説明

誘導加熱調理器

【課題】ロースタ調理においてロースタ庫内のお手入れにより、操作性と安全性を向上すること。
【解決手段】ロースタ庫内20に収納した食品を加熱する加熱手段21と、ロースタ庫内20の温度を検出する温度検出手段22と、温度検知手段22から検出される温度で加熱手段21を駆動してロースタ庫内20の汚れを焼ききってロースタ庫内20のお手入れ動作をする制御手段23とを備えることにより、操作性と安全性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭やレストラン及びオフィスなどで使用される誘導加熱調理器のロースタ庫内のお手入れ動作に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の誘導加熱調理器において、ロースタの内壁に油を分解するための触媒機能を有する塗料を塗布し、高温で加熱することでロースタ庫内をお手入れするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−288650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、ロースタ庫内の汚れがひどい時は触媒機能を有する塗料を有効に利用するために、ロースタ庫内を空にして通常のロースタの加熱動作を行っていた。この場合、専用のロースタ庫内のお手入れ動作を行うメニューがないため、間違ってロースタ庫内にロースタ受け皿を入れたままロースタの加熱動作を行う事が生じ、ロースタ受け皿がヒータの熱を遮断してしまいロースタ庫内全体に熱が伝わらなくて各部温度が十分に上昇しないことにより、触媒機能を有する塗料が効果的に働かなくて汚れが落ちにくいという課題を有していた。また、ロースタを加熱する時間をどれくらいにすれば良いのか分からないという課題も有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ロースタ庫内のお手入れ動作を行うメニューを入れることにより、操作性と安全性を向上した使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、ロースタ庫内に収納した食品を加熱する加熱手段と、前記ロースタ庫内の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検知手段から検出される温度で前記加熱手段を駆動して前記ロースタ庫内の汚れを焼ききってロースタ庫内のお手入れ動作をする制御手段とを備えたものである。
【0006】
これによって、ロースタ庫内のお手入れ動作を行うメニューを入れることにより、操作性と安全性を向上した使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の誘導加熱調理器は、ロースタ庫内のお手入れ動作を行うメニューを入れることにより、操作性と安全性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、ロースタ庫内に収納した食品を加熱する加熱手段と、前記ロースタ庫内の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検知手段から検出される温度で前記加熱手段を駆動して前記ロースタ庫内の汚れを焼ききってロースタ庫内をお手入れ動作をする制御手段とを備えたものとすることにより、操作性と安全性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明に、残時間表示手段を有し、制御手段は温度検出手段の検出温度によりお手入れ動作の残時間を変更して前記残時間表示手段に表示するとすることにより、操作性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の残時間表示を、お手入れ動作の残時間が確定するまでは、あらかじめ決められたまたはその時点の温度検出手段からの検出温度に応じた残時間を点滅させて、残時間が確定すると残時間を点灯させるとすることにより、操作性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明に、食品を載せる受け皿の有無を判別する受け皿判定手段を有し、制御手段は、前記受け皿判定手段の結果が前記受け皿なしと判定してから残時間を確定するとすることにより、操作性と安全性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の制御手段を、温度検出手段の検出温度が所定の温度に到達すると残時間を確定するとすることにより、操作性と安全性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明に、音声報知手段を有し、お手入れ動作中またはお手入れ動作終了時にお手入れ動作中またはお手入れ動作終了の動作状態を報知するとすることにより、操作性と安全性を向上し、使い勝手を良くすることができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示す斜視図である。以下、図にしたがって、本実施の形態の構成とその機能について説明する。
【0016】
図1において、外郭ケース1の上部にトップレート2が設けられている。トッププレート2には誘導加熱により鍋などの被加熱物を加熱する加熱部3および輻射加熱をする加熱部4が設けられている。さらに、魚等を焼くロースタ5、および熱源の操作をする操作部6が外郭ケース1の側面に設けられている。また、トッププレート2の下方には誘導加熱コイルおよびラジエントヒータが加熱部3および加熱部4に対応して設けられている。この他に、誘導加熱調理器の発熱する部分として、誘導加熱コイル3の下方に誘導加熱コイル3を制御するインバータ回路を含む制御部が設けられている。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作部6のロースタ操作表示部を示したものである。以下、ロースタ操作表示部について説明する。
【0018】
図2において、状態表示手段10は液晶等からなり、ロースタ調理の自動メニュー11と、ロースタ庫内20の汚れを焼ききってロースタ庫内20のお手入れ動作をするお手入れメニュー12と、残時間表示を表示する残時間表示手段13とがある。
【0019】
メニュー選択手段14はロースタ調理の自動メニュー11を選択するためにあり、選択するごとに自動メニュー1→自動メニュー2→自動メニュー3→自動メニュー1と自動メニューをロータリーで変更することができる。お手入れ動作選択手段15はロースタ庫内のお手入れ動作を選択するためにあり、ロースタ切/入スイッチ16はロースタ調理を開始/停止するためにあり、ラジェント切/入スイッチ17はラジェントヒータ4の加熱を開始/停止するためにあり、ナビゲート表示手段18は次にロースタ切/入スイッチを選択することを促がすためにありLED等からなる。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のロースタ5のブロック図を示したものである。以下、ロースタ5について説明する。
【0021】
図3において、加熱手段21はロースタ庫内20に収納した食品を加熱するためにあり、温度検出手段22はロースタ庫内20の温度を検出するためにあり、制御手段23は温度検知手段22から検出される温度で加熱手段21を駆動してロースタ庫内20の汚れを焼ききってロースタ庫内20のお手入れ動作をする。受け皿判定手段25は食品を載せる受け皿24の有無を判別するためにあり、音声報知手段26はお手入れ動作中またはお手入れ動作終了時にその動作状態を報知するためにある。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のロースタ庫内20のお手入れ動作を示すフローチャートであり、マイコンに記憶されたプログラムを示したものである。
【0023】
以下、ロースタ庫内20のお手入れ動作について説明する。
【0024】
まず、図示していない電源スイッチをオンしてロースタ5の初期モードに移行し、ロースタ調理を受け付ける状態にする。ロースタ調理の自動メニュー11がメニュー選択手段14によりメニューが選択された場合は、ロースタ切/入スイッチ16をオンすると、ロースタ自動調理が開始される。お手入れ動作の場合は、S100でお手入れ動作選択手段15が選択されたかどうかを確認する。S100でお手入れ動作選択手段15が選択された場合は、S101で、ロースタ切/入スイッチ16近傍にあるナビゲート表示手段18を点滅させる。この動作により次の操作するスイッチが分かり操作の誤操作を防止できる。S102でロースタ切/入スイッチ16をオンすると、S103でナビゲート表示手段18を点滅させ、S104でロースタ庫内20のお手入れ動作を開始する。そして、S105でお手入れ動作が完了するまでの時間を残時間表示手段13に、例えば、30分、点滅させて表示する。ここで、残時間表示手段に点滅表示する残時間は温度検出手段22から検出した温度情報を元に予め制御手段23に記憶されている残時間データを点滅表示する。
【0025】
次に、制御手段23は受け皿判定手段25により、ロースタの受け皿があるかどうかを判断し、S106でロースタ5の受け皿があると、S107で異常表示を行って手入れ動作を終了させる。S106でロースタ5の受け皿がないと、S108でロースタ庫内20の温度が所定温度(本実施の形態では、ロースタ5が高温となる315℃とする)になるまで加熱手段21により加熱動作を継続する。そして、S108でロースタ庫内20の温度が所定温度に到達すると、S109で残時間表示を点滅から点灯し残時間、例えば、20分程度、を確定する。そして、S110で残時間がゼロになるとお手入れ動作が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、ロースタ庫内のお手入れ動作を行うメニューを入れることにより、操作性と安全性を向上した使い勝手の良いものにすることができるので、ロースタを有する一般家庭やレストラン及びオフィスなどで使用される加熱調理器等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作部のロースタ操作表示部を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のロースタを示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のロースタのお手入れ動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0028】
1 外郭ケース
2 トッププレート
3 誘導加熱コイル(加熱部)
4 ラジエントヒータ(加熱部)
5 ロースタ
6 操作部
10 状態表示手段
13 残時間表示手段
15 お手入れ動作選択手段
16 ロースタ切/入スイッチ
20 ロースタ庫内
21 加熱手段
22 温度検出手段
23 制御手段
24 受け皿
25 受け皿判定手段
26 音声報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロースタ庫内に収納した食品を加熱する加熱手段と、前記ロースタ庫内の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検知手段から検出される温度で前記加熱手段を駆動して前記ロースタ庫内の汚れを焼ききってロースタ庫内のお手入れ動作をする制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
残時間表示手段を有し、制御手段は、温度検出手段の検出温度によりお手入れ動作の残時間を変更して前記残時間表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
残時間表示は、お手入れ動作の残時間が確定するまでは、あらかじめ決められたまたはその時点の温度検出手段からの検出温度に応じた残時間を点滅させて、残時間が確定すると残時間を点灯させることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
食品を載せる受け皿の有無を判別する受け皿判定手段を有し、制御手段は、前記受け皿判定手段の結果が前記受け皿なしと判定してから残時間を確定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
制御手段は、温度検出手段の検出温度が所定の温度に到達すると残時間を確定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
音声報知手段を有し、お手入れ動作中またはお手入れ動作終了時にお手入れ動作中またはお手入れ動作終了の動作状態を報知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−294433(P2006−294433A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114151(P2005−114151)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】