説明

表示装置、認証方法、およびプログラム

【課題】ユーザに応じた認証を行いユーザの操作性を向上させること。
【解決手段】タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を入力する入力部と、認証を
許可する組み合わせとして表示画像と入力動作を対応づける認証テーブルを参照して、前
記表示画像を前記タッチ画面に表示する表示部と、前記タッチ画面に表示されている表示
画像に対して前記入力動作に応じた画像処理をする画像処理部と、前記認証テーブルを参
照して、前記入力部が入力した前記入力動作と、前記表示部が表示している表示画像との
組み合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、前記組み
合わせが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、認証を許可する認証処理部
と、を備える表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばタッチパネル等である表示部と入力部と含む構成を備える表示装置、
認証方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、タッチパネルからユーザの指で手書き入力された図形に基づき、予め登録され
ている図形と、入力された図形とが一致しているか否かを判断し、一致している場合、認
証を許可する電子機器がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−257427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているような電子機器では、認証の図形として簡
単な形状の図形を登録すると、認証の判定レベルが甘くなり、誤認証が発生し、十分なセ
キュリティ性を確保することができず、また、誤動作が発生する問題がある。
一方、認証の図形として複雑な形状の図形を登録すると、認証の判定レベルが厳しくな
り、認証すべき本人の入力であっても認証を許可しない場合がある。特に、描画が苦手な
ユーザやタッチパネルの操作に慣れていないユーザの場合、登録されている図形と一致す
る図形を描画するまで認証作業を続けて行わなければならないため、操作性が低下する問
題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮し、上記の問題を解決すべくなされたものであって、
その目的は、ユーザに応じた認証を行いユーザの操作性を向上させることができる表示装
置、認証方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明に係る表示装置は、タッチ画面に接触する操作手段
からの入力動作を示す入力情報を入力する入力部と、前記入力動作に表示画像を対応づけ
る認証テーブルを参照して、当該表示画像を前記タッチ画面に表示する表示部と、前記認
証テーブルを参照して、前記タッチ画面に表示されている表示画像と、当該表示画像が表
示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力動作の組み合わ
せが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当該組み合わせが
前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による入力行為を認証
する認証処理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上述の表示装置において、前記タッチ画面に表示されている表示画像
に対して前記入力動作を示す画像処理をする画像処理部をさらに備えることを特徴とする

【0008】
また、本発明は、上述の表示装置において、前記認証テーブルが、前記入力動作として
、前記タッチ画面における前記操作手段の動き、前記タッチ画面における前記操作手段の
接触面積、あるいは、前記タッチ画面における前記操作手段の接触位置のうち、少なくと
も1つを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の表示装置において、前記認証テーブルが、それぞれ対応付けら
れている前記表示画面と前記入力動作に、認証を許可する困難性を示すセキュリティレベ
ルにさらに対応付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述の表示装置において、前記認証テーブルが、前記表示画像が意味
する内容に対して関連性の弱い前記入力動作を対応付けることを特徴とする。
【0011】
また、上記問題を解決するために、本発明に係る認証方法は、入力動作に表示画像を対
応づける認証テーブルを参照して、当該表示画像をタッチ画面に表示するステップと、前
記タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を示す入力情報を入力するステップと、
前記認証テーブルを参照して、前記タッチ画面が表示している表示画像と、当該表示画像
が表示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力動作の組み
合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当該組み合わ
せが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による入力行為を
認証するステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記問題を解決するために、本発明に係るプログラムは、コンピューターに、
入力動作に表示画像を対応づける認証テーブルを参照して、当該表示画像をタッチ画面に
表示する手順、前記タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を示す入力情報を入力
する手順、前記認証テーブルを参照して、前記タッチ画面が表示している表示画像と、当
該表示画像が表示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力
動作の組み合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当
該組み合わせが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による
入力行為を認証する手順、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る表示装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置のタッチ画面の一例を示す概略図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置の認証テーブルの一例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置におけるジェスチャーについて説明する図である。
【図5】本実施の形態に係る表示装置におけるセキュリティレベルと動作入力の一例を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る表示装置において入力動作に応じて変化する画面の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係る認証方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置の一例を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態に係る表示装置は、タッチパネル1と、記憶部2と、入力
動作解析部3と、画像処理部4と、認証処理部5と、制御部6を含む。
【0015】
タッチパネル1は、例えば液晶パネル等からなる表示部11と、例えばタッチパッド等
からなる入力部12を含む。このタッチパネル1は、表示部11の液晶パネルの表示画面
であり、かつ、入力部12のタッチパッドのセンサー部分であるタッチ画面13を備える

このタッチ画面13は、例えば、図2に示すように、複数の分割エリア11、12、1
3、・・・、65で構成されている。また、このタッチ画面13には、分割エリア内をさ
らに分割するマトリックス状の座標が規定されている。
この分割エリアや座標は、タッチ画面13においてユーザの指が接触している点である
接触位置を示すとともに、この点の集合である接触面積を示す。
【0016】
表示部11は、画像処理部4から出力される画像データに基づく画像をタッチ画面13
に表示する。
入力部12は、タッチ画面13に接触する操作手段からの入力動作を受け付け、この入
力動作に応じた入力情報を、入力動作解析部3に出力する。この入力部12は、入力する
入力動作に基づき、例えば、タッチ画面13における操作手段の動きの軌跡を示す入力情
報、タッチ画面13における操作手段の接触面積を示す入力情報、および、タッチ画面1
3における操作手段の接触位置を示す入力情報を、入力動作解析部3に出力する。
この操作手段としては、ユーザの指や専用のタッチペン等が利用可能である。ここでは
、操作手段がユーザの指である例について以下説明する。
【0017】
記憶部2は、画像データ記憶領域21と、表示プログラム記憶領域22と、認証テーブ
ル23とを記憶する。
画像データ記憶領域21は、表示部11に表示される認証用の表示画像や操作画面を示
す画像等の画像データを記憶する領域である。
表示プログラム記憶領域22は、入力部12の入力動作に応じた画像を表示部11に表
示する処理や表示部11に対して特定の画像を表示させる処理、あるいは、入力部12か
らの入力に応じて電話やメール等、インターネット接続等を実行する処理などを制御部6
に実行させるためのプログラムである。
【0018】
認証テーブル23は、認証用の表示画像に入力動作を対応づけるテーブルである。この
認証テーブル23は、例えば、図3に示すものが利用可能である。
図3に示す通り、認証テーブル23は、セキュリティレベルに認証用の表示画像と入力
動作を対応付けるテーブルである。
このセキュリティレベルは、認証を許可する困難性を示すレベルである。ここで、セキ
ュリティレベルAは、その困難性が一番低く、セキュリティレベルCは、その困難性が一
番高い。また、セキュリティレベルBは、セキュリティレベルAとCの間程度の認証許可
の困難性を有する。この認証を許可する困難性が高いほど、認証を許可した状態で利用可
能な機能の重要性が高く、例えば、個人情報や重要情報に関するものを利用する機能の使
用を許可することができる。また、この認証を許可する困難性が低いほど、よく利用する
機能や比較的重要度が低い機能の利用の認証を行うようにすることができる。
例えば、セキュリティレベルAは、電話機能(着信機能のみ)の実行を許可する。セキ
ュリティレベルBは、電話・メール機能(着信機能、発信機能、メール送受信機能のみ)
の実行を許可する。セキュリティレベルCは、電話・メール・インターネット機能(着信
機能、発信機能、メール送受信機能、インターネット機能のみ)の実行を許可する。
【0019】
表示画像は、文字や図形を含む画像や写真であって、例えば、ひらがな「あ、い、う、
・・・」等である。この表示画像には、例えば、画像データの識別子が対応付けられてお
り、画像データ自体は、画像データ記憶領域21に記憶されている。
【0020】
入力動作は、認証を許可する表示画像との組み合わせとして、予め各表示画像に応じて
登録されている入力動作である。この入力動作は、例えば、タッチ画面13における操作
手段の動きの軌跡を示すジェスチャーと、タッチ画面13における操作手段の接触面積と
、タッチ画面13における操作手段の接触位置とによって表わされる。
【0021】
なお、この認証テーブル23に含まれるセキュリティレベルと、表示画像と、入力動作
の組み合わせは、例えば、予め決められており、この組み合わせが認証を許可するユーザ
にのみ秘密に通知される。なお、この組み合わせの通知は、この組み合わせの秘密状態が
維持された状態で通知されるものであればよく、例えば、インターネットを通じて通知す
るものであってもよく、封筒等の郵便手段により送達されるものであってもよい。
また、認証テーブル23に含まれるセキュリティレベルと、表示画像と、入力動作の組
み合わせは、ユーザによって入力部12から入力され、入力されたセキュリティレベルと
、表示画像と、入力動作とをそれぞれ対応付けて認証テーブル23に記憶させる登録部(
図示せず)によって作成されるものであってもよい。
この認証テーブル23においてそれぞれ対応付けられる表示画面と入力動作は、表示画
面が意味する内容に対して関連性の弱い入力動作であることが好ましく、表示画面を見た
ユーザによって入力動作が容易に想起できない認証条件とすることが好ましい。これによ
り、認証の信頼性を向上することができる。
【0022】
入力動作解析部3は、入力部12から入力する入力情報に基づき、入力された入力動作
の内容を解析する。この入力動作解析部3は、例えば、入力部12からの入力情報に基づ
き、ユーザの指が動かされる軌跡を解析して、これを入力動作が示すジェスチャーとして
認証処理部5に出力する。
このジェスチャーは、例えば、図4に示すような指の動きを示す。ここでは、比較的操
作が簡単なジェスチャーを示す。
図4(a)は、1本の指を右に移動させるジェスチャーを示す。図4(b)は、2本の
指を外側から内側に向かって移動させるジェスチャーを示す。図4(c)は、1本の指を
左に回転させるジェスチャーを示す。図4(d)は、1本の指を上から下に移動させるジ
ェスチャーを示す。なお、その始点がタッチ画面13の最上部、その終点がタッチ画面1
3の中央である。図4(e)は、1本の指を右上から左下に向かってジグザグに移動させ
るジェスチャーを示す。
【0023】
また入力動作解析部3は、入力部12からの入力情報に基づき、ユーザの指がタッチ画
面13に接触している接触面積や、ユーザの指が接触している接触位置を解析し、この解
析結果を入力動作が示す接触面積や接触位置として、それぞれ、認証処理部5に出力する

【0024】
ここで、図5を参照して、認証テーブル23において対応付けられているセキュリティ
レベルと入力動作の関係について説明する。図5は、認証テーブル23において対応付け
られているセキュリティレベルと入力動作の一例を説明する図である。
図5(a)には、セキュリティレベルAに対して、動作入力を示すジェスチャー「右移
動」が対応付けられている例について説明する図である。この場合、入力動作としての条
件は、ジェスチャーだけであるため、図示の通り、ユーザが指を右に移動させる位置は、
タッチ画面13の何処の位置であってもよい。また、接触面積も条件に含まれていないた
め、右に移動させる指は、一本でもあってもよく、複数本であってもよい。
【0025】
図5(b)には、セキュリティレベルBに対して、動作入力を示すジェスチャー「右移
動」と接触面積「1cm以上」が対応付けられている例について説明する図である。こ
の場合、入力動作としての条件は、ジェスチャーと接触面積であるため、図示の通り、右
に移動させる指は、1cm以上タッチ画面13と接触していなければならず、例えば、
少なくとも2本以上で右に移動させなければならない。なお、接触位置は条件に含まれて
いないため、ユーザが指を右に移動させる位置は、タッチ画面13の何処の位置であって
もよい。
【0026】
図5(c)には、セキュリティレベルCに対して、動作入力を示すジェスチャー「右移
動」と接触面積「1cm以上」と接触位置「エリアW」が対応付けられている例につい
て説明する図である。なお、エリアWとは、分割エリア31〜35、41〜45を含む領
域である。この場合、入力動作としての条件は、ジェスチャーと接触面積と接触位置であ
るため、図示の通り、右に移動させる指は、1cm以上タッチ画面13と接触していな
ければならず、かつ、ユーザが指を右に移動させる位置は、タッチ画面13のエリアW内
でなければならない。
【0027】
このように、同一のジェスチャーであって、その接触面積や接触位置等の条件を追加す
ることによって、認証の判定レベルを換えることができる。つまり、ユーザは簡単なジェ
スチャーで認証を行うことができるとともに、入力動作の条件をより細かく決定すること
により、認証の信頼性を向上させることができる。
【0028】
画像処理部4は、入力動作解析部3で解析された入力動作に基づき、表示部11に現に
表示されている画像データに対して入力動作に応じた画像処理を行い、表示部11に出力
する。この画像処理部4は、例えば、入力動作の示すジェスチャーに応じて、表示部11
に入力動作が入力される際に現に表示されている表示画像をタッチ画面13内において移
動して見える連続した画像データを作成して、表示部11に出力する。
例えば、図6(a)に示すように、ひらがな「あ」を示す表示画像が表示部11に示さ
れている状態において、右移動のジェスチャーが入力された場合、この表示画像は、図6
(b)に示すように移動する。つまり、画像処理部4が、この入力動作に応じて、ひらが
な「あ」が右に移動しているように見える連続した画像データを作成して、表示部11に
出力する。
【0029】
なお、画像処理部4は、これに限られず、図6(c)に示すように、表示部11に入力
動作が入力される際に現に表示されている表示画像であるひらがな「あ」は移動させずに
、指が接触している部分を示すアイコンを表示する。つまり、右移動のジェスチャーが入
力された場合、この画像処理部4は、入力動作の示すジェスチャーに応じて、このアイコ
ンが右に移動しているように見える連続した画像データを作成するものであってもよい。
【0030】
認証処理部5は、記憶部4の認証テーブル23を参照して、入力動作解析部3から出力
される入力動作と、画像処理部4によって表示部11に表示されている表示画像の組み合
わせが、認証テーブル23においてそれぞれ対応付けられているか否かを判断する。この
認証処理部5は、この入力動作と表示画像の組み合わせが、認証テーブル23において対
応付けられて組み合わせであることを判断した場合、当該入力動作による認証を許可する

この認証処理部5は、認証を許可した場合、当該入力動作と表示画面が対応付けられて
いるセキュリティレベルA〜Cに応じた機能の実行を制御部6に実行させる。
【0031】
次に、図7参照して、本実施形態に係る認証方法の一例について説明する。
図7に示す通り、タッチパネル1の制御部6は、入力部12からの入力があるか否かを
判断する(ステップST1)。
例えば、ユーザの指でタッチ画面13が軽くタッチされた場合、入力部12は、入力を
受け付け、入力動作解析部3に入力情報を出力する。この入力動作解析部3は、この入力
情報に基づき、入力動作を解析して、解析結果を制御部6に出力する。この制御部6は、
記憶部2の表示プログラム記憶領域22に従い、入力動作解析部3による解析結果が示す
入力動作に応じて、認証処理を開始する。
この制御部6は、認証テーブル23に対応付けられている表示画像の画像データを選択
し、画像データ記憶領域21から読み出して、画像処理部4に出力する。この画像処理部
4は、入力された画像データに基づく画像を表示部11に表示させる(ステップST2)
。ここで、制御部6は、例えば、表示画像「あ」を選択し、この表示画像「あ」にフラグ
を対応付ける。
【0032】
この制御部6は、例えば、ランダムに認証用の表示画像を表示することが設定されてい
る場合、認証テーブル23に対応付けられている表示画像のうち、任意の表示画像を選択
する。一方、セキュリティレベル毎に認証用の表示画像を表示することが設定されている
場合、制御部6は、予め決められているセキュリティレベルに対応する表示画像を認証テ
ーブル23から選択する。例えば、ステップST1における入力が1回のタッチである場
合、制御部6は、セキュリティレベルAに対応する表示画像を選択するように設定されて
いる。また、ステップST1における入力が2回の連続したタッチである場合、制御部6
は、セキュリティレベルBに対応する表示画像を選択するように設定されている。
【0033】
次いで、タッチパネル1の制御部6は、入力部12からの入力があるか否かを判断し(
ステップST3)、入力があった場合、入力部12は、受け付けた入力動作を示す入力情
報を入力動作解析部3に出力する。そして、入力動作解析部3は、入力情報に基づき入力
動作を解析する(ステップST4)。この入力動作解析部3は、解析結果を、画像処理部
4および認証処理部5に出力する。
ここで、図6(a)に示したように、タッチパネル1のタッチ画面31に、表示画像「
あ」が表示されている状態で、ユーザがタッチ画面12を指1本で右移動させたとする。
この場合、入力動作解析部3はこの入力動作を解析し、例えば、右移動のジェスチャーと
、指1本分の接触面積と、分割エリア41〜45の接触位置を示す入力動作を解析結果と
して得る。
【0034】
そして、画像処理部4は、この入力動作に応じて、例えば図6(b)に示したように、
ひらがな「あ」が右に移動しているように見える連続した画像データを作成し、表示部1
1に出力する(ステップST5)。これにより、表示部11には、表示されているひらが
な「あ」が右に移動しているような画像が表示される。
【0035】
一方、認証処理部5は、記憶部4の認証テーブル23を参照して、この入力動作解析部
3から入力された入力動作と、画像処理部4によって表示部11に表示されている表示画
像の組み合わせが、認証テーブル23においてそれぞれ対応付けられているか否かを判断
する(ステップST6)。
ここで、表示部11に表示されている表示画像「あ」は、認証テーブル23において、
入力動作のジェスチャー「右移動」と対応付けられている。上述の通り、入力動作解析部
3から出力される入力動作は、右移動のジェスチャーを示しているため、認証処理部5は
、この入力動作のジェスチャー「右移動」と表示画像「あ」の組み合わせが、認証テーブ
ル23において対応付けられて組み合わせであることを判断し、認証を許可する(ステッ
プST7−Yes)。
【0036】
そして、認証処理部5は、この入力動作のジェスチャー「右移動」と表示画像「あ」の
組み合わせに対応付けられているセキュリティレベルが、セキュリティレベルAであるこ
とを判断する(ステップST8)。この認証処理部5は、セキュリティレベルAに対応す
る機能の実行を解除することを制御部6に指示する(ステップST9)。これにより、制
御部6は、表示プログラム記憶領域22に従って、認証処理部5により解除された機能の
み実行する。つまり制御部6は、解除されていない機能についての実行が制限されている

【0037】
一方、ステップST2において選択された表示画像が表示画像「か」であった場合、認
証処理部5は、ステップST6において、入力動作解析部3によって得られた入力動作を
示すジェスチャーおよび接触面積に基づき認証を行う。つまり、認証処理部5は、認証テ
ーブル23を参照して、入力動作解析部3によって得られた入力動作を示すジェスチャー
が右移動であり、かつ、接触面積が1cm以上であるか否かを判断する。認証処理部5
は、入力動作を示すジェスチャーが右移動であり、かつ、接触面積が1cm以上であれ
ば、セキュリティレベルBの認証を許可し、セキュリティレベルBに対応する機能の実行
を解除することを制御部6に指示する(ステップST10)。
【0038】
また、ステップST2において選択された表示画像が表示画像「さ」であった場合、認
証処理部5は、ステップST6において、入力動作解析部3によって得られた入力動作を
示すジェスチャー、接触面積および接触位置に基づき認証を行う。つまり、認証処理部5
は、認証テーブル23を参照して、入力動作解析部3によって得られた入力動作を示すジ
ェスチャーが右移動であり、接触面積が1cm以上であり、かつ、接触位置がエリアW
(分割エリア31〜35、41〜45)であるか否かを判断する。認証処理部5は、入力
動作を示すジェスチャーが右移動であり、接触面積が1cm以上であり、かつ接触位置
がエリアW内であれば、セキュリティレベルCの認証を許可し、セキュリティレベルCに
対応する機能の実行を解除することを制御部6に指示する(ステップST11)。
【0039】
上述の通り、本実施形態に係る表示装置100は、表示部11に表示されている表示画
像と入力部12から入力される入力動作の組み合わせが認証テーブル23に予め登録され
ている組み合わせに一致するか否かを判断し、組み合わせが一致した場合、認証を許可す
る。
従って、表示画像に対応する入力動作を予め知っているユーザでなければ認証の許可を
得ることができない。このため、ユーザに応じて簡単な入力動作を認証のための入力動作
として利用しても、認証の判定レベルを確保することができる。これにより、誤認証によ
る認証の信頼性の低減や誤動作の発生を防止することができる。なお、表示画像により想
起できないような入力動作を対応づけておくことにより、認証の信頼性をより高めること
ができる。
【0040】
また、上述の通り、セキュリティレベルに応じて、認証を許可するための入力動作の条
件を厳しくし、登録されているジェスチャー、接触面積あるいは接触位置のそれぞれに対
応する条件を満たさなければ、認証を許可しないようにできる。このように、認定の判定
レベルを厳しくすることで、認証の信頼性を高めることができる。
よって、セキュリティレベルに応じて入力動作の操作性を変更することができ、セキュ
リティレベルの低い認証においては簡単なジェスチャー等で認証を許可し、セキュリティ
レベルの高い認証においては複雑なジェスチャー等で認証を許可するように設定する。こ
れにより、ユーザに応じた入力動作を、セキュリティレベルに応じて設定することができ
、認証の信頼性を維持するとともに、ユーザの操作性を向上することができる。
【0041】
さらに、登録されている入力動作の条件に応じてセキュリティレベルを換えることによ
り、1つの表示装置100が、複数人により利用される場合であっても、各人に応じた機
能制限を実現することができる。例えば、家族によって1つの表示装置100が利用され
る場合であって、子供には電話の着信機能しか利用させたくない場合、この子供に対して
はセキュリティレベルAに対応する入力動作と表示画像の組み合わせだけを教えることが
できる。これにより、この子供は、セキュリティレベルB、Cの認証を解除することがで
きず、電話の着信機能しか利用することができない。
【0042】
また、同じセキュリティレベルであっても、それぞれ異なる複数の画像表示と入力動作
の組み合わせを対応付けることが好ましい。これにより、複数人に同一のセキュリティレ
ベルの認証条件を用意することができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る表示装置100は、入力動作に応じて、表示部11に表示さ
れている表示画像を画像処理する。つまり、入力動作に応じて、表示部11に表示されて
いる表示画像がタッチ画面13内において移動しているように見えるような画像処理をし
たり、あるいは、表示画像上に入力動作に応じて移動するアイコンを表示する。
このように、ユーザの入力動作を視覚的に示すことにより、ユーザは、入力時における
自身の入力動作を確認することができる。
【0044】
なお、本発明は上記構成に限られず、例えば、以下に示すような構成であってもよい。
例えば、制御部6は、認証処理の開始を指示する入力動作を受けた場合、認証テーブル
23において入力動作と対応付けられている表示画像を表示部11に表示する構成につい
て説明した。しかし、本発明はこれに限られず、認証テーブル23において入力動作と対
応付けられていない表示画像の画像データを画像データ記憶領域21から読み出し、表示
部11に表示させるものであってもよい。これにより、ダミーの表示画像が表示部11に
表示される。このようなダミーに対して、認証のための入力動作を知らない第三者が入力
したとしても、認証は許可されない。
【0045】
また、認証テーブル23において対応付けられる表示画像と入力動作は、上記例に限ら
れず、任意の画像や動作が利用可能である。
例えば、表示画像「あ」に対して、入力動作のジェスチャーとして「い」を入力するこ
とが対応付けられるものであってもよい。
【0046】
また、本実施形態において、認証により解除される機能は、電話やメール等を例に説明
したが、本発明はこれに限られず、例えば、ゲームやオーディオ再生や録音、動作再生や
録画、静止画再生や録画等の機能の解除をするための認証であってもよい。
さらに、制御部6は、前回の認証で許可した表示画像と入力動作の組み合わせを記憶部
2に記憶させておき、次回の認証において、前回使用した表示画像と入力動作の組み合わ
せでの認証を許可しないようにしてもよい。これにより、例えば、認証作業をしているユ
ーザAの横でその認証作業を見ていたユーザBが、ユーザAの入力動作により認証が許可
されたことを利用して、ユーザAの認証を真似して、ユーザAと同じ表示画面と入力動作
の組み合わせで認証の許可を得るような行為を防止することができる。これにより、認証
の信頼性を向上させることができる。
【0047】
また、認証処理部5は、予め決められた回数以上、認証が失敗した場合、その後の認証
処理を行わないような構成であってもよい。これにより、認証で許可される表示画面と入
力動作の組み合わせを知らないユーザが、でたらめに入力動作を繰り返して認証の許可を
得るような行為を防止することができる。これにより、認証の信頼性を向上させることが
できる。
【0048】
また、上述の表示装置100の各構成における動作の過程は、コンピューターに実行さ
せるためのプログラムや、このプログラムとしてコンピューター読み取り可能な記録媒体
として利用可能であり、コンピューターシステムが読み出して実行することによって、上
記処理が行われる。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、CPU及び各種
メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピューターシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、
ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁
気ディスク、ROM、フラッシュメモリー等の書き込み可能な不揮発性メモリー、CD−
ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置
のことをいう。
【0049】
さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワ
ークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアン
トとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(例えばDRAM(Dynami
c Randam Access Memory))のように、一定時間プログラムを保
持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に記憶したコンピューターシス
テムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューター
システムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インター
ネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝
送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピューターシステムに既に記録されているプログラムとの組
合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1・・・タッチパネル、2・・・記憶部、3・・・入力動作解析部、4・・・画像処理
部、5・・・認証処理部、6・・・制御部、11・・・表示部、12・・・入力部、13
・・・タッチ画面、21・・・画像データ記憶領域、22・・・表示プログラム、23・
・・認証テーブル、100・・・表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を示す入力情報を入力する入力部と、
前記入力動作に表示画像を対応づける認証テーブルを参照して、当該表示画像を前記タ
ッチ画面に表示する表示部と、
前記認証テーブルを参照して、前記タッチ画面に表示されている表示画像と、当該表示
画像が表示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力動作の
組み合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当該組み
合わせが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による入力行
為を認証する認証処理部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記タッチ画面に表示されている表示画像に対して前記入力動作を示す画像処理をする
画像処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記認証テーブルは、
前記入力動作として、前記タッチ画面における前記操作手段の動き、前記タッチ画面に
おける前記操作手段の接触面積、あるいは、前記タッチ画面における前記操作手段の接触
位置のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の表示装
置。
【請求項4】
前記認証テーブルは、それぞれ対応付けられている前記表示画面と前記入力動作に、認
証を許可する困難性を示すセキュリティレベルにさらに対応付けることを特徴とする請求
項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記認証テーブルは、前記表示画像が意味する内容に対して関連性の弱い前記入力動作
を対応付けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
入力動作に表示画像を対応づける認証テーブルを参照して、当該表示画像をタッチ画面
に表示するステップと、
前記タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を示す入力情報を入力するステップ
と、
前記認証テーブルを参照して、前記タッチ画面が表示している表示画像と、当該表示画
像が表示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力動作の組
み合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当該組み合
わせが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による入力行為
を認証するステップと、
を備えることを特徴とする認証方法。
【請求項7】
コンピューターに、
入力動作に表示画像を対応づける認証テーブルを参照して、当該表示画像をタッチ画面
に表示する手順、
前記タッチ画面に接触する操作手段からの入力動作を示す入力情報を入力する手順、
前記認証テーブルを参照して、前記タッチ画面が表示している表示画像と、当該表示画
像が表示されている状態において前記入力部が入力した前記入力情報が示す入力動作の組
み合わせが、前記認証テーブルにおいて対応付けられているか否かを判断し、当該組み合
わせが前記認証テーブルにおいて対応づけられている場合、当該入力動作による入力行為
を認証する手順、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−216043(P2011−216043A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85808(P2010−85808)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】