説明

試料を分析及び/又は加工するための装置及び方法

試料を分析及び/又は加工するための装置及び方法が開示される。装置は、荷電粒子源、及び前記荷電粒子源が放射する荷電粒子の荷電粒子ビームを形成する、少なくとも一つの粒子光要素を備える。装置は、前記荷電粒子ビームから荷電粒子プローブを発生させる対物レンズを更に備える。対物レンズは、粒子光軸を画定する。第1静電偏向要素が、対物レンズの、前記荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向における下流に配置される。静電偏向要素は、前記荷電粒子光軸に垂直な方向に荷電粒子ビームを偏向させ、且つ少なくとも10MHzの偏向帯域幅を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子のビーム、特に電子のビームを用いて試料を分析及び/又は加工するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば走査電子顕微鏡又は走査イオン顕微鏡のような多くの顕微鏡技術において、荷電粒子の収束されたビームは、試料を走査される。試料から放射又は錯乱される粒子は、2次元の撮像を与えるため、偏向器によって集められる。走査電子ビームはまた、例えば、随意に、試料表面から材料を除去又は試料表面に材料を蒸着することにより、表面を加工するためにも使用される。そのような技術は、例えばKoops, H. W. P., Kretz, J., Rudolph, M., Weber, M., Dahm, G., and Lee, K. L. "Characterization and application of materials grown by electron- beam-induced deposition" Jpn. J. Appl. Phys., Part 1 33(12), 7099 (1994)、及びSPlE Vol. 2780 p. 388 Koops et al.. "Three-dimensional additive electron-beam lithography"なる出版物、並びに独国特許出願公開第10208043(A1)号明細書において説明される。高解像度をもつ、材料の随意の蒸着又は除去は、半導体産業において使用されるマスクの修復にも、医薬及びバイオのような技術分野におけるデバイスのナノ構造化におけるラピッドプロトタイピングにも特に有益である。
【0003】
従来技術の更なる開示は、例えば、L. R. Harriott "Focused Ion Beam XeF2 etching of materials for phase shift masks", J. Vac. Sci. Technol. B 11, 2200 (1993)において、また"Modelling of focused ion beam induced surface chemistry " by Klaus Edinger and Thomas Kraus, J. Vac. Sci. Technol. B 18, 3190 (2000)によっても見ることができる。
【0004】
公知技術としての荷電粒子のビームのための偏向システムは、例えば、G. Bonnai et al., Nuclear Instruments and Methods, VoI. 157 (1), November 1978, p. 55-63において説明される。それは、デジタル制御された走査陽子及び重イオンマイクロプローブ、並びにビーム軸に沿って分離された2組の静電偏向板のためのデジタルエレクトロニクスを説明する。Shigeo Okayama " Electron-beam Lithography System Using a Quadrupole Triplet", JVST B, 6,(1) (1988), 199-203なる出版物は、ビーム偏向用8極子を使用してビーム偏向歪みを最小化する電子ビームリソグラフィーシステムを説明する。偏向ユニットは、デジタルデータ管理演算ユニット、並びに4つの16ビットDAC及び2つの13ビットDACの組合せを備える。
【0005】
荷電粒子走査顕微鏡は、通常、電子用静電又は電磁レンズ、及びプレレンズ(カソードとレンズの間)、インレンズ(レンズ内)又はポストレンズ(レンズの後)の電磁又は静電偏向システムを有する。プレレンズシステムは、ダブル偏向システムがコマフリーポイント又は最終レンズのレンズ中央を貫くことを必要とする。レンズの前側焦点面に配置される偏向システムを有し、且つシングルステージだがレンズ自体を第2偏向場として使用する、公知のプレレンズ偏向も存在する。ポストレンズ偏向システムは、シングルステージであり、大きな偏向収差に晒される。インレンズ偏向システムは、シングルステージ偏向を必要とするが、バリアブルアクシスレンズ(VAL)は、通常、ダブルステージ偏向も必要とする。静電インレンズ偏向システムは、通常、シングルステージであり、偏向電圧を高電圧に結合することを必要とする。これは従って、まれであり、又は使用されない(前掲Okayama論文参照)。
【0006】
加えて、表面の露出もまた、発散、非点収差及び偏向に関して制御されなければならない。更に、一次ビームのイメージドリフト及び画像分配が補正されなければならない。イメージドリフトは試料上の導電性又は非導電性のフィーチャの形状に依存するため、イメージドリフトは、例えばDC−SEM(限界寸法の測定のための走査電子顕微鏡)のような、測定への利用のための高精度走査電子顕微鏡の、最も厄介な問題である。この構造は、試料ごとに、視野(FOV)ごとに、及び試料材料組成物の一組ごとに変化することができる。
【0007】
独国特許第69633505(T2)号明細書は、3重の磁気シールドをもつ磁気インレンズ偏向システムを開示する。色収差及びビームぼけを矯正するインレンズダブルステージ偏向システムもまた独国特許出願公開第10122957(A1)号明細書に開示される。これもまた磁気システムである。類似のポストレンズ偏向装置が米国特許第6864482(B2)号明細書に開示され、該特許において、フィルタ偏向要素が、プレレンズ偏向要素によって生じた色変更収差を補正する。この先行技術文献においては、レンズの後ろで且つ試料の前にフィルタデバイスを取付けることを可能とするため、長いワーキング距離をもつ磁気対物レンズが使用される。
【0008】
加えて、AT&T corp.のJ. A. Felkner et al他が独国特許第69608219(T2)号明細書において開示するとおり、8極子システムを偏向システムとして追加的に設けることが知られている。そのようなシステムの他の開示は、米国特許第6797953号明細書にみることができ、該特許は、ビームが静電対物レンズに到達する前のプレレンズ偏向システムを示す。インレンズ及びポストレンズの2ステージの静電多極システムが米国特許第6787772号明細書に開示される。しかしながら、再び磁気対物レンズが使用される。磁気対物レンズと試料の間の空間に配置された静電多極が米国特許第6182605号明細書に更に開示される。この特許は、多極形態が、粒子ビームのための偏向器及び非点収差補正器として使用されること、及び電極の電位が、焦点調整と電子抽出にも役立つ軸方向の加速又は減速場を発生させるために配置され、採用されることを開示する。この装置はまた、反応ガスを試料へ電極を通じて散布するためにも、多極の電極を使用する。
【0009】
電子ビームを使用して表面を加工するときの他の問題は、ビームをブランキングすること、即ち、ビーム強度を消すこと(スイッチオフ)である。これを行うための手段は、ビームブランキングユニット又はビームキーイング要素と呼ばれる。先行技術から公知であるSEMにおいて、そのようなユニットは、ビームを止めるため採用された金属の半平面がビームに近接して取付けられた平面内にビームを収束させるための荷電粒子のためのレンズからなる。平板キャパシタが、ビームの方向に見て、レンズに続く。ビームが平板の配置の中間平面を通過して、反対符号で等しい大きさの電圧が平板に適用されるとき、平板はビームをキャッチングアパーチャ上へ偏向する。偏向された状態では、ビーム強度はそこで止められ、もはや試料に到達しない。しかしながら、偏向の間、偏向平板によってビームの方向が変えられるため、仮想の源の像が移動する。この源の移動が試料上へ像映され、ビームの縁位置における不確実性を生じ、該不確実性は試料上のいかなるエッチング又は蒸着の解像度を悪化させる。
【0010】
先行技術において知られる、ビームブランキングの、更なるより精確な方法は、ビーム強度の調整時にビームに晒される、サンプル上のスポット位置を変化させることなく、ビーム強度を調整することを可能とする「共役ブランキング」とも呼ばれる。共役ブランキングシステムを使用するそのような強度調整を提供するためのアプローチの一つとして、"Experimental evaluation of an electron-beam pulse modulated blanker (160 MHz) for next-generation electron-beam raster scan systems ", J..Vac. Sci. Technol. B 13, 2488 (1995)なる出版物においてAndrew Muray、Dave Colby、Robin Teitzel及びMark Gesleyによって開示された装置を使用することができる。しかしながら、開示された解決方法は、非常に複雑でコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第10208043(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許第69633505(T2)号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10122957(A1)号明細書
【特許文献4】米国特許第6864482(B2)号明細書
【特許文献5】独国特許第69608219(T2)号明細書
【特許文献6】米国特許第6797953号明細書
【特許文献7】米国特許第6787772号明細書
【特許文献8】米国特許第6182605号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Koops, H. W. P., Kretz, J., Rudolph, M., Weber, M., Dahm, G., and Lee, K. L. "Characterization and application of materials grown by electron- beam-induced deposition" Jpn. J. Appl. Phys., Part 1 33(12), 7099 (1994)
【非特許文献2】SPlE Vol. 2780 p. 388 Koops et al.. "Three-dimensional additive electron-beam lithography"
【非特許文献3】L. R. Harriott "Focused Ion Beam XeF2 etching of materials for phase shift masks", J. Vac. Sci. Technol. B 11, 2200 (1993)
【非特許文献4】"Modelling of focused ion beam induced surface chemistry " by Klaus Edinger and Thomas Kraus, J. Vac. Sci. Technol. B 18, 3190 (2000)
【非特許文献5】G. Bonnai et al., Nuclear Instruments and Methods, VoI. 157 (1), November 1978, p. 55-63
【非特許文献6】Shigeo Okayama " Electron-beam Lithography System Using a Quadrupole Triplet", JVST B, 6,(1) (1988), 199-203
【非特許文献7】Andrew Muray, Dave Colby, Robin Teitzel, and Mark Gesley "Experimental evaluation of an electron-beam pulse modulated blanker (160 MHz) for next-generation electron-beam raster scan systems ", J..Vac. Sci. Technol. B 13, 2488 (1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記に鑑み、本発明の課題は、先行技術から知られた装置及び方法よりも優れる解像度をもつ電子ビーム誘導エッチング及び/又は蒸着を可能とする装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様に従い、この問題は、特許請求の範囲請求項1の特徴を備える、試料を分析及び/又は加工するための装置によって解決される。本発明の好適な実施形態の特徴は、従属請求項2から19において開示される。
【0015】
本発明の第2の態様に従い、この問題は、特許請求の範囲請求項20の特徴を備える方法によって解決される。この方法の好適な実施形態は、従属請求項21から32の特徴によって開示される。
【0016】
本発明のシステムは、荷電粒子源、及び荷電粒子源が放射する荷電粒子の荷電粒子ビームを形成する少なくとも1つの粒子光要素を有する。本発明に従うシステムはまた、荷電粒子ビームから荷電粒子プローブを形成することができる対物レンズも有する。加えて、第1静電偏向要素が、対物レンズの、荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向における下流に配置される。静電偏向要素は、少なくとも10MHzの偏向帯域幅を用いて、荷電粒子ビームを、対物レンズによって画定される荷電粒子光軸の垂直方向へ偏向するよう設計されるべきである。
【0017】
10MHzの偏向帯域幅とは、荷電粒子プローブが、10MHz以上の周波数で、対物レンズ又はシステムの荷電粒子光軸の垂直方向において、ある位置から他の位置へ移動することができることを意味する。
【0018】
偏向要素は、十分高い偏向帯域幅で荷電粒子ビームを偏向するのに十分高速であるために、流動静電的なもの、即ち、磁気偏向場を与えないものであるべきである。
【0019】
偏向要素は、電極を有し、該電極は、互いに対して、かつ、偏向要素の近傍に配置される、装置の全ての更なる構成要素、例えば対物レンズの構成要素に対して、50pF未満の、好ましくは10pF未満の静電容量を有するべきである。
【0020】
対物レンズは、静電界浸レンズを有利に備え、該静電界浸レンズにより、レンズを通過する荷電粒子は、荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向において、10keVを超える範囲内のより高い動的エネルギーから、5keV以下のより低い動的エネルギーまで減速させられる。静電偏向要素を、そのような界浸レンズのより低いエネルギー側、即ち界浸レンズの、荷電粒子がより低い動的エネルギーを有する側へ配置することで、静電偏向要素は、荷電粒子プローブを既定の量又は角度偏向させるためその電極に適用される電圧が相当低い状態で作動されることができる。これにより、より低い電圧は、より高い電圧の場合に比べ相当高い周波数が適用され、該周波数でスイッチされることができ、高偏向帯域幅に到達するのが容易になるという利点を利用することができる。
【0021】
静電界浸レンズの前記利点はまた、対物レンズが静電界浸レンズ及び電磁レンズの組合せ又は一連の配置であるときにも利用することができる。
【0022】
10MHz以上の偏向帯域幅をもつ偏向要素により、1μsよりずっと下の再現性のある滞留時間を達成することが可能となる。更に好適な偏向帯域幅は、数十又は数百を更に超えるMHzである。後者の場合、追加のリフレッシュ時間と、数ns以下のオーダーのライズ時間をもつ高速ブランキングとが可能である。双方は、電子ビーム誘導界面化学の研究及び応用に広く使用される標準的なSEM偏向システムでは不可能であった。
【0023】
加えて、この配置の有益で価値ある成果は、統合された高速ビームブランキングシステムが、対物レンズの、荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向における上流に配置される必要がないため、システムの構成要素の削減の可能性があることである。これは、静電偏向要素を、ビームを、下流のシールド要素の開口から遠ざけるように偏向し、このようにして、ビームが試料に到達する前にビームを遮断する特別な偏向信号を供給することによって、ビームブランキング手段として使用することで達成される。
【0024】
その結果、好適な実施形態が、従来使用されたビームブランキング要素を省略することを可能とし、より経済的で技術的に簡素化された解決方法を与える。更には、偏向及びブランキング要素は実際の柱状体の下方に取り付けられるため、電子光柱状体の通風、及び金属ブレードの機械的洗浄を必要とする整備がもはや不要である。
【0025】
現在の好適な実施形態において、装置は、荷電粒子ビームが通過する開口部を有する導電性シールド要素を更に備え、シールド要素は、静電偏向要素の、荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向における下流に配置される。静電偏向要素とシールド要素との間の距離dは、好ましくは、10μm≦d≦2.5mmの範囲内にある。シールド要素の開口部の直径と、荷電粒子プローブが形成される試料の表面又は対物レンズによって荷電粒子プローブが内部に形成される、対物レンズの光軸に垂直な平面までの距離dとは、好ましくは実質的に同一である。シールド要素は、従って、荷電粒子プローブが内部に形成される表面に十分近接して位置して、荷電粒子のビーム上のその平面内に配置された試料の表面での荷電蓄積効果の影響を減少させる。
【0026】
ワーキング距離、即ち、対物レンズの最終電極と試料の間の自由空間距離を短くするために、静電偏向要素は、短く保たれるべきである。しかしながら、静電偏向場の長さに正比例する、必要とされる偏向感度のため、ワーキング距離は、できるだけ長くするべきである。前記の好適な値は、双方の要件を満足するための妥協を示す。加えて、シールド要素までの距離は、シールド要素に対する、及び対物レンズの電極に対する10Vから100Vの静電多極電極電圧を絶縁するための要件によって制限される。従って、これら表面の間の間隙は、表面間の静電界強度を、約10KV/mmである、研磨された表面間の真空における電圧破壊値未満の値に制限するため、10μmより大きくなければならない。
【0027】
好適な実施形態において、静電偏向要素は、好ましくは、直径d<100μmの直径を有する視野において、荷電粒子の一次ビーム及び二次ビームを遮らない、十分な寸法の開口部を有する。この目的のため、静電偏向要素の開口部は、好ましくは、0.05mm≦d≦5mmの範囲にある内側直径dと、好ましくは、0.05mm≦l≦20mmの範囲にある長さlとをもつ。
【0028】
好ましくは、静電対物レンズの電極と静電偏向要素とは、互いに対して、かつ、電極に隣接する装置の更なる構成要素に対して、50pF未満の、好ましくは10pF未満の静電容量を有する。本発明の基本原理は、高速でビームを偏向、非点収差補正及び焦点調整する手段を提供することであることから、電圧供給システムの高速増幅器からの過度の高負荷電流を必要としないようにするため、互いに対する、及び周囲の電極及び金属平板に対する電極の静電容量は、小さく、好ましくは前掲の範囲に保たれなければならない。好適な静電容量値を用いて、1ピクセル当たり100MHz以上10GHzまでの偏向周波数が達成されることができる。視界全体は、従って、1000ピクセル/ライン及び1000ラインを使用して1ms内で走査される。
【0029】
本発明の更なる態様に従い、装置は、静電対物レンズの粒子源に向けられた側に配置される第2静電偏向要素を更に含むことができる。好ましくは、装置は、第1及び第2静電偏向要素及び静電対物レンズを、荷電粒子の一次ビームが、荷電粒子プローブが内部に形成される平面に電子ビームが衝突するスポット位置を変更することなく、偏向されるように制御する手段を備える。加えて、遮断要素が、好ましくは、第1偏向要素と、荷電粒子プローブが内部に形成される平面との間に配置されて、該遮断要素は、ビームが偏向される時、荷電粒子の一次ビームを少なくとも一部遮断することで、試料の表面上の実質的に変更されないスポットに到達する残存電子ビームの強度が調整される。
【0030】
第2静電偏向要素(プレレンズシステム)、静電対物レンズ及び第1静電多極偏向要素(ポストレンズシステム)の組合せは、ビームがレンズに軸から離れる方向をもって入射するよう、ビームをある角度まで偏向するため、プレレンズシステムによるビームの第1の偏向が利用される。第2静電偏向要素が、その実際の又は仮想の偏向点が対物レンズの光軸上で且つ対物レンズの源側の焦点面内に位置するように配置されるとき、荷電粒子ビームは、対物レンズによって、その光軸に平行な方向へ偏向される。ビームは、その後、ビームを位置決めするため第3の偏向器として機能するポストレンズシステムへ入射する。ビームが、好ましくは、アパーチャのリム近傍、又はメッシュのようなシールド要素のグリッドバー近傍に延びるように、ビームは偏向される。同時にビームプローブの焦点は、所望の位置における試料の表面に合うよう調整される。
【0031】
3つの偏向システム、即ち、プレレンズ変更システム、レンズ及びポストレンズ偏向システムによるビームの偏向は、このようにして、試料上、又は荷電粒子プローブが内部に形成される平面内の小さな画像フィールドを走査することを可能とする。加えて、ポストレンズ偏向システムは、ビームが、残存ビームが試料の表面に衝突するスポット位置の実質的ないかなる変更をも伴うことなく、効果的にスイッチオフされ、又は少なくともその強度が減少させられるように、ビームがアパーチャのリム又はシールドメッシュのグリッドバーに衝突するよう、ビームを偏向することができる。
【0032】
最後に、本発明は、荷電粒子の一次ビームを試料の表面に向けるステップ、試料の表面を1種以上のガスに晒すステップ及び荷電粒子の一次ビームを、試料の表面上の複数の位置へ、100ナノ秒以下の最短滞留時間をもって偏向するステップを含む、試料を分析及び/又は加工するための方法に関する。
【0033】
試料の全域を荷電粒子が走査する間、2つの基礎的な時間定数が、試料上の化学反応を制御する。ビームが一つの位置又は一つのピクセルに留まる時間はピクセル滞留時間と称される。そのような滞留時間の後、ビームは、パターンの他の位置に露光するため移動する。この時間の間、前述の位置又はピクセルへの入射ビーム流は実質的にゼロである。同一位置又は同一ピクセルでの2つの露光の間に経過する時間は、フレッシュ時間と称される。それは、パターンが露光されるべきピクセル又は位置の数掛ける滞留時間足すことの、ビームが完全にブランキングされる、随意の余分リフレッシュ時間とからなる。
【0034】
本発明者は、短い滞留時間は、いくつかの反応の収率を増加させるだけでなく、一定の種類の反応を可能とするため実際に必要であるということを、初めて知見した。例えば、人工電子ビームを用いてバイナリーフォトマスク上の吸収材料を除去するためには、短いエッチング滞留時間が、任意の顕著なエッチング速度を達成するために必要である。加えて、リフレッシュ時間を、リバーベッディング及びオーバーエッチングのようないくつかの望まれない副作用を避けるため、所定の走査計画及びラインリフレッシュ時間の制御が難しい同等物と組み合わせて、所定の値に維持しなければならない。
【0035】
好ましくは、最短滞留時間を60ナノ秒以下とし、あるピクセル又は位置における滞留時間を、好ましくは、該ピクセルのためのリフレッシュ時間とは独立して制御する。
【0036】
開示する方法の更なる態様に従い、複数のピクセル又は位置を、例えば、複数のピクセル又は位置を、1ピクセルより大きく、好ましくは2ピクセルと20ピクセルの間のラインステップ寸法をもつ、1本以上の蛇行ライン内で走査することにより、連続する走査経路が実質的に分離されるように、走査する。
【0037】
開示する方法の更なる他の態様に従い、試料を、追加の材料層、好ましくはリソグラフィーマスク上の吸収層によって少なくとも部分的に被覆し、試料上のピクセル又は位置を、既に十分加工した、試料の領域の更なる走査を避けるため、試料上に発生させられた荷電粒子の二次ビームを評価するユニットの制御に基づいて走査する。
【0038】
好適な実施態様において、試料はクロム層を備え、ガスは、例えばXeF及びHOのような、ハロゲン及び酸素を放出する化合物を含む化合物を備える。1以上のガスの分圧を、好ましくは、ガスを試料へ供給する容器を冷却することにより制御する。HOは、好ましくは、容器内で−30℃と−40℃の間の温度に保ち、前記XeFは、好ましくは、容器内で約0℃の温度に保つ。
【0039】
独立請求項に記載した装置及び方法の更なる変更が、従属請求項の発明の要旨である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に従う装置の好適な実施形態の垂直断面図である。
【図2】好適な実施形態における静電多極偏向要素の実施形態の平面図と、発生した静電界の略図である。
【図3a】本発明に従う静電多極偏向要素の電極に適用される電圧の略図である。
【図3b】本発明に従う静電多極偏向要素の電極に適用される電圧の略図である。
【図4a】対物レンズ上に1つと対物レンズ下に1つの、2つの静電多極偏向要素を備える装置における、光線の偏向の略図である。
【図4b】試料上の露光スポットを変更することなく光線を変調又はブランキングするための、図4aの装置の使用態様を示す略図である。
【図4c】ブランキング偏向を説明するためのシールドグリッドの面における平面図である。
【図4d】静電多極偏向要素に適用されるブランキング電圧の略図である。
【図5a】本発明に従うブランキングユニットの更なる実施形態を示す図である。
【図5b】本発明に従うブランキングユニットの更なる実施形態を示す図である。
【図5c】本発明に従うブランキングユニットの更なる実施形態を示す図である。
【図6a】開示される方法の好適な実施形態における蛇行する走査経路を示す図である。
【図6b】本発明の好適な実施形態における蛇行走査パターンのための、x方向のための走査生成器信号を示す図である。
【図6c】本発明の好適な実施形態における蛇行走査パターンのための、y方向のための走査生成器信号を示す図である。
【図7a】低速信号と高速信号のための高帯域幅をもつシグナルチェーンから帰結する走査ビーム経路を比較する図である。
【図7b】低速信号と高速信号のための低帯域幅をもつシグナルチェーンから帰結する走査ビーム経路を比較する図である。
【図8a】欠陥を除去するため処理すべきリソグラフィーマスクの欠陥を示す図である。
【図8b】欠陥を除去するため処理すべきリソグラフィーマスクの抽出領域を示す図である。
【図9a】低帯域幅の偏向システムを用いる、図8bに示す領域の処理を比較する図である。
【図9b】高帯域幅の偏向システムを用いる、図8bに示す領域の処理を比較する図である。
【図10a】図9aに示す領域の下端の詳細図である。
【図10b】図9bに示す領域の下端の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、現時点において好適な実施形態を、図面を参照して更に説明する。
【0042】
以下に、特許請求の範囲に記載の装置及び方法の現時点において好適な実施形態が、走査電子顕微鏡を特に参照して説明される。しかしながら、本発明は、試料をその表面又はその内部領域について観察、撮像又は加工するため荷電粒子が使用される、いかなる装置にも使用され得ることを理解されたい。特に重要な使用分野は、半導体産業のためのマスクの修復である。この場合、走査電子ビームは、典型的に石英からつくられているマスクの表面から材料、特にクロム層を随意に蒸着又は除去するため使用される。
【0043】
図1は、本発明の実施形態の垂直断面概略図を示す。このシステムは、ワーク対象物403、即ちフォトマスクを処理するため使用される。このフォトマスクは、フォトリソグラフィー処理における使用に役立つものであり、半導体物質(ウエハ)が蒸着される放射線感受性層(レジスト)へ写真的に転写される構造を有する。マスクからウエハへ構造を転写するため使用される光の波長との関連で、構造の限界寸法は比較的小さい。従って、マスク上の構造は、透過性及び吸収性の択一的な構造として単に具現化されるのではなく、撮像処理のため使用される光のための、規定の位相シフト効果をも与え得る。従って、マスク403の構造は、位置に依存する材料密度のための、所定の規制要件に比較的精密に適合しなければならない。
【0044】
材料処理システム1は、選択された位置での材料の蒸着によって、及び選択された位置からの材料の除去によってそのような構造を製造することを可能にする。
【0045】
材料の蒸着は、本発明においては、処理のため選択された位置の近傍に反応ガス(前駆体)を供給することによってもたらされる。同時に、一次電子の電子ビームは、選択された位置へ向けられる。一次電子、又は一次電子によりワーク対象物から放出された被後方錯乱若しくは二次電子は、反応ガスの構成要素が選択された位置で、又はその直ぐ近傍で蒸着されるように反応ガスを活性化させる。その結果、所望の、材料の蒸着が、選択された位置の領域においてもたらされる。
【0046】
材料の除去は、類似の方法においてもたらされる。しかしながら、一次電子、又は一次電子により発生させられる後方錯乱若しくは二次電子によって活性化される異なる種類の反応ガスは、反応ガスが選択された位置で、又はその直ぐ近傍でワーク対象物の材料と反応して、材料の構成要素を、ワーク対象物から脱出する気体の又は蒸気の化合物に変換するように供給される。よって、所望の材料の除去は選択された位置の領域において達成される。
【0047】
この目的のため、ワーク対象物は、ワーク対象物ホルダ405に取付けられる。ワーク対象物403及びワーク対象物ホルダ405は、ターボ分子ポンプ409及び図1に示されない更なる前段真空ポンプ手段によって真空排気される処理室407内に配置される。
【0048】
ワーク対象物ホルダの、処理室との相対的な空間位置は、図1に示されないアクチュエータ手段により、3つの空間上の方向x、y、zへ変化させられることができる。複数のレーザ干渉計411が、ワーク対象物ホルダ405の、処理室407との相対的な位置を検知するため設けられる。
【0049】
電子顕微鏡415は、電子顕微鏡415の光軸417がz方向に延び、且つ電子顕微鏡415の試料平面419が処理室407内にあるように、処理室407の真空筐体413内に取付けられる。ワーク対象物ホルダ405は、ワーク対象物403の表面が、電子顕微鏡の試料平面419内に、即ち、荷電粒子プローブに相当する収束した電子のプローブが内部に発生させられる平面内に、実質的に配置されるように、処理室407内に配置される。
【0050】
電子顕微鏡415は、電子源401、及び電子源401から放射される電子から電子ビームを形成するコンデンサとして作動する磁気コイル425を備える。電子ビームは、光軸417に沿って下方へ向けられる。電子顕微鏡415の対物レンズ427は、上側極部材429及び下側極部材431並びにその間に設けられるコイル432を備える。極部材429、433は、対物レンズ427の光軸を同時に形成する、システム全体の光軸417に向かう極部材間隙を画定する。対物レンズ427は、電子顕微鏡415の試料平面419内に電子ビームを収束させる。即ち、試料平面内に、1−10nmの範囲内の小さな断面を有する電子プローブが形成される。
【0051】
電子顕微鏡415は、上側電極402及び下側電極433によって形成される静電界浸レンズを更に備える。上側電極は、電子源401のアノード404から延び、電子光柱状体全体を通じて、対物レンズ427の下側極部材431で終わる。静電界浸レンズの下側電極433は、電子源401が放射する電子の伝播の方向における、対物レンズの下側極部材の下流に配置される。上側電極402は陽極電位を付与され、下側電極433は、陽極電位と比較してマイナスであり、且つ試料の電位と同一であるべき電位を付与される。従って、静電界浸レンズの作動により、電子は、対物レンズ427を通過するとき、陽極電位に対応する、より高い動的エネルギーから、陽極電位と下側電極433の電位との間の差異に対応する、より低い動的エネルギーまで減速される。好ましくは、下側電極の下流の電子の動的エネルギーは、5keV以下である。
【0052】
下側電極433の下流に続いて、静電偏向要素437が設けられる。静電偏向要素は、静電多極体を形成し、且つ電子ビームを光軸417に垂直にx方向及びy方向へ偏向する役割を果たす小さな電極によって形成される。図示されないコントローラが、偏向要素437の電極に付与される電圧を制御し、よって、試料平面419における電子プローブの偏向を制御するため設けられる。
【0053】
電子源401が放射する一次電子の伝播の方向における、偏向要素437の下流に、導電性シールド要素439が設けられる。このシールド要素439は、平坦に伸ばされた電極として、又はグリッド若しくはメッシュ形状に形成されることができる。シールド要素439は、試料403の表面に集中する電荷が一次電子ビームを妨げる影響を減少する役割を果たす。シールド要素は、一次電子ビームが通過することを可能とする孔440を、光軸417の領域内に有する。
【0054】
シールド要素439は、1つ又は2つの追加的な孔441、442を少なくとも有し、該孔を通って、ガス供給システム443の末端部から放出されるガス分子は、光軸の直ぐ近傍で試料403の表面に到達することができる。ガス供給システムの補助により、前駆体ガス又は反応ガスのいずれか一方が、実際の使用のための必要に応じて供給されることができる。
【0055】
柱状体内には、電子源401の側に向けられた、対物レンズ427の焦点のある平面内に、対物レンズ427の下流に配置された偏向要素437と、以下により詳しく説明される態様で協働することができる、更なる静電偏向要素435が設けられる。
【0056】
レンズ内検知器443が、電子光柱状体内において、対物レンズ427の上流で、コンデンサレンズ425と対物レンズの間に配置される。このレンズ内検知器は、一次電子ビームへの衝突により、試料が放射する被後方錯乱電子又は二次電子を検知する役割を果たす。レンズ内検知器443の検知信号は、コントローラに読み取られる。光軸417周辺の対象物平面419内に配置されたワーク対象物403の電子顕微鏡撮像を撮るため、コントローラは、電子プローブが体系的に部分を走査するように第1偏向要素437又は第2偏向要素435のいずれか一方を制御する。偏向に基づいてレンズ内検知器443が記録する信号の強度は、コントローラにより更なる処理及び/又は表示のため記憶される。
【0057】
図1に更に示すとおり、電子源401と対物レンズ427の間の真空システム413が、分離した適切な真空ポンプ452、453、454により各々が排気される3つの真空ステージに分離されて、該各ステージ内で適切な真空状態が維持され得るように、2つの圧力制限装置450、451が、電子源401と対物レンズ427の間に設けられる。
【0058】
静電偏向要素437は、好ましくは非磁性材料からなり、従って、追加的な磁界を変化させない8極子の形態に形成されることができ、該静電偏向要素は、静電界浸レンズの下側電極433を突き出すことができる。8極子の静電絶縁のため、その電極は、8極子を対物レンズ427の下側極部材431へ取付ける支持リング7に対して絶縁される。
【0059】
図2は、8つの円筒状電極6をもつ8極子の実施形態の概略平面図を示す。静電等電位領域8の影響も示される。8極子の電極6間の絶縁空間9は、ゆくゆくは突然の放電に繋がって電子ビームの不安定性に帰結し得る、いかなる絶縁表面の帯電も避けるため、物質をもたないままとされる。択一的に、8極子は、慣用されているとおり、図示されない、円形の内径の断片の間に絶縁空間としてスロットを有するよう、又は共通の中央に向いて間に絶縁空間をもつ一組の極ブレード部材を有するよう構成されることもできる。
【0060】
説明する実施形態において5mmと1mmの間の内側直径及び20mmと0.05mmの間の電極長を有する8極子の小さな寸法も、支持リング7に対し絶縁された、図示されない細い電位供給線の使用も、関連する静電容量を50pF未満、好ましくは10pF未満に制限して、従って偏向周波数として、例えば10MHzから10GHzまでの非常に高い周波数を可能とする。
【0061】
ビームが試料上の距離を移動している間、試料が多くの荷電粒子に晒されない高偏向速度は、高速処理リソグラフィー、高速撮像及び全てのオペレーションにおいて有益である。この高偏向速度はまた、自動化されたルーチンをもつ高速の焦点調整、偏向及び/又は非点収差補正が、例えば1マイクロメートルを超えるマイクロメートルサイズの段差を有する表面をもつ、非常に荒い基板地形を有する試料の要件を満足するため実行されるときにも必要とされる。
【0062】
図1に示す装置において、ビームの位置決めが、第1のステップにおいて、図示しない試料上に存在するマークをビームの基準に設定し、第2のステップにおいて、例えば、測定装置をもつ高解像度レーザ干渉計又は位置表示器のような精密な位置制御システムによって制御される、試料の支持台の移動を行うことによって実行される。機械的な支持台は、0.5μmを超える精密性をもつ位置決めを画定することができないため、必要とされるワーク位置と、ビームの位置でもある実際の支持台の位置との偏差は、第3のステップにおいて、干渉計により測定されてビーム偏向システムにフィードバックされる。20μmの直径しかない小さな視野をもつ場合にも、この不確実性は、観察又は処理されるべき試料表面上の欠陥又は構造を発見するのに耐えられる。このタスクのため通常使用される高解像度SEMは、数nm/hを超える、レンズ及び試料に対するビームの追加的ドリフトを排除するよう構築されることから、この多段ステップアプローチは、通常成功する。第4のステップにおいて、試料の構造に対するビーム位置は、単一走査撮像ステップにより監視される。それに基づきワーク領域が画定され、ワークを開始することができる。ワークとは、本願においては、例えば距離の測定、材料の蒸着、材料のエッチング又は高解像度撮像の記録による過去のワークの再検討を意味する。
【0063】
図3a及び3bは、8極子の電極(参照符号11から18)を概略的に示し、円形レンズのため適用される電位R0、2つの偏向要素のため適用される電位D1及びD2、非点収差補正のための2つの4極子のため適用される電位Q1及びQ2、並びに収差構成要素の部分補正のための6極子及び8極子のため適用される電位S1及びO1を示す。6極子電界強度が8極形態からつくられるため、計算された電圧を極に設定することで6極子電界を回転させることが可能である。8極子は、全ての極性を逆転することで45°回転することのみができる。示された電位の全ては、各電極の全ての構成要素の合計が、コンピュータによって決定されて、高速D/Aコンバータによって電圧として夫々の電極へ出力されることにより、極11−18へ重ね合わされる。
【0064】
好適な8極子の電極11−18の種々の電位の荷電粒子ビームへの影響が以下に説明される。
【0065】
全ての電極11−18に電位R0を付与した8極子の励起が、8極子の位置の平衡を与える。換言すれば、電極電圧は、静電対物レンズの減速フリンジ領域における8極子の位置のずれを相殺して、8極子要素の位置決めの影響を最小化するために役立つ。加えて、ビームの加速又は減速がまた、ビームの収束又は発散を生じさせるR0によって達成されることもできる。
【0066】
図3bに与えられる分配と値に従って8極子の極に付加される双極子電界D1及びD2は、ビームをx及びy方向又は任意の方向にシフトさせることを可能とする。双極子配置において、当業者は通常、電子ビームに垂直に偏向する電界を発生させるため、図3aに示すとおり、極の対向する電極11及び15のみを使用する。隣接する極にも電位を付加すれば、8極子の内側の均一な電界領域を拡大することが可能となる。これは、従って、タスク全般及び偏向歪みの減少に対し有益である。2つの概ね垂直に向けられた偏向電界の採用により、電極に付加される適切な電位の負担を用いて、全ての方向へビームを誘導することの可能性が与えられる。2つの4極子の電位分配Q1及びQ2を使用することで、2重の非点収差によって生じるビームの楕円率に影響を与えることが可能となる。この欠陥を補正するため、2つの4極子電界は、使用され、電界強度を調節される。非点収差の補正は、2つの4極子電位Q1及びQ2を、4極子電界を擬似的にある角度回転させる特別な比率に設定することによって得られる。加えて、ビームへの2重の収束又は発散作用を、非点収差の補正に使用することができるように、方位の方向付けのため設定されたとおりの比率に比例する電位が選択される。8極子の正しく整列されていない取付けは、追加の非点収差を生じさせ得るし、そのような電位を用いて補正され得る。
【0067】
3重の非点収差は、一般的に、前述の柱状体及びレンズにおいて、並びにSEMの対物レンズ内で発生する。6極子電界は、そのような、ビームの3重の非点収差の補正も、コマ収差の構成要素の補正も可能とする。電界の方位的な方向の調整は、回転された6極子に必要とされるS1電位を数値計算することによって発生させられなければならない。ビームの3重の構成要素は、レンズ、並びに偏向要素及び非点収差補正装置のような他の光学的構成要素の正しくない整列からも発生し得る。8極子システムの取付によりその方向が固定される8極子は、Q1電位を変更することで変化させることができ、45°の固定されたステップで回転させられることができる。それは、球面収差の回転対称部を表す係数を補正するために使用することができる。
【0068】
図4aから4dは、本発明の更なる態様を示す。図4aは、プレレンズ偏向多極20、対物レンズ21及びポストレンズ偏向多極22を、試料24に近接して配置されたアパーチャプレート又はグリッド23と連携して使用する、共役ブランキングシステムのためのビームの進路を示す。以下に説明するとおり、2つの多極20、22及び対物レンズ21は、たとえビームの強度がスイッチオフ又は調整された場合でも、プローブスポット25が試料24上の固定された位置に留まることを可能とする。
【0069】
この目的のため、プレレンズ偏向多極20、対物レンズ21及びポストレンズ偏向多極22の偏向は、ビーム26が、例えばアパーチャプレート又はシールドメッシュのグリッドバー23のような遮断要素の縁近傍を通過するように調整される。図4bは、この状況のビーム進路26(点線)を示す。
【0070】
ビームの強度を調整するため、又はビームを完全にブランキングするため、図示しない制御ユニットは、同期するブランキング信号30、31を、プレレンズおよびポストレンズ偏向多極20,22に、対向する極性を伴って適用する(図4d参照)。その結果、ビームは偏向されるが、試料上の照射されたプローブスポット25は、その元の位置に維持される。しかしながら、偏向されたビーム27は、試料表面24のスポット25におけるビーム強度をゼロに導く遮断要素によって完全にブランキングされる(図4bにおける破線参照)。ビーム直径の一部のみが遮断要素によってブランキングされるとき、中間レベルの露光を得ることもできる(図示されない)。
【0071】
図4cは、例えばグリッドバーのような、個々のブランキング要素29の平面での平面図を概略的に示す。理解できるとおり、ビームは、グリッドバー29の縁(又は点線によって示すアパーチャ28のリム)を位置26において通過し、従って、ブランキングされない。ビームが位置27に偏向されるとき、しかしながら、それはブランキングされ、ビーム強度は試料表面に到達しない。しかしながら、この調整は、試料上のスポット25を移動させることなく達成される(図4bにおける試料表面上に収束する点線及び破線26、27参照)。
【0072】
説明したレンズ及び偏向対ブランキングシステムは、好ましくは、ブランキング信号の振幅に関して、システムの解像度の0.1倍以内、例えば3nmのプローブ直径で0.3nm以内にスポットを維持し、且つ使用される中間レベルの露光ビーム流のため軟正されるように予め調整される。
【0073】
説明した高速多極偏向及びブランキング装置は、具体的には、ビームに誘導される蒸着とエッチングに、1μs未満であり、突き詰めると0.1ns位の短さの非常に短い滞留時間を採用することを可能とする。これは、ナノ構造化及び高処理量マスク修復を実施するために非常に重要である。本願において、多極22が、好ましくは、図1に示す試料表面24上に前駆体又は他の反応ガスを向かわせるため使用することができるガス供給アセンブリに統合されることに留意されたい。そのような設計は、試料表面24上の限られた使用可能な空間を効率的に使用するので有利である。
【0074】
任意の種類の対物レンズを、前述のとおりのポストレンズ偏向多極要素及びシールド要素に組み合わせることによって改良されたビームブランキングユニットのための他の実施形態が、図5aに説明され、該図は、ビームブランキング光線経路を概略的に示す。一次ビーム88は、レンズ81、82、83によって試料に収束させられ、多極86の内側で偏向されてシールド要素823に衝突して、そこで止められる。この状況において、ビームは、「ブランキングされる」。前述したとおりの本発明に従う偏向信号の高速度のため、及び使用される電子銃の輝度のため、電子は、焦点スポットからグリッドバー823上のブランキング位置までの、ビームの経路に沿って試料に衝突することは殆んどない。
【0075】
図5bは、走査領域と、試料露出及びビーム停止のビーム位置とをもつシールド要素の平面図を示す。この図において、シールド要素823は、走査領域88cを設ける格子又はグリッドの形態をとる。試料に露出するビーム断面88b、及びグリッドバー上に配置された位置88aにおけるビームブランキングが可能なビーム位置を更に示す。
【0076】
ブランキングとそれに続く走査のため適用される信号は、最終的に、図5cにおいて時間に対して概略的に示される。
【0077】
図6から10は、本発明の好適な実施形態に従う方法とそれにより達成される顕著な利点を示す。以下に説明するとおり、開示する方法の一つの重要な側面は、ピクセル滞留時間が、100ns未満の非常に短い値を有することができることである。これは、電子ビームのための偏向信号を発生させる、システムの高帯域幅を必要とするが、驚く事に、試料表面の高解像度処理の精確性と処理量を改善するための決定的なパラメータであることが判明した。これは、特に、XeF及びHOを使用してクロム層がエッチングされる場合に適用される。
【0078】
短いピクセル滞留時間、及びシステムによる滞留時間とリフレッシュ時間の独立制御に加え、XeF及びHOの分圧間の比率は、クロムのエッチングのため、特に処理量を最適化するため重要である。水蒸気の分圧は、高処理速度を得るため十分高くなくてはならず、且つ最も平面に近いエッチング処理を達成するため十分低くなくてはならない。好ましくは、双方のガスのための水蒸気圧が、適切な容器を冷却することによって制御されて、XeFが好ましくは0℃の温度に維持され、HOが好ましくは−34℃と−40℃の間の温度に維持される。
【0079】
図6aは、試料の表面の領域101を処理するため、例えば、リソグラフィーマスク上のクロム層の余剰部分をXeF及びHOを用いてエッチングするため使用され得る概略的な走査パターン100を示す。この単純化された例において、エッチングされるべき領域101は、実質的に四角形である。走査パターン100は、四角形101上のラインによって示される蛇行ラインに従う。Y方向の蛇行ラインステップ寸法102は、蛇行ライン100の前後走査の電子線量が重複したとき生じ得る副作用を避けるため使用されることを理解されたい。ラインステップ寸法102の好適な値は走査速度に依存するため、高速走査は、好ましくは、例えば17ピクセルのような、より高いラインステップ寸法を使用し、各ピクセルは、試料表面上に形成される電子プローブ又は荷電粒子プローブの断面によって画定され、2nmの寸法を有する。より低い走査速度においては、ラインステップ寸法は、わずか3ピクセルの値を有することができる。この実施態様において、領域全体101は、2048x2048ピクセルからなり、SEMの倍率は10000倍である。典型的な走査パラメータは、ビーム電圧1kV、及び20μmのアパーチャ使用のビーム流30−50pAである。
【0080】
二次電子によって生じる効果を考慮するため、走査パターン100は、好ましくは、処理すべき領域101全体をカバーしない。これは、例えば、四角形の領域101の縁内へ完全には移動しない、図6aに示す電子又は荷電粒子プローブ103の断面の制限された寸法によって説明される。加えて、一次電子ビームを制御するソフトウェアユニット又は類似のデバイスにおけるアルゴリズムは、好ましくは、既に十分処理された位置が、更なる走査の間、ブランキングされることを確保する。この目的のため、一次ビームによって生じる電子の二次ビームを、「オンライン」で、一次ビームの現在の位置が、既に十分処理された、例えばクロム層が完全に除去された、領域101の位置上にあるか否かについての、デバイスへのある種のフィードバック信号とみなすことができる。その結果、リバーベッディングのような、意図しない副作用が更に減少される。
【0081】
図6b及び6cは、図6aに示す蛇行パターン100を達成するため必要な信号を示す。理解できるとおり、x方向のビーム偏向のための信号は、基本的に三角形状である一方、y方向のラインステップは、階段状に増加する信号を使用して生成される。
【0082】
図7a及び7bは、偏向信号を発生させるシステム全体の低帯域幅の効果を示す。図7aは、高広域幅をもつシステムのための状況を示す。理解できるとおり、ビーム経路300は、低速のみならず高速の三角偏向信号(それぞれ、図8aにおける実線及び破線)にも正確に従うことができる。しかしながら、低帯域幅をもつシステムが使用される場合、図7bに示すとおり、帰結するビーム経路300’は、低速偏向信号のためでさえ修正された形状、即ち、単一の折点で丸まった曲線301(図7bにおける破線の頂上部参照)を有する。高速偏向信号を発生すべき場合は、帰結するビーム経路偏向の形状のみならず振幅も影響されることから、低帯域幅の効果はいっそう悪い。任意のニットにおいて、1及び0の最大偏向はもはや達成されない(図7bにおける実線参照)。
【0083】
図8a−10bは、前述した短いピクセル滞留時間が得られない低帯域幅偏向システムの、エッチング領域の精確性についての典型的な結果を示す。リソグラフィーマスク又は任意の回路基板上のクロム層又は類似の材料の余剰不良が図8aに示され、破線矩形によって強調される。図8bは、図8aから抜粋した余剰領域101の形状を示す。更に、領域101の角部には、修復すべき誤ったビーム線量分配200が存在する。
【0084】
図9b及び10bは、それとは対象的に、高帯域幅をもつシステムは均一なビーム線量分配201を誘導し、従って、縁部の鋭利さが有効ビーム直径によってのみ制限される、余剰不良の均一なエッチングを誘導することを示す。例えばリバーベッディングのような副作用は大幅に回避される。
【0085】
高帯域幅、即ち100ns以下の小さな最小ピクセル滞留時間をもつ走査の利点は、前述のエッチング処理のためのみならず、材料の層が、たとえば電子ビームのような荷電粒子ビームの影響に基づいて蒸着される場合にも適用できることは明らかである。
【0086】
本発明は、荷電粒子の単一のビームのみを有する装置との関連で説明したが、本発明を、より優れたワーク処理速度(即ち、減少されたウェーハ検査時間又はマスク描画時間)、及びマスクレスリソグラフィーへの適用のための直接描画リソグラフィーを目指し益々開発が進められている、図示しないマルチビーム露光システムにおいて使用することも考えられる。そのような配置では、絶縁平板が、八極子偏向要素、焦点調整及び非点収差補正要素を担持するため通路に設けられて、各要素が、ビームを用いた表面の構成、及び試料の構成の撮像及び測定も可能な荷電粒子ビームシステムに適応される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(4)を分析及び/又は加工するための装置であって、
a. 荷電粒子源、
b. 前記荷電粒子源が放射する荷電粒子の荷電粒子ビームを形成する少なくとも1つの粒子光要素、
c. 前記荷電粒子ビームから荷電粒子プローブを生成し、かつ粒子光軸を画定する対物レンズ、及び
d. 前記対物レンズの、前記荷電粒子源が放射する荷電粒子の伝播の方向における下流に配置される第1静電偏向要素を備え、
e. 前記静電偏向要素は、前記荷電粒子ビームを、前記荷電粒子光軸の垂直方向へ偏向し、かつ少なくとも10MHzの偏向帯域幅を有する
装置。
【請求項2】
前記静電偏向要素は電極を有し、前記電極は、互いに対して、かつ、前記電極に隣接する、前記装置の更なる構成要素に対して、50pF未満の、好ましくは10pF未満の静電容量を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記対物レンズは、前記荷電粒子源に向く源側と、該源側とは反対側のプローブ側とを有し、前記対物レンズは、前記荷電粒子の動的エネルギーを、前記源側から前記プローブ側へ前記対物レンズを通過するとき、5keV以下の動的最終エネルギーまで減少させる静電界浸レンズを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記対物レンズは、追加的に、磁気レンズを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記荷電粒子ビームが通過する開口部を有する導電性シールド要素を更に備え、
前記シールド要素は、前記偏向要素の、前記荷電粒子源が放射する荷電粒子の前記伝播の方向における下流に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
1本以上の管を有するガス供給システムを更に備え、該各管は末端を有し、前記管の前記末端は、前記対物レンズと前記導電性シールド要素の間に配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ガス供給システムは、前記荷電粒子ビームによる励起の後、前記試料に化学反応を生じさせる反応ガスを供給する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
反応ガスが前記試料に供給された後、前記試料が前記荷電粒子ビームによって特定の位置を走査されるように、前記ガス供給システム及び前記静電偏向要素を制御する制御システムを更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記試料は、前記荷電粒子ビームによって、前記荷電粒子ビームが前記試料に衝突する位置が、選択可能な滞留時間の間、一定に維持されるように走査され、その後、100ns未満の時間の間、前記試料の他の位置へ走査される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記静電偏向要素と前記シールド要素との間の距離dは、10μm≦d≦2.5mmの範囲内にある、請求項5から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記シールド要素の前記開口部は、直線状の、100μm未満の開口寸法を有する、請求項5から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記シールド要素と、前記プローブが前記対物レンズによって内部で生成されるプローブ平面との間の距離dは、50μm未満である、請求項5から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記静電偏向要素(6、22)は、直径d<100μm、好ましくはd<30μmの直径を有する視野において、前記荷電粒子ビームを遮らない寸法の内側開口部を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記静電偏向要素(6、22)は、0.05mm≦d≦5mmの範囲にある直径dと、好ましくは、0.05mm≦l≦20mmの範囲にある長さlとをもつ開口部を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記静電偏向要素(6、22)は、50μm≦w≦3mmの幅wを有するスリット(9)によって分離される複数の電極(6)を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記対物レンズ(21)の源側に配置される第2静電偏向要素(20)を更に備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記プローブが前記対物レンズによって内部で生成されるプローブ平面内の前記荷電粒子プローブの位置が一定に維持されている間、前記荷電粒子ビーム(26、27)が角度偏向されるように、前記第1(22)及び前記第2(20)静電偏向要素に適用される偏向電圧を制御する偏向制御器を更に備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1偏向要素(22)と表面との間に配置され、かつ、前記ビーム(26、27)が偏向される時、前記荷電粒子ビーム(26、27)を少なくとも一部遮断する遮断要素(23)を更に備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1(22)及び/又は第2(20)静電偏向要素は、双極子、4極子、6極子、8極子、10極子からなる群の一つである、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
試料を分析及び/又は加工するための方法であって、
a. 荷電粒子の一次ビームを前記試料の表面に向けるステップ、及び
b. 前記荷電粒子の一次ビームを、前記試料の表面上の複数の位置へ、該各位置で100ナノ秒以下の最短滞留時間をもって偏向するステップ
を含む方法。
【請求項21】
前記試料の表面を1種以上のガスに晒すステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記最短滞留時間を60ナノ秒以下とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ある位置における滞留時間を、該位置のためのリフレッシュ時間とは独立して制御する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の位置を、連続する走査経路(100)が実質的に分離されるように走査する、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の位置を、1より大きく、好ましくは2を超え20未満である整数をnとして、前記荷電粒子プローブの直径のn倍のラインステップ寸法をもつ、1本以上の蛇行ライン内で走査する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記荷電粒子プローブの前記位置を、前記荷電粒子ビームの前記試料への照射により前記試料上に生成される第2荷電粒子を評価するユニットによる制御に基づいて走査する、請求項20から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記試料はクロム層を備え、前記ガスは、ハロゲン及び酸素を放出する化合物を含む化合物を備える、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ガスは、XeF及びHOを備える、請求項10から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記1以上のガスの分圧を、前記ガスを前記試料へ供給する容器を冷却することにより制御する、請求項20から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記試料でのHOの分圧を、前記試料のクロム層の本質的に平面的なエッチングを確実にするのに十分な低さとする、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記HOは、容器内で−30℃と−40℃の間の温度に保ち、前記XeFは、容器内で約0℃の温度に保つ、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項1から19のいずれか一項に記載の装置を使用する、請求項20から31のいずれか一項に記載の、試料を分析及び/又は加工する方法。
【請求項33】
請求項20から30のいずれか一項に記載の方法により処理されるデバイスであって、特にリソグラフィーマスク又は半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a−8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【公表番号】特表2011−508943(P2011−508943A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540120(P2010−540120)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/068220
【国際公開番号】WO2009/080825
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510178105)ナヴォテック ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】NaWoTec GmbH
【Fターム(参考)】