表示駆動回路
【課題】液晶表示装置のドライバにおいて、画像の画素のヒストグラム(明暗の度数分布データ)を利用したバックライト省電力機能を、論理量小さく実現する。
【解決手段】本液晶ドライバは、バックライト発光率を抑えることと相関して表示データを伸張することで元の画像と同様の表示を得るバックライト省電力機能を備える。本液晶ドライバでは、画像の画素のヒストグラムのデータを、全画素値(例:0〜255)に対して持たせずに、上位一部分(N〜100%)の値(例:179〜255)に対して部分ヒストグラムとして持たせる。全ヒストグラムの上位t%順位の画素(Ds)が前記部分ヒストグラムの範囲内に収まる場合には、全ヒストグラムを持つ場合と同様に制御動作する。また、前記画素(Ds)が前記範囲外となる場合には、範囲最小値(N)を前記上位t%順位の画素の代わりとして使用して制御動作する。
【解決手段】本液晶ドライバは、バックライト発光率を抑えることと相関して表示データを伸張することで元の画像と同様の表示を得るバックライト省電力機能を備える。本液晶ドライバでは、画像の画素のヒストグラムのデータを、全画素値(例:0〜255)に対して持たせずに、上位一部分(N〜100%)の値(例:179〜255)に対して部分ヒストグラムとして持たせる。全ヒストグラムの上位t%順位の画素(Ds)が前記部分ヒストグラムの範囲内に収まる場合には、全ヒストグラムを持つ場合と同様に制御動作する。また、前記画素(Ds)が前記範囲外となる場合には、範囲最小値(N)を前記上位t%順位の画素の代わりとして使用して制御動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置及びその駆動回路の技術に関し、特に、バックライト等の照明手段を備える表示装置における照明及び表示の制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリ動作の情報機器、例えば携帯電話機などに、液晶ディスプレイが搭載されている。これらのディスプレイは、殆どが、バックライトを必要とする透過型や半透過型である。現在、液晶ディスプレイの消費電力の多くが、バックライトの消費電力で占めるようになってきている。そのため、このバックライトの消費電力を削減する工夫が必要となっている。特に液晶ディスプレイ搭載の携帯電話機等においては、TV等の動画像が鑑賞できるように、液晶ディスプレイで表示したままの長時間バッテリ駆動が必要となってきている。
【0003】
バックライト電力削減の工夫としては、特開平11−65531号公報(特許文献1)に記載されている方法などがある。例えば、バックライトが100%発光し、手前の液晶セルで80%の透過にした場合、見えるのは80%の光である。この場合、バックライトが100%発光しているにも係わらず、液晶セルで20%ダウンさせている。これに対し、バックライトを80%発光にして、液晶セルを100%の透過にしている場合、見えるのは同様に80%の光であるが、バックライトの発光を80%に抑えることができる。これらの違いを利用して、バックライトの発光量及び消費電力を抑える。
【0004】
また、バックライト制御と関連した表示制御の方法として、画像データのヒストグラム(度数分布図)、即ちフレームにおける明暗の分布を示すデータを利用する。例えばある画像の画素値(例えば0〜255の輝度値)のヒストグラムデータにおいて、輝度80%(輝度値=256×0.8≒205)の画素がその画像中における最大輝度をとっているような場合があるとする。この場合、その画像の表示を行うのに際し、制御として、バックライトの発光率を、100%から4/5倍である80%の発光に落とし、かつ、その低減の分、表示対象画像のすべての画素値を5/4倍(125%)にする。換言すれば、バックライト電圧を抑制すると共に表示画像の画素値を伸張する制御を行う。これによって、全く同一の画像を、80%のバックライト発光量で、元と同様の明るさとなるように表示することができる。このように、画像データのヒストグラムにおける輝度最大値を利用してバックライトと表示データを相関して制御する方法を、第1の方法とする。
【0005】
さらに、前記第1の方法において、前記ヒストグラムを利用して、輝度において元の表示画像データの上位数%(t%)の順位にある画素に着目する。そして、この着目画素部分が、例えば60%の輝度(輝度値=256×0.6≒134)となっているとする。この場合に、第1の方法と同様の考え方によって、バックライトの発光量を3/5倍である60%に抑え、その分すべての画素値を5/3倍(167%)にする。これにより、同様の表示画像を得ることができる。このように、前記ヒストグラムの上位数%の輝度を基準に使用する方法を、第2の方法とする。この場合、前記輝度最大値を利用している第1の方法に比べ、さらに少ないバックライト発光量で表示が可能となる。前記上位t%のtは、第2の方法における制御基準値となるものであり、このtをスレッショルド値(閾値)と称することにする。
【特許文献1】特開平11−65531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記表示装置におけるバックライト及び表示データの制御に関し、前記特開平11−65531号公報(特許文献1)における、前記第1の方法では、バックライト発光量をあまり削減することができないため、前記第2の方法を使用して、バックライト発光量を多く削減したい。しかしながら、この第2の方法では、制御のために、画像のヒストグラムの全データを保持する必要があるため、そのヒストグラムのための論理回路の規模が大きくなり、相応のハードウェアが必要になる。即ち、表示装置のハードウェア規模及びコストの増大につながる。前記ヒストグラムのための論理回路は、メモリを含む回路であり、例えば画素値の分布を計数するためのカウンタ回路などで構成される。
【0007】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、前記画像の画素のヒストグラムを利用したバックライト発光量及び表示データの制御を行うことにより、バックライト消費電力を削減し、表示装置のハードウェア規模及びコストの低減を実現することである。換言すれば、論理量(論理回路規模)を少なくバックライト省電力機能を実現すること、特に、携帯電話機用途の液晶ディスプレイのように使用可能なハードウェア量が強く制限される表示装置などの場合でも表示品質を保持しつつ省電力化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明の表示駆動回路(ドライバ)は、バックライト等の照明手段及び表示パネルを備える液晶表示装置等に搭載され表示パネルを表示駆動するものであって、以下に示す技術的手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本ドライバは、表示データから画像のヒストグラム(度数分布)を取得する手段と、前記ヒストグラムを用いて、その範囲内にある制御基準値(選択データ値)に基づき、表示データの変換により画像の明るさを制御すると共に、照明装置の明るさを制御する制御手段(バックライト省電力機能)を備える。本制御手段により表示画像の明るさを維持しつつ照明装置の電力を低減する。
【0010】
そして、本ドライバは、画像の画素のヒストグラムのデータを、従来技術のように全画素値(例えば0〜255の256階調)に対してすべて保持する、即ち全画素値に対するヒストグラム(全ヒストグラムと称する)のデータを計数及び記憶する論理回路を備える構成とはしない。そうではなく、本ドライバは、全ヒストグラムデータにおける上位の一部範囲の値(例えば179〜255)に対して保持する、即ち部分ヒストグラムデータを計数及び記憶する論理回路を備える構成とする。
【0011】
前記一部範囲(ヒストグラムデータ保持範囲)の値に対して保持する限定されたヒストグラムを、部分ヒストグラムと称する。前記ヒストグラムデータ保持範囲は、例えば、前記画像の輝度における上位t%の順位(第1の位置)の画素(第2の方法における制御基準値)と対応させて、例えば十分に前記第1の位置の画素が範囲内に含まれるように決定する。前記ヒストグラムデータ保持範囲は、例えば、画像の画素値の全ヒストグラムにおける、上位M%分の範囲、換言すれば、下限N%(第2の位置)〜100%の範囲とする(0<M<100,0<N<100,N=100−M)。そして、表示対象画像のヒストグラムの前記第1の位置の画素(制御基準値)が、前記部分ヒストグラム範囲内に収まる場合には、従来技術における全ヒストグラムデータを保持している場合(第2の方法)と同様な効果となるように制御動作させる。また、前記第1の位置の画素が前記部分ヒストグラム範囲外となってしまう場合には、前記部分ヒストグラム範囲の最小値N(第2の位置の値)を、前記第1の位置の画素の代わりとして用いて制御動作させる。
【0012】
本ドライバは、例えば以下の構成を有する。本ドライバは、入力表示データをもとに部分ヒストグラムを得るヒストグラム計数手段と、計数した部分ヒストグラムデータと前記ヒストグラムデータ保持範囲の最小値N等(第2の位置の値)や制御基準値(第1の位置の値)などをもとに、表示データの画素値の伸張処理と、バックライトの発光率を抑制する処理とを相関して行う手段を備える。本制御では、例えば、本制御基準値となる選択データ値(Ds)を、前記部分ヒストグラム、前記t、前記最小値Nなどから決定する。そして、選択データ値(Ds)と、制御の相関関係を記述しているテーブル(電圧選択テーブル)等とをもとに、表示データ伸張係数(e)と、バックライト電圧選択信号(Sv)とを決定する。前記テーブルには、前記選択データ値(Ds)、表示データ伸張率、バックライト発光率などの関係が記述されている。
【0013】
本ドライバは、入力される表示データにおけるヒストグラムの前記第1の位置にある表示データ値を制御基準値として、前記基準値に基づき表示データの伸張などの変換により表示画像の明るさを切り替える第1の手段(表示データ伸張処理回路216)と、前記基準値に基づき照明装置の発光率の制御などにより照明装置の明るさを切り替える第2の手段(電圧選択テーブル207等)と、入力される表示データをもとにヒストグラムを検出し保持する第3の手段(ヒストグラム計数回路201)と、検出したヒストグラムにおける表示データ値(前記基準値)に基づき、前記第1の手段により表示画像の明るさを大きくすると共に、それに相関して前記第2の手段により照明装置の明るさを小さくする処理を行う制御手段(バックライト制御回路104)とを有する。
【0014】
そして、前記第3の手段における前記ヒストグラムの検出及び保持の対象(範囲)は、前記表示データの値における最上位からM%となる下限N%までのデータに対応した部分範囲とする。あるいは、前記ヒストグラムの範囲は、前記表示データの値における最上位(最も明るい画素)からX番目の順位の画素までのデータに対応した部分範囲などとしてもよい。
【0015】
また、前記制御手段は、前記ヒストグラムの部分範囲内に前記基準値が収まらない場合は、前記基準値を、前記下限の値であるN%あるいはX番目に対応したものと同じにして使用する。
【0016】
また、本ドライバは、前記基準値(選択データ値)及びそれを決めるための値(t等)や前記ヒストグラムの部分範囲を決める値(N等)を、当該表示駆動回路の外部制御手段(制御プロセッサ等)から設定変更する手段(システムI/F、レジスタ等)を有する。また、本ドライバは、前記制御におけるヒストグラムの利用を一時的に停止させ、前記基準値を、定数値(k)で代用するように当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有する。
【0017】
また特に、前記表示パネルは液晶パネルであり、前記表示装置は液晶ディスプレイである。前記照明装置は、例えば単一のバックライトのON状態により、当該バックライト面から液晶パネル面に対し略均一に照明するものである。前記第2の手段は、前記バックライトへの電圧を変化させることにより、バックライトのON状態の発光率を変化させる。
【0018】
また、本ドライバは、外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてヒストグラムを計測し、制御基準値を求めるために、所定の表示データ(前記t等)に対応する前記ヒストグラムの選択データ値(Ds)を検出する計測回路(ヒストグラム計数回路201)と、前記選択データ値(Ds)に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路(表示データ伸張処理回路216)と、複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路(階調電圧生成回路107)と、前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路(ソース線駆動回路108等)と、前記ヒストグラムを計測すべき範囲を設定するための設定回路(コントロールレジスタ103等)とを備える。
【0019】
また、本ドライバは、前記計測回路は、前記選択データ値(Ds)が前記設定回路で設定された前記ヒストグラムの範囲外にある場合には、前記ヒストグラムの範囲の境界の値(前記N等に対応した値)を検出し、前記変換回路は、前記境界の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する。また、前記表示パネルは、画素を照明するバックライト等の照明装置を備える。そして、本ドライバは、前記ヒストグラムの選択データ値(Ds)に応じて、照明装置への電圧または照明装置の発光量を制御する。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、前記画像の画素のヒストグラムを利用したバックライト発光量及び表示データの制御を行うことにより、バックライト消費電力を削減し、表示装置のハードウェア規模及びコストの低減を実現できる。換言すれば、論理量(論理回路規模)を少なくバックライト省電力機能を実現できる。特に、携帯電話機用途の液晶ディスプレイのように使用可能なハードウェア量が強く制限される表示装置などの場合でも表示品質を保持しつつ省電力化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1〜図19は、本実施の形態を説明するためのものである。
【0022】
以下に示す本実施の形態では、バックライトモジュールと液晶パネルを有する液晶表示装置に備える液晶ドライバにおいて、表示対象画像の画素のヒストグラムのデータを利用したバックライト発光率及び表示データ伸張を制御する手段を、バックライト省電力機能として有する。本ドライバでは、全ヒストグラムのうち上位の部分範囲に対応してデータを保持することで、前記省電力機能を必要な論理回路規模が小さくなるように実現した。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の液晶ドライバ101及びその周辺を含めた液晶表示装置の構成を示す。図2は、液晶ドライバ101内のバックライト制御回路104の構成及び処理を示す。図3は、液晶ドライバ101における特徴的な制御である部分ヒストグラムを利用した処理を表す。図4は、液晶ドライバ101における制御処理フローである。図6は、本液晶表示装置におけるバックライトによる照明及び表示の構造を模式的に示す。
【0024】
図1において、本液晶表示装置は、制御プロセッサ114、液晶ドライバ101、液晶パネル115、バックライトモジュール116を有する構成である。制御プロセッサ114は、液晶ドライバ101を含む液晶表示装置全体を制御する。本液晶表示装置は、例えば、携帯電話機に搭載する液晶ディスプレイ等である。液晶ドライバ101は、液晶パネル115に対し表示データに応じた電圧を加えることで表示を駆動すると共に、バックライトモジュール116へ電圧を加えることでその照明を制御する。液晶パネル115は、各信号線への電圧印加により画素(表示セル)単位で輝度が制御される。バックライトモジュール116は、液晶パネル115背面側に配置され、バックライト(電灯)により液晶パネル115前面側方向へ照明する。液晶パネル115の各液晶セル状態に応じてバックライトの光が透過される。
【0025】
なお、バックライト電源回路110がバックライトモジュール116に電源供給するが、図示しない電源回路がその他の各部位に電源供給する。また、本液晶表示装置は制御プロセッサ114を内蔵しているが、制御プロセッサ114が外部接続されてもよい。
【0026】
液晶ドライバ101本体は、102から110で示す内部ブロックを有する。液晶ドライバ101は、システムI/F(インターフェイス)102、コントロールレジスタ103、バックライト制御回路104、グラフィックRAM(画像メモリ)105、タイミング発生回路106、階調電圧生成回路107、ソース線駆動回路108、液晶駆動レベル発生回路109、バックライト電源回路110を有する構成である。
【0027】
システムI/F102は、液晶ドライバ101のシステムインターフェース部(回路)であり、外部の制御プロセッサ114との間で通信する。システムI/F102は、表示データ(DATA)や、液晶ドライバ101の各所をコントロールするためのコントロールレジスタ103への書き込みデータ(設定値)などを、液晶ドライバ101の外部(制御プロセッサ114)から内部各ブロックへ受け渡しを行う。コントロールレジスタ103は、液晶ドライバ101各所のコントロールを行うレジスタの集合である。
【0028】
バックライト制御回路104は、本発明の特徴に対応した制御を中心的に行うブロックである。バックライト制御回路104は、システムI/F102から来る表示データを受け取り、後述の表示データ伸張処理を行う。そしてこれにより処理した表示データ(後述の伸張表示データ214)を、グラフィックRAM105へ転送する。また、バックライト制御回路104は、後述のバックライト発光率制御を行う。そしてこれによりバックライト電源(バックライトモジュール116の電源)の電圧を制御する信号(後述のバックライト電圧選択信号215)を、バックライト電源回路110へ送信する。前記バックライト発光率制御と表示データ伸張処理とは、相互に関連した制御であり、制御後の表示画像の明るさが制御前の画像と同様となるように制御する。
【0029】
グラフィックRAM105は、表示データを受け取って蓄積し、また、ソース線駆動回路108へ表示データを受け渡す、バッファの役割をしている。タイミング発生回路106は、コントロールレジスタ103の内容を元に、液晶ドライバ101全体の動作タイミングを生成しており、バックライト制御回路104他の各部へタイミング信号を供給する。階調電圧生成回路107は、表示データの階調レベルに対応した、ソース線駆動回路108で使用する階調電圧を生成している。ソース線駆動回路108は、グラフィックRAM105から来る表示データに応じて、階調電圧生成回路107からの階調電圧の中から特定の電圧を選択し、液晶ソース信号(データ線に対応する)111として外部の液晶パネル115へ出力している。液晶駆動レベル発生回路109では、液晶の駆動に使用される液晶ゲート信号及びコモン信号(走査線に対応する)112を生成し、外部の液晶パネル115へ出力している。
【0030】
バックライト電源回路110は、バックライト制御回路104からの情報を元に所望の電圧を生成し、バックライト電源線113へ供給している。バックライト電源線113は、バックライト電圧をバックライトモジュール116へ供給している。また、バックライト電源回路110は、コントロールレジスタ103から、バックライトの点灯(ON)/消灯(OFF)の命令を受け取り、バックライトの点灯/消灯のための電圧を生成し、バックライト電源線113へ供給する。バックライトモジュール116では、バックライト電源線113のバックライト電圧に応じて、バックライト発光、及びバックライト点灯/消灯が行われる。
【0031】
液晶ドライバ101外部において、制御プロセッサ114は、表示データ(DATA)等を作成し、液晶ドライバ101へシステムI/F102を介して転送する。また制御プロセッサ114は、液晶ドライバ101に対し、バックライトON/OFF制御の命令(BLon/offで示す)などの各種命令を与えることが可能である。液晶パネル115は、液晶ドライバ101から液晶ソース信号111と液晶ゲート信号及びコモン信号112を受け取って表示を行う。また、バックライトモジュール116は、液晶ドライバ101からバックライト電源線113を通じて電源供給され、バックライト電圧に応じた所望の明るさでバックライトを点灯して、液晶パネル115全面を照明する。これによって、ユーザは、液晶パネル115の表示を可視光として見ることができる。
【0032】
図6において、本実施の形態での照明及び表示の概要を示している。バックライトモジュール116によるバックライト面116−1と、液晶パネル115による液晶パネル面(表示画面)115−1とが、略重なっている。バックライト面116−1から液晶パネル面115−1に対し、略一様に照明する。バックライトモジュール116における単一のバックライトのON(点灯)状態により照明する。前記バックライト電圧に応じてバックライト発光量が変化する。また、前記バックライト電圧のON/OFFによりバックライトON/OFF制御も可能となっている。液晶パネル面115−1即ちフレーム(画像)における各画素の輝度が、表示データに応じて制御される。
【0033】
液晶ドライバ101は、前述の各ブロックを使用して、以下のように動作する。液晶ドライバ101は、システムI/F102を介し、外部の制御プロセッサ114から表示データ(DATA)を取り込み、バックライト制御回路104へ転送する。バックライト制御回路104では、後述する表示データ伸張処理を行い、グラフィックRAM105へ蓄積する。タイミング発生回路106でグラフィックRAM105の読み出しタイミングを発生し、そのタイミングで表示データをソース線駆動回路108に転送する。ソース線駆動回路108では、階調電圧生成回路107で生成した階調電圧から前記表示データによって電圧を選択し、液晶ソース信号111として液晶パネル115に出力する。また、タイミング発生回路106で作成したタイミングを使用して、液晶駆動レベル発生回路109で液晶ゲート信号及びコモン信号112を作成し、これらも液晶パネル115へ出力する。液晶ドライバ101からの各信号で液晶パネル115の各セルが駆動される。
【0034】
また、バックライト制御回路104からの情報により、バックライト電源回路110で電圧を生成し、バックライト電源線113に印加する。これによりバックライトモジュール116を点灯(あるいは消灯)させる。バックライトモジュール116において点灯したバックライトは液晶パネル115を照らし、これによりユーザが表示を見ることができる。また、制御プロセッサ114から、バックライトのON/OFFを行う場合、システムI/F102を介し、コントロールレジスタ103に、その制御のための情報が書き込まれる。そして、その情報がバックライト電源回路110に伝えられ、バックライト電源回路110は、バックライトのON/OFFに応じた電圧を生成し、これをバックライト電源線113に印加して、結果、バックライトモジュール116のバックライトをON/OFFさせる。なおこの制御プロセッサ114からのバックライトON/OFF制御の動作は、バックライト省電力機能の制御動作よりも優先される。即ちバックライトON/OFF制御信号は、バックライト制御回路104が生成するバックライト電源の電圧を制御する信号(バックライト電圧選択信号215)よりも優先される。
【0035】
また、液晶ドライバ101は、バックライト電源回路110の後段に、バックライトモジュール116に対するバックライト電源線(バックライト電圧)113がつながる端子180を有する。従来技術において、バックライトモジュール系と液晶ドライバとが独立で非接続の場合、バックライト発光の制御のために、液晶ドライバとは別の制御回路を必要とする。本実施の形態では、端子180を設けて液晶ドライバ101とバックライトモジュール116とを接続することにより、直接に制御が可能である。
【0036】
次に、図2において、バックライト制御回路104内の動作を説明する。バックライト制御回路104は、ヒストグラム計数回路201、電圧選択テーブル207、表示データ伸張係数計算回路203、表示データ伸張処理回路216等を有する。
【0037】
ヒストグラム計数回路201は、表示データ(d)208を入力して計数し、表示対象画像の画素値のヒストグラムデータを作成し保持する。ここで作成及び保持されるのは、前記部分ヒストグラムのデータである。そして、バックライト制御回路104は、部分ヒストグラムのデータから、バックライト発光率の制御を行うために使用する選択データ値(Ds)212を算出する。算出した選択データ値(Ds)212を、表示データ伸張係数計算回路203と、電圧選択テーブル207へ送信する。
【0038】
前記選択データ値(Ds)212については、スレッショルド値(t)210を使用してヒストグラム中の上位から何番目のデータの値を使用するかを決定し、この決定された順番のデータがヒストグラム中のどのエントリに存在するか調べ、その存在するエントリの値をデータ値として算出する。この選択データ値212は、表示データ伸張処理およびバックライト減光処理における制御の元となる基準値の一つである。選択データ値212の値から、表示データ伸張係数(e)213を算出してデータ伸張の倍率を決定し、またバックライト電圧選択信号215を生成してバックライトの照明の明るさを決定する。
【0039】
前記選択データ値(Ds)212は、上記のように、表示データ208の画素値の上位t%(t:スレッショルド値210)の画素の値と対応して算出される。なお、選択データ値(Ds)212、スレッショルド値(t)210、ヒストグラム最小値選択信号(N)211等がそれぞれ異なるものであることに注意する。
【0040】
フレームSYNC(同期信号)209は、ヒストグラム計数回路201がフレーム(画像)毎に動作するために使用する制御信号である。ヒストグラム計数回路201は、フレームSYNC209がOFFの時は、送付されてくる表示データ(d)208を部分ヒストグラムに登録(計数)し続け、フレームSYNC209がONのタイミングで、前記選択データ値212を算出し、部分ヒストグラムをクリアし、次のフレームのデータ計数の準備を行う。
【0041】
スレッショルド値(t)210は、前述の通りヒストグラムの上位何番目または何%のデータを使用するかを決定するパラメータであり、前記選択データ値212の算出に使用される。
【0042】
ヒストグラム最小値選択信号(N)211(以下、範囲最小値(N)などともいう)は、全ヒストグラムにおける上位の一部分を部分ヒストグラムとして使用する時に、この値でその使用する範囲(N〜100%)を決定する。なお、範囲の下限値を表すNではなく、範囲の幅を表すMなどを用いてもよい。ヒストグラム最小値選択信号(N)211の値は、後述する図3におけるNに対応している。この値(N)については、ユーザにより設定変更可能な構成として、以下のように使用する。例えば、表示における高画質を保ちたい場合(即ち省電力よりも画質優先の場合)に、この値(N)を大きくして部分ヒストグラムの範囲を狭めることにより画質劣化しないようにする。また、低画質でも構わないから省電力を優先したい場合には、この値(N)を小さくして部分ヒストグラムの範囲を広げることによりバックライトの発光を抑えて電力低減する。
【0043】
定数値(k)202は、本実施の形態で示すような部分ヒストグラムまたは全ヒストグラムを利用した制御を使用しない場合に使用する。この場合、表示データの内容に係わらず、選択データ値(Ds)212を、その定数値(k)202に対応した一定値として扱う。
【0044】
表示データ伸張係数計算回路203では、選択データ値(Ds)212を使用し、e=255/Dsという計算、即ち、画素値最大値(階調レベル最大値)を選択データ値(Ds)212で除算する演算を行うことにより、表示データ伸張係数(e)213を算出している。
【0045】
表示データ伸張処理回路216は、伸張計算回路204、飽和演算処理回路205、及び小数点以下切捨て回路206のブロックにより、表示データを伸張する処理を行って伸張表示データ(De)214を得る。まず、伸張計算回路204で、入力される表示データ(d)208と表示データ伸張係数(e)213を掛算する(P=d×e)。次に飽和演算処理回路205で、前記掛算の結果(P)が255を超える場合にはそれを255とする飽和演算を行う。最後に小数点以下切捨て回路206で、前記Pの小数点以下を切り捨て、伸張表示データ(De)214として出力する。
【0046】
電圧選択テーブル207は、選択データ値(Ds)212をもとに、テーブル内容を使用してバックライト電圧選択信号(Sv)215を選択し出力する。図2下方に電圧選択テーブル207の一構成例を示している。電圧選択テーブル207において、伸張率217の列は、元の表示データ(d)208から伸張表示データ(De)214への画素値の伸張率を示す。Ds218の列は、前記選択データ値(Ds)212の値を、256階調でデータ値が0〜255の範囲となる場合について示す。Sv及び発光率219の列は、前記バックライト電圧選択信号(Sv)215の値、及び、括弧内で対応する発光率を示す。本例では、発光率を70〜100%の範囲とし(即ちN=70,M=30)、相関して、伸張率が100〜130%の範囲となる場合を示している。なお、このようなテーブル(207)を保持する形式に限らず、簡単な計算式でその都度算出する構成としても構わない。
【0047】
なお、前記スレッショルド値(t)210、ヒストグラム最小値選択信号(N)211、定数値(k)202などの値については、制御プロセッサ114からコントロールレジスタ103へと設定し、この設定値を用いる構成とする。これに限らずあらかじめ一定値を各部に内部設定した構成としてもよい。
【0048】
全体としての動作の流れは以下である。バックライト制御回路104を中心に、表示データ(d)208をヒストグラム計数回路201でフレーム毎に計数し、随時、部分ヒストグラムを得る。その結果から選択データ値(Ds)212を得る。表示データ伸張係数計算回路203では、表示データ伸張係数(e)213を算出し、これと表示データ(d)208を使用して、表示データ伸張処理回路216で伸張表示データ(De)214を出力する。また一方、選択データ値(Ds)212から、電圧選択テーブル207を使用してバックライト電圧選択信号(Sv)215を出力する。これらの制御動作により得られる伸張表示データ(De)214とバックライト電圧選択信号(Sv)215の間には電圧選択テーブル207で示す関係が成り立っている。
【0049】
前記電圧選択テーブル207において、伸張率217が、表示データ(d)208に対し、100%,104%,108%,……,130%といったように変化していくと、Sv及び発光率219は、0(100%),1(96%),2(94%),……,9(70%)といったように同じ割合で電圧が低くなっていく。このような本制御の結果、最終的な画像の出力の明るさは、本制御を行わない場合に比べて変化しない即ち略同等である。
【0050】
また、前記定数値(k)202を使用すると、表示データ(d)208の内容に係わらず選択データ値(Ds)212を一定とするが、この結果、表示データ伸張係数(De)213も、バックライト電圧選択信号(Sv)215も一定値となる。そして表示データ(d)208も一定倍率を掛けた伸張表示データ(De)214となる。よってこの場合は、動画像表示中に画像全体の明るさが変化することが無くなり、動画像のちらつき・フリッカを防止でき、画像に応じて高画質に保ちたい場合などに有効に使用することができる。
【0051】
次に、図3を参照し、本実施の形態において、ヒストグラム計数回路201のヒストグラムが、表示データの範囲(0〜255)すべてに対応して保持する必要がなく、一部のみ保持すればよいことについて説明する。
【0052】
図3(a)は、画像表示データの画素の輝度の分布におけるにおける輝度0%〜100%の全ヒストグラムを持つ従来技術の場合である。選択データ値(Ds)212の場所を×印で示している。各画素値が0〜255をとる場合である。横軸のdは表示データ(d)208の値(エントリ)であり、縦軸のpはdに対応した画素数(登録数)である。なお本例では各画素の値として輝度データを扱っているが、データフォーマットはこれに限定されない。
【0053】
図3(b)は、輝度の分布における上位M%範囲、すなわちN%〜100%部分に対応した部分ヒストグラムを持つ場合である。NやMは0〜100の間にある値である(表示データ内容にも依存するが、特に70〜90といった値が効率的である)。図3ではN=70,M=30の場合を示す。なおN=70%に対応する表示データ(d)208の値が179である。図3(b)の場合、選択データ値(Ds)212を示す×印はN%から100%の間にあり、選択データ値(Ds)212の場所を図3(a)の場合と同様に示すことができるため、従来技術通りの制御で問題ない。
【0054】
図3(c)には、もう1つの場合である、前記図3(a)のように全ヒストグラムを持つ場合において、選択データ値(Ds)212の場所が前記一部範囲の下限N%よりも下になる場合を示している。
【0055】
図3(d)には、選択データ値(Ds)212が前記図3(c)のように一部範囲外となるために、制御基準値を範囲最小値であるN%として扱う場合、即ち選択データ値(Ds)212がN%に対応した値となる場合を示している。これにより、本実施の形態のように部分ヒストグラムしか保持していない場合は、全ヒストグラムを保持している従来の場合と比較して、選択データ値(Ds)212が少し大きくなる副作用(Nへの切り上げによる誤差)が存在する。しかしながら、この場合も、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能として十分な効果を得るように機能させることができる。また、前述のように、前記N(ヒストグラム最小値選択信号211)等を変更可能、即ちコントロールレジスタ103等によって設定変更可能な構成とする。これによって、高画質を保ちたい場合に、値(N)を大きくして(例えば90)、画質劣化しないようにし、また、低画質でも省電力を優先したい場合には、値(N)を小さくして(例えば70)バックライトの発光を抑えるといったように、表示データやユーザ選択に応じて使い分け可能になる。
【0056】
なお本例では、表示データ208の最大値を100%としてN%以上の部分を使用するというように%単位で処理しているが、表示データ208の数値やその順位を使用して処理してもよい。例えば、表示データの最大値を255として、そのうちのX(Xは0<X<255の整数)以上の部分ヒストグラムを使用してもよい。即ち表示データにおける明暗の分布において、最上位(最も明るい画素)からX番目の順位までのデータに対応した部分範囲を用いるようにする。
【0057】
次に、図4を参照し、部分ヒストグラムの下限値Nについて、設定方法の一例などを示す。本フローの処理は、図1の制御プロセッサ114上で動作させ、液晶ドライバ101に対して処理を行う。コントロールレジスタ103に対し各種設定する。本処理は、前述した表示画質優先と省電力優先に対応した各モード、及びそのいずれでもない中間モードへの変更が可能な構成例における処理である。図4(a)は、初期設定時のフローチャートである。スタート後、S401で、液晶表示に必要なその他のレジスタ設定(N等の設定以外の従来の設定)を行う。そして、S402で、Nの初期設定値を小さな値(70%)に設定している。これは一例であって、Nの初期設定値を大きくしてもよい。
【0058】
図4(b)は、通常動作時のフローチャートである。スタート後、S403で、その他の処理を行い、S404で、ユーザ等からのコマンドの入力があるかどうか判定を行い、入力がなければ、S403に戻る。コマンドの入力があった場合は、S405で、そのコマンドが、高画質モードへの切り替えを示すものであるかどうかの判定を行う。その結果、高画質モードへの切り替えが指定されている場合は、S406で、Nの値を初期値よりも大きく(90%)設定し、S403に戻る。高画質モードが指定されていない場合、S407で、低電力モードへの切り替えを示すものであるかどうかの判定を行う。その結果、低電力モードが指定されている場合は、S408で、Nの値を小さく(70%)設定し、S403に戻る。低電力モードでもない場合は残った中間モードであるので、S409で、Nの値を中程度(80%)に設定し、S403に戻る。これら制御によって、通常動作時でもコマンド入力によりNを動的に切り替えて設定し、ユーザの望むモードでの使用が可能となる。
【0059】
本実施の形態によれば、保持するヒストグラムデータを画像の上位の一部範囲の値のみで構成でき、必要となる論理回路の規模もその分削減することができる。例えば画像の画素値が183〜255の範囲を使用する場合においては、従来の約30%のサイズに収めることができる。また実際の表示映像では、削減できる発光量は、上位30%範囲のヒストグラム分に相当すると考えられ、この分の検出回路すなわちヒストグラム計数回路201があれば、従来技術のように全ヒストグラム保持するのとあまり変わらずに十分に効率的な効果を得られる。
【0060】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2の液晶ドライバ101B及び周辺を含めた液晶表示装置を示す。実施の形態1と比較して、液晶ドライバ101B内部にはバックライト電源回路110を設けておらず、代わりに、液晶ドライバ101B外部、液晶表示装置内に、バックライト電源回路110相当機能のバックライト外部電源回路501を付加している構成である。液晶ドライバ101Bからバックライトコントロール信号502(前記バックライト電圧選択信号215と対応する)を出力して、バックライト外部電源回路501を実施の形態1と同様に制御する。バックライト省電力機能の制御自体は実施の形態1と同様である。
【0061】
動作としては、バックライト制御回路104からの情報により、バックライトコントロール信号502が生成され、バックライト外部電源回路501に送信される。バックライト外部電源回路501は、バックライトコントロール信号502を受け、所望の電圧(バックライトON/OFF電圧を含む)を生成し、バックライト電源線503に印加する。バックライト電源線503のバックライト電圧に応じてバックライトモジュール116でバックライトを点灯(または消灯)する。また、制御プロセッサ114からバックライトのON/OFFを行う場合、システムI/F102を介し、コントロールレジスタ104にその情報が書き込まれ、これがバックライト制御回路104に伝えられる。そしてバックライト制御回路104は、ON/OFF電圧を生成するためのバックライトコントロール信号502を送信し、これを受けたバックライト外部電源回路501がバックライトON/OFF電圧を生成し、バックライト電源線503に印加し、結果バックライトモジュール116のバックライトをON/OFFさせる。
【0062】
また、液晶ドライバ101Bは、バックライト制御回路104の後段に、バックライト外部電源回路501に対するバックライトコントロール信号502の信号線がつながる端子181を有する。
【0063】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について図7〜図9を用いて説明する。前記実施の形態1では、ヒストグラムを全画素値(0〜255)に対して全て持つのではなく、上位の一部の値(例えば183〜255)に対して持つようにすることで、回路規模を削減しつつ、実用に供するバックライトの発光量制御を実現した。本実施の形態3の液晶ドライバでは、さらに、ヒストグラム保持対象の上限を255(画素値)に固定するのではなく、上限、下限の両方を設定することによって、制御をより柔軟にする。さらに、異なるガンマカーブを有するディスプレイにも容易に対応できるようにする。
【0064】
図7は、実施の形態3におけるヒストグラム計数回路601(前記201に対応する回路である)のブロック構成を示す。ヒストグラム計数回路601は、エントリデータ生成回路602、複数の比較器A603、複数のカウンタ604、複数の比較器B605、係数生成回路606を有する。
【0065】
エントリデータ生成回路602は、入力される、バックライト発光量(輝度)の最大値607、最小値608に基づき、エントリデータを生成するブロックである。エントリデータとは、ヒストグラムにおける各解析区間の表示データを示すものである。本実施の形態では、例えば最大値607と最小値608の間を16等分し、各発光輝度に相当するエントリデータを生成するものとする。ここで、発光輝度とエントリデータの関係は、一般的には線形ではなく、表示輝度と表示データの関係、即ちいわゆるガンマカーブに相当する。このため、図8に示すように、ガンマ値(γ){例:1.0,2.0,2.2,2.5}の違いによって、発光輝度(例:50−100%)に対するエントリデータの値が異なる。そこで、本実施の形態3では、ヒストグラム計数回路601において、バックライト発光量の最大値607及び最小値608に加えてガンマ値609を入力し、エントリデータを内部で自動生成する構成とした。この動作は、ルックアップテーブル等を用いることで容易に実現可能である。これにより、ガンマ値(609)の異なる表示パネルへの適用が容易となる。なお、本構成で、ガンマ値609として予め数種類を用意し、その中から選択できるようにすると、回路規模の上昇を抑えることが可能である。
【0066】
比較器A603は、エントリデータ生成回路602から入力されるエントリデータと、表示データ(d)208とを比較し、例えば表示データ(d)208の方が大きい場合に“1”を、小さい場合には“0”を出力する。
【0067】
カウンタ604は、フレームSYNC209のオンでリセットされ、再びフレームSYNC209がオンになるまで、比較器A603の結果出力をエントリ毎に累積加算する。
【0068】
図9では、カウンタ604に係わり、図8に基づき、発光輝度の最大値(607):90%、最小値(608):60%、ガンマ値(609):2.2の場合における、ある画像に対する累積加算結果の一例を示している。なお表中、Aiは比較器A603のエントリデータ(γ=2.2の場合)を、Coは、カウンタ604の出力を、tはスレッショルド値210を、Boは、比較器B605の出力を、eは、表示データ伸張係数610を、cは、バックライト調光係数611を示す。
【0069】
比較器B605は、カウンタ604の出力(Co)と、スレッショルド値(t)210とを比較し、例えばスレッショルド値(t)210の方が大きい場合には“0”を、小さい場合には“1”を出力する。ここで、スレッショルド値(t)210を例えばM%の形式で入力し、実際に計算で用いる値を、画面の全画素数×M%とする。図9の例では、解像度が(240×320)画素、スレッショルド値(t)210が15%を想定しており、この場合の実際の計算で用いる値は、11520(=240×320×0.15)である。従って、発光輝度が72%(エントリデータ(Ai):220)で累積カウント値が11520を超えることから、これ以下のエントリでは、比較器B605の出力(Bo)は“1”となる。
【0070】
係数生成回路606は、比較器B605が“1”を出力する中で、エントリデータが最大のものを、選択データ値(Ds)212として選択し、{255÷選択データ値(Ds)}の計算を行い、表示データ伸張係数(e)610として出力する。ここでもし全ての比較器B605が“0”を出力する場合は、最小のエントリデータを選択する。さらに、上記エントリでの調光輝度情報をそのままバックライト調光係数(c)611として出力する。図8の例では、比較器B605が“1”を出力するエントリデータ(Ai)の最大値は220であることから、表示データ伸張係数(e)610は、255/220=1.128、バックライト調光係数(c)611は、72%となる。なお、表示データ伸張係数(e)610は、図2で示した表示データ伸張係数(e)213に相当し、バックライト調光係数(c)611は、図2で示したバックライト電圧選択信号(Sv)215、あるいは図5で示したバックライトコントロール信号502に相当する。ここで、バックライト調光をパルス幅変調にて実現する場合、一般的にはパルス幅と調光率の関係は線形であることから、バックライト調光係数(c)611をそのままパルス幅のデューティとすればよい。仮に、パルス幅と調光の関係が線形でない場合にも、ルックアップテーブルを用いた変換により容易に実現可能である。
【0071】
以上の本実施の形態3におけるヒストグラム計数回路601は、バックライト発光量の最大値607、最小値708、スレッショルド値(t)210、及びガンマ値609の4種類のパラメータを入力することで、より柔軟なバックライト制御が可能となる。例えば実施の形態1では、全画面での白表示を行うとバックライト発光量は100%となるのに対し、本実施の形態3では、バックライト発光量の最大値607に応じた発光量となり、例えば最大値607を90%に設定すれば、バックライト発光量は90%となる。なお、バックライト発光量が90%の場合、バックライト発光量が100%のときと比べ、画面の明るさ自体は暗くなるものの、バックライト発光に関する消費電力は低減する。従って、明るいデータを多く含む映像を表示する場合にも、画質、消費電力の優先度に応じ、選択の自由度を拡大することが可能である。
【0072】
なお、上述の各種パラメータは、コントロールレジスタ103に記憶され、外部の制御プロセッサ114から書き換え可能であることが望ましい。また、最大値607と最小値607とを同じ値に設定すれば、図2で示した定数値(k)202を実現することが可能である。さらに、本実施の形態3では、ガンマ値609の設定により、異なるガンマ値を有する表示パネルにも対応可能であるが、仮にあるガンマ値のカーブにフィット(適合)しない特性の表示パネル(液晶パネル115)を使用する場合には、例えば図8で示した16個のエントリデータを全てレジスタ化して、制御プロセッサ114から個々に設定することも可能である。
【0073】
また、本実施の形態で、図9において、比較器A603のエントリの値(Ai)としては、その間隔(ヒストグラムをとる単位となる1区間)が2または3の値となっている。これは、実験で得られた結果の最適値であり、もしこの間隔を広げると、具体的には8以上の間隔にすると、バックライト発光輝度の差が大きくなる。そして、これによりフリッカを生じることとなり、表示に問題が生じる。よって、比較器A603のエントリの値(Ai)の間隔は、8未満が良好である。
【0074】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について図10を用いて説明する。前記実施の形態1〜3においては、バックライトの発光量を1フレーム毎に制御していた。しかし、発光量がフレーム毎に急減に変動する場合、フリッカの発生原因になる可能性がある。そこで、本実施の形態4の液晶ドライバでは、バックライトの発光量を複数フレームの平均値を基に決定し、フリッカの発生を抑制する方法について述べる。
【0075】
図10は、本実施の形態4を実現するヒストグラム計数回路901(前記201に対応する回路である)のブロック構成を示す。ヒストグラム計数回路901は、平均化回路902を除けば、図7で示した実施の形態3のヒストグラム計数回路601と同様の構成である。従って、ここでは平均化回路902の動作について説明する。
【0076】
平均化回路902は、係数生成回路606から入力される、表示データ伸張係数(e)610及びバックライト調光係数(c)611の値を、過去fフレーム(fは正の整数)分保持し、これらの総和をfで除算することで、新たな表示データ伸張係数(e)903及びバックライト調光係数(c)904を生成して出力する。ここで、fの値は、平均化フレーム数905の名称でレジスタ化し、制御プロセッサ114から書き換え可能な構成にすることが望ましい。なお、fの値があまり大きいと発光制御のレスポンスが遅くなる副作用があるため、16〜64フレームの中で設定することが良好であるという結果を得ている。
【0077】
以上の実施の形態4におけるヒストグラム計数回路901によれば、バックライトの発光量を複数フレームの平均値を基に決定するため、発光輝度の急激な変化が緩和され、フリッカの発生を抑制することが可能である。
【0078】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について図11〜図12を用いて説明する。図11のバックライト制御回路104の構成は、実施の形態1の図2に対応する部分であるが、ヒストグラム計数部201を選択データ値計算部1001に置き換えた構成である。実施の形態5では、実施の形態1のヒストグラムを用いた方法に替わる、選択データ値(Ds)212の算出方法について説明する。
【0079】
図12は、前記選択データ値計算部1001の内部ブロック構成を示している。選択データ値計算部1001は、Y値計算部1101、APL計算部1102、最大値検出部1103、選択データ値決定部1104を有する構成である。選択データ値計算部1001は、スレッショルド値(ta)1002を入力する。
【0080】
Y値計算部1101では、入力される表示データ(d)208のR(赤),G(緑),B(青)サブピクセルデータから、その表示データの輝度値となるY値を計算する。APL計算部1102では、前記Y値を1フレーム分で平均した値をそのフレームのAPL(Average Picture Level:平均輝度レベル)として出力する。最大値検出部1103では、同じくY値を用い、1フレーム分の最大値(最大輝度値)を求めて出力する。選択データ値決定部1104では、前記APLと最大値を用い、そのフレームの選択データ値(Ds)212を決定する。この決定方法では、表示データ(d)208の階調値における、前記最大値とAPLとの間のうち、APL側から最大値側に向けて所定%(A%)の箇所の値を、選択データ値(Ds)212として決定する。このAは、スレッショルド値(u)1002により決定される。このように本実施の形態では、ヒストグラム計数を使用せずに選択データ値(Ds)212を算出して同様の機能を実現することができる。
【0081】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について図11,図13を用いて説明する。実施の形態6では、図11の選択データ値計算部1001の構成が実施の形態5とは異なる。図13は、実施の形態6における選択データ値計算部1001の構成を示している。この構成は、実施の形態5の図12の構成と比較して、APL計算部1102に替わり最小値検出部1201を有し、選択データ値決定部1104に変更がある構成である。実施の形態6では、フレームのY値の最大値と最小値を使用して、選択データ値(Ds)212を算出する方法について説明する。
【0082】
最小値検出部1201では、1フレーム分のY値から最小値を求めて出力する。選択データ値決定部1202では、最大値と最小値の間のうち、最小値側から最大値側に向けて所定%(B%)の箇所の値を選択データ値(Ds)212として決定する。このBは、スレッショルド値(u)1002により決定される。このように本実施の形態では、最大値と最小値から選択データ値(Ds)212を算出して同様の機能を実現することができる。
【0083】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について図14,図15を用いて説明する。図14のヒストグラム計数回路901の構成は、実施の形態4の図10の構成の置き換えであり、平均化回路902を、ヒステリシス変化回路1301に置き換えたものである。
【0084】
図14のヒストグラム計数回路901の構成では、生成した係数(610,611)が、細かく振動した場合にフリッカとして見えないように、その変化にヒステリシス(公知のヒステリシス制御)を付加して、閾値をはさんだ往復が起こらないようにしている。
【0085】
図15において、上記ヒステリシスを付加する効果を説明する。(a)は、ヒステリシス手段(ヒステリシス変化回路1301)が無い場合、つまり入力=出力となっている場合の関係を示している。入力が細かく振動した場合(例えば入力が範囲1401で細かく振動した場合)、出力が振動することになる(値1402と値1403で変動する)。(b)は、図14のようにヒステリシス手段(ヒステリシス変化回路1301)が有る場合を示している。入力が或る範囲(例えば範囲1411)で細かく振動した場合でも、ヒステリシスによって出力は一定(値1412)となる。この効果により、生成した係数(610,611)の細かい振動によるフリッカを抑えることができる。
【0086】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について図16,図17を用いて説明する。図16のヒストグラム計数回路901の構成は、実施の形態4の図10の構成の置き換えであり、平均化回路902を、変動量制限回路1501に置き換えたものである。ヒストグラム計数回路901において、この変動量制限回路1501は、生成した係数(610,611)が、急激な変動を起こした場合に、時間方向に変動を緩和するよう動作する。
【0087】
図17において、変動量制限回路1501の動作を説明する。破線矢印が入力値であり、実線矢印が出力値である。変動量制限回路1501は、入力値が急な上昇をしても、変化を時間方向に伸ばし、出力値では、緩やかな上昇となっている。また、図示していないが、急な下降をした場合でも、同様に処理する。このような構成により、本実施の形態では、急激な変動によるフリッカを抑えることができる。
【0088】
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について図18を用いて説明する。図18の液晶ドライバ101Cの構成は、実施の形態1の図1の構成と比較して、バックライト制御部104とグラフィックRAM105の位置が変更されている。図18では、システムI/F102の直後にグラフィックRAM105が接続されており、表示データは、システムI/F102から直接グラフィックRAM105に書き込まれる。そして、表示読み出し(パネルへの出力)の直後にバックライト制御部104を通り、表示データの伸張処理と、バックライト電源電圧制御信号の生成とを行う。これにより、伸張処理された表示データ(214)は、ソース線駆動回路108に送られ、バックライト電源電圧制御信号(215)は、バックライト電源回路110に送られる。
【0089】
実施の形態1の構成において、システムI/F102からの表示データ書き込みでは、表示するデータ全てをフレームごとに書き込む必要があった。一方、本実施の形態の構成では、システムI/F102からの書き込みではランダムアクセスが可能となる。
【0090】
また、液晶ドライバ101Cは、バックライト電源回路110の後段に、バックライトモジュール116に対するバックライト電源線(バックライト電圧)113につながる端子183を有する。
【0091】
(実施の形態10)
次に、実施の形態10について図19を用いて説明する。図19の液晶ドライバ101Dの構成は、実施の形態2の図5の構成と比較して、バックライト制御回路104の後段にPWM(パルス幅変調)信号生成部1701が追加されている。PWM信号生成部1701からバックライト外部電源回路501に対して、バックライトコントロールPWM信号1702が出力される。PWM信号生成部1701では、バックライト制御部104から出力される、バックライト外部電源回路501で生成する電圧(503)の制御のための情報(502)を受け取り、これをパルス幅変調(PWM)の信号に変換する。そしてこの信号を、バックライトコントロールPWM信号1702として、バックライト外部電源回路501へ送信する。このようにパルス幅変調の信号(1702)にすることにより、図5の構成のように直接に電圧の情報(502)を送っていた場合には信号線が4本以上必要(例えば16段階の電圧制御の場合)であったが、1本に減らすことができる。また、バックライトモジュール116への電圧(503)の微調整も、パルス幅の微調整を行えばよいので、液晶ドライバ101側での微調整が可能となる。換言すればバックライト外部電源回路501での微調整は不要になる。
【0092】
また、液晶ドライバ101Dは、PWM信号生成部1701の後段に、バックライト外部電源回路501に対するバックライトコントロールPWM信号1702の信号線につながる端子184を有する。
【0093】
以上、前述した実施の形態は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置やプラズマ表示装置などの表示装置にも適用可能である。また、画素値のヒストグラムを利用すると説明したが、ヒストグラムに類する分布、統計データ等を利用して、同様の目的を実現する形態としてもよい。
【0094】
また、照明手段として、バックライトによる照明構造は、図6に示すように一般的で簡易な構造としたが、より複雑な構造、例えば複数のライトによる照明としてもよいし、表示パネル背面から照明する構造に限らなくともよい。また、ヒストグラムと対応した表示データ処理の単位は、表示パネル面に対応した1フレームの画像に限らず、複数フレームを単位としてもよいし、あるいは、フレームを分割したブロック等を単位として同様に制御する形態などとしてもよい。
【0095】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、各種表示装置などに利用可能である。特に、前述した実施の形態は、バックライトを制御し省電力化する方法を、論理量を抑えて実装することができるため、その利用範囲も、携帯電話機搭載用液晶ディスプレイのみならず、液晶ディスプレイ使用のDVD等小型メディアプレイヤー等、各種情報機器にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、バックライト制御回路及びその処理方法の詳細構成を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能における、部分ヒストグラム及び処理方法を説明する図である。
【図4】(a),(b)は、本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能における、範囲最小値(N)についての処理方法を示す制御フローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態における液晶ドライバにおいて、バックライトと液晶パネルとにおける照明及び表示の構造を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ガンマ値とエントリデータの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の動作説明を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態5,6における液晶ドライバにおいて、バックライト制御部及びその処理方法の詳細構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5における液晶ドライバにおいて、APLと最大値を使用する選択データ値計算部の詳細構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態6における液晶ドライバにおいて、最小値と最大値を使用する選択データ値計算部の詳細構成を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態7における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図15】(a),(b)は、本発明の実施の形態7における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の係数出力のヒステリシス変化の説明のための図である。
【図16】本発明の実施の形態8における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態8における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の係数出力の変動量制限を説明するための図である。
【図18】本発明の実施の形態9における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態10における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
101,101B,101C,101D…液晶ドライバ、102…システムI/F、103…コントロールレジスタ、104…バックライト制御回路、105…グラフィックRAM、106…タイミング発生回路、107…階調電圧生成回路、108…ソース線駆動回路、109…液晶駆動レベル発生回路、110…バックライト電源回路、111…液晶ソース信号、112…液晶ゲート信号及びコモン信号、113…バックライト電源線(バックライト電圧)、114…制御プロセッサ、115…液晶パネル、115−1…液晶パネル面、116…バックライトモジュール、116−1…バックライト面、117…階調電圧、180〜183…端子、201…ヒストグラム計数回路、202…定数値(k)、203…表示データ伸張係数計算回路、204…伸張計算回路、205…飽和演算処理回路、206…小数点以下切捨て回路、207…電圧選択テーブル、208…表示データ(d)、209…フレームSYNC(同期信号)、210…スレッショルド値(t)、211…ヒストグラム最小値選択信号(N)、212…選択データ値(Ds)、213…表示データ伸張係数(e)、214…伸張表示データ(De)、215…バックライト電圧選択信号(Sv)、216…表示データ伸張処理回路、217…伸張率、218…Ds、219…Sv及び発光率、501…バックライト外部電源回路、502…バックライトコントロール信号、503…バックライト電源線(バックライト電圧)、601,901…ヒストグラム計数回路、602…エントリデータ生成回路、603…比較器A、604…カウンタ、605…比較器B、606…係数生成回路、607…最大値(バックライト発光輝度の最大値)、608…最小値(バックライト発光輝度の最小値)、609…ガンマ値(γ)、610,903…表示データ伸張係数(e)、611,904…バックライト調光係数(c)、902…平均化回路、905…平均化フレーム数(f)、1001…選択データ値計算部、1002…スレッショルド値(u)、1101…Y値計算部、1102…APL計算部、1103…最大値検出部、1104…選択データ値決定部、1201…最小値検出部、1202…選択データ値決定部、1301…ヒステリシス変化回路、1501…変動量制限回路、1701…PWM信号生成部、1702…バックライトコントロールPWM信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置及びその駆動回路の技術に関し、特に、バックライト等の照明手段を備える表示装置における照明及び表示の制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリ動作の情報機器、例えば携帯電話機などに、液晶ディスプレイが搭載されている。これらのディスプレイは、殆どが、バックライトを必要とする透過型や半透過型である。現在、液晶ディスプレイの消費電力の多くが、バックライトの消費電力で占めるようになってきている。そのため、このバックライトの消費電力を削減する工夫が必要となっている。特に液晶ディスプレイ搭載の携帯電話機等においては、TV等の動画像が鑑賞できるように、液晶ディスプレイで表示したままの長時間バッテリ駆動が必要となってきている。
【0003】
バックライト電力削減の工夫としては、特開平11−65531号公報(特許文献1)に記載されている方法などがある。例えば、バックライトが100%発光し、手前の液晶セルで80%の透過にした場合、見えるのは80%の光である。この場合、バックライトが100%発光しているにも係わらず、液晶セルで20%ダウンさせている。これに対し、バックライトを80%発光にして、液晶セルを100%の透過にしている場合、見えるのは同様に80%の光であるが、バックライトの発光を80%に抑えることができる。これらの違いを利用して、バックライトの発光量及び消費電力を抑える。
【0004】
また、バックライト制御と関連した表示制御の方法として、画像データのヒストグラム(度数分布図)、即ちフレームにおける明暗の分布を示すデータを利用する。例えばある画像の画素値(例えば0〜255の輝度値)のヒストグラムデータにおいて、輝度80%(輝度値=256×0.8≒205)の画素がその画像中における最大輝度をとっているような場合があるとする。この場合、その画像の表示を行うのに際し、制御として、バックライトの発光率を、100%から4/5倍である80%の発光に落とし、かつ、その低減の分、表示対象画像のすべての画素値を5/4倍(125%)にする。換言すれば、バックライト電圧を抑制すると共に表示画像の画素値を伸張する制御を行う。これによって、全く同一の画像を、80%のバックライト発光量で、元と同様の明るさとなるように表示することができる。このように、画像データのヒストグラムにおける輝度最大値を利用してバックライトと表示データを相関して制御する方法を、第1の方法とする。
【0005】
さらに、前記第1の方法において、前記ヒストグラムを利用して、輝度において元の表示画像データの上位数%(t%)の順位にある画素に着目する。そして、この着目画素部分が、例えば60%の輝度(輝度値=256×0.6≒134)となっているとする。この場合に、第1の方法と同様の考え方によって、バックライトの発光量を3/5倍である60%に抑え、その分すべての画素値を5/3倍(167%)にする。これにより、同様の表示画像を得ることができる。このように、前記ヒストグラムの上位数%の輝度を基準に使用する方法を、第2の方法とする。この場合、前記輝度最大値を利用している第1の方法に比べ、さらに少ないバックライト発光量で表示が可能となる。前記上位t%のtは、第2の方法における制御基準値となるものであり、このtをスレッショルド値(閾値)と称することにする。
【特許文献1】特開平11−65531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記表示装置におけるバックライト及び表示データの制御に関し、前記特開平11−65531号公報(特許文献1)における、前記第1の方法では、バックライト発光量をあまり削減することができないため、前記第2の方法を使用して、バックライト発光量を多く削減したい。しかしながら、この第2の方法では、制御のために、画像のヒストグラムの全データを保持する必要があるため、そのヒストグラムのための論理回路の規模が大きくなり、相応のハードウェアが必要になる。即ち、表示装置のハードウェア規模及びコストの増大につながる。前記ヒストグラムのための論理回路は、メモリを含む回路であり、例えば画素値の分布を計数するためのカウンタ回路などで構成される。
【0007】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、前記画像の画素のヒストグラムを利用したバックライト発光量及び表示データの制御を行うことにより、バックライト消費電力を削減し、表示装置のハードウェア規模及びコストの低減を実現することである。換言すれば、論理量(論理回路規模)を少なくバックライト省電力機能を実現すること、特に、携帯電話機用途の液晶ディスプレイのように使用可能なハードウェア量が強く制限される表示装置などの場合でも表示品質を保持しつつ省電力化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明の表示駆動回路(ドライバ)は、バックライト等の照明手段及び表示パネルを備える液晶表示装置等に搭載され表示パネルを表示駆動するものであって、以下に示す技術的手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本ドライバは、表示データから画像のヒストグラム(度数分布)を取得する手段と、前記ヒストグラムを用いて、その範囲内にある制御基準値(選択データ値)に基づき、表示データの変換により画像の明るさを制御すると共に、照明装置の明るさを制御する制御手段(バックライト省電力機能)を備える。本制御手段により表示画像の明るさを維持しつつ照明装置の電力を低減する。
【0010】
そして、本ドライバは、画像の画素のヒストグラムのデータを、従来技術のように全画素値(例えば0〜255の256階調)に対してすべて保持する、即ち全画素値に対するヒストグラム(全ヒストグラムと称する)のデータを計数及び記憶する論理回路を備える構成とはしない。そうではなく、本ドライバは、全ヒストグラムデータにおける上位の一部範囲の値(例えば179〜255)に対して保持する、即ち部分ヒストグラムデータを計数及び記憶する論理回路を備える構成とする。
【0011】
前記一部範囲(ヒストグラムデータ保持範囲)の値に対して保持する限定されたヒストグラムを、部分ヒストグラムと称する。前記ヒストグラムデータ保持範囲は、例えば、前記画像の輝度における上位t%の順位(第1の位置)の画素(第2の方法における制御基準値)と対応させて、例えば十分に前記第1の位置の画素が範囲内に含まれるように決定する。前記ヒストグラムデータ保持範囲は、例えば、画像の画素値の全ヒストグラムにおける、上位M%分の範囲、換言すれば、下限N%(第2の位置)〜100%の範囲とする(0<M<100,0<N<100,N=100−M)。そして、表示対象画像のヒストグラムの前記第1の位置の画素(制御基準値)が、前記部分ヒストグラム範囲内に収まる場合には、従来技術における全ヒストグラムデータを保持している場合(第2の方法)と同様な効果となるように制御動作させる。また、前記第1の位置の画素が前記部分ヒストグラム範囲外となってしまう場合には、前記部分ヒストグラム範囲の最小値N(第2の位置の値)を、前記第1の位置の画素の代わりとして用いて制御動作させる。
【0012】
本ドライバは、例えば以下の構成を有する。本ドライバは、入力表示データをもとに部分ヒストグラムを得るヒストグラム計数手段と、計数した部分ヒストグラムデータと前記ヒストグラムデータ保持範囲の最小値N等(第2の位置の値)や制御基準値(第1の位置の値)などをもとに、表示データの画素値の伸張処理と、バックライトの発光率を抑制する処理とを相関して行う手段を備える。本制御では、例えば、本制御基準値となる選択データ値(Ds)を、前記部分ヒストグラム、前記t、前記最小値Nなどから決定する。そして、選択データ値(Ds)と、制御の相関関係を記述しているテーブル(電圧選択テーブル)等とをもとに、表示データ伸張係数(e)と、バックライト電圧選択信号(Sv)とを決定する。前記テーブルには、前記選択データ値(Ds)、表示データ伸張率、バックライト発光率などの関係が記述されている。
【0013】
本ドライバは、入力される表示データにおけるヒストグラムの前記第1の位置にある表示データ値を制御基準値として、前記基準値に基づき表示データの伸張などの変換により表示画像の明るさを切り替える第1の手段(表示データ伸張処理回路216)と、前記基準値に基づき照明装置の発光率の制御などにより照明装置の明るさを切り替える第2の手段(電圧選択テーブル207等)と、入力される表示データをもとにヒストグラムを検出し保持する第3の手段(ヒストグラム計数回路201)と、検出したヒストグラムにおける表示データ値(前記基準値)に基づき、前記第1の手段により表示画像の明るさを大きくすると共に、それに相関して前記第2の手段により照明装置の明るさを小さくする処理を行う制御手段(バックライト制御回路104)とを有する。
【0014】
そして、前記第3の手段における前記ヒストグラムの検出及び保持の対象(範囲)は、前記表示データの値における最上位からM%となる下限N%までのデータに対応した部分範囲とする。あるいは、前記ヒストグラムの範囲は、前記表示データの値における最上位(最も明るい画素)からX番目の順位の画素までのデータに対応した部分範囲などとしてもよい。
【0015】
また、前記制御手段は、前記ヒストグラムの部分範囲内に前記基準値が収まらない場合は、前記基準値を、前記下限の値であるN%あるいはX番目に対応したものと同じにして使用する。
【0016】
また、本ドライバは、前記基準値(選択データ値)及びそれを決めるための値(t等)や前記ヒストグラムの部分範囲を決める値(N等)を、当該表示駆動回路の外部制御手段(制御プロセッサ等)から設定変更する手段(システムI/F、レジスタ等)を有する。また、本ドライバは、前記制御におけるヒストグラムの利用を一時的に停止させ、前記基準値を、定数値(k)で代用するように当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有する。
【0017】
また特に、前記表示パネルは液晶パネルであり、前記表示装置は液晶ディスプレイである。前記照明装置は、例えば単一のバックライトのON状態により、当該バックライト面から液晶パネル面に対し略均一に照明するものである。前記第2の手段は、前記バックライトへの電圧を変化させることにより、バックライトのON状態の発光率を変化させる。
【0018】
また、本ドライバは、外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてヒストグラムを計測し、制御基準値を求めるために、所定の表示データ(前記t等)に対応する前記ヒストグラムの選択データ値(Ds)を検出する計測回路(ヒストグラム計数回路201)と、前記選択データ値(Ds)に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路(表示データ伸張処理回路216)と、複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路(階調電圧生成回路107)と、前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路(ソース線駆動回路108等)と、前記ヒストグラムを計測すべき範囲を設定するための設定回路(コントロールレジスタ103等)とを備える。
【0019】
また、本ドライバは、前記計測回路は、前記選択データ値(Ds)が前記設定回路で設定された前記ヒストグラムの範囲外にある場合には、前記ヒストグラムの範囲の境界の値(前記N等に対応した値)を検出し、前記変換回路は、前記境界の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する。また、前記表示パネルは、画素を照明するバックライト等の照明装置を備える。そして、本ドライバは、前記ヒストグラムの選択データ値(Ds)に応じて、照明装置への電圧または照明装置の発光量を制御する。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、前記画像の画素のヒストグラムを利用したバックライト発光量及び表示データの制御を行うことにより、バックライト消費電力を削減し、表示装置のハードウェア規模及びコストの低減を実現できる。換言すれば、論理量(論理回路規模)を少なくバックライト省電力機能を実現できる。特に、携帯電話機用途の液晶ディスプレイのように使用可能なハードウェア量が強く制限される表示装置などの場合でも表示品質を保持しつつ省電力化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1〜図19は、本実施の形態を説明するためのものである。
【0022】
以下に示す本実施の形態では、バックライトモジュールと液晶パネルを有する液晶表示装置に備える液晶ドライバにおいて、表示対象画像の画素のヒストグラムのデータを利用したバックライト発光率及び表示データ伸張を制御する手段を、バックライト省電力機能として有する。本ドライバでは、全ヒストグラムのうち上位の部分範囲に対応してデータを保持することで、前記省電力機能を必要な論理回路規模が小さくなるように実現した。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の液晶ドライバ101及びその周辺を含めた液晶表示装置の構成を示す。図2は、液晶ドライバ101内のバックライト制御回路104の構成及び処理を示す。図3は、液晶ドライバ101における特徴的な制御である部分ヒストグラムを利用した処理を表す。図4は、液晶ドライバ101における制御処理フローである。図6は、本液晶表示装置におけるバックライトによる照明及び表示の構造を模式的に示す。
【0024】
図1において、本液晶表示装置は、制御プロセッサ114、液晶ドライバ101、液晶パネル115、バックライトモジュール116を有する構成である。制御プロセッサ114は、液晶ドライバ101を含む液晶表示装置全体を制御する。本液晶表示装置は、例えば、携帯電話機に搭載する液晶ディスプレイ等である。液晶ドライバ101は、液晶パネル115に対し表示データに応じた電圧を加えることで表示を駆動すると共に、バックライトモジュール116へ電圧を加えることでその照明を制御する。液晶パネル115は、各信号線への電圧印加により画素(表示セル)単位で輝度が制御される。バックライトモジュール116は、液晶パネル115背面側に配置され、バックライト(電灯)により液晶パネル115前面側方向へ照明する。液晶パネル115の各液晶セル状態に応じてバックライトの光が透過される。
【0025】
なお、バックライト電源回路110がバックライトモジュール116に電源供給するが、図示しない電源回路がその他の各部位に電源供給する。また、本液晶表示装置は制御プロセッサ114を内蔵しているが、制御プロセッサ114が外部接続されてもよい。
【0026】
液晶ドライバ101本体は、102から110で示す内部ブロックを有する。液晶ドライバ101は、システムI/F(インターフェイス)102、コントロールレジスタ103、バックライト制御回路104、グラフィックRAM(画像メモリ)105、タイミング発生回路106、階調電圧生成回路107、ソース線駆動回路108、液晶駆動レベル発生回路109、バックライト電源回路110を有する構成である。
【0027】
システムI/F102は、液晶ドライバ101のシステムインターフェース部(回路)であり、外部の制御プロセッサ114との間で通信する。システムI/F102は、表示データ(DATA)や、液晶ドライバ101の各所をコントロールするためのコントロールレジスタ103への書き込みデータ(設定値)などを、液晶ドライバ101の外部(制御プロセッサ114)から内部各ブロックへ受け渡しを行う。コントロールレジスタ103は、液晶ドライバ101各所のコントロールを行うレジスタの集合である。
【0028】
バックライト制御回路104は、本発明の特徴に対応した制御を中心的に行うブロックである。バックライト制御回路104は、システムI/F102から来る表示データを受け取り、後述の表示データ伸張処理を行う。そしてこれにより処理した表示データ(後述の伸張表示データ214)を、グラフィックRAM105へ転送する。また、バックライト制御回路104は、後述のバックライト発光率制御を行う。そしてこれによりバックライト電源(バックライトモジュール116の電源)の電圧を制御する信号(後述のバックライト電圧選択信号215)を、バックライト電源回路110へ送信する。前記バックライト発光率制御と表示データ伸張処理とは、相互に関連した制御であり、制御後の表示画像の明るさが制御前の画像と同様となるように制御する。
【0029】
グラフィックRAM105は、表示データを受け取って蓄積し、また、ソース線駆動回路108へ表示データを受け渡す、バッファの役割をしている。タイミング発生回路106は、コントロールレジスタ103の内容を元に、液晶ドライバ101全体の動作タイミングを生成しており、バックライト制御回路104他の各部へタイミング信号を供給する。階調電圧生成回路107は、表示データの階調レベルに対応した、ソース線駆動回路108で使用する階調電圧を生成している。ソース線駆動回路108は、グラフィックRAM105から来る表示データに応じて、階調電圧生成回路107からの階調電圧の中から特定の電圧を選択し、液晶ソース信号(データ線に対応する)111として外部の液晶パネル115へ出力している。液晶駆動レベル発生回路109では、液晶の駆動に使用される液晶ゲート信号及びコモン信号(走査線に対応する)112を生成し、外部の液晶パネル115へ出力している。
【0030】
バックライト電源回路110は、バックライト制御回路104からの情報を元に所望の電圧を生成し、バックライト電源線113へ供給している。バックライト電源線113は、バックライト電圧をバックライトモジュール116へ供給している。また、バックライト電源回路110は、コントロールレジスタ103から、バックライトの点灯(ON)/消灯(OFF)の命令を受け取り、バックライトの点灯/消灯のための電圧を生成し、バックライト電源線113へ供給する。バックライトモジュール116では、バックライト電源線113のバックライト電圧に応じて、バックライト発光、及びバックライト点灯/消灯が行われる。
【0031】
液晶ドライバ101外部において、制御プロセッサ114は、表示データ(DATA)等を作成し、液晶ドライバ101へシステムI/F102を介して転送する。また制御プロセッサ114は、液晶ドライバ101に対し、バックライトON/OFF制御の命令(BLon/offで示す)などの各種命令を与えることが可能である。液晶パネル115は、液晶ドライバ101から液晶ソース信号111と液晶ゲート信号及びコモン信号112を受け取って表示を行う。また、バックライトモジュール116は、液晶ドライバ101からバックライト電源線113を通じて電源供給され、バックライト電圧に応じた所望の明るさでバックライトを点灯して、液晶パネル115全面を照明する。これによって、ユーザは、液晶パネル115の表示を可視光として見ることができる。
【0032】
図6において、本実施の形態での照明及び表示の概要を示している。バックライトモジュール116によるバックライト面116−1と、液晶パネル115による液晶パネル面(表示画面)115−1とが、略重なっている。バックライト面116−1から液晶パネル面115−1に対し、略一様に照明する。バックライトモジュール116における単一のバックライトのON(点灯)状態により照明する。前記バックライト電圧に応じてバックライト発光量が変化する。また、前記バックライト電圧のON/OFFによりバックライトON/OFF制御も可能となっている。液晶パネル面115−1即ちフレーム(画像)における各画素の輝度が、表示データに応じて制御される。
【0033】
液晶ドライバ101は、前述の各ブロックを使用して、以下のように動作する。液晶ドライバ101は、システムI/F102を介し、外部の制御プロセッサ114から表示データ(DATA)を取り込み、バックライト制御回路104へ転送する。バックライト制御回路104では、後述する表示データ伸張処理を行い、グラフィックRAM105へ蓄積する。タイミング発生回路106でグラフィックRAM105の読み出しタイミングを発生し、そのタイミングで表示データをソース線駆動回路108に転送する。ソース線駆動回路108では、階調電圧生成回路107で生成した階調電圧から前記表示データによって電圧を選択し、液晶ソース信号111として液晶パネル115に出力する。また、タイミング発生回路106で作成したタイミングを使用して、液晶駆動レベル発生回路109で液晶ゲート信号及びコモン信号112を作成し、これらも液晶パネル115へ出力する。液晶ドライバ101からの各信号で液晶パネル115の各セルが駆動される。
【0034】
また、バックライト制御回路104からの情報により、バックライト電源回路110で電圧を生成し、バックライト電源線113に印加する。これによりバックライトモジュール116を点灯(あるいは消灯)させる。バックライトモジュール116において点灯したバックライトは液晶パネル115を照らし、これによりユーザが表示を見ることができる。また、制御プロセッサ114から、バックライトのON/OFFを行う場合、システムI/F102を介し、コントロールレジスタ103に、その制御のための情報が書き込まれる。そして、その情報がバックライト電源回路110に伝えられ、バックライト電源回路110は、バックライトのON/OFFに応じた電圧を生成し、これをバックライト電源線113に印加して、結果、バックライトモジュール116のバックライトをON/OFFさせる。なおこの制御プロセッサ114からのバックライトON/OFF制御の動作は、バックライト省電力機能の制御動作よりも優先される。即ちバックライトON/OFF制御信号は、バックライト制御回路104が生成するバックライト電源の電圧を制御する信号(バックライト電圧選択信号215)よりも優先される。
【0035】
また、液晶ドライバ101は、バックライト電源回路110の後段に、バックライトモジュール116に対するバックライト電源線(バックライト電圧)113がつながる端子180を有する。従来技術において、バックライトモジュール系と液晶ドライバとが独立で非接続の場合、バックライト発光の制御のために、液晶ドライバとは別の制御回路を必要とする。本実施の形態では、端子180を設けて液晶ドライバ101とバックライトモジュール116とを接続することにより、直接に制御が可能である。
【0036】
次に、図2において、バックライト制御回路104内の動作を説明する。バックライト制御回路104は、ヒストグラム計数回路201、電圧選択テーブル207、表示データ伸張係数計算回路203、表示データ伸張処理回路216等を有する。
【0037】
ヒストグラム計数回路201は、表示データ(d)208を入力して計数し、表示対象画像の画素値のヒストグラムデータを作成し保持する。ここで作成及び保持されるのは、前記部分ヒストグラムのデータである。そして、バックライト制御回路104は、部分ヒストグラムのデータから、バックライト発光率の制御を行うために使用する選択データ値(Ds)212を算出する。算出した選択データ値(Ds)212を、表示データ伸張係数計算回路203と、電圧選択テーブル207へ送信する。
【0038】
前記選択データ値(Ds)212については、スレッショルド値(t)210を使用してヒストグラム中の上位から何番目のデータの値を使用するかを決定し、この決定された順番のデータがヒストグラム中のどのエントリに存在するか調べ、その存在するエントリの値をデータ値として算出する。この選択データ値212は、表示データ伸張処理およびバックライト減光処理における制御の元となる基準値の一つである。選択データ値212の値から、表示データ伸張係数(e)213を算出してデータ伸張の倍率を決定し、またバックライト電圧選択信号215を生成してバックライトの照明の明るさを決定する。
【0039】
前記選択データ値(Ds)212は、上記のように、表示データ208の画素値の上位t%(t:スレッショルド値210)の画素の値と対応して算出される。なお、選択データ値(Ds)212、スレッショルド値(t)210、ヒストグラム最小値選択信号(N)211等がそれぞれ異なるものであることに注意する。
【0040】
フレームSYNC(同期信号)209は、ヒストグラム計数回路201がフレーム(画像)毎に動作するために使用する制御信号である。ヒストグラム計数回路201は、フレームSYNC209がOFFの時は、送付されてくる表示データ(d)208を部分ヒストグラムに登録(計数)し続け、フレームSYNC209がONのタイミングで、前記選択データ値212を算出し、部分ヒストグラムをクリアし、次のフレームのデータ計数の準備を行う。
【0041】
スレッショルド値(t)210は、前述の通りヒストグラムの上位何番目または何%のデータを使用するかを決定するパラメータであり、前記選択データ値212の算出に使用される。
【0042】
ヒストグラム最小値選択信号(N)211(以下、範囲最小値(N)などともいう)は、全ヒストグラムにおける上位の一部分を部分ヒストグラムとして使用する時に、この値でその使用する範囲(N〜100%)を決定する。なお、範囲の下限値を表すNではなく、範囲の幅を表すMなどを用いてもよい。ヒストグラム最小値選択信号(N)211の値は、後述する図3におけるNに対応している。この値(N)については、ユーザにより設定変更可能な構成として、以下のように使用する。例えば、表示における高画質を保ちたい場合(即ち省電力よりも画質優先の場合)に、この値(N)を大きくして部分ヒストグラムの範囲を狭めることにより画質劣化しないようにする。また、低画質でも構わないから省電力を優先したい場合には、この値(N)を小さくして部分ヒストグラムの範囲を広げることによりバックライトの発光を抑えて電力低減する。
【0043】
定数値(k)202は、本実施の形態で示すような部分ヒストグラムまたは全ヒストグラムを利用した制御を使用しない場合に使用する。この場合、表示データの内容に係わらず、選択データ値(Ds)212を、その定数値(k)202に対応した一定値として扱う。
【0044】
表示データ伸張係数計算回路203では、選択データ値(Ds)212を使用し、e=255/Dsという計算、即ち、画素値最大値(階調レベル最大値)を選択データ値(Ds)212で除算する演算を行うことにより、表示データ伸張係数(e)213を算出している。
【0045】
表示データ伸張処理回路216は、伸張計算回路204、飽和演算処理回路205、及び小数点以下切捨て回路206のブロックにより、表示データを伸張する処理を行って伸張表示データ(De)214を得る。まず、伸張計算回路204で、入力される表示データ(d)208と表示データ伸張係数(e)213を掛算する(P=d×e)。次に飽和演算処理回路205で、前記掛算の結果(P)が255を超える場合にはそれを255とする飽和演算を行う。最後に小数点以下切捨て回路206で、前記Pの小数点以下を切り捨て、伸張表示データ(De)214として出力する。
【0046】
電圧選択テーブル207は、選択データ値(Ds)212をもとに、テーブル内容を使用してバックライト電圧選択信号(Sv)215を選択し出力する。図2下方に電圧選択テーブル207の一構成例を示している。電圧選択テーブル207において、伸張率217の列は、元の表示データ(d)208から伸張表示データ(De)214への画素値の伸張率を示す。Ds218の列は、前記選択データ値(Ds)212の値を、256階調でデータ値が0〜255の範囲となる場合について示す。Sv及び発光率219の列は、前記バックライト電圧選択信号(Sv)215の値、及び、括弧内で対応する発光率を示す。本例では、発光率を70〜100%の範囲とし(即ちN=70,M=30)、相関して、伸張率が100〜130%の範囲となる場合を示している。なお、このようなテーブル(207)を保持する形式に限らず、簡単な計算式でその都度算出する構成としても構わない。
【0047】
なお、前記スレッショルド値(t)210、ヒストグラム最小値選択信号(N)211、定数値(k)202などの値については、制御プロセッサ114からコントロールレジスタ103へと設定し、この設定値を用いる構成とする。これに限らずあらかじめ一定値を各部に内部設定した構成としてもよい。
【0048】
全体としての動作の流れは以下である。バックライト制御回路104を中心に、表示データ(d)208をヒストグラム計数回路201でフレーム毎に計数し、随時、部分ヒストグラムを得る。その結果から選択データ値(Ds)212を得る。表示データ伸張係数計算回路203では、表示データ伸張係数(e)213を算出し、これと表示データ(d)208を使用して、表示データ伸張処理回路216で伸張表示データ(De)214を出力する。また一方、選択データ値(Ds)212から、電圧選択テーブル207を使用してバックライト電圧選択信号(Sv)215を出力する。これらの制御動作により得られる伸張表示データ(De)214とバックライト電圧選択信号(Sv)215の間には電圧選択テーブル207で示す関係が成り立っている。
【0049】
前記電圧選択テーブル207において、伸張率217が、表示データ(d)208に対し、100%,104%,108%,……,130%といったように変化していくと、Sv及び発光率219は、0(100%),1(96%),2(94%),……,9(70%)といったように同じ割合で電圧が低くなっていく。このような本制御の結果、最終的な画像の出力の明るさは、本制御を行わない場合に比べて変化しない即ち略同等である。
【0050】
また、前記定数値(k)202を使用すると、表示データ(d)208の内容に係わらず選択データ値(Ds)212を一定とするが、この結果、表示データ伸張係数(De)213も、バックライト電圧選択信号(Sv)215も一定値となる。そして表示データ(d)208も一定倍率を掛けた伸張表示データ(De)214となる。よってこの場合は、動画像表示中に画像全体の明るさが変化することが無くなり、動画像のちらつき・フリッカを防止でき、画像に応じて高画質に保ちたい場合などに有効に使用することができる。
【0051】
次に、図3を参照し、本実施の形態において、ヒストグラム計数回路201のヒストグラムが、表示データの範囲(0〜255)すべてに対応して保持する必要がなく、一部のみ保持すればよいことについて説明する。
【0052】
図3(a)は、画像表示データの画素の輝度の分布におけるにおける輝度0%〜100%の全ヒストグラムを持つ従来技術の場合である。選択データ値(Ds)212の場所を×印で示している。各画素値が0〜255をとる場合である。横軸のdは表示データ(d)208の値(エントリ)であり、縦軸のpはdに対応した画素数(登録数)である。なお本例では各画素の値として輝度データを扱っているが、データフォーマットはこれに限定されない。
【0053】
図3(b)は、輝度の分布における上位M%範囲、すなわちN%〜100%部分に対応した部分ヒストグラムを持つ場合である。NやMは0〜100の間にある値である(表示データ内容にも依存するが、特に70〜90といった値が効率的である)。図3ではN=70,M=30の場合を示す。なおN=70%に対応する表示データ(d)208の値が179である。図3(b)の場合、選択データ値(Ds)212を示す×印はN%から100%の間にあり、選択データ値(Ds)212の場所を図3(a)の場合と同様に示すことができるため、従来技術通りの制御で問題ない。
【0054】
図3(c)には、もう1つの場合である、前記図3(a)のように全ヒストグラムを持つ場合において、選択データ値(Ds)212の場所が前記一部範囲の下限N%よりも下になる場合を示している。
【0055】
図3(d)には、選択データ値(Ds)212が前記図3(c)のように一部範囲外となるために、制御基準値を範囲最小値であるN%として扱う場合、即ち選択データ値(Ds)212がN%に対応した値となる場合を示している。これにより、本実施の形態のように部分ヒストグラムしか保持していない場合は、全ヒストグラムを保持している従来の場合と比較して、選択データ値(Ds)212が少し大きくなる副作用(Nへの切り上げによる誤差)が存在する。しかしながら、この場合も、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能として十分な効果を得るように機能させることができる。また、前述のように、前記N(ヒストグラム最小値選択信号211)等を変更可能、即ちコントロールレジスタ103等によって設定変更可能な構成とする。これによって、高画質を保ちたい場合に、値(N)を大きくして(例えば90)、画質劣化しないようにし、また、低画質でも省電力を優先したい場合には、値(N)を小さくして(例えば70)バックライトの発光を抑えるといったように、表示データやユーザ選択に応じて使い分け可能になる。
【0056】
なお本例では、表示データ208の最大値を100%としてN%以上の部分を使用するというように%単位で処理しているが、表示データ208の数値やその順位を使用して処理してもよい。例えば、表示データの最大値を255として、そのうちのX(Xは0<X<255の整数)以上の部分ヒストグラムを使用してもよい。即ち表示データにおける明暗の分布において、最上位(最も明るい画素)からX番目の順位までのデータに対応した部分範囲を用いるようにする。
【0057】
次に、図4を参照し、部分ヒストグラムの下限値Nについて、設定方法の一例などを示す。本フローの処理は、図1の制御プロセッサ114上で動作させ、液晶ドライバ101に対して処理を行う。コントロールレジスタ103に対し各種設定する。本処理は、前述した表示画質優先と省電力優先に対応した各モード、及びそのいずれでもない中間モードへの変更が可能な構成例における処理である。図4(a)は、初期設定時のフローチャートである。スタート後、S401で、液晶表示に必要なその他のレジスタ設定(N等の設定以外の従来の設定)を行う。そして、S402で、Nの初期設定値を小さな値(70%)に設定している。これは一例であって、Nの初期設定値を大きくしてもよい。
【0058】
図4(b)は、通常動作時のフローチャートである。スタート後、S403で、その他の処理を行い、S404で、ユーザ等からのコマンドの入力があるかどうか判定を行い、入力がなければ、S403に戻る。コマンドの入力があった場合は、S405で、そのコマンドが、高画質モードへの切り替えを示すものであるかどうかの判定を行う。その結果、高画質モードへの切り替えが指定されている場合は、S406で、Nの値を初期値よりも大きく(90%)設定し、S403に戻る。高画質モードが指定されていない場合、S407で、低電力モードへの切り替えを示すものであるかどうかの判定を行う。その結果、低電力モードが指定されている場合は、S408で、Nの値を小さく(70%)設定し、S403に戻る。低電力モードでもない場合は残った中間モードであるので、S409で、Nの値を中程度(80%)に設定し、S403に戻る。これら制御によって、通常動作時でもコマンド入力によりNを動的に切り替えて設定し、ユーザの望むモードでの使用が可能となる。
【0059】
本実施の形態によれば、保持するヒストグラムデータを画像の上位の一部範囲の値のみで構成でき、必要となる論理回路の規模もその分削減することができる。例えば画像の画素値が183〜255の範囲を使用する場合においては、従来の約30%のサイズに収めることができる。また実際の表示映像では、削減できる発光量は、上位30%範囲のヒストグラム分に相当すると考えられ、この分の検出回路すなわちヒストグラム計数回路201があれば、従来技術のように全ヒストグラム保持するのとあまり変わらずに十分に効率的な効果を得られる。
【0060】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2の液晶ドライバ101B及び周辺を含めた液晶表示装置を示す。実施の形態1と比較して、液晶ドライバ101B内部にはバックライト電源回路110を設けておらず、代わりに、液晶ドライバ101B外部、液晶表示装置内に、バックライト電源回路110相当機能のバックライト外部電源回路501を付加している構成である。液晶ドライバ101Bからバックライトコントロール信号502(前記バックライト電圧選択信号215と対応する)を出力して、バックライト外部電源回路501を実施の形態1と同様に制御する。バックライト省電力機能の制御自体は実施の形態1と同様である。
【0061】
動作としては、バックライト制御回路104からの情報により、バックライトコントロール信号502が生成され、バックライト外部電源回路501に送信される。バックライト外部電源回路501は、バックライトコントロール信号502を受け、所望の電圧(バックライトON/OFF電圧を含む)を生成し、バックライト電源線503に印加する。バックライト電源線503のバックライト電圧に応じてバックライトモジュール116でバックライトを点灯(または消灯)する。また、制御プロセッサ114からバックライトのON/OFFを行う場合、システムI/F102を介し、コントロールレジスタ104にその情報が書き込まれ、これがバックライト制御回路104に伝えられる。そしてバックライト制御回路104は、ON/OFF電圧を生成するためのバックライトコントロール信号502を送信し、これを受けたバックライト外部電源回路501がバックライトON/OFF電圧を生成し、バックライト電源線503に印加し、結果バックライトモジュール116のバックライトをON/OFFさせる。
【0062】
また、液晶ドライバ101Bは、バックライト制御回路104の後段に、バックライト外部電源回路501に対するバックライトコントロール信号502の信号線がつながる端子181を有する。
【0063】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について図7〜図9を用いて説明する。前記実施の形態1では、ヒストグラムを全画素値(0〜255)に対して全て持つのではなく、上位の一部の値(例えば183〜255)に対して持つようにすることで、回路規模を削減しつつ、実用に供するバックライトの発光量制御を実現した。本実施の形態3の液晶ドライバでは、さらに、ヒストグラム保持対象の上限を255(画素値)に固定するのではなく、上限、下限の両方を設定することによって、制御をより柔軟にする。さらに、異なるガンマカーブを有するディスプレイにも容易に対応できるようにする。
【0064】
図7は、実施の形態3におけるヒストグラム計数回路601(前記201に対応する回路である)のブロック構成を示す。ヒストグラム計数回路601は、エントリデータ生成回路602、複数の比較器A603、複数のカウンタ604、複数の比較器B605、係数生成回路606を有する。
【0065】
エントリデータ生成回路602は、入力される、バックライト発光量(輝度)の最大値607、最小値608に基づき、エントリデータを生成するブロックである。エントリデータとは、ヒストグラムにおける各解析区間の表示データを示すものである。本実施の形態では、例えば最大値607と最小値608の間を16等分し、各発光輝度に相当するエントリデータを生成するものとする。ここで、発光輝度とエントリデータの関係は、一般的には線形ではなく、表示輝度と表示データの関係、即ちいわゆるガンマカーブに相当する。このため、図8に示すように、ガンマ値(γ){例:1.0,2.0,2.2,2.5}の違いによって、発光輝度(例:50−100%)に対するエントリデータの値が異なる。そこで、本実施の形態3では、ヒストグラム計数回路601において、バックライト発光量の最大値607及び最小値608に加えてガンマ値609を入力し、エントリデータを内部で自動生成する構成とした。この動作は、ルックアップテーブル等を用いることで容易に実現可能である。これにより、ガンマ値(609)の異なる表示パネルへの適用が容易となる。なお、本構成で、ガンマ値609として予め数種類を用意し、その中から選択できるようにすると、回路規模の上昇を抑えることが可能である。
【0066】
比較器A603は、エントリデータ生成回路602から入力されるエントリデータと、表示データ(d)208とを比較し、例えば表示データ(d)208の方が大きい場合に“1”を、小さい場合には“0”を出力する。
【0067】
カウンタ604は、フレームSYNC209のオンでリセットされ、再びフレームSYNC209がオンになるまで、比較器A603の結果出力をエントリ毎に累積加算する。
【0068】
図9では、カウンタ604に係わり、図8に基づき、発光輝度の最大値(607):90%、最小値(608):60%、ガンマ値(609):2.2の場合における、ある画像に対する累積加算結果の一例を示している。なお表中、Aiは比較器A603のエントリデータ(γ=2.2の場合)を、Coは、カウンタ604の出力を、tはスレッショルド値210を、Boは、比較器B605の出力を、eは、表示データ伸張係数610を、cは、バックライト調光係数611を示す。
【0069】
比較器B605は、カウンタ604の出力(Co)と、スレッショルド値(t)210とを比較し、例えばスレッショルド値(t)210の方が大きい場合には“0”を、小さい場合には“1”を出力する。ここで、スレッショルド値(t)210を例えばM%の形式で入力し、実際に計算で用いる値を、画面の全画素数×M%とする。図9の例では、解像度が(240×320)画素、スレッショルド値(t)210が15%を想定しており、この場合の実際の計算で用いる値は、11520(=240×320×0.15)である。従って、発光輝度が72%(エントリデータ(Ai):220)で累積カウント値が11520を超えることから、これ以下のエントリでは、比較器B605の出力(Bo)は“1”となる。
【0070】
係数生成回路606は、比較器B605が“1”を出力する中で、エントリデータが最大のものを、選択データ値(Ds)212として選択し、{255÷選択データ値(Ds)}の計算を行い、表示データ伸張係数(e)610として出力する。ここでもし全ての比較器B605が“0”を出力する場合は、最小のエントリデータを選択する。さらに、上記エントリでの調光輝度情報をそのままバックライト調光係数(c)611として出力する。図8の例では、比較器B605が“1”を出力するエントリデータ(Ai)の最大値は220であることから、表示データ伸張係数(e)610は、255/220=1.128、バックライト調光係数(c)611は、72%となる。なお、表示データ伸張係数(e)610は、図2で示した表示データ伸張係数(e)213に相当し、バックライト調光係数(c)611は、図2で示したバックライト電圧選択信号(Sv)215、あるいは図5で示したバックライトコントロール信号502に相当する。ここで、バックライト調光をパルス幅変調にて実現する場合、一般的にはパルス幅と調光率の関係は線形であることから、バックライト調光係数(c)611をそのままパルス幅のデューティとすればよい。仮に、パルス幅と調光の関係が線形でない場合にも、ルックアップテーブルを用いた変換により容易に実現可能である。
【0071】
以上の本実施の形態3におけるヒストグラム計数回路601は、バックライト発光量の最大値607、最小値708、スレッショルド値(t)210、及びガンマ値609の4種類のパラメータを入力することで、より柔軟なバックライト制御が可能となる。例えば実施の形態1では、全画面での白表示を行うとバックライト発光量は100%となるのに対し、本実施の形態3では、バックライト発光量の最大値607に応じた発光量となり、例えば最大値607を90%に設定すれば、バックライト発光量は90%となる。なお、バックライト発光量が90%の場合、バックライト発光量が100%のときと比べ、画面の明るさ自体は暗くなるものの、バックライト発光に関する消費電力は低減する。従って、明るいデータを多く含む映像を表示する場合にも、画質、消費電力の優先度に応じ、選択の自由度を拡大することが可能である。
【0072】
なお、上述の各種パラメータは、コントロールレジスタ103に記憶され、外部の制御プロセッサ114から書き換え可能であることが望ましい。また、最大値607と最小値607とを同じ値に設定すれば、図2で示した定数値(k)202を実現することが可能である。さらに、本実施の形態3では、ガンマ値609の設定により、異なるガンマ値を有する表示パネルにも対応可能であるが、仮にあるガンマ値のカーブにフィット(適合)しない特性の表示パネル(液晶パネル115)を使用する場合には、例えば図8で示した16個のエントリデータを全てレジスタ化して、制御プロセッサ114から個々に設定することも可能である。
【0073】
また、本実施の形態で、図9において、比較器A603のエントリの値(Ai)としては、その間隔(ヒストグラムをとる単位となる1区間)が2または3の値となっている。これは、実験で得られた結果の最適値であり、もしこの間隔を広げると、具体的には8以上の間隔にすると、バックライト発光輝度の差が大きくなる。そして、これによりフリッカを生じることとなり、表示に問題が生じる。よって、比較器A603のエントリの値(Ai)の間隔は、8未満が良好である。
【0074】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について図10を用いて説明する。前記実施の形態1〜3においては、バックライトの発光量を1フレーム毎に制御していた。しかし、発光量がフレーム毎に急減に変動する場合、フリッカの発生原因になる可能性がある。そこで、本実施の形態4の液晶ドライバでは、バックライトの発光量を複数フレームの平均値を基に決定し、フリッカの発生を抑制する方法について述べる。
【0075】
図10は、本実施の形態4を実現するヒストグラム計数回路901(前記201に対応する回路である)のブロック構成を示す。ヒストグラム計数回路901は、平均化回路902を除けば、図7で示した実施の形態3のヒストグラム計数回路601と同様の構成である。従って、ここでは平均化回路902の動作について説明する。
【0076】
平均化回路902は、係数生成回路606から入力される、表示データ伸張係数(e)610及びバックライト調光係数(c)611の値を、過去fフレーム(fは正の整数)分保持し、これらの総和をfで除算することで、新たな表示データ伸張係数(e)903及びバックライト調光係数(c)904を生成して出力する。ここで、fの値は、平均化フレーム数905の名称でレジスタ化し、制御プロセッサ114から書き換え可能な構成にすることが望ましい。なお、fの値があまり大きいと発光制御のレスポンスが遅くなる副作用があるため、16〜64フレームの中で設定することが良好であるという結果を得ている。
【0077】
以上の実施の形態4におけるヒストグラム計数回路901によれば、バックライトの発光量を複数フレームの平均値を基に決定するため、発光輝度の急激な変化が緩和され、フリッカの発生を抑制することが可能である。
【0078】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について図11〜図12を用いて説明する。図11のバックライト制御回路104の構成は、実施の形態1の図2に対応する部分であるが、ヒストグラム計数部201を選択データ値計算部1001に置き換えた構成である。実施の形態5では、実施の形態1のヒストグラムを用いた方法に替わる、選択データ値(Ds)212の算出方法について説明する。
【0079】
図12は、前記選択データ値計算部1001の内部ブロック構成を示している。選択データ値計算部1001は、Y値計算部1101、APL計算部1102、最大値検出部1103、選択データ値決定部1104を有する構成である。選択データ値計算部1001は、スレッショルド値(ta)1002を入力する。
【0080】
Y値計算部1101では、入力される表示データ(d)208のR(赤),G(緑),B(青)サブピクセルデータから、その表示データの輝度値となるY値を計算する。APL計算部1102では、前記Y値を1フレーム分で平均した値をそのフレームのAPL(Average Picture Level:平均輝度レベル)として出力する。最大値検出部1103では、同じくY値を用い、1フレーム分の最大値(最大輝度値)を求めて出力する。選択データ値決定部1104では、前記APLと最大値を用い、そのフレームの選択データ値(Ds)212を決定する。この決定方法では、表示データ(d)208の階調値における、前記最大値とAPLとの間のうち、APL側から最大値側に向けて所定%(A%)の箇所の値を、選択データ値(Ds)212として決定する。このAは、スレッショルド値(u)1002により決定される。このように本実施の形態では、ヒストグラム計数を使用せずに選択データ値(Ds)212を算出して同様の機能を実現することができる。
【0081】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について図11,図13を用いて説明する。実施の形態6では、図11の選択データ値計算部1001の構成が実施の形態5とは異なる。図13は、実施の形態6における選択データ値計算部1001の構成を示している。この構成は、実施の形態5の図12の構成と比較して、APL計算部1102に替わり最小値検出部1201を有し、選択データ値決定部1104に変更がある構成である。実施の形態6では、フレームのY値の最大値と最小値を使用して、選択データ値(Ds)212を算出する方法について説明する。
【0082】
最小値検出部1201では、1フレーム分のY値から最小値を求めて出力する。選択データ値決定部1202では、最大値と最小値の間のうち、最小値側から最大値側に向けて所定%(B%)の箇所の値を選択データ値(Ds)212として決定する。このBは、スレッショルド値(u)1002により決定される。このように本実施の形態では、最大値と最小値から選択データ値(Ds)212を算出して同様の機能を実現することができる。
【0083】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について図14,図15を用いて説明する。図14のヒストグラム計数回路901の構成は、実施の形態4の図10の構成の置き換えであり、平均化回路902を、ヒステリシス変化回路1301に置き換えたものである。
【0084】
図14のヒストグラム計数回路901の構成では、生成した係数(610,611)が、細かく振動した場合にフリッカとして見えないように、その変化にヒステリシス(公知のヒステリシス制御)を付加して、閾値をはさんだ往復が起こらないようにしている。
【0085】
図15において、上記ヒステリシスを付加する効果を説明する。(a)は、ヒステリシス手段(ヒステリシス変化回路1301)が無い場合、つまり入力=出力となっている場合の関係を示している。入力が細かく振動した場合(例えば入力が範囲1401で細かく振動した場合)、出力が振動することになる(値1402と値1403で変動する)。(b)は、図14のようにヒステリシス手段(ヒステリシス変化回路1301)が有る場合を示している。入力が或る範囲(例えば範囲1411)で細かく振動した場合でも、ヒステリシスによって出力は一定(値1412)となる。この効果により、生成した係数(610,611)の細かい振動によるフリッカを抑えることができる。
【0086】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について図16,図17を用いて説明する。図16のヒストグラム計数回路901の構成は、実施の形態4の図10の構成の置き換えであり、平均化回路902を、変動量制限回路1501に置き換えたものである。ヒストグラム計数回路901において、この変動量制限回路1501は、生成した係数(610,611)が、急激な変動を起こした場合に、時間方向に変動を緩和するよう動作する。
【0087】
図17において、変動量制限回路1501の動作を説明する。破線矢印が入力値であり、実線矢印が出力値である。変動量制限回路1501は、入力値が急な上昇をしても、変化を時間方向に伸ばし、出力値では、緩やかな上昇となっている。また、図示していないが、急な下降をした場合でも、同様に処理する。このような構成により、本実施の形態では、急激な変動によるフリッカを抑えることができる。
【0088】
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について図18を用いて説明する。図18の液晶ドライバ101Cの構成は、実施の形態1の図1の構成と比較して、バックライト制御部104とグラフィックRAM105の位置が変更されている。図18では、システムI/F102の直後にグラフィックRAM105が接続されており、表示データは、システムI/F102から直接グラフィックRAM105に書き込まれる。そして、表示読み出し(パネルへの出力)の直後にバックライト制御部104を通り、表示データの伸張処理と、バックライト電源電圧制御信号の生成とを行う。これにより、伸張処理された表示データ(214)は、ソース線駆動回路108に送られ、バックライト電源電圧制御信号(215)は、バックライト電源回路110に送られる。
【0089】
実施の形態1の構成において、システムI/F102からの表示データ書き込みでは、表示するデータ全てをフレームごとに書き込む必要があった。一方、本実施の形態の構成では、システムI/F102からの書き込みではランダムアクセスが可能となる。
【0090】
また、液晶ドライバ101Cは、バックライト電源回路110の後段に、バックライトモジュール116に対するバックライト電源線(バックライト電圧)113につながる端子183を有する。
【0091】
(実施の形態10)
次に、実施の形態10について図19を用いて説明する。図19の液晶ドライバ101Dの構成は、実施の形態2の図5の構成と比較して、バックライト制御回路104の後段にPWM(パルス幅変調)信号生成部1701が追加されている。PWM信号生成部1701からバックライト外部電源回路501に対して、バックライトコントロールPWM信号1702が出力される。PWM信号生成部1701では、バックライト制御部104から出力される、バックライト外部電源回路501で生成する電圧(503)の制御のための情報(502)を受け取り、これをパルス幅変調(PWM)の信号に変換する。そしてこの信号を、バックライトコントロールPWM信号1702として、バックライト外部電源回路501へ送信する。このようにパルス幅変調の信号(1702)にすることにより、図5の構成のように直接に電圧の情報(502)を送っていた場合には信号線が4本以上必要(例えば16段階の電圧制御の場合)であったが、1本に減らすことができる。また、バックライトモジュール116への電圧(503)の微調整も、パルス幅の微調整を行えばよいので、液晶ドライバ101側での微調整が可能となる。換言すればバックライト外部電源回路501での微調整は不要になる。
【0092】
また、液晶ドライバ101Dは、PWM信号生成部1701の後段に、バックライト外部電源回路501に対するバックライトコントロールPWM信号1702の信号線につながる端子184を有する。
【0093】
以上、前述した実施の形態は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置やプラズマ表示装置などの表示装置にも適用可能である。また、画素値のヒストグラムを利用すると説明したが、ヒストグラムに類する分布、統計データ等を利用して、同様の目的を実現する形態としてもよい。
【0094】
また、照明手段として、バックライトによる照明構造は、図6に示すように一般的で簡易な構造としたが、より複雑な構造、例えば複数のライトによる照明としてもよいし、表示パネル背面から照明する構造に限らなくともよい。また、ヒストグラムと対応した表示データ処理の単位は、表示パネル面に対応した1フレームの画像に限らず、複数フレームを単位としてもよいし、あるいは、フレームを分割したブロック等を単位として同様に制御する形態などとしてもよい。
【0095】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、各種表示装置などに利用可能である。特に、前述した実施の形態は、バックライトを制御し省電力化する方法を、論理量を抑えて実装することができるため、その利用範囲も、携帯電話機搭載用液晶ディスプレイのみならず、液晶ディスプレイ使用のDVD等小型メディアプレイヤー等、各種情報機器にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、バックライト制御回路及びその処理方法の詳細構成を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能における、部分ヒストグラム及び処理方法を説明する図である。
【図4】(a),(b)は、本発明の実施の形態1における液晶ドライバにおいて、ヒストグラムを利用したバックライト省電力機能における、範囲最小値(N)についての処理方法を示す制御フローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態における液晶ドライバにおいて、バックライトと液晶パネルとにおける照明及び表示の構造を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ガンマ値とエントリデータの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の動作説明を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態5,6における液晶ドライバにおいて、バックライト制御部及びその処理方法の詳細構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5における液晶ドライバにおいて、APLと最大値を使用する選択データ値計算部の詳細構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態6における液晶ドライバにおいて、最小値と最大値を使用する選択データ値計算部の詳細構成を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態7における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図15】(a),(b)は、本発明の実施の形態7における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の係数出力のヒステリシス変化の説明のための図である。
【図16】本発明の実施の形態8における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の詳細を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態8における液晶ドライバにおいて、ヒストグラム計数回路の係数出力の変動量制限を説明するための図である。
【図18】本発明の実施の形態9における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態10における液晶ドライバのブロック及び周辺の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
101,101B,101C,101D…液晶ドライバ、102…システムI/F、103…コントロールレジスタ、104…バックライト制御回路、105…グラフィックRAM、106…タイミング発生回路、107…階調電圧生成回路、108…ソース線駆動回路、109…液晶駆動レベル発生回路、110…バックライト電源回路、111…液晶ソース信号、112…液晶ゲート信号及びコモン信号、113…バックライト電源線(バックライト電圧)、114…制御プロセッサ、115…液晶パネル、115−1…液晶パネル面、116…バックライトモジュール、116−1…バックライト面、117…階調電圧、180〜183…端子、201…ヒストグラム計数回路、202…定数値(k)、203…表示データ伸張係数計算回路、204…伸張計算回路、205…飽和演算処理回路、206…小数点以下切捨て回路、207…電圧選択テーブル、208…表示データ(d)、209…フレームSYNC(同期信号)、210…スレッショルド値(t)、211…ヒストグラム最小値選択信号(N)、212…選択データ値(Ds)、213…表示データ伸張係数(e)、214…伸張表示データ(De)、215…バックライト電圧選択信号(Sv)、216…表示データ伸張処理回路、217…伸張率、218…Ds、219…Sv及び発光率、501…バックライト外部電源回路、502…バックライトコントロール信号、503…バックライト電源線(バックライト電圧)、601,901…ヒストグラム計数回路、602…エントリデータ生成回路、603…比較器A、604…カウンタ、605…比較器B、606…係数生成回路、607…最大値(バックライト発光輝度の最大値)、608…最小値(バックライト発光輝度の最小値)、609…ガンマ値(γ)、610,903…表示データ伸張係数(e)、611,904…バックライト調光係数(c)、902…平均化回路、905…平均化フレーム数(f)、1001…選択データ値計算部、1002…スレッショルド値(u)、1101…Y値計算部、1102…APL計算部、1103…最大値検出部、1104…選択データ値決定部、1201…最小値検出部、1202…選択データ値決定部、1301…ヒステリシス変化回路、1501…変動量制限回路、1701…PWM信号生成部、1702…バックライトコントロールPWM信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動回路であって、
前記入力される表示データのヒストグラムの上位における第1の位置にある表示データ値を基準値として、前記基準値に基づき前記表示データの変換により表示画像の明るさを切り替える第1の手段と、
前記基準値に基づき前記表示パネルを照明する照明装置の明るさを切り替える第2の手段と、
前記入力される表示データをもとに前記ヒストグラムを検出し保持する第3の手段と、
前記検出したヒストグラムにおける前記基準値に基づき、前記第1の手段により前記表示画像の明るさを大きくする処理と、前記第2の手段により前記照明装置の明るさを前記表示画像の明るさに相関して小さくする処理とを行う制御手段とを有し、
前記第3の手段における前記ヒストグラムの検出及び保持の対象は、前記表示データにおける最上位から下限となる第2の位置までに対応した部分範囲であることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項2】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの検出及び保持の対象を、前記表示データにおける、最上位から下限となる所定の割合までのデータに対応した部分範囲に限定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項3】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの検出及び保持の対象を、前記表示データにおける、最上位から下限となる所定の順位までのデータに対応した部分範囲に限定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項4】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記制御手段は、前記検出したヒストグラムと前記基準値とにおいて、前記ヒストグラムの部分範囲よりも下に前記基準値が含まれる場合は、前記部分範囲の前記下限となる第2の位置に対応した値を前記基準値として使用することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項5】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記第2の位置の値を当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項6】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの利用を一時的に停止させ、前記基準値を定数値kで代用するように当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項7】
請求項1記載の表示駆動回路において、
当該表示駆動回路の外部制御手段から前記照明装置を点灯/消灯する手段を有し、
前記外部制御手段からの前記照明装置の点灯/消灯の制御が、前記制御手段による前記照明装置の明るさの制御に優先されることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項8】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記照明装置へ電圧を供給する電源回路を備え、
前記制御手段は、前記電源回路に対し、前記照明装置への電圧を選択する信号を出力することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項9】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記照明装置へ電圧を供給する外部電源回路と接続され、
前記制御手段は、前記外部電源回路に対し、前記照明装置への電圧を選択する信号を出力することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項10】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、液晶パネルであり、
前記照明装置は、前記液晶パネルの背面側に配置されるバックライトであり、当該バックライトの点灯状態により、当該バックライト面から前記液晶パネル面に対し照明し、
前記第2の手段は、前記バックライトへの電圧を変化させることにより、前記バックライトの点灯状態における発光率を変化させることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項11】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてヒストグラムを計測し、所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値を検出する計測回路と、
前記所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路と、
前記ヒストグラムを計測すべき範囲を設定するための設定回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項12】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記計測回路は、前記所定の表示データが前記設定回路で設定された前記ヒストグラムの範囲の外にある場合には、前記ヒストグラムの範囲の境界の値を検出し、
前記変換回路は、前記ヒストグラムの範囲の境界の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項13】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムを計測すべき範囲は、前記表示データにおける第3の位置の値以上の一部範囲であり、前記第3の位置の値は前記表示データの最小値より大きく最大値よりも小さいことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項14】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項15】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動回路であって、
前記入力される表示データの最も明るい側から上位P%(Pは正の実数)の位置の表示データ値に基づき、表示画像の明るさを切り替える手段と、
前記表示データ値に基づき、前記表示パネルに対するバックライトの輝度を切り替える手段とを有し、
表示輝度の最も明るい側から上位Q%(Qは正の実数)に相当する表示データから、R%(Rは正の実数で、R≦Q)に相当する表示データまでを、前記P%を検出するための画像ヒストグラム解析範囲とし、
前記Pが前記Qよりも大きい場合、前記バックライトの輝度と前記表示画像の明るさの切り替え量は、前記Qの位置のデータに対応したものと同じであり、前記Pが前記Rよりも小さい場合、前記バックライトの輝度と前記表示画像の明るさの切り替え量は、前記Rの位置のデータに対応したものと同じであることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項16】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記P,Q,Rの各値を、当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項17】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記表示輝度の最も明るい側から上位Q%に相当する表示データと、前記R%に相当する表示データとは、前記表示パネルの有するガンマカーブに応じて変更され、
前記ガンマカーブに関する情報を当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項18】
請求項15記載の表示駆動回路において、
当該表示駆動回路の外部制御手段から前記バックライトをオン/オフする手段を有し、
前記外部制御手段からの前記バックライトのオン/オフの制御が、前記バックライトの輝度の切り替えに優先されることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項19】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記Pの値は、前記表示画像の複数フレームにわたるヒストグラム解析結果の平均値に基づき決定し、
前記平均値の算出に要するフレーム数を、当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項20】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記QからRの画像ヒストグラム解析範囲において、その内のヒストグラムをとる1区間の範囲を階調値で8未満とすることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項21】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてAPL(平均輝度レベル)と最大輝度値を求め、これらの値の間で前記APLからA%の箇所の値を出力する計測回路と、
前記A%の箇所の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項22】
請求項21記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記A%の箇所の値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項23】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについて最小輝度と最大輝度の値を求め、これらの値の間で前記最小輝度値からB%の箇所の値を出力する計測回路と、
前記B%の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項24】
請求項23記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記B%の箇所の値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項25】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記画像ヒストグラム解析範囲を計数する手段の出力側に、入力の細かい振動変化に対して出力が振動しないよう動作するヒステリシス変化手段を有し、
前記Pの値は、前記ヒステリシス変化手段の出力に基づき決定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項26】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記画像ヒストグラム解析範囲を計数する手段の出力側に、入力の急激な変化に対しても時間方向に変化を緩和して急激な変化が起きないよう動作する変動量制限手段を有し、
前記Pの値は、前記変動量制限手段の出力に基づき決定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項27】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記表示データが格納されるグラフィックRAMを内蔵し、
前記表示画像と照明装置の明るさの切り替え量を制御する、前記第1、第2、第3の手段、及び制御手段に対応する制御回路が、前記グラフィックRAMの表示読み出し側に接続されていることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項28】
請求項14記載の表示駆動回路において、
前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御するために、パルス幅変調信号を使用することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項29】
請求項14記載の表示駆動回路において、
前記照明装置に対して出力する電圧またはその制御の信号を出力する端子を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項1】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動回路であって、
前記入力される表示データのヒストグラムの上位における第1の位置にある表示データ値を基準値として、前記基準値に基づき前記表示データの変換により表示画像の明るさを切り替える第1の手段と、
前記基準値に基づき前記表示パネルを照明する照明装置の明るさを切り替える第2の手段と、
前記入力される表示データをもとに前記ヒストグラムを検出し保持する第3の手段と、
前記検出したヒストグラムにおける前記基準値に基づき、前記第1の手段により前記表示画像の明るさを大きくする処理と、前記第2の手段により前記照明装置の明るさを前記表示画像の明るさに相関して小さくする処理とを行う制御手段とを有し、
前記第3の手段における前記ヒストグラムの検出及び保持の対象は、前記表示データにおける最上位から下限となる第2の位置までに対応した部分範囲であることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項2】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの検出及び保持の対象を、前記表示データにおける、最上位から下限となる所定の割合までのデータに対応した部分範囲に限定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項3】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの検出及び保持の対象を、前記表示データにおける、最上位から下限となる所定の順位までのデータに対応した部分範囲に限定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項4】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記制御手段は、前記検出したヒストグラムと前記基準値とにおいて、前記ヒストグラムの部分範囲よりも下に前記基準値が含まれる場合は、前記部分範囲の前記下限となる第2の位置に対応した値を前記基準値として使用することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項5】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記第2の位置の値を当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項6】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムの利用を一時的に停止させ、前記基準値を定数値kで代用するように当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項7】
請求項1記載の表示駆動回路において、
当該表示駆動回路の外部制御手段から前記照明装置を点灯/消灯する手段を有し、
前記外部制御手段からの前記照明装置の点灯/消灯の制御が、前記制御手段による前記照明装置の明るさの制御に優先されることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項8】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記照明装置へ電圧を供給する電源回路を備え、
前記制御手段は、前記電源回路に対し、前記照明装置への電圧を選択する信号を出力することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項9】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記照明装置へ電圧を供給する外部電源回路と接続され、
前記制御手段は、前記外部電源回路に対し、前記照明装置への電圧を選択する信号を出力することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項10】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、液晶パネルであり、
前記照明装置は、前記液晶パネルの背面側に配置されるバックライトであり、当該バックライトの点灯状態により、当該バックライト面から前記液晶パネル面に対し照明し、
前記第2の手段は、前記バックライトへの電圧を変化させることにより、前記バックライトの点灯状態における発光率を変化させることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項11】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてヒストグラムを計測し、所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値を検出する計測回路と、
前記所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路と、
前記ヒストグラムを計測すべき範囲を設定するための設定回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項12】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記計測回路は、前記所定の表示データが前記設定回路で設定された前記ヒストグラムの範囲の外にある場合には、前記ヒストグラムの範囲の境界の値を検出し、
前記変換回路は、前記ヒストグラムの範囲の境界の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項13】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記ヒストグラムを計測すべき範囲は、前記表示データにおける第3の位置の値以上の一部範囲であり、前記第3の位置の値は前記表示データの最小値より大きく最大値よりも小さいことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項14】
請求項11記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記所定の表示データに対応する前記ヒストグラムのデータ値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項15】
入力される表示データに応じて表示パネルを駆動する表示駆動回路であって、
前記入力される表示データの最も明るい側から上位P%(Pは正の実数)の位置の表示データ値に基づき、表示画像の明るさを切り替える手段と、
前記表示データ値に基づき、前記表示パネルに対するバックライトの輝度を切り替える手段とを有し、
表示輝度の最も明るい側から上位Q%(Qは正の実数)に相当する表示データから、R%(Rは正の実数で、R≦Q)に相当する表示データまでを、前記P%を検出するための画像ヒストグラム解析範囲とし、
前記Pが前記Qよりも大きい場合、前記バックライトの輝度と前記表示画像の明るさの切り替え量は、前記Qの位置のデータに対応したものと同じであり、前記Pが前記Rよりも小さい場合、前記バックライトの輝度と前記表示画像の明るさの切り替え量は、前記Rの位置のデータに対応したものと同じであることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項16】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記P,Q,Rの各値を、当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項17】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記表示輝度の最も明るい側から上位Q%に相当する表示データと、前記R%に相当する表示データとは、前記表示パネルの有するガンマカーブに応じて変更され、
前記ガンマカーブに関する情報を当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項18】
請求項15記載の表示駆動回路において、
当該表示駆動回路の外部制御手段から前記バックライトをオン/オフする手段を有し、
前記外部制御手段からの前記バックライトのオン/オフの制御が、前記バックライトの輝度の切り替えに優先されることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項19】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記Pの値は、前記表示画像の複数フレームにわたるヒストグラム解析結果の平均値に基づき決定し、
前記平均値の算出に要するフレーム数を、当該表示駆動回路の外部制御手段から設定変更する手段を有することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項20】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記QからRの画像ヒストグラム解析範囲において、その内のヒストグラムをとる1区間の範囲を階調値で8未満とすることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項21】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについてAPL(平均輝度レベル)と最大輝度値を求め、これらの値の間で前記APLからA%の箇所の値を出力する計測回路と、
前記A%の箇所の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項22】
請求項21記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記A%の箇所の値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項23】
外部から入力された表示データに応じた電圧を表示パネルへ出力する表示駆動回路において、
外部から入力された1又は複数の画面分の表示データについて最小輝度と最大輝度の値を求め、これらの値の間で前記最小輝度値からB%の箇所の値を出力する計測回路と、
前記B%の値に応じて、前記1又は複数の画面分の表示データを変換する変換回路と、
複数の表示データの値に応じた複数の電圧を生成するための生成回路と、
前記複数の電圧から前記変換後の前記表示データに応じた電圧を選択する選択回路とを備えたことを特徴とする表示駆動回路。
【請求項24】
請求項23記載の表示駆動回路において、
前記表示パネルは、画素を照明する照明装置を備え、
前記B%の箇所の値に応じて、前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項25】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記画像ヒストグラム解析範囲を計数する手段の出力側に、入力の細かい振動変化に対して出力が振動しないよう動作するヒステリシス変化手段を有し、
前記Pの値は、前記ヒステリシス変化手段の出力に基づき決定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項26】
請求項15記載の表示駆動回路において、
前記画像ヒストグラム解析範囲を計数する手段の出力側に、入力の急激な変化に対しても時間方向に変化を緩和して急激な変化が起きないよう動作する変動量制限手段を有し、
前記Pの値は、前記変動量制限手段の出力に基づき決定することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項27】
請求項1記載の表示駆動回路において、
前記表示データが格納されるグラフィックRAMを内蔵し、
前記表示画像と照明装置の明るさの切り替え量を制御する、前記第1、第2、第3の手段、及び制御手段に対応する制御回路が、前記グラフィックRAMの表示読み出し側に接続されていることを特徴とする表示駆動回路。
【請求項28】
請求項14記載の表示駆動回路において、
前記照明装置への電圧または前記照明装置の発光量を制御するために、パルス幅変調信号を使用することを特徴とする表示駆動回路。
【請求項29】
請求項14記載の表示駆動回路において、
前記照明装置に対して出力する電圧またはその制御の信号を出力する端子を有することを特徴とする表示駆動回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−219477(P2007−219477A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228563(P2006−228563)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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