説明

試薬収納庫および自動分析装置

【課題】試薬容器を効率よく収納し、試薬収納庫の省スペース化を図る。
【解決手段】試薬容器50bは、その底面に、当該試薬容器50bに収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれた非接触型のICタグ503bが装着されて構成される。試薬容器50bは、回動可能な試薬収納庫62に、周方向に沿って同心円状に2列に配列されて収納される。この試薬収納庫62の底部には、外側の試薬列に配列された試薬容器50bのICタグ503bを読み取る第1読出装置69aと、内側の試薬列に配列された試薬容器50bのICタグ503bを読み取る第2読出装置69bとが配設されている。そして、第1読出装置69aが外側の試薬列の試薬容器50bのICタグ503bから読み出した試薬情報と、第2読出装置69bが内側の試薬列の試薬容器50bのICタグ503bから読み出した試薬情報とによって、当該試薬容器50bに収容された試薬が認識・選別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬収納庫および自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、反応容器に検体と試薬とを分注し、当該反応容器内で生じた反応を光学的に検出することによって検体の分析等を行う自動分析装置が知られている。このような自動分析装置では、測定項目や反応容器数に応じて複数の試薬容器を準備する必要があり、試薬容器を収納する収納室を複数備えた試薬収納庫が設けられている。この試薬収納庫の形状は、円形テーブル状のものや箱型のもの等様々であるが、分析項目の多様化に伴い、より多くの試薬容器を収納可能な試薬収納庫が望まれている。例えば、試薬容器を複数列に配列して収納する構成とし、収納可能な試薬容器数を増加させた試薬収納庫が知られている。
【0003】
また、前述の試薬収納庫においては、各試薬容器に試薬名等の試薬情報を記録したバーコードを付し、試薬収納庫の外側からバーコードを光学的に読み取ることによって、収容された試薬の認識・選別等が行われている。なお、検体を収納した容器を管理するものとしては、同様にしてバーコードシステムを適用したものの他に、バーコードに換えてICタグを利用し、検体に係る情報管理を行うものもある。例えば、特許文献1には、検体を収容する検体チューブ(試験管)にICタグを埋設し、検体チューブを収納するラックにICタグの書込・読出装置を設けることにより、ラック内の検体チューブと通信を行って、ICタグに対するデータの書き込みや読み出しを行う技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−153524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バーコードリーダは、拡散反射を検出してバーコードを読み取るものが一般的であり、バーコード面の法線方向に対する検出光の入射角と反射角とが等しい正反射状態での読み取りは困難である。このため、試薬収納庫内に試薬容器を複数列に配列して収納する場合には、外側の試薬列において、内側の試薬列に配列された試薬容器に付されたバーコードを読み取るための空間を設ける必要があった。具体的には、内側の試薬容器のバーコード面に対して検出光を所定の角度をもって入射させ、且つ当該バーコード面における拡散反射を検出可能な空間が必要であり、この分スペース効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み為されたものであり、試薬容器を効率よく収納し、試薬収納庫の省スペース化が図れる試薬収納庫および自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る試薬収納庫は、試薬を収容する試薬容器を同心円状に複数列配列して収納する回転可能な試薬収納庫であって、前記試薬容器には、収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれ、少なくとも前記試薬情報の読み出しが可能に構成された非接触型の情報媒体が装着されており、試薬収納庫の回転に伴う前記試薬容器の試薬列毎の移動経路上にそれぞれ配設され、当該移動経路上を移動する前記試薬容器の情報媒体から試薬情報を非接触状態で読み出す読出装置を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る試薬収納庫は、上記の発明において、前記試薬容器の情報媒体は、容器上面に装着されており、前記読出装置は、各試薬列の移動経路上側であって、当該移動経路上を移動する前記試薬容器上面に装着された情報媒体と近接可能な所定位置に配設されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る試薬収納庫は、上記の発明において、前記試薬容器が載置される回転可能な載置台を内部に備えた箱状の収納庫本体と、収納庫本体の内部を上方から覆う蓋体とで構成され、前記読出装置は、前記蓋体の内面に配設されており、前記蓋体は、前記収納庫本体に対して位置決めするための位置決め部を有し、当該位置決め部によって、前記読出装置が前記各試薬列の移動経路上側の所定位置に固定されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る試薬収納庫は、上記の発明において、前記試薬容器の情報媒体は、容器底面に装着されており、前記読出装置は、各試薬列の移動経路下側であって、当該移動経路上を移動する前記試薬容器底面に装着された情報媒体と近接可能な所定位置に配設されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る自動分析装置は、試薬を収容する試薬容器を同心円状に複数列配列して収納する回転可能な試薬収納庫と、前記試薬収納庫に収納された試薬容器から試薬を分注する分注機構とを備え、前記分注機構によって前記試薬容器から分注された試薬を検体と反応させ、反応液の特性を測定することにより前記検体を分析する自動分析装置であって、前記試薬容器上面には、収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれ、少なくとも前記試薬情報の読み出しが可能に構成された非接触型の情報媒体が装着されており、前記分注機構は、前記試薬収納庫の回転に伴う前記試薬容器の試薬列毎の移動経路上の所定位置に移動された前記試薬容器上面に装着された情報媒体と近接可能な部位に配設されて、各移動経路上を移動する前記試薬容器の情報媒体から試薬情報を非接触状態で読み出す読出装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、試薬収納庫に収納される試薬容器に、当該試薬容器に収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれた非接触型の情報媒体を装着し、試薬収納庫に配設された読出装置によって前記試薬情報を非接触状態で読み出すことができる。これによれば、試薬容器を同心円状に複数列に配列して収納する試薬収納庫において、バーコードシステムを適用した従来の方法でバーコード面を外側から読み取ることにより試薬容器に収容された試薬の認識・選別を行う場合のように、外側の試薬列において、内側の試薬列に配列された試薬容器に付されたバーコードを読み取るための空間を設ける必要がない。したがって、試薬収納庫に試薬容器を密集させた状態で効率よく収納することができ、省スペース化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1に係る自動分析装置の内部構成を示す概略斜視図である。本自動分析装置1は、検体供給部2と、測定部3とを備える。また、測定部3は、反応槽31と、それぞれ同様に構成される2つの試薬収納庫32(32−1,32−2)と、第1攪拌装置35及び第2攪拌装置36と、測定光学系37と、洗浄・乾燥ユニット38とを含む。また、検体供給部2と反応槽31との間に検体分注機構30が設けられ、反応槽31と試薬収納庫32−1,32−2との間には試薬分注機構33,34が設けられている。ここで、試薬分注機構33,34は、それぞれ水平面内を矢印方向に回動するアーム333,343に試薬を分注するプローブ331,341が設けられて構成されている。
【0015】
検体供給部2には、複数の検体ラック21が配列されており、各検体ラック21には、それぞれ検体を保持した複数の検体容器23が搭載されている。この検体供給部2によって検体ラック21が矢印で示す経路に沿って順次搬送され、検体分注機構30のプローブ301によって各検体容器23に保持された検体が反応槽31のキュベット(反応容器)Cに分注される。なお、検体分注機構30プローブ301は、分注終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0016】
反応槽31は、保温部材311と、キュベットホイール313とを有している。保温部材311は、キュベットホイール313の半径方向内側と外側に配置され、測定光学系37と対応する位置に測光用の開口315が形成されている。この反応槽31は、図示しない円盤状の蓋によって覆われており、保温部材311とともに、内部の温度を体温程度の温度に保温する保温槽を構成している。キュベットホイール313は、複数のキュベットCを保持し、後述する制御部4の制御の下、不図示の駆動機構によって保温部材311と一体的に回転する。詳細には、一周期で反時計方向に(1周−1キュベット)/4分回転し、四周期で時計方向に1キュベット分回転する。
【0017】
試薬収納庫32−1,32−2は、制御部4の制御の下、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした間欠的な回動が可能に構成されており、複数の試薬容器50が、それぞれ周方向に沿って同心円状に配列されて収納される。各試薬容器50には、それぞれ分析項目に応じた所定の試薬が収容され、試薬分注機構33のプローブ331及び試薬分注機構34のプローブ341によって所定の試薬がキュベットCに分注される。なお、試薬分注機構33のプローブ331及び試薬分注機構34のプローブ341は、分注終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0018】
図2−1は、試薬収納庫32の概略断面図であり、図2−2は、試薬収納庫32の概略平面図である。本試薬収納庫32は、円形状に形成された開口部322を有する箱状体である収納庫本体321と、収納庫本体321の内部を覆う蓋体325とで構成される。
【0019】
収納庫本体321は、その内部に、中心を回転軸とした回転が可能な載置台である試薬テーブル329を備え、試薬容器50は、この試薬テーブル329上に載置される。図3に、試薬収納庫32に収納される試薬容器50の構成を示す。図3に示すように、試薬容器50は、平面形状が扇形形状を有し、上面には、分注時に試薬分注機構33,34のプローブ331,341が挿入される分取口501が設けられている。また、試薬容器50の上面には、RFIDタグ等の非接触型のICチップを内蔵したICタグ503が、例えば貼付されて装着されている。このICタグ503は、メモリやアンテナ、制御回路等を備え、リーダ・ライタ装置によってメモリに記憶される情報の書き込みや読み出し、書き換えが可能に構成されたものであり、メモリには、当該ICタグ503が装着された試薬容器50に収容された試薬に関する試薬情報が予め書き込まれる。試薬情報としては、例えば、試薬の名称、ロット番号、有効期限等の情報が適宜含まれる。本実施の形態では、ICタグ503は、後述する読出装置39から送信される電波に応答して、メモリに書き込まれた試薬情報を読出装置39に送信する。また、試薬収納庫32に収納された際に試薬収納庫32の内周面と対向する側面507には、当該試薬容器50に収容された試薬に関する試薬情報が印刷されたラベル505が貼付されている。このラベル505は、試薬情報を視認するためのものである。
【0020】
また、収納庫本体321の内部には、不図示の冷却装置が設置されており、蓋体325とともに、試薬容器50に収容された試薬を所定の温度に保つ保冷庫を構成している。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0021】
一方、蓋体325には、試薬分取孔327が設けられており、試薬分注機構33のプローブ331及び試薬分注機構34のプローブ341によって、試薬分取孔327下方の分取位置に移動された試薬容器50から試薬が分取されるようになっている。
【0022】
また、蓋体325の内面には、試薬テーブル329の回動に伴う試薬容器50の移動経路上であって、試薬容器50上面に装着されたICタグ503と近接して対向可能な位置に、読出装置39が配設されている。より詳細には、図2−2に示すように、蓋体325は、位置決め凸部326を有し、この位置決め凸部326が、収納庫本体321の開口部322に形成された切欠部323と嵌合して、蓋体325が収納庫本体321に対して位置決めされる。これにより、収納庫本体321(開口部322)に対する蓋体325の面方向での回転が固定されて、読出装置39の位置が固定される。また、図示しないが、位置決め凸部326にはコネクタが、切欠部323にはコネクタ受孔がそれぞれ設けられており、位置決め凸部326と切欠部323との嵌合によって、蓋体325内面に配設された読出装置39が、自動分析装置1内の適所に設けられて装置の動作制御を行う制御部4と電気的に接続される。
【0023】
そして、読出装置39は、当該読出装置39が配設された試薬収納庫32に収納された試薬容器50に装着されたICタグ503と近距離無線通信を行う。読出装置39は、試薬テーブル329の回動に伴って読出装置39の下方に移動された試薬容器50を読出対象とし、対向するICタグ503との間で近距離無線通信を行って試薬情報を非接触で読み出すものであり、隣接する他の試薬容器50に装着されたICタグ503との間で誤って通信を行わないように、例えば狭指向性アンテナを有するものが用いられる。また、ICタグ503と読出装置39との間の通信距離や通信方式等は、適宜選択できる。この読出装置39により読み出された試薬情報に基づいて、試薬容器50内の試薬の認識・選別が行われる。
【0024】
図1に戻る。第1攪拌装置35及び第2攪拌装置36は、その中心を軸中心として回転可能に構成されており、攪拌棒351,361によってキュベットC内に分注された検体と試薬とを攪拌し、反応させる。なお、攪拌棒351,361は、攪拌終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0025】
測定光学系37は、光源371と測光センサ373とを有している。光源371は、試薬と検体とが反応したキュベットC内の反応液を分析するための分析光(340〜800nm)を出射する。測光センサ373は、光源371が出射し、開口315を通ってキュベットC内の反応液を透過した光束を測光する。この測光センサ373による測定結果に基づいて、検体の成分分析等が行われる。
【0026】
洗浄・乾燥ユニット38は、測定光学系37による測光がされたキュベットC内部の反応液を吸引して廃棄し、洗浄水タンクから供給される洗浄水によって内部を洗浄した後、加圧空気を吹き込んで乾燥する。ここで洗浄・乾燥されたキュベットCは、再び検体分注機構30のプローブ301によって検体が分注され、分析に使用される。
【0027】
上記構成の自動分析装置1では、順次搬送される複数のキュベットCに対して、試薬分注機構33が試薬容器50中の試薬を分注し、検体分注機構30が検体容器23中の検体を分注する。続いて、第1攪拌装置35がキュベットC内の試薬と検体とを撹拌して反応させた後、測定光学系37が反応させた状態の試料の分光強度測定を行う。或いは、試薬分注機構34が試薬容器50中の試薬を分注する。続いて、第2攪拌装置36がキュベットC内の試薬と検体とを撹拌して反応させた後、測定光学系37が反応させた状態の試料の分光強度測定を行う。そして、分析部41が測定結果を分析し、検体の成分分析等を自動的に行う。また、洗浄・乾燥ユニット38が測定光学系37による測定が終了したキュベットCの洗浄・乾燥を行い、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0028】
次に、自動分析装置1の制御系について説明する。図4は、自動分析装置1の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、自動分析装置1は、検体供給部2及び測定部3を構成する各部を制御し、装置全体の動作を統括的に制御する制御部4を備える。制御部4は、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種データを保持するメモリ40を内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。この制御部4は、分析部41と接続されており、測定光学系37による測定結果が適宜出力されるようになっている。分析部41は、この測定結果に基づいて検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部4に出力する。また、制御部4は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部43や、分析結果の出力や警告表示等するためのディスプレイやプリンタ等の出力装置で構成される出力部45と接続される。
【0029】
また、制御部4は、試薬収納庫32−1に設けられた読出装置39(39−1)、及び試薬収納庫32−2に設けられた読出装置39(39−2)と接続される。各読出装置39は、アンテナ391と、読出制御部393とを備え、試薬容器50に装着されるICタグ503との間で近距離無線通信を行う。すなわち、読出制御部393は、アンテナ391に流す電流量および電圧値を制御して変化させることにより、アンテナ391を介して読出対象のICタグ503に書き込まれた試薬情報を読み出し、読み出した試薬情報を制御部4に出力する。
【0030】
この制御部4は、実施の形態1を実現するための処理として、各試薬収納庫32−1,32−2に収納された試薬容器50に収容された試薬を管理する処理を行う。具体的には、装置の稼動前において各試薬収納庫32−1,32−2それぞれについて、次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、試薬テーブル329を回動させて、試薬テーブル329上の試薬容器50を読出装置39下方の読出位置に順次移動させ、読出装置39の動作を制御して、読出位置の試薬容器50に装着されたICタグ503から試薬情報を読み出す。そして、試薬テーブル329上の全ての試薬容器50から試薬情報を読み出したならば、読み出した順番(すなわち、試薬収納庫32上での試薬容器50の配置順)に当該読み出した試薬情報を設定した一覧テーブルを生成する。そして、生成した各試薬収納庫32−1,32−2それぞれの一覧テーブルを試薬収納情報401としてメモリ40に記憶する。
【0031】
また、装置の稼動時においては、各試薬収納庫32−1,32−2それぞれについて、次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、試薬テーブル329を回動させて、分注対象の試薬容器50を試薬分取孔327下方の分取位置に移動させて試薬の分取を行うが、これに伴って読出位置に移動されてきた試薬容器50を読出対象とし、読出装置39を制御して当該読出対象の試薬容器50に装着されたICタグ503から試薬情報を読み出す。このとき、読み出した試薬情報が、現時点で試薬収納情報401に設定されている当該読出位置における試薬情報と異なる場合には、当該読出位置における試薬情報を読み出した試薬情報で置き換えて、試薬収納情報401を更新する。
【0032】
以上説明した実施の形態1によれば、収容された試薬に関する試薬情報を記憶したICタグ503を試薬容器50の上面に装着し、試薬収納庫32の蓋体325の内面に配設した読出装置39によって読出対象の試薬容器50のICタグ503から試薬情報を非接触状態で読み出すことができる。したがって、バーコードシステムを適用した従来の方法で試薬容器に収容された試薬の認識・選別を行う場合のように、バーコードを外部から光学的に読み取るための読取窓を試薬収納庫に設けなくてよいため、読取窓に発生する結露に対する対策を講じる必要がない。したがって、試薬容器50に収容された試薬に関する試薬情報を簡単な構成で確実に読み出すことができる。
【0033】
なお、実施の形態1では、試薬容器50の上面に試薬情報を記憶したICタグ503を装着し、試薬収納庫32の蓋体325の内面に設けた読出装置39によって試薬情報を読み出すこととしたが、ICタグを装着する位置はこれに限定されるものではない。図5は、試薬容器50aの構成の変形例を示す図である。本変形例では、ICタグ503aは、試薬収納庫に収納された際に試薬収納庫の内周面と対向する側面507aに装着され、試薬情報を印刷したラベル505aによって貼付される。これによれば、試薬容器50a内に収納された試薬に関する試薬情報を視認するためのラベル505aによって、ICタグ503aの脱落を防止することができる。この場合、ICタグ503aから試薬情報を読み出す読出装置は、試薬収納庫の内周面の所定位置であって、試薬容器50aの側面507aに貼付されたICタグ503aと近接して対向可能な位置に配設される。
【0034】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2の自動分析装置は、実施の形態1の自動分析装置1において、試薬収納庫32(32−1,32−2)に換えて、図6に示す試薬収納庫62をそれぞれ配置したものである。なお、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付する。図6−1は、実施の形態2に係る試薬収納庫62の内部構成を示す図であり、図6−2は、試薬収納庫62の概略断面図である。本試薬収納庫62は、実施の形態1と同様に、制御部4の制御の下、不図示の駆動機構によって、その中心を回転軸とした間欠的な回動が可能に構成されており、複数の試薬容器50bが、周方向に沿って同心円状に2列に配列されて収納される。
【0035】
詳細には、図6−2に示すように、試薬収納庫62は、断面形状が円形形状の箱状体である収納庫本体621と、収納庫本体621の内部を覆う蓋体623とで構成される。そして、実施の形態1と同様に、収納庫本体621の内部には、不図示の冷却装置が設置されており、蓋体623とともに、試薬容器50bに収容された試薬を所定の温度に保つ保冷庫を構成している。また、図示しないが、蓋体623には、外側の試薬列に配列された試薬容器50bから試薬を分取するための第1試薬分取孔と、内側の試薬列に配列された試薬容器50bから試薬を分取するための第2試薬分取孔が設けられており、試薬分注機構33のプローブ331及び試薬分注機構34のプローブ341によって、第1試薬分取孔又は第2試薬分取孔下方の分取位置に移動された試薬容器50bから試薬が分取されるようになっている。
【0036】
また、収納庫本体621は、その内部に、中心を回転軸とした回転が可能な載置台である試薬テーブル625を備え、試薬容器50bは、この試薬テーブル625上に載置される。この試薬容器50bは、底面にICタグ503bが装着されて構成される。
【0037】
一方、収納庫本体621の底部には、試薬テーブル625上の外側の試薬列に配列された試薬容器50bに装着されたICタグ503bを読み取る第1読出装置69aと、試薬テーブル625上の内側の試薬列に配列された試薬容器50bに装着されたICタグ503bを読み取る第2読出装置69bとが配設されており、それぞれ制御部4と接続される。より詳細には、第1読出装置69aは、試薬テーブル625の回動に伴って移動する外側の試薬列に配列された試薬容器50bの移動経路上であって、当該移動経路上を移動する試薬容器50bの底面に装着されたICタグ503bと近接して対向可能な位置に配設される。同様にして、第2読出装置69bは、試薬テーブル625の回動に伴って移動する内側の試薬列に配列された試薬容器50bの移動経路上であって、当該移動経路上を移動する試薬容器50bの底面に装着されたICタグ503bと近接して対向可能な位置に配置される。
【0038】
そして、制御部4は、実施の形態2を実現するための処理として、装置の稼動前においては、各試薬収納庫62それぞれについて次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、試薬テーブル625を回動させて、試薬テーブル625上の外側の試薬列に配列された試薬容器50bを第1読出装置69a下方の第1読出位置に順次移動させるとともに、第1読出装置69aの動作を制御して、読出位置の試薬容器50bに装着されたICタグ503bから試薬情報を読み出す。同様にして、試薬テーブル625を回動させ、試薬テーブル625上の内側の試薬列に配列された試薬容器50bを第2読出装置69b下方の第2読出位置に順次移動させるとともに、第2読出装置69bの動作を制御して、読出位置の試薬容器50bに装着されたICタグ503bから試薬情報を読み出す。そして、試薬テーブル625上の全ての試薬容器50bから試薬情報を読み出したならば、読み出した順番(すなわち、試薬収納庫62上での試薬容器50bの配置順)に当該読み出した試薬情報を列毎に設定した一覧テーブルを生成する。そして、生成した各試薬収納庫62それぞれの一覧テーブルを、試薬収納情報として制御部4に内蔵されるメモリに記憶する。
【0039】
また、装置の稼動時においては、各試薬収納庫62それぞれについて、次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、試薬テーブル625を回動させ、外側の試薬列の試薬容器50bを分注対象とする場合には第1試薬分取孔下方の分取位置に、内側の試薬列の試薬容器50bを分注対象とする場合には第2試薬分取孔下方の分取位置に当該分注対象の試薬容器50bを移動させて試薬の分取を行うが、これに伴って読出位置に移動されてきた試薬容器50bを読出対象とし、第1読出装置又は第2読出装置69bを制御して当該読出対象の試薬容器50bに装着されたICタグ503bから試薬情報を読み出す。このとき、読み出した試薬情報が、現時点で試薬収納情報に設定されている当該読出位置における試薬情報と異なる場合には、当該読出位置における試薬情報を読み出した試薬情報で置き換えて、試薬収納情報を更新する。
【0040】
以上説明した実施の形態2によれば、収容された試薬に関する試薬情報を記憶したICタグ503bを試薬容器50bの底面に装着し、試薬収納庫62の底部に配設した第1読出装置69a又は第2読出装置69bによって、読出対象の試薬容器50bのICタグ503bから試薬情報を非接触状態で読み出すことができる。したがって、バーコードシステムを適用した従来の方法で試薬容器に収容された試薬の認識・選別を行う場合のように、バーコードを外部から光学的に読み取るための読取窓を試薬収納庫に設けなくてよいため、読取窓に発生する結露に対する対策を講じる必要がない。したがって、試薬容器50bに収容された試薬に関する試薬情報を簡単な構成で確実に読み出すことができる。
【0041】
さらに、試薬容器を複数列に配列して収納する試薬収納庫にバーコードシステムを適用し、試薬容器に付されたバーコードを読み取る場合のように、外側の試薬列において、内側の試薬列に配列された試薬容器50bに付されたバーコードを読み取るための空間を設ける必要がない。したがって、試薬収納庫62に試薬容器50bを効率よく収納することができ、省スペース化が実現できる。また、試薬容器50bを密集させた状態で収納することができるので、試薬収納庫62自体を小型化することができる。これにより、自動分析装置の省スペース化が実現できるとともに、冷却効率も向上する。
【0042】
なお、実施の形態2では、1つの試薬テーブル625に試薬容器を2列に配列する場合について説明したが、外側の試薬列と内側の試薬列とが個別に回動可能な構成の試薬収納庫において同様に適用できる。また、試薬収納庫に収納する試薬容器の試薬列は二列に限定されるものではなく、試薬列を三列以上配列させた試薬収納庫についても、各試薬列に配列される試薬容器の移動経路上にそれぞれ読出装置を配設することにより、同様に適用できる。
【0043】
また、実施の形態2では、試薬収納庫62の底部に第1読出装置69a及び第2読出装置69bを設けることとしたが、実施の形態1のように、試薬容器の上面にICタグを装着し、試薬収納庫の内部を覆う蓋体の内面に第1読出装置及び第2読出装置を配設することとしてもよい。図7に、この場合の試薬収納庫の概略平面図を示す。本試薬収納庫72では、収納庫本体721の内部を覆う蓋体725には、外側の試薬列に配列された試薬容器から試薬を分取するための第1試薬分取孔727aと、内側の試薬列に配列された試薬容器から試薬を分取するための第2試薬分取孔727bが設けられる。また、蓋体725の内面には、外側の試薬列に配列された試薬容器の上面に装着されたICタグと近距離無線通信を行って試薬情報を読み出す第1読出装置79aと、内側の試薬列に配列された試薬容器の上面に装着されたICタグと近距離無線通信を行って試薬情報を読み出す第2読出装置79bとが配設されている。そして、蓋体725は、位置決め凸部726を有し、この位置決め凸部726が収納庫本体721の開口部722に形成された切欠部723と嵌合して、蓋体725が収納庫本体721に対して位置決めされる。また、図示しないが、位置決め凸部726にはコネクタが、切欠部723にはコネクタ受孔がそれぞれ設けられており、位置決め凸部726と切欠部723との嵌合によって、蓋体725内面に配設された第1読出装置79a及び第2読出装置79bが、制御部4と電気的に接続される。
【0044】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。図8は、実施の形態3に係る自動分析装置を示す概略斜視図である。図8に示すように、本自動分析装置100は、検体供給部800と、測定部900とを備え、測定部900は、反応槽920、試薬収納庫930、撹拌装置450を含む。そして、検体供給部800と反応槽920との間には検体分注機構910が、反応槽920と試薬収納庫930との間には試薬分注機構940が設けられている。また、実施の形態3では、試薬収納庫930には、複数の試薬容器50cが直線状に2列に配列されて収納される。なお、図8では図示を省略したが、試薬収納庫930は、図9に示すように、蓋体933によって覆われている。そして、この蓋体933には、内部に収納された各試薬容器50cの上面に設けられた分取口の上方位置に、それぞれ試薬分取孔935が設けられており、試薬分注機構940のプローブ945によって、各試薬容器50cから試薬が分取されるようになっている。なお、試薬収納庫930と試薬分注機構940以外の各部は、実施の形態1で説明したものと同様の機能を有するものである。
【0045】
図9は、実施の形態3に係る試薬収納庫の概略断面図である。図9に示すように、試薬収納庫930は、断面形状が円形形状の箱状体である収納庫本体931と、収納庫本体931の内部を覆う蓋体933とで構成される。そして、実施の形態1と同様に、収納庫本体931の内部には、不図示の冷却装置が設置されており、蓋体933とともに、試薬容器50cに収容された試薬を所定の温度に保つ保冷庫を構成している。
【0046】
収納庫本体931には、前述の試薬容器50cが載置される。この試薬容器50cは、平面形状が長方形状であり、上面にICタグ503cが貼付されて装着されている。このICタグ503cは、実施の形態1と同様の構成を有し、当該ICタグ503cが装着された試薬容器50cに収容された試薬に関する試薬情報を記憶したメモリを内蔵する。
【0047】
一方、試薬分注機構940は、支軸941を中心として水平方向に回動するアーム部943に試薬を分注するプローブ945が設けられて構成されている。アーム部943は、一端が支軸941に連結された第1アーム943aと、一端が第1アーム943aの他端に連結された第2アーム943bと、一端が第2アーム943bの他端に連結された第3アーム943cとを有し、第3アーム943cの他端側に、プローブ945と読出装置947とが配設されている。このアーム部943において、第1アーム943a及び第2アーム943bを角変位させることによって、第3アーム943cのプローブ945を試薬収納庫930の蓋体933に設けられた各試薬分取孔935上方に移動させるとともに、第3アーム943cに配設された読出装置947を試薬収納庫930に収納された各試薬容器50cの上面に設けられたICタグ503cと対向させることができる。
【0048】
そして、制御部4は、実施の形態3を実現するための処理として、装置の稼動前においては、次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、アーム部943の動作を制御して、第3アーム943cに配設された読出装置947を試薬収納庫930に収納された試薬容器50cの上面に設けられたICタグ503cと順次対向させて、試薬情報を読み出す。そして、試薬収納庫930内の全ての試薬容器50cから試薬情報を読み出したならば、読み出した順番(すなわち、試薬収納庫930上での試薬容器50cの配置順)に当該読み出した試薬情報を列毎に設定した一覧テーブルを生成する。そして、生成した一覧テーブルを試薬収納情報として、制御部4に内蔵されるメモリに記憶する。
【0049】
また、装置の稼動時においては、制御部4は、次の処理を実行する。すなわち、制御部4は、アーム部943の動作を制御して、分注対象の試薬容器50cの上方に設けられた試薬分取孔935上方にプローブ945を移動させて試薬の分取を行うが、この分取を行う前に、当該試薬容器50cを読出対象とし、読出装置947を制御して当該試薬容器50cに装着されたICタグ503cから試薬情報を読み出す。このとき、読み出した試薬情報が、現時点で試薬収納情報に設定されている当該読出位置における試薬情報と異なる場合には、当該読出位置における試薬情報を読み出した試薬情報で置き換えて、試薬収納情報を更新する。ICタグ503cから試薬情報を読み出したならば、プローブ945が下降して試薬容器50cから試薬を分取する。
【0050】
以上説明した実施の形態3によれば、収容された試薬に関する試薬情報を記憶したICタグ503cを試薬容器50cの上面に装着し、試薬分注機構940のアーム部943に配設した読出装置947によって読出対象の試薬容器50cのICタグ503cから試薬情報を非接触状態で読み出すことができる。したがって、実施の形態1や実施の形態2と同様に、試薬容器50cに収容された試薬に冠する試薬情報を簡単な構成で確実に読み出すことができるとともに、試薬収納庫930内に試薬容器50cを効率よく収納することができ、省スペース化が実現できる。なお、本実施の形態3によれば、第3アームまでの例で説明したが、必要に応じて第2アームまでのものでもよい。
【0051】
以上、本発明を適用した3つの実施形態について説明したが、この他、例えば以下のような変形例も可能である。
【0052】
例えば、実施の形態1では、試薬収納庫32の内部を覆う蓋体325の内面に読出装置39を設けることとしたが、読出装置を、試薬分注機構33,34のアーム333,334に設け、試薬容器50上面のICタグ503から試薬情報を読み出すことも可能である。具体的には、プローブ331,341を試薬分取孔327上方に移動させた際に、試薬分取孔327下方の試薬容器50の上面に設けられたICタグ503と対向可能な位置に読出装置を配設する。そして、読出装置は、分取前において、分注対象の試薬容器50のICタグ503から試薬情報を非接触状態で読み出す。
【0053】
また、図7に示して説明した例では、試薬収納庫72の内部を覆う蓋体725の内面に、外側の試薬列用の第1読出装置79aと、内側の試薬列用の第2読出装置79bとを設ける場合について説明したが、読出装置を、試薬分注機構33,34のアーム333,334に設け、試薬容器上面のICタグから試薬情報を読み出すことも可能である。具体的には、プローブ331,341を第1試薬分取孔727a上方に移動させた際に、第1試薬分取孔727a下方の試薬容器の上面に設けられたICタグと対向可能であって、且つ、プローブ331,341を第2試薬分取孔727b上方に移動させた際に、第2試薬分取孔727b下方の試薬容器の上面に設けられたICタグと対向可能な位置に読出装置を配設する。そして、読出装置は、分取前において、分注対象の試薬容器上面のICタグから試薬情報を非接触状態で読み出す。
【0054】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、試薬収納庫の内周面側に読出装置を配設することとしたが、試薬収納庫が、例えば誘電率の高い素材を用いて構成されている場合等、その材質によってICタグとの通信性能が確保できる場合には、試薬収納庫の外周面側に設けることも可能である。
【0055】
また、上記した各実施の形態では、自動分析装置に具備される試薬収納庫が2つの場合について説明したが、試薬収納庫は1つであっても構わない。
【0056】
また、試薬容器の形状は、上記した各実施の形態における試薬容器の形状に限定されるものではなく、例えば円筒形状のものであっても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】自動分析装置の内部構成を示す概略斜視図である。
【図2−1】実施の形態1に係る試薬収納庫の概略断面図である。
【図2−2】実施の形態1に係る試薬収納庫の概略平面図である。
【図3】試薬収納庫に収納される試薬容器の構成を示す図である。
【図4】自動分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】試薬容器の変形例を示す図である。
【図6−1】実施の形態2に係る試薬収納庫の内部構成を示す図である。
【図6−2】実施の形態2に係る試薬収納庫の概略断面図である。
【図7】試薬収納庫の変形例を示す概略平面図である。
【図8】実施の形態3に係る自動分析装置を示す概略斜視図である。
【図9】実施の形態3に係る試薬収納庫の概略断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 自動分析装置
2 検体供給部
21 検体ラック
23 検体容器
3 測定部
30 検体分注機構
31 反応槽
32(32−1,32−2) 試薬収納庫
321 収納庫本体
325 蓋体
39(39−1,39−2) 読出装置
391 アンテナ
393 読出制御部
329 試薬テーブル
33 試薬分注機構
34 試薬分注機構
35 第1攪拌装置
36 第2攪拌装置
37 測定光学系
38 洗浄・乾燥ユニット
4 制御部
40 メモリ
401 試薬収納情報
C キュベット
50 試薬容器
503 ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を収容する試薬容器を同心円状に複数列配列して収納する回転可能な試薬収納庫であって、
前記試薬容器には、収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれ、少なくとも前記試薬情報の読み出しが可能に構成された非接触型の情報媒体が装着されており、
試薬収納庫の回転に伴う前記試薬容器の試薬列毎の移動経路上にそれぞれ配設され、当該移動経路上を移動する前記試薬容器の情報媒体から試薬情報を非接触状態で読み出す読出装置を備えたことを特徴とする試薬収納庫。
【請求項2】
前記試薬容器の情報媒体は、容器上面に装着されており、
前記読出装置は、各試薬列の移動経路上側であって、当該移動経路上を移動する前記試薬容器上面に装着された情報媒体と近接可能な所定位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の試薬収納庫。
【請求項3】
前記試薬容器が載置される回転可能な載置台を内部に備えた箱状の収納庫本体と、収納庫本体の内部を上方から覆う蓋体とで構成され、
前記読出装置は、前記蓋体の内面に配設されており、
前記蓋体は、前記収納庫本体に対して位置決めするための位置決め部を有し、当該位置決め部によって、前記読出装置が前記各試薬列の移動経路上側の所定位置に固定されることを特徴とする請求項2に記載の試薬収納庫。
【請求項4】
前記試薬容器の情報媒体は、容器底面に装着されており、
前記読出装置は、各試薬列の移動経路下側であって、当該移動経路上を移動する前記試薬容器底面に装着された情報媒体と近接可能な所定位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の試薬収納庫。
【請求項5】
試薬を収容する試薬容器を同心円状に複数列配列して収納する回転可能な試薬収納庫と、前記試薬収納庫に収納された試薬容器から試薬を分注する分注機構とを備え、前記分注機構によって前記試薬容器から分注された試薬を検体と反応させ、反応液の特性を測定することにより前記検体を分析する自動分析装置であって、
前記試薬容器上面には、収容された試薬に関する試薬情報が書き込まれ、少なくとも前記試薬情報の読み出しが可能に構成された非接触型の情報媒体が装着されており、
前記分注機構は、前記試薬収納庫の回転に伴う前記試薬容器の試薬列毎の移動経路上の所定位置に移動された前記試薬容器上面に装着された情報媒体と近接可能な部位に配設されて、各移動経路上を移動する前記試薬容器の情報媒体から試薬情報を非接触状態で読み出す読出装置を備えることを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−224383(P2008−224383A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62186(P2007−62186)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】