説明

融雪パネル

【課題】軽量で経済性に優れた融雪パネルを提案する。
【解決手段】融雪パネルの素材としてアルミニウム合金製の中空押出形材1aを用い、中空押出形材1aの2枚の面版2a,2bを接続する複数の縦リブ3の端部を切り欠く。この切り欠きは、並んだ縦リブ3について一本置きに行い、且つ押出し方向の両端において互い違いになる態様で行う。次に、中空押出形材1aの押出し方向の両端に端部材6,6を中空押出形材1aの外面から溶接する。これによって複数の中空部5は、融雪用の温水や井戸水が流れる1本の流路となる。中空押出形材1a及びこれに繋げられる中空押出形材を用いて構成されるパネル本体には、その底面に、流路に通じる水の給水部と排水部とが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の軌道付近などに施設され、積もった雪を融かす融雪パネルに関する。なお、鉄道の軌道付近に設置されるものだけでなく、屋根上や道路、架橋にも利用でき、また、屋内の加温パネルとしても利用できる。
【背景技術】
【0002】
融雪パネルとは、その上面に積もった雪を融かすものであり、その熱源として水を用いることが多い。熱源である水からパネル表面への伝熱を効果的にすることが必要である。また、パネルには、雪それ自体や人間が乗ることにより荷重が作用することを考慮することが必要である。
【0003】
このような融雪パネルとして従来知られた例としては、特許文献1に記載の消雪用放熱パネルが挙げられる。特許文献1記載の消雪用放熱パネルでは、例えば、鉄製の薄板をプレス加工して凹部を作り、これに薄板を重ね、重なり部をシームレス溶接して流路を構成し、雪への伝熱面の管路面積を大きくしたパネル構造を備えている。
また、従来の融雪パネルを用いたパネル消雪システムとしては、例えば、非特許文献1が挙げられる。非特許文献1には、多数の温水パネルに温水を供給する送水ポンプ等のトータル施設、温水パネルへの具体配管及び線路内への温水パネルの取り付け状態を含んだパネル消雪システムの全体が示されている。
【特許文献1】特公平6−76681号公報
【非特許文献1】日本機会学会、第6回交通・物流部門大会(TRANNSLOG‘97)、講演論文集、1997/7、563〜566「パネル消雪システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の消雪用放熱パネルでは、シームレスに溶接するために溶接線が長く、製作に時間を要することが懸念される。
【0005】
そこで、中空部を持つ形材を利用して流路を形成する融雪パネルを構成することができれば、流路の形成のために薄板を長い溶接線に沿って溶接する必要がなくなり、融雪パネルの製作が簡単化し、製作時間の短縮化が図れる。本発明の目的は、製作が簡単で製造に要する時間を短くし、製造コストを低減することができる融雪パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、二枚の実質的に平行な面板及び前記二枚の面板を接続する縦リブを有し、前記二枚の面板と前記縦リブとによって複数の中空部が形成されている中空押出形材と、前記中空押出形材の押出し方向の両端部に接合され、前記複数の中空部の端面を塞ぐ複数の端部材とを備えており、少なくとも一方の前記端部材によって前記中空押出形材の複数の前記中空部を連通する流路を構成していること、を特徴とする融雪パネルにより、達成できる。
【0007】
具体的には、二枚の実質的に平行な平板と、該二枚の平板を接続する縦リブとからなるアルミニウム合金製中空押出形材と、該中空押出形材の押出し方向の端部に溶接で固定した端部材とを備え、該端部材は、前記縦リブに当接する区画壁を有し、該区画壁は前記縦リブの併設方向に対して一本置きにあること、を特徴とする融雪パネルであって、前記縦リブと前記平板で構成される中空部内への熱媒の分配あるいは方向転換を行わせることにより、達成できる。
【0008】
また、二枚の実質的に平行な面板及び前記二枚の面板を接続する縦リブを有し、前記二枚の面板と前記縦リブとによって複数の中空部が形成されている中空押出形材であって、前記中空押出形材の前記縦リブの押出し方向端部をその押出し方向端面よりも深く切り欠いて切り欠き部が形成されており、前記切り欠き部は前記縦リブの押出し方向の一端に形成されており、前記中空押出形材の押出し方向両端にそれぞれ端部材を接合しており、前記切り欠き部を設けた側の前記端部材によって複数の前記中空部を連通する流路を構成しており、かつ、反対側の前記端部材によって複数の前記中空部を塞いでいること、を特徴とする融雪パネルによって、達成できる。
【0009】
本発明の他の具体例としては、それぞれ互いに平行な複数の中空部を押出し方向の全長に沿って有する中空押出形材からなる板状のパネル本体と、前記パネル本体において前記中空押出形材の押出し方向の両端に接合される一対のヘッダーと、を備え、前記一対のヘッダーは、前記パネル本体を構成する前記押出し形材の押出し方向の両端面を受け入れ、前記両端面に開口する複数の前記中空部を区分けする複数の前記縦リブのうち、何れかの前記縦リブに接触する複数の区画壁を有しており、前記パネル本体の前記複数の中空部は、前記ヘッダーの前記区画壁によって区画された凹部を通じて連通する流路を構成していること、を特徴とする融雪パネルによって、達成できる。
【発明の効果】
【0010】
中空押出形材それ自体は、複数の中空部が並列に形成されているが、それぞれの中空部が連結されていないので、そのままでは熱交換器用として利用することはできない。しかし、本発明による融雪パネルは、中空押出形材の端部に隣接する中空部と連接する端部材を溶接するか、又は中空押出形材の押出し方向の端部の縦リブを切り欠くとともに中空押出形材の端部に端部材を溶接して一本の流路を構成しているので、これによれば流路に沿ったシームレス溶接は不要となり、安価にできる。
【0011】
また、本発明による融雪パネルにおいては、1つの中空押出形材で、大きさが不足する場合には複数の押出し形材を並列に配置し、摩擦撹拌接合で接合することができる。複数の中空押出形材を並列に配置する場合は、上流の中空押出形材から、下流の中空押出形材に流路を構成するため、端部の縦リブも切削して除く。摩擦撹拌接合は鉄道車両の構体の製造に適用されており、高い強度と精度を有する。摩擦攪拌接合の代わりに凹凸嵌合を用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による融雪パネルの複数の実施例について、図面に基づき説明する。
図1は、鉄道の軌道付近に設置される本発明による融雪パネルの一実施例を示す断面図である。図1に示す融雪パネル(熱交換パネル)10において、1a,1b,1cはアルミニウム合金製中空押出形材(以下、単に「中空押出形材」と言う。)であり、中空押出形材1a,1b,1cは、それぞれ、二枚の実質的に平行な面板2a,2bと、これら二枚の面板2a,2bを接続する縦リブ3とから成り、ダブルスキン構造となっている。中空押出形材1a,1b,1cは面板2a,2bと縦リブ3によって複数の中空部5を形成しており、これらの中空部5は中空押し形材1a,1b,1cの押出し方向に実質的に平行に伸びている。なお、中空押出形材1a,1b,1cの材質としては、例えば、6N01−T5のアルミニウム合金が挙げられる。
【0013】
1つの融雪パネル10は、両側の2つの中空押出形材1a,1cの間に中空押出形材1bを配置して接合し、1つのパネルとして形成されている。これらの接合は、各中空押出形材1a,1b,1cの縦リブ3b同士を突き合わせ、突き合わせ部9を上下の外方から摩擦撹拌接合によって接合している。縦リブ3bは、中空押出形材1aと中空押出形材1b及び中空押出形材1bと中空押出形材1cとの突き合わせ部9となる端面に一体に形成されている。
【0014】
融雪パネル10の押出し方向(図1の紙面に垂直方向)に対して直角方向の両端の2つの中空押出形材1a,1cの下面には、融雪パネル10設置用の取付脚11,11が一体に押出し成形されている。取付脚11の押出し方向は、中空押出形材1a,1cの押出し方向に同一である。取付脚11は、スペーサ12を介して設置台13に載置されている。
【0015】
中空押出形材1a,1cの面板2bに孔をあけ、水(又は温水)の入口管21及び出口管22を溶接する。入口管21は、中空押出形材1aの下面に接続される。出口管22は、中空押出形材1cの下面に接続される。入口管21と出口管22の下方には、それぞれ給水パイプ23と排水パイプ24とが連結されている。入口管21と給水パイプ23とはフランジ接合されている。出口管22と排水パイプ24とはフランジ接合されている。
【0016】
図2は、図1に示す融雪パネルに用いられる中空押出形材における水の流れを説明する上面斜視図である。図2において、4は縦リブ3の押出し方向端部を、その端面よりも深く切り欠いた切り欠き部である。切り欠き部4は、中空押出形材1a,1b,1cにおいて5〜6列の縦リブ3の端部に、1列置きに形成されている。縦リブ3の反対側端部も同様に、切り欠き部4が1列置きに形成されている。これら切り欠き部4は、各中空押出形材1a,1b,1cの両端においてそれぞれ千鳥状に配置されている。
【0017】
中空押出形材1aの押出し方向端部には、その端面を塞ぐ端部材6が設置される。切り欠き部4を設けた後、中空押出形材1aの端面に端部材6を溶接する。端部材6は、面板2a,2b及び中空押出形材1aの幅方向の端部の縦リブ3に外方から溶接される。これによって、中空押出形材1aの複数の中空部5によって、一本の連続した流路が形成される。
【0018】
上記では、縦リブ3のみを切り欠く構成について説明したが、中空押出形材1a,1bからそれぞれ隣接する中空押出形材1b,1cに流路を形成するため、隣接する中空押出形材同士の接合部の縦リブ3b,3b(図1)も切り欠いている。また、端部材6は、中空押出形材1a,1b,1cの押出し方向に対して直角方向の長さ寸法、即ち幅寸法に一致した長さ寸法に形成されており、中空押出形材1a,1b,1cの各端面を連続して塞いでいる。
【0019】
中空押出形材1a,1cの押出し方向に対して直角方向の端部には、下方に向けた突出片15,15が設けられている。突出片15,15は、中空押出形材1a,1b,1cの下面に雪や融雪した水が入らないようにするため、また、給水パイプ23や排水パイプ24に障害物が当たらないようにするための覆いである。
【0020】
上記のように構成された融雪パネル10によれば、3つの中空押出形材1a,1b,1cには入口管21から入った水(又は温水)が中空押出形材1aの流路を流れた後、隣接する中空押出形材1bに流れ、そして更に隣接する中空押出形材1cに入り、出口管22から出る。
【0021】
図3は、図1及び図2に示す融雪パネルを軌道付近上に施設したときの平面図である。融雪パネル10は幅約1m、長さ約3mで、非特許文献1に示された従来の融雪パネルと同程度の大きさとしており、ポンプ設備を含めたトータル施設は非特許文献1に示された施設と同じ考え方で構成される。融雪パネル10は、当該パネル10上にラッセルされた雪との間で熱交換し、消雪させる。
【0022】
本実施例によれば、流路の大部分を中空押出形材1a,1b,1cそのもので構成できるので、必要な溶接は押出し方向端部の端部材6の中空押出形材1a,1b,1cとの接合部、及び中空押出形材1a,1b,1c同士の連結部であり、溝付薄板と帯薄板とを溶接する従来のパネルに比べて溶接線の長さを約1/6とすることができる。これに伴って、加工時間も低減でき、加工費を低減することができる。また、中空押出形材1a,1b,1cはアルミニウム合金で構成されているので、軽量化が可能であり、従来の鉄製パネルと比較すると約60%の重量で構成可能である。これに伴って、融雪パネルの製作時や施設時の輸送及び荷役に掛かる時間労力が大幅に軽減され、トータルコストの低減に寄与する。
【0023】
上記実施例では、1つの融雪パネルの長さが約3mであったが、幅方向に二つの流路を設け、その長さを約2倍にすることにより、上記実施例と同様の仕様(流量・圧力損失等)を保って、長尺パネルを構成することができる。図4に長尺パネルの適用例を示す。融雪パネル14は、その長さが図1〜図3に示す実施例の約2倍の長さに構成されている。融雪パネル14は、一点鎖線で示すパネル中央で幅方向に流路が閉鎖されており、上記の幅方向の二つの流路が構成されている。これら二つの流路のそれぞれに入口部21a及び出口部22aを設けているので、それぞれの流路長は上記の図1〜図3に示す実施例の流路長とほぼ同一となるので同じパネル断面で長尺パネルが構成できる。
【0024】
図5及び図6はそれぞれ本発明による別の実施例としての長尺な融雪パネルの説明図である。図5に示すように、融雪パネル14と同様の長さを有する融雪パネル15において、その幅方向両側に二つの入口部21a,21aを設置し、幅方向内側に二つの出口部22a,22aを設置した構造とすることもできる。融雪パネル15において、一点鎖線が幅方向の二つの流路の区切りを示している。また、図6に示すように、融雪パネル16の幅方向に二つの流路を設け、一つの流路の長手方向(中空押出形材の押出し方向)の一端に、入口部21a、出口部22aを、他端に入口21a、出口22aを設けてもよい。一点鎖線が2つの流路の区切りを示している。
【0025】
図4〜図6にそれぞれ示した融雪パネル14,15,16では、約6mの長さのパネルを二分割して使用しているが、入口部・出口部の配管系を大きくして図3に示したパネル10と同様に、入口部・出口部を各一つ設けることも可能である。この場合、流路内を流れる流速は早くなるので、流路抵抗は増加するが、配管類が従来の半分で済むという特徴を有している。
【0026】
縦リブ3,3bは、図1に示すように面板2a,2bに直交しているが、縦リブ3は中空押出形材の押出し方向から見てトラス状配置であってもよい。この場合には強度が増すので中空押し形材自体の薄肉化が可能である反面、流路をなす中空部は雪に接する面積が一つ置きに異なることになるので、雪に接する面積が広い中空部のみに水を流すことが望ましい。また、雪に接する面積の小さい中空部には蓋をするのが望ましい。
【0027】
図7には、本発明による融雪パネルの別の実施例が端部の水平断面図として示されている。図1〜図6に示した実施例の融雪パネル10,14,15,16では縦リブ3の押出し方向端部を切り欠いて切り欠き部4を構成しているが、図7に示す融雪パネル17は中空押出形材の縦リブに切り欠き部を設けることなく構成されている。端部材6bは、その内側で中空押出形材に接合される端面側へ向かって伸びた区画壁7を備えている。区画壁7は端部材6bと一体に形成されており、端部材6bはアルミニウム合金鋳物である。6cは溶接位置を示す。区画壁7の先端と縦リブ3の先端とは突き合わせられている。区画壁7は縦リブ3に対して一本置きに配置されている。中空部5から端部材6bに向かう流れは、端部材6bにおいては区画壁7によって案内されて隣の中空部5に折り返して連通している。図2に示すのと同様の流路が形成されるように、図7に図示されない他方の端部材では、図示されている端部材6bとは区画壁が互い違いに設けられている。縦リブ3と区画壁7との間に隙間が生じて水が漏れることがあっても、流路中の水漏れであり、融雪パネル17の性能に悪影響を及ぼすことにはならない。また、区画壁7を縦リブ3の側面に重ねることもできる。
【0028】
図8は、本発明による融雪パネルの一形態をその表面側からの視角で示した斜視図であり、一部を断面で示している。図9は図8に示す融雪パネルを裏面側からの視角で示し且つ一部を断面とした斜視図である。図8,図9に示す融雪パネル18は、全体が偏平な板状を呈するパネル本体Pと、パネル本体Pの長手方向の両端に対称に接合された端部材としての一対のヘッダーH1,H2とを備えている。パネル本体Pは、アルミニウム合金製であり、断面が偏平な板状である複数の中空押出形材1a,1b,1cを、それらの押出し方向に沿った側面同士が凹凸嵌合する嵌合部Kによって互いに連結されている。尚、中空押出形材1a,1b,1cは、パネル本体Pを形成する単位パネルであって、それぞれ長さが約2〜3m、幅が約20〜35cm、厚みが約2〜5cmのサイズである。
【0029】
ヘッダーH1,H2の内側には、後述する複数の区画壁35によって区切られた複数の凹部が位置し、それらのうち一端の凹部の底面には、給水口55(図16)又は排水口56(図17)が形成され、給水口55及び排水口56に給水管55a又は排水管56aが接続されている。更に、面板33(図8)と面板34(図9)は、融雪パネル18、パネル本体P、及び押出形材1a,1b,1cに共通して用いるものとする。
【0030】
図8でパネル本体Pの右側に位置し、図9で左側に位置する中空押出形材1aは、図10に示すように、面板33,34を有する断面ほぼ板状で且つ複数の四角い中空部5及び複数の縦リブ3を平行に有し、一端にほぼ半円形の曲面(側面)rを、他端に上下一対の先太片9a,9a、縦リブ3a、及びこれらに挟まれた底広凹溝9bを、図示の奥行き方向(押出し形材の押出し方向)の全長に沿って有している。曲面rの中心付近には、後述するヒンジピンを挿入するための挿入孔hが貫通して形成され、曲面rには挿入孔hよりも中空部5側に達する深さの切り欠きkが複数(二箇所)形成されている。
【0031】
また、図8及び図9でパネル本体Pの中央に位置する中空押出形材1bは、図11に示すように、面板33,34を有する断面ほぼ板状で且つ複数の中空部5及び複数の縦リブ3を平行に有し、一端に首部9cを介して断面がほぼ台形の先広凸条9dを突設し、他端には、図10に示した中空押出形材1aの場合と同様の先太片9a,9a、縦リブ3a、及びこれらに囲まれた底広凹溝9bを、図示の奥行き方向(押出し形材の押出し方向)の全長に沿って有している。
【0032】
更に、図8でパネル本体Pの左側に位置し、図9で右側に位置する中空押出形材1cも、面板33,34を有する断面ほぼ板状で且つ複数の中空部5及び複数の縦リブ3を平行に有し、一端には図11に示した中空押出形材1bの場合と同様の先広凸条9dが突設され、他端には、平坦な縦リブ3cを有している。尚、中空押出形材1a,1b,1cの面板33には、複数の凸条sがほぼ等間隔で且つ互いに平行にして突設されている。
【0033】
中空押出形材1a,1b,1cは、図12で例示するように、中空押出形材1b(1c)の押出し方向に沿った側面に位置する先広凸条9d及び首部9cを、隣接する中空押出形材1a(1b)の底広凹溝9b内に押出し方向に沿って挿入することで、凹凸嵌合した嵌合部Kを介して互いに連結され、図8及び図9に示すようなパネル本体Pを形成する。
尚、嵌合部Kは、中空押出形材1a,1b,1cの押出し方向(長手方向)の全長に沿って形成される。また、押出し方向と直交する幅方向の両端に位置する中空押出形材1a,1cの間に嵌合される中空押出形材1bは、その設置数を2個以上とし且つ互いに凹凸嵌合させて、パネル本体Pを形成するようにしても良い。あるいは、中空押出形材1a,1cのみによって、パネル本体Pを形成しても良い。
【0034】
更に、図13で例示するように、凹凸嵌合された中空押出形材1a,1b,1cは、押出し方向と直交する方向の両端面に位置する嵌合部Kから、隣接する中空押出形材1a,1b,1cの面板33及び面板34における嵌合部Kの目地の両端部にかけて、溶接(MIG又はTIG)或いは摩擦攪拌接合(FSW)が連続して施され、係る軌跡に倣った両端部付近の接合部wを介して、互いに接合(溶着)されている。尚、図13中で示すように、中空押出形材1a,1b,1cの面板33に突設された複数の前記凸条sは、ローレット加工などによって、ほぼ等間隔の滑り止め用の凹凸sに成形されている。
【0035】
図14はヘッダーの素材である押出形材の斜視図であり、図15は図14中のX−X線の矢視に沿った断面図である。図16は製作された一方のヘッダーを示す斜視図であり、図17は製作された他方のヘッダーを示す斜視図である。ヘッダーH1,H2を製作するための素材となる押出し形材Hは、中空押出形材1a,1b,1c等と同様にアルミニウム合金から成り、図14に斜視図として示されるように、断面ほぼ長方形の本体41、一方の側面から水平方向に平行に突出する上下一対のフランジ42,42、これらに挟まれた底面43、及び他方の背面(側面)44を、押出し方向の全長に沿って有している。
【0036】
押出し形材Hは、底面43に対して、エンドミルなどによる切削加工が施される。その結果、図15中の破線、及び図16、図17に示すように、上下一対のフランジ42,42間に、複数の幅広の凹部46a、一端に位置する幅狭の凹部46b、これらの間を区画する複数の区画壁35、及び両端に位置する端壁47を含む全体がほぼ細長い箱形部uを有するヘッダーH1,H2が製作される。
【0037】
幅広の凹部46aの幅は、幅狭の凹部46bの幅の約二倍である。また、ヘッダーH1,H2に設けられる複数の区画壁35は、後述するように、パネル本体Pの幅方向においてずれている。更に、幅狭の凹部46bの底面には、排水管56a或いは給水管55aに連通する排水口56又は給水口55が開口している。尚、ヘッダーH1,H2は、アルミニウム合金板を曲げ加工し、区画壁35などを溶接付けするなどの溶接組立品として製作することも可能である。
【0038】
図18は、パネル本体Pの両端にヘッダーH1,H2を接合する直前の状態を示す斜視図である。尚、図18中において、パネル本体Pの端面には、理解を容易にするため、嵌合部Kを露出させている。図18中の白抜きの矢印で示すように、中空押出形材1a,1b,1cを凹凸嵌合し且つ両端付近を接合(w)して形成されたパネル本体Pにおける中空押出形材1a,1b,1cの押出し方向の両端面がヘッダーH1,H2のフランジ42,42間に受け入れられるように、ヘッダーH1,H2をパネル本体Pに接近させる。この際、中空押出形材1a,1b,1cの各中空部5はヘッダーH1,H2の何れかの凹部46a,凹部46bに連通すると共に、中空押出形材1a,1b,1cの何れかの縦リブ3はヘッダーH1,H2における何れかの区画壁35に接触する。この状態で、パネル本体Pの面板33、面板34、側面である縦リブ3cと、ヘッダーH1,H2のフランジ42及び端壁47とに沿って、溶接又は摩擦攪拌接合(w)が施される。尚、パネル本体Pにおける押出形材1aの曲面rの両端には、ヒンジピンの挿入孔hが露出する切り欠きkが形成され、切り欠きkとヘッダーH1,H2の隣接する端壁47とが接合(w)される。
【0039】
その結果、斜視図である図19に示すように、パネル本体Pの両端にヘッダーH1,H2が接合部wを介して接合された本形態の融雪パネル18が得られる。尚、パネル本体Pにおける中空押出形材1aの曲面rは、ヘッダーH1,H2の各端壁47よりも外側に突出している。因みに、融雪パネル18のサイズは、中空押出形材1a,1b,1cの押出し方向である長手方向が約2〜3m、幅が約0.6〜1mである。
【0040】
図20は、融雪パネル18の水平断面図である。尚、中空押出形材1aの挿入孔hにはヒンジピンpが挿通され、係るピンpは切り欠きk内で露出している。
図20に示すように、パネル本体Pの中空押出形材1a,1b,1c毎における9個の中空部5は、隣接するヘッダーH1,H2の区画壁35(図18)によって、6個と3個とに分割されている。このような分割となるように、中空押出形材1a,1b,1cにおける何れかの縦リブ3は、ヘッダーH1,H2における何れかの区画壁35に接触する。
【0041】
このように構成された融雪パネル18によれば、図20中で左下の給水口55から右上の排水口56に向かって、隣接する3個の中空部5がほぼ平行な流路となり、且つヘッダーH1,H2の各凹部46a内でほぼUターンするように、図20中の矢印で示す細長いジグザグ状の流水路が形成される。その結果、給水管55a(図18)から供給される温水や井戸水などを、一定の流量で融雪パネル18内に供給することが可能となる。しかも、パネル本体Pの両端面に位置する嵌合部K付近には接合部wが形成されているため、嵌合部Kの両端からの漏水を防ぐことができる。
【0042】
以上のように、融雪パネル18は、少ない構成部材で且つ容易に組み立てられるため、安価に製作することが可能となる。しかも、全体が軽量なアルミニウム合金からなるため、設置はもとよりメンテナンスも容易に行うことができる。
尚、パネル本体Pの中空押出形材1a,1b,1cに設ける中空部5は、3の整数倍(3,6,9,12,15など)の数とすることで、隣接するヘッダーH1,H2の区画壁35によって、2:1の比で分割することができる。また、給水口55及び排水口56は、互いに相対的であり、給水管55a及び排水管56aを含めて逆にすることで、図20中の矢印と逆の流水路を形成することもできる。
【0043】
図21〜図24は、融雪パネル18の使用状態を示す概略図である。
図21に示すように、対面通行する2車線の道路R両側の路肩には、縁石を介して歩道dと側溝mとが対称に設けられている。側溝mの開口部に沿って、複数の融雪パネル18が後述するヒンジを介して開閉可能に取付けられる。側溝m内には、各融雪パネル18に温水や井戸水などを供給するため、パイプ51,52が配設され、これらは図示しないホースを介して各融雪パネル18の給水管55a又は排水管56a(図18等)に接続されている。尚、複数の融雪パネル18は、互いに間隔を置いて側溝mの開口部に取付けられる。また、個々の融雪パネル18のパネル本体Pは、図21に示すように、開閉可能に取付けられた側溝mの側壁m1,m2(例えば、図26参照)に対向して形成された水平な受け面f,fに支持される。
【0044】
降雪地帯、とりわけ豪雪地帯と称される地方では、図21に示すように、道路R、その両側の歩道d、及び側溝mの上に、例えば、一晩で約80cm〜1m以上の高さで雪Sが堆積する。雪Sを除雪するため、図22に示すように、前部に鋤形の雪かきqを取付けた除雪車Jが道路R上を走行しつつ、堆積した雪Sを当該道路Rの両側に除雪する作業が行われる。
その結果、図23に示すように、道路R上の雪Sは除雪されるが、除雪車Jによって除雪された雪Sが両側の歩道dや側溝mの上に新たに堆積する。このため、歩行者が歩道dを歩けなくなり、除雪された道路R上を歩くことで、歩行の危険性が高まる。同時に、側溝mの上も堆積した雪Sに覆われるため、各種の排水が流入しにくくなる。
【0045】
図23に示すような状態で、一方のパイプ51から温水又は井戸水を、給水管55a及び給水口55から融雪パネル18に供給する。供給された温水又は井戸水は、融雪パネル18内において、複数の中空部5と凹部46aとからなるジグザグ状の流水路に流動させた後、排水口56及び排水管56aから他方のパイプ52に排出する。温水等の供給・循環を連続して行うことで、融雪パネル18上に堆積した雪Sは、温水等と熱交換されて徐々に融解して水となり、融雪パネル18,18の間から側溝m内に順次排水される。
【0046】
その結果、図24に示すように、道路R両側の歩道dや側溝mの上に堆積していた雪Sが、比較的短時間で除去される。従って、歩行者が歩道dを安全に歩けると共に、各種の排水も側溝m内に排水できる状態に復帰することができる。
尚、場所によっては道路Rと左右の各歩道dとの間にそれぞれ側溝mが位置しており、このように配置された側溝mに融雪パネル18を取り付けても良い。
【0047】
更に、融雪パネル18は、鉄道線路の両側にコンクリートからなる矩形枠状の支持体の開口部に沿って、開閉可能に取付けることもできる。これによって、線路上に堆積した雪をラッセル車が当該線路の両側に除雪した雪を、比較的短時間に融解して除去できる。その結果、メンテナンスを行う作業者が融雪パネル18の上を歩いて、線路などの点検作業を降雪後で容易に行うことが可能となる。
【0048】
図25は、融雪パネル18の応用形態である融雪パネル19、及びその取付け状態を示す垂直断面図である。
図25に示す融雪パネル19は、融雪パネル18の場合と同様に、中空部5及び縦リブ3を有する中空押出形材60a,1b,60cを嵌合部Kで凹凸嵌合したパネル本体Pと、図示の前後両端に接合(w)したヘッダーH1,H2と、を備えている。中空押出形材60a,60cは、中空押出形材1a,1cの面板34に断面ほぼL字形の凸部64を対称に突設したものである。尚、凸部64は、中空押出形材1bの面板34に対しても、更に突設する、或いは単独で突設させても良い。
また、図25に示すように、中空押出形材60aの切り欠きk内には、側溝mの側壁m1に板部63が固定されたヒンジ62が進入し、挿入孔h(図8〜図10、図18参照)と同心の貫通孔(図示せず)にヒンジピンpを挿通することで、融雪パネル19を側溝mの側壁m1,m2の開口部に開閉可能に取り付けている。尚、融雪パネル19のパネル本体Pにおける中空押出形材60cは、側壁m2に設けた受け面fに支持される。
【0049】
図26は、融雪パネル19の使用形態を示す垂直断面図である。
図26に示すように、中空押出形材60a,60cの面板34に突設され、互いに対向する一対の凸部64,64の水平片同士の間に、断面ほぼコ字形あるいはほぼI形の補強材65が、パネル本体Pの幅方向に沿って固定されている。補強材65は、アルミニウム合金の押出し形材又はステンレス鋼の型鋼からなり、上フランジ66、下フランジ67、及び垂直なウェブ68を有する。中空押出形材60a,1b,60cの各凸部64の水平片と下フランジ67とを、皿ボルトb・ナットnで締結することで、補強材65は、図示のように固定される。補強材65を固定した各凸部64の水平片は、融雪パネル19を閉じた際に、側溝mの側壁m1,m2の水平な受け面fに接触するため、融雪パネル19における幅方向の支持強度も高められる。
【0050】
図27は、パネル本体Pにおける中空押出形材1bの面板34側にも凸部64を突設した融雪パネル36、及びその取付け状態を示す垂直断面図である。
図27に示すように、側溝mの側壁m1,m2における開口部付近の水平な受け面f,f間に、図25に示す融雪パネル19の場合と同様の補強材65がアンカーボルトb及びナットnによって、水平に架設されている。図25に図示と同様のヒンジ62を介して、側溝mの開口部付近に開閉可能に取付けられた融雪パネル36は、水平姿勢となるように閉じた際に、複数の凸部64が補強材65の上フランジ66の上に接触するため、融雪パネル36の支持強度を一層高められる。
【0051】
以上のような融雪パネル19,36や更に補強材65を用いた形態によれば、融雪パネル18の機能(効果)に加えて、歩行者や作業員等が融雪パネル19,36の上を歩行しても、複数の凸部64、或いは凸部64及び補強材65によって、過度の撓みや変形を阻止することが可能となる。
【0052】
図28は、融雪パネル18の異なる応用形態である融雪パネル37の取付け状態を示す垂直断面図である。
図28に示す融雪パネル37は、融雪パネル18の場合と同様に、中空部5及び縦リブ3を有する中空押出形材70a,70b,70cを嵌合部Kで凹凸嵌合したパネル本体Pと、図示の前後両端に接合(w)したヘッダーH1,H2と、を備えている。中空押出形材70a,70b,70cは、中空押出形材1a,1b,1cの面板34に対し、互いに隣接し且つ対称な一対ずつの垂直片74及び水平片76からなる凸部71を一体に突設したものであり、凸部71の内側には下向きに開口する底広凹溝72が形成されている。
【0053】
図29は、融雪パネル37の使用形態を示す垂直断面図である。
図29に示すように、中空押出形材70a,70b,70cの面板34に突設された複数の凸部71,71の下方に、断面ほぼコ字形あるいはほぼI形の補強材65が、パネル本体Pの幅方向に沿って固定されている。即ち、各凸部71内の底広凹溝72内にし、ボルトbのボルト頭を挿入し、ボルトbの雄ネジ部をパネル本体Pの幅方向に沿った補強材65の上フランジ66に設けた貫通孔(図示せず)に貫通させ、当該雄ネジ部にナットnを締結することで、補強材65が図示のように固定される。図29に示すように、固定された補強材65の下フランジ67は、融雪パネル37を閉じた際に、側溝mの側壁m1,m2の水平な受け面f,fに接触するため、融雪パネル37における幅方向の支持強度も高められる。
【0054】
図30は、融雪パネル37の異なる使用形態を示す垂直断面図である。
図30に示すように、側溝mの側壁m1,m2内における受け面f,f間には、図29に示すのと同様の補強材65がアンカーボルトb及びナットnによって水平に架設されている。図29に示すのと同様にヒンジ62を介して、側溝mの開口部付近に開閉可能に取付けられた融雪パネル37は、水平姿勢となるように閉じた際に、複数の凸部71が補強材65の上フランジ66の上に接触するため、係る融雪パネル37における幅方向の支持強度も一層高められる。
【0055】
以上のような融雪パネル37や更に補強材65を用いた形態によれば、融雪パネル18の機能(効果)に加えて、歩行者や作業員などが融雪パネル37の上を歩行しても、複数の凸部71、或いは凸部71及び補強材65によって、過度の撓みや変形を一層確実に阻止することが可能となる。
【0056】
上記の各実施例の特徴点を整理すると、各融雪パネルは、二枚の実質的に平行な面板と前記二枚の面板を接続する縦リブとからなり、複数の中空部を有する中空押出形材と、前記中空押出形材の押出し方向の両端部に接合され、前記複数の中空部の端面を塞ぐ複数の端部材とを備えており、少なくとも一方の前記端部材によって前記中空押出形材の複数の中空部を連通する流路を構成していることとなる。即ち、前記特徴点に記載された中空押出形材は、複数の中空部を有しているが、前記複数の中空部としては、二枚の面板の間に縦リブで区切られた少なくとも二箇所の中空部が形成されていればよい。そして、中空押出形材の少なくとも二箇所の中空部の押出し方向の両端部をそれぞれ端部材で塞ぐ構造となっていればよい。前記少なくとも二箇所の中空部の両端部を塞ぐ端部材のうちの少なくとも一方の端部材が、前記二箇所の中空部の一端側を連通する流路を構成していればよい。この流路を構成する端部材は、それ自体が前記流路を構成してもよいし、または、前記縦リブの端部に形成した切り欠き部と端部材によって前記流路を構成してもよい。中空押し形材に前記中空部を二箇所以上形成し、かつ、異なる形態の前記端部材を種々組合せて前記中空押出形材に接合した構造が上記各実施例である。
【0057】
本発明は、前述した各形態に限定されるものではない。
例えば、融雪パネル18,19,37を歩道橋における歩道の両側に配置する、或いは建物の壁面や屋根に斜め姿勢で取り付けることも可能である。
また、パネル本体は、幅方向の両端に中空押出形材1cと側面に縦リブ3c及び底広凹溝9bを有する中空押出形材とを用い、これらの間に単数又は複数の中空押出形材1bを凹凸嵌合した形態としても良い。
更に、中空押出形材1cの縦リブ3cの上端には、融雪パネル18などの開閉時に手で掴み易くするための取手を一体に突設しても良い。
【0058】
図31は本発明の他の実施例である融雪パネル38の断面図である。融雪パネル38は、端部材86の内側に区画壁87を有している。区画壁87と端部材86とは、一体に製作されたアルミニウム合金鋳物である。89は、パネル本体と端部材86との溶接位置を示す。区画壁87と縦リブ3の先端とは突き合わせられている。区画壁87には中空部5に対応した小孔が設けられており、分配チャンバー88を構成している。90、91は端部材86に設けられた水の入口部、出口部である。
このように、分配チャンバー88を使って数多くの中空部に水を分配・集合させることにより、直路のみの融雪パネルを構成することができるので、より簡素で安価な融雪パネルを提供できるという効果を有している。
【0059】
以上、融雪パネルを鉄道の軌道付近のラッセル雪の消雪に用いた場合について述べてきたが、本発明による融雪パネルはこの分野に限られるものではなく、一般住宅や体育館、ドームといった居住設備の屋根の融雪パネルとしても有効である。特に屋根の強度部材としてアルミニウム合金製の中空押出形材を使ったダブルスキン構造を適用することにより、軽量・高強度で融雪が可能な居住設備を構築することができる。また、道路の融雪パネルとして適用することもできる。この場合も橋梁のように強度を必要な個所に設けて、軽量・高強度で融雪性能に優れた道路設備を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による融雪パネルの一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す融雪パネルをその左端の上面から見た斜視図である。
【図3】本発明による実施例である複数連結された融雪パネルの平面図である。
【図4】本発明による実施例である長尺な融雪パネルの説明図である。
【図5】本発明による別の実施例である長尺な融雪パネルの説明図である。
【図6】本発明による別の実施例である長尺な融雪パネルの説明図である。
【図7】本発明による別の実施例である融雪パネルの端部の水平断面図である。
【図8】本発明による一形態の融雪パネルを表面側から見た一部断面斜視図である。
【図9】図8に示す融雪パネルを裏面側から見た一部断面斜視図である。
【図10】図8に示す融雪パネルのパネル本体を構成する押出形材の断面図である。
【図11】図8に示す融雪パネルのパネル本体を構成する別の押出形材の断面図である。
【図12】図10及び図11に示す押出形材同士の嵌合部付近を示す断面図である。
【図13】図12に示す押出形材同士の嵌合部の端面付近を示す斜視概略図である。
【図14】図8に示す融雪パネルを構成するヘッダーの素材である押出形材の斜視図である。
【図15】図14中のX−X線の矢視に沿った断面図である。
【図16】図8に示す融雪パネルを構成する一方のヘッダーを示す斜視図である。
【図17】図8に示す融雪パネルを構成する他方のヘッダーを示す斜視図である。
【図18】図8に示す融雪パネルの組立て状態を示す斜視図である。
【図19】図18に示す組み立てられた融雪パネルの概略を示す斜視図である。
【図20】図19に示す融雪パネルの水平断面図である。
【図21】図8に示す融雪パネルの使用状態を示す概略図である。
【図22】図21に示す融雪パネルの使用状態における除雪作業を示す概略図である。
【図23】図22に続く上記融雪パネルの使用状態を示す概略図である。
【図24】図23に続く上記融雪パネルの使用状態を示す概略図である。
【図25】図8に示す融雪パネルの応用形態を示す垂直断面図である。
【図26】図25に示す応用形態の使用状態を示す垂直断面図である。
【図27】図25に示す応用形態の異なる使用状態を示す垂直断面図である。
【図28】図8に示す融雪パネルの異なる応用形態を示す垂直断面図である。
【図29】図28に示す応用形態の使用状態を示す垂直断面図である。
【図30】図28に示す応用形態の異なる使用状態を示す垂直断面図である。
【図31】本発明による融雪パネルの他の実施例の水平断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1a,1b,1c,60a,60c,70a,70c:中空押出形材
3,3b:縦リブ 4:切り欠き部
5:中空部 6:端部材
7,35:区画壁
10,14,15,16,17,18,19,36,37,38:融雪パネル
2a,33:面板 2b,34:面板
P:パネル本体 H1,H2:ヘッダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の実質的に平行な面板及び前記二枚の面板を接続する縦リブを有し、前記二枚の面板と前記縦リブとによって複数の中空部が形成されている中空押出形材と、前記中空押出形材の押出し方向の両端部に接合され、前記複数の中空部の端面を塞ぐ複数の端部材とを備えており、
少なくとも一方の前記端部材によって前記中空押出形材の複数の前記中空部を連通する流路を構成していること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項2】
二枚の実質的に平行な面板及び前記二枚の面板を接続する縦リブを有し、前記二枚の面板と前記縦リブとによって複数の中空部が形成されている中空押出形材であって、前記中空押出形材の前記縦リブの押出し方向端部をその押出し方向端面よりも深く切り欠いて切り欠き部が形成されており、前記切り欠き部は前記縦リブの押出し方向の一端に形成されており、
前記中空押出形材の押出し方向両端にそれぞれ端部材を接合しており、前記切り欠き部を設けた側の前記端部材によって複数の前記中空部を連通する流路を構成しており、かつ、反対側の前記端部材によって複数の前記中空部を塞いでいること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項3】
それぞれ互いに平行な複数の中空部を押出し方向の全長に沿って有する中空押出形材からなる板状のパネル本体と、
前記パネル本体において前記中空押出形材の押出し方向の両端に接合される一対の端部材と、を備え、
前記一対の端部材は、前記パネル本体を構成する前記押出し形材の押出し方向の両端面を受け入れ、前記両端面に開口する複数の前記中空部を区分けする複数の前記縦リブのうち、何れかの前記縦リブに接触する複数の区画壁を有しており、
前記パネル本体の前記複数の中空部は、前記端部材の前記区画壁によって区画された凹部を通じて連通する流路を構成していること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の融雪パネルにおいて、
前記中空押出形材の押出し方向に対して直角方向に一つ又は複数の中空押出形材を配置しており、複数の前記中空押出形材同士は前記面板同士を対向させた状態で摩擦攪拌接合又は凹凸嵌合にて接合されていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項5】
請求項4に記載の融雪パネルにおいて、
前記複数の中空押出形材を連結する前記凹凸嵌合は、隣接する一方の前記中空押出形材の側面に突設した先広凸条と、他方の前記中空押出形材の側面に開設した底広凹溝と、による嵌合であること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の融雪パネルにおいて、
前記凹凸嵌合によって連結された前記複数の中空押出形材における押出方向の両端面に位置する嵌合部には、溶接又は摩擦攪拌接合が施されていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項7】
請求項6に記載の融雪パネルにおいて、
前記嵌合部における前記溶接又は摩擦攪拌接合は、前記各中空押出形材の表面及び裏面の隣接部における押出方向の両端部に連続して施されていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか1項記載の融雪パネルにおいて、
前記融雪パネルを基礎の固定台に支持するための取付脚を前記中空押出形材の底面に一体に設けていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項記載の融雪パネルにおいて、
前記流路に接続される水の入口部、水の出口部を前記中空押出形材又は前記端部材の底面に設けていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1項記載の融雪パネルにおいて、
前記中空押出形材の押出し方向に対して直角方向の両端部の縦リブから、下方に向けて突出片を突出させていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか1項記載の融雪パネルにおいて、
前記パネル本体は複数の中空押出形材を並べて構成されており、前記中空押出形材のうち、押出し方向に直交する幅方向の一端に連結される前記中空押出形材の当該一端側の側面付近には、押出し方向に沿ったヒンジピン用の挿入孔が全長に沿って形成されており、上記一端側の側面から前記ヒンジピン用の挿入孔に達する複数の切り欠きが形成されていること、
を特徴とする融雪パネル。
【請求項12】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の融雪パネルにおいて、
前記中空押出形材の表面には、押出し方向に沿って形成された凸条を凹凸に加工した滑り止め用の凹凸が形成されていること、
を特徴とする融雪パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−59649(P2010−59649A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224957(P2008−224957)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(303059071)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (64)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】