説明

負荷制御システム

【課題】利便性を向上した負荷制御システムを提供する。
【解決手段】例えば、火災感知器TR2で火災が感知されると、火災感知器TR2で警報音の鳴動が開始されるとともに火災感知器TR2から他の火災感知器TR1,TR3に火災警報メッセージを含むワイヤレス信号が伝送される。そして、他の火災感知器TR1,TR3でも警報音の鳴動が開始されて全ての火災感知器TR1〜TR3で警報音が鳴動される。さらに、火災感知器TR1から制御装置Cへ火災感知情報を含むワイヤレス信号が送信され、当該ワイヤレス信号を受信した制御装置Cが照明負荷Lを点灯させる。故に、火災感知器TRで火災が感知されると制御装置Cによって照明負荷Lが自動的に点灯させられるので、火災発生時に手動で照明負荷Lを点灯させる必要のある従来例と比較して利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を含む1乃至複数種類の負荷を制御する負荷制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の負荷制御システムとして、特許文献1に記載されているものがある。この従来例は、検知エリア内における人の存在を検知して赤外線や電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信機と、商用交流電源と照明負荷に電線を介して直列接続され、操作ハンドルの操作又は送信機から送信されるワイヤレス信号に応じて商用交流電源からの給電を入/切することで照明負荷を点灯及び消灯する制御装置とで構成されており、制御装置の操作ハンドルを操作して手動で照明負荷を点滅させることもできるし、検知エリア内に人が進入したときに送信機から送信されるワイヤレス信号によって照明負荷を自動的に点灯させることもできる。
【0003】
近年、住宅への火災警報器の設置義務が法制化されたため、既存住宅への施工性の観点からワイヤレス信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが望まれている。かかる火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)をワイヤレス信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−253092号公報
【特許文献2】特開2008−4033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、夜間の就寝中に火災が発生した場合、特許文献2に記載されている火災警報システムが警報音を鳴動することで家人に火災の発生を知らせることはできるが、例え同じ建物(例えば、住宅)内に特許文献1に記載されている負荷制御システムが設置されていても、家人が火元を確認したりあるいは避難する際に照明負荷(照明器具)を手動で点灯させる必要があり、利便性が低いという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、利便性を向上した負荷制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、照明負荷を含む1乃至複数種類の負荷と、負荷を制御する制御装置と、1乃至複数の火災感知器とを有し、火災感知器は、火災を感知する火災感知手段と、火災感知手段で火災を感知したときに電波を媒体とするワイヤレス信号で火災感知情報を送信する送信手段とを備え、制御装置は、前記ワイヤレス信号を受信する受信手段と、受信手段で受信するワイヤレス信号により前記火災感知情報を受け取ったときに照明負荷を点灯させる負荷制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、火災感知器で火災が感知されると制御装置によって照明負荷が自動的に点灯させられるので、火災発生時に手動で照明負荷を点灯させる必要のある従来例と比較して利便性が向上する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記負荷として換気設備を有し、制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに換気設備を排気運転させることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、火災発生時に換気設備を自動的に排気運転させるので、火災に伴って発生する有害なガスや煙などを換気設備で排気することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、制御装置の負荷制御手段は、複数の火災感知器のうちで予め決められた特定の火災感知器から火災感知情報を受け取ったときにのみ負荷を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、複数の火災感知器のうちで特定の火災感知器のみから火災感知情報を含むワイヤレス信号を送信すればよいから、全ての火災感知器から当該ワイヤレス信号を送信する構成と比較してシステム構成が簡素化できる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記特定の火災感知器が複数であることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、制御装置は、前記特定の火災感知器を記憶する記憶手段と、複数の火災感知器の中から前記特定の火災感知器を選択する選択操作を受け付けて当該特定の火災感知器を記憶手段に記憶させる設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明によれば、複数の火災感知器のうちから選択した任意の火災感知器を特定の火災感知器とすることができて利便性が向上する。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、制御装置の負荷制御手段は、複数の火災感知器のうちの少なくとも何れか1つの火災感知器から火災感知情報を受け取ったときに負荷を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明によれば、火災発生時に速やかに照明負荷を点灯させることができる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、操作入力受付手段で操作入力が受け付けられたときに操作入力受付情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えた操作端末器を有し、制御装置の負荷制御手段は、操作端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記操作入力受付情報を受け取ったときに当該操作入力受付情報に応じて負荷を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明によれば、操作端末器を用いて手動で照明負荷を点灯・消灯させることができ、負荷制御システムの利便性がさらに向上する。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか1項の発明において、制御装置は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で操作入力が受け付けられたときに当該操作入力に応じて負荷を制御する前記負荷制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明によれば、制御装置を用いて手動で照明負荷を点灯・消灯させることができ、負荷制御システムの利便性がさらに向上する。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れか1項の発明において、複数の火災感知器は、他の火災感知器から送信されるワイヤレス信号を受信する受信手段と、警報音を鳴動する警報手段と、火災感知手段で火災が感知されたときに警報手段に警報音を鳴動させるとともに送信手段から火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を送信させ、且つ受信手段で他の火災感知器から送信されたワイヤレス信号を受信して前記火災警報メッセージを受け取ったときにも警報手段に警報音を鳴動させる火災連動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明によれば、何れかの火災感知器で火災が感知されると、当該火災感知器だけでなく他の全ての火災感知器からも警報音が鳴動されるので、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、複数の火災感知器の送信手段は、他の火災感知器との間で送受信するワイヤレス信号と負荷制御装置に対して送信するワイヤレス信号とを異なる周波数チャネルに切り換えて送信することを特徴とする。
【0024】
請求項10の発明によれば、複数の火災感知器間で送受信されるワイヤレス信号と、火災感知器と制御装置との間で送受信されるワイヤレス信号との混信を回避することができる。
【0025】
請求項11の発明は、請求項9又は10の発明において、制御装置は、警報音を停止させるための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で警報音停止の操作入力が受け付けられたときに警報音停止メッセージを含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる火災感知器制御手段とを備え、火災感知器の火災連動制御手段は、制御装置から送信されたワイヤレス信号を受信手段で受信して前記警報音停止メッセージを受け取ったときに警報手段に警報音の鳴動を停止させることを特徴とする。
【0026】
請求項11の発明によれば、制御装置を用いて火災感知器による警報音の鳴動を停止させることができる。
【0027】
請求項12の発明は、請求項9〜11の何れか1項の発明において、制御装置は、警報音を鳴動させるための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で警報音鳴動の操作入力が受け付けられたときに警報音鳴動メッセージを含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる火災感知器制御手段とを備え、火災感知器の火災連動制御手段は、制御装置から送信されたワイヤレス信号を受信手段で受信して前記警報音鳴動メッセージを受け取ったときに警報手段に警報音を鳴動させることを特徴とする。
【0028】
請求項12の発明によれば、制御装置を用いて火災感知器が正常に警報音を鳴動させることができるか否かの試験を行うことができる。
【0029】
請求項13の発明は、請求項1〜12の何れか1項の発明において、複数の照明負荷が建物内に設置され、制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに複数の照明負荷のうちで当該建物における避難経路に沿って設置されている照明負荷のみを点灯させることを特徴とする。
【0030】
請求項13の発明によれば、照明負荷を点灯することで人を避難経路へ誘導することができる。
【0031】
請求項14の発明は、請求項13の発明において、前記負荷として電気錠を有し、制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに前記避難経路に沿って設置されている全ての電気錠を解錠させることを特徴とする。
【0032】
請求項14の発明によれば、電気錠が施錠されていることで避難経路に沿った避難ができなくなることを回避できる。
【0033】
請求項15の発明は、請求項1〜14の何れか1項の発明において、建物への侵入に関係する事象を検出する検出手段と、検出手段が前記事象を検出したときに電波を媒体とするワイヤレス信号で防犯検出情報を送信する送信手段とを備えた1乃至複数の防犯センサ装置を有し、制御装置の負荷制御手段は、受信手段で受信するワイヤレス信号により前記防犯検出情報を受け取ったときに照明負荷を点灯させることを特徴とする。
【0034】
請求項15の発明によれば、泥棒などの不審者が建物に侵入しようとしていることが防犯センサ装置で検出されると制御装置によって照明負荷が自動的に点灯させられるので、不審者を威嚇して建物への侵入を防ぐことができるとともに、かかる異常の発生を建物内に居る人に知らしめることができる。
【0035】
請求項16の発明は、請求項15の発明において、前記防犯センサ装置は、建物の外に設定された検知エリア内における人の存否を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
請求項17の発明は、請求項15又は16の発明において、前記防犯センサ装置は、建物の窓に設けられている窓ガラスに加えられる衝撃を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする。
【0037】
請求項18の発明は、請求項15〜17の何れか1項の発明において、前記防犯センサ装置は、建物への出入口の扉若しくは窓の開閉を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
請求項19の発明は、請求項1〜18の何れか1項の発明において、照明負荷の調光レベルを制御する前記制御装置を有するとともに、1乃至複数の照明負荷の調光レベルを1乃至複数通りのシーン毎に記憶する記憶手段と、前記シーンと個別に対応する操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、操作入力受付手段で何れかの操作入力が受け付けられたときに当該操作入力に対応するシーン情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えたシーン操作端末器を有し、1乃至複数の前記制御装置の負荷制御手段は、シーン操作端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記シーン情報を受け取ったときに当該シーン情報に応じて照明負荷の調光レベルを制御することを特徴とする。
【0039】
請求項19の発明によれば、1乃至複数の照明負荷の調光レベルを予め決められた調光レベルに一括して制御することができて利便性が向上する。
【0040】
請求項20の発明は、請求項1〜19の何れか1項の発明において、現在時刻を計時する時計手段と、1乃至複数の照明負荷毎に制御時刻と制御内容の組からなる1乃至複数組のタイマ制御情報を記憶する記憶手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、時計手段が計時する現在時刻が記憶手段に記憶されている何れかのタイマ制御情報の制御時刻と一致したときに当該タイマ制御情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えたタイマ端末器を有し、1乃至複数の前記制御装置の負荷制御手段は、タイマ端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記タイマ制御情報を受け取ったときに当該タイマ制御情報の制御内容に応じて負荷を制御することを特徴とする。
【0041】
請求項20の発明によれば、1乃至複数の負荷を予め決められた時刻に制御することができて利便性が向上する。
【0042】
請求項21の発明は、請求項1〜20の何れか1項の発明において、広域ネットワークを通じてデータ通信を行うネットワーク端末器と、広域ネットワークを通じて当該ネットワーク端末器に負荷制御情報を送信する通信端末とを有し、ネットワーク端末器は、前記データ通信を行うデータ通信手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、データ通信手段が前記負荷制御情報を受信したときに当該負荷制御情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備え、制御装置の負荷制御手段は、ネットワーク端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記負荷制御情報を受け取ったときに当該負荷制御情報に応じて負荷を制御することを特徴とする。
【0043】
請求項21の発明によれば、通信端末(例えば、携帯電話機など)を利用して遠隔から負荷を制御することができて利便性が向上する。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0046】
(実施形態1)
本実施形態の負荷制御システムは、図1に示すように照明負荷Lと、照明負荷Lを制御する制御装置Cと、複数(図示例では3台)の火災感知器(火災警報器)TR1〜TR3と、操作端末器TUとで構成される。但し、制御装置C及び操作端末器TUの台数はそれぞれ2台以上であっても構わない。
【0047】
制御装置Cは、図2(a)に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする制御部10と、商用交流電源ACから照明負荷Lへの給電経路に挿入されたスイッチ要素(リレーや半導体スイッチング素子など)を駆動する負荷制御部11と、アンテナ12を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を受信及び送信するワイヤレス信号送受信部13と、操作入力を受け付ける操作入力受付部14と、商用交流電源ACから給電されて各部の動作電源を作成する電源部15とを備えている。また制御装置Cは、図1に示すように合成樹脂成形品からなる器体16内に上記各部が収納され、器体16の後端部が壁面に設けられた埋込孔に埋め込まれる形で壁に埋込配設される。
【0048】
操作入力受付部14は、複数の押釦スイッチ(図示せず)と、器体16の前面に並設されて複数の押釦スイッチを個別にオン操作するための操作部(操作ハンドル)14a、14bと有しており(図1参照)、操作部14a,14bが押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって各押釦スイッチ(操作部14a,14b)に対応した操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を制御部10に出力する。
【0049】
ワイヤレス信号送受信部13は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送受信するものである。
【0050】
制御部10は、操作入力受付部14から出力される操作信号に応じて負荷制御部11に制御信号を出力する。さらに制御部10は、操作端末器TUから送信されたワイヤレス信号をワイヤレス信号送受信部13で受信し、受信したワイヤレス信号に含まれる情報(後述する)に応じて負荷制御部11に制御信号を出力する。負荷制御部11では、制御部10から出力される制御信号に応じてスイッチ要素を駆動して照明負荷Lを点灯又は消灯する。
【0051】
操作端末器TUは、図2(b)に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする端末器制御部20と、アンテナ21を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部22と、操作入力を受け付ける操作入力受付部23とを備えている。但し、図示は省略するが、電池を電源として端末器制御部20及びワイヤレス信号送信部22に動作電源を供給する電源部も備えている。また、図1に示すように合成樹脂成形品からなる器体24内に上記各部が収納される。
【0052】
ワイヤレス信号送信部22は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するものである。
【0053】
操作入力受付部23は、複数の押釦スイッチ(図示せず)と、器体24の前面に並設されて複数の押釦スイッチを個別にオン操作するための操作部(操作ハンドル)23a、23bとを有しており(図1参照)、操作部23a,23bが押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって各押釦スイッチ(操作部23a,23b)に対応した操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を端末器制御部20に出力する。
【0054】
端末器制御部20は、操作入力受付部23から出力される操作信号に応じた負荷制御情報(負荷制御コマンド)を生成し、当該負荷制御情報を含むワイヤレス信号をワイヤレス信号送信部22より制御装置Cに宛てて送信させる。そして、当該負荷制御情報を受け取った制御装置Cの制御部10が負荷制御部11へ制御信号を出力し、負荷制御部11がスイッチ要素を駆動することで照明負荷Lが制御(点灯又は消灯)されるのである。尚、操作端末器TUの器体24は壁面などに取り付けられるものであって、埋込配設される制御装置Cに比べて自由に設置場所を選択及び変更することが可能である。
【0055】
一方、火災感知器TRは、図3に示すようにアンテナ3から電波を媒体としたワイヤレス信号を送信するとともに他の火災感知器TRが送信したワイヤレス信号をアンテナ3で受信する無線送受信部2と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報(以下、「警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する警報部5と、マイクロコンピュータを主構成要素とし火災感知部4で火災を感知したときに警報部5に警報音を鳴動させるとともに他の火災感知器TRに対して火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を無線送受信部2より送信させる制御部1と、操作入力を受け付ける操作入力受付部6と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部7とを具備している。尚、以下の説明では、個々の火災感知器TRを個別に示す場合は火災感知器TR1,TR2,TR3と表記し、総括して示す場合は火災感知器TRと表記する。各火災感知器TR1〜TR3には固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号によってワイヤレス信号の送信先並びに送信元の火災感知器TR1〜TR3が特定できる。
【0056】
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送受信するものである。また本実施形態における火災感知部4は、火災に伴って発生する煙や炎あるいは熱などを検出することによって火災を感知するものである。
【0057】
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイクロコンピュータで実行することによって後述する各種の機能を実現している。火災感知部4で火災が感知されると、制御部1は警報部5が備えるブザーを駆動して警報音を鳴動させたり、あるいは予めメモリ等に格納されている警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」など)をスピーカに鳴動させることで火災警報を報知するとともに、他の火災感知器TRにおいても火災警報を報知させるため、火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災感知器TRから送信されたワイヤレス信号を無線送受信部2で受信することにより火災警報メッセージを受け取ったときも、制御部1が警報部5を制御して警報音を鳴動させる。
【0058】
また、制御部1ではマイコンに内蔵するタイマで所定の間欠受信間隔を繰り返しカウントするとともに間欠受信間隔のカウントが完了する毎に無線送受信部2を起動して所望の電波(他の火災感知器TRが送信したワイヤレス信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部2を停止して待機状態に移行させることで平均消費電力を大幅に低減している。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部2から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)に基づいて制御部1が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0059】
ここで、電波法施行規則の無線設備規則第49条の17「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備」では、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)が3秒以下、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)が2秒以上とすることが規定されている(同条第5号参照)。このために火災感知器TRの制御部1では、上記無線設備規則に適合する送信期間に無線信号を送信させるとともに休止期間に送信を停止し且つ受信可能な状態としている。
【0060】
さらに、3台のうちの特定の火災感知器(例えば、TR1)の制御部1では、自らの火災感知部4で火災を感知して火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を無線送受信部2から送信させた後、若しくは他の火災感知器(例えば、TR2又はTR3)からワイヤレス信号によって火災警報メッセージを受け取った後、制御装置Cの識別情報(アドレス)を送信先のアドレスとし且つ火災感知情報を含むワイヤレス信号を無線送受信部2から送信させる。但し、火災感知器TR間で送受信されるワイヤレス信号の周波数チャネル(以下、「第1の周波数チャネル」と呼ぶ。)と、制御装置Cと操作端末器TUの間で送受信されるワイヤレス信号の周波数チャネル(以下、「第2の周波数チャネル」と呼ぶ。)とが異なっている場合、当該特定の火災感知器TR1の制御部1は、無線送受信部2の周波数チャネルを第2の周波数チャネルに切り換えて制御装置C宛のワイヤレス信号を送信させる。
【0061】
一方、制御装置Cでは、ワイヤレス信号送受信部13で前記ワイヤレス信号を受信し、制御部10が火災感知情報を受け取ると、制御部10は照明負荷Lを点灯させるための制御信号を負荷制御部11に対して出力し、負荷制御部11が当該制御信号に応じてスイッチ要素をオン駆動することで照明負荷Lが点灯する。
【0062】
例えば、火災感知器TR2で火災が感知されると、火災感知器TR2で警報音の鳴動が開始されるとともに火災感知器TR2から他の火災感知器TR1,TR3に火災警報メッセージを含むワイヤレス信号が伝送されて当該他の火災感知器TR1,TR3でも警報音の鳴動が開始されて全ての火災感知器TR1〜TR3で警報音が鳴動される(以下、この状態を「火災連動状態」と呼ぶ。)。そして、火災感知器TR1から制御装置Cへ火災感知情報を含むワイヤレス信号が送信され、当該ワイヤレス信号を受信した制御装置Cが照明負荷Lを点灯させる。
【0063】
このように本実施形態の負荷制御システムでは、火災感知器TRで火災が感知されると制御装置Cによって照明負荷Lが自動的に点灯させられるので、火災発生時に手動で照明負荷Lを点灯させる必要のある従来例と比較して利便性が向上するという利点がある。尚、本実施形態では制御装置Cによって制御される負荷として照明負荷Lのみを例示しているが、制御対象の負荷は照明負荷Lのみに限定されるものではない。例えば、火災に伴って有毒なガスや煙が発生することが考えられるので、照明負荷Lを点灯させるのと同時に換気設備(図示せず)を排気運転させることで有毒なガスや煙を建物(例えば、住宅)の外に排気(排煙)することが望ましい。特に、最近の住宅には建築基準法によって24時間(常時)換気システムの導入が義務づけられているので、かかる24時間(常時)換気システムに用いられている換気設備を本実施形態の負荷制御システムにおける制御対象の負荷とし、火災感知器TRで火災が感知されたときに制御装置Cによって換気設備(例えば、換気扇など)を自動的に排気運転させることで迅速且つ効率的に排気することが可能である。
【0064】
また、制御装置Cの制御部10は、複数の火災感知器TR1〜TR3のうちで予め決められた特定の火災感知器(本実施形態ではTR1)から火災感知情報を受け取ったときにのみ照明負荷Lを点灯するようにしているので、全ての火災感知器TR1〜TR3から制御装置C宛のワイヤレス信号を送信する構成と比較してシステム構成が簡素化できるという利点がある。但し、本実施形態では1台の火災感知器TR1のみから制御装置C宛のワイヤレス信号を送信するようにしているが、複数台の火災感知器(例えば、TR1とTR2の2台)から当該ワイヤレス信号を送信するようにしても構わない。
【0065】
さらに、火災感知器TRが使用する第1の周波数チャネルと制御装置C及び操作端末器TUが使用する第2の周波数チャネルを同一の周波数チャネルとし、何れかの火災感知器TRから他の火災感知器TR1へ送信された火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を受信したときに制御装置Cの制御部10が負荷制御部11を駆動して照明負荷Lを点灯させるようにすれば、火災感知器TRで火災が感知されてから照明負荷Lが点灯するまでの時間差を縮めることができる。但し、複数の火災感知器TRの中から特定の火災感知器(火災感知器TRの識別符号)を選択する選択操作を制御装置Cの操作入力受付部14で受け付け、選択された火災感知器TR(例えば、TR1)の識別符号を制御部10がメモリ(図示せず)に記憶し、火災警報メッセージを含むワイヤレス信号の送信元アドレスが当該メモリに記憶している識別符号と一致する場合にだけ、制御部10が負荷制御部11に制御信号を出力して照明負荷Lを点灯させるようにしても構わない。このようにすれば、複数の火災感知器TRのうちから選択した任意の火災感知器TRを特定の火災感知器TRとすることができて利便性が向上する。
【0066】
ところで、火災が鎮火したときや火災の感知が誤りであったときには火災感知器TRにおける警報音の鳴動を停止させる必要がある。そのため、各火災感知器TRの制御部1では、操作入力受付部6において警報音を停止させるための操作入力が受け付けられると警報部5による警報音の鳴動を停止させるとともに、他の火災感知器TRに対して火災警報停止メッセージを含むワイヤレス信号を無線送受信部2から送信させ、且つ他の火災感知器TRから火災警報停止メッセージを受け取ったときに警報部5による警報音の鳴動を停止させるようにしている。ここで、制御装置C若しくは操作端末器TUの操作入力受付部14,23でも警報音を停止させるための操作入力を受付可能とし、当該操作入力が操作入力受付部14,23で受け付けられた場合、制御装置C若しくは操作端末器TUから制御装置Cを介して火災警報停止メッセージを含むワイヤレス信号を火災感知器TRに送信すれば、全ての火災感知器TRによる警報音の鳴動を停止させることができる。
【0067】
また、建物内に複数台の火災感知器TRを設置する際、警報音が鳴動することとそれぞれの火災感知器TR間でワイヤレス信号の送受信が可能であることを確認する作業(以下、「テスト作業」と呼ぶ。)が必要である。そのため、各火災感知器TRの制御部1では、操作入力受付部6においてテスト作業を開始させるための操作入力が受け付けられると警報部5に警報音の鳴動を開始させるとともに他の火災感知器TRに警報音の鳴動を開始させるための警報音鳴動メッセージを含むワイヤレス信号を無線送受信部2から送信させるようになっており、他の火災感知器TRでも警報音の鳴動が開始されれば、各火災感知器TR間でワイヤレス信号を正常に送受信できることが確認可能である。ここで、制御装置C若しくは操作端末器TUの操作入力受付部14,23でもテスト作業を開始させるための操作入力を受付可能とし、当該操作入力が操作入力受付部14,23で受け付けられた場合、制御装置C若しくは操作端末器TUから制御装置Cを介して警報音鳴動メッセージを含むワイヤレス信号を火災感知器TRに送信することでテスト作業を実施することができる。
【0068】
(実施形態2)
本実施形態は、図4に示すように伝送制御装置100、監視端末器101、制御端末器102が2線式の信号線Lsで接続されてなる従来周知の遠隔監視制御システム(負荷制御システム)に本発明の技術思想を適用したものである。
【0069】
まず、従来周知である遠隔監視制御システムについて簡単に説明する。図示する遠隔監視制御システムでは、伝送制御装置100に接続された2線式の信号線Lsに、監視端末器101と制御端末器102とがマルチドロップ接続されている。監視端末器101および制御端末器102にはそれぞれ個別のアドレスが設定され、伝送制御装置100はそれらのアドレスを用いて監視端末器101、制御端末器102を個別に認識する。監視端末器101は操作スイッチS1〜S4を備えており、後述するように各操作スイッチS1〜S4の操作状態を監視している。また、制御端末器102は商用交流電源ACから負荷(例えば、照明負荷)Lへの給電経路を開閉する接点を備えたリレー(図示せず)を備えている。
【0070】
次に、遠隔監視制御システムの動作を簡単に説明する。伝送制御装置100は信号線Lsに対して、図6(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。すなわち、信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、監視端末器101や制御端末器102を各別に呼び出すためのアドレスデータAD、監視端末器101や制御端末器102に指示を与える制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、監視端末器101や制御端末器102からの返送信号(監視データ)を受信するタイムスロットである信号返送期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている(図6(b)参照)。各監視端末器101および各制御端末器102では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADがあらかじめ設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込み、送出すべき監視データがあるときには伝送信号Vsの信号返送期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返送する。
【0071】
伝送制御装置100から所望の監視端末器101や制御端末器102にデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、監視端末器101または制御端末器102のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを信号線Lsに送出すれば、アドレスデータADに一致する監視端末器101または制御端末器102が制御データCDを受け取り、信号返送期間WTに監視データを返送する。伝送制御装置100では送出した制御データCDと信号返送期間WTに受信した監視データとの関係によって制御データCDが所望の監視端末器101または制御端末器102に伝送されたことを確認する。制御端末器102は受け取った制御データCDに従ってリレーの接点を開閉して照明負荷Lを点灯又は消灯し、監視端末器101では受け取った制御データCDに従って動作確認のための監視信号を出力する。
【0072】
一方、伝送制御装置100は通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送出しており(常時ポーリング)、監視端末器101が伝送制御装置100に対して何れかの操作スイッチS1〜S4が操作されたことを示す情報を伝送しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図6(c)のような割込信号Viを発生させる。このとき、監視端末器101は割込フラグを設定して伝送制御装置100との以後の情報授受に備える。伝送制御装置100では割込信号Viを受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとしかつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号Vsを送出し、割込信号Viを発生した監視端末器101では、割込ポーリングモードの伝送信号VsのアドレスデータADの上位4ビットが監視端末器101に設定されているアドレスの上位4ビットに一致するときに、信号返送期間WTにアドレスの下位の半数のビットを伝送制御装置100に返送する。このように、伝送制御装置100は割込信号Viを発生した監視端末器101を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で監視端末器101を発見することができる。
【0073】
伝送制御装置100が割込信号Viを発生した監視端末器101のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出するのであって、この伝送信号Vsに対して監視端末器101は伝送しようとする情報(何れかの操作スイッチS1〜S4が操作されたことを示す情報)を信号返送期間WTに返送する。最後に、伝送制御装置100は割込信号Viを発生した監視端末器101に対して割込リセットを指示する信号を送出し、監視端末器101の割込フラグを解除する。以上のようにして、監視端末器101から伝送制御装置100への情報伝送は、伝送制御装置100から監視端末器101への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送制御装置100が所望の制御端末器102の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視データとした伝送信号Vsを送出するだけでよい。
【0074】
要するに、操作スイッチS1〜S4の操作により入力データが発生すると、監視端末器101から入力データに対応した監視データを伝送制御装置100に返送し、この監視データに応じて伝送制御装置100が制御端末器102に制御データCDを伝送すると、制御端末器102がリレーの接点を開閉させて負荷Lを制御するのである。
【0075】
上述した遠隔監視制御システムを用いると、監視端末器101と制御端末器102とのアドレスの対応関係を伝送制御装置100にテーブルの形で設定するだけで操作スイッチS1〜S4と負荷Lとの組み合わせを変えることができ、しかも1つの操作スイッチS1〜S4に複数個の負荷Lを対応付けることも可能であるから、使用目的に応じて操作スイッチS1〜S4と負荷Lとを自在に対応付けることができ、負荷Lの制御の自由度が高くなるという利便性を有している。ここにおいて、1つの操作スイッチS1〜S4によって1回路の負荷Lを制御することを個別制御、1つの操作スイッチS1〜S4によって複数回路の負荷Lを同じ状態に一括して制御することをグループ制御、1つの操作スイッチS1〜S4によって複数回路の負荷Lをあらかじめ設定した状態に制御することをパターン制御と呼んでいる。また、各操作スイッチS1〜S4に対応付けて設定するアドレスであって、個別制御に用いるアドレスを個別アドレス、グループ制御に用いるアドレスをグループアドレス、パターン制御に用いるアドレスをパターンアドレスと呼んでいる。ここに、個別アドレスは対応関係のある操作スイッチS1〜S4と負荷Lとに同じアドレスが付与され、操作スイッチS1〜S4(つまり監視端末器101)か負荷L(つまり制御端末器102)かはアドレスデータの一部を構成する種別データで識別される。したがって、監視端末器101と制御端末器102とに同じアドレスを設定しておけば、その監視端末器101と制御端末器102とは一対一に対応することになる。
【0076】
本実施形態における制御装置Cは、上述した遠隔監視制御システムの端末器として機能するものであって、図5に示すように負荷制御部11の代わりに信号線LSを介して伝送制御装置100との間で伝送信号Vsを送受信するための伝送信号送受信部16を備えている。但し、制御装置Cのその他の構成、並びに操作端末器TUと火災感知器TRの構成については基本的に実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0077】
制御装置Cには他の端末器(監視端末器101及び制御端末器102)と同様に個別のアドレスが設定されている。制御部10では、操作入力受付部14で照明負荷Lを制御(点灯又は消灯)するための操作入力が受け付けられるか、あるいは操作端末器TUから負荷制御情報を含むワイヤレス信号を受信するか、若しくは火災感知器TRから火災感知情報を含むワイヤレス信号を受信したら、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて割込信号Viを発生させる。そして、当該割込信号Viを受信した伝送制御装置100が割込ポーリングモードの伝送信号Vsによって制御装置Cのアドレスを獲得し、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。この伝送信号Vsに対して制御装置Cの制御部10は、操作入力受付部14で照明負荷Lを制御(点灯又は消灯)するための操作入力が受け付けられた場合、あるいは操作端末器TUから負荷制御情報を含むワイヤレス信号を受信した場合、若しくは火災感知器TRから火災感知情報を含むワイヤレス信号を受信した場合のそれぞれに対応した情報(個別アドレス又はグループアドレス又はパターンアドレス)を信号返送期間WTに返送する。伝送制御装置100では、制御装置Cから受け取った前記情報に対応する制御データCDを生成し、制御装置Cのアドレスと対応関係のあるアドレス、すなわち、前記個別アドレス又はグループアドレス又はパターンアドレスと同一のアドレスが設定されている制御端末器102に対して当該制御データCDを含む伝送信号Vsを送信する。そして、当該制御データCDを受け取った制御端末器102が負荷Lを制御するのである。
【0078】
ここで、建物における避難経路(例えば、住宅における寝室から玄関までの経路)に沿って設置されている照明負荷Lを制御する制御端末器102と、制御装置Cとに同一のグループアドレスを設定しておけば、火災感知器TRで火災が感知されたときに当該避難経路に沿って設置されている照明負荷Lのみを点灯させることで人をスムーズに避難経路へ誘導することができる。さらに、制御対象の負荷Lとして電気錠を有しており、かかる電気錠が避難経路に沿って設置されている場合、照明負荷Lを制御する制御端末器102と電気錠を制御する制御端末器102と制御装置Cとに、照明負荷Lを点灯するとともに電気錠を解錠するパターンアドレスを共通に設定しておけば、火災感知器TRで火災が感知されたときに当該避難経路に沿って設置されている電気錠が全て自動的に解錠されるので、避難経路に沿って設置されている何れかの電気錠が施錠されていることで避難経路に沿った避難ができなくなることを回避できる。
【0079】
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態1の負荷制御システムに複数種類の防犯センサ装置を追加したものである。
【0080】
第1の防犯センサ装置SS1は、図7(a)に示すように人体から放射される熱線(赤外線)を焦電素子により検知することで検知エリア内における人の存否を検出する熱線センサ部30と、アンテナ32を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部31とを備え、熱線センサ部30で人の存在が検出されたときにワイヤレス信号送信部31から人体検出情報を含むワイヤレス信号を送信するものである。但し、熱線センサ部30の構成は従来周知であるから詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
【0081】
第2の防犯センサ装置SS2は、図7(b)に示すように建物の窓ガラスに加えられる衝撃を加速度センサなどを用いて検出する衝撃センサ部33と、アンテナ35を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部34とを備え、衝撃センサ部33で窓ガラスに衝撃が加えられたことを検出したときにワイヤレス信号送信部34から衝撃検出情報を含むワイヤレス信号を送信するものである。但し、衝撃センサ部33の構成は従来周知であるから詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
【0082】
第3の防犯センサ装置SS3は、図7(c)に示すように建物への出入口の扉若しくは窓の開閉を検出する開閉センサ部36と、アンテナ38を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部37とを備え、開閉センサ部36で扉若しくは窓が開閉されたこと(特に開かれたこと)を検出したときにワイヤレス信号送信部37から開閉検出情報を含むワイヤレス信号を送信するものである。尚、開閉センサ部36は、例えば、扉や窓に取り付けられた永久磁石と扉枠又は窓枠に取り付けられたリードスイッチとを有し、扉又は窓が閉じられているときは永久磁石の磁力によってリードスイッチがオンとなり、扉又は窓が開けられたときに永久磁石の磁力が作用しなくなってリードスイッチがオフするような構成を有しているが、このような構成は従来周知であるから詳細な構成の図示並びに説明は省略する。また、第1〜第3の防犯センサ装置SS1〜SS3のワイヤレス信号送信部31,34,37は、何れも電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する。
【0083】
本実施形態においては、第1の防犯センサ装置SS1を建物の屋外に設置して建物周辺を検知エリアに設定し、第2及び第3の防犯センサ装置SS2,SS3を建物の窓部分に設置して窓ガラスの破壊(衝撃印加)と窓の開閉とを検出するようにしている。
【0084】
例えば、泥棒などの不審者が建物周辺の検知エリア内に侵入し、第1の防犯センサ装置SS1で当該不審者の存在が検出されて人体検出情報を含むワイヤレス信号がワイヤレス信号送信部31から送信される。制御装置Cにおいては、第1の防犯センサ装置SS1から送信されたワイヤレス信号をワイヤレス信号送受信部13で受信することで制御部10が人体検出情報を受け取る。そして、人体検出情報を受け取った制御部10は、負荷制御部11へ制御信号を出力して照明負荷Lを点灯させる。すなわち、建物(住戸)内の照明が消灯していることから当該住戸の住人が就寝しているとみなして不審者が住戸に近付いた場合、当該不審者を第1の防犯センサ装置SS1で検出して制御装置Cが自動的に照明負荷Lを点灯させることにより、不審者を威嚇して住戸への侵入を防ぐことができるとともに、かかる異常の発生を住戸内の住人に知らしめることができる。
【0085】
また、不審者が検知エリアを通らずに建物(住戸)に接近し、住戸内に入るために窓ガラスを破壊しようとした場合、第2の防犯センサ装置SS2で窓ガラスに加えられた衝撃を検出して衝撃検出情報を含むワイヤレス信号がワイヤレス信号送信部34から送信される。制御装置Cにおいては、第2の防犯センサ装置SS2から送信されたワイヤレス信号をワイヤレス信号送受信部13で受信することで制御部10が衝撃検出情報を受け取り、衝撃検出情報を受け取った制御部10が、負荷制御部11へ制御信号を出力して照明負荷Lを点灯させる。すなわち、建物(住戸)内に侵入するために不審者が窓ガラスを破壊しようとした場合、当該不審者によって窓ガラスに加えられた衝撃を第2の防犯センサ装置SS2で検出して制御装置Cが自動的に照明負荷Lを点灯させることにより、不審者を威嚇して住戸への侵入を防ぐことができるとともに、かかる異常の発生を住戸内の住人に知らしめることができる。
【0086】
あるいは、窓に設置されている鍵が掛け忘れられていて不審者が当該窓を開けた場合、第3の防犯センサ装置SS3で窓が開けられたことを検出して開閉検出情報を含むワイヤレス信号がワイヤレス信号送信部37から送信される。制御装置Cにおいては、第3の防犯センサ装置SS3から送信されたワイヤレス信号をワイヤレス信号送受信部13で受信することで制御部10が開閉検出情報を受け取り、開閉検出情報を受け取った制御部10が、負荷制御部11へ制御信号を出力して照明負荷Lを点灯させる。すなわち、建物(住戸)内に侵入するために不審者が窓を開けた場合、当該不審者によって窓が開けられたことを第3の防犯センサ装置SS3で検出して制御装置Cが自動的に照明負荷Lを点灯させることにより、不審者を威嚇して住戸への侵入を防ぐことができるとともに、かかる異常の発生を住戸内の住人に知らしめることができる。
【0087】
尚、本実施形態では第1〜第3の防犯センサ装置SS1〜SS3を全て有するシステム構成を例示したが、必ずしも第1〜第3の防犯センサ装置SS1〜SS3を全て設置する必要はなく、少なくとも何れか1種類の防犯センサ装置を設置していればよい。また、防犯センサ装置の種類も本実施形態の3種類の防犯センサ装置SS1〜SS3に限定されるものではなく、建物への侵入に関係する事象として人の存否や窓ガラスの破壊若しくは窓の開閉以外の事象を検出する防犯センサ装置を有するシステム構成であっても構わない。
【0088】
また本実施形態によれば、実施形態1又は実施形態2に示したような防災向けの避難誘導システムと、防犯センサ装置を利用する防犯システムとを別々に設置して両システムを連携させる新たなシステムを再構築する手間が要らず、制御装置Cを介して両システムを容易に連携させることが可能である。
【0089】
(実施形態4)
本実施形態の負荷制御システムは、図8に示すように複数(図示例では3台)の照明負荷Lと、各々照明負荷Lを制御する複数(図示例では3台)の制御装置C1,C2,C3と、複数(図示例では3台)の火災警報器TR1〜TR3と、操作端末器TU1と、シーン操作端末器TU2と、タイマ端末器TU3とで構成される。但し、火災警報器TR1〜TR3並びに制御装置C1〜C3、操作端末器TU1については実施形態1と共通であるから説明は省略する。
【0090】
シーン操作端末器TU2は、図9(a)に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする端末器制御部40と、アンテナ41を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部42と、操作入力を受け付ける操作入力受付部43と、各照明負荷Lの調光レベルを1乃至複数通りのシーン毎に記憶する記憶部44とを備えている。但し、図示は省略するが、電池を電源として端末器制御部40及びワイヤレス信号送信部42に動作電源を供給する電源部も備えている。また、図8に示すように合成樹脂成形品からなる器体45内に上記各部が収納される。
【0091】
ワイヤレス信号送信部42は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するものである。
【0092】
記憶部44は電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリなど)からなり、各制御装置C1,C2,C3の識別情報(アドレス)とそれぞれの制御装置C1,C2,C3の制御対象である照明負荷Lの調光レベル(定格点灯時を100%としたときの比率で表す。)との組からなるシーンデータをシーン番号と対応付けて記憶している。例えば、シーン番号1のシーンデータは、制御装置C1,C2,C3のアドレスにそれぞれ80%,50%,100%の調光レベルを対応させ、シーン番号2のシーンデータは、制御装置C1,C2,C3のアドレスにそれぞれ100%,20%,0%の調光レベルを対応させ、シーン番号3のシーンデータは、制御装置C1,C2,C3のアドレスにそれぞれ50%,100%,80%の調光レベルを対応させている。尚、それぞれのシーン番号1〜3に対してシーンデータを設定して記憶部44に記憶させる方法としては、例えば、シーン操作端末器TU2の操作入力受付部43に設定用のスイッチを設け、当該スイッチを操作することでシーンデータを設定する方法などが考えられる。但し、この種の設定方法については従来周知の技術で実現できるから詳細な説明は省略する。
【0093】
操作入力受付部43は、複数の押釦スイッチ(図示せず)と、器体45の前面に並設されて複数の押釦スイッチを個別にオン操作するための操作部(操作ハンドル)43a、43b、43cとを有しており(図8参照)、操作部43a,43b、43cが押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって各押釦スイッチ(操作部43a,43b、43c)に対応した操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を端末器制御部40に出力する。ここで、操作部43a,43b、43cが押操作されたときに受け付けられる操作入力が記憶部44に記憶されているシーン番号1〜3と一対一に対応しており、例えば、操作部43aが押操作されるとシーン番号1を選択する操作信号が操作入力受付部43から端末器制御部40に出力されることになる。
【0094】
端末器制御部40は、操作入力受付部43から出力される操作信号に応じた負荷制御情報(負荷制御コマンド)を生成し、当該負荷制御情報を含むワイヤレス信号をワイヤレス信号送信部42より各制御装置C1,C2,C3に宛てて送信させる。例えば、シーン番号1を選択する操作信号を受け取ったとすれば、端末器制御部40は、記憶部44に記憶されているシーン番号1に対応するシーンデータを読み出し、当該シーンデータに応じた負荷制御情報、すなわち、制御装置C1に対しては80%の調光レベル、制御装置C2に対しては50%の調光レベル、制御装置C3に対しては100%の調光レベルでそれぞれ照明負荷Lを調光点灯させる負荷制御コマンドを生成する。
【0095】
そして制御装置C1,C2,C3においては、シーン操作端末器TU2からワイヤレス信号で受け取った負荷制御コマンドに応じて、制御部10が負荷制御部11へ制御信号を出力し、負荷制御部11によって負荷制御コマンドで指示された調光レベルで照明負荷Lを調光点灯させるのである。ここで、照明負荷Lが白熱灯又は発光ダイオードである場合、負荷制御部11がスイッチ要素(半導体スイッチング素子)をスイッチングして単位時間当たりに照明負荷Lに供給される給電量を調整することで調光可能である。また、照明負荷Lが調光機能付の蛍光灯照明器具である場合、負荷制御部11が調光レベルに対応した調光信号を生成して照明負荷Lに与えることで調光可能である。但し、照明負荷Lを調光点灯する技術については従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0096】
一方、タイマ端末器TU3は、図9(b)に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする端末器制御部50と、アンテナ51を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部52と、操作入力を受け付ける操作入力受付部53と、現在時刻を計時する時計部54と、各照明負荷L毎に制御時刻と制御内容の組からなる1乃至複数組のタイマ制御情報を記憶する記憶部55とを備えている。但し、図示は省略するが、電池を電源として端末器制御部50及びワイヤレス信号送信部52、時計部54に動作電源を供給する電源部も備えている。また、図8に示すように合成樹脂成形品からなる器体56内に上記各部が収納される。尚、端末器制御部50を構成するマイクロコンピュータに内蔵されている内蔵時計で現在時刻を計時すれば時計部54を省略することができる。
【0097】
ワイヤレス信号送信部52は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するものである。
【0098】
記憶部55は電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリなど)からなり、各制御装置C1,C2,C3の識別情報(アドレス)とそれぞれの制御装置C1,C2,C3の制御対象である照明負荷Lを制御する時刻(制御時刻)と制御内容(点灯、消灯あるいは調光レベルの変更)との組からなるタイマ制御情報をタイマ番号と対応付けて記憶している。例えば、タイマ番号1のタイマ制御情報は、制御装置C1のアドレスに制御時刻(午後7時)と制御内容(点灯)を対応させ、タイマ番号2のタイマ制御情報は、制御装置C1のアドレスに制御時刻(午前0時)と制御内容(消灯)を対応させ、タイマ番号3のタイマ制御情報は、制御装置C2のアドレスに制御時刻(午後6時)と制御内容(点灯)を対応させ、タイマ番号4のタイマ制御情報は、制御装置C2のアドレスに制御時刻(午前4時)と制御内容(消灯)を対応させている。尚、それぞれのタイマ番号1〜4に対してタイマ制御情報を設定して記憶部55に記憶させる方法としては、例えば、タイマ端末器TU3の操作入力受付部53にタイマ設定用のスイッチを設け、当該タイマスイッチを操作することでタイマ制御情報を設定する方法などが考えられる。但し、この種の設定方法については従来周知の技術で実現できるから詳細な説明は省略する。
【0099】
操作入力受付部53は、押釦スイッチ(図示せず)と、器体56の前面に並設されて押釦スイッチをオン操作するための操作部(操作ハンドル)53aとを有しており(図8参照)、操作部53aが押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を端末器制御部50に出力する。例えば、操作部53aが押操作されると全ての照明負荷Lを一括して点灯又は消灯するための操作信号が操作入力受付部53から端末器制御部50に出力される。
【0100】
端末器制御部50は、時計部54が計時する現在時刻が何れかのタイマ番号1〜4の制御時刻に一致すると、制御時刻が現在時刻に一致した当該タイマ番号1〜4のタイマ制御情報を記憶部55から読み出し、当該タイマ制御情報の制御内容に応じた負荷制御情報、例えば、タイマ番号1のタイマ制御情報であれば、照明負荷Lを点灯させる負荷制御コマンドを生成し、当該負荷制御コマンドを含むワイヤレス信号をワイヤレス信号送信部52より制御装置C1に宛てて送信させる。そして、当該負荷制御コマンドを受け取った制御装置C1の制御部10が負荷制御部11へ制御信号を出力し、負荷制御部11がスイッチ要素を駆動することで照明負荷Lが制御(点灯)されるのである。
【0101】
ここで、本実施形態のタイマ端末器TU3の使用方法として、照明負荷Lを毎日決まった時刻に点灯、消灯させることで、家人が在宅していると思わせて、空き巣等の犯罪を抑制するといった使用方法が考えられる。但し、タイマ端末木TU3によるタイマ制御の対象となる負荷は照明負荷Lに限定されるものではない。
【0102】
(実施形態5)
本実施形態は、図10に示すように実施形態1の負荷制御システムにネットワーク端末器TU4、通信端末(携帯電話機MP)、ネットワーク通信装置NCを追加したものである。
【0103】
通信端末である携帯電話機MPは、携帯電話事業者の携帯電話網(図示せず)を介して広域ネットワーク(インターネット)に接続され、広域ネットワークを通じてデータ通信を行う機能を有している。またネットワーク通信装置NCは、電話回線やCATV回線あるいは光ファイバ回線などを介して広域ネットワークに接続され、広域ネットワークを通じてデータ通信を行うものであって、例えば、ルータ機能を有するADSLモデムやケーブルモデムあるいはONU(Optical Network Unit)等で構成される。そして、携帯電話機MPから送信されるデータが広域ネットワークを通じてネットワーク通信装置NCに到達し、ネットワーク通信装置NCを介してネットワーク端末器TU4で受信される。但し、このような携帯電話機MPやネットワーク通信装置NCについては従来周知であるから詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
【0104】
ネットワーク端末器TU4は、マイクロコンピュータを主構成要素とする端末器制御部60と、アンテナ61を介して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するワイヤレス信号送信部62と、UTPケーブルからなるLANケーブルLsを介してネットワーク通信装置NCとの間でデータ通信を行うためのLANインタフェース(I/F)部63とを備えている。
【0105】
ワイヤレス信号送信部62は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するものである。
【0106】
LANインタフェース部63は、IEEE 802.3uとして標準化されている100BASE−TXなどのファースト・イーサネット(登録商標)に準拠し、端末器制御部60から受け取ったデータをイーサネット(登録商標)のパケットに変換してLANケーブルLsを介して送信するとともにネットワーク通信装置NCからLANケーブルLsを介して受信したイーサネット(登録商標)のパケットを元のデータに変換して端末器制御部60に渡す機能を有している。
【0107】
端末器制御部60は、ネットワーク通信装置NCを介して携帯電話機MPから受け取る負荷制御情報に応じた負荷制御コマンド(例えば、照明負荷Lの点灯を指示するコマンド)を生成し、当該負荷制御コマンドを含むワイヤレス信号をワイヤレス信号送信部62より制御装置Cに宛てて送信させる。そして、当該負荷制御コマンドを受け取った制御装置Cの制御部10が負荷制御部11へ制御信号を出力し、負荷制御部11がスイッチ要素を駆動することで照明負荷Lが制御(点灯)される。
【0108】
而して本実施形態では、携帯電話機MPを用いて宅外から宅内の負荷(本実施形態では照明負荷L)を制御(点灯又は消灯)することができ、例えば、外出先から照明負荷Lを点灯、消灯させることで、家人が在宅していると思わせて、空き巣等の犯罪を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施形態1を示すシステム構成図である。
【図2】(a)は同上における制御装置のブロック図、(b)は同上における操作端末器のブロック図である。
【図3】同上における火災感知器のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2を示すシステム構成図である。
【図5】同上における制御装置のブロック図である。
【図6】(a)〜(c)は伝送信号の説明図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の実施形態3における防犯センサ装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態4を示すシステム構成図である。
【図9】(a)は同上におけるシーン操作端末器のブロック図、(b)は同上におけるタイマ端末器のブロック図である。
【図10】本発明の実施形態5を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0110】
C 制御装置
TU 操作端末器
TR 火災感知器
AC 商用交流電源
L 負荷(照明負荷)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明負荷を含む1乃至複数種類の負荷と、負荷を制御する制御装置と、1乃至複数の火災感知器とを有し、
火災感知器は、火災を感知する火災感知手段と、火災感知手段で火災を感知したときに電波を媒体とするワイヤレス信号で火災感知情報を送信する送信手段とを備え、
制御装置は、前記ワイヤレス信号を受信する受信手段と、受信手段で受信するワイヤレス信号により前記火災感知情報を受け取ったときに照明負荷を点灯させる負荷制御手段とを備えたことを特徴とする負荷制御システム。
【請求項2】
前記負荷として換気設備を有し、
制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに換気設備を排気運転させることを特徴とする請求項1記載の負荷制御システム。
【請求項3】
制御装置の負荷制御手段は、複数の火災感知器のうちで予め決められた特定の火災感知器から火災感知情報を受け取ったときにのみ負荷を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の負荷制御システム。
【請求項4】
前記特定の火災感知器が複数であることを特徴とする請求項3記載の負荷制御システム。
【請求項5】
制御装置は、前記特定の火災感知器を記憶する記憶手段と、複数の火災感知器の中から前記特定の火災感知器を選択する選択操作を受け付けて当該特定の火災感知器を記憶手段に記憶させる設定手段とを備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の負荷制御システム。
【請求項6】
制御装置の負荷制御手段は、複数の火災感知器のうちの少なくとも何れか1つの火災感知器から火災感知情報を受け取ったときに負荷を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の負荷制御システム。
【請求項7】
操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、操作入力受付手段で操作入力が受け付けられたときに操作入力受付情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えた操作端末器を有し、
制御装置の負荷制御手段は、操作端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記操作入力受付情報を受け取ったときに当該操作入力受付情報に応じて負荷を制御することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項8】
制御装置は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で操作入力が受け付けられたときに当該操作入力に応じて負荷を制御する前記負荷制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項9】
複数の火災感知器は、他の火災感知器から送信されるワイヤレス信号を受信する受信手段と、警報音を鳴動する警報手段と、火災感知手段で火災が感知されたときに警報手段に警報音を鳴動させるとともに送信手段から火災警報メッセージを含むワイヤレス信号を送信させ、且つ受信手段で他の火災感知器から送信されたワイヤレス信号を受信して前記火災警報メッセージを受け取ったときにも警報手段に警報音を鳴動させる火災連動制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項10】
複数の火災感知器の送信手段は、他の火災感知器との間で送受信するワイヤレス信号と負荷制御装置に対して送信するワイヤレス信号とを異なる周波数チャネルに切り換えて送信することを特徴とする請求項9記載の負荷制御システム。
【請求項11】
制御装置は、警報音を停止させるための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で警報音停止の操作入力が受け付けられたときに警報音停止メッセージを含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる火災感知器制御手段とを備え、
火災感知器の火災連動制御手段は、制御装置から送信されたワイヤレス信号を受信手段で受信して前記警報音停止メッセージを受け取ったときに警報手段に警報音の鳴動を停止させることを特徴とする請求項9又は10記載の負荷制御システム。
【請求項12】
制御装置は、警報音を鳴動させるための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で警報音鳴動の操作入力が受け付けられたときに警報音鳴動メッセージを含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる火災感知器制御手段とを備え、
火災感知器の火災連動制御手段は、制御装置から送信されたワイヤレス信号を受信手段で受信して前記警報音鳴動メッセージを受け取ったときに警報手段に警報音を鳴動させることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項13】
複数の照明負荷が建物内に設置され、
制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに複数の照明負荷のうちで当該建物における避難経路に沿って設置されている照明負荷のみを点灯させることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項14】
前記負荷として電気錠を有し、
制御装置の負荷制御手段は、前記火災感知情報を受け取ったときに前記避難経路に沿って設置されている全ての電気錠を解錠させることを特徴とする請求項13記載の負荷制御システム。
【請求項15】
建物への侵入に関係する事象を検出する検出手段と、検出手段が前記事象を検出したときに電波を媒体とするワイヤレス信号で防犯検出情報を送信する送信手段とを備えた1乃至複数の防犯センサ装置を有し、
制御装置の負荷制御手段は、受信手段で受信するワイヤレス信号により前記防犯検出情報を受け取ったときに照明負荷を点灯させることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項16】
前記防犯センサ装置は、建物の外に設定された検知エリア内における人の存否を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする請求項15記載の負荷制御システム。
【請求項17】
前記防犯センサ装置は、建物の窓に設けられている窓ガラスに加えられる衝撃を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする請求項15又は16記載の負荷制御システム。
【請求項18】
前記防犯センサ装置は、建物への出入口の扉若しくは窓の開閉を検出する前記検出手段を備えたことを特徴とする請求項15〜17の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項19】
照明負荷の調光レベルを制御する前記制御装置を有するとともに、
1乃至複数の照明負荷の調光レベルを1乃至複数通りのシーン毎に記憶する記憶手段と、前記シーンと個別に対応する操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、操作入力受付手段で何れかの操作入力が受け付けられたときに当該操作入力に対応するシーン情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えたシーン操作端末器を有し、
1乃至複数の前記制御装置の負荷制御手段は、シーン操作端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記シーン情報を受け取ったときに当該シーン情報に応じて照明負荷の調光レベルを制御することを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項20】
現在時刻を計時する時計手段と、1乃至複数の照明負荷毎に制御時刻と制御内容の組からなる1乃至複数組のタイマ制御情報を記憶する記憶手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、時計手段が計時する現在時刻が記憶手段に記憶されている何れかのタイマ制御情報の制御時刻と一致したときに当該タイマ制御情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備えたタイマ端末器を有し、
1乃至複数の前記制御装置の負荷制御手段は、タイマ端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記タイマ制御情報を受け取ったときに当該タイマ制御情報の制御内容に応じて負荷を制御することを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項21】
広域ネットワークを通じてデータ通信を行うネットワーク端末器と、広域ネットワークを通じて当該ネットワーク端末器に負荷制御情報を送信する通信端末とを有し、
ネットワーク端末器は、前記データ通信を行うデータ通信手段と、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信する送信手段と、データ通信手段が前記負荷制御情報を受信したときに当該負荷制御情報を含むワイヤレス信号を送信手段から送信させる端末制御手段とを備え、
制御装置の負荷制御手段は、ネットワーク端末器から送信されるワイヤレス信号を受信手段で受信することで前記負荷制御情報を受け取ったときに当該負荷制御情報に応じて負荷を制御することを特徴とする請求項1〜20の何れか1項に記載の負荷制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−152416(P2010−152416A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312671(P2008−312671)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】