説明

複素環式抗ウイルス性アリールピリドン誘導体

式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R4、及びpは、本明細書において定義するとおりである]で示される化合物は、C型肝炎ウイルスNS5bポリメラーゼ阻害剤である。HCV感染を処置及びHCVの複製を阻害するための組成物及び方法も開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤である、式Iで示される非ヌクレオシド化合物及びその特定の誘導体を提供する。これらの化合物は、RNA依存性RNAウイルス感染の処置に有用である。それらは、C型肝炎ウイルス(HCV)NS5Bポリメラーゼの阻害剤として、HCV複製の阻害剤として、そしてC型肝炎感染の処置のために、特に有用である。
【0002】
C型肝炎ウイルスは、世界中で慢性肝疾患の主要原因である。(Boyer, N. et al., J. Hepatol. 2000 32:98-112)。HCVに感染した患者は、肝硬変及びそれに続く肝細胞癌を発症するリスクがあるため、HCVは、肝臓移植の主要な適応となる。
【0003】
HCVは、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、及びC型肝炎ウイルスを含むヘパシウイルス(hapaceivirus)属を含むFlaviviridaeウイルス科の一種として分類されている(Rice, C. M., Flaviviridae: The viruses and their replication.出典: Fields Virology、著者: B. N. Fields, D. M. Knipe and P. M. Howley, Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, Pa., Chapter 30, 931-959, 1996)。HCVは、約9.4kbのポジティブセンス一本鎖RNAゲノムを有するエンベロープウイルスである。ウイルスゲノムは、高度に保存された5’非翻訳領域(UTR)、アミノ酸約3011個のポリタンパク質前駆体をコードする長いオープンリーディングフレーム、及び短い3’UTRから成る。
【0004】
HCVの遺伝解析によって、DNA配列の30%超が異なる6個の主要遺伝子型が同定されている。30種を超えるサブタイプが区別されている。米国では、感染した個体の約70%が1a及び1b型感染である。1b型は、アジアで最も蔓延しているサブタイプである。(X. Forns and J. Bukh, Clinics in Liver Disease 1999 3:693-716; J. Bukh et al., Semin. Liv. Dis. 1995 15:41-63)。残念ながら、1型感染は、2又は3型の遺伝子型のどちらよりも治療抵抗性が高い(N. N. Zein, Clin. Microbiol. Rev., 2000 13:223-235)。
【0005】
ウイルス構造タンパク質には、ヌクレオカプシドコアタンパク質(C)並びに二つのエンベロープ糖タンパク質E1及びE2が含まれる。HCVは、また、NS2−NS3領域によってコードされる亜鉛依存性メタロプロテイナーゼ及びNS3領域にコードされるセリンプロテアーゼという二つのプロテアーゼをコードする。これらのプロテアーゼは、前駆体ポリタンパク質の特定領域が切断されて成熟ペプチドになるために必要である。非構造タンパク質5のカルボキシル側半分であるNS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼを有する。残りの非構造タンパク質NS4A及びNS4Bの機能、並びにNS5A(非構造タンパク質5のアミノ末端半分)の機能は、未知のままである。HCV RNAゲノムによってコードされる非構造タンパク質の大部分が、RNA複製に関与すると考えられている。
【0006】
現在、HCV感染の処置のために利用できる、承認された治療法の数は、限られている。HCV感染を処置するため及びHCV NS5Bポリメラーゼ活性を阻害するための新規及び既存の治療アプローチは、R. G. Gish, Sem. Liver. Dis., 1999 19:5; Di Besceglie, A. M. and Bacon, B. R., Scientific American, October: 1999 80-85; G. Lake-Bakaar, Current and Future Therapy for Chronic Hepatitis C Virus Liver Disease, Curr. Drug Targ. Infect Dis. 2003 3(3):247-253; P. Hoffmann et al., Recent patent on experimental therapy for hepatitis C virus infection (1999-2002), Exp. Opin. Ther. Patents 2003 13(11):1707-1723; M. P. Walker et al., Promising Candidates for the treatment of chronic hepatitis C, Exp. Opin. Investing. Drugs 2003 12(8):1269-1280; S.-L. Tan et al., Hepatitis C Therapeutics: Current Status and Emerging Strategies, Nature Rev. Drug Discov. 2002 1:867-881; J. Z. Wu and Z. Hong, Targeting NS5B RNA-Dependent RNA Polymerase for Anti-HCV Chemotherapy, Curr. Drug Targ. - Infect. Dis. 2003 3(3):207-219に総説されている。
【0007】
リバビリン(1−((2R,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸アミド;Virazole(登録商標))は、合成のインターフェロン非誘導性広域スペクトル抗ウイルス性ヌクレオシドアナログである。リバビリンは、Flaviviridaeを含むいくつかのDNAウイルス及びRNAウイルスに対してインビトロ活性を有する(Gary L. Davis. Gastroenterology 2000 118:S104-S114)。リバビリンは、単剤療法で40%の患者の血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常まで減少させるが、HCV−RNAの血清レベルは低下させない。リバビリンは、また、重大な毒性を示し、貧血を誘導することが知られている。ビラミジンは、肝細胞でアデノシンデアミナーゼによってリバビリンに変換されるリバビリンプロドラッグである(J. Z. Wu, Antivir. Chem. Chemother. 2006 17(1):33-9)。
【0008】
インターフェロン(IFN)は、10年近く慢性肝炎の処置に利用されている。IFNは、ウイルス感染に応答して免疫細胞によって産生される糖タンパク質である。二つの異なる型のインターフェロンが認められている:1型には数種のインターフェロンα及び1種のインターフェロンβが含まれ、2型にはインターフェロンγが含まれる。1型インターフェロンは、感染細胞によって主に産生され、隣接細胞を新規感染から保護する。IFNは、HCVを含む多数のウイルスのウイルス複製を阻害し、C型肝炎感染のための単一の処置として使用された場合、IFNは、血清HCV−RNAを検出不能なレベルに抑制する。追加的に、IFNは、血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常化する。残念なことに、IFNの効果は一時的である。治療の停止は70%の再発率を招き、わずか10〜15%が、正常な血清アラニントランスフェラーゼレベルを伴う持続性ウイルス陰性化を示す。(Davis, Luke-Bakaar、上記)
【0009】
初期のIFN治療の一つの限界は、そのタンパク質が血液から急速に消失することであった。ポリエチレングリコール(PEG)によるIFNの化学的誘導体化は、薬物動態学的性質が実質的に向上したタンパク質を生じた。PEGASYS(登録商標)は、インターフェロンα−2aと、40kD分岐モノ−メトキシPEGのコンジュゲートであり、PEG−INTRON(登録商標)は、インターフェロンα−2bと12kDモノ-メトキシPEGのコンジュゲートである。(B. A. Luxon et al., Clin. Therap. 2002 24(9):13631383; A. Kozlowski and J. M. Harris, J. Control. Release 2001 72:217-224)。
【0010】
リバビリン及びインターフェロン−αによるHCVの併用療法は、現在のところHCVに最適な治療法である。リバビリンとPEG−IFN(下記)との組み合わせは、1型HCV患者の54〜56%に持続性ウイルス学的著効(SVR)を招く。2型及び3型HCVに関してSVRは80%に近づく(Walker、上記)。残念なことに、併用療法は、副作用も起こし、それにより臨床上の難問が生じる。うつ病、インフルエンザ様症状及び皮膚反応は、皮下投与IFN−αと関連し、溶血性貧血は、リバビリンによる持続性処置と関連する。
【0011】
非限定的にNS2−NS3自己プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼ及びNS5Bポリメラーゼを含む、抗HCV治療薬としての薬物を開発するためのいくつかの可能性のある分子ターゲットが、今日同定されている。RNA依存性RNAポリメラーゼは、一本鎖ポジティブセンスRNAゲノムの複製に絶対に不可欠である。この酵素は、医薬品化学者の間で大きな関心となっている。
【0012】
ヌクレオシド阻害剤は、鎖終結因子(chain terminator)として、又はポリメラーゼへのヌクレオチドの結合を妨害する競合的阻害剤のいずれかとして作用しうる。鎖終結因子として機能するには、ヌクレオシドアナログが、細胞によってインビボで取り込まれ、インビボでその三リン酸エステル型に変換されて、基質としてポリメラーゼヌクレオチド結合部位で競合しなければならない。三リン酸エステルへのこの変換は、通常、任意のヌクレオシドに追加的な構造的制限を与える細胞性キナーゼによって仲介される。加えて、このリン酸化の必要性から、ヌクレオシドのHCV複製阻害剤としての直接的な評価は、細胞に基づくアッセイに限定される(J. A. Martinら、米国特許第6,846,810号;C. Pierra et al., J. Med. Chem. 2006 49(22):6614-6620;J. W. Tomassini et al., Antimicrob. Agents and Chemother. 2005 49(5):2050;J. L. Clark et al., J. Med. Chem. 2005 48(17):2005)。
【0013】
現在、C型肝炎ウイルス(HCV)の予防的処置はなく、現在承認されているHCVだけに対する既存の治療法は、限られている。新規な薬学的化合物の設計及び開発が不可欠である。
【0014】
本発明は、式I:
【0015】
【化1】


[式中、
は、(アルキレン)0−6COX、(アルキレン)0−6NR、(アルキレン)0−6CN、C1−6ヒドロキシアルキル又はC1−3−アルキルスルホニル−(アルキレン)0−3であり;
Xは、水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、NRであり;
は、水素、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C1−6アシル、(d)アロイル、(e)−SO−C1−6アルキル、(f)−SO−アリール、(g)−SO−C1−3アリールアルキル、(h)アリール−C1−3アルキル、又は(i)SONR(ここで、R及びRは、独立して水素又はC1−3アルキルである)、(j)ピリジノイル、(k)C3−7シクロアルキル−カルボニル又は(l)CONHR又は(m)−SO−C3−6シクロアルキル又は(n)4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−2−カルボニルであり(ここで、前記シクロアルキル部分は、C1−3アルキルスルホニルアミノにより置換されており、前記アリール、前記アロイル及び前記ピリジノイルは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−3アルキルアミノ、C1−3ジアルキルアミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ビス−(C1−6アルキルスルホニル)アミノ、C1−6アルキル及びハロゲンより独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている);
は、水素、C1−6アルキル、場合により置換されたアリール、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アシルオキシ−C1−6アルキル、ヘテロシクリル−C1−3アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、ピロリジン−3−イルメチル、1−アセチル−ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イル、又はピリジニルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、C(=O)C(Me)NHC(=O)、(CH3−5S(=O)、(CH2−5C(=O)、C(=O)CHC(Me)CHC(=O)、HC=CC(Br)=CHC(=O)、C(=O)(CH2−4C(=O)、HC=CC(=O)CEt(=O)、S(=O)NR(CH3−5である(ここで、Rは、水素、C1−6アルキル又はBocである)か;或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシル若しくはカルボキシC1−3ヒドロキシメチルにより置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル;ピリジニル−C1−3アルキル、シアノ−C1−3アルキル、4−C1−3アルコキシ−C1−6アルキル、場合によりハロゲンで置換されたアリール−C1−3アルキルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、(CH(CHである(ここで、Xは、O、SO又はNRであり、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル又はC1−3アシルである)か、或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、4−フェノキシ−ピペリジン−1−イル、3−ヒドロキシ−アゼチジン、4−シアノ−ピペリジン−1−イル、3−(ヒドロキシルメチル)ピロリジン−1−イル又は2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−イルであり;
3a、R3b及びR3cは、(i)独立して考えた場合に、C1−3アルキル、C1−2アルコキシ若しくはC1−2フルオロアルキルより独立して選択されるか、又は(ii)一緒に考えた場合に、R3a及びR3bは、一緒になって、C2−4メチレンであり、R3cは、C1−3アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン又はC1−3アルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0016】
本発明の一実施態様では、式I
[式中、
は、(アルキレン)0−6COX、(アルキレン)0−6NR、(アルキレン)0−6CN又はC1−6ヒドロキシアルキルであり;
Xは、水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、NRであり;
は、水素、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C1−6アシル、(d)アロイル、(e)−SO−C1−6アルキル、(f)−SO−アリール、(g)−SO−C1−3アリールアルキル、(h)アリール−C1−3アルキル、又は(i)SONR(ここで、R及びRは、独立して水素又はC1−3アルキルである)、(j)ピリジノイル、(k)C3−7シクロアルカン−カルボニル又は(l)CONHR又は(m)−SO−C3−6シクロアルキルであり(ここで、前記シクロアルカン部分は、C1−3アルキルスルホニルアミノにより置換されており、前記アリール、前記アロイル及び前記ピリジノイルは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−3アルキルアミノ、C1−3ジアルキルアミノ、C1−6アシルアミノ,C1−6アルキルスルホニルアミノ、ビス−(C1−6アルキルスルホニル)アミノ、C1−6アルキル及びハロゲンより独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている);
は、水素、C1−6アルキル、場合により置換されたアリール、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アシルオキシ−C1−6アルキル、ヘテロシクリル−C1−3アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、ピペリジン−4−イル、又はピリジニルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、C(=O)C(Me)NHC(=O)、(CH3−5S(=O)、(CH2−5C(=O)、C(=O)CHC(Me)CHC(=O)、HC=CC(Br)=CHC(=O)、C(=O)(CH2−4C(=O)、HC=CC(=O)CEt(=O)、S(=O)NR(CH3−5である(ここで、Rは、水素、C1−6アルキル又はBocである)か;或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル、(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシ若しくはカルボキシC1−3ヒドロキシメチルにより置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル;ピリジニル−C1−3アルキル、シアノ−C1−3アルキル、4−C1−3アルコキシ−C1−6アルキル、場合によりハロゲンで置換されたアリール−C1−3アルキルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、(CH(CHである(ここで、Xは、O、SOである)か、或いはR及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、4−フェノキシ−ピペリジン−1−イル、4−ヒドロキシ−アゼチジン、2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−イルであり;
3a、R3b及びR3cは、(i)独立して考えた場合に、C1−3アルキル、C1−2アルコキシ若しくはC1−2フルオロアルキルより独立して選択されるか、又は(ii)一緒に考えた場合に、R3a及びR3bは、一緒になって、C2−4メチレンであり、R3cは、C1−3アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン若しくはC1−3アルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容されうる塩が提供される。
【0017】
本発明は、また、C型肝炎ウイルス(HCV)ウイルスによって引き起こされる疾患を処置するための医薬を製造するための、単独又は他の抗ウイルス化合物若しくは免疫調節剤と組み合わせた、抗ウイルス剤としての式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0018】
本発明は、また、細胞におけるHCV複製阻害剤としての、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0019】
本発明は、また、式Iで示される化合物に基づく医薬を提供する。
【0020】
本発明は、また、C型肝炎ウイルス(HCV)ウイルスによって引き起こされる疾患を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Iで示される化合物の治療有効量を投与する方法を提供する。その化合物は、単独で投与することができるか、又は他の抗ウイルス化合物若しくは免疫調節剤と共に同時投与することができる。
【0021】
本発明は、また、式Iで示される化合物を、HCVを阻害するために有効な量で投与することによって、細胞におけるHCVの複製を阻害するための方法を提供する。
【0022】
本発明は、また、式Iで示される化合物と、少なくとも一つの薬学的に許容されうる担体、希釈剤又は賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0023】
本明細書に使用されるような「a」又は「an」実体という語句は、一つ又は複数のその実態を表し;例えば、「a」化合物は、一つ若しくは複数の化合物又は少なくとも一つの化合物を表す。そのように、「a」(又は「an」)、「一つ又は複数の」、及び「少なくとも一つの」という用語は、本明細書において互換的に使用することができる。
【0024】
「本明細書において上記で定義するとおりである」という語句は、最も広い請求項に提供されるものと同じ、各基についての最も広い定義を表す。下に提供された全ての他の実施態様において、各実施態様に存在しうる置換基であって、かつ明確に定義されない置換基は、最も広い請求項に提供される最も広い定義を有する。
【0025】
本明細書に使用されるように、請求項の移行句であろうと特徴部分であろうと「含む」及び「含んでいる」という用語は、制限のない(open-ended)意味を有するとして解釈すべきである。すなわち、これらの用語は、「少なくとも有する」又は「少なくとも含んでいる」という語句と同義に解釈すべきである。プロセスの文脈で使用するとき、「含んでいる」という用語は、そのプロセスが、少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含みうることを意味する。化合物又は組成物の文脈で使用するとき、「含んでいる」という用語は、その化合物又は組成物が、少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素もまた含みうることを意味する。
【0026】
「独立して」という用語は、本明細書において同じ化合物内に同じ又は異なる定義を有する可変部の存在又は不在を考慮せずに、可変部が任意の一つの場合に適用されることを示すために使用される。したがって、R”が2回出現し、「独立して炭素又は窒素」と定義される化合物では、両方のR”は炭素でありうるか、両方のR”は窒素でありうるか、又は一方のR”は炭素で、他方は窒素でありうる。
【0027】
本発明に採用又は請求された化合物を表現及び説明している任意の部分又は式に任意の可変部(例えば、R、R4a、Ar、X又はHet)が1回を超えて出現する場合、出現毎のそれの定義は、その他全ての出現でのそれの定義に依存しない。また、当該化合物の結果として安定な化合物が生じる場合にだけ、置換基及び/又は可変部の組み合わせが許される。
【0028】
結合の末端の記号「*」又は結合を経由して描かれた「------」は、それぞれ、官能基又は他の化学部分から、それが一部分をなす分子の残りへの結合点を表す。したがって、例えば次の通りである:
【0029】
【化2】

【0030】
(別個の頂点での連結とは対照的に)環系の中に入るように描かれた結合は、その結合が任意の適切な環原子に結合しうることを示す。
【0031】
本明細書に使用されるような「場合による」又は「場合により」という用語は、続いて記載される事象又は状況が起こりうるが、起こらなくてもよいこと、並びにその記載がその事象又は状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換された」は、場合により置換された部分が水素又は置換基と結合していてもよいことを意味する。
【0032】
「約」という用語は、本明細書において、ほぼ、近辺、大体、又はおよそを意味するために使用される。「約」という用語が、数値範囲と共に使用される場合に、この用語は、示された数値の上下に境界を広げることによりその範囲を変更する。一般に「約」という用語は、本明細書において、20%の変動だけ既述の値の上下に数値を変更するために使用される。
【0033】
本明細書に使用されるように変数についての数値範囲の詳述は、本発明がその範囲内の任意の値に等しい変数を用いて実施できることを伝えることを意図する。したがって、本質的な離散変数について、その変数は、その数値範囲の終点を含めたその範囲の任意の整数に等しくなりうる。同様に、本質的な連続変数について、その変数は、その数値範囲の終点を含めたその範囲の任意の実数値に等しくなりうる。一例として、0〜2の値を有すると記載された変数は、本質的な離散変数については、0、1又は2のことがあり、本質的な連続変数については、0.0、0.1、0.01、0.001、又は他の任意の実数値でありうる。
【0034】
式Iで示される化合物は、互変異性を示す。互変異性化合物は、二つ以上の相互変換可能な種として存在しうる。プロトン移動互変異性体は、共有結合した水素原子が2個の原子の間を移動することから生じる。互変異性体は、一般に平衡状態で存在し、個別の互変異性体を単離する試みにより、普通は、化学的及び物理的性質が化合物の混合物と一致する混合物が生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、アセトアルデヒドなどの多数の脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト形が優勢である一方で、フェノールではエノール形が優勢である。一般的なプロトン移動互変異性体には、
【数1】


が挙げられる。後者の二つは、特にヘテロアリール環及び複素環に一般的であり、本発明は、化合物の全ての互変異性体型を包含する。
【0035】
式Iで示される化合物のいくつかは、一つ又は複数のキラル中心を有することから、二つ以上の立体異性体形で存在しうることが専門家によって理解されよう。これらの異性体のラセミ体、個別の異性体及び一方の鏡像異性体が豊富な混合物、それに加えて二つのキラル中心がある場合のジアステレオマー、及び特定のジアステレオマーが部分的に豊富な混合物は、本発明の範囲内である。さらに、トロパン環の置換がエンド又はエキソ配置のいずれかであり、本発明が両方の配置を包含することが、専門家によって理解されよう。本発明には、式Iで示される化合物の全ての個別の立体異性体(例えば鏡像異性体)、ラセミ混合物又は部分的に分割された混合物、及び適切な場合はその個別の互変異性体型が含まれる。
【0036】
ラセミ体は、ラセミ体として使用してもよいし、又はそれらの個別の異性体に分割してもよい。分割により、立体化学的に純粋な化合物又は一つ若しくは複数の異性体が豊富な混合物を得ることができる。異性体を分離するための方法は、周知であり(Allinger N. L. and Eliel E. L. in "Topics in Stereochemistry", Vol. 6, Wiley Interscience, 1971参照)、それには、キラル吸着剤を使用したクロマトグラフィーなどの物理的方法が挙げられる。個別の異性体は、キラル前駆体からキラル形で調製することができる。或いは、10−カンファースルホン酸、樟脳酸、α−ブロモ樟脳酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、ピロリドン−5−カルボン酸などの個別の鏡像異性体のようなキラル酸と共にジアステレオマー塩を形成させ、その塩を分別晶出させ、そして次に、分割された塩基の一方又は両方を(もう一方を実質的に有さない、すなわち>95%の光学的純度を有する形で)得るために、その一方又は両方を遊離させ、場合によりこの工程を繰り返すことによって、混合物から個別の異性体を化学的に分離することができる。或いは、ラセミ体をキラル化合物(補助物質)と共有結合させてジアステレオマーを生成させることができ、それをクロマトグラフィー又は分別晶出により分離することができ、その後キラル補助物質を化学的に除去して、純粋な鏡像異性体が得られる。
【0037】
式Iで示される化合物は、少なくとも一つの塩基性中心を有し、適切な酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成される。無機酸の塩の例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩が挙げられる。有機酸の塩の例には、酢酸塩、フマル酸塩、パモ酸塩、アスパラギン酸塩、ベシル酸塩、カルボン酸塩、ビカルボン酸塩、カンシル酸塩、D及びL−乳酸塩、D及びL−酒石酸塩、エシル酸塩、メシル酸塩、マロン酸塩、オロチン酸塩、グルセプト酸塩、メチル硫酸塩、ステアリン酸塩、グルクロン酸塩、2−ナプシル酸塩、トシル酸塩ヒベンズ酸塩、ニコチン酸塩、イセチオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、エシル酸塩、並びにパモ酸塩が挙げられる。適切な塩に関する総説については、Berge et al, J. Pharm. Sci., 1977 66:1-19及びG. S. Paulekuhn et al. J. Med. Chem. 2007 50:6665を参照されたい。
【0038】
本明細書に使用される技術用語及び科学用語は、特に定義しない限り、本発明が属する技術分野の技術者に一般に理解される意味を有する。本明細書において当業者に公知の様々な方法及び材料が参照される。薬理学の一般原理を説明している標準的な参考文献には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。これらの化合物の調製に使用される出発物質及び試薬は、一般にAldrich Chemical Co.などの販売業者から入手できるか、又は参照に示される手順に従って当業者に公知の方法により調製される。以下の説明及び実施例に参照される材料、試薬などは、特に記載しない限り販売業者から得ることができる。一般的な合成手順は、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, Volumes 1-21; R. C. LaRock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition Wiley-VCH, New York 1999; Comprehensive Organic Synthesis, B. Trost and I. Fleming (Eds.) vol. 1-9 Pergamon, Oxford, 1991; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1984, vol. 1-9; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1996, vol. 1-11;及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40などの専門書に記載されており、当業者が熟知しているであろう。
【0039】
本発明の一実施態様では、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義するとおりである]で示される化合物が提供される。「本明細書において上記で定義するとおりである」という語句は、上記又は最も広い請求項に提供されるような、各基についての最も広い定義を表す。下記に提供された全ての他の実施態様では、各実施態様に存在しうる置換基であって、明確に定義されていない置換基は、上記に提供された最も広い定義をもつ。
【0040】
本発明の第二の実施態様では、式I[式中、Rは、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cは、メチルである]で示される化合物が提供される。
【0041】
本発明の第三の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、Rは、場合により置換されたアロイル、C3−7シクロアルカンカルボニル、−SO1−6アルキル、−SO−C3−6シクロアルキル、SONR、ピリジノイルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0042】
本発明の別の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、Rは、場合により置換されたアロイルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0043】
本発明のさらに別の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NR、C3−7シクロアルカンカルボニルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0044】
本発明のさらに別の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、Rは、−SO−C1−6アルキルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0045】
本発明の別の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、Rは、−SO−C3−6シクロアルキルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0046】
本発明の別の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、Rは、場合により置換されたアロイル、C3−7シクロアルカンカルボニル、−SO−C1−6アルキル、SONR、ピリジノイルであり、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである]で示される化合物が提供される。
【0047】
本発明の第五の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、R及びRは、一緒になってS(=O)NR(CHである(ここで、pは3〜5である)]で示される化合物が提供される。
【0048】
本発明の第六の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−3NRであり、R及びRは、一緒になってS(=O)NR(CHであり(ここで、pは3〜5である)、Rは、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cは、メチルである]で示される化合物が提供される。
【0049】
本発明の第七の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6NRであり、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル、(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシ若しくはカルボキシC1−3ヒドロキシメチルで置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルで示される化合物が提供される。
【0050】
本発明の第八の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−6COXであり、XはC1−6アルコキシ又はNRである]で示される化合物が提供される。
【0051】
本発明の第九の実施態様では、式I[式中、Rは、(アルキレン)0−3COXであり、Xは、C1−6アルコキシ又はNRであり、Rは、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cは、メチルである]で示される化合物が提供される。
【0052】
本発明の第十の実施態様では、表Iの化合物I−1〜I−91及びI−92から成る群より選択される、式Iで示される化合物又はその薬学的に許容されうる塩が提供される。
【0053】
本発明の第十一の実施態様では、抗ウイルス剤としての、又はHCVにより引き起こされる疾患の制御のための医薬を製造するための、式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0054】
本発明の第十二の実施態様では、少なくとも一つの免疫系調節剤及び/又はHCVの複製を阻害する少なくとも一つの抗ウイルス剤と組み合わせた、抗ウイルス剤としての式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0055】
本発明の第十三の実施態様では、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子又はコロニー刺激因子より選択される少なくとも一つの免疫系調節剤と組み合わせた、抗ウイルス剤としての式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0056】
本発明の第十四の実施態様では、インターフェロン又は化学誘導体化されたインターフェロンと組み合わせた、抗ウイルス剤としての式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0057】
本発明の第十五の実施態様では、HCVプロテアーゼ阻害剤、別のHCVポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、HCVプライマーゼ阻害剤及びHCV融合阻害剤から成る群より選択される別の抗ウイルス化合物と組み合わせた、抗ウイルス剤としての式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0058】
本発明の第十六の実施態様では、細胞におけるHCV複製阻害剤としての、式Iで示される化合物の使用が提供される。
【0059】
本発明の第十七の実施態様では、HCVにより引き起こされる疾患を、その処置を必要とする患者において処置する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義したとおりである]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む方法が提供される。
【0060】
本発明の第十八の実施態様では、HCVにより引き起こされる疾患を、その処置を必要とする患者において処置する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義したとおりである]で示される化合物の治療有効量と、少なくとも一つの免疫系調節剤及び/又はHCVの複製を阻害する少なくとも一つの抗ウイルス剤とを同時投与することを含む方法が提供される。
【0061】
本発明の第十九の実施態様では、HCVにより引き起こされる疾患を、その処置を必要とする患者において処置する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義したとおりである]で示される化合物の治療有効量と、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子又はコロニー刺激因子より選択される少なくとも一つの免疫系調節剤とを同時投与することを含む方法が提供される。
【0062】
本発明の第二十の実施態様では、HCVにより引き起こされる疾患を、その処置を必要とする患者において処置する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義したとおりである]で示される化合物の治療有効量と、インターフェロン又は化学誘導体化されたインターフェロンとを同時投与することを含む方法が提供される。
【0063】
本発明のさらなる実施態様では、HCVにより引き起こされる疾患を、その処置を必要とする患者において処置する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義するとおりである]で示される化合物の治療有効量と、HCVプロテアーゼ阻害剤、別のHCVポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、HCVプライマーゼ阻害剤及びHCV融合阻害剤から成る群より選択される別の抗ウイルス化合物とを同時投与することを含む方法が提供される。
【0064】
本発明のさらなる実施態様では、細胞におけるHCV複製を阻害する方法であって、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義するとおりである]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む方法が提供される。
【0065】
本発明のさらなる実施態様では、少なくとも1つの薬学的に許容されうる担体、希釈剤又は賦形剤と混合された、式I[式中、R、R、R3a、R3b、R3c、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、n及びpは、本明細書において上記で定義するとおりである]で示される化合物の治療有効量を含有する組成物が提供される。
【0066】
本明細書に使用されるような「アルキル」という用語は、さらなる限定なしに、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐鎖飽和一価炭化水素残基を意味する。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素残基を意味する。「C10アルキル」は、1〜10個の炭素から構成されるアルキルを表す。アルキル基の例には、非限定的にメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが挙げられる。低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルが挙げられる。
【0067】
「フェニルアルキル」(若しくは「アリールアルキル」)又は「ヒドロキシアルキル」のように、「アルキル」という用語が別の用語に続く接尾語として使用される場合、これは、上記で定義するようなアルキル基が他の具体的に挙げられた基より選択される1〜2個の置換基で置換されていることを表すことが意図される。したがって、例えば「フェニルアルキル」は、基R’R”(ここで、R’は、フェニル基であり、R”は本明細書において定義するようなアルキレン基であり、フェニルアルキル部分の結合点はアルキレン基上にあることが了解されている)を意味する。アリールアルキル基の例には、非限定的にベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられる。「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、R’がアリール基である以外は同様に解釈される。「(ヘト)アリールアルキル」又は「(ヘト)アラルキル」という用語は、R’が、場合によりアリール又はヘテロアリール基である以外は同様に解釈される。「ピリジニルC1−6アルキル」という用語は、R’がピリジニルであり、R”がアルキレンである基を表す。
【0068】
本明細書に使用されるような「アルキレン」という用語は、特に記載しない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖炭化水素基(例えば、(CH)n)又は2〜10個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を意味する。「C0−4アルキレン」は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和二価炭化水素基を表すか、又はCの場合にアルキレン基は除外される。メチレンの場合を除き、アルキレン基の空の結合の手は、同じ原子に結合しない。アルキレン基の例には、非限定的に、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられる。
【0069】
本明細書に使用されるような「アリール」という用語は、特に記載しない限り、ヒドロキシ、チオ、シアノ、アルキル、アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル,アルキルアミノアルキル,及びジアルキルアミノアルキル,アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル及びジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノより独立して選択される1個又は複数個、好ましくは1個又は3個の置換基で場合により置換されていてもよいフェニル基を意味する。或いはアリール環の2個の隣接原子は、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシ基で置換されていてもよい。
【0070】
本明細書に使用されるような「シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素原子を有する飽和炭素環式環、すなわちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを意味する。本明細書に使用されるような「C3−7シクロアルキル」は、炭素環式環中の3〜7個の炭素から構成されるシクロアルキルを表す。
【0071】
本明細書に使用されるような「シクロアルキルアルキル」という用語は、基R’R”−(ここで、R’は、本明細書において定義するようなシクロアルキル基であり、R”は、本明細書において定義するようなアルキレン基であり、シクロアルキルアルキル部分の結合点はアルキレン基上にあることが了解されている)を表す。シクロアルキルアルキル基の例には、非限定的に、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチルが挙げられる。C3−7シクロアルキル−C1−3アルキルは、基R’R”(ここで、R’は、本明細書において同義のC3−7シクロールアルキル(cyclolalkyl)であり、R”はC1−3アルキレンである)を表す。
【0072】
本明細書に使用されるような「ハロアルキル」という用語は、上記で定義するような、非分岐又は分岐鎖アルキル基(ここで、1、2、3個又はそれを超える水素原子が、ハロゲンにより置換されている)を意味する。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0073】
本明細書に使用されるような「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を意味する(ここで、アルキルは、上記で定義するとおりであり、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(それらの異性体を含む)である)。本明細書に使用されるような「低級アルコキシ」は、前記で定義するような「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を意味する。本明細書に使用されるような「C1−10アルコキシ」は、−O−アルキル(ここで、アルキルはC1−10である)を表す。
【0074】
本明細書に使用されるような「アルコキシカルボニル」及び「アリールオキシカルボニル」という用語は、式−C(=O)OR[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、アルキル及びアリールは、本明細書で定義するとおりある]で示される基を意味する。例えば、Cアルコキシカルボニルは−C(=O)Meを表す。
【0075】
本明細書に使用されるような「ハロアルコキシ」という用語は、基−OR(ここで、Rは、本明細書で定義するようなハロアルキルである)を表す。本明細書に使用されるような「ハロアルキルチオ」という用語は、基−SR(ここで、Rは、本明細書で定義するようなハロアルキルである)を表す。
【0076】
本明細書に使用されるような「ヒドロキシアルキル」、「アルコキシアルキル」、「アシルオキシアルキル」又は「シアノアルキル」という用語は、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子が、それぞれヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシ又はシアノ基により置き換えられている、本明細書で定義するようなアルキル基を意味する。C1−3アルコキシ−C1−6アルキル部分は、1〜3個の水素原子がC1−3アルコキシにより置き換えられているC1−6アルキル置換基であって、アルコキシの結合点が酸素原子であるC1−6アルキル置換基を表す。
【0077】
本明細書に使用されるような「ヒドロキシアルコキシ」及び「アルコキシアルコキシル」という用語は、本明細書で定義するようなアルコキシ基(ここで、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子は、それぞれヒドロキシル又はアルコキシ基により置き換えられている)を意味する。C1−3アルコキシ−C1−6アルコキシ部分は、1〜3個の水素原子がC1−3アルコキシにより置き換えられたC1−6アルコキシ置換基であって、アルコキシの結合点が酸素原子のC1−6アルコキシ置換基を表す。
【0078】
本明細書に使用されるような「C1−6フルオロアルキル」という用語は、上記で定義するような非分岐又は分岐鎖アルキル基(ここで、1、2、3個又はそれを超える水素原子は、フッ素により置換されている)を意味する。
【0079】
本明細書に使用されるような「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0080】
本明細書に使用されるような「アシル」という用語は、式−C(=O)R[式中、Rは、本明細書で定義するような水素又は低級アルキルである]で示される基を意味する。この用語又は本明細書に使用されるような「アルキルカルボニル」は、式C(=O)R[式中、Rは、本明細書で定義するようなアルキルである]で示される基を意味する。C1−6アシルという用語は、1〜6個の炭素原子を有する基−C(=O)Rを表す。C1アシル基は、ホルミル基(ここで、R=Hである)であり、C6アシル基は、アルキル鎖が非分岐の場合、ヘキサノイルを表す。本明細書に使用されるような「アリールカルボニル」又は「アロイル」という用語は、式C(=O)R[式中、Rはアリール基である]で示される基を意味し、本明細書に使用されるような「ベンゾイル」という用語は、「アリールカルボニル」又は「アロイル」基(ここで、Rはフェニルである)を意味する。「ピリジノイル」という用語は、式(i):
【0081】
【化3】


で示される部分を表す。
【0082】
本明細書に使用されるような「アミノ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれ−NH、−NHR及び−NRを表し、Rは、上記で定義するようなアルキルである。ジアルキル部分の窒素に結合した二つのアルキル基は、同じであるか又は異なっていてもよい。本明細書に使用されるような「アミノアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」という用語は、それぞれNH(アルキレン)−、RHN(アルキレン)−、及びRN(アルキレン)−(ここで、Rはアルキルであり、アルキレン及びアルキルは、共に本明細書において同義である)を表す。本明細書に使用されるような「C10アルキルアミノ」は、アルキルがC1−10である、アミノアルキルを表す。本明細書に使用されるようにC10アルキル−アミノ−C2−6アルキル」は、アルキルがC1−10であり、アルキレンが(CH2−6であるC1−10アルキルアミノ(アルキレン)2−6を表す。アルキレン基が3個以上の炭素原子を有する場合、アルキレンは、直鎖(例えば−(CH−)又は分岐(例えば−(CMeCH)−)でありうる。本明細書に使用されるような「フェニルアミノ」という用語は、−NHPh(ここで、Phは場合により置換されたフェニル基を表す)を表す。
【0083】
本明細書に使用されるような「C1−3アシルアミノ−C1−3アルキル」という用語は、−(CH1−3NHC(=O)R(ここで、Rは、水素、メチル又はエチルである)を表す。
【0084】
本明細書に使用されるような「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」という用語は、式−S(=O)R[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、アルキル及びアリールは、本明細書で定義するとおりである]で示される基を意味する。本明細書に使用されるようにC1−3アルキルスルホニルアミドという用語は、基RSO2NH−(ここで、Rは、本明細書で定義するようなC1−アルキル基である)を表す。
【0085】
本明細書に使用されるような「スルファモイル」という用語は、基−S(O)NHを表す。本明細書に使用されるような「N−アルキルスルファモイル」及び「N,N−ジアルキルスルファモイル」という用語は、基−S(O)NR’R”(ここで、R’及びR”は、水素及び低級アルキルであり、R’及びR”は、それぞれ独立して低級アルキルである)を表す。N−アルキルスルファモイル置換基の例には、非限定的にメチルアミノスルホニル、イソ−プロピルアミノスルホニルが挙げられる。N,N−ジアルキルスルファモイル置換基の例には、非限定的に、ジメチルアミノスルホニル、イソ−プロピル−メチルアミノスルホニルが挙げられる。アミンがアルキル以外の基で置換されている場合を示すために、接頭辞N−アルキル又はN,N−ジアルキルを、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又は他の基で置き換えることができる。「スルファミド」という用語は、基NHSONHを表す。スルファミドは、不等価な窒素原子のいずれかで置換されていてもよく、N又はN’置換スルファミドとして区別される。基−NHSONHは、本明細書において「スルファモイルアミノ」基と呼ばれる。−NHSON’Rを具体的に区別することが必要な場合、コア構造に結合していない窒素原子がN’と称される。したがって、N’−メチルスルファモイルアミノは−NHSONHMeを表し、N−メチルスルファモイルアミノは−NMeSONHを表し、N,N’−ジメチルスルファモイルアミノは−NMeSONHMeを表す。指定がない場合、どちらの窒素が置換されていてもよい。
【0086】
「アルキルスルホンアミド」という用語は、基−NH−S(O)−アルキルを表す。例えばフェニルスルホンアミド−NH−S(O)−Phを示すために、アルキルという用語をアリール又はヘテロアリールのような他の化学的に関連する基により置き換えることができる。したがって、「C1−6アルキルスルホンアミド」は、−NH−S(O)−C1−6アルキルを表す。「N−アルキルアルキルスルホンアミド」は、基−NR−S(O)−アルキル(ここで、Rは低級アルキル基である)を表す。
【0087】
「C1−6アルキルスルホンアミド−C1−3アルキル−」という用語は、基−NRH−S(O)−C1−6アルキルを表す(ここで、Rは(CH1−3を表す)。例えばフェニルスルホンアミド−NH−S(O)−Phを示すために、アルキルという用語をアリール又はヘテロアリールなどの他の化学的に関連する基により置き換えることができる。「N−アルキルアルキルスルホンアミド」は、基−NR−S(O)−アルキル(ここで、Rは低級アルキル基である)を表す。
【0088】
本明細書に使用されるような「カルバモイル」という用語は、基−CONHを意味する。接頭辞「N−アルキルカバモイル(cabamoyl)」及び「N,N−ジアルキルカルバモイル」は、それぞれ基CONHR’又はCONR’R”を意味し、ここで、R’及びR”基は、独立して本明細書で定義するようなアルキルである。接頭辞N−アリールカバモイル」は、基CONHR’(ここで、R’は、本明細書で定義するようなアリール基である)を意味する。
【0089】
本明細書に使用されるような「ヘテロシクリル」又は「複素環」という用語は、環あたり3〜8個の原子から成る、(N、O又はS(O)0−2より選ばれる)1個又は複数の環ヘテロ原子を含んでいる一価飽和単環式基であって、場合により独立して1個又は複数、好ましくは1個又は2個の置換基(特に記載しない限りヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ,アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノより選択される)で置換されていてもよい一価飽和単環式基を意味する。特に記載しない限り、「ヘテロシクリル」又は「複素環」という用語は、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、モルホリニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、及びイミダゾリニル部分を表す。
【0090】
「アゼチジン」(「アゼチジニル」)、「ピロリジン」(「ピロリジニル」)、「ピペリジン」(「ピペリジニル」)及び「アゼピン」という用語は、それぞれ1個の炭素原子が窒素原子により置き換えられた4、5、6又は7員シクロアルカンを表す。「モルホリン」という用語は、1及び4位の炭素原子が窒素及び酸素により置き換えられたシクロヘキサン環を表す。「チオモルホリン」は、1及び4位の炭素原子が窒素及び硫黄により置き換えられたシクロヘキサン環を表す。「オキセタン」(オキセタニル)、「テトラヒドロフラン」(テトラヒドロフラニル)及び「テトラヒドロピラン」(テトラヒドロピラニル)という用語は、それぞれ1個の酸素原子を有する4、5及び6員非縮合複素環式環をそれぞれ表す。
【0091】
ピリジニル−C1−6アルキルという用語は、次式:
【0092】
【化4】


で示される置換基を表す。
【0093】
本発明の化合物及びそれらの異性体及びそれらの薬学的に許容されうる塩は、また、相互に組み合わせて使用する場合、及び非限定的にインターフェロン、PEG化インターフェロン、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、低分子干渉RNA化合物、アンチセンス化合物、ヌクレオチドアナログ、ヌクレオシドアナログ、免疫グロブリン、免疫調節剤、肝保護剤、抗炎症剤、抗生物質、抗ウイルス剤及び抗感染化合物から成る群を含む他の生物活性薬剤と組み合わせて使用する場合に、生きたホストにおけるウイルス感染(特にC型肝炎感染)及び疾患の治療及び予防に有用である。そのような併用療法は、また、本発明の化合物を、リバビリン及び関連化合物、アマンタジン及び関連化合物、各種インターフェロン、例えばインターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロンγなど、加えてPEG化インターフェロンなどの他のタイプのインターフェロンのような他の医薬又は増強剤と同時に又は連続的に提供することを含みうる。追加的に、リバビリン及びインターフェロンの組み合わせを、本発明の少なくとも一つの化合物との追加的な併用療法として投与することができる。
【0094】
一実施態様では、式Iで示される本発明の化合物は、HCVウイルス感染を患者を処置するために、他の活性治療成分又は薬剤と組み合わせて使用される。本発明によると、本発明の化合物と組み合わせて使用される活性治療成分は、本発明の化合物と組み合わせて使用する場合に治療効果を有する任意の薬剤でありうる。例えば、本発明の化合物と組み合わせて使用される活性薬剤は、インターフェロン、リバビリンアナログ、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCVポリメラーゼヌクレオシド系阻害剤、HCVポリメラーゼ非ヌクレオシド系阻害剤、及びHCVを処置するための他の薬物、又はその混合物でありうる。
【0095】
NS5bポリメラーゼヌクレオシド系阻害剤の例には、非限定的にNM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、IDX184及びIDX102(Idenix)BILB 1941が挙げられる。
【0096】
NS5bポリメラーゼ非ヌクレオシド系阻害剤の例には、非限定的にHCV−796(ViroPharma及びWyeth)、MK−0608、MK−3281(Merck)、NM−107、R7128(R4048)、VCH−759、GSK625433及びGSK625433(Glaxo)、PF−868554(Pfizer)、GS−9190(Gilead)、A−837093及びA848837(Abbot Laboratories)、ANA598(Anadys Pharmaceuticals);GL100597(GNLB/NVS)、VBY 708(ViroBay)、ベンズイミダゾール誘導体(H. Hashimotoら、国際公開公報第01/47833号、H. Hashimotoら、国際公開公報第03/000254号、P. L. Beaulieuら、国際公開公報第03/020240 A2号;P. L. Beaulieuら、米国特許第6,448,281 B1号;P. L. Beaulieuら、国際公開公報第03/007945 A1号)、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体(D. Dhanakら、国際公開公報第01/85172 A1号、2001年5月10日出願;D. Chaiら、国際公開公報第2002098424号、2002年6月7日出願、D. Dhanakら、国際公開公報第03/037262 A2号、2002年10月28日出願;K. J. Duffyら、国際公開公報第03/099801 A1号、2003年5月23日出願、M. G. Darcyら、国際公開公報第2003059356号、2002年10月28日出願;D.Chaiら、国際公開公報第2004052312号、2004年6月24日出願、D.Chaiら、国際公開公報第2004052313号、2003年12月13日出願;D. M. Fitchら、国際公開公報第2004058150号、2003年12月11日出願;D. K. Hutchinsonら、国際公開公報第2005019191号、2004年8月19日出願;J. K. Prattら、国際公開公報第2004/041818 A1号、2003年10月31日出願)、1,1−ジオキソ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル誘導体(J. F. Blakeら、米国特許出願公開第20060252785号及び1,1−ジオキソ−ベンゾ[d]イソタゾール(isothazol)−3−イル化合物(J. F. Blakeら、米国特許出願公開第2006040927号)が挙げられる。
【0097】
HCV NS3プロテアーゼ阻害剤の例には、非限定的にSCH−503034(Schering、SCH−7)、VX−950(テラプレビル、Vertex)、BILN−2065(Boehringer-Ingelheim、BMS−605339(Bristo Myers Squibb)、及びITMN−191(Intermune)が挙げられる。
【0098】
インターフェロンの例には、非限定的にPEG化rIFN−α2b、PEG化rIFN−α2a、rIFN−α2b、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα(インファーゲン(infergen))、フェロン(feron)、レアフェロン(reaferon)、intermax α、r−IFN−β、インファーゲン+actimmune、DUROSを用いたIFN−ω、アルブフェロン、ロクテロン、アルブフェロン、Rebif、経口インターフェロンα、IFNα−2b XL、AVI−005、PEG−インファーゲン、及びPEG化IFN−βが挙げられる。
【0099】
HCVを制御するために、リバビリンアナログ及びリバビリンプロドラッグであるビラミジン(タリバビリン)が、インターフェロンと共に投与されている。
【0100】
一般に使用される略語には:アセチル(Ac)、水性(aq.)、気圧(Atm)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボネート又はboc無水物(BOC2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、Chemical Abstracts登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、ジ−イソ−プロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソ−プロパノール(IPA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、satd.(飽和)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMe2Si(TBDMS)、トリエチルアミン(TEA又はEt3N)、トリフレート又はCF3SO2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、トリメチルシリル又はMe3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−C6H4SO2−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)が挙げられる。接頭辞ノルマル(n−)、イソ(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)及びネオ−を含めた通例の命名は、アルキル部分と共に使用する場合にその慣例的な意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford)。
【0101】
本発明により包含される代表的な化合物及び本発明の範囲内の代表的な化合物の例を、以下の表に提供する。これらの例及びそれに続く調製を、当業者が本発明をより明確に理解及び実践できるように提供する。それらは、本発明の範囲を限定するものではなく、単にそれを例示及び代表するものとして見なすべきである。
【0102】
本発明により包含される化合物は、置換3−フェニル−1H−ピリジン−2−オン誘導体である。コア構造上の置換部位を表すために、以下の付番スキームを使用する。
【0103】
【化5】

【0104】
【表1】











【0105】
スルホニル化又はアシル化3−(2−アミノメチル−5−tert−ブチル−4−メトキシ−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン誘導体は、ベンジルアミンA−3cのスルホニル化又はアシル化により調製した。必要なアミンは、NBS又は臭素を用いた(4−tert−ブチル−3−メトキシ−フェニル)−メタノール(A−1a、対応する下記安息香酸から得られる)の臭素化により調製される。4−tert−ブチル−3−メトキシ−安息香酸(例えば実施例31参照、CASRN79822−46−1)又は4−tert−ブチル−3−メトキシ−フェニルアミンの同様の臭素化により対応する安息香酸又はアニリン誘導体(CASRN103273−01−4)が得られた。
【0106】
【化6】

【0107】
本特許請求の範囲に包含される化合物は、場合により置換された2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル部分の存在を特徴とする。ピリドンは、A−1bと2−アルコキシ−ピリジン−3−イルボロン酸又は2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸とのパラジウム触媒鈴木カップリングにより導入することができる。ボロン酸を、場合により4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン又は他のボロン酸エステルに置き換えることができる。鈴木反応は、ボロン酸と、アリール又はビニルハライド又はトリフレートとのパラジウム触媒カップリングである。典型的な触媒には、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)及びPdCl(dppf)が挙げられる。PdCl(dppf)を用いて、β脱離なしに第一級アルキルボラン化合物をアリール又はビニルハライド又はトリフレートとカップリングさせることができる。反応は、トルエン、THF、ジオキサン、DCE、DMF、DMSO及びMeCNなどの多様な有機溶媒中、水性溶媒中、及び二相条件下で実施することができる。反応は、典型的にはおおむね室温〜約150℃で行われる。添加剤(例えばCsF、KF、TlOH、NaOEt及びKOH)は、多くの場合にカップリングを加速する。鈴木反応には特定のパラジウム触媒、リガンド、添加剤、溶媒、温度などを含む多数の要素があるが、多数のプロトコールが確認されている。高活性触媒が記載されている(例えばJ. P. Wolfe et al., J. Am. Chem. Soc. 1999 121(41):9550-9561及びA. F. Littke et al., J. Am. Chem. Soc. 2000 122(17):4020-4028参照)。当業者は、過度の実験なしに満足のいくプロトコールを確認できるであろうし、さらにボロン酸及び脱離基の位置を置き換えることができることを確認できるであろう。
【0108】
ベンジルアルコールからベンジルアミンへの変換は、典型的にはベンジルアルコールをベンジルハライド誘導体に変換し、それをアジドにより置換(displacement)し、続いてそのアジドをアミンA−3cに還元することによって実施される。アジドの還元は、一般にトリフェニルホスフィン又はトリアルキルホスフィンを用いて達成されるが、アジドの還元のための他の手順が周知である。A−3cの生成に至る多数の周知の関連手法を採用することができ、請求された化合物を効率的に製造するために任意のものを採用することができる。ベンジルアミンのスルホニル化又はアシル化によりA−3cが得られ、ここで、NRは、それぞれスルホンアミド又はカルボキサミドを含む。
【0109】
最終的にピリジニルエーテルを開裂し、次に必要なピリドンが得られる。これは、典型的には、R’がメチルの場合にHBrとHOAcとの混合物中で、又はR’がCHPhの場合に接触水素化分解により実施され、他の適切な方法は当技術分野で公知であり、手順の選択は、単に便宜上の問題である。スキームAは、C−2置換基の導入後にピリドン環を合成する順序を示すが、その順序は、多くの場合に変更することができ、実施される変転の順序は、必要よりも便宜上の問題である。
【0110】
或いは、スルホンアミド又はカルボキサミドの脱プロトン化及びベンジルハライド、A−1b又はA−3bのアルキル化により、本発明の化合物が得られる。スルホンアミド又はアミドのN−アルキル化は、通常、当業者に周知の塩基性条件下で実施される。反応は、典型的にはTHF、DMF、DMSO、NMP及びその混合物などの非プロトン性溶媒中で、−78℃〜100℃の温度で実施される。典型的に使用される塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドである(実施例1が例である。)。
【0111】
【化7】

【0112】
スキームBは、安息香酸を対応するアミドに変換し、それを今度はベンジルアミンに還元することによりベンジルアミンを構築し、スキームAに類似した手順を用いて、それをさらに本発明の化合物に変換する代替手順を与える。塩基性有機化学変換を利用してB−1a又はA−1bのような化合物を増炭できることは、当業者に明白であろう。例えば、B−1bを対応するアルデヒドに酸化し、そのアルデヒドをメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドと共にウィッティヒ反応させ、エノールエーテルが得られ、それを対応するフェニル酢酸誘導体に容易に変換する(例えば実施例16参照)。炭素3個の付加体(appendage)は、アルデヒドをトリフェニルホスホノ酢酸メチルと共にHorner-Wadsworth-Emmons縮合させ、続いてオレフィンを還元することによって容易に調製される(例えば実施例15参照)。A−3bなどのベンジルハライドは、シアン化物を用いた置換及びその後のニトリルの加水分解によって同様に増炭することができる。本発明により包含されるメトキシ置換基を有さない化合物は、2−ブロモ−4−tert−ブチル−安息香酸(CASRN6332−96−3)又は2−ブロモ−4−tert−ブチル−アニリン(CASRN103273−01−4)誘導体から容易に得られる。本発明により包含される化合物にあまり一般的ではない他の変換は、以下の実施例に見出すことができる。
【0113】
カルボン酸からアミドへの変換は、活性化カルボン酸を、酸クロリド又は対称若しくは混合酸無水物などのより活性な形に調製し、例えばDMF、DCM、THFなどの溶媒中で、共溶媒として水の存在下又は不在下、0〜60℃の温度で一般にNaCO、NaHCO、KCO、DIPEA、TEA又はピリジンなどの塩基の存在下で活性化誘導体をアミンと反応させてアミドを得ることにより行うことができる。チオニルクロリド、オキサリルクロリド、ホスホリルクロリドなどの当業者に周知の標準的な試薬を用いて、カルボン酸をその酸クロリドに変換する。それらの試薬は、DIPEA、TEA又はピリジンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で使用することができる。スルホニル化は、典型的にはスルホニルクロリド及び第三級アミン塩基を用いて同様に実施される。
【0114】
或いは、カルボン酸は、当業者に公知の種々のペプチドカップリング手順によりその場で活性化酸に変換することができる。これらの活性化酸をアミンと直接反応させ、アミドを得た。前記活性化は、NMM、TEA又はDIPEAなどの塩基の存在下又は不在下、DMF又はDCMなどの不活性溶媒中で、0℃〜60℃の温度でEDIC又はDCC、HOBt、BOP、PyBrOP又は2−フルオロ−1−メチルピリジニウムp−トルエンスルホネート(向山試薬)などの活性化剤を使用することもできる。或いは、反応は、DMF、DCM又はTHF中で、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキソフルオロホスフェート(HATU)又は1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)及びTEA又はDIPEAの存在下で実施してもよい。(Organic Synthesis, E. Winterfeldt, ed., vol. 6, Pergamon Press, Oxford 1991 pp. 381-411;R. C. Larock, Comprehensive Organic Transformations - A Guide to Functional Group Preparations, 1989, VCH Publishers Inc., New York; pp. 972-976参照)
【0115】
HCV活性の阻害剤としての本発明の化合物の活性は、インビボ及びインビトロアッセイを含めた当業者に公知の任意の適切な方法により測定することができる。例えば、式Iで示される化合物のHCV NS5B阻害活性は、Behrens et al., EMBO J. 1996 15:12-22, Lohmann et al., Virology 1998 249:108-118及びRanjith-Kumar et al., J. Virology 2001 75:8615-8623に記載された標準的なアッセイ手順を用いて決定することができる。特に記載しない限り、本発明の化合物は、そのような標準的なアッセイでインビトロHCV NS5B阻害活性を実証している。本発明の化合物について用いられたHCVポリメラーゼアッセイ条件を実施例3に記載する。Huh7細胞において非構造タンパク質がサブゲノムウイルスRNAを安定的に複製する、HCV関する細胞性レプリコンシステムが開発されている(V. Lohmann et al., Science 1999 285:110及びK. J. Blight et al., Science 2000 290:1972。本発明の化合物について用いられる細胞性レプリコンアッセイ条件を、実施例4に記載する。ウイルス非構造タンパク質及びホストタンパク質から成る、精製された機能的HCVレプリカーゼの不在下で、我々のFlaviviridaeのRNA合成の理解は、活性リコンビナントRNA依存性RNAポリメラーゼを用いた研究及びHCVレプリコンシステムにおけるこれらの研究の検証から得ている。インビトロ生化学アッセイでの化合物によるリコンビナント精製HCVポリメラーゼの阻害は、ポリメラーゼが適切な化学量論で他のウイルスポリペプチド及び細胞ポリペプチドと会合したレプリカーゼ複合体内に存在するレプリコンシステムを用いて検証することができる。HCV複製の細胞性阻害の実証は、インビトロ生化学アッセイでのHCV NS5B阻害活性の実証よりもインビボ機能を大きく予測することができる。
【0116】
本発明の化合物は、多様な経口投与剤形及び担体で製剤化することができる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の剤形でありうる。本発明の化合物は、とりわけ、連続(静脈内点滴)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(透過促進剤を含みうる)、頬側、鼻腔内、吸入及び坐剤投与などの他の投与経路により投与した場合に有効である。好ましい投与方式は、一般に、苦痛の程度及び活性成分に対する患者の応答に応じて調整できる簡便な1日投薬計画を用いた経口である。
【0117】
本発明の一つ又は複数の化合物及びそれらの薬学的に有用な塩は、一つ又は複数の通例の賦形剤、担体又は希釈剤と一緒に、薬学的組成物の形及び単回投与剤形にすることができる。薬学的組成物及び単回投与剤形は、追加的な活性化合物又は主薬の存在下又は不在下で、通例の比率の通例の成分から成ることがあり、単回投与剤形は、採用しようとする1日投薬範囲と釣り合った活性成分の任意の適切な有効量を含有しうる。薬学的組成物は、経口使用のための錠剤若しくは充填済みカプセル剤などの固形剤、半固形剤、散剤、徐放製剤、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、若しくは充填済みカプセル剤などの液体;又は直腸又は膣投与用の坐剤の剤形;又は非経口使用のための滅菌注射液の剤形で使用することができる。典型的な調製物は、約5〜約95(w/w)%の一つ又は複数の活性化合物を含有するであろう。「調製物」又は「剤形」という用語には、活性化合物の固形製剤と液体製剤の両方が含まれることが意図され、当業者は、活性成分が対象の器官又は組織並びに所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて異なる調製物に存在しうることを認識しているであろう。
【0118】
本明細書に使用されるような「賦形剤」という用語は、一般に安全で、無毒で、生物学的にも他の面でも望ましい薬学的組成物を調製するうえで有用な化合物を表し、それには、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容されうる賦形剤が含まれる。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、一般に意図される投与経路及び標準的な薬学的な実用に関して選択された一つ又は複数の適切な薬学的賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与されるであろう。
【0119】
「薬学的に許容されうる」は、一般に安全で、無毒で、生物学的にも他の面でも望ましい薬学的組成物を調製するうえで有用であることを意味し、それには、ヒトの薬学的使用に許容されうることが含まれる。
【0120】
活性成分の「薬学的に許容されうる塩」形態は、また、非塩形態では認められなかったに不在であった所望の薬物動態性質を活性成分に最初に付与し、それによって、身体におけるその治療活性に関する活性成分の薬力学にプラスの影響さえ与えることがある。化合物の「薬学的に許容されうる塩」という語句は、薬学的に許容されうる塩であって、親化合物の所望の薬理活性を保有する塩を意味する。そのような塩には:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成した酸付加塩、又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成した酸付加塩;或いは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置き換えられているか、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成する塩が挙げられる。
【0121】
固形調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散顆粒剤が挙げられる。固形担体は、希釈剤、着香剤、溶解補助剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又は封入物質としても作用しうる一つ又は複数の物質でありうる。散剤中の担体は、一般に、微粉化活性成分と混合された微粉化固体である。錠剤において活性成分は、一般に、必要な結合能を有する担体と適切な比率で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体には、非限定的に炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ脂などが挙げられる。固形調製物は、活性成分に加えて、着色料、着香料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、粘稠化剤、溶解補助剤などを含有しうる。
【0122】
経口投与に適した液体製剤には、また、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含めた液体製剤が挙げられる。これらには、使用直前に液体形態調製物に変換することが意図された固形調製物が含まれる。乳剤は、溶液、例えばプロピレングリコール水溶液で調製することができるか、又はレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、若しくはアラビアゴムなどの乳化剤を含有しうる。水性液剤は、水に活性成分を溶解させ、適切な着色料、着香料、安定化剤及び粘稠化剤を添加することによって調製することができる。水性懸濁剤は、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁化剤などの粘性物質と共に、微粉化活性成分を水に分散させることによって調製することができる。
【0123】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えばボーラス注射又は連続注入)用に製剤してもよく、アンプル、充填済みシリンジ、少量輸液の1回投与剤形で、又は保存料が添加された多回用容器で提供してもよい。これらの組成物は、油性又は水性ビヒクルに入れた懸濁剤、液剤、又は乳剤の剤形、例えばポリエチレングリコール水溶液の剤形としてもよい。油性又は非水性担体、希釈剤、液剤又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられ、それらは、保存料、湿潤剤、乳化剤若しくは懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化用助剤を含有しうる。或いは、活性成分は、使用前に適切なビヒクルで、例えば無菌でパイロジェンフリーの水で構成するための、無菌固体の無菌的単離又は溶液からの凍結乾燥により得られた粉末剤形であってもよい。
【0124】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして表皮に局所投与するために製剤化することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば水性又は油性基剤を用いて、適切な粘稠化剤及び/又はゲル化剤を添加して製剤化することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化することができ、一般に一つ又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、粘稠化剤又は着色料もまた含有するであろう。口内局所投与に適した製剤には、香味基剤、通常はスクロース及びアラビアゴム若しくはトラガカント中に活性薬剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
【0125】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化することができる。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂などの低融点ろうを最初に融解させ、例えば撹拌により活性成分を均一に分散させる。次に、融解した均一混合物を好適な大きさの型に流し込み、冷却及び固化させる。
【0126】
本発明の化合物は、膣投与用に製剤化することができる。活性成分に加えて、当技術分野において適切であることが公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、泡剤又はスプレー剤。本発明の化合物は、鼻腔内投与のために製剤化することができる。液剤又は懸濁剤を通例の手段により、例えばスポイト、ピペット又はスプレーを用いて鼻腔に直接適用する。これらの製剤は、単回剤形又は多回剤形で提供することができる。スポイト又はピペットの後者の場合、これは、患者が適切な所定容量の液剤又は懸濁剤を投与することにより達成することができる。スプレー剤の場合、これは、例えば定量噴霧式スプレーポンプにより達成することができる。
【0127】
本発明の化合物は、特に呼吸器への、鼻腔内投与を含めたエアロゾル投与のために製剤化することができる。それらの化合物は、一般に、例えば5ミクロン以下程度の小さな粒子サイズを有するであろう。そのような粒子サイズは、当技術分野で公知の手段により、例えば微粒子化により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素若しくは他の適切な気体などの適切な噴射剤と共に加圧パックの中に用意される。エアロゾルは、便宜上またレシチンなどの界面活性剤を含有しうる。薬物の用量は、定量バルブによりコントロールすることができる。或いは、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば化合物の粉末混合物の形態で、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体、及びポリビニルピロリジン(polyvinylpyrrolidine)(PVP)などの適切な粉末基剤に入れて提供することができる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばゼラチンの、又はインヘラーにより粉末を投与できるブリスターパックの、例えばカプセル又はカートリッジに入れた単回投与剤形で提供することができる。
【0128】
所望であれば、製剤は、活性成分の徐放又は制御放出投与に適合した腸溶性コーティングを行って調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物デリバリーシステムに入れて製剤化することができる。これらのデリバリーシステムは、化合物の持続性放出が必要な場合に、及び患者の処置方式遵守が重要な場合に有利である。経皮デリバリーシステム中の化合物は、多くの場合に皮膚接着性固体支持体に結合している。対象化合物を、透過促進剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。持続性放出デリバリーシステムを外科手術又は注射により皮下の真皮下層に挿入する。真皮下インプラントは、脂溶性の膜、例えばシリコーンゴムに、又は生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸に化合物を封入している。
【0129】
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤の他に適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の製剤科学者は、本発明の組成物を不安定にすることなしに、又は、それらの治療活性を損なうことなしに、特定の投与経路用に数多くの製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変することができる。
【0130】
本発明の化合物を水又は他のビヒクルに更に可溶性にするためのそれらの改変は、例えば十分に当技術分野の通常の技術の範囲内である小さな改変(塩形成、エステル化など)により容易に達成することができる。患者における有益効果を最大にするために本発明の化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投薬計画を改変することもまた、十分に当技術分野の通常の技量の範囲内である。
【0131】
本明細書に使用されるような「治療有効量」という用語は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。その用量は、各特定の場合で個別の要件に適合されるであろう。その投薬量は、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び全身健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与の経路及び形態、並びに担当医師の好み及び経験などの多数の要因に応じて広い範囲を変動することがある。経口投与のために、約0.01〜約1000mg/kg体重/日の1日投薬量が単剤療法及び/又は併用療法に適切なはずである。好ましい1日投薬量は、1日あたり約0.1〜約500mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgのヒトへの投与について、投薬範囲は1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投薬量は、単回投薬又は分割投薬として、典型的には1日1〜5回投与することができる。一般に、化合物の最適用量未満のより低い投薬量で処置を開始する。その後、個個々の患者について最適効果に達するまで投薬量を少しずつ増加させる。当業者は、本明細書に記載された疾患の処置において、過度の実験なしに個人の知識、経験及び本出願の開示をよりどころに、所与の疾患及び患者について本発明の化合物の治療有効量を確かめることができるであろう。
【0132】
本発明の実施態様では、活性化合物又は塩は、リバビリン、ヌクレオシド系HCVポリメラーゼ阻害剤、別のHCV非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害剤又はHCVプロテアーゼ阻害剤などの別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができる。活性化合物又はその誘導体若しくは塩を別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与する場合に、活性は親化合物よりも増加することがある。処置が併用療法である場合に、そのような投与は、ヌクレオシド誘導体の投与と同時又は連続的でありうる。したがって、本明細書に使用されるような「同時投与」には、一緒に、又は別々に薬剤を投与することが含まれる。二つ以上の薬剤を一緒に投与することは、二つ以上の活性成分を含有する単一製剤により、又は単一の活性薬剤と共に二つ以上の投薬剤形を実質的に同時に投与することにより達成することができる。
【0133】
本明細書における処置についての言及は、現存する状態の治療だけではなく予防にまで及ぶことを了解されたい。さらに、本明細書に使用されるようにHCV感染の「処置」という用語には、また、HCV感染に関連するか若しくは仲介される疾患若しくは状態又はその臨床症状の治療又は予防が含まれる。
【0134】
本明細書に使用されるような「治療有効量」という用語は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。その用量は、各特定の場合での個別の要件に適合されよう。その投薬量は、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び全身の健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与の経路及び形態、並びに担当医師の好み及び経験などの多数の要因に応じて広い範囲を変動することがある。経口投与のために、約0.01〜約1000mg/kg体重/日の1日投薬量が単剤療法及び/又は併用療法に適切なはずである。好ましい1日投薬量は、1日あたり約0.1〜約500mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgのヒトへの投与について、投薬範囲は1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投薬量は、単回投薬又は分割投薬として、典型的には1日1〜5回投与することができる。一般に、化合物の最適用量未満の低い投薬量で処置を開始する。その後、個々の患者について最適効果に達するまで投薬量を少しずつ増加させる。当業者は、本明細書に記載された疾患の処置において、過度の実験なしに個人の知識、経験及び本出願の開示をよりどころに、所与の疾患及び患者について本発明の化合物の治療有効量を確かめることができるであろう。
【0135】
治療有効量の本発明の化合物及び場合により一つ又は複数の追加的な抗ウイルス剤は、ウイルス量を減少させるため又は治療に対する持続性ウイルス陰性化を達成するために有効な量である。ウイルス量に加えて持続性陰性化に有用な指標には、非限定的に肝線維症、血清トランスアミナーゼレベルの上昇及び肝臓の壊死性炎症性活性が挙げられる。マーカーの例示的であり、限定することのない一般的な一例は、標準的な臨床アッセイにより測定される血清アラニントランスミナーゼ(transminase)(ALT)である。本発明のいくつかの態様では、有効な処置計画は、ALTレベルを約45IU/mL血清未満に減少させる計画である。
【0136】
本発明の化合物を水又は他のビヒクルに更に可溶性にするためのそれらの改変は、例えば十分に当技術分野の通常の技術の範囲内である小さな改変(塩形成、エステル化など)により容易に達成することができる。患者における有益効果を最大にするために本発明の化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投薬方計画を改変することもまた、十分に当技術分野の通常の技量の範囲内である。
【0137】
以下の実施例は、本発明の範囲内の化合物の調製及び生物学的評価を例示する。これらの実施例及びそれに続く調製は、当業者が本発明をより明瞭に理解し実施できるように提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものと見なしてはならず、単にそれを例示及び代表するものと見なすべきである。
【0138】
実施例1
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−イソインドール−1,3−ジオン(I−33)スキームA
(4−tert−ブチル−3−メトキシ−フェニル)−メタノール(A−1a)− THF(60mL)中の4−tert−ブチル−3−メトキシ安息香酸(3.00g、14.40mmol)の5℃に冷却した溶液に、BH・MeS(THF中2.0M、16.60mL、33.10mmol)の溶液を滴下した。反応物を室温で24時間撹拌し、次に−50℃に冷却し、MeOH(20mL)を滴下してクエンチした。反応混合物を室温に温め、真空下で濃縮した。残留物をMeOH(3×20mL)に取り、真空下で濃縮した。最終的な残留物を、EtOAcと飽和NaHCO水溶液で分液した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、A−1a(R2a=R2b=R2c=Me) 2.64g(95%)を無色の油状物として得た。
【0139】
工程1 − CCl(75mL)中のA−1a(2.08g、10.70mmol)の溶液に、NBS(2.10g、11.80mmol)を加えた。反応物を15分間撹拌し、次に冷10% NaHSO水溶液で希釈した。反応混合物をDCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。残留物をヘキサン(80mL)に取り、次に濃縮して、A−1b 2.9g(100%)を白色の固体として得た。
【0140】
工程2 − 管に、MeOH(6mL)とDCM(2mL)の混合物中のA−1b(750mg、2.75mmol)、A−2(840mg、5.50mmol、R’=OMe、R”=R=H)、NaCO(582mg、5.50mmol)及びPd(PPh(320mg、0.275mmol)を入れ、密閉し、マイクロ波合成器中で120℃で25分間照射した。反応物をセライトパッド(登録商標)で濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜35% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、A−3a 0.670g(81%)を得た。
【0141】
工程3 − クロロホルム(20mL)中のA−3a(670mg、2.23mmol)とSOCl(2.10mL、2.90mmol)の混合物を1時間還流し、次に40℃で40分間加熱した。反応物を室温に冷まし、次に真空下で濃縮した。残留物をEtOAcと冷NaHCO水溶液で分液した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、A−3b 0.660g(93%)を得た。
【0142】
工程4 − DMF(1.5mL)中のフタルイミド(17mg、0.11mmol)の0℃に冷却した混合物に、NaH(油中60%分散液、5mg、0.12mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌した。溶液に、NaI(14mg、0.094mmol)、続いてA−3b(30mg、0.094mmol)を加えた。得られた混合物を65℃で17時間加熱し、次に室温に冷まし、飽和NHCl水溶液でクエンチし、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、ヘキサン中の60% EtOAcで展開する分取TLCプレートにより精製して、A−3c 0.020g(50%)を得た(NR=フタルイミド)。
【0143】
工程5 − 密閉管中のA−3c(20mg、0.046mmol)、48% HBr(0.10mL)及びHOAc(3mL)の混合物を、65℃で17時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、6% MeOH/DCMで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−33 0.017g(88%)を得た。
【0144】
括弧内のアミド又はスルホンアミドの脱プロトンから誘導されるアニオンを用いてA−3bの置換により、以下が同様にして調製される:I−29(ピロリジン−2,5−ジオン)、I−34(N−フェニル−メタンスルホンアミド)、I−16([1,2]チアジナン 1,1−ジオキシド)、I−23(ピペリジン−2−オン)、I−88(4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン)、I−89(PhNHAc)及びI−39(3,3−ジエチル−1H−ピリジン−2,4−ジオン)。
【0145】
実施例2
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−ヒドロキシ−ベンズアミド(I−38)
【0146】
【化8】

【0147】
工程6 − DMF(10mL)中のA−3b(0.417g、1.3mmol,(R’=R2a=R2b=R2c=Me)及びアジ化ナトリウム(0.1g、1.56mmol、1.2当量)の溶液を、室温で一晩撹拌した後、それをEtOAcで希釈した。有機層を水、ブラインで3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、A−3d 0.425g(100%)を得た。
【0148】
工程7 − THF(10mL)及び水(1mL)中のA−3d(0.425g、1.30mmol)とPPh(0.683g、2.60mmol)の混合物を室温で一晩撹拌し、次に水に注ぎ、1N HCl水溶液で酸性化した。反応混合物を少量のDCMで抽出した。水層を、3N NaOH水溶液でpH10に調整し、次にEtOAc(2×75mL)で2回抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、A−3c(R=R=H) 0.330g(85%)を得た。
【0149】
工程8 − DCM(5mL)中のA−3c(30mg、0.10mmol)、4−ベンジルオキシ安息香酸(22.8mg、0.10mmol)の溶液に、HOBt(13.5mg、0.10mmol)、EDCI(19.2mg、0.10mmol)、EtN(14μL、0.10mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次にEtOAcと水で分液した。有機層を1N HCl水溶液で洗浄し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、35% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、10 0.051g(100%)を得た。
【0150】
工程9 − 密閉管中の10(21mg、0.043mmol)、48% HBr(0.05mL)及びHOAc(1.5mL)の混合物を、65℃で17時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取TLCにより精製して、I−38 0.015g(68%)を得た。
【0151】
工程8において、4−ベンジルオキシ−安息香酸をそれぞれ安息香酸及びニコチン酸に代える以外は同様にして、I−36及びI−49が調製される。
【0152】
実施例3
2−{[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ}−酢酸エチル(I−30)及びN−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−メタンスルホンアミド(I−35)
【0153】
【化9】

【0154】
工程1 − 0℃に冷却したDCM(5mL)中のA−3c(250mg、0.83mmol)の溶液にTEA(0.15mL、1.08mmol)を加え、続いてDCM(1mL)中のMeSOCl(77μL、0.99mmol)の溶液を加えた。反応物を室温で17時間撹拌し、DCMで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、12a 0.313g(100%)を得た。
【0155】
工程2 − DMF(2mL)中の12a(49mg、0.13mmol)の0℃に冷却した混合物に、NaH(油中60%分散液、6mg、0.16mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、次にNaI(19mg、0.13mmol)及びベンジル 2−ブロモエチルエーテル(35mg、0.16mmol)を順次加えた。反応混合物を65℃で3.5時間加熱撹拌し、次に室温に冷まし、飽和NHCl水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、60% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、12b 0.041g(62%)を得た。
【0156】
工程3 − 密閉管中の12b(41mg、0.08mmol)、48% HBr(0.10mL)及びHOAc(3mL)の混合物を、65℃で17時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。残留物を、7% MeOH/DCMで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−30 0.025g(69%)を得た。
【0157】
工程4 − MeOH(1mL)及びTHF(1mL)中の12c(21mg、0.05mmol)及び1N LiOH水溶液(1mL)の混合物を室温で一晩撹拌し、次に真空下で濃縮した。残留物をEtOAcに取り、1N HCl水溶液、水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、I−35 0.019g(100%)を得た。
【0158】
工程2において、ベンジル 2−ブロモエチルエーテルを括弧内のハロゲン化物に代える以外は同様にして、以下が調製される:I−86(ヨウ化メチル)、I−32(ヨウ化ブチル)、I−55(ブロモメチル−シクロペンタン、CASRN 3814−30−0)、I−26(臭化ベンジル)、I−27(ヨウ化エチル)、I−28(2−ブロモプロパン)
【0159】
工程1において、A−3cをN−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−メタンスルホンアミドに代え、工程2において、ベンジル 2−ブロモエチルエーテルを4−ブロモ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(CASRN 180695−79−8)に代える以外は同様にして、I−57が調製される。実施例5の工程4の手順に従って、ベンジルオキシ部分を開裂して接触水素化分解により対応するピリドンを得、TFA/DCM(1:1、1mL)の溶液を用いてピリドンのDCM(5mL)溶液を処理することによりBoc基を除去する。
【0160】
工程1において、メタンスルホニルクロリドを括弧内のスルホニルクロリドに代え、工程2のアルキル化を省略する以外は同様にして、以下が調製される:I−19(4−クロロフェニルスルホニルクロリド、CASRN 98−60−2)、I−25(プロパン−2−スルホニルクロリド、CASRN 10147−37−2)、I−20(フェニル−メタンスルホニルクロリド、CASRN 98−09−9)、I−87(2−クロロフェニルスルホニルクロリド、CASRN 2905−23−9)。
【0161】
実施例4
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−ピロリジン−3−イルメチル−メタンスルホンアミド(I−31)及びN−(1−アセチル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(I−48)
【0162】
【化10】

【0163】
工程1 − DMF(2mL)中の12a(0.047g、0.124mmol)の溶液に、NaH(6mg、0.15mmol、60%鉱油分散液)を加え、ガスの発生が停止するまで、反応物を室温で撹拌した。得られた溶液に、NaI(0.019g、0.13mmol)及びtert−ブチル 3−ブロモメチル−ピロリジン−1−カルボキシラート(0.038g、0.143mmol)を順次加えた。出発物質が消費されるまで、反応混合物を65℃に温めた。反応物を室温に冷まし、飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を水で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCにより精製して、13aを得た。
【0164】
工程2 − 密閉管中の13a(46.9mg)、48% HBr(0.10mL)及びHOAc(3mL)の混合物を、65℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、揮発性溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をPhMeに取り、再蒸発させた。残留物を水(15mL)に取り、pHを飽和NaHCO水溶液で7に調整した。溶液をEtOAcで2回抽出し、次に15% IPA/DCMで2回抽出した。合わせた抽出物を蒸発させ、高真空下で20分間乾燥させて、I−31 21mgを白色の固体として得た。
【0165】
工程3 − I−31(0.0152g、0.034mmol)、ピリジン(6μL)及びDCM(2mL)の溶液に、無水酢酸(3.7μL、0.039mmol)を加え、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。溶液をEtOAcで希釈し、1M HCl及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、6% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−48 11.3mgを得た。
【0166】
工程1において、tert−ブチル 3−ブロモメチル−ピロリジン−1−カルボキシラートを4−ブロモ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(CASRN 180695−79−8)に代える以外は同様にして、I−57が調製され、Boc基及びメチルエーテルは上記工程3の手順に従って開裂される。
【0167】
実施例5
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−21)
【0168】
【化11】

【0169】
工程1 − DCM(5mL)中のA−3c(81mg、0.27mmol、R’=R2a=R2b=R2c=Me、R=R=H)、TEA(0.05mL、0.34mmol)及び3−クロロプロパンスルホニルクロリド(36μL、0.297mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、14を得、これを精製することなしに使用した。
【0170】
工程2 − 0℃に冷却したDMF(5mL)中の14の溶液に、NaH(油中60%分散液、32mg、0.81mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、16を得た。
【0171】
工程3 −密閉管中の16、48% HBr(0.20mL)及びHOAc(6mL)の混合物を、65℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、100% EtOAcで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−21(0.028g、2工程で収率27%)を得た。
【0172】
実施例6
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−スルファミド(I−50)
【0173】
【化12】

【0174】
工程1 − DCM(5mL)中のクロロスルホニルイソシアナート(16mg、0.011mmol)の0℃に冷却した溶液に、2−メチル−2−プロパノール(0.01mL、0.011mmol)の溶液を加えた。反応物を0℃で30分間撹拌した。溶液にTEA(0.052mL、0.37mmol)を加え、続いてDCM(5mL)中のA−3c(28mg、0.093mmol)の溶液を加えた。反応物を室温に温め、一晩撹拌した。溶液を、1N HCl水溶液でpH2〜3に酸性化し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、18a(29mg、収率64%)と18b(7mg、収率20%)の混合物を得た。
【0175】
工程2 − 密閉管中の18b(7mg)、48% HBr(25μL)及びHOAc(1mL)の混合物を、70℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取TLCにより精製して、I−50 3.5mgを白色の固体として得た。
【0176】
実施例7
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−60)
【0177】
【化13】

【0178】
工程1 − DCM(25mL)中のA−3c(1.00g、3.67mmol)及びN−(tert−ブチルカルボニル)−N−[4−(ジメチルアザニウムイリデン)−1,4−ジヒドロピリジン−1−イルスルホニル]アザミド(1.11g、3.67mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜45% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、20 0.95g(57%)を得た。
【0179】
工程2 − DMF(10mL)中の20(300mg、0.665mmol)の溶液に、NaH(油中60%分散液、67mg、1.66mmol)を室温で加えた。反応物を30分間撹拌し、次に1,2−ジブロモエタン(86μL、0.99mmol)を加えた。次に、反応物を80℃で17時間加熱し、次に室温に冷まし、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、22a 0.104g(33%)を得た。
【0180】
工程3 − MeOH(3mL)とDCM(1mL)の混合物中の22(104mg、0.22mmol)、2−ベンゾキシ−3−ピリジンボロン酸(75mg、0.33mmol)、NaCO(70mg、0.66mmol)及びPd(PPh(25mg、0.022mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で120℃で30分間照射した。反応物をDCMで希釈し、CELITEプラグで濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物を、40% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、24a(26mg、収率20%) 23mg(20%)及び24b 65mg(61%)を得た。
【0181】
工程4 − MeOH(10mL)中の24b(38mg、0.08mmol)と10% Pd/C(10mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、6% MeOH/DCMで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−60 0.021g(69%)を白色の固体として得た。
【0182】
実施例8
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(5−メチル−1,1−ジオキソ−1λ−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−64)
工程1 − DMF(2mL)中の24b(24mg、0.05mmol)の溶液に、NaH(油中60%分散液、3mg、0.075mmol)を室温で加えた。反応混合物を30分間撹拌し、次にMeI(4μL、0.065mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、24cを得た。
【0183】
工程2 − MeOH(15mL)中の工程1の24c及び10% Pd/C(10mg)の懸濁液を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、EtOAcで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−64 15.6mg(2工程で77%)を白色の固体として得た。
【0184】
実施例9
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−18)
【0185】
【化14】

【0186】
26の調製 − 4−tert−ブチル−3−メトキシ−安息香酸(3g、14.4mmol、CASRN 79822−46−1)及びTHF(60mL)の0℃に冷却した溶液に、THF中のLiAlH溶液(29mL、28.8mmol、1M THF溶液)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌し、次にTHF水溶液(THF 10mL中の水1.1mL)、続いて15% NaOH 1.1mL、次に水3.3mLを滴下してクエンチした。反応物を1時間撹拌し、次に固体NaSOを加え、得られた懸濁液を一晩撹拌し、セライトパッドで濾過し、蒸発させて、4−tert−ブチル−3−メトキシ−ベンジルアルコール2.8gを得た。
【0187】
アルコール(2.08g、10.72mmol)及びCCl(75mL)NBS(2.1g、11.8mmol)の溶液を15分間撹拌し、次に氷とNaHSOの混合物に注ぎ、DCMで抽出し、有機抽出物をブラインで洗浄した。溶液を蒸発させ、ヘキサン(80mL)に取り、MgSOを加えた。固体を濾過し、濾液を蒸発させて、2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルアルコール(25) 2.9g(100%)を得た。
【0188】
得られたアルコール(2.0g、7.3mmol)をCHCl(50mL)に溶解し、SOCl(7mL、9.5mmol)を加え、得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次に40℃で30分間撹拌した。溶液を濃縮して、2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルクロリド2gを得た。
【0189】
工程1 − DMF(5mL)中のピロリジン−2−オン(34mg)の溶液に、NaH(油中60%分散液、14mg)を室温で加えた。反応物を20分間撹拌し、次に2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシベンジルクロリド(実施例1の工程3に記載のようにA−1bから調製)100mgを加えた。反応混合物を3日間撹拌し、次に水とEtOAcで分液した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、35% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、28 100mgを無色の油状物として得た。
【0190】
工程2 − MeOH(4mL)とDCM(1mL)の混合物中の28(100mg)、2−メトキシ−3−ピリジンボロン酸(65mg)、NaCO(78g)及びPd(PPh(34mg)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で115℃で20分間照射した。有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcと水で分液配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、7% MeOH/DCMで展開する分取TLCプレートにより精製して、30 70mgを黄色の油状物として得た。
【0191】
工程3 − 密閉管中の30(70mg)、48% HBr(105μL)及びHOAc(3mL)の混合物を70℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取TLCプレートにより精製して、I−18 40mgを白色の固体として得た。
【0192】
実施例10
N−{1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(I−53)及びN−{1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−メタンスルホンアミド(I−52)
【0193】
【化15】

【0194】
工程1 − THF(15mL)中の32a(1.00g、3.70mmol)の0℃に冷却した溶液に、MeMgCl(THF中3.0M、1.48mL、4.44mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次に飽和NHCl水溶液でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、32b 0.97gを白色の固体として得た。
【0195】
工程2 − DCE(30mL)中の32b(1.00g、4.80mmol)の0℃に冷却した溶液に、SOCl(1.05mL、4.4mmol)の溶液を滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した後、有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をDCMに溶解し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、SiOショートプラグで濾過した。濾液を真空下で濃縮して、32c 0.98g(90%)を得た。
【0196】
工程3 − DMF(5mL)中のメタンスルホンアミド(0.10g、1.08mmol)の0℃に冷却した溶液に、NaH(油中60%分散液、52mg、1.30mmol)を加えた。反応物を0℃で20分間撹拌し、次に32cのDMF(2mL)溶液を滴下した。この反応物を80℃で17時間加熱し、次に室温に冷まし、飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(20〜60% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、32d 0.193g(55%)を得た。
【0197】
工程4 − MeOH(3mL)とCHCl(1mL)の混合物中の32d(100mg、0.14mmol)、2−ベンゾキシ−3−ピリジンボロン酸(63mg、0.28mmol)、NaCO(44mg、0.42mmol)及びPd(PPh(16mg、0.014mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で125℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、そして濾液を濃縮した。粗残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取TLCプレートにより精製して、34a 0.039g(60%)を得た。
【0198】
工程5 − DMF(1.5mL)中の34a(19mg、0.04mmol)の0℃に冷却した溶液に、NaH(油中60%分散液、2.4mg、0.06mmol)を加えた。反応物を0℃で20分間撹拌し、次にMeI(4μL、0.06mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、34b 0.019g(97%)を得た。
【0199】
工程6 − MeOH(10mL)中の34bと10% Pd/C(10mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物をSiOショートプラグに通し、得られた溶液を真空下で濃縮して、I−53 0.016g(96%)を白色の固体として得た。
【0200】
工程5を省略した以外は同様にして、I−52を調製した。
【0201】
実施例11
4−アミノ−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−ベンズアミド(I−42)及びN−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−メタンスルホニルアミノ−ベンズアミド(I−43)
【0202】
【化16】

【0203】
工程1 − DCM(5mL)中のA−3c(0.03g、0.1mmol、R’=R2a=R2b=R2c=Me)の溶液に、TEA(0.02mL、0.15mmol)及びp−ニトロ−ベンゾイルクロリドを順次加えた。反応物を室温で一晩撹拌し、次にEtOAcと1M HClで分液した。EtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開するSiO分取TLCプレートにより精製して、36a 43.2mg(96%)を得た。
【0204】
工程2 − EtOAc及びDMF(1:1溶液2mL)中の36aの溶液に、SnCl・2HOを加え、得られた混合物を一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、EtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を水で3回、次にブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、36b 39mg(97%)を得た。
【0205】
工程3 − ピリジニルエーテルを、実施例1の工程5の手順に従って、38aに変換した。
【0206】
工程4 − 実施例3の工程1の手順に従って、38aのスルホニル化により、I−43及びI−44を含む分離可能な混合物を得た。
【0207】
工程1において、4−ニトロ−ベンゾイルクロリドを3−ニトロ−ベンゾイルクロリドに代える以外は同様にして、I−63を調製することができる。
【0208】
実施例12
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(I−13)
工程1 − DCM中のB−1a(3g、14.4mmol、R2a=R2b=R2c=Me)の5℃に冷却した溶液に、DMFを滴下し、続いてオキサリルクロリド(2.74g、21.0mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で32時間撹拌し、次に40℃に3時間加熱した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。残留物をDCMに溶解し、撹拌しながら濃NHOH水溶液(10mL)に加え、これを0℃に冷却した。揮発性溶媒を真空下で除去し、残留固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、B−1b 2.8gを白色の固体として得た。
【0209】
工程2 − LiAlH(1M THF溶液14.2mL)の溶液に、THF(60mL)に溶解したB−1b(1.4g、7.1mmol)の高温の溶液を加えた(溶液はアミドを溶解するために加熱しなければならなかった)。溶液を24時間加熱還流し、5℃に冷却し、水(0.54mL)及びTHF(20mL)を含有する溶液を加えて反応をクエンチし、続いて15% NaOH水溶液(0.54mL)及び水(1.62mL)を連続して加えた。得られた混合物を1時間撹拌し、セライトを通して濾過した。セライトをEtOAcですすいだ。得られた溶液を濾過し、乾燥させ、真空下で濃縮して、B−2aを定量的収率で得た。
【0210】
工程3 − DCM(10mL)中のB−2a(0.15g、0.78mmol)の5℃に冷却した溶液に、TEA(0.135mL、0.98mmol)及びメタンスルホニルクロリド(0.103g、0.90mmol)を順次加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、氷と1M HClの混合物に注ぎ、得られた混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、50% EtOAc/ヘキサンで展開する2つのSiO分取TLCプレートにより精製して、B−2b 0.169gを白色の固体として得た。
【0211】
工程4 − DMF中のB−2b(0.169g、0.624mmol)の5℃に冷却した溶液に、NBS(0.17g、0.94mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌し、次にEtOAcとNHCl水溶液で分液した。EtOAcを水で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜30% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、B−3 0.1gを白色の固体として得た。
【0212】
I−13の調製を、実施例1の工程2に記載のようにB−3と2−メトキシ−ピリジン−3−イルボロン酸の鈴木カップリングにより、そして実施例1の工程5に記載のようにメトキシ−ピリジニルエーテルの開裂により完了した。
【0213】
メタンスルホニルクロリドを括弧内の試薬に代えた以外は、工程3に記載のようにB−2aのスルホニル化またはアセチル化により以下を調製する:I−12(無水酢酸)、I−24(エタンスルホニルクロリド)。メタンスルホニルクロリドでB−2aをスルホニル化し、得られたスルホンアミドを2−メトキシピリジン−3−イルボロン酸の代わりに5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イルボロン酸(CASRN 957120−32−0)とカップリングして、I−45を調製する。
【0214】
実施例13
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−メタンスルホニルアミノ−N−メチル−ベンズアミド(I−65)
【0215】
【化17】

【0216】
工程1 − DMF(5mL)中の40a(0.19g、0.36mmol)の溶液に、NaH(29mg、0.72mmol、油中60%分散液)を室温で加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次にMeI(50μL、0.72mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌し、次に飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水、ブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、40b 0.194g(100%)を得た。
【0217】
工程2 − EtOH(5mL)及びDMF(5mL)中の40b(194mg、0.36mmol)とSnCl・2HO(450mg、2.00mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応物を、飽和NaHCO水溶液とEtOAcの混合物に注いだ。反応混合物をセライトプラグに通した。有機層を分離し、水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、42a 0.180g(100%)を得た。
【0218】
工程3 − DCM(5mL)中の42a(59mg、0.116mmol)の0℃に冷却した溶液に、ピリジン(0.30mL)及びDCM(2mL)中のMeSOCl(10μL、0.133mmol)の溶液を順次加えた。反応物を室温に温め、一晩撹拌した。反応物を1N HCl水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、80% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、42b 0.049g(72%)を得た。
【0219】
工程4 − MeOH(10mL)中の42b(49mg、0.083mmol)と10% Pd/C(15mg)の懸濁液を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCにより精製して、I−65 27mg(66%)を白色の固体として得た。
【0220】
実施例14
4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−安息香酸(I−4)及び3−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(I−2)
【0221】
【化18】

【0222】
工程1 − DCM(400mL)中の44a(10.00g)とMnO(25.46g)の混合物を、室温で3日間撹拌し、次に固体を濾別した。濾液を濃縮して、44b 8.98gを白色の固体として得た。
【0223】
工程2 − MeOH(4mL)、水(1mL)及びDCM(1mL)の混合物中の44b(100mg)、2−メトキシ−3−ピリジンボロン酸(85mg)、NaCO(59g)及びPd(dppf)Cl(19mg)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で115℃で20分間照射した。有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcと水で分液した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、分取SiO TLCプレートにより精製して、46 124mgを得た。
【0224】
工程3 − 密閉管中の46(124mg)、48% HBr(0.30mL)及びHOAc(2mL)の混合物を、70℃で7時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(50〜100% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、48a 103mgを白色の固体として得た。
【0225】
工程4 − tert−BuOH(4mL)と水(4mL)の混合物中の48a(40mg)の0℃に冷却した溶液に、2−メチル−2−ブテン(1mL)、NaHPO・HO(193mg)及びNaClO(38mg)を加えた。反応物を0℃で2.5時間撹拌した。反応物を希釈NaSO水溶液でクエンチし、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、MeOH/DCMの勾配(10〜20% MeOH)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−4 17mgを白色の固体として得た。
【0226】
工程5 − THF(3mL)とEtOH(2mL)の混合物中の48a(60mg)の0℃に冷却した溶液に、LiBH(21mg)を加えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcと水で分液した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(50〜100% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−2 48mgを得、これをEtOAc/ヘキサンの混合物から再結晶化した。
【0227】
実施例15
3−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(I−3)
【0228】
【化19】

【0229】
工程1 − THF(10mL)中のメチル トリフェニルホスホノアセタート(0.622μL)の0℃に冷却した溶液に、NaHMDS(THF中1.0M、3.84mL)の溶液を加えた。得られた混合物を0℃で15分間撹拌し、次にTHF(4mL)中の32a(0.70g)の溶液を加えた。反応混合物を撹拌し、2時間かけて室温に温めた。反応物を1N HCl水溶液でクエンチし、エーテルで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜15%)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、50 374mgをEとZの異性体の混合物として得た。
【0230】
工程2 − 50の及び2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸鈴木縮合を、実施例10の工程4に記載のように実施して、52を得た。
【0231】
工程3 − EtOAc(15mL)中の52(65mg)と20% Pd(OH)/C(100mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した後、触媒を濾別した。濾液を濃縮し、粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(50〜100% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−3 43mgをシロップとして得、これを放置して凝固させた。
【0232】
工程3において、2−メトキシ−ピリジン−3−イルボロン酸を2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸の代わりに使用し、エステルの加水分解とピリジニルエーテルのHBr/HOAcによる開裂が同時に生じた以外は同様にして、3−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−プロピオン酸(I−1)を調製した。
【0233】
実施例16
[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−酢酸(I−7)
【0234】
【化20】

【0235】
工程1 − THF(25mL)中のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(17.00g)の0℃に冷却した溶液に、NaHMDS(THF中1.0M、50mL)の溶液を加えた。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、次にTHF(5mL)中の44b(1.35g)の溶液を加えた。反応混合物を撹拌し、0℃から室温に一晩温め、次に飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜10% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、無色の油状物2.10gを得、これをアセトン(150mL)とTsOH(0.5g)を含有する水(3mL)の混合物に溶解し、3時間加熱還流した後、有機揮発物を除去した。残留物をEtOAcと水で分液し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜20% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、54a 1.0gを無色の油状物として得た。
【0236】
工程2 − tert−BuOH(20mL)と水(20mL)の混合物中の54a(400mg)の溶液に、2−メチル−2−ブテン(3mL)、NaHPO・HO(2.30g)及びNaClO(634mg)を加えた。反応物を0℃で1.5時間撹拌し、次に希釈HCl水溶液を加え、反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、54b 450mgを固体として得た。
【0237】
工程3 − 濃HSO(15滴)とMeOH(25mL)の混合物中の54b(200mg)の溶液を、一晩加熱還流した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を、25% EtOAc/ヘキサンで展開するSiO分取TLCプレートにより精製して、54c 110mgを得た。
【0238】
工程4 − THF(5mL)中の54c(110mg)の0℃に冷却した溶液に、LiAlH(THF中1.0M、0.70mL)の溶液を加えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に水でクエンチし、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、35% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、54d 65mgを無色の油状物として得た。
【0239】
工程5 − 54dと2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸の鈴木縮合を、実施例10の工程4に記載のように実施した。粗残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、56a 90mgを無色の油状物として得た。
【0240】
工程6 − DCM(5mL)中の56a(90mg)の0℃に冷却した溶液に、NaCO(73mg)を加え、続いてデス・マーチンペルヨージナート(195mg)を3回に分けて加えた。反応物を0℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、15% EtOAc/ヘキサンで展開するSiO分取TLCプレートにより精製して、56b 60mgを無色の油状物として得た。
【0241】
工程7 − tert−BuOH(5mL)と水(5mL)の混合物中の56b(60mg)の溶液に、2−メチル−2−ブテン(327μL)、NaHPO・HO(256mg)、及びNaClO(42mg)を加えた。反応物を撹拌し、1.5時間かけて0℃から室温に温め、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、56c 65mgを白色の固体として得た。
【0242】
工程8 − MeOH(5mL)中の56c(65mg)と10% Pd/C(10mg)の混合物を、1大気圧のH下で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−7 25mgを白色の固体として得た。
【0243】
54dと2−ベンジルオキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンの鈴木カップリング、続いて接触水素化分解によりベンジルエーテルを開裂して、3−[5−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−5)を調製した。実施例25の工程1のようにCBr/PPh3を用いたアルコールの置換、及び実施例2の工程6及び7のようにアジドを用いたブロミドの置換、PPhを用いた還元により、I−5を3−[2−(2−アミノ−エチル)−5−tert−ブチル−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オンに変換した。次に、メタンスルホニルクロリドを用いたアミンのスルホニル化により、N−{2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−メタンスルホンアミド(I−17)を得た。
【0244】
実施例17
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I−10)
工程1 − DMF(5mL)中の56c(95mg)の0℃に冷却した溶液に、MeNH(THF中2.0M、234μL)、HOBt(63mg)及びEDCI(90mg)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、7% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、2−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(57) 55mgを無色の油状物として得た。
【0245】
工程2 − MeOH(5mL)中の57(55mg)と10% Pd/C(10mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で0.5時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCにより精製して、I−10 45mgを白色の固体として得た。
【0246】
実施例18
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド(I−11)
DCM(3mL)中の56c(50mg)の溶液に、DMF(2滴)を加え、続いて塩化オキサリル(27μL)を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、次に真空下で濃縮した。残留物をTHF(3mL)に取り、NHOH(10滴)を室温で加えた。反応混合物を1時間撹拌した後、有機揮発物を減圧下で除去した。粗残留物を、15% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、2−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−フェニル]−アセトアミド20mgを得た。
【0247】
I−11得るためのベンジルエーテルの開裂は、実施例17の工程2に記載のように接触水素化分解により実施した。
【0248】
実施例19
4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド(I−9)
2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸(58)は、44a又は44bの酸化により調製することができる
【0249】
工程1 − DMF(10mL)中の58(150mg)の0℃に冷却した溶液に、MeNH(0.52mL、THF中2.0M)、HOBt(140mg)及びEDCI(200mg)を加えた。次に、反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に1N HCl水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、MeOH/DCMの勾配(0〜10% MeOH)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(60) 140mgを白色の固体として得た。
【0250】
工程2 − MeOH(4mL)とDCM(1mL)の混合物中の60(70mg)、2−ベンゾキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン(145mg)、NaCO(62g)及びPd(PPh(27mg)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で115℃で30分間照射した。有機揮発物を減圧下で除去し、残留物をEtOAcと水で分液した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、40% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(62) 95mgを無色の油状物として得た。
【0251】
工程3 − MeOH(5mL)中の62(95mg)と10% Pd/C(10mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で0.5時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、8% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−9 41mgを白色の固体として得た。
【0252】
実施例20
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンゾイル]−ピペリジン−4−カルボニトリル(I−56)
工程1 − HO(30mL)中の4−tert−ブチル−3−メトキシ安息香酸(3.00g、14.4mmol、CASRN 79822−46−1)の懸濁液に、固体のNaOH(1.21g、30.2mmol)を加えた。NBS(2.81g、15.8mmol)を数回に分けて10分間かけて加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、さらなるNaOH(0.12g、3.0mmol)及びNBS(0.28g、1.6mmol)を加えた。さらに1時間撹拌した後、反応混合物を48% HBrで酸性化し、HOで希釈し、次にEtOで3回抽出した。合わせた抽出物を10% Na水溶液及びHOで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体を得、これをMeOH(50mL)に溶解し、濃HSO(5mL)をゆっくり加えた。反応混合物を70℃で3時間加熱し、室温に一晩冷まし、次に減圧下で濃縮した。残留物をHOで希釈し、EtOで3回抽出した。合わせた抽出物を1.0M NaOH水溶液及びHOで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸メチルエステル(64、CASRN 911115−95−2)3.7g(85%)を得た。
【0253】
工程2 − マイクロ波バイアルに、64(903mg、3.00mmol)、2−ベンジルオキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.12g、3.60mmol)、Pd(PPh(173mg、0.15mmol)、NaCO(950mg、9.00mmol)、MeOH(10mL)及びDCM(3mL)を入れた。バイアルを密閉し、マイクロ波合成器中で115℃で30分間照射した。反応物をHOでクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10%〜20% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、2−(2−ベンジルオキシピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸メチルエステル(66) 964mg(80%)を明黄色の固体として得た。
【0254】
工程3 − MeOH(15mL)、HO(10mL)及びTHF(10mL)中の66(960mg、2.36mmol)の懸濁液に、NaOH(1.00g、23.6mmol)を加えた。反応混合物を70℃で一晩加熱すると徐々に均質になった。混合物を0℃に冷却し、1.0M HCl水溶液でpH3に酸性化し、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、2−(2−ベンジルオキシピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸(68) 895mg(97%)をベージュ色の固体として得た。
【0255】
工程4 − DMF(3mL)中の68(100mg、0.26mmol)の溶液に、4−シアノ−ピペリジン(32mg、0.29mmol)、HOBt(39mg、0.29mmol)、EDCI(56mg、0.29mmol)及びDIPEAを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次にHOでクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をHO(3回)及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、1−[2−(2−ベンジルオキシピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシベンゾイル]ピペリジン−4−カルボニトリル(70)126mg(99%)を淡黄色の泡状物として得た。
【0256】
工程5 − MeOH(8mL)中の70(126mg、0.26mmol)の溶液に、20% Pd(OH)/C(20mg、湿潤)を加えた。反応混合物を、水素雰囲気下(バルーン)で2時間撹拌し、次にセライトパッドで濾過し、パッドをEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、I−56 95mg(93%)をオフホワイトの固体として得た:MS=394[M+H]
【0257】
工程4において、4−シアノピペリジンを括弧内のアミンに代える以外は同様にして、以下が調製される:I−40(モルホリン)、I−51(チオモルホリン 1,1−ジオキシド)、I−46(1−アセチル−ピペラジン、CASRN 13889−98−0)、I−62(4,4−ジフルオロ−ピペリジン、CASRN 21987−29−1)、I−58(4−[(メチルアミノ)メチル]−ピリジン、CASRN 6971−44−4)、I−47(2−メトキシ−N−メチル−エチルアミン)、I−41(ジメチルアミン)、I−67(1−(2−メトキシエチル)−ピペラジン、CASRN 13484−40−7)、I−68(アゼチジン−3−オール、CASRN 45347−82−8)、I−66(2−メチルアミノ−アセトニトリル、CASRN 5616−32−0)、I−73(3−ヒドロキシメチル−ピロリジン、CASRN 5082−74−6)、I−77(p−フルオロ−N−メチル−ベンジルアミン、CASRN 405−66−3)、I−79(4−フェノキシ−ピペリジン、CASRN 3202−33−3)、I−78(2−モルホリンメタノール、CASRN 103003−01−6)、I−85(アミノアセトニトリル、CASRN 540−61−4)及びI−80(塩化アンモニウム)。
【0258】
実施例21
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(I−37)
工程1 − DMF(2.5mL)中のN−(2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル)−メタンスルホンアミド(0.25g、0.71mmol)、KOAc(0.21g、2.14mmol)、ビス−(ピナコラト)ジボロン(0.27g、1.07mmol)の混合物に、(dppf)Pd(II)Cl・2DCM(0.02g、0.025mmol)を加えた。反応混合物を90℃で4時間撹拌し、次に室温に冷まし、飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜45% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(72)を得た。
【0259】
工程2 − MeOH(3mL)とDCM(1mL)の混合物中の72(51mg、0.13mmol)、2−ベンジルオキシ−3−ブロモ−6−メチル−ピリジン(51mg、0.19mmol)、NaCO(40mg、0.38mmol)及びPd(PPh(15mg、0.013mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で125℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、N−[2−(2−ベンジルオキシ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−メタンスルホンアミド(74)17mg(28%)を得た。
【0260】
工程3 − MeOH(8mL)とEtOAc(4mL)の混合物中の74と10% Pd/C(5mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、4% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−37 7.3mg(53%)を得た。
【0261】
実施例22
N−[4−tert−ブチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド(I−6)及びN−[4−tert−ブチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド(I−8)
実施例1の工程2に従って、N−[2−ブロモ−4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−アセトアミド(CASRN 91801−97−7)と2−メトキシ−ピリジン−3−イルボロン酸の鈴木カップリング、及び実施例1の工程5に従って、ピリジニルメチルエーテルの開裂により、I−8を得た。2−ブロモ−4−tert−ブチル−アニリン(CASRN 103273−01−4)のスルホニル化により、N−(2−ブロモ−4−tert−ブチル−フェニル)−メタンスルホンアミドを得、これを同様にしてI−6に変換した。
【0262】
実施例23
4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−安息香酸エチルエステル(I−54)
2−メトキシ−ピリジン−3−イルボロン酸を2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸に代える以外は、実施例14に記載の手順により2−(2−ベンジルオキシピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸(76)を調製することができる。
【0263】
工程1 − DMF(3mL)中の76(100mg、0.26mmol)の溶液に、CsCO(101mg、0.31mmol)及びヨードエタン(25μL、0.31mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次にHOでクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機物をHO(3×)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、2−(2−ベンジルオキシピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ安息香酸エチルエステル(78) 109mg(99%)を淡黄色の泡状物として得た。
【0264】
工程2 − MeOH(7mL)及びTHF(1mL)中の78(109mg、0.26mmol)の溶液に、20% Pd(OH)/C(湿潤、20mg)を加えた。反応混合物を、1大気圧の水素雰囲気下(バルーン)で2時間撹拌し、次にセライトパッドで濾過し、EtOAcですすいだ。濾液を減圧下で濃縮して、I−54 79mg(93%)をオフホワイトの固体として得た:MS=330[M+H]
【0265】
実施例24
3−(5−tert−ブチル−2−メタンスルホニルメチル−4−メトキシ−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(I−15)
工程1 − DMF(5mL)中の2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシベンジルクロリド(162mg)の溶液に、NaSMe(117mg)を室温で加えた。次に、反応混合物を一晩撹拌し、次に水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、1−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−ベンゼン(80) 145mgを明黄色を帯びた油状物として得た。
【0266】
工程2 − MeOH(4mL)とDCM(1mL)の混合物中の80(50mg)、2−メトキシ−3−ピリジンボロン酸(38mg)、NaCO(43g)及びPd(PPh(19mg)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で120℃で30分間照射した。有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcと水で分液した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、50% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、3−(5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−フェニル)−2−メトキシ−ピリジン(82) 30mgを得た。
【0267】
工程3 −密閉管中の82(30mg)、48% HBr(50μL)及びHOAc(2mL)の混合物を、70℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、水に注意深く注ぎ、KCOで中和し、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、8% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCにより精製して、3−(5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(84)6mgを白色の固体として得た。標記化合物はMCPBAを用いて84の酸化により調製することができ、スルホンI−15が直接得られた。
【0268】
実施例25
3−[5−tert−ブチル−2−((S)−4−イソプロピル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン
【0269】
【化21】

【0270】
工程1 − 86a(1g、3.6mmol)のDCM溶液に、PPh(1.0g、4.0mmol)を加え、次にCBr(1.3g、4.0mmol)をゆっくり加えた(穏やかな発熱)。反応混合物を20分間撹拌し、次に蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(0〜25% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、86b 1.1gを得た。
【0271】
工程2 − DMF中のNaH(0.250g、10.4mmol)の0℃に冷却した懸濁液に、DMF中の(S)−4−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(0.770g、6.0mmol)の溶液を加えた。5分後、DMF中の86b(1g、2.9mmol)の溶液を加え、混合物を室温に温めた。1時間後、反応物を水(20mL)でクエンチし、EtOAcで4回抽出した。合わせた抽出物を0.3% LiCl水溶液(60mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜25% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、88 0.5gを得た。
【0272】
工程3及び4を、実施例10の工程4及び実施例15の工程4に記載のように実施して、I−76を得た。工程2において、(S)−4−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オンを(R)エナンチオマーに代えた以外は同様にして、I−75を調製した。工程2において、(S)−4−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オンをオキサゾリジン−2−オンに代える以外は同様にして、I−74を調製した。
【0273】
実施例26
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(ピリジン−2−イルアミノメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−59)
【0274】
【化22】

【0275】
工程1 − DCE(10mL)中の92(130mg、0.35mmol、92は、2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸との鈴木カップリングにより44bから調製する)、2−アミノピリジン(32.6mg、0.35mmol)、IPA(1mL)及びHOAc(4滴)の混合物を、室温で一晩撹拌した。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(220mg、1.05mmol)を加え、撹拌を室温で一晩続けた。反応混合物を飽和NaHCO水溶液に注意深く注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、94 103mg(65%)を得た。
【0276】
工程2 − MeOH(15mL)中の94(31mg)と10% Pd/C(5mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−59 13mg(54%)を得た。
【0277】
実施例27
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−69)
工程1 − DMF(10mL)中の1−メチル−2−ベンズイミダゾリノン(260mg、1.80mmol)の溶液に、NaH(72mg、1.80mmol、鉱油中60%)を加え、溶液を室温で30分間撹拌した。この溶液に26(500mg、1.80mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜65% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、1−(2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル)−3−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(96) 0.669g(92%)を得た。
【0278】
工程2 − MeOH(1.5mL)とDCM(0.5mL)の混合物中の96(100mg、0.25mmol)、2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸(85mg、0.37mmol)、NaCO(80mg、0.74mmol)及びPd(PPh(29mg、0.025mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で100℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、そして濾液を濃縮した。粗残留物を、30% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、1−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−3−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(98)99mgを得た。
【0279】
工程3 − MeOH(20mL)中の98(99mg)と10% Pd/C(15mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−69 63.7mg(78%)を得た。
【0280】
実施例28
(R)−1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(I−70)及び(R)−1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸(I−71)工程1 − DMF(15mL)中の(R)−(−)−2−ピロリジン−5−カルボン酸エチル(500mg、3.2mmol)の溶液に、NaH(148mg、3.7mmol、鉱油中60%)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。溶液に26(900mg、3.2mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液に注ぎ、次にEtOAcで2回抽出した。合わせたEtOAc抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜65% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、(R)−1−[2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(100)476mg(36%)を得た。
【0281】
工程2 − MeOH(1.5mL)とDCM(0.5mL)の混合物中の100(150mg、0.36mmol)、2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸(125mg、0.56mmol)、NaCO(116mg、1.1mmol)及びPd(PPh(42mg、0.036mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器で100℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、そして濾液を濃縮した。粗残留物を、50% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、(R)−1−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(102) 140mg(84%)を得た。
【0282】
工程3 − EtOH(20mL)中の102(140mg)と10% Pd/C(25mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物を、5% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−70 110mg(96%)を得た。
【0283】
I−70(50mg、0.12mmol)、1N LiOH(0.5mL)、THF(1mL)、MeOH(1mL)及び水(0.5mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。この溶液をエーテルで洗浄し、1N HClで酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、0.5%(v/v)ギ酸を含有する10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−71 14.4mg(30%)を得た。
【0284】
実施例29
3−[5−tert−ブチル−2−((S)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン(I−72)
工程1 − DMF(15mL)中の(5S)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−ピロリジン−2−オン(326mg、1.42mmol、CASRN 106191−02−0)の溶液に、NaH(57mg、1.42mmol、鉱油中60%)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次に26(400mg、1.42mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜50% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、(S)−1−(2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−オン(104) 286mg(42%)を得た。
【0285】
工程2 − MeOH(1.5mL)とDCM(0.5mL)の混合物中の104(141mg、0.29mmol)、2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸(100mg、0.44mmol)、NaCO(92mg、0.87mmol)及びPd(PPh(33mg、0.029mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で100℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、そして濾液を濃縮した。粗残留物を、40% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、(S)−1−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−オン(106) 128mg(75%)を得た。
【0286】
工程3 − 106(128mg、0.22mmol)のTHF(10mL)溶液に(n−Bu)(0.24mL、THF中1M)をアルゴン雰囲気下で滴下した。1時間後、混合物を1N HClに注ぎ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、(S)−1−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジル]−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−2−オン(108) 100mg(97%)を得た。
【0287】
工程4 − MeOH(20mL)中の108(100mg)と10% Pd/C(15mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、10% MeOHで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−72 44.3mg(55%)を得た。
【0288】
I−83を、工程1で5−S エナンチオマーの代わりに(5−R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−ピロリジン−2−オンを使用して調製した。
【0289】
実施例30
(1S,3S)−3−メタンスルホニルアミノ−シクロペンタンカルボン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド(I−81)
工程1− THF(2mL)とDMF(2mL)の混合物中の(1S,3S)−N−Boc−1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸(300mg、1.3mmol、CASRN 161601−29−2)、19(360mg、1.3mmol)、HOBt(228mg、1.7mmol)の5℃に冷却した混合物に、TEA(780mg、7.8mmol)及びEDCI(160mg、1.7mmol)を順次加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次にEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液、水、ブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜60% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、残留物を得、これを40% EtOAc/ヘキサンで展開する分取SiO TLCプレートによりさらに精製して、[(1S,3S)−3−(2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルカルバモイル)−シクロペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアミド−ブロミド(110) 116mg(18%)を得た。
【0290】
工程2 − MeOH(6mL)とDCM(2mL)の混合物中の110(116mg、0.24mmol)、2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸(83mg、0.36mmol)、NaCO(76mg、0.72mmol)及びPd(PPh(28mg、0.024mmol)を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で120℃で30分間照射した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドで濾過し、そして濾液を濃縮した。粗残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(10〜65% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、{(1S,3S)−3−[2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルカルバモイル]−シクロペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル102mg(73%)を得た。これを5℃に冷却したDCM(10mL)に溶解し、TFA(0.5mL)をシリンジを介して滴下した。混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮して、遊離アミンのTFA塩を得た。アミン−TFA塩(106mg、0.18mmol)、TEA(0.15mL、1.0mmol)及びDCM(6mL)の5℃に冷却した溶液に、DCM(2mL)中のMeSOCl(0.021mL、0.264mmol)の溶液を15分間かけて滴下した。反応物を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、1N HCl水溶液及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗残留物を、100% EtOAcで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、(1S,3S)−3−メタンスルホニルアミノ−シクロペンタンカルボン酸 2−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルアミド(112) 37mg(37%)を得た。
【0291】
工程3 − MeOH(20mL)中の112(100mg)と10% Pd/C(15mg)の混合物を、1大気圧のH下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−81 24.5mg(79%)を得た。
【0292】
工程1において、(1S,3S)−N−Boc−1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸を3−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−シクロヘキサン−カルボン酸(CASRN 334932−13−7)に代えた以外は同様にして、I−82を調製した。
【0293】
実施例31
(2R,4S)−4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド(I−84)
工程1 − DCM(4mL)中の2R−trans−4−アミノ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)エステル(460mg、1.65mmol、CASRN 132622−78−7)の5℃に冷却した溶液に、TEA(420mg、4mmol)を加えた。DCM(2mL)中のMeSOCl(0.15mL、2mmol)の溶液を、15分間かけて加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に1N HCl水溶液にゆっくり注いだ。溶液をEtOAcで抽出し、抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、スルホンアミド569mg(100%)を得た。スルホンアミドを、1N LiOH(7mL)、THF(7mL)及びMeOH(7mL)の溶液中で室温で一晩撹拌した。溶液を酸性化し、10% MeOH/DCM(100mL)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、(2R,4S)−4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル(114) 545mg(100%)を得た。
【0294】
工程2 − THF(5mL)及びDMF(5mL)中の114(545mg、1.77mmol)、19(530mg、1.77mmol)、HOBt(290mg、2.12mmol)の5℃に冷却した混合物に、TEA(720mg、7.08mmol)及びEDCI(440mg、2.3mmol)を順次加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、1N HCl水溶液、水及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(50〜100% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、残留物を得、これをEtOAcで展開する分取SiO TLCプレートによりさらに精製して、(2R,4S)−4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸 2−ブロモ−4−tert−ブチル−5−メトキシ−ベンジルアミドのアミド−ブロミド(116) 170mg(17%)を得た。
【0295】
実施例29の工程2及び4に記載のように、116と2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イルボロン酸の鈴木カップリング及び接触水素化分解により、I−84の合成を完了させた。粗生成物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートにより精製して、I−84 19mgを得た。
【0296】
実施例32
4−tert−ブチル−3−メトキシ−6−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−プロピル−安息香酸メチルエステル(I−90)
工程1 − HOAc(75mL)中の3−メトキシ−4−tert−ブチル安息香酸(1.0当量、48.02mmol、10.00g)及びNaOAc(2.0当量、96.03mmol、7.88g)の溶液に、Br(2.0当量、96.03mmol、4.94mL)を室温で滴下した。得られた混合物を50℃で24時間加熱し、室温に冷まし、そして氷水の混合物に注いだ。僅かに橙色の固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、オーブン中で40℃で乾燥させて、6−ブロモ−4−tert−ブチル−3−メトキシ安息香酸の生成物(118) 12.87gを得た。
【0297】
工程2 − DCM(50mL)中の118(1.0当量、5.22mmol、1.50g)の0℃に冷却した溶液に、DCM中のBBrの溶液(3.0当量、15.67mmol、15.67mL、1.0M溶液)を滴下した。得られた混合物を室温に温め、24時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、氷水でクエンチしした。白色の沈殿物を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させて、6−ブロモ−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ安息香酸(120)1.01gを得た。
【0298】
工程3 − DCM(10mL)中の120(1.0当量、2.27mmol、621mg)の溶液に、NBS(2.0当量、4.55、809mg)を3回に分けて室温で加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を水で希釈し、有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、2,6−ジブロモ−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ安息香酸(122)767mgを明褐色を帯びた固体として得た。
【0299】
工程4 − アセトン(15mL)中の122(1.0当量、2.18mmol、767mg)の溶液に、KCO(3.0当量、6.54mmol、903mg)及びMeI(5.0当量、10.89mmol、680μL)を加えた。混合物を60℃で2時間加熱した後、それを室温に冷まし、有機揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcと水で分液した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(5〜30% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、2,6−ジブロモ−4−tert−ブチル−3−メトキシ安息香酸(124)278mgを得た。
【0300】
工程5 − Pd(dppf)Cl・CHClをPd(PPhの代わりに使用した以外は、実施例29の工程2に記載のように、124の鈴木カップリングにより、6−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−2−ブロモ−4−tert−ブチル−3−メトキシ−安息香酸メチル(126)を調製した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン(1〜15% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製した。
【0301】
工程6 − MeOH(4mL)及びDCM(1mL)中の126(1.0当量、0.14mmol、70mg)、2−アリル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(2.0当量、0.29mmol、49mg)、Pd(PPh(0.1当量、0.01mmol、17mg)及びCsF(2.2当量、0.32mmol、48mg)の混合物を入れた密閉した管を、マイクロ波合成器中で115℃で30分間照射した。有機溶媒を除去し、残留物をEtOAcと水で分液した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(1〜15% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、2−アリル−6−(2−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−4−tert−ブチル−3−メトキシ−安息香酸メチル(128) 17mgを得た。
【0302】
工程7 − EtOAc(10mL)中の128(17mg)とPd(OH)/C(20mg)の混合物を、1大気圧のH下で30分間撹拌し、次に触媒を濾別した。濾液を濃縮して、I−90 4.9mgをロウ状の固体として得た。
【0303】
実施例33
HCV NS5B RNAポリメラーゼ活性
酸不溶性RNA産物への放射性標識ヌクレオチド一リン酸の組み込み、HCVポリメラーゼ(NS5B570n−Con1)の酵素活性を測定した。組み込まれていない放射性標識基質を濾過により除去し、放射性標識RNA産物を含む、洗浄および乾燥したフィルタープレートにシンチラントを加えた。反応終了時にNS5B570−Con1により生成したRNA産物の量は、シンチラントにより発光した光量に正比例した。
【0304】
HCV Con1株由来のN末端6−ヒスチジンタグ付きHCVポリメラーゼ遺伝子型1b(NS5B570n−Con1)は、完全長HCVポリメラーゼに対しC末端にアミノ酸21個の欠失があり、それをE. coli株BL21(DE)pLysSから精製した。HCV NS5B Con1(GenBank登録番号AJ242654)のコード配列を有する構築物を、プラスミド構築物pET17bのT7プロモーター発現カセット下流に挿入し、E. coliに形質転換した。出発培養として単一コロニーを一晩成長させ、その後100μg/mLアンピシリンを補充した10LのLB 培地に37℃で接種するために使用した。600nMにおける培養液の吸光度が0.6〜0.8のときに0.25mMイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によりタンパク質の発現を誘導し、30℃で16〜18時間後に細胞を採集した。Ni−NTA、SP-Sepharose HP及びSuperdex 75樹脂での連続カラムクロマトグラフィーを含めた3段階プロトコールを用いてNS5B570n−Con1を均一になるまで精製した。
【0305】
各50μlの酵素反応液は、20nMの配列内リボソーム進入部位の相補性配列由来RNAテンプレート、20nM NS5B570n−Con1酵素、0.5μCiのトリチウム標識UTP(Perkin Elmerカタログ番号TRK-412;比活性:30〜60Ci/mmol;原液濃度7.5×10−5M〜20.6×10−6M)、各1μMのATP、CTP、及びGTP、40mM Tris−HCl(pH8.0)、40mM NaCl、4mM DTT(ジチオトレイトール)、4mM MgCl、及び5μlの化合物のDMSO連続希釈液を含有した。反応混合物を96−ウェルフィルタープレート(カタログ番号MADVN0B、Millipore Co.)に入れ、30℃で2時間インキュベーションした。終濃度10%(v/v)のトリクロロ酢酸を添加して反応を停止させ、4℃で40分間インキュベーションした。反応液を濾過し、8反応容量の10%(v/v)トリクロロ酢酸、4反応容量の70%(v/v)エタノールで洗浄し、風乾し、25μlのシンチラント(Microscint 20, Perkin-Elmer)を各反応ウェルに加えた。
【0306】
シンチラントから発光した光量をTopcount(登録商標)プレートリーダー(Perkin-Elmer、エネルギーレンジ:低、効率モード:普通、カウント時間:1分、バックグラント減算:なし、クロストークリダクション:切)でカウント毎分(CPM)に変換した。
【0307】
データをExcel(登録商標)(Microsoft(登録商標))及びActivityBase(登録商標)(idbs(登録商標))で解析した。酵素不在下の反応を使用して、バックグラウンドシグナルを決定し、それを酵素存在下の反応から差し引いた。化合物の不在下で陽性対照反応を行い、それからバックグラウンドを補正した活性を100%ポリメラーゼ活性として設定した。全てのデータを陽性対照に対するパーセンテージとして表現した。RNA合成の酵素触媒速度が50%低下する化合物濃度(IC50)を、データに式(i)をあてはめることによって計算した。
【0308】
【数2】


[式中、「Y」は、相対酵素活性(%)に対応し、「%Min」は、飽和化合物濃度での残留相対活性である。「%Max」は、相対最大酵素活性であり、「X」は、化合物濃度に対応し、「S」は、Hill係数(又は傾き)である。]
【0309】
実施例34
HCVレプリコンアッセイ
このアッセイは、式Iで示される化合物がHCV RNAの複製を阻害する能力、すなわちHCV感染を処置するためのそれらの潜在的有用性を測定する。このアッセイは、細胞内HCVレプリコンRNAレベルの単純な読み取りとしてレポーターを利用する。Renillaルシフェラーゼ遺伝子を遺伝子型1bレプリコン構築物NK5.1の内部リボソーム進入部位(IRES)配列直後の第1オープンリーディングフレーム(N. Krieger et al., J. Virol. 2001 75(10):4614)に導入し、口蹄疫ウイルス由来自己切断ペプチド2Aを介してネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子と融合させた(M.D. Ryan & J. Drew, EMBO 1994 13(4):928-933)。インビトロ転写後にRNAをヒト肝細胞癌Huh7細胞にエレクトロポレーションし、G418耐性コロニーを単離し、増殖させた。安定的に選択された細胞株2209−23は、複製HCVサブゲノムRNAを有し、レプリコンにより発現されたRenillaルシフェラーゼの活性は、細胞中のそのRNAレベルを反映する。観察された活性が細胞増殖の減少が原因でも細胞死が原因でもないことを平行して確認しながら、化合物の抗ウイルス活性及び細胞毒性を測定するために、このアッセイは、1枚は不透明な白色、1枚は透明の2枚のプレートで実施した。
【0310】
Renillaルシフェラーゼレポーターを発現するHCVレプリコン細胞(2209−23)を5%ウシ胎児血清(FBS、Invitrogenカタログ番号10082-147)を含むDulbeccoのMEM(Invitrogenカタログ番号10569-010)中で培養し、細胞5000個/ウェルで96ウェルプレートに蒔き、一晩インキュベーションした。24時間後に、成長培地に異なる希釈を行った化合物を細胞に加え、次にそれをさらに37℃で3日間インキュベーションした。インキュベーション期間の終わりに、白色プレート中の細胞を採集し、R.ルシフェラーゼアッセイシステム(Promegaカタログ番号E2820)を使用することでルシフェラーゼ活性を測定した。以下のパラグラフに記載した全ての試薬は、製造業者のキットに含まれ、試薬の調製は、製造業者の説明書に従った。ウェル1個あたり100μlのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.0)(PBS)で細胞を1回洗浄し、20μlの1×R.ルシフェラーゼアッセイ溶解緩衝液で溶解させ、その後に室温で20分間インキュベーションした。次に、プレートをCentro LB960マイクロプレートルミノメーター(Berthold Technologies)に挿入し、100μlのR.ルシフェラーゼアッセイ緩衝液を各ウェルに注入し、シグナルを2秒遅延、2秒測定のプログラムを用いて測定した。未処理細胞の対照値に対してレプリコンレベルを50%低下させるために必要な薬物濃度であるIC50は、上記薬物濃度に対するルシフェラーゼ活性の減少パーセンテージのプロットから計算することができる。
【0311】
Roche Diagnostic(カタログ番号1644807)販売のWST−1試薬を細胞毒性アッセイのために使用した。10μlのWST−1試薬を透明プレートの各ウェル(ブランクとして培地のみが入ったウェルを含む)に加えた。次に、細胞を37℃で2時間インキュベーションし、MRX Revelationマイクロタイタープレートリーダー(Lab System)を用いて450nm(参照フィルターは650nm)でOD値を測定した。また、細胞増殖を未処理細胞の対照値に比べて50%減少させるために必要な薬物濃度であるCC50は、上記薬物濃度に対するWST−1値の減少パーセンテージのプロットからもう一度計算することができる。
【0312】
【表2】

【0313】
実施例35
いくつかの経路により投与するための対象化合物の薬学的組成物を、本実施例に記載するように調製した。
【0314】
【表3】

【0315】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するようにカプセルに調剤する。1カプセルが全1日用量にほぼ相当する。
【0316】
【表4】

【0317】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して粒状にする。次に、配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0318】
【表5】

【0319】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0320】
【表6】

【0321】
活性成分を注射用の水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用の水の残りで溶液を目的の重量にして、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、無菌条件下で包装する。
【0322】
前記の記載、又は下記の特許請求の範囲において開示された特徴であり、特定の形態で、又は開示された機能を実行する手段により、又は適切であれば、開示された結果に達成する方法若しくは手順に関して表わされた特徴は、別個に、又は、このような特徴の任意の組み合わせにおいても、それらの多様な形態において本発明を実現することのために利用することができる。
【0323】
前記の発明は、明瞭さ及び理解のために、説明及び例として詳細に記載されている。変更及び改変を添付の請求項の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり制限的ではないことを意図していることが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、下記添付の特許請求項に関して、そのような特許請求が享有できる権利の等価物の包括的範囲と共に決定されるべきである。
【0324】
本明細書で参照された特許、公開された出願、及び科学文献は当業者の知見を確定し、それぞれが具体的かつ個別に示されて、参照により組み込まれるのと同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で引用された任意の参考文献とこの明細書の具体的な教示との間のいかなる不一致も、後者を支持するように決定される。同様に、技術的に理解される言葉又は語句の定義とこの明細書中で具体的に教示した言葉又は語句の定義との間のいかなる不一致も、後者を支持するように決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化23】


[式中、
は、(アルキレン)0−6COX、(アルキレン)0−6NR、(アルキレン)0−6CN、C1−6ヒドロキシアルキル又はC1−3−アルキルスルホニル−(アルキレン)0−3であり;
Xは、水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、NRであり;
は、水素、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C1−6アシル、(d)アロイル、(e)−SO−C1−6アルキル、(f)−SO−アリール、(g)−SO−C1−3アリールアルキル、(h)アリール−C1−3アルキル、又は(i)SONR(ここで、R及びRは、独立して水素又はC1−3アルキルである)、(j)ピリジノイル、(k)C3−7シクロアルキル−カルボニル又は(l)CONHR、(m)−SO−C3−6シクロアルキル又は(n)4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−2−カルボニルであり(ここで、前記シクロアルカン部分は、C1−3アルキルスルホニルアミノにより置換されており、前記アリール、前記アロイル及び前記ピリジノイルは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−3アルキルアミノ、C1−3ジアルキルアミノ、C1−6アシルアミノ,C1−6アルキルスルホニルアミノ、ビス−(C1−6アルキルスルホニル)アミノ、C1−6アルキル及びハロゲンより独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている);
は、水素、C1−6アルキル、場合により置換されたアリール、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アシルオキシ−C1−6アルキル、ヘテロシクリル−C1−3アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、ピロリジン−3−イルメチル、1−アセチル−ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イル、又はピリジニルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、C(=O)C(Me)NHC(=O)、(CH3−5S(=O)、(CH2−5C(=O)、C(=O)CHC(Me)CHC(=O)、HC=CC(Br)=CHC(=O)、C(=O)(CH2−4C(=O)、HC=CC(=O)CEt(=O)、S(=O)NR(CH3−5である(ここで、Rは、水素、C1−6アルキル又はBocである)か;或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシ、カルボキシル若しくはC1−3ヒドロキシメチルにより置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル;ピリジニル−C1−3アルキル、シアノ−C1−3アルキル、4−C1−3アルコキシ−C1−6アルキル、場合によりハロゲンで置換されたアリール−C1−3アルキルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、(CH(CHである(ここで、Xは、O、SO又はNRであり、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル又はC1−3アシルである)か、或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、4−フェノキシ−ピペリジン−1−イル、3−ヒドロキシ−アゼチジン、4−シアノ−ピペリジン−1−イル、(ヒドロキシルメチル)ピロリジン−1−イル又は2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−イルであり;
3a、R3b及びR3cは、(i)別々には、C1−3アルキル、C1−2アルコキシ若しくはC1−2フルオロアルキルより独立して選択されるか、又は(ii)一緒には、R3a及びR3bは、一緒になって、C2−4メチレンであり、R3cは、C1−3アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン又はC1−3アルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
【請求項2】
式1
[式中、
は、(アルキレン)0−6COX、(アルキレン)0−6NR、(アルキレン)0−6CN又はC1−6ヒドロキシアルキルであり:
Xは、水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、NRであり;
は、水素、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C1−6アシル、(d)アロイル、(e)−SO−C1−6アルキル、(f)−SO−アリール、(g)−SO−C1−3アリールアルキル、(h)アリール−C1−3アルキル、又は(i)SONR(ここで、R及びRは、独立して水素又はC1−3アルキルである)、(j)ピリジノイル、(k)C3−7シクロアルキル−カルボニル又は(l)CONHR又は(m)−SO−C3−6シクロアルキルであり(ここで、前記シクロアルカン部分は、C1−3アルキルスルホニルアミノにより置換されており、該アリール、該アロイル及び該ピリジノイルは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−3アルキルアミノ、C1−3ジアルキルアミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ビス−(C1−6アルキルスルホニル)アミノ、C1−6アルキル及びハロゲンより独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている);Rは、水素、C1−6アルキル、場合により置換されたアリール、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アシルオキシ−C1−6アルキル、ヘテロシクリル−C1−3アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、ピペリジン−4−イル、又はピリジニルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、C(=O)C(Me)NHC(=O)、(CH3−5S(=O)、(CH2−5C(=O)、C(=O)CHC(Me)CHC(=O)、HC=CC(Br)=CHC(=O)、C(=O)(CH2−4C(=O)、HC=CC(=O)CEt(=O)、S(=O)NR(CH3−5である(ここで、Rは、水素、C1−6アルキル又はBocである)か;或いは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル、(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシ若しくはカルボキシC1−3ヒドロキシメチルで置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル;ピリジニル−C1−3アルキル、シアノ−C1−3アルキル、4−C1−3アルコキシ−C1−6アルキル、場合によりハロゲンで置換されたアリール−C1−3アルキルであるか;或いは
及びRは、一緒になって、(CH(CHである(ここで、Xは、O、SOである)か、或いはR及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、4−フェノキシ−ピペリジン−1−イル、4−ヒドロキシ−アゼチジン、2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−イルであり;
3a、R3b及びR3cは、(i)別々には、C1−3アルキル、C1−2アルコキシ若しくはC1−2フルオロアルキルより独立して選択されるか、又は(ii)一緒には、R3a及びR3bは、一緒になってC2−4メチレンであり、R3cは、C1−3アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン又はC1−3アルキルである]で示される、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
【請求項3】
が、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cが、メチルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が(アルキレン)0−6NRであり、Rが、場合により置換されたアロイル、C3−7シクロアルカンカルボニル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C3−6シクロアルキル、SONR、ピリジノイルであり、Rが、水素、C1−6アルキル、アリール又はピリジニルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
が、(アルキレン)0−3NRであり、Rが、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cが、メチルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、(アルキレン)0−6NRであり、R及びRが、一緒になって、S(=O)NR(CHである(ここで、pは3〜5である)、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項7】
が、(アルキレン)0−3NRであり、Rが、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cが、メチルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が、(アルキレン)0−6NRであり、R及びRが、それらが結合している窒素と一緒になって、(a)フタロイル、(b)1−メチル−1,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、(c)場合によりC1−6カルボアルコキシ若しくはカルボキシC1−3ヒドロキシメチルで置換された5−オキソ−ピロリジン−1−イル、(d)3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル、(e)場合によりC1−6アルキルで置換された2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル又は(f)場合によりC1−6アルキルスルホニルアミノ若しくはC3−6シクロアルキルスルホニルアミノで置換された3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項9】
が、(アルキレン)0−6COXであり、Xが、C1−6アルコキシ又はNRである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項10】
が、(アルキレン)0−3COXであり、Rが、水素又はC1−6アルコキシであり、R3a、R3b及びR3cが、メチルである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
3−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−プロピオン酸;
3−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン;
3−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−安息香酸;
3−[5−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−[4−tert−ブチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド;
[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−酢酸;
N−[4−tert−ブチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−N−メチル−アセトアミド;
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−アセトアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−メチル−アセトアミド;
3−(5−tert−ブチル−2−メタンスルホニルメチル−4−メトキシ−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−[1,2]チアジナン−2−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−{2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−メタンスルホンアミド;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−C−フェニル−メタンスルホンアミド;
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−メチル−ベンズアミド;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(2−オキソ−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
エタンスルホン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド;
プロパン−2−スルホン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド;
N−ベンジル−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−エチル−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−イソプロピル−メタンスルホンアミド;
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−ピロリジン−2,5−ジオン;
酢酸 2−{[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ}−エチルエステル;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−ピロリジン−3−イルメチル−メタンスルホンアミド;
N−ブチル−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−イソインドール−1,3−ジオン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−フェニル−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−ベンズアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−ヒドロキシ−ベンズアミド;
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3,3−ジエチル−1H−ピリジン−2,4−ジオン;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−N,N−ジメチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
4−アミノ−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−ベンズアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−メタンスルホニルアミノ−ベンズアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4−ビス−(メタンスルホニル)アミノ−ベンズアミド
N−[4−tert−ブチル−2−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−5−メトキシ−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
3−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−カルボニル)−5−tert−ブチル−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
N−(1−アセチル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−ニコチンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−スルファミド
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−{1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−メタンスルホンアミド;
N−{1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−エチル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−安息香酸エチルエステル;
プロパン−2−スルホン酸 [4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−シクロブチルメチル−アミド;
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンゾイル]−ピペリジン−4−カルボニトリル;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−ピペリジン−4−イル−メタンスルホンアミド;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イルメチル−ベンズアミド;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(ピリジン−2−イルアミノメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−(1,1−ジオキソ−1λ−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
5−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−1,1−ジオキソ−1λ−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル;
3−[5−tert−ブチル−2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−メタンスルホニルアミノ−ベンズアミド;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(5−メチル−1,1−ジオキソ−1λ−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−メタンスルホニルアミノ−N−メチル−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−シアノメチル−5−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
3−{5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−[4−(2−メトキシ−エチル)−ピペラジン−1−カルボニル]−フェニル}−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン;
(R)−1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル;
(R)−1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸;
3−[5−tert−ブチル−2−((S)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−((R)−4−イソプロピル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−2−((S)−4−イソプロピル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
4−tert−ブチル−N−(4−フルオロ−ベンジル)−5−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
3−[5−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボニル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
3−[5−tert−ブチル−4−メトキシ−2−(4−フェノキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
(1S,3S)−3−メタンスルホニルアミノ−シクロペンタンカルボン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド;
3−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサンカルボン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド;
3−[5−tert−ブチル−2−((R)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−4−メトキシ−フェニル]−1H−ピリジン−2−オン;
(2R,4S)−4−メタンスルホニルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸 4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジルアミド;
4−tert−ブチル−N−シアノメチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−2−クロロ−ベンゼンスルホンアミド;
1−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン;
N−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−N−フェニル−アセトアミド;及び、
4−tert−ブチル−3−メトキシ−6−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−プロピル−安息香酸メチルエステル;及び
N−{2−[4−tert−ブチル−5−メトキシ−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−メタンスルホンアミド;
から成る群より選択される、請求項1若しくは2記載の化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
【請求項12】
請求項1〜11記載の式Iで示される化合物を含有する医薬。
【請求項13】
C型肝炎ウイルス(HCV)により引き起こされる疾患の処置のための、請求項12記載の医薬。
【請求項14】
少なくとも一つの薬学的に許容されうる担体、希釈剤又は賦形剤と混合された、請求項1又は2記載の化合物の治療有効量を含む薬学的組成物。
【請求項15】
C型肝炎ウイルス(HCV)により引き起こされる疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜11記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項16】
C型肝炎ウイルス(HCV)ウイルスにより引き起こされる疾患の処置のための方法であって、それを必要とする患者に請求項1又は2記載の化合物の治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項17】
少なくとも一つの免疫系調節剤及び/又は少なくとも一つのHCVの複製を阻害する抗ウイルス剤を投与することをさらに同時に含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
請求項1又は2記載の化合物を送達することによる、細胞におけるHCVの複製を阻害するための方法。
【請求項19】
本明細書前記の発明。

【公表番号】特表2012−506888(P2012−506888A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533680(P2011−533680)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063811
【国際公開番号】WO2010/049331
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】