薬液塗布装置
【課題】EUV露光装置内でのウェハー割れを防ぐ薬液塗布装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の薬液塗布装置101は、基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニット102と、前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニット104と、前記検査ユニット104による検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニット114と、を備える。
【解決手段】実施形態の薬液塗布装置101は、基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニット102と、前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニット104と、前記検査ユニット104による検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニット114と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬液塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造においては、ウェハー上に薬液を塗布し、所望のパターンにパターニングする工程を多く含んでいる。このパターニング工程は、一般にレジストと呼ばれる感光性物質をウェハー上の被加工物の上に塗布し、露光装置を用いて選択的に露光後現像することによってなされる。
【0003】
露光装置においてウェハーを露光する際に、ウェハー裏面に異物の付着などの欠陥があるとチャッキングエラーが発生し、ウェハー割れなどが起こることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−281073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EUV(Extreme UltraViolet)露光装置では装置内が真空のため、その中でウェハー割れが発生すると、洗浄のため大気開放する必要がある。このことは稼働率の大幅な低下に繋がり、生産性が低下するという問題になっていた。
【0006】
本発明の一つの実施形態は、露光装置内でのウェハー割れを防ぐ薬液塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施形態の薬液塗布装置は、基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、前記検査ユニットによる検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置およびEUV露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかる静電チャックユニットの構成を示す図である。
【図3】図3は、第1および第2の実施形態にかかる裏面洗浄ユニットの構成の例を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置の動作フローを示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置の別の動作フローを示す図である。
【図6】図6は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置およびEUV露光装置の概略構成を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態にかかる裏面欠陥検査ユニットの構成を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置の動作フローを示す図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置の別の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる薬液塗布装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる薬液塗布装置101およびEUV露光装置112の概略構成を示す図である。薬液塗布装置101は、例えば半導体素子作成(ウェハー工程、露光用マスク製造工程)、液晶デバイス作成技術における塗布膜の形成に用いられるレジスト塗布装置などである。薬液塗布装置101は、薬液塗布ユニット102、プリベークユニット103、静電チャックユニット(検査ユニット)104、裏面洗浄ユニット105、ウェハー待機ユニット106、ポストエクスポージャーベークユニット107、現像ユニット108、搬送ロボット制御部109、システム制御部(制御ユニット)114、搬送ロボット110、およびウェハーローダー111を備える。なお、ポストエクスポージャーベークユニット107および現像ユニット108は、薬液塗布装置101からEUV露光装置112に搬送されたウェハー(半導体基板)が再び薬液塗布装置101に戻されてから使用されるもので、以下では説明しない。EUV露光装置112は、露光時には装置内部を真空にするため真空チャックが使用できないので、静電チャックを有するウェハステージ113を備える。本実施形態にかかる薬液塗布装置101の動作フローを図4に示す。
【0011】
先ず、薬液塗布ユニット102においてウェハーの主表面上に溶媒に溶かされた薬液を滴下ノズルから滴下し塗布膜を形成する(ステップS101)。薬液の種類としては、特に限定されることはないが、レジスト剤、反射防止膜剤、酸化膜剤、強誘電膜剤、スピンオングラス用薬液などがあげられる。また、溶媒の種類としては、特に限定されることはないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、その他アニソ―ル、トルエン、キシレン、ナフサなどを挙げることができる。
【0012】
薬液の滴下量としては、特に限定されることはないが、0.01cc〜30cc、より好ましくは0.1cc〜10ccの範囲を好適に用いることができる。その理由は0.01cc未満では吐出量が少なすぎるため液状膜をウェハー全面に広げることが困難で、30ccを越えるとウェハー上に塗られない薬液量が増え効率的ではない。薬液の滴下位置についてはウェハーの中心部から半径1cm以内が望ましく、ウェハーの外周部に滴下すると均一な膜厚で成膜することが困難になる。また、ノズルは常時ウェハーの上にある必要はなく、薬液滴下時のみウェハーの上に移動してもよい。続いて、ウェハーを回転させて、液状膜を形成する。回転数としては100〜20000、より好ましくは500〜7000rpmが好適で、100rpm未満では薬液をウェハーの上に均一に広げることが困難になり、20000rpmを越えるとウェハーの外周に乱流が生じて均一な膜質を得ることが難しい。
【0013】
上記のように薬液の液状塗布膜が形成されたウェハーは、その後、搬送ロボット制御部109により制御された搬送ロボット110およびウェハーローダー111により、プリベークユニット103に搬送される。そして、その中でベークにより、塗布膜中の溶剤を気化させる(ステップS102)。ベーク温度は限定されることはないが、50〜600℃の範囲が好適で、50℃未満では塗布膜の溶媒が揮発し難く、600℃を越えると塗布膜の昇華が進むおそれがある。
【0014】
次に、ウェハーは、静電チャックユニット104に搬送される。図2は、ウェハー201を搭載した静電チャックユニット104の構成を示す。静電チャック202は電圧モジュール204を介してアース206に接続されており、電圧モジュール204による印加電圧により静電チャック202内に内部電荷203が発生する。一方、ウェハー201はアース線205を介してアース206に接続される。
【0015】
図2に示すように、静電チャック202にウェハー201を載せ、ウェハー201の裏面の静電チャック202への吸着度の測定を行う。吸着方式は単極方式、双極方式のどちらでもよい。印加電圧は特に限定されることはないが、1mV〜10,000Vの範囲を好適に用いることができ、1mV未満では吸着が不十分で、10,000Vを越えるとウェハー201に成膜された膜の静電破壊が発生する可能性が高まる。
【0016】
吸着度の測定方法としては、例えば以下のような方法がある。ウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離を光学干渉計209を用いて測定し、距離が閾値以上の場合、吸着度が弱いと判断する。具体的には、レーザー照射ユニット207からウェハー201の裏面にレーザー208を照射して反射させ光学干渉計209にてウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離を測定する。ウェハー201の裏面上のいずれかの位置に吸着度を低下させる異物(ゴミ)付着による欠陥が存在すれば測定した距離が変化する。従って、これによりウェハー201の裏面全体の欠陥検査が可能となる。そして、光学干渉計209にて測定された距離が予め定めた閾値未満か否かがシステム制御部114により判断される(ステップS103)。測定された距離が予め定めた閾値未満の場合(ステップS103:Yes)は、ウェハー201の裏面と静電チャック202との吸着度が十分あると判定し、ウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS104)。
【0017】
ステップS103にて、測定された距離が予め定めた閾値以上の場合(ステップS103:No)は、吸着度が不十分であるとシステム制御部114は判断し、裏面洗浄ユニット105にてウェハー201の裏面を洗浄する(ステップS105)。図3に、裏面洗浄ユニット105の構成の例を示す。裏面洗浄ユニット105は、ウェハー201の裏面にノズル302から噴射された水303をかけながら、ブラシ304でウェハー201の裏面に付着した異物による欠陥を除去する。裏面洗浄の後は、再度、吸着度を測定し(ステップS103)、測定された距離が予め定めた閾値未満(ステップS103:Yes)となるまで、洗浄および吸着度の測定を繰り返す。なお、ステップS103において測定された距離が閾値以上であって吸着度が不十分であると判断された場合、裏面洗浄ユニット105にてウェハー201の裏面を洗浄することなく、例えば薬液塗布装置101に設けられた図示しないウェハーバッファにウェハー201を収容するなどの方法によって、良品でないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにしてもよい。このとき、薬液塗布装置101は必ずしも裏面洗浄ユニット105を備えていなくてよい。また、吸着度が不十分であると判断された場合に、ウェハー201の裏面に付着した異物による欠陥の洗浄除去と吸着度の測定を繰返し、所定回数繰り返しても測定された距離が閾値未満とならなければ再度の裏面洗浄を行うことなくウェハー201をウェハーバッファに収容するなどしてもよく、要は静電チャックユニット104において静電チャック202との吸着度が十分に得られないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにすればよい。
【0018】
このように本実施形態においては、静電チャックユニット104においてウェハー201の裏面と静電チャック202との吸着度が十分得られる場合にのみウェハー201を良品であると判定して、EUV露光装置112へのウェハー201の搬送を行う。これにより、ウェハー201の裏面への異物付着を原因とするチャッキングエラー(吸着エラー)によるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。
【0019】
なお、図4に示した薬液塗布装置101の動作フローにおいては、吸着度の判定(ステップS103)の後に裏面洗浄(ステップS105)しているが、図5に示すように、ベーク後に裏面洗浄してから吸着度の判定をするようにしてもよい。即ち、薬液塗布ユニット102での薬液塗布(ステップS111)、プリベークユニット103でのベーク(ステップS112)、裏面洗浄ユニット105での裏面洗浄(ステップS113)を経てから、光学干渉計209にて測定された距離が予め定めた閾値未満か否かをシステム制御部114が判断する(ステップS114)ようにしてもよい。測定された距離が予め定めた閾値以上の場合(ステップS114:No)はステップS113に戻り、測定された距離が予め定めた閾値未満の場合(ステップS114:Yes)はウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS115)。また、薬液塗布装置101の外部の洗浄装置を用いてウェハー201を裏面洗浄してもよい。
【0020】
吸着度の他の測定方法としては、例えば、ウェハー201と静電チャック202との間に流れる電流値を測定することも可能である。即ち、ウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離が離れるほど両者の間の電気抵抗は大きくなるので、これを利用して、両者の間に電圧を印加することにより流れた電流の電流値を吸着度の指標とする。電流値が所定の閾値以下の場合は、距離が離れている即ち吸着度が弱いと判断して、EUV露光装置112に搬送せずウェハー201を裏面洗浄する。電流値が所定の閾値より大きい場合は、吸着度が十分であると判断してEUV露光装置112に搬送する。このようにしても上記同様にウェハー201の裏面への異物付着を原因とするチャッキングエラーによるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。なお、吸着度の測定方法は以上に例示したものに限定されるものではない。
【0021】
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態にかかる薬液塗布装置401およびEUV露光装置112の概略構成を示す図である。薬液塗布装置401は、例えば半導体素子作成(ウェハー工程、露光用マスク製造工程)、液晶デバイス作成技術における塗布膜の形成に用いられるレジスト塗布装置などである。薬液塗布装置401は、薬液塗布ユニット402、プリベークユニット403、裏面欠陥検査ユニット404、裏面洗浄ユニット405、ウェハー待機ユニット406、ポストエクスポージャーベークユニット407、現像ユニット408、搬送ロボット制御部409、システム制御部(制御ユニット)414、搬送ロボット410、およびウェハーローダー411を備える。なお、ポストエクスポージャーベークユニット407および現像ユニット408は、薬液塗布装置401からEUV露光装置112に搬送されたウェハーが再び薬液塗布装置401に戻されてから使用されるもので、以下では説明しない。EUV露光装置112は、露光時には装置内部を真空にするため真空チャックが使用できないので、静電チャックを有するウェハステージ113を備える。本実施形態にかかる薬液塗布装置401の動作フローを図8に示す。
【0022】
先ず、薬液塗布ユニット402においてウェハーの主表面上に溶媒に溶かされた薬液を滴下ノズルから滴下し塗布膜を形成する(ステップS201)。薬液の種類、溶媒の種類、薬液の滴下量、薬液滴下時のウェハーの回転数など、薬液塗布に関する条件は第1の実施形態と同様である。その後のプリベークユニット403におけるベーク(ステップS202)の条件も第1の実施形態と同様である。
【0023】
ステップS202の後、ウェハー201は、裏面欠陥検査ユニット404に搬送される。裏面欠陥検査ユニット404で、ウェハーの裏面の全面にわたる異物の付着による欠陥の測定を行う。異物の付着による欠陥の検出方法は、例えば光学的手段で行う。この場合、赤外から真空紫外領域まで使用する光の波長は限定されることはなく、明視野、暗視野どちらによる検出でも構わない。裏面欠陥検査ユニット404における異物付着による欠陥の検出方法の具体例を図7に示す。レーザー照射ユニット(走査手段)502から射出されたレーザー光503はウェハー201の裏面で反射して光受光部(検出手段)504で検出される。レーザー光503がウェハー201の裏面上全面を走査するようにレーザー照射ユニット502を動かす。これと同時に光受光部504で検出した反射光の強度をモニターし、所定値以上の強度変化により異物付着による欠陥の存在を検出する。この検出結果に基づいてウェハー201の裏面全面に付着した異物(欠陥)の数、或いは異物(欠陥)の大きさを見積もることが可能となる。そして、ウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かがシステム制御部414により判断される(ステップS203)。測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下の場合(ステップS203:Yes)は、EUV露光装置112におけるウェハー割れの危険が無いとしてウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS204)。
【0024】
ステップS203にて、測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値より大きい場合(ステップS203:No)は、EUV露光装置112におけるウェハー割れの危険が有るとシステム制御部414は判断し、裏面洗浄ユニット405にてウェハー201の裏面を洗浄する(ステップS205)。裏面洗浄ユニット405の構成は図3に示したものと同様である。裏面洗浄の後は、再度、ウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かが裏面欠陥検査ユニット404およびシステム制御部414により測定、判断され(ステップS203)、所定の値以下(ステップS203:Yes)となるまで、洗浄および裏面欠陥検査を繰り返す。なお、ステップS203において測定された異物の数或いは大きさが所定の値より大きい場合、裏面洗浄ユニット405にてウェハー201の裏面を洗浄することなく、例えば薬液塗布装置401に設けられた図示しないウェハーバッファにウェハー201を収容するなどの方法によって、良品でないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにしてもよい。このとき、薬液塗布装置401は必ずしも裏面洗浄ユニット405を備えていなくてよい。また、異物の数或いは大きさが所定の値より大きい場合に、ウェハー201の裏面に付着した異物の洗浄除去と裏面欠陥検査を繰り返し、所定回数繰り返しても測定された異物の数或いは大きさが所定の値以下とならなければ再度の裏面洗浄を行うことなくウェハー201をウェハーバッファに収容するなどしてもよく、要は裏面欠陥検査ユニット404において異物の数或いは大きさが所定の値より大きいことが測定されたウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにすればよい。
【0025】
このように本実施形態においては、裏面欠陥検査ユニット404において測定されたウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下である場合にのみウェハー201を良品であると判定して、EUV露光装置112へのウェハー201の搬送を行う。これにより、ウェハー201の裏面への異物付着の欠陥を原因とするチャッキングエラー(吸着エラー)によるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。
【0026】
なお、図8に示した薬液塗布装置401の動作フローにおいては、裏面の異物欠陥の検査(ステップS203)の後に裏面洗浄(ステップS205)しているが、図9に示すように、ベーク後に裏面洗浄してから異物欠陥の検査をするようにしてもよい。即ち、薬液塗布ユニット402での薬液塗布(ステップS211)、プリベークユニット403でのベーク(ステップS212)、裏面洗浄ユニット405での裏面洗浄(ステップS213)を経てから、裏面欠陥検査ユニット404にて測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かをシステム制御部414が判断する(ステップS214)ようにしてもよい。測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値より大きい場合(ステップS214:No)はステップS213に戻り、測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下の場合(ステップS214:Yes)はウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS215)。また、薬液塗布装置401の外部の洗浄装置を用いてウェハー201を裏面洗浄してもよい。
【0027】
異物欠陥の検出方法としては、上述した光学的手段の他に電子ビーム(電子線)を用いて検出することも可能である。この場合は、電子ビームにより走査照射されたウェハー201の裏面から放出された2次電子の散乱強度の大小変化に基づいて裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさを判定する。この判定結果に基づいてEUV露光装置112への搬送可否判断および裏面洗浄を実施することにより、上記同様にウェハー201の裏面への異物付着の欠陥を原因とするチャッキングエラーによるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。なお、異物欠陥の検出方法は以上に例示したものに限定されるものではない。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
101、401 薬液塗布装置、112 EUV露光装置、104 静電チャックユニット、105、405 裏面洗浄ユニット、404 裏面欠陥検査ユニット、201 ウェハー。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬液塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造においては、ウェハー上に薬液を塗布し、所望のパターンにパターニングする工程を多く含んでいる。このパターニング工程は、一般にレジストと呼ばれる感光性物質をウェハー上の被加工物の上に塗布し、露光装置を用いて選択的に露光後現像することによってなされる。
【0003】
露光装置においてウェハーを露光する際に、ウェハー裏面に異物の付着などの欠陥があるとチャッキングエラーが発生し、ウェハー割れなどが起こることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−281073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EUV(Extreme UltraViolet)露光装置では装置内が真空のため、その中でウェハー割れが発生すると、洗浄のため大気開放する必要がある。このことは稼働率の大幅な低下に繋がり、生産性が低下するという問題になっていた。
【0006】
本発明の一つの実施形態は、露光装置内でのウェハー割れを防ぐ薬液塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施形態の薬液塗布装置は、基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、前記検査ユニットによる検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置およびEUV露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかる静電チャックユニットの構成を示す図である。
【図3】図3は、第1および第2の実施形態にかかる裏面洗浄ユニットの構成の例を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置の動作フローを示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかる薬液塗布装置の別の動作フローを示す図である。
【図6】図6は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置およびEUV露光装置の概略構成を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態にかかる裏面欠陥検査ユニットの構成を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置の動作フローを示す図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかる薬液塗布装置の別の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる薬液塗布装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる薬液塗布装置101およびEUV露光装置112の概略構成を示す図である。薬液塗布装置101は、例えば半導体素子作成(ウェハー工程、露光用マスク製造工程)、液晶デバイス作成技術における塗布膜の形成に用いられるレジスト塗布装置などである。薬液塗布装置101は、薬液塗布ユニット102、プリベークユニット103、静電チャックユニット(検査ユニット)104、裏面洗浄ユニット105、ウェハー待機ユニット106、ポストエクスポージャーベークユニット107、現像ユニット108、搬送ロボット制御部109、システム制御部(制御ユニット)114、搬送ロボット110、およびウェハーローダー111を備える。なお、ポストエクスポージャーベークユニット107および現像ユニット108は、薬液塗布装置101からEUV露光装置112に搬送されたウェハー(半導体基板)が再び薬液塗布装置101に戻されてから使用されるもので、以下では説明しない。EUV露光装置112は、露光時には装置内部を真空にするため真空チャックが使用できないので、静電チャックを有するウェハステージ113を備える。本実施形態にかかる薬液塗布装置101の動作フローを図4に示す。
【0011】
先ず、薬液塗布ユニット102においてウェハーの主表面上に溶媒に溶かされた薬液を滴下ノズルから滴下し塗布膜を形成する(ステップS101)。薬液の種類としては、特に限定されることはないが、レジスト剤、反射防止膜剤、酸化膜剤、強誘電膜剤、スピンオングラス用薬液などがあげられる。また、溶媒の種類としては、特に限定されることはないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、その他アニソ―ル、トルエン、キシレン、ナフサなどを挙げることができる。
【0012】
薬液の滴下量としては、特に限定されることはないが、0.01cc〜30cc、より好ましくは0.1cc〜10ccの範囲を好適に用いることができる。その理由は0.01cc未満では吐出量が少なすぎるため液状膜をウェハー全面に広げることが困難で、30ccを越えるとウェハー上に塗られない薬液量が増え効率的ではない。薬液の滴下位置についてはウェハーの中心部から半径1cm以内が望ましく、ウェハーの外周部に滴下すると均一な膜厚で成膜することが困難になる。また、ノズルは常時ウェハーの上にある必要はなく、薬液滴下時のみウェハーの上に移動してもよい。続いて、ウェハーを回転させて、液状膜を形成する。回転数としては100〜20000、より好ましくは500〜7000rpmが好適で、100rpm未満では薬液をウェハーの上に均一に広げることが困難になり、20000rpmを越えるとウェハーの外周に乱流が生じて均一な膜質を得ることが難しい。
【0013】
上記のように薬液の液状塗布膜が形成されたウェハーは、その後、搬送ロボット制御部109により制御された搬送ロボット110およびウェハーローダー111により、プリベークユニット103に搬送される。そして、その中でベークにより、塗布膜中の溶剤を気化させる(ステップS102)。ベーク温度は限定されることはないが、50〜600℃の範囲が好適で、50℃未満では塗布膜の溶媒が揮発し難く、600℃を越えると塗布膜の昇華が進むおそれがある。
【0014】
次に、ウェハーは、静電チャックユニット104に搬送される。図2は、ウェハー201を搭載した静電チャックユニット104の構成を示す。静電チャック202は電圧モジュール204を介してアース206に接続されており、電圧モジュール204による印加電圧により静電チャック202内に内部電荷203が発生する。一方、ウェハー201はアース線205を介してアース206に接続される。
【0015】
図2に示すように、静電チャック202にウェハー201を載せ、ウェハー201の裏面の静電チャック202への吸着度の測定を行う。吸着方式は単極方式、双極方式のどちらでもよい。印加電圧は特に限定されることはないが、1mV〜10,000Vの範囲を好適に用いることができ、1mV未満では吸着が不十分で、10,000Vを越えるとウェハー201に成膜された膜の静電破壊が発生する可能性が高まる。
【0016】
吸着度の測定方法としては、例えば以下のような方法がある。ウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離を光学干渉計209を用いて測定し、距離が閾値以上の場合、吸着度が弱いと判断する。具体的には、レーザー照射ユニット207からウェハー201の裏面にレーザー208を照射して反射させ光学干渉計209にてウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離を測定する。ウェハー201の裏面上のいずれかの位置に吸着度を低下させる異物(ゴミ)付着による欠陥が存在すれば測定した距離が変化する。従って、これによりウェハー201の裏面全体の欠陥検査が可能となる。そして、光学干渉計209にて測定された距離が予め定めた閾値未満か否かがシステム制御部114により判断される(ステップS103)。測定された距離が予め定めた閾値未満の場合(ステップS103:Yes)は、ウェハー201の裏面と静電チャック202との吸着度が十分あると判定し、ウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS104)。
【0017】
ステップS103にて、測定された距離が予め定めた閾値以上の場合(ステップS103:No)は、吸着度が不十分であるとシステム制御部114は判断し、裏面洗浄ユニット105にてウェハー201の裏面を洗浄する(ステップS105)。図3に、裏面洗浄ユニット105の構成の例を示す。裏面洗浄ユニット105は、ウェハー201の裏面にノズル302から噴射された水303をかけながら、ブラシ304でウェハー201の裏面に付着した異物による欠陥を除去する。裏面洗浄の後は、再度、吸着度を測定し(ステップS103)、測定された距離が予め定めた閾値未満(ステップS103:Yes)となるまで、洗浄および吸着度の測定を繰り返す。なお、ステップS103において測定された距離が閾値以上であって吸着度が不十分であると判断された場合、裏面洗浄ユニット105にてウェハー201の裏面を洗浄することなく、例えば薬液塗布装置101に設けられた図示しないウェハーバッファにウェハー201を収容するなどの方法によって、良品でないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにしてもよい。このとき、薬液塗布装置101は必ずしも裏面洗浄ユニット105を備えていなくてよい。また、吸着度が不十分であると判断された場合に、ウェハー201の裏面に付着した異物による欠陥の洗浄除去と吸着度の測定を繰返し、所定回数繰り返しても測定された距離が閾値未満とならなければ再度の裏面洗浄を行うことなくウェハー201をウェハーバッファに収容するなどしてもよく、要は静電チャックユニット104において静電チャック202との吸着度が十分に得られないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにすればよい。
【0018】
このように本実施形態においては、静電チャックユニット104においてウェハー201の裏面と静電チャック202との吸着度が十分得られる場合にのみウェハー201を良品であると判定して、EUV露光装置112へのウェハー201の搬送を行う。これにより、ウェハー201の裏面への異物付着を原因とするチャッキングエラー(吸着エラー)によるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。
【0019】
なお、図4に示した薬液塗布装置101の動作フローにおいては、吸着度の判定(ステップS103)の後に裏面洗浄(ステップS105)しているが、図5に示すように、ベーク後に裏面洗浄してから吸着度の判定をするようにしてもよい。即ち、薬液塗布ユニット102での薬液塗布(ステップS111)、プリベークユニット103でのベーク(ステップS112)、裏面洗浄ユニット105での裏面洗浄(ステップS113)を経てから、光学干渉計209にて測定された距離が予め定めた閾値未満か否かをシステム制御部114が判断する(ステップS114)ようにしてもよい。測定された距離が予め定めた閾値以上の場合(ステップS114:No)はステップS113に戻り、測定された距離が予め定めた閾値未満の場合(ステップS114:Yes)はウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS115)。また、薬液塗布装置101の外部の洗浄装置を用いてウェハー201を裏面洗浄してもよい。
【0020】
吸着度の他の測定方法としては、例えば、ウェハー201と静電チャック202との間に流れる電流値を測定することも可能である。即ち、ウェハー201の裏面と静電チャック202との間の距離が離れるほど両者の間の電気抵抗は大きくなるので、これを利用して、両者の間に電圧を印加することにより流れた電流の電流値を吸着度の指標とする。電流値が所定の閾値以下の場合は、距離が離れている即ち吸着度が弱いと判断して、EUV露光装置112に搬送せずウェハー201を裏面洗浄する。電流値が所定の閾値より大きい場合は、吸着度が十分であると判断してEUV露光装置112に搬送する。このようにしても上記同様にウェハー201の裏面への異物付着を原因とするチャッキングエラーによるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。なお、吸着度の測定方法は以上に例示したものに限定されるものではない。
【0021】
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態にかかる薬液塗布装置401およびEUV露光装置112の概略構成を示す図である。薬液塗布装置401は、例えば半導体素子作成(ウェハー工程、露光用マスク製造工程)、液晶デバイス作成技術における塗布膜の形成に用いられるレジスト塗布装置などである。薬液塗布装置401は、薬液塗布ユニット402、プリベークユニット403、裏面欠陥検査ユニット404、裏面洗浄ユニット405、ウェハー待機ユニット406、ポストエクスポージャーベークユニット407、現像ユニット408、搬送ロボット制御部409、システム制御部(制御ユニット)414、搬送ロボット410、およびウェハーローダー411を備える。なお、ポストエクスポージャーベークユニット407および現像ユニット408は、薬液塗布装置401からEUV露光装置112に搬送されたウェハーが再び薬液塗布装置401に戻されてから使用されるもので、以下では説明しない。EUV露光装置112は、露光時には装置内部を真空にするため真空チャックが使用できないので、静電チャックを有するウェハステージ113を備える。本実施形態にかかる薬液塗布装置401の動作フローを図8に示す。
【0022】
先ず、薬液塗布ユニット402においてウェハーの主表面上に溶媒に溶かされた薬液を滴下ノズルから滴下し塗布膜を形成する(ステップS201)。薬液の種類、溶媒の種類、薬液の滴下量、薬液滴下時のウェハーの回転数など、薬液塗布に関する条件は第1の実施形態と同様である。その後のプリベークユニット403におけるベーク(ステップS202)の条件も第1の実施形態と同様である。
【0023】
ステップS202の後、ウェハー201は、裏面欠陥検査ユニット404に搬送される。裏面欠陥検査ユニット404で、ウェハーの裏面の全面にわたる異物の付着による欠陥の測定を行う。異物の付着による欠陥の検出方法は、例えば光学的手段で行う。この場合、赤外から真空紫外領域まで使用する光の波長は限定されることはなく、明視野、暗視野どちらによる検出でも構わない。裏面欠陥検査ユニット404における異物付着による欠陥の検出方法の具体例を図7に示す。レーザー照射ユニット(走査手段)502から射出されたレーザー光503はウェハー201の裏面で反射して光受光部(検出手段)504で検出される。レーザー光503がウェハー201の裏面上全面を走査するようにレーザー照射ユニット502を動かす。これと同時に光受光部504で検出した反射光の強度をモニターし、所定値以上の強度変化により異物付着による欠陥の存在を検出する。この検出結果に基づいてウェハー201の裏面全面に付着した異物(欠陥)の数、或いは異物(欠陥)の大きさを見積もることが可能となる。そして、ウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かがシステム制御部414により判断される(ステップS203)。測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下の場合(ステップS203:Yes)は、EUV露光装置112におけるウェハー割れの危険が無いとしてウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS204)。
【0024】
ステップS203にて、測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値より大きい場合(ステップS203:No)は、EUV露光装置112におけるウェハー割れの危険が有るとシステム制御部414は判断し、裏面洗浄ユニット405にてウェハー201の裏面を洗浄する(ステップS205)。裏面洗浄ユニット405の構成は図3に示したものと同様である。裏面洗浄の後は、再度、ウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かが裏面欠陥検査ユニット404およびシステム制御部414により測定、判断され(ステップS203)、所定の値以下(ステップS203:Yes)となるまで、洗浄および裏面欠陥検査を繰り返す。なお、ステップS203において測定された異物の数或いは大きさが所定の値より大きい場合、裏面洗浄ユニット405にてウェハー201の裏面を洗浄することなく、例えば薬液塗布装置401に設けられた図示しないウェハーバッファにウェハー201を収容するなどの方法によって、良品でないウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにしてもよい。このとき、薬液塗布装置401は必ずしも裏面洗浄ユニット405を備えていなくてよい。また、異物の数或いは大きさが所定の値より大きい場合に、ウェハー201の裏面に付着した異物の洗浄除去と裏面欠陥検査を繰り返し、所定回数繰り返しても測定された異物の数或いは大きさが所定の値以下とならなければ再度の裏面洗浄を行うことなくウェハー201をウェハーバッファに収容するなどしてもよく、要は裏面欠陥検査ユニット404において異物の数或いは大きさが所定の値より大きいことが測定されたウェハー201がEUV露光装置112に搬送されないようにすればよい。
【0025】
このように本実施形態においては、裏面欠陥検査ユニット404において測定されたウェハー201の裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下である場合にのみウェハー201を良品であると判定して、EUV露光装置112へのウェハー201の搬送を行う。これにより、ウェハー201の裏面への異物付着の欠陥を原因とするチャッキングエラー(吸着エラー)によるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。
【0026】
なお、図8に示した薬液塗布装置401の動作フローにおいては、裏面の異物欠陥の検査(ステップS203)の後に裏面洗浄(ステップS205)しているが、図9に示すように、ベーク後に裏面洗浄してから異物欠陥の検査をするようにしてもよい。即ち、薬液塗布ユニット402での薬液塗布(ステップS211)、プリベークユニット403でのベーク(ステップS212)、裏面洗浄ユニット405での裏面洗浄(ステップS213)を経てから、裏面欠陥検査ユニット404にて測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下か否かをシステム制御部414が判断する(ステップS214)ようにしてもよい。測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値より大きい場合(ステップS214:No)はステップS213に戻り、測定された異物の数或いは異物の大きさが所定の値以下の場合(ステップS214:Yes)はウェハー201をEUV露光装置112に搬送する(ステップS215)。また、薬液塗布装置401の外部の洗浄装置を用いてウェハー201を裏面洗浄してもよい。
【0027】
異物欠陥の検出方法としては、上述した光学的手段の他に電子ビーム(電子線)を用いて検出することも可能である。この場合は、電子ビームにより走査照射されたウェハー201の裏面から放出された2次電子の散乱強度の大小変化に基づいて裏面全面に付着した異物の数或いは異物の大きさを判定する。この判定結果に基づいてEUV露光装置112への搬送可否判断および裏面洗浄を実施することにより、上記同様にウェハー201の裏面への異物付着の欠陥を原因とするチャッキングエラーによるEUV露光装置112内でのウェハー割れを事前に防ぐことが可能となる。なお、異物欠陥の検出方法は以上に例示したものに限定されるものではない。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
101、401 薬液塗布装置、112 EUV露光装置、104 静電チャックユニット、105、405 裏面洗浄ユニット、404 裏面欠陥検査ユニット、201 ウェハー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、
静電チャックを備え、前記基板の裏面と前記静電チャックとの吸着度を測定することにより前記裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、
前記裏面を洗浄する洗浄ユニットと、
前記吸着度に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットが前記基板を良品として外部に搬出しないと判定した場合は、前記洗浄ユニットが前記裏面を洗浄する
ことを特徴とする薬液塗布装置。
【請求項2】
基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、
前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、
前記検査ユニットによる検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、
を備えたことを特徴とする薬液塗布装置。
【請求項3】
前記検査ユニットは静電チャックを備え、前記基板の裏面と前記静電チャックとの吸着度を測定し、
前記制御ユニットは前記吸着度に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬液塗布装置。
【請求項4】
前記検査ユニットは、光または電子線を射出して前記基板の裏面上を走査する走査手段と、前記裏面から反射された光または電子線を検出する検出手段と、を備え、
前記制御ユニットは前記検出手段の検出結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬液塗布装置。
【請求項5】
前記半導体基板の裏面を洗浄する洗浄ユニットをさらに備えた
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の薬液塗布装置。
【請求項1】
基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、
静電チャックを備え、前記基板の裏面と前記静電チャックとの吸着度を測定することにより前記裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、
前記裏面を洗浄する洗浄ユニットと、
前記吸着度に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットが前記基板を良品として外部に搬出しないと判定した場合は、前記洗浄ユニットが前記裏面を洗浄する
ことを特徴とする薬液塗布装置。
【請求項2】
基板の主表面上に薬液を塗布する薬液塗布ユニットと、
前記基板の裏面全体への異物の付着状態を検査する検査ユニットと、
前記検査ユニットによる検査結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する制御ユニットと、
を備えたことを特徴とする薬液塗布装置。
【請求項3】
前記検査ユニットは静電チャックを備え、前記基板の裏面と前記静電チャックとの吸着度を測定し、
前記制御ユニットは前記吸着度に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬液塗布装置。
【請求項4】
前記検査ユニットは、光または電子線を射出して前記基板の裏面上を走査する走査手段と、前記裏面から反射された光または電子線を検出する検出手段と、を備え、
前記制御ユニットは前記検出手段の検出結果に基づいて前記基板を良品として外部に搬出するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬液塗布装置。
【請求項5】
前記半導体基板の裏面を洗浄する洗浄ユニットをさらに備えた
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の薬液塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−65685(P2013−65685A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203250(P2011−203250)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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