説明

車両位置特定装置

【課題】一般的な衛星測位システムを用いる状況において、車両の位置を精度よく特定する車両位置特定装置を提供する。
【解決手段】車両位置特定装置10は、人工衛星19から送信される測位用データに基づいて車両の走行位置を取得する走行位置取得部12と、路側に設けられている光ビーコン装置15の設置位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶部21と、光ビーコン装置15から送信されるビーコン信号を受信するビーコン信号受信部13と、走行位置取得部12で取得した車両の位置から所定範囲内においてビーコン信号受信部13によりビーコン信号を受信すると、位置情報記憶部21に記憶している光ビーコン装置15の位置情報に基づいて車両の現在位置を特定する現在位置特定部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在位置を特定する車両位置特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)として路側機と車両用機器との間で情報を送受信し、渋滞などを解決するためのサービスが提案されている。その中で、例えば交差点での右左折時における運転支援サービスなどを行う安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)のサービスが提供されつつある(例えば、特許文献1参照)。DSSSサービスは車両の位置を基準として提供されることから、正確な位置情報を取得することが重要である(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
ところで、一般的な衛星測位システムであるGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いて車両の位置情報を取得する場合、取得される位置情報すなわち自車両の走行位置には誤差が含まれる。その誤差は、程度の差はあるものの、例えば10m程度になることがある。そして、そのような大きな誤差があると、DSSSサービスに不具合が生じるおそれがある。一方、特許文献1のようにDSSSサービスを提供するビーコン装置から送信される情報を解析してその情報に含まれるビーコン装置の位置情報に基づいて車両の走行位置を特定すると、走行位置を特定するまでに時間がかかり、やはりDSSSサービスを受ける上で不具合が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−128690号公報
【特許文献2】特開2008−46767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、一般的な衛星測位システムを用いる状況において、車両の位置を精度よく特定する車両位置特定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、人工衛星から送信される測位用データを受信し、受信した測位用データから車両の位置を検出する第1の車両位置検出部と、道路側に設けられているビーコン装置の設置位置を示す位置情報を記憶するビーコン位置情報記憶部と、ビーコン装置から送信されるビーコン信号を受信するビーコン信号受信部と、第1の車両位置検出部で検出した前記車両の位置から所定範囲内において前記ビーコン信号受信部により前記ビーコン信号を受信すると、ビーコン位置情報記憶部に記憶しているビーコン装置の位置情報に基づいて車両の位置を検出する第2の車両位置検出部と、を備える。
【0007】
測位用データに基づいて第1の車両位置検出部で検出される車両の位置は、前述のように誤差が含まれる可能性がある。そこで、誤差が含まれる可能性のある第1の車両位置検出部で検出した位置ではなく、予めビーコン位置情報記憶部に記憶されている例えば光ビーコン装置や電波ビーコン装置などのビーコン装置の位置情報に基づいて、すなわち、正確な位置データにより示されるビーコン装置の設置位置に基づいて第2の車両位置検出部で車両の位置を検出する。これにより、一般的な衛星測位システムを用いる状況においても、車両の位置を精度よく特定することができる。
【0008】
請求項2記載の発明では、第2の車両位置検出部は、ビーコン信号を受信すると、当該ビーコン信号を解析することなく、ビーコン位置情報記憶部に記憶されている当該ビーコン装置の設置位置を車両の位置として検出するこれにより、ビーコン信号を受信した段階で、換言すると、ビーコン信号を解析することなく車両の位置を検出することが可能となる。したがって、ビーコン信号を解析(デコード)する処理が不要となり、車両の位置を特定するまでに要する時間を短縮することができる。また、ビーコン信号の受信のみで車両の位置を検出できることから、車両側にビーコン信号送信部が不要となり、装置の小型化や製造コストの低減を図ることができる。
【0009】
請求項3記載の発明では、第2の車両位置検出部は、第1の車両位置検出部で検出したビーコン信号を受信したときの車両の位置が、位置情報で示される設置位置から所定の範囲内であるとき、ビーコン位置情報記憶部に記憶されている当該ビーコン装置の設置位置を車両の位置として検出する。これにより、第2の車両位置検出部は、ビーコン信号を受信したときの車両の位置が位置情報として記憶されているビーコン装置の設置位置から所定範囲内であることが確認できたとき、当該ビーコン装置の設置位置を車両の位置として検出する。したがって、特定した車両の位置の正確性を向上させることができる。
【0010】
請求項4記載の発明では、前記検知エリア設定部は、第1の車両位置検出部で検出した車両の位置に基づいて当該車両の位置を含む所定範囲を検知エリアとして設定するとともに、当該検知エリア内に位置するビーコン装置が1つとなるように当該検知エリアを設定する。これにより、複数のビーコン装置が設けられている場合、その中から該当するビーコン装置を検索したり選択したりする処理が不要となり、より高速に現在位置を特定することができる。
【0011】
請求項5記載の発明では、車両位置補正部は、第1の車両位置検出部で検出した車両の位置を第2の車両位置検出部で検出した車両の位置に補正する。つまり、第1の車両位置検出部で検出した車両の位置と第2の車両位置検出部で検出した車両の位置との誤差が大きい場合、より正確性の高い第2の車両位置検出部で検出した車両の位置で第1の車両位置検出部で検出した車両の位置が補正される。したがって、より精度の高い位置データを利用することができる。
【0012】
請求項6記載の発明では、ビーコン位置情報更新部は、ビーコン位置情報記憶部が記憶するビーコン装置の設置位置を更新する。ビーコン装置は、サービスの適用地域の拡大などに応じてその数が増加することが考えられる。そこで、位置情報更新部でビーコン装置の設置位置を更新することにより、ビーコン装置が新たに設置された場合であっても、新たなビーコン装置の設置位置を示す位置情報がビーコン位置情報記憶部に記憶される。したがって、第2の車両位置検出部により車両の位置の検出を、最新の位置情報に基づいて行うことができる。
【0013】
請求項7記載の発明では、路側無線通信装置から情報を受信する車両側無線通信装置と、車両側無線通信装置で受信した情報に基づき車両の運転を支援する運転支援情報を提供する運転支援情報提供部と、をさらに備え、運転支援情報提供部は、第2の車両位置検出部で検出した前記車両の位置を、運転支援情報を提供する際の基点にする。
【0014】
例えば前述のDSSSサービスでは、運転支援サービスは車両の位置を基点として行われる。この場合、誤差が生じる可能性のある車両の位置に基づいて運転支援サービスが実施されると、運転の支援に支障をきたすおそれがある。具体的には、DSSSサービスにおいては、第1の車両位置検出部で検出する車両の位置に生じ得る誤差を許容できない場合が想定される。そこで、ビーコン装置の設置位置に基づいて第2の車両位置検出部により車両の位置を検出することにより、車両の位置がより正確になり、適切な運転支援サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態による車両位置特定装置の構成を示す概略図
【図2】第1実施形態による光ビーコン装置の設置状況を模式的に示す図
【図3】第1実施形態による光ビーコン装置の設置位置を示す座標データを示す図
【図4】第1実施形態による現在位置特定処理の流れを示す図
【図5】第1実施形態による進行方向が変化した状態を模式的に示す図
【図6】第1実施形態の変形例による検知エリアの設定の態様を模式的に示す図
【図7】第2実施形態による車両位置特定装置の構成を示す図1相当図
【図8】第2実施形態におけるDSSSサービスの一例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による車両位置特定装置の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、本明細書では、後述するようにGPSなどの衛星航法システムを採用する第1の車両位置検出部により検出する車両の位置を「走行位置」と称し、第2の車両位置検出部により検出する車両の位置を「現在位置」と称して説明する。
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による位置特定装置を図1から図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、車両位置特定装置10は、制御部11、走行位置取得部12、ビーコン信号受信部13、車両側無線通信部14を備えている。この車両位置特定装置10は、車両に搭載されており、後述するように車両の現在位置を特定する。また、車両位置特定装置10は、路側に設けられている光ビーコン装置15からビーコン信号を受信し、路側無線通信装置16から光ビーコン装置15の位置などを示す光ビーコン装置情報を受信する。これら光ビーコン装置15および路側無線通信装置16は、信号機17などとも通信回線18で接続されおり、互いデータ通信可能となっている。また、車両位置特定装置10は、人工衛星19から測位用データを受信する。
【0018】
ここで、説明の簡略化のために、まず、光ビーコン装置15および路側無線通信装置16などの路側機、および、人工衛星19から送信される測位用データに基づく走行位置の取得など周知の技術について概略を説明する。
光ビーコン装置15は、車両の進行方向の前方および後方の一般道路などの情報を提供する。光ビーコン装置15は、特許請求の範囲に記載したビーコン装置に相当する。なお、ビーコン装置は、光ビーコン装置15に限らず、電波ビーコン装置であってもよい。光ビーコン装置15により提供される情報は、例えば渋滞情報、リンク旅行時間情報、交通規制情報、駐車場情報、区間旅行時間情報などである。光ビーコン装置15には、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System Center。(登録商標))サービス用や前述のDSSSサービス用のものなど、複数種類が路側に設けられている。このような光ビーコン装置15は、例えば図2に示すように、交差点に向かう路側の地点B1〜B5、B7や、カーブ区間に向かう路側の地点B6などに設けられている。各地点B1〜B7には、車両の進行方向に対応するために複数台の光ビーコン装置15が設けられている場合があるものの、図2では説明の簡略化のため、車両の進行方向に対応した1台を示している。なお、図2では模式的に地図データを示したが、本実施形態の車両位置特定装置10においては必ずしも地図データを必要とするものではない。
【0019】
このような光ビーコン装置15は、所定の周期毎にエリア情報すなわち光ビーコン装置15が存在することを示す情報を発信している。このとき、光ビーコン装置15から提供される情報を受信可能な範囲は、光ビーコン装置15の手前概ね3.5m程度である。ビーコン信号を受信可能な範囲に進入した車両は、光ビーコン装置15からエリア情報を受信すると、自車両の状態を示す車両情報を光ビーコン装置15に送信する。そして、車両情報を受信したビーコン信号は、当該車両に対して自機の位置情報や上記したVICSやDSSSなどのサービス用の情報を提供する。つまり、従来の構成においては、光ビーコン装置15と車両との間で情報の送受信すなわち路車間通信が行われている。
【0020】
図1に示す路側無線通信装置16は、光ビーコン装置15とともに交差点などに設けられている。この路側無線通信装置16は、例えば光ビーコン装置15の位置情報などを含む各種の情報を光ビーコン装置情報として送信する。また、路側無線通信装置16は、後述する第2実施形態において詳細に説明するが、車両の運転を支援する運転支援情報なども送信する。この路側無線通信装置16から送信される情報を受信可能な範囲は、道路状況にもよるものの数100m程度ある。このため、走行中の車両は、ビーコン信号を受信可能な範囲に進入する前に、路側無線通信装置16から送信される情報を車両側無線通信部14により受信可能となる。
【0021】
人工衛星19は、本実施形態の場合、GPS(Global Positioning System)の規格に対応した衛星であり、測位用データ(以下、GPS信号と称する)を送信する。なお、人工衛星19は、例えばGLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、ComPASS(Community-bus Planning Aid Simulation System)の規格に対応したものであってもよい。
【0022】
車両位置特定装置10に設けられているビーコン信号受信部13は、光ビーコン装置15からのビーコン信号を受信する。本実施形態の場合、車両位置特定装置10は、ビーコン信号受信部13のみを備えている。換言すると、車両位置特定装置10は、ビーコン信号を受信するものの、光ビーコン装置15との間で上記したような通常の路車間通信は行わない構成となっている。なお、ビーコン信号受信部13そのものは周知技術のものを適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0023】
走行位置取得部12は、GPS受信部24、ジャイロスコープ25および車速センサ26などを備えている。GPS受信部は、人工衛星19から送信されるGPS信号を受信する。走行位置取得部12は、これらGPS受信部24、ジャイロスコープ25および車速センサ26などから入力される検出信号を互いに補完することにより、車両の位置を示す走行位置を取得する。換言すると、現在位置特定部22は、測位用データに基づいて車両の位置を検出している。この現在位置特定部22は、特許請求の範囲に記載した第1の車両位置検出部に相当する。この場合、走行位置取得部12は、要求される検出精度で車両の位置情報を取得可能であれば、これら全ての要素を備える必要はない。また、走行位置取得部12は、取得した走行位置の履歴から車両の進行方向も取得している。なお、車両にいわゆるナビゲーション装置が搭載されている場合、走行位置取得部12をナビゲーション装置と兼用する構成、あるいは、ナビゲーション装置で取得した走行位置を車載LANなどを経由して取得する構成としてもよい。
【0024】
さて、車両位置特定装置10の制御部11は、上記したビーコン信号受信部13、車両側無線通信部14および走行位置取得部12に接続されている。制御部11は、図示しないCPU、RAM、ROMおよびI/Oバスなどを有する周知のマイクロコンピュータで構成されており、ROMなどに記憶されているコンピュータプログラムに従って、車両位置特定装置10の全体を制御する。この制御部11は、検知エリア設定部20、位置情報記憶部21、現在位置特定部22および位置情報更新部23を有している。これら検知エリア設定部20、位置情報記憶部21、現在位置特定部22、および位置情報更新部23は、本実施形態の場合、制御部11で実行されるコンピュータプログラムによってソフトウェア的に実現されている。
【0025】
検知エリア設定部20は、走行位置取得部12で取得した車両の走行位置および進行方向に基づいて、車両の走行位置を含む所定範囲を検知エリアとして設定する。具体的には、検知エリア設定部20は、図2に示すように、車両30の走行位置を含む検知エリアA1を設定する。検知エリア設定部20による検知エリアの設定については、後述する図4の車両位置特定処理において詳細に説明する。
【0026】
位置情報記憶部21は、図3に示すように、各地点B1〜B7(図2参照)に設けられている光ビーコン装置15の設置位置を示す座標データを位置情報として記憶している。つまり、位置情報記憶部21は、特許請求の範囲に記載したビーコン位置情報記憶部に相当する。これらの位置情報は、例えばHDDやメモリカードなどの不揮発性の記憶手段に予め記憶してもよいし、上記したように車両側無線通信部14により取得した位置情報を一時的に記憶してもよい。なお、図3では簡略化のために座標データをX座標およびY座標で示したが、位置情報のデータ形式はこれに限定されず、例えば緯度や経度を示すデータであってもよい。また、座標データ以外に提供される光ビーコン装置15に個別に割り振られているIDや提供するサービスの種類などを位置情報に関連づけて記憶してもよい。
【0027】
現在位置特定部22は、検知エリア設定部20で設定した検知エリア内においてビーコン信号受信部13によりビーコン信号を受信すると、車両の現在位置を特定する。この現在位置特定部22は、特許請求の範囲に記載した第2の車両位置検出部に相当する。現在位置特定部22による現在位置の特定については、後述する図4の車両位置特定処理において詳細に説明する。
【0028】
位置情報更新部23は、位置情報記憶部21に記憶されている光ビーコン装置15の位置情報を更新する。つまり、位置情報更新部23は、特許請求の範囲に記載したビーコン位置情報更新部に相当する。光ビーコン装置15は、VICS用やDSSS用あるいは他のサービス用の種類を問わず、その有用性から設置箇所が増加することが考えられる。そのため、位置情報更新部23は、新たに光ビーコン装置15が設けられると、位置情報記憶部21に記憶されている位置情報を更新する。本実施形態の場合、位置情報更新部23は、車両側無線通信部14により受信した位置情報に新たな位置情報が含まれていた場合、位置情報記憶部21に記憶されている位置情報を更新する。なお、例えばメモリカードなどの物理的手段によって位置情報を更新可能に構成してもよい。
【0029】
次に、上記した構成の車両位置特定装置10の作用について説明する。
車両位置特定装置10の制御部11は、装置全体の制御を行うとともに、本発明に関連して図4に示す車両位置特定処理を実行している。以下、説明の簡略化のため、車両位置特定装置10を主体として説明する。
【0030】
車両位置特定装置10は、図4に示す車両位置特定処理において、GPS受信部24によりGPS信号を受信すると(S1)、検知エリアを設定する(S2)。ここで、検知エリア設定部20による検知エリアの設定について、詳細に説明する。路側に設けられている光ビーコン装置15の位置情報は、上記したように位置情報記憶部21に記憶されている(図3参照)。検知エリア設定部20は、走行位置取得部12で取得した走行位置および進行方向などに基づいて、図2に示すように、車両30の走行位置を含む範囲を検知エリアA1として設定する。この場合、検知エリア設定部20は、例えば車両30の進行方向に膨らむ範囲、あるいは車両30を中心とした所定の半径内の範囲などを検知エリアとして設定する。なお、検知エリアとして設定する範囲は、予め定められている条件に基づいて決定してもよいし、車速などに応じて適宜決定してもよい。
【0031】
続いて、車両位置特定装置10は、検知エリア内に光ビーコン装置15が有るか否かを判定し(S3)、光ビーコン装置15が無い場合には(S3:NO)、ステップS1に移行してGPS信号の受信を繰り返す。これに対して、車両位置特定装置10は、光ビーコン装置15が有る場合には(S3:YES)、そのうち1つを選択する(S4)。つまり、車両位置特定装置10は、図2に示すように検知エリアA1内に複数の光ビーコン装置15があり、図3に示すようにそれらの位置情報を記憶している場合、その中から1台の光ビーコン装置15例えば地点B1の光ビーコン装置15を選択する。つまり、本実施形態における光ビーコン装置15の選択基準は、走行位置取得部12で取得した車両30の進行方向に基づいて進行方向に最も近いもの、例えば図2の場合には地点B1に設けられている光ビーコン装置15である。なお、図5に示すように、車両30が道路D1に接続している道路D3に進入した場合、地点B6に設けられている光ビーコン装置15が新たに選択される。この場合、車両30の進行方向の変化は、上記したように走行位置取得部12で取得した走行位置の履歴により判定可能である。
【0032】
続いて、車両位置特定装置10は、検知エリアA1においてビーコン信号を受信したか否かを判定し(S5)、受信した場合には(S5:YES)、走行位置取得部12で取得した走行位置が所定範囲内であるか否かを判定する(S6)。ここで、所定範囲とは、GPS信号に基づいて取得した走行位置の誤差を吸収できる程度に予め設定されている範囲であり、本実施形態では10mに設定している。この所定範囲は、特許請求の範囲に記載した「前記位置情報で示される前記設置位置から所定の範囲」に相当する。つまり、車両位置特定装置10は、光ビーコンを受信した位置すなわち走行位置取得部12で取得した走行位置が、ステップS4で選択した光ビーコン装置15の座標データ(図3の参照)から10m以内であれば(S6:YES)、当該ビーコン信号を送信した光ビーコン装置15がステップS4で選択した光ビーコン装置15であると判断して、光ビーコン装置15を特定する(S7)。なお、ステップS6およびS7を入れ替えて、ビーコン信号を受信した時点で選択した光ビーコン装置15であると特定した後、走行位置が所定範囲内であるかを確認してもよい。
【0033】
そして、車両位置特定装置10は、ステップS7にて特定した光ビーコン装置15の設置位置を、現在位置特定部22により車両の位置すなわち現在位置として特定する(S8)。この場合、光ビーコン装置15の座標データが現在位置の座標データとなる。つまり、車両位置特定装置10は、走行位置取得部12で取得した走行位置から所定範囲内においてビーコン信号受信部13によりビーコン信号を受信すると、位置情報記憶部21に記憶している光ビーコン装置15の位置情報に基づいて現在位置特定部にて車両の位置を特定している。
【0034】
このように、車両位置特定装置10は、検知エリア内においてビーコン信号を受信すると、そのビーコン信号を解析することなく、誤差が少ない光ビーコン位置の位置情報に基づいて車両の現在位置を特定する。特定された現在位置は、例えば図示しない外部の装置で利用されたり、後述する第2実施形態のように活用される。
【0035】
以上説明した車両位置特定装置10によれば、次のような効果を奏する。
車両位置特定装置10の現在位置特定部22は、検知エリア内においてビーコン信号を受信すると、位置情報記憶部21に記憶している光ビーコン位置の位置情報に基づいて車両の現在位置を特定する。測位用データに基づいて取得される走行位置は、前述のように誤差が含まれる可能性がある。そこで、車両の現在位置を、誤差が含まれる可能性のある走行位置取得部12で取得した走行位置ではなく、正確な位置データにて示される光ビーコン装置15の設置位置に基づいて特定することにより、GPSなどの一般的な衛星測位システムを用いる状況においても、車両の現在位置を精度よく特定することができる。
【0036】
また、位置情報記憶部21に光ビーコン装置15の位置情報を予め記憶しているので、例えば図2に示すように検知エリアA1内に複数台の光ビーコン装置15が存在する場合であっても、図4の現在位置特定処理のステップ7における座標データの特定を素早く行うことができ、現在位置の特定に要する時間を短くすることができる。
また、現在位置特定部22は、ビーコン信号を受信した走行位置が、位置情報として記憶されている光ビーコン装置15の設置位置から所定範囲内であるとき、当該光ビーコン装置15の設置位置を車両の現在位置として特定する。したがって、受信したビーコン信号が確かに選択した光ビーコン装置15から送信されたものであることが確認でき、特定した現在位置の確かさ(正確性)を向上させることができる。
【0037】
また、現在位置特定部22は、ビーコン信号を受信した段階で、換言すると、光ビーコン装置15との間の路車間通信を行うことなく、光ビーコン装置15を特定する。上記したように、検知エリア設定部20は、走行位置取得部12で取得した車両の進行方向に基づいて進行方向に最も近い光ビーコン装置15を選択している。そのため、ビーコン信号を受信した場合、そのビーコン信号を送信した光ビーコン装置15は、図4に示す現在位置特定処理のステップS4で選択した光ビーコン装置15であると考えられる。換言すると、車両の進行方向には、ビーコン信号を送信する光ビーコン装置15が1台だけ存在している状態である。そのため、現在位置特定部22は、ビーコン信号を解析することなく現在位置を特定可能となる。これにより、ビーコン信号を解析(デコード)する処理が不要となり、現在位置を特定するまでに要する時間を短縮することができる。また、ビーコン信号の受信のみで現在位置を特定できることから、車両側にビーコン信号送信部が不要となる。したがって、コストの低減を図ることができる。
【0038】
また、車両の現在位置の特定はビーコン信号を受信するだけ行われることから、光ビーコン装置15の種類(VICS用、DSSS用)を問わず、現在位置を特定することができる。そのため、既設の光ビーコン装置15であっても、現在位置の特定に利用することができる。
また、位置情報更新部23は、位置情報記憶部21に記憶されている光ビーコン装置15の設置位置を示す位置情報を更新する。これにより、光ビーコン装置15が新たに設置された場合であっても、新たな光ビーコン装置15の設置位置が位置情報記憶部21に記憶される。したがって、現在位置の特定を最新の光ビーコン装置15の設置位置に基づいて行うことができる。また、光ビーコン装置15の設置位置が変更された場合であっても、位置情報を更新することにより対応することができる。この場合、位置情報更新部23は車両側無線通信部14により受信した位置情報に新たな位置情報が含まれていた場合に位置情報を更新するので、車両の走行中であっても位置情報を更新することができる。
【0039】
(第1実施形態の変形例)
本発明の第1実施形態の変形例による車両位置特定装置を図6を参照しながら説明する。第1実施形態の変形例の車両位置特定装置は、検知エリアの設定の態様が第1実施形態と異なっている。なお、車両位置特定装置の構成は第1実施形態と同様であるため、図1から図4をも参照しながら説明する。
【0040】
第1実施形態の変形例の車両位置特定装置10の検知エリア設定部20は、走行位置取得部12で取得した走行位置および進行方向と、位置情報記憶部21に記憶されている位置情報とに基づいて、エリア内に設けられている光ビーコン装置15が1台となるように検知エリアとして設定する。なお、「光ビーコン装置が1台」とは、車両に対して情報を提供可能な光ビーコン装置15、すなわち、車両が走行している車線に対して設けられている光ビーコン装置15が1台である状態を意味しており、対向車線用に設けられている光ビーコン装置15は含んでいない。この場合、走行位置取得部12で取得する走行位置および進行方向から、自身の走行車線用であるか対向車線用であるかを判定できる。
【0041】
具体的には、検知エリア設定部20は、図6に示すように、車両30が走行している道路D4に地点B11〜B14の4箇所に光ビーコン装置15が設けられている場合、車両30が例えば地点P1を走行しているとき、検知エリアA2を設定する。この場合、検知エリアA2には、地点B11に設けられている光ビーコン装置15のみが含まれている。また、検知エリア設定部20は、車両30が地点P2を走行しているとき、検知エリアA3を設定する。この場合、検知エリアA3には、地点B14に設けられている光ビーコン装置15のみが含まれている。そして、検知エリアA3は、検知エリアA2よりも、車両30の進行方向に長く設定されている。つまり、本実施形態の場合、検知エリア設定部20は、位置情報記憶部21に記憶している位置情報に基づいて、車両の進行方向に設けられている光ビーコン装置15のうち、最も近い位置に設けられている光ビーコン装置15が1台だけ含まれるように検知エリアA2あるいは検知エリアA3を設定する。
【0042】
この場合、複数台の光ビーコン装置15のうちいずれを検知エリアに含めるかの選択は、例えば上記したように車両30の進行方向において最も近い位置に設けられているものでもよいし、外部のナビゲーション装置などによりルート設定がなされている場合にはそのルート上の最も近い位置に設けられている光ビーコン装置15であってもよい。
【0043】
このように光ビーコン装置15が1台だけ含まれる検知エリアを設定することにより、図4に示した現在位置特定処理において、ステップS2〜S4の処理をまとめて行うことができる。すなわち、ステップS2で設定した検知エリア内には光ビーコン装置15が1台しか含まれていないため、ステップS3およびステップS4の処理を行う必要がない。これにより、複数の光ビーコン装置15が設けられている場合、その中から該当する光ビーコン装置15を検索したり選択したりする処理が不要となり、より高速に現在位置を特定することができる。
【0044】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による車両位置特定装置を図7および図8を参照しながら説明する。第2実施形態による車両位置特定装置は、運転を支援する運転支援情報を提供する点において第1実施形態と異なっている。なお、現在位置を特定する現在位置特定処理の流れは第1実施形態と同様であるため、図4をも参照しながら説明する。
図7に示すように、第2実施形態の車両位置特定装置40は、第1実施形態の車両位置特定装置10の構成に加えて、制御部41に接続されている表示部42および音声出力部43を備えている。また、制御部41は、走行位置補正部44、運転支援情報提供部45をさらに有している。
【0045】
表示部42は、例えば液晶表示器や有機EL表示器などで構成されており、制御部41の表示指令に基づいて各種の情報を表示する。また、音声出力部43は、制御部41の音声出力指令に基づいて各種の音声情報を出力する。本実施形態の場合、これら表示部42および音声出力部43は、後述するように運転支援情報の表示や音声出力を行う。
制御部41は、第1実施形態と同様に、検知エリアを設定し、検知エリア内においてビーコン信号を受信すると、車両の現在位置を特定する。そして、特定した現在位置と、走行位置取得部12で取得した走行位置とに誤差がある場合、走行位置補正部44は、その誤差を補正する。具体的には、走行位置補正部44は、走行位置を現在位置で上書きする。これにより、走行位置は、車両が実際に走行している位置に一致する。
【0046】
運転支援情報提供部45は、車両の運転者に運転を支援する情報を提供する。ここで、まず、運転支援について説明する。本実施形態で想定している運転支援は、DSSSサービスである。DSSSサービスでは、周知のように、例えば信号見落とし防止支援、追突防止支援、一時停止規制見落とし防止支援、出会い頭衝突防止支援などのサービスが提供される。本実施形態では出会い頭衝突防止支援における右折時の衝突防止支援を一例として説明するが、本実施形態の車両位置特定装置40は、他のDSSSサービスにも適用できることは勿論である。
【0047】
路側には、道路情報取得装置50が設けられている。道路情報取得装置50は、光ビーコン装置15、路側無線通信装置16および信号機17などと通信回線18により通信可能に接続されている。この道路情報取得装置50は、移動体検知部51および信号状態検知部52を備えている。移動体検知部51は、図8に示すように、例えば交差点に設けられ、車両30の対向車線を走行する対向車両60や対向車両61などの移動体に関する移動体を検知する。本実施形態の場合、移動体検知部51は、対向車線の所定の領域51a(図8では一方の移動体検知部51の領域のみを図示している)を撮像するカメラや対向車両60、61の車速を検知する速度センサなどで構成されている。なお、移動体検知部51は、歩道を移動する歩行者や自転車などの移動体を検知対象としていてもよい。
【0048】
信号状態検知部52は、信号機17に関する状態、すなわち、信号機17が青信号、黄信号あるいは赤信号であるのか、赤信号の場合には右折矢印が表示されているのかなどの状態を検知する。道路情報取得装置50は、移動体検知部51で検知した移動体に関する移動体情報および信号状態検知部52で検知した信号機17の状態を示す信号情報を、道路情報として路側無線通信装置16に出力する。
【0049】
道路情報取得装置50から出力された道路情報は、提供対象となる車線に対する情報などとともに、図7に示すように、運転を支援するための運転支援情報として路側無線通信装置16から車両に対して送信される。つまり、本実施形態では、光ビーコン装置15、路側無線通信装置16、信号機17および道路情報取得装置50が協働して運転支援情報を提供する。なお、路側無線通信装置16は、光ビーコン装置15と協働して作動するもの(例えば、DSSS用の路側無線通信装置16とDSSS用のビーコン装置との組み合わせ)であってもよいし、光ビーコン装置15と協働せずに作動するもの(例えばDSSS用の路側無線通信装置16とVICS用のビーコン装置との組み合わせ)であってもよい。
【0050】
次に、上記した構成の車両位置特定装置40の作用について説明する。
ここでは、図8に示すように、道路D1(図2参照)上を走行している車両30が、矢印にて示すように道路D1に交差する道路D2に右折する状態を想定している。車両30は、第1実施形態と同様に、現在位置取得処理(図4参照)において走行位置取得部12により走行位置を取得する。このとき、走行位置取得部12で取得した走行位置が車両30を破線にて示す地点P11であったものの、実際には車両30が光ビーコン装置15の受信可能エリアBA1内の地点P12であり、地点P12においてビーコン信号を受信したとすると、走行位置補正部44は、地点B1の光ビーコン装置15の位置情報に基づいて、車両30の走行位置を現在位置、すなわち、光ビーコン装置15の設置位置(座標X1,Y1)に補正する。これにより、実際に車両30が走行している位置が正確に特定される。つまり、走行位置補正部44は、特許請求の範囲に記載した車両位置補正部に相当する。そして、運転支援情報提供部45は、特定された車両30の位置(地点B1)を運転支援情報の提供を開始するための基点とする。例えばDSSSサービスを対象とした場合、具体的には以下のように運転支援情報が提供される。
【0051】
路側無線通信装置16から提供される運転支援情報は、車両30がサービス開始位置、すなわち、本実施形態では直進レーンD11を走行してきた車両30が右折のための待避レーンD12に進入する地点からのサービスとなる。つまり、DSSSサービスは、地点B1を基準にして車両30がサービス開始位置まで進行した場合に開始されるので、車両30の現在位置が重要となる。この場合、誤差が含まれる可能性がある走行位置に基づいた場合、例えば10mもの誤差は許容できない誤差となる可能性が高い。そのため、第1実施形態にて詳細に説明したように車両30の位置を正確に特定し、さらに走行位置補正部44により走行位置を補正することにより、適切に運転支援情報の提供を行うことが可能となる。
【0052】
さて、車両30が地点B1後の直進レーンD11上の地点P13を経由して待避レーンD12に進入すると、停止線位置までの区間L1において、例えば対向車線に対向車両60および対向車両61が存在していることが運転支援情報として提供される。このとき、車両位置特定装置40の運転支援情報提供部45は、車両側無線通信部14で受信した運転支援情報を、表示部42あるいは音声出力部43を経由して車両の運転者に提供する(運転支援を実施する)。この状況では、対向車両61が交差点に進入する可能性があることなどが、運転支援情報として車両30の運転者に提供される。
【0053】
そして、車両30が右折のために停止線を越えて交差点内の地点P14に進入すると、この区間L2においては、上記した対向車両61に関する情報に加えて、横断歩道の情報あるいは進入する道路D2における情報などが運転支援情報として車両の運転者に提供される。これにより、運転者は、より安全に右折することができる。なお、このような右折時においては、例えば対向車両61に隠れて例えばオートバイなどが交差点に進入しつつある存在する場合、それらの情報も合わせて提供される。
【0054】
このように、第2実施形態の車両位置特定装置40では、現在位置特定部22により車両30の現在位置を特定し、運転支援情報を提供する基点としている。これにより、より正確な車両30の位置(現在位置)に基づいて運転支援情報を提供することができる。また、路側無線通信装置16や道路情報取得装置50などの路側機を利用してDSSSサービスなどを提供する側の観点においては、提供した運転支援情報をより適切に役立ててもらうことができるともいえる。
【0055】
この場合、例えばDSSSサービスにおいては走行位置取得部12で取得された走行位置の誤差を許容できない場合が想定されるものの、車両位置特定装置40は、走行位置を現在位置に基づいて補正する。これにより、車両30の位置がより正確に特定され、路側機から提供される運転支援情報をより適切な状態で運転者に提供することができる。また、DSSS以外の各種のサービスであっても同様の効果を得ることができる。
【0056】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
位置情報記憶部21において光ビーコン装置15の位置情報は、不揮発性の記憶手段に記憶してもよいが、制御部11のRAMなどに一時的に記憶するようにしてもよい。すなわち、位置情報記憶部21は、必ずしも不揮発性の記憶手段で構成する必要はない。一般的に、車両の現在位置を特定したい状況は、走行中の道路の付近(以下、便宜的に走行エリアと称する)において発生すると考えられる。例えば、愛知県内を走行中に沖縄県など他の走行エリアに設けられている光ビーコン装置15の位置情報までを記憶しておく必要はないと考えられる。そこで、走行中の道路の近傍に設置されている光ビーコン装置15の位置情報(例えば図2参照)だけを一時的に記憶し、走行エリアが変更した場合には、路側無線通信装置16から新たに取得した光ビーコン装置15の位置情報を位置情報更新部23により更新するようにしてもよい。
【0057】
これにより、位置情報記憶部21に記憶しておく位置情報の数が少なくなり、位置情報記憶部21の小容量化や小型化を図ることができるとともに、不揮発性の記憶手段を設けない構成にすることも可能となる。このような構成にした場合であっても、光ビーコン装置15の位置情報は光ビーコン装置15の設置位置に到達する前に路側無線通信装置16から取得できることから、現在位置の特定に影響を及ぼすことは少ない。また、その都度取得された光ビーコン装置15の位置情報をリスト化することにより、図4の現在位置特定処理のステップS2〜S4において光ビーコン装置15をリストアップする処理を簡略化することもできる。また、第1実施形態の変形例において、光ビーコン装置15が1台となるように検知エリアを設定する処理も簡略化することができる。
【符号の説明】
【0058】
図面中、10は車両位置特定装置、12は走行位置取得部(第1の車両位置検出部)、13はビーコン信号受信部、14は車両側無線通信部、15は光ビーコン装置(ビーコン装置)、16は路側無線通信装置、19は人工衛星、20は検知エリア設定部、21は位置情報記憶部(ビーコン位置情報記憶部)、22は現在位置特定部(第2の車両位置検出部)、23は位置情報更新部(ビーコン位置情報更新部)、30は車両、40は車両位置特定装置、44は走行位置補正部(車両位置補正部)、45は運転支援情報提供部、A1、A2、A3は走行エリアを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星から送信される測位用データを受信し、受信した測位用データから車両の位置を検出する第1の車両位置検出部と、
道路側に設けられているビーコン装置の設置位置を示す位置情報を記憶するビーコン位置情報記憶部と、
前記ビーコン装置から送信されるビーコン信号を受信するビーコン信号受信部と、
前記第1の車両位置検出部で検出した前記車両の位置から所定範囲内において前記ビーコン信号受信部により前記ビーコン信号を受信すると、前記ビーコン位置情報記憶部に記憶している前記ビーコン装置の位置情報に基づいて前記車両の位置を検出する第2の車両位置検出部と、を備えることを特徴とする車両位置特定装置。
【請求項2】
前記第2の車両位置検出部は、前記ビーコン信号を受信すると、当該ビーコン信号を解析することなく、前記ビーコン位置情報記憶部に記憶されている当該ビーコン装置の前記設置位置を前記車両の位置として検出することを特徴とする請求項1記載の車両位置特定装置。
【請求項3】
前記第2の車両位置検出部は、前記第1の車両位置検出部で検出した前記ビーコン信号を受信したときの前記車両の位置が、前記位置情報で示される前記設置位置から所定の範囲内であるとき、前記ビーコン位置情報記憶部に記憶されている当該ビーコン装置の前記設置位置を車両の位置として検出することを特徴とする請求項1または2記載の車両位置特定装置。
【請求項4】
前記第1の車両位置検出部で検出した前記車両の位置に基づいて当該車両の位置を含む所定範囲を検知エリアとして設定する検知エリア設定部をさらに備え、
前記検知エリア設定部は、前記検知エリア内に位置する前記ビーコン装置が1つとなるように当該検知エリアを設定し、
前記第2の車両位置検出部は、前記検知エリア内において前記ビーコン信号を受信すると、前記ビーコン位置情報記憶部に記憶している前記ビーコン装置の位置情報に基づいて前記車両の位置を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の車両位置特定装置。
【請求項5】
前記第1の車両位置検出部で検出した前記車両の位置を前記第2の車両位置検出部で検出した前記車両の位置に補正する車両位置補正部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の車両位置特定装置。
【請求項6】
前記ビーコン位置情報記憶部が記憶する前記ビーコン装置の設置位置を更新するビーコン位置情報更新部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の車両位置特定装置。
【請求項7】
路側無線通信装置から情報を受信する車両側無線通信装置と、
前記車両側無線通信装置で受信した情報に基づき、前記車両の運転を支援する運転支援情報を提供する運転支援情報提供部と、をさらに備え、
前記運転支援情報提供部は、前記第2の車両位置検出部で検出した前記車両の位置を、前記運転支援情報を提供する際の基点にすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の車両位置特定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−24643(P2013−24643A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157895(P2011−157895)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】