング機構410が装着され、第1ベアリングガイド420と第2ベアリングガイド430とを上下に有して構成されている。
【0027】
第1ベアリングガイド420は、上部受け板部390aおよび下部受け板部390bに対して、送りナット400を図4に矢印Fで示す方向へ動き得るように支持し、第1ベアリングガイド420の上方に配置された第2ベアリングガイド430は、第1ベアリングガイド420の動きと直交する方向(紙面の前後方向)に動き得るように送りナット400を支持している。すなわち、第2ベアリングガイド430(図4参照)は、インナレース431とアウターレース432とから構成され、インナレース431が上部受け板部390a側に固定され、アウターレース432が送りナット400側に固定され、紙面の前後方向への動きが可能なように送りナット400が受け板部390に支持されている。なお、第1ベアリングガイド420も同様の構成を有し、矢印Fで示す方向へ動き得るように支持されている。
【0028】
従って、送りナット400に加わる水平方向の動きをこの第1ベアリングガイド420と第2ベアリングガイド430とでフローティングしている。その結果、測定部330が水平方向に移動する際に送りナット400に加わる水平方向の衝撃力等は、フローティング機構410によって直接作用しないようになるため、送りナット400の作動に支障を生じることを抑制して送り動作が確実になる。さらに、送りナット400は、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量の垂直方向荷重のみが作用するように連結構成されているため、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重を効果的に支持することができ、垂直スライド部360に直接的にモーメント荷重が加わることを防止することができる。
【0029】
上部受け板部390aの上部には、固定具440、440が取り付けられ、それぞれにワイヤロープ450、450が装着されており、その先端は図5に示すように、装置本体460の上部を通って後ろ側に延長されて、バランスウエイト470が取り付けられている。
【0030】
これは、前述した水平駆動手段320の重量および測定部330の重量に対して、重量バランスを取るためのものである。その作動原理は、一般的に利用されているものであり、図5に示すように、受け板部390に加わる水平駆動手段320の重量および測定部330の重量の合計重量Wは、ワイヤロープ450を介して装置本体460の後ろ側に吊り下げられたバランスウエイト470によって重量バランスがとられている。当然に、このバランスウエイト470の重量と水平駆動手段320および測定部330の重量の合計重量とは、ほぼ等しい関係になっている。
【0031】
このように、バランスウエイト470を設けることよって、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重が送りナット400に加わって、垂直駆動用ねじ送り機構350の作動に支障が生じることを抑制できるため、モーメント荷重による負荷の軽減が図れ、作動の安定性、測定精度の向上が図れる。
【0032】
次に、図6および図7に示すように、エアスライド340の垂直スライド部360と垂直スライドレール480との間に介在されるエアパッド490について説明する。垂直スライド部360は、垂直スライドレール480を囲って左右から挟むように装着され、エアパッド490は、垂直スライド部360と垂直スライドレール480との摺動部のうち垂直スライド部360の左右部分における上下の4箇所に設けられている。
【0033】
このエアパッド490は、図7に示すように、多孔質材製(例えば、多孔質カーボン材等)よりなり、垂直スライドレール480に向い合う面にエア噴出穴500を有している。また、エアスライド340の圧力エアが供給されるようにエア供給口510を備えている。さらに、エアパッド490は、エアパッド490と垂直スライドレール480との間に微小隙間を有するように垂直スライド部360に装着されている。
【0034】
従って、垂直スライド部360が摺動する際に、エアスライド340の圧力エアが4隅部分に位置するエアパッド490へも供給されて、垂直スライドレール480に垂直スライド部360が支持されることとなるため、水平駆動手段320の重量および測定部330の重量によるモーメント荷重が加わっても、充分な剛性を保持でき垂直スライド部360が傾斜するようなことを防止して、装置全体の作動性、測定時の精度に対して安定性を確保できる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB部分の拡大図である。
【図4】図3に示される受け板部の拡大図である。
【図5】バランスウエイトの説明図である。
【図6】図3に示されるスライド部の正面拡大図である。
【図7】図6に示されるスライド部に装着されるエアパッド部分の説明図である。
【図8】従来の薄板の表面形状測定装置の全体を示す正面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 表面形状測定装置
100 ガラス基板(薄板)
110 基台
200 垂直保持機構
300 測定機構
310 垂直駆動手段
320 水平駆動手段
330 測定部
340 エアスライド(スライド機構)
350 垂直駆動用ねじ送り機構(送り機構)
360 垂直スライド部(スライド部)
400 送りナット(送り部材)
410 フローティング機構
490 エアパッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に被測定物である薄板を垂直に保持する垂直保持機構と、前記垂直保持機構によって保持された薄板の側縁の外側に立設された垂直駆動手段と、前記薄板の両面側に配置された前記垂直駆動手段の間に架設された水平駆動手段と、前記水平駆動手段に装着され前記薄板の表面形状を測定する測定部とを備え、前記垂直駆動手段は、スライド機構とこのスライド機構に平行に前記薄板側に配設された送り機構とから構成され、前記水平駆動手段の端部は前記スライド機構のスライド部と前記送り機構の送り部材とによって支持されていることを特徴とする薄板の表面形状測定装置。
【請求項2】
前記水平駆動手段は前記薄板の両面側にそれぞれ位置され、前記測定部によって前記薄板の両面の形状が同時に測定されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項3】
前記送り機構がねじ送り機構からなり、前記送り機構の送り部材が送りナットであり、前記水平駆動手段の端部が前記送りナットにフローティング機構を介して支持されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項4】
前記スライド機構がエアスライド機構からなり、このエアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項5】
前記スライド部は前記スライドレールを左右から挟むように装着され、前記エアパッドが前記スライド部の左右部分における上下の4箇所に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項1】
基台上に被測定物である薄板を垂直に保持する垂直保持機構と、前記垂直保持機構によって保持された薄板の側縁の外側に立設された垂直駆動手段と、前記薄板の両面側に配置された前記垂直駆動手段の間に架設された水平駆動手段と、前記水平駆動手段に装着され前記薄板の表面形状を測定する測定部とを備え、前記垂直駆動手段は、スライド機構とこのスライド機構に平行に前記薄板側に配設された送り機構とから構成され、前記水平駆動手段の端部は前記スライド機構のスライド部と前記送り機構の送り部材とによって支持されていることを特徴とする薄板の表面形状測定装置。
【請求項2】
前記水平駆動手段は前記薄板の両面側にそれぞれ位置され、前記測定部によって前記薄板の両面の形状が同時に測定されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項3】
前記送り機構がねじ送り機構からなり、前記送り機構の送り部材が送りナットであり、前記水平駆動手段の端部が前記送りナットにフローティング機構を介して支持されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項4】
前記スライド機構がエアスライド機構からなり、このエアスライド機構のスライド部とスライドレールとの間にエアパッドが挟設されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板の表面形状測定装置。
【請求項5】
前記スライド部は前記スライドレールを左右から挟むように装着され、前記エアパッドが前記スライド部の左右部分における上下の4箇所に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の薄板の表面形状測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−234679(P2006−234679A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51612(P2005−51612)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000170853)黒田精工株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000170853)黒田精工株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
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