説明

複素環化合物

【課題】本発明は気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の疾患の予防・治療に有用なCCR4機能調節剤を提供する。
【解決手段】式


(式中、環Aはピリミジン等を示し、環Bは置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい芳香族複素環または置換されていてもよい脂環式複素環を示し、環Cは置換されていてもよい芳香族炭素環を示し、Xは単結合またはアルキレンを示し、Rは置換されていてもよい複素環式基または複素環式基置換アルコキシ等を示し、Rは水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、カルバモイル、アルコキシカルボニル、ハロゲン等を示し、mは1、2を示す。)
で表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療に有用なCCR4あるいはTARCおよび/またはMDCの機能調節作用を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、炎症細胞の浸潤および活性化を伴う慢性の炎症性疾患である(非特許文献1、非特許文献2)。気管支喘息は、気道の炎症と気道過敏性亢進を伴う可逆的な気道閉塞を呈する疾患であり、症状として喘鳴、息切れ、咳などを認める。組織学的には、気道局所への好酸球、リンパ球および肥満細胞の浸潤、粘膜下の浮腫、好酸球由来の組織障害性顆粒蛋白の沈着、気道上皮損傷など、慢性炎症の所見が観察される。また、アトピー性皮膚炎は、強い掻痒を有し、増悪と寛解を繰り返す湿疹を主病変とする皮膚の慢性炎症性疾患である。その病態は皮膚の乾燥を主体とした角層バリア機能の破壊と、免疫細胞のサイトカイン産生異常の両方が関与しているとされる。したがって、これらの慢性炎症を抑制することはアレルギー性疾患の治療における一つのアプローチと考えられている。
【0003】
近年、このアレルギー性炎症の発症過程にヘルパーT(Th)細胞およびTh細胞が産生するサイトカインが重要な役割を担っていることが明らかにされてきた(非特許文献1、非特許文献3)。Th細胞は、そのサイトカイン産生パターンの違いにより、インターフェロンγ(IFN−γ)やインターロイキン2(IL−2)を産生するTh1細胞とインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)を産生するTh2細胞という2つの亜集団に分類されている(非特許文献4)。IFN−γおよびIL−2は、マクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞を活性化することで感染防御などの細胞性免疫を調節する。一方、IL−4およびIL−5は、それぞれイムノグロブリン(Ig)E産生および好酸球の活性化に関与していることから、アレルギー性炎症の病態においてはTh2細胞が大きな役割を担っていると考えられている(非特許文献1、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。
【0004】
ケモカインは内因性の白血球走化性因子に分類され、白血球の組織集積に重要な役割を果たしている。ケモカインの多くは炎症性刺激などによって炎症局所にて誘導され、白血球に作用して遊走反応を惹起する。現在までに40余りのケモカインが同定され、その構造的な特徴によりCXC、CC、C、CX3Cサブファミリーに分類される。一方、ケモカイン受容体はGタンパク質が共役している7回膜貫通型受容体であり、CXCケモカイン受容体、CCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、Cケモカイン受容体から構成されている。ケモカイン受容体の多くは複数のケモカインが結合し、また多くのケモカインが複数のケモカイン受容体に結合することが知られている。
【0005】
CCケモカイン受容体4(CCR4)遺伝子は、1995年にヒト好塩基球様細胞株KU−812からクローニングされた(非特許文献8)。その後、T細胞を特異的に遊走させるCCケモカインとしてTARC(Thymus and activation-regulated chemokine)/CCL17が、次いで単球、樹状細胞およびNK細胞に対して遊走活性を示すCCケモカインとしてMDC(Macrophage-derived chemokine)/CCL22がそれぞれクローニングされ(非特許文献9、非特許文献10)、これらのケモカインがCCR4のリガンドであることが判明した(非特許文献11、非特許文献12)。CCR4は、胸腺および末梢血リンパ球において強く発現しており(非特許文献8)、さらにリンパ球の中ではTh細胞に比較的限局して発現が認められる(非特許文献11)。CCR4がTh2細胞に選択的に発現しており、TARC/CCL17またはMDC/CCL22の刺激によりTh2細胞の遊走が誘導されることが明らかになるにつれ(非特許文献11〜15)、アレルギー性疾患の発症過程におけるCCR4の役割が注目されるようになった。
【0006】
アレルギー性疾患とCCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17とMDC/CCL22との関係については、(1)CCR4のmRNAを発現したT細胞が慢性気管支喘息患者の気管支粘膜に検出され、その数は抗原曝露後に増加すること(非特許文献16)、(2)アトピー性皮膚炎患者の末梢血T細胞では、CCR4mRNAの発現亢進が認められ、その程度と血中好酸球数、血清中IgE量または皮膚炎の重症度の間には相関関係が認められること(非特許文献17、非特許文献18)、(3)アトピー性皮膚炎患者では、健常人に比べて血清中のTARC/CCL17およびMDC/CCL22濃度上昇が観察されること(非特許文献19、非特許文献20)(4)実験的喘息モデルにおいては、抗TARC抗体または抗MDC抗体を処置することにより気道反応性亢進や気道あるいは肺間質への炎症細胞浸潤が抑制されること(非特許文献21、非特許文献22)等が報告されている。
【0007】
また、CCR4および/またはそのリガンドとアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などとの関係を示すものとして、以下の報告がある。
【0008】
・皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎):非特許文献23〜25
・喘息:非特許文献16、26
・鼻炎:非特許文献27
・結膜炎:非特許文献28
・乾癬:非特許文献29
・関節リウマチ:非特許文献30
・全身性エリテマトーデス:非特許文献31〜33
・インスリン依存型糖尿病(IDDM):非特許文献34
・臓器移植時の拒絶反応:非特許文献35
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病):非特許文献36
・糸球体腎炎:非特許文献37
・敗血症:非特許文献38
・疼痛:非特許文献39
・成人T細胞白血病(ATL):非特許文献40
・肺線維症:非特許文献41、42
・好酸球性肺炎:非特許文献43
・肺好酸球性肉芽種:非特許文献44
・皮膚T細胞リンパ腫:非特許文献20、45
・強直性脊椎炎:非特許文献46
・冠動脈疾患:非特許文献47
・類天疱瘡:非特許文献48
・ホジキン病:非特許文献49
【0009】
これらの報告は、CCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17およびMDC/CCL22の異常発現がアレルギー性疾患をはじめとする種々の病態の発症に大きく関与していることを示唆するとともに、CCR4およびそのリガンドの機能を制御することにより、これらの病態を治癒または改善しうる可能性を示唆している。
【0010】
現在臨床で使用されている気管支喘息の治療薬としては、β2刺激薬、キサンチン、ステロイド剤、抗アレルギー薬(特にロイコトリエン拮抗薬)などがある。このうち、吸入ステロイド剤が喘息治療の第一選択薬として位置付けられ、現在治療に幅広く使用されている。しかしながら、ステロイド剤は長期投与による副作用の問題が懸念され続けており、高い服薬遵守が維持できていないのが現状である。
【0011】
また、アトピー性皮膚炎の治療には、炎症を抑制する目的でステロイド剤以外に免疫抑制作用をもつタクロリムスが外用剤として使用されている。ステロイド外用剤は皮膚科疾患においても多毛や皮膚萎縮など副作用の問題がある。一方、タクロリムス外用剤は、ステロイド剤のような副作用は認められていないが、皮膚刺激感の発現や皮膚癌発症との関連性が指摘されている。
【0012】
したがって、ステロイド剤と同等の強い治療効果を有し、新規作用機序に基づく副作用の少ないアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療薬の開発が切望されている。また、CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物は、ステロイドや免疫抑制薬と異なり、Th2細胞の炎症局所への浸潤および活性化を選択的に抑制することから、副作用が少なくかつ経口投与可能な薬剤になる可能性が期待できる。
【0013】
CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物として、5−シアノピリミジン誘導体(特許文献1)、二環性ピリミジン誘導体(特許文献2)、5−アリールピリミジン誘導体(特許文献3)、二環性化合物(特許文献4)、三環性化合物(特許文献5、6)、縮合二環性ピリミジン誘導体(特許文献7)、置換ピリミジン誘導体(特許文献8)、スルホンアミド化合物(特許文献9〜15)などが知られている。
【特許文献1】WO03/082855
【特許文献2】WO03/104230
【特許文献3】WO2004/074260
【特許文献4】WO2004/020584
【特許文献5】WO2004/007472
【特許文献6】WO2005/023771
【特許文献7】WO2005/082865
【特許文献8】WO2005/085212
【特許文献9】WO2005/021513
【特許文献10】WO2004/108692
【特許文献11】WO2004/108717
【特許文献12】WO2004/108690
【特許文献13】WO03/059893
【特許文献14】WO03/051870
【特許文献15】WO02/30358
【0014】
【非特許文献1】Immunol. Today, 13, 501 (1992)
【非特許文献2】Allergy Clin. Immunol., 94, 1310 (1994)
【非特許文献3】Am. Rev. Respir. Dis., 147, 540 (1993)
【非特許文献4】J. Immunol., 1986, 136, 2348-57
【非特許文献5】Immunol. Today, 12, 256 (1991)
【非特許文献6】N. Eng. J. Med., 326, 298 (1992)
【非特許文献7】Trends. Pharmacol. Sci., 15, 324 (1994)
【非特許文献8】J. Biol. Chem., 270, 19495 (1995)
【非特許文献9】J. Biol. Chem., 271, 21514 (1996)
【非特許文献10】J. Exp. Med., 185, 1595 (1997)
【非特許文献11】J. Biol. Chem., 272, 15036 (1997)
【非特許文献12】J. Biol. Chem., 273, 1764 (1998)
【非特許文献13】J. Exp. Med., 187, 129 (1998)
【非特許文献14】J. Exp. Med., 187, 875 (1998)
【非特許文献15】Int. Immunol., 11, 81 (1999)
【非特許文献16】J. Clin. Invest., 107, 1357 (2001)
【非特許文献17】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 353 (2001)
【非特許文献18】J. Invest. Dermatol., 117, 188 (2001)
【非特許文献19】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 535 (2001)
【非特許文献20】Eur. J. Immunol., 30, 204 (2000)
【非特許文献21】J. Immunol., 163, 403 (1999)
【非特許文献22】J. Immunol., 166, 2055 (2001)
【非特許文献23】The Journal of Clinical Investigation, 107, 535, 2001
【非特許文献24】Journal of Investigative Dermatology, 115, 640, 2000
【非特許文献25】Journal of Investigative Dermatology, 186, 1052, 2002
【非特許文献26】Allergy, 57, 2, 173, 2002
【非特許文献27】European Journal of Immunology, 32, 7 , 1933, 2002
【非特許文献28】Br J Ophthalmol, 86, 10, 1175, 2002
【非特許文献29】Laboratory Investigation, 81, 335, 2001
【非特許文献30】Arthritis & Rheumatism, 44, 2750, 2001
【0015】
【非特許文献31】Journal of Investigative Dermatology, 124, 1241, 2005
【非特許文献32】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献33】Arthritis & Rheumatism, 46, 735, 2002
【非特許文献34】The Journal of Clinical Investigation, 110, 1675, 2002
【非特許文献35】European Journal of Immunology, 35, 128, 2005
【非特許文献36】Clinical & Experimental Immunology, 132, 332, 2003
【非特許文献37】American Journal of Pathology, 162, 1061, 2003
【非特許文献38】The Journal of Experimental Medicine, 191, 1755, 2000
【非特許文献39】The Journal of Neuroscience, 21, 5027, 2001
【非特許文献40】Cancer Res. 2005 Mar 15, 11(6), 2427-35
【非特許文献41】American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 173, pp. 310-317(2006)
【非特許文献42】The Journal of Immunology, 173, 4692, 2004
【非特許文献43】Clinical Immunology, 116, 83, 2005
【非特許文献44】American Journal of Pathology, 165, 1211, 2004
【非特許文献45】British Journal of Dermatology, 152, 746, 2005
【非特許文献46】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献47】Journal of the American College of Cardiology, 41, 1460, 2003
【非特許文献48】British Journal of Dermatology, 148, 203, 2003
【非特許文献49】International Journal of Cancer, 98, 567, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、副作用が少ない優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有し、アレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などの予防または治療に有用な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために本発明者等は鋭意研究の結果、下式により表される化合物が優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0018】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.式(I)

【0019】
〔式中、環Aは、下式(A)、(B)または(C)のいずれかの式で表される基を示す。

【0020】
(式中、RおよびRはそれぞれ水素、ハロゲンまたはアルキルを示し、nは1または2を示し、ZおよびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示し、G、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示し、Wは酸素原子またはN(R)を示し、式

【0021】
は下式

【0022】
(式中、Rは水素またはアルキルを示す。)
を示し、Rは水素、アルカノイルまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。)
環Bは置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい芳香族複素環または置換されていてもよい脂環式複素環を示す。
【0023】
環Cは置換されていてもよい芳香族炭素環を示す。
【0024】
Xは単結合またはアルキレンを示す。
【0025】
は置換されていてもよい複素環式基または式−Y−Alk−Rを示す。
(式中、Yは単結合、酸素原子、S(O)pまたはN(R)を示し、Alkはアルキレンを示し、Rは置換されていてもよい複素環式基を示し、pは0、1または2を示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。)
は同一または異なって水素、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、置換されていてもよいカルバモイル、アルコキシカルボニル、ハロゲン、カルボキシまたは置換されていてもよいアミノを示す。
【0026】
mは1または2を示す。
【0027】
ただし、環Aが式(B)の場合、環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい芳香族複素環を示す。〕
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0028】
2.環Bがハロゲン、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいカルバモイルおよび置換されていてもよいアミノから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい炭素環または芳香族複素環である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0029】
3.環Bがハロゲン、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、カルボキシおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい炭素環または芳香族複素環である前記1または2に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0030】
4.環Bが式

【0031】
(環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示し、Rは水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。)
で表される環である前記1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0032】
5.環Bがアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシ、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノおよびオキソから選ばれる1または2個の基により置換されていてもよい脂環式複素環である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0033】
6.環Cがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、水酸基、アルコキシ、シアノ、アルキルスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルおよびニトロから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい芳香族炭素環である前記1〜5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0034】
7.環Cがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい芳香族炭素環である前記1〜6のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0035】
8.Rが置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよい複素環式基から選ばれる1〜2個の基により置換されていてもよい複素環式基である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0036】
9.Rにおける複素環式基が、4〜7員の含窒素複素環式基である請求項8に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0037】
10.Rにおける複素環式基が、式

【0038】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0039】
は水素またはアルキルを示す。)
である前記8または9に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0040】
11.Rが式−Y−Alk−Rであり、Yが単結合または酸素原子であり、AlkがC1〜C5の直鎖または分枝鎖状のアルキレンであり、Rがオキソ、アルカノイル、アルキルスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい複素環式基である前記1〜7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0041】
12.Rにおける複素環式基が、4〜7員の含窒素複素環式基である前記11に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0042】
13.Rにおける複素環式基が、式

【0043】
(式中、環Dは(1)1〜2個のオキソで置換されていてもよいピロリジン、(2)ハロゲンおよびオキソから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル、アルキルスルホニルおよびアルカノイルから選ばれる基で置換されていてもよいピペラジン、(4)オキソで置換されていてもよいモルホリン、(5)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチオモルホリンを示す。)
である前記11または12に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0044】
14.環Aが式(A)であり、RおよびRが水素であり、Rが水素、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいカルバモイルであり、mが1または2である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0045】
15.環Aが式(B)であり、WがN(R)であり、Rが水素、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲンおよび置換されていてもよいカルバモイルであり、mが1または2である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0046】
16.環Aが式(C)であり、WがN(R)であり、Rが水素またはアルキルであり、mが1である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0047】
また、本発明の別の好ましい態様は、以下の通りである。
17.式

【0048】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0049】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0050】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0051】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0052】
は水素またはアルキルを示す。
【0053】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0054】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0055】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0056】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0057】
18.式

【0058】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0059】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0060】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0061】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0062】
は水素またはアルキルを示す。
【0063】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0064】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0065】
2aはハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノまたはアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイルを示す。
【0066】
、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0067】
19.GおよびGがNであり、GがCHである前記18に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0068】
20.式

【0069】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0070】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0071】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。

【0072】
は下式を示す。

【0073】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0074】
は水素またはアルキルを示す。
【0075】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0076】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0077】
、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0078】
21.式

【0079】
(式中、環Dは(1)1〜2個のオキソで置換されていてもよいピロリジン、(2)ハロゲンおよびオキソから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル、アルキルスルホニルおよびアルカノイルから選ばれる基で置換されていてもよいピペラジン、(4)オキソで置換されていてもよいモルホリン、(5)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチオモルホリンを示す。
【0080】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0081】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0082】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0083】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0084】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0085】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0086】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0087】
22.式

【0088】
(式中、環Dは(1)1〜2個のオキソで置換されていてもよいピロリジン、(2)ハロゲンおよびオキソから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル、アルキルスルホニルおよびアルカノイルから選ばれる基で置換されていてもよいピペラジン、(4)オキソで置換されていてもよいモルホリン、(5)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチオモルホリンを示す。
【0089】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0090】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0091】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0092】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0093】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0094】
2aはハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノまたはアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイルを示す。
【0095】
、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0096】
23.GおよびGがNであり、GがCHである前記22に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0097】
24.式

【0098】
(式中、環Dは(1)1〜2個のオキソで置換されていてもよいピロリジン、(2)ハロゲンおよびオキソから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル、アルキルスルホニルおよびアルカノイルから選ばれる基で置換されていてもよいピペラジン、(4)オキソで置換されていてもよいモルホリン、(5)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチオモルホリンを示す。
【0099】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0100】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。

【0101】
は下式を示す。

【0102】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0103】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0104】
Xは単結合またはメチレンを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0105】
25.式

【0106】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0107】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0108】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0109】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0110】
は水素またはアルキルを示す。
【0111】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0112】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0113】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0114】
3bはヒドロキシで置換された直鎖または分枝鎖状のC2〜C4アルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0115】
26.式

【0116】
(式中、Rは(1)アルキルスルホニル、シアノ、およびアルキルもしくはアルカノイルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C3アルキル、または(2)下式から選ばれる基を示す。

【0117】
(式中、Rは水素、アルキル、アルカノイルまたはアルキルスルホニルを示す。)
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0118】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0119】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0120】
は水素またはアルキルを示す。
【0121】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0122】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0123】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0124】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0125】
27.式

【0126】
(式中、Rは下式から選ばれる基を示す。

【0127】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0128】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0129】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0130】
は水素またはアルキルを示す。
【0131】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0132】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0133】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0134】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0135】
28.式

【0136】
(式中、Rは下式から選ばれる基を示す。

【0137】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0138】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0139】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0140】
は水素またはアルキルを示す。
【0141】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0142】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0143】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0144】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0145】
29.式

【0146】
(式中、Rは下式から選ばれる基を示す。

【0147】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0148】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0149】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0150】
は水素またはアルキルを示す。
【0151】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0152】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0153】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0154】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0155】
30.式

【0156】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0157】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0158】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0159】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0160】
は水素またはアルキルを示す。
【0161】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0162】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0163】
およびRは、それぞれ水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0164】
およびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示す。
【0165】
3aは水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0166】
31.式

【0167】
(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノまたはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
【0168】
pおよびqは、それぞれ1〜3を示す。
【0169】
環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示す。
【0170】
は同一又は異なって水素、ハロゲンまたはシアノを示す。
【0171】
は水素またはアルキルを示す。
【0172】
は水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0173】
は水酸基またはアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノを示す。
【0174】
Xは単結合またはメチレンを示す。
【0175】
2bは水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。
【0176】
、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0177】
32.GおよびGがNであり、GがCHである前記31に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0178】
33.前記1〜32のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
34.前記1〜32のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節剤、あるいはそれを患者に投与することによる該機能調節方法。
35.前記1〜32のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するアレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患もしくは癌疾患の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
36.前記1〜32のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有する喘息もしくは皮膚炎の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
【0179】
以下、本明細書における各記号で表される基について説明する。なお、本明細書において使用される略号は、それぞれ以下の意味を表す。
【0180】
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:ジメチルアセトアミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
Ac:アセチル
Me:メチル
Et:エチル
Pr:n−プロピル
iPr:イソプロピル
t−Bu:t−ブチル
Boc:t−ブトキシカルボニル
Bn:ベンジル
Ph:フェニル
Cy:シクロヘキシル
【0181】
「炭素環」としては、例えば、3〜14員の単環式、二環式または三環式不飽和炭素環またはその全部または一部が飽和された炭素環があげられる。具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどがあげられる。このうち、好ましくは3〜8員の炭素環があげられ、より好ましくは芳香族炭素環があげられ、特にベンゼンが好ましい。
【0182】
「芳香族炭素環」としては、例えば、6〜14員の単環式、二環式または三環式の芳香族炭素環などがあげられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどがあげられ、特にベンゼンが好ましい。
【0183】
「芳香族複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する、ベンゼン環と縮合していてもよい5または6員の単環式芳香族複素環などがあげられ、具体的には、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどがあげられる。好ましくは5または6員の芳香族複素環があげられ、特に、ピリジン、ピリミジンが好ましい。
【0184】
「脂環式複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環などがあげられ、具体的には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサジンなどがあげられる。好ましくは、窒素原子で環Aに結合する含窒素脂環式複素環があげられ、特に好ましくは窒素原子で環Aに結合するピペリジン、ピペラジンが挙げられる。
【0185】
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C8シクロアルキル、好ましくはC3〜C6シクロアルキルなどがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがあげられる。
【0186】
「アルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキルなどがあげられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
【0187】
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルコキシなどがあげられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどがあげられる。
【0188】
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
【0189】
「ハロアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキルに1〜6個のハロゲンが置換したものなどがあげられ、具体的には、フルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどがあげられる。
【0190】
「アルコキシカルボニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7、好ましくはC2〜C5のアルコキシカルボニルなどがあげられ、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどがあげられる。
【0191】
「アルカノイル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルカノイルなどがあげられ、具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどがあげられる。
【0192】
「アルキルスルホニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキルスルホニルなどがあげられ、具体的には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどがあげられる。
【0193】
「複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環式基、およびその全部または一部が飽和されている複素環式基などがあげられる。
【0194】
当該不飽和複素環式基およびその全部または一部が飽和されている複素環式基の具体例としては、例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、フリル、ピラニル、オキセピニル、チエニル、チアピラニル、チエピニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゾリル、チアジニル、チアジアジニル、チアゼピニル、チアジアゼピニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロアゼピニル、テトラヒドロアゼピニル、ジヒドロジアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチアピラニル、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペリジルなどがあげられる。このうち、5〜7員の単環式複素環式基が好ましい。
【0195】
における「複素環式基」の好ましい例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジル等の5または6員の含窒素複素環式基があげられ、特に好ましくは、ピペラジニル、ピペリジル等の6員の含窒素複素環式基があげられる。また、環Bに結合する位置を1位とした時に、4位に相当する位置に窒素原子を有する含窒素複素環式基が好ましい。
【0196】
における「複素環式基」の好ましい例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジル等の5または6員の含窒素複素環式基があげられ、特に好ましくは、ピペラジニル、ピペリジル等の6員の含窒素複素環式基があげられる。また、本複素環式基は窒素原子でAlkに結合するものが好ましい。
【0197】
「アルキレン」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C8アルキレンなどがあげられ、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどがあげられる。
【0198】
Xにおける「アルキレン」としては、直鎖または分枝鎖状のC1〜C2アルキレンが好ましく、特にメチレンが好ましい。
【0199】
Alkにおける「アルキレン」としては、直鎖または分枝鎖状のC1〜C5アルキレンが好ましく、特に直鎖または分枝鎖状のC1〜C3アルキレンが好ましい。
【0200】
における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、水酸基、複素環式基、カルボキシ、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいフェニルなどがあげられる。
【0201】
ここで、置換されていてもよいカルバモイルの置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルスルホニルおよびベンゼンから選ばれる基で置換されていてもよい同一または異なる1〜2個のアルキルがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0202】
置換されていてもよいフェニルの置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、水酸基、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、アルキルスルホニルなどがあげられ、これら置換基は1〜3個有していてもよく、置換基が2以上の場合には、同一または異なっていてもよい。
【0203】
ここで、置換されていてもよいカルバモイルの置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルスルホニルおよびベンゼンから選ばれる基で置換されていてもよい同一または異なる1〜2個のアルキルがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0204】
における置換されていてもよいアルキルの好ましい置換基としては、水酸基、ピリジル、ジアルキルカルバモイルがあげられる。
【0205】
環Bにおける「置換されていてもよい炭素環」および「置換されていてもよい芳香族複素環」の置換基としては、それぞれ、例えば、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノなどがあげられ、これら置換基は1〜3個有していてもよく、置換基が2以上の場合には、同一または異なっていてもよい。
【0206】
ここで、「置換されていてもよいアルキル」および「置換されていてもよいアルコキシ」の置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルなどがあげられ、これら置換基は1〜3個有していてもよく、置換基が2以上の場合には、同一または異なっていてもよい。
【0207】
「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルスルホニルおよびベンゼンから選ばれる基で置換されていてもよい同一または異なる1〜2個のアルキルがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0208】
「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、置換されていてもよいアルカノイル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、カルボキシ、置換されていてもよいカルバモイル、シクロアルキルカルボニル、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。
【0209】
「置換されていてもよいアルカノイル」および「置換されていてもよいアルコキシカルボニル」の置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
【0210】
「置換されていてもよいアリールスルホニル」の置換基としては、例えば、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシなどがあげられ、これら置換基は1〜3個有していてもよく、置換基が2以上の場合には、同一または異なっていてもよい。
【0211】
「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、同一または異なる1〜2個のアルキルなどがあげられる。
【0212】
環Bにおける「置換されていてもよい炭素環」および「置換されていてもよい芳香族複素環」の好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルがあげられる。
【0213】
環Bにおける「置換されていてもよい脂環式複素環」の置換基としては、例えば、水素、アルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、オキソなどがあげられ、これら置換基は1または2個有していてもよく、置換基が2個の場合には同一または異なっていてもよい。
【0214】
ここで、「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、同一または異なる1〜2個のアルキルなどがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0215】
「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、アルカノイルなどがあげられ、これら置換基は1または2個有していてもよく、置換基が2個の場合には同一または異なっていてもよい。
【0216】
環Cにおける「置換されていてもよい芳香族炭素環」の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、水酸基、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、ニトロ、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノなどがあげられ、これら置換基は1〜3個有していてもよく、置換基が2個以上の場合には同一または異なっていてもよい。好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、置換されていてもよいカルバモイルがあげられ、特に好ましくはクロロ、フルオロ等のハロゲン、シアノがあげられる。
【0217】
ここで、「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルスルホニルおよびベンゼンから選ばれる基で置換されていてもよい同一または異なる1〜2個のアルキルがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0218】
「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、アルカノイルなどがあげられ、これら置換基は1または2個有していてもよく、置換基が2個の場合には同一または異なっていてもよい。
【0219】
環Cにおける「置換されていてもよい芳香族炭素環」の好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルがあげられる。
【0220】
における「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよい複素環式基があげられる。
【0221】
当該「置換されていてもよいアルキル」のアルキルとしては、C2〜C3アルキルが好ましい例としてあげられる。当該「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル、N−複素環式基置換カルバモイル、N−ハロアルキルカルバモイル、アミノスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニルアミノ、ジアルキルアミノスルホニルアミノ、ジアルキルアミノスルホニル、複素環式基置換カルボニル、アリールカルボニルアミノ、置換されていてもよい複素環式基置換アミノ、複素環式基、複素環式基置換カルボニルアミノ、ヒドロキシアルカノイルアミノ、アルコキシアルカノイルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、N−アルキルウレイド、N,N−ジアルキルウレイドなどがあげられる。特に好ましくは、アルカノイルアミノ、ヒドロキシアルカノイルアミノ、アルコキシアルカノイルアミノ、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル、N−複素環式基置換カルバモイル、N−ハロアルキルカルバモイル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニルアミノ、ジアルキルアミノスルホニルアミノが挙げられる。
【0222】
当該「置換されていてもよい複素環式基」の複素環式基としては、例えば、4〜7員の含窒素複素環式基があげられ、好ましくはアゼチジン、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジル等の4〜6員の含窒素複素環式基があげられる。当該「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、例えば、アルコキシカルボニル、アルカノイル、アルキルスルホニルなどがあげられる。
【0223】
における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、複素環式基などがあげられる。
【0224】
における「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、アルキル、フェニルなどがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。
【0225】
における「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、置換されていてもよいアルカノイル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよいアルカノイルおよび置換されていてもよいアルコキシカルボニルの置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
【0226】
における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノなどがあげられる。
【0227】
ここで、「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、同一または異なる1または2個のアルキルなどがあげられる。「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、同一または異なる1または2個のアルキルなどがあげられる。
【0228】
における「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、例えば、オキソ、アルカノイル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノなどがあげられる。
【0229】
ここで、「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルアミノおよびベンゼンから選ばれる基で置換されていてもよい同一または異なる1〜2個のアルキルがあげられ、さらに、当該2個のアルキルが隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよい。そのような複素環としては、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられ、オキソなどの置換基を1〜3個有していてもよい。
【0230】
「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、置換されていてもよいアルカノイル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよいアルカノイルおよび置換されていてもよいアルコキシカルボニルの置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
【0231】
本発明化合物の製薬上許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシ等の酸性基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩等の有機塩基塩、リジン塩等のアミノ酸塩等)も挙げられる。
【0232】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩には、その分子内塩、その水和物等の溶媒和物のいずれもが含まれる。
【0233】
本発明化合物(I)には不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。さらに、本発明化合物(I)にシクロアルカンジイルを有する場合は、シス体、トランス体が存在うるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。
【0234】
本発明の化合物(1)は、以下の方法により製造することができる。
環Bが置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい芳香族複素環である本発明化合物(1)は、以下の方法1〜8により製造することができる。
方法1:

【0235】
(式中、P1はハロゲンまたはフッ素で置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシなどの脱離基を示し、P2は−B(OH)2、−B(ORA)(ORB)または−Sn(RC3を示し、RAおよびRBはそれぞれアルキルを示すか、またはRAおよびRBが結合して直鎖または分枝鎖状のアルキレンを示し、RCはアルキルを示し、環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環又は置換されていてもよい芳香族複素環を示し、他の記号は前記と同義である。)
【0236】
化合物(2)を化合物(3)と溶媒(DME、THF、1,4−ジオキサン、DMF、DMA、トルエン、ベンゼン、水またはこれらの混合物など)中、パラジウム触媒〔テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、パラジウム(II)アセテート等の0価または2価のパラジウム触媒〕の存在下で反応させることにより化合物(1−A)が得られる。
【0237】
2が−B(OH)2または−B(ORA2である化合物(3)を用いる場合は、塩基を加えるのが好ましい。塩基としては、例えば炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、リン酸アルカリ金属、フッ化アルカリ金属等の無機塩基や、トリエチルアミン等の有機塩基などを用いることができる。
【0238】
本反応の反応温度は、通常室温から150℃であり、反応時間は、通常1時間〜3日間である。
【0239】
方法2:Rが2個の窒素原子を有する含窒素複素環式基であり、かつ、置換基として置換されていてもよいアルキルを有する化合物(1)は、以下の方法によっても調製される。

【0240】
(式中、環Eは4〜7員の含窒素複素環式基を示し、Qはアミノ基の保護基を示し、R10は置換されていてもよいアルキルを示し、R11はR10より炭素数が1つ少ない置換されていてもよいアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(2)と化合物(4)との反応は、方法1と同様に実施することができる。
【0241】
化合物(1−B)を常法により脱保護した後、化合物(5−A)と溶媒(THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−C)が得られる。
【0242】
また、化合物(1−B)を常法により脱保護した後、化合物(5−B)と還元的アミノ化反応に付すことにより、対応する化合物(1−C)を得ることもできる。還元的アミノ化反応は、溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、水またはそれらの混合溶媒等)中、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなど)の存在下、−10℃から溶媒の還流温度で、30分から24時間、化合物(5−B)と反応させることにより実施することができる。
【0243】
なお、上記還元剤に代えて、本反応は金属触媒(パラジウム−炭素、白金−炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)存在下で水素を用いた接触還元反応により行うことができ、反応を円滑に進行させるため、酢酸等の有機酸あるいは塩酸等の鉱酸を添加してもよい。
【0244】
方法3:Rが−O−Alk−Rであり、かつ、Rが置換されていてもよい複素環式基である化合物(1)は、以下の方法によっても調製される。

【0245】
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(6)と化合物(7)とを溶媒(DMF、THF、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、トルエンなど)中、−20℃から溶媒の還流温度で、1時間〜2日間、アゾジカルボン酸エステル(例えば、アゾジカルボン酸ジエチルなど)またはアソジカルボン酸アミド(例えば、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンなど)およびホスフィン(トリフェニルホスフィン、トリアルキルホスフィンなど)を用いて光延反応を行うことにより、化合物(1−D)が得られる。
【0246】
方法4:Rが−Y−Alk−Rであり、かつ、Rが置換されていてもよい含窒素複素環式基である化合物(1)は、以下の方法によっても調製される。

【0247】
(式中、環Dは置換されていてもよい含窒素複素環式基を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(8)と化合物(9)を溶媒(THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−E)が得られる。
【0248】
方法5:Rが置換されていてもよい含窒素複素環式基または−Y−Alk−R(Rが含窒素複素環式基)である化合物は、以下の方法により調製される。

【0249】
(式中、Vは1〜3個のオキソで置換されていてもよく、1〜3個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が介在していてもよいC2〜C6アルキレンを示し、環Dは置換されていてもよいピロリジン、置換されていてもよいピペリジン、置換されていてもよいピペラジン、置換されていてもよいモルホリン、置換されていてもよいチオモルホリン、置換されていてもよいイミダゾリジン、置換されていてもよいチアゾリジン、置換されていてもよいイソチアゾリジンなどの5〜7員の飽和含窒素複素環式基を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(10)または化合物(11)を溶媒(DMF、DMSO、N,N−ジメチルアセトアミド等)中、塩基(水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド等)の存在下で、0〜100℃、1〜48時間で反応させることにより、化合物(1−E)または化合物(1−F)を製造することができる。
【0250】
方法6:環Aが式(B)または(C)である化合物(1)は、以下の方法により、調製される。

【0251】
(式中、Halはハロゲンを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(12)または化合物(13)を化合物(14)と溶媒(THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコール、塩化メチレン、クロロホルムなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−G)または化合物(1−H)が得られる。
【0252】
環Bが置換されていてもよい脂環式複素環であり、環Aが式(A)または式(C)である本発明の化合物(1)は、以下の方法6または7により製造することができる。
方法7:

【0253】
(式中、環Aは式(A)または式(C)を示し、LvはハロゲンまたはCHS(O)(式中、pは0、1または2を示す。)を示し、環Bは置換されていてもよい脂環式複素環(WはCHまたはNを示す。)を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(15)と化合物(16)とを溶媒(THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−I)が得られる。
【0254】
方法8:化合物(1−I)において、WがNであり、かつ、Rが置換されていてもよいアルキルである化合物(1)は、以下の方法でも調製される。

【0255】
(式中、環R1aは置換されていてもよいアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(17)と化合物(18)とを溶媒(THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−J)が得られる。
【0256】
化合物(2)は、以下の方法9または10により調製される。
方法9:環Aが式(A)であり、Rが水素であり、Pがハロゲンである化合物(2)は、以下の方法により調製される。

【0257】
(式中、Rはアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(19)と化合物(20)とを溶媒(THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMF、DMSOなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウムなど)の存在下、0℃から溶媒の還流温度で、1〜24時間反応させることにより、化合物(21)が得られる。
【0258】
化合物(21)と化合物(22)とを溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、THF、DMF、DMSOなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、−78℃〜室温で、1〜24時間反応させることにより、化合物(23)が得られる。
【0259】
化合物(23)を溶媒(THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルムなど)中、室温から溶媒の還流温度で、還元剤(例えば、金属(鉄、亜鉛、スズ、塩化スズ(II)、チタン、三塩化チタン等)など)または水素雰囲気下、触媒(パラジウム、白金、ラネーニッケルなど)を用いた接触還元にて1〜12時間処理することにより、化合物(2−A)が得られる。
【0260】
なお、nが2である化合物(2−A)は、化合物(20)に代えて、アクリル酸アルキルエステル(例えば、アクリル酸エチルなど)を用いて上記と同様に反応させることにより、調製することもできる。
【0261】
方法10:環Aが式(B)または式(C)であり、Pがハロゲンである化合物(2)は、以下の方法により調製される。

【0262】
(式中、各記号は前記と同義である。)
本反応は、方法5と同様に実施することができる。
【0263】
方法11:環Aが式(B)であり、Rがアルコキシカルボニルである化合物(24)は、以下の方法により調製される。

【0264】
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(26)を溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、水またはその混合物など)中、酸(塩酸、硫酸など)の存在下で、化合物(27)と室温から100℃で、1時間〜5日間反応させることにより、化合物(28)が得られる。
【0265】
化合物(28)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、水またはその混合物など)中、アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)の存在下で、室温から100℃で、1〜24時間反応させることにより、化合物(29)が得られる。
【0266】
なお、化合物(26)と化合物(27)との反応において、溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、水またはその混合物など)中、塩基(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下で、室温から100℃で、1〜24時間反応させることにより、化合物(28)を単離することなく化合物(29)を得ることもできる。
【0267】
化合物(29)を、溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、DMFなど)中または無溶媒で、必要に応じて塩基(ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアミン、コリジン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜12時間ハロゲン化剤(オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、五塩化リンなど)と反応させることにより、化合物(24−A)が得られる。
【0268】
方法12:環Bが置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい芳香族複素環であり、mが1であり、かつ、Rがシアノである化合物(12)は、以下の方法により調製される。

【0269】
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(30)と塩酸ヒドロキシルアミンとを溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、好ましくは溶媒の還流温度で、1時間から3日間反応させることにより、化合物(31)が得られる。
【0270】
化合物(31)を水素雰囲気下、触媒(パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、ロジウム、ルテニウム等)を用いて、−20〜150℃で、1〜48時間接触還元を行うことにより、化合物(32)が得られる。なお、水素源はギ酸、ギ酸アンモニウム、1,4−シクロヘキサジエン等であってもよい。
【0271】
化合物(32)と化合物(33)とを溶媒(THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DMF、DMSO、メタノール、エタノールなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下、室温から100℃で1時間から2日間反応させることにより、化合物(34)が得られる。
【0272】
化合物(34)から化合物(12−A)の反応は、方法11における化合物(29)から化合物(24−A)と同様に実施することができる。
【0273】
方法13:環Bが置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい芳香族複素環であり、かつ、Rが水素、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、シアノである化合物(11)は、以下の方法により調製される。

【0274】
(式中、R2aはハロゲン、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキルを示し、R2bは水素、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、シアノを示し、他の記号は前記と同義である。)
本方法は、方法12における化合物(32)から化合物(12−A)の反応と同様に実施することができる。
【0275】
方法14:化合物(1−B)は、以下の化合物(39)を用いて上記方法および有機合成化学の分野で通常用いられる官能基の変換を行うことにより製造することもでき、化合物(39)は以下の方法により調製される。

【0276】
(式中、HalおよびHalは、それぞれハロゲンを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(40)を溶媒(THF、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、塩化メチレン、ピリジン等)中、必要に応じて塩基(ピリジン、トリエチルアミン等)の存在下、室温から溶媒の還流温度で、1〜12時間、硫黄化剤(ローソン試薬、五硫化ニリンなど)と反応させることにより、化合物(41)が得られる。
【0277】
化合物(41)を、溶媒(アセトン、ジエチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン等)中、室温から溶媒の還流温度で、1時間〜3日間、ハロゲン化メチルと反応させることにより、化合物(42)が得られる。
【0278】
化合物(42)を溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)中、酸(酢酸など)の存在下、室温から溶媒の還流温度で、1時間〜2日間、アンモニウム塩(酢酸アンモニウムなど)と反応させることにより、化合物(43)が得られる。
【0279】
化合物(43)を方法12または方法13と同様に反応させることにより、化合物(39)が得られる。
【0280】
方法15:上記方法において、本発明化合物、中間体化合物、原料化合物等に官能基(水酸基、アミノ、カルボキシ等)を有する場合は、”Protective Groups in Organic Synthesis” T. W. Greene, P. M. G. Wuts, John Wiley and Sons 1991に記載の方法に準じて、有機合成化学において通常用いる保護基で保護し、反応後、当該保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。保護基としては、同書に記載された有機合成化学において通常用いる保護基があげられ、例えば、水酸基の保護基としては、例えばテトラヒドロピラニル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ベンジル、メトキシメチル、アセチル等が挙げられ、アミノの保護基としては、例えばt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル等が挙げられ、カルボキシの保護基としては、例えばメチル、エチル、t−ブチル等のアルキル、ベンジル等が挙げられる。
【0281】
また、上記方法に従って本発明化合物、中間体化合物を製造した後、官能基を常法に従って変換または修飾することもできる。具体的には以下の方法が挙げられる。
【0282】
(1)アミノのアミドへの変換
アミノをアシルハライドと反応させるか、カルボキシを縮合剤存在下でアミンと反応させることにより、対応するアミドに変換することができる。
(2)カルボキシまたはそのエステルのカルバモイルへの変換
カルボキシまたはその塩をアシルハライドに変換した後アミンと反応させるか、カルボキシまたはその塩に縮合剤の存在下でアミンを反応させるか、あるいはそのエステルにアミンを反応させることにより、対応するカルバモイルに変換することができる。
(3)エステルの加水分解
エステルを水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)または酸(塩酸、硫酸等)で加水分解することにより、対応するカルボキシまたはその塩に変換することができる。
(4)カルバモイルのニトリルへの変換
カルバモイルをオキシ塩化リンまたは無水トリフルオロ酢酸と反応させることで、対応するニトリルに変換することができる。
(5)ニトリルのカルバモイルへの変換
ニトリルを水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)で加水分解することにより、対応するカルバモイルに変換することができる。
【0283】
(6)N−アルキル化、N−フェニル化
アミノをアルキルハライドまたはフェニルハライドと反応させることにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノまたはフェニル置換アミノに変換することができる。また、アミノを還元的アミノ化反応に付することにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノに変換することができる。
(7)N−スルホニル化
アミノをアルキルスルホニルハライドまたはフェニルスルホニルハライドと反応させることにより、対応するアルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミノに変換することができる。
(8)アミノのウレイドへの変換
アミノをアルキルイソシアネートと反応させるか、あるいはアミノをカルバモイルハライドと反応させることにより、アルキルウレイドに変換することができる。また、アミノをイソシアネートにした後、アミンと反応させることにより、ウレイドに変換することもできる。
(9)アミノのカルバメートへの変換
アミノをハロ炭酸アルキル(クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチルなど)と反応させるか、あるいはアミノをイソシアネートにした後、アルコールと反応させることにより、カルバメートに変換することができる。
(10)アミノの3−アミノプロピオニル、2−アミノエチルスルホニルへの変換
アミノを2,3−不飽和カルボニル化合物あるいはビニルスルホニル化合物とマイケル反応に付すことにより、対応する3−アミノプロピオニルあるいは2−アミノエチルスルホニルに変換することができる。
【0284】
(11)芳香族ニトロの芳香族アミンへの変換
芳香族ニトロを、常法により、還元剤〔例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の金属還元試薬、金属(鉄、亜鉛、スズ、塩化スズ(II)、チタン、三塩化チタン等)による還元、遷移金属(パラジウム−炭素、白金、ラネーニッケル等)を用いた接触還元〕と処理することにより、芳香族アミンへ変換することができる。なお、接触還元を行う場合、水素源としてギ酸アンモニウム、ヒドラジン等を使用することもできる。
【0285】
また、上記の製造において、製造される本発明化合物および各中間体は、通常の方法、例えばクロマトグラフィー、再結晶等で精製することができる。再結晶溶媒としては例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF等のエーテル溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、トルエン等の芳香族溶媒、アセトン等のケトン溶媒、ヘキサン等の炭化水素溶媒、水等またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、本発明化合物は常法に従って製薬上許容される塩にすることができ、その後再結晶等を行うこともできる。
【発明の効果】
【0286】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、CCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することから、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患または癌疾患〔例えば、喘息(気管支喘息など)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎など)、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、インスリン依存型糖尿病(IDDM)、臓器移植時の拒絶反応、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、間質性膀胱炎、糸球体腎炎、敗血症、疼痛、成人T細胞白血病(ATL)、悪性腫瘍、肺線維症、好酸球性肺炎、肺好酸球性肉芽種、皮膚T細胞リンパ腫、強直性脊椎炎、冠動脈疾患、類天疱瘡、ホジキン病など〕などに対する予防または治療薬として有用である。
【0287】
また、本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有するとともに、毒性が軽減され、薬物動態学的にも優れた特徴を有する。
【0288】
本発明の化合物またはその製薬上許容しうる塩は、当該化合物の治療上有効量および製薬上許容される担体からなる医薬組成物に製剤化することができる。製薬上許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
【0289】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、経口的または非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤として用いることができる。経口投与用の適当な医薬製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの固体製剤、あるいは溶液製剤、懸濁製剤または乳化製剤などが挙げられる。非経口投与用の適当な医薬製剤としては、坐剤、注射用蒸留水、生理食塩水またはブドウ糖水溶液などを用いた注射剤または点滴製剤、あるいは吸入剤等が挙げられる。
【0290】
本発明化合物またはその製薬上許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約0.003〜100mg/kg、好ましくは約0.01〜30mg/kg、とりわけ約0.05〜10mg/kg程度とするのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0291】
以下に、実施例、比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0292】

【0293】
[1] 化合物(1)50.0gおよび化合物(2)46.4mlのTHF960ml溶液に、トリエチルアミン142mlを加え、60℃で終夜間攪拌した。化合物(2)3.9mlおよびトリエチルアミン17mlを追加し、60℃で6時間攪拌した。更にトリエチルアミン11mlを追加し、3.5時間攪拌した。放冷後、反応液に水250mlを加え、酢酸エチル350mlを加えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=3/1→1/1)で精製することにより、化合物(3)74.0gを無色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):232/234[M+H]
[2] 化合物(4)56.0gの塩化メチレン1.4L溶液に、窒素置換下、−70℃で、化合物(3)62.6gの塩化メチレン270ml溶液を1時間かけて滴下し、20分間攪拌後した。反応液に−70℃でジイソプロピルエチルアミン58.5mlの塩化メチレン270ml溶液を1時間かけて滴下し、−70℃で30分間攪拌し、終夜でゆっくりと室温まで昇温した。反応液にクエン酸水を加えて洗浄し、更に水層を塩化メチレン2回で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=15/1)で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化することにより、化合物(5)105.6gを微黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):389/391[M+H]
[3] 化合物(5)43.5gのTHF840ml溶液に、室温で1.6M三塩化チタン水溶液419mlを加え、60℃で1.5時間攪拌した。放冷後、反応液に酢酸エチルを加え、希食塩水3回および飽和重曹水1回で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5/1)で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化することにより、化合物(6)32.3gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):327/329[M+H]
[4] 化合物(6)30.0gおよび化合物(7)38.0gをジメトキシエタン1Lとエタノール200mlの混合液に加え、窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム5.29gおよび1M炭酸ナトリウム水溶液186mlを加えて、60℃で2時間、80℃で16時間攪拌した。放冷後、反応液に水3Lを加え、1時間攪拌した。析出結晶を濾取し、水洗し、乾燥した。NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→96/4)で精製し、クロロホルム/n−ヘキサンで再結晶することにより、化合物(8)46.1gを微黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):553/555[M+H]
【0294】
[5] 化合物(8)20.0gのDMF400ml溶液に、室温で炭酸カリウム15gおよびヨウ化メチル2.7mlを加え、室温で終夜攪拌した。更にヨウ化メチル0.68mlを加え、6時間攪拌した。攪拌中の反応液に水をゆっくり滴下した。析出結晶を濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄後、乾燥した。濾液は酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。この残渣と先の結晶を合わせ、酢酸エチルより再結晶することにより、化合物(10)13.93gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):567/569[M+H]
[5A] 化合物(6)50.0gのDMF150ml溶液に、0℃で、炭酸カリウム41.5gおよびヨウ化メチル24.1gのDMF150ml溶液を加え、室温で5時間攪拌した。攪拌中の反応液に水2Lをゆっくり滴下し、析出結晶を濾取した。水、エタノールおよびジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(9)51.0gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):341/343[M+H]
[5B] 化合物(9)6.0g、化合物(7)8.08gをジメトキシエタン320mlとエタノール80mlの混合液に溶かし、窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.03gおよび1M炭酸ナトリウム水溶液80mlを加え、80℃で8時間攪拌した。反応液を放冷し、析出結晶を濾取した。水、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(10)6.38gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):567/569[M+H]
【0295】
[6] 化合物(10)21.3gの塩化メチレン75ml懸濁液にトリフルオロ酢酸75mlを加え、室温で100分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に塩化メチレン10mlを加え、攪拌下でジエチルエーテル250mlをゆっくり滴下した。析出物を濾取し、酢酸エチルおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(11)28gを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):467/469[M+H]
[7] 化合物(11)5.0gのアセトニトリル50mlとTHF15mlの混合溶液に、化合物(12)3.22gおよびジイソプロピルエチルアミン6.3mlを加え、80℃で終夜攪拌した。化合物(12)を0.81g追加し、80℃で6時間攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→94/6)で精製することにより、化合物(13)2.49gを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):610/612[M+H]
[8] 化合物(13)2.48gの塩化メチレン20mlとメタノール20mlの混合溶液に、4N塩化水素/1,4−ジオキサン20mlを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルとジエチルエーテルと塩化メチレンの混合液を加え、終夜攪拌した。析出物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(14)2.64gを淡黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):510/512[M+H]
[9] 化合物(14)150mgの塩化メチレン3ml懸濁液に、室温で塩化アセチル26μlおよびトリエチルアミン170μlを加え、室温で7時間攪拌した。反応液に塩化アセチル26μlを追加し、室温で終夜攪拌した。反応液に塩化メチレンを加えて水洗し、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製し、酢酸エチルで結晶化することにより、化合物(15)73mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):552/554[M+H]
実施例2
【0296】

[1] 実施例1で得られた化合物(11)5.0g、化合物(1)3.2mlおよびトリエチルアミン5.0mlをアセトニトリル50mlに加え、80℃で8時間攪拌した。反応液を放冷し、酢酸エチルを加えて飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルより結晶化することにより、化合物(2)2.98gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):595/597[M+H]
[2] 化合物(2)3.82gの塩化メチレン20ml溶液にトリフルオロ酢酸20mlを加え、室温で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した。残渣に塩化メチレン20mlを加えて溶解し、4N塩化水素/1,4−ジオキサン20mlを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液にジエチルエーテルを加え析出物を濾取し乾燥することで(3)4.14gを無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):539/541[M+H]+
APCI−MS(m/e):539/541[M+H]
[3] 化合物(3)110mgおよびピロリジン32mgのDMF3ml溶液に、室温でジエチルホスホロシアニデート75μlおよびトリエチルアミン125μlを加え、室温で5時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥し、溶媒を留去した。Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→93/7)で精製し、酢酸エチルとジエチルエーテルの混合液で結晶化することにより、化合物(4)84mgを微黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):592/594[M+H]
実施例3
【0297】

【0298】
[1] 化合物(1)10.0g、化合物(2)6.7mlおよびトリエチルアミン7.5mlをエタノール20mlに加え、室温で終夜攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=75/25→45/55)で精製することにより、化合物(3)11.34gを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):260/262[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例1の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):417/419[M+H]
[3] 化合物(5)を実施例1の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):341/343[M+H]
[4] 化合物(6)と化合物(7)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(8)を得た。
APCI−MS(m/e):567/569[M+H]
[5] 化合物(8)を実施例1の[5]と同様に反応、処理することにより、化合物(10)を得た。
APCI−MS(m/e):581/583[M+H]
[5A] 化合物(6)を実施例1の[5A]と同様に反応、処理することにより、化合物(9)を得た。
APCI−MS(m/e):355/357[M+H]
[5B] 化合物(9)と化合物(7)を実施例1の[5B]と同様に反応、処理することにより、化合物(10)を得た。
APCI−MS(m/e):581/583[M+H]
[6] 化合物(10)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(11)を得た。
APCI−MS(m/e):481/483[M+H]
[7] 化合物(11)を実施例1の[7]〜[9]と同様に反応、処理することにより、化合物(12)を得た。
APCI−MS(m/e):566/568[M+H]
実施例4
【0299】

実施例1の[5A]で得られた化合物(9)と化合物(1)とを実施例1の[5B]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):582/584[M+H]
化合物(2)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):482/484[M+H]
実施例5
【0300】

実施例3の[5A]で得られた化合物(9)と化合物(1)とを実施例1の[5B]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):596/598[M+H]
化合物(2)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):496/498[M+H]
実施例6
【0301】

[1] 実施例1の[5A]で得られた化合物(9)5.0g、4−ヒドロキシベンゼンボロン酸3.2gのジメトキシエタン170mlおよびエタノール45ml混液に、窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.7gおよび0.5M炭酸ナトリウム45mlを加え、60℃下で終夜攪拌した。放冷後、水、および酢酸エチルを加えて攪拌し、生じた不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルムとメタノールで再結晶し、化合物(2)2.19gを無色粉末として得た。

APCI−MS(m/e):399/401[M+H]
[2] 化合物(2)と化合物(3)を参考例19の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):611/613[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):511/513[M+H]
[4] 化合物(5)を実施例1の[9]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):553/555[M+H]
実施例7
【0302】

[1] 実施例1の[5A]で得られた化合物(9)と化合物(1)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):427/429[M+H]
[2] 化合物(2)2.00gのTHF80ml溶液に、氷冷下で塩化メタンスルホニル806mg、ジイソプロピルエチルアミン1.21gを順次滴下し、0℃で4時間、室温で9時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル/n−ヘキサンから再結晶を行うことにより、化合物(3)2.20gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):505/507[M+H]
[3] 化合物(3)25mgのTHF1ml溶液に、ピロリジン36mgおよびヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム1mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製することにより、化合物(4)16mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):480/482[M+H]
実施例8
【0303】

【0304】
[1] 化合物(2)144gの12N塩酸120ml溶液に、化合物(1)432gのエタノール140ml溶液を加え、室温で3日間静置した。反応液にエタノールと水の混合液を加えて、析出物を濾取し、水で洗浄し、乾燥することにより、化合物(3)435gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):231[M+H]
[2] 化合物(3)435gの水2L懸濁液に、水酸化カリウム125gの水1L溶液を加え、メカニカル攪拌機を用いて室温で3時間激しく攪拌した。反応液に12N塩酸を加えて液性をpH=3に調整し、1時間攪拌した。反応液を90℃に昇温して不溶物を溶かし、その後放冷して生じた結晶を濾取し、乾燥することにより、化合物(4)269gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):185[M+H]
[3] オキシ塩化リン267.1gに化合物(4)40.1gを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮した。残渣を攪拌中の氷水にゆっくり加え、10分間攪拌した。酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=100/0→80/20)で精製することにより、化合物(5)15.6gを無色透明油状物として得た。
HNMR(400Mz/CDCl)δ(ppm):1.43(t,3H,J=7.2),4.46(q,2H,J=7.2Hz),9.03(s,1H)
[4] 化合物(5)1.20gの塩化メチレン20ml溶液に、0℃で化合物(6)1.20gおよびトリエチルアミン1.72gの塩化メチレン10ml懸濁液をゆっくり加え、0℃で1時間、室温で終夜攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えてクエン酸水、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=98/2→88/12)で精製することにより、化合物(7)1.82gを無色カラメルとして得た。
APCI−MS(m/e):358/360[M+H]
【0305】
[5] 化合物(7)と化合物(8)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(9)を得た。
APCI−MS(m/e):584/586[M+H]
[6] 化合物(9)7.08gの1,4−ジオキサン65ml溶液に、室温で2N水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて1時間攪拌後、60℃で3時間攪拌した。1,4−ジオキサン10mlを追加し、60℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、析出結晶を濾取し、THFで洗浄し、乾燥することにより、化合物(10)5.25gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):554/556[M‐Na]-
[7] 化合物(10)7.23gを2N塩酸6.5mlを加えた酢酸エチルと水の混合液で分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣のDMSO100ml溶液にN,N’−カルボニルジイミダゾール2.95gを加え、室温で終夜攪拌した。N,N’−カルボニルジイミダゾール2.95gを追加し、室温で2時間攪拌した。更にN,N’−カルボニルジイミダゾール2.95gを追加し、室温で3時間攪拌した。反応液に28%アンモニア水100gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水洗した。水層は酢酸エチルで再抽出し、先の有機層と合わせ硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→90/10)で精製し、化合物(11)5.24gを淡黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):555/557[M+H]
[8] 化合物(11)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(12)を得た。
APCI−MS(m/e):455/457[M+H]
実施例9
【0306】

[1] 化合物(1)1.49gのTHF30ml溶液に、室温で化合物(2)2.16gおよびトリエチルアミン3.04gを順次加え、室温で25時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→2/1)で精製することにより、化合物(3)0.8gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):272/274[M+H]
[2] 化合物(3)55mgおよび化合物(4)66mgをジメトキシエタン1.8mlおよびエタノール0.6mlの混液に溶かし、窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム35mgおよび1M炭酸ナトリウム水溶液0.6mlを加え、60℃で3日間攪拌後、さらに80℃で3日間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、水、酢酸エチル、THFを加えて攪拌した。生じた不溶物を濾去した後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲル薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物(5)20mgを淡黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):426/428[M+H]
実施例10
【0307】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):286/288[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):440/442[M+H]
実施例11
【0308】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):286/288[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):440/442[M+H]
実施例12
【0309】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):302/304[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):456/458[M+H]
実施例13
【0310】

[1] 実施例8[4]で得られた化合物(7)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):512/514[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):483/485[M+H]
実施例14
【0311】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例8の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):344/346[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。化合物(5)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):469/471[M+H]
実施例15
【0312】

化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。続いて、化合物(3)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):499/501[M+H]
実施例16
【0313】

化合物(1)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):589/591[M+H]
実施例17
【0314】

化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。続いて、化合物(3)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):485/487[M+H]
実施例18
【0315】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):501/503[M+H]+
[2] 化合物(3)を実施例8の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):487/489[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例8の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):486/488[M+H]
実施例19
【0316】

化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。化合物(3)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):470/472[M+H]
実施例20
【0317】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):513/515[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[6]及び[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):484/486[M+H]
実施例21
【0318】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):512/514[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):412/414[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):532/534[M+H]
実施例22
【0319】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):512/514[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):412/414[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):532/534[M+H]
実施例23
【0320】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):526/528[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):426/428[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):546/548[M+H]
実施例24
【0321】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):516/518[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):416/418[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):536/538[M+H]
実施例25
【0322】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):532/534[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):432/434[M+H]+
[3] 化合物(4)を実施例1の[7]、[8]および[9]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):517/519[M+H]
実施例26
【0323】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):534/536[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):549/551[M+H]
実施例27
【0324】

化合物(3)を実施例1の[6]、[7]、[8]、[9]及び実施例8の[6]、[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):576/578[M+H]
実施例28
【0325】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):599/601[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):571/573[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例8の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):570/572[M+H]
[4] 化合物(5)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):470/472[M+H]
実施例29
【0326】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):527/529[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):427/429[M+H]
実施例30
【0327】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):531/533[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):431/433[M+H]
実施例31
【0328】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):547/549[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):447/449[M+H]
実施例32
【0329】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):501/503[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):487/489[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例8の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):486/488[M+H]
実施例33
【0330】

【0331】
[1] 化合物(1)60g、無水ピペラジン170g、試薬(2)7.63gおよびt−ブトキシナトリウム38gのトルエン1.65L溶液に、窒素置換下で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム6.04gを加え、50℃で20時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、水、クロロホルムを加えて攪拌した。生じた不溶物をセライト濾過により濾去した後、分液し、水層をクロロホルムで1回抽出した。有機層を合わせ、NH−シリカゲルを加えて攪拌した後、不溶物を濾去し、溶媒を留去した。残渣に2N塩酸を加えて液性を酸性にした後、水層を酢酸エチルで1回洗浄した。水層に2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて液性を塩基性にした後、塩化メチレンで3回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/クロロホルム=1/1→1/2)で精製し、生じた結晶にジエチルエーテルを加えて結晶を濾取することにより、化合物(3)24.7gを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):188[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):308[M+H]
[3] 化合物(5)21.1gおよび塩酸ヒドロキシルアミン9.55gのエタノール0.27L溶液に、室温でトリエチルアミン10.4gを加え、加熱環流下で1日攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、酢酸エチルおよび飽和重曹水を加え攪拌した。生じた結晶を濾取後、水、エタノールおよび酢酸エチルで洗浄することにより、化合物(6)18.0gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):341[M+H]
【0332】
[4] 化合物(6)17.7gの酢酸0.3L溶液に、室温で無水酢酸7.98gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に、10%パラジウム−炭素3.6gを加え、水素置換下、室温で2.5時間攪拌した。反応液をメンブランフィルターで濾過した後、溶媒を留去した。残渣にエタノールを加え、生じた結晶を濾取、乾燥することにより、化合物(7)17.1gを淡褐色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):325[M+H]
[5] 化合物(7)1.96gおよび炭酸カリウム2.11gのDMF80ml溶液に、室温で、化合物(8)862mgのDMF20ml溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。さらに反応液を80℃で16時間攪拌した。放冷後に不溶物を濾去し、反応液を濃縮した。残渣に塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで6回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。生じた結晶に酢酸エチルを加えて結晶を濾取、乾燥することにより、化合物(9)1.13gを黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):402[M+H]
[6] 化合物(9)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(10)を得た。
APCI−MS(m/e):420/422[M+H]
[7] 化合物(10)と化合物(11)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(12)を得た。
APCI−MS(m/e):543/545[M+H]
[8] 化合物(12)63mgのTHF3.0mlおよびメタノール2.0mlの混合溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液2.0mlを加え、70℃で1.5時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮した。残渣に酢酸エチル、THFおよび水を加え分液した。乾燥後に溶媒を留去し、残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製し、酢酸エチルとジエチルエーテルを加えて結晶を濾取することにより、化合物(13)54mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):561/563[M+H]
実施例34
【0333】

実施例33の[6]で得られた化合物(10)と化合物(2)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):557/559[M+H]
実施例35
【0334】

[1] 実施例33の[4]で得られた化合物(7)577mgおよびナトリウムメトキシド(28w%メタノール溶液)290mgのメタノール5.0ml溶液に、室温で、化合物(2)230mgを加え、加熱環流下で19時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮した。残渣に塩化アンモニウム水溶液と食塩を加え、酢酸エチルとTHFの混合溶媒で3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。生じた結晶に酢酸エチルを加えて結晶を濾取することにより、化合物(3)493mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):421[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):439/441[M+H]
[3] 化合物(4)105mgおよびジイソプロピルエチルアミン248mgのDMSO2.0ml溶液に、化合物(5)228mgを加え、130℃で14時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)で精製した。得られた固形物をメタノール1.0mlに溶かし、4N塩化水素/酢酸エチル溶液1.0mlを加えて室温で30分間攪拌した。溶媒を留去し、生じた結晶に酢酸エチルを加えて結晶を濾取することにより、化合物(6)35mgを淡桃色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):576/578[M+H]
実施例36
【0335】

[1] 実施例33の[4]で得られた化合物(7)385mgおよび化合物(2)166mgのメタノール4ml溶液に、室温で炭酸カリウム166mgを加え、加熱環流下で18時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、クロロホルムと飽和重曹水を加え分液した。水層をクロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製することにより、化合物(3)102mgを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):425/427[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。
[3] 化合物(4)の粗生成物と化合物(2)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):566/568[M+H]
実施例37
【0336】

【0337】
[1] 28%アンモニア水250mlに、氷冷下で化合物(1)24.6gの1,4−ジオキサン150ml溶液を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水1Lを加え、析出結晶を濾取し、水、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(2)22.6gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):248[M+H]
[2] 化合物(2)22.0gのTHF500ml溶液に、ローソン試薬39.3gを加え、加熱還流下で3時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=100/0→92/8)で精製することにより、化合物(3)19.4gを黄色固体として得た。
APCI−MS(m/e):264[M+H]
[3] 化合物(3)44.0gのアセトン300ml溶液に、ヨウ化メチル43.1gを加え、室温で終夜攪拌した。析出物を濾取し、アセトンで洗浄して乾燥することにより、化合物(4)55.0gを黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):278[M+H]
[4] 化合物(4)40.0g、酢酸アンモニウム92.2gおよび酢酸18.4mlをメタノール900mlに加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残渣に水を加えて2時間攪拌した。不溶物を濾取し、水、THFおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、化合物(5)27.2gを無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):247[M+H]
[5] 化合物(5)9.18g、アセトアルデヒド1.76g、シアノ酢酸エチル5.09gおよび炭酸カリウム8.3gをエタノール120mlに加え、50℃で3日間攪拌した。放冷後に反応液を減圧濃縮し、残渣にクエン酸水を加え、THFと酢酸エチルの混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後に溶媒を留去した。THFとジイソプロピルエーテルの混合液から再結晶することにより、化合物(6)2.92gを桃色粉体として得た。
APCI−MS(m/e):338[M+H]
【0338】
[6] 化合物(6)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(7)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。
[7] 化合物(7)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(8)を得た。
APCI−MS(m/e):493/495[M+H]
[8] 化合物(8)262mg、化合物(9)129mg、試薬(10)42mgおよび炭酸セシウム312mgの1,4−ジオキサン2.1ml溶液に、窒素置換下で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム24mgを加え、60℃で4時間攪拌した。放冷後に反応液を濃縮し、残渣に水を加え、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1→8/2)で精製後、さらにNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10/0→8/2)で精製することにより、化合物(11)302mgを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):551/553[M+H]
[9] 化合物(11)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(12)を得た。
APCI−MS(m/e):451/453[M+H]
[10] 化合物(12)と化合物(13)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(14)を得た。
APCI−MS(m/e):571/573[M+H]
[11] 化合物(14)を実施例33の[8]と同様に反応、処理することにより、化合物(15)を得た。
APCI−MS(m/e):589/591[M+H]
実施例38
【0339】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例36の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):381[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。粗生成物のまま次工程に用いた。
[3] 化合物(4)と化合物(5)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):522/524[M+H]
[4] 化合物(6)と化合物(7)を実施例37の[8]と同様に反応、処理することにより、化合物(8)を得た。
APCI−MS(m/e):580/582[M+H]
[5] 化合物(8)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより化合物(9)を得た。
APCI−MS(m/e):480/482[M+H]
[6] 化合物(9)と化合物(10)を実施例1の[7]と同様に反応、処理することにより、化合物(11)を得た。
APCI−MS(m/e):600/602[M+H]
実施例39
【0340】

【0341】
[1] 化合物(1)83.62gのオキシ塩化リン153mlの懸濁液を加熱還流下で11時間攪拌した。放冷後、反応液に五塩化リン97gを加え、加熱還流下で17時間攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、トルエンで3回共沸した。残渣に氷冷下でメタノールを加えた後、水を加え、クロロホルムで8回抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にクロロホルムを加えた後、粉末を濾取し、乾燥することにより、化合物(2)46.86gを薄黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):203/205[M+H]
[2] 化合物(2)15.02gおよび4−クロロ−2−フルオロベンジルアミン 塩酸塩18.86gのアセトニトリル300ml懸濁液に、トリエチルアミン22.46gを加え、55℃で22時間攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にクロロホルムおよびジエチルエーテルを加えて粉砕後、乾燥することにより、化合物(3)21.18gを薄黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):326/328[M+H]
[3] 化合物(3)21.18gのクロロホルム300ml懸濁液にジ−t−ブチルジカルボネート28.35gおよび4−ジメチルアミノピリジン1.98gを加え、加熱還流下で2時間攪拌した。放冷後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/0→9/1)で精製した。さらに、NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2→0/10)で精製した。ジエチルエーテルで粉砕、乾燥することにより、化合物(4)23.30gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):426/428[M+H]
[4] 化合物(4)と化合物(5)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):652/654[M+H]
[5] 化合物(6)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(7)を得た。
APCI−MS(m/e):452/454[M+H]
実施例40
【0342】

[1] 化合物(1)8.41gのDMSO50ml溶液にヨウ化メチル7.58gおよび炭酸カリウム(粉末)7.38gを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)で精製することにより、化合物(2)5.63gおよび化合物(3)3.03gをそれぞれ無色粉末として得た。
化合物(2) APCI−MS(m/e):203/205[M+H]
化合物(3) APCI−MS(m/e):203/205[M+H]
[2] 化合物(2)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):326/328[M+H]
[3] 化合物(4)と化合物(5)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(6)を得た。
APCI−MS(m/e):480/482[M+H]
実施例41
【0343】

化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):480/482[M+H]
実施例42
【0344】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):581/583[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):481/483[M+H]
実施例43
【0345】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):340/342[M+H]
[2] 化合物(3)と化合物(4)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):510/512[M+H]
実施例44
【0346】

[1] 化合物(1)を実施例40の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):217/219[M+H]
[2] 化合物(2)と化合物(3)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):340/342[M+H]
[3] 化合物(4)を実施例39の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(5)を得た。
APCI−MS(m/e):440/442[M+H]
[4] 化合物(5)と化合物(6)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(7)を得た。
APCI−MS(m/e):594/596[M+H]
[5] 化合物(7)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(8)を得た。
APCI−MS(m/e):494/496[M+H]
実施例45
【0347】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):518/520[M+H]
[2] 化合物(3)104mg及び(S)−プロリンアミド28mgのDMF1.5ml懸濁液に、ジエチルホスホロシアニデート45μlおよびトリエチルアミン42μlを加え、室温で2時間20分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣に塩化メチレン1.0mlを加え、これにトリフルオロ酢酸0.3mlを加え、室温で6時間攪拌した。さらにトリフルオロ酢酸0.7mlを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで1回、THFと酢酸エチルの混合液で1回、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)にて精製した。クロロホルムとメタノールの混合液に溶解させた後、ジエチルエーテルを加え、析出する粉末を濾取、乾燥することにより、化合物(4)44mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):514/516[M+H]
実施例46
【0348】

[1] 化合物(1)と化合物(2)を実施例1の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):666/668[M+H]
[2] 化合物(3)を実施例1の[6]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):466/468[M+H]
実施例47
【0349】

[1] J. HETEROCYCLIC CHEM. 31(2),271-275(1994) に記載の方法に従い、化合物(1)から化合物(2)を合成した。
APCI−MS(m/e):238(M+H)+
[2] 化合物(3)3.0gと化合物(2)2.12gの塩化メチレン50ml溶液に酢酸250μlとトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.90gを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、ジクロロエタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)、次いでNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、酢酸エチル/ジエチルエーテルで結晶化することにより化合物(4)1.4gを淡褐色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):688/690(M+H)+
[3] 化合物(4)200mgとクロロ炭酸メチル158μlのトルエン1.5ml/THF0.1ml懸濁液を密封し、マイクロウェーブを照射下、120℃で40分反応させた。反応液に飽和重曹水を加えてクロロホルムで抽出し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製し、酢酸エチルにより結晶化することにより、化合物(5)139.5mgを淡褐色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):580/582(M+H)+
[4]化合物(4)500mgのジクロロメタン10ml溶液に、クロロ炭酸 1−クロロエチル157μlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に水を加え塩化メチレンで抽出し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣にメタノール15ml、塩化メチレン5mlを加え加熱還流下終夜攪拌した。反応液を冷却後、4N塩化水素/1,4−ジオキサン5mlを加え30分攪拌した。反応液の溶媒を留去した後、エタノールを加え、固体を濾取することにより、化合物(6)300mgを褐色固体として得た。
APCI−MS(m/e):522/524(M+H)
[5] 化合物(6)150mgの塩化メチレン3ml懸濁液に、アセチルクロリド21μlおよびトリエチルアミン170μlを加え、終夜攪拌した。反応液に重曹を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製し、酢酸エチルで結晶化することにより、化合物(7)105.2mgを淡褐色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):564/566(M+H)
実施例48
【0350】

化合物(1)200mgおよびジビニルスルホン46mgのエタノール5ml懸濁液にトリエチルアミン158μlを加え室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製し、酢酸エチルにより結晶化することにより化合物(2)155mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):628/630(M+H)+
実施例49
【0351】

化合物(1)150mgおよび2−クロロピリミジン56mgの1,4−ジオキサン3ml懸濁液にトリエチルアミン169μlを加え80℃で終夜攪拌した。反応液を濃縮後、残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製し、酢酸エチルで結晶化することにより化合物(2)36mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):588/590(M+H)+
実施例50
【0352】

化合物(1)150mgのジクロロメタン1.5ml溶液にトリエチルアミン167μlおよび試薬(2)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた化合物(3)の粗精製物のDMF2ml溶液に水素化ナトリウム20mgを加え、室温で17時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製することにより化合物(4)77mgを淡黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):580/582(M+H)+
実施例51
【0353】
上記の実施例及び参考例と同様にして、以下の化合物を製造した。

【0354】
実施例52
【0355】

実施例53
【0356】

実施例54
【0357】

実施例55
【0358】

実施例56
【0359】

実施例57
【0360】

実施例58
【0361】

実施例59
【0362】

実施例60
【0363】

実施例61
【0364】

実施例62
【0365】

実施例63
【0366】

実施例64
【0367】

実施例65
【0368】

実施例66
【0369】

実施例67
【0370】

実施例68
【0371】

実施例69
【0372】

実施例70
【0373】

実施例71
【0374】

実施例72
【0375】

実施例73
【0376】

実施例74
【0377】

実施例75
【0378】

実施例76
【0379】

実施例77
【0380】

実施例78
【0381】

実施例79
【0382】

実施例80
【0383】

実施例81
【0384】

実施例82
【0385】

実施例83
【0386】

[1] 実施例1の[3]で得られた化合物(6)180mgのTHF4ml溶液に、0℃で、水素化リチウムアルミニウム42mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて、分液後に有機層を乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製した。残渣に1,4−ジオキサン4mlを加えて溶かし、塩化アセチル43μlおよびジメチルアミノピリジン8mgを加え、60℃で5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥し、溶媒を留去した。Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製し、粗化合物(2)80mgを得た。
[2] 粗化合物(2)80mgのジメトキシエタン4mlとエタノール1mlの混合液に、窒素雰囲気下、化合物(3)80mg、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム79mgおよび1M炭酸ナトリウム水溶液1mlを加えて、60℃で終夜攪拌した。放冷後、反応液に酢酸エチルを加え、水洗し、乾燥し、溶媒を留去した。Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→92/8)で精製し、酢酸エチルより再結晶し、化合物(4)39mgを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):509/511[M+H]
【0387】
参考例1

【0388】
[1] 4−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド26.2g、(S)(−)−2−メチル−2−プロパンスルホンアミド21.0gのTHF940ml溶液に室温下でチタニウム(IV)エトキシド80.9gをゆっくり滴下し、加熱還流下で2.5時間攪拌した。放冷後、反応液を冷した飽和食塩水に攪拌しながらゆっくり注ぎ、セライトを用いて不溶物をろ去した。ろ液に塩化メチレン1800mlを加えて分液し、乾燥後、溶媒留去することにより、化合物(2)42.3gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):262/264[M+H]
[2] メチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル3M溶液)81mlに窒素置換下、ドライアイス/アセトン浴で冷却下(内温:−30〜―5℃)で、化合物(2)42.3gのTHF1.2L溶液を40分かけて滴下し、室温まで昇温しながら終夜攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を氷冷下でゆっくり加え、塩化メチレンで抽出し、乾燥し、溶媒留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1→1/0)で精製し、n−ヘキサンから再結晶を行うことにより、化合物(3)44.5gを無色晶として得た。
APCI−MS(m/e):278/280[M+H]
[3] 化合物(3)36.9gのメタノール216ml溶液に、氷冷下で4N塩化水素/1,4−ジオキサン溶液216mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて粉砕後、乾燥し、化合物(4)27.7gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):174/176[M+H]
【0389】
参考例2

【0390】
[1] ジイソプロピルアミン7.81gのTHF溶液400mlに、−70℃で、1.6M n−ブチルリチウム48.25mlを滴下し、−70℃で30分間攪拌した。さらに、2,6−ジクロロピラジン(1)5.0gのTHF溶液50mlを、−70℃で30分間かけて滴下した後、−70℃で1.5時間攪拌した。反応液にドライアイス150gを加え、さらに30分間攪拌した。反応液に6N塩酸200mlおよび酢酸エチルを加えて分液した。有機層を濃縮し、残渣に酢酸エチルおよび飽和重曹水を加えて分液した。水層に濃塩酸を加え、溶液を酸性にした後、酢酸エチルを加えて分液した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣に塩化チオニル100mlを加えた後、DMF0.5mlを加え、還流下、45分間した。反応液を濃縮後、残渣にトルエンを加え、再び濃縮した。残渣に塩化メチレン100mlを加えた溶液を0℃に冷やし、28%アンモニア水25mlを滴下した。反応液を0℃で15分間攪拌した後、分液した。有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=75/25→45/55)で精製し、濃縮固体にジイソプロピルエーテルを加えて粉砕し、濾取、乾燥することにより、3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミド(2)を無色粉末1.66gとして得た。
APCI−MS(m/e):192/194[M+H]
[2] 3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミド(2)と化合物(3)を、実施例8の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):345/347[M+H]
【0391】
参考例3

【0392】
WO01/83460に記載の方法に準じて調製される4,6−ジクロロピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル3.08gのトルエン100ml懸濁液に、2,4−ジクロロベンジルアミン2.81gとトリエチルアミン2.20gのトルエン20ml溶液を滴下し、終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、攪拌した後、分液した。有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=80/20→0/100)にて精製し、6−クロロ−4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステルを無色粉末4.46gとして得た。
APCI−MS(m/e):360/362[M+H]
【0393】
参考例4

【0394】
[1] 化合物(1)を実施例8の[3]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):177/179[M+H]
[2] 化合物(2)と化合物(3)を実施例39の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):300/302[M+H]
【0395】
参考例5

【0396】
化合物(1)と化合物(2)を実施例9の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):290/292[M+H]
【0397】
参考例6

【0398】
化合物(1)と化合物(2)を実施例8の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):306/308[M+H]
【0399】
参考例7

【0400】
化合物(1)と化合物(2)を実施例8の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):346/348[M+H]
【0401】
参考例8

【0402】
化合物(1)と化合物(2)を実施例8の[4]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):374/376[M+H]
【0403】
参考例9

【0404】
[1] N−エチルアミノエタノール6.01gに氷冷下でギ酸3.60gをゆっくり加え、これに4‐ブロモフェナシルブロミド9.37gを加え、100〜110℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、酢酸エチルと水を加えて分液した。水層に炭酸カリウムを加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせた後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)で精製することにより、2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン5.90gを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):270/272[M+H]
[2] 2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン3.0g、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム(II)クロリド272mg、酢酸カリウム3.27gおよびビス(ピナコレート)ジボラン4.23gをDMSO30mlに加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間、100℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、飽和重曹水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)で2回精製することにより、4−エチル−2−「4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル」−モルホリン2.44gを淡黄色油状物として得た。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.10(t,3H,J=7.2Hz),1.34(s,12H),1.99(t,1H,J=10.5Hz),2.21(dt,1H,J=3.4,11.5Hz),2.44(d,2H),2.83(d,1H),2.95(d,1H),3.85(dt,1H,J=2.3,10.2Hz),4.06(br d,1H),4.59(dd,1H,J=2.3,10.2Hz),7.37(d,2H),7.78(d,2H)
【0405】
参考例10

【0406】
2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン2.99gのTHF溶液30mlに、窒素雰囲気下、−78℃でn−ブチルリチウム(1.7M n−ヘキサン溶液)7.2mlをゆっくり滴下し、30分攪拌した。反応液にトリメチルボレート2.48mlをゆっくり加え、しばらく攪拌し、その後ゆっくりと室温まで上昇し、終夜攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で1時間攪拌した。リン酸緩衝液(0.5M、pH8.0)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にジエチルエーテルを加えて固化し、乾燥させることにより、4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)ボロン酸795mgを橙色固形物として得た。この粗生成物は、精製せずに次の反応に使用した。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.11(t,3H),2.07(br,1H),2.23(t,1H,J=11.0Hz),2.48(d,2H,J=5.6Hz),2.84(d,1H,J=10.2Hz),2.97(d,1H,J=10.2Hz),3.84(t,1H,J=11.3Hz),3.87(br,1H),4.59(d,1H,J=10.0Hz),7.33(br s,3H),7.74(br s,1H),7.79(br s,2H)
【0407】
参考例11

【0408】
[1] 4−ブロモ−ヨードベンゼン40.0gおよびN−エチルピペラジン32.3gの2−プロパノール400ml溶液に、エチレングリコール26.3g、ヨウ化銅(I)5.39gおよびリン酸カリウム粉末91.9gを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。放冷後、不溶物を濾去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)で精製することにより、1−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−ピペラジン(2)30.1gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):269/271[M+H]
[2] 化合物(2)を参考例10と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):235[M+H]
【0409】
参考例12

【0410】
[1] 化合物(1)29.6gおよびN−エチルピペラジン11.4gのトルエン150ml溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.83g、試薬(2)3.46gおよびt‐ブトキシナトリウム14.9gを加え、窒素置換下、100℃で3時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチルを加えて水洗した。有機層を塩酸で2回抽出し、先の水層を合わせてジエチルエーテルで2回洗浄後、炭酸カリウムを加えて液性を弱アルカリ性とした後に、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて乾燥後、溶媒留去することにより、化合物(3)18.1gを淡橙色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):270/272[M+H]
[2] 化合物(3)を参考例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):318[M+H]
【0411】
参考例13

【0412】
化合物(1)を参考例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.34(s,12H),2.89(t,2H,J=6.7Hz),3.86(t,2H,J=6.7Hz),7.25(d,2H,J=7.9Hz),7.77(d,2H,J=7.9Hz)
【0413】
参考例14

【0414】
[1] 化合物(1)143gおよびジ−t−ブチルジカルボネート124gを1,4−ジオキサン1Lに加え、室温でトリエチルアミン62.3gを加えて、室温で14時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加えて水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣を冷したn−ヘキサンで洗い、乾燥することにより、目的化合物(2)163.1gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):341/343[M+H]
[2] 化合物(2)152gのTHF1Lとトルエン1Lの混合溶液に、窒素置換下、−70℃で、2.6M n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液188mlを1時間で滴下し、更に30分間攪拌した。反応液にトリイソプロピルボレート109gを滴下し、−70℃で2時間攪拌した。更に5時間かけて0℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液550mlを加え、水150mlを加えて10分間攪拌した。リン酸67.5gを加え、30分間攪拌した。反応液に酢酸エチル3Lを加え、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にトルエン150mlを加え、攪拌しながらn−ヘプタン800mlを2時間かけて滴下し、析出物を濾取し、冷やしたn−ヘキサンで3回洗浄し、乾燥することにより、目的化合物(3)123.6gを微灰色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):307[M+H]、321[M+Me]
【0415】
参考例15

【0416】
[1] トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム4.58g、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル2.98gおよびt−ブトキシナトリウム11.5gに、窒素置換後、化合物(1)25.0gおよび化合物(2)10.6gのトルエン溶液200mlを加え、40℃で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→86/14)で精製した。さらに、Si−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→86/14)で精製することにより、目的化合物(3)24.4gを淡橙色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):355/357[M+H]
[2] 化合物(3)を参考14の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):321[M+H]、335[M+Me]
【0417】
参考例16

【0418】
[1] 化合物(1)、化合物(2)を参考例15の[1]と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):355/357[M+H]
[2] 化合物(3)を参考例14の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):321[M+H]、335[M+Me]
【0419】
参考例17

【0420】
[1] 2,5−ジブロモピリミジン(1)30.8gおよび1−t−ブトキシカルボニルピペラジン18.6gのトルエン800ml溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.83g、試薬(2)3.47gおよびt−ブトキシナトリウム1.44gを加え、窒素置換下、100℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、ジエチルエーテル/ヘキサンで再結晶することにより、化合物(2)11.3gを微黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):342/344[M+H]
[2] 化合物(3)を参考例14の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):308[M+H]、322[M+Me]
【0421】
参考例18

【0422】
[1] 5−ブロモ−2−クロロピリミジン12.0gおよび1−t−ブトキシカルボニルピペラジン12.3gの塩化メチレン100ml溶液に、ジイソプロピルエチルアミン12.1gを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に塩化メチレンを加え、クエン酸水と水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をn−ヘキサンで洗浄し、乾燥することにより、化合物(2)21.1gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):343/345[M+H]
[2] 化合物(2)20.8g、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム(II)クロリド1.63g、酢酸カリウム18.2gおよびビス(ピナコレート)ジボラン19.0gをDMSO120mlに加え、窒素雰囲気下、120℃で終夜時間した。反応液を加温下で減圧濃縮し、放冷後、クロロホルムを加えて水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→97/3)で精製することにより、目的化合物(3)19.2gを黄色粉体として得た。
APCI−MS(m/e):391[M+H]
【0423】
参考例19

【0424】
[1] 化合物(1)25.0g、化合物(2)25.8gおよび1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン47.0gのTHF450ml溶液に、氷冷下でトリ−n−ブチルホスフィン61.3mlを滴下し、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷し、ジエチルエーテル/n−へキサンで希釈し、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=3/1→1/1)で精製することにより、化合物(3)31.0gを無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):356/358[M+H]
[2] 化合物(3)を参考例9の[2]と同様に反応、処理することにより、化合物(4)を得た。
APCI−MS(m/e):404[M+H]
【0425】
参考例20

【0426】
[1] (R)−メチオニノール4.95g、ベンゾニトリル8.3mL、臭化亜鉛250mgの混合物を窒素雰囲気下、120℃で90時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、ろ過した。ろ液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、再度ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→3/1)で精製することにより、(R)−4−(2−メチルチオエチル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロオキサゾール3.94gを無色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):222[M+H]
[2] 前記[1]で得られた化合物3.94gの酢酸65mL溶液に濃塩酸7.7mLを加え、終夜加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣に水酸化ナトリウム水溶液50mL及びクロロホルム100mLを加えて攪拌した。有機層に硫酸マグネシウム及びシリカゲルを加えて攪拌後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥することにより、(R)−N−(テトラヒドロチオフェン−3−イル)ベンズアミド2.80gを無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):208[M+H]
[3] 前記[2]で得られた化合物3.59gの塩化メチレン70mLに氷冷下で3−クロロ過安息香酸(75%)10gを徐々に加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水35mL、亜硫酸ナトリウム3.5g及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mLを加えて30分間攪拌後、クロロホルムで抽出した。抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄することにより、(R)−N−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオフェン−3−イル)ベンズアミド3.5g、を無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):240[M+H]
[4] 前記[3]で得られた化合物3.51gのエタノール13mL溶液に6N塩酸52mLを加え、1日間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧濃縮した。析出固体をエタノール/ジエチルエーテルで洗浄後、ろ取し、更にジエチルエーテルで洗浄することにより、(R)−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミン塩酸塩2.52gを無色固体として得た。
APCI−MS(m/e):136[M+H]
【0427】
参考例21

【0428】
化合物(1)12.01gのDMF160ml溶液に、0℃で水素化ナトリウム4.80gを加え、30分間攪拌した。反応液に化合物(2)38.2gを加え、50℃で終夜攪拌した。反応液を減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=100/0→0/100)で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、化合物(3)14.21gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):141[M−Cl]
【0429】
参考例22

【0430】
化合物(1)および化合物(2)を参考例21と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):191/193[M+H]
【0431】
参考例23

【0432】
化合物(1)および化合物(2)を参考例21と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):221/223[M+H]
【0433】
参考例24

【0434】
[1] 化合物(1)28.3g、化合物(2)19.5g、ヨウ化銅(I)3.81g、リン酸三カリウム54.2gおよびエチレングリコール15.5gのイソプロパノール250ml懸濁液を加熱還流下で2日間攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残渣にクロロホルムを加え水洗し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後に、NH−シルカゲルを加えて攪拌後、不溶物を濾去し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで再結晶することにより、化合物(3)13.7gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):285/287[M+H]
[2] 化合物(3)855.5mg、化合物(4)838mg、酢酸カリウム883.3mgの1,4−ジオキサン15ml懸濁液に、窒素置換下で、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) ジクロリド・塩化メチレン錯体245mgを加え、110℃で終夜攪拌した。反応液を放冷後に、飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSi−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=99/1→90/10)で精製後、さらにNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2→95/5)で精製した。ジイソプロピルエーテルを加えて粉砕後、乾燥することにより化合物(5)331.8mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):333[M+H]
【0435】
上記実施例および参考例と同様にして、以下の化合物を製造することができる。
例1

【0436】
例2

【0437】
例3

【0438】
例4

【0439】
例5

【0440】
例6

【0441】
例7

【0442】
例8

【0443】
例9

【0444】
実験例1:MDC誘発マウスT細胞遊走に対する阻害作用
マウス(雄性Balb/c)より摘出した脾臓を2%FBS含有RPMI−1640培地中にてすりつぶし、脾臓細胞懸濁液を得た。塩化アンモニウム溶血処理により脾細胞懸濁液中の赤血球を除き、さらにマウスT細胞分離カラム(R&D Systems)を用いてT細胞に精製した。精製したT細胞を,IL−2(20 ng/mL、R&D Systems)を含む10%FCS含有RPMI−1640培地に懸濁し、抗CD3抗体を固相化した6ウエルプレート内で37℃、5%COの条件下で4日間培養した。培養終了後、T細胞を0.5%ウシ血清アルブミン、25mM HEPESを含むRPMI−1640培地(アッセイバッファー)に懸濁し、T細胞懸濁液とした。
【0445】
24ウエルトランスウエルプレート(コーニング)の上室に、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解しアッセイバッファーで希釈した被験化合物とT細胞懸濁液(5×10個/ウエル)を添加した。なお、トランスウエルは、あらかじめゼラチン(新田ゼラチン)とフィブロネクチン(シグマ)で固相化したものを用いた。下室には、上室と同一濃度になるように調製した被験化合物とアッセイバッファーに溶解したマウスMDC(最終濃度30 ng/mL)を添加した。上室を下室に重ね、37℃、5%COの条件下で90分間反応させた。反応終了後、下室に遊走した細胞数を、フローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン)を用いて計測した。
【0446】
被験化合物の遊走反応に対する阻害率(%)は、以下の計算式より算出した。
結合阻害率(%)={1−(A−B)/(C−B)}×100
A;被験化合物存在下でMDCを添加したウエルの細胞数
B;被験化合物非存在下でMDCを添加しなかったウエルの細胞数
C;被験化合物非存在下でMDC添加したウエルの細胞数

被験化合物の各濃度における抑制率を計算し、阻害曲線から抑制率50%を示す化合物濃度(IC50値)を求めた。その結果を表1に示す。
【0447】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0448】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、優れたCCR4あるいはTARCおよび/またはMDC機能調節作用を有し、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患または自己免疫疾患等の予防または治療薬として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〔式中、環Aは、下式(A)、(B)または(C)のいずれかの式で表される基を示す。

(式中、RおよびRはそれぞれ水素、ハロゲンまたはアルキルを示し、nは1または2を示し、ZおよびZはともに水素であるか、またはZおよびZが一緒になって、オキソを形成する基を示し、G、GおよびGの1つはCHを示し、残り2つはNを示し、Wは酸素原子またはN(R)を示し、式

は下式

(式中、Rは水素またはアルキルを示す。)
を示し、Rは水素、アルカノイルまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。)
環Bは置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい芳香族複素環または置換されていてもよい脂環式複素環を示す。
環Cは置換されていてもよい芳香族炭素環を示す。
Xは単結合またはアルキレンを示す。
は置換されていてもよい複素環式基または式−Y−Alk−Rを示す。
(式中、Yは単結合、酸素原子、S(O)pまたはN(R)を示し、Alkはアルキレンを示し、Rは置換されていてもよい複素環式基を示し、pは0、1または2を示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。)
は同一または異なって水素、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、置換されていてもよいカルバモイル、アルコキシカルボニル、ハロゲン、カルボキシまたは置換されていてもよいアミノを示す。
mは1または2を示す。
ただし、環Aが式(B)の場合、環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい芳香族複素環を示す。〕
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
【請求項2】
環Bがハロゲン、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいカルバモイルおよび置換されていてもよいアミノから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい炭素環または芳香族複素環である請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
環Bがハロゲン、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、カルボキシおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい炭素環または芳香族複素環である請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
環Bが式

(環Bはベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示し、Rは水素、ハロゲンまたはアルキルを示す。)
で表される環である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬。
【請求項5】
環Bがアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシ、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノおよびオキソから選ばれる1または2個の基により置換されていてもよい脂環式複素環である請求項1に記載の医薬。
【請求項6】
環Cがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、水酸基、アルコキシ、シアノ、アルキルスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルおよびニトロから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい芳香族炭素環である請求項1〜5のいずれかに記載の医薬。
【請求項7】
環Cがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい芳香族炭素環である請求項1〜6のいずれかに記載の医薬。
【請求項8】
が置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよい複素環式基から選ばれる1〜2個の基により置換されていてもよい複素環式基である請求項1〜7のいずれかに記載の医薬。
【請求項9】
における複素環式基が、5または6員の含窒素複素環式基である請求項8に記載の医薬。
【請求項10】
における複素環式基が、式

(式中、Rは水酸基、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいウレイド、ピロリジノカルボニルアミノ、アルカノイルアミノ、またはN−アルカノイル−N−アルキルアミノを示す。
は水素またはアルキルを示す。)
である請求項8または9に記載の医薬。
【請求項11】
が式−Y−Alk−Rであり、Yが単結合または酸素原子であり、AlkがC1〜C5の直鎖または分枝鎖状のアルキレンであり、Rがオキソ、アルカノイル、アルキルスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよび置換されていてもよいカルバモイルから選ばれる1〜3個の基により置換されていてもよい複素環式基である請求項1〜7のいずれかに記載の医薬。
【請求項12】
における複素環式基が、5または6員の含窒素複素環式基である請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
における複素環式基が、式

(式中、環Dは(1)1〜2個のオキソで置換されていてもよいピロリジン、(2)ハロゲンおよびオキソから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル、アルキルスルホニルおよびアルカノイルから選ばれる基で置換されていてもよいピペラジン、(4)オキソで置換されていてもよいモルホリン、(5)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチオモルホリンを示す。)
である請求項11または12に記載の医薬。
【請求項14】
環Aが式(A)であり、RおよびRが水素であり、Rが水素、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいカルバモイルであり、mが1または2である請求項1に記載の医薬。
【請求項15】
環Aが式(B)であり、WがN(R)であり、Rが水素、置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲンおよび置換されていてもよいカルバモイルであり、mが1または2である請求項1に記載の医薬。
【請求項16】
環Aが式(C)であり、WがN(R)であり、Rが水素またはアルキルであり、mが1である請求項1に記載の医薬。

【公開番号】特開2010−126496(P2010−126496A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303899(P2008−303899)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】