説明

表示装置及び光源装置

【課題】観視者が微小レンズの境界線を意識することのない、一様な照明の表示装置を与える。
【解決手段】第1の偏光成分を含む光を照射する第1の光源と、第2の偏光成分を含む光を照射する第2の光源と、第1の光源および第2の光源が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズとを含む光源ユニットを行方向および列方向にマトリクス状に有する光源装置と、光源装置から入射される入射光の第1の偏光成分を透過して画像を表示する第1の表示領域と、入射光の第2の偏光成分を透過して画像を表示する第2の表示領域とが、列方向に沿って交互に配列された表示部とを備え、行方向において光源ユニットは予め定められたピッチで配列され、それぞれの光源ユニットは、列方向に配列された他の光源ユニットの少なくとも1つに対して、行方向における位置が、予め定められたピッチよりも小さい量だけ異なって設けられた表示装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型表示モニタおよびレンズを用いて立体画像を視認させる技術として、透過型表示モニタの裏面側から右眼用光源および左眼用光源で照射して、右眼用光源からの光および左眼用光源からの光をレンズによりそれぞれ観視者の右眼上および左眼上に結像させる技術が知られている。例えば、下記特許文献には立体視に関連する技術が記載されている。
特許文献1 特開2009−98589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、立体視用のレンズとして、レンチキュラレンズが知られている。レンチキュラレンズは、垂直方向に延伸する断面が半月形状の複数の微小レンズを水平方向に並べて配列したものである。従来の表示装置では、複数の微小レンズの境界線が直線状なので観視者に見えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、画像を表示する表示装置であって、第1の偏光成分を含む光を照射する第1の光源と、第2の偏光成分を含む光を照射する第2の光源と、第1の光源および第2の光源が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズとを含む光源ユニットを行方向および列方向にマトリクス状に有する光源装置と、光源装置から入射される入射光の第1の偏光成分を透過して画像を表示する第1の表示領域と、入射光の第2の偏光成分を透過して画像を表示する第2の表示領域とが、列方向に沿って交互に配列された表示部とを備え、行方向において光源ユニットは予め定められたピッチで配列され、それぞれの光源ユニットは、列方向に配列された他の光源ユニットの少なくとも1つに対して、行方向における位置が、予め定められたピッチよりも小さい量だけ異なって設けられた表示装置が提供される。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係る表示装置10を示す。
【図2A】本実施形態に係る表示装置10の構成を示す。
【図2B】本実施形態に係る表示装置10の構成を示す。
【図2C】本実施形態に係る表示装置10の変形例の構成を示す。
【図3】本実施形態に係る表示装置10から観視者に与えられる光の光路例を示す。
【図4A】本実施形態に係る光源部14を示す。
【図4B】本実施形態に係る光学系16を示す。
【図4C】本実施形態に係る光源装置40を示す。
【図5A】本実施形態に係る光源部14の変形例を示す。
【図5B】本実施形態に係る光学系16の変形例を示す。
【図5C】本実施形態に係る光源装置40の変形例を示す。
【図6A】本実施形態に係る光源部14の変形例を示す。
【図6B】本実施形態に係る光学系16の変形例を示す。
【図6C】本実施形態に係る光源装置40の変形例を示す。
【図7A】本実施形態に係る光学系16の変形例を示す。
【図7B】本実施形態に係る光源装置40の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る表示装置10の全体を示す。本実施形態に係る表示装置10は、光源部14、光学系16、表示部12を備える。表示装置10は、立体表示用の右眼用画像および左眼用画像を含む画像データを受信装置または再生装置等から受け取る。表示装置10は、右眼用画像を表示して観視者60の右眼に与え、左眼用画像を表示して観視者60の左眼に与える。このような表示装置10は、画像分離用の専用メガネを装着しない観視者60、即ち、裸眼の観視者60に対して、立体像を観察させることができる。
【0009】
光源部14は、表示部12の裏面に光を照射する。表示部12は、光源部14から照射された光を透過させ、観視者60に与える。光学系16は、光源部14と表示部12との間に配置され、光源部14から照射された光を観視者の視点方向に屈折させる。これにより、観視者60は、表示部12に表示された画像を観賞することができる。
【0010】
図2Aは、本実施形態に係る表示装置10の構成を示す。光源部14には、それぞれ右眼用光源および左眼用光源として機能可能な複数の光源が配列されている。光源部14は、それぞれの光源を、右眼用画像を表示する光を照射する右眼用光源32と、左眼用画像を表示する光を照射する左眼用光源34のいずれかとして機能させる。
【0011】
右眼用光源32および左眼用光源34は、行方向および列方向の双方において交互に設けられてよい。それぞれの光源は、右眼用光源32として機能する場合に第1の偏光成分の光を発光し、左眼用光源34として機能する場合に第2の偏光成分の光を発光してよい。つまり、複数の右眼用光源32は、表示部12の裏面から第1の偏光成分の光を照射する。そして、複数の左眼用光源34は、表示部12の裏面から第2の偏光成分の光を照射する。
【0012】
表示部12には、右眼用光源32からの光により表示される右眼用画像、および、左眼用光源34からの光により表示される左眼用画像を表示する。表示部12は、裏面側から照射された光を透過することにより、表示した画像を観視者60に与える透過型パネルであってよい。
【0013】
表示部12は、入射光の第1の偏光成分を透過する複数の第1の表示領域22と、入射光の第2の偏光成分を透過する複数の第2の表示領域24とが交互に配列される。表示部12は、画像を観視する観視者60の右眼に向けて表示すべき右眼用画像を第1の表示領域22に表示し、観視者60の左眼に向けて表示すべき左眼用画像を第2の表示領域24に表示してよい。第1の偏光成分の光および第2の偏光成分の光は、偏光方向が互いに直交する直線偏光(S偏光およびP偏光)であってよい。
【0014】
第1の表示領域22および第2の表示領域24は、水平方向に延伸して設けられ、且つ、水平方向と垂直な方向において交互に設けられてよい。例えば、複数の第1の表示領域22および複数の第2の表示領域24のそれぞれは、表示部12の水平方向(左右方向)に延伸し、表示部12の垂直方向(上下方向)に交互に配列される。表示部12は、一例として、第1の偏光成分の光を透過する水平ラインと、第2の偏光成分の光を透過する水平ラインとを1ラインずつ交互に含む構成であってよい。水平ラインは、表示部12における1画素分の幅を有するラインを指す。
【0015】
光学系16は、表示部12および光源部14の間に設けられる。光学系16は、右眼用光源32および左眼用光源34が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズ42を、規則的に配列したレンズアレイであってよい。レンズアレイは、レンズ42が、行方向において、予め定められたピッチで設けられ、且つ、列方向において、当該ピッチの半分だけずれて交互に設けられて構成されてよい。ここで、ピッチとは、レンズ42の行方向の幅を指す。レンズ42は断面が半月形状のレンチキュラレンズであってよい。当該ピッチは、右眼用光源32の幅と左眼用光源34の幅との和に等しくてよい。
【0016】
光学系16は、複数の右眼用光源32からの光を、複数の第1の表示領域22を透過させて観視者60の右眼に対応する第1視点に集光させる。さらに、光学系16は、複数の左眼用光源34からの光を、複数の第2の表示領域24を透過させて観視者60の左眼に対応する第2視点に集光させる。レンズ42が列方向においてずれて設けられるので、光源の輝度ムラを低減できる。
【0017】
図2Bは、図2Aの表示装置10の構成を具体的に示す。表示部12は、具体的には、液晶表示装置122と、偏光板124からなる。偏光板124は、複数の第1の偏光領域220と複数の第2の偏光領域240とが水平方向に延伸して設けられ、かつ、垂直方向において交互に設けられる。例えば、第1の偏光領域220は、S偏光の光だけを透過し、第2の偏光領域240はP偏光の光だけを透過する。第1の偏光領域220および第2の偏光領域240の配置パターンは、第1の表示領域22および第2の表示領域24の配置パターンと同一である。
【0018】
光源部14は、具体的には、平面光源142と、偏光板144からなる。偏光板144は、複数の第1の偏光領域320と、複数の第2の偏光領域340が水平方向及び垂直方向の双方において交互に設けられる。例えば、第1の偏光領域320はS偏光の光だけを透過し、第2の偏光領域340はP偏光の光だけを透過する。第1の偏光領域320および第2の偏光領域340の配置パターンは、右眼用光源32および左眼用光源34の配置パターンと同一である。
【0019】
平面光源142からの光は、偏光板144に入射する。平面光源142は、少なくともS偏光、P偏光の成分を含む光を照射する。偏光板144の第1の偏光領域320を通過した光は、例えば、右眼用光源の光に対応する。偏光板144の第2の偏光領域340を通過した光は、例えば、左眼用光源の光に対応する。それぞれの偏光成分の光は、光学系16で所定の方向に屈折し、偏光板124に入射する。
【0020】
例えば、偏光板124の第1の偏光領域220を通過した光は、液晶表示装置122の表示面において、観視者60の右眼に向けて表示すべき右眼用画像が表示される領域に入射する。偏光板124の第2の偏光領域240を通過した光は、液晶表示装置122の表示面において、観視者60の左眼に向けて表示すべき左眼用画像が表示される領域に入射する。液晶表示装置122は、第1の偏光領域220に対向する領域に右眼用画像、第2の偏光領域240に対向する領域に左眼用画像を表示する。
【0021】
図2Cは、表示装置10の変形例の構成を示す。表示部12は、具体的には、液晶表示装置122と、偏光板126と、位相板128からなる。光源部14は、具体的には、平面光源142と、偏光板146と、位相板148からなる。液晶表示装置122と光学系16との間には、液晶表示装置122側から順にフィルム状の偏光板126および位相板128が設けられている。平面光源142と光学系16との間には、平面光源142側から順にフィルム状の偏光板146および位相板148が設けられている。平面光源142、光学系16、および液晶表示装置122は図2Bと同一の構成を有する。
【0022】
偏光板126および偏光板146は、それぞれ直交する方向の偏光成分の光を透過する。位相板128は、複数の第1の位相領域260と複数の第2の位相領域280とが水平方向に延伸して設けられ、かつ、垂直方向において交互に設けられる。位相板148は、複数の第1の位相領域360と複数の第2の位相領域380とが水平方向および垂直方向の双方において交互に設けられる。
【0023】
例えば、第1の位相領域260および360は、通過する光の位相をπ/4だけ進める。第2の位相領域280および380は、通過する光の位相をπ/4だけ遅らせる。第1の位相領域260及び第2の位相領域280の配置パターンは第1の表示領域22および第2の表示領域24と同一である。第1の位相領域360および第2の位相領域380の配置パターンは右眼用光源32および左眼用光源34の配置パターンと同一である。
【0024】
平面光源142からの光は、偏光板146を通過すると、所定の方向(図面の偏光板146における矢印方向)の偏光成分を有する直線偏光の光となる。直線偏光の光は、位相板148を通過するときに、例えば、第1の位相領域360を通過した光が右回りの円偏光、第2の位相領域380を通過した光が左回りの円偏光となるように変換される。例えば、右回りの円偏光は右眼用光源の光に対応し、左回りの円偏光は左眼用光源の光に対応する。位相板148を通過したそれぞれの円偏光の光は、光学系16において、円偏光ごとに所定の方向に屈折される。光学系16で屈折したそれぞれの円偏光は、位相板128で直線偏光に変換される。
【0025】
第1の位相領域260は回転方向が逆の2つの円偏光を偏光方向が直交する2つの直線偏光に変換する。第2の位相領域280も回転方向が逆の2つの円偏光を偏光方向が直交する2つの直線偏光に変換する。偏光板126は位相板128が出力する光のうち、所定の方向(図面の偏光板126における矢印方向)の偏光成分の光のみを通過させる。つまり、偏光板126は、第1の位相領域260が出力する光のうち、例えば、観視者60の右眼に向かう光を通過させる。また偏光板126は、第2の位相領域280が出力する光のうち、例えば、観視者60の左眼に向かう光を通過させる。
【0026】
図3は、本実施形態に係る表示装置10から観視者60に与えられる光の光路例を示す。本例の表示装置10は、光学系16と表示部12との間に拡散板44を更に備える。表示装置10において、複数の右眼用光源32のそれぞれから出力された第1の偏光成分の光は、光学系16により観視者60の右眼に対応する第1視点Rの方向に屈折される。そして、光学系16により屈折された第1の偏光成分の光は、拡散板44により拡散された後、表示部12の複数の第1の表示領域22を通過して、観視者60の右眼に与えられる。拡散板44は、左右方向に比べて上下方向により強く光りを拡散する異方性拡散板であってよい。
【0027】
また、表示装置10において、複数の左眼用光源34のそれぞれから出力された第2の偏光成分の光は、光学系16により観視者60の左眼に対応する第2視点Lの方向に屈折される。そして、光学系16により屈折された第2の偏光成分の光は、拡散板44により拡散された後、表示部12の複数の第2の表示領域24を通過して、観視者60の左眼に与えられる。
【0028】
ここで、表示部12は、複数の第1の表示領域22に右眼用画像を表示する。また、表示部12は、複数の第2の表示領域24に左眼用画像を表示する。従って、当該表示装置10は、観視者60の右眼に対応する第1視点Rに対して複数の第1の表示領域22に表示した右眼用画像を与え、観視者60の左眼に対応する第2視点Lに対して複数の第2の表示領域24に表示した左眼用画像を与えることができる。これにより、表示装置10によれば、専用メガネを用いない裸眼の観視者60に対して立体像を観察させることができる。
【0029】
表示装置10は、画像を観視する観視者60の位置を検出する検出部58と、検出部58が検出した観視者60の位置に基づいて、列方向におけるいずれの位置の光源ユニットから光を射出させるかを制御する制御部54を備えてよい。ここで、光源ユニットとは、右眼用光源32及び左眼用光源34の少なくとも一部と、レンズ42とを重ね合わせて構成した光源の単位を指す。
【0030】
検出部58は、画像の観視者60の位置を検出する。ここで、観視者60の位置とは、右眼用光源32及び左眼用光源34の配列方向に平行な方向(水平方向)での観視者60の位置を指す。検出部58は、観視者60の位置が変化した場合に、その変化を検出して制御部54に信号を出力する。
【0031】
検出部58は、不可視光を観視者60に対して照射し、観視者60の眼からの反射光を検出して、観視者60の位置を検出してよい。不可視光を用いることで、観視者60の観察を邪魔することなく当該観視者60の位置情報を検出することができる。不可視光は、例えば、赤外線である。
【0032】
また、検出部58は、表示部12が表示した画像の、観視者60の眼からの反射光を検出して、観視者60の位置を検出してよい。この場合、位置検出部58は、表示部12が表示した画像の明るさが、予め定められた基準値以上の場合に、観視者60の眼からの反射光を検出してよい。基準値を設けることで、反射光を検出するときの信号ノイズ比を一定以上に維持することができる。また、位置検出部58は、表示部12が表示した画像に基づいて、観視者60の眼から検出した光が、画像の反射光であるか否かを判定してよい。例えば位置検出部58は、表示部12が表示した画像の色成分と、観視者60の眼から検出した光の色成分とを比較して、検出した光が画像の反射光であるか否かを判定する。
【0033】
図4Aは、本実施形態に係る光源部14の正面図である。光源部14は、右眼用光源32と左眼用光源34が行方向及び列方向の双方において交互に設けられてよい。右眼用光源32は、第1の偏光成分を含む光を照射し、左眼用光源34は、第2の偏光成分を含む光を照射してよい。
【0034】
図4Bは、本実施形態に係る光学系16の正面図である。光学系16は、光源部14に対向して設けられ、行方向において、レンズ42が予め定められたピッチで設けられ、且つ、列方向において、行方向の位置が第1の位置となるレンズ42と、行方向の位置が第1の位置に対して予め定められたピッチの半分だけずれた第2の位置となるレンズとが交互に設けられたレンズアレイであってよい。例えば、光学系16は、複数のレンズ42が、所定のピッチPで行方向に配列され、かつ、列方向にP/2だけずれて交互に配列されて構成される。所定のピッチは、右眼用光源32のピッチと左眼用光源34のピッチの和に等しい。
【0035】
図4Cは、本実施形態に係る光源装置40の正面図である。光源装置40は、光源部14と光学系16を重ね合わせて構成してよい。光源装置40は、第1の偏光成分を含む光を照射する右眼用光源32と、第2の偏光成分を含む光を照射する左眼用光源34と、右眼用光源32および左眼用光源34が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズ42とを含む光源ユニット50を行方向および列方向にマトリクス状に配列して構成されてよい。各光源ユニット50は、同一構造を有してよい。
【0036】
つまり、それぞれの光源ユニット50は、行方向において予め定められたピッチで配列され、列方向に配列された他の光源ユニットの少なくとも1つに対して、行方向における位置が、予め定められたピッチよりも小さい量だけ異なって設けられてよい。例えば、光源ユニット50は、行方向において所定のピッチPで配列され、列方向においてピッチPの半分(すなわち、P/2)だけずらして交互に配列されてよい。
【0037】
光源装置40を光源ユニットに分割し、各光源ユニットを列方向において、所定のピッチだけずらして配列することにより、観視者60は、光源ユニット50の縦方向の境界線を認識しにくくなる。したがって、観視者は、輝度ムラが低減された立体画像を鑑賞することができる。
【0038】
次に、本実施形態に係る光源装置40の変形例について説明する。図5Aから図5Cは、本例における光源装置40を説明する図である。図4Aから図4Cで説明した光源装置40と機能が同一の部材は同一の符号で示し、説明を省略する。
【0039】
図5Aは、本実施形態に係る光源部14の変形例の正面図である。本例の光源部14における、右眼用光源32のピッチまたは左眼用光源34のピッチは、図4Aに示す光源部14の右眼用光源32のピッチまたは左眼用光源34のピッチの半分であってよい。
【0040】
図5Bは、本実施形態に係る光学系16の変形例の正面図である。本例における光学系16のレンズアレイのピッチPは、Pの半分であってよい。
【0041】
図5Cは、本実施形態に係る光源装置40の変形例の正面図である。本例における光源ユニット50は、行方向において、ピッチPの半分のピッチPで配列され、かつ、列方向において、ピッチPの半分だけずれて交互に配列されてよい。
【0042】
ピッチを小さく設定することにより、レンズアレイを構成するレンズ42の幅が狭くなり、光源ユニット50の幅もピッチに応じて狭くなる。こうすることにより、表示部12が表示する画像の輝度ムラを低減しつつ、分解能の高い立体画像を表示することができる。
【0043】
次に、本実施形態に係る光源装置40の他の変形例について説明する。図6A及び図6Bは、本例における光源装置40を説明する図である。図4Aから図4Cで説明した光源装置40と機能が同一の部材は同一の符号で示し、説明を省略する。
【0044】
図6Aは、本例における光源部14の正面図である。本例における光源部14は、右眼用光源32および左眼用光源34が、行方向においてレンズ42のピッチの半分のピッチで交互に設けられ、且つ、列方向において、行方向の位置がレンズ42のピッチの半分より小さい量ずつ変化して設けられてよい。例えば、本例の光源部14において、右眼用光源32及び左眼用光源34は、行方向においてレンズ42の予め定められたピッチPの半分のピッチ(すなわち、P/2)で交互に設けられ、かつ、列方向において、行方向の位置がピッチPの半分より小さい量(例えば、P/4)ずつ交互にずれて配列されている。
【0045】
図6Bは、本例における光学系16の正面図である。光学系16は、光源部14に対向して設けられ、行方向において、レンズ42が予め定められたピッチで設けられ、且つ、列方向において、行方向の位置が第1の位置となるレンズ42と、行方向の位置が第1の位置に対して予め定められたピッチの1/4だけずれた第2の位置となるレンズ42とが交互に設けられたレンズアレイであってよい。例えば、光学系16は、複数のレンズ42が、所定のピッチPで行方向に配列され、かつ、列方向にP/4だけずれて交互に配列されて構成される。
【0046】
図6Cは、本例における光源装置40の正面図である。本例における光源装置40は、図6Aに示す光源部14と、図4Bに示す光学系16とを重ね合わせて構成される。本例において、列方向における光源ユニットの位置に応じて、右眼用光源32および左眼用光源34と、レンズ42との行方向における相対位置が異なってよい。つまり、ひとつの光源ユニットの中における、右眼用光源32及び左眼用光源34の形状及び光源ユニット内でのそれぞれの光源の位置が異なっていてもよい。
【0047】
例えば、図6Bにおいて、光源ユニット410、430、450は、ひとつの右眼用光源32とひとつの左眼用光源34を含む。これに対して、光源ユニット420、440、460は、右眼用光源32のピッチの半分のピッチを有する2つの左眼用光源34とそれらの間に位置するひとつの右眼用光源32とを含む。
【0048】
光源ユニット内での各光源の位置及び形状が異なることにより、本例における光源ユニットは、列方向の位置に応じて、異なる視点に光を照射することができる。つまり、光源ユニット410、430、450が照射する光は、第1の視点にいる観視者60に与えられ、光源ユニット420、440、460が照射する光は、第2の視点にいる観視者60に与えられる。
【0049】
ここで、本例における光源装置40の動作について説明する。観視者60が第1の視点位置にいる場合、制御部54は、光源ユニット410、430、450を選択してよい。選択された複数の光源ユニット410、430、450の右眼用光源32及び左眼用光源34から出力された光は、レンズ42により屈折され、拡散板44により拡散された後、表示部12の対応する第1の表示領域22及び第2の表示領域24を通過して、第1の視点位置にいる観視者60に与えられる。
【0050】
観視者60が水平方向に移動した場合には、検出部58が観視者60の位置の変化を検出する。制御部54は、検出部58からの信号を受信し、光源装置40の光源ユニット420、440、460を選択してよい。選択された複数の光源ユニット420、440、460の右眼用光源32及び左眼用光源34から出力された光は、レンズ42により屈折され、拡散板44により拡散された後、表示部12の対応する第1の表示領域22及び第2の表示領域24を通過して、第2の位置にいる観視者60に与えられる。
【0051】
光源装置40を本例のように構成することにより、観視者60は、光源ユニット50の縦方向の境界線を認識しにくくなる。また、観視者60が移動した場合であっても、各視点に対して、立体画像を提供できる。
【0052】
次に、本実施形態に係る光源装置40の他の変形例について説明する。図7A及び図7Bは、本例における光源装置40を説明する図である。図4Aから図4Cで説明した光源装置40と機能が同一の部材は同一の符号で示し、説明を省略する。
【0053】
図7Aは、本例における光学系16の正面図である。本例において光学系16は、光源部14に対向して設けられ、列方向に対して予め定められた角度θを有する方向に延伸して設けられる微小レンズ42が、行方向に沿って複数設けられるレンズアレイを構成して良い。光学系16は、断面が半月形状の微小レンズ42を複数斜めに配列したレンチキュラレンズであってよい。
【0054】
図7Bは、本例における光源装置40の正面図である。本例において、光源装置40は、図4Aに示す光源部14と図7Aに示す光学系16を重ね合わせて構成される。それぞれの微小レンズ42は、列方向に配列された複数の光源ユニットにおけるレンズとして機能してよい。
【0055】
つまり、本例において、斜め方向に延伸する微小レンズ42と行方向に配列される右眼用光源32及び左眼用光源34とにより、平行四辺形の光源ユニット510、520、530、540、550、560が形成される。光源装置40は、これらの光源ユニットを行方向及び列方向にマトリクス状に配列して構成されてよい。
【0056】
本例において、列方向における光源ユニットの位置に応じて、右眼用光源32および左眼用光源34と、レンズ42との行方向における相対位置が異なってよい。つまり、ひとつの平行四辺形の光源ユニット内における、右眼用光源32及び左眼用光源34の形状及び光源ユニット内でのそれぞれの光源の位置が異なっていてもよい。光源ユニット内での各光源の位置及び形状が異なることによって、本例における光源ユニットは、列方向の位置に応じて、異なる視点に光を照射することができる。
【0057】
例えば、本例において、第1行目の光源ユニット510と、第4行目の光源ユニット540とは、ひとつの光源ユニットに含まれる各光源の形状及びひとつの光源ユニット内での各光源の位置が同一である。第2行目の光源ユニット520と、第5行目の光源ユニット550とは、ひとつの光源ユニットに含まれる各光源の形状及びひとつの光源ユニット内での各光源の位置が同一である。第3行目の光源ユニット530と第6行目の光源ユニット560とは、ひとつの光源ユニットに含まれる各光源の形状及びひとつの光源ユニットに含まれる各光源の位置が同一である。
【0058】
したがって、光源ユニット510、540が照射する光は、第1の視点位置にいる観視者60に与えられる。光源ユニット520、550が照射する光は、第2の視点位置にいる観視者60に与えられる。光源ユニット530、560が照射する光は、第3の視点位置にいる観視者60に与えられる。
【0059】
ここで、本例における光源装置40の動作について説明する。観視者60が第1の位置にいる場合、制御部54は、光源ユニット510、540を選択してよい。選択された複数の光源ユニット510、540の右眼用光源32及び左眼用光源34から出力された光は、レンズ42により屈折され、拡散板44により上下方向に拡散された後、表示部12の対応する第1の表示領域22及び第2の表示領域24を通過して、第1の視点位置にいる観視者60に与えられる。
【0060】
観視者60が水平方向に移動した場合には、検出部58が観視者60の位置の変化を検出する。制御部54は、検出部58からの信号を受信し、光源装置40の光源ユニット520、550を選択してよい。選択された複数の光源ユニット520、550の右眼用光源32及び左眼用光源34から出力された光は、レンズ42により屈折され、拡散板44により拡散された後、表示部12の対応する第1の表示領域22及び第2の表示領域24を通過して、第2の視点位置にいる観視者60に与えられる。
【0061】
観視者が水平方向にさらに移動した場合には、検出部58が観視者60の位置のさらなる変化を検出する。制御部54は、検出部58からの信号を受信し、光源装置40の光源ユニット530、560を選択してよい。選択された複数の光源ユニット530、560の右眼用光源32及び左眼用光源34から出力された光は、レンズ42により屈折され、拡散板44により拡散された後、表示部12の対応する第1の表示領域22及び第2の表示領域24を通過して、第3の視点位置にいる観視者60に与えられる。
【0062】
光源装置40を本例のように構成することにより、観視者60は、光源ユニット50の縦方向の境界線を認識しにくくなる。また、観視者60が移動した場合であっても、各視点に対して立体画像を提供できる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10・・・表示装置、12・・・表示部、14・・・光源部、16・・・光学系、22・・・第1の表示領域、24・・・第2の表示領域、32・・・右眼用光源、34・・・左眼用光源、40・・・光源装置、42・・・レンズ、44・・・拡散板、50・・・光源ユニット、54・・・制御部、58・・・検出部、60・・・観視者、122・・・液晶表示装置、124・・・偏光板、126・・・偏光板、128・・・位相板、142・・・平面光源、144・・・偏光板、146・・・偏光板、148・・・位相板、220・・・第1の偏光領域、240・・・第2の偏光領域、260・・・第1の位相領域、280・・・第2の位相領域、320・・・第1の偏光領域、340・・・第2の偏光領域、360・・・第1の位相領域、380・・・第2の位相領域、410・・・光源ユニット、420・・・光源ユニット、430・・・光源ユニット、440・・・光源ユニット、450・・・光源ユニット、460・・・光源ユニット、510・・・光源ユニット、520・・・光源ユニット、530・・・光源ユニット、540・・・光源ユニット、550・・・光源ユニット、560・・・光源ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置であって、
第1の偏光成分を含む光を照射する第1の光源と、第2の偏光成分を含む光を照射する第2の光源と、前記第1の光源および前記第2の光源が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズとを含む光源ユニットを行方向および列方向にマトリクス状に有する光源装置と、
前記光源装置から入射される入射光の前記第1の偏光成分を透過して画像を表示する第1の表示領域と、前記入射光の前記第2の偏光成分を透過して画像を表示する第2の表示領域とが、前記列方向に沿って交互に配列された表示部と
を備え、
前記行方向において前記光源ユニットは予め定められたピッチで配列され、
それぞれの前記光源ユニットは、前記列方向に配列された他の前記光源ユニットの少なくとも1つに対して、前記行方向における位置が、前記予め定められたピッチよりも小さい量だけ異なって設けられた表示装置。
【請求項2】
前記第1の光源および前記第2の光源が、前記行方向および前記列方向の双方において交互に設けられた光源部と、
前記光源部に対向して設けられ、前記行方向において、前記レンズが前記予め定められたピッチで設けられ、且つ、前記列方向において、前記行方向の位置が第1の位置となる前記レンズと、前記行方向の位置が前記第1の位置に対して前記予め定められたピッチの半分だけずれた第2の位置となる前記レンズとが交互に設けられたレンズアレイと
を更に備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記列方向における前記光源ユニットの位置に応じて、前記第1の光源および前記第2の光源と、前記レンズとの前記行方向における相対位置が異なる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の光源および前記第2の光源が、前記行方向において前記予め定められたピッチの半分のピッチで交互に設けられ、且つ、前記列方向において、前記行方向の位置が前記予め定められたピッチの半分より小さい量ずつ変化して設けられた光源部と、
前記光源部に対向して設けられ、前記行方向において、前記レンズが前記予め定められたピッチで設けられ、且つ、前記列方向において、前記行方向の位置が第1の位置となる前記レンズと、前記行方向の位置が前記第1の位置に対して前記予め定められたピッチの半分だけずれた第2の位置となる前記レンズとが交互に設けられたレンズアレイと
を更に備える請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の光源および前記第2の光源が、前記行方向および前記列方向の双方において交互に設けられた光源部と、
前記光源部に対向して設けられ、前記列方向に対して予め定められた角度を有する方向に延伸して設けられる微小レンズが、前記行方向に沿って複数設けられるレンズアレイと
を更に備え、
それぞれの前記微小レンズは、前記列方向に配列された複数の前記光源ユニットにおける前記レンズとして機能する請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画像を観視する観視者の位置を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記観視者の位置に基づいて、前記列方向におけるいずれの位置の前記光源ユニットから光を射出させるかを制御する光源制御部と
を更に備える請求項3から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記検出部は、不可視光を前記観視者に対して照射し、前記観視者の眼からの反射光を検出して、前記観視者の位置を検出する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記表示部が表示した画像の、前記観視者の眼からの反射光を検出して、前記観視者の位置を検出する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記表示部が表示した画像の明るさが、予め定められた基準値以上の場合に、前記観視者の眼からの前記反射光を検出する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記画像を観視する観視者の右眼に向けて表示すべき右眼用画像を前記第1の表示領域に表示し、前記観視者の左眼に向けて表示すべき左眼用画像を前記第2の表示領域に表示する
請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
光を照射する光源装置であって、
第1の偏光成分を含む光を照射する第1の光源と、第2の偏光成分を含む光を照射する第2の光源と、前記第1の光源および前記第2の光源が照射する光をそれぞれ異なる方向に射出するレンズとを有する光源ユニットを行方向および列方向にマトリクス状に備え、
前記行方向において前記光源ユニットは予め定められたピッチで配列され、
それぞれの前記光源ユニットは、前記列方向に配列された他の前記光源ユニットの少なくとも1つに対して、前記行方向における位置が、前記予め定められたピッチよりも小さい量だけ異なって設けられる光源装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公開番号】特開2012−22155(P2012−22155A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160022(P2010−160022)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】