説明

走行履歴表示装置、走行履歴表示方法および走行履歴表示プログラム

【課題】 危険情報の視認性を改善する「走行履歴表示装置、走行履歴表示方法および走行履歴表示プログラム」を提供する。
【解決手段】 本発明に係る走行履歴表示装置は、危険事象を含む走行履歴データを保持する保持手段と、走行履歴データを含む履歴確認地図を表示する表示手段と、走行履歴データを取得したときの地図表示モードの地図方位を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された地図方位に基づき履歴確認地図の方位を設定する設定手段とを有する。例えば、地図表示モードがヘディングアップであれば、履歴確認地図の方位もヘディングアップに設定され、危険事象の視認性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行履歴表示装置、走行履歴表示方法および走行履歴表示プログラムに関し、特に、自車が走行した履歴を確認する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全運転支援システムの研究、開発が進められている。その1つに、交差点や事故の発生が多い地点に路側機を設置し、そこを通る車両に危険情報を与え、注意を喚起するものがある。また、これとは別に、ナビゲーション装置において、自車の運転に危険な走行が含まれているか否かを監視し、後から走行履歴データを表示することで危険な走行が含まれていたか否かを検証することが行われている。例えば、ナビゲーション画面またはウエブ画面において、走行履歴上に危険事象発生箇所を示すアイコンやラベルなどを表示し、ユーザは、それらの危険事象を確認し、次の走行時に同じような危険な走行をしないように心がける。
【0003】
特許文献1は、車両運転管理装置に関するもので、危険な走行が検出された場合に、危険な走行に関する危険走行情報を車両の走行態様および道路交通情報とともに地図画面上に表示する表示データを生成する技術を開示している。危険な走行とは、例えば、急加速、急ブレーキ、速度超過、一時停止忘れ、急激な車線変更、交差点やカーブ手前での減速不足などである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−38489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安全運転支援のために走行履歴データを表示するとき、走行履歴データは、常に一定の地図方位、例えばノースアップで表示される。この表示から、危険事象発生箇所の絶対位置を認識することは可能であるが、地図方位が実際にユーザが走行した際の方位と異なると、危険事象の位置関係を確認し難い場合がある。例えば、図10(a)に示すように、ユーザが、交差点の右折専用車線を右折することなく直進した場合には、危険な走行と判定され、走行履歴上に危険な走行を示すアイコンが表示されるが、ノースアップの地図上に走行履歴が表示されていると、実際の走行時のヘディングアップ(フロントアップ)と向きが異なるため、振り返って走行履歴を確認しようとしたとき、右折の方向を直感的に把握し難い。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、危険情報の視認性を改善する走行履歴表示装置、走行履歴表示方法および走行履歴表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る走行履歴表示装置は、危険事象を含む走行履歴データを保持する保持手段と、前記走行履歴データを含む履歴確認地図を表示する表示手段と、前記走行履歴データを取得したときの地図表示モードを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された地図表示モードに基づき前記履歴確認地図の方位を設定する設定手段とを有する。
【0008】
好ましくは、前記地図表示モードは、自車位置周辺の道路地図を表示するときの地図方位を含んでおり、前記設定手段は、前記地図方位に基づき前記履歴確認地図の方位を設定する。好ましくは前記設定手段は、前記地図方位がヘディングアップのとき、前記履歴確認地図の方位をヘディングアップにする。好ましくは前記設定手段は、前記地図方位がノースアップのとき、ユーザからの選択に応じて、前記履歴確認地図の方位をヘディングアップまたはノースアップにする。好ましくは前記表示手段は、予め決められた地図方位で第1の履歴確認地図を表示する第1のステップと、ユーザ選択に応じて第1の履歴確認地図から切り出された第2の履歴確認地図を表示する第2のステップを含み、前記設定手段は、前記地図方位に基づき第2の履歴確認地図の方位を設定する。好ましくは前記履歴確認地図には、危険事象の発生箇所と当該危険事象の内容が表示される。また、前記走行履歴データは、目的地までのルートを再探索したときの位置情報や、自車の走行中にコンテンツを再生したときの位置情報や、ハンズフリー電話を使用した期間の位置情報を含むことができる。
【0009】
本発明に係る、危険事象を含む走行履歴データをディスプレイに表示する走行履歴表示方法は、自車が走行したときの危険事象を含む走行履歴データを記憶するステップと、車両が走行したときの地図表示モードを記憶するステップと、前記地図表示モードに基づき履歴確認地図の方位を設定するステップと、設定された履歴確認地図上に前記走行履歴データを表示するステップとを有する。
【0010】
本発明に係る走行履歴表示プログラムは、電子装置によって実行され、危険事象を含む走行履歴データを表示するものであって、自車が走行したときの危険事象を含む走行履歴データを記憶するステップと、自車が走行したときの地図表示モードを記憶するステップと、前記地図表示モードに基づき履歴確認地図の方位を設定するステップと、設定された履歴確認地図上に前記走行履歴データを表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自車が走行したときの地図表示モードに基づき履歴確認地図の方位を設定するようにしたので、ユーザにとって、履歴確認地図上での危険事象の視認性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る走行履歴表示装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】本実施例の走行履歴データ生成部の機能ブロック図である。
【図4】本実施例の走行履歴データ生成部の動作フローを示す図である。
【図5】走行履歴データの一例を示す図である。
【図6】サーバの構成を示すブロック図である。
【図7】走行履歴リストの例を示す図である。
【図8】履歴確認地図を表示するときの動作フローを示す図である。
【図9】履歴確認地図の表示例である。
【図10】図10(a)は、従来の履歴確認地図の拡大図、図10(b)は、本実施例の履歴確認地図の拡大図である。
【図11】拡大履歴確認地図の方位を決定するテーブルの例である。
【図12】本発明の実施例に係る走行履歴表示装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態に係る走行履歴表示装置について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、1つの好ましい実施の形態として、自車が実際に走行したときの走行履歴がナビゲーション装置により取得され、当該走行履歴データがサーバにアップロードされ、ユーザがサーバにアクセスしそのウエブ画面にて履歴確認地図を閲覧するシステムの例を説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る走行履歴表示装置の概略構成を説明する図である。本実施例の走行履歴表示装置10は、走行履歴データを生成するナビゲーション装置30と、ナビゲーション装置30によって生成された走行履歴データを登録するサーバ20と、サーバ20にアクセスし走行履歴データを含む履歴確認地図を閲覧する情報処理端末40とを有する。
【0015】
図2は、ナビゲーション装置の典型的な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置30は、ジャイロセンサや距離センサなどの自立航法センサ100、GPS衛星からの信号を受信して自車位置を検出するGPS受信機102、VICSセンタから配信される道路交通情報を受信するVICS受信機104、ユーザからの入力を受け取る入力部106、無線または有線によりサーバ20とデータ通信を可能にする通信制御部108、道路地図データなどを記憶する記憶部110、スピーカ114から音声を出力させる音声出力部112、ディスプレイ118に道路地図等を表示させる表示制御部116、プログラムを記憶するプログラムメモリ120、データを一時的に記憶するデータメモリ130、プログラムを実行することで各部を制御する制御部140を含んで構成される。
【0016】
記憶部110に記憶される道路地図データには、道路を識別するためのリンクデータ、交差点を識別するためのノードデータ、施設等のPOIを識別する施設データなど含まれる。リンクデータは、右左折等の専用レーンの識別を含む車線情報、リンクに設定された最高速度、リンクの曲率半径、一時停止の有無などの情報を含む。これらの情報は、後述するように、自車の走行履歴を採取するとき、危険走行か否かの判定に利用される。
【0017】
プログラムメモリ120は、自立航法センサ100やGPS受信機102からの検出信号に基づき自車位置を算出する自車位置算出プログラム122、自車位置やその他の位置から目的地までの最適な経路を探索する経路探索プログラム124、自車の走行履歴を採取し走行履歴データを生成する走行履歴データ生成部126などを含んでいる。データメモリ130は、記憶部110から読み出した自車位置周辺の道路地図データ132、算出された自車位置情報134、走行履歴データ136等を記憶する。
【0018】
図3は、走行履歴データ生成部126の機能ブロック図である。走行履歴データ生成部126は、自車の走行時にディスプレイ118の道路地図の表示モードを記憶する表示モード記憶部200と、自車の走行した交差点やリンク等を識別しこれを記録する交差点、リンク記録部210と、危険な走行か否かを判別する危険走行判別部220と、危険な走行と判別された地点を記録する危険走行地点記録部230と、危険な走行と判別された原因を記録する危険走行原因記録部240と、自車の走行が終了したとき走行履歴データを作成する走行履歴データ作成部250と、作成された走行履歴データをサーバ20へアップロードするアップロード部260とを有する。
【0019】
図4は、走行履歴データ生成部126の動作を説明するフローチャートである。自車の走行が開始されたとき、あるいは自車の走行が開始されてユーザから走行履歴データの作成の指示が与えられると(ステップS101)、表示モード記憶部200は、ディスプレイ118に設定されている表示モードを記憶する(ステップS102)。表示モードは、道路地図を2D(2次元)または3D(3次元)で表示するのか、2画面で表示するのか、地図方位をノースアップまたはヘディングアップにするのかなどを含み、これらについて設定された情報が記憶される。
【0020】
自車の走行が開始されると、自車位置算出プログラム122によって自車位置が算出され、自車位置周辺の道路地図データが記憶部110から読み出され、ディスプレイ118に道路地図が表示される。自車位置は、マップマッチング等の手法により道路上に合成され、自車の移動に伴い道路地図がスクロールされる。リンク、交差点記録部210は、マップマッチングされたリンクおよび交差点を識別し、これを記録する(ステップS103)記録されたリンク、交差点を順次連結することで、走行履歴を得ることができる。
【0021】
危険走行判別部220は、走行中の運転を監視し、危険な走行が含まれるか否かを判別する(ステップS104)。危険な走行か否かは、道路地図データから得られた情報と自車の走行状態とを対比することによって判別される。例えば、リンクに設定された法定速度と自車の速度とを比較し法定速度を超えたとき、あるいは、リンクに設定された右左折の方向と自車の進行方向とが異なるとき、あるいは、リンクに設定された一時停止で減速されなかったとき、急加速または急ブレーキがあったとき、などが危険な走行と判別される。
【0022】
危険な走行が判別されると、危険走行地点記録部230は、危険な走行が発生した地点を記録する(ステップS105)。地点の記録は、緯度、経度の絶対値座標であってもよいし、リンクまたは交差点上の識別可能な座標位置であってもよい。さらに、危険走行原因記録部240は、危険な走行であると判別した原因を当該地点に関連付けして記録する。原因は、予め用意された複数の原因の中から少なくとも1つの原因を選択することができ、その原因は、符号化された情報であることができる。
【0023】
走行履歴データ生成部126は、自車の走行が停止されたか否か、あるいはユーザにより走行履歴データの採取を停止する入力があったか否かを判定する(ステップS106)。走行が継続される場合には、ステップS103からの処理が繰返される。走行が終了と判定されると、走行履歴データ作成部250は、記録した一連のリンク、交差点などの走行履歴と危険な走行などに関する情報などを統合した走行履歴データを作成する(ステップS107)。
【0024】
図5は、走行履歴データの構成例である。走行履歴データは、例えば、走行が開始された日時、出発地(市区町村名、ストリート名、ルート探索時には開始地点などを含む)、到着地(市区町村名、ストリート名、ルート探索時には目的地や経由地などを含む)、自車が走行した一連のリンクや交差点の識別情報、走行したリンクに関連する自車の走行速度、危険な走行に関する危険事象(危険走行発生地点や原因)、自車の走行時にディスプレイに設定された表示モードを含む。
【0025】
走行履歴データが作成されると、次に、アップロード部260は、走行履歴データをサーバ20にアップロードする(ステップS108)。サーバ20へのアップロードは、公知のように、ユーザログインなどの処理を行い、次いで、自身のアカウントに割り当てられた記憶領域に走行履歴データが格納される。
【0026】
図6は、サーバ20の構成を示すブロック図である。サーバ20は、ネットワーク等を介してナビゲーション装置30、情報処理装置40、その他のコンピュータなどと通信を行うデータ通信部22と、データベース24と、プログラム等に従い種々の演算処理を行う演算処理部26と、プログラム等を格納するメモリ28とを備えて構成される。本実施例では、演算処理部26は、プログラムに従い、走行履歴データをデータベース24に記憶したり、ユーザからの要求に応じて走行履歴データに基づき生成された履歴確認地図をユーザに提供する。
【0027】
ナビゲーション装置30から走行履歴データのアップロードの要求があると、演算処理部26は、走行履歴データをデータベース24に格納する。好ましくは、演算処理部26は、データベース24に格納された走行履歴データの管理を容易にするため、走行履歴リストを作成する。図7に、走行履歴リストの一例を示す。同図に示すように、走行履歴リストは、ユーザID、走行履歴ID、走行日時、出発地、到着地などの管理情報を含み、ユーザから走行履歴データのアップロードがあると、リストが更新される。
【0028】
次に、情報処理装置40を用いてサーバ20に格納された走行履歴データを利用して走行履歴を反映した履歴確認地図を表示させる動作を説明する。情報処理装置40は、パーソナルコンピュータ、ネットワークコンピュータなどから構成され、情報処理装置40は、典型的に、ユーザからの指示を受け取る入力部、表示部、サーバ20とデータ通信を行うデータ通信部、各部を制御する制御部等を備えている。
【0029】
図8(a)に示すように、情報処理装置40からサーバ20にアクセスし、ユーザID等を用いてログオンする。サーバ20は、ログオンされたユーザIDを用いて図7に示す走行履歴リストから一致するユーザIDを検索し、検索されたユーザIDからなる走行リストを情報処理装置40へ送信する。情報処理装置40の表示部には、走行履歴リストが表示され、ユーザは、走行履歴リストの中から確認したい走行履歴IDを選択し、これをサーバ20へ送信する。
【0030】
サーバ20は、走行履歴IDを受け取ると、該当する走行履歴データ(図5)をデータベース24から検索し、走行履歴データに基づき履歴確認地図を生成し、これを情報処理装置40へ送信する。図9は、情報処理装置40の表示部に表示される履歴確認地図MPを示している。履歴確認地図MPは、地図方位がノースアップとなるように表示され、そこに自車の走行履歴P(図中、太い実線で示す)が描画される。さらに地図上には、危険走行と判別された地点に、危険走行を示すアイコンD1、D2、D3が描画される。アイコンD1〜D3は、危険走行地点記録部230によって記録された地点に基づき表示される。
【0031】
履歴確認地図MPの中の危険事象を含むエリア(図面ではRで示す)またはアイコンD1〜D3をクリックすることで、その危険事象エリアを拡大した詳細地図を閲覧することができる。ユーザによる危険事象エリアの選択情報がサーバ20へ送信されると、サーバ20は、危険事象エリアを拡大した詳細履歴確認地図を生成する。このとき、サーバ20は、走行履歴データに含まれる表示モードに基づき拡大履歴確認地図の方位を決定する。例えば、自車が走行中(走行履歴を取得中)の表示モードがヘディングアップに設定されていた場合には、拡大履歴確認地図をヘディングアップに変換し、これを情報処理装置40へ送信する。これにより、情報処理装置40は、ヘディングアップで拡大履歴確認地図を表示する。
【0032】
図10(b)に、本実施例の拡大履歴確認地図の表示例を示す。ここでは、図9の危険事象D1を含むエリアRが選択されたものとする。拡大履歴確認地図は、ヘディングアップで表示され、さらに危険走行のアイコンD1に関連して、危険走行の原因Qが付記される。原因Qは、危険走行原因記録部240の記録に基づくものである。原因は、「信号機により右折レーンのみ通行可能であるが、直進したため危険と判断」なるメッセージが表示される。ヘディングアップで表示されるため、自車の走行を振り返ったときに右折の位置関係を瞬時に理解することができる。他方、図10(a)は、従来の手法によるもので、拡大履歴確認地図は、図9に示す履歴確認地図の方位と同じノースアップで表示される。
【0033】
また、サーバ20は、自車が走行中(走行履歴を取得中)の表示モードがノースアップに設定されていた場合には、必ずしもユーザがヘディングアップを希望するとは限らないので、図8(b)に示すように、ヘディングアップに設定するか否かの選択画面を情報処理装置40に送信する。情報処理装置40は、選択画面を表示し、ユーザからの選択結果をサーバ20へ送信する。サーバ20は、選択結果に基づきノースアップまたはヘディングアップのいずれかの拡大履歴確認地図を情報処理装置40に送信する。
【0034】
次に、拡大履歴確認地図の方位の決定方法について他の例について説明する。図11は、拡大履歴確認地図の方位を決定するテーブルを示している。テーブルは、サーバ20のメモリ28に格納され、演算処理部26は、当該テーブルを参照して方位を決定することができる。ナビゲーション装置30の表示モードが2D(2次元)、ノーマルビュー、ヘディングアップに設定されているとき、拡大履歴確認地図は自動的にヘディングアップに設定される。これは、実際の走行の向きと地図方位が同じになるためである。ノースアップに設定されていた場合には、図8(b)のフローに示したようにユーザオプションに従いノースアップまたはヘディングアップに設定する。これは、地図方位を変換しない方がユーザにとって良い場合があるからである。表示モードが2D、市街地図、スカイビューのときにも上記と同様の決定を行う。
【0035】
表示モードが3D(3次元)、ドライバースビューに設定されている場合には、拡大履歴確認地図の方位はヘディングアップに決定される。ヘディングアップは、ドライバービューの方位とほぼ同じになるためである。表示モードが2画面表示であり、メイン画面が2D、サブ画面が2Dの場合には、メイン画面の方位設定に従う。仮に、メイン画面とサブ画面の設定がされていない場合には、画面領域が大きい方をメイン画面とし、あるいは縮尺率が大きい方をメイン画面とする。また、表示モードが2画面表示であり、メイン画面またはサブ画面のいずれかに3Dが含まれている場合には、ヘディングアップに決定される。つまり、3Dをメイン画面と考え、3Dをデフォルトにする。
【0036】
次に、本発明の他の実施例について説明する。上記の実施例では、履歴確認地図には、危険走行の地点や原因が表示されたが、さらに、目的地または経由地を設定して走行をしているときに、リルート(最探索)を行った場合には、リルートを行った地点を記録して置き、履歴確認地図を表示するとき、リルート地点が分かるようにアイコン等で表示するようにしてもよい。例えば、ルート上のランドマークを見逃した場合などにリルートを行うことがあり、次回の走行のときにランドマークを見逃さないようにする。
【0037】
また、走行中にCD、DVD、その他のコンテンツを再生したとき、コンテンツを再生した地点を記録しておき、履歴確認地図にコンテンツ再生した地点が分かるようにアイコン等を表示するようにしてもよい。この場合、コンテンツの種類(CD、DVDなど)に応じてアイコンを変えたり、コンテンツの内容(楽曲の順番など)に応じてそれが識別できるようなアイコンを表示することができる。例えば、ルート上の景観区域(海が見える地点、桜が見える地点など)における再生コンテンツを確認し、次回の走行時のコンテンツ再生プログラムに利用することができる。
【0038】
さらに、走行中にハンズフリー電話を使用した区間、通話相手を記録しておき、履歴確認地図に通話区間、通話相手が分かるようなアイコン等を表示するようにしてもよい。いつ、誰と通話したかを確認することができる。
【0039】
次に、本発明の実施例に係る履歴情報表示装置の他の構成例について説明する。図1に示す態様では、ナビゲーション装置30でロギングした走行履歴データをサーバにアップロードし、自宅等のパーソナルコンピュータからウエブ画面を介して走行履歴地図を表示するようにしたが、これに限らず、例えば、ナビゲーション装置30において、自身でロギングした走行履歴データに基づき履歴確認地図を表示するようにしてもよい。
【0040】
さらに、図12(a)に示すように、走行履歴表示装置10Aは、ナビゲーション装置30においてロギングされた走行履歴データを、無線または有線による通信手段を用いてパーソナルコンピュータ等の情報処理装置40へ送信し、情報処理装置40において履歴確認地図を表示させるようにしてもよい。この場合、情報処理装置40は、履歴確認地図を表示するプログラムを搭載し、上記したサーバ20と同様の履歴確認地図の表示機能を有する。また、図12(b)に示すように、ナビゲーション装置30においてロギングして生成された走行履歴データを、着脱可能な記録媒体(例えば、USBメモリなど)32に格納し、当該記録媒体32をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置40に装着し、情報処理装置40において履歴確認地図を表示するようにしてもよい。なお、本発明の走行履歴表示装置は、単体の装置に限定されるものではなく、複数の装置等を含んで構成される走行履歴表示システムと同義に解釈されるものである。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
10:走行履歴表示装置 20:サーバ
30:ナビゲーション装置 40:情報処理装置
200:表示モード記憶部 210:リンク、交差点識別部
220:危険走行判別部 230:危険走行地点記録部
240:危険走行原因記録部 250:走行履歴データ作成部
260:アップロード部 MP:履歴確認地図
P:走行履歴 D1、D2、D3:危険走行アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険事象を含む走行履歴データを保持する保持手段と、
前記走行履歴データを含む履歴確認地図を表示する表示手段と、
前記走行履歴データを取得したときの地図表示モードを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された地図表示モードに基づき前記履歴確認地図の方位を設定する設定手段と、
を有する走行履歴表示装置。
【請求項2】
前記地図表示モードは、自車位置周辺の道路地図を表示するときの地図方位を含んでおり、前記設定手段は、前記地図方位に基づき前記履歴確認地図の方位を設定する、請求項1に記載の走行履歴表示装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記地図方位がヘディングアップのとき、前記履歴確認地図の方位をヘディングアップにする、請求項1または2に記載の走行履歴表示装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記地図方位がノースアップのとき、ユーザからの選択に応じて、前記履歴確認地図の方位をヘディングアップまたはノースアップにする、請求項1ないし3いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、予め決められた地図方位で第1の履歴確認地図を表示する第1のステップと、ユーザ選択に応じて第1の履歴確認地図から切り出された第2の履歴確認地図を表示する第2のステップを含み、前記設定手段は、前記地図方位に基づき第2の履歴確認地図の方位を設定する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項6】
前記履歴確認地図には、危険事象の発生箇所と当該危険事象の内容が表示される、請求項1ないし5いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項7】
前記走行履歴データは、目的地までのルートを再探索したときの位置情報を含む、請求項1ないし6いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項8】
前記走行履歴データは、自車の走行中にコンテンツを再生したときの位置情報を含む、請求項1ないし7いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項9】
前記走行履歴データは、ハンズフリー電話を使用した期間の位置情報を含む、請求項1ないし8いずれか1つに記載の走行履歴表示装置。
【請求項10】
危険事象を含む走行履歴データをディスプレイに表示する走行履歴表示方法であって、
自車が走行したときの危険事象を含む走行履歴データを記憶するステップと、
車両が走行したときの地図表示モードを記憶するステップと、
前記地図表示モードに基づき履歴確認地図の方位を設定するステップと、
設定された履歴確認地図上に前記走行履歴データを表示するステップと、
を有する走行履歴表示方法。
【請求項11】
電子装置によって実行され、危険事象を含む走行履歴データを表示するための走行履歴表示プログラムであって、
自車が走行したときの危険事象を含む走行履歴データを記憶するステップと、
自車が走行したときの地図表示モードを記憶するステップと、
前記地図表示モードに基づき履歴確認地図の方位を設定するステップと、
設定された履歴確認地図上に前記走行履歴データを表示するステップと、
を有する走行履歴表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−47461(P2012−47461A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186941(P2010−186941)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】