説明

超音波アレイセンサおよび信号処理方法

【課題】本発明は、ゴースト、ノイズ低減、リアルタイム性ならびに対象物の全体像取得に優れた超音波アレイセンサならびにその信号処理方法を提供する。
【解決手段】複数の圧電体を受信用センサとして2次元配列した超音波アレイセンサであって、超音波アレイセンサの周囲に複数の超音波発信源を配設する。また、複数の圧電体を受信用センサとして円筒側面に2次元配列した超音波アレイセンサであって、円筒の周方向ならびに軸方向に複数の超音波発信源を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ状に配設された複数の圧電型トランスデューサからなる超音波アレイセンサに関し、特に、超音波アレイセンサにおけるゴースト、ノイズ低減、リアルタイム性ならびに対象物の全体像取得に優れた信号処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から実用化されている超音波センサとしては、圧電体のバルクセラミックスを用いたものが主流である。しかし、小型化の要請があるものの、数cm程度のスケールで多素子アレイ化は困難であるという問題がある。そのため、このバルクセラミックスに代わるものとして、シリコンマイクロマシニング技術を用いたダイアフラム上に種々のタイプの超音波センサが作製されており、ピエゾ抵抗型や、コンデンサマイクロフォン型、圧電型が研究開発されている。また、コンポジット型センサも開発されており、センサの小型化が進んでいる。
また近年、所定の共振周波数を有し超音波を検出可能な圧電型トランスデューサにてなる複数の超音波センサ素子を所定の2次元アレイ状に配置した超音波アレイセンサを用いて、電子走査による物体の三次元計測画像を得ることが実用化されている。例えば、空気中での三次元計測を目指した圧電薄膜を用いたマイクロ超音波アレイセンサが知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−284182号公報
【特許文献2】特開2005−167820号公報
【非特許文献1】J.J. Bernstein et al., "Micromachined High FrequencyFerroelectric Sonar Transducers", IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectrics and Freq. Control, Vol. 44, pp. 960-969, 1997.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
三次元空間内での物体検知のためには、超音波センサをフェイズドアレイとして用い、各方位角及び仰角における反射点までの距離を測定する必要がある。処理のリアルタイム性を確保すべく、機械的な可動部を用いずに角度情報を得るためには、受信波形を遅延加算することにより電子的に角度走査する必要がある。
かかる場合に、超音波アレイセンサの各超音波センサ素子の出力信号の周波数が一致していることが必要となる。しかしながら、実際に作製される素子では、ウエハの寸法誤差やセンサを構成する各層の特性の不均一性から、超音波センサ素子毎に共振周波数のばらつきが生じることを回避することは困難である。このことは、特に、高感度な超音波センサでは問題になる。かかる問題に起因して、従来の超音波アレイセンサにより取得された画像上には、ゴーストやノイズが出現することになる。
また従来、超音波発信源としては単一の音源を用いていたため、円柱や球に近い形状の物体の場合は信号の反射が限定され、反射波の受信信号を線や点でしか表示することができないことから、対象物の全体像を取得することは困難であった。
また、上述した受信波形を遅延加算により電子的に角度走査する処理を全空間に対して実施した場合は、膨大な計算量となり、最近の高性能なパーソナルコンピュータでも処理時間がかかり、リアルタイム性が犠牲になるという問題がある。
上記の問題点に鑑み、本発明は、ゴースト、ノイズ低減、リアルタイム性ならびに対象物の全体像取得に優れた超音波アレイセンサならびにその信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、本発明に係る超音波アレイセンサならびに信号処理方法を完成した。
先ず、本発明の第1の観点からは、複数の圧電体を受信用センサとして2次元配列した超音波アレイセンサであって、超音波アレイセンサの周囲に複数の超音波発信源を配設したことを特徴とする超音波アレイセンサが提供される。
かかる本発明の第1の観点の超音波アレイセンサによれば、受信センサの受信信号を処理することにより、反射物体の距離と角度を算出できる。すなわち、送信センサから発信された超音波の反射波は、反射物体から放射状に受信センサに到達するため、反射物体の距離や角度を算出するためには、各受信センサの配置を考慮する必要があるが、2次元マトリックス状に受信センサを配置させ、受信信号の位相を遅延させ、各受信センサの受信信号を加算していくことで、ある角度のある距離からの反射波として増幅することができる。そして、その信号レベルを評価することにより、反射物体の角度と距離が特定できるのである。
ここで、超音波アレイセンサの周囲に複数の超音波発信源を配設することとしたのは、単一の音源では、反射信号が限られて、特に円柱や球に近い物体の場合には、線とか点でしかとらえることができず、対象物の全体像を取得することが困難なことが多いためである。
【0006】
次に、本発明の第2の観点からは、複数の圧電体を受信用センサとして円筒側面に2次元配列した超音波アレイセンサであって、円筒の周方向ならびに軸方向に複数の超音波発信源を配設したことを特徴とする超音波アレイセンサが提供される。
かかる本発明の第2の観点の超音波アレイセンサによれば、全方向にリアルタイムに計測が可能となる。特に、管内の超音波計測に効果的である。
【0007】
ここで、上記の第1の観点および第2の観点の超音波アレイセンサにおける超音波発信源は、非収束性の超音波を発信し得ることが好ましい。
具体的には、上記の第1の観点および第2の観点の超音波アレイセンサにおける超音波発信源は、その振動子の前面に、音響レンズが装着され、屈折現象により超音波を拡散させて発信し得るものが好適に用いられる。かかる音響レンズの装着より、超音波の視野の拡がり範囲を拡大できる。
また、上記の第1の観点および第2の観点の超音波アレイセンサにおける超音波発信源は、その振動子の前面形状が、凹状の曲面に形成され、超音波を振動子前面で一旦集束させた後に拡散させて発信し得るものが好適に用いられる。拡散性を用いることで、超音波の視野の拡がり範囲を更に拡大できる。
【0008】
また、上記の第1の観点および第2の観点の超音波アレイセンサにおける圧電体は、少なくとも2対の電極で挟設してなり、所定の共振周波数を有して超音波を検出するものが好適に用いられる。かかる圧電体は薄膜アレイセンサを構成し、これにより装置の小型化が図れる。
また、上記の第1の観点および第2の観点の超音波アレイセンサにおける圧電体は、圧電型セラミックスであり、受信用センサと超音波発信源に兼用したものが好適に用いられる。
この圧電体は、バルクセンサであり、市販で簡単に入手できる。また、高価ではあるがバルクセンサでも小型のものが存在する。
【0009】
次に、本発明の第1の観点の超音波信号処理方法は、上記の超音波アレイセンサの超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて対象物からの反射エコーを圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、超音波発信源から発する超音波の周波数が、各々の超音波発信源毎に異なるものであることを特徴とする。
かかる本発明の第1の観点の超音波信号処理方法によれば、超音波発信源毎に周波数が異なるため、受信アレイセンサにおいて、受信した超音波が、どの位置のどの超音波発信源からのものであるかを判定できる。
【0010】
また、本発明の第2の観点の超音波信号処理方法は、上記の超音波アレイセンサの超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて対象物からの反射エコーを圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、超音波発信源から発する超音波の周波数が、各々の超音波発信源で同一周波数であり、各々の超音波発信源がポーリングにより超音波を対象物に入射させることを特徴とする。
かかる本発明の第2の観点の超音波信号処理方法によれば、これは超音波を発信するタイミングを超音波発信源毎に異ならせ、個々の超音波発信源が周期的に発信することにより、受信アレイセンサにおいて、受信した超音波が、どの超音波発信源からのものであるかを判定できる。
【0011】
また、本発明の第3の観点の超音波信号処理方法は、上記の超音波アレイセンサの超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて対象物からの反射エコーを圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、圧電体で受信した超音波の信号のうち、所定の閾値よりも大きい値の信号をカットすることを特徴とする。
かかる本発明の第3の観点の超音波信号処理方法によれば、所定の閾値よりも大きい値の信号をカットすることにより、虚像・ノイズの低減が図れることができる。
ここで、上記の第1の観点〜第3の観点の超音波信号処理方法において、測定・表示を必要とする空間に限定して信号処理を施すことがより好ましい。必要とする空間に限定して処理することにより、計算負荷を抑え、処理速度を向上できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の超音波アレイセンサならびに信号処理方法を用いることにより、ゴーストやノイズの低減、リアルタイム性ならびに対象物の全体像取得に優れるといった効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更および変形が可能である。
【実施例1】
【0014】
実施例1では、ゴースト、ノイズ低減、リアルタイム性ならびに対象物の全体像取得に優れた超音波アレイセンサならびにその信号処理方法の一実施形態について説明する。
実施例1の超音波アレイセンサの模式図を図1に示す。
図1に示すように、実施例1の超音波アレイセンサは、縦8個、横8個の2次元マトリックス状に配列した64個の圧電体を受信アレイセンサの1つのブロックとして、そのブロックを縦横に配列したものである。そして、その受信アレイセンサのブロックを配列したものの周囲に、4個の超音波発信源を配設となる送信センサが、図1に示すように、受信アレイセンサの上下左右の4箇所に複数の発信源が配置されており、反射信号の情報が多くなるようになっている。本実施例では、アレイセンサ素子は8×8の64個であるが、より精細な画像を得ようとすると、例えば、下記のように88×88の7744個が用いられる。
【0015】
すなわち、縦8個×横8個のバルクアレイセンサを、64個単位を1ブロックとし、このブロックを縦11ブロック×横11ブロックにして、121ブロックを2次元マトリックス状に並置する。これにより、受信アレイセンサが、88×88の7744個で構成された超音波アレイセンサができる。
【0016】
また、この他、受信アレイセンサは、8×8のバルクアレイセンサ64個単位で計測を行い、これに加えて、横に11回、縦に11回移動させて計測を行うことで、見かけ上88×88の7744個で構成された受信アレイセンサとして信号処理を行ってもよい。
【0017】
図2に、上記説明に係る受信アレイセンサとその上側に配置されている1つの送信センサとの信号処理の概念図を示す。説明の便宜上、以下では、8×8のバルクアレイセンサの1つ1つが順番に計測を行うように見立てて説明するが、実際は、並列処理で2次元マトリックス状に並置されたバルクセンサから信号を一度に取り込み、一度で処理することとしている。
【0018】
図2(1)では、送信センサから送信された超音波の反射物表面での反射波を、反射物の位置から見た場合に、左上の受信センサが受信している。また、図(2)では、受信センサが1つ移動し(実際には、信号処理する受信センサを切り替えているイメージ)、隣に移動した受信センサが反射波を受信している。このように順に受信センサを切り替えて、信号処理を行っている。
【0019】
次に、4つの送信センサは、受信アレイセンサの上下左右の4箇所から個別に超音波を送信し、中央の受信アレイセンサで反射波を受信している概念図を図3に示す。
そして、この7744個の受信アレイセンサの信号を、超音波の送信センサの位置を変えて計測した結果、すなわち、上下左右の4回計測した結果を信号処理したものを合成して3次元画像化を生成する。
具体的には、受信アレイセンサの個々の受信センサはバルクセンサから構成されており、このバルクセンサから取得した信号波形は、超音波アレイセンサを経由して、コンピュータにファイルとしてダウンロードされる。そのファイル化された信号波形を読み取り、処理することにより、反射物の距離、角度を特定する。
【0020】
超音波アレイセンサからダウンロードしたファイルフォーマットは、8×8の64個分のセンサ単位のサンプリングデータが、縦にサンプリング周期、横にセンサ数で、−127〜127の受信感度で記録されている。1回の計測で、そのファイルが11×11の計121ファイル出力される。今回、上下左右の4回分の送受信で信号処理を行うため、送信センサ位置を変えて4回計測を行い、計484ファイル、30976個のセンサのサンプリングデータから信号処理を行うこととなる。
【0021】
次に、送信センサ、受信センサの信号処理について、図4を参照しながら説明する。送信センサから発信された超音波は球面状に放射され(図4(1))、反射物に衝突した超音波も、球面状に反射され(図4(2))、アレイ状に配置した複数の受信センサで反射波を受信する(図4(3))。
受信センサの受信信号を処理することにより、反射物体の距離と角度を算出することになる。しかしながら、反射物体から放射状に反射波が受信センサに到達するため、反射物体の距離や角度を算出するためには、各受信センサの配置を考慮する必要がある。すなわち、受信信号の位相を遅延させ、各受信センサの受信信号を加算していくことで、ある角度のある距離からの反射波として増幅することができ、そして、その信号レベルを評価することにより、反射物体の角度と距離が特定できることになる。
【0022】
ここで、受信信号の位相を遅延させるための位相遅延時間の算出方法について説明する。位相遅延時間の算出は、基準位置(0,0,0)から反射物(x,y,z)までの経路2rを往復する時間を基準として、反射物(x,y,z)と受信アレイセンサ上の受信センサの位置(xi,yi,0)への超音波の到達時間差を考慮し、反射物からの球面状の反射波の強度を計算することにしている。また、送信センサが基準位置(0,0,0)にある場合で、基準位置(0,0,0)から反射物 (x,y,z)で反射し、再び基準位置(0,0,0)へ戻る経路2rを超音波が往復する時間を基準として、対象受信センサの位置(xi,yi,0)への遅延時間を算出すると、往路は、基準位置(0,0,0)から反射物 (x,y,z)の同一経路を通るため無視でき、復路のみで遅延時間が発生することとなる。
この場合、反射物(x,y,z)から反射された球面波が、基準位置(0,0,0)に到達する時間と遅延量を算出したい素子(xi,yi,0)との時間差は下記数式1により求めることができる。
【0023】
【数1】

【0024】
上記数式1を元に、遅延時間については、実施例1の超音波アレイセンサの送信センサが受信センサの周囲にあり、送信センサ位置を4回変更させて測定した条件を想定する。1つ目の送信位置である送信素子1の座標を、(xk1,yk2,0)として、送信素子位置1から発信された超音波が反射物(x,y,z)に到達するまでの距離r’と、反射物(x,y,z)で反射され、遅延量を算出したい対象送信素子1(xj,yj,0)までの経路をr”を超音波が通過する時間と、基準素子から反射物までの航路2rを進む時間との遅延時間を求める。
まず、対象送信素子1から反射物までの距離r’は、下記数式2により求められる。
【0025】
【数2】

【0026】
そして、反射物から対象受信素子までの距離r”は、下記数式3により求められる。
【0027】
【数3】

【0028】
次に、基準経路2rと経路r’+r”との遅延時間を求めるには、2rとr’+r”の距離差を超音波の水中での速度Cで割ることで、遅延時間が下記数式4により求められる。そして、4つの全ての送信センサ素子の位置で適応させると、下記数式5により遅延加算式が導き出せる
【0029】
【数4】

【0030】
【数5】

【0031】
プログラムで遅延加算処理を行う場合は、上記の数式5で求めた遅延加算式について、計算処理速度の向上のために、測定・表示対象の空間に限定して適用している。、連続的に視野角の限定された空間で適応させることで行う。限定された空間とは、θx、θyであらわされる角度±0.200rad(±11.46度)を0.005rad(0.286度)の分解能であり、奥行き方向は、受信センサのサンプリング周期ごと、20MHzのサンプリングでは50ns周期(距離として0.037mm)で遅延加算を行う。距離方向では、10サンプリングごとに実行値を計算するため、奥行きの分解能は0.37mmとなる。
【0032】
そして、角度θx、θy、基準センサからの距離rで特定される3次元空間上の点に対して、遅延加算により強度をもとめ、3次元画像処理を行う。
ここで、信号処理の手順としては、信号処理の対象空間のある座標(距離r、角度θx、θy)に反射物があると想定すると、その座標から距離rの球面上に、反射波が到達することになる。
【0033】
そして、アレイ状に配置した複数の受信センサで反射波をサンプリングしているので、座標(0,0,0)となる基準センサと各受信センサの座標(xj,yj,0)と、送信センサの座標(xkn,ykn,0)のパラメータから、基準センサに対する各受信センサの遅延時間を求め、ある座標(距離r、角度θx、θy)からくる反射波の総和を求め、その座標の信号強度とする。
その処理を、連続的に、距離rを0mm〜2000mm(サンプリング周期20MHzの間隔0.037mm)、角度θxとθyを−0.200rad〜0.200rad(0.005radの分解能で)の範囲で計算することにより、各座標の信号強度を得ることが出来、その強度を3次元座標上にプロットすることで、3次元画像を得ることができる。
【0034】
信号処理手順のフローとしては、下記1)〜6)の6つのパラメータを各範囲、間隔で変更し、全て組合せて、上記の数式5を用いて遅延加算式で演算することになる。
1)送信センサの座標(xkn,ykn,0)を決定(n:1〜4)
2)距離rを決定(0〜2000, 間隔0.037mm)
3)角度θxを決定(−0.200〜+0.200rad, 間隔0.005rad)
4)角度θyを決定(−0.200〜+0.200rad, 間隔0.005rad)
5)基準センサとのギャップxjを決定(−52.8〜+51.6mm,間隔1.2mm)
6)基準センサとのギャップyjを決定(−52.8〜+51.6mm,間隔1.2mm)
【0035】
また、実施例1の超音波アレイセンサでは、ゴースト、ノイズ低減を図るため、受信センサで受信した超音波の信号のうち、所定の閾値よりも大きい値の信号をカットすることにしている。一般に、強い反射点が存在すると、上下左右に虚像の帯が発生してしまう。これは、送信センサの送信波が単パルスではなく複数のパルスから構成されているため、遅延加算処理を行った場合に、その複数のパルスをひろってしまうために、虚像が発生してしまうものである。実施例1の超音波アレイセンサでは、かかる虚像の発生を防ぐべく、強いS/Nのデータに上限を設けて、閾値よりも大きい場合に超過分をカットするように処理して、閾値で遅延加算を行うようにしている。これにより、強い反射点の強度が若干なまってしまうが、その分、弱い反射点が強調され、均一な表面画像を得ることができるのである。
【0036】
図8に示すように、閾値で遅延加算を行うようにした超音波アレイセンサを用いて表面画像を取得するもの(図8(2)参照)は、虚像除去の処理を行わないで取得した表面画像(図8(1)参照)のような上下左右に虚像の帯は見られない。このことから、閾値で遅延加算を行うようにした超音波アレイセンサは、ゴーストやノイズを低減できることがわかる。
【0037】
次に、実施例1の超音波アレイセンサを用いて、実際に物体形状を測定し、3次元画像化を行った結果を示す。
測定対象は、コンクリートブロックと丸石の組合せた物体の全体形状であり、その物体の写真を図9に示す。図9(1)はブロック正面から写真で、図9(2)はブロック上部からの写真である。
また測定条件は、サンプリング20MHz、距離約1350mmである。
【0038】
測定結果の3次元表面画像を図10に示す。図10(1)は正面からの3次元画像で、図10(2)は上面からの3次元画像、図10(3)は上部ブロックの正面からの3次元画像、図10(4)は上部ブロックの上面からの3次元画像、図10(5)は色調を距離に変更した正面、図10(6)は色調を距離に変更した斜面図を示している。
【0039】
図10の結果から、測定対象のコンクリートブロックの形状がはっきりと画像化できていることがわかる。また、センサから20度の角度がある、ブロックの穴の側面まで捉えることができている。これはコンクリートブロック表面の、直径1〜2mm程度の砂の粒子が均一に反射波を返していることも測定にプラスに作用しているが、実施例1の超音波アレイセンサが精度よく測定可能であることを示したものである。
なお、正面上方と左側面上方の縦の筋は、設置時のワイヤーを捕らえているものである。
【実施例2】
【0040】
実施例2の超音波アレイセンサは、実施例1の超音波アレイセンサにおいて、送信センサの視野拡大を図ったものである。実施例1の超音波アレイセンサの送信センサは、送信センサ振動子(直径10mm)に直径5mmの穴開きゴムマスクを装着し、センサ振動子径を小さくすることにより指向角を拡げる手法を用いている。しかしながら、振動子面をゴムマスクで覆うことから、全体に超音波強度が低下することになり、遠距離での超音波強度が減少してしまい、視野を狭めるという問題がある。
そこで、実施例2の超音波アレイセンサでは、視野拡大のために振動子径を縮小すること無く、また超音波の強度を増加することを目的として、振動子前面にアクリル製などの音響凸レンズを装着して、屈折により超音波を拡げることにしている。また加えて、超音波強度を上げるために振動子面積を増加させるために、送信センサの振動子径を直径20mmに設計仕様を変更している。
以下、実施例2の超音波アレイセンサの送信センサ(以下、「音響レンズ方式」と称する。)について、データを示しながら詳細に説明する。
【0041】
音響レンズ方式は、上述したように、送信センサの振動子前面に、例えば、アクリル製の凸レンズを取付け、屈折現象により超音波を拡散させるものである。取付けの凸レンズは、曲率半径20mmのものを使用する。
この場合の音響レンズを取付けた時の超音波の屈折経路を図11に示す。また、屈折角は下記数式6により算出できる。ここで、数式6の式中の記号は、図11の図中の記号と対応している。
【0042】
【数6】

【0043】
ここで、図12に示すように、目標とする視野の大きさは、センサ前面2mにおいて要求仕様800mm四方を含む直径1131mmの円形の範囲が必要と設定している。送信センサの外縁部から円形範囲外縁までの拡がり角は、下記数式7から求められ、拡がり角計算から15.52°が算出される。この値が目標の屈折角となる。
【0044】
【数7】

【0045】
実施例2の超音波アレイセンサの送信センサにおいて、取付けの凸レンズは、曲率半径20mmであい、送信センサの中心から10mmの水中屈折角は15.43°であり、目標の屈折角度に近い値を持っている。
【実施例3】
【0046】
実施例3の超音波アレイセンサは、実施例2と同様に、実施例1の超音波アレイセンサにおける問題、すなわち、送信センサの振動子面をゴムマスクで覆うことから、全体に超音波強度が低下することになり、遠距離での超音波強度が減少してしまい、視野を狭めるという問題を改善すべく、実施例3の超音波アレイセンサでは、送信センサの振動子面を球面凹形状の振動子とし、超音波ビームをセンサ前面直線上のある点で集束させ、その後拡散させるといった集束拡散方式を用いている。また加えて、超音波強度を上げるために振動子面積を増加させるために、送信センサの振動子径を直径20mmに設計仕様を変更している。
以下、実施例3の超音波アレイセンサの送信センサ(以下、「集束拡散方式」と称する。)について、データを示しながら詳細に説明する。
【0047】
集束拡散方式は、振動子形状が凹状の曲面から発せられる超音波を、送信センサ前面のある点で集束させて、その後拡散させることにより、視野拡大を図るものである。これらの集束〜拡散の模式図を図13に示す。
例えば、集束拡散方式の送信センサの集束距離、拡がり角度の算出条件を、振動子径20mm、距離2m、超音波拡がり範囲として円形φ1131mmを用いて、下記数式8から、拡がり角の計算を行う。
【0048】
【数8】

【0049】
かかる場合、計算の結果から、集束点距離は34.73mm、拡がり角度は16.06°(片側)となる。これらから、実施例3の超音波アレイセンサにおける送信センサの振動子の集束距離は34.73mmとしている。
【0050】
次に、実施例3の超音波アレイセンサを用いて、視野試験、水平分解能試験、距離分解能試験を行った結果について説明する。ここで、視野試験は、センサから2mの距離において視野800×800mmを満足しているかを確認するものであり、水平分解能試験は、水平方向に近接する物体の識別性能を確認するものであり、距離分解能試験は、距離方向に近接する物体の識別性能を確認するものである。
【0051】
ここで、試験に用いる集束拡散方式の仕様は、次の通りである。
1)型名称:B2K20I水浸用(ジャパンプローブ社製) 集束型
2)周波数:2MHz
3)振動子径:φ20mm 凹球面状
4)素子材料:1−3コンポジット材
【0052】
(視野試験)
視野試験の要求仕様は、センサ〜試験体間距離2000mmにおいて、800mm(視野角度片側11.3°)と設定する。試験方法は、図14に示すように、先ずφ20mmのアルミパイプの正面(アルミパイプ゜からの反射波が最大となる位置)にセンサを配置する。次にセンサを横方向へ移動した時に反射波が表示器上でいくらの距離まで識別可能かを確認することとしている。
集束拡散方式では、移動距離550mmにおいて、図15に示すように、十分識別可能なエコー高さ20%を上回る高さ28%を確認できている。また、正面位置でエコー高さが40%から、横移動550mm位置までエコー高さの減少が少ないことから、超音波が全体に比較的均等に一様に拡がっていると推察される。なお、視野角度は15.3°で要求仕様として設定した仕様を満足するものである。
【0053】
(水平分解能試験)
水平分解能は、超音波ビーム中心位置で水平方向に近接する2つの物体を識別する能力を表す。この水平分解能試験では、要求仕様として、分解能が±10mmを満足するかを確認するものである。
【0054】
図16に示すように、2本のパイプの真正面にセンサを配置し、横方向20mm以内で双方のパイプのエコーの入替わりが識別できた場合、水平分解能±10mmを満足すると判断できる。図17の水平分解能試験信号波形からわかるように、集束拡散方式では、2m距離においてエコーの入替わりが識別確認できており、水平分解能±10mmを満足する性能であることがわかる。
【0055】
(距離分解能試験)
次に、距離分解能は、ビーム中心において距離の近接する2つの物体を識別する性能で、要求仕様として±10mmと設定した。距離分解能試験では、図18に示すように、φ10mmパイプ2本を前後方向に5mmずらして配置し、センサ〜パイプ間距離2mでの波形の確認を行うこととしている。
試験の結果、集束拡散方式において、図19の距離分解能試験信号波形に示すように、2本のパイプからのエコーが表示画面において明瞭に識別可能であり、距離分解能±10mmを満足する性能であることがわかる。
【実施例4】
【0056】
次に、実施例4の超音波アレイセンサについて説明する。実施例4の超音波アレイセンサは、円筒状マトリックスに受信アレイセンサを配置したものである。主として、管の内面などの観察用に使用できるものである。
管内面を検査する超音波センサとして、センサを機械的に回転させてスキャンする方式は実用化されている。しかしながら、機械スキャン方式は耐久性(特に高温では使えない)、処理速度の点で問題がある。実施例4の超音波アレイセンサでは、かかる耐久性・処理速度の改善を図るべく、円筒状に配置したアレイセンサ素子を電気的スキャンすることにしたものである。
【0057】
図21に、実施例4の超音波アレイセンサの模式図を示す。円筒側面に受信センサが帯状に配置されており、その帯の上部と下部に送信センサが所定間隔で周囲に配置されている。管内の計測においては、円筒状のすべてのセンサが同時に計測処理を行うことにより、全方向のリアルタイムな計測が可能である。
【0058】
図22は、実施例4の超音波アレイセンサを使用した深井戸管内検査装置の概念図を示す。深井戸管のケーシング22aの内部に、ガイド22cを使って、受信センサ23と送信センサ24を送り込んでいる。受信センサ23で計測した信号は、信号ケーブル22bを介して処理されるようになっている。受信センサ23と送信センサ24が円筒状に配置されているため、全方向のリアルタイムな計測が可能である。
深井戸管内検査装置の他、火山地帯の地質調査装置、化学プラント等の高温配管内調査装置、原子力発電所の高温配管内調査装置、海底火山地帯の海底(深海)調査装置、都市部地下埋設配管の調査装置などの応用が可能である。
【実施例5】
【0059】
次に、実施例5の超音波アレイセンサについて説明する。実施例5の超音波アレイセンサは、受信アレイセンサ素子を構成する圧電体が、少なくとも2対の電極で挟設してなり、所定の共振周波数を有して超音波を検出するものである。かかる受信アレイセンサ素子を用いることにより、薄膜アレイセンサができる。この薄膜アレイセンサの素子構造について、図23を参照して説明する。図23において、超音波センサ素子20においては、SOI(Silicon
On Insulator)構造を有するSi半導体基板を裏面から、EPW(Ethylenediamine Pyrocatechol Water;エチレンジアミンとピロカテコールと水との混合液)による異方性エッチング法を用いてエッチングを行うことにより、0.7mm角のダイアフラム構造を作製する。また、圧電層としては強誘電体のPZTセラミックス薄膜層17を用いる。
【0060】
各層の膜厚とダイアフラムの寸法は、共振周波数が100kHzとなるように設計している。超音波アレイセンサの形状は7×7の正方形で合計49素子、素子間隔はいずれも約1.7mmで、アレイ全体は一辺が約11mmの正方形の領域に収まる大きさである。
ここで、SOI構造を有するSi半導体基板11の裏面に、厚さ0.4μmのSiOにてなる絶縁膜層12を形成する。そして、Si半導体基板11上に、厚さ0.1μmのSiOにてなる絶縁膜層13を形成し、さらに厚さ2.2μmのSi半導体活性層14を形成する。そして、厚さ0.4μm程度の絶縁膜層15を形成する。
【0061】
そして、下部電極層16は、Pt/TiをRFスパッタ装置により製膜して形成している。その上にPZTセラミックス薄膜層17を形成する。上部電極層18は、Auを抵抗加熱蒸着法により製膜して形成している。かかる構成とすることで、下部電極層16および上部電極層1に挟まれたPZTセラミックス薄膜層17がキャパシタ構造となり、超音波振動により圧電的に生じた分極変化を、PZTセラミックス薄膜層17を通じて電圧として取り出すことが可能となる。
【0062】
そして、下部電極層16および上部電極層18に対して、ボンディングワイヤ(図示しない)を接続して、センサチップを完成する。そして、超音波センサ素子20を2次元マトリックス状に並置し、超音波アレイセンサ1を形成している。
なお、PZTセラミックス薄膜層17の短絡保護のための絶縁膜層としてフォトレジスト層19を形成している。
【0063】
そして、複数の超音波センサ素子が並置されて、超音波アレイセンサが構成されている。複数の超音波センサ素子の測定動作中において、各超音波センサ素子の2つの電極間にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、各超音波センサ素子の共振周波数が互いに実質的に一致するように変化させている。
【0064】
実施例5の超音波アレイセンサは、実施例1の超音波アレイセンサのバルクセンサではなく、受信センサに薄膜アレイセンサを用いており、更なる小型化を図ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の超音波アレイセンサは、ソナー用超音波センサ装置、水中用カメラや各種管内検査装置として有用である。また、図20に示すように、本発明の超音波アレイセンサを水中用ロボットに装着することも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例1の超音波アレイセンサの模式図
【図2】実施例1の超音波アレイセンサの送受信センサの概念
【図3】送信センサの配置
【図4】実施例1の超音波アレイセンサの計測処理の説明図
【図5】3次元での反射波の遅延の説明図(1)
【図6】3次元での反射波の遅延の説明図(2)
【図7】指定座標からの反射についての説明図
【図8】ゴースト(虚像)の低減が図れた画像の説明図
【図9】対象物(コンクリートブロックと丸石の組合せ)の写真図
【図10】3次元画像
【図11】実施例2の超音波アレイセンサにおける送信センサの超音波屈折経路の説明図
【図12】実施例2の超音波アレイセンサにおける送信センサの視野と拡がり角の説明図
【図13】実施例3の超音波アレイセンサにおける送信センサの超音波拡散の説明図
【図14】視野試験方法及びセンサ配置
【図15】実施例3の超音波アレイセンサにおける受信波形
【図16】実施例3の超音波アレイセンサの水平分解能試験におけるセンサ配置
【図17−1】実施例2の超音波アレイセンサにおける水平分解能試験信号波形
【図17−2】実施例3の超音波アレイセンサにおける水平分解能試験信号波形
【図18】実施例3の超音波アレイセンサの距離分解能試験におけるセンサ配置
【図19−1】実施例2の超音波アレイセンサにおける距離分解能試験信号波形
【図19−2】実施例3の超音波アレイセンサにおける距離分解能試験信号波形
【図20】本発明の超音波アレイセンサを用いた水中ロボットの概念図
【図21】実施例4の超音波アレイセンサの説明図
【図22】実施例4の超音波アレイセンサを用いた深井戸管内検査装置の構成概念図
【図23】実施例5の超音波センサ素子の構造を示す断面図
【符号の説明】
【0067】
10 半導体チップウエハ
11 Si半導体基板
12,13,15 絶縁膜層
14 半導体活性層
16 下部電極層
18 上部電極層
17 PZTセラミックス薄膜層
20 超音波センサ素子
22a ケーシング
22b 信号ケーブル
22c ガイド
22d ストレーナ
23 受信センサ
24 送信センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧電体を受信用センサとして2次元配列した超音波アレイセンサであって、前記超音波アレイセンサの周囲に複数の超音波発信源を配設したことを特徴とする超音波アレイセンサ。
【請求項2】
複数の圧電体を受信用センサとして円筒側面に2次元配列した超音波アレイセンサであって、前記円筒の周方向ならびに軸方向に複数の超音波発信源を配設したことを特徴とする超音波アレイセンサ。
【請求項3】
前記超音波発信源が非収束性の超音波を発信し得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波アレイセンサ。
【請求項4】
前記超音波発信源における振動子の前面に、音響レンズが装着され、屈折現象により超音波を拡散させて発信し得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波アレイセンサ。
【請求項5】
前記超音波発信源における振動子の前面形状が、凹状の曲面に形成され、超音波を振動子前面で一旦集束させた後に拡散させて発信し得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波アレイセンサ。
【請求項6】
前記圧電体は、少なくとも2対の電極で挟設してなり、所定の共振周波数を有して超音波を検出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波アレイセンサ。
【請求項7】
前記圧電体は、圧電型セラミックスであり、前記受信用センサと前記超音波発信源に兼用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波アレイセンサ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかの超音波アレイセンサの前記超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて前記対象物からの反射エコーを前記圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、
前記超音波発信源から発する超音波の周波数が、各々の前記超音波発信源毎に異なるものであることを特徴とする超音波信号処理方法。
【請求項9】
請求項1〜7の何れかの超音波アレイセンサの前記超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて前記対象物からの反射エコーを前記圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、
前記超音波発信源から発する超音波の周波数が、各々の前記超音波発信源で同一周波数であり、各々の前記超音波発信源がポーリングにより超音波を対象物に入射させることを特徴とする超音波信号処理方法。
【請求項10】
請求項1〜7の何れかの超音波アレイセンサの前記超音波発信源から発する超音波を対象物に入射させて前記対象物からの反射エコーを前記圧電体で受信し、受信した反射エコーの信号に基づいて三次元画像情報を取得する超音波信号処理方法において、
前記圧電体で受信した超音波の信号のうち、所定の閾値よりも大きい値の信号をカットすることを特徴とする超音波信号処理方法。
【請求項11】
請求項8〜10の何れかの超音波信号処理方法において、測定・表示を必要とする空間に限定して信号処理を施すこと。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−244234(P2009−244234A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94413(P2008−94413)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(800000057)財団法人新産業創造研究機構 (99)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(304030497)株式会社プロアシスト (22)
【出願人】(591226645)ポニー工業株式会社 (4)
【出願人】(591056547)ビー・エル・オートテック株式会社 (20)
【出願人】(500231207)有限会社 パイプ美人 (4)
【Fターム(参考)】