説明

表面実装型圧電振動デバイス

【課題】 本発明は、金属ろう材を用いた表面実装型圧電振動デバイスにおける素体(本体筐体)強度を向上させ、リーク不良(気密不良)を防止することができる。
【解決手段】 圧電振動素子4を保持するベース2と、前記ベースに保持した前記圧電振動素子を気密封止するためにベースと接合する蓋5とが設けられた表面実装型圧電振動デバイス1において、前記ベースの前記蓋との接合領域は、少なくともメタライズ層の上部に第1の金属ろう材61を介して金属リング3が取り付けられ、当該金属リングの上部に蓋が配置された状態で、ベースと蓋とは前記第1の金属ろう材と異質の第2の金属ろう材62を用いて加熱溶融接合された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性のベース上に圧電振動素子が実装された表面実装型圧電デバイスに関するものであって、特に表面実装型圧電振動デバイスのパッケージ構造を改善するものである。
【背景技術】
【0002】
気密封止を必要とする電子部品の例として、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の圧電振動デバイスがあげられる。これら各製品では、いずれも水晶振動片の主面に励振電極が形成され、この励振電極を外気から保護するために励振電極は圧電振動デバイスの本体筐体により気密封止されている。
【0003】
表面実装型圧電振動デバイスは、ベースと蓋とからその本体筐体が構成され、セラミックなどの絶縁性のベースに対して金属製の蓋を金属めっき材や金属ろう材などの封止材により接合して本体筐体の内部空間を形成するとともに内部空間を気密封止し、内部空間に圧電振動素子を保持するものとなっている。これらの封止材による封止方法としては、従来、シーム封止やビーム封止などの局所的接合による手法が主流となっていた。ところが、このような局所的接合である封止方法では、ベースと蓋との接合時にベースの接合箇所に局所的に圧力がかかり、ベースクラックなどのベースの破損が生じる場合がある。この破損は、電子部品の小型化に伴ってベースの接合部位の寸法が小さくなればなるほど生じ易くなる。このような問題を回避するために、最近では、より小型化に対応しやすい金錫などの金属ろう材を用いた雰囲気加熱による封止手法が多くなっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−300406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属ろう材を用いた雰囲気加熱による封止手法の場合、ベースの封止面に形成されたメタライズ層と金属蓋とを金属ろう材を介在しながら直接接合するため、素体(本体筐体)強度試験においてベースが割れやすいという問題があった。またベース封止面の平坦度等により金属ろう材のぬれ不足が発生し、リーク不良(気密不良)が生じやすいという問題もあった。
【0005】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、金属ろう材を用いた表面実装型圧電振動デバイスにおける素体(本体筐体)強度を向上させ、かつ封止面の金属ろう材のぬれ面積を増大させることでリーク不良(気密不良)を防止することができるより信頼性の高い表面実装型圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の特許請求項1に示すように、圧電振動素子を保持するベースと、前記ベースに保持した前記圧電振動素子を気密封止するためにベースと接合する蓋とが設けられた表面実装型圧電振動デバイスにおいて、前記ベースの前記蓋との接合領域は、少なくともメタライズ層の上部に第1の金属ろう材を介して金属リングが取り付けられ、当該金属リングの上部に蓋が配置された状態で、ベースと蓋とは前記第1の金属ろう材と異質の第2の金属ろう材を用いて加熱溶融接合されたことを特徴とする。なお、異質の第2の金属ろう材としては、第1の金属ろう材と材質の違うものの組み合わせだけでなく、第1の金属ろう材と同じ材質でも組成比の違いによって融点が異なっているものも含む。
【0007】
上記構成により、前記ベースの前記蓋との接合領域は、少なくともメタライズ層の上部に第1の金属ろう材を介して金属リングが取り付けられ、当該金属リングの上部に蓋が配置された状態で、ベースと蓋とは前記第1の金属ろう材と異質の第2の金属ろう材を用いて加熱溶融接合されているので、前記金属リングが緩衝材となってベースの強度向上させ、素体(表面実装型圧電振動デバイスとしての本体筐体)強度試験におけるベース割れを抑制することができる。このため自動搭載機の吸着ノズルなどで表面実装型圧電振動デバイスを接触させた際の押圧、または表面実装型圧電振動デバイスを基板へ実装させた際の押圧により、当該表面実装型圧電振動デバイスの本体筐体に割れなどが生じることがない。また前記第2の金属ろう材はベース母材に比べてなじみのよい金属リングの表面上でぬれて拡散することができるため、当該拡散した第2の金属ろう材は蓋の平面方向だけでなくベースの底面方向に向かって接合面積を拡大することで接合強度の向上とリーク不良を防止することができる。その一方で前記拡散した第2の金属ろう材は前記異質の第1の金属ろう材が拡散防止部となって、第2の金属ろう材が拡散しすぎないように制御することができるので、蓋と金属リングの部分から気密封止に必要な第2の金属ろう材が不足することもない。
【0008】
また、前記金属リングの幅は前記ベース上面のメタライズ層よりも幅が狭い状態で形成され、かつ当該メタライズ層から金属リングの上面部に向かって第1の金属ろう材によるメニスカスが形成された状態でベースの上部に金属リングが取り付けられていることが望ましい。
【0009】
このような構成であれば、第1の金属ろう材によるメニスカスの頂点部分と金属リングとの境界部分から、第1の金属ろう材によるメニスカスの広がる底面部分に向かって第2の金属ろう材が拡散するのを徐々に制御できる拡散防止部となり、第2の金属ろう材が拡散しすぎないように制御するのに好ましい形態とすることができる。具体的には第2の金属ろう材がベース上面に形成されたメタライズ層に到達するまでに第1の金属ろう材に止められ、メタライズ層に第2の金属ろう材が拡散することがない。第2の金属ろう材を溶融させて蓋を金属リングに接合する際に、セルフアライメント機能により金属リングに対して蓋が適正に位置決め固定することができる。また、第2の金属ろう材が接合されて蓋とベースが気密封止されると、第1の金属ろう材のメニスカスと第2の金属ろう材のメニスカスが金属リングの上部でお互いに逆方向から一部が重なった状態で形成されるので、金属リングが存在する封止領域近傍の強度をより向上させるのに望ましい形態となる。
【0010】
第1の金属ろう材は第2の金属ろう材と比較して融点の高いものを選択することで、第2の金属ろう材の溶融させて気密封止する際に、第1の金属ろう材が再溶融することがなく、第1の金属ろう材によるメニスカス形状を変形させることがないため、第2の金属ろう材に対する拡散防止部としての機能を低下させることがない。
【0011】
また、上述の構成に加え、前記金属リングの上面にニッケル層と、前記ニッケル層に積層した金層とから構成され、前記第2の金属ろう材として、AuSnろう材、AuGeろう材、AuGeSiろう材等の金系の金属ろう材、CuSuろう材を用いてもよい。この場合、金属リング上面での第2の金属ろう材のぬれ性が格段に高まるため、第2の金属ろう材が金属リングの表面で拡散しやすくなり、接合強度の向上とリーク不良を防止する上でより好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明は、金属ろう材を用いた表面実装型圧電振動デバイスにおける素体(本体筐体)強度を向上させ、かつ封止面の金属ろう材のぬれ面積を増大させることでリーク不良(気密不良)を防止することができるより信頼性の高い表面実装型圧電振動デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明による好ましい実施形態につき表面実装型水晶振動子(表面実装型圧電振動デバイス)を例にとり図面とともに説明する。図1は本発明の実施形態を示す圧電振動素子を搭載し蓋を封止する前のベースの断面図、図2は図1の蓋を封止した状態の断面図である。
【0014】
表面実装型水晶振動子1は、上部が開口した凹部を有する絶縁性のセラミックベース2(以下、ベースと称する)と、当該ベースの封止領域に形成される金属リング3と、当該ベースの中に収納される圧電振動素子4と、ベースの開口部に接合される蓋5とからなる。この表面実装型水晶発振器では、ベース2と蓋5とが後述する第2の金属ろう材62を用いて加熱溶融接合されて気密封止され、表面実装型水晶振動子1が構成されている。以下、この表面実装型水晶振動子1の各構成について説明する。
【0015】
ベース2は全体として直方体で、アルミナ等のセラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板の底部21と、この底部21上に積層したセラミック材料の平面視枠形状の堤部22,23とから構成され、断面でみて凹形の収納部20を有する箱状体に形成されている。
【0016】
前記収納部20の周囲には堤部(側壁部)22,23が形成されており、堤部23の上面(端面)は平坦であり金属膜23aが形成される。金属膜23aは、前記堤部の幅より狭い状態で形成され、タングステンあるいはモリブデン等のメタライズ材料からなるメタライズ層で構成される。タングステンあるいはモリブデンは厚膜印刷技術を活用してメタライズ技術によりセラミック焼成時に一体的に形成される。コバールなどからなりプレス成形により構成された金属リング3は、金属膜23aよりも幅が狭い状態で形成され、金属膜23aの上部にAgろう材などからなる第1の金属ろう材61により接合されている。この時、金属膜23aの端部から金属リング3の上面部に向かって第1の金属ろう材61によるメニスカスM1が形成された状態でベース2の上部に金属リング3が取り付けられている。このようにベース2の上部に一体形成された金属膜23aと金属リング3の外表面には、上部にニッケル層が積層され、このニッケル層に上部に金層が積層されている。これらのニッケル層、金層はセラミック焼成後にメッキ形成されている。
【0017】
ベース2の外周壁の四隅には上下方向に伸長する複数のキャスタレーションが形成されている。当該キャスタレーションはベースの外周壁に対して円弧状の切り欠きが上下方向に形成された構成である。なお、前記金属膜23aはベースの堤部22,23を上下に貫通接続する図示しない導電ビアやキャスタレーションなどにより、ベース底面側に形成された端子電極の一部に電気的に導出されている。当該端子電極をアース接続することにより、後述する金属製の蓋5が金属膜23a、導電ビアやキャスタレーションなどを介して接地され、表面実装型水晶振動子の電磁気的なシールド効果を得ることができる。なお、前述のとおり、当該導電ビアは周知のセラミック積層技術により形成することができる。
【0018】
ベース2内部において、下方面には前記堤部(側壁部)22,23により構成され、圧電振動素子4を収納する収納部20が形成され、当該収納部の底面から上部に突出し、圧電振動素子の端部を保持する保持台24と、保持台24と対向位置する枕部25が形成されている。
【0019】
前記保持台24の上面には、後述する圧電振動素子4と接続される一対の配線パターン26,27が形成されている。この配線パターン26,27は最終的にベース底面に形成された図示しない端子電極と導かれるように構成され、これら端子電極から外部部品や外部機器と接続される。このような構成のベースは周知のセラミック積層技術やメタライズ技術を用いて形成され、前記各配線パターンは前述の接合領域23a形成と同様にタングステンあるいはモリブデン等によるメタライズ層の上面にニッケルメッキ層、金メッキ層の各層が形成された構成である。
【0020】
圧電振動素子4は例えば矩形状のATカット水晶振動板であり、その表裏面に対向して一対の矩形状励振電極41,42と、この励振電極を前記ベースの保持台24に形成された配線パターン26,27と導通するための接続電極43,44と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極45,46が形成されている。
【0021】
なお、これらの電極は、例えば、クロムの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、クロムの上部電極層とから構成された積層薄膜、クロムの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、ニッケルの上部電極層とから構成された積層薄膜、あるいはクロムの下地電極層と、銀または金の上部電極層とから構成された積層薄膜である。これら各電極は真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段により形成することができる。なお、クロムやニッケルの変わりにアルミの上部電極層、あるいは中間層が金の場合は銀の上部電極層を形成してもよい。
【0022】
圧電振動素子4とベース2との接合は、例えばペースト状であり銀フィラー等の金属微小片を含有するシリコーン系の導電樹脂接着剤(導電性接合材)Sを用いている。図1に示すように、前記導電性樹脂接着剤Sは、配線パターン26,27の上面に塗布されるとともに、前記導電性樹脂接着剤Sを前記圧電振動素子4と前記保持台24の間に介在させ硬化させることで、お互いを電気的機械的に接合している。以上により、前記圧電振動素子4の一端部(自由端となる枕部25側)をベース2の収納部20の底面から隙間を設けながら、前記圧電振動素子4の対向する他端部を前記ベースの保持台24に接合して、片持ち保持される。
【0023】
ベース2を気密封止する蓋5は、例えば、コバール等からなるコア材に第2の金属ろう材(封止材)62が形成された構成であり、より詳しくは、例えば上面からニッケル層、コバールコア材、ニッケル層、金錫ろう層の順の多層構成であり、金錫ろう層がセラミックベースの金属リング3と接合される構成となる。金属製の蓋5の平面視外形はセラミックベースの金属リング3の外形とほぼ同じであるか、若干大きい構成となっている。なお、第2の金属ろう材62としては、AuSnろう材、AuGeろう材、AuGeSiろう材等の金系の金属ろう材、CuSuろう材を用いてもよい
【0024】
収納部20に圧電振動素子4が格納されたベース2の金属リング3に対して前記金属製の蓋5にて被覆し、金属製の蓋5の第2の金属ろう材62を溶融してベースの金属リング3に対して接合することで気密封止を行う。この際、第1の金属ろう材61のメニスカスM1と第2の金属ろう材62のメニスカスM2が金属リング3の上部でお互いに逆方向から一部が重なった状態で形成される。以上により表面実装型水晶振動子1の完成となる。
【0025】
上記実施形態により、ベース2の前記蓋5との接合領域は、金属膜23aの上部に第1の金属ろう材61を介して金属リング3が取り付けられ、当該金属リング3の上部に蓋5が配置された状態で、ベース2と蓋5とは第1の金属ろう材61と異質の第2の金属ろう材62を用いて加熱溶融接合されているので、金属リング3が緩衝材となってベース2の強度向上させ、表面実装型水晶振動子1の素体強度試験におけるベース割れを抑制することができる。このため自動搭載機の吸着ノズルなどで表面実装型水晶振動子1を接触させた際に、表面実装型水晶振動子1の本体筐体に割れなどが生じることがない。また第2の金属ろう材62はベース2に比べてなじみのよい金属リング3の表面上でぬれて拡散することができるため、当該拡散した第2の金属ろう材62は蓋5の平面方向だけでなくベース2の底面方向に向かって接合面積を拡大することで接合強度の向上とリーク不良を防止することができる。その一方で前記拡散した第2の金属ろう材62は前記異質の第1の金属ろう材61が拡散防止部となって、第2の金属ろう材62が拡散しすぎないように制御することができるので、蓋5と金属リング3の部分から気密封止に必要な第2の金属ろう材62が不足することもない。
【0026】
また、前記金属リング3の幅は前記ベース2上面の金属膜23aよりも幅が狭い状態で形成され、かつ当該金属膜23aの端部から金属リング3の上面部に向かって第1の金属ろう材61によるメニスカスM1が形成された状態でベース2の上部に金属リング3が取り付けられている。このため、第1の金属ろう材61によるメニスカスM1の頂点部分と金属リング3との境界部分から、第1の金属ろう材61によるメニスカスM1の広がる底面部分に向かって第2の金属ろう材62が拡散するのを徐々に制御できる拡散防止部となり、第2の金属ろう材62が拡散しすぎないように制御するのに好ましい形態である。特に第2の金属ろう材62がベース上面に形成された金属膜23に到達するまでに第1の金属ろう材61に止められ、金属膜23に第2の金属ろう材62が拡散することがない。第2の金属ろう材62を溶融させて蓋5を金属リング3に接合する際に、セルフアライメント機能により金属リング3に対して蓋5が適正に位置決め固定することができる。
【0027】
また、本形態では、第2の金属ろう材62が接合されて蓋5とベース2が気密封止されると、第1の金属ろう材61のメニスカスM1と第2の金属ろう材62のメニスカスM2が金属リング3の上部でお互いに逆方向から一部が重なった状態で形成されている。このため、金属リング3が存在する封止領域近傍の強度をより向上させるのに望ましい形態となる。
【0028】
また、第1の金属ろう材61として融点が約800℃のAgろう材を用い、第2の金属ろう材62として融点が280℃のAuSnろう材を用いており、第1の金属ろう材の方が融点の高いものを選択していることで、第2の金属ろう材62の溶融させて気密封止する際に、第1の金属ろう材61が再溶融することがない。このため第1の金属ろう材61によるメニスカスM1の形状を変形させることがないため、第2の金属ろう材62に対する拡散防止部としての機能を低下させることがない。
【0029】
また、上述の構成に加え、金属リング3の上面にニッケル層と、前記ニッケル層に積層した金層とから構成され、前記第2の金属ろう材62として、AuSnろう材を用いている。このため、金属リング3の上面での第2の金属ろう材62のぬれ性が格段に高まるため、第2の金属ろう材62が金属リング3の表面で拡散しやすくなり、接合強度の向上とリーク不良を防止する上でより好ましい。
【0030】
なお、上記した本実施例では、異質の金属ろう材の組み合わせとして、Agろう材とAuSnろう材のように材質の違うものの組み合わせを例にしているが、同じ材質でも組成比の違いによって融点が異なっているものを組み合わせてもよい。例えば第1の金属ろう材61と第2の金属ろう材62とで同じAuSnろう材を用い、第1の金属ろう材で使用するAuSnろう材の融点を高く設定したものを用いることができる。圧電振動素子としてATカット水晶振動板を用いているが、これに限定されるものでなく、音叉型水晶振動板であってもよい。また、圧電振動素子として水晶を材料としているが、これに限定されるものではなく、圧電セラミックスやLiNbO3等の圧電単結晶材料を用いてもよい。すなわち、任意の圧電振動素子が適用可能である。また、圧電振動素子を片持ち保持するものを例にしているが、圧電振動素子の両端を保持する構成であってもよい。また導電性接合材として、シリコーン系の導電樹脂接着剤を例にしているが、他の導電性樹脂接着剤でもよく、金属バンプやメッキバンプのバンプ材、金属ろう材等を用いてもよい。
【0031】
なお、本発明は、その思想または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、表面実装型圧電振動デバイスに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態を示す圧電振動素子を搭載し蓋を封止する前のベースの平面図。
【図2】図1の蓋を封止した状態の断面図。
【符号の説明】
【0034】
1 表面実装型水晶振動子
2 ベース
3 金属リング
4 圧電振動素子
5 蓋
61 第1の金属ろう材
62 第2の金属ろう材(封止材)
S 導電樹脂接着剤(導電性接合材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動素子を保持するベースと、前記ベースに保持した前記圧電振動素子を気密封止するためにベースと接合する蓋とが設けられた表面実装型圧電振動デバイスにおいて、
前記ベースの前記蓋との接合領域は、少なくともメタライズ層の上部に第1の金属ろう材を介して金属リングが取り付けられ、
当該金属リングの上部に蓋が配置された状態で、ベースと蓋とは前記第1の金属ろう材と異質の第2の金属ろう材を用いて加熱溶融接合されたことを特徴とする表面実装型圧電振動デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−87650(P2010−87650A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252037(P2008−252037)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】