説明

走行可能距離表示装置

【課題】煩雑な操作を要することなく、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握し得る情報を常時表示することによって、有料道路の利用の可否および給電の要否を簡便かつ迅速に判断することができる「走行可能距離表示装置」を提供すること。
【解決手段】自車位置が一般道上にある場合には、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフGと有料道路利用時走行可能距離を示すグラフGとを表示するとともに、一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンIを一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフG上における該当する位置に、有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンIを有料道路利用時走行可能距離を示すグラフG上における該当する位置にそれぞれ表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能距離表示装置に係り、特に、電気自動車において、自車のバッテリ残容量に応じた走行可能距離を表示するのに好適な走行可能距離表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気を動力源としてモータによって走行する電気自動車は、ガソリン車に比べて高速道路の走行時におけるエネルギ効率が悪く、一般道の走行時と高速道路の走行時とで走行可能距離の違いが顕著となることが知られていた。
【0003】
すなわち、電気自動車は、加減速が頻繁に要求される市街地の一般道においては、回生ブレーキによるエネルギ回収量を確保することができるため電費が比較的良くなるが、高速道路においては、回生ブレーキを利用する機会が極めて少ない上に、本来低速回転を得意とするモータが苦手な中高速回転を維持しなければならないため、一般道の走行時に比べて電費の悪化が著しい。
【0004】
一方、ガソリン車は、高速道路の走行時の方が一般道の走行時に比べて燃費が良くなることが知られている。
【0005】
したがって、電気自動車は、自車が高速道路を走行する場合に自車がエネルギ切れとならずにエネルギを供給可能な場所に到達できるか否かをユーザに事前通知することに対する要求が、ガソリン車に比べて高いといえる。
【0006】
このような要求に対応した従来技術としては、これまでにも、例えば、特許文献1乃至5に示すような技術が存在する。
【0007】
すなわち、特許文献1には、目的地までの経路を探索した上で、探索された経路に含まれる自動車専用道路上に、エネルギ残量に応じた到達可能なエネルギ補給施設が存在しない場合には、当該自動車専用道路に進入する前に最寄りのエネルギ補給施設でのエネルギ補給の必要性を報知する技術が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、車載端末とETCの入口ゲートに設置された路側機との間での狭域通信によって、現在の燃料残量に応じた到達可能な高速道路上の燃料供給施設が存在しないことが確認された場合には、車載端末側で高速道路の本線への進入を禁止する警報を発する技術が開示されている。
【0009】
さらに、特許文献3には、バッテリの残容量に応じた走行可能距離を示す走行可能範囲を道路地図上に表示するとともに、当該道路地図上に、走行可能範囲内にある給電所を表示する技術が開示されている。
【0010】
さらにまた、特許文献4には、自車位置周辺の電気エネルギ供給スタンドを地図上に色分け表示し、例えば、残りのバッテリ容量によって問題なく到達可能なスタンドは青色のマークで、やや走行に不安があるスタンドは赤色のマークでそれぞれ表示する技術が開示されている。
【0011】
また、特許文献5には、エネルギの残量に応じた走行可能範囲と、この走行可能範囲内のエネルギ補給ポイントとを地図上に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−46572号公報
【特許文献2】特開2005−37266号公報
【特許文献3】特開平7−85397号公報
【特許文献4】特開平9−210702号公報
【特許文献5】特開2003−21522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1の技術においては、目的地を設定しなければ自動車専用道路上に到達可能なエネルギ補給施設が存在しないことを知ることができないため、目的地を設定せずに自走によって自動車専用道路を走行するユーザがバッテリ切れによって走行不可能となることを救うことができない虞がある。
【0014】
また、特許文献2の技術には、高速道路の入口ゲートを通過しなければ高速道路上の到達可能な燃料供給施設の有無を確認することができないため、到達可能な燃料供給施設が存在しないことが分かったときには既に入口ゲートを通過してしまっているといった警報のタイミングの遅さの問題がある。
【0015】
さらに、特許文献3乃至5の技術においては、走行可能距離(範囲)および給電可能ポイントを地図上に表示するため、自車位置や地図の縮尺によっては、ユーザが欲しい情報を容易に取得することができないケースが想定される。例えば、狭域(大縮尺)の地図の場合には、表示される給電可能ポイントの数が少なすぎるため、走行可能範囲における未表示エリアにどの程度の数の給電可能ポイントが存在するのかを一度に把握することができず、これを解消するには煩雑な縮尺変更操作を要するといった問題がある。
【0016】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、煩雑な操作を要することなく、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握し得る情報を常時表示することによって、有料道路の利用の可否および給電の要否を簡便かつ迅速に判断することができ、ひいては、電欠による走行不能を未然に回避することができる走行可能距離表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するため、本発明に係る走行可能距離表示装置は、自車のバッテリ残容量に応じた前記自車の走行可能距離を表示部に表示する走行可能距離表示装置であって、地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、前記バッテリ残容量を取得するバッテリ残容量取得手段と、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置が一般道上にある場合に、前記バッテリ残容量取得手段によって取得された前記バッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が一般道のみを走行する場合に走行可能な距離である一般道限定利用時走行可能距離を計算する一般道利用時走行可能距離計算手段と、前記検出された自車位置が一般道上にある場合に、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置に最寄りの有料道路の入口を検索する有料道路入口検索手段と、この有料道路入口検索手段によって前記入口が検出された上で、前記取得されたバッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が前記有料道路入口検索手段によって検出された前記入口まで一般道を走行した後に当該検出された入口から前記有料道路を走行する場合に走行可能な距離である有料道路利用時走行可能距離を計算する有料道路利用時走行可能距離計算手段と、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置からの距離が前記一般道利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記一般道限定利用時走行可能距離以内とされた一般道上の給電可能ポイントを検索する一般道上給電可能ポイント検索手段と、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置からの距離が前記有料道路利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路利用時走行可能距離以内とされた前記有料道路上の給電可能ポイントを検索する有料道路上給電可能ポイント検索手段と、前記算出された一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフと前記算出された前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフとを前記表示部に同時に表示する走行可能距離表示手段と、この走行可能距離表示手段によって表示された前記一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記一般道上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示する一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段と、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記有料道路上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示する有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成によれば、自車位置が一般道上にある場合には、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフと有料道路利用時走行可能距離を示すグラフとを表示部に同時に表示するとともに、一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における自車位置から一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを有料道路利用時走行可能距離を示すグラフ上における自車位置から有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置にそれぞれ表示することによって、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握することができる。この結果、煩雑な操作を要することなく、一般道上において、最寄りの有料道路の入口からの有料道路の利用の可否および有料道路への進入前における給電の要否を迅速かつ適正に判断することができ、ひいては、有料道路における電欠による走行不能を未然に回避することができる。
【0019】
また、前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記検出された自車位置からの距離が所定距離以内とされた前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示してもよい。
【0020】
そして、このような構成によれば、自車位置からの距離が離れるほど多数の一般道上の給電可能ポイントが検出される確率が高くなるため、現時点での重要度が高い比較的身近な一般道上の給電可能ポイントのアイコンを限定的に表示してグラフの視認性を維持することができる。
【0021】
さらに、前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算を行い、前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、前記所定周期ごとに前記有料道路利用時走行可能距離の再計算を行い、前記走行可能距離表示手段は、前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされているとともに、前記有料道路利用時走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされ、前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路利用時走行可能距離の再計算に応じて前記検出された有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていてもよい。
【0022】
そして、このような構成によれば、バッテリ残容量の変化に柔軟に対応して、一般道限定利用時走行可能距離および有料道路利用時走行可能距離をそれぞれ示すグラフの表示距離の変更ならびに各グラフ上に表示される一般道上または有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更を行うことができるので、一般道上において、有料道路の利用の可否および給電の要否をリアルタイムに正確に判断することができる。
【0023】
さらにまた、前記有料道路利用時走行可能距離の再計算の結果と前記検出された入口に直近の前記検出された有料道路上の給電可能ポイントの位置とに基づいて、前記自車が前記検出された入口から前記有料道路に進入する場合に前記有料道路上の直近の給電可能ポイントに到達困難か否かを判定する有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段を備え、前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合には、前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色を所定の通常の表示色とは異なる表示色で表示してもよい。
【0024】
そして、このような構成によれば、バッテリ残容量の変化によって有料道路上の給電可能ポイントに到達困難となったことを一目で把握することができるので、有料道路を利用しないまたは有料道路への進入前に給電するといった対応をすみやかにとることができる。
【0025】
また、前記有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、有料道路に進入しないように警告を出力する警告手段を備えてもよい。
【0026】
そして、このような構成によれば、バッテリ残容量の変化によって有料道路上の給電可能ポイントに到達困難となった場合には、警告を出力することによってバッテリ容量不足の状態での高速道路への進入を未然に回避することができる。
【0027】
さらに、前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、前記取得されたバッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が有料道路のみを走行する場合に走行可能な距離である有料道路限定利用時走行可能距離を計算し、前記有料道路上給電可能ポイント検索手段は、前記記憶された地図情報に基づいて、前記有料道路上の給電可能ポイントとして、前記検出された自車位置からの距離が前記有料道路利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路限定利用時走行可能距離以内とされた第2の有料道路上の給電可能ポイントを検索し、前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフを前記表示部に表示し、前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記有料道路上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記第2の有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された第2の有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示してもよい。
【0028】
そして、このような構成によれば、自車位置が有料道路上にある場合にも、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフを表示部に表示するとともに、第2の有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを当該グラフ上における自車位置から第2の有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に表示することによって、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握することができる。この結果、煩雑な操作を要することなく、有料道路上において、有料道路の継続的な利用の可否および有料道路を脱出した上での給電の要否を迅速かつ適正に判断することができる。
【0029】
さらにまた、前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算を行い、前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記第2の有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていてもよい。
【0030】
そして、このような構成によれば、バッテリ残容量の変化に柔軟に対応して、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離の変更ならびに当該グラフ上に表示される有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更を行うことができるので、有料道路上において、有料道路の利用の可否および給電の要否をリアルタイムに正確に判断することができる。
【0031】
また、前記検出された自車位置が有料道路上にある場合に、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置に最寄りの前記有料道路の出口を検索する有料道路出口検索手段を備え、前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、前記自車が前記有料道路出口検索手段によって検出された前記出口から前記有料道路を脱出した後に一般道のみを走行する場合に走行可能な前記検出された出口からの距離である有料道路脱出時一般道走行可能距離を計算し、前記一般道上給電可能ポイント検索手段は、前記記憶された地図情報に基づいて、前記一般道上の給電可能ポイントとして、前記検出された出口からの距離が前記一般道利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路脱出時一般道走行可能距離以内とされた第2の一般道上の給電可能ポイントを検索し、前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフを前記表示部に表示し、前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された出口から前記一般道上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記第2の一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示してもよい。
【0032】
そして、このような構成によれば、自車位置が有料道路上にある場合に、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフを表示部に表示するとともに、第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを当該グラフ上における最寄りの有料道路の出口から第2の一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に表示することによって、例えば、最寄りの有料道路の出口から有料道路を脱出すれば電欠を免れ得ることを容易に把握することができる。
【0033】
さらに、前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算を行い、前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算に応じて前記第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていてもよい。
【0034】
そして、このような構成によれば、バッテリ残容量の変化に柔軟に対応して、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフの表示距離の変更ならびに当該グラフ上に表示される第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更を行うことができるので、有料道路上において、有料道路の継続的な利用の可否および有料道路を脱出した上での給電の要否ならびに可否をリアルタイムに正確に判断することができる。
【0035】
さらにまた、前記検出された自車位置が有料道路上にある場合に、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された出口に該当する位置に、当該出口を示すマークを表示する有料道路出口表示手段を備えてもよい。
【0036】
そして、このような構成によれば、最寄りの有料道路の出口までの距離を予め把握することができるので、当該出口から有料道路を脱出する対応をとりやすくなる。
【0037】
また、前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフのみを前記表示部に表示してもよい。
【0038】
そして、このような構成によれば、自車位置が有料道路上にある場合には、一般道側の走行可能距離の表示および給電可能ポイントのアイコン表示を一切行わないことによって、シンプルな表示を行うことができる。
【0039】
さらに、前記グラフは、前記一般道利用時走行可能距離計算手段の計算結果と前記有料道路利用時走行可能距離計算手段の計算結果とが互いに対向する同心の円弧状を呈するような円グラフとされていてもよい。
【0040】
そして、このような構成によれば、走行可能距離を、恰も残量計のようなバッテリ残容量を反映させるのに好適な表示態様で表示することができるので、バッテリ残容量に応じた走行可能距離を更に直感的に把握することができる。
【0041】
さらにまた、前記走行可能距離を示すグラフは、前記自車のメータパネル内またはナビゲーション装置の表示部に表示されてもよい。
【0042】
そして、このような構成によれば、既存の設備を活用した走行可能距離の表示を行うことができる。
【0043】
また、前記走行可能距離を示すグラフは、ナビゲーション装置の表示部に表示され、前記給電可能ポイントを示すアイコンは、前記グラフ上に選択可能に表示され、前記ナビゲーション装置は、選択された前記アイコンに該当する前記給電可能ポイントまでの経路誘導を行ってもよい。
【0044】
そして、このような構成によれば、選択されたアイコンに該当する給電可能ポイントまでの経路誘導を行うことができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、煩雑な操作を要することなく、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握し得る情報を常時表示することによって、有料道路の利用の可否および給電の要否を簡便かつ迅速に判断することができ、ひいては、電欠による走行不能を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態において、走行可能距離の第1の表示例を示す模式図
【図3】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態において、走行可能距離の第2の表示例を示す模式図
【図4】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態において、走行可能距離の第3の表示例を示す模式図
【図5】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態において、走行可能距離の第4の表示例を示す模式図
【図6】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態において、走行可能距離の表示位置の具体例を示す模式図
【図7】本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に係る走行可能距離表示装置の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0048】
本実施形態における走行可能距離表示装置は、電気自動車である自車に搭載されているとともに、自車のバッテリ(二次電池)残容量に応じた自車の走行可能距離を表示部に表示可能とされている。
【0049】
具体的には、図1に示すように、本実施形態における走行可能距離表示装置1は、地図情報記憶手段としての地図情報が記憶された地図情報記憶部2を有している。この地図情報記憶部2は、例えば、ハードディスクドライブであってもよい。
【0050】
ここで、地図情報は、例えば、道路データフレーム、背景データフレーム、名称データフレーム、経路誘導データフレーム、経路計算データフレームおよび地点情報フレーム等の各種の物理データフレームによって構成されている。
【0051】
これらのうち、道路データフレームは、道路地図の表示等に用いることが可能とされており、この道路データフレームには、例えば、リンク端またはリンク上の形状変化点を示すノードの二次元座標、他のリンクとの接続関係を示すノード・リンク接続情報、ノード付加情報(リンクID、幅員・車線情報、道路名称等)、標高情報および通行規制情報等が格納されている。
【0052】
また、背景データフレームは、背景地図の表示等に用いることが可能とされており、この背景データフレームには、例えば、図形(線または面)を表現するための表示クラス(建物、公園、河川等)ごとにまとめられた要素点座標情報(始点座標、オフセット座標)が格納されている。
【0053】
さらに、名称データフレームは、地図上への文字列の表示等に用いることが可能とされており、この名称データフレームには、例えば、表示クラスごとにまとめられた名称データレコードが格納されている。
【0054】
さらにまた、経路計算データフレームは、ナビゲーションにおける目的地までの最適経路の計算に用いることが可能とされており、この経路計算データフレームには、例えば、ノードデータ、リンクレコード、規制レコード、リンク間コストレコード、リンクID、リンク自身のコスト、上位のノードおよびリンクを特定する情報、ノード座標等が格納されている。
【0055】
また、経路誘導データフレームは、経路誘導に用いることが可能とされており、この経路誘導データフレームには、例えば、交差点名称、道路名称および方面名称等からなる誘導データ、誘導データと関連した実体の表示文字、発音文字、アクセント情報、誘導データと関連した実体を描画するための形状、案内のために交差点の進入方向に応じた画像を描画するための実データ等が格納されている。
【0056】
さらに、地点情報フレームは、目的地や経由地の候補となる地点の検索や、地図上へのPOIアイコンの重畳表示等に用いることが可能とされており、この地点情報フレームには、例えば、POIの属性、例えば、位置(経緯度)、種類、名称、住所、電話番号およびPOIアイコン等を示すPOIデータ(POI情報)と、POI以外の各地点の属性情報(位置情報、住所情報等)とが格納されている。ここで、本実施形態においてPOIには、自車のバッテリに対する給電(充電)が可能な地点である給電可能ポイントと、有料道路の出入口(インターチェンジ)とが含まれている。給電可能ポイントとしては、例えば、充電スタンド等の施設を挙げることができる。
【0057】
このような地図情報は、ナビゲーション装置の地図データベースに格納されるものであってよいことは勿論である。
【0058】
また、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、自車位置検出手段としての自車位置検出部3を有しており、この自車位置検出部3は、自車位置を検出するようになっている。この自車位置検出部3は、図示しないGPSレシーバによる受信情報や、ジャイロセンサや車速センサ等からなる自律航法センサの検出情報を用いて自車位置を検出するものであってもよい。ここで、GPSレシーバは、GPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信することが可能とされており、自車位置検出部3は、このGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として測位する衛星航法を行うことによって、自車位置を検出することができる。また、自律航法センサは、自車の加速度、車速および自車方位等を検出することが可能とされており、自車位置検出部3は、この自律航法センサの検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として測位する自律航法を行うことによっても、自車位置を検出することができる。さらに、自車位置検出部3は、地図情報記憶部2に記憶されている地図情報を用いることによって、衛星航法または自律航法によって検出された自車位置を地図情報における該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うことによって、自車位置を更に高精度に検出することができる。
【0059】
さらに、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、バッテリ残容量取得手段としてのバッテリ残容量取得部4を有しており、このバッテリ残容量取得部4は、自車のバッテリ残容量を継続的に取得するようになっている。このバッテリ残容量取得部4には、例えば、センス抵抗方式あるいはセンス抵抗レス方式の公知の電池残量計測ICの技術等を応用することができる。
【0060】
さらにまた、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、一般道利用時走行可能距離計算手段としての一般道利用時走行可能距離計算部5を有している。この一般道利用時走行可能距離計算部5は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が一般道上にある場合には、一般道限定利用時走行可能距離を計算するようになっている。ここで、一般道限定利用時走行可能距離とは、自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置から自車が一般道のみを走行する場合に走行可能な距離である(以下、同様)。この一般道限定利用時走行可能距離は、バッテリ残容量取得部4によって取得されたバッテリ残容量と、既知の自車の一般道における電費とに基づいて計算することができる。なお、一般道における電費は、製造当初から固定されたものであってもよいし、または、ユーザの一般道の走行履歴を元に学習されて算出されたものであってもよい。
【0061】
また、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、有料道路入口検索手段としての有料道路入口検索部6を有している。この有料道路入口検索部6は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が一般道上にある場合には、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、自車位置検出部3によって検出された自車位置に最寄りの有料道路の入口(以下、最寄り入口と称する)を検索するようになっている。この最寄り入口の検索の際には、ダイクストラ法等の経路計算方法を用いて自車位置からのコストが最小となる有料道路の入口を検索すればよい。また、有料道路は、高速道路であってもよい。
【0062】
さらに、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、有料道路利用時走行可能距離計算手段としての有料道路利用時走行可能距離計算部7を有している。この有料道路利用時走行可能距離計算部7は、有料道路入口検索部6によって最寄り入口が検出された上で、有料道路利用時走行可能距離を計算するようになっている。ここで、有料道路利用時走行可能距離とは、自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置から自車が有料道路入口検索部6によって検出された最寄り入口まで一般道を走行した後に当該最寄り入口から有料道路を走行する場合に走行可能な自車位置からの距離である(以下、同様)。この有料道路利用時走行可能距離は、バッテリ残容量取得部4によって取得されたバッテリ残容量と、検出された一般道上の自車位置から最寄り入口までの経路(コストが最小の経路)の距離と、既知の自車の一般道上および有料道路における電費とに基づいて計算することができる。なお、有料道路における電費は、製造当初から固定されたものであってもよいし、または、ユーザの有料道路の走行履歴を元に学習されて算出されたものであってもよい。
【0063】
さらにまた、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、一般道上給電可能ポイント検索手段としての一般道上給電可能ポイント検索部8を有している。この一般道上給電可能ポイント検索部8は、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、第1の一般道上給電可能ポイントを検索するようになっている。ここで、第1の一般道上給電可能ポイントとは、自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置からの道なりの距離が一般道利用時走行可能距離計算部5によって算出された一般道限定利用時走行可能距離以内とされた一般道上(換言すれば一般道沿い)の給電可能ポイントのことである(以下、同様)。
【0064】
また、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、有料道路上給電可能ポイント検索手段としての有料道路上給電可能ポイント検索部9を有している。この有料道路上給電可能ポイント検索部9は、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、第1の有料道路上給電可能ポイントを検索するようになっている。ここで、第1の有料道路上給電可能ポイントとは、自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置からの道なりの距離が有料道路利用時走行可能距離計算部7によって算出された有料道路利用時走行可能距離以内とされた有料道路上(換言すれば有料道路沿い)の給電可能ポイントのことである(以下、同様)。
【0065】
さらに、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、走行可能距離表示手段としての走行可能距離描画部10を有している。この走行可能距離描画部10は、一般道利用時走行可能距離計算部5によって算出された一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフと、有料道路利用時走行可能距離計算部7によって算出された有料道路利用時走行可能距離を示すグラフとを表示部20に同時に表示するようになっている。
【0066】
さらにまた、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段としての一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11を有している。この一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11は、走行可能距離描画部10によって表示された一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置から一般道上給電可能ポイント検索部8によって検出された第1の一般道上給電可能ポイントまでの道なりの距離に該当する位置に、当該検出された第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンを表示するようになっている。
【0067】
また、図1に示すように、走行可能距離表示装置1は、有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段としての有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12を有している。この有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12は、走行可能距離描画部10によって表示された有料道路利用時走行可能距離を示すグラフ上における自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置から有料道路上給電可能ポイント検索部9によって検出された第1の有料道路上給電可能ポイントまでの道なりの距離に該当する位置に、当該検出された第1の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンを表示するようになっている。
【0068】
ここで、図2は、前述のように自車位置検出部3によって検出された自車位置が一般道上にある場合における走行可能距離描画部10、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11および有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12による表示例を示したものである。
【0069】
図2には、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフGと有料道路利用時走行可能距離を示すグラフGとが、互いに対向する同心の円孤状を呈する円グラフとして表示されている。図2においては、一般道限定利用時走行可能距離が200km、有料道路利用時走行可能距離が100kmとなっている。また、図2に示すように、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフG上における一般道上の自車位置から20km、40kmおよび70kmの各地点に該当する位置には、各地点に存在する第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンIがそれぞれ表示されている。さらに、図2に示すように、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフG上における一般道上の自車位置から30kmおよび60kmの各地点に該当する位置には、各地点に存在する第1の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンIがそれぞれ表示されている。なお、グラフG、G上の該当する距離にあたる位置に最寄り入口を示すマークを表示してもよい。
【0070】
そして、このような構成により、ユーザは、バッテリ残容量に応じた到達可能な一般道上および有料道路上の給電可能ポイントを直感的に把握することができる。したがって、従来のように目的地設定や地図の縮尺変更のような煩雑な操作を要することなく、一般道上において、最寄りの有料道路の入口からの有料道路の利用の可否および有料道路への進入前における給電の要否を迅速かつ適正に判断することができる。
【0071】
なお、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11は、自車位置検出部3によって検出された一般道上の自車位置からの距離が所定距離以内とされた第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンのみを限定表示してもよい。この場合に、一般道上給電可能ポイント検索部8は、予めそのような所定距離以内に存在する第1の一般道上給電可能ポイントのみを検索するようにしてもよい。このように構成すれば、アイコンの表示数が膨大になることによってグラフの視認性が損なわれることを回避することができる。
【0072】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、一般道利用時走行可能距離計算部5は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が一般道上にあることを前提に、所定周期ごとに一般道限定利用時走行可能距離の再計算を行うようになっている。この場合に、所定周期は、時間周期(例えば、1分ごと)であってもよいし、自車の移動にともなう距離周期(例えば、1kmごと)であってもよい。また、有料道路利用時走行可能距離計算部7は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が一般道上にあることを前提に、所定周期ごとに有料道路利用時走行可能距離の再計算を行うようになっている。この有料道路利用時走行可能距離の再計算は、一般道限定利用時走行可能距離の再計算と同期して行えばよい。また、この有料道路利用時走行可能距離の再計算は、有料道路入口検索部6による最寄り入口の再検索を前提として行えばよい。さらに、走行可能距離描画部10は、再計算後の一般道限定利用時走行可能距離が再計算直前の値に対して所定の変化(例えば、所定距離以上の変化)を示した場合には、これに応じて、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を、当該再計算後の一般道限定利用時走行可能距離に対応した表示距離に変更するようになっている。なお、一般道限定利用時走行可能距離の変化には、バッテリ残容量の減少にともなう短縮もあれば、途中の給電によるバッテリ残容量の増加にともなう伸長もある。このことは一般道限定利用時走行可能距離以外の走行可能距離の変化についても同様である。さらにまた、走行可能距離描画部10は、再計算後の有料道路利用時走行可能距離が再計算直前の値に対して所定の変化(増減)を示した場合には、これに応じて、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を、当該再計算後の有料道路利用時走行可能距離に対応した表示距離に変更するようになっている。また、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11は、一般道限定利用時走行可能距離の再計算によって第1の一般道上給電可能ポイントの数が当該再計算直前における数に対して変化(増減)した場合には、これに応じて、第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を当該再計算直前における表示数に対して変更するようになっている。ここで、第1の一般道上給電可能ポイントの数の増加は、一般道上給電可能ポイント検索部8による第1の一般道上給電可能ポイントの再検索によって把握することができる。この第1の一般道上給電可能ポイントの再検索は、一般道限定利用時走行可能距離の伸長変化が検出されたことをトリガとして行えばよい。また、この第1の一般道上給電可能ポイントの再検索は、伸長した分の一般道限定利用時走行可能距離に相当する領域のみを対象とした検索すなわち増加した分の第1の一般道上給電可能ポイントに限定した検索であってもよい。一方、第1の一般道上給電可能ポイントの数の減少については、当該給電可能ポイントの再検索を行わずとも、既に検出されている第1の一般道上給電可能ポイントの位置と、再計算による一般道限定利用時走行可能距離の短縮変化分とによって把握することができる。なお、第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更は、当該アイコンのグラフ上における表示位置の変更をともなってもよい。さらに、有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12は、有料道路利用時走行可能距離の再計算によって第1の有料道路上給電可能ポイントの数が当該再計算直前における数に対して変化した場合には、これに応じて、第1の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を当該再計算直前における表示数に対して変更するようになっている。ここで、第1の有料道路上給電可能ポイントの数の変化については、第1の一般道上給電可能ポイントの場合と同様に、有料道路上給電可能ポイント検索部9による再検索や既にある第1の有料道路上給電可能ポイントの検索結果に基づいて把握することができる。ただし、前述した最寄り入口の変更が検出された場合には、第1の有料道路上給電可能ポイントを必ず再検索することが望ましい。また、第1の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更は、当該アイコンのグラフ上における表示位置の変更をともなってもよい。
【0073】
そして、このような構成により、一般道上において、有料道路の利用の可否および給電の要否を、バッテリ残容量の変化に対応してリアルタイムに正確に判断することができる。
【0074】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、走行可能距離表示装置1は、図1に示すように、有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段としての有料道路上給電可能ポイント到達難易判定部13を有している。この有料道路上給電可能ポイント到達難易判定部13は、有料道路利用時走行可能距離の再計算の結果と、有料道路入口検索部6によって検出された最寄り入口に直近の第1の有料道路上給電可能ポイントの位置とに基づいて、自車が最寄り入口から有料道路に進入する場合に最寄り入口の直近の第1の有料道路上給電可能ポイントに到達することが困難か否かの判定(以下、到達難易判定と称する)を行うようになっている。また、走行可能距離描画部10は、到達難易判定によって肯定的な判定結果が得られた場合には、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色を所定の通常の表示色とは異なる表示色で表示するようになっている。ここで、図3は、このような場合における走行可能距離描画部10の表示例を示したものである。図3は、図2の表示が行われた際の自車位置から、自車が給電を行わずに走行を続けた後の一般道上の自車位置におけるグラフG、GおよびアイコンI、Iの表示状態を示している。図3においては、有料道路利用時走行可能距離(すなわち表示距離)が図2の場合における100kmから30kmへと大幅に短縮されているとともに、最寄り入口に直近の(自車位置にも直近の)第1の有料道路上給電可能ポイントが自車位置から30km付近の位置に存在している。そして、図3の例では、有料道路上給電可能ポイント到達難易判定部13によって、同図のような有料道路利用時走行可能距離の上限間際に位置する第1の有料道路上給電可能ポイントには自車が到達困難であると判定されており、この判定結果を受けて、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフGの表示色が、図2の場合における通常の表示色から変更されている。例えば、図2の場合におけるグラフG、Gの表示色を青色とした場合には、図3におけるグラフGの表示色を赤色としてもよい。
【0075】
そして、このような構成により、ユーザは、バッテリ残容量の変化によって第1の有料道路上給電可能ポイントに到達困難となったことを一目で把握することができるので、有料道路を利用しないまたは有料道路への進入前に給電するといった対応をすみやかにとることができる。
【0076】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、走行可能距離表示装置1は、図1に示すように、警告手段としての警告出力部14を有している。この警告出力部14は、有料道路上給電可能ポイント到達難易判定部13によって肯定的な判定結果が得られた場合に、有料道路に進入しないように警告を出力するようになっている。この警告は、表示部20に表示してもよいし、また、音声出力部21を介して音声出力してもよい。さらに、この際に、最寄りの第1の一般道上給電可能ポイントでの給電を促してもよい。
【0077】
そして、このような構成により、バッテリ残容量の変化によって第1の有料道路上給電可能ポイントに到達困難となった場合には、警告が出力されることによってバッテリ容量不足の状態での高速道路への進入を未然に回避することができる。
【0078】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、走行可能距離表示装置1は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合には、自車位置が一般道上にある場合とは異なる処理を行うようになっている。すなわち、有料道路利用時走行可能距離計算部7は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合には、前述した有料道路利用時走行可能距離の代わりに、有料道路限定利用時走行可能距離を計算するようになっている。ここで、有料道路限定利用時走行可能距離とは、自車位置検出部3によって検出された有料道路上の自車位置から自車が有料道路のみを走行する場合に走行可能な距離である(以下、同様)。この有料道路限定利用時走行可能距離は、有料道路利用時走行可能距離と同様に、バッテリ残容量取得部4によって取得されたバッテリ残容量と、既知の自車の有料道路における電費とに基づいて計算することができる。また、有料道路上給電可能ポイント検索部9は、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、前述した第1の有料道路上給電可能ポイントの代わりに、第2の有料道路上給電可能ポイントを検索するようになっている。ここで、第2の有料道路上給電可能ポイントとは、自車位置検出部3によって検出された有料道路上の自車位置からの距離が有料道路利用時走行可能距離計算部7によって算出された有料道路限定利用時走行可能距離以内とされた有料道路上の給電可能ポイントである(以下、同様)。さらに、走行可能距離描画部10は、前述した有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの代わりに、有料道路利用時走行可能距離計算部7によって算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフを表示するようになっている。さらにまた、有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12は、走行可能距離描画部10によって表示された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における自車位置検出部3によって検出された有料道路上の自車位置から有料道路上給電可能ポイント検索部9によって検出された第2の有料道路上給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、当該検出された第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンを表示するようになっている。
【0079】
そして、このような構成により、自車位置が有料道路上にある場合にも、バッテリ残容量に応じた到達可能な有料道路上の給電可能ポイントを直感的に把握することができるので、煩雑な操作を要することなく、有料道路上において、有料道路の継続的な利用の可否および有料道路を脱出した上での給電の要否を迅速かつ適正に判断することができる。
【0080】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、有料道路利用時走行可能距離計算部7は、所定周期ごとに有料道路限定利用時走行可能距離の再計算を行うようになっている。また、走行可能距離描画部10は、再計算後の有料道路限定利用時走行可能距離が再計算直前の値に対して所定の変化(例えば、所定距離以上の変化)を示した場合には、これに応じて、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を、当該再計算後の有料道路限定利用時走行可能距離に対応した表示距離に変更するようになっている。さらに、有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12は、有料道路限定利用時走行可能距離の再計算によって第2の有料道路上給電可能ポイントの数が当該再計算直前における数に対して変化した場合には、これに応じて、第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を当該再計算直前における表示数に対して変更するようになっている。なお、第2の有料道路上給電可能ポイントの数の変化については、前述した第1の一般道上給電可能ポイントの場合と同様に、有料道路上給電可能ポイント検索部9による再検索や既にある第2の有料道路上給電可能ポイントの検索結果に基づいて把握することができる。また、第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更は、当該アイコンのグラフ上における表示位置の変更をともなってもよい。
【0081】
そして、このような構成により、有料道路上において、有料道路の継続的な利用の可否および有料道路を脱出した上での給電の要否を、バッテリ残容量の変化に対応してリアルタイムに正確に判断することができる。
【0082】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、走行可能距離表示装置1は、図1に示すように、有料道路出口検索手段としての有料道路出口検索部15を有している。この有料道路出口検索部15は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合に、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、当該検出された自車位置に最寄り(直近)の有料道路の出口(以下、最寄り出口と称する)を検索するようになっている。また、このように自車位置が有料道路上にある場合には、一般道利用時走行可能距離計算部5は、前述した一般道限定利用時走行可能距離の代わりに、有料道路脱出時一般道走行可能距離を計算するようになっている。ここで、有料道路脱出時一般道走行可能距離とは、自車が有料道路出口検索部15によって検出された最寄り出口から有料道路を脱出した後に一般道のみを走行する場合に走行可能な当該最寄り出口からの距離である(以下、同様)。この有料道路脱出時一般道走行可能距離は、バッテリ残容量取得部4によって取得されたバッテリ残容量、自車位置から最寄り出口までの有料道路上の距離および既知の自車の有料道路および一般道における電費に基づいて計算することができる。さらに、この場合に、一般道上給電可能ポイント検索部8は、地図情報記憶部2に記憶された地図情報に基づいて、前述した第1の一般道上給電可能ポイントの代わりに、第2の一般道上給電可能ポイントを検索するようになっている。ここで、第2の一般道上給電可能ポイントとは、有料道路出口検索部15によって検出された最寄り出口からの道なりの距離が一般道利用時走行可能距離計算部5によって算出された有料道路脱出時一般道走行可能距離以内とされた一般道上の給電可能ポイントである(以下、同様)。さらにまた、この場合に、走行可能距離描画部10は、前述した有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフとともに、一般道利用時走行可能距離計算部5によって算出された有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフを表示するようになっている。また、この場合に、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11は、走行可能距離描画部10によって表示された有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフ上における有料道路出口検索部15によって検出された最寄り出口から一般道上給電可能ポイント検索部8によって検出された第2の一般道上給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、当該検出された第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンを表示するようになっている。
【0083】
そして、このような構成により、ユーザは、例えば、最寄り出口から有料道路を脱出すれば第2の一般道上給電可能ポイントにおいて電欠を免れ得ることを容易に把握することができる。
【0084】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、一般道利用時走行可能距離計算部5は、所定周期ごとに有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算を行うようになっている。この再計算は、有料道路限定利用時走行可能距離の再計算と同期して行えばよい。また、この有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算は、有料道路出口検索部15による最寄り出口の再検索を前提として行えばよい。さらに、走行可能距離描画部10は、再計算後の有料道路脱出時一般道走行可能距離が再計算直前の値に対して所定の変化(例えば、所定距離以上の変化)を示した場合には、これに応じて、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフの表示距離を、当該再計算後の有料道路脱出時一般道走行可能距離に対応した表示距離に変更するようになっている。さらにまた、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11は、有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算によって第2の一般道上給電可能ポイントの数が当該再計算直前における数に対して変化した場合には、これに応じて、第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を当該再計算直前における表示数に対して変更するようになっている。なお、第2の一般道上給電可能ポイントの数の変化については、前述した第1の一般道上給電可能ポイントの場合と同様に、一般道上給電可能ポイント検索部8による再検索や既にある検索結果に基づいて把握することができる。ただし、最寄り出口の変更が検出された場合には、第2の一般道上給電可能ポイントを必ず再検索することが望ましい。また、第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンの表示数の変更は、当該アイコンのグラフ上における表示位置の変更をともなってもよい。
【0085】
そして、このような構成により、有料道路上において、有料道路の継続的な利用の可否および有料道路を脱出した上での給電の要否ならびに可否を、バッテリ残容量の変化に対応してリアルタイムに正確に判断することができる。
【0086】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、走行可能距離表示装置1は、図1に示すように、有料道路出口表示手段としての有料道路出口描画部16を有している。この有料道路出口描画部16は、自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合に、走行可能距離描画部10によって表示された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における有料道路出口検索部15によって検出された最寄り出口に該当する位置に、当該最寄り出口を示すマークを表示するようになっている。
【0087】
そして、このような構成により、最寄り出口までの距離を予め把握することができるので、最寄り出口から有料道路を脱出する対応をとりやすくなる。
【0088】
ここで、図4は、前述のように自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合における走行可能距離描画部10、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11および有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12による表示例を示したものである。
【0089】
図4には、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフGと有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフGとが、互いに対向する同心の円孤状を呈する円グラフとして表示されている。図4においては、有料道路限定利用時走行可能距離が60km、有料道路脱出時一般道走行可能距離が180kmとなっている。また、図4に示すように、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフG上における有料道路上の自車位置から60kmの地点に該当する位置には、同地点に存在する第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンIが表示されている。さらに、図4に示すように、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフG上における最寄り出口から20kmおよび40kmの各地点に該当する位置には、各地点に存在する第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンIがそれぞれ表示されている。さらにまた、図4に示すように、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフG上における有料道路上の自車位置から10kmの地点に該当する位置には、最寄り出口を示すマークMが表示されている。
【0090】
そして、このような図4のグラフG、G、アイコンI、IおよびマークMの表示を見たユーザは、直近の第2の有料道路上給電可能ポイントまで電欠せずに到達することは困難であるが、最寄り出口から有料道路を脱出すれば電欠を免れ得ることを容易に把握することができる。
【0091】
なお、変形例として、自車位置検出部3によって検出された自車位置が有料道路上にある場合には、走行可能距離描画部10は、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフは表示せずに、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフのみを表示してもよい。この場合には、第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンは表示されず、第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンのみが表示されることになる。なお、最寄り出口を示すマークMは、表示してもよいし、表示しなくてもよい。図5は、このような変形例におけるグラフGおよびアイコンIの表示態様を示すものである。
【0092】
また、その他の変形例として、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフを表示する場合においても、自車位置に直近の第2の有料道路上給電可能ポイントへの到達の難易の判定およびこの判定結果に応じたグラフ表示色の変更ならびに警告の出力を行うように構成してもよい。
【0093】
また、前述した各種の走行可能距離を示すグラフG〜Gおよび給電可能ポイントを示すアイコンI〜I等は、図6に示すように、残量計やスピードメータが配設された自車のメータパネル22(表示部20の一態様)内に表示してもよいし、ナビゲーション装置の表示部20に目的地設定の有無にかかわらず表示するようにしてもよい。ナビゲーション装置の表示部20に表示する場合には、アイコンI〜Iをタッチパネルやリモコンによって選択可能な状態に表示した上で、ナビゲーション装置が、選択されたアイコンI〜Iに該当する給電可能ポイントまでの経路誘導を行うようにしてもよい。このようなアイコンの選択にともなう該当する地点への経路誘導は、最寄り出口を示すマークMや最寄り入口を示すマーク(図示せず)にも適用することができる。
【0094】
さらに、走行可能距離表示装置1の前述した各構成部3、5〜16は、これらの機能を実行するためのプログラムやデータが記憶されたROM、このROM内のプログラムを実行するCPUおよびこのCPUの処理結果の一時的な保存に用いるRAM等によって実現することができる。
【0095】
さらにまた、走行可能距離やアイコンの表示は、自車のAccのオンやユーザによる入力手段(リモコンやタッチパネル等)を用いた所定の表示開始指示入力に応じて開始し、これ以後は、Accのオフまたは表示終了指示入力があるまで継続(常時表示)すればよい。
【0096】
次に、本実施形態の作用の一例について、図7を参照して説明する。
【0097】
なお、便宜上、初期状態においては、自車の走行が開始されており、バッテリ残容量取得部4による定期的なバッテリ残容量の取得が開始されているものとする。
【0098】
そして、初期状態から、まず、図7のステップ1(ST1)において、自車位置検出部3により、自車位置が一般道上および有料道路上のいずれにあるかを判定する。そして、ステップ1(ST1)において自車位置が一般道上にあると判定された場合には、ステップ2(ST2)に進み、有料道路上にあると判定された場合には、ステップ14(ST14)に進む。
【0099】
ここで、ステップ2(ST2)以降の処理について先に説明すると、まず、ステップ2(ST2)において、一般道利用時走行可能距離計算部5により、前述した手法によって一般道限定利用時走行可能距離を計算する。
【0100】
次いで、ステップ3(ST3)において、有料道路入口検索部6により、前述した手法によって最寄り入口を検索する。
【0101】
次いで、ステップ4(ST4)において、有料道路利用時走行可能距離計算部7により、前述した手法によって有料道路利用時走行可能距離を計算する。
【0102】
次いで、ステップ5(ST5)において、一般道上給電可能ポイント検索部8により、前述した手法によって第1の一般道上給電可能ポイントを検索する。
【0103】
次いで、ステップ6(ST6)において、有料道路上給電可能ポイント検索部9により、前述した手法によって第1の有料道路上給電可能ポイントを検索する。
【0104】
次いで、ステップ7(ST7)において、走行可能距離描画部10により、ステップ2(ST2)において算出された一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示およびステップ4(ST4)において算出された有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示を行う。また、このとき、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11により、前述した手法によって、ステップ5(ST5)において検出された第1の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンを、一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフ上に表示する。さらに、このとき、有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12により、前述した手法によって、ステップ6(ST6)において検出された第1の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンを、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフ上に表示する。
【0105】
次いで、ステップ8(ST8)において、一般道利用時走行可能距離計算部5および有料道路利用時走行可能距離計算部7により、前述した所定周期にしたがった一般道限定利用時走行可能距離および有料道路利用時走行可能距離の再計算を行うべきタイミングとなったか否かを判定する。そして、ステップ8(ST8)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ9(ST9)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ8(ST8)を繰り返す。
【0106】
次いで、ステップ9(ST9)において、自車位置検出部3により、ステップ1(ST1)と同様の判定を行い、自車位置が一般道上にあると判定された場合には、ステップ10(ST10)に進み、有料道路上にあると判定された場合には、ステップ14(ST14)に進む。
【0107】
次いで、ステップ10(ST10)において、一般道利用時走行可能距離計算部5による一般道限定利用時走行可能距離の再計算を行うとともに、有料道路利用時走行可能距離計算部7による有料道路利用時走行可能距離の再計算を行う。
【0108】
次いで、ステップ11(ST11)において、有料道路上給電可能ポイント到達難易判定部13により、前述した手法によって到達難易判定を行う。そして、ステップ11(ST11)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ12(ST12)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に進む。
【0109】
ここで、ステップ12(ST12)に進んだ場合には、このステップ12(ST12)において、走行可能距離描画部10により、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色の設定を通常の設定から変更した上でステップ7(ST7)に戻る。この場合、ステップ7(ST7)においては、走行可能距離描画部10により、再計算後の一般道限定利用時走行可能距離および有料道路利用時走行可能距離をそれぞれ示すグラフが表示されるが、これらのグラフは、表示距離が変更されたものとなることに加えて、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色も変更されたものとなる。また、走行可能距離の範囲内に存在する給電可能ポイントの数が変化している場合には、アイコンの表示数および表示位置も変更されたものとなる。さらに、この場合、ステップ7(ST7)と同時に、警告出力部14による警告の出力が行われることになる。
【0110】
一方、ステップ13(ST13)に進んだ場合には、このステップ13(ST13)において、走行可能距離描画部10により、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色の設定を通常の設定に維持した上でステップ7(ST7)に戻る。この場合、ステップ7(ST7)においては、ステップ12(ST12)から戻った場合と同様に、再計算後の走行可能距離を示すグラフの表示が行われることになるが、有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色は、通常の表示色に維持されることになる。
【0111】
次に、ステップ14(ST14)以降の処理について説明すると、まず、ステップ14(ST14)において、有料道路利用時走行可能距離計算部7により、前述した手法によって有料道路限定利用時走行可能距離を計算する。
【0112】
次いで、ステップ15(ST15)において、有料道路出口検索部15により、前述した手法によって最寄り出口を検索する。
【0113】
次いで、ステップ16(ST16)において、一般道利用時走行可能距離計算部5により、前述した手法によって有料道路脱出時一般道走行可能距離を計算する。
【0114】
次いで、ステップ17(ST17)において、有料道路上給電可能ポイント検索部9により、前述した手法によって第2の有料道路上給電可能ポイントを検索する。
【0115】
次いで、ステップ18(ST18)において、一般道上給電可能ポイント検索部8により、前述した手法によって第2の一般道上給電可能ポイントを検索する。
【0116】
次いで、ステップ19(ST19)において、走行可能距離描画部10により、ステップ14(ST14)において算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示およびステップ16(ST16)において算出された有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフの表示を行う。また、このとき、有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部12により、前述した手法によって、ステップ17(ST17)において検出された第2の有料道路上給電可能ポイントを示すアイコンを、有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上に表示する。さらに、このとき、一般道上給電可能ポイントアイコン描画部11により、前述した手法によって、ステップ18(ST18)において検出された第2の一般道上給電可能ポイントを示すアイコンを、有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフ上に表示する。
【0117】
次いで、ステップ20(ST20)において、一般道利用時走行可能距離計算部5および有料道路利用時走行可能距離計算部7により、前述した所定周期にしたがった有料道路限定利用時走行可能距離および有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算を行うべきタイミングとなったか否かを判定する。そして、ステップ20(ST20)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)を繰り返す。
【0118】
次いで、ステップ21(ST21)において、自車位置検出部3により、ステップ1(ST1)と同様の判定を行い、自車位置が有料道路上にあると判定された場合には、ステップ22(ST22)に進み、一般道上にあると判定された場合には、ステップ2(ST2)に進む。
【0119】
次いで、ステップ22(ST22)において、有料道路利用時走行可能距離計算部7による有料道路限定利用時走行可能距離の再計算を行うとともに、一般道利用時走行可能距離計算部5による有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算を行う。そして、ステップ22(ST22)の後には、ステップ19(ST19)に戻る。この場合、ステップ19(ST19)においては、グラフの表示距離およびアイコンの表示数ならびに表示位置がステップ22(ST22)における再計算の結果を反映したものとなる。
【0120】
このような図7の各工程は、例えば自車のAccがオフとなった場合に終了すればよい。
【0121】
以上述べたように、本発明によれば、煩雑な操作を要することなく、バッテリ残容量に応じた到達可能な給電可能ポイントを直感的に把握し得るグラフを表示することによって、有料道路の利用の可否および給電の要否を簡便かつ迅速に判断することができ、ひいては、電欠による走行不能を未然に回避することができる。
【0122】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0123】
例えば、バッテリ残容量が十分(例えば、フル充電に近い)場合には、自車位置の近く(例えば、10km以内)の給電可能ポイントについては、アイコンの表示対象から除外してもよい。
【0124】
また、走行可能距離を示すグラフは、円グラフに限る必要はなく、例えば、棒グラフであってもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 走行可能距離表示装置
2 地図情報記憶部
3 自車位置検出部
4 バッテリ残容量取得部
5 一般道利用時走行可能距離計算部
6 有料道路入口検索部
7 有料道路利用時走行可能距離計算部
8 一般道上給電可能ポイント検索部
9 有料道路上給電可能ポイント検索部
10 走行可能距離描画部
11 一般道上給電可能ポイントアイコン描画部
12 有料道路上給電可能ポイントアイコン描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車のバッテリ残容量に応じた前記自車の走行可能距離を表示部に表示する走行可能距離表示装置であって、
地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記バッテリ残容量を取得するバッテリ残容量取得手段と、
前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置が一般道上にある場合に、前記バッテリ残容量取得手段によって取得された前記バッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が一般道のみを走行する場合に走行可能な距離である一般道限定利用時走行可能距離を計算する一般道利用時走行可能距離計算手段と、
前記検出された自車位置が一般道上にある場合に、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置に最寄りの有料道路の入口を検索する有料道路入口検索手段と、
この有料道路入口検索手段によって前記入口が検出された上で、前記取得されたバッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が前記有料道路入口検索手段によって検出された前記入口まで一般道を走行した後に当該検出された入口から前記有料道路を走行する場合に走行可能な距離である有料道路利用時走行可能距離を計算する有料道路利用時走行可能距離計算手段と、
前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置からの距離が前記一般道利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記一般道限定利用時走行可能距離以内とされた一般道上の給電可能ポイントを検索する一般道上給電可能ポイント検索手段と、
前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置からの距離が前記有料道路利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路利用時走行可能距離以内とされた前記有料道路上の給電可能ポイントを検索する有料道路上給電可能ポイント検索手段と、
前記算出された一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフと前記算出された前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフとを前記表示部に同時に表示する走行可能距離表示手段と、
この走行可能距離表示手段によって表示された前記一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記一般道上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示する一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段と、
前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記有料道路上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示する有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段と
を備えたことを特徴とする走行可能距離表示装置。
【請求項2】
前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記検出された自車位置からの距離が所定距離以内とされた前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示すること
を特徴とする請求項1に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項3】
前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算を行い、
前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、前記所定周期ごとに前記有料道路利用時走行可能距離の再計算を行い、
前記走行可能距離表示手段は、前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記一般道限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされているとともに、前記有料道路利用時走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、
前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記一般道限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記検出された一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされ、
前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路利用時走行可能距離の再計算に応じて前記検出された有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項4】
前記有料道路利用時走行可能距離の再計算の結果と前記検出された入口に直近の前記検出された有料道路上の給電可能ポイントの位置とに基づいて、前記自車が前記検出された入口から前記有料道路に進入する場合に前記有料道路上の直近の給電可能ポイントに到達困難か否かを判定する有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段を備え、
前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合には、前記有料道路利用時走行可能距離を示すグラフの表示色を所定の通常の表示色とは異なる表示色で表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項5】
前記有料道路上給電可能ポイント到達難易判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、有料道路に進入しないように警告を出力する警告手段を備えたこと
を特徴とする請求項4に記載の行可能距離表示装置。
【請求項6】
前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、
前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、前記取得されたバッテリ残容量に基づいて、前記検出された自車位置から前記自車が有料道路のみを走行する場合に走行可能な距離である有料道路限定利用時走行可能距離を計算し、
前記有料道路上給電可能ポイント検索手段は、前記記憶された地図情報に基づいて、前記有料道路上の給電可能ポイントとして、前記検出された自車位置からの距離が前記有料道路利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路限定利用時走行可能距離以内とされた第2の有料道路上の給電可能ポイントを検索し、
前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフを前記表示部に表示し、
前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された自車位置から前記有料道路上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記第2の有料道路上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された第2の有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項7】
前記有料道路利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算を行い、
前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、
前記有料道路上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路限定利用時走行可能距離の再計算に応じて前記第2の有料道路上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていること
を特徴とする請求項6に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項8】
前記検出された自車位置が有料道路上にある場合に、前記記憶された地図情報に基づいて、前記検出された自車位置に最寄りの前記有料道路の出口を検索する有料道路出口検索手段を備え、
前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、
前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、前記自車が前記有料道路出口検索手段によって検出された前記出口から前記有料道路を脱出した後に一般道のみを走行する場合に走行可能な前記検出された出口からの距離である有料道路脱出時一般道走行可能距離を計算し、
前記一般道上給電可能ポイント検索手段は、前記記憶された地図情報に基づいて、前記一般道上の給電可能ポイントとして、前記検出された出口からの距離が前記一般道利用時走行可能距離計算手段によって算出された前記有料道路脱出時一般道走行可能距離以内とされた第2の一般道上の給電可能ポイントを検索し、
前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフを前記表示部に表示し、
前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された出口から前記一般道上給電可能ポイント検索手段によって検出された前記第2の一般道上の給電可能ポイントまでの距離に該当する位置に、前記検出された第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンを表示すること
を特徴とする請求項6または請求項7に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項9】
前記一般道利用時走行可能距離計算手段は、所定周期ごとに前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算を行い、
前記走行可能距離表示手段は、前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算に応じて前記有料道路脱出時一般道走行可能距離を示すグラフの表示距離を変更可能とされ、
前記一般道上給電可能ポイントアイコン表示手段は、前記有料道路脱出時一般道走行可能距離の再計算に応じて前記第2の一般道上の給電可能ポイントを示すアイコンの表示数を変更可能とされていること
を特徴とする請求項8に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項10】
前記検出された自車位置が有料道路上にある場合に、前記走行可能距離表示手段によって表示された前記有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフ上における前記検出された出口に該当する位置に、当該出口を示すマークを表示する有料道路出口表示手段を備えたこと
を特徴とする請求項8または請求項9に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項11】
前記検出された自車位置が有料道路上にある場合には、前記走行可能距離表示手段は、前記算出された有料道路限定利用時走行可能距離を示すグラフのみを前記表示部に表示すること
を特徴とする請求項6または請求項7に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項12】
前記グラフは、前記一般道利用時走行可能距離計算手段の計算結果と前記有料道路利用時走行可能距離計算手段の計算結果とが互いに対向する同心の円弧状を呈するような円グラフとされていること
を特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項13】
前記走行可能距離を示すグラフは、前記自車のメータパネル内またはナビゲーション装置の表示部に表示されること
を特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の走行可能距離表示装置。
【請求項14】
前記走行可能距離を示すグラフは、ナビゲーション装置の表示部に表示され、
前記給電可能ポイントを示すアイコンは、前記グラフ上に選択可能に表示され、
前記ナビゲーション装置は、選択された前記アイコンに該当する前記給電可能ポイントまでの経路誘導を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の走行可能距離表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−78242(P2012−78242A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224762(P2010−224762)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】