説明

読取装置、および、読取装置の制御方法

【課題】小切手を読み取る読取装置によって、小切手とは異なるサイズの読取対象物をも読み取り可能にする。
【解決手段】複合処理装置1は、読取対象の小切手4を搬送し、小切手4の搬送路上に設けられた表面CISユニット47および裏面CISユニット48により小切手4の複数面を読み取り、表面CISユニット47および裏面CISユニット48により読み取った少なくとも小切手4の複数面を含む読取画像データをメモリー80に記憶する読取装置を制御し、小切手4を読み取る小切手処理モードと、小切手4よりも搬送方向のサイズが大きいシート6を搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、長尺シート処理モードでは、長尺のシート6の一面の読取画像データをメモリー80に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手を読み取る読取装置、および、読取装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手等の読取対象物の表裏両面を読み取って画像データを取り込む装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の装置は、通常、小切手の表面と裏面を読み取るスキャナー等の読取手段と、読み取られた画像データを記憶するメモリーとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−269057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような装置が小切手のサイズに合わせて構成されている場合、小切手とは異なるサイズの印刷物等を読取対象物として読み取ることは容易ではなかった。すなわち、読取対象物のサイズが異なると、読取画像データの容量が異なるため、小切手以外の読取対象物を読み取った場合に、画像データを記憶するメモリーの記憶領域の構成や記憶領域毎の容量が十分であるかどうか容易に判断できない。このため、機械的には上記装置に読み取り可能なサイズの読取対象物であっても、読み取ることができない可能性があり、そのような読取対象物をも読み取り可能とした装置に対するニーズがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小切手を読み取る読取装置によって、小切手とは異なるサイズの読取対象物をも読み取り可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、読取対象のシートを搬送する搬送手段と、前記シートの搬送路上に設けられ、異なる複数の照射光の光源を有し前記搬送手段により搬送されるシートの複数面を読み取り可能な読取手段と、前記読取手段により読み取られた少なくとも複数の前記照射光による前記シートの複数面を含む読取画像データを記憶可能なメモリーと、前記シートは小切手であり前記小切手を読み取る小切手処理モードと、前記小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートを前記搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、前記長尺シート処理モードでは、少なくとも一の前記照射光を照射し前記長尺のシートの少なくとも一面の読取画像データを前記メモリーに記憶させる読取制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、異なる複数の照射光により小切手を読み取って複数面の画像データを記憶可能な構成とした装置によって、メモリーを効率的に活用して、少なくとも一の照射光を照射し小切手より搬送方向のサイズが大きいシートの少なくとも一面の読み取りが可能となる。
【0006】
また、本発明は、上記読取装置において、前記読取手段は、前記小切手および前記長尺のシートの複数面を、異なる複数の前記照射光の選択により、フルカラー、グレースケール、赤外線読み取り、および紫外線読み取りのうち少なくとも複数の読取方式で読み取り可能に構成され、前記メモリーは、前記小切手の複数面を、前記読取手段により前記複数の読取方式で読み取った読取画像データを記憶可能な記憶領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、異なる複数の照射光の選択により、小切手をフルカラー(赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDによりそれぞれ照射)、グレースケール(赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDにより照射)、赤外線読み取り(赤外線LED照射)、および紫外線読み取り(紫外線LED照射)のうち少なくとも複数の読取方式で読み取ることが可能であり、かつ、小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートの読み取りが可能となる。また、複数の読取方式に対応することで大容量となる小切手の読取画像データを記憶可能に構成することで、小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートの読取画像を記憶することが可能となり、より大きなシートを読み取ることができる。
ここで、読取手段は、赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LED、赤外線LED、紫外線LEDをシートの表面用と裏面用にそれぞれ備えており、読取装置は、シートを一方向に搬送しながら、それぞれの照射光を選択的にシートに照射して、複数の読取画像データを、例えばRの表面など、面単位で取得し記憶することが可能な構成としてもよい。
この場合、小切手を読み取る小切手処理モードでは、異なる複数の照射光の選択により、赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDをそれぞれ照射して得られた3面のフルカラー用の読取画像データの取得と記憶、赤色(R)LED、緑色(G)LED、及び青色(B)LEDを照射して得られた1面のグレースケール用の読取画像データの取得と記憶、赤外線LEDを照射して得られた1面の赤外線用の読取画像データの取得と記憶、紫外線LEDを照射して得られた1面の紫外線用の読取画像データの取得と記憶が、表面と裏面の面単位でそれぞれ可能であり、またこれらを組み合わせて取得し記憶することも可能な構成となる。
また、この場合、小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートを読み取る長尺シート処理モードでは、小切手に比べ一面当りの読取画像データが多くなるが、少なくとも一の照射光により少なくとも一面の読取画像データを取得して記憶することにより、小切手で使用するメモリーの範囲内に読取画像データを記憶可能となる。この場合、一面の読取画像データを取得すればよいので、赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LED、赤外線LED、及び紫外線LEDのうちいずれか一つの照射光を照射して1面の読取画像データを取得するか、赤色(R)LED、緑色(G)LED、及び青色(B)LEDを照射して1面のグレースケールを取得するようにすればよい。
【0007】
また、本発明は、上記読取装置において外部の装置と接続可能であり、前記読取制御手段は、前記外部の装置から受信したコマンドに従って、前記小切手処理モードと前記長尺シート処理モードとを切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、外部の装置によって小切手処理モードと長尺シート処理モードとを容易に切り替えさせることができる。
【0008】
また、本発明は、上記読取装置において、前記搬送手段による搬送を停止させる操作を行うための操作手段を備え、前記読取制御手段は、前記長尺シート処理モードの実行時には前記操作手段による操作を有効として、前記操作手段の操作に応じて前記搬送手段による搬送を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、長尺シート処理モードにおいては、操作に応じて搬送を停止させることができるので、シートのジャム等の搬送トラブルが発生した場合に速やかに対応し、トラブル発生時のシートの損傷等を回避できる。また、搬送方向のサイズが大きいシートでは搬送トラブルの影響が大きくなり易いため、長尺シート処理モードで搬送を停止させる操作を有効にすることにより、効果的に搬送トラブルへの対処を可能とする。
【0009】
また、本発明は、上記読取装置において、前記小切手に磁気的に記録された情報を読み取る磁気読取手段と、前記磁気読取手段により読み取られた磁気読取データを記憶する磁気読取データメモリーと、前記小切手に記録を行う記録手段と、前記記録手段により記録するデータを記憶する記録データメモリーとを備え、前記読取制御手段は、前記長尺シート処理モードでは、前記長尺のシートの一面の読取画像データを、前記磁気読取データメモリーおよび前記記録データメモリーの少なくともいずれかに対して、前記読取画像データを記憶させることを特徴とする。
本発明によれば、磁気読取データメモリーと、記録データメモリーとを活用して、搬送方向のサイズが大きいシートの読取画像データを記憶するので、メモリーを効率よく活用し、より大きいサイズのシートの読み取りを可能とすることができる。
【0010】
また、本発明は、上記読取装置において、前記読取制御手段は、前記小切手処理モードと前記長尺シート処理モードでは、前記読取手段の読取解像度、および、前記搬送手段による搬送速度の少なくともいずれかを変更することを特徴とする。
本発明によれば、読取解像度および搬送速度のいずれかを変更することで、小切手の読み取りに適した装置構成においても、大きいサイズのシートをスムーズに読み取ることができる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、読取対象のシートを搬送し、前記シートの搬送路上に設けられた異なる複数の照射光の光源を有する読取手段により前記シートの複数面を読み取り、前記読取手段により読み取った少なくとも複数の前記照射光による前記シートの複数面を含む読取画像データをメモリーに記憶可能な読取装置の制御方法であって、前記シートは小切手であり前記小切手を読み取る小切手処理モードと、前記小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートを前記搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、前記長尺シート処理モードでは、少なくとも一の前記照射光を照射し前記長尺のシートの少なくと一面の読取画像データを前記メモリーに記憶させることを特徴とする。
本発明の制御方法を実行することにより、小切手を読み取って複数面の画像データを記憶可能な構成とした装置によって、メモリーを効率的に活用して、小切手より搬送方向のサイズが大きいシートの読み取りが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小切手を読み取って複数面の画像データを記憶する構成とした装置によって、メモリーを効率的に活用して、小切手より搬送方向のサイズが大きいシートの読み取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る複合処理装置の外観斜視図である。
【図2】複合処理装置の外装内部に収容されている本体の構成を示す平面図である。
【図3】複合処理装置とホストコンピューターとを接続して構成される読取システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】メモリーの記憶領域の構成と読取処理の様子を示す説明図である。
【図5】設定値テーブルの構成を模式的に示す図である。
【図6】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る複合処理装置1の外観斜視図である。
複合処理装置1は、読取対象物であるシート状の小切手や帳票類に対し、この読取対象物に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象物の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象物への文字等の記録を行う読取装置である。また、複合処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱ロール紙に画像を記録して切断することにより、画像が記録された所定の紙片を発行する機能を備えている。
【0015】
本実施形態では、読取対象物として小切手4を処理する場合を例に挙げて説明する。小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシート(用紙)に金額、振出人、通し番号、サインなどが印字または記載された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aにあり、裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。小切手4の短辺方向及び長辺方向のサイズは規格化されているものの、多様な規格が存在するため、実際には様々なサイズがある。複合処理装置1では、一般的な小切手4のサイズをほぼ包含し得る最大サイズを規定し、この最大サイズ内の小切手4であれば処理できる。
【0016】
また、本実施形態の複合処理装置1は、読取対象物として、小切手4よりも長尺のシート6(図4(B))をスキャンして読取画像データを取得する機能を有する。小切手4の長さ、すなわち搬送方向のサイズは、上記のように規格化されており、一般的には200mm前後である。これに対し、複合処理装置1が処理するシート6としては、例えば、最大で6フィート(約183cm)程度の長さのものまで処理できる。
【0017】
複合処理装置1は、本体下部を覆う下部ケース11、及び下部ケース11に被せられるカバー12からなる外装を有し、外装の内部に複合処理装置1の本体13が収容されている。複合処理装置1の前面には、小切手4を挿入する挿入口14が開口しており、挿入口14の奥には複数の小切手4を積層して貯留できるストッカー15が設けられている。このストッカー15は、前面側へ向かって引き出し自在に構成されており、ストッカー15に貯留すべき小切手4のサイズに応じてストッカー15を引き出した上で、このストッカー15に小切手4を貯留させることが可能である。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4およびシート6の搬送路Wとなるスリット18が形成され、スリット18は複合処理装置1の前面側に設けられたポケット19に達している。ストッカー15に貯留された小切手4は、後述するように1枚ずつ複合処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を溜めることができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
【0018】
また、複合処理装置1において上記の長尺のシート6を読み取る場合には、シート6の全体をストッカー15に納めることは難しいため、複合処理装置1を操作するオペレーターがシート6を手に持ち、先端をストッカー15に納め、シート6の処理が完了されるまで、オペレーターが適宜シート6を手で支える。シート6は、以下に説明する複合処理装置1の本体13により、小切手4と同様にストッカー15から内部に取り込まれて搬送される。
【0019】
図2は、複合処理装置1の外装内部に収容されている本体13の構成を示す平面図である。ストッカー15の一側面にはホッパー25が設けられている。このホッパー25は、ホッパー駆動モーター26(図3)により、図中矢印方向に回動可能に構成されており、ストッカー15に貯留された小切手4を他方の側面側に付勢する。シート6を処理する場合、ホッパー25は、およびストッカー15内に差し入れられたシート6の先端部を、小切手4と同様に他方の側面側に付勢する。その後のシート6の搬送は、小切手4と同様に行われる。
【0020】
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
【0021】
ストッカー15の所定の位置には、ASF用紙検出器31(図3)が設けられている。ASF用紙検出器31は、例えば透過型光センサーで構成され、ストッカー15における小切手4の有無を検出する。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35(磁気読取手段)には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
【0022】
また、搬送路W上においてアシストローラー37とMICRヘッド35との間には、用紙長検出器38が配置されている。用紙長検出器38は、例えば反射型光センサーで構成され、搬送路W上を通る小切手4の検出位置における有無を検出することにより、小切手4の先端及び後端を検出する。用紙長検出器38の検出値は後述する制御部70により取得され、この検出値の変化に基づいて小切手4の長さが求められる。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44へ搬送される。
インクジェットプリンターユニット44は、インクジェットヘッド10(記録手段)を備えている。インクジェットヘッド10は、本体13の前部に収容されているインクカートリッジ45からインクの供給を受けて、小切手4にインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドである。本実施形態においてインクジェットヘッド10は小切手4の裏面4bに、いわゆる裏書きと呼ばれる文字や画像を記録する。
インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0023】
インクジェットヘッド10の下流には、小切手4およびシート6を光学的に読み取るCIS(Contact Image Sensor)ユニットが配置されている。このCISユニット(読取手段)は、小切手4の表面4aおよびシート6の表面6aを読み取る表面CISユニット47と、小切手4の裏面4bを読み取る裏面CISユニット48とを有し、このCISユニットによって小切手4の両面を光学的に読み取り可能である。また、表面CISユニット47または裏面CISユニット48のいずれか一方のみを用いて、小切手4およびシート6の表面のみ、或いは裏面のみを読み取ることも可能である。
【0024】
表面CISユニット47および裏面CISユニット48は、それぞれ、読取時に読取対象物である小切手4またはシート6に光を照射する光源(図示略)と、その反射光を検出するイメージセンサー(図示略)と、イメージセンサーの検出値を読取画像データとして出力する制御回路(図示略)とを備えている。光源としては、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の光をそれぞれ照射する3色のLEDと、赤外光(IR)を照射する赤外LEDおよび紫外光(UV)を照射する紫外LEDを備えて構成される。また、イメージセンサーはCMOSまたはCCDを備え、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)、赤外光(IR)、紫外光(UV)を検出する。
これにより、表面CISユニット47および裏面CISユニット48を用いて、それぞれの照射光を選択的にシートに照射して、複数の読取画像データを、例えばRの表面など、面単位で読取画像データを取得してメモリー80に記憶することが可能である。
具体的には、それぞれ、赤色(R)LED、緑色(G)LED、及び青色(B)LEDをそれぞれ照射してRGBフルカラーの読み取りを行うことができ、さらに、赤色(R)LED、緑色(G)LED、及び青色(B)LEDを照射するグレースケール読み取り、赤外光(IR)LEDを照射する赤外線による読み取り、及び、紫外光(UV)にLEDを照射する紫外線による読み取りを行うことができる。これら各々の読み取りは組み合わせて実行することが可能であって、例えば1回の小切手4に対するスキャン時に、フルカラーの読み取りと赤外光(IR)による読み取りとを合わせて実行し、フルカラーの読取画像データと赤外光による読取画像データとを得ることができる。
なお、表面CISユニット47および裏面CISユニット48は、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDに加え、赤外LEDと紫外LEDのいずれか一方のみを備えた構成としてもよく、この場合、イメージセンサーはLEDの構成に合わせて適宜選択される。
【0025】
表面CISユニット47と裏面CISユニット48は搬送路Wを挟んで対向配置されており、これらユニットの上流側には第1CISローラー50が配置され、また、下流側には第2CISローラー51が配置されている。これら第1CISローラー50、及び、第2CISローラー51は、搬送モーター42によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによってCISユニットによって読み取り中の小切手4が安定して搬送される。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0026】
表面CISユニット47、裏面CISユニット48の下流側には上述したポケット19が設けられている。ポケット19は、メインポケット19aと、サブポケット19bとに区画されており、スリット18が分岐して、それぞれのポケット19に繋がっている。これらメインポケット19a、及び、サブポケット19bには、それぞれ複数の小切手4を収容できる。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに繋がる経路とサブポケット19bに繋がる経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、複合処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
【0027】
また、図1及び図2に示すように、複合処理装置1の中央部には、画像が記録された紙片を発行するサーマルプリンターユニット60が設けられている。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、ユニット本体の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、感熱ロール紙を収容可能な空間であるロール紙収容部62(図3)が露出し、感熱ロール紙の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容された感熱ロール紙は、排紙口63を介して、排出される。
サーマルプリンターユニット60は、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙を繰り出して搬送路上を搬送させるローラー状のプラテン(図示略)と、プラテンに対向配置されたサーマルヘッド65(図3)と、搬送方向に対し直交する方向に感熱ロール紙を切断するカッターユニット66とを備えている。紙片の発行に際し、サーマルプリンターユニット60は、プラテンを駆動して感熱ロール紙を搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙に画像を記録し、カッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、紙片を発行する。
【0028】
図3は、複合処理装置1とホストコンピューター5(外部の装置)とを接続して構成される読取システム8の機能的構成を示すブロック図である。
複合処理装置1は、複合処理装置1全体を制御するCPU、RAM、フラッシュROM等により構成される制御部70と、インクジェットプリンターユニット44及びサーマルプリンターユニット60を制御するプリンター制御部71と、ヘッド駆動回路72と、モータードライバー73と、読取制御回路74と、センサー駆動回路75と、インターフェース部76とを有し、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。
【0029】
制御部70は、フラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUにより読み出して実行することにより、複合処理装置1の各部を制御する。
プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してインクジェットヘッド10に駆動電流を供給し、小切手4への記録を行う。また、プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してサーマルヘッド65に駆動電流を供給し、感熱ロール紙への記録を行う。
モータードライバー73は、ホッパー駆動モーター26に接続され、制御部70の制御に従ってホッパー25を回動させる。
また、モータードライバー73は、ASFモーター27、搬送モーター42、及び、切替板駆動モーター55に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従い各モーターを動作させる。
このように、複合処理装置1は、制御部70およびモータードライバー73の制御により、ASFモーター27および搬送モーター42を駆動することによって、ASFローラー29、MICRローラー36、第1搬送ローラー40および第2搬送ローラー41を回転させて、搬送路W上で小切手4およびシート6を搬送する。これらASFモーター27、搬送モーター42、ASFローラー29、MICRローラー36、第1搬送ローラー40および第2搬送ローラー41は、モータードライバー73とともに搬送手段を構成する。
【0030】
読取制御回路74は、MCRヘッド22、MICRヘッド35、表面CISユニット47、及び、裏面CISユニット48に接続されている。読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、カードスリット21(図1)にカード類が通される際にMCRヘッド22によって磁気情報を読み取らせ、MCRヘッド22が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。同様に、読取制御回路74は、制御部70の制御に従ってMICRヘッド35によって磁気情報を読み取らせ、MICRヘッド35が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48に、小切手4の表面4a及び裏面4bの読み取りを実行させる。この際、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48の各々から出力される信号をデジタルデータ化し、制御部70に出力する。
センサー駆動回路75は、ASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、及び、排出検出器52に接続され、これらの各検出器に電流を供給して、所定周期で出力値を取得し、取得した出力値をデジタルデータに変換して制御部70に出力する。
インターフェース部76は、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続され、制御部70の制御に従って、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。
【0031】
また、制御部70には、メモリー80が接続されている。メモリー80は、プリンター制御部71の制御により印刷されるデータや読取制御回路74の制御によって読み取られた読取画像データ等を一時的に保持するバッファーメモリーとして使用される揮発性のメモリーである。このメモリー80は、制御部70が備えるRAMと一体のものとしてもよいし、具体的な構成は特に限定されない。
【0032】
また、複合処理装置1は、動作中に搬送手段の動作を停止させるための停止スイッチ(SW)78を備えている。停止スイッチ78(操作手段)は、例えば複合処理装置1の外装に露出するように配置され、ボタン等の操作子を備えており、この操作子の操作をセンサー駆動回路75が検出可能に構成されている。停止スイッチ78は、独立した専用のスイッチとして設けてもよいし、フィードスイッチやインクジェットヘッド10のクリーニング動作を指示するクリーニングスイッチ等の他のスイッチと兼用のスイッチとして設けてもよい。
制御部70は、シート6の搬送中に停止スイッチ78の操作を検出すると、この操作に応じて速やかにASFモーター27および搬送モーター42の動作を停止させる。複合処理装置1を操作するオペレーターは、シート6の搬送中に、ジャムやシート6の曲がり等の搬送異常または搬送異常を予見させる事象を発見した場合、停止スイッチ78を操作してシート6の搬送を即座に停止させることができ、これにより搬送異常によるシート6の汚損等を防止できる。
【0033】
制御部70は、読取制御手段として機能し、小切手4を処理する動作モードと、シート6を処理する動作モードとを切り替えて実行する。この切替は、図5を参照して後述するように、ホストコンピューター5から動作モードの切替を指示するコマンドを受信した場合に実行する。小切手4を処理する動作モードである小切手処理モードでは、上述のように、小切手4に対してMICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り、インクジェットヘッド10による印刷、および表面CISユニット47および裏面CISユニット48による光学読み取りを行う。ここで、小切手処理モードは、少なくとも表面CISユニット47および裏面CISユニット48による小切手4の読み取りを行えばよく、他の印刷やMICR文字の読取動作を行わないようにすることもできる。
これに対し、シート6を読み取る長尺シート処理モードでは、シート6を搬送して、表面CISユニット47および裏面CISユニット48によって表面6aを読み取り、読取画像データを取得する。この長尺シート処理モードでは、インクジェットヘッド10による印刷等を合わせて行うことも可能である。
【0034】
図4は、メモリー80の記憶領域の構成と読取処理の様子を示す説明図であり、(A)は小切手処理モードで小切手4を読み取る動作と、この動作モードにおけるメモリー80の使用状態とを模式的に示す図であり、(B)は長尺シート処理モードでシート6を読み取る動作と、この動作モードにおけるメモリー80の使用状態とを模式的に示す図である。
図4(A)に示すように、小切手処理モードでは、メモリー80の記憶領域が、読取画像データを記憶する記憶領域と、MICRバッファー89と、プリントバッファー90とに区分される。読取画像データを記憶する記憶領域は、さらに、ブロック81〜88の8個の記憶ブロックに分けられている。ブロック81〜88は、それぞれ、小切手4の一面の読取画像データを格納する記憶容量を有し、具体的には、複合処理装置1で使用可能な小切手4のうち最大サイズの小切手4を、最もデータ量が大きい条件で読み取った場合の、表面4aまたは裏面4bの一面分の読取画像データを格納するのに十分な容量となっている。最もデータ量が大きい条件とは、例えば、解像度を最高解像度に設定し、フルカラー読み取りとUVまたはIR読み取りを組み合わせる場合が相当する。
メモリー80の8個のブロック81〜88は、それぞれ、小切手4の表面4aと裏面4bのいずれか一面の読取画像データを格納するので、メモリー80全体としては4枚の小切手4の両面の読取画像データを格納できる。
【0035】
小切手処理モードにおいて、制御部70は、上述したようにストッカー15にセットされた複数の小切手4を連続して処理する。この場合、図4(A)に示すように表面CISユニット47と裏面CISユニット48の間を連続して搬送される小切手4の読取画像データは、順次、メモリー80のブロック81〜88に記憶される。すなわち、1枚目の小切手4の読み取りが開始されると、表面CISユニット47が出力する表面4aの読取画像データはブロック81に格納され、裏面CISユニット48が出力する裏面4bの読取画像データはブロック82に格納される。1枚目の小切手4の読み取りが完了すると、制御部70は、ブロック81、82に格納された読取画像データをホストコンピューター5に転送する処理を開始し、この間に2枚目の小切手4が表面CISユニット47、裏面CISユニット48の読み取り位置に達すると、2枚目の小切手4の読み取りを開始する。2枚目の小切手4の表面4aの読取画像データはブロック83に格納され、裏面4bの読取画像データはブロック84に格納される。2枚目の小切手4の読み取りが完了すると、制御部70はブロック83、84の読取画像データをホストコンピューター5に転送する処理を開始する。ここで、ブロック81、82の読取画像データを転送する処理が完了していなければ、この転送処理の完了を待って、ブロック83、84の読取画像データを転送する処理が実行される。以後、制御部70は、3枚目の小切手4を読み取って読取画像データをブロック85、86に格納し、4枚目の小切手4を読み取って読取画像データをブロック87、88に格納し、これらのブロックに格納された読取画像データは順次ホストコンピューター5に転送される。
【0036】
5枚目の小切手4を処理する場合、通常はブロック81、82に格納された1枚目の小切手4の読取画像データの転送が既に完了しているので、5枚目の小切手4の読取画像データはブロック81、82に格納される。このように制御部70は、複数の小切手4を連続して読み取り、読取画像データをブロック81〜88に順次格納するとともに、格納した読取画像データを順にホストコンピューター5に転送する。読取画像データの転送は、他の小切手4を読み取る動作を並行して実行でき、転送が完了した読取画像データは消去或いは上書きしてもよい。このため、5枚目以後の小切手4の読取画像データは、転送が完了したブロックに順次格納される。従って、複合処理装置1は、4枚を超える枚数の小切手4を連続して読み取ることができる。なお、複合処理装置1とホストコンピューター5との間のデータ通信速度が読取画像データの容量に比べて遅い場合には、メモリー80の容量を大きくしてブロックの数を増やしてもよい。これにより、ホストコンピューター5への読取画像データの転送が終わるまで待つ待ち時間を短縮あるいは解消できる。
【0037】
ここで、一つの大きなブロック(記憶領域)に複数の小切手4の読取画像データを順次格納し、このブロックから読取画像データを読み出してホストコンピューター5へ転送する処理と、このブロックに次の小切手4の読取画像データを書き込む処理とを並行して行うことも可能であるが、読み取りと書き込みおよび上書きに関する制御が複雑化するため、小切手4の一面毎に対応するブロック81〜88を設け、このブロック毎に読取画像データの書き込み、読み出し、転送を行う構成が好適であると言える。
また、本実施形態のように小切手4に対応する複数のブロック81〜88を設けた場合、ホストコンピューター5に読取画像データを転送する際に、転送する読取画像データのサイズ、読取画像データが縦方向の読取画像か横方向の読取画像か等の情報を転送前にホストコンピューター5に通知できる。このため、ホストコンピューター5が、既知のデータ量に基づく通信制御を行うことができ、効率よく読取画像データを転送できるという利点もある。
【0038】
また、MICRバッファー89(磁気読取データメモリー)は、MICRヘッド35によって読み取られた磁気波形のデータを一時的に格納するメモリーであり、制御部70が磁気波形データを解析処理し、或いは磁気波形データをホストコンピューター5に転送するまでのバッファーメモリーとして使用される。プリントバッファー90(記録データメモリー)は、プリンター制御部71がインクジェットヘッド10またはサーマルヘッド65により印刷させる文字や画像をレイアウトした印刷イメージを展開するバッファーメモリーである。制御部70は、ホストコンピューター5から印刷を指示するコマンドとともに印刷データを受信し、この印刷データにより指定される文字や画像を指定通りに配置した印刷イメージを生成し、プリントバッファー90に展開し、このプリントバッファー90内のイメージをインクジェットヘッド10またはサーマルヘッド65により印刷させる。
【0039】
長尺シート処理モードでは、メモリー80の全体が、読取画像データを格納する読取画像データ記憶領域95として使用される。読取画像データ記憶領域95には、小切手処理モードでMICRバッファー89やプリントバッファー90として使用される領域を含めることも可能である。本実施形態の複合処理装置1は、シート6に対しては、シート6の表面6aのみを表面CISユニット47によって読み取り、この一面の読取画像データを読取画像データ記憶領域95に記憶し、シート6への印刷およびMICR文字の読み取りは行わない。このため、MICRバッファー89やプリントバッファー90を設ける必要は無いので、メモリー80全体を読取画像データ記憶領域95とすることでメモリーリソースを有効に活用できる。また、複数面の読み取りを行わないため、読取画像データ記憶領域95は一面に対応した一つの記憶領域となっていればよい。
長尺シート処理モードでは、シート6をストッカー15に納めることが困難であることから、複数のシート6を連続して処理することは想定されておらず、シート6を1枚ずつ処理する。このため、複数のシート6に対応した複数のブロックをメモリー80に設ける必要もない。
【0040】
一例として、小切手処理モードにおいて解像度300dpi、フルカラー、両面の読み取りを行い、長尺シート処理モードで解像度200dpi、グレースケール、片面の読み取りを行う場合を想定する。この場合、同じ大きさあたりの読取画像データのデータ容量を比較すると、小切手処理モードは長尺シート処理モードの9倍のデータ容量となる。つまり、ブロック81〜88の全体を1枚のシート6のための読取画像データ記憶領域95にすると、小切手4の9倍の面積を有するシート6の読取画像データを格納できる。本実施形態では、さらにMICRバッファー89とプリントバッファー90の容量を読取画像データ記憶領域95に割り当てるため、より大きいシート6を処理できる。
【0041】
ところで、上述した例のように、長尺シート処理モードでは、小切手処理モードとは異なる読取解像度やカラーが設定される。これは処理の目的が異なるためであり、例えば小切手4に対する処理は決済目的であるため高品位で詳細な読取画像データを得る必要がある。これに対し、シート6は、例えば複合処理装置1で1日に処理した小切手4の処理結果を、まとめてロール紙に印刷出力したものやジャーナルなど、取引(トランザクション)の記録として出力されるものである。シート6を長尺シート処理モードで読み取る目的は取引1件毎の記録を電子的に保存するためであり、取引の正当性および真実性を担保する小切手処理モードに比べ、読取解像度や読取画像データの品位に対する要求が低い。そこで、長尺シート処理モードでは、小切手処理モードよりも読取画像データの容量が小さくなるように読取条件を変えることができる。
【0042】
このように、複合処理装置1は、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48によって、小切手を読み取る小切手処理モードでは、小切手4を一方向に搬送しながら異なる複数の照射光を選択することで、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを照射して得られた1面のグレースケール用の読取画像データの取得と記憶、赤外線LEDを照射して得られた1面の赤外線用の読取画像データの取得と記憶、紫外線LEDを照射して得られた1面の紫外線用の読取画像データの取得と記憶が、表面と裏面の面単位でそれぞれ可能であり、またこれらを組み合わせて取得し記憶することも可能な構成となる。また、この場合、シート6を読み取る長尺シート処理モードでは、小切手4に比べ一面当りの読取画像データが多くなるが、表面CISユニット47または裏面CISユニット48の少なくとも一方を用い、少なくとも一の照射光により、少なくとも一面の読取画像データを取得して記憶することにより、小切手4を読み取る際に使用するメモリー80の記憶領域内に設定された読取画像データ記憶領域95に、読取画像データを記憶できる。この場合、一面の読取画像データを取得すればよいので、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48のいずれか一方において、赤色LED、緑色LED、青色LED、赤外線LED、及び紫外線LEDのうちいずれか一つの照射光を照射して1面の読取画像データを取得するか、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを照射して1面のグレースケールを取得するようにすればよい。
【0043】
また、長尺シート処理モードでは、小切手4に比べて非常に長いシート6を処理することも想定されるので、停止スイッチ78(図3)の操作を有効とし、オペレーターの操作に応じて搬送を停止できるようにすることが好ましい。これに対し小切手処理モードでは通常の搬送エラー検出動作で十分に対処できるので停止スイッチ78を有効にする必要性は小さい。搬送エラー自体を少なくするため、長尺シート処理モードでは小切手処理モードよりも搬送速度を遅く設定することも好ましい。
【0044】
このような条件の違いを実現するため、複合処理装置1は、制御部70が有するフラッシュROM内に、動作モード毎の読取条件および動作条件の設定値を格納した設定値テーブル77を記憶している。
図5には、設定値テーブル77の構成を模式的に示す。この図5に例示するように、設定値テーブル77には、小切手処理モードと長尺シート処理モードの各々について、読取条件として読取面の数、読取カラー、読取解像度が設定されている。小切手処理モードのカラーはホストコンピューター5から受信するコマンドにより、フルカラー+IR、フルカラー+UV、グレースケール+IR、グレースケール+UVのいずれかに設定可能であるため、設定値テーブル77に複数の値が含まれる。また、設定値テーブル77には、複合処理装置1の動作条件として、搬送速度、搬送異常検出の基準値、および停止スイッチ78の操作に応じた搬送停止を有効とするか無効とするかが設定されている。
【0045】
複合処理装置1は、搬送手段の搬送中に、用紙長検出器38の検出値と搬送量とを監視し、搬送量が十分な量に達しているにもかかわらず用紙長検出器38の検出値が変化しない場合に、搬送エラーを検出する機能を有する。用紙長検出器38の検出値の変化は小切手4またはシート6の先端または後端が用紙長検出器38の検出位置に達したことを示すので、検出値が変化しない場合には搬送路Wでジャムが発生したか、ストッカー15から読取対象物を取り込めなかったことが想定される。小切手処理モードと長尺シート処理モードでは処理する読取対象物の搬送方向のサイズが明らかに異なるので、これに合わせて、上記のように搬送異常(エラー)を検出する基準となる搬送量が、処理される読取対象物のサイズに合わせて設定される。
このように、長尺シート処理モードと小切手処理モードでは、メモリー80の構成、読取条件や動作条件が変更されるので、メモリー80を効率よく使用して処理効率を高めるとともに、小切手4の処理に最適な複合処理装置1の構成において長尺のシート6の読み取りを可能にしている。
【0046】
図6〜図8は、複合処理装置1の動作を示すフローチャートであり、図6は、小切手処理モードと長尺シート処理モードとを切り替える動作を示し、図7は小切手処理モードの動作を示し、図8は長尺シート処理モードの動作を示す。
図6に示すように、複合処理装置1の制御部70は、ホストコンピューター5から動作モードの切替を指示するコマンドを受信すると(ステップS11)、受信したコマンドが指示する動作モードが現在の動作モードと一致するかどうかに基づいて、動作モードの変更が必要かどうかを判別する(ステップS12)。ここで、動作モードを変更する必要がない場合は(ステップS12;No)、本処理を終了する。動作モードの変更が必要な場合(ステップS12;Yes)、制御部70は、変更後の動作モードに対応する設定値テーブル77の各設定項目の設定値を読み出して、設定の変更を行い(ステップS13)、動作モードの切替を実行する(ステップS14)。
【0047】
なお、図6に示す処理で、ステップS13〜S14の動作に代えて、制御部70内のRAMに格納されるメモリースイッチを切り替えてもよい。この場合、制御部70は、小切手処理モードで図7の処理を開始する際、および、長尺シート処理モードで図8の処理を開始する際に、現在の動作モードに対応する設定値テーブル77の設定値を読み出すことで、動作モードに応じた読取条件および動作条件に従って動作を行うことができる。
【0048】
小切手処理モードでは、図7に示すように、制御部70は、ホストコンピューター5から小切手4の処理開始を指示するコマンドを受信すると(ステップS21)、ホッパー位置検出器32の検出値や、ASF用紙検出器31の検出値を監視しつつ、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27を駆動して、小切手4を搬送路Wに繰り出して、小切手4の搬送を開始する(ステップS22)。
次いで、制御部70は、用紙長検出器38の検出値を監視することにより小切手4の位置を管理しつつ、MICRヘッド35によって、小切手4の磁気インク文字列4cを読み取る(ステップS23)。
ここで、制御部70は、ASF用紙検出器31の検出値に基づいて次の小切手4が搬送可能であるか否かを判別し(ステップS24)、次の小切手4がストッカー15にセットされている場合は(ステップS24;Yes)、この小切手4の搬送を開始し(ステップS25)、ステップS26に移行する。また、次の小切手4が搬送可能でない場合には(ステップS24;No)、そのままステップS26に移行する。これにより、複合処理装置1は、複数の小切手4を連続的に処理する。
【0049】
ステップS26で、制御部70は、MICRヘッド35の読み取り結果に基づいて、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされているか否かを判別し、この判別結果に基づいて、切替板駆動モーター55を駆動して、切替板54を切り替える。すなわち、制御部70は、小切手4が正しくセットされている場合は、切替板54をメインポケット19a側に切り替え、一方、小切手4が正しくセットされていない場合は、切替板54をサブポケット19b側に切り替える。
【0050】
次いで、制御部70は、中間検出器46の検出値を監視することにより小切手4の位置を監視しつつ、搬送モーター42の駆動により各種モーターを駆動して小切手4を搬送し、インクジェットヘッド10により、小切手4の裏面4bに所定の画像を記録する(ステップS27)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップS27において、画像の記録を行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、表面CISユニット47による小切手4の表面4aのスキャンと、裏面CISユニット48による裏面4bのスキャンを開始し(ステップS28)、表面4aの読取画像データと裏面4bの読取画像データを、メモリー80に形成されたブロック81〜88のうち対応するブロックにそれぞれ格納する(ステップS29)。制御部70は、処理中の小切手4のスキャンが完了するまでの間は(ステップS30;No)、ステップS29の処理を継続する。そして、スキャンが完了すると(ステップS30;Yes)、読取画像データのホストコンピューター5への転送を開始するとともに(ステップS31)、排出検出器52の検出値を監視することにより小切手4が正常に排紙されたか否かを監視しつつ、搬送モーター42を駆動することにより各種モーターを駆動して小切手4をポケット19に排出する(ステップS32)。その際、小切手4は、切替板54に導かれてメインポケット19a、サブポケット19bのうちMICRヘッド35の読み取り結果に応じた適切なポケット19に排出される。
【0051】
その後、制御部70は、全ての小切手4の処理が完了したか否かを判別し(ステップS33)、まだ処理が完了していない小切手4が搬送路W上またはストッカー15内に残っている場合には(ステップS33;No)、これらの小切手4に対してステップS23〜S32の処理を継続して実行する(ステップS34)。そして、全ての小切手4の処理が完了すると(ステップS33;Yes)、制御部70はホストコンピューター5から入力されるコマンドに対する待機状態に移行して(ステップS35)、本処理を終了する。
【0052】
これに対し、長尺シート処理モードでは、図8に示すように、制御部70は、ホストコンピューター5からシート6の処理を指示するコマンドを受信すると(ステップS41)、メモリー80の全記憶領域を一つの読取画像データ記憶領域95(図4(B))に設定する(ステップS42)。次いで、制御部70は、ホッパー駆動モーター26やASFモーター27を駆動して、シート6を搬送路Wに引き込み、シート6の搬送を開始する(ステップS43)。
制御部70は、切替板駆動モーター55を駆動して、切替板54の位置を、長尺シート処理モード用の位置に切り替える(ステップS44)。長尺シート処理モードでは1枚ずつシート6を処理するため、処理の正否に応じたポケット19の使い分けを行う必要がないので、メインポケット19aとサブポケット19bのうち予め指定された側のポケットにシート6を排出する。
【0053】
制御部70は、表面CISユニット47によるシート6の表面6aのスキャンを開始し(ステップS45)、表面6aの読取画像データを読取画像データ記憶領域95に格納する(ステップS46)。制御部70は、処理中の小切手4のスキャンが完了するまで処理を継続し、スキャンが完了するまでの間は(ステップS47;No)、ステップS46の処理を継続する。ステップS45でスキャンを開始してから、シート6の先端がポケット19に達し、シート6の排出が行われる。シート6の長さは搬送路Wの長さよりも長いため、スキャンと並行して排出が行われる。ステップS47で、制御部70は、例えば、中間検出器46の検出値に基づいてシート6の終端を検出し、終端検出から表面CISユニット47までの距離に相当する搬送量を搬送したところでスキャンが完了したと判別する。或いは、制御部70は、表面CISユニット47が出力する読取画像データにおいて、所定の長さの黒一色のデータが検出されたところでスキャンが完了したと判別する。
制御部70は、スキャンが完了すると(ステップS47;Yes)、読取画像データのホストコンピューター5への転送を開始する(ステップS48)。その後、制御部70は、排出検出器52の検出値に基づいてシート6の全体の排出が完了したか否かを判別し(ステップS49)、排出が完了するまでは(ステップS49;No)待機し、排出が完了すると(ステップS49;Yes)、ホストコンピューター5から入力されるコマンドに対する待機状態に移行して(ステップS50)、本処理を終了する。
【0054】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係る複合処理装置1によれば、読取対象のシート(小切手4及びシート6を含む)を搬送する搬送手段と、小切手4の搬送路W上に設けられ、異なる複数の照射光の光源を有し、搬送手段により搬送されるシートの複数面を読み取り可能な表面CISユニット47および裏面CISユニット48と、表面CISユニット47および裏面CISユニット48により読み取られた少なくともシートの複数面を含む読取画像データを記憶可能なメモリー80と、シートとして小切手4を読み取る小切手処理モードと、小切手4よりも搬送方向のサイズが大きいシート6を搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、長尺シート処理モードでは、少なくとも一の照射光を照射し長尺のシート6の少なくとも一面の読取画像データをメモリー80に記憶させる制御部70とを備えるので、異なる複数の照射光により小切手4を読み取って複数面の画像データを記憶可能な構成とされた複合処理装置1によって、メモリー80を効率的に活用して、少なくとも一の照射光を照射し、小切手4より搬送方向のサイズが大きいシート6の少なくとも一面の読み取りが可能となる。
【0055】
また、表面CISユニット47および裏面CISユニット48は、小切手4および長尺のシート6の複数面を、異なる複数の照射光の選択により、フルカラー、グレースケール、赤外線読み取り、および紫外線読み取りのうち少なくとも複数の読取方式で読み取り可能に構成され、メモリー80は、小切手4の複数面を、表面CISユニット47および裏面CISユニット48により複数の読取方式で読み取った読取画像データを記憶可能な記憶領域であるブロック81〜88を有する。このため、異なる複数の照射光の選択により、小切手4をフルカラー(赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDによりそれぞれ照射)、グレースケール(赤色(R)LED、緑色(G)LED、青色(B)LEDにより照射)、赤外線読み取り(赤外線LED照射)、および紫外線読み取り(紫外線LED照射)のうち少なくとも複数の読取方式で読み取ることが可能であり、かつ、小切手4よりも搬送方向のサイズが大きいシート6の読み取りが可能となる。また、複数の読取方式に対応することで大容量となる小切手4の読取画像データを記憶可能に構成することで、小切手4よりも搬送方向のサイズが大きいシート6の読取画像を記憶することが可能となり、より大きなシート6を読み取ることができる。
【0056】
また、シートの表面用の表面CISユニット47と、シートの裏面用の裏面CISユニット48は、それぞれ、赤色LED、緑色LED、青色LED、赤外線LED、紫外線LEDを備えており、複合処理装置1は、シートを一方向に搬送しながら、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48によって、それぞれの照射光を選択的にシートに照射して、複数の読取画像データを、例えばRの表面など、面単位で読取画像データを取得してメモリー80に記憶することが可能である。これにより、小切手を読み取る小切手処理モードでは、異なる複数の照射光を選択することで、赤色LED、緑色LED、青色LEDをそれぞれ照射して得られた3面のフルカラー用の読取画像データの取得と記憶、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを照射して得られた1面のグレースケール用の読取画像データの取得と記憶、赤外線LEDを照射して得られた1面の赤外線用の読取画像データの取得と記憶、紫外線LEDを照射して得られた1面の紫外線用の読取画像データの取得と記憶が、表面と裏面の面単位でそれぞれ可能であり、またこれらを組み合わせて取得し記憶することも可能である。
また、この場合、小切手4よりも搬送方向のサイズが大きいシート6を読み取る長尺シート処理モードでは、小切手4に比べ一面当りの読取画像データが多くなるが、少なくとも一の照射光により少なくとも一面の読取画像データを取得して記憶することにより、小切手4を読み取る際に使用するメモリー80の記憶領域内に設定された読取画像データ記憶領域95に、読取画像データを記憶できる。この場合、一面の読取画像データを取得すればよいので、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48のいずれか一方において、赤色LED、緑色LED、青色LED、赤外線LED、及び紫外線LEDのうちいずれか一つの照射光を照射して1面の読取画像データを取得するか、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを照射して1面のグレースケールを取得するようにすればよい。
【0057】
また、複合処理装置1はホストコンピューター5に接続可能であり、制御部70は、ホストコンピューター5から受信したコマンドに従って、小切手処理モードと長尺シート処理モードとを切り替えるので、ホストコンピューター5によって複合処理装置1の動作モードを容易に切り替えさせることができる。
複合処理装置1は、搬送手段による搬送を停止させる操作を行うための停止スイッチ78を備え、制御部70は、長尺シート処理モードの実行時には停止スイッチ78による操作を有効として、停止スイッチ78の操作に応じて搬送手段による搬送を停止させるので、シート6のジャム等の搬送トラブルが発生した場合に速やかに対応し、トラブル発生時のシート6の損傷等を回避できる。また、搬送方向のサイズが大きいシート6では搬送トラブルの影響が大きくなり易いため、長尺シート処理モードで搬送を停止させる操作を有効にすることにより、効果的に搬送トラブルへの対処を可能とする。
【0058】
さらに小切手4に磁気的に記録された情報を読み取るMICRヘッド35と、MICRヘッド35により読み取られた磁気読取データを記憶するMICRバッファー89と、小切手4に記録を行うインクジェットヘッド10と、インクジェットヘッド10により記録するデータを記憶するプリントバッファー90とを備え、制御部70は、長尺シート処理モードでは、長尺のシート6の一面の読取画像データを、MICRバッファー89およびプリントバッファー90少なくともいずれかに対しても、読取画像データ記憶領域95に組み入れて読取画像データを記憶させるので、長尺シート処理モードでは使用しないMICRバッファー89およびプリントバッファー90を活用してシート6の読取画像データを記憶する。これにより、メモリー80を効率よく活用し、より大きいサイズのシート6の読み取りを可能とすることができる。
また、制御部70は、小切手処理モードと長尺シート処理モードでは、表面CISユニット47および裏面CISユニット48の読取解像度、および、搬送手段による搬送速度の少なくともいずれかを変更するので、小切手4の読み取りに適した装置構成においても、大きいサイズのシート6をスムーズに読み取ることができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本願発明の一態様を示すものであり、本願発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1が長尺シート処理モードにおいてシート6の一面のみを読み取る構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シート6の両面を読み取ってもよい。同様に、図5に例示した設定値テーブル77における各条件はあくまで一例であって、メモリー80のサイズや、複合処理装置1が処理する小切手4とシート6のサイズ等に合わせて適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1は、搬送路W上に、MICRヘッド35、インクジェットヘッド10、及び、CISユニットが順次配置された構造であったが、装置の配置順番や、装置の具体的構造は、これに限らない。すなわち、本発明は、媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の情報を読み取る読取部と、搬送部により搬送される媒体に記録する記録部とを備える媒体処理装置に広く適用可能である。
また例えば、図3に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部70の機能を、複合処理装置1に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図6〜図8で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…複合処理装置(読取装置)、4…小切手、4a…表面、4b…裏面、5…ホストコンピューター(外部の装置)、6…シート、6a…表面、8…読取システム、10…インクジェットヘッド(記録手段)、19…ポケット、29…ASFローラー、35…MICRヘッド(磁気読取手段)、36…MICRローラー、37…アシストローラー、40…第1搬送ローラー、41…第2搬送ローラー、42…搬送モーター、44…インクジェットプリンターユニット、46…中間検出器、47…表面CISユニット(読取手段)、48…裏面CISユニット(読取手段)、50…第1CISローラー、51…第2CISローラー、70…制御部(読取制御手段)、77…設定値テーブル、78…停止スイッチ、80…メモリー、81〜88…ブロック、89…MICRバッファー(磁気読取データメモリー)、90…プリントバッファー(記録データメモリー)、95…読取画像データ記憶領域、W…搬送路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象のシートを搬送する搬送手段と、
前記シートの搬送路上に設けられ、異なる複数の照射光の光源を有し前記搬送手段により搬送されるシートの複数面を読み取り可能な読取手段と、
前記読取手段により読み取られた少なくとも複数の前記照射光による前記シートの複数面を含む読取画像データを記憶可能なメモリーと、
前記シートは小切手であり前記小切手を読み取る小切手処理モードと、前記小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートを前記搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、前記長尺シート処理モードでは、少なくとも一の前記照射光を照射し前記長尺のシートの少なくとも一面の読取画像データを前記メモリーに記憶させる読取制御手段と、
を備えることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記読取手段は、前記小切手および前記長尺のシートの複数面を、異なる複数の前記照射光の選択により、フルカラー、グレースケール、赤外線読み取り、および紫外線読み取りのうち少なくとも複数の読取方式で読み取り可能に構成され、
前記メモリーは、前記小切手の複数面を、前記読取手段により前記複数の読取方式で読み取った読取画像データを記憶可能な記憶領域を有することを特徴とする請求項1記載の読取装置。
【請求項3】
外部の装置と接続可能であり、前記読取制御手段は、前記外部の装置から受信したコマンドに従って、前記小切手処理モードと前記長尺シート処理モードとを切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の読取装置。
【請求項4】
前記搬送手段による搬送を停止させる操作を行うための操作手段を備え、
前記読取制御手段は、前記長尺シート処理モードの実行時には前記操作手段による操作を有効として、前記操作手段の操作に応じて前記搬送手段による搬送を停止させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の読取装置。
【請求項5】
前記小切手に磁気的に記録された情報を読み取る磁気読取手段と、
前記磁気読取手段により読み取られた磁気読取データを記憶する磁気読取データメモリーと、
前記小切手に記録を行う記録手段と、
前記記録手段により記録するデータを記憶する記録データメモリーとを備え、
前記読取制御手段は、前記長尺シート処理モードでは、前記長尺のシートの一面の読取画像データを、前記磁気読取データメモリーおよび前記記録データメモリーの少なくともいずれかに対して、前記読取画像データを記憶させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の読取装置。
【請求項6】
前記読取制御手段は、前記小切手処理モードと前記長尺シート処理モードでは、前記読取手段の読取解像度、および、前記搬送手段による搬送速度の少なくともいずれかを変更することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の読取装置。
【請求項7】
読取対象のシートを搬送し、前記シートの搬送路上に設けられた異なる複数の照射光の光源を有する読取手段により前記シートの複数面を読み取り、前記読取手段により読み取った少なくとも複数の前記照射光による前記シートの複数面を含む読取画像データをメモリーに記憶可能な読取装置の制御方法であって、
前記シートは小切手であり前記小切手を読み取る小切手処理モードと、前記小切手よりも搬送方向のサイズが大きいシートを前記搬送手段により搬送して読み取る長尺シート処理モードとを切り替えて実行し、前記長尺シート処理モードでは、少なくとも一の前記照射光を照射し前記長尺のシートの少なくとも一面の読取画像データを前記メモリーに記憶させること、
を特徴とする読取装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74478(P2013−74478A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212179(P2011−212179)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】