説明

血管内ステントおよび組立体

冠動脈内ステント等の様々な血管内ステントは、改良された拡張ストラットおよび接続ストラットの設計を備える。そのようなステントは、血管管腔の内側に極めて高い可撓性を備え、かつ、血管表面を十分に被覆することが可能である。また、ステントのライフサイクルの搬送および配置段階に関して十分に設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して血管内ステントに関し、より詳細には冠動脈用ステントに関する。
【背景技術】
【0002】
ステント、グラフト、ステント−グラフト、大静脈フィルター、および以下にステントと総称される同様の植込み可能な医療器具は、径方向へ拡張可能な人工器官である。この人工器官は、通常、体腔内に経皮的に挿入された後に、経管的に植込まれ径方向へ拡張可能な血管内インプラントである。ステントは、血管系、尿管、胆管などの様々な体内管腔や体内管に植込むことができる。ステントは、体内管を補強し、血管系における血管形成術後の再狭窄を防止するために使用することができる。ステントには、自己拡張可能なタイプ、機械的に拡張可能なタイプ、または両方の拡張が可能なハイブリッドタイプがある。
【0003】
ステントは、体内管腔への挿入を目的とした、ほぼ管状をなす器具である。しかしながら、ステントは様々な寸法や形状を有する。バルーン拡張型ステントは、バルーン上に取り付けて、バルーンを配置かつ膨張させて、ステントを径方向外向きに拡張させる必要がある。自己拡張型ステントは、圧縮状態が解除されると、バルーンの援助を必要としないで所定の位置において拡張する。自己拡張型ステントは、搬送カテーテルから解放されると拡張するように付勢される。ステントには、自己拡張型およびバルーン拡張型の両方の特徴を示すハイブリッド型ステントとして位置づけられるものもある。
【0004】
ヒトの脈管構造の分岐特性により、狭窄が、様々な血管分岐部において形成されることはよくあることである。分岐部は、第1の(すなわち親)の血管が、2つまたはそれより多くの血管に分岐される脈管構造または体の他の部分のことである。分岐部において複数のステントを植込んで、そこに位置する狭窄を治療する必要がある場合もある。これに代えて、ステントは、分岐部のある枝管内に配置できるように、複数の部分や枝部を備えることも可能である。
【0005】
ステントは、ステンレス鋼、エルジロイ、ニッケル、チタン、ニチノール、形状記憶ポリマーなどの様々な材料から形成することができる。また、ステントの製造方法も多岐にわたる。例えば、ステントは、ステント材料からなる管またはシートに、エッチングまたは切断によりステントパターンを形成されてもよい。ステント材料からなるシートを所望のステントパターンをなすように切断またはエッチングし、そのシートを巻くか、その他の方法で、所望の管状ステント、分岐した管状ステント、または他の形状からなるステントを形成してもよい。あるいは、ステント材料からなる1本以上のワイヤまたはリボンを編み込むか、その他の方法で、所望の形状およびパターンを形成してもよい。
【0006】
通常、ステントは、いわゆる「最も非侵襲的な技術」を用いて、血管や他の体内管の狭窄や動脈瘤の生じた部位に植込まれる。この技術においては、ステントは径方向内向きに圧縮されており、患者の皮膚を介して、または当該血管が外科的な手段により、より露出されない「カットダウン」技術を用いて、目的部位までカテーテルにより搬送される。ステントが正しい位置に配置されるとカテーテルは回収され、ステントは血管において所定の径まで拡張させられる。
【0007】
広く普及している第2世代のステントは、2つのカテゴリーに分けられる。一方は、可撓性を有するステントであり、他方は、優れた血管保護性を有するステントである。可撓性を有するステントは、通常、血管保護性に乏しく、組織から離脱し易く、表面の調整が粗く、さらには再狭窄率が高い。他方においては、当技術分野の現状において優れた血管保護ステントは、優れた血管保護性を有するが、搬送を容易に行ったり処置を効率よく行えるほど可撓性を有していない。つまり、優れた可撓性と血管保護性を有する理想的なステントは、未だ実現されていない。
【0008】
ステント植込後の再狭窄をさらに低減させるために、レーザー、アテローム切除術、高周波数超音波、照射装置、局所薬剤搬送などを含む多数の方法が試みられている。近接照射療法(照射治療)は、ステント植込後の再狭窄を減少させる上で十分に有効であることが確認されているが、近接照射療法は、極めて扱いにくく、手間がかかり、費用もかかる。これは、主に放射性を有する装置および放射線療法であるため、別の分野の専門家が、心臓カテーテル検査室において介入的な処置を行う心臓内科医とかかわらなければならない。レーザーおよびアテローム切除術用の器具は、費用がかかるものの、この目的において十分とは言えないが有用であることが確認されている。これらの方法が、理論的または現実的にも再狭窄を防止できるとしても、優れた血管保護性および可撓性を有する理想的なステントであれば、さらに良好な結果をもたらすことができる。
【0009】
様々なステントが現在入手可能であるにもかかわらず、改善された可撓性と優れた血管保護性とのより最適化された組合せを提供するステントおよびステント設計が依然望まれている。
【0010】
本願において言及された全ての米国特許および特許出願ならびに他の刊行物は、その全体が本明細書において開示されたものとする。
本発明の範囲を限定することなく、請求される本発明の実施形態のうち幾つかの要約を以下に記載する。要約された実施形態のさらなる詳細および/又は本発明のさらなる実施形態については、「発明の詳細な説明」に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができるステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記に鑑みて、本発明は、様々な実施例に関する。少なくとも一実施例においては、可撓性と血管保護性のさらに最適化した組合せを提供するステントに関する。幾つかの実施例においては、ステントはバルーン拡張型である。実施例によっては、ステントは自己拡張型である。さらに、実施例によっては、ステントはハイブリッド拡張型である。
【0013】
ステントに関する異なる実施例には、ステントにおける最良の可撓性および適合性、最適な金属比率を有する確実な血管保護性、均一に拡張するステントストラット、優れた径方向強度および放射線不透過性、ならびにステントのライフサイクルにおける搬送段階および配置段階の平滑面化の組合せが含まれる。これらの目標を達成するために、詳細にわたる多くの技術革新が、ステントの拡張および接続ストラット設計に対して行われる。拡張ストラット設計は、主に径方向強度および放射線不透過性に関与し、接続ストラット設計は、主に可撓性および平滑面化に関与する。十分な血管保護性および均一なステントの収縮性は、主に拡張ストラットと接続ストラットとの間の相互作用により得られる。他の実施例においては、継ぎ目なく一体化されたステント網状構造において、高性能の拡張ストラットおよび可撓性を有する接合ストラットを使用して、これらの多様な品質におけるバランスを保つ。
【0014】
別の実施例においては、血管管腔の内側で極めて可撓性を有し、十分に血管表面を保護するように設計される。ステントは、特に冠状動脈に使用される場合は、血管保護性および可撓性の両方の特徴を有する。
【0015】
さらに別の実施例においては、ステントのライフサイクルにおける搬送段階および配置段階を十分考慮して設計される。可撓性および優れた血管保護性は、ステントの異なる実施例において適正なバランスをとる。ステントの異なる実施例は、ステントの拡張ストラットおよび接続ストラットの特定の形状を有する。
【0016】
幾つかの実施例においては、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、およびそれらの間において拡張する接続ストラットカラムを有する非拡張状態にあるステントを備える。幾つかの実施例においては、各拡張カラムは、複数対の拡張ストラットを形成する個々の拡張ストラットを備え、以下、1対のストラットをストラット対と呼ぶ。各第1の拡張ストラットの少なくとも一部は、段階状領域すなわちパターンを画定する。2つの隣接する第1の拡張ストラット対は、共通のストラットを有する。
【0017】
幾つかの実施例においては、接続ストラットカラムは、複数の非交差状の独立する第1の接続ストラットを備え、同第1の接続ストラットは互いに隣接する拡張カラムのみを連結する。各接続ストラットは基端部分および先端部分を有し、各接続ストラットの基端部分の少なくとも一部が、第1の拡張カラムの拡張ストラットの階段状領域の一部から延び、各接続ストラットの先端部分の少なくとも一部が、第2の拡張ストラットの階段状領域の一部から延びる。幾つかの実施例においては、各基端部分は長手軸線を有し、各先端部分は長手方軸線を有し、各基端部分の長手軸線の少なくとも1つと先端部分の長手軸線は、一方または両方のストラットカラムの各拡張ストラットの長手軸線の少なくとも1つと平行に延びている。
【0018】
少なくとも一実施例においては、一方または両方のカラムの各接続ストラットは、階段形状を有する。
少なくとも一実施例においては、拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、基端部において階段状セグメントを有し、先端部において階段状セグメントを有する。
【0019】
少なくとも一実施例においては、拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、直線状セグメントを有する。
少なくとも一実施例においては、1つまたは複数の接続ストラットの一部は、接続ストラットが接続する一方または両方の拡張ストラットの縁部から直線状に延びる縁部を有する。
【0020】
少なくとも一実施例においては、張力緩和ノッチが形成され、同ノッチにおいて接続ストラットの縁部が拡張ストラットの縁部と結合される。
少なくとも一実施例においては、1つまたは複数の接続ストラットカラムの1つまたは複数の接続ストラットの先端部分の長さは、同ストラットの基端部分よりも長い。
【0021】
少なくとも一実施例においては、各接続ストラットは、第1および第2の拡張カラムに対して同側で結合されている。
少なくとも一実施例においては、各接続ストラットは、第1および第2の拡張カラムに対して反対側に結合されている。
【0022】
少なくとも一実施例においては、各接続ストラットの基端部分の長手軸線は、同ストラットの先端部分の長手軸線と非平行な状態にある。
少なくとも一実施例においては、各接続ストラットは、基端部分および先端部分に連結された中間部分を含む。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分は、同ストラットの基端部分および/または先端部分よりも長い。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分の少なくとも一部は曲線形状をなす。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの基端部分および先端部分の少なくとも一部は曲線形状をなす。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分は、ステントの長手軸線と非平行な状態にある長手軸線を有する。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分は、ステントの長手軸線に対して斜めに位置決めされた長手軸線を有する。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分は、ステントの長手軸線に対し上下方向において斜状をなして延びる長手軸線を有する。幾つかの実施例においては、各接続ストラットの中間部分の少なくとも一部は、第1の拡張カラムの拡張ストラット対の基端側に近接する。
【0023】
少なくとも一実施例においては、各接続ストラットの基端部分の幅は、拡張ストラットの幅よりも少ない。
少なくとも一実施例においては、ステントは、複数の接続ストラットカラムにより連結される複数の拡張カラムを備える。
【0024】
少なくとも一実施例においては、ステントは分岐ステントである。
少なくとも一実施例においては、ステントの少なくとも一部は、少なくとも1種類の治療薬で被覆されている。
【0025】
本発明の特徴を示すこれらの実施形態および他の実施形態は、本明細書に添付され、本願の一部をなす請求の範囲において明確に記載される。しかしながら、本発明、ならびに本発明の効果および目的をよりよく理解するために、本願の一部を形成する図面と、例示され、説明される本発明の実施形態に関する説明事項を参照すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は多くの異なる態様にて実施可能であるが、本明細書においては特定の好ましい実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理を例示するものであり、本発明を例示された特定の実施形態に限定するものではない。
【0027】
本願においては、特に明示されない限り、各図面における同様の符号は同様の特徴を示すものである。
幾つかの実施例において、ステントは、非拡張状態、拡張状態、巻縮状態、および非巻縮状態のうちの1つ、または複数の状態にある。
【0028】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、第3の拡張カラム、第1の接続ストラットカラム、および第2の接続ストラットカラムの1つまたは複数を備える。
【0029】
図4に示される少なくとも一実施例においては、(4A)で表される第1の拡張カラム、(4B)で表される第2の拡張カラム、および/または(4C)で表される第3の拡張カラムは、複数の拡張ストラット対を形成する個々の拡張ストラットを備える。図4は、複数の拡張ストラット対51を形成する個々の拡張ストラット50を示す。幾つかの実施例においては、拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、基端部において階段状セグメントを、および/または、先端部において階段状セグメントを有する。拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、直線状セグメントであってもよい。
【0030】
また、図4は、基端部において階段状セグメントを、または、先端部において階段状セグメントを有する拡張ストラット対の一方の拡張ストラット54を示す。さらに、図4は、直線状セグメントである拡張ストラット対の他方の拡張ストラット52を示す。幾つかの実施例においては、第1の拡張カラムの拡張ストラット対の先端部は、上下方向、すなわち円周方向において偏位した状態で、第2の拡張カラムの拡張ストラット対の基端部に連結される。多くの実施例においては、2つの隣接する拡張ストラット対は、共通のストラットを有する。
【0031】
第1の接続ストラットカラムおよび第2の接続ストラットカラムは、複数の独立した接続ストラットを備える。第1の接続ストラットカラムは、個々の第1の接続ストラットを備えてもよく、第2の接続ストラットカラムは、個々の第2の接続ストラットを備えてもよい。個々の第1の接続カラムは、第1および第2の拡張カラムを連結する。第2の接続カラムは、第2および第3の拡張カラムを連結する。
【0032】
異なる実施例においては、各接続ストラットは、階段形状、少なくとも幾つかの旋回点、同一接続カラムにおいて他の接続ストラットと同一の長手軸線、および基端部分や中間部分や先端部分等の異なる部分を有することも可能である。接続ストラットは、少なくとも2個の旋回点を有してもよい。各旋回点は曲率半径を有する。図5に示される実施例においては、例えば、接続ストラットは、湾曲部106および108の半径を有する旋回点を有する。接続カラムの接続ストラットの長手軸線は、同一方向を示す。
【0033】
図5は、同一カラムにおいて他方の接続ストラットと同じ長手軸線を有する接続ストラットの長手軸線110、および、同一の接続カラムにおいて他方の接続ストラットと同じ長手軸線を有する長手軸線112を示す。
【0034】
異なる実施例においては、図5の(5A)および(5B)で示される、接続カラムの各第1の接続ストラットの基端部分は、第1の拡張カラムの拡張ストラットに結合された終端部96を有する。接続ストラットの面は、第1の拡張カラムの拡張ストラットの少なくとも1つの面に結合される。接続ストラットの縁部は、第1の拡張カラムの拡張ストラットの縁部から線状に延びる。張力緩和ノッチが、基端部分の縁部が、第1の拡張カラムの拡張ストラットの縁部に結合される箇所において形成される。図5において、張力緩和ノッチ119は、基端部分の終端部96の縁部が第1の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合される箇所において形成される。接続ストラットの少なくとも1つの基端部分は、第1の拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びていてもよい。
【0035】
図5において、基端部分100は、拡張ストラット53を備える拡張ストラット対から直接に延びている。長手軸線は、先端部分の長手軸線に対して平行に延びていなくてもよい。図5において、基端部分の長手軸線115は、先端部分の長手軸線117に対して非平行状態ある。長手軸線は、第1の拡張カラムにおける拡張ストラットの長手軸線に対して平行に延びていてもよい。図5は、第1の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線82と平行状態にある基端部分の長手軸線115を示す。接続ストラットの接続ストラットカラムの幅は、拡張カラムの拡張ストラットの幅より少なくてもよい。図5は、第1の拡張カラムの拡張ストラット54の幅よりも少ない基端部分100の幅を示す。
【0036】
異なる実施例においては、各第2の接続ストラットの基端部分は、第2の拡張カラムの拡張ストラットに結合された終端部、第2の拡張カラムの拡張ストラットの少なくとも1つの面に結合した面、第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部の線状をなす拡張部分である縁部、長手軸線、および幅の1つまたは複数を備えてもよい。張力緩和ノッチは、基端部分の縁部が第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合している箇所において形成される。図5において、張力緩和ノッチ121は、基端部分の縁部が第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合された箇所において形成される。少なくとも1つの基端部分は、第1の拡張カラムおよび/または第2の拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びている。図5は、拡張ストラット55を備えるいずれかの拡張ストラット対から直接に延びている基端部分101を示す。その長手軸線は、先端部分の長手軸線に対して非平行状態であってもよい。図5は、先端部分の長手軸線116に対して非平行状態にある長手軸線114を示す。その長手軸線は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線に対して平行に延びていてもよい。図5は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線83に対してと平行に延びる長手軸線114を示す。その幅は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの幅よりも少なくてもよい。図5は、第2の拡張カラムの拡張ストラット55の幅よりも少ない基端部分101の幅を示す。
【0037】
異なる実施例においては、接続ストラットの先端部分102は、第2の拡張カラムの拡張ストラットに結合された終端部98を備えてもよい。接続ストラットの面は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの端部に結合される。接続ストラットの縁部は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部から直線状に延びてもよい。張力緩和ノッチは、先端部分102の縁部が第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部に結合された箇所において形成される。図5において、張力緩和ノッチ120は、先端部分102の縁部が第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部に結合された箇所において形成される。接続ストラットの少なくとも一端は、第1の拡張カラムまたは第2の拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びてもよい。図5は、拡張ストラット54を備える拡張ストラット対から直接に延びる先端部分102を示す。図5は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線83に対して平に延びる長手軸線117を示す。接続ストラットの幅は、第2の拡張カラムの拡張ストラットの幅よりも少なくてもよい。図5は、第2の拡張カラム中の拡張ストラット54の幅よりも少ない先端部分103の幅を示す。接続ストラットの先端部分は、基端部分より長くてもよい。図5は、基端部分100よりも長い先端部分102を示す。
【0038】
異なる実施例においては、各第2の接続ストラットの先端部分は、第3の拡張カラム中の拡張ストラットに結合した終端部、第3の拡張カラムの拡張ストラットの末端に結合された少なくとも1つの面、第3の拡張カラムの拡張ストラットの縁部から線状に延びる縁部、長手軸線、幅、および長さの1つまたは複数を備えてもよい。張力緩和ノッチは、先端部分の縁部が、第3の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合された箇所において形成される。図5において、張力緩和ノッチ122は、先端部分の縁部が第3の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合された箇所において形成される。先端部分は、第3の拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びてもよい。図5は、拡張ストラット57を備えるいずれかの拡張ストラット対から直接に延びる先端部分105を示す。長手軸線は、第3の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線に対して平行に延びていてもよい。図5において、第3の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線85に対して平行に延びる長手軸線116が示される。その幅は、第3の拡張カラムの拡張ストラットの幅よりも少なくてもよい。図5は、第3の拡張カラムの拡張ストラット57の幅よりも少ない先端部分105の幅を示す。先端部分105の長さは、基端部分101よりも長い。
【0039】
異なる実施例においては、各第2の接続ストラットの中間部分104は、第2の接続ストラットの基端部分および先端部分に連結され、同中間部分104は、第2の拡張カラムの基端部分100の長さよりも長い。中間部分の長手軸線は、ステントの長手軸線に対し上下方向において斜状をなして延び、ステントの長手軸線と非平行状態にある。中間部分の少なくとも一部は、第2の拡張カラムの拡張ストラット対の基端側に近接して配置される。例えば、0.001〜0.050インチ(約0.0254〜1.27mm)、0.001〜0.040インチ(約0.0254〜1.016mm)、および/または、0.001〜0.030インチ(約0.0254〜0.762mm)の範囲において基端側に近接してもよい。
【0040】
異なる実施例においては、第2の接続カラムの各第1の接続ストラットの中間部分104は、第1の接続ストラットの基端部分および先端部分に連結され、その長さは第1の接続ストラットの基端部分よりも長い。中間部分の長手軸線は、ステントの長手軸線に対し上下方向において斜状をなして延び、ステントの長手軸線と非平行状態にある。第2の接続カラムの第2の接続ストラットの中間部分の長手軸線の斜め方向は、第1の接続カラムの第1の接続ストラットの中間部分の長手軸線の斜め方向と反対に延びる。中間部分の少なくとも一部は、第1の拡張カラムの拡張ストラット対に基端側に近接して配置されてもよい。例えば、0.001〜0.050インチ(約0.0254〜1.27mm)、0.001〜0.040インチ(約0.0254〜1.016mm)、および/または、0.001〜0.030インチ(約0.0254〜0.762mm)の範囲において基端側に近接してもよい。
【0041】
異なる実施例においては、第1の接続ストラットおよび第2の接続ストラットは、同側または反対側に第1および第2の拡張カラムに結合されてもよい。異なる実施例においては、第1の接続ストラットおよび第2の接続ストラットの基端部分および先端部分の少なくとも一部は、湾曲形状、特にほぼ曲率半径を有してもよい。異なる実施例においては、第1の接続ストラットおよび第2の接続ストラットの少なくとも一部は、非対称または対称をなす形状を有してもよい。異なる実施例においては、全ての第1の接続ストラットおよび第2の接続ストラットは、互いに平行に延びる長手軸線を有する。
【0042】
異なる実施例においては、第1の接続ストラットの両終端部は、第1の拡張カラムおよび第2の拡張カラムの拡張ストラットに結合される。幾つかの実施例において、ステントは、複数の接続ストラットカラムにより結合された複数の拡張カラムを備える。
【0043】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムを備える。第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムは、ステントの基端部および先端部を画定し、互いに線対称をなす。例えば、図3において、末端拡張カラム44および46は線対称をなす。
【0044】
幾つかの実施例において、ステントは、複数のセルを含む。複数のセルは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラムおよび第1の接続ストラットカラムにより画定される。ステントにおいてセルは、非対称をなすように配置されるが、対称をなすように配置されてもよい。セルは、均一に離間されて配置され、わずかに拡張した状態において六角形に類似する形状へ変形する。例えば、図1〜5は、非拡張状態におけるセル34を示す。
【0045】
ステントの拡張カラムは、ジクザグ状の拡張ストラット対を繰り返すことにより形成された環状の拡張ストラットを有する。拡張カラムは、ステントの径拡張性、最適化された巻縮性、および径強度に関与する。拡張カラム自身は可撓性を付与しない。拡張カラムのジグザグ状の各環は、基端部または先端部において、結合ストラットループにより結合された複数の拡張ストラット対を有することができる。この配列は、一実施例においては12回、ステントの拡張カラムの外周に沿って継ぎ目なしに繰り返される。
【0046】
異なる実施例においては、ステントは、複数の種類の拡張ストラットの1つまたは複数を含む、異なる種類の拡張カラムの1つまたは複数を備える。基端部の末端拡張カラムは、直線拡張ストラット、および先端部に短い下り階段状セグメントを有する階段状拡張ストラットを備えてもよい。先端部の末端拡張カラムは、直線拡張ストラット、および基端部に短い下り階段状セグメントを有する階段状拡張ストラットを備えてもよい。末端拡張カラムは線対称をなしてもよい。末端拡張カラムの終端側は、滑らかで均一に円形のループを有してもよい。
【0047】
ステントの中央は、例えば、交互に並んだ線対称をなす異なる種類の拡張カラムを備えることも可能である。1種類の拡張カラムには、直線拡張ストラット、および基端部に下り階段状セグメントと先端部に上り階段状セグメントとを有する階段状拡張ストラットを備える。他の種類の拡張カラムには、直線拡張ストラット、および基端部に上り階段状セグメントと先端部に下り階段状セグメントとを有する階段状拡張ストラットを備える。
【0048】
下り階段状または上り階段状セグメントは、階段状拡張ストラットの長い直線状セグメントおよび短い傾斜移行セグメントの基端部または先端部付近においては短くなっていてもよい。拡張ストラットの移行セグメントは、拡張ストラットを有する、例えば階段状拡張ストラットの長い直線状セグメントを有する接続ストラットを結合する。接続ストラットは、拡張ストラットから直接に延びてもよく、追加、溶接、あるいは装着された異なる構造体ではなく、ステント構造と一体化されてもよい。ステント要素、例えば拡張および接続ストラットを表す個々の用語は、異なるステント部分の構造および機能を適切に表現するものである。
【0049】
接続ストラットカラムの接続ストラットは、同一の接続ストラットカラム、あるいは他の隣接する接続ストラットカラムの別の接続ストラットに直接結合されない。
階段状接続ストラットの基端部および先端部は、隣接する拡張カラムの拡張ストラット対ループから直接に延びてもよい。接続ストラットカラムの階段状接続ストラットは、上下に偏位した斜め方向に、2個の並列した拡張ストラット対ループを相互に連結してもよい。2個の隣接する拡張カラムの拡張ストラット対ループは、山部から谷部にかけて並列状に配列されてもよい。
【0050】
接続ストラットカラムの階段状接続ストラットは、拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びる一端上の短いセグメントと、隣接する拡張カラム拡張ストラット対から直接に延びる他端上のより長いセグメントとを有することも可能である。これらの2つの端部セグメントの間において、接続ストラットは、2つの端部セグメントに対して傾斜角をなして配向する直線中心セグメントを備えてもよい。中心セグメントは、接続ストラットにより結合される2つの隣接する拡張カラムの一方の拡張ストラット対ループの基端側に近接して配置されてもよい。
【0051】
階段状接続ストラットは、隣接する拡張カラムの並列する拡張ストラット対ループの同側で結合された端部を有してもよい。階段状接続ストラットの長手軸線は、ステントの長手軸線に対して斜状に配向してもよい。1つの接続ストラットカラムの階段状接続ストラットの斜状に配向された軸線は、第1の方向を有し、隣接する接続ストラットカラムの階段状接続ストラットの斜状に配向された軸線は、第2の方向を有する。隣接する接続ストラットカラムの接続ストラットの長手軸線は、反対方向に延びていてもよい。
【0052】
接続ストラットは、3つの直線状セグメント、2個の曲率半径を有する2個の旋回点、隣接する拡張カラムの拡張ストラットから直接に延びる2つの端部を有することも可能である。接続ストラットの旋回点は、ステントの可撓性に対する屈曲点として機能する。接続ストラットの水平に配向されたセグメントの長手軸線は、階段状拡張ストラットの長手軸線と同じ方向に延びてもよい。接続ストラットの中心セグメントは、接続ストラットの水平に配向されたセグメントに対して平行に延びていなくてもよい。接続ストラットの中心に配置された中間セグメントの長手軸線は、接続ストラットの水平に配向されたセグメントの長手軸線およびステントの長手軸線に対して斜状に配向してもよい。
【0053】
接続ストラットカラムは、包囲された非対称に配置されたステントセルを形成する隣接する拡張カラムを結合することも可能である。セルは、例えば、ステントが管状にほぼ拡張されると、ほぼ六角形状へ変化する。
【0054】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および第1の接続ストラットを有する。第1の拡張カラムおよび第2の拡張カラムは、複数の拡張ストラット対ループを形成する拡張ストラットを備えてもよい。拡張ストラット対ループは、隣接する拡張ストラットを連結してもよい。2つの隣接する拡張ストラットは、共通のストラットを有してもよい。第1の接続ストラットカラムは、複数の独立した接続ストラットを備えていてもよい。
【0055】
図1は、ステント10の一実施例を示す側面図であって、同ステント10は、第1の拡張カラム29、第2の拡張カラム30、第3の拡張カラム31、第1の接続ストラットカラム32、および第2の接続ストラットカラム33を有する。ステント10は、基端部20および先端部22を有する。ステント10は、管状または円筒状の構造を有していてもよい。ステント10は、長手長さ24および長手軸線26を有する。
【0056】
幾つかの実施例においては、拡張カラムは、ジグザグおよび/または波形をなす環状構造であってもよい。拡張カラムは、例えばステント10の拡張カラム30は、連続する円環状であってもよい。複数の拡張ストラットカラムは、管状のステント10を形成するために、連続するようにステント10の長手軸線26に沿って、接続ストラットと相互に連結されていてもよい。拡張カラムと接続ストラットカラムとの間の相互連結は、拡張ストラットおよび接続ストラットによって形成される空間、すなわちセルを包囲する。図1に示される実施例においては、多くのセルが非対称をなして配置される。ステント10は、2つの異なる径を有し、外径36と内径38を有することにより、ステント10の厚さにおける差を形成する。外径36と内径38は、ステント10の巻縮段階において外径36と内径38との差が狭められ、ステント10の拡張段階において外径36と内径38との差が広がるように変化してもよい。
【0057】
図2は、ステント10の一実施例を示す等角図である。ステント10の背面半分は、ステント10の正面半分を通して見ることができる。図示された実施例では、ステント10は、中心管腔、基端開口部40、および先端開口部42を備える環状構造を有する。ステントセル34は、拡張ストラットと接続ストラットとの網状構造内に開放された空間を有する。管腔は、ステントにより形成された中央に開放された通路を有する。
【0058】
図3は、ステント10の一実施例を示す展開図である。ステント10は、基端部20と先端部22とを有する。図3は、15mmの冠動脈用ステントを示す拡大図である。ステント10は、8つの拡張カラムと7つの接続ストラットカラムを有する。基端部20には、拡張カラム44が配置され、先端部22の拡張カラム46と線対称をなす。ステント10の中央には6つの拡張カラムが配置され、拡張カラム49が、拡張カラム48と交互に配置される。4つの接続ストラットカラム94と3つの接続ストラットカラム92を含む7つの接続ストラットカラムが、ステント10の長手軸線26に沿って延びる8つの拡張カラムと相互連結されることにより、接続ストラットカラム94が接続ストラットカラム92と交互に配置される。ステント10の中央には、2つの直立状の接続ストラットカラム132と3つの逆さ状の接続ストラットカラム134がある。4つの異なる非対称形状をなす42のセルがある。セルは全て非対称をなすように配置される。拡張カラム44、46、48、49は、山部と谷部をなすように配置された拡張ストラット対ループと上下方向に配列される。接続ストラットカラム92および94は、ステント10の長さ24および外周28に沿って連続するように、拡張カラム44、46、48、49を相互に結合する。
【0059】
図3のステント10は、向かって左側に基端部20、右側に先端部22を有する。ステント10は、水平方向に長さ24、上下方向に外周28を有し、基端部20から先端部22まで長さ24に沿って水平方向に長手軸線26を有する。
【0060】
拡張カラムの幅(水平寸法)は、接続ストラットカラムの幅より広い。しかしながら、接続ストラットカラムの幅は、拡張カラムの幅と同じか、より広く形成されてもよい。接続ストラットカラムと拡張カラムの幅の異なる比率は、本発明のステント10の範囲内にある。拡張カラムの拡張ストラットの環状構造の数と、接続ストラットカラムの接続ストラットの数は、可変的であってもよい。拡張ストラットの環状構造と接続ストラットを構成する変数は、本発明のステント10の範囲内にある。
【0061】
図4は、ステント10の一実施例の中間部分を示す拡大図である。図4は、複数の拡張カラム48、49を示す。各拡張カラムは、基端部および先端部にそれぞれ6個のループを有する、連続する継ぎ目のない拡張ストラット対ループからなる6個の環状構造を有することも可能である。拡張カラム49の各拡張ストラット対ループは、先端部に短い下り階段状セグメント58と、基端部に短い上り階段状セグメント60とを備える階段状拡張ストラット54、および直線拡張ストラット52を規則的に交互に配置して有してもよい。拡張カラム48の各拡張ストラット対ループは、基端部に下り階段状の短いセグメント56と、先端部に短い上り階段状セグメント62とを備える階段状拡張ストラット、および直線拡張ストラット52を規則的に交互に配置して有してもよい。図3のステント10の実施例は、拡張カラム48または49に6つの階段状拡張ストラット54を含む。拡張ストラット52、54は、基端部で結合ループ66、あるいは先端部で結合ループ68により結合される。
【0062】
移行斜面74は、階段状拡張ストラット54の上り階段状基端セグメント60と直線状セグメントとの間に位置される。同様に、移行斜面76は、階段状拡張ストラット54の上り階段状先端セグメント62と直線状セグメントとの間に位置してもよい。移行斜面70は、階段状拡張ストラット54の下り階段状基端セグメント56と直線状セグメントとの間に位置してもよい。同様に、移行斜面72は、ステップ拡張ストラット54の下り階段状先端セグメント58と直線状セグメントとの間に位置してもよい。
【0063】
拡張カラム48または49において、拡張ストラット52の直線状セグメントは、長手軸線80を有する。同様に、階段状拡張ストラット54は、長手軸線82を有する。拡張カラム48、49は、ステントの軸線に沿って水平に配置されて、一方の拡張カラム48の拡張ストラット対ループの基端側山部66は、隣接する拡張カラム49の拡張ストラット対ループの先端側山部66と整列される。隣接する拡張カラム48、49の短い下り階段状セグメント56、58は、同側すなわち同じ側に配置される。隣接する拡張カラム48、49の短い上り階段状セグメント74、76は、同側すなわち同じ側に配置される。同様に、隣接する拡張カラム48の拡張ストラット54の長い直線状セグメントは、同側で配置されてもよい。
【0064】
図5は、ステント10の一実施例の中間部分を示す拡大図である。接続ストラットは、長手軸線112または110を有する。接続ストラットカラム92または94の階段状接続ストラットは、拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びる一端に短いセグメント100と、隣接する拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びる他端に長いセグメント102を有してもよい。これらの2つの末端セグメントの間において、接続ストラットは、2つの末端セグメントに対して傾斜角をなして配向する直線状の中心セグメント104を有してもよい。中央の中間セグメント104は、接続ストラットにより結合される隣接する拡張カラムの拡張ストラット対ループの基端側に近接して配置されてもよい。
【0065】
階段状接続ストラット90は、隣接する拡張カラム48、49の並列する拡張ストラット対ループの同側で結合された終端96、98を有する。階段状接続ストラット90の長手軸線110または112は、ステントの長手軸線26に対して斜状をなすように配向される。一方の接続ストラットカラム92の階段状接続ストラット90の斜状をなすように配向された軸線は、第1の方向110を有する。隣接する接続ストラットカラム94の階段状接続ストラット90の斜状をなすように配向された軸線は、第2の方向112を有する。隣接する接続ストラットカラムの接続ストラット90の軸線110、112は、反対方向に延びる。
【0066】
ステントの幾つかの実施例においては、接続ストラットは、3つの直線状セグメント100、102、104;曲率半径106、108を有する2個の旋回点106、108;隣接する拡張カラムの拡張ストラット54から直接に延びる2つの終端96、98を有する。旋回点106、108は、ステントの可撓性に対する屈曲点として機能する。接続ストラットセグメントの長手軸線115、117は、階段状拡張ストラットの長手軸線と同じ方向に延びてもよい。接続ストラットの中央の中間セグメント104は、接続ストラットの他のセグメントに対して非平行状態にある軸線118を有する。接続ストラットの中央の中間セグメント104の長手軸線118は、接続ストラット115、117の他のセグメントの長手軸線に対して斜状をなすように配向される。
【0067】
図6〜9および図13〜15に示される幾つかの実施例においては、ステント210は、第1および第2の拡張カラムを結合する第1の接続ストラットを備える。各第1の接続ストラットは階段状に配置される。接続ストラットの階段状の配置は、第1および第2の中間部分、第1の拡張カラムに連結された基端セグメント、および第2の拡張カラムの拡張ストラットに直接結合された先端セグメントを有する。
【0068】
第1の接続ストラットの基端セグメントは、第1の拡張カラムの結合された拡張ストラットに連結されてもよい。
第1の接続ストラットの先端セグメントは、第2の拡張カラムの結合された拡張ストラットから直接に延びてもよい。
【0069】
第1の接続ストラットの基端部および先端部の少なくとも一方は、第1および第2の拡張カラムの拡張ストラット対から直接に延びてもよい。
第1の拡張カラムの第1の接続ストラットの基端部および先端部の少なくとも一方は、第1および第2の拡張カラムの拡張ストラット対の同側、および第1および第2の拡張カラムの一方の拡張ストラット対の側面に対して上下方向において傾斜角をなすように連結されてもよい。
【0070】
第2のカラムの結合された拡張ストラットから延びる先端セグメントの長手軸線と、第2の拡張カラム中の結合した拡張ストラットの長手軸線とは、互いに20度以下の角度をなす。第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの基端セグメントは、第1の拡張カラムの拡張ストラット対と同側で連結され、その対応する先端セグメントは、第2の拡張カラムの拡張ストラット対から同側で延びる。
【0071】
第1の接続ストラットカラムの第1の接続ストラットの基端部および先端部は、第1および第2の拡張カラムの拡張ストラット対の同側で結合されてもよい。
各第1の接続ストラットは、第1の方向において第1の拡張カラムに結合される基端部と、第1の方向とは異なる第2の方向において第2の拡張カラムに結合される先端部とを有する。
【0072】
各第1の接続ストラットは、3個の旋回点を有する。各旋回点は少なくとも1個の曲率半径を有してもよい。
第1の接続ストラットカラムの第1の接続ストラットの第2の中間部分の少なくとも一部は、第2の拡張カラムの拡張ストラット対の基端部の基端側に近接して配置されてもよい。第1の接続ストラットカラムの第1の接続ストラットの第1の中間部分の少なくとも一部は、第1の拡張カラムの拡張ストラット対の先端部の基端側に近接して配置されてもよい。例えば、0.001〜0.050インチ(約0.0254〜1.27mm)の範囲において基端側に近接してもよい。
【0073】
各第1の接続ストラットは、ステントの長手軸線に対して非平行状態にある長手軸線を有してもよい。各第1のストラットの長手軸線は、ステントの長手軸線に対して斜状をなすように配置された第1の方向に延びてもよい。各第1の接続ストラットは、同じ長手軸線を有してもよい。第1の接続ストラットカラムの第1の接続ストラットの全ては、平行な長手軸線を有してもよい。第1の接続ストラットの少なくとも一部は、非対称をなすように配置される。
【0074】
第1の拡張カラムの拡張の拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、基端部に階段状セグメントを有することも可能である。拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、先端部に階段状セグメントを有してもよい。第2の拡張カラムの拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、先端部に階段状セグメントを有してもよい。拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、基端部に階段状セグメントを有してもよい。
【0075】
各第1の接続ストラットの第1および第2の中間部分は、少なくとも第1の曲率半径を備えてもよい。第2の拡張カラムの拡張ストラット対の基端部に連結される第1の拡張カラムの拡張ストラット対の先端部は、上下方向に偏位されてもよい。
【0076】
ステントの実施例は、複数の接続ストラットカラムにより結合される複数の拡張カラムを含む。
複数のセルは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および第1の接続ストラットカラムにより画定される。ステントセルは、ほぼ拡張した状態において非対称をなすように配置されて、ほぼ六角形状をなす。
【0077】
第2の接続ストラットカラムは、第2および第3の拡張カラムを連結する複数の独立した第2の接続ストラットを備えてもよい。各第2の接続ストラットは、階段状に配置されてもよい。その配置において、第1および第2の中間部分、第1の拡張カラムに連結された基端セグメント、および第2の拡張カラムの拡張ストラットに直接に結合された先端セグメントを備える。
【0078】
各第2の接続ストラットは、ステントの長手軸線に対して非平行状態にある長手軸線を有する。各第2の接続ストラットの長手軸線は、ステントの長手軸線に対して斜状をなすように位置される第2の方向へ延びる。各第2の接続ストラットは、同じ長手軸線を有してもよい。第2の接続ストラットの全ては、互いに平行をなす長手軸線を有してもよい。第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットは、第2の接続ストラットの長手軸線の第2の方向と反対の第1の方向に延びる長手軸線を有する。
【0079】
第1および第2の拡張カラムまたは第2のおよび第3の拡張カラムの拡張ストラット対ループは、山部から谷部、谷部から山部、あるいは山部から山部を形成するように配置されてもよい。
【0080】
幾つかの実施例においては、拡張カラムは、12個の拡張ストラット対から形成されたジグザグ形状を有する6個の環状構造を備える。各拡張ストラット対は、基端部または先端部において、ループ状結合部分により結合される2つの拡張ストラットを含む。ループ状結合部分により結合された2つの拡張ストラット対を形成するこの形態は、基端側から先端側へと、基端側から先端側へとの間において交互に配置され、円筒状のステントの拡張カラムの外周を12回にわたって継ぎ目なく連続させる。幾つかの実施例においては、円筒状ステントの拡張カラムの12個のブラインドループ拡張ストラット対を構成する異なる種類の多様な拡張ストラットを備えることも可能である。拡張カラムに12個のブラインドループ拡張ストラット対を備えるために、12個のループ状結合部分を有し、それらの半分を基端部に、残りの半分を先端部に交互に配置させることも可能である。
【0081】
図8に示すように、ステントは、異なる形態をなす拡張カラムを備えることも可能である。幾つかの実施例では、異なる拡張ストラット対を有する拡張ストラットを含む。幾つかの可能な拡張ストラットには、直線拡張ストラット形状、基端部に短い下り階段状セグメントを有する直線部分、先端部に短い上り階段状セグメントを有する直線部分、基端部に短い上り階段状セグメントを有する直線部分、および先端部に短い下り階段状セグメントを有する直線部分が含まれる。他の組合せにおいては、基端部に短い下り階段状セグメントを有するより長い直線部分、先端部に短い下り階段状セグメントを有するより長い直線部分、基端部に短い上り階段状セグメントを有するより長い直線部分、および先端部に短い上り階段状セグメントを有するより長い直線部分が含まれる。各上り階段状または下り階段状セグメントにおいて、拡張ストラットは、長い部分と短い部分との間の短い斜状移行部分を有する。異なる組合せも本発明の範囲内にある。図8に示すステントの実施例における基端部および先端部のいずれでも末端拡張カラムの終端側は、平滑かつ均一に円形ループを有してもよい。
【0082】
上り階段状または下り階段状セグメントは、基端部または先端部付近で、長さが短くなってもよく、短い斜状移行部分を有してもよい。斜状移行部分は、ステントの性能に対して、可撓性、巻縮空間および平滑面化効果を提供する。接続ストラットの一端は、拡張ストラットの斜状移行部分において拡張ストラットの長い部分と直接に結合する。接続ストラットの他端は、短い上りまたは下り階段状の部分の側に結合されてもよい。接続ストラットの一端は、同側で拡張ストラットから直接に延びる。他端は、拡張ストラットの短い階段状セグメントの同側に結合されてもよい。接続ストラットは、追加、溶接、または装着された別の構造ではなく、ステント構造と一体化された部分である。拡張ストラットや接続ストラット等の用語は、異なるステント部分の構造および機能を適切に表している。
【0083】
各接続ストラットを含む接続ストラットカラムは、例えば、図9、12A、12B、13、14、および15で示されるように、階段形状をなす。階段形状により、接続ストラットの長手軸線は、ステントの鉛直面または水平面に対して斜方向を有する。ステントの接続ストラットは、幾つかの実施例においては、2つの水平部分、2つの上下方向に延びる傾斜部分、および3個の旋回点を有することも可能である。接続ストラットの水平端は、拡張ストラット対ループの斜状移行部分から延びる。傾斜した上下端は、下り階段状および上り階段状セグメントにおいて、並列した拡張ストラット対ループの同側で結合する。階段状接続ストラットは、上下に段差のある連結通路において、一方の拡張カラムの拡張ストラット対ループを隣接する拡張カラムの拡張ストラット対ループに対して結合する。接続ストラットの各末端は、並列する拡張ストラット対ループの同側で結合できる。
【0084】
拡張ストラット対ループの同側で結合する接続ストラット、および複数の旋回点を伴う段差のある連結通路は、ステントに対して可撓性、適合性、および優れた巻縮性を付与する。接続ストラットの各末端が、拡張ストラットのループ状対に結合される場合、結合ストラット数に対する拡張ストラットの比率は2〜1であってもよい。
【0085】
拡張カラムおよび接続ストラットカラムが結合される場合、ストラットは、外周方向をステントの長さに沿って破断または切り離されることなく、連続する継ぎ目のない円筒形状を有することができる。拡張ストラットと接続ストラットとの間の連続する結合状態により、均一なセルを形成できる。セルの寸法は、臨床すなわち用途における必要条件によって変更できるように、ステントの拡張ストラットと接続ストラットの寸法をプログラム処理することにより、最大限または最小限にすることも可能である。
【0086】
図6は、ステント210の一実施例を示す側面図である。ステント210は、基端部220および先端部222を有する。ステント210は、管状または円筒状構造を有してもよい。ステント210は、長手長さ224および長手軸線226を有する。結合された接続ストラットおよび拡張ストラットにより画定されるのは、開放された空間、すなわちセル(例えば、セル240)である。ステント210が搬送バルーン上に取り付けられると、拡張ストラット対の終端部は、ステント210の基端部220および先端部222において、平滑および均一な巻縮を得るために均一な円形状をなす。
【0087】
図7は、管状ステント等の一実施例を示す等角図である。図において、円筒状のステント210の基端部220、先端部222、長手軸線226、内径230、および長手長さ224が示される。ステント210の背面半分は、セル240等のセルを通して見ることができる。
【0088】
図8は、円筒状ステント210を示す展開平面図である。ステント210は、長手軸線228、および外周226を示す。ステント210は、拡張カラム233、234、235等の拡張カラム、および接続ストラットカラム237、238等の接続ストラットカラムを有する。拡張カラムおよび接続ストラットカラムは、ステントの長手軸線228に沿って交互に配置される。
【0089】
実施例によっては、拡張カラムは、同じ数のジグザグ状の環状構造を有する。図8に示される拡張カラムは、5個のジグザグ状の環状構造を有する。他の実施例では、5個より多い環状構造、または5個より少ない環状構造有してもよい。拡張カラムに5個の環状構造を有する実施例においては、10個の拡張ストラットを備える。各環状構造は、対になった拡張ストラットを含む。
【0090】
接続ストラットカラムは、階段状接続ストラット、例えば、接続ストラット236を有する。各一対の拡張ストラットについては、拡張ストラットの接続ストラットに対する比率が2対1において形成される接続ストラットを有する。
【0091】
図9は、拡張カラムおよび接続ストラットカラムを示す。図9の実施例は、基端部拡張カラム242、先端部拡張カラム248、および拡張カラム243、244、246を含む。基端部拡張カラム242では、終端ループは円形状をなすことにより、搬送バルーン上で巻縮を行うのに適した、ステント210の基端部における平滑面を形成する。基端部拡張カラム242は、直線形状を有する拡張ストラットタイプ、および斜状移行部分を備える上り階段状セグメントを有する別の拡張ストラットタイプを含む。これらの2つの拡張ストラットタイプが、拡張ストラット対を構成することも可能である。先端部拡張ストラットカラム248は、基端部拡張ストラットカラム242と線対称をなしてもよい。先端部拡張ストラットカラム248により、ステント210の終端部において、均一に離間されて円形状をなすループが位置決めされる。均一に離間されて円形状をなす端部は、ステント210が搬送バルーン上で巻縮されると、平滑面が同一線上に整列される。
【0092】
拡張カラム243は、異なる種類の拡張ストラットを含む。1つのタイプにおいては、直線ストラットを有し、他のタイプにおいては、基端部に上り階段状セグメント、および先端部に下り階段状セグメントを有する。各種類の拡張ストラットは、基端部または先端部に、結合ストラット部分により結合される拡張ストラット対ループを形成してもよい。このように対をなすことにより、分断することなく、ステント210の外周に沿って連続してストラットが形成される。
【0093】
拡張カラム244は、直線形状を有する拡張ストラット、および基端部に下り階段状セグメントと先端部に上り階段状セグメントとを有する別の拡張ストラットを含む。これら2種類の拡張ストラットは交互に配置されて、ステント210の円筒構造の外周に沿って連続して拡張ストラット対ループを形成する。
【0094】
拡張カラム246は、基端部に下り階段状セグメントを有する拡張ストラット、および先端部に下り階段状セグメントを有する拡張ストラットを含む。これらの拡張ストラットタイプは交互に配置されて、外周に沿って連続して拡張ストラット対ループを形成する。
【0095】
また、図9は、複数の接続ストラットカラムの配列を示す。本発明の範囲には、拡張カラムおよび接続ストラットカラムの配置を入れ替えることも包含される。
図10Aは、拡張カラム244を構成する拡張ストラットを示す。拡張ストラット260は、基端結合部分267または先端結合部分268により結合された拡張ストラット262と交互に配置される。基端結合部分267は、基端側袋小路261を形成する。先端結合部分268は、先端袋小路269を形成する。拡張ストラット262の基端部は、斜状移行セグメント264により拡張ストラット262の中央に結合された下り階段状セグメント265を含む。拡張ストラット262の先端部は、斜状移行セグメント266により拡張ストラット262の中央に結合された上り階段状セグメント263を含む。
【0096】
図10Bは、拡張カラム243を構成する拡張ストラットを示す。拡張ストラット270は、基端結合部分277または先端結合部分278により結合される拡張ストラット272と交互に配置される。基端結合部分277は、基端袋小路271を形成する。先端結合部分278は、先端袋小路279を形成する。拡張ストラット272の基端部は、斜状移行セグメント274により拡張ストラット272の中央に結合された上り階段状セグメント273を含む。拡張ストラット272の先端部は、斜状移行セグメント276により拡張ストラット272の中央に結合された上り階段状セグメント275を含む。
【0097】
図10Aおよび10Bは、拡張カラム243の山部と整合するように同山部と同一線上に並べられた拡張カラム244の谷部を示す。
図11Aもまた、拡張カラム243の拡張ストラットを示す。図11Bも同様に、拡張カラム244の拡張ストラットを示す。図11Aおよび11Bは、拡張カラム244の山部と整合する拡張カラム243の谷部を示す。
【0098】
図12Aは、接続ストラットカラム254を構成する接続ストラットを示す。基端部は、上下方向に延びる短い傾斜部分286を含む。旋回点281は、短い傾斜部分286を長い水平部分280に結合させる。旋回点283は、長い水平部分280を上下方向に延びる長い傾斜部分284に結合させる。旋回点285は、長い傾斜部分284を、短い水平部分282に結合させる。接続ストラットカラム254の接続ストラットは、長手軸線287を共有する。
【0099】
図12Bは、接続ストラットカラム252を構成する接続ストラットを示し、同接続ストラットは、接続ストラットカラム254を構成する接続ストラットに類似する部分を備える。接続ストラットカラム252の接続ストラットは、長手軸線288を共有する。長手軸線287、288は、互いに非平行状態にある。これらの軸線は反対方向に延びる。図12Bは、図12Aと線対称をなす。
【0100】
図13は、接続ストラットカラム254の基端側において、接続ストラットカラム254が、拡張ストラットカラム244と結合され、接続ストラットカラム254の先端側において拡張ストラットカラム243と結合される状態を示す。拡張ストラット262の上り階段状セグメント263は、接続ストラットカラム254の基端側に結合される。拡張ストラット272の上り階段状セグメント273は、接続ストラットカラム254の先端側に対して同側で結合される。接続ストラットカラム254の構造は点線にて示される。
【0101】
図14は、接続ストラットカラム252の基端側において、接続ストラットカラム252が、拡張ストラットカラム243と結合され、接続ストラットカラム252の先端側において拡張ストラットカラム244と結合されている状態を示す。拡張ストラット272の下り階段状セグメント275は、接続ストラットカラム252の基端側に結合される。拡張ストラット262の下り階段状セグメント265は、接続ストラットカラム252の基端側に結合される。
【0102】
接続ストラットカラム252の基端部286は、拡張ストラット272の下り階段状セグメント275に対して同側で結合する。接続ストラットカラム275の先端部282は、同側において拡張ストラット262から直接に延びる。
【0103】
図15は、拡張カラム246が接続ストラットカラム252、254と結合される状態を示す。接続ストラットカラム252は、拡張カラム246の基端側に結合され、接続ストラットカラム254は、拡張ストラットカラム246の先端側に結合される。
【0104】
拡張カラム246は、接続ストラットが拡張ストラットカラム246の拡張ストラット対ループの基端部および先端部において結合される状態を示す。基端拡張ストラットループおよび先端拡張ストラットループは、反対方向において、水平セグメント282から直接に延びる。
【0105】
本発明の幾つかの実施例において、図16〜20Bに示されるような、ステント410の第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および/または第3の拡張カラムは、複数の拡張ストラット対を形成する個々の拡張ストラットを備える。図19Bは、個々の拡張ストラット450および拡張ストラット対451の例を示す。ステントの幾つかの実施例においては、拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、基端部に階段状セグメントを有し、そして拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、先端部に階段状セグメントを有してもよい。図19Bは、基端部に階段状セグメントを有する拡張ストラット対451の一方の拡張ストラット453、および先端部に階段状セグメントを有する拡張ストラット対451の他方の拡張ストラット455の例を示す。ステントの幾つかの実施例においては、2つの隣接する拡張ストラット対は、共通のストラットを有する。
【0106】
第1の接続カラムおよび/または第2の接続カラムは、複数の独立した接続ストラットを含んでもよい。少なくとも第1の接続カラムに対する複数の独立した接続ストラットは、第1および第2の拡張カラムを連結してもよい。ストラットの異なる実施例においては、各接続ストラットは、少なくとも幾つかの旋回点、少なくとも幾つかの部分、両側性を有する短い幹部、配置形状、少なくとも幾つかの曲率半径、中央部分、および長手軸線の1つまたは複数を備える。例えば、各接続ストラットは、少なくとも6個の旋回点、少なくとも4、5、6、または7個の部分、および/または、少なくとも3、4、5、または6個の曲率半径を備えてもよい。図19Bは、それぞれ幾つかの曲率半径を有する旋回点の例である514、516、518、520、522、および524を示す。両側性を有する短い幹部は、第1の拡張カラムの拡張ストラットに、そして第2の拡張カラムの拡張ストラットに同側で結合されてもよい。図19Bは、接続ストラットの基端部および先端部の両側性を有する幹部500、502を示す。典型的な形状には、対称をなす形状および/またはほぼM字型の形状が含まれる。図19Aでは、対称をなす形状とほぼM字型の形状の両者を含む、接続ストラット490、492を示す。長手軸線は、ステントの長手軸線に対して非直交、ステントの長手軸線に対してほぼ直交、および/または、ステントの長手軸線に対してほぼ平行に延びていてもよい。図16、17および18は、ステント410の長手軸線426を示す。接続ストラットの長手軸線は、長手軸線494、496として図19Bに示される。軸線の他の例は、軸482、484、および486として図19Aにおいて示され、軸480、482、488、および489として図20Aにおいて示される。
【0107】
ステントの幾つかの実施例においては、各接続ストラットは、第1の拡張カラムと第2の拡張カラムとの間における拡張ストラット対の間の連結空間へ陥入および/または転回されてもよい。図19Aは、拡張ストラット対の間の接連結間に陥入および転回された接続ストラット490、492を示す。
【0108】
ステントの幾つかの実施例においては、各接続ストラットは、第1の拡張カラムの拡張ストラットおよび第2の拡張カラムの拡張ストラットに同側で結合されてもよい。図19Aは、異なる拡張カラムの拡張ストラットの間に同側で結合される接続ストラット490、492を示す。
【0109】
異なる実施例においては、少なくとも1つの接続ストラットは、対称をなす形状および/またはほぼM字型の形状が等の形状を有する。
実施例によっては、ステントの中央部分は、先端が切断された円錐形を有する。幾つかの実施例においては、接続ストラットの中央部分全体が、第1の方向に延びる。実施例によっては、接続ストラットの少なくとも一部の中央部分は、第1の方向に拡張しおよび/または第2の方向に延びる。図20および20Bは、第1の方向に延びる中央部分を有する接続ストラットカラム530、および第1の方向および第2の方向に延びる中央部分を有する接続ストラットカラム534を示す。
【0110】
幾つかの実施例においては、接続カラムの接続ストラットの全ての長手軸線は、そのカラムの接続ストラットの長手軸線に対して平行に延びている。各接続ストラットは、例えば、少なくとも6個の旋回点を有してもよい。
【0111】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムを含む。第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムは、ステントの基端部および先端部を画定する。第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムは、互いに線対称をなす。
【0112】
幾つかの実施例において、ステントは、複数のセルを含む。セルは、非対称をなす形状および/または対称をなす形状であってもよい。幾つかの形状には、操作パラメーターにおけるような、ほぼ拡張した状態における半六角形状が含まれる。セルは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および第1の接続ストラットカラムにより形成される。セルは、第2の拡張カラム、第3の拡張カラム、および第2の接続ストラットカラムにより形成されてもよい。セルは、均一に離間された形状を有する。
【0113】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および第1の接続ストラットカラムの1つまたは複数を備えてもよい。
第1の拡張カラムおよび/または第2の拡張カラムは、複数の拡張ストラット対ループを形成する独立した階段状拡張ストラットを備える。幾つかの実施例においては、拡張ストラット対ループは、隣接する個々の拡張ストラットを連結する。実施例によっては、2つの隣接する拡張ストラット対ループは、共通の階段状拡張ストラットを共有する。
【0114】
第1の接続ストラットカラムは、複数の独立した対称形状をなす接続ストラットを備える。少なくとも第1の接続カラムに対して複数の独立した対称形状をなす接続ストラットは、第1および第2の拡張カラムを連結してもよい。異なる実施例においては、各対称形状をなす接続ストラットは、少なくとも幾つかの旋回点、少なくとも幾つかの部分、両側性を有する短い幹部、配置形状、少なくとも幾つかの曲率半径、中央部分、および長手軸線の1つまたは複数を備える。例えば、各対称形状をなす接続ストラットは、少なくとも6個の旋回点、少なくとも4、6、または7個の部分、および/または、少なくとも3、4、5、または6個の曲率半径を有してもよい。両側性を有する短い幹部は、第1の拡張カラムの拡張ストラットおよび第2の拡張カラムの拡張ストラットに同側で結合されてもよい。典型的な形状には、対称をなす形状および/またはほぼM字型の形状が含まれる。長手軸線は、ステントの長手軸線に対して非直交状態、ステントの長手軸線に対してほぼ直交状態、ステントの長手軸線に対してほぼ平行状態にあってもよい。
【0115】
幾つかの実施例においては、各対称形状をなす接続ストラットは、第1の拡張カラムと第2の拡張カラムとの間における拡張ストラット対ループの間の連結空間へ陥入および/または転回されてもよい。
【0116】
幾つかの実施例においては、各対称形状をなす接続ストラットは、第1の拡張カラムの拡張ストラットおよび第2の拡張カラムの拡張ストラットに同側で結合されてもよい。
異なる実施例においては、少なくとも1つの対称形状をなす接続ストラットは、非対称をなす形状および/またはほぼM字型の形状等の形状を有する。
【0117】
幾つかの実施例においては、中央部分は、先端が切断されたほぼ円錐形を有する。ステントの幾つかの実施例においては、対称形状をなす接続ストラットの全ての中心部分は、第1の方向に延びる。実施例によっては、対称形状をなす接続ストラットの少なくとも一部の中心部分は、第1の方向および/または第2の方向に延びる。
【0118】
幾つかの実施例において、ステントは、複数の拡張カラムを含む。複数の拡張カラムは、複数の接続ストラットカラムにより連結されてもよい。各対称形状をなす接続ストラットは、長手軸線を有してもよい。ステントの幾つかの実施例においては、接続カラムの対称形状をなす接続ストラットのほぼ全ての長手軸線も、カラムの対称形状をなす接続ストラットの長手軸線に対して平行である。各対称形状をなす接続ストラットは、例えば、少なくとも6個の旋回点を有してもよい。
【0119】
幾つかの実施例において、ステントは、第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムを含む。第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムは、ステントの基端部および先端部を画定する。第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムは、互いに線対称をなす。
【0120】
幾つかの実施例においては、第1および第2の拡張カラムの個々の拡張ストラットは、隣接する個々の拡張ストラット対ループを連結する複数の拡張ストラット対ループを形成することも可能である。実施例によっては、隣接する個々の拡張ストラット対ループは、対称形状をなすように連結されてもよい。
【0121】
幾つかの実施例においては、第1および第2の拡張カラムの拡張ストラット対ループは、一直線に配列されてもよい。例えば、山部から谷部、谷部から山部、あるいは山部から山部をなすように配置されてもよい。
【0122】
拡張ストラットは、別名拡張カラムとして知られている拡張環を形成する環状をなすジグザグ環状構造を備えてもよい。これらの拡張カラムは、主に、最適な巻縮、均一かつ滑らかな拡張、および径方向強度に関与する。拡張カラム自身は、可撓性を有していなくてもよい。拡張カラムの各ジグザグ環状構造は、1対の拡張ストラットを有する。2つの拡張ストラットは、例えば、基端部または先端部において結合ループ部分により結合されてもよい。これらの対構成は、基端から先端、先端から基端へ交互に結合されて形成され、一実施例では、拡張カラムの外周に沿って継ぎ目なしに12回連続し、拡張カラムの外周に6個のジグザグ環状構造を有する。
【0123】
ステントの異なる実施例では、幾つかの異なる種類の拡張カラムの1つまたは複数を有してもよい。基端部の第1の末端拡張カラムは、先端部の第2の拡張カラムと線対称をなしてもよい。基端部拡張カラムに最も近接する第2の拡張カラムは、先端部拡張カラムの隣の拡張カラムにおいて線対称をなすことも可能である。そのような拡張カラムを中間拡張カラムへ移行することも可能である。ステントの中間部は、所定の長さのステントの中間部分の残りを形成するために繰り返される別の種類の拡張カラムを有してもよい。
【0124】
幾つかの実施例においては、基端部拡張カラムは、基端部拡張カラムの外周に沿って異なる種類の拡張ストラット対を形成する1つまたは複数の種類の拡張ストラットパターンを含むことも可能である。このようなタイプは、先端下り階段状部分を有する拡張ストラット、直線形状を有する拡張ストラット、および先端上り階段状部分を有する拡張ストラットを含む。先端部拡張カラムは、基端部拡張カラムと線対称をなしてもよい。異なる種類の拡張ストラットは、特定の順序において配置されてもよい。結合ループ部分は、基端部および先端部において、例えば交互に配列されて拡張ストラット対ループを形成することも可能である。
【0125】
基端部拡張カラムに最も近接する拡張カラム、および先端部拡張カラムに最も近接する拡張カラムは、線対称をなしてもよい。1つまたは複数の種類の拡張ストラットパターンが可能である。ステントの異なる実施例では、基端部に下り階段状部分を有する拡張ストラット、先端部に下り階段状部分を有する拡張ストラット、直線形状有する拡張ストラット、および基端部に上り階段状部分と先端部に下り階段状部分とを有する拡張ストラットの1つまたは複数を備えてもよい。そのような種類の拡張ストラットは、特定の順序で配列されてもよい。接続ループ部分は、例えば交互に配列されて、基端部、および先端部において拡張ストラット対ループを形成してもよい。基端部拡張カラムに最も近接する拡張カラム、および先端部拡張カラムに最も近接する拡張カラムは、拡張対ループを同様に結合してもよい。
【0126】
中間部の拡張カラムは、基端部に下り階段状部分を有する拡張ストラット、および先端部に下り階段状部分を有する拡張ストラット等の1つまたは複数の拡張ストラットを有してもよい。これらの種類の一対は、例えば、基端部または先端部において結合ループ部分により結合され、基端部および先端部において拡張ストラット対ループを交互に形成してもよい。
【0127】
ステントの異なる実施例では、複数の種類の拡張カラムを含んでもよい。拡張ストラット対と拡張カラムの特定の形状は、特定の性能のために形成されてもよい。長い部分と短い部分との間の斜状移行領域を有する拡張ストラットの短い上り階段状または下り階段状部分、およびより長い直線部分は、異なる拡張性、平滑面化効果、およびステント性能に対する十分に形成された巻縮空間を提供することができる。拡張ストラットの短い下り階段状または上り階段状は、接続ストラットが、拡張ストラット対ループの一側面に結合する箇所において形成される。接続ストラットは、拡張ストラット対ループの側面から直接に延びて拡張ストラットに結合されてもよく、追加、溶接、あるいは装着された異なる構造体ではなく、ステント構造と一体化されてもよい。ステント要素、例えば拡張および接続ストラットを表す個々の用語は、異なるステント部分の構造および機能を適切に述べており、先の異なる要素が後で連結されることを意味しない場合もある。
【0128】
接続ストラットは、例えば、対称をなすほぼM字型の形状を有することも可能である。対称をなすほぼM字型の形状では、中心の構成要素は、陥入され切断された円錐形状(または台形形状)を有し、および/または、外側腕は短く切断されている。接続ストラットの長手軸線は、ステントの長手軸線と同一線上に配列されてもよい。ステントの異なる実施例では、1つまたは複数の水平セグメント、上下方向に延びる傾斜部分、および短い外側腕端部分、すなわち両側性を有する短い幹部を有し、幾つかの旋回点を有する接続ストラットを有してもよい。一実施例においては、接続ストラットは、3つの水平セグメント、上下方向における2つの長い傾斜部分、および2つの両側性を有する短い幹部を6個の旋回点と共に備える。接続ストラットの旋回点は、優れた表面調節により角部分を平滑にするような異なる幾つかの曲率半径を有する。一実施例においては、旋回点により、ステントは可撓性を備えるが極めて滑らかな表面形状を備える。
【0129】
接続ストラットは、各端部において拡張ストラット対ループを同側で結合させてもよい。接続ストラットの倒立台形(または切断された円錐形状)をなす中心の構成要素は、例えば、線対称をなすパターンにおいて配列された2つの並列する拡張ストラット対ループの間の連結空間に陥入されてもよい。幾つかの実施例において、ステントは、中心のセル空間へ突出しない。ほぼM字型の接続ストラットは、連結空間を複数の部分に分割する。両側性を有する短い幹部は、並列される拡張ストラット対ループの同側で結合されてもよく、中心の構成要素、切断された円錐形状または台形形状は、2つの並列した拡張ストラット対ループの間の連結空間に陥入されてもよい。
【0130】
ステントの幾つかの実施例においては、2つの両側性を有する短い幹部が、同側において拡張ストラット対ループを結合する場合、接続ストラットは、接続ストラットの各側で2つの並列する拡張ストラット対ループに結合する。拡張ストラットの下り階段状または上り階段状部分は、接続ストラットに、巻縮を行うための十分に平坦な空間を提供できる。陥入した1つの中心部分または複数の中心部分と共に、同側である接続ストラットを複数の旋回点を有する連結空間へ結合させることにより、可撓性、平滑面化、適合性、セル形状(例えば、六角形に拡張した形状)を備え、過剰な金属比のない良好に形成された血管保護性を有するステントネットメッシュを形成できる。
【0131】
幾つかの実施例においては、接続ストラットの一端は、拡張ストラット対ループに結合されて、拡張ストラットに対する接続ストラットの比を2対2にする。
幾つかの実施例においては、拡張カラムおよび接続カラムが、単一ユニットとして結合される場合、ステントは、外周をステントの長さに沿って破断または切り離されることなく、連続する切れ目のない円筒形状を有することができる。拡張ストラットと接続ストラットとの間の継ぎ目のない結合により、等間隔かつ均一に離間された非対称をなすセルが形成される。セルの寸法は、セルの寸法は、臨床すなわち用途における必要条件によって変更できるように、ステント(設計)のプラットフォームをプログラム処理することにより、最大限または最小限にすることも可能である。
【0132】
図16は、第1の拡張カラム429、第2の拡張カラム430、第3の拡張カラム431、第1の接続ストラットカラム432、および第2の接続ストラットカラム433を有する、ステント410の一実施例を示す側面図である。ステント410は、基端部420および先端部422を有する。ステント410は、管状すなわちは円筒状の構造を有する。ステント410は、長手長さ424および長手軸線426を有する。
【0133】
幾つかの実施例においては、拡張カラムは、ジグザクおよび/または波状の環形状からなる拡張ストラットである。ステント410の拡張カラム、例えば拡張カラム430は、連続する円環であってもよい。複数の拡張ストラットカラムは、切れ目のない方法で、ステント410の長手軸線426に沿って連続して接続ストラットと互いに連結されて、管形状を有するステント410を形成する。拡張カラムと拡張ストラットカラムとの間の相互連結は、拡張ストラットと接続ストラットとによって形成される空間、すなわちセルを含む。図16に示される実施例においては、多くのセルが、例えばステント410の中間部に対称形状を有するが、例えば、基端部420および先端部422に近接する幾つかのセルは、非対称形状を有してもよい。
【0134】
図17は、ステント410の一実施例を示す等角図である。ステント410の後半分は、ステント410の前半分を通して見ることができる。ステント410は、中心管腔、基端開口部440、および先端開口部442を備える管状構造を有する。ステントセル434は、拡張ストラットと接続ストラットとの網状構造において開放空間を含む。管腔は、ステントによって形成される中央に開放された通路を含む。ステント410は、2つの異なる径を有し、外径436と内径438を有することにより、ステント410の厚さにおける差を形成する。外径436と内径438は、ステント410の巻縮段階において外径436と内径438との差が狭められ、ステント410の拡張段階において外径436と内径438との差が広がるように変化してもよい。
【0135】
図18は、ステント410の一実施例を示す展開図である。ステント410は、基端部420および先端部422を有する。ステント410は、15mmの冠動脈用ステントを示す拡大図において示される。ステント410は、8つの拡張カラムと7つの接続ストラットカラムを有する。基端部420には、2つの異なる拡張カラム444、446を有し、これらは先端部422における2つの拡張カラム445、447と線対称をなす。ステント410は、その中間部に4つの同一の拡張カラム448を有する。7つの接続ストラットカラムが、ステント410の長手軸線426に沿って8つの拡張カラムと相互に連結される。基端部の第1の接続ストラットカラム530および最後の接続ストラットカラム530は、線対称をなす。ステント410は、その中間部において、2つの直立状接続ストラットカラム532、および3つの逆さ状接続ストラットカラム134を有する。6つの異なる形状からなる、合わせて449個のセルがある。幾つかのセルは対称形状を示し、また、非対称形状を有するセルもある。
【0136】
拡張カラム444、446、448、447、445は、山部から山部へ配列された拡張ストラット対ループと上下方向に配置される。一方の拡張カラムの短い先端下り階段状セグメントは、他方の拡張カラムの短い基端下り階段状セグメントと係合される。ステント410の中間部において、ストラット対ループの山部から山部へ係合された配列パターンは繰り返される。基端部420の拡張カラム444、446、および先端部422の拡張カラム447、445の形状は、ステントの中間部の拡張カラム448と線対称をなす。先端および基端の下り階段状セグメントの拡張ストラット対ループの山部から山部への配列は、ステント410全体にわたって整合性を有する。
【0137】
接続ストラットカラム530、532、534は、ステントの長さ424および外周428に沿って、連続かつ切れ目なく拡張カラム444、446、448、447、445と互いに結合する。第1および最後の接続ストラットカラム530は、ほぼ逆M字状およびほぼM字状の接続ストラットの両方を使用する。ステント410の中間部で、接続ストラットカラム532は、ほぼM字型接続ストラットを使用するが、接続ストラットカラム534は、ほぼ逆M字型の接続ストラットを有する。ほぼM字型の接続ストラットは、先端および基端下り階段状セグメントを有する2つの並列した拡張ストラット対ループの同側において取り付けられる。拡張カラム430の波状ループの先端および基端下り階段状セグメントの並列する配置により、ステント410のほぼM字型の接続ストラットの基端および先端の両側性を有する短い幹部に対して、平滑かつ有効な巻縮空間を形成する。
【0138】
図18において、ステント410は、向かって左側に基端部420、右側に先端部422を有する。ステント410は、水平方向に長さ424、上下方向に外周428を有し、基端部420から先端部422までの長さ424に沿って、水平方向に長手軸線426を有する。
【0139】
拡張カラムの幅(水平寸法)は、接続ストラットカラムの幅より広い。しかしながら、接続ストラットカラムの幅は、拡張カラムの幅と同じか、またはそれより長く形成されてもよい。接続ストラットカラムと拡張カラムとの間の幅比率の変更は本発明の範囲内にある。拡張カラムの拡張ストラットの環状構造の数、および接続ストラットカラムの接続ストラットの数は、変更可能である。また、拡張ストラットの環状構造と接続ストラットを構成する変数は、本発明の範囲内にある。
【0140】
図19Aは、ステント410の一実施例の中間部分を示す拡大図である。図19Aは、同一の拡張カラム448を示す。各拡張カラム448は、基端部および先端部にそれぞれ6個のループを有する、連続かつ切れ目のない拡張ストラット対ループの6個の環状構造を有する。拡張ストラット448の各拡張ストラット対ループは、規則的に交互に配列された状態で、基端部に短い下り階段状セグメント456を有する階段状拡張ストラット454、先端部に短い下り階段状セグメント458を有する階段状拡張ストラット454を備える。図18のステント410の実施例は、拡張カラム448に12個の階段状拡張ストラット454を含む。1対の階段状拡張ストラット454は、基端部にある結合ループ470により結合され、1対の階段状拡張ストラット454は、先端部にある結合ループ472により結合される。1対の階段状拡張ストラット454が、結合ループ470または472により結合されると、ループが形成される。
【0141】
拡張ストラット454は、基端部に長い直線状セグメントおよび短い下り階段状セグメント456を有してもよい。移行斜面474は、階段状拡張ストラット454中の下り階段状基端セグメント456と、直線状セグメントとの間に位置される。同様に、移行斜面476は、階段状拡張ストラット454の下り階段状先端セグメント458と、直線状セグメントとの間に位置される。拡張カラム448の拡張ストラット対ループは、拡張カラム448において同一であってもよい。
【0142】
拡張カラム448において、拡張ストラット454の直線状セグメントは、水平方向に延びる長手軸線482を有する。同様に、基端部に短い下り階段状セグメント456は、長手軸線484を有し、また、軸線484が軸線482と平行である必要はないが、軸線480に水平かつほぼ平行に位置する。先端の短い下り階段状セグメント458は、長手軸線486を有し、また、軸線486が軸線482に対して平行である必要はないが、軸線480に対して水平かつほぼ平行に位置する。
【0143】
拡張カラム448は、1つの拡張カラム448の拡張ストラット対ループの基端山部470と上下方向に配列されてもよく、同拡張カラム448は隣接する拡張カラム448の拡張ストラット対ループの先端山部472と並列される。隣接する拡張カラム448の短い下り階段状セグメント456、458は、同側、すなわち同じ側において配列される。同様に、隣接する拡張カラム448中の拡張ストラット454の長い直線状セグメントは、同側において配列されてもよい。2つの隣接する拡張カラム448の間の下り階段状セグメント456、458の同側における並列形状により、隣接する拡張カラム448に対してほぼM字型の接続ストラットを非対称的に結合させる。
【0144】
図19Aにおいて拡張カラムが配列されると、隣接する拡張カラムの拡張ストラット454の2つの軸線482は非平行状態にある必要はないが、拡張カラム448の階段状拡張ストラット454の長手軸線482は、隣接する拡張カラム448の階段状拡張ストラット454の長手軸線482に対してほぼ平行に延びる。
【0145】
直立するほぼM字型の接続ストラット490は、隣接する拡張カラム448の拡張ストラット対ループの下り階段状セグメント上に、山部から山部へ並列されて拡張ストラット対ループの同側において結合されてもよい。ほぼM字型の接続ストラット490の中心の構成要素は、隣接する拡張カラム448の2つの並列された拡張ストラット対ループの間の連結空間の範囲内に配置されてもよい。ほぼ逆M字型の接続ストラット492は、隣接する拡張カラム448の拡張ストラット対ループの直線状のより長いセグメント側において、山部から山部へ並列されて、拡張ストラット対ループの同側において結合されてもよい。ほぼ逆M字型の接続ストラット492の中心の構成要素は、隣接する拡張カラム448の2つの並列した拡張ストラット454対ループの間の連結空間の範囲内に配置されてもよい。
【0146】
図19Bは、ステント410の一実施例の中間部分を示す拡大図である。ほぼM字型の接続ストラット490は、2つの隣接する拡張カラム448を結合する。接続ストラット490は、長手軸線494を有し、同軸線494は、ステント410の長手軸線426と同じ方向に沿って水平に延びる。
【0147】
ほぼM字型の接続ストラット490は、基端部において基端方向に両側性を有する短い幹部500、および先端部において先端方向に両側性を有する短い幹部502を有する。これらの2つの幹部は、2つの隣接する拡張カラム448の並列した拡張ストラット対ループの下り階段状短セグメント456、458を同側において結合させる固定部である。ほぼM字型の接続ストラット490は、対称形状を有する。3つの水平セグメント504、506、508をさらに有する。水平セグメント504は、基端ステム500から曲率半径514を介して延びる。先端ステム502と曲率半径524を備える先端水平セグメント508は、基端側の水平セグメントと線対称をなす。中間の水平セグメント506は、ほぼM字型の接続ストラット490の切断された円錐の底部に位置される。中間の水平セグメント506の両側において、2つの線対称をなす上下方向における傾斜セグメント510、512が位置される。基端側の傾斜セグメント510は、曲率半径516を介して基端側の水平セグメント504から延び、曲率半径518を介して中間の水平セグメント506から延びる。同様に、先端の傾斜セグメント512は、曲率半径520を介して中間水平セグメント506から延び、曲率半径512を介して先端の水平セグメント508から延びる。ほぼM字型の接続ストラット4490には、6個の曲率半径514、516、518、520、522、524がある。これら6個の曲率半径は、接続ストラット490の可撓性を有する旋回点として機能し、それにより、ステント410はさらに高い可撓性を有する。ほぼM字型の接続ストラット490の構造は、隣接する拡張カラム448の2つの並列した拡張ストラット対ループ山部470、472の間の仮想上の「連結空間」の内側にほぼまたは全体的に配置される。ほぼM字型の接続ストラット490の切断された円錐状の中心構成要素は、ステントセル434の自由空間へほぼ突出する代わりに、隣接する拡張カラム448の並列した拡張ストラット対ループの間の連結空間へ転回または陥入されてもよい。これにより、ステント植込み処置の搬送段階においてステントの巻縮性および平滑面化を補強できる。
【0148】
ほぼ逆M字型の接続ストラット492は、ほぼM字型の接続ストラット490の反転像である。連結空間534のほぼ逆M字型の接続ストラット492は、ほぼM字型の接続ストラット490に類似するが、ほぼM字型の接続ストラット490の直立状の配列ではなく、逆さ状の配列を有する。ほぼ逆M字型の接続ストラットという呼称は、ほぼM字型の接続ストラット492の名称に類似する。ステント410の中間部において、接続ストラットカラム432は、ほぼM字型の接続ストラットカラム532とほぼ逆M字型の接続ストラットカラム534との間において、交互に配置されるが、拡張カラム448は、同じ形状を繰り返すことも可能である。接続ストラットカラム534の逆さ状の接続ストラット492は、隣接する拡張カラム448の拡張ストラット対ループ山部470、472の拡張ストラット454の長い直線状セグメントの同側において結合されてもよい。
【0149】
M字型490の全体の長さは、接続ストラットカラム空間532の幅より実質的に長くてもよい。このことにより、拡張時においてステント10の収縮を補償し、接続ストラットカラム532の可撓性を補強する。
【0150】
接続ストラットカラム532において、ほぼM字型の接続ストラット490は、隣接する拡張カラム448の2つの並列された拡張ストラット対ループの基端または先端の下り階段状セグメント456、458の同側において結合される。
【0151】
図20Aは、ステント410の基端部420等の、ステント410の一実施例の端部分を示す拡大図である。同図は、拡張カラム444、446、448を詳細に示す。
図20Bは、ステント410の一実施例の端部分を示す拡大図であって、接続ストラットカラム530、534の詳細を示す。
【0152】
本発明の幾つかの実施例において、図21〜25に示されるようなステント610は、接続ストラットおよび拡張ストラットを備え、各接続ストラットの少なくとも一部は、隣接する拡張ストラットの一部と実質的に平行状態にある。
【0153】
図21は、第1の拡張カラム629、第2の拡張カラム630、第3の拡張カラム631、第1の接続ストラットカラム632、および第2の接続ストラットカラム633を有するステントの実施例を示す。第1の接続ストラット、第2の拡張カラム、および第3の拡張カラムは、複数の拡張ストラット対を形成する個々の拡張ストラットを含んでもよい。ステントの多くの実施例においては、2つの隣接する拡張ストラット対は、共通のストラットを共有する。
【0154】
第1の接続ストラットカラムおよび第2の接続ストラットカラムは、複数の独立した接続ストラットを含む。各接続ストラットは、曲線からなる基端部分および曲線からなる先端部分を有する階段状形状を示す。第1の接続ストラットカラムは、個々の第1の接続ストラットを含んでもよく、第2の接続ストラットカラムは、個々の第2の接続ストラットを含んでもよい。第1の接続カラムは、第1および第2の拡張カラムを結合する。
【0155】
図21は、第1の接続カラム632が、第1の拡張カラム629および第2の拡張カラム630を結合する実施例を示す。第2の接続カラム633は、第2の拡張カラム630と第3の拡張カラム631を連結する。
【0156】
各拡張ストラットは、階段形状を有してもよい。第2の拡張カラムの拡張ストラット対の基端部に結合される第1の拡張カラムの拡張ストラット対の先端部は、上下方向に偏位されていてもよい。また、第3の拡張カラムの拡張ストラット対の基端部に結合される第2の拡張カラムの拡張ストラット対の先端部も、上下方向に偏位されていてもよい。
【0157】
幾つかの実施例において、ステントは、中間部分、基端側の曲線部分、および先端側の曲線部分を含む5つの部分を有する接続ストラットを備える。各第1の接続ストラットの基端部分は、第1の拡張カラムの拡張ストラット対に対して反対側において結合されてもよい。先端部分は、第2の拡張カラムの拡張ストラット対に対して反対側において結合されてもよい。基端および先端部分は、同じ長さを有していてもよい。
【0158】
基端および先端側の曲線部分の少なくとも一部は、第1の拡張カラムまたは第2の拡張カラムにおける拡張ストラット対ループの一部と平行であってもよい。
基端部分は、第1の拡張カラムの拡張ストラットに結合した終端部、および第1の拡張カラムの拡張ストラットの少なくとも1つの面に結合された少なくとも1つの面を含むことも可能である。先端部分は、第2の拡張カラムの拡張ストラットに結合した終端部、および第2の拡張カラムの拡張ストラットの少なくとも1つの面に結合された少なくとも1つの面を含んでもよい。
【0159】
各接続ストラットの基端および先端部分の少なくとも1つは、第1のおよび第2の拡張カラムの拡張ストラット対、または第2のおよび第3の拡張カラムの拡張対に対して、反対側において結合されてもよい。
【0160】
各接続ストラットの曲線からなる基端部分の少なくとも一つは、拡張ストラット対ループの一部と平行であってもよい。核接続ストラットの曲線からなる先端部分の少なくとも一部は、拡張カラムの拡張ストラット対ループの一部と平行であってもよい。
【0161】
各接続ストラットの曲線からなる基端部分の少なくとも一部は、拡張カラムの拡張ストラット対ループの基端側に近接して位置決めされてもよい。各接続ストラットの曲線からなる先端部分の少なくとも一部は、拡張カラムの拡張ストラット対ループの基端側に近接して位置決めされてもよい。例えば、0.001〜0.050インチ(約0.0254〜1.27mm)、0.001〜0.040インチ(約0.0254〜1.016mm)、および/または、0.001〜0.030インチ(約0.0254〜0.762mm)の範囲において基端側に近接してもよい。
【0162】
ステントの異なる実施例においては、各接続ストラットは、基端部、先端部、4個の旋回点、および長手軸線を有する。基端部は、第1の方向に延びてもよい。接続ストラットの先端部は、第1の方向とは逆の第2の方向に延びてもよい。
【0163】
第1の接続ストラットカラムの各接続ストラットは、基端側および先端側の曲線部分において、それぞれ2個の曲率半径を有する。図25において、基端側の曲線部分において2個の曲率半径を有する旋回点712、714、および先端側の曲線部分において曲率半径を有する旋回点716、718が示される。
【0164】
接続ストラットの長手軸線は、ステントの長手軸線に対して平行に延びる必要はない。幾つかの実施例においては、同じ接続ストラットカラムにおける各接続ストラットは、類似する長手軸線を共有してもよく、そのような長手軸線は互いに平行状態にあってもよい。
【0165】
各第1の接続ストラットは、第1の方向へ延びる長手軸線を有してもよい。各第2の接続ストラットは、反対側の第2の方向へ延びる長手軸線を有してもよい。
中間部分は長手軸線を有してもよい。中間部分の長手軸線は、第1の拡張カラムの拡張ストラットに対して平行に延び、第2の拡張カラムの拡張ストラットに対して平行に延びるが、第1の接続ストラットの長手軸線に対しては非平行状態にあり、また、ステントの長手軸線に対して平行に延びてもよい。中間部分は、曲線からなる基端部分および先端部分に結合されてもよい。
【0166】
各接続ストラットは、第1および第2の拡張カラムに対して反対側において結合される。接続ストラットの少なくとも一部は、非対称形状を有してもよい。
幾つかの実施例において、ステントは、第1の末端拡張カラムおよび第2の末端拡張カラムを含む。第1および第2の末端拡張カラムは、ステントの基端および先端部を画定し、互いに線対称をなす。
【0167】
複数のセルは、第1の拡張カラム、第2の拡張カラム、および第1の接続ストラットカラムにより画定されてもよい。セルは、均一に離間された非対称形状を有していてもよい。セルは、ほぼ拡張した状態において、ほぼ六角形をなす均一に離間された形状を有する。2つの隣接する拡張カラムの拡張ストラット対ループは、山部から谷部、谷部から山部、または山部から山部を形成するように配列されてもよい。
【0168】
拡張カラムは、環状をなす拡張ストラット対を形成する拡張ストラットを備える。拡張ストラットの各対は、基端部または先端部において結合ストラット部分により結合された2つのストラットを有する。結合ストラット部分により結合された2つの隣接する拡張ストラットの間におけるこのような対形成は、基端から先端、先端から基端へ交互に配列されて行われる。一実施例において、この配列は、環状の外周に沿って、6個のジグザグ環状構造に対して、環の外周に沿って切れ目なく12回連続する。このような実施例においては、拡張ストラットにおいて交互に配置される12個の拡張ストラット対を有する。また、結合交互に配置される構成において、基端部に6個の結合ストラット部分、先端部に6個の結合ストラット部分からなる12個の結合ストラット部分を有してもよい。拡張ストラットは、基端部における短い下り階段状セグメント、先端部における短い下り階段状セグメント、基端部における短い上り階段状セグメント、および先端部における短い上り階段状セグメントの1つまたは複数を備えてもよい。幾つかの実施例において、ステントは、階段状拡張ストラットの長い部分と短い部分との間において、短い斜状移行セグメントを有する拡張ストラットを含む。ステントの異なる実施例は、1つまたは複数の異なる拡張ストラットの異なる組合せを含んでもよい。ステントの基端部または先端部において、末端拡張カラムの終端側は、平滑かつ均一な円形ループを有してもよい。
【0169】
ステントの異なる実施例は、1つまたは複数の種類の拡張カラムを含む。第1の拡張カラムは、異なる拡張ストラット対を含む。基端部にある結合ストラット部分は、基端部における短い下り階段状部分を有する拡張ストラットと、先端部における短い下り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。先端部にある結合ストラット部分は、先端部における短い下り階段状部分を有する拡張ストラットと、基端部における短い下り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。これらの拡張ストラット対は、連続して交互に配置されて、例えば、拡張環の周りに6個の環状構造を形成する。
【0170】
第2の拡張カラムは、異なる拡張ストラット対を含む。基端部にある結合ストラット部分は、基端部における短い上り階段状部分を有する拡張ストラットと、先端部における短い上り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。先端部にある結合ストラット部分は、先端部における短い上り階段状部分を有する拡張ストラットと、基端部における短い上り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。これらの拡張ストラット対は、連続して交互に配置されて、例えば、拡張環の周りに6個の環状構造を形成する。
【0171】
異なる種類の拡張カラムは、接続カラムにより、ステントの長さに沿って、交互に配列して結合された状態で配列されてもよい。斜状移行部分を有する上り階段状または下り階段状セグメントにより、ステントには可撓性、平滑面化効果、および良好に形成された巻縮空間が提供される。接続ストラットは、拡張ストラットの短い下り階段状または上り階段状部分において、拡張ストラット対と結合されてもよい。接続ストラットは、拡張ストラットから直接に延び、追加、溶接または装着された別の構造ではなく、ステント構造と一体化された部分であってもよい。ステント構成要素、例えば、拡張ストラットや接続ストラット等の用語は、異なるステント部分の構造および機能を適切に表している。
【0172】
接続ストラットは、斜状をなす配向により、鉛直面から一方の面または他方の面に対して、対角線上に傾斜した長手軸線を有する曲線からなる二重階段形状を有してもよい。異なる接続ストラットカラムの接続ストラットは、線対称をなす異なる長手軸線を有してもよい。ステントの幾つかの実施例においては、接続ストラットは、3つのセグメント、2つの末端幹部分、および4個の旋回点を有する。旋回点は、異なる曲率半径を有してもよい。これらの複数の旋回点は可撓性に関与する。接続ストラットの一端は、一方の拡張ストラットカラムの拡張ストラット対と結合し、接続ストラットの他端は、隣接する拡張ストラットカラムの別の拡張ストラット対に結合してもよい。接続ストラットは、斜状配向において2つの並列する拡張ストラット対を結合してもよい。ステントの接続ストラットの斜状配向は、ステントに、さらなる可撓性、優れた巻縮性、血管適合性、および平滑面化を提供する。
【0173】
さらに、接続ストラットが拡張ストラット対を結合すると、接続ストラットの両端は、下り階段状または上り階段状部分において、隣接する拡張カラムの並列する拡張ストラット対の反対側において結合する。斜状配向および複数の旋回点を伴って反対側において接続ストラットを結合することにより、ステントの優れた性能が提供される。
【0174】
ステントの幾つかの実施例において、接続ストラットが拡張ストラット対に結合されるような場合には、拡張ストラットと接続ストラット数の比率は、2対1である。
拡張カラムおよび接続カラムが結合されると、ステントは、外周方向をステントの長さに沿って破断または切り離されることなく、連続する継ぎ目のない円筒形状を有することができる。拡張ストラットと接続ストラットとの間の切れ目のない結合により、均一に離間された非対称形状のセルが形成される。セルの寸法は、臨床すなわち用途における必要条件によって変更できるように、ステントの拡張ストラットと接続ストラットの寸法をプログラム処理することにより、最大限または最小限にすることも可能である。
【0175】
図21は、ステント610の一実施例を示す側面図であり、ステント610は、第1の拡張カラム629、第2の拡張カラム630、第3の拡張カラム631、第1の接続ストラットカラム632、および第2の接続ストラットカラム633を有する。また、ステント610は、基端部620および先端部622を有する。ステント610は、管状すなわち円筒状構造を有する。ステント610は、長手長さ624および長手軸線626を有する。
【0176】
ステントの幾つかの実施例においては、拡張カラムは、拡張ストラットのジグザグすなわち波形の環形状であってもよい。ステント610の拡張カラム、例えば拡張カラム630は、切れ目のない円環であってもよい。複数の拡張ストラットカラムは、切れ目のないようにステント610の長手軸線626に沿って連続して接続ストラットと相互に連結され、管状をなすステント610を形成してもよい。拡張カラムと拡張ストラットカラムとの間における相互連結は、拡張ストラットと接続ストラットとにより形成された空間、すなわちセルを包囲する。図21に示される実施例においては、全てのセルが非対称形状を有する。ステント610は、外径636および内径638を備える2つの異なる径を有し、それによりステント610の厚さにおける差が生じる。外径636および内径638は、ステント610の巻縮段階において外径636と内径638との差が狭められ、ステント610の拡張段階において外径36と内径38との差が広がるように変化してもよい。
【0177】
図22は、ステント610の一実施例を示す等角図である。ステント610の後半分は、ステント610の前半分のセル空間を通して見ることができる。ステント610は、中心管腔、基端開口部640、および先端開口部642を有する管状構造を有する。ステントセル634は、拡張ストラットと接続ストラットとの網状構造において開放空間を含む。管腔は、ステントの拡張および接続ストラットによって形成される中央に開放された通路を含む。
【0178】
図23は、ステント610の一実施例を示す転回平面図である。ステント610は、基端部620と先端部622を有する。図23は、15mmの冠動脈用ステントを示す拡大図である。ステント610は、8つの拡張カラムと7つの接続ストラットカラムを有する。基端部620において拡張カラム644を有し、これらは先端部622における拡張カラム646と線対称をなす。ステント610の中間部においては、6つの拡張カラムがあり、拡張カラム649が拡張カラム648と交互に配列されている。4つの接続ストラットカラム694と3つの接続ストラットカラム692を含む7つの接続ストラットカラムが、ステント610の長手軸線626に沿って8つの拡張カラムと相互に連結されることにより、接続ストラットカラム694が、接続ストラットカラム692と交互に配列される。異なる非対称形状をなすセルは、全部で642セルである。この実施例における全てのセルは、非対称形状を有する。拡張カラム644、646、648、649は、山部から谷部へ配列された拡張ストラット対ループと上下方向において配列される。接続ストラットカラム692、694は、長さ624かつステント610の外周628に沿って、連続かつ切れ目のないように拡張カラム644、646、648、649を相互に結合する。
【0179】
図23において、ステント610は、向かって左側に基端部620、右側に先端部622を有する。ステント610は、水平方向に長さ624、上下方向に外周628を有し、基端部620から先端部622までの長さ624に沿って水平方向において長手軸線626を有する。
【0180】
拡張カラムの幅(水平寸法)は、接続ストラットカラムの幅よりも広い。しかしながら、接続ストラットカラムの幅は、拡張カラムの幅と同じか、より長く形成されてもよい。接続ストラットカラムと拡張カラムとの間の幅の異なる比率は、本発明の範囲内にある。拡張カラムの拡張ストラットの環状構造の数と、接続ストラットカラムの接続ストラットの数を、可変的に異なるようにしてもよい。拡張ストラットの環状構造と接続ストラットを構成する異なる数は、本発明の範囲内にある。
【0181】
ステントの異なる実施例においては、1つのタイプの拡張カラムは、異なる拡張ストラット対を含む。基端部における結合ストラット部分は、基端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラットと、先端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。先端部おける結合ストラット部分は、先端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラットと、基端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。これらの拡張ストラット対は、連続して交互に配置されて、例えば、拡張環の周囲に6個の環状構造を形成する。
【0182】
図24は、このような拡張カラム648を備えるステントの実施例を示す。基端部にある結合ストラット部分670は、基端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラット625と、先端部に短い下り階段状部分を有する拡張ストラット654を結合して、拡張ストラット対ループを形成することが可能である。先端部にある結合ストラット部分672は、先端部662に短い下り階段状部分を有する拡張ストラット654と、基端部660に短い下り階段状部分を有する拡張ストラット652を結合して、拡張ストラット対ループを形成することも可能である。
【0183】
他の種類の拡張カラムは、異なる拡張ストラット対の組合せを含む。基端部にある結合ストラット部分は、基端部に短い上り階段状部分を有する拡張ストラットと、先端部に短い上り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。先端部にある結合ストラット部分は、先端部に短い上り階段状部分を有する拡張ストラットと、基端部に短い上り階段状部分を有する拡張ストラットを結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。
【0184】
図24は、このような拡張カラム649を備えるステントの実施例を示す。基端部にある結合ストラット部分670は、基端部666に短い上り階段状部分を有する拡張ストラット656と、先端部668に短い上り階段状部分を有する拡張ストラット654を結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。先端部にある結合ストラット部分672は、先端部668に短い上り階段状部分を有する拡張ストラット658と、基端部666に短い上り階段状部分を有する拡張ストラット656を結合して、拡張ストラット対ループを形成してもよい。
【0185】
これらの基端および先端拡張ストラット対は、連続して拡張環の周囲に交互に配置されて、例えば、6個の環状構造を形成する。
移行斜面674は、階段状拡張ストラット652の下り階段状基端部分660と直線状セグメント664との間に位置する。同様に、移行斜面676は、階段状拡張ストラット654の下り階段状先端セグメント662と直線部分664との間に位置する。移行斜面678は、階段状拡張ストラット656中の上り階段状基端部分666と直線部分664の間に位置する。同様に、移行斜面679は、階段状ステップ拡張ストラット658の上り階段状先端部分668と直線部分664との間に位置する。
【0186】
図25は、接続ストラットカラム692および接続ストラットカラム694の例を示す。接続ストラットは、接続ストラットは、斜状をなす配向により、鉛直面から一方の面または他方の面に対して、対角線上に傾斜した長手軸線を有する曲線からなる二重階段形状を有してもよい。異なる接続ストラットカラムの接続ストラットは、線対称をなす異なる長手軸線を有してもよい。例えば、接続ストラットカラム692の接続ストラットの長手軸線720は、接続ストラットカラム694の接続ストラットの長手軸線722とは異なる。幾つかの実施例においては、接続ストラットは、3つのセグメント、2つの末端幹部分、および4個の旋回点を有する。図25は、基端側の曲線セグメント704、中心セグメント708、先端側の曲線セグメント706、基端部−幹部700、先端部−幹部702、および旋回点712、714、716、718を有する接続ストラットを示す。旋回点712は、基端部−幹部700と、基端側の曲線セグメント704との間の結合点であり、旋回点714は、基端側の曲線セグメント704と、中心セグメント708との間の結合点であり、旋回点716は、中心空間セグメント708と、先端側の曲線セグメント706との間の結合点であり、旋回点718は、先端側の曲線セグメント706と、先端部−幹部702との間の結合点である。これらの旋回点の曲率半径は異なる。これら複数の旋回点は、ステントの可撓性やステントの収縮の防止に関与する。接続ストラットの一端は、一方の拡張ストラットカラムの拡張ストラット対と結合し、接続ストラットの他端は、隣接する拡張ストラットカラムの別の拡張ストラット対に結合する。例えば、接続ストラット692の接続ストラットは、一方の拡張カラムの拡張ストラットに結合した基端部696、および別の拡張カラムの拡張ストラットに結合した先端部698を有する。接続ストラットの基端部696および先端部698は、下り階段状または上り階段状部分において、隣接する拡張カラムの並列する拡張ストラット対の反対側に結合される。接続ストラットの斜状配向および複数の旋回点を伴って反対側において接続ストラットを結合させることにより、ステントの優れた性能が提供される。接続ストラットは、斜状配向において2つの並列する拡張ストラット対を結合する。ステントの接続ストラットの斜状配向により、ステントに、さらなる可撓性、優れた巻縮性、血管適合性、および平滑面化を提供する
図26および27は、非拡張状態におけるステント810の一実施例を示す。ステント810は、複数の拡張ストラット対816を形成する個々の拡張ストラット814を有する第1の拡張カラム812を備える。第1の拡張カラム812の隣接する拡張ストラット対816は、符号818により示される共通のストラットを共有する。また、第2の拡張カラム820は、複数の拡張ストラット対822を形成する個々の拡張ストラット822を有する。第2の拡張カラム820の隣接する拡張ストラット対822は、符号824により示される共通のストラットを共有する。ステント810は、ステント810の搬送段階において、搬送バルーン、チューリップ形状を抑止する平滑面化、および適度な放射線不透過性を組み合わせて、十分な可撓性を備えることにより、搬送作業を容易にすべく構成される。
【0187】
ステント810は、可撓性および適合性を強化するが、最適な金属比率で十分な血管保護性も維持する。さらに、ステント810は、ステントのライフサイクルにおける搬送段階および配置段階における、(i)ほぼ均一に拡張するステントストラット、(ii)優れた径方向における強度および放射線不透過性、(iii)平滑面化を有する。ステント810は、外周においてその長さに沿って、破断または切り離されることなく、連続する継ぎ目のない円筒形状を有する。
【0188】
図28において示されるように、拡張ストラット対816、824は、隣接する個々の拡張ストラット814、822を結合するループを形成する。一実施例においては、拡張ストラット対816、824のループは、山部から山部を構成するように配列される。
【0189】
拡張ストラット対816、824は、先端部および基端部上の結合ストラットセグメントによって結合され、ステント810の外周に連続して選択された数の環状構造を構成する「ジグザグ」パターンを形成するループを構成する。環状構造の数は、任意の数であってもよく、一実施例においては、6またはそれよりも少ない。
【0190】
拡張ストラット814、822は、第1および第2のセグメントを有する。拡張ストラット814の第1のセグメントの少なくとも一部は、拡張ストラット対816のループに向かって基端側に近接して配置されてもよい。拡張ストラット822の第2の部分の少なくとも一部は、拡張ストラット対824のループに向かって基端側に近接して配置されてもよい。一実施例においては、少なくとも0.001インチ(約0.0254mm)の距離である。別の実施例においては、0.04インチ(約0.96mm)よりも少ない距離である。拡張ストラット対816、824の少なくとも一方の拡張ストラット814、822は、その基端部に階段状セグメントを有し、拡張ストラット対816、824の他方の拡張ストラットは、その先端部に階段状セグメントを有する。異なる実施例においては、拡張ストラット814、822は、(i)基端部に短い下り階段状セグメント、(ii)先端部に短い下り階段状セグメント、(iii)基端部に短い上り階段状セグメントおよび先端部に短い上り階段状セグメントを有する。これらの実施例の全てにおいて、拡張ストラット814、822は、拡張ストラット814、822の長い部分と短い部分との間において同じ長さを有する短い斜状移行セグメントを備える。
【0191】
図29に示されるように、ステント810は、複数の独立した接続ストラット828を有する第1の接続ストラットカラム826を備える。各接続ストラット828は、第1の拡張カラム812から延びる拡張ストラット814の拡張腕830、および第2の拡張カラム820の拡張ストラット822の拡張腕832である。
【0192】
図29に示す実施例において、ステント810の拡張ストラット812、820、834およびその他は、6個のジグザグ環状構造を有する。各6個の環状構造の拡張カラムは、12個の水平方向に配列された拡張ストラットを含む。接続ストラット826、840およびその他は、ジグザグ環状構造を有しないが、並列して配列された二重階段状の接続ストラットを有する。拡張ストラット対の各々については、単一の連結された接続ストラットを有し、拡張ストラットの接続ストラットに対する比率は、2対1である。
【0193】
また、ステント810は、別の拡張ストラットカラムおよび接続ストラットカラムを備える。ステント810は、拡張ストラット対838を形成する拡張ストラット836を有する第3の拡張カラム834を備える。第2の接続ストラットカラム840は、複数の独立した接続ストラット842より形成される。各接続ストラット842は、第2の拡張カラム820から延びる拡張ストラット822の拡張腕843、第3の拡張カラム834から延びる拡張ストラット836の拡張腕44である。
【0194】
異なる実施例においては、一方または両方の拡張腕830、832は、2つの対向する拡張ストラット対816、824の反対側または同側から延びる(図30)。また、一方または両方の拡張腕832、846は、それぞれ、2つの対向する拡張ストラット対824、838の反対側または同側から延びる。反対側から延びることにより、斜状の結合経路を提供し、接続ストラット828、842の複数の角度をなす旋回点は、ステント810の強化された可撓性、適合性、および優れた巻縮性を提供する。
【0195】
第1の接続ストラットカラム826の接続ストラット828は、長手軸線846を有し(図30)、第2の接続ストラットカラム840の接続ストラット842は、長手軸線846に対して平行ではない長手軸線48を有する(図31)。異なる実施例においては、長手軸線846、848は、(i)ステント810の長手軸線850に対して直交しない、(ii)長手軸線850にほぼ直交する、(iii)長手軸線850に対して角度をなしてほぼ斜状に位置し、(iv)長手軸線850に対してほぼ平行に位置する。
【0196】
長手軸線846は一方向852に延びるが、長手軸線848は反対方向854に延びる。長手軸線846、848は、各々、ステント810の長手軸線に対して斜め角度856を有する。長手軸線846の斜め角度856は、任意の数の異なるパターンにおいて方向852に延びるが、長手軸線848の斜め角度856は、任意の数の異なるパターンにおいて方向854に延びる。第1の接続ストラットカラム826の接続ストラット828のほぼ全ては、平行な長手軸線846を有する。第2の接続ストラットカラム840の各々の接続ストラット842や、他の接続ストラットカラムの他の接続ストラットにおいても同様である。好ましくは、第1の接続ストラットカラム826の各接続ストラット842は、長手軸線850に対して同じ斜め角度856を有する。ステント810の他の接続ストラットカラムの他の全ての接続ストラットにおいても同様である。各長手軸線846、848は、ステント810の長手軸線850に対する斜め角度856のように、傾斜角をなして上下に延びる形状を有する。この上下に延びて傾斜角をなす形状は、ステント810の可撓性、およびバルーンの巻縮性を強化する。
【0197】
本発明の異なる実施例においては、他の接続ストラットカラムの接続ストラット828、842、および他の任意の接続ストラットは、(i)単一階段状パターン、(ii)二重階段状パターン(図30および31)、(iii)多重階段状パターン、(iv)少なくとも1つのほぼ水平なセグメント858、および少なくとも1つの実質的に傾斜角を備えるセグメント860を含む階段状パターン、(v)少なくとも1つのほぼ水平なセグメント858、少なくとも1つの実質的に傾斜角を備えるセグメント860を含む階段状パターン、およびほぼ水平なセグメント858を、実質的に傾斜角を備えるセグメント860と結合する湾曲部分862、(vi)第1のセグメント858および第2のセグメント864、ならびに第1のセグメント858の少なくとも一部が、第1の拡張カラム812の拡張ストラット対816のループの基端側に近接するように形成する。湾曲部分862は、1つの曲率半径、複数の曲率半径、1つまたは複数の角度を有する曲率半径、広いまたは狭い曲率半径を有することも可能である。
【0198】
図30および31の実施例においては、拡張ストラット814、822は、複数の角度からなる旋回点865を有する二重階段状パターンを備える。旋回点865は、ステント810の可撓性も強化する。さらに、長手軸線850に対して斜状をなすように第1および第2の拡張カラム812、820を結合することにより、ステント810にさらに可撓性を提供する。
【0199】
隣接する拡張カラムおよびそれらの連結された接続ストラットカラムは、図32に示される複数のセル866を画定する。セル866は、非対称または対称形状を有する。セル866は、ステント810全体にわたって均一離間された形状を有してもよい。一実施例においては、セル866は、ステント810がほぼ拡張した状態にあるとき、実質的6個の側面を有する。別の実施例においては、セル866は、ステント810がほぼ拡張した状態にある場合は、実質的に六角形をなす。ステント810が拡張段階において拡張されるときに、金属変形によって生じる張力を緩和する張力緩和ノッチ867である。
【0200】
図33は、拡張カラム812、820の間隔および配置の特徴を示す一実施例であり、第1の接続ストラットカラム826は図示されていない。この実施例においては、第1の接続ストラットカラム826の幅は、拡張カラム812、820の幅より狭い。しかしながら、第1の接続ストラットカラム826の幅は、拡張カラム812、820の幅より狭められるか、同じか、またはより広くてもよい。また、ステント810の任意の接続ストラットカラムの幅は、変更可能であり、ステント810の他の接続ストラットカラムの1つまたは複数の幅とは異なる。さらに、ステント810の任意の拡張カラムの幅は、ステント810の他の拡張カラムの1つまたは複数の幅と異なり、変更することも可能である。
【0201】
第1、第2、および第3の拡張カラム812、820、834は、各々、波状の拡張環を形成することも可能である。
別の実施例においては、拡張ストラット対816ループおよび拡張ストラット対824ループは、拡張ストラット分岐点において第1および第2の分岐拡張ストラット腕868を形成する。
【0202】
図1〜33で示される異なる実施例において、ステントは、標準的な「単一の管状体」であってもよく、また、胴体、および1つまたは複数の枝部、あるいは、分岐ステントのように第2の通路の開口部を有する単一の枝部を含むように構成されてもよい。
【0203】
少なくとも一実施例において、図1〜33に示される異なるステント設計のいずれかは、血管内の搬送部位に1つまたは複数の治療剤を搬送するように設計されることも可能である。幾つかの実施例においては、ステントの少なくとも一部は、1つまたは複数の治療剤で被覆される。少なくとも一実施例では、被覆剤は、少なくとも1つの治療剤および少なくとも1つのポリマー(高分子)を含む。
【0204】
幾つかの実施例では、1つ以上のステント拡張支柱、接続支柱またはステントの他の部分が、動脈瘤部位への送出のために1つ以上の治療剤が配置され得る一つ以上の穴、ノッチ、または他の表面特性を含むように構成され得る。
【0205】
治療剤は、薬剤、非遺伝子薬剤、遺伝子薬剤などでもよい。適切な非遺伝子治療剤のいくつかの例としては、それに限定されないが、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびPパック(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)などの抗血栓剤;エノキサプリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻止する能力を有するモノクローナル抗体、ヒルジンおよびアセチルサリチル酸など抗増殖剤;デキサメタソン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、サルファサラジンおよびメサルアミンなどの抗炎症剤;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチンおよびチミジンキナーゼ阻害剤などの抗新生物/抗増殖/抗縮瞳剤;リドカイン、ブピバカインおよびロピバカインなどの麻酔剤;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤およびチック抗血小板ペプチドなどの抗凝固剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写アクチベーターおよび翻訳促進剤などの血管細胞成長促進剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、成長因子に対する抗体、ならびに成長因子および細胞毒素より構成される二機能性分子などの血管細胞成長抑制剤;抗体および細胞毒素より構成される二機能性分子;コレステロール低下剤;血管拡張剤;および内因性血管活性機構と干渉する剤、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0206】
薬剤が遺伝子治療剤を含む場合、そのような遺伝子薬剤としては、それに限定されないが、抗センスDNAおよびRNA;欠陥または不足している内因性分子を置換するための抗センスRNA、tRNAまたはrRNAをコードするDNA;酸性および塩基性の繊維芽細胞成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、形質転換成長因子αおよびβ、血小板誘導内皮成長因子、血小板誘導成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞成長因子およびインスリン様成長因子などの成長因子を含む血管新生因子;CD阻害剤、チミジンキナーゼ(「TK」)および細胞増殖に干渉するのに有用な他の薬剤を含む細胞周期阻害剤;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15およびBMP−16などの骨形態形成タンパク質(「BMP」)のファミリーの少なくとも1つ;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7のいずれか;ホモ二量体、異種二量体、またはそれらの組合せなどの、単独もしくは他の分子を有する二量体タンパク質;「ハリネズミ」タンパク質などのBMPの上流効果または下流効果を誘発する能力を有する分子、またはそれらをコードするDNAおよびそれらの組合せが挙げられる。
【0207】
治療剤が細胞材料を含む場合、細胞材料としては、それに限定されないが、ヒト起源の細胞(自己または同種異系);非ヒト起源の細胞(異種)およびそれらの任意の組合せが挙げられる。細胞材料のいくつかの例としては、それに限定されないが以下のものが挙げられる。
【0208】
SP(副集団細胞) これらの細胞は、最も初期の成人幹細胞のいくつかと考えられる。それらは、核からヘキスト染料を除くSP細胞の能力を利用する特定のFACS技術によって単離される。SP細胞は、骨髄に加えて、心筋および骨格筋を含むほとんどの組織から単離される。より一般的な表面細胞同定によって、これらの細胞は、Lin、Sca−1、c−Kit、CD43、CD45、CD34である。
【0209】
Lin(リネージ陰性細胞)この群の細胞は骨髄から単離され、特定の系統(例えば赤血球細胞)に分化した全ての細胞が除去されている。したがって、幹細胞および前駆細胞の全てが残存する。これは、全ての前駆細胞が残存することから有益であるが、しかし無関係の前駆細胞型を含むことによって効力を減少させ得る。
【0210】
LinCD34 CD34細胞は大きく注目されるが、幹細胞由来の最も初期の骨髄がCD34であることを示唆する多くの論文が後に出版されている。
LinCD34 細胞表面タンパク質CD34の存在は、造血幹細胞を同定するために使用されている。しかし、マーカーは、様々なレベルの成熟度の前駆細胞および白血球細胞にも存在する。
【0211】
LincKit cKitは、幹細胞因子のための細胞表面受容体であり、したがって、幹細胞選択についての正しい選択である。骨髄源から最も広範に研究されているが、しかし心臓からも単離されている。
【0212】
MSC(間充織幹細胞) 当初、これらの細胞が間葉組織(例えば、骨、軟骨、脂肪)の細胞に分化することからそのように名付けられたが、所定の条件下では心筋細胞にも分化することができる。骨髄から容易に単離されるとともに、造血幹細胞と異なりインビトロで増殖する。MSCの副集団は、より早く自己再生するとともに、一般のMSC集団より多効能分化により効力が大きいことが示されている。この分野では、ツラン・ユー(Tulane U)のDプロコップが発表されている。
【0213】
臍帯血細胞 子供の誕生に伴い臍静脈に残る血液から誘導されている。この血液は、高い比率で未熟な幹細胞または前駆細胞を含むことが示されている。一般的に、患者に合致したドナーが見出されるべきであるが、しかしながら、成人血からの幹細胞単離に比べて移植片対宿主拒絶反応の発生率の低さが報告されている。欠点としては、少ない血量における不十分な細胞数、予期しない先天的欠陥、およびHLAが適合しそうにない母親の血液の混入が挙げられる。
【0214】
心臓または他の組織由来の幹細胞 今日までのほとんどの研究は、骨髄から幹細胞を単離することに焦点を置いている。これは、化学療法および白血病治療のための骨髄移植を改善する上での集約的研究である。しかしながら、類似の手段によって同定され得る類似の幹細胞(例えばSP、cKit)は、他の組織(例えば脂肪、心筋)から単離され得ることは明らかである。
【0215】
全骨髄 (骨粒子からろ過される)全骨髄が移植される「最高の」アプローチ。利点としては、ほとんど加工することなく、全ての幹細胞および前駆細胞が存在し、マトリックスタンパク質および成長因子も存在することができる。欠点−1つまたは2つの幹細胞型が心臓の改善に関与する場合、それらは非常に低い数でのみ存在する。
【0216】
BM−MNC(骨髄単核細胞) 密度勾配遠心分離手段によって全骨髄から単離され、この集団は、非顆粒白血球細胞、前駆細胞および幹細胞を含む。
EPC(内皮前駆細胞) 細胞表面マーカーに基づいて骨髄から単離され、これらの細胞は内皮細胞になる。理論的には、これらの細胞は、虚血組織に送出されたときに新たな血管を形成する。
【0217】
骨格筋芽細胞(または衛星細胞) これらの細胞は、負傷に伴う骨格筋の再生に関与する。これらは、他の筋芽細胞または損傷を受けた筋肉繊維と融合する能力を有する。心筋療法は、これらの細胞が宿主組織に統合して組織特性を改善するか、または収縮に機能的に関与することができることを前提とする。
【0218】
MDC(筋肉由来の細胞) 成人骨格筋から単離される細胞の集団は、筋芽細胞に類似している。予備培養を行う単離方法は、生検後の様々な時点で培養皿に付着した細胞の収集を伴う。最高の能力を示す細胞は6番目の群で培養され、得られるまでに数日を要する。これらの細胞を用いて研究を行う研究者は、それらが、筋芽細胞の精製集団であるとともに高い移植効率および十分な手段をもたらすはずであることを主張する。
【0219】
Go細胞 近年、成人骨格筋から単離されたこれらの非サテライト細胞は、GATA−4を発現するとともに、所定のインビトロ成長条件下で自発的に脈打つ心筋細胞様細胞に進行する。
【0220】
内皮細胞 フィブリン基質を伴う自己内皮細胞の移植は、虚血性ヒツジモデルでの血管形成を誘発して心臓機能を改善した。
成人心筋細胞
繊維芽細胞 成人組織から容易に得られた繊維芽細胞は、成長因子を提供し、または外傷治癒応答に関与することができる。繊維芽細胞は、外傷治癒で重要な役割を果たす:細胞外基質の合成および沈着。繊維芽細胞は一般に、外傷治癒環境で収縮を起こす。
【0221】
平滑筋細胞 動脈から単離されたこれらの細胞は、MIに続いて血管形成および/または有益な心臓モデリングに関与したり、促進したりする。
MSC+5−aza 5−azaを用いた間充織幹細胞の培養は、心筋細胞への分化を進める。これらの細胞は処理後、自発的に脈打つ。
【0222】
成人心臓繊維芽細胞+5−aza 理論的に、5−azaを用いた心臓繊維芽細胞のインビトロ処理は、筋肉細胞への分化を生じる。
遺伝子操作細胞 患者からの細胞の単離、およびタンパク質の生成または心不全を治療するのに有益である細胞型への分化を促すために、インビトロでそれらを遺伝子操作すること。
【0223】
組織工学によって作製された移植片 患者から単離され、吸収性足場(例えば、コラーゲン、PLGA)に種付けされて培養される細胞。次いで、これらの細胞種付け構築物が、患者に移植される。
【0224】
MyoD瘢痕繊維芽細胞 転写因子のMyoDファミリーは、繊維芽細胞での骨格筋細胞の分化を促進する。処置としては、心臓の瘢痕繊維芽細胞の単離、インビトロでのMyoDを用いた遺伝子導入、および心臓での筋肉形成を促す細胞の送出が挙げられる。
【0225】
ペーシング細胞 電気的に導電性であり、かつ信号発生器となる遺伝子操作された繊維芽細胞。
胚幹細胞クローン 患者と遺伝子的に同一である心筋細胞、前駆細胞、または幹細胞を生じるクローニング技術の使用。
【0226】
胚幹細胞 これらの細胞は最も前駆的な細胞であり、所定の条件下で機能性心筋細胞に分化する。政治的および技術的障害が、この技術の商業化の前に克服されなければならない。
【0227】
胎児または新生児の細胞 ドナーの心臓から単離されたこれらの細胞は、免疫拒絶なしに宿主組織に組み込まれ得る。ヒトの胎児および新生児での心臓の継続的成長により、いくつかの心臓筋細胞の前駆細胞が存在するにちがいない。
【0228】
免疫学的に被覆された細胞 同種異系の細胞源(例えば、ドナーの心筋細胞)は、免疫拒絶により最近は実現不可能である。しかし、この技術を実施可能にする被覆技術が開発されている。
【0229】
組織工学によって作製された移植片 ドナーから単離され、次いで吸収性足場(例えば、コラーゲン、PLGA)に種付けされて培養される細胞。その後、これらの細胞種付け構築物が宿主または享受者に移植される。
【0230】
遺伝子操作細胞 ドナーからの細胞の単離、およびタンパク質の生成または心不全を治療するのに有益である細胞型への分化を促すために、インビトロでそれらを遺伝子操作すること。その後、操作された細胞が宿主または患者に移植される。
【0231】
奇形腫由来の細胞 奇形癌は、腫瘍が組織の異種混合物により構成される癌の形態である。この腫瘍からの細胞の単離、およびインビトロ操作および培養を通して、神経細胞系が発生する。ライトン バイオサイエンシズ(Layton Biosciences)は、これらの細胞をうまく使用して、脳卒中患者における新たな脳組織を形成している。類似の技術が、筋原細胞系を生成するために使用され得る。
【0232】
治療剤が、少なくとも1つの高分子剤または被覆剤を包含する場合、少なくとも1つの被覆剤として、それに限定されないが、ポリカルボン酸;酢酸セルロースおよび硝酸セルロースを含むセルロース性高分子;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;架橋ポリビニルピロリドン;マレイン酸無水物重合体を含むポリ無水物;ポリアミド;ポリビニルアルコール;EVAなどのビニルモノマーの共重合体;ポリビニルエーテル;ポリビニル芳香族;ポリエチレンオキシド;グリコサミノグリカン;多糖;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレンおよび高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン;ポリウレタン;ポリオルトエステル;タンパク質;ポリペプチド;シリコーン;シロキサン重合体;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチラートバレレート、ならびにそれらの混合物および共重合体;ポリウレタン分散物(バイホドール(登録商標)など)、フィブリン、コラーゲンおよびそれらの誘導体などの高分子分散物から得られる被覆剤;セルロース、スターチ、デキストラン、アルギネートおよび誘導体などの多糖;ヒアルロン酸;スクアレン乳液;ポリアクリル酸、ポリ乳酸とポリカプロラクトンとの共重合体;PGA−TMC、チロシン誘導ポリカルボネート、およびアリレートなどの医療等級の生分解性材料;ポリカプロラクトン コ ブチルアクリレートおよび他の共重合体;DL−乳酸とのポリ−L乳酸混合物;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリカプロラクトン コ PLA;ポリカプロラクトン コ ブチルアクリレートおよび他の共重合体;チロシン誘導ポリカルボネートおよびアクリレート;ポリアミノ酸;ポリホスファゼン;ポリイミノカルボネート;ポリジメチルトリメチルカーボネート;生分解性CA/PO;シアノアクリレート;50/50DLPLG;ポリジオキサノン;ポリプロピレンフマレート;ポリデプシペプチド;キトサンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの巨大分子;表面腐食性材料;マレイン酸無水物共重合体;亜鉛−カルシウムホスフェイト;不定形ポリ無水物;糖;炭化水素;ゼラチン;生分解性重合体;および体液中に溶解可能な重合体;ならびにそれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0233】
少なくとも一実施例では、適切な重合体の薬剤または被覆剤の例は、少なくとも1つのAブロックと、少なくとも1つのBブロックとを含むブロック共重合体を備える。Aブロックは、好ましくは、1つ以上のポリオレフィン、または室温以下のガラス転移温度を示す他の重合体に基づいた軟質エラストマー性ブロックである。例えば、Aブロックは、一般式:−(CRR'−CH2)n−(式中、RおよびR'は、独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどの線状または分岐した脂肪族基であるか、またはペンダント基を伴うか、または伴わない、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの環状脂肪族基を表す)を示す四級および二級炭素を交互に有するポリオレフィン性ブロックである。好ましいポリオレフィン性ブロックとしては、イソブチレン、
【0234】
【化1】

(すなわち、RおよびR'がメチル基である重合体)の重合体ブロックが挙げられる。Aブロックの他の例としては、シリコーンゴムブロックおよびアクリレートゴムブロックが挙げられる。
【0235】
Bブロックは、好ましくは、軟質Aブロックと組み合わされたときに、生じた共重合体の硬度を特に改変または調節して、品質の所望の組合せを達成する能力を有するエラストマー性Aブロックより明らかに高いガラス転移温度を示す硬質熱可塑性ブロックである。Bブロックの例としては、メタクリレートの重合体またはビニル芳香族の重合体が挙げられる。Bブロックのさらに特定の例としては、スチレン
【0236】
【化2】

、スチレン誘導体(例えば、α−メチルスチレン、環アルキル化スチレン、環ハロゲン化スチレンまたは他の置換スチレン(1つ以上の置換基が芳香族環に存在する))またはそれらの混合物、本願で集約的に「スチレン性ブロック」または「ポリスチレン性ブロック」と称されるブロック、または(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0237】
ブロック共重合体は、環状、線状および分岐された構築物を含む多様な構築物で提供される。分岐された構築物としては、星型構築物(例えば、3つ以上の鎖が単独領域から生じている構築物)、くし形構築物(例えば、主鎖および複数の側鎖を有する共重合体)、および(樹枝状または超分岐された共重合体を含む)樹枝状構築物が挙げられる。
【0238】
このようなブロック共重合体のいくつかの特定の例としては、以下のものが挙げられる:(a)BA(線状ジブロック)、(b)BABまたはABA(線状トリブロック)、(c)B(AB)nまたはA(BA)n(線状交互ブロック)、または(d)(ジブロック、トリブロックおよび他の放射状共重合体を含む)X−(AB)nもしくはX−(BA)n(ここで、nは正の全数であり、Xは、出発種であるか、または開始剤である)分子。重合体の1つの特定の基は、X−(AB)n構造(ここで、それぞれn=1およびn=2である(この専門用語は出発種分子の存在を無視し、したがって、例えばトリブロックを用いて単独AブロックとしてのA−X−Aを処理することはBABと表示される))を示し、それはジブロック共重合体およびトリブロック共重合体としてしばしば称される。この基から得られる特に有益な重合体は、ポリステレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロック共重合体(SIBS)である。n=3以上である場合、これらの構造は一般に、星型ブロック共重合体と称される。ブロック重合体の他の例としては、樹枝状ブロック共重合体(例えば、Aブロックが分岐されているとともにBブロックによって制限されている場合、AおよびBブロックの少なくとも一方が分岐されている)などの分岐ブロック共重合体が挙げられる。
【0239】
上述された開示事項は、例示的なものであり、包括的なものではない。
これらの記載は、当業者に対して、多くの変更例や別例を提案するものである。これらすべての別例および変更例は請求項の範囲内に含まれるものであり、請求項における「〜を備える、〜からなる、〜で構成される(comprising)」という語は、「〜を含むものであるが、これに限定されるものではない」ことを意味する。当業者であれば、本明細書に記載された特定の実施形態と均等である他の技術も、本願の請求項に包含されるものであることが理解されるであろう。
【0240】
さらに、従属項に記載される特定の特徴は、本発明の範囲内で他の様式で互いに組み合わせることができ、本発明は、従属項の特徴の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも範囲が及ぶものである。例えば、請求項の公開にあたり、多数従属形式が管轄区域内で許容される場合には、後続するいずれの従属項も、当該従属項に記載される全先行語を有する先行請求項すべてに従属する多数従属形式で択一的に記載されたものと解釈されるべきである(例えば、請求項1に直接従属する各請求項は、先行する請求項すべてに従属するものと択一的に解釈されるべきである)。多数従属形式が禁止されている管轄区域においては、後続の各従属項において、これら下位従属項に列挙される特定の請求項以外の先行詞を有する先行請求項にそれぞれ単独に従属する形式で択一的に記載されたものと解釈されるべきである。
【0241】
本明細書において、本発明の好適な実施形態および代替的な実施形態について説明した。当業者であれば、本明細書において説明した特定の実施形態の均等物が存在し、このような均等物が添付の請求項に包含されるべきであることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】管状ステント等のステントの一実施例を示す側面図。
【図2】管状ステント等のステントの一実施例を示す等角図。
【図3】ステントの一実施例を示す展開図であって、異なる拡張カラムおよび接続ストラットカラムが示される。
【図4】図1、2および/または3のステント等のステントの一実施例の中間部分を示す拡大図であって、拡張カラムの詳細が示される。
【図5】図1、2および/または3のステント等のステントの他の実施例の中間部分を示す拡大図であって、拡張カラムの詳細が示される。
【図6】管状ステント等のステントの一実施例を示す側面図。
【図7】管状ステント等のステントの一実施例を示す等角図。
【図8】ステントの一実施例を示す展開図であって、異なる拡張カラムおよび接続ストラットカラムが示される。
【図9】ステントの他の実施例を示す展開図であって、異なる拡張カラムおよび接続ストラットカラムが示される。
【図10A】拡張ストラットを示す図。
【図10B】拡張ストラットを示す他の図。
【図11A】拡張ストラットを示す別の図。
【図11B】拡張ストラットを示すさらに別の図。
【図12A】接続ストラットを示す図。
【図12B】接続ストラットを示す別の図。
【図13】接続ストラットと拡張ストラットとの結合状態を示す図。
【図14】接続ストラットと拡張ストラットとの結合状態を示す他の図。
【図15】接続ストラットと拡張ストラットとの結合状態を示す別の図。
【図16】管状ステント等のステントの一実施例を示す側面図。
【図17】管状ステント等のステントの一実施例を示す等角図。
【図18】ステントの一実施例を示す展開図であって、異なる拡張カラムおよび接続ストラットカラムが示される。
【図19A】図16、17および/または18のステント等のステントの一実施例の中間部分を示す拡大図であって、拡張カラムの詳細が示される。
【図19B】図16、17および/または18のステント等のステントの一実施例の中間部分を示す拡大図であって、拡張カラムと結合した接続ストラットの詳細が示される。
【図20A】図16、17および/または18のステント等のステントの一実施例の端部を示す拡大図であって、端部の拡張カラムの詳細が示される。
【図20B】平面図における本発明の図16、17および/または18のステント等のステントの一実施例の端部を示す拡大図であって、拡張カラムに結合された異なる接続ストラットの詳細が示される。
【図21】管状ステント等のステントの一実施例を示す側面図。
【図22】管状ステント等のステントの一実施例を示す等角図。
【図23】ステントの実施例を示す展開図であって、異なる拡張カラムおよび接続ストラットカラムが示される。
【図24】図21、22および/または23のステント等のステントの一実施例の中間部分を示す拡大図であって、拡張カラムの詳細が示される。
【図25】図21、22および/または23のステント等のステントの一実施例の中間部分を示す拡大図であって、接続ストラットカラムの詳細が示される。
【図26】本発明の非拡張状態のステントの一実施例を示す側面図。
【図27】15mmの長さを有する図26のステントを示す等角図。
【図28】第1および第2の拡張カラムを示す拡大図。
【図29】図26のステントを示す拡大図。
【図30】第1の接続ストラットカラムの接続ストラットの一実施例を示す図。
【図31】第2の接続ストラットカラムを形成する接続ストラットの一実施例を示す図であって、コネクターストラットは図29の拡張ストラットを結合する。
【図32】隣接する拡張カラムによって形成される閉鎖セルおよびそれらの連結された接続ストラットカラムを示す拡大図。
【図33】隣接する拡張カラムの配列を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非拡張状態にあるステントであって、
複数の第1の拡張ストラット対を構成する個々の第1の拡張ストラットを含む第1の拡張カラムと、第1の拡張ストラットの各々の少なくとも一部が階段状領域を有し、2つの隣接する第1の拡張ストラット対が共通のストラットを共有することと、
複数の第2の拡張ストラット対を構成する個々の第2の拡張ストラットを含む第2の拡張カラムと、第2の拡張ストラットの各々の少なくとも一部が、階段状領域を有し、2つの隣接する第2の拡張ストラット対が共通のストラットを共有することと、
該1および第2の拡張カラムのみを連結する複数の非交差状の独立した第1の接続ストラットを含む第1の接続ストラットカラムと、独立した第1の接続ストラットの各々が、基端部分および先端部分を含み、各第1の接続ストラットの該基端部分の少なくとも一部が、該第1の拡張ストラットのうちの1つの階段状領域の一部から延び、各第1の接続ストラットの該先端部分の少なくとも一部が、該第2の拡張ストラットのうちの1つの階段状領域の一部から延びることと、
長手軸線を有する各基端部分と、長手軸線を有する各先端部分と、各基端部分の該長手軸線および各先端部分の該長手軸線の少なくとも一方は、各第1の拡張ストラットの長手軸線および各第2の拡張ストラットの長手軸線の少なくとも一方と平行状態であることとを特徴とするステント。
【請求項2】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットは、階段形状を有する請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記第1の拡張カラムの拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、基端部に階段状セグメント、先端部に階段状セグメントをそれぞれ有する請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記第1の拡張カラムの拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、直線状セグメントである請求項3に記載のステント。
【請求項5】
前記第2の拡張カラムの拡張ストラット対の一方の拡張ストラットは、先端部に階段状セグメント、基端部にも階段状セグメントをそれぞれ有する請求項4に記載のステント。
【請求項6】
前記第2の拡張カラムの拡張ストラット対の他方の拡張ストラットは、直線状セグメントである請求項5に記載のステント。
【請求項7】
各第1の接続ストラットの前記基端部分は、前記第1の拡張カラムの拡張ストラットの縁部から線状に延びる縁部を有し、各第1の接続ストラットの前記先端部分は、前記第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部から線状に延びる縁部を有する請求項1に記載のステント。
【請求項8】
張力緩和ノッチは、前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの基端部分の縁部が、前記第1の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合される箇所において形成され、張力緩和ノッチは、前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの先端部分の縁部が、前記第2の拡張カラムの拡張ストラットの縁部と結合される箇所において形成される請求項7に記載のステント。
【請求項9】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの先端部分は、基端部分より長い請求項1に記載のステント。
【請求項10】
前記第1の接続カラムの各第1の接続ストラットは、前記第1および第2の拡張カラムに対して同側において結合される請求項1に記載のステント。
【請求項11】
前記第1の接続カラムの各第1の接続ストラットは、前記第1および第2の拡張カラムに対して反対側において結合される請求項1に記載のステント。
【請求項12】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの基端部分における長手軸線は、先端部分における長手軸線と非平行状態にある請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットは、前記第1の接続ストラットの基端部分および先端部分に結合された中間部分を含む請求項1に記載のステント。
【請求項14】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分は、基端部分よりも長い請求項13に記載のステント。
【請求項15】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分の少なくとも一部は、曲線形状を有する請求項13に記載のステント。
【請求項16】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの基端部分および先端部分の少なくとも一部は、曲線形状を有する請求項15に記載のステント。
【請求項17】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分は、前記ステントの長手軸線と非平行状態にある長手軸線を有する請求項13に記載のステント。
【請求項18】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分は、前記ステントの長手軸線に対して斜状をなすように位置決めされる長手軸線を有する請求項13に記載のステント。
【請求項19】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分は、前記ステントの長手軸線に対し上下方向において斜状をなして延びる長手軸線を有する請求項13に記載のステント。
【請求項20】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの中間部分の少なくとも一部は、前記第1の拡張カラムの拡張ストラット対の基端側に近接する請求項13に記載のステント。
【請求項21】
前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの基端部分の幅は、前記第1の拡張カラムの拡張ストラットの幅よりも少なく、前記第1の接続ストラットカラムの各第1の接続ストラットの先端部分の幅は、前記第2の拡張カラムの拡張ストラットの幅よりも少ない請求項1に記載のステント。
【請求項22】
複数の接続ストラットカラムにより連結される複数の拡張カラムをさらに備える請求項1に記載のステント。
【請求項23】
複数の拡張ストラット対を形成する個々の拡張ストラットを含む第3の拡張カラムと、2つの隣接する拡張ストラット対が共通のストラットを共有することと、
前記第2の拡張カラムおよび該第3の拡張カラムのみを連結する複数の非交差状の独立する第2の拡張ストラットを含む第2の接続ストラットカラムと、前記第2の拡張ストラットカラムの個々の第2の接続ストラットの各々が、前記第2の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線と平行に延びる長手軸線を有する基端部分と、該第3の拡張カラムの拡張ストラットの長手軸線と平行に延びる長手軸線を有する先端部分とをさらに含む請求項1に記載のステント。
【請求項24】
前記ステントは分岐されている請求項1に記載のステント。
【請求項25】
前記ステントの少なくとも一部は、少なくとも1種類の治療剤で被覆されている請求項1に記載のステント。
【請求項26】
少なくとも1つの治療剤が、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびPパック(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)などの抗血栓剤;エノキサプリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻止する能力を有するモノクローナル抗体、ヒルジンおよびアセチルサリチル酸などの抗増殖剤;デキサメタソン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、サルファサラジンおよびメサルアミンなどの抗炎症剤;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチンおよびチミジンキナーゼ阻害剤などの抗新生物/抗増殖/抗縮瞳剤;リドカイン、ブピバカインおよびロピバカインなどの麻酔剤;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤およびチック抗血小板ペプチドなどの抗凝固剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写アクチベーターおよび翻訳促進剤などの血管細胞成長促進剤、成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素より構成される二機能性分子などの血管細胞成長抑制剤;抗体および細胞毒素より構成される二機能性分子;コレステロール低下剤;血管拡張剤;および内因性血管活性機構に干渉する剤、およびそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも1つの構成要素から選択される少なくとも1つの非遺伝子治療剤である請求項25に記載の組立体。
【請求項27】
少なくとも1つの治療剤が、抗センスDNAおよびRNA;欠陥または不足している内因性分子を置換するための抗センスRNA、tRNAまたはrRNAをコードするDNA;酸性および塩基性の繊維芽細胞成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、形質転換成長因子αおよびβ、血小板誘導内皮成長因子、血小板誘導成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞成長因子およびインスリン様成長因子などの成長因子を含む血管新生因子;CD阻害剤、チミジンキナーゼ(「TK」)および細胞増殖に干渉するのに有用な他の薬剤を含む細胞周期阻害剤;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15およびBMP−16などの骨形態形成タンパク質(「BMP」)のファミリーの少なくとも1つ;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7の内のいずれか;ホモ二量体、異種二量体、またはそれらの組合せのなどの、単独もしくは他の分子を有する二量体タンパク質;「ハリネズミ」タンパク質などのBMPの上流効果または下流効果を誘発する能力を有する分子、またはそれらをコードするDNAおよびそれらの組合せからなる群の少なくとも1つの構成要素から選択される少なくとも1つの遺伝子治療剤である請求項25に記載の組立体。
【請求項28】
少なくとも1つの治療剤が、ヒト起源の細胞(自己または同種異系);非ヒト起源の細胞(異種)およびそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも1つの構成要素から選択される少なくとも1つの型の細胞材料である請求項25の組立体。
【請求項29】
細胞材料が、副集団細胞;リネージ陰性細胞;リネージ陰性CD34細胞;リネージ陰性CD34細胞;リネージ陰性cKit細胞;間充織幹細胞;臍帯血ベル;心臓または他の組織由来の幹細胞;全骨髄;骨髄単核細胞;内皮前駆細胞;衛星細胞;筋肉由来の細胞;go細胞;内皮細胞;成人心筋細胞;繊維芽細胞;平滑筋細胞;心筋細胞への5−aza集団分化を用いた間充織幹細胞の培養物;成人心臓繊維芽細胞+5−aza;遺伝子操作細胞;組織工学によって作成された移植片;MyoD瘢痕繊維芽細胞;ペーシング細胞;胚幹細胞クローン;胚幹細胞;胎児または新生児の細胞;免疫学的に被覆された細胞;組織工学によって作製された移植片;遺伝子操作細胞;奇形癌由来の細胞およびそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも1つの構成要素から選択される請求項28に記載の組立体。
【請求項30】
少なくとも1つの治療剤が、ポリカルボン酸;酢酸セルロースおよび硝酸セルロースを含むセルロース性高分子;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;架橋ポリビニルピロリドン;マレイン酸無水物重合体を含むポリ無水物;ポリアミド;ポリビニルアルコール;EVAなどのビニルモノマーの共重合体;ポリビニルエーテル;ポリビニル芳香族;ポリエチレンオキシド;グリコサミノグリカン;多糖;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレンおよび高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン;ポリウレタン;ポリオルトエステル;タンパク質;ポリペプチド;シリコーン;シロキサン重合体;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチラートバレレート、ならびにそれらの混合物および共重合体;ポリウレタン分散物(バイホドール(登録商標)など)、フィブリン、コラーゲンおよびそれらの誘導体などの高分子分散物から得られる被覆剤;セルロース、スターチ、デキストラン、アルギネートおよび誘導体などの多糖;ヒアルロン酸;スクアレン乳液;ポリアクリル酸、ポリ乳酸とポリカプロラクトンとの共重合体;PGA−TMC、チロシン誘導ポリカルボネート、およびアリレートなどの医療等級の生分解性材料;ポリカプロラクトン コ ブチルアクリレートおよび他の共重合体;DL−乳酸とのポリ−L乳酸混合物;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリカプロラクトン コ PLA;ポリカプロラクトン コ ブチルアクリレートおよび他の共重合体;チロシン誘導ポリカルボネートおよびアクリレート;ポリアミノ酸;ポリホスファゼン;ポリイミノカルボネート;ポリジメチルトリメチルカーボネート;生分解性CA/PO;シアノアクリレート;50/50DLPLG;ポリジオキサノン;ポリプロピレンフマレート;ポリデプシペプチド;キトサンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの巨大分子;表面腐食性材料;マレイン酸無水物共重合体;亜鉛−カルシウムホスフェイト;不定形ポリ無水物;糖;炭化水素;ゼラチン;生分解性重合体;および体液中に溶解可能な重合体;Aブロック共重合体;Bブロック共重合体およびそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも1つの構成要素から選択される少なくとも1つの重合体被覆剤を含む請求項25に記載の組立物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2007−512114(P2007−512114A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541693(P2006−541693)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039496
【国際公開番号】WO2005/053577
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(500345685)ボストン サイエンティフィック サイムド, インコーポレイテッド (41)
【Fターム(参考)】