説明

表面性状測定方法および表面性状測定装置

【課題】非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さ、特に凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定する。
【解決手段】パターン形成装置11によりパターンを照射し、ハーフミラー13で反射させて、測定対象物2である非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面に垂直に投射し、反射したパターンを、ハーフミラー13を透過させて撮影部3(デジタルカメラ等)で撮影する。そして、得られた映像信号をコンピューター3でデータ処理することにより、測定対象面21の表面性状を測定・評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さを測定する表面性状測定方法および表面性状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鏡面に近い平滑な面の表面性状を測定し評価する装置として、パターンの反射像をカメラで撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理して表面性状を非接触で定量的に測定するものが従来から知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−99632号公報
【特許文献2】特開2006−84452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パターンの反射像もしくは虚像をカメラで撮影して、映像信号をコンピュータでデータ処理することにより表面性状を測定する上記従来の装置は、パターンは測定対象面の垂線に対し斜めに所定角度で投射し、同角度で反対側へ反射させるものであって、研磨鋼板等のような平板状の物体の平坦な表面を測定するのには適しているが、例えば金型、円筒等の非平板物体の凹部や中空部の内側を測定するのには適していない。そのような非平板物体の凹部や中空部の内側を測定しようとしても、測定対象面の周辺が狭いと、パターンの投射および反射のための光路等を確保できない。
【0005】
本発明は、非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さ、特に凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる表面性状測定方法および表面性状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表面性状測定方法は、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さを測定するもので、光学的明暗の2次元分布形状を示す縞状等のパターンを非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて、非平板物体の凹部あるいは中空部の測定対象面に投射し、測定対象面で反射したパターンをハーフミラーを透過させてデジタルカメラ等の撮像素子で撮影し、撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価することを特徴とする。
【0007】
この方法では、測定対象物である非平板物体は、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し略垂直となるように配置する。そして、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に投射する。そして、測定対象面に投影されたパターンの反射像を、ハーフミラーを透過させて、非平板物体の凹部あるいは中空部の開放側から撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。この場合、パターンの投射および反射のための光路を確保することが容易で、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部や中空部の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。この場合のコンピューターによる処理は、例えば、映像信号から輝度分布を求め、輝度分布の標準偏差を算出して、輝度分布の標準偏差に基づいて測定対象面の表面粗さを評価するというものであってよい。
【0008】
この表面性状測定方法は、特に、非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面を測定するのに好適である。その場合、光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて測定対象面である凹部底面あるいは中空部底面に略垂直に投射し、凹部底面あるいは中空部底面で反射したパターンをハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影し、撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを評価する。
【0009】
この方法では、測定対象物である非平板物体は、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置する。そして、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に略垂直に投射する。このとき、測定対象面に投影されたパターンの反射像は、パターンを配置した面に対し略垂直に現れる。この反射像を、ハーフミラーを透過させて、非平板物体の凹部あるいは中空部の開放側から撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。この場合、パターン投射および反射のための光路を確保することが容易で、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部や中空部の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。
【0010】
そして、この表面性状測定方法では、測定対象物である非平板物体を測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置し、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に垂直に投射させ、反射像を測定対象面に垂直な方向から撮像素子によって撮影するようにできる。
【0011】
こうすることで、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に投射する投射光学系の光軸と、測定対象面で反射したパターンを撮像素子上に結像させる撮像光学系の光軸とが、ハーフミラーと測定対象面との間で同軸となる。この場合も、測定対象物である非平板物体は、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置する。そして、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に垂直に投射する。このとき、測定対象面に投影されたパターンの反射像は、パターンを配置した面に対し垂直に現れる。この反射像を、測定対象面に垂直な方向から撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。そのため、凹部あるいは中空部の内側であっても、パターン投射および反射のための光路を確保でき、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部や中空部の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。そして、特に、投射光学系の光軸と撮像光学系の光軸とがハーフミラーと測定対象面との間で同軸であるため、光路の確保が一層容易となり、凹部や中空部の深い所でも容易に測定できる。
【0012】
この表面性状測定方法では、測定対象面を介して反射するパターン像に撮像素子の焦点を合わせ、測定対象面上に投射したパターンを虚像面に結像させて撮影するようにするのがよい。
【0013】
また、この表面性状測定方法では、撮像素子の焦点距離は固定し、測定対象面の高さを調整することにより焦点を合わせるようにするのがよい。そうすることで、焦点合わせを簡便に行うことができる。
【0014】
また、本発明の表面性状測定装置は、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さを測定するものであって、光学的明暗の2次元分布形状を示す縞状等のパターンを非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて非平板物体の凹部あるいは中空部の測定対象面に投射する投射光学系と、投射光学系により投射されて測定対象面で反射したパターンをハーフミラーを透過させてデジタルカメラ等の撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価することを特徴とする。
【0015】
この装置は、測定対象物である非平板物体を、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し略垂直となるように配置した状態で、投射光学系により、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に投射する。そして、測定対象面に投影されたパターンの反射像を、ハーフミラーを透過させて、非平板物体の凹部あるいは中空部の開放側から撮像光学系の撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。この場合、凹部あるいは中空部の内側であっても、パターン投射および反射のための光路を確保でき、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部や中空部の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。この場合のコンピューターによる処理は、例えば、映像信号から輝度分布を求め、輝度分布の標準偏差を算出して、輝度分布の標準偏差に基づいて測定対象面の表面粗さを評価するというものであってよい。
【0016】
この表面性状測定装置は、特に、非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面を測定するのに好適である。その場合、光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面に略垂直に投射する投射光学系と、投射光学系により投射されて凹部底面あるいは中空部底面で反射したパターンを、ハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを評価するよう表面性状測定装置を構成する。
【0017】
この装置は、測定対象物である非平板物体を、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置した状態で、投射光学系により、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に略垂直に投射する。このとき、測定対象面に投影されたパターンの反射像は、パターンを配置した面に対し略垂直に現れる。この反射像を、ハーフミラーを透過させて、非平板物体の凹部あるいは中空部の開放側から撮像光学系の撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。この場合、凹部あるいは中空部の内側であっても、パターン投射および反射のための光路を確保でき、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部底面や中空部底面の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。
【0018】
そして、この表面性状測定装置は、投射光学系の光軸と、撮像光学系の光軸とが、ハーフミラーと測定対象面との間で同軸であるようにすることができる。
【0019】
この場合、測定対象物である非平板物体は、その凹部あるいは中空部の測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置する。そして、パターンをハーフミラーで反射させて測定対象面に垂直に投射する。このとき、測定対象面に投影されたパターンの反射像は、パターンを配置した面に対し垂直に現れる。この反射像を、測定対象面に垂直な方向から撮像素子によって撮影し、映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価する。そのため、凹部あるいは中空部の内側であっても、パターン投射および反射のための光路を確保でき、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部や中空部の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。そして、特に、投射光学系の光軸と撮像光学系の光軸とがハーフミラーと測定対象面との間で同軸であるため、光路の確保が一層容易となり、凹部や中空部の深い所でも容易に測定できる。
【0020】
この表面性状測定装置において、照射部は、例えば、コンピューターにより制御可能なパターンを形成するディスプレーを備えたものであってよい。
【0021】
その場合、例えば液晶等のディスプレーに形成されたパターンのコントラストを結像系の要素として利用することで、コンピューターにより、測定対象面の面粗さや仕上げ方向等に応じて、パターンの形状、方向性、ピッチ等を調整し、最適なパターンとすることができる。
【0022】
パターンを形成するディスプレーは、液晶ディスプレー以外に、プラズマ、有機・無機ELその他のディスプレーであってよい。また、投影部は、スリット板に後ろから光源の光を当ててスリットパターンを投射するのであってもよく、印刷パターンに照明を当ててその反射像を投射するものであってもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、非平板物体の凹部あるいは中空部の、特に底面の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定することができる。とくに鏡面に近い1n(ナノ)〜100nの面の表面粗さの測定も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の一例に係る表面性状測定システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は本発明の実施形態の一例を示している。この実施形態は、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面の表面性状を測定・評価するものである。図において、1は表面性状測定装置と、2は測定対象物、3はコンピューターを示している。
【0026】
表面性状測定装置1は、縞状パターン等の光学的明暗の2次元分布形状のパターンを形成し照射するパターン形成装置11と、パターンの反射像を撮影する撮影装置12と、ハーフミラー13とからなるもので、パターン形成装置11により、光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを、測定対象物2である非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラー13で反射させて、測定対象物2(非平板物体)の測定対象面21(凹部底面あるいは中空部底面)に略垂直(図では90度の角度で投射されている。)に投射し、測定対称面21(凹部底面あるいは中空部底面)で反射したパターンを、ハーフミラー13を透過させて撮像素子で撮影するよう構成されている。
【0027】
撮影装置12は、撮像素子として例えばCCD、CMOS、デジタルカメラ等のエリアイメージセンサを備えたものである。
【0028】
図1に示すように、測定対象物2(非平板物体)は、測定対象面21(凹部底面あるいは中空部底面)が、パターン形成装置11が形成するパターンに対し垂直となるように配置する(図の例では、パターンが垂直方向の配置で、測定対象面が水平方向の配置である。)。そして、光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを測定対象物2(非平板物体)の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラー13で反射させて測定対象面21(凹部底面あるいは中空部底面)に略垂直に投射する。
【0029】
図の例では、パターンは測定対象物2である非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に直交する方向(水平方向)へ照射されている。そして、ハーフミラー13は水平方向に対し45度の角度で配置され、ハーフミラー13で反射したパターン像は90度の角度で測定対象面21に投射されている。
【0030】
このとき、測定対象面21に投影されたパターンの反射像は、パターンを配置した面に対し垂直に現れる。この反射像を、ハーフミラー13を透過させて、測定対象物2(非平板物体)の凹部あるいは中空部の開放側から撮影装置12の撮像素子によって撮影する。
【0031】
この場合、パターンをハーフミラー13で反射させて測定対象面21に投射する投射光学系の光軸と、測定対象面21で反射したパターンを撮像素子上に結像させる撮像光学系の光軸とは、ハーフミラー13と測定対象面21との間で同軸である。
【0032】
撮影に際しては、図示の方法では、撮影装置12(撮像素子)の焦点を、測定対象面21を介して反射するパターンが像を結ぶ虚像面4に合わせ、虚像面4上に結像したパターン像をハーフミラー13を透過させて、測定対象物2(非平板物体)の凹部あるいは中空部の開放側から撮影装置12の撮像素子によって撮影する。
【0033】
焦点合わせは、撮像素子の焦点距離は固定しておいて、表面性状測定装置1自体の高さか、測定対象物2を載せる台の高さのいずれかまたは両方を調整することによって行うのがよい。そうすることで、簡便に焦点合わせを行うことができる。
【0034】
そして、撮像素子により得られた映像信号をコンピューター3でデータ処理することにより、測定対象面21の表面性状を測定・評価する。
【0035】
この場合のコンピューターによる処理は、例えば、映像信号から輝度分布を求め、輝度分布の標準偏差を算出して、輝度分布の標準偏差に基づいて表面粗さを評価するというものであってよい。輝度分布の標準偏差と表面凹凸による表面傾斜角分布の標準偏差の間に比較的線形な相関があり、輝度分布の標準偏差によって表面粗さを評価することが可能である。その他、測定対象面、レンズ系、撮像素子を要素として構成される結像系の像のボケ具合、ゆがみ、コントラスト、明るさなどの特性を総合して表面性状を測定・評価する様々な方法が利用可能である。
【0036】
パターン形成装置11としては、コンピューターにより制御可能なパターンを形成する液晶ディスプレーを使用することができる。その場合、液晶ディスプレーに形成されたパターンのコントラストを結像系の要素として利用することで、コンピューターにより、測定対象面21の面粗さや仕上げ方向等に応じて、パターンの形状、方向性、ピッチ等を調整することができ、最適なパターンを形成することができる。
【0037】
また、パターン形成装置11には、液晶ディスプレー以外に、プラズマ、有機・無機ELその他のディスプレーを使用してもよい。その他、スリット板に後ろから光源の光を当ててスリットパターンを投射するものであってもよく、印刷したパターンに照明を当ててその反射像を投射するものであってもよい。
【0038】
この実施形態によれば、凹部あるいは中空部の内側であっても、パターン投射および反射のための光路を確保でき、例えば金型や円筒等の非平板物体の凹部底面や中空部底面の表面粗さを、非接触で、定量的に、精度良く、且つ簡便に測定できる。特に、投射光学系の光軸と撮像光学系の光軸とがハーフミラーと測定対象面との間で同軸であると、光路の確保が容易で、凹部や中空部の深い所でも容易に測定できる。ただし、投射光学系の光軸と撮像光学系の光軸とがハーフミラー13と測定対象面21との間で厳密に同軸であることは必ずしも必要でない。
【0039】
なお、本発明は、非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面の測定以外に、非平板状あるいは平板状の物体の平坦な表面の測定にも用いることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 表面性状測定装置
11 パターン形成装置
12 撮影装置
13 ハーフミラー
2 測定対象物
21 測定対象面
3 コンピューター
4 虚像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さを測定する表面性状測定方法であって、
光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを前記非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて、前記非平板物体の凹部あるいは中空部の測定対象面に投射し、
前記測定対象面で反射したパターンを前記ハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影し、
前記撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価することを特徴とする表面性状測定方法。
【請求項2】
非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを測定する表面性状測定方法であって、
光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを前記非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて測定対象面である前記凹部底面あるいは中空部底面に略垂直に投射し、
前記凹部底面あるいは中空部底面で反射したパターンを前記ハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影し、
前記撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより前記凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを評価することを特徴とする表面性状測定方法。
【請求項3】
測定対象物である非平板物体を測定対象面がパターンに対し垂直となるように配置し、前記パターンを前記ハーフミラーで反射させて測定対象面に垂直に投射させ、反射像を測定対象面に垂直な方向から前記撮像素子によって撮影することを特徴とする請求項1または2記載の表面性状測定方法。
【請求項4】
測定対象面を介して反射するパターン像に撮像素子の焦点を合わせ、測定対象面上に投射したパターンを虚像面に結像させて撮影することを特徴とする請求項1、2または3記載の表面性状測定方法。
【請求項5】
前記撮像素子の焦点距離は固定し、測定対象面の高さを調整することにより焦点を合わせることを特徴とする請求項4記載の表面性状測定方法。
【請求項6】
非平板物体の凹部あるいは中空部の表面粗さを測定する表面性状測定装置であって、
光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを前記非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて前記非平板物体の凹部あるいは中空部の測定対象面に投射する投射光学系と、
該投射光学系により投射されて前記測定対象面で反射したパターンを前記ハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、
前記撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより測定対象面の表面粗さを評価することを特徴とする表面性状測定装置。
【請求項7】
非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを測定する表面性状測定装置であって、
光学的明暗の2次元分布形状を示すパターンを前記非平板物体の凹部あるいは中空部の縦軸に略直交する方向へ照射し、ハーフミラーで反射させて前記非平板物体の凹部底面あるいは中空部底面に略垂直に投射する投射光学系と、
該投射光学系により投射されて前記凹部底面あるいは中空部底面で反射したパターンを、前記ハーフミラーを透過させて撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、
前記撮像素子により得られた映像信号をコンピューターでデータ処理することにより前記凹部底面あるいは中空部底面の表面粗さを評価することを特徴とする表面性状測定装置。
【請求項8】
前記投射光学系の光軸と、前記撮像光学系の光軸とが、前記ハーフミラーと測定対象面との間で同軸であることを特徴とする請求項6または7記載の表面性状測定装置。
【請求項9】
前記照射部は、コンピューターにより制御可能なパターンを形成するディスプレーを備えていることを特徴とする請求項6、7または8記載の表面性状測定装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−117793(P2011−117793A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274475(P2009−274475)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(599156944)アークハリマ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】