説明

警報システム

【課題】親機が故障した場合であっても、1つの子機に設けられた警報器と他の子機の夫々に設けられた警報器とを連動させることができる警報システムを提供する。
【解決手段】親機Aと複数の子機aの夫々との間で無線通信可能であり、1つの子機a1に設けられた警報器1が警報状態を検出した時に、警報器1が警報発令すると共に、子機a1が子機側警報コードを発信し、子機側警報コードを受信した親機Aが親機側警報コードを発信し、親機側警報コードを受信した子機a1を除く他の子機a2,a3の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムであって、他の子機a2,a3の夫々が子機a1が発信する子機側警報コードを認識可能にしてあり、他の子機a2,a3の夫々が親機Aの故障を認識している場合に、子機a1が子機側警報コードを発信した時には、他の子機a2,a3の少なくとも1つの子機が前記子機側警報コードを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、前記複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、前記警報器が警報発令すると共に、前記1つの子機が子機側警報コードを発信し、前記子機側警報コードを受信した前記親機が親機側警報コードを発信し、前記親機側警報コードを受信した前記1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能な警報システムでは、複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時には、警報器が警報を発令すると共に、その子機は警報信号等の警報情報にその子機自身の識別情報を付帯させた子機側警報コードを発信する。子機側警報コードを受信した親機は、子機側警報コードに含まれる子機の識別情報と親機が有する複数の子機の識別情報とを照合し、自身と縁組した子機であると判断した場合には、子機からの警報情報として受け取り、自身に設けられた警報器からも警報を発令する。さらに、親機は、警報情報に親機の識別情報を付帯させた親機側警報コードを他の子機に向けて発信する。親機側コードを受信した他の子機の夫々は、コードに含まれる親機の識別情報と子機が有する親機の識別情報とを照合し、縁組した親機であると判断した場合には、親機からの警報情報として受け取り、夫々に設けられた警報器から警報を発令する。尚、このような警報システムは、当業者が行う通常の技術であり、先行技術文献等は示さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来の警報システムでは、子機に設けられた警報器が警報状態を検出すると、その情報は親機を介して他の子機に伝達される。このため、親機が故障した場合には、警報情報は他の子機には伝達されなくなり、それらに設けられた警報器が警報を発令せず、ユーザーへの警報情報の伝達が遅れる虞があった。
【0004】
本発明の目的は、親機が故障した場合であっても、1つの子機に設けられた警報器と他の子機の夫々に設けられた警報器とを連動させることができる警報システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の警報システムの第1特徴構成は、親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、前記複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、前記警報器が警報発令すると共に、前記1つの子機が子機側警報コードを発信し、前記子機側警報コードを受信した前記親機が親機側警報コードを発信し、前記親機側警報コードを受信した前記1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムであって、前記他の子機の夫々が前記1つの子機が発信する子機側警報コードを認識可能にしてあり、前記他の子機の夫々が前記親機の故障を認識している場合に、前記1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出し、前記1つの子機が前記子機側警報コードを発信した時には、前記他の子機の少なくとも1つの子機が前記子機側警報コードを受信し、前記子機側警報コードを受信した子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する点にある。
【0006】
本構成によれば、夫々の子機はその他の子機が発信する子機側警報コードを認識可能にしてあり、1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出し、1つの子機が子機側警報コードを発信した場合において、他の子機のうち少なくとも1つの子機が親機の故障を認識している時には、その子機は発信された子機側警報コードを受信できるようにしてあるため、親機を介さなくても、警報状態を検出した1つの子機に設けられた警報器と他の子機に設けられた警報器とを連動させることができる。
【0007】
本発明の警報システムの第2特徴構成は、前記子機側警報コードを受信した子機の夫々が前記子機側警報コード又は前記子機側警報コードを受信した子機の子機側警報コードを発信する点にある。
【0008】
本構成によれば、警報状態を検出した警報器1つの子機からの距離が遠く、その子機から発信された子機側警報コードを直接受信しなかった子機があった場合でも、中間距離に位置する別の子機が中継して警報コードを伝達することができる。したがって、より多くの警報器を連動させることができる。
【0009】
本発明の警報システムの第3特徴構成は、親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、前記複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、前記警報器が警報発令すると共に、前記1つの子機が子機側警報コードを発信し、前記子機側警報コードを受信した前記親機が親機側警報コードを発信し、前記親機側警報コードを受信した前記1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムであって、前記1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した場合に、当該1つの子機が前記親機の故障を認識した時には、当該1つの子機は擬似親機側警報コードを発信する点にある。
【0010】
本構成によれば、1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した場合において、その1つの子機が親機の故障を認識した時には、1つの子機は擬似親機側警報コードを発信するようにしてあるため、これを受信した他の子機は、親機からの情報と認識し、警報器を発令させる。このため、親機を介さなくても、警報状態を検出した1つの子機に設けられた警報器と他の子機に設けられた警報器とを連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】警報システムを示す概略図である。
【図2】警報システムを示す概略図である。
【図3】警報システムを示す概略図である。
【図4】無線親機および火災警報器の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明に係る警報システムについて説明する。
図1〜図4に示すように、警報システムは、無線親機A(親機の一例)と、複数の無線子機a(子機の一例)とを備えており、無線親機Aと複数の無線子機aの夫々との間で無線通信可能に構成されている。無線親機A及び複数の無線子機aの夫々には、火災警報器1(警報器の一例)が設けられている。このような警報システムは、例えば住宅等に設けられ、無線親機A及び複数の無線子機aは住宅の各部屋(図示せず)に設置される。尚、無線親機A及び複数の無線子機aの設置箇所としては、アパートの各室やオフィスの各フロア等でもよく、特に限定はされない。
【0013】
本実施形態係る警報システムにおいては、無線子機aを3つ設けた場合を例示しているが、これに限らず、部屋数等の設置箇所に応じて適宜増減することは当然に可能である。また、無線親機A及び無線子機aには、それぞれ火災警報器1を別体として設けた場合を例示しているが、無線親機A及び無線子機aに火災警報器1を一体に設けても何ら問題はない。火災警報器1としては、煙検知式、熱検知式等、各種火災警報器が使用可能であるが、もちろん火災警報器1に限らずガス警報器、泥棒等の侵入警報器等、従来公知の警報器が当然に採用可能である。
【0014】
以下、本実施形態に係る警報システムの装置構成について説明するが、無線子機aの装置構成は無線親機Aと同様であるので、無線親機Aの装置構成についてのみ説明し、無線子機aの装置構成については記載を省略する。
【0015】
無線親機Aは、図4に示すように、LSI11を中核部材として備えており、火災の発生を検知した火災警報器1と火災の発生を検知した火災警報器1以外の他の火災警報器1とを連動させる連動警報処理、無線親機Aと複数の無線子機aの夫々とを縁組させる縁組処理等、種々の処理を行う。
【0016】
LSI11には、縁組スイッチ12、アンテナ13、不揮発性メモリ14が設けられており、さらには、図示しないが、高周波回路部、復変調処理回路部、マイコン部等が設けられている。縁組スイッチ12は、無線親機Aと無線子機aとの間で縁組作業をする際の操作手段の一例であり、例えば、無線親機Aと無線子機aとのそれぞれの縁組スイッチ12を同時に押下することで互いに交信可能にすることができる。アンテナ13は、無線親機Aと無線子機aとの間の電波の種類、距離等に応じて従来公知のものを適宜選択することができる。不揮発性メモリ14としては、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等のROMやフラッシュメモリ等が挙げられる。無線親機A及び無線子機a1〜a3の不揮発性メモリ14には、無線親機AのID(識別情報の一例)と無線子機a1〜a3の全てのID(識別情報の一例)が登録されている。このように、無線親機Aと無線子機a1〜a3との間で、無線親機AのID及び無線子機a1〜a3の全てのIDという、所謂縁組情報を共有させることで、無線子機a同士も互いに認識可能になる。
【0017】
このような警報システムでは、図1に示すように、複数の無線子機a1〜a3のうち1つの子機、例えば無線子機a1に設けられた火災警報器1が火災の発生を検知すると、火災警報器1がLED5を点灯し、ブザー4による警報音を発すると共に、火災警報器1からインターフェース回路8を介して無線子機a1に火災異常信号を出力する。火災異常信号が入力された無線子機a1は、火災異常信号に無線子機a1自身のIDを加えた子機側警報コードを発信する。その子機側警報コードを受信した無線親機Aは、子機側警報コードに含まれたIDを、自身が有する縁組情報と照合し、縁組した子機から発信されたものであるか否かを判断する。そして、縁組した無線子機a1から発信されたものと判断した場合には、無線親機Aは、火災異常信号をインターフェース回路8を介して無線親機Aに設けられた火災警報器1に出力して警報動作をさせると共に、全ての無線子機a1〜a3に対する同報信号として、火災異常信号に無線親機A自身のID、火災の発生を検知した火災警報器1の無線子機a1のIDを加えた親機側警報コードを発信する。親機側警報コードを受信した無線子機a2,a3は、親機側警報コードに含まれたIDを、無線親機AのIDと照合し、縁組した無線親機Aからのものと判断すれば、火災異常信号は無線子機a2,a3は自身に向けられたものとして、インターフェース回路8を介して夫々に設けられた火災警報器1に出力し、警報動作させる。尚、親機側警報コードとしては、例えば、火災異常信号に無線親機A自身のIDを加えるだけであってもよく、特に限定されない。
【0018】
本実施形態に係る警報システムでは、通常状態においては、例えば、無線親機Aが、48時間等の所定時間毎に全ての子機に向けて確認要求コードを発信し、確認要求コードを受信した夫々の無線子機a1〜a3が確認コードを発信し、夫々の確認コードを無線親機Aが受信することで、無線親機Aと無線子機aとの間で正常に作動していることを確認している。無線親機Aは、発信した確認要求コードに対し、所定時間経過しても無線子機aのいずれかからの確認コードを受信しない場合には、受信しない確認コードに対応する無線子機aが故障しているものとして認識し、ブザー4やLED5等を作動させることによりユーザーに知らせる。一方、無線子機aは、無線親機Aが確認要求コードを発信する予定時間から所定時間経過しても確認要求コードを受信しない場合には、無線親機Aが故障しているものとして認識し、ブザー4やLED5等を作動させることによりユーザーに知らせる。そして、無線子機aは、無線親機Aが故障していることを認識した場合には、臨時連動警報処理モードとなり、自身の不揮発性メモリ14に登録された縁組情報に基づき、他の無線子機aからの子機側警報コードを受け付け可能状態となる。
【0019】
臨時連動警報処理モードにおいては、図2に示すように、複数の無線子機a1〜a3のうち1つの子機、例えば無線子機a1に設けられた火災警報器1が火災の発生を検知すると、無線親機Aの正常時と同様に、火災警報器1はLED5を点灯し、ブザー4による警報音を発し、無線子機a1は火災異常信号に無線子機a1自身のIDを加えた子機側警報コードを発信する。その子機側警報コードを受信した無線子機a2、a3は、子機側警報コードに含まれたIDを、自身が有する縁組情報と照合し、同じ無線親機Aと縁組した子機a1から発信されたものであるか否かを判断する。同じ無線親機Aと縁組した無線子機a1から発信されたものと判断した場合には、火災警報器1を警報動作させる。これにより、無線親機Aが故障している場合でも、火災の発生が検知された火災警報器1と他の火災警報器1とを連動させることができる。
【0020】
また、本実施形態に係る警報システムの臨時連動警報処理モードにおいて、火災の発生を検知した火災警報器の無線子機a1の設置場所と、他の無線子機、例えば無線子機a3の設置場所との距離が遠い場合には、無線子機a1からの子機側警報コードの電波が無線子機a3までは届かず、その火災警報器1が連動しないことがある。この場合でも、子機側警報コードの電波が届く距離に設置された無線子機、例えば無線子機a2の火災警報器1は連動し、子機側警報コードの電波が届かないほどの場所では火災発生現場からも十分に遠いため火災警報器1は連動しなくても何ら問題はないが、無線子機a1からの子機側警報コードを受信した無線子機a2が、さらに、無線子機a1の子機側警報コードを転送、または火災異常信号に無線子機a2自身のIDを加えた子機側警報コードを発信するようにしてもよい。これにより、無線子機a1からの電波が直接届かない距離に設置された無線子機a3にも、火災異常信号が伝達され、火災警報器1を連動させることができる。
尚、無線子機aの数が多く、警報システムの無線子機aが設置されたエリアが広い時には、さらに無線子機a3や、その他の無線子機aが火災異常信号を伝達することもできる。
【0021】
本実施形態に係る警報システムにおいて、無線親機Aと無線子機a1〜a3とを縁組させる方法としては、例えば、まず、無線子機a1を無線親機Aに近づけた状態で、無線親機Aと無線子機aに設けられた夫々の縁組スイッチ12を共に押下し、交信可能にして、お互いのIDを夫々の不揮発性メモリ14に登録させる。続いて、無線子機a2、a3の夫々に対しても、同様な操作を行うことにより、図1に示すように、無線子機a1〜a3の夫々の不揮発性メモリ14には、無線親機AのIDが登録され、無線親機Aの不揮発性メモリ14には、無線子機a1〜a3のIDが登録された状態とする。この後、全ての縁組作業が終了したタイミングや設置完了したタイミング(例えば、2時間等、所定時間待機させた後)見計らって、無線親機Aから、縁組した無線子機a1〜a3のIDと、無線親機A自身のIDとを含む縁組情報送信コードを発信させる。このコードを無線子機a1〜a3が受信し、夫々の不揮発性メモリ14に登録すれば、無線親機Aと無線子機a1〜a3との間で縁組情報を共有することができるようになる。
【0022】
縁組作業は、この方法に限られるものでなく、お互いのIDを交換する方法であれば、無線、有線を問わず、従来公知の縁組方法を採用することができる。また、縁組作業の際に、不揮発性メモリ14に登録されている全ての情報をお互いの不揮発性メモリ14に登録させることもできる。すなわち、例えば、無線子機a1,a2との縁組が終了した無縁親機Aと無線子機a3とを縁組させる場合において、無線子機a3の不揮発性メモリ14に、無線親機AのIDに加え、既に無線親機Aの不揮発性メモリ14に登録されている無線子機a1,a2のIDを登録させることもできる。尚、本実施形態に係る警報システムにおいては、本発明における識別情報としてIDを用いた場合を例示したが、無線親機A、無線子機aのそれぞれを識別できる情報であれば、特に限定はされず、例えば、無線親機A、無線子機aの設置場所を示す位置情報等であってもよい。
【0023】
尚、警報システムのその他の構成や、警報停止動作等のその他の処理等については、従来公知の警報システムと同様である。
【0024】
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、無線親機Aが故障している状態において、無線子機aが無線親機Aの故障を認識していない場合に、無線子機aの火災警報器1が火災の発生を検知した時の処理について説明する。例えば、無線親機Aが故障していたとしても、無線親機Aが確認要求コードを発信する予定時間経過前であれば、無線子機aは無線親機Aの故障を認識し得ない。このような状態において、図3に示すように、複数の無線子機a1〜a3のうち1つの子機、例えば無線子機a1の火災警報器1が火災の発生を検知すると、無線親機Aの正常時と同様に、火災警報器1はLED5を点灯し、ブザー4による警報音を発し、無線子機a1は火災異常信号に無線子機a1自身のIDを加えた子機側警報コードを発信する。この時、無線親機Aが正常であれば、子機側警報コードを受信した無線親機AがAck信号を発信し、子機側警報コードを発信した無線子機a1がAck信号を受信することにより、無線親機Aが子機側警報コードを正常に受信したことを確認する。しかし、無線親機Aは故障しており、無線子機a1は、子機側警報コードを発信後、所定時間経過してもAck信号を受信しないため、無線親機Aの故障を認識し、改めて他の無線子機aに対して火災異常信号を発信することになる。具体的には、無線子機a1は、他の無線子機a2、a3に対する同報信号として、火災異常信号に無線子機a1自身のID、無線親機AのIDを加えた擬似親機側警報コードを発信する。擬似親機側警報コードを受信した無線子機a2,a3は、擬似親機側警報コードに含まれたIDから縁組した無線親機Aからの火災異常信号と認識し、火災警報器1を警報動作させる。尚、擬似親機側警報コードとしては、例えば、火災異常信号に無線親機AのIDを加えるだけであってもよく、特に限定されない。これにより、無線子機a1が当初から無線親機Aの故障を認識していなかった場合でも、無線子機a1が無線親機Aに代わり同報信号を発信することで通信が可能となり、火災の発生が検知された火災警報器1と他の火災警報器1とを連動させることができる。本実施形態では、無線子機a1は、子機側警報コードを発信後、所定時間経過してもAck信号を受信しない時に無線親機Aの故障を認識する場合を例示した。しかし、この場合に限られるものではなく、例えば、無線子機a1は、子機側警報コードを発信後、所定時間経過しても無線親機Aからの同報信号を受信しなかった場合に無線親機Aの故障を認識してもよい。
【0025】
尚、この場合においても、例えば、擬似親機警報コードに、無線親機Aが故障した情報を含ませてやれば、無線子機a1からの擬似親機側警報コードを受信した無線子機a2が、さらに、擬似親機側警報コードを発信するようにして、無線子機a1からの電波が直接届かない距離に設置された無線子機aにも、火災異常信号を伝達して、火災警報器1を連動させることができる。また、本実施形態の処理では、夫々の無線子機aは、自身のIDに加え、無線親機AのIDのみを認識できればよいため、無線子機aの夫々の不揮発性メモリ14には、他の無線子機aのIDは必ずしも登録する必要はなく、無線親機AのIDのみを登録しておけば足りる。
【0026】
本発明に係る警報システムでは、親機が故障している状態において、前記第1の実施形態の処理のみを行うシステム、前記第2の実施形態の処理のみを行うシステム、前記第1の実施形態の処理と前記第2の実施形態の処理とを組み合わせたシステムのいずれも採用することができる。さらに、従来公知の処理を組み合わせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、警報器が警報発令すると共に、1つの子機が子機側警報コードを発信し、子機側警報コードを受信した親機が親機側警報コードを発信し、親機側警報コードを受信した1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する各種警報システムに適応可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 火災警報器
A 親機
a 子機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、前記複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、前記警報器が警報発令すると共に、前記1つの子機が子機側警報コードを発信し、前記子機側警報コードを受信した前記親機が親機側警報コードを発信し、前記親機側警報コードを受信した前記1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムであって、
前記他の子機の夫々が前記1つの子機が発信する子機側警報コードを認識可能にしてあり、
前記他の子機の夫々が前記親機の故障を認識している場合に、前記1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出し、前記1つの子機が前記子機側警報コードを発信した時には、前記他の子機の少なくとも1つの子機が前記子機側警報コードを受信し、前記子機側警報コードを受信した子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システム。
【請求項2】
前記子機側警報コードを受信した子機の夫々が前記子機側警報コード又は前記子機側警報コードを受信した子機の子機側警報コードを発信する請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
親機と複数の子機の夫々との間で無線通信可能であり、前記複数の子機のうちの1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した時に、前記警報器が警報発令すると共に、前記1つの子機が子機側警報コードを発信し、前記子機側警報コードを受信した前記親機が親機側警報コードを発信し、前記親機側警報コードを受信した前記1つの子機を除く他の子機の夫々に設けられた警報器が警報発令する警報システムであって、
前記1つの子機に設けられた警報器が警報状態を検出した場合に、当該1つの子機が前記親機の故障を認識した時には、当該1つの子機は擬似親機側警報コードを発信する警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−211725(P2010−211725A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59677(P2009−59677)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(591020445)立山科学工業株式会社 (71)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】