説明

表面移動体駆動装置、ベルト装置、及び画像形成装置

【課題】 表面移動体の大きさに対して、従来よりも小型化を図ることができる表面移動体駆動装置、並びにこれを備えたベルト装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 表面移動体であるローラ部材11と、ローラ部材11の駆動源であるモータ80及びモータ80からのローラ部材11に駆動力を伝達する駆動伝達機構であるギア部70からなる表面移動体駆動機構であるローラ駆動部90とを有し、画像形成装置に用いられる表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置1で、ローラ駆動部90を配置する空間を、ローラ部材11の2つの端面11bとローラ部材11の無端表面11aとによって囲まれる表面移動体占有空間であるローラ占有空間内とし、ローラ駆動部90を配置する空間とローラ占有空間との空間を重複させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられる表面移動体と表面移動体駆動機構を備えた表面移動体駆動装置、表面移動体駆動装置を備えたベルト装置、並びにこの表面移動体駆動装置またはベルト装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、表面移動する無端表面を備える表面移動体を複数有している。この複数の表面移動体のうち駆動する表面移動体は、この表面移動体が表面移動する駆動力の駆動源と、この駆動源から表面移動体に駆動を伝達する表面移動体駆動伝達機構とを備える表面移動体駆動装置を構成している。
従来の画像形成装置が有する表面移動体駆動装置として、表面移動体である回転体として感光体を備えた特許文献1に記載の回転体駆動装置を図8に示す。
図8に示すように、特許文献1の回転体駆動装置では、感光体ドラム2の回転中心となる駆動軸35は、感光体ドラム2の幅方向(図中左右方向)の端部よりも外側に感光体駆動ギア41を備えている。そして、駆動源である駆動モータ38の回転軸39が備えるモータ軸ギア40と感光体駆動ギア41とを噛合せることにより駆動モータ38からの回転駆動力が感光体ドラム2に伝達される。図8に示すように、特許文献1の回転体駆動装置は、モータ軸ギア40及び感光体駆動ギア41からなる駆動伝達機構と、駆動源である駆動モータ38とを感光体ドラム2の幅方向の端部よりも外側に配置している。
【0003】
【特許文献1】特開平9−222826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の画像形成装置全体の省スペース化の要望により、表面移動体駆動装置の省スペース化が望まれる。しかし、表面移動体の無端表面の表面移動方向の周長や表面移動方向に直交する幅方向の長さは、表面移動体の使用目的によって決定するものであるため、表面移動体を小さくすることは困難である。また、従来の表面移動体駆動装置は、図8に示すように、駆動伝達機構及び駆動源からなる表面移動体駆動機構を表面移動体の幅方向の端部よりも外側に配置する構成であった。このような構成であると、表面移動体駆動装置の幅方向の長さは、表面移動体の幅方向の長さに、表面移動体駆動機構を配置する空間の幅方向の長さを加えた長さが必要となる。すなわち、無端表面の幅方向における両端のそれぞれで規定される2つの面と無端表面とによって囲まれる表面移動体占有空間とは別に、表面移動体駆動機構を配置する空間が必要となる。
そして、表面移動体占有空間と、表面移動体駆動機構を配置する空間とを独立して軸方向に並べて配置する従来の表面移動体駆動装置では、所定の大きさの表面移動体に対する表面移動体駆動装置の小型化を実現することは困難であった。
【0005】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、表面移動体の大きさに対して、従来よりも小型化を図ることができる表面移動体駆動装置、並びにこれを備えたベルト装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端表面移動が可能な無端表面を備える表面移動体と、該表面移動体が表面移動する駆動力の駆動源及び該駆動源から該表面移動体に該駆動力を伝達する駆動伝達機構からなる表面移動体駆動機構とを有し、画像形成装置に用いられる表面移動体駆動装置において、該無端表面の表面移動方向に対して直交する幅方向における両端のそれぞれで規定される2つの面と該無端表面とによって囲まれる表面移動体占有空間の内部に、該表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の表面移動体駆動装置において、上記駆動伝達機構は遊星歯車機構を備え、該遊星歯車機構を上記表面移動体占有空間の内部に配置することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の表面移動体駆動装置において、上記表面移動体の幅方向両端を、移動体支持部材を介して支持する2つの両側板を有し、上記駆動源は駆動力を外部伝達する駆動回転軸を備え、該駆動回転軸の軸方向は上記幅方向と平行なる方向であり、該駆動回転軸は、該2つの両側板に回転軸支持部材を介して支持されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の表面移動体駆動装置において、上記表面移動体の幅方向両端を、移動体支持部材を介して支持する2つの両側板を有し、該表面移動体及び上記表面移動体駆動機構は該2つの両側板の間に配置され、該表面移動体及び該表面移動体駆動機構は一体で該2つの両側板に対して着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置において、上記表面移動体が表面に感光層を備える感光体であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置において、上記表面移動体が記録体を搬送するための記録体搬送ローラであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5の表面移動体駆動装置において、上記表面移動体占有空間の上記感光層の上記幅方向の両端よりも内側となる領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5または6の表面移動体駆動装置において、該表面移動体駆動装置を有する上記画像形成装置で用いる上記幅方向が最大幅となる記録体が通過し得る記録体通過領域の該幅方向の両端よりも内側となる上記表面移動体占有空間の領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、無端ベルトと該無端ベルトを張架する複数の張架部材とを有し、該複数の張架部材の少なくとも一つが、表面移動体と表面移動体駆動機構とを備える表面移動体駆動装置の該表面移動体であるベルト装置において、該表面移動体駆動装置の少なくとも一つが、請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9のベルト装置において、上記無端ベルトは、一次転写部で像担持体からトナー像を一次転写され、該像担持体から一次転写されたトナー像を無端移動することで担持搬送し、二次転写部で記録体または他の像担持体に二次転写する中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9のベルト装置において、上記無端ベルトは、その表面に記録体を担持し、搬送する記録体搬送ベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9、10または11のベルト装置において、該ベルト装置を有する上記画像形成装置で用いる上記幅方向が最大幅となる記録体が通過し得る記録体通過領域の該幅方向の両端よりも内側となる上記表面移動体占有空間の領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、表面移動体と表面移動体を備える表面移動体駆動装置を有し、記録体上に画像を形成する画像形成装置において、該表面移動体駆動装置の少なくとも一つが、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の表面移動体駆動装置であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記表面移動体を装置本体に対して着脱するときに該表面移動体と一体として該装置本体に対して着脱する表面移動体交換ユニットを有し、該表面移動体交換ユニットは上記表面移動体駆動機構を備えることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、無端ベルトと該無端ベルトを張架する複数の張架部材を備えたベルト装置を有し、記録体上に画像を形成する画像形成装置において、該ベルト装置として、請求項9、10、11または12のベルト装置を有することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、上記表面移動体を装置本体に対して着脱するときに該表面移動体と一体として該装置本体に対して着脱する表面移動体交換ユニットを有し、該表面移動体交換ユニットは、上記表面移動体駆動機構及び上記無端ベルトを備えることを特徴とするものである。
【0007】
上記請求項1乃至16の表面移動体駆動装置においては、表面移動体占有空間の内部に、表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在するため、表面移動体占有空間と表面移動体駆動機構を配置する空間とが、少なくとも部分的に重複することができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至16の発明によれば、表面移動体占有空間と表面移動体駆動機構を配置する空間とが少なくとも部分的に重複することができるため、表面移動体占有空間と表面移動体駆動機構を配置する空間とを独立して軸方向に並べて配置する従来の表面移動体駆動装置に比べて、表面移動体に対する表面移動体駆動装置の大きさを、重複する空間分の小型化を図ることができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図2は、実施形態にかかる画像形成装置としての複写機の概略構成図である。この複写機は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部300という)、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)(以下、原稿搬送部400という)からなっている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
【0010】
プリンタ部100は、その中央に中間転写体としての中間転写ベルト10を備えている。中間転写ベルト10は、第一支持ローラ14、第二支持ローラ15及び第三支持ローラ16に掛け回され、図中時計回りに表面移動可能となっている。そして、中間転写ベルト10に対向するように、表面にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンのうちの1色のトナー像をそれぞれ担持する感光体としての4つの感光体ドラム2K、2Y、2M、2Cを備えている。4つの感光体ドラム2K、2Y、2M、2Cの表面にトナー像を形成するための現像ユニット61K、61Y、61M、61Cを備えている。更に、一次転写後の感光体ドラム2K、2Y、2M、2C表面に残留しているトナーを除去する感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cも備えている。4つの感光体ドラム2K、2Y、2M、2C、現像ユニット61K、61Y、61M、61C、そして、感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cからなる4つの画像形成ユニット18K、18Y、18M、18Cを横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成する。また、第三支持ローラ16のと中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録体としての転写紙上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置21を備えている。
【0011】
また、中間転写ベルト10の内側で各感光体ドラム2K、2Y、2M、2Cと中間転写ベルト10を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cを備えている。一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cは中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム2K、2Y、2M、2Cに押し当てて設けられ、一次転写部を形成している。
【0012】
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成ユニット20と反対の側には、二次転写装置を備える。この二次転写装置は、二次転写ローラ22と二次転写ベルト張架ローラ23との間に、二次転写ベルト24を掛け渡して構成している。なお、二次転写ベルト張架ローラ23は不図示のモータから駆動力が伝達される二次転写ベルト24の駆動ローラである。二次転写装置は、二次転写ローラ22が支持する位置で、二次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ16に押し当てられ、二次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間で二次転写部としての二次転写ニップ部を形成するように配置されている。
【0013】
二次転写装置の図中左側には、転写紙上の転写画像を定着する定着装置25を備えている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、上述した二次転写装置には、二次転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写紙を定着装置25へと搬送する転写紙搬送機能も備えてなる。なお、二次転写装置として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、この転写紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0014】
二次転写装置および定着装置25の下には、上述したタンデム画像形成ユニット20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28を備えている。これによって、転写紙の片面に画像定着後に、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び二次転写ニップ部に転写紙を搬送し、トナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させることができる。
【0015】
スキャナ部300は、コンタクトガラス132上に載置された原稿の画像情報を読取センサ136で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。
【0016】
不図示の制御部は、スキャナ部300から受け取った上記画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して感光体ドラムに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体ドラム2の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0017】
給紙部200は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、給紙カセット44から転写紙Pを繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙Pを分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等を備えている。
【0018】
本実施形態の複写機では、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する手差し分離ローラ52も装置側面に備えている。
【0019】
レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙Pを1枚だけ排出させ、中間転写体としての中間転写ベルト10と二次転写装置との間に位置する二次転写ニップ部に送る。
【0020】
本実施形態の複写機において、カラー画像のコピーをとるとき、原稿搬送部400の原稿台130上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス132上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス132上へと搬送して後、他方コンタクトガラス132上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ部300を駆動し、第一走行体133及び第二走行体134を走行する。そして、第一走行体133で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体134に向け、第二走行体134のミラーで反射して結像レンズ135を通して読取センサ136に入れ、原稿の画像情報を読み取る。
【0021】
そして、スキャナ部から画像情報を受け取ると、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施させて感光体ドラム上にトナー像を形成させるとともに、該画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、4つの給紙ローラのうちの1つを作動させる。
また、これに伴なって、不図示の駆動モータで第一支持ローラ14、第二支持ローラ15または第三支持ローラ16のうちの1つを回転駆動して他の二つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。本実施形態では、第一支持ローラ14を駆動モータによって回転駆動する。同時に、個々の画像形成ユニット18で感光体ドラム2を回転して各感光体ドラム2上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部200では給紙ローラ42の1つを選択回転し、給紙カセット44の1つから転写紙Pを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で複写機本体であるプリンタ部100内の給紙路48に導き、この転写紙Pをレジストローラ49に突き当てて止める。又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙Pを繰り出し、手差し分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、手差しトレイ51上の転写紙を用いる場合は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、手差し分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルトと二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を二次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
【0022】
二次転写ニップ部でカラー画像の転写を受けた後の転写紙は、二次転写装置の二次転写ベルト24で定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で加圧ローラ27と定着ベルトとによる加圧力と熱の付与によりカラー画像を定着される。その後、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。また、両面に画像形成される転写紙は、カラー画像を定着された後、切換爪55で切り換えて転写紙反転装置28に搬送され、そこで反転されて再び二次転写ニップ部へと導かれ、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
【0023】
図2に示すように、複写機には多くのローラ部材が用いられている。そして、ローラ部材のうちのいくつかは表面移動体と表面移動体駆動機構とを有する表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置が備える表面移動体であるローラ部材である。
また、近年の画像形成装置では、省スペース化やテスクトップ化等で使用環境の変化により、より小型の画像形成装置が求められている。画像形成装置は搬送ローラや感光体など多くの表面移動体としてのローラ部材で構成されており、それらローラ部材を駆動させる構成するモータやギア等の表面移動体駆動機構としてのローラ駆動機構が装置内で占める割合は大きい。近年、普及の著しいカラー画像形成装置では図2に示すように中間転写体を使用するものが多くあり、それらには中間転写体を駆動するための駆動機構が必要となる。更に、モノクロ並みの出力スピードが得られるタンデム型のカラー画像形成装置では、4色の感光体にそれぞれ駆動機構が必要になるなど、装置内で駆動機構を占める割合は増えている。よって、画像形成装置の小型化のために、表面移動体駆動装置の表面移動体駆動機構の小型化が望まれる。
【0024】
〔実施例1〕
次に、本実施形態の特徴的な構成の一つ目の実施例について説明する。
図1は、実施例1の表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置1の断面説明図である。図1の左右方向は、図2中の紙面手前奥方向であり、図1中矢印A方向が、図2中の手前方向で、複写機の前側となる。
図1に示すように、ローラ駆動装置1は、パイプ状の表面移動体としてのローラ部材11を有している。ローラ部材11は、後部玉軸受83を介して後部ホルダ8に保持され、前部玉軸受79を介して前部ホルダ7に保持されている。さらに、後部ホルダ8は後側板4に固定され、前部ホルダ7は前側板5に固定されているので、ローラ部材11は、後部ホルダ8を介して後側板4に保持され、前部ホルダ7を介して前側板5に保持されている。これにより、両側板としての後側板4及び前側板5に対してローラ部材11の位置決めが成される。図1に示すローラ駆動装置1では、後部玉軸受83と後部ホルダ8とが後側の移動体支持部材であり、前部玉軸受79と前部ホルダ7とが前側の移動体支持部材である。
ローラ部材11の内側には、詳細は後述する遊星歯車支持部材74が固定されており、内歯車71は後部ホルダ8に固定されている。また、駆動源であるモータ80は後部ホルダ8に固定されており、駆動回転軸であるモータ軸81の装置後側の端部は駆動回転軸受82を介して後側板4に保持されている。モータ80の回転駆動力はモータ軸81と、内歯車71及び遊星歯車支持部材74を備えるギア部70を介して伝達され、ローラ部材11が回転する。
【0025】
次に、駆動伝達機構としてのギア部70について説明する。
図3は、ギア部70を図1中右側から見た、ギア部70の断面説明図である。
図3に示すように、ギア部70は遊星歯車機構である。モータ軸81の装置前側端部には太陽歯車72が固定されており、その周りには太陽歯車72と噛合うように4つの遊星歯車73が配置されている。4つの遊星歯車73の回転軸は遊星歯車支持部材74に固定され、4つの遊星歯車73が配置されている外側には、全ての遊星歯車73と噛合うように内歯車71が配置されている。モータ80の駆動によりモータ軸81が回転し、太陽歯車72が回転する。そして、太陽歯車72と噛合う遊星歯車73も回転するが、遊星歯車73と噛合う内歯車71が固定であるため、遊星歯車73の回転軸が内歯車71に沿って回転する力を受ける。これにより、遊星歯車支持部材74に駆動力が伝達され、遊星歯車支持部材74が固定されているローラ部材11が回転駆動する。
図3に示すギア部70は、内歯車71が固定のプラネタリウム型の遊星歯車機構であるが、遊星歯車支持部材74が固定のスター型や太陽歯車72が固定のソーラ型であっても良い。さらに、同じ型の遊星歯車機構または異なる型の遊星歯車機構を複数組み合わせて一つの遊星歯車機構として用いてもよい。
モータ80をローラ部材11内に配置した場合、減速ギアもローラ部材11内に配置する必要がある。
このような遊星歯車機構を用いることにより、減速ギアをローラ部材11内に配置することができ、複写機を小型化することができる。また、遊星歯車機構では入力軸(実施例1では太陽歯車72の回転軸)と出力軸(実施例1では遊星歯車支持部材74の回転軸)を同軸上に配置できるので安定したローラ部材11の回転を得ることができる。
【0026】
図1に示すように、実施例1のローラ駆動装置1は、筒状のローラ部材11の内部にモータ80及びギア部70からなる表面移動体駆動機構としてのローラ駆動部90を配置している。ここで、筒状のローラ部材11の幅方向の両端部のそれぞれで規定される破線で示す2つの端面11bとローラ部材11の無端表面11aとによって囲まれる空間を表面移動体占有空間としてのローラ占有空間とすると、実施例1のローラ駆動装置1は、ローラ占有空間の内部に表面移動体駆動機構としてのローラ駆動部90を配置する構成となっている。
実施例1のローラ駆動装置1では、ローラ駆動部90を配置する空間がローラ占有空間内にあり、ローラ駆動部90を配置する空間とローラ占有空間とが空間を重複させることができる。このため、表面移動体駆動機構を配置する空間とを独立して軸方向に並べて配置する、図8に示す従来の表面移動体駆動装置に比べて、重複する空間分の表面移動体駆動装置の小型化を図ることができる。
【0027】
実施例1では、ローラ駆動部90全体がローラ部材11の内部に収まり、ローラ駆動部90を配置する空間全体がローラ占有空間内に収まる構成であるが、これに限るものではない。ローラ駆動部90を配置する空間の少なくとも一部がローラ占有空間内に存在するように配置することにより、図8に示す従来の表面移動体駆動装置に比べて、重複する空間分、表面移動体駆動装置の小型化を図ることができる。例えば、ギア部70のみをローラ部材11の内部に配置し、モータ80はローラ部材11の幅方向の端部よりも外側に配置する構成であってもよい。しかし、実施例1のように、ローラ駆動部90を配置する空間全体がローラ占有空間内に収まる構成であれば、ローラ部材11に対するローラ駆動装置1の大きさを、さらに小型化することができる。
【0028】
図1に示すローラ駆動装置1では、モータ80は装置本体に対して回転するローラ部材11の内部にあり、モータ80は装置本体に対して固定である。このようなモータ80への電力供給は本体側電力ハーネス85、コネクタ84及びモータ側電力ハーネス86を介して行われる。
ローラ駆動装置1の後側板4にはコネクタ84が固定されており、不図示の本体側の主電源に接続される本体側電力ハーネス85が、コネクタ84に接続される。一方、コネクタ84には、モータ側電力ハーネス86が接続されており、モータ側電力ハーネス86はローラ部材11の幅方向端部よりも幅方向外側で後部ホルダ8の内部に配線され、後部ホルダ8内を這わされて、モータ80に接続されている。このような配線によって不図示の主電源からの電力がモータ80に供給される。
また、モータ80への電力供給としてはこれに限るものではない。例えば、複写機本体の後側板にコネクタ84と嵌合する本体側コネクタを備え、この本体側コネクタが本体側の主電源に接続している構成であっても良い。このような構成であれば、ローラ駆動装置1が装置本体に対して着脱可能な構成の場合、ローラ駆動装置1を装置本体にセットして、コネクタ84と本体側コネクタとを嵌合させることにより、モータ80への電力供給が可能となる。
【0029】
実施例1のローラ駆動装置1は、複写機が備える各駆動ローラのローラ駆動装置に適用可能である。具体的には、図2に示す複写機の感光体ドラム2、搬送ローラ47、給紙ローラ42、分離ローラ45、レジストローラ49、給紙ローラ50、手差し分離ローラ52等、駆動源から駆動力が伝達され、回転駆動する駆動ローラであれば、いずれのローラについても適用可能である。
【0030】
ローラ部材である感光体ドラム2として、実施例1のローラ駆動装置1を適用する場合、ローラ占有空間の感光体ドラム2が表面に備える感光層の幅方向の両端よりも内側となる領域に、ローラ駆動部90を配置する空間の少なくとも一部が存在するように配置する。
図4は、実施例1のローラ駆動装置1を感光体ドラム2の駆動装置に適用した感光体駆動装置1aの要部説明図である。
図4に示すように感光体ドラム2は、その幅方向の全幅よりも狭い範囲の表面上に感光層2aを備えている。図4に示す感光体駆動装置1aでは、感光体ドラム2のローラ占有空間の感光層2aの幅方向両端よりも内側となる領域にローラ駆動部90を配置する。
感光層2aの幅方向の長さは、複写機で用いる幅方向が最大幅となる転写紙Pの幅方向の長さに対して、ある程度余裕を持って長く設定されている。すなわち、感光層2aの幅方向の長さは、使用する転写紙Pの大きさによって決定する。図4に示す感光体駆動装置1aは、図8のローラ駆動装置のような従来の感光体駆動装置で、感光層2aの幅方向の長さが同じ長さのものと比較すると、感光体駆動装置1aの幅方向の長さを短くすることができ、感光体駆動装置1aの小型化を図ることができる。
図4に示す感光体駆動装置1aでは、ローラ駆動部90の全体が感光体ドラム2のローラ占有空間に納まる構成であるが、ローラ駆動部90を配置する空間の一部が感光体ドラム2のローラ占有空間内に存在するように配置することにより、従来の感光体駆動装置よりも小型化することができる。
【0031】
また、感光体ドラム2以外の各種ローラ部材については、複写機で用いる幅方向が最大幅となる転写紙Pが通過し得る記録体通過領域の幅方向の両端よりも内側となるローラ占有空間の領域に、ローラ駆動部90の少なくとも一部が存在するように配置する。これにより、従来のローラ部材のローラ駆動装置よりも小型化することができる。
なお、感光体駆動装置1aでも、記録体通過領域の幅方向の両端よりも内側となるローラ占有空間の領域に、ローラ駆動部90の少なくとも一部が存在するように配置しても良い。図4中の領域αが記録体通過領域である。図4に示すように、記録体通過領域αの幅方向の両端は感光層2aの幅方向の両端よりも内側にあるので、この構成は、感光層2aの幅方向両端よりも内側とする構成よりもローラ駆動部90の配置をより内側に配置する構成に限定するものである。
また、他のローラ部材における記録体通過領域の両端部は、図4に示す感光体駆動装置1aと同様に、ローラ部材の両端部よりも内側となる。
【0032】
ローラ駆動装置1は、無端ベルトと無端ベルトを張架する複数の張架部材とを有し、複数の張架部材の少なくとも一つがローラ部材であるベルト装置の駆動ローラと、その駆動部とからなるローラ駆動装置にも適用可能である。
【0033】
ベルト装置として無端ベルトが中間転写ベルト10である中間転写ベルトユニットについては、駆動ローラである第一支持ローラ14のローラ駆動装置に対して実施例1のローラ駆動装置1は適用可能である。第一支持ローラ14の駆動装置としてローラ駆動装置1を適用することにより、第一支持ローラ14の駆動装置の幅方向の長さを従来よりも短くすることができる。このため、中間転写ベルトユニットの幅方向の長さも従来の中間転写ベルトユニットよりも短くすることができ、中間転写ベルトユニットの省スペース化を図ることができる。
【0034】
また、ベルト装置として無端ベルトが定着ベルト26である定着装置25について、定着装置25が備える定着ベルト支持ローラのうちの駆動ローラの駆動装置に対して、実施例1のローラ駆動装置1は適用可能である。定着ベルト26の駆動ローラに実施例1のローラ駆動装置1を適用することにより、従来の定着装置25に比べて、定着装置25の省スペース化を図ることができるようになる。
【0035】
さらに、ベルト装置として無端ベルトが記録体である転写紙を担持し搬送する記録体搬送ベルトとしての機能を備える二次転写ベルト24である二次転写装置について、駆動ローラである二次転写ベルト張架ローラ23のローラ駆動装置に対して実施例1のローラ駆動装置1は適用可能である。二次転写ベルト張架ローラ23にローラ実施例1のローラ駆動装置1を適用することにより、従来の二次転写装置に比べて、二次転写装置の省スペース化を図ることができる。
【0036】
〔変形例〕
なお、上述の実施形態では中間転写ベルト10上に感光体ドラム2Y,2M,2C,2K上の4色のトナー像を重ねて転写してフルカラー画像を形成し、このフルカラー画像を転写紙に転写する中間転写方式の画像形成装置について説明した。しかし、実施例1のローラ駆動装置1を適用可能な画像形成装置はこれに限るものではない。図5に示すような、転写搬送ベルト101で転写紙Pを搬送し、転写紙P上に感光体ドラム2Y,2M,2C,2K上の4色のトナー像を重ねて転写する直接転写方式にも適用することが可能である。例えば、転写搬送ベルト101の駆動ローラである第一支持ローラ14のローラ駆動装置に対して実施例1のローラ駆動装置1は適用可能である。第一支持ローラ14の駆動装置としてローラ駆動装置1を適用することにより、転写搬送ベルトユニットの省スペース化を図ることができる。
【0037】
〔実施例2〕
次に、本実施形態の特徴的な構成の二つ目の実施例について説明する。
図6は、実施例2の表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置1の断面説明図である。
なお、実施例2のローラ駆動装置1の基本構成は、実施例1のものと同様であり、内歯車71を固定する部材が後部ホルダ8ではない点で異なる。実施例1と共通する点についての説明は省略し、その相違点について説明する。
図6に示すように、内歯車71は、前部ホルダ7に固定された固定軸75に固定されている。固定軸75の後側端部である内歯車71の回転中心には不図示の軸受を備えており、この軸受にモータ軸81の前側端部が支持される構成となっている。すなわち、モータ軸81と固定軸75とは不図示の軸受を介して同軸上に配置されている。
【0038】
モータ軸81の前側端部は、不図示の軸受、軸受が固定された固定軸75、及び固定軸75が固定された前部ホルダ7を介して前側板5に支持されている。また、モータ軸81の装置後側の端部は駆動回転軸受82を介して後側板4に保持されている。
図6に示すローラ駆動装置1では、不図示の軸受と固定軸75と前部ホルダ7が装置前側の回転軸支持部材であり、駆動回転軸受82が装置後側の回転軸支持部材である。これらの回転軸支持部材によって、モータ軸81の両端は2つの両側板である前側板5及び後側板4に支持されている。
【0039】
図1を用いて説明したローラ駆動装置1では、モータ軸81は、装置後側の端部が後側板4に支持されているが、装置前側の端部は前側板5に支持されていない。そして、ローラ部材11の両側だけが前側板5及び後側板4で支持される構成である。
ローラ部材11の両側だけを前側板5及び後側板4で支持する構成の場合、前側板5と後側板4との平行度や各移動体支持部材の取付状態によっては装置の前後の中心軸がずれる場合があり、ローラ部材の回転が不安定となるおそれがある。
一方、図6に示すローラ駆動装置1のように、ローラ部材11の内部に配置されたモータ軸81を含む軸が、ローラ部材11を保持する前側板5及び後側板4に保持されていることにより、ローラ部材11を保持する前側板5と後側板4との間に軸を通すことで、ローラ部材11を保持する前部ホルダ7及び後部ホルダ8の中心軸がずれなくなるため、安定した回転が得られる。
また、図1のローラ駆動装置1のモータ軸81は一端部のみを後側板4に支持される構成であるが、図6に示すローラ駆動装置1のモータ軸81は両端部を前側板5及び後側板4に支持される構成である。モータ軸81の両端を支持することにより、片側のみを支持する構成に比べて、回転駆動によってモータ軸81にブレが発生することを防止することができる。このため、ローラ部材11の安定した回転を実現することができる。
【0040】
〔実施例3〕
次に、本実施形態の特徴的な構成の三つ目の実施例について説明する。
図7は、実施例3の表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置1の断面説明図である。
なお、実施例3のローラ駆動装置1の基本構成は、実施例2のものと同様であり、ローラ部材11の装置前側を支持する移動体支持部材が前部ホルダ7と前部固定部材9とからなり、ローラ部材11の装置後側を支持する移動体支持部材が後部ホルダ8と後部固定部材3とからなる点で異なる。実施例2と共通する点についての説明は省略し、その相違点について説明する。
図7に示すローラ駆動装置1は、ローラ部材11、内歯車71、固定軸75、前部ホルダ7、遊星歯車支持部材74、モータ軸81、モータ80及び後部ホルダ8を一体として、ローラユニットを形成している。そして、このローラユニットは、前部固定部材9と後部固定部材3とによって、前側板5と後側板4とに固定されており、前部固定部材9と後部固定部材3とを取り外すことにより、ローラユニットを装置から外すことができる。このように、ローラ部材11とローラ駆動部90とが一体で前側板5と後側板4とに対して、着脱可能に構成したことにより、ローラ部材11の交換やローラ駆動装置1のメンテナンスが容易になる。
なお、図8に示すような従来の表面移動体駆動装置では、表面移動体駆動装置本体に固定の側板32や37を挟んで表面移動体とその駆動部とが配置されていたため、ローラを交換する場合は非常に困難であった。一方、図6に示すローラ駆動装置1は、ローラ部材11とローラ駆動部90とが、前側板5と後側板4との間に配置されているため、2つの固定部材を外すだけでローラ交換が可能となる。また、ローラの交換やメンテナンスが容易になることで、本体の寿命を伸ばすことができる。
【0041】
以上、本実施形態によれば、表面移動体であるローラ部材11と、ローラ部材11の駆動源であるモータ80及びモータ80からのローラ部材11に駆動力を伝達する駆動伝達機構であるギア部70からなる表面移動体駆動機構であるローラ駆動部90とを有し、画像形成装置に用いられる表面移動体駆動装置としてのローラ駆動装置1で、ローラ駆動部90を配置する空間が、ローラ部材11の2つの端面11bとローラ部材11の無端表面11aとによって囲まれる表面移動体占有空間であるローラ占有空間内であり、ローラ駆動部90を配置する空間とローラ占有空間との空間を重複させることができる。このため、表面移動体駆動機構を配置する空間とを独立して軸方向に並べて配置する従来の表面移動体駆動装置に比べて、重複する空間分の表面移動体駆動装置であるローラ駆動装置1の小型化を図ることができる。
また、駆動伝達機構であるギア部70が遊星歯車機構であり、ローラ占有空間内に配置されることにより、減速ギアをローラ部材11内に配置することができ、ローラ駆動装置1を小型化することができる。また、遊星歯車機構では入力軸と出力軸を同軸上に配置できるので安定したローラ部材11の回転を得ることができる。
また、実施例2のローラ駆動装置1では、駆動回転軸であるモータ軸81が各回転軸支持部材を介して2つの両側板である後側板4及び前側板5に支持されているので、モータ軸81の回転を安定させることができ、そのため、ローラ部材11の回転を安定させることができる。
また、実施例3のローラ駆動装置1では、ローラ部材11を幅方向両端で各移動体支持部材を介して支持する後側板4及び前側板5を有し、ローラ部材11及びローラ駆動部90は後側板4と前側板5との間に配置され、ローラ部材11及びローラ駆動部90はローラユニットとして、一体で後側板4及び前側板5に対して着脱可能に構成している。このため、ローラ部材11の交換やローラ駆動装置1のメンテナンスが容易になる。
また、実施例1のローラ駆動装置1を感光層を備える感光体である感光体ドラム2の表面移動体駆動装置である感光体駆動装置1aに適用することにより、感光体駆動装置1aの小型化を図ることができる。
また、感光体ドラム2のローラ占有空間の感光層2aの幅方向両端よりも内側となる領域にローラ駆動部90を配置することにより、感光層2aの幅方向の長さが同じ長さの従来の感光体駆動装置と比較すると、感光体駆動装置1aの幅方向の長さを短くすることができ、感光体駆動装置1aの小型化を図ることができる。
また、感光層2aの幅方向よりも内側となる記録体通過領域αの幅方向の両端よりも内側となるローラ占有空間にローラ駆動部90を配置することにより、記録体通過領域αの幅方向の長さが同じ長さの従来の感光体駆動装置よりも、感光体駆動装置1aの幅方向の長さを短くすることができ、小型化を図ることができる。
なお、ローラ部材11が感光体ドラム2である場合に限らず、他のローラ部材であっても、記録体通過領域の幅方向の両端よりも内側となるローラ占有空間にローラ駆動部90を配置することにより、従来のローラ部材のローラ駆動装置よりも小型化することができる。
また、実施例1のローラ駆動装置1を、搬送ローラ47等の記録体搬送ローラのローラ駆動装置に適用することにより、記録体搬送ローラを備えたローラ駆動装置1の小型化を図ることができる。
また、無端ベルトとして中間転写ベルト10を備えるベルト装置としての中間転写ベルトユニットの駆動ローラとその駆動装置に実施例1のローラ駆動装置1を適用することにより、中間転写ベルトユニットの小型化を図ることができる。
また、変形例のように、無端ベルトとして転写搬送ベルト101を備えるベルト装置としての転写搬送ベルトユニットの駆動ローラとその駆動装置に実施例1のローラ駆動装置1を適用することにより、転写搬送ベルトユニットの小型化を図ることができる。
また、ベルト装置における記録体通過領域の幅方向内側に、ローラ駆動部90の少なくとも一部が存在するように配置することにより、ベルト装置の駆動部に要する空間を少なくすることができ、ベルト装置の小型化を図ることができる。
また、画像形成装置である複写機が備える駆動ローラその駆動部の少なくとも一つに実施例1のローラ駆動装置1を適用することにより、複写機の小型化を図ることができる。
また、ローラ部材11を複写機に対して着脱可能とする表面移動体交換ユニットとしてのローラユニットを有する構成で、実施例3のようにローラユニットがローラ駆動部90を備えることにより、ローラ部材11の交換やローラ駆動装置1のメンテナンスが容易になる。
また、駆動ローラの駆動部として、実施例1のローラ駆動装置1を適用した中間転写ユニット等のベルト装置を備えた複写機は、ベルト装置の小型化を図ることができるため、装置全体の小型化を図ることができる。
また、駆動ローラの駆動部に実施例1のローラ駆動装置1を適用したベルト装置を備える複写機に対して着脱可能なローラユニットが、ローラ駆動部と無端ベルトとを備えることにより、ローラ部材11無端ベルトの交換やローラ駆動装置1またはベルト装置のメンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例1のローラ駆動装置の断面説明図。
【図2】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図3】ギア部の断面説明図。
【図4】感光体駆動装置の要部説明図。
【図5】変形例に係る複写機の概略構成図。
【図6】実施例2のローラ駆動装置の断面説明図。
【図7】実施例3のローラ駆動装置の断面説明図。
【図8】特許文献1に記載の回転体駆動装置の概略説明図。
【符号の説明】
【0043】
1 ローラ駆動装置
2 感光体ドラム
2a 感光層
3 後部固定部材
4 後側板
5 前側板
7 前部ホルダ
8 後部ホルダ
9 前部固定部材
10 中間転写ベルト
11 ローラ部材
11a 無端表面
11b 端面
14 第一支持ローラ
21 露光装置
22 二次転写ローラ
23 二次転写ベルト張架ローラ
24 二次転写ベルト
42 給紙ローラ
44 給紙カセット
45 分離ローラ
47 搬送ローラ
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 手差し分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
61 現像ユニット
62 一次転写ローラ
70 ギア部
71 内歯車
72 太陽歯車
73 遊星歯車
74 遊星歯車支持部材
75 固定軸
79 前部玉軸受
80 モータ
81 モータ軸
82 駆動回転軸受
83 後部玉軸受
90 ローラ駆動部
100 プリンタ部
200 給紙部
300 スキャナ部
400 原稿搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端表面移動が可能な無端表面を備える表面移動体と、
該表面移動体が表面移動する駆動力の駆動源及び該駆動源から該表面移動体に該駆動力を伝達する駆動伝達機構からなる表面移動体駆動機構とを有し、画像形成装置に用いられる表面移動体駆動装置において、
該無端表面の表面移動方向に対して直交する幅方向における両端のそれぞれで規定される2つの面と該無端表面とによって囲まれる表面移動体占有空間の内部に、該表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項2】
請求項1の表面移動体駆動装置において、
上記駆動伝達機構は遊星歯車機構を備え、
該遊星歯車機構を上記表面移動体占有空間の内部に配置することを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2の表面移動体駆動装置において、
上記表面移動体の幅方向両端を、移動体支持部材を介して支持する2つの両側板を有し、
上記駆動源は駆動力を外部伝達する駆動回転軸を備え、
該駆動回転軸の軸方向は上記幅方向と平行となる方向であり、
該駆動回転軸は、該2つの両側板に回転軸支持部材を介して支持されることを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の表面移動体駆動装置において、
上記表面移動体の幅方向両端を、移動体支持部材を介して支持する2つの両側板を有し、

該表面移動体及び上記表面移動体駆動機構は該2つの両側板の間に配置され、
該表面移動体及び該表面移動体駆動機構は一体で該2つの両側板に対して着脱可能に構成したことを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置において、
上記表面移動体が表面に感光層を備える感光体であることを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項6】
請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置において、
上記表面移動体が記録体を搬送するための記録体搬送ローラであることを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項7】
請求項5の表面移動体駆動装置において、
上記表面移動体占有空間の上記感光層の上記幅方向の両端よりも内側となる領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項8】
請求項5または6の表面移動体駆動装置において、
該表面移動体駆動装置を有する上記画像形成装置で用いる上記幅方向が最大幅となる記録体が通過し得る記録体通過領域の該幅方向の両端よりも内側となる上記表面移動体占有空間の領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とする表面移動体駆動装置。
【請求項9】
無端ベルトと該無端ベルトを張架する複数の張架部材とを有し、
該複数の張架部材の少なくとも一つが、表面移動体と表面移動体駆動機構とを備える表面移動体駆動装置の該表面移動体であるベルト装置において、
該表面移動体駆動装置の少なくとも一つが、請求項1、2、3または4の表面移動体駆動装置であることを特徴とするベルト装置。
【請求項10】
請求項9のベルト装置において、
上記無端ベルトは、一次転写部で像担持体からトナー像を一次転写され、該像担持体から一次転写されたトナー像を無端移動することで担持搬送し、二次転写部で記録体または他の像担持体に二次転写する中間転写ベルトであることを特徴とするベルト装置。
【請求項11】
請求項9のベルト装置において、
上記無端ベルトは、その表面に記録体を担持し、搬送する記録体搬送ベルトであることを特徴とするベルト装置。
【請求項12】
請求項9、10または11のベルト装置において、
該ベルト装置を有する上記画像形成装置で用いる上記幅方向が最大幅となる記録体が通過し得る記録体通過領域の該幅方向の両端よりも内側となる上記表面移動体占有空間の領域に、上記表面移動体駆動機構の少なくとも一部が存在することを特徴とするベルト装置。
【請求項13】
表面移動体と表面移動体を備える表面移動体駆動装置を有し、記録体上に画像を形成する画像形成装置において、
該表面移動体駆動装置の少なくとも一つが、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の表面移動体駆動装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13の画像形成装置において、
上記表面移動体を装置本体に対して着脱するときに該表面移動体と一体として該装置本体に対して着脱する表面移動体交換ユニットを有し、該表面移動体交換ユニットは上記表面移動体駆動機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
無端ベルトと該無端ベルトを張架する複数の張架部材を備えたベルト装置を有し、記録体上に画像を形成する画像形成装置において、
該ベルト装置として、請求項9、10、11または12のベルト装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15の画像形成装置において、
上記表面移動体を装置本体に対して着脱するときに該表面移動体と一体として該装置本体に対して着脱する表面移動体交換ユニットを有し、該表面移動体交換ユニットは、上記表面移動体駆動機構及び上記無端ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−151868(P2008−151868A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337405(P2006−337405)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】