説明

被覆物体

物体の表面の少なくとも一部がアミド含有重合体であり、アミド含有重合体の表面の少なくとも一部がその上にプラズマ化学蒸着露出被覆を有する被覆物体。物体の表面の少なくとも一部がアミド含有重合体を含む被覆物体を製造する方法であって、該方法は、アミド基を含む重合体の表面の少なくとも一部を、プラズマ化学蒸着被覆方法によって被覆し、その上にプラズマ化学蒸着露出被覆を形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体に適用された被覆を有する物体に関する。より具体的には、本発明は、物体に適用されたプラズマ生成被覆を有する重合体物体に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば酸化ケイ素層および/またはポリオルガノシロキサン層で物体を被覆するためにプラズマ化学蒸着(PECVD)技術を使用することは、たとえば、国際公開第2004/044039号に記載されているように、よく知られている。特願2003−326157(特開2005−088422号公報)は、ポリアミド樹脂フィルム上の厚さ0.02〜0.03μmのバリヤー層のプラズマ被覆を開示しているが、被覆の接着度については言及していない。ポリカーボネートシートは、板ガラス用途に広く使用されている。ポリカーボネートシートの耐摩耗性は、その上に耐摩耗性のPECVD被覆を適用することによって著しく増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/044039号
【特許文献2】特開2005−088422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、耐摩耗性PECVD被覆は、悪天候条件にさらされた後のポリカーボネートシートへの接着性が乏しい。したがって、(水湿潤性被覆のような他の利点を有する被覆と同様に)悪天候条件にさらされた後でさえポリマー基体に接着しているPECVD耐摩耗性被覆へのニーズが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記の課題の解決策を提供する。本発明の被覆物体の被覆は、驚くべきことに、悪天候条件にさらされた後でさえ接着している。1つの実施態様において、本発明は、物体の表面の少なくとも一部がアミド基を含む重合体単位を含む重合体を含み、アミド基を含むポリマー単位を含むポリマーの表面の少なくとも一部がその上にプラズマ化学蒸着露出被覆(plasma enhanced chemical vapor deposition exposed coating)を有し、プラズマ化学蒸着露出被覆が0.1μmを超える厚さを有する、被覆物体である。
【0006】
関連する実施態様において、本発明は、被覆物体を製造する方法であって、該物体の表面の少なくとも一部がアミド基を含む重合体単位を含む重合体を含み、該方法が、
アミド基を含む重合体単位を含む重合体の表面の少なくとも一部をプラズマ化学蒸着被覆法によって被覆し、その上に0.1μmを超える厚さを有するプラズマ化学蒸着被覆を形成する工程を含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、プラズマ化学蒸着露出被覆を有するアミド基を含む重合体単位を含む重合体のシートの断面図である。
【0008】
【図2】図2は、中間層および露出プラズマ化学蒸着被覆(exposed plasma enhanced chemical vapor deposition coating)を有するアミド基を含む重合体単位を含む重合体のシートの断面図である。
【0009】
【図3】図3は、片側にアミド基を含む重合体単位を含まない重合体のシートが積層され、反対側にプラズマ化学蒸着露出被覆を有する、アミド基を含む重合体単位を含む重合体のシートの断面図である。
【0010】
【図4】図4は、アミド基を含む重合体単位を含む重合体のシートと露出プラズマ化学蒸着層の間に配置された第2のプラズマ化学蒸着層を有する以外は図3に示したのと同様な構造の断面図を示す。
【0011】
【図5】図5は、第1および第3の層がアミド基を含む重合体単位を含む重合体から作られた3層重合体構造の両側に、中間層および露出プラズマ化学蒸着被覆を有する多層構造の断面図を示す。
【0012】
【図6】図6は、構造体の両側に、接着重合体層、アミド基を含む重合体単位を含む重合体から作られた層、プラズマ化学蒸着中間層、および露出プラズマ化学蒸着被覆を有する多層ポリカーボネートコア構造体の断面図を示す。
【0013】
【図7】図7は、構造体の両側に、接着重合体層、アミド基を含む重合体単位を含む重合体から作られた層、および露出プラズマ化学蒸着被覆を有する多層ポリカーボネートコア構造体の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、1つの実施態様において、物体の表面の少なくとも一部がアミド基を含む重合体単位を含む重合体を含み、アミド基を含む重合体単位を含む重合体の表面の少なくとも一部がその上にプラズマ化学蒸着被覆を有する、被覆物体である。本発明の被覆物体の被覆は、驚くべきことに、悪天候条件にさらされた後でさえ接着している。
【0015】
本発明において使用される特別のプラズマ化学蒸着技術は重要ではない。使用することができるプラズマ化学蒸着技術の例としては、大気圧を用いる技術とともに、大気圧より低い圧力を用いる技術が挙げられる。プラズマは、たとえば、コロナプラズマ、スパークプラズマ、DCプラズマ、ACプラズマ(RFプラズマを含む。)およびマイクロ波プラズマであることができるが、それらに限定されない。好ましくは、本発明において使用されるプラズマ化学蒸着技術は、大気圧プラズマ化学蒸着である。大気圧プラズマ化学蒸着は、限定するものではないが、たとえば米国特許第6,118,218号明細書、米国特許第6441,553号明細書および米国特許第7,064,405号明細書、ならびに国際公開第2000/45623号、国際公開第2002/23960号、国際公開第2004/019381号、国際公開第2006/049794および国際公開第2006/049865号に記載されているように、当該技術分野においてよく知られている。米国特許仮出願第60/849,157号明細書に詳しく記載された大気圧方形波DCエアギャップ電極系は、本発明において非常に好ましい。
【0016】
用語「アミド基を含む重合体単位」は、[−N−(C=O)−]基を含む重合体単位を意味する。アミド基を含む重合体単位を有する重合体の例としては、限定するものではないが、次の縮合重合体および(ビニル)付加重合体が挙げられる。
【0017】
【化1】

【0018】
ここで、
(1)ポリウレタン、ポリアロファネート
(2)ポリ尿素、ポリビウレット
(3)ポリアミド、ポリアミノ酸
(4)N−アセチル,N−ベンゾイル,ポリエチレンイミン
(5)ポリビニルピロリドンおよび共重合体
(6)ポリアクリルアミドおよび共重合体
(7)ポリイミド
【0019】
アミド基を含む重合体単位を含む重合体は、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイソシアヌレート、ポリアロファネート、ポリビウレット、ポリアミノ酸、N−アセチルポリエチレンイミン、N−ベンゾイルポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびポリイミドを含む重合体、それらの混合物、ならびにそれらからなる共重合体からなる群から選択することができる。重合体は熱可塑性重合体であってもよいし、熱硬化性重合体であってもよいが、熱可塑性タイプが好ましい。ポリウレタンは、本発明において、好ましいアミド基を含む重合体単位を含む重合体であり、そしてそのようなポリウレタンは、エラストマーの、脂肪族の、透明な、または熱可塑性のポリウレタン重合体であってもよい。本発明において硬質エンジニアリング熱可塑性ポリウレタン樹脂の合成に使用することができる脂肪族モノマーの例としては、限定するものではないが、次のものが挙げられる。
【0020】
【化2】

【0021】
上記のジオールおよびジイソシアナートは、シクロヘキサンジメタノールおよびビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンの位置および幾何異性体の特別の例であり、それらから本発明のポリウレタンを作ることができる。本明細書において用語「位置」および「幾何」異性体の意味は、ソロモンズ著、「有機化学」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、1976年、p.231−232に定義されている。
【0022】
ジイソシアナートが本質的に1,3−シス−、1,3−トランス−、1,4−シス−および1,4−トランス−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンの混合物からなり、そしてジオールが本質的に1,3−シス−、1,3−トランス−、1,4−シス−および1,4−トランス−シクロヘキサンジメタノールの混合物からなる場合は、好ましくは、ジイソシアナートおよびジオールの1,3−シス含有量は20〜50質量%の範囲内にあり、ジイソシアナートおよびジオールの1,3トランス含有量は、5〜35質量%の範囲内にあり、ジイソシアナートおよびジオールの1,4−シス含有量は5〜30質量%の範囲内にあり、そしてジイソシアナートおよびジオールの1,4−トランス含有量は15〜50質量%の範囲内にある。最も好ましくは、ジイソシアナートおよびジオールの1,3−シス含有量は約36質量%であり、ジイソシアナートおよびジオールの1,3トランス含有量は約18質量%であり、ジイソシアナートおよびジオールの1,4−シス含有量は約13質量%であり、そしてジイソシアナートおよびジオールの1,4−トランス含有量は約33質量%である。シクロヘキサンジメタノールおよびビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのいくつかの位置および幾何異性体はダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)(ミシガン州ミッドランド)から商業的に入手可能であり、米国特許第6,252,121号明細書および米国特許出願公開第2004/0087754号明細書(引用によってここに完全に組み入れられる。)の教示に従って作ることができる。
【0023】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、本発明で使用される好ましいアミド基を含む重合体単位を含む重合体である。TPUは次の4種類に分類することができる。
(a)芳香族エラストマーTPU(たとえばPELLETHANE(登録商標)TPUエラストマー)、
(b)芳香族硬質TPU(たとえばISOPLAST(登録商標)TPUエンジニアリング樹脂)、
(c)脂肪族エラストマーTPU(たとえばKRYSTALFLEXまたはDESMOPAN TPUエラストマー)、および
(d)脂肪族硬質TPU。
種類(a)および(b)のTPUは、しばしば、UV劣化に対する安定化を必要とする。たとえば、たとえ本発明のプラズマ被覆が65℃の水の中に10日間浸漬した後でさえISOPLAST(登録商標)302 TPUエンジニアリング樹脂への優れた接着性を有しているとしても、安定化していないTPUの著しい黄変は、100時間未満のUV−B曝露で観察される。種類(c)および(d)の脂肪族TPUはより良好な自然UV安定性を有する。
【0024】
ナイロンタイプ重合体のようなポリアミド重合体は、本発明で使用されるもう1つの好ましいアミド基を含む重合体単位を含む重合体である。ナイロン重合体は非晶質であってもよいし半結晶質であってもよい。それらは脂肪族であってもよいし芳香族であってもよい。脂肪族ナイロンは、改善された紫外(UV)線下の安定性のために好ましいが、芳香族ナイロンは、UV劣化に対して適切に安定化されるならば、使用することができる。透明性が必要とされるときは、非晶質ナイロン重合体が好ましい。場合によっては、半結晶質ナイロン重合体は、加工条件、幾何学的形状、添加剤および重合体化学構造等の種々の方法によって透明にすることができる。このポリアミド重合体の説明をまとめると、最も好ましいのはGRILAMID TR90(イーエムエス・グリボリー社(EMS-Grivory))のような脂肪族非晶質ポリアミドである。TROGAMID CX(エボニック社(Evonik))のような脂肪族半結晶質ポリアミド重合体もまた非常に好ましい。この重合体は、半結晶質であるが、可視光を散乱させないほど寸法が小さい結晶子を有するので、透明性は維持される。他の使用可能な例はRISLAN Clear G350(アルケマ社(Arkema))およびCRISTAMID MS 1700(アルケマ社)である。多くの他の使用可能なポリアミドは、一般的なものも珍しいものも、たとえば、エム・アイ・コーハン(M.I. Kohan)編、「ナイロンプラスチック・ハンドブック」(ハンセル出版(Hanser Publishers, c.)、1995年)に見いだすことができる。
【0025】
好ましくは、本発明に使用されるプラズマ化学蒸着システムは、作用気体(working gas)および残余気体(balance gas)を含む気体の混合物をプラズマの中に流入してプラズマ重合し、移動する基体の上に被覆を形成する、大気圧プラズマ化学蒸着である。ここで使用するときは、用語「作用気体」とは、標準状態において気体であってもよいし気体でなくてもよいが、プラズマの中で重合して基体上に被覆を形成することができる反応性物質をいう。ここで使用するときは、用語「残余気体」とは、電極を通して、究極的に基体まで作用気体を運ぶ、反応性または非反応性気体をいう。
【0026】
適切な作用気体(前駆体とも呼ばれる。)の例としては、シラン、シロキサンおよびシラザンのような有機ケイ素化合物であって、容器に入れられたそのような物質の揮発性液体のヘッドスペースから発生させられ、搬送気体(carrier gas)によって運ばれ、そして残余気体と合流させられたものが挙げられる。シランの例としては、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラエトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、フェニルトリエトキシシラン、およびジメトキシジフェニルシランが挙げられる。シロキサンの例としては、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびオルトケイ酸テトラエチルが挙げられる。シラザンの例としては、ヘキサメチルシラザンおよびテトラメチルシラザンが挙げられる。シロキサンは好ましい作用気体であり、テトラメチルジシロキサンが特に好ましい。
【0027】
作用気体は、好ましくは、残余気体と合流される前に、空気または窒素のような搬送気体で希釈される。搬送気体中の作用気体の体積濃度は、作用気体の蒸気圧に関係があり、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、最も好ましくは10%以上であり、そして好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、最も好ましくは20%以下である。酸化気体もまた、しばしば、プラズマ化学蒸着システムの中に流入される。酸化気体のいくつかの例は、空気、酸素および亜酸化窒素である。
【0028】
適切な残余気体の例としては、空気、酸素、窒素、ヘリウムおよびアルゴン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。残余気体の流量はプラズマ重合作用気体を基体まで運ぶのに十分に高い。好ましくは、残余気体の流量は、残余気体がスロットを通過する速度が少なくとも1000フィート/分、より好ましくは少なくとも2000フィート/分、最も好ましくは少なくとも4000フィート/分、そして好ましくは10000フィート/分以下、好ましくは8000フィート/分以下、最も好ましくは6000フィート/分以下であるような流量である。残余気体と作用気体の相対的な流量の制御もまた、基体の上に形成される被覆の品質に寄与する。好ましくは、それらの流量は、残余気体と作用気体の体積比が、少なくとも0.002%、より好ましくは少なくとも0.02%、最も好ましくは少なくとも0.2%、そして好ましくは10%以下、より好ましくは6%以下、最も好ましくは1%以下になるように調節される。気体注入速度、濃度および組成の実際の数値は、当技術分野において十分に理解されているように、当然、基体の上に載せられる被覆の種類に依存する。当然のことながら、本発明の使用は前記の値に限定されない。限定するものではないが、たとえばコロナ放電領域(すなわちコロナ放電が形成される領域)に真空または部分真空を適用することによって本発明の方法を行なうこともできるが、本発明の方法は好ましくはプラズマがいかなる真空または部分真空も受けないように行なわれる、すなわち大気圧または大気圧近くで行なわれる。
【0029】
好ましくは、本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆は、Si、O、CおよびHを含む。好ましくは、本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆は、式Si1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0を有する。最初に、式Si1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0を有する「中間層」で基体をプラズマ被覆することが望ましい場合がある。たとえば国際公開第2006/049865号に記載されているように、そのような中間層は、多くの場合、基体への露出プラズマ化学蒸着被覆の接着性を改善する。
【0030】
本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆は、好ましくは、ASTM試験D3359−02による接着性が4.0以上であり、そしてその接着性は、ASTM試験D4329に従って、65℃の水の中に2日、4日、8日、16日もしくは28日またはそれ以上浸漬した後、そして200時間、400時間、1000時間またはそれ以上、紫外線に曝露した後に、4.0以上である。
【0031】
本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆の厚さは、0.1μm超である。好ましくは、本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆の厚さは0.5μm超である。最も好ましくは、本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆の厚さは約1μm以上である。好ましくは、本発明の露出プラズマ化学蒸着被覆の厚さは8μm以下である。いくつかの実施態様においては、その厚さは4μm以下、より好ましくは2μm以下である。
【0032】
アミド基を含む重合体単位を含む重合体は、コア材を覆うことができる。本発明における非常に好ましいコア材としては、ポリカーボネートシートまたはフィルム、ポリメタクリル酸メチルシートまたはフィルム、およびポリオレフィンシートまたはフィルムが挙げられる。
【0033】
さて、図1を参照すると、そこには、プラズマ化学蒸着露出被覆11をその上に有する重合体12のシートから構成された被覆物体の垂直断面図が示されている。重合体12は、上に詳しく説明したように、TPUまたはポリアミド重合体のような、アミド基を含む重合体単位を含む重合体である。プラズマ化学蒸着被覆11はいかなる種類のものであってもよい。しかし、好ましいプラズマ化学蒸着被覆11はSi、C、OおよびHを含む被覆である。最も好ましいプラズマ化学蒸着被覆11はSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する被覆である。被覆11は、0.1μmを超える厚さを有する。被覆11は、好ましくは、0.5μmを超える厚さを有する。より好ましくは、被覆11の厚さは1〜20μmの範囲である。
【0034】
さて、図2を参照すると、そこには、第1のプラズマ化学蒸着被覆15および第2のプラズマ化学蒸着被覆14をその上に有するアミド基を含む重合体単位を含む重合体16のシートから構成された被覆物体の垂直断面図が示されている。第1のプラズマ化学蒸着被覆15は、所望により、本発明において「中間層」として使用され、好ましくはSi1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0の式を有し、そして0.01〜0.1μmの範囲内の厚さを有する。第2のプラズマ化学蒸着被覆14は、好ましくは図1に関して上記した厚さを有し、Si、C、OおよびHを含み、最も好ましくはSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する「摩耗層」である。プラズマ蒸着層14が被覆される重合体16に十分に接着しないときは、中間層として第1の層15を使用することが好ましい。被覆される基体重合体16がTPUまたはポリアミドの重合体であるときは、中間層としての第1の層15の使用は、通常必要ではない。基体重合体16がTPUまたはポリアミドであるときは、接着性を提供するためのプラズマ中間層15の使用は通常必要ではない。図1に示される構造が良好な接着性を有しない場合は、プラズマ中間層を有する図2に示される構造が使用されるべきである。さらに、図2に示される構造は、プラズマ硬質被覆の良好な接着性が維持されることを保証するために使用されてもよい。
【0035】
さて、図3を参照すると、そこには、TPU重合体19のシート、その片側に積層されたポリカーボネート重合体20のシート、TPU重合体19のシートの反対側にプラズマ化学蒸着露出被覆18から構成された被覆物体17の垂直断面図が示されている。20がポリカーボネートである場合、19はTPUであり、そして18はプラズマ耐摩耗性被覆である。あるTPU重合体は、重合体中間層なしでポリカーボネートによく接着し、そしてプラズマ硬質被覆はプラズマ中間層なしでTPUによく接着する。しかし、実際には、粘度差のために、TPUは、多くの場合、ポリカーボネートと共押出することができない。共押出は、低価格および取り扱いやすさのために、好ましいやり方である。ポリカーボネート上にTPUを適用するために、通常、押出被覆または積層のような異なる方法が好ましい。
【0036】
さて、図4を参照すると、そこには、片側にポリカーボネート重合体のシート25が積層され、反対側に第1のプラズマ化学蒸着被覆23および第2のプラズマ化学蒸着被覆22が被覆された、アミド基を含む重合体のシート24から構成された被覆物体21の垂直断面図が示されている。第1のプラズマ化学蒸着被覆23は、所望により、「中間層」として本発明において使用され、そして好ましくはSi1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0の式および0.01〜0.1μmの範囲内の厚さを有する。第2のプラズマ化学蒸着被覆22は「摩耗層」であり、好ましくは図1に関して上記した厚さを有し、そして好ましくはSi、C、OおよびHを含み、最も好ましくはSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する。プラズマ蒸着層が重合体24に十分に接着しない場合は、第1の層23を中間層として使用することが好ましい。被覆される基体重合体24がTPUまたはポリアミド重合体である場合は、中間層として第1の層23を使用することは、通常、必要ではない。
【0037】
さて、図5を参照すると、そこには、ポリカーボネート重合体のシート30に積層されたアミド基含有重合体の2枚のシート29および31から構成された被覆物体26の垂直断面図が示されている。アミド基含有重合体29および31の各シートの反対側は、第1のプラズマ化学蒸着被覆28および32ならびに第2のプラズマ化学蒸着被覆27および33で被覆されている。第1のプラズマ化学蒸着被覆28および32は、所望により「中間層」として本発明において使用され、好ましくはSi1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0の式および0.01〜0.1μmの範囲内の厚さを有する。第2のプラズマ化学蒸着被覆27および33は「摩耗層」であり、好ましくは図1に関して上記した厚さを有し、そして好ましくはSi、C、OおよびHを含み、最も好ましくはSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する。摩耗層27および33が、被覆される重合体29および31に十分に接着しないとき、中間層として第1の層28および32を使用することが好ましい。被覆される基体重合体29および31がTPUまたはポリアミド重合体である場合は、中間層として第1の層28および32を使用することは、通常、必要ではない。この構造の簡略版は、コアシート30の一方の面にのみ層を適用することによって、すなわち層31、32および33を省くことによって、作ることができる。
【0038】
さて、図6を参照すると、そこには、ポリカーボネート重合体(たとえばCALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社))のシート37の上に共押出された、接着重合体(たとえばPLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社))の2枚のシート35および36から構成された被覆物体34の垂直断面図が示されている。ポリメチルメタクリルイミド接着重合体35および36の各シートの反対側は、ポリアミド重合体、たとえばGRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)38および39で被覆される。ポリメチルメタクリルイミド接着重合体層35および36の目的は、ポリアミド層38および39をポリカーボネート層37に接着させることである。ポリアミド重合体38および39の各シートの反対側は、第1のプラズマ化学蒸着被覆40および41ならびに第2のプラズマ化学蒸着被覆42および43で被覆されている。第1のプラズマ化学蒸着被覆40および41は、所望により「中間層」として本発明において使用され、そして、好ましくは、Si1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0の式および0.01〜0.1μmの範囲内の厚さを有する。第2のプラズマ化学蒸着被覆42および43は「摩耗層」であり、好ましくは図1に関して上記した厚さを有し、そして、好ましくは、Si、C、OおよびHを含み、最も好ましくはSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する。摩耗層42および43が重合体基体38および39に十分に接着しない場合、プラズマ蒸着中間層40および41が使用される。図6は非常に好ましい構造を記載する。この構造の簡略版は、コアシート37の一方の面にのみ層を適用することによって、すなわち層35、39、41および43を省くことによって、作ることができる。
【0039】
さて、図7を参照すると、そこには、ポリカーボネート重合体(たとえばCALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社))のシート47に積層された、ポリメチルメタクリルイミド接着層重合体(たとえばPLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社))の2枚のシート45および46から構成された被覆物体44の垂直断面図が示されている。ポリメチルメタクリルイミド重合体45および46の各シートの反対側は、ポリアミド重合体、たとえばGRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)48および49で被覆されている。ポリメチルメタクリルイミド接着重合体層45および46の目的は、ポリアミド層48および49をポリカーボネート層47に接着させることである。ポリアミド重合体48および49の各シートの反対側は、プラズマ化学蒸着被覆50および51で被覆されており、それらは「摩耗層」であり、好ましくは図1に関して上記した厚さを有し、そして、好ましくは、Si、C、OおよびHを含み、最も好ましくはSi1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の式を有する。この図において、プラズマ接着層は必要とされない。図7は最も好ましい構造を記載する。ポリカーボネート層47の上の層48および49用にポリアミドが使用される場合、一般に、貧弱な接着が得られる。したがって、ポリマー中間層45および46は、好ましくは、ポリアミドとポリカーボネートの間に使用される。ほとんどの場合、プラズマ耐摩耗層50および51はポリアミドに接着し、プラズマ中間層は必要ではない。この構造の簡略版は、コアシート47の一方の面にのみ層を適用することによって、すなわち層45、49および51を省くことによって、作ることができる。
【0040】
本発明の本質は図1によって記載される。図2〜7は変形を記載するが、本発明はこれらの変形に限定されない。たとえば、図1に記載された構造は、アミド基を含む重合体単位を含む重合体12の底の露出面に、プラズマ化学蒸着被覆を適用することによって拡張することができる。同様に、図2において、重合体16の底の露出面に、被覆15および14を適用することができる。同様に、図3において、重合体20の底の露出面に、被覆19および18を適用することができる。そして、最後に、図4において、重合体25の底の露出面に、被覆24、23および22を適用することができる。また、上記の図5、6および7の説明において述べたように、それら構造は、コアシートの一方の面にのみ層を適用することによって簡単にすることができる。
【実施例】
【0041】
プラズマ被覆条件および装置
表1は、米国特許仮出願第60/849,157号明細書(すべて引用によって組み入れられる。)に詳述された装置を使用した本発明の実施例および比較例に使用されたプラズマ被覆条件を列挙し、そこでは、中間層(表1では接着層ともいう。)および露出被覆(表1では耐摩耗層ともいう。)の両方が適用されている。被覆が熱可塑性ウレタン(TPU)に適用される実施例については、中間層は適用されない。
【0042】
【表1】

【0043】
上記の手順は、次式Si1.01.0−5.01.0−5.00.1−10.0の範囲内の式を有する中間層を作る。上記の手順は、次式Si1.01.8−2.40.3−1.00.7−4.0の範囲内の式を有する露出層を作る。
【0044】
比較例1
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)を4″×4″の正方形に裁断し、そしてプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、厚さ50ナノメートルの中間層を作るために、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を前駆体として使用する。その後、前駆体をテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、厚さ1μmの露出層を作る。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4〜5であるが、65℃の水の中に1日浸漬した後は0である。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4〜5であるが、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後は0である。
【0045】
比較例2
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)を4″×4″の正方形に裁断し、そしてプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、50ナノメートルの厚さ中間層を作るために、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を前駆体として使用し、低電力を使用する。その後、前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、そして、電力を増加させ、厚さ4μmの露出層を作る。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は0である。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D4329による24時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後は、ASTM試験D3359−02によれば、0である。
【0046】
比較例3
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)を4″×4″の正方形に裁断し、そしてプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、厚さ1μmの露出層を作る。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は3であるが、65℃の水の中に1日浸漬した後は0である。ポリカーボネートシートへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4〜5であるが、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後は0である。
【0047】
実施例1
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 193熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による800時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0048】
実施例2
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 399熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 399熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 399熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に2日間浸漬後は4である。KRYSTALFLEX 399熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による800時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0049】
実施例3
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 419熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0050】
実施例4
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 419熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ5μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 419熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0051】
実施例5
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 499熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0052】
実施例6
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 499熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ5μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0053】
実施例7
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 500熱可塑性ウレタンの厚さ25ミルのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 500熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 500熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は3であり、65℃の水の中に3日間浸漬した後は3である。KRYSTALFLEX 500熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は3であり、ASTM試験D4329による800時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後は3である。
【0054】
実施例8
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンの8μmの25厚さフィルムを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 193熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 193熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による300時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0055】
実施例9
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンの厚さ8μmのシートを積層し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、KRYSTALFLEX 499熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に5日間浸漬した後もなお4を超えている。KRYSTALFLEX 499熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による300時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0056】
実施例10
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンの厚さ8μmのシートを圧縮成形し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0057】
実施例11
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンの厚さ8μmのシートを圧縮成形し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンの上に厚さ5μmの露出層を作る。TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。TEXIN DP7−3006熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による500時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0058】
実施例12
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、TEXIN 4215熱可塑性ウレタン/ポリカーボネート混合物の厚さ0.125インチのシートを圧縮成形し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、TEXIN 4215熱可塑性樹脂ウレタン/ポリカーボネート混合物の上に厚さ1μmの露出層を作る。TEXIN 4215熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に3日間浸漬した後もなお4を超えている。
【0059】
実施例13
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンの厚さ8μmのシートを圧縮成形し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0060】
実施例14
多目的LEXANポリカーボネートシート(厚さ0.25インチ)の厚さ0.25インチのシートに、DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンの厚さ8μmのシートを圧縮成形し、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンの上に厚さ5μmの露出層を作る。DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。DESMOPAN DP−W−85085A熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による1000時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0061】
実施例15
ISOPLAST 302熱可塑性樹脂ウレタンの厚さ0.25インチの押出シートを、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、ISOPLAST 302熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。ISOPLAST 302熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、65℃の水の中に10日間浸漬した後もなお4を超えている。ISOPLAST 302熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は5であり、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4を超えている。
【0062】
実施例16
ISOPLAST 302熱可塑性樹脂ウレタンの厚さ0.25インチの押出シートを、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、ISOPLAST 302の上に厚さ5μmの露出層を作る。ISOPLAST 302熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は3.5であり、65℃の水の中に5日間浸漬した後もなお3.5である。ISOPLAST 302熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は3.5であり、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお3.5である。
【0063】
実施例17
射出成形されたISOPLAST 2530硬質熱可塑性樹脂ウレタンの厚さ0.25インチの4″×4″の正方形を、プラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、ISOPLAST 2530硬質熱可塑性樹脂ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。ISOPLAST 2530硬質熱可塑性樹脂ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、0である。
【0064】
実施例18
圧縮成形されたPELLETHANE 2102−75A熱可塑性ウレタンの厚さ0.25インチの4″×4″の正方形を、プラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、PELLETHANE 2102−75A熱可塑性ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。PELLETHANE 2102−75A熱可塑性ウレタンへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、2である。
【0065】
実施例19
310cm3のチャンバーおよびローラー回転翼を装備したHaake Rheomix 3000p混合機の中で、硬質エンジニアリング熱可塑性ポリウレタン樹脂を合成する。反応器は170℃に加熱され、回転翼は50rpmに設定される。プラスチック注射器を使用して、チャンバーに、UNOXOLジオール(上記)を加え、続いて、H12MDI(上記)を加える。ジイソシアナートとジオールのモル比は1.04:1.00である。回転翼速度を200rpmに増加し、30秒後にT−9第一錫オクトアート触媒を2滴加え、その後、プランジャーを下げて供給口に蓋をする。トルクが急速に増加し、その後、徐々に低下し、そして一様になる。10分後、回転翼を止め、溶融した熱可塑性ウレタン(TPU)生成物を黄銅スパチュラで取り出し、テフロン(登録商標)シートの上に平らにのばし、その後、デシケーターの中で一晩乾燥する。TPUを4×4×0.25インチの正方形に圧縮成形し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、熱可塑性ウレタンの上に厚さ1μmの露出層を作る。
【0066】
実施例20
GRILAMID TR90 UV脂肪族ポリアミドの厚さ0.125インチの4″×4″正方形を、プラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、前駆体としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)は使用し、GRILAMID TR90 UV脂肪族ポリアミドの上に厚さ50ナノメートルの接着層を作る。その後、前駆体をテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、接着層の上に厚さ1μmの露出層を作る。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後もなお4.5である。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4.5である。
【0067】
実施例21
GRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)を射出成形し(厚さ0.25インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、GRILAMID TR90 UVポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後もなお4.5である。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D4329による100時間の湿潤紫外線曝露(QUV−B)後もなお4.5である。
【0068】
実施例22
GRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)を射出成形し(厚さ0.25インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、GRILAMID TR90 UVポリアミドの上に厚さ5μmの露出層を作る。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5である。
【0069】
実施例23
TROGAMID CX7323ポリアミド(エボニック社)を射出成形し(厚さ0.25インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、TROGAMID CX7323ポリアミドの上に厚さ5μmの露出層を作る。TROGAMID CX7323ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5である。
【0070】
実施例24
CRISTAMID 1700ポリアミド(アルケマ社)を射出成形し(厚さ0.25インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、CRISTAMID 1700ポリアミドの上に厚さ5μmの露出層を作る。CRISTAMID 1700ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に14日間浸漬した後は0に下がる。
【0071】
実施例25
RISLAN CLEAR G350(アルケマ社)を射出成形し(厚さ0.25インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、RISLAN CLEAR G350ポリアミドの上に厚さ5μmの露出層を作る。RISLAN CLEAR G350ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5である。
【0072】
実施例26
ナイロン66ポリアミド(シグマ・オールドリッチ社)を圧縮成形し(厚さ0.125インチ)、その後、4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、ナイロン66ポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。ナイロン66ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は4.5であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお4.5であり、そして65℃の水の中に14日間浸漬した後もなお4.5である。
【0073】
実施例27
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。この上に、GRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 45mm押出機から共押出する。その3層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、GRILAMID TR90 UVポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお少なくとも4.0であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後は4.0である。
【0074】
実施例28
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。この上に、TROGAMID CX7323ポリアミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 45mm押出機から共押出する。その3層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、TROGAMID CX7323ポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。TROGAMID CX7323ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお少なくとも4.0であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後は4.0である。
【0075】
実施例29
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。その2層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。前駆体はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)であり、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であるが、65℃の水の中に7日間浸漬した後は2.0に低下する。
【0076】
実施例30
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。この上に、GRILAMID TR90 UVポリアミド(イーエムエス・グリボリー社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 45mm押出機から共押出する。その3層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、前駆体としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、厚さ50ナノメートルの中間層を作る。その後、前駆体をテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、GRILAMID TR90 UVポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。GRILAMID TR90 UVポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお少なくとも4.0であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後は4.0である。
【0077】
実施例31
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。この上に、TROGAMID CX7323ポリアミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 45mm押出機から共押出する。その3層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、前駆体としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、厚さ50ナノメートルの中間層を作る。その後、前駆体をテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、TROGAMID CX7323ポリアミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。TROGAMID CX7323ポリアミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であり、65℃の水の中に7日間浸漬した後もなお少なくとも4.0であり、そして65℃の水の中に28日間浸漬した後は4.0である。
【0078】
実施例32
CALIBRE(登録商標)302−7ポリカーボネート(ダウ社)シート(0.8mm)を、Reifenhauser 70mm押出機から押出す。この上に、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミド(エボニック社)フィルム(約100μm±50μm)を、Scamia 35mm押出機から共押出する。その2層シートを4″×4″の正方形に裁断し、それをプラズマ被覆電極の下に繰り返し通す。最初に、前駆体としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、厚さ50ナノメートルの中間層を作る。その後、前駆体をテトラメチルジシロキサン(TMDSO)に変え、PLEXIMID 8813ポリメチルメタクリルイミドの上に厚さ1μmの露出層を作る。PLEXEVIID 8813ポリメチルメタクリルイミドへのプラズマ蒸着層の接着性は、ASTM試験D3359−02によれば、最初は少なくとも4.0であるが、65℃の水の中に7日間浸漬した後は1.0に低下する。
【0079】
むすび
本発明をその好ましい実施態様に従って上に記載してきたが、本発明はこの開示の精神および範囲内で変更することができる。したがって、この出願は、ここに開示された一般的な原理を使用して、本発明のいかなる変形、使用または適応をも包含するように意図される。さらに、本出願は、本開示からのそのような逸脱を、本発明が属する技術分野における既知のまたは慣用の実施の範囲内に入るものとして、そして次の特許請求の範囲の範囲内に入るものとして、包含するように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の表面の少なくとも一部がアミド基を含む重合体単位を含む重合体を含み、アミド基を含む重合体単位を含む重合体の表面の少なくとも一部がその上にプラズマ化学蒸着露出被覆を有し、プラズマ化学蒸着露出被覆が0.1μmを超える厚さを有する、被覆物体。
【請求項2】
アミド基を含む重合体単位を含む重合体が、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイソシアヌレート、ポリアロファネート、ポリビウレット、ポリアミノ酸、N−アセチルポリエチレンイミン、N−ベンゾイルポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびポリイミド、それらの混合物ならびにそれらの共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の被覆物体。
【請求項3】
露出被覆がSi、O、CおよびHを含むポリオルガノシロキサン被覆であり、ASTM試験D3359−02によるアミド基を含む重合体単位を含む重合体への露出被覆の接着性が4.0以上であり、そして65℃の水の中に2日間浸漬しかつASTM試験D4329に従って200時間紫外線曝露した後の接着性が4.0以上であることを特徴とする請求項2に記載の被覆物体。
【請求項4】
被覆物体がさらに物体と露出被覆の間にプラズマ化学蒸着中間層被覆を含み、露出被覆および中間層被覆がそれぞれSi、O、CおよびHを含むことを特徴とする請求項2に記載の被覆物体。
【請求項5】
ASTM試験D3359−02によるアミド基を含む重合体単位を含む重合体への被覆の接着性が4.0以上であり、そして65℃の水の中に2日間浸漬しかつASTM試験D4329に従って200時間紫外線曝露した後の接着性が4.0以上であることを特徴とする請求項4に記載の被覆物体。
【請求項6】
ASTM試験D3359−02によるアミド基を含む重合体単位を含む重合体への被覆の接着性が4.0以上であり、そして65℃の水の中に2日間浸漬しかつASTM試験D4329に従って200時間紫外線曝露した後の接着性が4.0以上であることを特徴とする請求項4に記載の被覆物体。
【請求項7】
被覆物体が、アミド基を含む重合体単位を含む少なくとも1つの重合体層をその上に有する重合体のシートを含むことを特徴とする請求項1に記載の被覆物体。
【請求項8】
ASTM試験D3359−02によるアミド基を含む重合体単位を含む重合体への露出被覆の接着性が4.0以上であり、そして65℃の水の中に2日間浸漬しかつASTM試験D4329に従って200時間紫外線曝露した後の接着性が4.0以上であることを特徴とする請求項7に記載の被覆物体。
【請求項9】
被覆物体を製造する方法であって、物体の表面の少なくとも一部がアミド基を含む重合体単位を含む重合体を含み、該方法が、プラズマ化学蒸着被覆方法によってアミド基を含む重合体単位を含む重合体の表面の少なくとも一部を被覆し、その上に0.1μmを超える厚さを有するプラズマ化学蒸着露出被覆を形成する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
プラズマ化学蒸着被覆方法が大気圧プラズマ化学蒸着被覆方法であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アミド基を含む重合体単位を含む重合体が、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイソシアヌレート、ポリアロファネート、ポリビウレット、ポリアミノ酸、N−アセチルポリエチレンイミン、N−ベンゾイルポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびポリイミド、それらの混合物ならびにそれらの共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−527817(P2010−527817A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509487(P2010−509487)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/064059
【国際公開番号】WO2008/144615
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】