説明

車両の運転室前部構造

【課題】バス等の車両の運転室前部の所定位置に、インストルメントパネルや機器等を能率良く組付けることができる運転室前部構造を提供する。
【解決手段】運転室の右側部分に右側ユニットが配置されている。運転室の左側部分に左側ユニットが配置されている。右側ユニットは、右側サブフレーム30と、インストルメントパネルと、カバー部材等を備えてサブアセンブリ化されている。左側ユニットは、左側サブフレーム50と、この左側サブフレーム50に組付けた機器等を備えてサブアセンブリ化されている。ボデー3の右側部分に、右側サブフレーム30の前部を固定するための前側支持部15が設けられている。ボデー3の左側部分に、左側サブフレーム50の前部を固定するための前側支持部20が設けられている。右側ユニットの左端部と左側ユニットの右端部とは、ユニット間位置決め手段として機能する位置決め部材41と位置決め孔61によって互いに位置決めがなされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバス等の車両の運転室前部構造に係り、特にインストルメントパネル等を有する運転室前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大型バス等の車両において、運転室前部の右側部分にインストルメントパネルやスイッチ類をはじめとする各種の機器およびカバー部材が配置され、運転室前部の左側部分に、例えばオーディオ機器等を収納するサービスボックスやカバー部材等が配置されることがある。
【0003】
従来の車両では、車両の運転室前部の骨格をなすボデーに、サブフレームが溶接によって予め固定(いわゆるボデー溶組)されている。このサブフレームに、インストルメントパネルや各種機器およびサービスボックス等が組付けられている。そして車両の運転室等を組立てる際に、作業員が所定の作業手順で、前記サブフレームにインストルメントパネルや各種機器およびサービスボックス等を順次組付けている(例えば下記特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平6−227288号公報
【特許文献2】特開2001−163084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のように予めサブフレームがボデーに溶接され、車両の組立ラインにおいてサブフレームにインストルメントパネルや各種機器およびサービスボックス等を順次組付けてゆく方法では、車内に作業員が頻繁に出入りしながら前記サブフレームにインストルメントパネルや各種機器およびサービスボックス等を所定の順序で組付けてゆく必要がある。
【0005】
このため従来は、車内で行なわれる作業(いわゆる車内ビルドアップ)の工数が多く、作業員の移動量が多いとともに、狭い車内で作業が行なわれるために作業員の姿勢が窮屈になることがあるなど、能率向上を図る上で限界があった。またボデーに溶接されるサブフレームの位置精度を高めるのに限界があるため、各サブフレームに取付けるカバー部材どうしで位置ずれを生じることがある。溶接されたサブフレームを修正するにはかなりの熟練と労力が必要であり、しかもサブフレームの微調整が困難であった。
【0006】
従って本発明の目的は、車内で行なわれる作業数を減らすことができ、インストルメントパネルや各種機器等を運転室前部の所定位置に能率良く組付けることができる運転室前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の運転室の骨格をなすボデーと、前記運転室の前部の右側部分に配置された右側ユニットと、前記運転室の前部の左側部分に配置された左側ユニットとを有し、前記右側ユニットは、右側サブフレームと、前記右側サブフレームに取付けられたインストルメントパネルと、前記右側サブフレームに取付けられた機器と、前記右側サブフレームを覆うカバー部材と、前記右側サブフレームの前部を前記ボデーに対して位置決めするための右側位置決め手段とを備えてサブアセンブリ化されている。前記左側ユニットは、左側サブフレームと、前記左側サブフレームに取付けられた機器と、前記左側サブフレームの前部を前記ボデーに対して位置決めするための左側位置決め手段と、前記左側サブフレームの右端部を前記右側サブフレームの左端部に対して位置決めするためのユニット間位置決め手段とを備えてサブアセンブリ化されている。そして前記右側ユニットの前記右側サブフレームを前記ボデーの右側部分の前部および床部に設けられた支持部に固定用部材によって着脱可能に固定し、前記左側ユニットの前記左側サブフレームを前記ボデーの左側部分の前部および床部に設けられた支持部に固定用部材によって着脱可能に固定し、さらに、前記右側ユニットと前記左側ユニットを前記ユニット間位置決め手段によって位置決めするとともに、前記右側ユニットと前記左側ユニットとの互いの連結部を固定用部材によって結合している。
【0008】
この発明の好ましい形態では、前記右側サブフレームの下部に該右側サブフレームの上下方向の傾きを調整可能な高さ調整手段が設けられ、前記左側サブフレームの下部に該左側サブフレームの上下方向の傾きを調整可能な高さ調整手段が設けられている。さらに、前記右側サブフレームと前記左側サブフレームとを互いに結合する前記連結部に、これらサブフレームどうしの相対高さを調整可能な高さ調整手段が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、右側ユニットと左側ユニットをそれぞれ車両の組立ラインとは別途に予め車外で組立てておくことができるため、車内で行なう作業を減らすことができ、インストルメントパネルや各種機器等を運転室前部の所定位置に能率良く組付けることができる。また右側サブフレームと左側サブフレームとを溶接によらずにボデーの所定位置に正確に組付けることができるため、各サブフレームに装着されるカバー部材どうしの合わせ面が互いにずれることも防止でき、運転室前部を見栄え良く仕上げることができる。
【0010】
また、作業しやすい場所でメータ類および機器類等をサブフレームに組付けることができるため、組付時に他の部品にぶつけたり、ハーネスや索導ケーブルを他の部品に引っ掛けて損傷させたりする不具合を防止でき、品質確保の面からも優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態に係る車両の運転室前部構造について、図1から図7を参照して説明する。
図1は、車両1の一例であるバスの運転室2の前部を車内側から見た斜視図である。図2は運転室2の前部の骨格をなすボデー3を示している。ボデー3の左側に乗降口4が形成され、乗降口4の近傍に階段状のステップ部5が形成されている。ボデー3の右側の床部6にステアリング機構7の一部が配置されている。
【0012】
図1に示されるように、運転室2の前部の右側部分である右半部に、右側ユニット10が配置されている。この右側ユニット10は図示しない運転席の前方に配置されている。運転室2の前部の左側部分(左半部)に、左側ユニット11が配置されている。左側ユニット11は、乗降口4の階段状のステップ部5の近傍に設けられている。
【0013】
図2に示されるように、ボデー3の前壁3aの右半部には、右側ユニット10の前端部をボデー3の所定位置に固定するためのナット部を備えた前側支持部15が設けられている。ボデー3の右側壁3bに、右側ユニット10の右端部をボデー3に固定するための取付孔16を有する横方向支持部17が設けられている。ボデー3の床部6には、右側ユニット10の下部を固定するためのナット部を備えた床側支持部18が設けられている。
【0014】
ボデー3の前壁3aの左半部には、左側ユニット11の前端部をボデー3の所定位置に固定するためのナット部を備えた前側支持部20が設けられている。ボデー3の乗降口4の近傍に、左側ユニット11の左端部付近をボデー3に固定するためのナット部を有する横方向支持部21が設けられている。ボデー3の床部6には、左側ユニット11の下部を固定するための床側支持部22,24が設けられている。一方の床側支持部22は、車体の幅方向中央寄りの位置に設けられ、他方の床側支持部24は、ステップ部5の上方に位置している。これらの床側支持部22,24には、高さ調整手段として機能する長孔23,25が上下2箇所に形成されている。長孔23,25は上下方向に長い形状であり、床側支持部22,24を水平方向に貫通している。
【0015】
図3は右側ユニット10を示している。右側ユニット10は、図4に示される金属製の右側サブフレーム30と、右側サブフレーム30に取付けられたインストルメントパネル31と、各種の機器32と、上部カバー部材33などを備えている。インストルメントパネル31には各種計器類や表示装置、スイッチ等が配置されている。上部カバー部材33は、インストルメントパネル31の上部に配置されている。
【0016】
図4に示されるように右側サブフレーム30は、上部プレート部材35と、取付基準孔36を有する位置決め部37と、上部プレート部材35の下側に設けられた縦枠部材38などを含んでいる。取付基準孔36は上下方向に貫通し、前側支持部15の前記ナット部と対応した位置に形成されている。この取付基準孔36は、右側サブフレーム30の前部をボデー3に対して位置決めをなすための右側位置決め手段として機能する。
【0017】
右側サブフレーム30の上部プレート部材35の右端部に、複数のナット部40が設けられている。これらナット部40は、ボデー3の前記取付孔16と対応した位置に固定されている。上部プレート部材35の左端部に、上方に突出する位置決め用の一対の位置決め部材41が形成されている。位置決め部材41の一例はスタッドボルトである。またこの上部プレート部材35には、インストルメントパネル31の下部を取付けるためのブラケット部42が設けられている。
【0018】
右側サブフレーム30の縦枠部材38の右側部に、ボデー3の床部6に固定するための床側取付部45が設けられている。この床側取付部45に、高さ調整手段として機能する長孔46が形成されている。長孔46は上下方向に長い形状であり、床側取付部45を水平方向に貫通している。縦枠部材38の左側部に、左側ユニット11に結合される連結部47が設けられている。この連結部47に、複数のナット部48が上下方向に間隔を開けて配置されている。
【0019】
図5に左側ユニット11が示されている。左側ユニット11は、図6に示される金属製の左側サブフレーム50と、左側サブフレーム50に取付けられたヒューズボックス等の機器51と、必要に応じて装着されるオーディオ機器(2点鎖線で示す)などを収納するサービスボックス52と、ウォッシャタンク53などを備えている。
【0020】
図6に示されるように左側サブフレーム50は、上部プレート部材55と、取付基準孔56を有する位置決め部57と、上部プレート部材55の下側に設けられた縦枠部材58などを含んでいる。取付基準孔56は上下方向に貫通し、前側支持部20の前記ナット部と対応した位置に形成されている。この取付基準孔56は、左側サブフレーム50の前部をボデー3に対して位置決めをなすための左側位置決め手段として機能する。
【0021】
左側サブフレーム50の上部プレート部材55の左端部付近に、上下方向に貫通する貫通孔60が2個所に設けられている。これらの貫通孔60は、ボデー3の前記横方向支持部21のナット部と対応した位置に固定されている。上部プレート部材55の右端部に、上下方向に貫通する一対の位置決め孔61が形成されている。これら位置決め孔61は、右側ユニット10の前記位置決め部材41と対応した位置に形成されている。位置決め部材41と位置決め孔61は、この発明で言うユニット間位置決め手段を構成している。
【0022】
左側サブフレーム50の縦枠部材58の右側部に、ボデー3の床部6に固定するための床側取付部65が設けられている。この床側取付部65に、ナット部66が上下2箇所に固定されている。縦枠部材58の前面に、右側ユニット10に結合される連結部67が設けられている。この連結部67に、前後方向に貫通する複数の連結孔68が形成されている。これら連結孔68は、右側ユニット10の前記ナット部48と対応した位置に形成されている。連結孔68は上下方向に沿う長孔である。
【0023】
また左側サブフレーム50の縦枠部材58の左側部に、ボデー3の床部6に固定するための床側取付部69が設けられている。この床側取付部69には、車両前後方向と平行な面に、車体の幅方向に貫通する孔を有するナット部69aが上下方向に間隔を存して複数個所に設けられている。この床側取付部69によって、インストルメントパネル31の左側部に配置される機器類の荷重が支持される。
【0024】
以上説明した左側ユニット11に、樹脂製の上部カバー部材70と、扉付きカバー部材71が取付けられる。これらのカバー部材70,71は、図示しないねじ部材あるいはクリップ等の固定具によって、左側サブフレーム50に固定される。上部カバー部材70の右端縁70aは、右側ユニット10の上部カバー部材33の左端縁33aと段差を生じることなく面一に連なるようになっている。
【0025】
以下に、本実施形態の右側ユニット10と左側ユニット11を運転室2のボデー3に組付ける手順について説明する。
【0026】
右側ユニット10と左側ユニット11を、それぞれ車両の組立ラインとは別の作業場所で組立てる。右側ユニット10は、図3に示すように、右側サブフレーム30にインストルメントパネル31や各種の機器32、スイッチ類などを組付け、さらに上部カバー部材33をねじ部材あるいはクリップ等によって右側サブフレーム30の所定位置に取付けることにより、サブアセンブリ化される。上部カバー部材33の一部はインストルメントパネル31に固定されてもよい。
【0027】
左側ユニット11は、図5に示すように、左側サブフレーム50にヒューズボックス等の機器51やサービスボックス52、ウォッシャタンク53等を組付けることにより、サブアセンブリ化しておく。左側ユニット11の上部カバー部材70と扉付きカバー部材71は大きいため、この時点では左側ユニット11に組み付けておかない。
【0028】
上記のようにして車外で組立てた右側ユニット10を運転室2に搬入する。右側ユニット10と左側ユニット11は互いに完全に分かれているため、それぞれを個々に乗降口4から車内に搬入することができる。この右側ユニット10の位置決め部37をボデー3の前側支持部15に乗せ、取付基準孔36にボルト等の固定用部材80(図7に示す)を通す。そしてこの固定用部材80をボデー3の前側支持部15のナット部に螺合させることにより、ボデー3に対する右側ユニット10の前部の位置決めを行なう。
【0029】
また右側ユニット10の右端部をボデー3の横方向支持部17に乗せ、取付孔16とナット部40の位置を合わせ、横方向支持部17の下側からボルト等の固定用部材81(図7に示す)を取付孔16に通し、ナット部40に螺合させる。
【0030】
さらに右側ユニット10の床側取付部45をボデー3の床側支持部18に対向させ、ボルト等の固定用部材82(図7に示す)によって、床側取付部45を床側支持部18に固定する。その際に、右側サブフレーム30の上部プレート部材35が水平となるように、長孔46の長さ範囲内で右側サブフレーム30の上下方向の傾きを調整したのち、固定用部材82を床側支持部18のナット部に締付ける。すなわち長孔46と固定用部材82は、右側ユニット10の上下方向の傾きを調整するための高さ調整手段として機能する。
【0031】
上記の作業によって右側ユニット10が運転室2の右側部分に固定されたのち、左側ユニット11を運転室2の左側部分に搬入する。そして左側ユニット11の右端部の位置決め孔61を右側ユニット10の左端部の位置決め部材41に合わせながら、左側ユニット11の右端部を右側ユニット10の左端部の上に重ねる。このとき位置決め部材41が位置決め孔61に挿入されることにより、右側ユニット10の左端部と左側ユニット11の右端部との位置決めがなされる。この位置決め部材41にナット部材83(図7に示す)を螺合させることにより、右側ユニット10の左端部と左側ユニット11の右端部とが固定される。
【0032】
また左側ユニット11の位置決め部57をボデー3の前側支持部20に乗せ、取付基準孔56にボルト等の固定用部材90(図7に示す)を通す。そして固定用部材90をボデー3の前側支持部20のナット部に螺合させることにより、ボデー3に対する左側ユニット11の前部の位置決めを行なう。また左側サブフレーム50の左端寄りの貫通孔60を、ボデー3の横方向支持部21のナット部に対向させ、ボルト等の固定用部材91(図7に示す)を上方から貫通孔60に通し、横方向支持部21のナット部に螺合させる。
【0033】
さらに左側ユニット11の床側取付部65をボデー3の床側支持部22に対向させ、ボルト等の固定用部材92(図7に示す)を床側支持部22の長孔23に水平方向から挿入し、ナット部66に螺合させることによって、左側ユニット11の床側取付部65を床側支持部22に固定する。その際に、左側サブフレーム50の上部プレート部材55が水平となるように、長孔23の長さ範囲内で左側サブフレーム50の右側部の上下方向の傾きを調整したのち、固定用部材92をナット部66に締付ける。すなわち長孔23と固定用部材92は、左側ユニット11の上下方向の傾きを調整するための高さ調整手段として機能する。
【0034】
また左側ユニット11の右端の連結部67を右側ユニット10の左端の連結部47に重ね、ボルト等の固定用部材95を連結孔68に通し、右側ユニット10のナット部48に螺合させる。連結孔68は上下方向に沿う長孔であるから、右側ユニット10と左側ユニット11の上下方向の位置ずれを吸収することができる。すなわち長孔からなる連結孔68と、この連結孔68に挿入される固定用部材95は、右側サブフレーム30と左側サブフレーム50の連結部47,67どうしの相対高さを調整可能な高さ調整手段として機能する。
【0035】
最後にボルト等の固定用部材96(図7に示す)を、床側支持部24の上下方向に長い長孔25に通し、この固定用部材96を左側サブフレーム50の床側取付部69のナット部69aに締結する。その際に、左側ユニット11の左側部が水平となるように長孔25の長さ範囲内で左側ユニット11の上下方向の傾きを調整する。
【0036】
こうして右側ユニット10と左側ユニット11を運転室2の前部の所定位置に固定したのち、左側ユニット11に上部カバー部材70と扉付きカバー部材71をねじ部材あるいはクリップ等によって取付ける。
【0037】
以上説明したように本実施形態の運転室前部構造によれば、右側ユニット10と左側ユニット11を車外の作業しやすい場所で組立ててサブアセンブリ化しておくことにより、車内で行なう作業を大幅に減らすことができ、右側ユニット10と左側ユニット11を運転室2の所定位置に能率良く組付けることができる。
【0038】
また、右側サブフレーム30の上下方向の傾きを、長孔46と固定用部材82とからなる高さ調整手段によって調整することができ、かつ、左側サブフレーム50の上下方向の傾きを、長孔23と固定用部材92とからなる高さ調整手段によって調整することができる。このため右側ユニット10と左側ユニット11の高さや傾きを微調整することが可能である。さらに右側ユニット10と左側ユニット11どうしの相対高さを、長孔である連結孔68と固定用部材95からなる高さ調整手段によって調整することができるため、右側ユニット10と左側ユニット11どうしの連結を問題なく行なうことができる。
【0039】
右側ユニット10の上部の左端部と左側ユニット11の上部の右端部との連結部分については、位置決め部材41と位置決め孔61とからなるユニット間位置決め手段によって位置決めが行なわれる。このため、右側の上部カバー部材33の左端縁33aと左側の上部カバー部材70の右端縁70aの位置を高い精度で揃えることができ、カバー部材33,70どうしの合わせ面に段差が生じることを防止できるため、運転室2の前部を見栄え良く仕上げることができる。
【0040】
なお本発明を実施するに当たって、ボデーや右側ユニットおよび左側ユニットなどの発明の構成要素を、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変形して実施できることは言うまでもない。また本発明の運転室前部構造は、バス以外の車両にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るバスの運転室前部を車内側から見た斜視図。
【図2】図1に示された運転室前部の骨格をなすボデーの斜視図。
【図3】図1に示された運転室前部に設ける右側ユニットの斜視図。
【図4】図3に示された右側ユニットに使用される右側サブフレームの斜視図。
【図5】図1に示された運転室前部に設ける左側ユニットとカバー部材の斜視図。
【図6】図5に示された左側ユニットに使用される左側サブフレームの斜視図。
【図7】図2に示されたボデーに対する右側サブフレームと左側サブフレームの組付位置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0042】
1…車両
2…運転室
3…ボデー
10…右側ユニット
11…左側ユニット
15…前側支持部
17…横方向支持部
18…床側支持部
20…前側支持部
21…横方向支持部
22,24…床側支持部
30…右側サブフレーム
36…取付基準孔(右側位置決め手段)
41…位置決め部材(ユニット間位置決め手段)
47…連結部
50…左側サブフレーム
56…取付基準孔(左側位置決め手段)
61…位置決め孔(ユニット間位置決め手段)
67…連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転室の骨格をなすボデーと、
前記運転室の前部の右側部分に配置された右側ユニットと、
前記運転室の前部の左側部分に配置された左側ユニットとを有し、
前記右側ユニットは、
右側サブフレームと、
前記右側サブフレームに取付けられたインストルメントパネルと、
前記右側サブフレームに取付けられた機器と、
前記右側サブフレームを覆うカバー部材と、
前記右側サブフレームの前部を前記ボデーに対して位置決めするための右側位置決め手段とを備えてサブアセンブリ化され、
前記左側ユニットは、
左側サブフレームと、
前記左側サブフレームに取付けられた機器と、
前記左側サブフレームの前部を前記ボデーに対して位置決めするための左側位置決め手段と、
前記左側サブフレームの右端部を前記右側サブフレームの左端部に対して位置決めするためのユニット間位置決め手段とを備えてサブアセンブリ化され、
前記右側ユニットの前記右側サブフレームを前記ボデーの右側部分の前部および床部に設けられた支持部に固定用部材によって着脱可能に固定し、
前記左側ユニットの前記左側サブフレームを前記ボデーの左側部分の前部および床部に設けられた支持部に固定用部材によって着脱可能に固定し、さらに、
前記右側ユニットと前記左側ユニットを前記ユニット間位置決め手段によって位置決めするとともに、
前記右側ユニットと前記左側ユニットとの互いの連結部を固定用部材によって結合したことを特徴とする車両の運転室前部構造。
【請求項2】
前記右側サブフレームの下部に該右側サブフレームの上下方向の傾きを調整可能な高さ調整手段が設けられ、前記左側サブフレームの下部に該左側サブフレームの上下方向の傾きを調整可能な高さ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両の運転室前部構造。
【請求項3】
前記右側サブフレームと前記左側サブフレームとを互いに結合する前記連結部に、これらサブフレームどうしの相対高さを調整可能な高さ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両の運転室前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−308042(P2008−308042A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157892(P2007−157892)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】