説明

表面効果組成物のための炭化水素エクステンダー

次の重量百分率:(a)約60%〜約94%の式I:[CH3−(CH2p][CH3(CH2n]CHCH2−OC(O)−C(R)=CH2(I)のモノマー、またはモノマーの混合物、および(b)約5%〜約20%の式II:H−(OCH2CH2m−O−C(O)−C(R)=CH2(II)のモノマー、またはモノマーの混合物(式中、各Rが独立してHまたはCH3であり、nが1〜10であり、pが1〜20であり、およびmが2〜10である)において共重合されるモノマーを含む、フルオロケミカル撥剤と共に用いるためのポリマーエクステンダー組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
炭化水素ポリマーが、処理基材に表面効果を提供する処理剤の性能を向上させるためのエクステンダーとして用いられる。
【背景技術】
【0002】
様々な組成物が基材に表面効果を提供するための処理剤として有用であることが知られている。表面効果には、撥水分性、防汚性およびしみ防止性、ならびに繊維、布、織物、カーペット、紙、皮革および他のかかる基材などの繊維状基材に特に有用である他の効果が含まれる。多くのかかる処理剤は、フッ素化ポリマーまたはコポリマーである。
【0003】
繊維状基材処理剤として実用性を有するフッ素化ポリマー組成物は、組成物が繊維状基材表面に塗布されたときに撥油性および撥水性を提供する、3個以上の炭素原子を有するペンダント・パーフルオロアルキル基を一般に含有する。パーフルオロアルキル基は一般に、様々な連結基によってフッ素を含有しない重合性基に結合している。生じたモノマーは次に一般に、追加の有益な特性を基材に与える他のモノマーと共重合される。様々な特殊モノマーが、改善された架橋、ラテックス安定性および持続性を与えるために組み入れられてもよい。各原料はその望ましい特性に加えて幾つかの潜在的に望ましくない特性を与えるかもしれないので、特殊な組み合わせが所望の使用に向けられる。これらのポリマーは一般に、繊維状基材への容易な塗布のための水性エマルジョンとして市販されている。
【0004】
必要とされるフッ素化ポリマーの量を減らすと同時に基材に与えられた撥油性および撥水性ならびにその耐久性を上げる、すなわち、処理剤の効率および性能を高めるために様々な試みが行われてきた。一方法は、ブロックトイソシアネートまたはメラミン樹脂を組み入れることである。しかしながら、これらの原料は繊維状基材の風合い(感触)に悪影響を及ぼす傾向があるので、制限された量を使用できるにすぎない。別の方法は、様々なエクステンダーポリマーの使用である。これらは典型的には、基材への塗布前にフッ素化ポリマーエマルジョンとブレンドされる、水性エマルジョンでの炭化水素ポリマーである。
【0005】
米国特許公報(特許文献1)は、フッ素化ポリマーおよび主要量のハロゲン化溶媒、少量のアルカノール、ならびに水を含有する、撥油性および/または撥水性を基材に与えるために好適なエマルジョンを開示している。場合により、エマルジョンはまた、非ビニル性フッ素原子なしの少なくとも1つのモノビニル化合物、または非フッ素化共役ジエンの非フッ素含有ポリマー(すなわち、エクステンダーポリマー)を含有してもよい。エクステンダーポリマーの例は、2−ヒドロキシエチル−または2−ヒドロキシプロピル−アクリレートまたはメタクリレート、およびn−ラウリルメタクリレートまたは2−エチルヘキシルメタクリレートである。洗濯またはドライクリーニングに対するポリマー固形分の耐久性を向上させるために、すべてのこれらのポリマー中にN−メチロールアクリルアミドまたはN−メチロールメタクリルアミドおよびグリシジルアクリレートまたはメタクリレートに由来する少量の単位を含むことは有利であるとも言われている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,657,173号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表面効果剤の性能を著しく向上させるポリマー組成物が必要とされている。具体的には、必要とされるフッ素化ポリマーの量を減らすと同時に基材に対する表面効果の耐久性を向上させる組成物が必要とされている。本発明はかかる組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の重量百分率
(a)約60%〜約94%の式I:
[CH3−(CH2p][CH3(CH2n]CHCH2−OC(O)−C(R)=CH2 (I)
のモノマー、またはモノマーの混合物、および
(b)約5%〜約20%の式II:
H−(OCH2CH2m−O−C(O)−C(R)=CH2 (II)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(c)約0%〜約3%の式III:
HO−CH2−NH−C(O)−C(R)=CH2 (III)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(d)約0%〜約20%の式IV:
1−OC(O)−C(R)=CH2 (IV)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(e)約0%〜約2%のエチレンジメタクリレート、ならびに
(f)約0%〜約10%の式(V):
f−CH2CH2−OC(O)−C(R)=CH2 (V)
のモノマー、またはモノマーの混合物
(式中、
各Rが独立してHまたはCH3であり、
1が1〜約18個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、
nが1〜約10であり、
pが1〜約20であり、および
mが2〜約10であり、および
fが2〜約20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖パーフルオロアルキル基、またはその混合物である)
において共重合されるモノマーを含む、表面効果を基材に提供する処理剤と共に用いるためのポリマー組成物を含む。
【0009】
本発明は、基材に塗布されたときに表面効果を提供する処理剤と上記組成物とを含む組成物と前記基材を接触させる工程を含む前記基材の処理方法をさらに含む。
【0010】
本発明は、基材に塗布されたときに表面効果を提供する処理剤と上記組成物とを含む組成物で処理された基材をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
商標は本明細書では大文字で示される。
【0012】
本発明は、表面効果を基材に提供する処理剤の耐久性性能を向上させるために有用なポリマー組成物を含む。具体的には、本エクステンダー組成物は、耐久性のある撥性を繊維状基材に与える点でフッ素化ポリマーの性能を向上させるために有用である。繊維状基材には、繊維、織物、紙、不織布、皮革、カーペット、布、布ブレンドまたはそれらの組み合わせが含まれる。「布」とは、例えばコットン、レーヨン、絹、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ならびに「ノメックス(NOMEX)」および「ケブラー(KEVLAR)」などのアラミドなどの繊維からなる、天然布もしくは合成布、またはそれらのブレンドを意味する。「布ブレンド」とは、2つ以上のタイプの繊維でできた布を意味する。典型的にはこれらのブレンドは、少なくとも1つの天然繊維と少なくとも1つの合成繊維との組み合わせであるが、また2つ以上の天然繊維または2つ以上の合成繊維のブレンドであることもできる。
【0013】
低い黄変および良好な耐久性という望ましい特性に加えて、優れた耐久性のある表面特性は、繊維状基材への塗布前に本発明エクステンダーポリマー組成物の表面処理剤への添加によって繊維状基材に与えられる。これらの組み合わせたブレンドは、他の処理化学薬品の塗布前、塗布後または塗布中のいずれかに、水または他の溶媒中の分散系の形で繊維状基材に塗布される。
【0014】
そのように塗布されたとき、フッ素化ポリマー処理剤と組み合わせた本発明のエクステンダー組成物は、洗濯後の繊維状基材で、表面特性、特に撥油性および撥水性の耐久性を特に50%も向上させることが分かった。撥性の耐久性は、他の公知のエクステンダー組成物と比較して改善される。さらに、本発明のエクステンダー組成物の使用は、より低いレベルのフッ素化ポリマーの使用を可能にすることによってフッ素効率を高める。
【0015】
本発明のエクステンダーポリマー組成物は、フッ素化ポリマーを製造するために用いられるものなどの、通常のエマルジョン重合技術によって製造される。一般に、かかるコポリマーは、生じた分散系またはエマルジョンが界面活性剤で安定化されて、水性媒体中2つ以上のモノマーの共重合によって製造される。場合により、共重合は、アルコールまたはグリコールなどの有機水溶性溶媒がモノマーの溶解度を向上させるために水性媒体に加えられる溶液重合によって実施される。その形成中におよび重合中にエマルジョンを安定化させるために用いられる界面活性剤は、通常のアニオン性、カチオン性および/または非イオン性乳化剤であることができる。重合は、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ開始剤によって都合よく開始される。これらの開始剤は、「バゾ(VAZO)」の名称で本願特許出願人によって販売されている。
【0016】
エクステンダー組成物分散系をフッ素化ポリマー分散系と混合することによって製造された水性分散系ブレンドは、撥油性、防汚性および撥水性ならびに他の表面効果を与えるために公知の方法によって繊維状基材の表面に塗布される。フッ素化ポリマー−本発明のエクステンダー組成物の使用の際立った特徴は、布上の撥性仕上げの高い耐久性である。
【0017】
本発明の組成物は次の重量百分率
(a)約60%〜約94%の式I:
[CH3−(CH2p][CH3(CH2n]CHCH2−OC(O)−C(R)=CH2 (I)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(b)約5%〜約20%の式II:
H−(OCH2CH2m−O−C(O)−C(R)=CH2 (II)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(c)約0%〜約3%の式III:
HO−CH2−NH−C(O)−C(R)=CH2 (III)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(d)約0%〜約20%の式IV:
1−OC(O)−C(R)=CH2 (IV)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(e)約0%〜約2%のエチレンジメタクリレート、および
(f)約0%〜約10%の式(V):
f−CH2CH2−OC(O)−C(R)=CH2 (V)
のモノマー、またはモノマーの混合物
(式中、
各Rが独立してHまたはCH3であり、
1が1〜約18個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、
nが1〜約10であり、
pが1〜約20であり、およびmが2〜約10であり、および
fが2〜約20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖パーフルオロアルキル基、またはその混合物である)
において共重合されるモノマーを含むコポリマーを含む。
【0018】
用語「(メタ)アクリレート」は本明細書ではメタクリレート、アクリレートまたは該2つの混合物のいずれかを意味するために用いられる。
【0019】
本発明で必須の式Iのモノマー(a)は、そのアルキル鎖中に約6〜約34個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル(メタ)アクリレートの1つまたは混合物である。それは、約60%〜約94重量%の割合で重合に加えられる。好ましくはコポリマー中のモノマー(a)の割合は約70%〜約90重量%である。好ましくは分枝鎖(メタ)アクリレートは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0020】
本発明で必須の式IIのモノマー(b)は、エトキシ基の数が2〜約10であるエトキシル化(メタ)アクリレートの1つまたは混合物である。約5〜約10個のエトキシ基が好ましい。それは約5%〜約20重量%の割合で重合に加えられる。好ましくはエクステンダーコポリマー中のモノマー(b)の割合は約8%〜約15重量%である。
【0021】
本発明での式IIIの任意のモノマー(c)はN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドまたは該2つの混合物である。N−メチロールアクリルアミドが好ましい。それは0%〜約3%の割合で重合に加えられる。約1重量%が好ましい。このモノマーは典型的には、処理基材に与えられた撥性の耐久性を改善するのを助けるために用いられる。
【0022】
式IVの任意のモノマー(d)は、アルキル鎖が1〜約18個の炭素原子を有する線状アルキル鎖(メタ)アクリレートである。メチルメタクリレートが好ましい。それは0%〜約20重量%の割合で重合に加えられる。約12重量%が好ましい。
【0023】
任意のモノマー(e)はエチレンジメタクリレート、[CH2CH(CH3)C(O)OCH2CH22である。それは0%〜約2%の割合で重合に加えられる。約0.5重量%が好ましい。モノマー(d)および(e)の包含は、有効な性能を維持しながら様々な具体的な基材に適合するための柔軟性を提供する。
【0024】
式Vの任意のモノマー(f)は、約2〜約20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖パーフルオロアルキル基のパーフルオロ(メタ)アクリレートまたはそれらの混合物である。好ましくは、パーフルオロアルキル基CF3CF2(CF2x−は約6〜約18個の炭素原子、またはそれらの混合を有する。式:CF3CF2(CF2x24OC(O)−C(CH3)=CH2(式中、xは、約33%、24%、12%、6%、2%、1%および0.5%のそれぞれの相対的な量での混合物で6、8、10、12、14、16、および18の混合である)のパーフルオロ(メタ)アクリレートが好ましく、前記モノマーは約583の重量平均分子量を有する。それは約0%〜約10%の割合で重合に加えられ、0%が好ましい。このモノマーの存在は、ブレンド中でフルオロケミカル処理剤との相溶性を高めるかもしれない。
【0025】
上記のコポリマー分散系は次に、繊維状基材用の様々な公知処理剤の任意のものとブレンドされる。フッ素化ポリマー処理剤の例は、本願特許出願人から入手可能なゾニール(ZONYL);チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、独国ラングワイド(Ciba Specialty Chemicals、Langweid,Germany)製のオレオホボール(OLEOPHOBOL);旭硝子株式会社、日本国東京製のアサヒガード(ASAHI GARD);ダイキン・アメリカ社、ニューヨーク州オレンジバーグ(Daikin America,Inc.,Orangeburg,NY)製のユニダイン(UNIDYNE);3Mカンパニー、ミネソタ州セントポール(3M Company,St.Paul,MN)製のスコッチガード(SCOTCHGARD);およびナノテックス、カリフォルニア州エメリービル(Nanotex,Emeryville,CA)製のナノテックス(NANO TEX)である。処理基材の表面に撥性を提供するための処理剤として有用なフッ素化ポリマーが特に興味深い。コポリマー分散系は、約1:10〜約6:1、好ましくは約1:3〜約3:1、より好ましくは約2:1〜約1:2の比でフッ素化ポリマーとブレンドされる。該ブレンドのフッ素含量は約1.5%〜約6.6重量%、好ましくは約2.0%〜約4.0重量%である。フッ素化ポリマー処理剤は繊維状基材上に撥水性または撥油性を生み出すために使用されるものの任意のものである。これらには、フッ素化された、安定な、不活性な、非極性の、好ましくは飽和の、一価のおよび疎油性および疎水性の両方である1つまたは複数のフルオロ脂肪族基(本明細書ではRf基と称される)を含有するフルオロケミカル化合物またはポリマーが含まれる。Rf基は好ましくは少なくとも3個の炭素原子、より好ましくは3〜20個の炭素原子、最も好ましくは約6〜約14個の炭素原子を含有する。Rf基は直鎖もしくは分枝鎖もしくは環式フッ素化アルキレン基またはそれらの組み合わせを含有してもよい。Rf基の末端部分は、式Cn2n+1(式中、nは約3〜約20である)の過フッ素化脂肪族基である。
【0026】
かかるフッ素化ポリマーの例には好ましくは、Rf含有ポリウレタンおよびポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。フルオロケミカル(メタ)アクリレートモノマーと共重合性モノビニル化合物または共役ジエンとのコポリマーが特に好ましい。共重合性モノビニル化合物には、アルキル(メタ)アクリレート、脂肪酸のビニルエステル、スチレンおよびアルキルスチレン、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アルキルエステル、ビニルアルキルケトン、ならびにアクリルアミドが含まれる。共役ジエンは好ましくは1,3−ブタジエンである。先行クラス内の代表的な化合物には、メチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシエチル、イソアミル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、セチル、およびオクダデシルアクリレートおよびメタクリレート;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルカプリレート、ビニルラウレート、ビニルステアレート、スチレン、アルファメチルスチレン、p−メチルスチレン、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン、アリルヘプタノエート、アリルアセテート、アリルカプリレート、アリルカプロエート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、およびポリオキシメタクリレートが含まれる。
【0027】
繊維状基材に塗布された、フッ素化ポリマーと本発明のエクステンダーポリマーとを含むブレンド組成物は場合により、共重合後に加えられた(すなわち、ブレンドされたイソシアネートとして)耐久性を高めるためのブロックトイソシアネートをさらに含む。好適なブロックトイソシアネートの例は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ニュージャージー州ハイポイント(Ciba Specialty Chemicals,High Point,NJ)から入手可能なヒドロホボール(HYDROPHOBOL)XANである。他の商業的に入手可能なブロックトイソシアネートもまた、本明細書での使用に好適である。ブロックトイソシアネートの添加の望ましさは、コポリマーの特定用途に依存する。現在想定される用途のほとんどについては、満足できる鎖間架橋または繊維への結合を達成するために存在することは必要ではない。ブレンドされたイソシアネートとして加えられる場合、約20重量%以下の量が加えられる。
【0028】
フッ素化ポリマーと本発明のエクステンダー組成物とを含むブレンド組成物は場合により、追加の表面効果を達成するための処理剤もしくは仕上げ剤、またはかかる試剤または仕上げ剤と一緒に一般に使用される添加剤などの追加成分をさらに含む。かかる追加成分は、ノーアイロン、アイロンかけ容易、収縮抑制、皺なし、パーマネントプレス加工、湿度制御、柔軟性、強度、スリップ防止、帯電防止、かぎ裂き防止、抗ピル性、しみ防止性、しみ除去、防汚性、汚れ除去、撥水性、撥油性、悪臭防止、抗菌性、日焼け防止、および類似の効果などの表面効果を提供する化合物または組成物を含む。1つまたは複数のかかる処理剤または仕上げ剤をブレンド組成物と組み合わせ、繊維状基材に塗布することができる。界面活性剤、pH調整剤、架橋剤、湿潤剤、ワックス・エクステンダー、および当業者に公知の他の添加剤などの、かかる処理剤または仕上げ剤と一緒に一般に使用される他の添加剤もまた存在してもよい。さらに、他のエクステンダー組成物も、便益の組み合わせを得るために場合により含められる。
【0029】
本発明は、基材の表面を、上記のような本発明のエクステンダー組成物と基材に塗布されたときに表面効果を提供する処理剤とを含む有効量の組成物と接触させる工程を含む基材の処理方法をさらに含む。好ましくは、処理剤はフッ素化ポリマーである。ブレンド組成物は、処理されるべき繊維状基材に、水性分散系から単独で、または他の織物処理剤、仕上げ剤もしくは上記のような添加剤との混合物で塗布される。例えば、合成布が処理されるとき、本願特許出願人から入手可能なアルカノール(ALKANOL)6112などの、湿潤剤を使用することができる。さらなる例として、コットンまたはコットン−ブレンド布が処理されるとき、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスター(Omnova Solutions,Chester,SC)から入手可能なパーマフレッシュ(PERMAFRESH)EFCなどの、防しわ樹脂を使用することができる。さらなる例として、不織布が処理されるとき、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能な、フリーペル(FREEPEL)1225WRなどのワックス・エクステンダーを用いることができる。ステパン、イリノイ州ノースフィールド(Stepan,Northfield,IL)から入手可能なゼレック(ZELEC)KCなどの帯電防止剤、またはヘキサノールなどの湿潤剤もまた好適である。分散系は一般に、吹き付け、浸漬、パディング、または他の周知の方法によって繊維状基材に塗布される。例えば圧搾ロールによって過剰の液体が除去された後、処理された繊維状基材は乾燥され、次に、例えば、約100℃〜約190℃に、少なくとも30秒間、典型的には約60〜約240秒間加熱することによって硬化させられる。かかる硬化は撥油性、撥水性および防汚性ならびに撥性の耐久性を高める。これらの硬化条件は典型的であるが、幾つかの市販装置は、その特殊なデザイン特徴のためにこれらの範囲外で動作してもよい。処理された繊維状基材は約0.05%〜約0.5重量%のフッ素含量を有する。
【0030】
本発明はi)表面効果を提供する処理剤とii)上記のような本発明のエクステンダーコポリマーとを含む上記組成物で処理された基材をさらに含む。本組成物はまた、追加の表面効果を提供するための任意の試剤、上記のような基材の処理に一般に使用される任意の添加剤、上記のような任意のブロックトイソシアネート、および任意の別個の追加エクステンダー組成物を含有することができる。前に言及されたように、かかる基材には、紙、不織布、皮革、繊維、織物、布、布ブレンド、またはそれらの組み合わせが含まれる。「布」には、コットン、レーヨン、絹、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ならびに「ノメックス」および「ケブラー」などのアラミドの繊維からなる天然布または合成布が含まれる。「布ブレンド」とは、2つ以上のタイプの繊維でできた布を意味する。典型的にはこれらのブレンドは、少なくとも1つの天然繊維と少なくとも1つの合成繊維との組み合わせであるが、また2つ以上の天然繊維または2つ以上の合成繊維のブレンドであることもできる。好ましくは、基材は、本発明のエクステンダー組成物とポリウレタンまたはポリ(メタ)アクリレートなどのフッ素化ポリマーとを含む組成物で処理された。
【0031】
具体的には、本発明のコポリマー組成物、方法および処理基材は、用いられるフッ素化ポリマーの量を減らすと同時に上記基材の表面特性、特に撥油性、撥水性および防汚性の耐久性を高めるために有用である。撥性は、他のエクステンダーと一緒でのフッ素化ポリマー処理剤の塗布より耐久性があり、様々な繊維状基材に対して有効である。撥性は様々な他の表面効果と共に有効である。本発明の処理された繊維状基材は、織物、衣類、ユニフォーム、防護服、家具などに向けた様々な用途で有用である。本発明のコポリマーは、フッ素化ポリマー処理剤とブレンドされたときに、それらが、減少したレベルのフッ素化ポリマーを使用すると同時に広範囲の繊維状基材にわたって非常に耐久性のある、低い黄変の撥性仕上げを与えるという点で有利である。本発明の組成物は、現在入手可能なアクリレートコポリマーより低い材料コストで製造される。
【0032】
(試験方法)
次の試験を本明細書での実施例を評価するのに用いた。
【0033】
(試験方法1−布処理)
布を、通常のパディング浴(浸漬)法を用いてコポリマーブレンドで処理した。実施例セクションの表に詳述されるような、本発明のエクステンダーコポリマーとブレンドされた0.2〜5重量%のフッ素化ポリマー処理剤(本明細書では以下コポリマーブレンド)を含有する浴を、示されるようなブロックトイソシアネート(0〜2%)と組み合わせて、コットン布、不織布、およびナイロン布などの布を処理するために使用した。30〜45g/Lのコポリマーブレンドを含有する浴を使用した。本発明の非フッ素化コポリマーエクステンダーとブレンドするために使用されるフルオロケミカルは、本願特許出願人から入手可能である市販のゾニール製品であった。塗布後に、織布はおおよそ160℃で1〜3分間硬化させ、不織布は100〜170℃で2〜4分間硬化させた。布は、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。
【0034】
(試験方法2−撥水性)
処理基材の撥水性は、テフロン(TEFLON)(登録商標)グローバル仕様書(Global Specifications)に概説されるようなデュポン技術実験室方法(DuPont Technical Laboratory Method)および品質管理試験(Quality Control Tests)情報パケットまたはAATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会)標準試験方法No.193−2004に従って測定した。本試験は、水性液体による濡れに対する処理基材の抵抗性を測定する。異なる表面張力の水−アルコール混合物の滴を布上に置き、表面濡れの程度を目視により測定する。本試験は水性しみ抵抗性の大まかな指標を提供する。撥水性格付けが高ければ高いほど、水ベースの物質による汚れに対する完成基材の抵抗性はより良好である。標準試験液体の組成物を次の表に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
(試験方法3−撥水性−スプレー格付け)
撥水性はスプレー試験方法を用いることによってさらに試験することができる。処理布サンプルを、次の通り行われるAATCC標準試験方法No.22−1996に従うことによって撥水性について試験した。前に記載したようなポリマーの水性分散系で処理した布サンプルを23℃+20%相対湿度および65℃+10%相対湿度で最低2時間順化させる。布サンプルを、布が皺なしであるようにプラスチック/金属刺繍輪上にしっかりと固定する。輪を、布が仰向けであるように試験スタンド上に置く。次に80±2°F(27±1℃)の250mLの水を試験漏斗に注ぎ込み、水を布表面上へスプレーさせる。いったん水が漏斗を流れ抜けたら、輪を、布が下向きで、固体物体のエッジに向かってたたき、180度回転させ、再びたたく。斑点のあるまたは濡れた表面を、AATCC技術マニュアルに見いだされるAATCC標準と比較する。表面がより多く濡れていればいるほど、数はより低く、撥水性はより不満足である。100は濡れなしを意味し、90は僅かな濡れ(3つの小さい斑点)を意味し、80はスプレーポイントで幾つか(10)の斑点によって示される濡れを意味し、70は上方布表面の部分濡れを意味し、50は全体上方布表面の濡れを意味し、および0は下方および上方布表面の完全な濡れを意味する。
【0037】
(試験方法4−撥油性)
処理布サンプルを、次の通り行われるAATCC標準試験方法No.118の修正によって撥油性について試験した。前に記載したようなポリマーの水性分散系で処理した布サンプルを、23℃+20%相対湿度および65℃+10%相対湿度で最低2時間順化させる。表Iに下に特定される一連の有機液体を次に布サンプルに滴々注ぐ。最低の番号を付けられた試験液体(撥油性格付けNo.1)から始めて、1滴(直径がおおよそ5mmまたは0.05mL容量)を、少なくとも5mm離して3つの場所のそれぞれ上に置く。滴を30秒間観察する。この期間の終わりに、3滴のうち2滴は滴の周りにウィッキングなしで形状が依然として球形である場合、次の最高番号を付けられた液体の3滴を隣接サイトに置き、同様に30秒間観察する。試験液体の1つが球形〜半球形にとどまらない3滴のうち2滴をもたらす、または濡れもしくはウィッキングが起こるまで本手順を継続する。
【0038】
布の撥油性格付けは、3滴のうち2滴が30秒間ウィッキングなしで球形から半球形にとどまった、最高の番号を付けられた試験液体である。一般に、6以上の格付けの処理布は良好〜優秀と見なされ、1またはそれ以上の格付けを有する布はある種の用途で使用することができる。
【0039】
【表2】

【0040】
(試験方法5−衝撃撥水性手順)
耐水性は、衝撃試験方法を用いることによってさらに試験することができる。処理布サンプルを、次の通り行われるAATCC標準試験方法No.42−2000に従うことによって撥水性について試験した。前に記載したようなコポリマーブレンドの水性分散系で処理した布サンプルを、23℃プラス20%相対湿度および65℃プラス10%相対湿度で最低2時間順化させる。布サンプルを、布が皺なしであるように、45度の角度で置かれている平面上にしっかりと固定する。布と同じサイズの吸取紙片を布の裏側に置く。次に80±2°F(27±1℃)の500mLの水を試験漏斗に注ぎ込み、水を布表面上へスプレーさせる。いったん水が漏斗を流れ抜けたら、吸取紙を秤量する。半グラム未満である重量増加は非常に良好と見なす。
【0041】
(試験方法6−洗濯手順)
布サンプルを、テフロン・グローバル仕様書に概説される米国家庭洗濯方法(U.S.Home Laundering Method)および品質管理試験情報パケットに従って洗濯した。布サンプルを、4ポンド(1.0kg)の総乾燥荷重を与えるためのバラストロードと共にケンモア(KENMORE)自動洗濯機へ入れる。市販の洗剤を加え(AATCC1993標準対照洗剤(Standard Reference Detergent)WOB)、洗濯機を温水(105°F)(41℃)で高い水レベルまで満たす。サンプルおよびバラストを、12分標準洗濯サイクル、引き続くリンスおよび回転サイクルを用いて指定回数(5HW=5回洗濯、10HW=10回洗濯など)洗濯する。サンプルは洗濯サイクル間で乾燥しない。
【0042】
洗濯が完了した後、湿った布サンプルおよびバラストをケンモア自動乾燥機に移し、高い/コットン設定で45分間乾燥させて155〜160°F(68〜71℃)の排気口温度を達成する。
【実施例】
【0043】
次の材料を、示されるように実施例で使用する。
【0044】
アーミン(ARMEEN)DM−12Dは、アクゾ・ケミカルズ社、イリノイ州シカゴ(Akzo Chemicals Inc.,Chicago,IL)から入手可能なN,N−ジメチルドデシルアミンである。
アーミンDM−18Dは、アクゾ・ケミカルズ社、イリノイ州シカゴから入手可能なN,N−ジメチルオクタデシルアミンである。
バゾ56WSPは、本願特許出願人から入手可能なアゾ重合開始剤2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩である。
ゾニール7700、ゾニール8315、ゾニール8932およびゾニール8300はそれぞれ、本願特許出願人から入手可能な、織物用の処理剤として有用なフルオロケミカルである。
【0045】
(実施例1)
先ず、70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。混合物の温度は自然発生的に約12分にわたって79℃に上がり、次に下降し始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に4時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックス(水中分散系)は31.7%の固形分含量で251gの重さがあった。それを別々に、フルオロケミカル対エクステンダーの1:2の比で本願特許出願人製の商業的に入手可能なフルオロケミカル、ゾニール7700、ゾニール8315およびゾニール8932とブレンドした。
【0046】
ゾニール7700とのブレンドを、試験方法1の方法を用いて100%ポリプロピレン不織基材に塗布した。計32g/Lのブレンド生成物をパディング浴に使用した。ブレンド生成物は31%のゾニール7700および69%の非フッ素化エクステンダーを含有し、それは約2.3%フッ素のブレンド生成物を与えた。約5g/Lの湿潤剤(ヘキサノール)をパディング浴に使用した。ステパン、イリノイ州ノースフィールドから入手可能な、約2g/Lの帯電防止剤、ゼレックKCもまたパディング浴に使用した。塗布後に、不織布を約100℃で約4分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。ポリプロピレン不織布を、上記の試験方法2を用いて撥水性について試験した。エクステンダーが存在しないゾニール7200を、比較のために同じように基材に塗布した。結果は表3にある。
【0047】
ゾニール8315とのブレンドを、試験方法1で上に記載した布処理方法を用いて100%ポリエステル不織基材に塗布した。20g/Lのブレンド生成物をパディング浴に使用した。ブレンド生成物は約2.7%フッ素を含有した。おおよそ15g/Lのワックス・エクステンダー、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なフリーペル1225WRを使用した。塗布後に、不織布を約170℃で約2分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。ポリエステル不織布を、上記の試験方法2、3および5を用いて撥水性、スプレー撥水性、および衝撃撥水性について試験した。エクステンダーが存在しないゾニール8315を、比較のために同じように基材に塗布した。結果を表4にリストする。
【0048】
ゾニール8932とのブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%ナイロン布に塗布した。浴は45g/Lのブレンド生成物を含有した。ブレンド生成物は約3.5%フッ素を含有した。1サンプルについては、浴は0〜1g/Lのブロックトイソシアネートを含有した。使用したブロックトイソシアネートは、ヒドロホボールXAN、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ノースカロライナ州ハイポイントであった。湿潤剤もまた、2g/Lで浴中に含めた。これは、本願特許出願人から入手可能なアルカノール6112であった。塗布後に、布を約160℃で3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。ナイロンを、上記の試験方法4、2および3を用いて撥油性、撥水性およびスプレー撥水性について試験した。エクステンダーが存在しないゾニール8932を、比較のために同じように基材に塗布した。結果を表5にリストする。
【0049】
(実施例2)
ユニケマ、デラウェア州ニューキャッスル(Uniqema,New Castle,DE)から入手可能な4gのBRIJ58をまた乳化前に加えたことを除いて、実施例1の手順に従った。産出物は33.1%固形分で252gのポリマーエクステンダー・ラテックスであり、それをフルオロケミカル対エクステンダーの1:2の比でフルオロケミカルとブレンドし、実施例1に記載したようにポリプロピレンおよびポリエステル不織布に塗布した。布を実施例1に記載したように試験した。結果は表3および4にある。
【0050】
(比較例A)
先ず、(a)80gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(c)3.3gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(e)0.4gエチレンジメタクリレート;1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および135gの温かい(40〜50℃)水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、およびドライアイスまたは水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を20gの冷たい脱イオン水でフラスコに洗い入れ、50℃で30分間窒素パージした。次に窒素を低速掃引に切り替え、19gのアセトンを加えた。次に、0.02gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は約30分にわたって70℃まで徐々に上がった。温度は次の10〜12分にわたって73℃まで上がり続けた。装入物を窒素下に70℃で3.5時間撹拌した。生じたポリマー・ラテックスは31.4%の固形分含量で244gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの約2:1の比で表5にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドをナイロン布に塗布し、実施例1におけるように試験した。結果を表5にリストする。
【0051】
(比較例B)
先ず、(a)80gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(c)3.3gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド;1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および135gの温かい(40〜50℃)水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、およびドライアイスまたは水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を20gの冷たい脱イオン水でフラスコに洗い入れ、50℃で30分間窒素パージした。次に窒素を低速掃引に切り替え、19gのアセトンを加えた。次に、0.02gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は約30分にわたって70℃まで徐々に上がった。温度は次の10〜12分にわたって73℃まで上がり続けた。装入物を窒素下に70℃で3.5時間撹拌した。生じたポリマー・ラテックスは31.2%の固形分含量で242gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの約2:1の比で表4および5にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドをポリエステル不織基材およびナイロン布に塗布し、実施例1におけるように試験した。結果を表4および5にリストする。
【0052】
【表3】

【0053】
表3は、本発明のエクステンダーの効能を例示する。不織布を処理するために使用した浴は、存在するエクステンダーなしに対して実施例1および2のエクステンダーが存在したときには40%少ないフルオロケミカルを有したが、処理の性能は維持された。
【0054】
【表4】

【0055】
表4は、本発明のエクステンダーの効能を例示する。不織布を処理するために使用した浴は、存在するエクステンダーなしに対して実施例1および2のエクステンダーが存在したときには25%少ないフルオロケミカルを含有したが、処理の性能は維持された。さらに、実施例1および2のエクステンダーは、同じフッ素レベルで比較例Bのエクステンダーより良好に機能した。
【0056】
【表5】

【0057】
表5は、本発明のエクステンダーの効能を例示する。ナイロンを処理するために使用した浴は、存在するエクステンダーなしに対して実施例1のエクステンダーが使用されたときには50%低減フルオロケミカルを含有したが、処理の性能の耐久性は維持された。実施例1のエクステンダーは比較例AおよびBと比較したときに同じフッ素レベルでより良好に機能した。実施例1の性能およびその耐久性は優れていた。ブロックトイソシアネートの使用は、それなしの実施例1と比較して撥性を向上させた。
【0058】
(実施例3)
先ず、(a)60gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(d)10gメチルメタクリレート;0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に80℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.6%の固形分含量で255gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で下の表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドし、試験方法1で上に記載した布処理方法を用いて100%コットン布に塗布した。一般に、45g/Lのブレンド生成物をパディング浴に使用した。ブレンド生成物は約2.2〜3.5%フッ素を含有した。ブロックトイソシアネートをパディング浴に使用した。イソシアネートのレベルは5〜10g/Lであった。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lで含めた。塗布後に、布を約160℃で3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜5を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従った洗濯後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表6にある。比較例AおよびBを実施例3と同じように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は同様に表6にある。比較例AおよびBは、本発明のエクステンダーがしたようにフルオロケミカルの耐久性を高めなかった。
【0059】
(実施例4)
先ず、(a)67gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(f)3gのゾニールTM(本願特許出願人);0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に77℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.6%の固形分含量で252gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で下の表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3に記載するように100%コットン布に塗布し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。エクステンダー中へのフッ素化モノマーの包含は、コポリマーエクステンダー有効性を高めるようには見えなかった。
【0060】
(実施例5)
先ず、(a)63gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(f)7gのゾニール(本願特許出願人);0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に78℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.5%の固形分含量で253gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。エクステンダー中へのフッ素化モノマーの包含は、コポリマーエクステンダー有効性を高めるようには見えなかった。
【0061】
(実施例6)
先ず、(a)70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(e)0.3gエチレンジメタクリレート;1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に79℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは32.2%の固形分含量で252gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。
【0062】
(実施例7)
先ず、(a)70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(e)0.5gエチレンジメタクリレート;1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に約10分にわたって79℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.7%の固形分含量で251gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。
【0063】
(実施例8)
先ず、(a)55gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、(d)15gステリルメタクリレート;0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に77℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.3%の固形分含量で241gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に布を用いて塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。
【0064】
(実施例9)
先ず、(a)70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)7gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド;0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。混合物の温度は自然発生的に約15分にわたって79℃に上がり、次に下降し始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは30.7%の固形分含量で249gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表6にある。
【0065】
(実施例10)
先ず、(a)70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gポリ(オキシエチレン)7メタクリレート;1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に80℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.9%の固形分含量で251gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果を表6にリストする。
【0066】
(実施例11)
先ず、(a)60gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(d)10gメチルメタクリレート;0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミンDM 18D、1.0g酢酸、3gの2%塩(NaCl)水溶液、および80gの熱い(50〜60℃)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコに洗い入れ、65℃で30分間窒素パージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えて重合を開始させた。温度は自然発生的に78℃に上がり、次に落ち始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に3.5時間撹拌した。生じたポリマーエクステンダー・ラテックスは31.3%の固形分含量で258gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で表6にリストするような商業的に入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを実施例3におけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果を表6にリストする。
【0067】
【表6】

【0068】
【表7】

【0069】
実施例1〜11のエクステンダーを含有するブレンドについて処理布を示された回数洗濯した後の性能の耐久性は、同じフッ素レベルで塗布されたときに、特に撥油性および水滴撥水性に関して比較例AおよびBを含有するブレンドよりも優れていた。
【0070】
(比較例C)
先ず、3gの2%塩(NaCl)水溶液、4.2gヘキシレングリコール、2gのアーミンDM 18D、6gのエトキシル化トリデシルアルコール(エサール(ETHAL)TDA5、エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビル(Ethox Chemicals,Greenville,SC)から入手可能な)および217gの水を、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を65℃で30分間窒素パージした。次に、2g水中の0.06gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えた。次に(b)4gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(d)76gメチルメタクリレート、および0.8gのドデシルメルカプタンの混合物のゆっくりした安定した滴加を始めた。モノマー混合物を、温度を65〜67℃に維持して、約80分にわたって加えた。次に装入物を窒素下に70℃で2.5時間撹拌した。生じたポリマー・ラテックスは28%の固形分含量で309gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比で本願特許出願人から入手可能なゾニール8932とブレンドした。ブレンド生成物は3.5%フッ素を含有した。ブレンドを試験方法1で上に記載した布処理方法を用いて100%コットン布に塗布した。45g/Lのブレンド生成物をパディング浴に使用した。ブロックトイソシアネートもまたパディング浴に使用した。イソシアネートのレベルは5〜10g/Lであった。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lで含めた。塗布後に、布を約160℃で3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。結果は表7にある。
【0071】
(比較例D)
先ず、3gの2%塩(NaCl)水溶液、4.2gヘキシレングリコール、2gのアーミンDM 18D、6gのエトキシル化トリデシルアルコール(エサールTDA5、エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な)および217gの水を、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を65℃で30分間窒素パージした。次に、2g水中の0.06gの「バゾ」56WSP(本願特許出願人)を加えた。次に(b)4gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(d)76gメチルメタクリレート、2gの水性48%N−メチロール−アクリルアミド、および0.8gのドデシルメルカプタンの混合物のゆっくりした安定した滴加を始めた。モノマー混合物を、温度を65〜67℃に維持して、約80分にわたって加えた。次に装入物を窒素下に70℃で2.5時間撹拌した。生じたポリマー・ラテックスは28%の固形分含量で311gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比でゾニール8932とブレンドした。ブレンドを比較例Cにおけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表7にある。
【0072】
(比較例E)
先ず、3gの2%塩(NaCl)水溶液、4.2gヘキシレングリコール、2gのアーミンDM 12D、6gのエトキシル化トリデシルアルコール(エサールTDA5、エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な)および217gの水を、撹拌機、熱電対温度計、および水凝縮器を備えた4口フラスコに装入した。装入物を65℃で30分間窒素パージした。次に、窒素流れを低速掃引に切り替え、2g水中の0.05gの過硫酸カリウムを加えた。次に、(b)4gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(d)76gメチルメタクリレート、0.3gのドデシルメルカプタンの混合物のゆっくりした安定した滴加を始めた。モノマー混合物を、温度を64〜67℃に維持して、約90分にわたって加えた。次に装入物を窒素下に70℃で2.5時間撹拌した。生じたポリマー・ラテックスは27.6%の固形分含量で307gの重さがあった。それを、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比でゾニール8932とブレンドした。ブレンドを比較例Cにおけるように100%コットン布に塗布し、試験し、洗濯し、再試験した。結果は表7にある。
【0073】
【表8】

【0074】
実施例1のエクステンダーを含有するブレンドの性能について処理布を示された回数洗濯した後の耐久性は、同じフッ素レベルで塗布されたときに、特に撥油性および水滴撥水性に関して比較例C、DおよびEよりも優れている。
【0075】
(比較例FおよびG)
比較例FおよびGは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ノースカロライナ州ハイポイントから入手可能な、商業的に入手可能なエクステンダー、ホボテックス(PHOBOTEX)JVAおよびオムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なフリーペル1225WRである。これらのおよび実施例1のエクステンダーポリマーをそれぞれ別々に、エクステンダー対フルオロケミカルの2:1の比でゾニール8300およびゾニール8932、本願特許出願人から入手可能なフルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを、試験方法1の方法を用いて100%コットンに塗布した。45g/Lのブレンド生成物をパディング浴に使用した。ブレンド生成物は2.2〜3.5%フッ素を含有した。ブロックトイソシアネートもまたパディング浴に使用した。イソシアネートのレベルは5〜10g/Lであった。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lで含めた。塗布後に、布を約160℃で3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、実施例3におけるように試験し、洗濯し、再試験した。結果は表8にある。
【0076】
【表9】

【0077】
市販のエクステンダー(比較例FおよびG)を含有するブレンドについて処理布を示された回数洗濯した後の性能の耐久性は、フルオロケミカルと本発明のエクステンダー(実施例1)とのブレンドと同等ではない。
【0078】
(実施例12)
実施例1のエクステンダーを、エクステンダー対ゾニール8932の2:1比でゾニール8932と、ならびにブロックトイソシアネート(浴の重量に関して(owb)1%)および軟化剤(1%owb)とブレンドした。ブレンドは、2:1:0.2:0.3に等しいゾニール8932対エクステンダー対軟化剤対ブロックトイソシアネートの比に等しかった。このケースで使用したブロックトイソシアネートはヒドロホボールXAN(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ノースカロライナ州ハイポイント)であり、このケースで使用した軟化剤はアークァッド(ARQUAD)2HT/75(アクゾ−ノーベル、イリノイ州マックック(Akzo−Nobel,McCook,IL))であった。この調合生成物を、試験方法1の方法を用いてパディング浴中45g/Lのレベルで100%コットン布に塗布した。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lでパディング浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表9にある。
【0079】
(実施例13)
実施例1のエクステンダーを、エクステンダー対フルオロケミカル、対ブロックトイソシアネートの3.6:1の比でゾニール8932とおよびブロックトイソシアネート(1%owb)とブレンドした。この調合生成物を、試験方法1の方法を用いてパディング浴中30g/Lのレベルで100%コットン布に塗布した。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lでパディング浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表9にある。
【0080】
(実施例14)
実施例1のエクステンダーを、2:1:0.3のエクステンダー対フルオロケミカル対ブロックトイソシアネートの比でゾニール8932およびブロックトイソシアネート(1%owb)とブレンドした。この調合生成物を、試験方法1の方法を用いてパディング浴中45g/Lのレベルで100%コットン布に塗布した。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lでパディング浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表9にある。
【0081】
(実施例15)
実施例1のエクステンダーを、3:1:0.3のエクステンダー対フルオロケミカル対ブロックトイソシアネートの比でゾニール8932およびブロックトイソシアネート(1%owb)とブレンドした。この調合生成物を、試験方法1の方法を用いてパディング浴中30g/Lのレベルで100%コットン布に塗布した。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lでパディング浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表9にある。
【0082】
(実施例16)
実施例1のエクステンダーを、6:1:0.3のエクステンダー対フルオロケミカル対ブロックトイソシアネートの比でゾニール8932およびブロックトイソシアネート(1%owb)とブレンドした。この調合生成物を、試験方法1の方法を用いてパディング浴中30g/Lのレベルで100%コットン布に塗布した。防しわ樹脂、オムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスターから入手可能なパーマフレッシュEFCを60g/Lでパディング浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「そのままの状態にとどまる」ようにした。布を、上記の試験方法2〜4を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について試験した。上記の試験方法6に従って洗濯した後に、布を、同じ方法を用いて撥水性、撥油性、およびスプレー撥水性について再試験した。結果は表9にある。
【0083】
【表10】

【0084】
結果は、本発明のエクステンダーが軟化剤を用いておよび用いずにおよび様々な塗布レベルで多数の調合物に利用できることを示す。フルオロケミカル・ゾニール8932は、存在するエクステンダーなしに単独で塗布するとき、実施例12〜16と同じ条件を用いてパディング浴中30g/Lレベルで塗布した。
【0085】
データは、実施例12〜15が布に塗布されたより少ないパーセントフッ素で撥性の匹敵するまたは優れた耐久性を提供することを実証する。実施例16は、ゾニール8932単独と比較して6:1のフルオロケミカルの低減で匹敵するスプレー撥水性を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の重量百分率
(a)約60%〜約94%の式I:
[CH3−(CH2p][CH3(CH2n]CHCH2−OC(O)−C(R)=CH2 (I)
のモノマー、またはモノマーの混合物、および
(b)約5%〜約20%の式II:
H−(OCH2CH2m−O−C(O)−C(R)=CH2 (II)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(c)約0%〜約3%の式III:
HO−CH2−NH−C(O)−C(R)=CH2 (III)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(d)約0%〜約20%の式IV:
1−OC(O)−C(R)=CH2 (IV)
のモノマー、またはモノマーの混合物、
(e)約0%〜約2%のエチレンジメタクリレート、ならびに
(f)約0%〜約10%の式(V):
f−CH2CH2−OC(O)−C(R)=CH2 (V)
のモノマー、またはモノマーの混合物
(式中、
各Rが独立してHまたはCH3であり、
1が1〜約18個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、
nが1〜約10であり、
pが1〜約20であり、および
mが2〜約10であり、および
fが2〜約20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖パーフルオロアルキル基、またはその混合物である)
において共重合されるモノマーを含むことを特徴とするポリマーエクステンダー組成物。
【請求項2】
モノマー(f)について、Rfが式:CF3CF2(CF2x(式中、xは6〜18、またはその混合である)を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約33%、24%、12%、6%、2%、1%および0.5%のそれぞれの相対的な量での混合物でxが6、8、10、12、14、16、および18の混合であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項4】
基材に塗布されたときに、表面効果を提供する試剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記表面効果がノーアイロン、アイロンかけ容易、収縮抑制、皺なし、パーマネントプレス加工、湿度制御、柔軟性、強度、スリップ防止、帯電防止、かぎ裂き防止、抗ピル性、しみ防止性、しみ除去、防汚性、汚れ除去、撥水性、撥油性、悪臭防止、抗菌性、日焼け防止、および類似の効果であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項6】
前記試剤がフッ素化ポリマーであることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項7】
フッ素含量が約1.5〜約6.6重量%であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
エクステンダー組成物対フッ素化ポリマーの比が約1:10〜約6:1であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
ブロックトイソシアネート、少なくとも1つの追加のエクステンダー、または界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、架橋剤、湿潤剤、軟化剤、およびワックス・エクステンダーからなる群から選択される添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1または6に記載の組成物。
【請求項10】
基材を、i)表面効果を提供する試剤およびii)請求項1に記載のポリマーエクステンダー組成物を含む組成物と接触させる工程を含むことを特徴とする基材の処理方法。
【請求項11】
前記試剤がフッ素化ポリマーであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エクステンダー組成物対前記フッ素化ポリマーの比が約1:10〜約6:1であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記基材が繊維、織物、布、布ブレンド、紙、不織布、皮革またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項14】
i)表面効果を提供する試剤およびii)請求項1に記載のポリマーエクステンダー組成物を含む組成物によって処理されることを特徴とする基材。
【請求項15】
繊維、織物、布、布ブレンド、紙、不織布、皮革、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項14に記載の基材。
【請求項16】
約0.05%〜約0.5重量%のフッ素含量を有することを特徴とする請求項14に記載の基材。

【公表番号】特表2008−512547(P2008−512547A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531233(P2007−531233)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/031152
【国際公開番号】WO2006/028907
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】