説明

薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法

【課題】別のプラズマ工程を要することなく、隔壁の表面を改質する。
【解決手段】本発明は、基板と、前記基板上に形成されるデータ線と、前記データ線と交差し、ゲート電極を有するゲート線と、前記データ線に接続されるソース電極と、前記ソース電極と対向するドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体と、前記有機半導体を定義し、フッ素含有化合物を含むアクリル系感光性樹脂を含む隔壁を有する薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置(liquid crystal display;LCD)、有機発光表示装置(organic light emitting device)、電気泳動表示装置(electrophoretic display)等のフラットパネル表示装置は、複数対の電場生成電極とその間に介在した電気光学(electro-optical)活性層を有する。液晶表示装置の場合には、電気光学活性層として液晶層を有し、有機発光表示装置の場合には、電気光学活性層として有機発光層を有する。
【0003】
一対をなす電場生成電極のうちの一方は、通常スイッチング素子に接続して電気信号の印加を受け、電気光学活性層は、この電気信号を光学信号に切り替えて画像を表示する。
フラットパネル表示装置では、スイッチング素子として三端子素子である薄膜トランジスタ(thin film transistor;TFT)を使用し、この薄膜トランジスタを制御するための走査信号を伝達するゲート線と、画素電極に印加される信号を伝達するデータ線がフラットパネル表示装置に備えられる。
【0004】
このような薄膜トランジスタの中で、ケイ素(Si)のような無機半導体の代わりに有機半導体を含む有機薄膜トランジスタ(organic thin film transistor;OTFT)に対する研究が盛んに行われている。
有機薄膜トランジスタは、有機物質の特性上、繊維(fiber)又はフィルム(film)のような形態で形成することができ、フレキシブル表示装置(flexible display device)の核心素子として注目されている。
【0005】
また、有機薄膜トランジスタは、インクジェット印刷(ink-jet printing)方法のような溶液工程(solution process)により作製することができるので、蒸着工程だけでは限界がある大面積のフラットパネル表示装置にも容易に適用することができる。
インクジェット印刷方法は、ノズルを有するインクジェット用ヘッドを移動させて隔壁(partition)によって定義されている所定領域に有機溶液を噴射する方法であって、有機半導体又は絶縁体のような有機薄膜を容易に形成することができる。
【0006】
このとき、隔壁は有機溶液と異なる表面性質を持つ場合、有機溶液が隔壁上に流れるのを防止し、所望の位置にのみ有機薄膜を形成することができる。例えば、有機溶液が親水性を有する場合には、隔壁表面は疏水性を有するように表面処理することができ、有機溶液が疏水性を有する場合には、隔壁表面は親水性を有するように表面処理することができる。
【特許文献1】特開2003-86372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような薄膜トランジスタ表示板では、製造工程が複雑化している。そのため、製造時間やコストが上昇している。
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、製造工程を簡単化することのできる薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明1による薄膜トランジスタ表示板は、基板と、前記基板上に形成されるデータ線と、前記データ線と交差しゲート電極を含むゲート線と、前記データ線に接続されるソース電極と、前記ソース電極と対向するドレイン電極と、開口部を有しフッ素含有化合物を含むアクリル系感光性樹脂によって形成された絶縁膜と、前記開口部に位置し前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体とを有する。
【0009】
上記構成によれば、フッ素含有化合物を含む感光性溶液で絶縁膜を形成することによって絶縁膜の表面が疏水性を有することになる。また、絶縁膜が除去された開口部にはフッ素含有化合物がないため、相対的に親水性を有するようになる。つまり、本発明によれば、プラズマ工程などの別の表面改質工程を要することなく疏水性及び親水性領域を定義できる。そして、有機半導体は、絶縁膜上を流れずに同一の表面特性を有する開口部(絶縁膜が除去された部分)にのみ集まるため、所望の部分にのみ有機半導体を正確に形成することができる。このように、別の表面改質工程を行うことなく有機半導体を所望の位置に形成することが可能であるため、製造工程を減らすことが可能である。
【0010】
また、本発明によればプラズマを利用した表面処理工程を行わないため、開口部表面だけでなく有機半導体が形成される位置までプラズマ処理されるという不具合を抑制することができる。これにより、有機半導体の厚さを均一化することができる。
発明2は、発明1において、前記感光性樹脂は、熱架橋性を有することが好ましい。
発明3は、発明2において、前記フッ素含有化合物は、フッ素系界面活性剤、フッ素系ナノパーティクル、フッ素系高分子ナノビーズの中から選択された少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0011】
発明4は、発明3において、前記フッ素含有化合物は、前記絶縁膜に対して1〜40重量%含有されることが好ましい。1重量%未満である場合には表面特性が発現しにくく、40重量%を超える場合には絶縁膜の表面張力が小さすぎて、その上に積層される膜が不均一になる可能性がある。
発明5は、発明1において、前記絶縁膜は厚さが10〜7000Åであることが好ましい。
【0012】
絶縁膜の厚みが薄い方が、トランジスタのオンオフ特性が良好で、電流曲線はヒステレシス現象が小さい。つまり、薄い絶縁膜を用いれば、安定した薄膜トランジスタ特性を得ることができる。
発明6は、発明5において、前記絶縁膜の上部面は、前記有機半導体の下部面と接触する部分よりも強い疏水性を有することが好ましい。
【0013】
フッ素含有化合物を含む絶縁膜の上部面は疏水性を有するが、絶縁膜が除去された開口部、つまり有機半導体が導入される部分はフッ素含有化合物がないため相対的に親水性を有する。このように絶縁膜の上部面と有機半導体の下部面との性質を異ならせることで、有機半導体が絶縁膜上を流れずに開口部にのみ集まるため、所望の部分にのみ有機半導体を正確に形成することができる。
【0014】
発明7は、発明1において、前記有機半導体と前記ゲート電極の間に位置するゲート絶縁体をさらに有し、前記有機半導体と前記ゲート絶縁体のうちの少なくとも一方は溶解性物質を含有することが好ましい。
発明8は、発明1において、前記データ線と前記ソース電極は他の物質を含み、前記ソース電極及び前記ドレイン電極はITO又はIZOを含むことが好ましい。
【0015】
発明9は、発明1において、前記有機半導体の下部に位置する光遮断膜をさらに有することが好ましい。光遮断膜は、バックライトから供給される光が有機半導体に直接流入するのを遮断し、有機半導体で光漏洩電流が急激に増加することを防止する。
本発明10の薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にデータ線を形成する段階、前記データ線と交差するゲート線を形成する段階、前記データ線に接続するソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、開口部を有する絶縁膜を形成する段階、開口部に前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階、そして、前記有機半導体を定義する開口部を有する絶縁膜を形成する段階を含み、前記絶縁膜を形成する段階は、フッ素含有化合物を含有するアクリル系感光性樹脂膜を形成する段階、前記感光性樹脂膜をパターニングして前記開口部を形成する段階を含むことが好ましい。上記本発明1と同様の作用効果を有する。
【0016】
発明11は、発明10において、前記感光性樹脂膜を形成する段階は、感光性樹脂を塗布する段階、前記感光性樹脂を露光及び現像する段階、そして、前記感光性樹脂を130〜250℃で熱架橋する段階を含むことが好ましい。
発明12は、発明10において、前記有機半導体を形成する段階は、インクジェット印刷方法により行うことが好ましい。
【0017】
蒸着工程だけでは大面積の表示装置の製造に限界があるが、インクジェット印刷方法によれば大面積の表示装置を製造することが可能である。
本発明13の薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にデータ線を形成する段階、前記データ線上に第1層間絶縁膜を形成する段階、前記第1層間絶縁膜上に前記データ線に接続するソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、前記ソース電極及び前記ドレイン電極上にフッ素含有化合物を含むアクリル系感光性樹脂膜を形成する段階、前記感光性樹脂膜をパターニングして開口部を有する第2層間絶縁膜を形成する段階、前記開口部に有機半導体を形成する段階、前記有機半導体上にゲート絶縁体を形成する段階、そして、前記ゲート絶縁体及び前記第2層間絶縁膜上にゲート線を形成する段階を含む。
【0018】
上記構成によれば、フッ素含有化合物を含む感光性溶液で第2層間絶縁膜を形成することによって第2層間絶縁膜の表面が疏水性を有することになる。また、第2層間絶縁膜が除去された開口部にはフッ素含有化合物がないため、相対的に親水性を有するようになる。そして、上記構成により、本発明1と同様の作用効果を有する。
発明14は、発明13において、前記感光性樹脂膜を形成する段階は、感光性樹脂を塗布する段階、前記感光性樹脂を露光及び現像する段階、前記感光性樹脂を130〜250℃で熱架橋する段階を含むことが好ましい。
【0019】
発明15は、発明14において、前記有機半導体を形成する段階及び前記ゲート絶縁体を形成する段階は、インクジェット印刷方法により行うことが好ましい。
蒸着工程だけでは大面積の表示装置の製造に限界があるが、インクジェット印刷方法によれば大面積の表示装置を製造することが可能である。
本発明16による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にゲート線を形成する段階、前記ゲート線と交差するデータ線を形成する段階、前記データ線に接続するソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、開口部を有する絶縁膜を形成する段階、そして、前記開口部に前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階を含み、前記絶縁膜を形成する段階は、凹部及び凸部のうちの少なくとも一つを有する印刷板に感光性有機物溶液を塗布する段階、前記感光性有機物溶液を前記基板上に転写する段階、そして、前記基板に転写された感光性有機物溶液から溶媒を除去する段階を含む。
【0020】
上記のようなマイクロコンタクト印刷法によれば、絶縁膜形成のための写真工程を別に要しないので製造方法を単純化することができ、且つ作業時間及び費用を節減することができる。
また、マイクロコンタクト印刷法を利用して絶縁膜を形成すれば、絶縁膜の厚さを薄くすることが可能である。ここで、絶縁膜の厚さが薄いと、トランジスタの電流電圧曲線はオンオフ特性が良好で、電流曲線はヒステレシス現象が小さくなる。つまり、絶縁膜の厚さを薄く形成できることで、安定した薄膜トランジスタ特性を得ることができる。
【0021】
発明17は、発明16において、前記絶縁膜の表面を改質する段階をさらに含むことが好ましい。
絶縁膜の表面を改質する処理を行うため、絶縁膜の開口部の底部と絶縁膜表面との性質を異ならせることができる。例えば、絶縁膜の表面を疏水性に改質し、開口部の底部を親水性に改質することができる。このように性質を異ならせることで、有機半導体が絶縁膜上を流れずに開口部にのみ集まり、所望の部分にのみ有機半導体を正確に形成することができる。
【0022】
発明18は、発明17において、前記絶縁膜の表面を改質する段階は、前記絶縁膜上にフッ素含有気体を供給し、前記絶縁膜表面をフッ素化処理することが好ましい。
絶縁膜の表面をフッ素化処理するによって絶縁膜表面が疏水性に改質され、開口部1を通じて露出する部分が相対的に親水性を有する。
本発明19による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にデータ線を形成する段階、前記データ線と交差するゲート線を形成する段階、前記データ線に接続されるソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、開口部を有する絶縁膜を形成する段階、そして、前記開口部で前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階を含み、前記絶縁膜を形成する段階は、凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有する印刷板に感光性有機物溶液を塗布する段階、前記感光性有機物溶液を前記基板上に転写する段階、そして、前記基板に転写された感光性有機物溶液から溶媒を除去する段階を含む。上記構成によれば、発明16と同様の作用効果を奏する。
【0023】
発明20は、発明19において、前記絶縁膜の表面を改質する段階をさらに含むことが好ましい。上記構成によれば、発明17と同様の作用効果を奏する。
発明21は、発明20において、前記絶縁膜の表面を改質する段階は、前記絶縁膜上にフッ素含有気体を供給し、前記絶縁膜表面をフッ素か処理する段階であることが好ましい。上記構成によれば、発明18と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、製造工程を簡単化することのできる薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面からいろいろな層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似な部分については同一図面符号を付けた。層、膜、領域、板等の部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなくその中間に他の部分がある場合も含む。反対にある部分が他の部分の“直上”にあるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0026】
図1及び図2を参照して本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の配置図である。図2は、図1の薄膜トランジスタ表示板のII-II線に沿って切断した断面図である。
透明なガラス、シリコン又はプラスチック等からなる絶縁基板(substrate)110上に複数のデータ線171、複数の維持電極線172、及び光遮断膜174が形成される。
【0027】
データ線171は、データ信号を伝達し、図1中、主に縦方向に延びる。各データ線171は、図1中横方向に突出した複数の突出部(projection)173と他の層又は外部駆動回路との接続のための広い端部179を有する。データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)は、基板110上に取り付けられるフレキシブル印刷回路膜(図示せず)上に装着したり、基板110上に直接装着したり、基板110に集積することができる。データ駆動回路が基板110上に集積される場合、データ線171を延在してこれと直接接続することができる。
【0028】
維持電極線172は、所定電圧の印加を受けてデータ線171とほぼ平行に延びる。各維持電極線172は、互いに隣接するデータ線171の間に位置し、二つのデータ線171のうちの右側に近接して配置される。維持電極線172は、さらに、横方向に分岐しておりリング状をなす維持電極177を有する。しかし、維持電極線172の形状及び配置は多様に変更することができる。
【0029】
光遮断膜174はデータ線171及び維持電極線172と分離されている。
データ線171、維持電極線172、及び光遮断膜174は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金等のアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金等の銀系金属、金(Ag)や金合金等の金系金属、銅(Cu)や銅合金等の銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金等のモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)等からなることができる。しかし、これらは物理的性質が異なる二つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有してもよい。一方、データ線171及び維持電極線172は、この他にも多様な金属又は導電体からなることができる。
【0030】
データ線171、維持電極線172、及び光遮断膜174は、その側面が基板110面に対して約30〜80程度の傾斜角で傾斜していることが好ましい。このように側面が傾斜しているとその上部の膜を平坦化し易く、また上部の配線の断線を防止することができる。
データ線171、維持電極線172、及び光遮断膜174上には下部層間絶縁膜160が形成される。下部層間絶縁膜160は、窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiO)等の無機絶縁物からなることができ、その厚さは約2000〜5000Åであることができる。
【0031】
下部層間絶縁膜160は、データ線171の突出部173及び端部179をそれぞれ露出させる複数のコンタクトホール163、162を有する。下部層間絶縁膜160上には、複数のソース電極133、複数のドレイン電極135、及び複数のコンタクト補助部材82が形成される。ソース電極133は島状であってもよく、コンタクトホール163を介してデータ線171に接続される。
【0032】
ドレイン電極135は、光遮断膜174上にソース電極133と対向する部分(以下、電極部という)136及び維持電極線172と少なくとも一部重畳する部分(以下、容量部という)137を有する。電極部136は、ソース電極133と対向し、薄膜トランジスタ(TFT)の一部を構成し、容量部137は、維持電極線172と重畳して電圧維持能力を強化するためのストレージキャパシタを形成する。
【0033】
コンタクト補助部材82は、コンタクトホール162を介してデータ線171の端部179に接続されており、データ線171の端部179と外部装置との接着性を補完し、それらを保護する。
ソース電極133及びドレイン電極135は、有機半導体と直接接触するため、有機半導体のエネルギー準位と差の小さい仕事関数(work function)を有する導電物質で形成される。これによって有機半導体と電極との間のショットキー障壁(schottky barrier)を低くしてキャリア注入及び移動を容易にすることができる。このような物質には、ITO又はIZOのような導電性酸化物がある。これらの厚さは、約300〜1000Åであることができる。
【0034】
ソース電極133、ドレイン電極135及び下部層間絶縁膜160を含む基板全面には上部層間絶縁膜140が形成される。
上部層間絶縁膜140は、複数の開口部146及び複数のコンタクトホール145を有する。開口部146は、ソース電極133及びドレイン電極135とこれらの間の下部層間絶縁膜160を露出させ、コンタクトホール145はドレイン電極135を露出させる。
【0035】
上部層間絶縁膜140は、フッ素含有化合物を含み、熱架橋性を有するアクリル系感光性有機物質を使用して形成された樹脂からなることができる。フッ素含有化合物としては、フッ素系界面活性剤(fluoro-surfactant)、フッ素系ナノパーティクル(fluoro-nanoparticle)、フッ素系高分子ナノビーズ(fluoropolymernanobead)等がある。このような例としては、ZonylTM(Dupont社製造)、NovecTM(3M社製造)、FluowetTM(Clariant社製造)、LodyneTM(Ciba Specialty Chemicals社製造)、MegafaceTM(DAINIPPON INK AND CHEMICALS社製造)等がある。
【0036】
フッ素含有化合物は、感光性有機物質の総含量に対して約1〜40重量%を含有することが好ましい。1重量%未満である場合には表面特性が発現しにくく、40重量%を超える場合には上部層間絶縁膜140の表面張力が小さすぎて、その上に積層される膜が不均一になる可能性がある。
このようにフッ素含有化合物を含む感光性有機物質で上部層間絶縁膜140を形成することで、別の表面改質工程がなくても上部層間絶縁膜140の表面が疏水性(hydrophobicity)を有することができる。反面、上部層間絶縁膜140が除去された開口部146及びコンタクトホール145にはフッ素含有化合物がないため、相対的に親水性(hydrophilicity)を有するようになる。
【0037】
上部層間絶縁膜140の開口部146には複数の島状有機半導体(organic semiconductor island)154が形成される。有機半導体154は、上部層間絶縁膜140によって囲まれており、有機半導体154を囲む上部層間絶縁膜140は、有機半導体154の領域を定義する隔壁(partition)である。
有機半導体154は、ソース電極133及びドレイン電極135と接し、その高さが上部層間絶縁膜140より低くて上部層間絶縁膜140によって完全に閉じ込められている。このように有機半導体154が上部層間絶縁膜140によって完全に閉じ込められて側面が露出しないことから、後続工程で有機半導体154の側面に化学液等が浸透することを防止することができる。
【0038】
有機半導体154は、上部層間絶縁膜140と異なる表面特性を有することができる。例えば、上部層間絶縁膜140の表面が上述のように疏水性を有する場合には、有機半導体154は相対的に親水性を有する物質で形成する。この場合、有機半導体154は、上部層間絶縁膜140上を流れずに、同一の表面特性を有する開口部146にのみ集まって、所望の部分にのみ有機半導体を形成することができる。
【0039】
有機半導体154は、光遮断膜174上部に形成される。光遮断膜174は、バックライトから供給される光が有機半導体154に直接流入するのを遮断し、有機半導体154で光漏洩電流(photoleakage current)が急激に増加することを防止する。
有機半導体154は、水溶液や有機溶媒に溶解する高分子化合物や低分子化合物を含有してもよい。
【0040】
有機半導体154は、pentaceneとその前駆体、tetrabenzoporphyrinとその誘導体、polyphenylenevinyleneとその誘導体、polyfluoreneとその誘導体、polythienylenevinyleneとその誘導体、poly3-hexylthiophene、polythiopheneとその誘導体、polythienothiopheneとその誘導体、polyarylamineとその誘導体、phthalocyanineとその誘導体、metallized phthalocyanine又はそのハロゲン化誘導体、perylenetetracarboxylic dianhydride(PTCDA)、naphthalenetetracarboxylic dianhydride(NTCDA)又はこれらのイミド誘導体、perylene又はcoroneneと、これらの置換基を含有する誘導体の中から選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0041】
有機半導体154の厚さは、約300〜3000Åである。
有機半導体154上にはゲート絶縁体144が形成される。ゲート絶縁体144は、上部層間絶縁膜140の開口部146に形成されており、有機半導体154とゲート絶縁体144の厚さの合計は、上部層間絶縁膜140の厚さより小さい。
ゲート絶縁体144は、polyacrylとその誘導体、polystyreneとその誘導体、benzocyclobutane(BCB)、polyimideとその誘導体、polyvinyl alcoholとその誘導体、paryleneとその誘導体、perfluorocyclobutaneとその誘導体、perfluorovinyletherとその誘導体等からなることができる。
【0042】
ゲート絶縁体144及び上部層間絶縁膜140上には複数のゲート線121が形成される。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延びてデータ線171及び維持電極線172と交差する。各ゲート線121は、上に突出した複数のゲート電極124と他の層又は外部駆動回路との接続のための広い端部129を有する。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)は、基板110上に取り付けられるフレキシブル印刷回路膜(図示せず)上に装着したり、基板110上に直接装着したり、基板110に集積することができる。ゲート駆動回路が基板110上に集積している場合、ゲート線121が延びてゲート駆動回路と直接接続されることができる。
【0043】
ゲート電極124は、ゲート絶縁体144を介在して有機半導体154と重なっており、有機半導体154及びゲート絶縁体144を完全に覆う大きさ、つまり開口部146より大きくなっている。
ゲート線121は、データ線171及び維持電極線172と同一の材料で形成することができる。
【0044】
ゲート線121の側面もまた、基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30〜約80度であることが好ましい。
ゲート線121上には保護膜180が形成される。保護膜180は、ゲート線121の端部129上にも形成されていて、ゲート線121の端部129が隣接したゲート線の端部と短絡するのを防止することができる。
【0045】
保護膜180はコンタクトホール185、181を有する。コンタクトホール185は、上部層間絶縁膜140に形成されるコンタクトホール145の上部に位置してドレイン電極137を露出させ、コンタクトホール181はゲート線121の端部129を露出させる。
保護膜180は、有機薄膜トランジスタ及びゲート線121を保護するためのもので、基板の一部分又は全面に形成してもよく、場合によっては省略してもよい。
【0046】
保護膜180上には画素電極191及びコンタクト補助部材81が形成される。画素電極191は、コンタクトホール185、145を介してドレイン電極135に接続される。
画素電極191は、ゲート線121及び/又はデータ線171と重畳して開口率を増すことができる。
【0047】
画素電極191は、薄膜トランジスタを介してデータ電圧の印加を受ける。そして、画素電極191は、共通電圧の印加を受ける他の表示板(図示せず)の共通電極(図示せず)と共に電場を生成する。これによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子の方向を決定する。画素電極191と共通電極は、キャパシタ(以下、液晶キャパシタという。)を構成し、薄膜トランジスタがターンオフした後でも印加された電圧を保持する。
【0048】
コンタクト補助部材81は、コンタクトホール181を介してゲート線121の端部129に接続されており、ゲート線121の端部129と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する。
一つのゲート電極124、一つのソース電極133、及び一つのドレイン電極135は、有機半導体154と共に一つの薄膜トランジスタを構成し、薄膜トランジスタのチャネルは、ソース電極133とドレイン電極135の間の有機半導体154に形成される。
【0049】
次に図1及び図2に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法を図3〜図14を参照して詳細に説明する。
図3、図5、図7、図9、図11及び図13は、図1及び図2の有機薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態に係る製造方法の中間段階における配置図であり、図4は、図3の有機薄膜トランジスタ表示板のIV-IV線に沿って切断した断面図であり、図6は、図5の有機薄膜トランジスタ表示板のVI-VI線に沿って切断した断面図であり、図8は、図7の有機薄膜トランジスタ表示板のVIII-VIII線に沿って切断した断面図であり、図10は、図9の有機薄膜トランジスタ表示板のX-X線に沿って切断した断面図であり、図12は、図11の有機薄膜トランジスタ表示板のXII-XII線に沿って切断した断面図であり、図14は、図13の有機薄膜トランジスタ表示板のXIV-XIV線に沿って切断した断面図である。
【0050】
まず、図3及び図4に示されるように、基板110上にスパッタリング等の方法で導電層を積層し、これを写真エッチングし、突出部173及び端部179を有するデータ線171、維持電極177を有する維持電極線172及び光遮断膜174を形成する。
次に、図5及び図6に示されるように、窒化ケイ素を化学気相蒸着(CVD)して下部層間絶縁膜160を形成し、その上に感光膜を塗布して写真エッチングし、コンタクトホール162、163を形成する。
【0051】
次に、図7及び図8に示されるように、ITO又はIZOをスパッタリングした後、写真エッチングし、ソース電極133、ドレイン電極135及びコンタクト補助部材82を形成する。
次に、図9及び図10に示されるように、基板全面に感光性樹脂(図示せず)を形成する。感光性樹脂は、アクリル系感光性溶液を塗布し現像した後、これを約130〜250℃で熱架橋して形成する。次いで、感光性樹脂をパターニングし、複数の開口部146及び複数のコンタクトホール145を有する上部層間絶縁膜140を形成する。
【0052】
このとき、アクリル系感光性溶液はフッ素含有化合物を包含する。フッ素含有化合物は、フッ素系界面活性剤、フッ素系ナノパーティクル、及びフッ素系高分子ナノビーズ等である。このような例としては、ZonylTM(Dupont社製造)、NovecTM(3M社製造)、FluowetTM(Clariant社製造)、LodyneTM(Ciba Specialty Chemicals社製造)、MegafaceTM(DAINIPPON INK AND CHEMICALS社製造)等がある。フッ素含有化合物は、アクリル系感光性溶液の総含量に対して約1〜40重量%で含有することが好ましい。このようにフッ素含有化合物を含む感光性溶液で上部層間絶縁膜140を形成することによって上部層間絶縁膜140の表面が疏水性を有することになる。
【0053】
次いで、開口部146に有機半導体154を形成する。
有機半導体154は、溶解性物質であり、インクジェット印刷(ink-jet printing)方法により開口部146に有機半導体溶液を噴射する。このとき、有機半導体溶液は前述した上部層間絶縁膜140と表面特性が異なる物質を含む。これにより、有機半導体溶液が上部層間絶縁膜140上に流れずに、上部層間絶縁膜が除去された開口部146にだけ集まることができる。従って、プラズマを用いた表面改質工程がなくても有機半導体溶液を開口部146に集まるようにすることが可能である。その後、有機半導体溶液の中の溶媒を乾燥させる。
【0054】
次に、開口部146内にゲート絶縁部材144を形成する。ゲート絶縁部材144もまた、溶解性物質であり、インクジェット印刷方法により開口部146内の有機半導体154上に有機絶縁溶液を噴射する。この場合、前述のように開口部146の有機半導体154上に溶液が集まるようになる。この後、有機絶縁溶液の中の溶媒を乾燥させる。
次に、図11及び図12に示されるように、スパッタリング等の方法で導電層を積層し、これを写真エッチングし、ゲート電極124及び端部129を有するゲート線121を形成する。このとき、ゲート電極124は、開口部146を完全に覆うような大きさに形成する。
【0055】
次に、図13及び図14に示されるように、基板全面に保護膜180を形成し、写真エッチングし、コンタクトホール181、185を形成する。
最後に、図1及び図2に示されるように、コンタクトホール145、185を介してドレイン電極135に接続される画素電極191及びコンタクト補助部材81を形成する。
このように、プラズマを用いた別の表面改質工程を要することなく、疏水性及び親水性領域を定義することができることにより、工程を減らすことができ、且つ有機半導体等が層間絶縁膜上に流れるのを防止し、所望の部分にだけ正確に形成することができる。
【0056】
次に、図15を参照して本発明の他の実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板を説明する。
図15は、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板で薄膜トランジスタ部分を拡大して示した断面図である。
この実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、前述した実施形態であるトップゲート構造とは異なり、ボトムゲート(bottom gate)構造である。薄膜トランジスタ部分だけ説明すれば、基板110上にゲート電極124が形成されており、その上に下部層間絶縁膜160が形成される。下部層間絶縁膜160はゲート絶縁膜の役目を果たす。下部層間絶縁膜160上にゲート電極124を中心に互いに対向するソース電極133及びドレイン電極135が形成されており、その上にソース電極133及びドレイン電極135の一部を露出させる開口部146を有する上部層間絶縁膜140が形成され、開口部146には有機半導体154が充填される。
【0057】
図16〜図18を参照して図15の薄膜トランジスタ表示板を製造する方法を説明する。
図16及び図18は、図15の薄膜トランジスタ表示板の本発明の他の実施形態に係る製造方法を順次に示した断面図である。
まず、図16を参照すれば、基板110上に導電体を積層し、写真エッチングし、ゲート電極124を形成し、その上に層間絶縁膜160を形成する。次いで、層間絶縁膜160上に導電層を積層し、写真エッチングし、ソース電極133及びドレイン電極135を形成する。その後、ソース電極133及びドレイン電極135上にマイクロコンタクト印刷法を実施するための印刷板20を配置する。
【0058】
印刷板20は、モールド(mold)又はスタンプ(stamp)であってもよく、その一側面には複数の凸部20aを有する。又は、図示していないが、凸部20aの代わりに複数の凹部を有してもよい。
印刷板20上には感光性有機溶液が塗布されている。感光性有機溶液は、凸部20a上に塗布されている第1部分140aと、その他の領域に塗布されている第2部分140bを含み、この中の第1部分140aが基板上に転写される部分である。感光性有機溶液は、特に熱又は光によって架橋性を有する樹脂を含み耐蝕刻性を有することが可能である。
【0059】
次いで、矢印方向に沿って印刷板20を基板上に加圧して、板上に感光性有機溶液の第1部分140aを転写する。それから感光性有機溶液を乾燥して溶媒を除去し、図17に示されるように、上部層間絶縁膜140を形成する。このとき、上部層間絶縁膜140の厚さは約10Å〜約7000Å、好ましくは約1000Åであり、第1部分140aが転写された部分を除いた領域は開口部146である。
【0060】
次に、上部層間絶縁膜140の表面をプラズマ処理を施して親水性又は疏水性に変える表面改質を行う。
本実施形態において、絶縁膜140をプラズマ雰囲気でフッ素化処理する。例えば、乾式エッチング室でCF、C又はSFのようなフッ素含有気体を酸素気体(O)及び/又は不活性気体と共に供給する。この場合、有機物質からなる絶縁膜140は、表面で炭素-フッ素結合(C-F)しておりフッ素化処理される。一方、開口部146を通じて露出しているソース電極133、ドレイン電極135、及び層間絶縁膜160は、無機物質からなるのでフッ素化処理されない。
【0061】
このように、マイクロコンタクト印刷法を利用して絶縁膜を形成すれば、絶縁膜の厚さを薄くすることが可能である。また、絶縁膜形成のための写真工程を別に要しないので製造方法を単純化することができ、且つ作業時間及び費用を節減することができる。
また、上記のように上部層間絶縁膜140の表面をフッ素化処理するによって絶縁膜140表面が疏水性に改質され、開口部146を通じて露出する部分が相対的に親水性を有することが可能である。
【0062】
次に、図18を参照すれば、開口部146上にインクジェット用ヘッド50を配置し、インキ溶液5を噴射する。このようにして、図15に示されるように、有機半導体154を形成する。
図19及び図20は、本実施形態によるマイクロコンタクト印刷法を使用して薄い厚さに上部層間絶縁膜140を形成した場合の薄膜トランジスタ特性を示したグラフである。
【0063】
図19は、従来技術により上部層間絶縁膜140の厚さが約7500Åである薄膜トランジスタの電流電圧曲線を示したグラフであり、図20は、本実施形態による上部層間絶縁膜140の厚さが約1000Åである薄膜トランジスタの電流電圧曲線を示したグラフである。図19及び図20の横軸はゲート電圧(Vg)を示す値であり、縦軸はソース電流(Is)を示す値である。
【0064】
図19に示されるように、上部層間絶縁膜140の厚さが約7500Åである薄膜トランジスタの電流電圧曲線を見ると、オン電流(10-10〜-11)及びオフ電流(10-13〜-14)の間のゲート電圧(Vg)の変化範囲は約−15V〜約17Vと広い。一方、図20に示されたように、上部層間絶縁膜140の厚さが約1000Åである薄膜トランジスタの電流電圧曲線を見れば、オン電流(10-9〜-10)及びオフ電流(10-13〜-14)の間のゲート電圧(Vg)の変化範囲は約−15V〜約5Vと狭いことが分かる。
【0065】
このように、上部層間絶縁膜140の厚さが約7500Åである薄膜トランジスタの電流電圧曲線はオンオフ特性が良好でなく、ヒステレシス現象(hysteresis)を大きく示すことが分かる。一方、上部層間絶縁膜140の厚さが約1000Åであるトランジスタの電流電圧曲線は、オンオフ特性が良好で、電流曲線はヒステレシス現象(hysteresis)が小さいことが分かる。
【0066】
従って、厚さが薄い上部層間絶縁膜140を用いれば、安定した薄膜トランジスタ特性を得ることができる。勿論、マイクロコンタクト印刷法を使用して形成された上部層間絶縁層140は、上記の実施形態であるトップゲート構造の薄膜トランジスタ表示板にも同様に適用することができる。
尚、本発明は、上述の実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1の薄膜トランジスタ表示板のII-II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図4】図3の薄膜トランジスタ表示板のIV-IV線に沿って切断した断面図である。
【図5】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図6】図5の薄膜トランジスタ表示板のVI-VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図8】図7の薄膜トランジスタ表示板のVIII-VIII線に沿って切断した断面図である。
【図9】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図10】図9の薄膜トランジスタ表示板のX-X線に沿って切断した断面図である。
【図11】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図12】図11の薄膜トランジスタ表示板のXII-XII線に沿って切断した断面図である。
【図13】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板の本発明の一実施形態に係る製造方法を順次に示した配置図である。
【図14】図13の薄膜トランジスタ表示板のXIV-XIV線に沿って切断した断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の薄膜トランジスタ部分を拡大して示した断面図である。
【図16】図15の薄膜トランジスタ表示板を本発明の他の実施形態に係る製造方法を順次に示した断面図である。
【図17】図15の薄膜トランジスタ表示板を本発明の他の実施形態に係る製造方法を順次に示した断面図である。
【図18】図15の薄膜トランジスタ表示板を本発明の他の実施形態に係る製造方法を順次に示した断面図である。
【図19】図15の薄膜トランジスタ表示板の電流特性を示したグラフである。
【図20】図15の薄膜トランジスタ表示板の電流特性を示したグラフである。
【符号の説明】
【0068】
110 絶縁基板
121 ゲート線
124 ゲート電極
129 ゲート線の端部
133 ソース電極
135 ドレイン電極
136 電極部
137 容量部
145、162、163、185 コンタクトホール
144 ゲート絶縁体
146 開口部
154 有機半導体
140、160 層間絶縁膜
171 データ線
172 維持電極線
173 データ線の突出部
174 光遮断膜
177 維持電極
179 データ線の端部
81、82 コンタクト補助部材
191 画素電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されるデータ線と、
前記データ線と交差し、ゲート電極を有するゲート線と、
前記データ線に接続されるソース電極と、
前記ソース電極と対向するドレイン電極と、
開口部を有し、フッ素含有化合物を含むアクリル系感光性樹脂を使用して形成される絶縁膜と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記感光性樹脂は、熱架橋性を有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記フッ素含有化合物は、フッ素系界面活性剤、フッ素系ナノパーティクル、フッ素系高分子ナノビーズの中から選択された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記フッ素含有化合物は、前記絶縁膜に対して1〜40重量%含有することを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記絶縁膜は、厚さが10〜7000Åであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記絶縁膜の上部面は、前記有機半導体の下部面と接触する部分より強い疏水性を有することを特徴とする請求項5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
前記有機半導体と前記ゲート電極の間に位置するゲート絶縁体をさらに有し、
前記有機半導体と前記ゲート絶縁体のうちの少なくとも一つは、溶解性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記データ線と前記ソース電極は異なる物質を含み、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、ITO又はIZOを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
前記有機半導体下部に位置する光遮断膜をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
基板上にデータ線を形成する段階、
前記データ線と交差するゲート線を形成する段階、
前記データ線に接続されるソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、
開口部を有する絶縁膜を形成する段階、
前記開口部で前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階を含み、
前記絶縁膜を形成する段階は、
フッ素含有化合物を含有するアクリル系感光性樹脂膜を形成する段階、
前記感光性樹脂膜をパターニングして前記開口部を形成する段階を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項11】
前記感光性樹脂膜を形成する段階は、
感光性樹脂を塗布する段階、
前記感光性樹脂を露光及び現像する段階、
前記感光性樹脂を130〜250℃で熱架橋する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項12】
前記有機半導体を形成する段階は、インクジェット印刷方法により行うことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項13】
基板上にデータ線を形成する段階、
前記データ線上に第1層間絶縁膜を形成する段階、
前記第1層間絶縁膜上に前記データ線に接続されるソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極上にフッ素含有化合物を含むアクリル系感光性樹脂膜を形成する段階、
前記感光性樹脂膜をパターニングして開口部を有する第2層間絶縁膜を形成する段階、
前記開口部に有機半導体を形成する段階、
前記有機半導体上にゲート絶縁体を形成する段階、
前記ゲート絶縁体及び前記第2層間絶縁膜上にゲート線を形成する段階を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項14】
前記感光性樹脂膜を形成する段階は、
感光性樹脂を塗布する段階、
前記感光性樹脂を露光及び現像する段階、
前記感光性樹脂を130〜250℃で熱架橋する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項15】
前記有機半導体を形成する段階及び前記ゲート絶縁体を形成する段階は、インクジェット印刷方法により形成することを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項16】
基板上にゲート線を形成する段階、
前記ゲート線と交差するデータ線を形成する段階、
前記データ線に接続されるソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、
開口部を有する絶縁膜を形成する段階、
前記開口部に前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階を含み、
前記絶縁膜を形成する段階は、
凹部及び凸部のうちの少なくとも一つを有する印刷板に感光性有機物溶液を塗布する段階、
前記感光性有機物溶液を前記基板上に転写する段階、
前記基板に転写された感光性有機物溶液で溶媒を除去する段階を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁膜の表面を改質する段階をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項18】
前記絶縁膜の表面を改質する段階は、前記絶縁膜上にフッ素含有気体を供給し、前記絶縁膜表面をフッ素化処理することを特徴とする請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記感光性有機物溶液は、フッ素含有化合物を含むことを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
基板上にデータ線を形成する段階、
前記データ線と交差するゲート線を形成する段階、
前記データ線に接続されるソース電極及び前記ソース電極と対向するドレイン電極を形成する段階、
開口部を有する絶縁膜を形成する段階、
前記開口部で前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触する有機半導体を形成する段階を含み、
前記絶縁膜を形成する段階は、
凹部及び凸部のうちの少なくとも一つを有する印刷板に感光性有機物溶液を塗布する段階、
前記感光性有機物溶液を前記基板上に転写する段階、
前記基板に転写された感光性有機物溶液で溶媒を除去する段階を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項21】
前記絶縁膜の表面を改質する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項22】
前記絶縁膜の表面を改質する段階は、前記絶縁膜上にフッ素含有気体を供給し、前記絶縁膜表面をフッ素化処理することを特徴とする請求項21に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−47893(P2008−47893A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194095(P2007−194095)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】