表示装置及び電子機器
【課題】画素電極電位に起因したオフリーク電流が上昇しにくい低消費電力の表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置は、対向配置された第1の基板及び第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置された表示素子と、第1の基板の表示素子側に形成された薄膜トランジスター24と、薄膜トランジスター24の表示素子側に、平面視で薄膜トランジスター24と重なるように形成された画素電極21と、薄膜トランジスター24と画素電極21との間の層に形成されたシールド電極26と、を備える。シールド電極26は、平面視で少なくとも薄膜トランジスター24の低濃度不純物領域に重なる位置に配置される。
【解決手段】表示装置は、対向配置された第1の基板及び第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置された表示素子と、第1の基板の表示素子側に形成された薄膜トランジスター24と、薄膜トランジスター24の表示素子側に、平面視で薄膜トランジスター24と重なるように形成された画素電極21と、薄膜トランジスター24と画素電極21との間の層に形成されたシールド電極26と、を備える。シールド電極26は、平面視で少なくとも薄膜トランジスター24の低濃度不純物領域に重なる位置に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスターを用いた表示装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス基板の画素回路には、少なくとも画素スイッチング用の薄膜トランジスター(TFT)が構成される。TFTの形成方法として、ゲート電極をマスクとして不純物を打ち込むセルフアライン構造がある。この構造で形成したTFTは寄生容量が少なく、TFTの特性を均一にすることができるが、オフリーク電流が大きいという問題点がある。このようなオフリーク電流が大きいTFTを画素回路に用いると、消費電流の増加、表示ムラ、誤動作などの原因となる。
【0003】
そこで、アクティブマトリクス基板には、チャネル領域の両端に不純物濃度が低い領域を形成したLDD(Lightly Doped Drain)構造や、不純物を打ち込まない領域を形成したオフセット構造のTFTが用いられている。このタイプのTFTではドレイン端での電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。従って、画素回路にLDD構造やオフセット構造のTFTを用いることで、消費電流を小さく、かつ、表示ムラ、誤動作などを防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−102531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に示すように、LDD構造またはオフセット構造のTFTを用いることで、オフリーク電流を低減することができる。しかしながら、画素ピッチを短くし、高解像度の画素を形成しようとした場合、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成しなくてはならない場合がある。この構造の場合、画素電極からの漏れ電界が絶縁膜を介してTFTに作用し、キャリアを誘起することが判明した。この結果、TFTの閾値電圧(Vth)がシフトし、オフリーク電流が増大することが判明した。
【0006】
図9はN型TFTの電気特性と画素電極電位の関係を示した図である。TFTを覆う画素電極がない場合(None Pixel)と比較し、画素電極が電位を持つ場合はTFTの電気特性が変化する。特に、画素電極電位(Vpixel)がTFTをオンとする極性の電位を持った場合には、TFTの電気特性がデプレッション型となるようにVthがシフトするため、Vgs=0Vにおけるリーク電流が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するように、以下の形態または適用例として実現される。
【0008】
[適用例1]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置する低濃度不純物領域と、前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域と同じ層内で形成され、平面視で前記低濃度不純物領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置されることを特徴とする表示装置。
【0009】
発明者は、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成した場合にオフリーク電流が増大する原因を、画素電極からの漏れ電界が前記絶縁膜を介してチャネル領域又はLDD領域に作用し、キャリアが誘起されることでVthがシフトすることにあると突き止めた。従って、上記表示装置によれば、シールド電極によって画素電極からの漏れ電界を遮蔽することができ、チャネル領域又はLDD領域でキャリアが誘起されることがなく、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0010】
[適用例2]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される表示装置。
【0011】
スタガ型のTFTの場合、ゲート電極がチャネル領域に対してシールド電極として作用するため、少なくともLDD領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0012】
[適用例3]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0013】
逆スタガ型のTFTの場合、画素電極電位はチャネル領域及びLDD領域に影響する。よって、チャネル領域及びLDD領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0014】
[適用例4]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置するオフセット領域と、前記チャネル領域及び前記オフセット領域と同じ層内で形成され、平面視で前記オフセット領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記オフセット領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0015】
発明者は、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成した場合にオフリーク電流が増大する原因を、画素電極からの漏れ電界が前記絶縁膜を介してチャネル領域又はオフセット領域に作用し、キャリアが誘起されることでVthがシフトすることにあると突き止めた。従って上記表示装置によれば、シールド電極によって画素電極からの漏れ電界を遮蔽することができ、チャネル領域又はオフセット領域でキャリアが誘起されることがなく、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0016】
[適用例5]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される表示装置。
【0017】
スタガ型のTFTの場合、ゲート電極がチャネル領域に対してシールド電極として作用するため、少なくともオフセット領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0018】
[適用例6]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記オフセット領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0019】
逆スタガ型のTFTの場合、画素電極電位はチャネル領域及びオフセット領域に影響する。よって、チャネル領域及びオフセット領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0020】
[適用例7]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された逆スタガ型の薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域の一部に重なるように配置されたソース電極と、前記チャネル領域の一部に重なるように配置され、前記ソース電極との間に空隙を有して配置されたドレイン電極と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記空隙に重なる位置に配置される表示装置。
【0021】
上述の構造のTFTによれば、ソース・ドレイン電極がシールド電極として作用するため、少なくともソース・ドレイン電極の間の空隙をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0022】
[適用例8]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはN型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以下の電位を持つ配線に接続される表示装置。
【0023】
このような構成によれば、シールド電極の電位によりLDD領域またはオフセット領域にキャリアが誘起されないため、オフリーク電流の増大を効果的に抑制することができる。
【0024】
[適用例9]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはP型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以上の電位を持つ配線に接続される表示装置。
【0025】
このような構成によれば、シールド電極の電位によりLDD領域またはオフセット領域にキャリアが誘起されないため、オフリーク電流の増大を効果的に抑制することができる。
【0026】
[適用例10]上述の適用例において、前記表示素子は電気泳動表示素子である表示装置。
【0027】
[適用例11]上述の適用例の前記表示装置を表示部に備える電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る表示装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態に係る表示装置の画素の構成を示す等価回路図。
【図3】第1実施形態に係る表示装置の表示部の部分断面図。
【図4】画素の構成を具体的に示す平面図。
【図5】図4における画素スイッチング素子の断面図。
【図6】第2実施形態に係る表示装置のTFTのLDD領域とシールド電極の関係を示す断面図。
【図7】第3実施形態に係る表示装置のTFTにおける半導体層とシールド電極の関係を示す断面図。
【図8】第4実施形態に係る表示装置のTFTにおける半導体層とシールド電極の関係を示す断面図。
【図9】画素電極電位によるTFTの電気特性の変化を示すゲート電圧―ドレイン電流特性図。
【図10】表示装置を適用した電子機器の一例たる腕時計の構成を示す正視図。
【図11】表示装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る表示装置1の全体構成を示すブロック図である。表示装置1は、複数の画素20が配列された表示部3と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70とを備えている。表示部3には、走査線駆動回路60から延びる複数の走査線40(Y1、Y2、…、Ym)と、データ線駆動回路70から延びる複数のデータ線50(X1、X2、…、Xn)とが形成されている。画素20は走査線40とデータ線50との交差部に対応して配置されている。各画素20は走査線40及びデータ線50にそれぞれ接続されている。
【0031】
図2は、画素20の構成を示す等価回路図である。図2に示すように、画素20には、画素スイッチング素子24と、保持容量25と、画素電極21と、共通電極22と、表示素子としての電気泳動素子51とを備えている。画素スイッチング素子24は、電界効果型のN型トランジスターである。画素スイッチング素子24のゲート端子には走査線40が接続され、ソース端子にはデータ線50が接続され、ドレイン端子には保持容量25の一端及び画素電極21が接続されている。保持容量25のもう一端は、容量線80に接続されている。容量線80は、走査線40の延在方向に沿って配置され、データ線50と平面視で交差するように配置されている。
【0032】
図3は、本実施形態に係る表示装置1の表示部3の部分断面図である。図3に示すように、表示部3は、基板41と対向基板46との間に電気泳動素子51が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板46側に画像を表示することを前提として説明する。
【0033】
基板41は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。基板41上には、図示を省略するが、画素スイッチング素子24、保持容量25、走査線40、データ線50、容量線80等が作りこまれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0034】
対向基板46は例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板46における基板41との対向面上には、共通電極22が複数の画素電極21と対向するように形成されている。共通電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0035】
電気泳動素子51は、電気泳動粒子を含むマイクロカプセル49を複数と、例えば樹脂等からなるバインダー47と、接着層48とを有している。複数のマイクロカプセル49は、バインダー47によって相互に固着されている。マイクロカプセル49及びバインダー47は、接着層48によって基板41に固定されている。
【0036】
図4は、本実施形態に係る表示装置1の内、1つの画素20の構成を具体的に示す平面図である。図5は、図4における一点鎖線(1)で示した切断線での断面を示す図であり、主に画素スイッチング素子24の断面構造を示している。なお、図は説明用に要部を記載したものであり、対向基板の構成を省略している。
【0037】
図5で示すように、画素20の断面構造は、第1層としての半導体層30、第2層としての、ゲート電極27を含む第1配線層、第3層としての、データ線50及びシールド電極26を含む第2配線層、第4層としての、画素電極21を含む画素電極層の4層構造となっている。図4に示すように、データ線50と走査線40の交点に対応して画素スイッチング素子24が形成され、半導体層30において設けられた電極と容量線80に接続された第2層の電極とによって保持容量25が形成されている。容量線80は第2層により形成されている。
【0038】
図5において、基板41の上に図示されていない窒化シリコンおよび二酸化シリコンからなる下地絶縁膜が形成されている。下地絶縁膜は基板41からの不純物の拡散を防止する役割を持つ。下地絶縁膜の上に、第1層の半導体層30が配置されている。半導体層30は、少なくとも一つのチャネル領域33と、チャネル領域33の外側に位置するLDD領域32と、LDD領域32の外側に位置する高濃度不純物領域31を有している。このようにLDD領域32を持つ構造のTFTは、ドレイン端においてドレイン−ソース間の電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。
【0039】
高濃度不純物領域31には画素電位を給電するデータ線50が接続されている。半導体層30上にはゲート絶縁膜42が形成されており、ゲート絶縁膜42を介してチャネル領域33と対峙する位置にゲート電極27が第2層に形成されている。ここで、ゲート電極27を形成後、ゲート電極27をマスクとしてLDD領域32へのイオン注入が行われる。従って、図5の断面においてチャネル領域33の端部と、ゲート電極72の端部とは平面視で一致している。
【0040】
上記の構成により画素スイッチング素子24が形成される。より詳しくは、画素スイッチング素子24は、チャネル領域33と、LDD領域32と、高濃度不純物領域31のうちLDD領域32に隣接する部分と、ゲート絶縁膜42と、ゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分とによって構成される。画素スイッチング素子24を覆うように層間絶縁膜43が形成され、層間絶縁膜43上には第3層を構成するデータ線50およびシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともLDD領域32と重なっている。
【0041】
第3層の上層には、図示しない窒化シリコンによる保護膜を備えるアクリル系樹脂による平坦化絶縁膜44が形成され、その上層に画素電極21が形成されている。画素電極21は平面視で少なくとも画素スイッチング素子24のLDD領域32と重なっている。画素電極21は平面視で画素スイッチング素子24の全体に重なっていてもよい。
【0042】
本実施形態によれば、半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。かかる形態によれば、画素電極21に印加された電位により画素スイッチング素子24の方向に発生する漏れ電界は、シールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、LDD領域32において不必要なキャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0043】
さらに、本実施形態は、シールド電極26がグラウンド電位に接続された容量線80に接続されている。容量線80には通常グラウンド電位を印加するため、係る形態によれば、シールド電極26の電位は画素スイッチング素子24におけるソース線の電位以下となる。従って、シールド電極26の電位の影響によりLDD領域32においてキャリアが誘起されずTFTのVthがシフトしないため、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を好適に阻むことができる。
【0044】
本実施形態ではシールド電極26を容量線80に接続したが、別途専用に用意したシールド電極用の配線に接続しても構わない。この場合、シールド電極26の電位を独立して制御することができるため、容量線80の電位を変化させるなどの駆動を行ってもシールド電極26の電位を画素スイッチング素子24のソース電位以下に固定することができる。
【0045】
なお、画素スイッチング素子24がP型の場合、シールド電極26の電位を画素スイッチング素子24のソース電位以上とする必要がある。シールド電極26を容量線80に接続する場合、容量線80の電位を高電位と設定するか、容量線80の電位をグラウンド電位とした上で画素に入力するデータを負電位とする。この場合、シールド電極26の電位は画素スイッチング素子24のソース電位以上となる。従って、シールド電極26の電位の影響によりLDD領域32においてキャリアが誘起されずTFTのVthがシフトしないため、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を好適に阻むことができる。
【0046】
(第2実施形態)
図6は、図5の断面図におけるシールド電極26が、LDD領域32を覆い、ゲート電極27の全てまたは一部を覆わないように形成した場合の断面図である。すなわち、シールド電極26は、平面視で、ゲート電極27とチャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置されている。ゲート電極27は、画素スイッチング素子24をオフ状態とする期間ではグラウンド電位に接続される。このため、ゲート電極27上においては、画素電極21がもつ電位による漏れ電界はゲート電極27に阻まれ、半導体層30に影響を及ぼすことはない。従って、シールド電極26にてLDD領域32の上を覆うことで、画素電極21の漏れ電界によるオフリーク電流の上昇を阻むことができる。このようにシールド電極26の面積を小さくすることによって、シールド電極26とゲート電極27との間、シールド電極26と画素電極21との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。従って、走査線の駆動時などに発生する寄生容量の充放電電流を低減でき、低消費電力のTFTパネルを作製することができる。
【0047】
(第3実施形態)
図7は、画素スイッチング素子24にLDD構造を持つ逆スタガ構造のTFTを用いた場合の断面図である。逆スタガ構造のTFTでは、基板41の上に図示されていない下地絶縁膜が形成され、その上側にまずゲート電極27が形成される。その上層にゲート絶縁膜42を介して半導体層30が形成され、画素スイッチング素子24が形成される。本実施形態では、第1層がゲート電極27を含む層、第2層が半導体層30を含む層、第3層がソース・ドレイン電極39を含む層、第4層がシールド電極26を含む層、第5層が画素電極21を含む層となる。
【0048】
半導体層30は、ゲート電極27とゲート絶縁膜42を介して対峙するチャネル領域33とチャネル領域33の外側に位置するLDD領域32と、LDD領域32の外側に位置する真性領域34により形成される。画素スイッチング素子24は、チャネル領域33、LDD領域32、ゲート絶縁膜42及びゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分によって構成される。このようにLDD領域32を持つ構造のTFTは、ドレイン端においてドレイン−ソース間の電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。
【0049】
画素スイッチング素子24の半導体層30には、第3層によるソース・ドレイン電極が接続される。これらを覆うように保護絶縁膜45が形成され、保護絶縁膜45上には第4層によるシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともチャネル領域33及びLDD領域32と重なっている。その上層には図示しない窒化シリコンによる保護膜を含むアクリル系樹脂による平坦化絶縁膜44が形成され、その上層に画素電極21が形成されている。画素電極21は平面視で少なくとも画素スイッチング素子24のLDD領域32と重なっている。画素電極21は平面視で画素スイッチング素子24の全体に重なっていてもよい。
【0050】
本実施形態によれば半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。係る形態によれば、画素電極21に印加された電位による漏れ電界はシールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にチャネル領域33およびLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、キャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0051】
(第4実施形態)
図8は、画素スイッチング素子24にLDD構造を持たない逆スタガ構造のTFTを用いた場合の断面図である。以下では図7との相違点を中心に説明する。基板41の上に図示されていない下地絶縁膜が形成され、その上側にまずゲート電極27が形成される。その上層にゲート絶縁膜42を介して半導体層30が形成され、画素スイッチング素子24が形成される。半導体層30は、ゲート電極27とゲート絶縁膜42を介して対峙するチャネル領域33とチャネル領域33の外側に位置する真性領域34により形成される。
【0052】
画素スイッチング素子24の半導体層30には、第3層によるソース・ドレイン電極が接続される。ソース・ドレイン電極は、いずれも平面視でチャネル領域33の一部と重なっている。また、ソース・ドレイン電極は、チャネル長となる空隙をあけて形成される。換言すれば、ソース電極とドレイン電極との間の空隙の幅がチャネル長に相当する。これらを覆うように保護絶縁膜45が形成され、保護絶縁膜45上には第4層によるシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともソース電極およびドレイン電極間の空隙と重なっている。画素スイッチング素子24は、チャネル領域33、ゲート絶縁膜42及びゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分によって構成される。
【0053】
本実施形態によれば半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。係る形態によれば、画素電極21に印加された電位による漏れ電界はシールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にチャネル領域33およびLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、キャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0054】
(変形例)
TFTのオフリーク電流を低減する方法として、LDD構造のほかにオフセット構造がある。オフセット構造とは、チャネル領域33と高濃度不純物領域31の間に真性領域を設けた構造である。言い換えると、第1実施形態から第3実施形態中の低濃度不純物領域32を真性領域に置き換えた構造である。
【0055】
上記の各実施形態は、LDD構造に替えてオフセット構造とした場合も適合する。従って、オフセット構造のTFTであれば、上記の説明においてLDD構造をオフセット構造と置き換え、LDD領域をオフセット領域と置き換えればよい。
【0056】
(応用例)
本発明のシールド電極の効果は画素スイッチング素子だけに限らない。画素回路が複数のTFTで構成されている場合、全てのTFTに対して適用することができる。また、シールド電極の接続先は容量線や専用の独立配線に限らない。一例として、メモリー回路にラッチ回路を採用する画素回路の場合、P型TFTを覆うシールド電極は高電位電源線に接続し、N型TFTを覆うシールド電極はグラウンド電源線に接続すればよい。
【0057】
(電子機器)
次に、上述した表示装置を適用した電子機器について、図10及び図11を参照して説明する。図11は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
【0058】
時計ケース1002の正面には、上記実施形態の表示装置を含む表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられている。時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
【0059】
図14は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の表示装置を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
【0060】
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100によれば、本発明に係る表示装置が採用されているので、消費電力が小さく、高品質な画像表示を行うことができる。
【0061】
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る表示装置は好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
1…表示装置、3…表示部、20…画素、21…画素電極、22…共通電極、23…表示素子、24…画素スイッチング素子、25…保持容量、26…シールド電極、27…ゲート電極、30…半導体層、31…高濃度不純物領域、32…LDD領域、33…チャネル領域、34…真性領域、40…走査線、、41…基板、42…ゲート絶縁膜、43…層間絶縁膜、44…平坦化絶縁膜、45…保護絶縁膜、46…対向基板、47…バインダー、48…接着層、49…マイクロカプセル、50…データ線、51…電気泳動素子、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、80…容量線、1000…腕時計、1002…時計ケース、1003…バンド、1005…表示部、1010…竜頭、1011…操作ボタン、1021…秒針、1022…分針、1023…時針、1100…電子ペーパー、1101…表示領域、1102…本体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスターを用いた表示装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス基板の画素回路には、少なくとも画素スイッチング用の薄膜トランジスター(TFT)が構成される。TFTの形成方法として、ゲート電極をマスクとして不純物を打ち込むセルフアライン構造がある。この構造で形成したTFTは寄生容量が少なく、TFTの特性を均一にすることができるが、オフリーク電流が大きいという問題点がある。このようなオフリーク電流が大きいTFTを画素回路に用いると、消費電流の増加、表示ムラ、誤動作などの原因となる。
【0003】
そこで、アクティブマトリクス基板には、チャネル領域の両端に不純物濃度が低い領域を形成したLDD(Lightly Doped Drain)構造や、不純物を打ち込まない領域を形成したオフセット構造のTFTが用いられている。このタイプのTFTではドレイン端での電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。従って、画素回路にLDD構造やオフセット構造のTFTを用いることで、消費電流を小さく、かつ、表示ムラ、誤動作などを防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−102531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に示すように、LDD構造またはオフセット構造のTFTを用いることで、オフリーク電流を低減することができる。しかしながら、画素ピッチを短くし、高解像度の画素を形成しようとした場合、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成しなくてはならない場合がある。この構造の場合、画素電極からの漏れ電界が絶縁膜を介してTFTに作用し、キャリアを誘起することが判明した。この結果、TFTの閾値電圧(Vth)がシフトし、オフリーク電流が増大することが判明した。
【0006】
図9はN型TFTの電気特性と画素電極電位の関係を示した図である。TFTを覆う画素電極がない場合(None Pixel)と比較し、画素電極が電位を持つ場合はTFTの電気特性が変化する。特に、画素電極電位(Vpixel)がTFTをオンとする極性の電位を持った場合には、TFTの電気特性がデプレッション型となるようにVthがシフトするため、Vgs=0Vにおけるリーク電流が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するように、以下の形態または適用例として実現される。
【0008】
[適用例1]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置する低濃度不純物領域と、前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域と同じ層内で形成され、平面視で前記低濃度不純物領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置されることを特徴とする表示装置。
【0009】
発明者は、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成した場合にオフリーク電流が増大する原因を、画素電極からの漏れ電界が前記絶縁膜を介してチャネル領域又はLDD領域に作用し、キャリアが誘起されることでVthがシフトすることにあると突き止めた。従って、上記表示装置によれば、シールド電極によって画素電極からの漏れ電界を遮蔽することができ、チャネル領域又はLDD領域でキャリアが誘起されることがなく、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0010】
[適用例2]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される表示装置。
【0011】
スタガ型のTFTの場合、ゲート電極がチャネル領域に対してシールド電極として作用するため、少なくともLDD領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0012】
[適用例3]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0013】
逆スタガ型のTFTの場合、画素電極電位はチャネル領域及びLDD領域に影響する。よって、チャネル領域及びLDD領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0014】
[適用例4]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置するオフセット領域と、前記チャネル領域及び前記オフセット領域と同じ層内で形成され、平面視で前記オフセット領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記オフセット領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0015】
発明者は、絶縁膜を介してTFTを覆うように画素電極を形成した場合にオフリーク電流が増大する原因を、画素電極からの漏れ電界が前記絶縁膜を介してチャネル領域又はオフセット領域に作用し、キャリアが誘起されることでVthがシフトすることにあると突き止めた。従って上記表示装置によれば、シールド電極によって画素電極からの漏れ電界を遮蔽することができ、チャネル領域又はオフセット領域でキャリアが誘起されることがなく、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0016】
[適用例5]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される表示装置。
【0017】
スタガ型のTFTの場合、ゲート電極がチャネル領域に対してシールド電極として作用するため、少なくともオフセット領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0018】
[適用例6]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記オフセット領域に重なる位置に配置される表示装置。
【0019】
逆スタガ型のTFTの場合、画素電極電位はチャネル領域及びオフセット領域に影響する。よって、チャネル領域及びオフセット領域をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0020】
[適用例7]第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、前記第1の基板の前記表示素子側に形成された逆スタガ型の薄膜トランジスターと、前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、前記薄膜トランジスターは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、前記チャネル領域の一部に重なるように配置されたソース電極と、前記チャネル領域の一部に重なるように配置され、前記ソース電極との間に空隙を有して配置されたドレイン電極と、を有し、前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記空隙に重なる位置に配置される表示装置。
【0021】
上述の構造のTFTによれば、ソース・ドレイン電極がシールド電極として作用するため、少なくともソース・ドレイン電極の間の空隙をシールド電極で覆うことにより、オフリーク電流の増大を抑制することができる。
【0022】
[適用例8]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはN型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以下の電位を持つ配線に接続される表示装置。
【0023】
このような構成によれば、シールド電極の電位によりLDD領域またはオフセット領域にキャリアが誘起されないため、オフリーク電流の増大を効果的に抑制することができる。
【0024】
[適用例9]上述の適用例において、前記薄膜トランジスターはP型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以上の電位を持つ配線に接続される表示装置。
【0025】
このような構成によれば、シールド電極の電位によりLDD領域またはオフセット領域にキャリアが誘起されないため、オフリーク電流の増大を効果的に抑制することができる。
【0026】
[適用例10]上述の適用例において、前記表示素子は電気泳動表示素子である表示装置。
【0027】
[適用例11]上述の適用例の前記表示装置を表示部に備える電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る表示装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態に係る表示装置の画素の構成を示す等価回路図。
【図3】第1実施形態に係る表示装置の表示部の部分断面図。
【図4】画素の構成を具体的に示す平面図。
【図5】図4における画素スイッチング素子の断面図。
【図6】第2実施形態に係る表示装置のTFTのLDD領域とシールド電極の関係を示す断面図。
【図7】第3実施形態に係る表示装置のTFTにおける半導体層とシールド電極の関係を示す断面図。
【図8】第4実施形態に係る表示装置のTFTにおける半導体層とシールド電極の関係を示す断面図。
【図9】画素電極電位によるTFTの電気特性の変化を示すゲート電圧―ドレイン電流特性図。
【図10】表示装置を適用した電子機器の一例たる腕時計の構成を示す正視図。
【図11】表示装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る表示装置1の全体構成を示すブロック図である。表示装置1は、複数の画素20が配列された表示部3と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70とを備えている。表示部3には、走査線駆動回路60から延びる複数の走査線40(Y1、Y2、…、Ym)と、データ線駆動回路70から延びる複数のデータ線50(X1、X2、…、Xn)とが形成されている。画素20は走査線40とデータ線50との交差部に対応して配置されている。各画素20は走査線40及びデータ線50にそれぞれ接続されている。
【0031】
図2は、画素20の構成を示す等価回路図である。図2に示すように、画素20には、画素スイッチング素子24と、保持容量25と、画素電極21と、共通電極22と、表示素子としての電気泳動素子51とを備えている。画素スイッチング素子24は、電界効果型のN型トランジスターである。画素スイッチング素子24のゲート端子には走査線40が接続され、ソース端子にはデータ線50が接続され、ドレイン端子には保持容量25の一端及び画素電極21が接続されている。保持容量25のもう一端は、容量線80に接続されている。容量線80は、走査線40の延在方向に沿って配置され、データ線50と平面視で交差するように配置されている。
【0032】
図3は、本実施形態に係る表示装置1の表示部3の部分断面図である。図3に示すように、表示部3は、基板41と対向基板46との間に電気泳動素子51が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板46側に画像を表示することを前提として説明する。
【0033】
基板41は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。基板41上には、図示を省略するが、画素スイッチング素子24、保持容量25、走査線40、データ線50、容量線80等が作りこまれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0034】
対向基板46は例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板46における基板41との対向面上には、共通電極22が複数の画素電極21と対向するように形成されている。共通電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0035】
電気泳動素子51は、電気泳動粒子を含むマイクロカプセル49を複数と、例えば樹脂等からなるバインダー47と、接着層48とを有している。複数のマイクロカプセル49は、バインダー47によって相互に固着されている。マイクロカプセル49及びバインダー47は、接着層48によって基板41に固定されている。
【0036】
図4は、本実施形態に係る表示装置1の内、1つの画素20の構成を具体的に示す平面図である。図5は、図4における一点鎖線(1)で示した切断線での断面を示す図であり、主に画素スイッチング素子24の断面構造を示している。なお、図は説明用に要部を記載したものであり、対向基板の構成を省略している。
【0037】
図5で示すように、画素20の断面構造は、第1層としての半導体層30、第2層としての、ゲート電極27を含む第1配線層、第3層としての、データ線50及びシールド電極26を含む第2配線層、第4層としての、画素電極21を含む画素電極層の4層構造となっている。図4に示すように、データ線50と走査線40の交点に対応して画素スイッチング素子24が形成され、半導体層30において設けられた電極と容量線80に接続された第2層の電極とによって保持容量25が形成されている。容量線80は第2層により形成されている。
【0038】
図5において、基板41の上に図示されていない窒化シリコンおよび二酸化シリコンからなる下地絶縁膜が形成されている。下地絶縁膜は基板41からの不純物の拡散を防止する役割を持つ。下地絶縁膜の上に、第1層の半導体層30が配置されている。半導体層30は、少なくとも一つのチャネル領域33と、チャネル領域33の外側に位置するLDD領域32と、LDD領域32の外側に位置する高濃度不純物領域31を有している。このようにLDD領域32を持つ構造のTFTは、ドレイン端においてドレイン−ソース間の電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。
【0039】
高濃度不純物領域31には画素電位を給電するデータ線50が接続されている。半導体層30上にはゲート絶縁膜42が形成されており、ゲート絶縁膜42を介してチャネル領域33と対峙する位置にゲート電極27が第2層に形成されている。ここで、ゲート電極27を形成後、ゲート電極27をマスクとしてLDD領域32へのイオン注入が行われる。従って、図5の断面においてチャネル領域33の端部と、ゲート電極72の端部とは平面視で一致している。
【0040】
上記の構成により画素スイッチング素子24が形成される。より詳しくは、画素スイッチング素子24は、チャネル領域33と、LDD領域32と、高濃度不純物領域31のうちLDD領域32に隣接する部分と、ゲート絶縁膜42と、ゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分とによって構成される。画素スイッチング素子24を覆うように層間絶縁膜43が形成され、層間絶縁膜43上には第3層を構成するデータ線50およびシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともLDD領域32と重なっている。
【0041】
第3層の上層には、図示しない窒化シリコンによる保護膜を備えるアクリル系樹脂による平坦化絶縁膜44が形成され、その上層に画素電極21が形成されている。画素電極21は平面視で少なくとも画素スイッチング素子24のLDD領域32と重なっている。画素電極21は平面視で画素スイッチング素子24の全体に重なっていてもよい。
【0042】
本実施形態によれば、半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。かかる形態によれば、画素電極21に印加された電位により画素スイッチング素子24の方向に発生する漏れ電界は、シールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、LDD領域32において不必要なキャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0043】
さらに、本実施形態は、シールド電極26がグラウンド電位に接続された容量線80に接続されている。容量線80には通常グラウンド電位を印加するため、係る形態によれば、シールド電極26の電位は画素スイッチング素子24におけるソース線の電位以下となる。従って、シールド電極26の電位の影響によりLDD領域32においてキャリアが誘起されずTFTのVthがシフトしないため、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を好適に阻むことができる。
【0044】
本実施形態ではシールド電極26を容量線80に接続したが、別途専用に用意したシールド電極用の配線に接続しても構わない。この場合、シールド電極26の電位を独立して制御することができるため、容量線80の電位を変化させるなどの駆動を行ってもシールド電極26の電位を画素スイッチング素子24のソース電位以下に固定することができる。
【0045】
なお、画素スイッチング素子24がP型の場合、シールド電極26の電位を画素スイッチング素子24のソース電位以上とする必要がある。シールド電極26を容量線80に接続する場合、容量線80の電位を高電位と設定するか、容量線80の電位をグラウンド電位とした上で画素に入力するデータを負電位とする。この場合、シールド電極26の電位は画素スイッチング素子24のソース電位以上となる。従って、シールド電極26の電位の影響によりLDD領域32においてキャリアが誘起されずTFTのVthがシフトしないため、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を好適に阻むことができる。
【0046】
(第2実施形態)
図6は、図5の断面図におけるシールド電極26が、LDD領域32を覆い、ゲート電極27の全てまたは一部を覆わないように形成した場合の断面図である。すなわち、シールド電極26は、平面視で、ゲート電極27とチャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置されている。ゲート電極27は、画素スイッチング素子24をオフ状態とする期間ではグラウンド電位に接続される。このため、ゲート電極27上においては、画素電極21がもつ電位による漏れ電界はゲート電極27に阻まれ、半導体層30に影響を及ぼすことはない。従って、シールド電極26にてLDD領域32の上を覆うことで、画素電極21の漏れ電界によるオフリーク電流の上昇を阻むことができる。このようにシールド電極26の面積を小さくすることによって、シールド電極26とゲート電極27との間、シールド電極26と画素電極21との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。従って、走査線の駆動時などに発生する寄生容量の充放電電流を低減でき、低消費電力のTFTパネルを作製することができる。
【0047】
(第3実施形態)
図7は、画素スイッチング素子24にLDD構造を持つ逆スタガ構造のTFTを用いた場合の断面図である。逆スタガ構造のTFTでは、基板41の上に図示されていない下地絶縁膜が形成され、その上側にまずゲート電極27が形成される。その上層にゲート絶縁膜42を介して半導体層30が形成され、画素スイッチング素子24が形成される。本実施形態では、第1層がゲート電極27を含む層、第2層が半導体層30を含む層、第3層がソース・ドレイン電極39を含む層、第4層がシールド電極26を含む層、第5層が画素電極21を含む層となる。
【0048】
半導体層30は、ゲート電極27とゲート絶縁膜42を介して対峙するチャネル領域33とチャネル領域33の外側に位置するLDD領域32と、LDD領域32の外側に位置する真性領域34により形成される。画素スイッチング素子24は、チャネル領域33、LDD領域32、ゲート絶縁膜42及びゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分によって構成される。このようにLDD領域32を持つ構造のTFTは、ドレイン端においてドレイン−ソース間の電界が緩和されるので、オフリーク電流を低減することができる。
【0049】
画素スイッチング素子24の半導体層30には、第3層によるソース・ドレイン電極が接続される。これらを覆うように保護絶縁膜45が形成され、保護絶縁膜45上には第4層によるシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともチャネル領域33及びLDD領域32と重なっている。その上層には図示しない窒化シリコンによる保護膜を含むアクリル系樹脂による平坦化絶縁膜44が形成され、その上層に画素電極21が形成されている。画素電極21は平面視で少なくとも画素スイッチング素子24のLDD領域32と重なっている。画素電極21は平面視で画素スイッチング素子24の全体に重なっていてもよい。
【0050】
本実施形態によれば半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。係る形態によれば、画素電極21に印加された電位による漏れ電界はシールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にチャネル領域33およびLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、キャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0051】
(第4実施形態)
図8は、画素スイッチング素子24にLDD構造を持たない逆スタガ構造のTFTを用いた場合の断面図である。以下では図7との相違点を中心に説明する。基板41の上に図示されていない下地絶縁膜が形成され、その上側にまずゲート電極27が形成される。その上層にゲート絶縁膜42を介して半導体層30が形成され、画素スイッチング素子24が形成される。半導体層30は、ゲート電極27とゲート絶縁膜42を介して対峙するチャネル領域33とチャネル領域33の外側に位置する真性領域34により形成される。
【0052】
画素スイッチング素子24の半導体層30には、第3層によるソース・ドレイン電極が接続される。ソース・ドレイン電極は、いずれも平面視でチャネル領域33の一部と重なっている。また、ソース・ドレイン電極は、チャネル長となる空隙をあけて形成される。換言すれば、ソース電極とドレイン電極との間の空隙の幅がチャネル長に相当する。これらを覆うように保護絶縁膜45が形成され、保護絶縁膜45上には第4層によるシールド電極26が形成されている。シールド電極26は容量線80に電気的に接続され、平面視で少なくともソース電極およびドレイン電極間の空隙と重なっている。画素スイッチング素子24は、チャネル領域33、ゲート絶縁膜42及びゲート電極27のうちチャネル領域33に重なる部分によって構成される。
【0053】
本実施形態によれば半導体層30と画素電極21の間に、容量線80に接続されたシールド電極26が形成されている。係る形態によれば、画素電極21に印加された電位による漏れ電界はシールド電極26により阻まれるため、半導体層30、特にチャネル領域33およびLDD領域32に対して漏れ電界が影響を及ぼさず、キャリアが誘起されることがない。従ってTFTのVthがシフトすることなく、画素電極21の電位による画素スイッチング素子24のオフリーク電流の上昇を阻むことができる。
【0054】
(変形例)
TFTのオフリーク電流を低減する方法として、LDD構造のほかにオフセット構造がある。オフセット構造とは、チャネル領域33と高濃度不純物領域31の間に真性領域を設けた構造である。言い換えると、第1実施形態から第3実施形態中の低濃度不純物領域32を真性領域に置き換えた構造である。
【0055】
上記の各実施形態は、LDD構造に替えてオフセット構造とした場合も適合する。従って、オフセット構造のTFTであれば、上記の説明においてLDD構造をオフセット構造と置き換え、LDD領域をオフセット領域と置き換えればよい。
【0056】
(応用例)
本発明のシールド電極の効果は画素スイッチング素子だけに限らない。画素回路が複数のTFTで構成されている場合、全てのTFTに対して適用することができる。また、シールド電極の接続先は容量線や専用の独立配線に限らない。一例として、メモリー回路にラッチ回路を採用する画素回路の場合、P型TFTを覆うシールド電極は高電位電源線に接続し、N型TFTを覆うシールド電極はグラウンド電源線に接続すればよい。
【0057】
(電子機器)
次に、上述した表示装置を適用した電子機器について、図10及び図11を参照して説明する。図11は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
【0058】
時計ケース1002の正面には、上記実施形態の表示装置を含む表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられている。時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
【0059】
図14は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の表示装置を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
【0060】
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100によれば、本発明に係る表示装置が採用されているので、消費電力が小さく、高品質な画像表示を行うことができる。
【0061】
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る表示装置は好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
1…表示装置、3…表示部、20…画素、21…画素電極、22…共通電極、23…表示素子、24…画素スイッチング素子、25…保持容量、26…シールド電極、27…ゲート電極、30…半導体層、31…高濃度不純物領域、32…LDD領域、33…チャネル領域、34…真性領域、40…走査線、、41…基板、42…ゲート絶縁膜、43…層間絶縁膜、44…平坦化絶縁膜、45…保護絶縁膜、46…対向基板、47…バインダー、48…接着層、49…マイクロカプセル、50…データ線、51…電気泳動素子、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、80…容量線、1000…腕時計、1002…時計ケース、1003…バンド、1005…表示部、1010…竜頭、1011…操作ボタン、1021…秒針、1022…分針、1023…時針、1100…電子ペーパー、1101…表示領域、1102…本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置する低濃度不純物領域と、
前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域と同じ層内で形成され、平面視で前記低濃度不純物領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置するオフセット領域と、
前記チャネル領域及び前記オフセット領域と同じ層内で形成され、平面視で前記オフセット領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記オフセット領域に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記オフセット領域に重なる位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された逆スタガ型の薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域の一部に重なるように配置されたソース電極と、
前記チャネル領域の一部に重なるように配置され、前記ソース電極との間に空隙を有して配置されたドレイン電極と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記空隙に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記薄膜トランジスターはN型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以下の電位を持つ配線に接続される、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記薄膜トランジスターはP型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以上の電位を持つ配線に接続される、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示素子は電気泳動表示素子であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の表示装置を表示部に備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置する低濃度不純物領域と、
前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域と同じ層内で形成され、平面視で前記低濃度不純物領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記低濃度不純物領域に重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域と同じ層内で形成され、平面視で前記ゲート電極の端部の外側に位置するオフセット領域と、
前記チャネル領域及び前記オフセット領域と同じ層内で形成され、平面視で前記オフセット領域の外側に位置する高濃度不純物領域と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記オフセット領域に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記薄膜トランジスターはスタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で、前記ゲート電極と前記チャネル領域とが重なる領域の全部又は一部に重ならないように配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記薄膜トランジスターは逆スタガ型トランジスターであり、前記シールド電極は、平面視で前記チャネル領域及び前記オフセット領域に重なる位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示素子と、
前記第1の基板の前記表示素子側に形成された逆スタガ型の薄膜トランジスターと、
前記薄膜トランジスターの前記表示素子側に、平面視で前記薄膜トランジスターと重なるように形成された画素電極と、
前記薄膜トランジスターと前記画素電極との間の層に形成されたシールド電極と、を備え、
前記薄膜トランジスターは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介して対峙するチャネル領域と、
前記チャネル領域の一部に重なるように配置されたソース電極と、
前記チャネル領域の一部に重なるように配置され、前記ソース電極との間に空隙を有して配置されたドレイン電極と、を有し、
前記シールド電極は、平面視で少なくとも前記空隙に重なる位置に配置される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記薄膜トランジスターはN型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以下の電位を持つ配線に接続される、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記薄膜トランジスターはP型であり、前記シールド電極は、前記薄膜トランジスターのソースに印加されている電位以上の電位を持つ配線に接続される、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示素子は電気泳動表示素子であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の表示装置を表示部に備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−146620(P2011−146620A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7882(P2010−7882)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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