薄膜トランジスター製造技術を使用して反射表示デバイスを作る方法
【課題】薄膜トランジスター製造技術を使用して反射表示デバイスを作る方法を提供する。
【解決手段】(光干渉変調器などの)MEMSデバイスは薄膜トランジスター(TFT)製造技術を使用して製造されうる。ある実施形態では、MEMS製造プロセスは、TFT生産ラインを識別することと、TFT生産ラインでMEMSデバイスの製造の準備をすることとを含んでいる。別の実施形態では、光干渉変調器は、あらかじめTFT生産のために構成された生産ラインで少なくとも部分的に製造される。
【解決手段】(光干渉変調器などの)MEMSデバイスは薄膜トランジスター(TFT)製造技術を使用して製造されうる。ある実施形態では、MEMS製造プロセスは、TFT生産ラインを識別することと、TFT生産ラインでMEMSデバイスの製造の準備をすることとを含んでいる。別の実施形態では、光干渉変調器は、あらかじめTFT生産のために構成された生産ラインで少なくとも部分的に製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光干渉変調器としての使用のための微小電気機械システムに関する。特に、本発明は、光干渉変調器の微小電気機械動作を改善するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)はマイクロメカニカル素子とアクチュエーターと電子機器とを含んでいる。マイクロメカニカル素子は、基板および/または堆積物質層の一部をエッチング除去するか層を追加して電気デバイスや電気機械デバイスを形成する堆積およびまたはエッチング、ほかのマイクロマシーニングプロセスを用いて作製しうる。MEMSデバイスの一つのタイプは光干渉変調器と呼ばれる。ここに使用する光干渉変調器や干渉計測光変調器との用語は、光干渉の法則を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。ある実施形態では、光干渉変調器は一対の伝導プレートを備えていてもよく、その一方または両方は、全体または一部が透明および/または反射的であってもよく、適当な電気信号の印加に対して相対運動可能であってもよい。特定の実施形態では、一方のプレートが基板上に堆積された静止層を備えていてもよく、他方のプレートが空隙によって静止層から離れた金属膜を備えていてもよい。ここに詳細に説明するように、一方のプレートの他方に対する位置は、光干渉変調器への入射光の光干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは広範囲の用途を有しており、既存製品を改善してまだ開発されていない新製品を作り出すのにそれらの特徴を利用できるようにこれらのタイプのデバイスの特性を利用および/または修正する技術分野にとって有益であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のシステムと方法とデバイスのおのおのにはいくつかの観点があり、それらのただ一つが単独でその所望の特質を担うものではない。本発明の要旨を限定するものではなく、その顕著な特徴をいま簡単に説明する。この議論を考慮した後、また特に「発明を実施するための最良の形態」と題した部分を読んだ後、本発明のどのような特徴がほかのディスプレイデバイスに対する利点を提供するか理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態は、第一の製造プラントにおける薄膜トランジスター生産ラインを識別することと、第一の製造プラントが薄膜トランジスター生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することとを含んでいるMEMS製造プロセスを提供する。別の実施形態は、そのようなMEMS製造プロセスによって作られた部分的製造済み光干渉変調器を提供する。
【0005】
別の実施形態は、薄膜トランジスターを生産ラインで少なくとも部分的に製造することと、
生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成するためにすることと、
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することとを有している、光干渉変調器を作る方法を提供する。別の実施形態は、そのような方法によって作られた部分的製造済み光干渉変調器を提供する。
【0006】
別の実施形態は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることを有し、部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで作られ、さらに、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることを有している、光干渉変調器を作る方法を提供する。別の実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0007】
別の実施形態は、部分的製造済み光干渉変調器を再構成生産ラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている、光干渉変調器を作るための方法を提供する。ある実施形態では、その方法によって製造された部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である。別の実施形態は、そのような方法によって作られた未解放の光干渉変調器を提供する。
【0008】
別の実施形態は、ガラス基板上の第一の電極と、第一の電極上の絶縁層と、絶縁層上の非晶質シリコン層と、非晶質シリコン層上の第二の電極とを備えている光干渉変調器を提供する。この実施形態では、第一の電極はインジウムスズ酸化物に実質的に限らず、絶縁層はシリコンからなる。
【0009】
別の実施形態は、ガラス基板上にインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極を堆積することを有し、第一の電極上に絶縁層を堆積することを有する、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法を提供する。この実施形態の方法は、絶縁層上に犠牲層を堆積することと、犠牲層上に第二の電極を堆積することとをさらに含む。この実施形態では、第一の電極は行にパターニングされ、第二の電極は行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%の重なり領域を有している。別の実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器のアレイを提供する。別の実施形態は、そのような光干渉変調器のアレイを有するディスプレイデバイスを提供する。この実施形態のディスプレイデバイスは、アレイと電気的通信状態にある、画像データを処理するように構成されたプロセッサーと、プロセッサーと電気的通信状態にあるメモリーデバイスとを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
続く詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられている。しかしながら、本発明は多くの異なる手法で具体化することができる。この説明では、同様の部材は同様の符号で示す参照符号を図面に付す。続く説明から明らかように、実施形態は、動画(たとえばビデオ)か静止画(たとえばスチル画像)かを問わず、さらに文字か絵かを問わず、画像を表示するように構成されたあらゆるデバイスにおいて実施しうる。特に、実施形態は、これに限定されないが、移動電話や無線デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルドまたは携帯型コンピューター、GPSレシーバー/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューターモニター、自動ディスプレイ(たとえば走行記録計ディスプレイその他)、コックピットのコントロールやディスプレイ、カメラ視のディスプレイ(たとえば乗り物の背面カメラのディスプレイ)、電子写真、電子の広告板や標識、プロジェクター、建築物、パッケージング、美的構造物(たとえば一つの宝石の画像)など、さまざまな電子デバイスにおいて実施しうるか関連しうることが予想される。ここに説明したものと同様の構造体のMEMSデバイスは電子スイッチデバイスなどの非ディスプレイ用途において使用することもできる。
【0011】
実施形態は、薄膜トランジスター製造技術を使用して光干渉変調器を作る方法を提供する。
【0012】
干渉計測MEMSディスプレイ素子を備えている一つの光干渉変調器ディスプレイ実施形態を図1に示す。これらのデバイスでは、画素は明暗状態のいずれかにある。明(「オン」または、「開放」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザーへ反射する。暗(「オフ」または「閉鎖」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザーへほとんど反射しない。実施形態によっては、「オン」状態と「オフ」状態の光反射特性は逆であってもよい。MEMS画素は、白黒に加えてカラー表示を考慮し、特定の色で主に反射するように構成することが可能である。
【0013】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の二つの隣接画素を描いた等角投影図であり、各画素はMEMS光干渉変調器を備えている。いくつかの実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを備えている。各光干渉変調器は、互いに可変かつ制御可能な距離に位置する一対の反射層を含んでおり、少なくとも一つの可変次元をもつ共振光学キャビティを形成している。一実施形態では、一方の反射層が二つの位置の間で移動されうる。第一の位置(ここでは弛緩位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きな距離に位置している。第二の位置(ここでは作動位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層に隣接し密接して位置している。二つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて強め合ってまたは弱め合って干渉し、各画素について全体反射状態または非反射状態のいずれかを作り出す。
【0014】
図1の画素アレイの図示部分は二つの隣接する光干渉変調器12aと12bを含んでいる。左側の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは光学スタック16aからの所定距離の弛緩位置に図示されており、光学スタック16aは部分的反射層を含んでいる。右側の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは光学スタック16bに隣接する作動位置に図示されている。光学スタック16aと16b(光学スタック16と総称する)は、ここに参照するように、典型的にはいくつかの融合層からなり、それらは、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層、クロムなどの部分的反射層、透明誘電体を含みうる。したがって、光学スタック16は、電気的に伝導性で、部分的に透明で、部分的に反射的であり、たとえば透明基板20上に上記の層の一つ以上を堆積することにより作られうる。いくつかの実施形態では、層は平行ストリップにパターニングされ、後述するようにディスプレイデバイス中の行電極を形成しうる。可動反射層14a,14bは、ポスト18の上面およびポスト18間に堆積された介在犠牲物質の上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)一つまたは複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして形成してもよい。犠牲物質をエッチング除去すると、可動反射層14a,14bが光学スタック16a,16bから規定間隙19だけ離れる。アルミニウムなどの高伝導反射物質を反射層14に使用してもよく、これらのストリップがディスプレイデバイスの列電極を形成してもよい。
【0015】
印加電圧がないとき、図1の画素12aに示すように、可動反射層14aと光学スタック16aの間にキャビティ19が残り、可動反射層14aは機械的弛緩状態にある。しかしながら、選択した行と列に電位差を印加すると、対応する画素の行電極と列電極の交差により形成されたコンデンサーがチャージされ、静電力が電極同士を引き寄せる。電圧が十分に高ければ、可動反射層14が変形し、光学スタック16に押し付けられる。図1の右側の画素12bに示されるように、光学スタック16内の(この図には示していない)誘電体層が短絡するのを防ぐとともに層14と層16の間の分離距離を制御しうる。その振る舞いは印加電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射対非反射画素状態を制御することができる行/列作動は、従来のLCDやほかのディスプレイ技術で使用される行/列作動に多くの点で類似している。
【0016】
図2〜5は、表示用途の光干渉変調器のアレイを使用するための一つの代表的なプロセスとシステムを示している。
【0017】
図2は、本発明の観点を組み込んでよい電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。この代表的な実施形態では、電子デバイスは、ARMやPentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルまたはマルチチップマイクロプロセッサー、またはデジタルシグナルプロセッサーやマイクロコントローラー、プログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサーであってもよいプロセッサー21を含んでいる。この分野で一般に行なわれているように、プロセッサー21は一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されうる。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサーは、ウェブブラウザや電話アプリケーション、電子メールプログラム、ほかのソフトウェアアプリケーションを含め、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてもよい。
【0018】
一実施形態では、プロセッサー21もアレイドライバー22と通信するように構成されている。一実施形態では、アレイドライバー22は、パネルすなわちディスプレイアレイ(ディスプレイ)30に信号を供給する行ドライバー回路24と列ドライバー回路26を含んでいる。図1に示したアレイの断面は図2の1−1線によって示されている。MEMS光干渉変調器については、行/列作動プロトコルは、図3に示したデバイスのヒステリシス特性を利用してよい。可動層を弛緩状態から作動状態まで変形させるにはたとえば10ボルトの電位差を必要としてよい。しかしながら、電圧がその値から低下するとき、電圧が10ボルト未満に降下する際、可動層はその状態を維持する。図3の代表的な実施形態では、電圧が2ボルト未満の降下するまで可動層は完全に弛緩しない。したがって、デバイスが弛緩または作動状態で安定している印加電圧の窓が存在する電圧の範囲(図3に示した例では約3〜7V)がある。ここでは、これを「ヒステリシス窓」または「安定窓」と呼ぶ。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイは、行ストロービングのあいだ、ストローブされた行中の作動されるべき画素が約10ボルトの電圧差にさらされ、弛緩されるべき画素が0ボルト近くの電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルを設計することが可能である。ストローブの後、画素は、行ストローブによっておかれた状態のままであるように、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。書き込み後、各画素は、この例の3−7ボルトの「安定窓」内の電位差にある。この特徴は、図1に示した画素設計を同じ印加電圧状態の下で作動または弛緩の事前状態のいずれかに安定にする。光干渉変調器の各画素は、作動状態であれ弛緩状態であれ、実質的に固定反射層と可動反射層によって形成されるコンデンサーであるので、この安定状態は、ほとんど消費電力を伴わないヒステリシス窓内の電圧で保持することができる。印加電位が固定されていれば、実質的に電流は画素に流れ込まない。
【0019】
代表的アプリケーションでは、表示フレームは、第一行中の作動画素の所望のセットにしたがって列電極のセットをアサートすることにより作成してよい。次に行パルスを行1電極に印加し、アサートされた列線に対応する画素を作動させる。次に列電極のアサートされたセットを変更し、第二行中の作動画素の所望のセットに対応させる。次にパルスを行2電極に印加し、行2中の適当な画素をアサートされた列電極にしたがって作動させる。行1画素は行2パルスに影響されず、行1パルスのあいだに設定された状態のままである。これを一連の行の完全にわたり順次に繰り返してフレームを生成してよい。一般に、フレームは、毎秒所望のフレーム数でこのプロセスを絶えず繰り返すことにより、新しい表示データでリフレッシュおよび/またはアップデートされる。表示フレームを生成するために画素アレイの行電極と列電極を駆動するための種々さまざまなプロトコルもまた周知であり、これは本発明と共に使用してよい。
【0020】
図4と5は、図2の3×3アレイに表示フレームを生成するための一つの可能な作動プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に使用してよい列と行の電圧レベルの可能なセットを示している。図4の実施形態において、画素を作動させることは、適切な列を−Vbiasに、適切な行を+ΔVにセットすることを含んでおり、それらは、それぞれ、−5ボルトと+5ボルトに一致していてもよい、画素を弛緩させることは、適切な列を+Vbiasに、適切な行を同じ+ΔVにセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生成することより実施する。行電圧がゼロボルトに保持される行では、画素は、列が+Vbiasか−Vbiasかにかかわらず、それらがもとあった状態で安定している。また図4に示すように、上述したほかに逆極性の電圧を使用することができること、たとえば、画素を作動させることが適切な列を+Vbiasに、適切な行を−ΔVにセットすることを含みうることもわかるであろう。本実施形態では、画素を開放することは、適切な列を−Vbiasに、適切な行に−ΔVをセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生産することにより実施する。
【0021】
図5Bは、図5Aに示したディスプレイ配列をもたらす図2の3×3アレイに印加する一連の行と列の信号を示しているタイミング図であり、ここで作動画素は非反射である。図5Aに示したフレームを書き込む前に、画素は任意の状態であってもよく、この例では、すべての行が0ボルト、すべての列が+5ボルトにある。これらの印加電圧では、すべての画素はそれらの既存の作動状態または弛緩状態で安定している。
【0022】
図5Aのフレーム中では、画素(1,1)と(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動される。これを実施するため、行1の「線時間」のあいだ、列1と列2は−5ボルトにセットし、列3は+5ボルトにセットする。これは任意の画素の状態を変更しない。なぜなら、すべての画素は3〜7ボルトの安定窓にあるままであるからである。次に行1を、0から5ボルトまで上がってゼロに戻るパルスでストローブする。これは(1,1)と(1,2)画素を作動させ、(1,3)画素を弛緩させる。アレイ中のほかの画素は影響されない。行2を望むようにセットするため、列2を−5ボルトにセットし、列1と列3を+5ボルトにセットする。次に行2に印加した同じストローブは、画素(2,2)を作動させ、画素(2,1)と(2,3)を弛緩させる。再び、アレイ中のほかの画素は影響されない。列2と列3を−5ボルトに、列1を+5ボルトにセットすることにより行3を同様にセットする。行3のストローブは図5Aに示すように行3の画素をセットする。フレームを書き込んだ後、行電位はゼロになり、列電位は+5または−5ボルトの一方のままとなることが可能であり、ディスプレイは次に図5Aの配列で安定する。多数すなわち何百もの行と列に対して同じ手順を使用することが可能であることがわかるであろう。行と列の作動を実施するのに使用される電圧のタイミングとシーケンスとレベルは、上に概説した一般的な原理の範囲内で広く変えることが可能であり、上述の例は代表的なだけであり、任意の作動電圧方法もここに説明したシステムと方法で使用することが可能である。
【0023】
図6Aと6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40はたとえば携帯(移動)電話とすることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40またはそれの少しの変形の同じコンポーネントは、テレビやポータブルメディアプレイヤーなどのさまざまなタイプのディスプレイデバイスの例ともなる。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41とディスプレイ30とアンテナ43とスピーカー45とマイクロホン46と入力デバイス48とを含んでいる。ハウジング41は一般に、射出成形と真空成形を含む、当業者に周知なさまざまな製造プロセスのいずれかから形成される。さらに、ハウジング41は、これらに限定されないが、プラスチックや金属、ガラス、ゴム、陶器、またはそれらの組み合わせを含む、さまざまな物質のいずれかから作られうる。一実施形態では、ハウジング41は、異なる色のまたは異なるロゴや絵や記号を有しているほかの着脱部と交換されてよい(図示しない)着脱部を含んでいる。
【0024】
代表的なディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、ここに説明するように、双安定ディスプレイを含むさまざまなディスプレイのいずれかであってもよい。ほかの実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマやEL、OLED、STN LCD、上述したTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはCRTやほかのチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含んでいる。しかしながら、本実施形態を説明する目的のため、ディスプレイ30は、ここに説明するように、光干渉変調器ディスプレイを含んでいる。代表的なディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントを図6Bに概略的に示す。図示の代表的なディスプレイデバイス40はハウジング41を含んでおり、その中に少なくとも部分的に囲まれた追加コンポーネントを含むことができる。たとえば、一実施形態では、代表的なディスプレイデバイス40は、トランシーバー47に接続されるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含んでいる。トランシーバー47はプロセッサー21に連結されており、それはコンディショニングハードウェア52に連結されている。コンディショニングハードウェア52は信号を整える(たとえば信号をフィルター処理する)ように構成されうる。コンディショニングハードウェア52はスピーカー45とマイクロホン46に連結されている。プロセッサー21も入力デバイス48とドライバーコントローラー29に連結されている。ドライバーコントローラー29はフレームバッファ28とアレイドライバー22に接続され、これはさらにディスプレイアレイ30に接続されている。電源50は、特定の代表的なディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべてのコンポーネントにパワーを供給する。
【0025】
ネットワークインターフェース27は、代表的なディスプレイデバイス40がネットワーク上の一つ以上のデバイスと通信できるように、アンテナ43とトランシーバー47を含んでいる。一実施形態では、ネットワークインターフェース27はまたいくつかの処理容量を有し、プロセッサー21の要件を取り除いてもよい。アンテナ43は、信号の送受信用の当業者に周知の任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11規格によりIEEE 802.11(a)や(b)や(g)を含むRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナはBLUETOOTH(登録商標)規格によりRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナは、無線セル電話ネットワーク内で通信するために使用されるCDMA−やGSM、AMPS、ほかの既知信号を受信するように設計されている。トランシーバー47はアンテナ43から受信した信号を、それらがプロセッサー21によって受信されさらに操作されうるように前処理する。トランシーバー47はまたプロセッサー21から受信した信号を、それらがアンテナ43を介して代表的なディスプレイデバイス40から送信されうるように処理する。
【0026】
代替実施形態では、トランシーバー47はレシーバーと交換することが可能である。また別の代替実施形態では、ネットワークインターフェース27は像源と取り替えることが可能であり、像源はプロセッサー21に送る画像データを記憶または生成することができる。たとえば、像源は、画像データを収容したデジタルビデオディスク(DVD)やハードディスクドライブ、または画像データを生成するソフトウェアモジュールとすることができる。
【0027】
プロセッサー21は一般に、代表的なディスプレイデバイス40の動作全体を制御する。プロセッサー21は、ネットワークインターフェース27や像源からの圧縮画像データなどのデータを受信し、そのデータを行画像データに、または行画像データへ容易に処理されるフォーマットに処理する。次にプロセッサー21は処理したデータを記憶のためにドライバーコントローラー29またはフレームバッファ28へ送る。生データは、典型的には画像内の各場所における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色と彩度とグレースケールレベルを含みうる。
【0028】
一実施形態では、プロセッサー21は、マイクロコントローラーまたはCPU、論理演算装置を含み、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御する。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するために、またマイクロホン46から信号を受信するために、一般に増幅器とフィルターを含んでいる。コンディショニングハードウェア52は代表的なディスプレイデバイス40内のディスクリートコンポーネントであってもよく、またはプロセッサー21やほかのコンポーネント内に組み込まれていてもよい。
【0029】
ドライバーコントローラー29は、プロセッサー21によって生成された行画像データをプロセッサー21から直接またはフレームバッファ28からとり、アレイドライバー22への高速伝送に適切な行画像データに再フォーマットする。具体的には、ドライバーコントローラー29は行画像データを、ラスター状フォーマットを有するデータ流れに再フォーマットし、それは、ディスプレイアレイ30を横切って走査するのに適した時間順序を有している。次にドライバーコントローラー29はフォーマットした情報をアレイドライバー22に送る。LCDコントローラーなどのドライバーコントローラー29はしばしばスタンドアロンの集積回路(IC)としてシステムプロセッサー21に付随されるが、そのようなコントローラーは多くの手法によって実現されてよい。それらはハードウェアとしてプロセッサー21に埋め込まれても、ソフトとしてプロセッサー21に埋め込まれても、アレイドライバー22にハードウェアに完全に集積されてもよい。
【0030】
典型的には、アレイドライバー22はドライバーコントローラー29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのx−yマトリックスの画素から来る何百もの時には何千ものリードに毎秒何度も印加される波形の並列セットに再フォーマットする。
【0031】
一実施形態では、ドライバーコントローラー29とアレイドライバー22とディスプレイアレイ30は、ここに説明したディスプレイのどのタイプにも適切である。たとえば、一実施形態では、ドライバーコントローラー29は、従来のディスプレイコントローラーや双安定ディスプレイコントローラー(たとえば光干渉変調器コントローラー)である。別の実施形態では、アレイドライバー22は、従来のドライバーや双安定ディスプレイドライバー(たとえば光干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバーコントローラー29はアレイドライバー22に集積されている。そのような実施形態は、携帯電話、時計、ほかの小面積ディスプレイなどの高集積システムに共通している。また別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイや双安定ディスプレイアレイ(たとえば光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0032】
入力デバイス48は、ユーザーが代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にする。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードや電話キーパッドなどのキーパッドや、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーン、感圧または感熱膜を含んでいる。一実施形態では、マイクロホン46は代表的なディスプレイデバイス40用の入力デバイスである。マイクロホン46を使用してデバイスにデータを入力するとき、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するためにユーザーがボイスコマンドを与えてもよい。
【0033】
この分野で周知なように、電源50はさまざまなエネルギー蓄積装置を含みうる。たとえば、一実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池やリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源とコンデンサー、プラスチック太陽電池と太陽電池ペイントを含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は壁付コンセントからパワーを受け取るように構成される。
【0034】
いくつかの実施においては、上述したように、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に配置することが可能であるドライバーコントローラーに、制御プログラム化が存在する。いくつかのケースでは、制御プログラム化はアレイドライバー22に存在する。たくさんのハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントおよびさまざまな構成に対して上述した最適化が実現されてよいことは当業者であればわかるであろう。
【0035】
上述した原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は広く変更されてよい。たとえば、図7A〜7Eは、可動反射層14をその支持構造の5つの異なる実施形態を示している。図7Aは図1の実施形態の断面図であり、金属物質14のストリップが直交して延びている支持体18上に堆積されている。図7Bでは、可動反射層14がつなぎ32によってコーナーだけで支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が変形可能層34からつるされており、変形可能層34は可撓性金属で構成されうる。変形可能層34は、直接または間接的に、変形可能層34の周囲の周りの基板20に連結している。これらの接続はここでは支持ポストと呼ぶ。図7Dに示した実施形態は、その上に変形可能層34が横たわる支持ポストプラグ42を含む支持構造18を有している。図7A〜7Cのように、可動反射層14はキャビティの上につるされるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学スタック16の間の穴を満たすことにより、支持ポスト18を形成しない。むしろ、支持ポスト18は平坦化物質から構成され、それは支持ポストプラグ42を形成するために使用される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示した実施形態に基づくが、図示しない追加の実施形態と同様に、図7A〜7Cに示した実施形態のいずれに適用してもよい。図7Eに示した実施形態では、金属またはほかの伝導物質の追加層がバス構造44を形成するために使用された。これは信号を光干渉変調器の背面に沿って転送するのを可能にし、さもなければ基板20上に形成されなければならないであろう多くの電極を取り除く。
【0036】
図7に示した実施形態では、光干渉変調器は直視型デバイスとして機能し、画像は透明基板20の正面側つまり変調器が配置される側の反対側から見られる。これらの実施形態では、変形可能層34とバス構造44(図7E)を含め、反射層14は、基板20に対向する反射層の側にある光干渉変調器のいくつかの部分を光学的に遮へいする。これは、遮へい領域が像品質に悪影響を与えずに構成され動作されることを可能にする。この分離可能な変調器アーキテクチャは、変調器の電気機械的観点と光学的観点のために使用される構造設計と物質が互い独立に選択され機能することを可能にする。さらに、図7C〜7Eに示した実施形態は、反射層14の光学的特性の機械的特性からの減結合を得るという追加の利点を有し、それは変形可能層34によって実現される。これは、反射層14に使用する構造設計と物質を光学的特性に対して最適化し、また変形可能層34に使用する構造設計と物質を所望の機械的特性に対して最適化すること可能にする。
【0037】
図8は、光干渉変調器用の製造プロセス800の実施形態のステップを示している。このようなステップは、図8に図示していないステップに加えて、たとえば図1と7に示した一般的タイプの光干渉変調器の製造プロセスの中にあってもよい。図1と7と8を参照すると、プロセス800は、基板20上に光学スタック16を形成するステップ805で始まる。基板20はガラスやプラスチックなどの透明基板であってよく、光学スタック16の効率的な形成を容易にする先行準備ステップ、たとえば、クリーニングすることに供せられてよい。上述したように、光学スタック16は電気的に伝導性で、部分的に透明で、部分的に反射的であり、たとえば透明基板20上に一つ以上の層を堆積することにより作られうる。いくつかの実施形態では、層は平行ストリップにパターニングされ、ディスプレイデバイス中の行電極を形成しうる。いくつかの実施形態では、光学スタック16は、一つ以上の堆積金属層(たとえば反射および/または伝導層)である絶縁または誘電体層を含んでいる。
【0038】
図8に示したプロセス800は、光学スタック16上に犠牲層を形成するステップ810に続く。犠牲層は後に(たとえばステップ825で)除去されて後述するキャビティ19を形成する。したがって、犠牲層は、図1と7に示した結果の光干渉変調器12には図示されていない。光学スタック16上への犠牲層の形成は、続く除去の後に所望の大きさのキャビティ19を提供するように選択した厚さへの、モリブデンや非晶質シリコンなどの物質の堆積を含んでいてもよい。犠牲物質の堆積は、物理蒸気堆積(PVD(たとえばスパッタリング))やプラズマ増強化学蒸気堆積(PECVD)、熱化学蒸気堆積(熱CVD)、スピンコーティングなどの堆積技術を使用して実施しうる。
【0039】
図8に示したプロセス800は、支持構造(たとえば図1と7に示したポスト18)を形成するステップ815に続く。ポスト18の形成は、犠牲層をパターニングして開口を形成し、続いてPECVDや熱CVD、スピンコーティングなどの堆積方法を使用して、開口に物質(たとえばポリマー)を堆積してポスト18を形成するステップを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲層に形成した開口は、犠牲層と光学スタック16の両方を通ってその下にある基板20にまで延びており、その結果、ポスト18の下端は図7Aに示すように基板20を接触している。ほかの実施形態では、犠牲層に形成した開口は、犠牲層を通って延びているが光学スタック16は通らない。たとえば、図7Cは、光学スタック16に接触した支持ポストプラグ42の下端を示している。
【0040】
図8に示したプロセス800は、図1と7に示した可動反射層14などの可動反射層を形成するステップ820に続く。可動反射層14は、一つ以上の堆積ステップ(たとえば反射層(たとえばアルミニウム、アルミニウム合金)堆積)を、一つ以上のパターニングおよび/またはマスキング、エッチングステップとともに使用することにより形成しうる。プロセス800のステップ820で形成した、部分的製造済み光干渉変調器には犠牲層がまだ存在するので、可動反射層14はこの段階では典型的には可動ではない。犠牲層を含んでいる部分的製造済み光干渉変調器をここでは「未解放」光干渉変調器と呼びうる。
【0041】
図8に示したプロセス800は、キャビティ(たとえば図1と7に示したキャビティ19)を形成するステップ825に続く。キャビティ19は、(ステップ810で堆積した)犠牲物質を腐食液にさらすことにより形成しうる。たとえば、モリブデンや非晶質シリコンなどの犠牲物質は、乾式化学エッチングによって(たとえば物質の所望量を除去するのに有効な期間のあいだ固体二フッ化キセノン(XeF2)から引き出される蒸気などのガス状または蒸気の腐食液に犠牲層をさらすことによって)キャビティ19を取り囲んでいる構造体に対して典型的に選択的に除去しうる。ほかのエッチング方法(たとえばウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチング)が使用されてもよい。プロセス800のステップ825の間に犠牲層が除去されるので、この段階後、可動反射層14は典型的に可動である。犠牲物質の除去後、結果の完全または部分的製造済み光干渉変調器はここに「解放した」光干渉変調器と呼んでよい。
【0042】
薄膜トランジスター(TFTの)は、(チャンネル領域を定める適当なパターニングとともに)半導体をベース基板の上に堆積することによりチャンネル領域を形成し、かつベース基板が非半導体基板であるトランジスターである。たとえば、「薄膜トランジスター 物質とプロセス 巻1、非晶質シリコン薄膜トランジスター(Thin Film Transistors - Materials and Processes - Volume 1 Amorphous Silicon Thin Film Transistors)」発行者ユエ クオ(Yue Kuo)、クルワー アカデミック 出版社(Kluwer Academic Publishers)、ボストン(2004)を参照。その上にTFTが形成されるベース基板は、ガラスやプラスチック、金属などの非半導体であってもよい。堆積されてTFTのチャンネル領域を形成する半導体はシリコン(たとえばa−Si、a−SiH)および/またはゲルマニウム(たとえばa−Ge、a−GeH)で構成されてよく、また亜リン酸やヒ素、アンチモン、インジウムなどのドーパントを備えていてもよい。
【0043】
光干渉変調器を作るためのある製造プロセスの観点に多くの点において類似しているTFTのを作るためのある製造プロセスの観点があることは現在認められている。たとえば、表1は、TFT製造プロセスと光干渉変調器の両方に共通する選択したプロセスステップの観点を示している。表1に示した実施形態では、プロセスステップは類似しているが、異なる目的のために典型的に行なわれる。第一のプロセスステップつまり金属層を非半導体基板上に堆積することは、TFTプロセスにゲート金属層を形成する目的のために行なわれうるのであるが、光干渉変調器プロセスでは第一の伝導/反射層(たとえば図8のステップ805において上述したように光学スタック16の一部)を形成する目的のために行なわれうる。それぞれのプロセスのほかの観点は異なる。たとえば、TFTと光干渉変調器のプロセスは、メタルゲート層(TFT)を第一の伝導性/反射層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングするパターニングステップを含んでいてもよい。
【表1】
【0044】
表1に示した第二のプロセスステップつまり絶縁層を金属層上に堆積することは、TFTプロセスではゲート誘電体層を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは光学スタック(たとえば図8のステップ805において上述したように光学スタック16の誘電体層部)の一部を形成する目的のために行なわれうる。表1に示した第三のプロセスステップつまり半導体層を絶縁層上に堆積することは、TFTプロセスではチャネル層を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは(たとえば図8のステップ810において上述したように)犠牲層を形成する目的のために行なわれうる。TFTと光干渉変調器のプロセスは、チャネル層(TFT)を犠牲層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングして、たとえば図8のステップ815において上述したように犠牲層に開口を形成するパターニングステップを含んでいてもよい。
【0045】
表1に示した第四のプロセスステップつまり金属層を半導体層上に堆積することは、TFTプロセスではチャネルエッチストップ金属層および/またはソース電極とドレイン電極を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは第二の伝導性/反射性金属層(たとえば図8のステップ820において上述したように可動反射層14)を形成する目的のために行なわれうる。TFTと光干渉変調器のプロセスは、チャネルエッチストップ金属層(TFT)を第二の伝導性/反射性金属層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングするパターニングステップを含んでいうる。
【0046】
表1は、光干渉変調器を作るためのある製造プロセスの観点に多くの点において類似しているTFTを作るためのある製造プロセスのさまざまな観点を要約している。二つのプロセスのさまざまなほかの観点は異なってよく、いくつかのケースでは著しく異なってよい。たとえば、TFTプロセスステップ1〜4(表1)のあいだに堆積される層の厚さは、対応する光干渉変調器プロセスステップ1〜4のあいだに堆積される層の厚さとまったく異なってよい。TFTプロセスステップ1〜4のあいだに堆積される各層のパターニングは、対応する光干渉変調器プロセスステップ1〜4のあいだに堆積される層のパターニングとは著しく異なってもよい。ある実施形態では、第一の電極(たとえば第一の光干渉変調器プロセスステップのあいだに堆積される第一の伝導性/反射性金属層)は、行にパターニングされ、第二の電極(たとえば第四の光干渉変調器プロセスステップのあいだに堆積される第二の伝導性/反射性金属層)は、行と重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%の重なり領域を有する。対照的に、TFTのは、ゲート金属層(TFTプロセスステップ1)とチャネルエッチストップ金属層(TFTプロセスステップ4)の重なり領域を最小限にするような方法により典型的に製造される。
【0047】
(光干渉変調器などの)MEMSデバイスはTFT生産ラインで少なくとも部分的に製造されうることが現在認められている。たとえば、ある実施形態では、光干渉変調器はTFTプロセスステップを使用して製造される。これは、比較的低価格で比較的大量なTFTのの製造のために設計された従来の設備とプロセスステップを使用して光干渉変調器を低価格で製造することを可能にしうる。
【0048】
図9は、たとえば光干渉変調器を作るのに使用しうるMEMS製造プロセス900の実施形態を示している。プロセス900は、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別することによってステップ905で始まる。ここに使用する「生産ライン」との用語はその通常の意味を有し、したがって、たとえば、特定のアイテムを生産するように構成された設備の一つ以上の部分を含んでいる。TFT生産ラインは、たとえば、上述したプロセス800によって中間製品やTFTのを生産するように構成された堆積および/またはパターニング設備を含んでいてもよい。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、たとえば、評判によって、第一の製造プラントで作られたTFTプロダクトの検査によって、第一の製造プラントから問い合わせを受けることによって、第一の製造プラントに接触することによってなど、さまざまな手法で識別してよい。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインの識別は、たとえば、TFT生産ラインの個人的検査によって、声、電話、郵便、ファックス、電子メール、インターネットによって、TFT生産ラインを調査および/または検査したほかの人との議論によってなど、さまざまな手法で実行してよい。さまざまな実体が互いに協働して第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別してもよい。
【0049】
プロセス900では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、好ましくは、MEMSデバイスの生産のために比較的容易に修正されるような方法によって構成されている。たとえば、ある実施形態では、TFT生産ラインは、平面パネルディスプレー用に構成されたTFTを生産するように構成されている。別の実施形態では、TFT生産ラインは、たとえば、表1の第一と第四のステップに関して上述したように、金属層(たとえばクロムまたはモリブデン、アルミニウムからなる金属層)を堆積するように構成されている。たとえば、TFT生産ラインは、ガラス基板および/または絶縁層上に金属層(たとえばクロムおよび/またはモリブデン、アルミニウムからなる金属層)を堆積するように構成されてもよい。
【0050】
別の実施形態では、プロセス900中の第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、絶縁層(酸化シリコンまたはシリコン窒化物からなる絶縁層など)を堆積するように構成されており、たとえば、表1の第二のステップに関して上述したように絶縁層を第一の金属層上に堆積するように構成されている。別の実施形態では、TFT生産ラインは、半導体層(非晶質シリコンからなる層など)を堆積するように構成されており、たとえば、表1の第三のステップに関して上述したように金属または半導体層を絶縁層上に堆積するように構成されている。
【0051】
プロセス900は、第一の製造プラントがTFT生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することによってステップ910に続く。そのような生産準備は、さまざまな手法でなされうる。たとえば、ある実施形態では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターが生産準備を提供してよい。別の実施形態では、サードパーティー(たとえばMEMSデザイナー)が第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別し、要望(たとえば購入順序、サンプルを準備する要望、モデルを準備する要望)を第一の製造プラントに伝えて、薄膜トランジスター生産ラインを光干渉変調器の製造中で一つ以上のステップを実行するに適するように修正する。生産準備は、たとえば、声、電話、郵便、ファックス、電子メール、インターネットによって、生産準備の詳細を実行することが課せられたほかの人との議論によってなど、さまざまな手法で実行されうる。さまざまな実体が互いに協働して、第一の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)をTFT生産ラインで製造するように準備してもよい。
【0052】
生産準備は、プロセス修正のための提案または方向性を含んでいてよく、たとえば、一つ以上のTFTパターニングステップを修正してそれらを一つ以上の光干渉変調器パターニングステップにとって、たとえば表1に示したステップに関して上述したように、さらに好適にしてよい。その修正は好ましくは比較的小さく、たとえば、プロセスステップの少なくともいくつかが同じシーケンスで行なわれるが、ステップのおのおのに異なるインストラクション(たとえば異なる層厚さおよび/またはパターニング)を伴う。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターは、生産準備の目的に気づいている必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターが、(たとえば第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別するサードパーティーMEMSデザイナーによって提供される)生産準備が部分的製造済み光干渉変調器を薄膜トランジスター生産ラインで製造するのに好適であることに気づいている必要はなくてよい。さまざまなパーティーが互いに協働して生産準備を作ってもよい。
【0053】
(図9に示していない)別の実施形態では、MEMS製造プロセス900は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の製造プラントに移動する準備をさらに有している。そのような移動準備は、たとえば、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターによって、および/または、サードパーティーによって、第一の製造プラントにおけるTFT生産ライン(たとえばステップ905において)を識別する実体によってなど、さまざまな手法で実行してよい。(図9に示していない)別の実施形態では、MEMS製造プロセス900は第二の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器の少なくとも一つの製造ステップを行なうように準備することをさらに有している。たとえば、ある実施形態では、少なくとも一つの製造ステップは解放ステップ(たとえば光干渉変調器などのMEMSデバイスから犠牲層を除去するステップ)を有している。移動およびさらなる製造準備は、TFT生産ラインを識別し、それを部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することに関して一般に上述したように、さまざまな形態を取り得、またさまざまな手法で実行されうる。
【0054】
MEMS製造プロセス900は部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)を生産するために使用してよい。ある実施形態は、そのようなプロセスによって作られた、部分的製造済み光干渉変調器を提供する。MEMS製造プロセス900は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の製造プラントへ移動させる、また、随意に、第二の製造プラントが上述したように部分的製造済み光干渉変調器に少なくとも一つの製造ステップ(解放ステップなど)を行なうなど、さらなるステップを含んでいてもよい。したがって、MEMS製造プロセス900は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのようなプロセスによって作られた光干渉変調器を提供する。
【0055】
図10は別の実施形態、光干渉変調器を作る方法1000を示している。方法1000は、TFTを生産ラインで、たとえば製造プラントにおけるTFT生産ラインで少なくとも部分的に製造することによってステップ1005で始まる。ある実施形態では、TFTは平面パネルディスプレーを製造するように構成されている。生産ラインは、好ましくは少なくとも一つの特徴、好ましくは二つ以上の特徴、より好ましくは三つ以上の特徴を、光干渉変調器生産ラインと共通に共有する。たとえば、ある実施形態では、生産ラインは、光干渉変調器プロセスと共通して表1に示した、金属と誘電体と半導体の堆積とパターニングなど、三つまたは四つのプロセスステップを有している。
【0056】
方法1000は、生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成することによってステップ1010に続く。生産ラインは、たとえば、追加プロセスステップが加えられうる、既存プロセスステップが除去されうる、既存プロセスパラメーター用のプロセスパラメーターが修正されうるなど、さまざまな手法で再構成されてもよい。ある実施形態では、再構成に先立つ生産ラインは、少なくとも一つの特徴、好ましくは二つ以上の特徴、より好ましくは三つ以上の特徴を、光干渉変調器生産ラインと共通に、最も好ましくは同じシーケンスの共通プロセスステップと共有する。ある実施形態では、一つ以上のTFTパターニングステップを修正し、それらが、たとえば表1に示したステップに関して上述したように、一つ以上の光干渉変調器パターニングステップにさらに適するように、生産ラインを再構成する。ある実施形態では、再構成は、各ステップで堆積する順序および/または物質は維持しつつ、図1に示した堆積ステップのおのおのの厚さおよびパターニングを変更することを有している。好ましい実施形態では、再構成は、堆積設備への著しい変更を要求しない。
【0057】
方法1000は、再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することによってステップ1015に続く。再構成生産ラインでの光干渉変調器の製造はさまざまな手法で実行されうる。ある実施形態では、そのような製造は、表1に示した光干渉変調器プロセスステップの一つ以上、好ましくは二つ以上、より好ましく三つ以上を行なうことによって実行される。方法1000によって作られた部分的製造済み光干渉変調器は未解放の光干渉変調器であってもよい。したがって、ある実施形態は、方法1000によって作られた未解放の光干渉変調器を提供する。
【0058】
方法1000は、部分的製造済み光干渉変調器を輸送する、たとえば未解放の光干渉変調器を輸送するなど、さらなるステップを含んでいてもよい。たとえば、部分的製造済み光干渉変調器は第二の製造プラントに輸送されてよく、また、随意に、第二の製造プラントは、部分的製造済み光干渉変調器に上述したように少なくとも一つの製造ステップ(解放ステップなど)を行なってよい。したがって、方法1000は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0059】
(図10に示していない)別の実施形態では、光干渉変調器を作るための方法は、部分的製造済み光干渉変調器を再構成生産ラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている。そのような方法は、部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)を輸送することをさらに含んでいてもよい。ある実施形態では、未解放の光干渉変調器は、未解放の光干渉変調器に解放ステップを行なうように構成された第二の生産ラインに輸送される。
【0060】
図11は別の実施形態、光干渉変調器を作る方法1100を示している。方法1100は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることによってステップ1105で始まる。部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで製造されたものである。たとえば、ある実施形態では、第一の生産ラインは、TFTを少なくとも部分的に生産するように構成されるとともに、少なくとも部分的に光干渉変調器を生産するように構成された二重生産ラインであってもよい。別の実施形態では、第一の生産ラインは、非光干渉デバイス(TFTなど)を生産するようにあらかじめ構成され、次に、図10に示した方法1000に関して上述したように、光干渉変調器を少なくとも部分的に製造するに適した再構成生産ラインを形成するように再構成された。ある実施形態では、再構成は、堆積ステップを同じ順序で実行しつつ、たとえば、図1に示したように、堆積ステップの厚さとパターニングを変更することを有している。好ましい実施形態では、再構成は、堆積設備に著しい変更を要求しない。ステップ1105において部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることは、方法1000の再構成生産ラインから輸送された部分的製造済み光干渉変調器を受け取ることを含んでいてもよい。
【0061】
方法1100は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることによってステップ1110に続く。ある実施形態では、部分的製造済み光干渉変調器は未解放の光干渉変調器であり、第二の生産ラインの少なくとも一つの製造ステップは、犠牲物質をエッチング除去してキャビティを形成する解放ステップを有する。したがって、方法1100は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0062】
図12aないし12hは、TFT製造プロセスステップを使用して光干渉変調器を製造するための方法の実施形態を概略的に示している。図12hをいま参照すると、光干渉変調器1200の実施形態が断面で概略的に描かれている。光干渉変調器は、ガラス基板600と、第一の電極としての薄いクロム層610と、シリコン窒化物絶縁層620と、可撓性の第二の電極としてのアルミ層640とを有している。動作では、光干渉変調器のキャビティ650は、ガラス基板600を通して堆積層を見るように設計されている。
【0063】
図12hの光干渉変調器実施形態は以下のように製造されうる。ガラス基板600は、図12aに描かれるように、標準手順を使用して洗浄される。ガラス基板は好ましくは使用されているが、ほかの基板もまた、たとえば、米国特許第5,835,255号に開示されるように、使用に適している。基板は薄いクロム層610で被覆され、図12bに描かれる。薄いクロム層610は、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される堆積方法、たとえばスパッタリングやeビーム蒸着などの物理蒸気堆積法や、化学蒸気堆積、分子線エピタキシーを使用して堆積される。光干渉変調器が満足な光学特性を持つために、クロム層は好ましくは厚さが約50A(オングストローム)から約100Aまでにある。
【0064】
薄いクロム層610は次に、図12cに示すように、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用されるパターニング方法、たとえばフォトレジストマスク形成とそれに続く湿式化学的エッチプロセスまたはプラズマまたは反応性イオンエッチングを使用してパターニングされる。あるいは、剥離法を使用することができる。パターニングされた薄いクロム層610は、第一の電極の組を形成する。第一の電極の典型的な寸法は幅が約10μmから約250μmまでにある。
【0065】
薄いクロム層610がパターニングされた後、図12dに描かれるように、シリコン窒化物絶縁層620が堆積される。シリコン窒化物層620は、低圧CVD(LPCVD)やプラズマ増強CVD(PECVD)、レーザー支援フォトCVD、イオン注入、DCまたはRFスパッタリングなど、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される堆積方法を使用して堆積される。シリコン窒化物層620は好ましくは厚さが約700Aから約2500Aまでにある。
【0066】
図12eに描かれるように、次にシリコン(たとえばa−SiH)の層630がシリコン窒化物層620上に堆積される。シリコン層630は次に、図12fに描かれるように、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される方法を使用してパターニングされる。パターニングされたシリコン層630は犠牲層と呼んでよい。
【0067】
図12gに描かれるように、次にアルミ層640が、犠牲層(パターニングされたシリコン層630)とシリコン窒化物層620の露出部分の上に堆積される。アルミ層640は、薄いクロム層610の堆積に関して上述したような任意の適切な方法を使用して堆積されてよい。アルミ層640は次に、可撓性の第二の電極の組を形成するために、上述したような、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用されるパターニング方法を使用してパターニングされる(図12には示していない)。アルミ層の厚さは好ましくは約500Aから約3500Aまでにある。アルミニウム合金は、アルミ層640、たとえばAl−NdやAl−Si、Al−Cu、合金)を準備する用途にとって特に好適である。しかしながら、任意の適切なアルミニウム含有物質を使用することができる。
【0068】
図12aないし図12gに描かれたステップのシーケンスは、標準TFT製造プロセスにおいて慣習的に使用されるものに対応し、また図12gに描かれた未解放の光干渉変調器1205をもたらす。これらのステップが行なわれた後、犠牲シリコン層630が除去されてよく、図12hに描かれるようにキャビティ650を形成する。犠牲層630の除去はTFT生産ラインで行なわれてよい。しかしながら、好ましくは、未解放の光干渉変調器1205は、上述したように、解放ステップを実行するように構成された第二の設備または生産ラインに移動または輸送される。犠牲シリコン層630は、周囲の物質に対して選択的であるドライエッチプロセスを使用して除去されうる。ドライエッチプロセスは特に好適であり、ほかのエッチング方法(たとえばウェットエッチング)に対して多くの長所があり、たとえば、危険な酸と溶剤の使用が避けうる、プロセス制御がウェットエッチングよりもよくなりうる。
【0069】
プラズマベースプロセスばかりでなく非プラズマベースプロセスも含め、任意の適切な選択的エッチングプロセスが使用されうる。エッチングプロセスは、好ましくは、クロムアルミニウムおよびアルミニウム合金、シリコン窒化物に対して選択的である。非プラズマベースドライエッチングプロセスは、シリコンをエッチングするのに好適である。フッ化物またはハロゲン間化合物などのフッ素含有ガスが典型的に使用される。非プラズマベースドライエッチプロセスは、プラズマプロセス設備の必要を回避し、使用される反応物の温度と分圧を介して厳密に制御されうる。非プラズマベースドライエッチングでの使用に特に好適なフッ素含有ガスは固体二フッ化キセノン(XeF2)から引き出される蒸気である。二フッ化キセノンはシリコンと反応して四フッ化ケイ素を形成する。約1から約3μm/minまでのエッチ速度が二フッ化キセノンでエッチングすることに典型的である。あるいは、ハロゲン間化合物ガスを使用することができる、たとえば三フッ化臭素または三フッ化塩素。これらのガスもまたシリコンと反応して四フッ化ケイ素を形成する。
【0070】
二フッ化キセノンでの非プラズマベースドライエッチングが犠牲非晶質シリコン層630を除去するのに特に好適である一方で、ほかのドライエッチング方法が使用されてもよい。プラズマベースドライエッチングはRFパワーを使用して、エッチングプロセスに関与する化学反応を促進する。プラズマの使用は、エッチプロセスでの高温と非常に反応的な化学薬品の必要を回避する。プラズマベースドライエッチング方法は、物理的エッチング、および/または、化学的エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、深い反応性イオンエッチング(DRIE)を使用してよい。
【0071】
犠牲非晶質シリコン層630の除去は、クロム電極610とアルミニウム電極640との間にキャビティ650の形成をもたらす。キャビティ650は、クロム電極610とアルミニウム電極640との間への電圧の印加に応じて可撓性アルミニウム電極640が変形することを可能にする。
【0072】
(たとえば平面パネルディスプレーのための)典型的なTFT製造プロセスでは、シリコン窒化物層などの絶縁層はクロム層の堆積の後に、しかしITO層の堆積の前に堆積されることに注意される。ある実施形態では、ITO層は、典型的なTFT製造プロセスステップを使用してクロム層上に(またクロム層もITO層上に)堆積されない。したがって、この実施形態では、第一の電極は実質的にITOに限らない。薄い(50A〜100A)クロム層だけからなる電極の導電率は、薄いクロム層の上のITO層またはより厚いクロム層のそれよりも著しく小さいので、図12aないし12hに描かれたプロセスによって準備された光干渉変調器実施形態1200は、電圧が電極に印加されたときにより遅く作動する傾向がある。しかしながら、早い応答時間が必要でないある用途、たとえばテキストまたは静止画像の表示にとっては、より遅い作動時間は受け入れられうる。図12aないし12hに描かれたプロセスの利点は、デバイスを製造するのに必要な限られた数のプロセスステップを含んでおり、より速い製造とより低い物質費をもたらす。
【0073】
ある実施形態は、ガラス基板上の第一の電極と、第一の電極上の絶縁層と、絶縁層上の非晶質シリコン層と、非晶質シリコン層上の第二の電極とを有する未解放の光干渉変調器を提供する。この実施形態では、第一の電極は、インジウムスズ酸化物に実質的に限らず、絶縁層はシリコン、たとえば酸化シリコンまたはシリコン窒化物を含んでいる。図12gに描かれた未解放の光干渉変調器1205は、この実施形態の例である。第一の電極はクロムからなってよい。たとえば、未解放の光干渉変調器1205は、第一の電極を形成する薄いクロム層610を含んでいる。シリコン窒化物層620は、第一の電極上のシリコン含有絶縁層の例である。上に注意されるように、シリコン層630は非晶質シリコンであってよく、したがって、アルミ層640は、そのような非晶質シリコン層630の上の第二の電極の例である。第二の電極はアルミニウムからなり、Al−NdやAl−Si、Al−Cuなどのアルミニウム合金であってもよい。
【0074】
図13aないし13oをいま参照すると、光干渉変調器1300を製造する方法の実施形態が示されている。光干渉変調器1300は、図13oに断面で概略的に描かれている。光干渉変調器1300は、ガラス基板600と、第一の電極としての厚いクロム層615と、シリコン窒化物絶縁層620と、可撓性の第二の電極としてのアルミ層640と、第二の薄いクロム光学層680とを有している。動作では、光干渉変調器の光学キャビティ655は、図12hに描かれた光干渉変調器のようにガラス基板600を通してではなく、透明保護層690を通して堆積層を見るように設計されている。
【0075】
図13oの光干渉変調器1300は、第二の薄いクロム光学層680を形成する追加のステップとともに、図12hの光干渉変調器1200の製造と同じ初期ステップを使用して製造されうる。ガラス基板600は、図13aに描かれるように、標準手順を使用して洗浄される。図13bに描かれるように、基板は次に厚いクロム層615で被覆される。この実施形態ではクロム層615は光学的機能を行なわないので、改善された導電率、したがって動作中のデバイスのより速い作動を提供するように、より厚く作られてもよい。クロム層615の厚さは好ましくは約500Aから約2000Aまでにある。
【0076】
厚いクロム層615は次に、第一の電極の組を形成するために、図13cに描かれるように、光干渉変調器1200を参照して上述したように、パターニング方法を使用してパターニングされる。
【0077】
厚いクロム層615がパターニングされた後、図13dに描かれるように、シリコン窒化物絶縁層620が堆積される。図13eに描かれるように、次にシリコン(たとえばa−Siまたはa−SiH)の層630がシリコン窒化物層620上に堆積される。シリコン層630は次に、犠牲層を形成するために、図13fに描かれるように、パターニングされる。次に、図13gに描かれるように、アルミ層640がシリコン犠牲630とシリコン窒化物層620の露出部分の上に堆積される。アルミ層640は次に、可撓性の第二の電極の組を形成するために、光干渉変調器1200に関して上述したように、パターニングされる(図13には示していない)。
【0078】
アルミ層640の堆積とパターニングの後、図13oに描かれる光干渉変調器実施形態1300の薄いクロム光学層680とキャビティ650,655を形成するために、追加のステップが行なわれる。シリコン窒化物の第二の層660が、図13hに描かれるように、パターニングされたアルミ層640の上に堆積され、図13iに描かれるように、上述したようにシリコン窒化物の第一の層620のパターニングための方法を使用してパターニングされる。
【0079】
次に、図13jに描かれるように、モリブデンまたはシリコン層670が、パターニングされたアルミ層640と第二のシリコン窒化物層660の上に堆積される。モリブデンまたはシリコン層670は次に、図13kに描かれるように、第二の犠牲層を形成するために、犠牲シリコン層630をパターニングするための述べたような方法を使用してパターニングされる。ミラー/機械的層(たとえばアルミ層640)がいったん堆積されたなら、アルミニウム合金のヒロッキングまたはシリコンの拡散から保護するため、高温での処理を避けることが望ましい。したがって、低温堆積プロセス(たとえばDCスパッター)を使用してモリブデンまたはシリコン犠牲層670を堆積することが特に好適である。
【0080】
次に、図131に描かれるように、薄いクロム層680が、パターニングされた犠牲層670と第二のシリコン窒化物層660の露出部分の上に堆積される。薄いクロム層680は次に、上述したように厚いクロム層615をパターニングするためのパターニング方法を使用してパターニングされてよい(図13には示していない)。パターニングされた薄いクロム層680は光学層を形成する。光干渉変調器が満足な光学特性を持つために、クロム層680は好ましくは厚さが約50から約100Aまでにある。薄いクロム層680は、自立構造として使用するには薄くて脆弱すぎるかもしれない。図13mに描かれるように、追加不活性化層685(たとえば透明誘電体物質)が、その構造安定性を増強するためにクロム層680の上に堆積されてよい。好ましくは、低温堆積プロセス(たとえばセラミックターゲットからのRFスパッターまたはシリコンターゲットからの反応性スパッタリング)が使用される。クロム層680と不活性化層685の全厚は、約2000Aから約10000Aまでにある。不活性化層685とクロム層685,680は、腐食液が構造に浸透して犠牲層630,670を除去できるように位置決めされエッチホールとベントでパターニングされうる。結果の未解放の光干渉変調器1305が図13mに描かれている。
【0081】
図13aないし13mに描かれたステップのシーケンスは、標準TFT製造プロセスにおいて慣習的に使用されるプロセスステップに対応している。これらのステップが行なわれた後、図13nに描かれるように、第一の犠牲層630と第二の犠牲層670がそれぞれキャビティ650と655を形成する解放ステップの間に除去されうる。犠牲層630,670の除去はTFT生産ラインで行なわれてよい。好ましくは、未解放の光干渉変調器1305は、上述したように、解放ステップを実行するように構成された第二の設備または生産ラインに移動または輸送されうる。犠牲層は、好ましくは、図12gに描かれたデバイスにおいて犠牲層630の除去に関しては上述したような、選択的ドライエッチングプロセスを使用して除去される。犠牲層630,670の除去は、クロム光学層680とアルミニウム電極640との間の第一の光学キャビティ655とアルミニウム電極640より下の第二の光学キャビティ650との形成をもたらす。キャビティ650,655は、厚いクロム層615とアルミニウム電極640との間への電圧の印加に応じて可撓性アルミニウム電極640が変形することを可能にする。二フッ化キセノンドライエッチングは両犠牲層650,655の除去に有効である。
【0082】
ある実施形態では、保護被覆690が、図13oに描かれるように、保護被覆690と最上の堆積層(たとえば薄いクロム層680および不活性化層685)との間に間隙をおいて、堆積層の上に適用されうる。保護被覆690は光学的に透明で、好ましくはガラスまたは高分子物質からなる。基板600に使用されるのと同様の物質が保護被覆690に使用されうる。上述したように、動作では、光干渉変調器1300の光学キャビティ650,655は、図12hに描かれた光干渉変調器では、ガラス基板を通してではなく、透明保護層690を通して堆積層を見るように設計されている。したがって、基板600は光学的に透明である必要はない。しかしながら、光学的に透明な基板は使用するのに典型的に便利で、したがって好適である。
【0083】
図示の光干渉変調器実施形態1300の第一のクロム層615は、電極層としてだけで、光学層として機能する必要はなく、層の導電率を改善するようにより厚く作られてもよい。より厚い層は、光干渉変調器1300にとって作動に関して改善された応答時間をもたらしうる。そのような光干渉変調器は、よく速い作動時間が望ましい用途、たとえば映像ディスプレイへの使用に適している。図13aないし13oに描かれたプロセスの利点は、たとえば、標準薄膜トランジスター製造方法から改造されたプロセスステップを使用する能力、および/または、光干渉変調器を従来の設備とプロセスを使用して低価格で製造するのを可能にすることを含んでいてもよい。
【0084】
上述した製造方法は、部分的製造済み光干渉変調器の複数(たとえばアレイ)を作るのに使用されてもよい。ある実施形態では、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法は、ガラス基板上に第一の電極を堆積すること、たとえば、図12bに示したように金属層610を堆積することを含んでいる。第一の電極は、金属層610に関して上述したようにインジウムスズ酸化物に実質的に限らない。方法は、第一の電極上に絶縁層を堆積すること、たとえば、図12dに示したように金属層610上に絶縁層620を堆積することをさらに含んでいてもよい。方法は、絶縁層上に犠牲層を堆積すること、たとえば、図12eに示したように絶縁層620上に犠牲層630を堆積することをさらに含んでいてもよい。方法は、犠牲層630上に第二の電極を堆積すること、たとえば、図12gに示したように犠牲層630上に金属層640を堆積することをさらに含んでいてもよい。この実施形態では、第一の電極は好ましくは行にパターニングされ、第二の電極は好ましくは行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%の重なり領域を有する。そのような方法は光干渉変調器のアレイを製造するのに使用されてもよい。したがって、別の実施形態は光干渉変調器のアレイを提供するはそのような方法であってもよい。上記の詳細な説明は、さまざまな実施形態に適用される本発明の新規な特徴を図示し説明し指摘したが、ここに示したデバイスやプロセスの形態と詳細に本発明の要旨から逸脱することなくさまざまな省略と置換と変更が当業者によってなされうることが理解されよう。認められるように、本発明は、いくつかの特徴がほかとは別に使用されるか実行されてよいので、ここに述べた特徴と利点のすべてを提供するとは限らない形態に具体化されてもよい。
【0085】
図1〜13は実尺どおりではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一の光干渉変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、第二の光干渉変調器の可動反射層が作動位置にある光干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を描く等角投影図である。
【図2】3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の光干渉変調器の一つの代表的な実施形態における可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】光干渉変調器ディスプレイを駆動するのに使用しうる1セットの行および列電圧を示している。
【図5A】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図5B】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図6A】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】光干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】光干渉変調器の別の代替実施形態の断面図である。
【図7D】光干渉変調器のまた別の代替実施形態の断面図である。
【図7E】光干渉変調器の追加の代替実施形態の断面図である。
【図8】光干渉変調器を作る方法の実施形態のステップを示している流れ図である。
【図9】MEMS製造プロセスの実施形態を示している流れ図である。
【図10】光干渉変調器を作る方法の実施形態を示している流れ図である。
【図11】光干渉変調器を作る方法の実施形態を示している流れ図である。
【図12a】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12b】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12c】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12d】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12e】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12f】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12g】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12h】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13a】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13b】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13c】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13d】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13e】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13f】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13g】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13h】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13i】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13j】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13k】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13l】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13m】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13n】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13o】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光干渉変調器としての使用のための微小電気機械システムに関する。特に、本発明は、光干渉変調器の微小電気機械動作を改善するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)はマイクロメカニカル素子とアクチュエーターと電子機器とを含んでいる。マイクロメカニカル素子は、基板および/または堆積物質層の一部をエッチング除去するか層を追加して電気デバイスや電気機械デバイスを形成する堆積およびまたはエッチング、ほかのマイクロマシーニングプロセスを用いて作製しうる。MEMSデバイスの一つのタイプは光干渉変調器と呼ばれる。ここに使用する光干渉変調器や干渉計測光変調器との用語は、光干渉の法則を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。ある実施形態では、光干渉変調器は一対の伝導プレートを備えていてもよく、その一方または両方は、全体または一部が透明および/または反射的であってもよく、適当な電気信号の印加に対して相対運動可能であってもよい。特定の実施形態では、一方のプレートが基板上に堆積された静止層を備えていてもよく、他方のプレートが空隙によって静止層から離れた金属膜を備えていてもよい。ここに詳細に説明するように、一方のプレートの他方に対する位置は、光干渉変調器への入射光の光干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは広範囲の用途を有しており、既存製品を改善してまだ開発されていない新製品を作り出すのにそれらの特徴を利用できるようにこれらのタイプのデバイスの特性を利用および/または修正する技術分野にとって有益であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のシステムと方法とデバイスのおのおのにはいくつかの観点があり、それらのただ一つが単独でその所望の特質を担うものではない。本発明の要旨を限定するものではなく、その顕著な特徴をいま簡単に説明する。この議論を考慮した後、また特に「発明を実施するための最良の形態」と題した部分を読んだ後、本発明のどのような特徴がほかのディスプレイデバイスに対する利点を提供するか理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態は、第一の製造プラントにおける薄膜トランジスター生産ラインを識別することと、第一の製造プラントが薄膜トランジスター生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することとを含んでいるMEMS製造プロセスを提供する。別の実施形態は、そのようなMEMS製造プロセスによって作られた部分的製造済み光干渉変調器を提供する。
【0005】
別の実施形態は、薄膜トランジスターを生産ラインで少なくとも部分的に製造することと、
生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成するためにすることと、
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することとを有している、光干渉変調器を作る方法を提供する。別の実施形態は、そのような方法によって作られた部分的製造済み光干渉変調器を提供する。
【0006】
別の実施形態は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることを有し、部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで作られ、さらに、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることを有している、光干渉変調器を作る方法を提供する。別の実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0007】
別の実施形態は、部分的製造済み光干渉変調器を再構成生産ラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている、光干渉変調器を作るための方法を提供する。ある実施形態では、その方法によって製造された部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である。別の実施形態は、そのような方法によって作られた未解放の光干渉変調器を提供する。
【0008】
別の実施形態は、ガラス基板上の第一の電極と、第一の電極上の絶縁層と、絶縁層上の非晶質シリコン層と、非晶質シリコン層上の第二の電極とを備えている光干渉変調器を提供する。この実施形態では、第一の電極はインジウムスズ酸化物に実質的に限らず、絶縁層はシリコンからなる。
【0009】
別の実施形態は、ガラス基板上にインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極を堆積することを有し、第一の電極上に絶縁層を堆積することを有する、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法を提供する。この実施形態の方法は、絶縁層上に犠牲層を堆積することと、犠牲層上に第二の電極を堆積することとをさらに含む。この実施形態では、第一の電極は行にパターニングされ、第二の電極は行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%の重なり領域を有している。別の実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器のアレイを提供する。別の実施形態は、そのような光干渉変調器のアレイを有するディスプレイデバイスを提供する。この実施形態のディスプレイデバイスは、アレイと電気的通信状態にある、画像データを処理するように構成されたプロセッサーと、プロセッサーと電気的通信状態にあるメモリーデバイスとを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
続く詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられている。しかしながら、本発明は多くの異なる手法で具体化することができる。この説明では、同様の部材は同様の符号で示す参照符号を図面に付す。続く説明から明らかように、実施形態は、動画(たとえばビデオ)か静止画(たとえばスチル画像)かを問わず、さらに文字か絵かを問わず、画像を表示するように構成されたあらゆるデバイスにおいて実施しうる。特に、実施形態は、これに限定されないが、移動電話や無線デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルドまたは携帯型コンピューター、GPSレシーバー/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューターモニター、自動ディスプレイ(たとえば走行記録計ディスプレイその他)、コックピットのコントロールやディスプレイ、カメラ視のディスプレイ(たとえば乗り物の背面カメラのディスプレイ)、電子写真、電子の広告板や標識、プロジェクター、建築物、パッケージング、美的構造物(たとえば一つの宝石の画像)など、さまざまな電子デバイスにおいて実施しうるか関連しうることが予想される。ここに説明したものと同様の構造体のMEMSデバイスは電子スイッチデバイスなどの非ディスプレイ用途において使用することもできる。
【0011】
実施形態は、薄膜トランジスター製造技術を使用して光干渉変調器を作る方法を提供する。
【0012】
干渉計測MEMSディスプレイ素子を備えている一つの光干渉変調器ディスプレイ実施形態を図1に示す。これらのデバイスでは、画素は明暗状態のいずれかにある。明(「オン」または、「開放」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザーへ反射する。暗(「オフ」または「閉鎖」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザーへほとんど反射しない。実施形態によっては、「オン」状態と「オフ」状態の光反射特性は逆であってもよい。MEMS画素は、白黒に加えてカラー表示を考慮し、特定の色で主に反射するように構成することが可能である。
【0013】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の二つの隣接画素を描いた等角投影図であり、各画素はMEMS光干渉変調器を備えている。いくつかの実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを備えている。各光干渉変調器は、互いに可変かつ制御可能な距離に位置する一対の反射層を含んでおり、少なくとも一つの可変次元をもつ共振光学キャビティを形成している。一実施形態では、一方の反射層が二つの位置の間で移動されうる。第一の位置(ここでは弛緩位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きな距離に位置している。第二の位置(ここでは作動位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層に隣接し密接して位置している。二つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて強め合ってまたは弱め合って干渉し、各画素について全体反射状態または非反射状態のいずれかを作り出す。
【0014】
図1の画素アレイの図示部分は二つの隣接する光干渉変調器12aと12bを含んでいる。左側の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは光学スタック16aからの所定距離の弛緩位置に図示されており、光学スタック16aは部分的反射層を含んでいる。右側の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは光学スタック16bに隣接する作動位置に図示されている。光学スタック16aと16b(光学スタック16と総称する)は、ここに参照するように、典型的にはいくつかの融合層からなり、それらは、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層、クロムなどの部分的反射層、透明誘電体を含みうる。したがって、光学スタック16は、電気的に伝導性で、部分的に透明で、部分的に反射的であり、たとえば透明基板20上に上記の層の一つ以上を堆積することにより作られうる。いくつかの実施形態では、層は平行ストリップにパターニングされ、後述するようにディスプレイデバイス中の行電極を形成しうる。可動反射層14a,14bは、ポスト18の上面およびポスト18間に堆積された介在犠牲物質の上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)一つまたは複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして形成してもよい。犠牲物質をエッチング除去すると、可動反射層14a,14bが光学スタック16a,16bから規定間隙19だけ離れる。アルミニウムなどの高伝導反射物質を反射層14に使用してもよく、これらのストリップがディスプレイデバイスの列電極を形成してもよい。
【0015】
印加電圧がないとき、図1の画素12aに示すように、可動反射層14aと光学スタック16aの間にキャビティ19が残り、可動反射層14aは機械的弛緩状態にある。しかしながら、選択した行と列に電位差を印加すると、対応する画素の行電極と列電極の交差により形成されたコンデンサーがチャージされ、静電力が電極同士を引き寄せる。電圧が十分に高ければ、可動反射層14が変形し、光学スタック16に押し付けられる。図1の右側の画素12bに示されるように、光学スタック16内の(この図には示していない)誘電体層が短絡するのを防ぐとともに層14と層16の間の分離距離を制御しうる。その振る舞いは印加電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射対非反射画素状態を制御することができる行/列作動は、従来のLCDやほかのディスプレイ技術で使用される行/列作動に多くの点で類似している。
【0016】
図2〜5は、表示用途の光干渉変調器のアレイを使用するための一つの代表的なプロセスとシステムを示している。
【0017】
図2は、本発明の観点を組み込んでよい電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。この代表的な実施形態では、電子デバイスは、ARMやPentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルまたはマルチチップマイクロプロセッサー、またはデジタルシグナルプロセッサーやマイクロコントローラー、プログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサーであってもよいプロセッサー21を含んでいる。この分野で一般に行なわれているように、プロセッサー21は一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されうる。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサーは、ウェブブラウザや電話アプリケーション、電子メールプログラム、ほかのソフトウェアアプリケーションを含め、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてもよい。
【0018】
一実施形態では、プロセッサー21もアレイドライバー22と通信するように構成されている。一実施形態では、アレイドライバー22は、パネルすなわちディスプレイアレイ(ディスプレイ)30に信号を供給する行ドライバー回路24と列ドライバー回路26を含んでいる。図1に示したアレイの断面は図2の1−1線によって示されている。MEMS光干渉変調器については、行/列作動プロトコルは、図3に示したデバイスのヒステリシス特性を利用してよい。可動層を弛緩状態から作動状態まで変形させるにはたとえば10ボルトの電位差を必要としてよい。しかしながら、電圧がその値から低下するとき、電圧が10ボルト未満に降下する際、可動層はその状態を維持する。図3の代表的な実施形態では、電圧が2ボルト未満の降下するまで可動層は完全に弛緩しない。したがって、デバイスが弛緩または作動状態で安定している印加電圧の窓が存在する電圧の範囲(図3に示した例では約3〜7V)がある。ここでは、これを「ヒステリシス窓」または「安定窓」と呼ぶ。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイは、行ストロービングのあいだ、ストローブされた行中の作動されるべき画素が約10ボルトの電圧差にさらされ、弛緩されるべき画素が0ボルト近くの電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルを設計することが可能である。ストローブの後、画素は、行ストローブによっておかれた状態のままであるように、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。書き込み後、各画素は、この例の3−7ボルトの「安定窓」内の電位差にある。この特徴は、図1に示した画素設計を同じ印加電圧状態の下で作動または弛緩の事前状態のいずれかに安定にする。光干渉変調器の各画素は、作動状態であれ弛緩状態であれ、実質的に固定反射層と可動反射層によって形成されるコンデンサーであるので、この安定状態は、ほとんど消費電力を伴わないヒステリシス窓内の電圧で保持することができる。印加電位が固定されていれば、実質的に電流は画素に流れ込まない。
【0019】
代表的アプリケーションでは、表示フレームは、第一行中の作動画素の所望のセットにしたがって列電極のセットをアサートすることにより作成してよい。次に行パルスを行1電極に印加し、アサートされた列線に対応する画素を作動させる。次に列電極のアサートされたセットを変更し、第二行中の作動画素の所望のセットに対応させる。次にパルスを行2電極に印加し、行2中の適当な画素をアサートされた列電極にしたがって作動させる。行1画素は行2パルスに影響されず、行1パルスのあいだに設定された状態のままである。これを一連の行の完全にわたり順次に繰り返してフレームを生成してよい。一般に、フレームは、毎秒所望のフレーム数でこのプロセスを絶えず繰り返すことにより、新しい表示データでリフレッシュおよび/またはアップデートされる。表示フレームを生成するために画素アレイの行電極と列電極を駆動するための種々さまざまなプロトコルもまた周知であり、これは本発明と共に使用してよい。
【0020】
図4と5は、図2の3×3アレイに表示フレームを生成するための一つの可能な作動プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に使用してよい列と行の電圧レベルの可能なセットを示している。図4の実施形態において、画素を作動させることは、適切な列を−Vbiasに、適切な行を+ΔVにセットすることを含んでおり、それらは、それぞれ、−5ボルトと+5ボルトに一致していてもよい、画素を弛緩させることは、適切な列を+Vbiasに、適切な行を同じ+ΔVにセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生成することより実施する。行電圧がゼロボルトに保持される行では、画素は、列が+Vbiasか−Vbiasかにかかわらず、それらがもとあった状態で安定している。また図4に示すように、上述したほかに逆極性の電圧を使用することができること、たとえば、画素を作動させることが適切な列を+Vbiasに、適切な行を−ΔVにセットすることを含みうることもわかるであろう。本実施形態では、画素を開放することは、適切な列を−Vbiasに、適切な行に−ΔVをセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生産することにより実施する。
【0021】
図5Bは、図5Aに示したディスプレイ配列をもたらす図2の3×3アレイに印加する一連の行と列の信号を示しているタイミング図であり、ここで作動画素は非反射である。図5Aに示したフレームを書き込む前に、画素は任意の状態であってもよく、この例では、すべての行が0ボルト、すべての列が+5ボルトにある。これらの印加電圧では、すべての画素はそれらの既存の作動状態または弛緩状態で安定している。
【0022】
図5Aのフレーム中では、画素(1,1)と(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動される。これを実施するため、行1の「線時間」のあいだ、列1と列2は−5ボルトにセットし、列3は+5ボルトにセットする。これは任意の画素の状態を変更しない。なぜなら、すべての画素は3〜7ボルトの安定窓にあるままであるからである。次に行1を、0から5ボルトまで上がってゼロに戻るパルスでストローブする。これは(1,1)と(1,2)画素を作動させ、(1,3)画素を弛緩させる。アレイ中のほかの画素は影響されない。行2を望むようにセットするため、列2を−5ボルトにセットし、列1と列3を+5ボルトにセットする。次に行2に印加した同じストローブは、画素(2,2)を作動させ、画素(2,1)と(2,3)を弛緩させる。再び、アレイ中のほかの画素は影響されない。列2と列3を−5ボルトに、列1を+5ボルトにセットすることにより行3を同様にセットする。行3のストローブは図5Aに示すように行3の画素をセットする。フレームを書き込んだ後、行電位はゼロになり、列電位は+5または−5ボルトの一方のままとなることが可能であり、ディスプレイは次に図5Aの配列で安定する。多数すなわち何百もの行と列に対して同じ手順を使用することが可能であることがわかるであろう。行と列の作動を実施するのに使用される電圧のタイミングとシーケンスとレベルは、上に概説した一般的な原理の範囲内で広く変えることが可能であり、上述の例は代表的なだけであり、任意の作動電圧方法もここに説明したシステムと方法で使用することが可能である。
【0023】
図6Aと6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40はたとえば携帯(移動)電話とすることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40またはそれの少しの変形の同じコンポーネントは、テレビやポータブルメディアプレイヤーなどのさまざまなタイプのディスプレイデバイスの例ともなる。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41とディスプレイ30とアンテナ43とスピーカー45とマイクロホン46と入力デバイス48とを含んでいる。ハウジング41は一般に、射出成形と真空成形を含む、当業者に周知なさまざまな製造プロセスのいずれかから形成される。さらに、ハウジング41は、これらに限定されないが、プラスチックや金属、ガラス、ゴム、陶器、またはそれらの組み合わせを含む、さまざまな物質のいずれかから作られうる。一実施形態では、ハウジング41は、異なる色のまたは異なるロゴや絵や記号を有しているほかの着脱部と交換されてよい(図示しない)着脱部を含んでいる。
【0024】
代表的なディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、ここに説明するように、双安定ディスプレイを含むさまざまなディスプレイのいずれかであってもよい。ほかの実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマやEL、OLED、STN LCD、上述したTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはCRTやほかのチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含んでいる。しかしながら、本実施形態を説明する目的のため、ディスプレイ30は、ここに説明するように、光干渉変調器ディスプレイを含んでいる。代表的なディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントを図6Bに概略的に示す。図示の代表的なディスプレイデバイス40はハウジング41を含んでおり、その中に少なくとも部分的に囲まれた追加コンポーネントを含むことができる。たとえば、一実施形態では、代表的なディスプレイデバイス40は、トランシーバー47に接続されるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含んでいる。トランシーバー47はプロセッサー21に連結されており、それはコンディショニングハードウェア52に連結されている。コンディショニングハードウェア52は信号を整える(たとえば信号をフィルター処理する)ように構成されうる。コンディショニングハードウェア52はスピーカー45とマイクロホン46に連結されている。プロセッサー21も入力デバイス48とドライバーコントローラー29に連結されている。ドライバーコントローラー29はフレームバッファ28とアレイドライバー22に接続され、これはさらにディスプレイアレイ30に接続されている。電源50は、特定の代表的なディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべてのコンポーネントにパワーを供給する。
【0025】
ネットワークインターフェース27は、代表的なディスプレイデバイス40がネットワーク上の一つ以上のデバイスと通信できるように、アンテナ43とトランシーバー47を含んでいる。一実施形態では、ネットワークインターフェース27はまたいくつかの処理容量を有し、プロセッサー21の要件を取り除いてもよい。アンテナ43は、信号の送受信用の当業者に周知の任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11規格によりIEEE 802.11(a)や(b)や(g)を含むRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナはBLUETOOTH(登録商標)規格によりRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナは、無線セル電話ネットワーク内で通信するために使用されるCDMA−やGSM、AMPS、ほかの既知信号を受信するように設計されている。トランシーバー47はアンテナ43から受信した信号を、それらがプロセッサー21によって受信されさらに操作されうるように前処理する。トランシーバー47はまたプロセッサー21から受信した信号を、それらがアンテナ43を介して代表的なディスプレイデバイス40から送信されうるように処理する。
【0026】
代替実施形態では、トランシーバー47はレシーバーと交換することが可能である。また別の代替実施形態では、ネットワークインターフェース27は像源と取り替えることが可能であり、像源はプロセッサー21に送る画像データを記憶または生成することができる。たとえば、像源は、画像データを収容したデジタルビデオディスク(DVD)やハードディスクドライブ、または画像データを生成するソフトウェアモジュールとすることができる。
【0027】
プロセッサー21は一般に、代表的なディスプレイデバイス40の動作全体を制御する。プロセッサー21は、ネットワークインターフェース27や像源からの圧縮画像データなどのデータを受信し、そのデータを行画像データに、または行画像データへ容易に処理されるフォーマットに処理する。次にプロセッサー21は処理したデータを記憶のためにドライバーコントローラー29またはフレームバッファ28へ送る。生データは、典型的には画像内の各場所における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色と彩度とグレースケールレベルを含みうる。
【0028】
一実施形態では、プロセッサー21は、マイクロコントローラーまたはCPU、論理演算装置を含み、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御する。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するために、またマイクロホン46から信号を受信するために、一般に増幅器とフィルターを含んでいる。コンディショニングハードウェア52は代表的なディスプレイデバイス40内のディスクリートコンポーネントであってもよく、またはプロセッサー21やほかのコンポーネント内に組み込まれていてもよい。
【0029】
ドライバーコントローラー29は、プロセッサー21によって生成された行画像データをプロセッサー21から直接またはフレームバッファ28からとり、アレイドライバー22への高速伝送に適切な行画像データに再フォーマットする。具体的には、ドライバーコントローラー29は行画像データを、ラスター状フォーマットを有するデータ流れに再フォーマットし、それは、ディスプレイアレイ30を横切って走査するのに適した時間順序を有している。次にドライバーコントローラー29はフォーマットした情報をアレイドライバー22に送る。LCDコントローラーなどのドライバーコントローラー29はしばしばスタンドアロンの集積回路(IC)としてシステムプロセッサー21に付随されるが、そのようなコントローラーは多くの手法によって実現されてよい。それらはハードウェアとしてプロセッサー21に埋め込まれても、ソフトとしてプロセッサー21に埋め込まれても、アレイドライバー22にハードウェアに完全に集積されてもよい。
【0030】
典型的には、アレイドライバー22はドライバーコントローラー29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのx−yマトリックスの画素から来る何百もの時には何千ものリードに毎秒何度も印加される波形の並列セットに再フォーマットする。
【0031】
一実施形態では、ドライバーコントローラー29とアレイドライバー22とディスプレイアレイ30は、ここに説明したディスプレイのどのタイプにも適切である。たとえば、一実施形態では、ドライバーコントローラー29は、従来のディスプレイコントローラーや双安定ディスプレイコントローラー(たとえば光干渉変調器コントローラー)である。別の実施形態では、アレイドライバー22は、従来のドライバーや双安定ディスプレイドライバー(たとえば光干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバーコントローラー29はアレイドライバー22に集積されている。そのような実施形態は、携帯電話、時計、ほかの小面積ディスプレイなどの高集積システムに共通している。また別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイや双安定ディスプレイアレイ(たとえば光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0032】
入力デバイス48は、ユーザーが代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にする。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードや電話キーパッドなどのキーパッドや、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーン、感圧または感熱膜を含んでいる。一実施形態では、マイクロホン46は代表的なディスプレイデバイス40用の入力デバイスである。マイクロホン46を使用してデバイスにデータを入力するとき、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するためにユーザーがボイスコマンドを与えてもよい。
【0033】
この分野で周知なように、電源50はさまざまなエネルギー蓄積装置を含みうる。たとえば、一実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池やリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源とコンデンサー、プラスチック太陽電池と太陽電池ペイントを含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は壁付コンセントからパワーを受け取るように構成される。
【0034】
いくつかの実施においては、上述したように、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に配置することが可能であるドライバーコントローラーに、制御プログラム化が存在する。いくつかのケースでは、制御プログラム化はアレイドライバー22に存在する。たくさんのハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントおよびさまざまな構成に対して上述した最適化が実現されてよいことは当業者であればわかるであろう。
【0035】
上述した原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は広く変更されてよい。たとえば、図7A〜7Eは、可動反射層14をその支持構造の5つの異なる実施形態を示している。図7Aは図1の実施形態の断面図であり、金属物質14のストリップが直交して延びている支持体18上に堆積されている。図7Bでは、可動反射層14がつなぎ32によってコーナーだけで支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が変形可能層34からつるされており、変形可能層34は可撓性金属で構成されうる。変形可能層34は、直接または間接的に、変形可能層34の周囲の周りの基板20に連結している。これらの接続はここでは支持ポストと呼ぶ。図7Dに示した実施形態は、その上に変形可能層34が横たわる支持ポストプラグ42を含む支持構造18を有している。図7A〜7Cのように、可動反射層14はキャビティの上につるされるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学スタック16の間の穴を満たすことにより、支持ポスト18を形成しない。むしろ、支持ポスト18は平坦化物質から構成され、それは支持ポストプラグ42を形成するために使用される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示した実施形態に基づくが、図示しない追加の実施形態と同様に、図7A〜7Cに示した実施形態のいずれに適用してもよい。図7Eに示した実施形態では、金属またはほかの伝導物質の追加層がバス構造44を形成するために使用された。これは信号を光干渉変調器の背面に沿って転送するのを可能にし、さもなければ基板20上に形成されなければならないであろう多くの電極を取り除く。
【0036】
図7に示した実施形態では、光干渉変調器は直視型デバイスとして機能し、画像は透明基板20の正面側つまり変調器が配置される側の反対側から見られる。これらの実施形態では、変形可能層34とバス構造44(図7E)を含め、反射層14は、基板20に対向する反射層の側にある光干渉変調器のいくつかの部分を光学的に遮へいする。これは、遮へい領域が像品質に悪影響を与えずに構成され動作されることを可能にする。この分離可能な変調器アーキテクチャは、変調器の電気機械的観点と光学的観点のために使用される構造設計と物質が互い独立に選択され機能することを可能にする。さらに、図7C〜7Eに示した実施形態は、反射層14の光学的特性の機械的特性からの減結合を得るという追加の利点を有し、それは変形可能層34によって実現される。これは、反射層14に使用する構造設計と物質を光学的特性に対して最適化し、また変形可能層34に使用する構造設計と物質を所望の機械的特性に対して最適化すること可能にする。
【0037】
図8は、光干渉変調器用の製造プロセス800の実施形態のステップを示している。このようなステップは、図8に図示していないステップに加えて、たとえば図1と7に示した一般的タイプの光干渉変調器の製造プロセスの中にあってもよい。図1と7と8を参照すると、プロセス800は、基板20上に光学スタック16を形成するステップ805で始まる。基板20はガラスやプラスチックなどの透明基板であってよく、光学スタック16の効率的な形成を容易にする先行準備ステップ、たとえば、クリーニングすることに供せられてよい。上述したように、光学スタック16は電気的に伝導性で、部分的に透明で、部分的に反射的であり、たとえば透明基板20上に一つ以上の層を堆積することにより作られうる。いくつかの実施形態では、層は平行ストリップにパターニングされ、ディスプレイデバイス中の行電極を形成しうる。いくつかの実施形態では、光学スタック16は、一つ以上の堆積金属層(たとえば反射および/または伝導層)である絶縁または誘電体層を含んでいる。
【0038】
図8に示したプロセス800は、光学スタック16上に犠牲層を形成するステップ810に続く。犠牲層は後に(たとえばステップ825で)除去されて後述するキャビティ19を形成する。したがって、犠牲層は、図1と7に示した結果の光干渉変調器12には図示されていない。光学スタック16上への犠牲層の形成は、続く除去の後に所望の大きさのキャビティ19を提供するように選択した厚さへの、モリブデンや非晶質シリコンなどの物質の堆積を含んでいてもよい。犠牲物質の堆積は、物理蒸気堆積(PVD(たとえばスパッタリング))やプラズマ増強化学蒸気堆積(PECVD)、熱化学蒸気堆積(熱CVD)、スピンコーティングなどの堆積技術を使用して実施しうる。
【0039】
図8に示したプロセス800は、支持構造(たとえば図1と7に示したポスト18)を形成するステップ815に続く。ポスト18の形成は、犠牲層をパターニングして開口を形成し、続いてPECVDや熱CVD、スピンコーティングなどの堆積方法を使用して、開口に物質(たとえばポリマー)を堆積してポスト18を形成するステップを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲層に形成した開口は、犠牲層と光学スタック16の両方を通ってその下にある基板20にまで延びており、その結果、ポスト18の下端は図7Aに示すように基板20を接触している。ほかの実施形態では、犠牲層に形成した開口は、犠牲層を通って延びているが光学スタック16は通らない。たとえば、図7Cは、光学スタック16に接触した支持ポストプラグ42の下端を示している。
【0040】
図8に示したプロセス800は、図1と7に示した可動反射層14などの可動反射層を形成するステップ820に続く。可動反射層14は、一つ以上の堆積ステップ(たとえば反射層(たとえばアルミニウム、アルミニウム合金)堆積)を、一つ以上のパターニングおよび/またはマスキング、エッチングステップとともに使用することにより形成しうる。プロセス800のステップ820で形成した、部分的製造済み光干渉変調器には犠牲層がまだ存在するので、可動反射層14はこの段階では典型的には可動ではない。犠牲層を含んでいる部分的製造済み光干渉変調器をここでは「未解放」光干渉変調器と呼びうる。
【0041】
図8に示したプロセス800は、キャビティ(たとえば図1と7に示したキャビティ19)を形成するステップ825に続く。キャビティ19は、(ステップ810で堆積した)犠牲物質を腐食液にさらすことにより形成しうる。たとえば、モリブデンや非晶質シリコンなどの犠牲物質は、乾式化学エッチングによって(たとえば物質の所望量を除去するのに有効な期間のあいだ固体二フッ化キセノン(XeF2)から引き出される蒸気などのガス状または蒸気の腐食液に犠牲層をさらすことによって)キャビティ19を取り囲んでいる構造体に対して典型的に選択的に除去しうる。ほかのエッチング方法(たとえばウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチング)が使用されてもよい。プロセス800のステップ825の間に犠牲層が除去されるので、この段階後、可動反射層14は典型的に可動である。犠牲物質の除去後、結果の完全または部分的製造済み光干渉変調器はここに「解放した」光干渉変調器と呼んでよい。
【0042】
薄膜トランジスター(TFTの)は、(チャンネル領域を定める適当なパターニングとともに)半導体をベース基板の上に堆積することによりチャンネル領域を形成し、かつベース基板が非半導体基板であるトランジスターである。たとえば、「薄膜トランジスター 物質とプロセス 巻1、非晶質シリコン薄膜トランジスター(Thin Film Transistors - Materials and Processes - Volume 1 Amorphous Silicon Thin Film Transistors)」発行者ユエ クオ(Yue Kuo)、クルワー アカデミック 出版社(Kluwer Academic Publishers)、ボストン(2004)を参照。その上にTFTが形成されるベース基板は、ガラスやプラスチック、金属などの非半導体であってもよい。堆積されてTFTのチャンネル領域を形成する半導体はシリコン(たとえばa−Si、a−SiH)および/またはゲルマニウム(たとえばa−Ge、a−GeH)で構成されてよく、また亜リン酸やヒ素、アンチモン、インジウムなどのドーパントを備えていてもよい。
【0043】
光干渉変調器を作るためのある製造プロセスの観点に多くの点において類似しているTFTのを作るためのある製造プロセスの観点があることは現在認められている。たとえば、表1は、TFT製造プロセスと光干渉変調器の両方に共通する選択したプロセスステップの観点を示している。表1に示した実施形態では、プロセスステップは類似しているが、異なる目的のために典型的に行なわれる。第一のプロセスステップつまり金属層を非半導体基板上に堆積することは、TFTプロセスにゲート金属層を形成する目的のために行なわれうるのであるが、光干渉変調器プロセスでは第一の伝導/反射層(たとえば図8のステップ805において上述したように光学スタック16の一部)を形成する目的のために行なわれうる。それぞれのプロセスのほかの観点は異なる。たとえば、TFTと光干渉変調器のプロセスは、メタルゲート層(TFT)を第一の伝導性/反射層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングするパターニングステップを含んでいてもよい。
【表1】
【0044】
表1に示した第二のプロセスステップつまり絶縁層を金属層上に堆積することは、TFTプロセスではゲート誘電体層を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは光学スタック(たとえば図8のステップ805において上述したように光学スタック16の誘電体層部)の一部を形成する目的のために行なわれうる。表1に示した第三のプロセスステップつまり半導体層を絶縁層上に堆積することは、TFTプロセスではチャネル層を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは(たとえば図8のステップ810において上述したように)犠牲層を形成する目的のために行なわれうる。TFTと光干渉変調器のプロセスは、チャネル層(TFT)を犠牲層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングして、たとえば図8のステップ815において上述したように犠牲層に開口を形成するパターニングステップを含んでいてもよい。
【0045】
表1に示した第四のプロセスステップつまり金属層を半導体層上に堆積することは、TFTプロセスではチャネルエッチストップ金属層および/またはソース電極とドレイン電極を形成する目的のために行なわれうるが、光干渉変調器プロセスでは第二の伝導性/反射性金属層(たとえば図8のステップ820において上述したように可動反射層14)を形成する目的のために行なわれうる。TFTと光干渉変調器のプロセスは、チャネルエッチストップ金属層(TFT)を第二の伝導性/反射性金属層(光干渉変調器)と異なるようにパターニングするパターニングステップを含んでいうる。
【0046】
表1は、光干渉変調器を作るためのある製造プロセスの観点に多くの点において類似しているTFTを作るためのある製造プロセスのさまざまな観点を要約している。二つのプロセスのさまざまなほかの観点は異なってよく、いくつかのケースでは著しく異なってよい。たとえば、TFTプロセスステップ1〜4(表1)のあいだに堆積される層の厚さは、対応する光干渉変調器プロセスステップ1〜4のあいだに堆積される層の厚さとまったく異なってよい。TFTプロセスステップ1〜4のあいだに堆積される各層のパターニングは、対応する光干渉変調器プロセスステップ1〜4のあいだに堆積される層のパターニングとは著しく異なってもよい。ある実施形態では、第一の電極(たとえば第一の光干渉変調器プロセスステップのあいだに堆積される第一の伝導性/反射性金属層)は、行にパターニングされ、第二の電極(たとえば第四の光干渉変調器プロセスステップのあいだに堆積される第二の伝導性/反射性金属層)は、行と重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%の重なり領域を有する。対照的に、TFTのは、ゲート金属層(TFTプロセスステップ1)とチャネルエッチストップ金属層(TFTプロセスステップ4)の重なり領域を最小限にするような方法により典型的に製造される。
【0047】
(光干渉変調器などの)MEMSデバイスはTFT生産ラインで少なくとも部分的に製造されうることが現在認められている。たとえば、ある実施形態では、光干渉変調器はTFTプロセスステップを使用して製造される。これは、比較的低価格で比較的大量なTFTのの製造のために設計された従来の設備とプロセスステップを使用して光干渉変調器を低価格で製造することを可能にしうる。
【0048】
図9は、たとえば光干渉変調器を作るのに使用しうるMEMS製造プロセス900の実施形態を示している。プロセス900は、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別することによってステップ905で始まる。ここに使用する「生産ライン」との用語はその通常の意味を有し、したがって、たとえば、特定のアイテムを生産するように構成された設備の一つ以上の部分を含んでいる。TFT生産ラインは、たとえば、上述したプロセス800によって中間製品やTFTのを生産するように構成された堆積および/またはパターニング設備を含んでいてもよい。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、たとえば、評判によって、第一の製造プラントで作られたTFTプロダクトの検査によって、第一の製造プラントから問い合わせを受けることによって、第一の製造プラントに接触することによってなど、さまざまな手法で識別してよい。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインの識別は、たとえば、TFT生産ラインの個人的検査によって、声、電話、郵便、ファックス、電子メール、インターネットによって、TFT生産ラインを調査および/または検査したほかの人との議論によってなど、さまざまな手法で実行してよい。さまざまな実体が互いに協働して第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別してもよい。
【0049】
プロセス900では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、好ましくは、MEMSデバイスの生産のために比較的容易に修正されるような方法によって構成されている。たとえば、ある実施形態では、TFT生産ラインは、平面パネルディスプレー用に構成されたTFTを生産するように構成されている。別の実施形態では、TFT生産ラインは、たとえば、表1の第一と第四のステップに関して上述したように、金属層(たとえばクロムまたはモリブデン、アルミニウムからなる金属層)を堆積するように構成されている。たとえば、TFT生産ラインは、ガラス基板および/または絶縁層上に金属層(たとえばクロムおよび/またはモリブデン、アルミニウムからなる金属層)を堆積するように構成されてもよい。
【0050】
別の実施形態では、プロセス900中の第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインは、絶縁層(酸化シリコンまたはシリコン窒化物からなる絶縁層など)を堆積するように構成されており、たとえば、表1の第二のステップに関して上述したように絶縁層を第一の金属層上に堆積するように構成されている。別の実施形態では、TFT生産ラインは、半導体層(非晶質シリコンからなる層など)を堆積するように構成されており、たとえば、表1の第三のステップに関して上述したように金属または半導体層を絶縁層上に堆積するように構成されている。
【0051】
プロセス900は、第一の製造プラントがTFT生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することによってステップ910に続く。そのような生産準備は、さまざまな手法でなされうる。たとえば、ある実施形態では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターが生産準備を提供してよい。別の実施形態では、サードパーティー(たとえばMEMSデザイナー)が第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別し、要望(たとえば購入順序、サンプルを準備する要望、モデルを準備する要望)を第一の製造プラントに伝えて、薄膜トランジスター生産ラインを光干渉変調器の製造中で一つ以上のステップを実行するに適するように修正する。生産準備は、たとえば、声、電話、郵便、ファックス、電子メール、インターネットによって、生産準備の詳細を実行することが課せられたほかの人との議論によってなど、さまざまな手法で実行されうる。さまざまな実体が互いに協働して、第一の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)をTFT生産ラインで製造するように準備してもよい。
【0052】
生産準備は、プロセス修正のための提案または方向性を含んでいてよく、たとえば、一つ以上のTFTパターニングステップを修正してそれらを一つ以上の光干渉変調器パターニングステップにとって、たとえば表1に示したステップに関して上述したように、さらに好適にしてよい。その修正は好ましくは比較的小さく、たとえば、プロセスステップの少なくともいくつかが同じシーケンスで行なわれるが、ステップのおのおのに異なるインストラクション(たとえば異なる層厚さおよび/またはパターニング)を伴う。第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターは、生産準備の目的に気づいている必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターが、(たとえば第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインを識別するサードパーティーMEMSデザイナーによって提供される)生産準備が部分的製造済み光干渉変調器を薄膜トランジスター生産ラインで製造するのに好適であることに気づいている必要はなくてよい。さまざまなパーティーが互いに協働して生産準備を作ってもよい。
【0053】
(図9に示していない)別の実施形態では、MEMS製造プロセス900は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の製造プラントに移動する準備をさらに有している。そのような移動準備は、たとえば、第一の製造プラントにおけるTFT生産ラインのオペレーターまたはディレクターによって、および/または、サードパーティーによって、第一の製造プラントにおけるTFT生産ライン(たとえばステップ905において)を識別する実体によってなど、さまざまな手法で実行してよい。(図9に示していない)別の実施形態では、MEMS製造プロセス900は第二の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器の少なくとも一つの製造ステップを行なうように準備することをさらに有している。たとえば、ある実施形態では、少なくとも一つの製造ステップは解放ステップ(たとえば光干渉変調器などのMEMSデバイスから犠牲層を除去するステップ)を有している。移動およびさらなる製造準備は、TFT生産ラインを識別し、それを部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することに関して一般に上述したように、さまざまな形態を取り得、またさまざまな手法で実行されうる。
【0054】
MEMS製造プロセス900は部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)を生産するために使用してよい。ある実施形態は、そのようなプロセスによって作られた、部分的製造済み光干渉変調器を提供する。MEMS製造プロセス900は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の製造プラントへ移動させる、また、随意に、第二の製造プラントが上述したように部分的製造済み光干渉変調器に少なくとも一つの製造ステップ(解放ステップなど)を行なうなど、さらなるステップを含んでいてもよい。したがって、MEMS製造プロセス900は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのようなプロセスによって作られた光干渉変調器を提供する。
【0055】
図10は別の実施形態、光干渉変調器を作る方法1000を示している。方法1000は、TFTを生産ラインで、たとえば製造プラントにおけるTFT生産ラインで少なくとも部分的に製造することによってステップ1005で始まる。ある実施形態では、TFTは平面パネルディスプレーを製造するように構成されている。生産ラインは、好ましくは少なくとも一つの特徴、好ましくは二つ以上の特徴、より好ましくは三つ以上の特徴を、光干渉変調器生産ラインと共通に共有する。たとえば、ある実施形態では、生産ラインは、光干渉変調器プロセスと共通して表1に示した、金属と誘電体と半導体の堆積とパターニングなど、三つまたは四つのプロセスステップを有している。
【0056】
方法1000は、生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成することによってステップ1010に続く。生産ラインは、たとえば、追加プロセスステップが加えられうる、既存プロセスステップが除去されうる、既存プロセスパラメーター用のプロセスパラメーターが修正されうるなど、さまざまな手法で再構成されてもよい。ある実施形態では、再構成に先立つ生産ラインは、少なくとも一つの特徴、好ましくは二つ以上の特徴、より好ましくは三つ以上の特徴を、光干渉変調器生産ラインと共通に、最も好ましくは同じシーケンスの共通プロセスステップと共有する。ある実施形態では、一つ以上のTFTパターニングステップを修正し、それらが、たとえば表1に示したステップに関して上述したように、一つ以上の光干渉変調器パターニングステップにさらに適するように、生産ラインを再構成する。ある実施形態では、再構成は、各ステップで堆積する順序および/または物質は維持しつつ、図1に示した堆積ステップのおのおのの厚さおよびパターニングを変更することを有している。好ましい実施形態では、再構成は、堆積設備への著しい変更を要求しない。
【0057】
方法1000は、再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することによってステップ1015に続く。再構成生産ラインでの光干渉変調器の製造はさまざまな手法で実行されうる。ある実施形態では、そのような製造は、表1に示した光干渉変調器プロセスステップの一つ以上、好ましくは二つ以上、より好ましく三つ以上を行なうことによって実行される。方法1000によって作られた部分的製造済み光干渉変調器は未解放の光干渉変調器であってもよい。したがって、ある実施形態は、方法1000によって作られた未解放の光干渉変調器を提供する。
【0058】
方法1000は、部分的製造済み光干渉変調器を輸送する、たとえば未解放の光干渉変調器を輸送するなど、さらなるステップを含んでいてもよい。たとえば、部分的製造済み光干渉変調器は第二の製造プラントに輸送されてよく、また、随意に、第二の製造プラントは、部分的製造済み光干渉変調器に上述したように少なくとも一つの製造ステップ(解放ステップなど)を行なってよい。したがって、方法1000は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0059】
(図10に示していない)別の実施形態では、光干渉変調器を作るための方法は、部分的製造済み光干渉変調器を再構成生産ラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている。そのような方法は、部分的製造済み光干渉変調器(たとえば未解放の光干渉変調器)を輸送することをさらに含んでいてもよい。ある実施形態では、未解放の光干渉変調器は、未解放の光干渉変調器に解放ステップを行なうように構成された第二の生産ラインに輸送される。
【0060】
図11は別の実施形態、光干渉変調器を作る方法1100を示している。方法1100は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることによってステップ1105で始まる。部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで製造されたものである。たとえば、ある実施形態では、第一の生産ラインは、TFTを少なくとも部分的に生産するように構成されるとともに、少なくとも部分的に光干渉変調器を生産するように構成された二重生産ラインであってもよい。別の実施形態では、第一の生産ラインは、非光干渉デバイス(TFTなど)を生産するようにあらかじめ構成され、次に、図10に示した方法1000に関して上述したように、光干渉変調器を少なくとも部分的に製造するに適した再構成生産ラインを形成するように再構成された。ある実施形態では、再構成は、堆積ステップを同じ順序で実行しつつ、たとえば、図1に示したように、堆積ステップの厚さとパターニングを変更することを有している。好ましい実施形態では、再構成は、堆積設備に著しい変更を要求しない。ステップ1105において部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることは、方法1000の再構成生産ラインから輸送された部分的製造済み光干渉変調器を受け取ることを含んでいてもよい。
【0061】
方法1100は、部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることによってステップ1110に続く。ある実施形態では、部分的製造済み光干渉変調器は未解放の光干渉変調器であり、第二の生産ラインの少なくとも一つの製造ステップは、犠牲物質をエッチング除去してキャビティを形成する解放ステップを有する。したがって、方法1100は光干渉変調器を製造するために使用されてもよい。ある実施形態は、そのような方法によって作られた光干渉変調器を提供する。
【0062】
図12aないし12hは、TFT製造プロセスステップを使用して光干渉変調器を製造するための方法の実施形態を概略的に示している。図12hをいま参照すると、光干渉変調器1200の実施形態が断面で概略的に描かれている。光干渉変調器は、ガラス基板600と、第一の電極としての薄いクロム層610と、シリコン窒化物絶縁層620と、可撓性の第二の電極としてのアルミ層640とを有している。動作では、光干渉変調器のキャビティ650は、ガラス基板600を通して堆積層を見るように設計されている。
【0063】
図12hの光干渉変調器実施形態は以下のように製造されうる。ガラス基板600は、図12aに描かれるように、標準手順を使用して洗浄される。ガラス基板は好ましくは使用されているが、ほかの基板もまた、たとえば、米国特許第5,835,255号に開示されるように、使用に適している。基板は薄いクロム層610で被覆され、図12bに描かれる。薄いクロム層610は、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される堆積方法、たとえばスパッタリングやeビーム蒸着などの物理蒸気堆積法や、化学蒸気堆積、分子線エピタキシーを使用して堆積される。光干渉変調器が満足な光学特性を持つために、クロム層は好ましくは厚さが約50A(オングストローム)から約100Aまでにある。
【0064】
薄いクロム層610は次に、図12cに示すように、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用されるパターニング方法、たとえばフォトレジストマスク形成とそれに続く湿式化学的エッチプロセスまたはプラズマまたは反応性イオンエッチングを使用してパターニングされる。あるいは、剥離法を使用することができる。パターニングされた薄いクロム層610は、第一の電極の組を形成する。第一の電極の典型的な寸法は幅が約10μmから約250μmまでにある。
【0065】
薄いクロム層610がパターニングされた後、図12dに描かれるように、シリコン窒化物絶縁層620が堆積される。シリコン窒化物層620は、低圧CVD(LPCVD)やプラズマ増強CVD(PECVD)、レーザー支援フォトCVD、イオン注入、DCまたはRFスパッタリングなど、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される堆積方法を使用して堆積される。シリコン窒化物層620は好ましくは厚さが約700Aから約2500Aまでにある。
【0066】
図12eに描かれるように、次にシリコン(たとえばa−SiH)の層630がシリコン窒化物層620上に堆積される。シリコン層630は次に、図12fに描かれるように、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用される方法を使用してパターニングされる。パターニングされたシリコン層630は犠牲層と呼んでよい。
【0067】
図12gに描かれるように、次にアルミ層640が、犠牲層(パターニングされたシリコン層630)とシリコン窒化物層620の露出部分の上に堆積される。アルミ層640は、薄いクロム層610の堆積に関して上述したような任意の適切な方法を使用して堆積されてよい。アルミ層640は次に、可撓性の第二の電極の組を形成するために、上述したような、薄膜トランジスター製造プロセスにおいて慣習的に使用されるパターニング方法を使用してパターニングされる(図12には示していない)。アルミ層の厚さは好ましくは約500Aから約3500Aまでにある。アルミニウム合金は、アルミ層640、たとえばAl−NdやAl−Si、Al−Cu、合金)を準備する用途にとって特に好適である。しかしながら、任意の適切なアルミニウム含有物質を使用することができる。
【0068】
図12aないし図12gに描かれたステップのシーケンスは、標準TFT製造プロセスにおいて慣習的に使用されるものに対応し、また図12gに描かれた未解放の光干渉変調器1205をもたらす。これらのステップが行なわれた後、犠牲シリコン層630が除去されてよく、図12hに描かれるようにキャビティ650を形成する。犠牲層630の除去はTFT生産ラインで行なわれてよい。しかしながら、好ましくは、未解放の光干渉変調器1205は、上述したように、解放ステップを実行するように構成された第二の設備または生産ラインに移動または輸送される。犠牲シリコン層630は、周囲の物質に対して選択的であるドライエッチプロセスを使用して除去されうる。ドライエッチプロセスは特に好適であり、ほかのエッチング方法(たとえばウェットエッチング)に対して多くの長所があり、たとえば、危険な酸と溶剤の使用が避けうる、プロセス制御がウェットエッチングよりもよくなりうる。
【0069】
プラズマベースプロセスばかりでなく非プラズマベースプロセスも含め、任意の適切な選択的エッチングプロセスが使用されうる。エッチングプロセスは、好ましくは、クロムアルミニウムおよびアルミニウム合金、シリコン窒化物に対して選択的である。非プラズマベースドライエッチングプロセスは、シリコンをエッチングするのに好適である。フッ化物またはハロゲン間化合物などのフッ素含有ガスが典型的に使用される。非プラズマベースドライエッチプロセスは、プラズマプロセス設備の必要を回避し、使用される反応物の温度と分圧を介して厳密に制御されうる。非プラズマベースドライエッチングでの使用に特に好適なフッ素含有ガスは固体二フッ化キセノン(XeF2)から引き出される蒸気である。二フッ化キセノンはシリコンと反応して四フッ化ケイ素を形成する。約1から約3μm/minまでのエッチ速度が二フッ化キセノンでエッチングすることに典型的である。あるいは、ハロゲン間化合物ガスを使用することができる、たとえば三フッ化臭素または三フッ化塩素。これらのガスもまたシリコンと反応して四フッ化ケイ素を形成する。
【0070】
二フッ化キセノンでの非プラズマベースドライエッチングが犠牲非晶質シリコン層630を除去するのに特に好適である一方で、ほかのドライエッチング方法が使用されてもよい。プラズマベースドライエッチングはRFパワーを使用して、エッチングプロセスに関与する化学反応を促進する。プラズマの使用は、エッチプロセスでの高温と非常に反応的な化学薬品の必要を回避する。プラズマベースドライエッチング方法は、物理的エッチング、および/または、化学的エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、深い反応性イオンエッチング(DRIE)を使用してよい。
【0071】
犠牲非晶質シリコン層630の除去は、クロム電極610とアルミニウム電極640との間にキャビティ650の形成をもたらす。キャビティ650は、クロム電極610とアルミニウム電極640との間への電圧の印加に応じて可撓性アルミニウム電極640が変形することを可能にする。
【0072】
(たとえば平面パネルディスプレーのための)典型的なTFT製造プロセスでは、シリコン窒化物層などの絶縁層はクロム層の堆積の後に、しかしITO層の堆積の前に堆積されることに注意される。ある実施形態では、ITO層は、典型的なTFT製造プロセスステップを使用してクロム層上に(またクロム層もITO層上に)堆積されない。したがって、この実施形態では、第一の電極は実質的にITOに限らない。薄い(50A〜100A)クロム層だけからなる電極の導電率は、薄いクロム層の上のITO層またはより厚いクロム層のそれよりも著しく小さいので、図12aないし12hに描かれたプロセスによって準備された光干渉変調器実施形態1200は、電圧が電極に印加されたときにより遅く作動する傾向がある。しかしながら、早い応答時間が必要でないある用途、たとえばテキストまたは静止画像の表示にとっては、より遅い作動時間は受け入れられうる。図12aないし12hに描かれたプロセスの利点は、デバイスを製造するのに必要な限られた数のプロセスステップを含んでおり、より速い製造とより低い物質費をもたらす。
【0073】
ある実施形態は、ガラス基板上の第一の電極と、第一の電極上の絶縁層と、絶縁層上の非晶質シリコン層と、非晶質シリコン層上の第二の電極とを有する未解放の光干渉変調器を提供する。この実施形態では、第一の電極は、インジウムスズ酸化物に実質的に限らず、絶縁層はシリコン、たとえば酸化シリコンまたはシリコン窒化物を含んでいる。図12gに描かれた未解放の光干渉変調器1205は、この実施形態の例である。第一の電極はクロムからなってよい。たとえば、未解放の光干渉変調器1205は、第一の電極を形成する薄いクロム層610を含んでいる。シリコン窒化物層620は、第一の電極上のシリコン含有絶縁層の例である。上に注意されるように、シリコン層630は非晶質シリコンであってよく、したがって、アルミ層640は、そのような非晶質シリコン層630の上の第二の電極の例である。第二の電極はアルミニウムからなり、Al−NdやAl−Si、Al−Cuなどのアルミニウム合金であってもよい。
【0074】
図13aないし13oをいま参照すると、光干渉変調器1300を製造する方法の実施形態が示されている。光干渉変調器1300は、図13oに断面で概略的に描かれている。光干渉変調器1300は、ガラス基板600と、第一の電極としての厚いクロム層615と、シリコン窒化物絶縁層620と、可撓性の第二の電極としてのアルミ層640と、第二の薄いクロム光学層680とを有している。動作では、光干渉変調器の光学キャビティ655は、図12hに描かれた光干渉変調器のようにガラス基板600を通してではなく、透明保護層690を通して堆積層を見るように設計されている。
【0075】
図13oの光干渉変調器1300は、第二の薄いクロム光学層680を形成する追加のステップとともに、図12hの光干渉変調器1200の製造と同じ初期ステップを使用して製造されうる。ガラス基板600は、図13aに描かれるように、標準手順を使用して洗浄される。図13bに描かれるように、基板は次に厚いクロム層615で被覆される。この実施形態ではクロム層615は光学的機能を行なわないので、改善された導電率、したがって動作中のデバイスのより速い作動を提供するように、より厚く作られてもよい。クロム層615の厚さは好ましくは約500Aから約2000Aまでにある。
【0076】
厚いクロム層615は次に、第一の電極の組を形成するために、図13cに描かれるように、光干渉変調器1200を参照して上述したように、パターニング方法を使用してパターニングされる。
【0077】
厚いクロム層615がパターニングされた後、図13dに描かれるように、シリコン窒化物絶縁層620が堆積される。図13eに描かれるように、次にシリコン(たとえばa−Siまたはa−SiH)の層630がシリコン窒化物層620上に堆積される。シリコン層630は次に、犠牲層を形成するために、図13fに描かれるように、パターニングされる。次に、図13gに描かれるように、アルミ層640がシリコン犠牲630とシリコン窒化物層620の露出部分の上に堆積される。アルミ層640は次に、可撓性の第二の電極の組を形成するために、光干渉変調器1200に関して上述したように、パターニングされる(図13には示していない)。
【0078】
アルミ層640の堆積とパターニングの後、図13oに描かれる光干渉変調器実施形態1300の薄いクロム光学層680とキャビティ650,655を形成するために、追加のステップが行なわれる。シリコン窒化物の第二の層660が、図13hに描かれるように、パターニングされたアルミ層640の上に堆積され、図13iに描かれるように、上述したようにシリコン窒化物の第一の層620のパターニングための方法を使用してパターニングされる。
【0079】
次に、図13jに描かれるように、モリブデンまたはシリコン層670が、パターニングされたアルミ層640と第二のシリコン窒化物層660の上に堆積される。モリブデンまたはシリコン層670は次に、図13kに描かれるように、第二の犠牲層を形成するために、犠牲シリコン層630をパターニングするための述べたような方法を使用してパターニングされる。ミラー/機械的層(たとえばアルミ層640)がいったん堆積されたなら、アルミニウム合金のヒロッキングまたはシリコンの拡散から保護するため、高温での処理を避けることが望ましい。したがって、低温堆積プロセス(たとえばDCスパッター)を使用してモリブデンまたはシリコン犠牲層670を堆積することが特に好適である。
【0080】
次に、図131に描かれるように、薄いクロム層680が、パターニングされた犠牲層670と第二のシリコン窒化物層660の露出部分の上に堆積される。薄いクロム層680は次に、上述したように厚いクロム層615をパターニングするためのパターニング方法を使用してパターニングされてよい(図13には示していない)。パターニングされた薄いクロム層680は光学層を形成する。光干渉変調器が満足な光学特性を持つために、クロム層680は好ましくは厚さが約50から約100Aまでにある。薄いクロム層680は、自立構造として使用するには薄くて脆弱すぎるかもしれない。図13mに描かれるように、追加不活性化層685(たとえば透明誘電体物質)が、その構造安定性を増強するためにクロム層680の上に堆積されてよい。好ましくは、低温堆積プロセス(たとえばセラミックターゲットからのRFスパッターまたはシリコンターゲットからの反応性スパッタリング)が使用される。クロム層680と不活性化層685の全厚は、約2000Aから約10000Aまでにある。不活性化層685とクロム層685,680は、腐食液が構造に浸透して犠牲層630,670を除去できるように位置決めされエッチホールとベントでパターニングされうる。結果の未解放の光干渉変調器1305が図13mに描かれている。
【0081】
図13aないし13mに描かれたステップのシーケンスは、標準TFT製造プロセスにおいて慣習的に使用されるプロセスステップに対応している。これらのステップが行なわれた後、図13nに描かれるように、第一の犠牲層630と第二の犠牲層670がそれぞれキャビティ650と655を形成する解放ステップの間に除去されうる。犠牲層630,670の除去はTFT生産ラインで行なわれてよい。好ましくは、未解放の光干渉変調器1305は、上述したように、解放ステップを実行するように構成された第二の設備または生産ラインに移動または輸送されうる。犠牲層は、好ましくは、図12gに描かれたデバイスにおいて犠牲層630の除去に関しては上述したような、選択的ドライエッチングプロセスを使用して除去される。犠牲層630,670の除去は、クロム光学層680とアルミニウム電極640との間の第一の光学キャビティ655とアルミニウム電極640より下の第二の光学キャビティ650との形成をもたらす。キャビティ650,655は、厚いクロム層615とアルミニウム電極640との間への電圧の印加に応じて可撓性アルミニウム電極640が変形することを可能にする。二フッ化キセノンドライエッチングは両犠牲層650,655の除去に有効である。
【0082】
ある実施形態では、保護被覆690が、図13oに描かれるように、保護被覆690と最上の堆積層(たとえば薄いクロム層680および不活性化層685)との間に間隙をおいて、堆積層の上に適用されうる。保護被覆690は光学的に透明で、好ましくはガラスまたは高分子物質からなる。基板600に使用されるのと同様の物質が保護被覆690に使用されうる。上述したように、動作では、光干渉変調器1300の光学キャビティ650,655は、図12hに描かれた光干渉変調器では、ガラス基板を通してではなく、透明保護層690を通して堆積層を見るように設計されている。したがって、基板600は光学的に透明である必要はない。しかしながら、光学的に透明な基板は使用するのに典型的に便利で、したがって好適である。
【0083】
図示の光干渉変調器実施形態1300の第一のクロム層615は、電極層としてだけで、光学層として機能する必要はなく、層の導電率を改善するようにより厚く作られてもよい。より厚い層は、光干渉変調器1300にとって作動に関して改善された応答時間をもたらしうる。そのような光干渉変調器は、よく速い作動時間が望ましい用途、たとえば映像ディスプレイへの使用に適している。図13aないし13oに描かれたプロセスの利点は、たとえば、標準薄膜トランジスター製造方法から改造されたプロセスステップを使用する能力、および/または、光干渉変調器を従来の設備とプロセスを使用して低価格で製造するのを可能にすることを含んでいてもよい。
【0084】
上述した製造方法は、部分的製造済み光干渉変調器の複数(たとえばアレイ)を作るのに使用されてもよい。ある実施形態では、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法は、ガラス基板上に第一の電極を堆積すること、たとえば、図12bに示したように金属層610を堆積することを含んでいる。第一の電極は、金属層610に関して上述したようにインジウムスズ酸化物に実質的に限らない。方法は、第一の電極上に絶縁層を堆積すること、たとえば、図12dに示したように金属層610上に絶縁層620を堆積することをさらに含んでいてもよい。方法は、絶縁層上に犠牲層を堆積すること、たとえば、図12eに示したように絶縁層620上に犠牲層630を堆積することをさらに含んでいてもよい。方法は、犠牲層630上に第二の電極を堆積すること、たとえば、図12gに示したように犠牲層630上に金属層640を堆積することをさらに含んでいてもよい。この実施形態では、第一の電極は好ましくは行にパターニングされ、第二の電極は好ましくは行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%の重なり領域を有する。そのような方法は光干渉変調器のアレイを製造するのに使用されてもよい。したがって、別の実施形態は光干渉変調器のアレイを提供するはそのような方法であってもよい。上記の詳細な説明は、さまざまな実施形態に適用される本発明の新規な特徴を図示し説明し指摘したが、ここに示したデバイスやプロセスの形態と詳細に本発明の要旨から逸脱することなくさまざまな省略と置換と変更が当業者によってなされうることが理解されよう。認められるように、本発明は、いくつかの特徴がほかとは別に使用されるか実行されてよいので、ここに述べた特徴と利点のすべてを提供するとは限らない形態に具体化されてもよい。
【0085】
図1〜13は実尺どおりではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一の光干渉変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、第二の光干渉変調器の可動反射層が作動位置にある光干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を描く等角投影図である。
【図2】3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の光干渉変調器の一つの代表的な実施形態における可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】光干渉変調器ディスプレイを駆動するのに使用しうる1セットの行および列電圧を示している。
【図5A】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図5B】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図6A】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】光干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】光干渉変調器の別の代替実施形態の断面図である。
【図7D】光干渉変調器のまた別の代替実施形態の断面図である。
【図7E】光干渉変調器の追加の代替実施形態の断面図である。
【図8】光干渉変調器を作る方法の実施形態のステップを示している流れ図である。
【図9】MEMS製造プロセスの実施形態を示している流れ図である。
【図10】光干渉変調器を作る方法の実施形態を示している流れ図である。
【図11】光干渉変調器を作る方法の実施形態を示している流れ図である。
【図12a】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12b】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12c】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12d】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12e】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12f】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12g】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図12h】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13a】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13b】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13c】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13d】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13e】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13f】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13g】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13h】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13i】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13j】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13k】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13l】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13m】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13n】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【図13o】薄膜トランジスタープロセスステップを使用して光干渉変調器を製造する方法の実施形態を概略的に示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の製造プラントにおける薄膜トランジスター生産ラインを識別することと、
第一の製造プラントが薄膜トランジスター生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することとを有している、MEMS製造プロセス。
【請求項2】
部分的製造済み光干渉変調器が第二の製造プラントに移動されるように準備することをさらに有している、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項3】
第二の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器に少なくとも一つの製造ステップを行なうように準備することをさらに有している、請求項2のMEMS製造プロセス。
【請求項4】
少なくとも一つの製造ステップが解放ステップを有している、請求項3のMEMS製造プロセス。
【請求項5】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項6】
薄膜トランジスター生産ラインが、平面パネルディスプレーのために構成された薄膜トランジスターを生産するように構成されている、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項7】
薄膜トランジスター生産ラインが、ガラス基板上に金属層を堆積するように構成されている、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項8】
金属層がクロムまたはモリブデンからなる、請求項7のMEMS製造プロセス。
【請求項9】
薄膜トランジスター生産ラインが、金属層上に絶縁層を堆積するように構成されている、請求項7のMEMS製造プロセス。
【請求項10】
絶縁層がシリコン窒化物からなる、請求項9のMEMS製造プロセス。
【請求項11】
薄膜トランジスター生産ラインが、絶縁層上にシリコン層を堆積するように構成されている、請求項9のMEMS製造プロセス。
【請求項12】
シリコン層が非晶質シリコンからなる、請求項11のMEMS製造プロセス。
【請求項13】
薄膜トランジスター生産ラインが、シリコン層上に第二の金属層を堆積するように構成されている、請求項11のMEMS製造プロセス。
【請求項14】
第二の金属層がアルミニウムからなる、請求項13のMEMS製造プロセス。
【請求項15】
第二の金属層がアルミニウム合金からなる、請求項14のMEMS製造プロセス。
【請求項16】
請求項1のMEMS製造プロセスによって作られた部分的製造済み光干渉変調器。
【請求項17】
薄膜トランジスターを生産ラインで少なくとも部分的に製造することと、
生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成することと、
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することとを有している、光干渉変調器を作る方法。
【請求項18】
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することが、未解放の光干渉変調器を製造することを有している、請求項17の方法。
【請求項19】
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することが、解放ステップを有している、請求項17の方法。
【請求項20】
未解放の光干渉変調器を輸送することをさらに有している、請求項18の方法。
【請求項21】
生産ラインが、
非半導体基板上に第一の金属層を堆積することと、
金属層上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に半導体層を堆積することと、
半導体層上に第二の金属層を堆積することとを有している、請求項17の方法。
【請求項22】
再構成生産ラインが、
非半導体基板上に第一の金属層を堆積することと、
金属層上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に半導体層を堆積することと、
半導体層上に第二の金属層を堆積することとをさらに有している、請求項21の方法。
【請求項23】
生産ラインを再構成することが、パターニングステップを変更することを有している、請求項22の方法。
【請求項24】
生産ラインを再構成することが、層の厚さを変更することを有している、請求項22の方法。
【請求項25】
請求項17の方法によって作られた部分的製造済み光干渉変調器。
【請求項26】
部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることを有し、部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで作られ、さらに、
部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることを有している、光干渉変調器を作る方法。
【請求項27】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項26の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの製造ステップが解放ステップを有している、請求項27の方法。
【請求項29】
非干渉計測デバイスが薄膜トランジスターである、請求項26の方法。
【請求項30】
請求項26の方法によって作られた光干渉変調器。
【請求項31】
部分的製造済み光干渉変調器を再構成productio[iota]iラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている、光干渉変調器を作るための方法。
【請求項32】
部分的製造済み光干渉変調器を輸送することをさらに有している、請求項31の方法。
【請求項33】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項32の方法。
【請求項34】
請求項33の方法によって作られた未解放の光干渉変調器。
【請求項35】
ガラス基板上のインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極と、
第一の電極上のシリコンからなる絶縁層と、
絶縁層上の非晶質シリコン層と、
非晶質シリコン層上の第二の電極とを備えている、光干渉変調器。
【請求項36】
第一の電極がクロムからなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項37】
絶縁層がシリコン窒化物からなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項38】
第二の電極がアルミニウムからなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項39】
第二の電極がアルミニウム合金からなる、請求項38の未解放の光干渉変調器。
【請求項40】
ガラス基板上にインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極を堆積することと、
第一の電極上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に犠牲層を堆積することと、
犠牲層上に第二の電極を堆積することとを有し、
第一の電極は行にパターニングされ、第二の電極は行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%の重なり領域を有している、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法。
【請求項41】
請求項40の方法によって作られた光干渉変調器のアレイ。
【請求項42】
請求項41で請求されるような光干渉変調器のアレイと、
アレイと電気的通信状態にある、画像データを処理するように構成されたプロセッサーと、
プロセッサーと電気的通信状態にあるメモリーデバイスとを備えている、ディスプレイデバイス。
【請求項43】
少なくとも一つの信号をアレイに送るように構成されたドライバー回路をさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【請求項44】
画像データの少なくとも一部をドライバー回路に送るように構成されたコントローラーをさらに備えている、請求項43のディスプレイデバイス。
【請求項45】
画像データをプロセッサーに送るように構成された像源モジュールをさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【請求項46】
像源モジュールが、レシーバーとトランシーバーとトランスミッターの少なくとも一つを備えている、請求項45のディスプレイデバイス。
【請求項47】
入力データを受け取り、入力データをプロセッサーに伝えるように構成された入力デバイスをさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【請求項1】
第一の製造プラントにおける薄膜トランジスター生産ラインを識別することと、
第一の製造プラントが薄膜トランジスター生産ラインで部分的製造済み光干渉変調器を製造するように準備することとを有している、MEMS製造プロセス。
【請求項2】
部分的製造済み光干渉変調器が第二の製造プラントに移動されるように準備することをさらに有している、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項3】
第二の製造プラントが部分的製造済み光干渉変調器に少なくとも一つの製造ステップを行なうように準備することをさらに有している、請求項2のMEMS製造プロセス。
【請求項4】
少なくとも一つの製造ステップが解放ステップを有している、請求項3のMEMS製造プロセス。
【請求項5】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項6】
薄膜トランジスター生産ラインが、平面パネルディスプレーのために構成された薄膜トランジスターを生産するように構成されている、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項7】
薄膜トランジスター生産ラインが、ガラス基板上に金属層を堆積するように構成されている、請求項1のMEMS製造プロセス。
【請求項8】
金属層がクロムまたはモリブデンからなる、請求項7のMEMS製造プロセス。
【請求項9】
薄膜トランジスター生産ラインが、金属層上に絶縁層を堆積するように構成されている、請求項7のMEMS製造プロセス。
【請求項10】
絶縁層がシリコン窒化物からなる、請求項9のMEMS製造プロセス。
【請求項11】
薄膜トランジスター生産ラインが、絶縁層上にシリコン層を堆積するように構成されている、請求項9のMEMS製造プロセス。
【請求項12】
シリコン層が非晶質シリコンからなる、請求項11のMEMS製造プロセス。
【請求項13】
薄膜トランジスター生産ラインが、シリコン層上に第二の金属層を堆積するように構成されている、請求項11のMEMS製造プロセス。
【請求項14】
第二の金属層がアルミニウムからなる、請求項13のMEMS製造プロセス。
【請求項15】
第二の金属層がアルミニウム合金からなる、請求項14のMEMS製造プロセス。
【請求項16】
請求項1のMEMS製造プロセスによって作られた部分的製造済み光干渉変調器。
【請求項17】
薄膜トランジスターを生産ラインで少なくとも部分的に製造することと、
生産ラインを再構成して再構成生産ラインを形成することと、
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することとを有している、光干渉変調器を作る方法。
【請求項18】
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することが、未解放の光干渉変調器を製造することを有している、請求項17の方法。
【請求項19】
再構成生産ラインで光干渉変調器を少なくとも部分的に製造することが、解放ステップを有している、請求項17の方法。
【請求項20】
未解放の光干渉変調器を輸送することをさらに有している、請求項18の方法。
【請求項21】
生産ラインが、
非半導体基板上に第一の金属層を堆積することと、
金属層上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に半導体層を堆積することと、
半導体層上に第二の金属層を堆積することとを有している、請求項17の方法。
【請求項22】
再構成生産ラインが、
非半導体基板上に第一の金属層を堆積することと、
金属層上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に半導体層を堆積することと、
半導体層上に第二の金属層を堆積することとをさらに有している、請求項21の方法。
【請求項23】
生産ラインを再構成することが、パターニングステップを変更することを有している、請求項22の方法。
【請求項24】
生産ラインを再構成することが、層の厚さを変更することを有している、請求項22の方法。
【請求項25】
請求項17の方法によって作られた部分的製造済み光干渉変調器。
【請求項26】
部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインに受け取ることを有し、部分的製造済み光干渉変調器は、非光干渉デバイスを少なくとも部分的に製造するように構成された第一の生産ラインで作られ、さらに、
部分的製造済み光干渉変調器を第二の生産ラインにおいて少なくとも一つの製造ステップに従わせることを有している、光干渉変調器を作る方法。
【請求項27】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項26の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの製造ステップが解放ステップを有している、請求項27の方法。
【請求項29】
非干渉計測デバイスが薄膜トランジスターである、請求項26の方法。
【請求項30】
請求項26の方法によって作られた光干渉変調器。
【請求項31】
部分的製造済み光干渉変調器を再構成productio[iota]iラインで製造することを有しており、再構成生産ラインは、薄膜トランジスターを少なくとも部分的に製造するようにあらかじめ構成されている、光干渉変調器を作るための方法。
【請求項32】
部分的製造済み光干渉変調器を輸送することをさらに有している、請求項31の方法。
【請求項33】
部分的製造済み光干渉変調器が未解放の光干渉変調器である、請求項32の方法。
【請求項34】
請求項33の方法によって作られた未解放の光干渉変調器。
【請求項35】
ガラス基板上のインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極と、
第一の電極上のシリコンからなる絶縁層と、
絶縁層上の非晶質シリコン層と、
非晶質シリコン層上の第二の電極とを備えている、光干渉変調器。
【請求項36】
第一の電極がクロムからなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項37】
絶縁層がシリコン窒化物からなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項38】
第二の電極がアルミニウムからなる、請求項35の未解放の光干渉変調器。
【請求項39】
第二の電極がアルミニウム合金からなる、請求項38の未解放の光干渉変調器。
【請求項40】
ガラス基板上にインジウムスズ酸化物に実質的に限らない第一の電極を堆積することと、
第一の電極上に絶縁層を堆積することと、
絶縁層上に犠牲層を堆積することと、
犠牲層上に第二の電極を堆積することとを有し、
第一の電極は行にパターニングされ、第二の電極は行に重なる列にパターニングされ、行と列は少なくとも約50%の重なり領域を有している、複数の部分的製造済み光干渉変調器を製造する方法。
【請求項41】
請求項40の方法によって作られた光干渉変調器のアレイ。
【請求項42】
請求項41で請求されるような光干渉変調器のアレイと、
アレイと電気的通信状態にある、画像データを処理するように構成されたプロセッサーと、
プロセッサーと電気的通信状態にあるメモリーデバイスとを備えている、ディスプレイデバイス。
【請求項43】
少なくとも一つの信号をアレイに送るように構成されたドライバー回路をさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【請求項44】
画像データの少なくとも一部をドライバー回路に送るように構成されたコントローラーをさらに備えている、請求項43のディスプレイデバイス。
【請求項45】
画像データをプロセッサーに送るように構成された像源モジュールをさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【請求項46】
像源モジュールが、レシーバーとトランシーバーとトランスミッターの少なくとも一つを備えている、請求項45のディスプレイデバイス。
【請求項47】
入力データを受け取り、入力データをプロセッサーに伝えるように構成された入力デバイスをさらに備えている、請求項42のディスプレイデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図12h】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図13f】
【図13g】
【図13h】
【図13i】
【図13j】
【図13k】
【図13l】
【図13m】
【図13n】
【図13o】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図12h】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図13f】
【図13g】
【図13h】
【図13i】
【図13j】
【図13k】
【図13l】
【図13m】
【図13n】
【図13o】
【公表番号】特表2008−514998(P2008−514998A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533578(P2007−533578)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/033558
【国際公開番号】WO2006/036642
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/033558
【国際公開番号】WO2006/036642
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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