説明

車両搭載健康器具装置

【課題】車両走行時、操舵走行時以外にも、悪路走行時や加減速時等、車両走行時には数多い状況で運転者のシートへの押し付け力が変化するなどの幅広い状況で、常に適切な強度でマッサージを受けることのできる車両搭載健康器具装置を提供する。
【解決手段】車両のシートに設けられ、運転者にマッサージを施すマッサージ機において、振動検出手段により検出された車体の振動に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段により、マッサージの強度を、車体の振動が大きいときに設定強度より弱める制御をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載する健康器具装置に関し、特に車両の運転者に対してマッサージを行う健康器具装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のシートに、マッサージ機等の健康器具装置を搭載し、シートに着座した運転者に対してマッサージを施す技術が知られている。
このような健康器具装置を車両走行時に作動させた場合、例えば操舵走行時のように車両の走行状態が変化しているときには、シートに対する運転者の押し付け力が変化するので、適正な強度でマッサージを受けることは困難である。そこで、車両の走行状態に基づいてマッサージの強度を切り換える装置が開発されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−198307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の健康器具装置は、車両の走行状態として具体的には操舵角及び走行速度を用いており、操舵走行時における遠心力に対応した制御を行っているに過ぎない。ところが実際には、操舵走行時以外にも、悪路走行時や加減速時等、車両走行時には数多い状況で運転者のシートへの押し付け力が変化する虞があり、常に適切な強度でマッサージを受けることは困難である。
【0004】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両走行時には幅広い状況で運転者が常に適切なマッサージを受けることが可能な車両用健康器具装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両のシートに搭載され、シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、車体の振動を検出する振動検出手段と、車両の走行時において、振動検出手段により検出された車体の振動に応じてマッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また請求項2の発明は、車両のシートに搭載され、前記シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、車体の前後方向の傾斜角を検出する傾斜検出手段と、前記車両の走行時において、前記傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また請求項3の発明では、請求項1または2において、車両が走行する路面の情報を取得するナビゲーション手段を更に備え、制御手段は、路面状態検出手段により取得された路面の情報に基づいて車体の振動または車体の傾斜角を推定し、該車体の振動または車体の傾斜角に応じてマッサージ手段によるマッサージの強度を変化させることを特徴とする。
【0007】
また請求項4の発明は、車両のシートに搭載され、シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、車体の前後加速度を検出する加速度検出手段と、車両の走行時において、加速度検出手段により検出された車体の前後加速度に応じてマッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかにおいて、制御手段は、車両走行中である場合にマッサージ手段によるマッサージの強度を所定値以上に設定することを特徴とする。
【0008】
また請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかにおいて、制御手段は、シートに運転者が着座している場合にのみマッサージ手段の作動を許可することを特徴とする。
また請求項7の発明では、請求項1〜6のいずれかにおいて、車両の前方を走行している車両との距離を検出する車間距離検出手段を更に備え、制御手段は、車両走行時において車間距離検出手段により検出された車間距離が所定値以上である場合にのみマッサージ手段の作動を許可することを特徴とする。
【0009】
また請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかにおいて、前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、を更に備え、制御手段は、車間距離検出手段により検出された車間距離と車速検出手段により検出された車速に基づいて追突の危険性を判定し、追突の危険性がある場合には所定値以上の強度でマッサージ手段を作動させることを特徴とする。
【0010】
また請求項9の発明では、請求項1〜8のいずれかにおいて、車両のアクセル操作が自動的に行われる自動運転を実施する自動運転手段を更に備え、制御手段は、車両走行時において自動運転手段による自動運転時にのみマッサージ手段の作動を許可することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1の車両用健康器具装置によれば、車体の振動に応じてマッサージの強度が変化するので、例えば車体の上下振動が大きいときにマッサージの強度を弱めるように設定すれば、悪路走行時にマッサージの強度が過剰になることを防止できる。したがって、車両走行時には幅広い状況で運転者が適切なマッサージを受けることが可能となる。
本発明の請求項2の車両用健康器具装置によれば、車体の傾斜角に応じてマッサージの強度が変化するので、例えば車体の後方が下がるように傾斜している場合にマッサージの強度を弱めるように設定すれば、運転者が自重でシートに押し付けられてマッサージの強度が過剰になることを防止できる。したがって、傾斜地であっても車両走行時には運転者が適切なマッサージを受けることが可能となる。
【0012】
本発明の請求項3の車両用健康器具装置によれば、ナビゲーション手段によって車両が走行する路面の情報が取得され、この路面の情報に基づいて推定された車体の振動や車体の傾斜角に応じてマッサージの強度が変化されるので、車両走行時に路面状況の変化によりマッサージが不適切な強度で行われることを未然に防止することができる。
本発明の請求項4の車両用健康器具装置によれば、車両の前後加速度に応じてマッサージの強度が変化するので、例えば前方への加速度が大きい場合にマッサージの強度を弱めるように設定すれば、運転者が自重でシートに押し付けられることでマッサージの強度が過剰になることを防止できる。したがって、加速時であっても車両走行時には運転者が適切なマッサージを受けることが可能となる。
【0013】
本発明の請求項5の車両用健康器具装置によれば、車両走行中には弱い強度のマッサージが規制されるので、効果的且つ迅速な疲労回復及び眠気防止を図ることができる。
本発明の請求項6の車両用健康器具装置によれば、運転者がシートに着座していないときにマッサージ手段の作動が規制されるので、マッサージ手段の動力の消費を低減することができる。
【0014】
本発明の請求項7の車両用健康器具装置によれば、車間距離が少ない場合でのマッサージ手段の作動が規制されるので、車両走行時にマッサージ手段が作動することで運転者に例え悪影響が及んだとしても、追突の危険性は回避させることができる。
本発明の請求項8の車両用健康器具装置によれば、マッサージ手段が車両の追突防止システムの警告手段として用いられ、確実な警告を可能にするとともに、マッサージ機能と追突防止機能の両方を、部品点数及びコストを抑制した上で実現させることができる。
【0015】
本発明の請求項9の車両用健康器具装置によれば、車両走行時には自動運転時のみマッサージ手段の作動が許可されるので、車両走行時にマッサージ手段が作動することで運転者に影響が及んだとしても、意図しないアクセル作動は防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る車両搭載健康器具装置を備えた車両の該略構造図である。
図1に示すように、車両1の運転席のシート2にはマッサージ機3(マッサージ手段)が備えられている。シート2に座った車両の運転者は、手の届く車内位置に配置された作動スイッチ4をON操作することでマッサージ機3を作動させ、マッサージを受けることが可能となっている。マッサージ機3は、マッサージの強度が変更可能となっており、その強度は作動スイッチ4の操作により設定される。
【0017】
車両1には、加速度センサ(加速度検出手段)5、傾斜角センサ(傾斜検出手段)6、振動センサ(振動検出手段)7、アクセル開度センサ8、車速センサ(車速検出手段)9及びECU(電子コントロールユニット:制御手段)10が備えられている。加速度センサ5は車両1の前後方向の加速度を、傾斜角センサ6は車両1の前後方向の傾斜角を、振動センサ7は、車両1の上下振動を、アクセル開度センサ8はアクセル開度を、車速センサ9は車両速度を検出する。ECU10は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。ECU10の入力側には、加速度センサ5、傾斜角センサ6、振動センサ7、アクセル開度センサ8及び車速センサ9から検出情報が入力されるとともに、作動スイッチ4の操作信号も入力する。一方、ECU10の出力側には、マッサージ機3が接続されている。ECU10は、作動スイッチ4の操作信号と加速度センサ5等の各種センサ類からの検出情報とに基づき、マッサージ機3を作動制御する。
【0018】
図2及び図3は、ECU10におけるマッサージ機3の作動制御要領を示すフローチャートである。
本ルーチンは車両1のキースイッチONによりECU10に電源が供給されて、繰り返し行われる。
ステップS10では、加速度センサ5から車両前後加速度を入力する。そして、ステップS20に進む。
【0019】
ステップS20では、振動センサ7から車両上下振動を入力する。そして、ステップS30に進む。
ステップS30では、アクセル開度センサ8からアクセル開度を入力する。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、ステップS30において入力したアクセル開度の所定時間内での変化量を計測する。この所定時間は、例えば1秒程度に適宜設定すればよい。そして、ステップS50に進む。
【0020】
ステップS50では、作動スイッチ4がONであるか否かを判別する。ONである場合は、ステップS60に進む。
ステップS60では、ステップS10において入力した車両前後加速度が0より大きいか否かを判別する。なお、車両前後加速度は正が加速状態、負が減速状態を示す。0より大きい、即ち加速状態である場合はステップS70に進む。
【0021】
ステップS70では、ステップS10において入力した車両前後加速度が所定値より大きいか否かを判別する。車両前後加速度が所定値より大きい場合は、ステップS80に進む。なお、この所定値は、加速により運転者がシート2に押しつけられてもマッサージの強度が許容される範囲内で適宜設定すればよい。
ステップS80では、マッサージ機3の強度を作動スイッチ4で設定された強度より低下させる制御を行う。そして、本ルーチンをリターンする。
【0022】
ステップS70において車両前後加速度が所定値以下であると判定された場合には、ステップS90に進む。
ステップS90では、ステップS20において入力した車両上下振動が所定値より大きい状態が所定時間以上継続したか否かを判別する。所定時間以上継続した場合はステップS80に進む一方、継続していない場合はステップS100に進む。なお、この所定値は、上下振動してもマッサージの強度が許容される範囲内で適宜設定すればよい。また、この所定時間は、突発的な上下振動によりマッサージの強度が必要以上に頻繁に変更されないよう適宜設定すればよい。
【0023】
ステップS100では、傾斜角センサ6から車両の前後方向の傾斜角を入力する。そして、ステップS110に進む。
ステップS110では、ステップS100において入力した車両の前後方向の傾斜角が所定値より大きいか否かを判別する。所定値より大きい場合はステップS80に進む一方、所定値以下である場合はステップS120に進む。なお、この傾斜角は、車両1が後方に傾斜している場合が正に、前方に傾斜している場合が負になる。また、所定値は、車両1が後方に傾斜することで運転者がシート2に押しつけられてもマッサージの強度が許容される範囲内で適宜設定すればよい。
【0024】
ステップS120では、ステップS40において計測したアクセル開度の所定時間内での変化量が所定値より大きいか否かを判別する。所定値より大きい場合はステップS80に進む一方、所定値以下である場合はステップS130に進む。なお、ここではアクセル開度の変化により車両1の加減速状態を推定するのであって、所定値は、車両1が加減速することで運転者のシート2への押し付け力が変化してもマッサージの強度が許容される範囲内で適宜設定すればよい。
【0025】
ステップS130では、車速センサ9から車速を入力し、この車速とステップS30において入力したアクセル開度とから加速状態であるか否かを判別する。加速状態である場合には、ステップS80に進む。加速状態でない場合には、ステップS140に進む。
ステップS140では、マッサージ機3を通常強度、即ち操作スイッチ4の操作に応じた強度にする。そして、本ルーチンをリターンする。
【0026】
一方、ステップS60において、車両前後加速度が0以下である、即ち加速状態でないと判定した場合にはステップS150に進む。
ステップS150では、ステップS10において入力した車両前後加速度が所定値より小さいか否かを判別する。車両前後加速度が所定値より小さい場合はステップS160に進む一方、所定値以上である場合はステップS90に進む。なお、この所定値は、減速により運転者がシート2から離れる方向に移動してもマッサージの強度が十分に得られる範囲内で適宜設定すればよい。
【0027】
ステップS160では、マッサージ機3の強度を作動スイッチ4で設定された強度より上昇させる制御を行う。そして、本ルーチンをリターンする。
以上のように、車両1が加速状態である場合にはマッサージの強度を弱く、減速状態である場合はマッサージの強度を強くするので、車両1の加減速に拘わらず適切な強度でマッサージを受けることができる。また、車体の上下振動が大きいときや車両1が後方に傾斜しているときにはマッサージの強度を弱めるので、悪路走行時や傾斜地走行時にマッサージの強度が過剰になることを防止できる。したがって、車両走行時には運転者が幅広い状況で適切なマッサージを受けることが可能となる。
【0028】
また、加速状態であるか否かを加速度センサ5だけでなく車速とアクセル開度に基づいても判別するので、加速直前に加速状態となるか否かが判別可能となり、迅速なマッサージの強度の制御が可能となる。
また、アクセル開度の変化が大きい場合にも、マッサージの強度を低下させるので、車両1が前後方向に揺動しても、マッサージの強度が過剰になることを未然に防止することができる。
【0029】
なお、車両1にナビゲーションシステム(ナビゲーション手段)15が搭載している場合には、車両1が走行する路面の状況、例えば車両前方が悪路や上り坂であることを、ナビゲーションシステム15により取得して、マッサージ機3におけるマッサージの強度を制御すればよい。このようにすれば、悪路等を走行することでマッサージの強度が不適切になることを未然に防止することができる。
【0030】
更に、本実施形態の車両1には、マッサージ機3を用いたマッサージ機能の他に、追突防止機能、居眠り運転防止機能が備えられている。これらの安全機能を実現すべく、車両1には、更に図1に示すように、前方を走行する車両との車間距離を検出する車間距離検出器(車間距離検出手段)20及びフロントウインドウ上部に取り付けた運転者撮影用カメラ21が備えられている。また、シート2には運転者が着座しているか否かを判別する着座スイッチ22が備えられている。なお、車間距離検出器20は、例えば公知のレーダ式車間距離測定装置を流用すればよい。
【0031】
本安全機能を実行すべく、ECU10は、更に、上記の車間距離検出器20、運転者撮影用カメラ21、着座スイッチ22が入力される。
図4は、安全機能を実行するためのマッサージ機3の作動制御要領を示すフローチャートである。
本ルーチンは、車両1のキースイッチONによりECU10に電源が供給されて、図2及び図3に示すルーチンと平行して繰り返し行われる。
【0032】
ステップS200では、車速センサ9から車速を入力する。そして、ステップS210に進む。
ステップS210では、車間距離検出器20から前方車両との車間距離を入力する。そして、ステップS220に進む。
ステップS220では、運転者撮影用カメラ21により、運転者の顔画像を取得する。そして、ステップS230に進む。
【0033】
ステップS230では、車速センサ9から入力した車速が0より大きいか、即ち走行状態であるか否かを判別する。走行中である場合は、ステップS240に進む。
ステップS240では、ステップS220において取得した運転者の顔画像を解析し、居眠り状態または居眠りしそうな状態であるか否かを判別する。具体的には、例えば目が所定時間以上つぶっているか、所定時間内に目を閉じた回数が所定回数以上であるか、運転者の頭が所定以上移動しているか等によって判別すればよい。居眠り状態または居眠りしそうな状態である場合にはステップS260に進む。居眠り状態または居眠りしそうな状態でない場合にはステップS250に進む。
【0034】
ステップS250では、ステップS200において入力した車速とステップS210において入力した車間距離とにより、衝突の危険性が高いか否かを判別する。この判別は、例えばあらかじめ設定したマップを用いて判別すればよい。衝突の危険性が高い場合は、ステップS260に進む。
ステップS260では、マッサージ機3を用いて運転者に危険であることを知らせる。具体的には、例えば強い強度で断続的にマッサージ作動をすればよい。そして、本ルーチンをリターンする。
【0035】
ステップS250において、衝突の危険性が低いと判定された場合には、ステップS270に進む。
ステップS270では、作動スイッチ4がONであるか否かを判別する。ONである場合は、ステップS280に進む。
ステップS280では、着座スイッチ22からの入力により運転者がシート2に着座しているか否かを判別する。着座している場合は、ステップS290に進む。
【0036】
ステップS290では、マッサージ機3を所定強度以上で作動させる。所定強度は、例えば眠気を予防できる程度の強度に設定すればよい。ここでは、運転者により設定した強度が所定強度以上である場合は設定強度に、それより小さい場合は所定強度に設定すればよい。そして、本ルーチンをリターンする。
ステップS230において走行中でないと判定した場合には、ステップS300に進む。
【0037】
ステップS300では、作動スイッチ4がONであるか否かを判別する。ONである場合は、ステップS310に進む。
ステップS310では、着座スイッチ22からの入力により運転者がシート2に着座しているか否かを判別する。着座している場合は、ステップS320に進む。
ステップS320では、マッサージ機3を通常作動させる。通常作動とは、運転者が設定した強度でマッサージを行うものである。そして本ルーチンをリターンする。
【0038】
ステップS270またはS300において作動スイッチ4がOFFの場合、ステップS280またはS310において着座していない場合は、本ルーチンをリターンする。
以上のように、運転者が居眠り状態である場合、あるいは追突の危険性が高い状態である場合には、マッサージ機3の作動により、運転者に確実に危険性を警告することができる。そして、マッサージ機3が、居眠り防止機能及び追突防止機能を実現するための運転者への警告装置として兼用されるので、部品点数やコストの上昇を抑制することができる。
【0039】
また、車両走行中に運転者がマッサージ機3の作動スイッチ4をONにした場合には、あえて車両走行中にマッサージ機3を作動させようとしていることを考慮して、所定強度以上に強くするので、効果的かつ迅速な疲労回復及び眠気防止を図ることができる。
また、運転者がマッサージ機3の作動スイッチ4をONにしても、シート2に着座していない場合には作動させないので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0040】
なお、車両1に、アクセル操作が自動的に行われるオートクルーズシステム(自動運転手段)30が備えられている場合では、車両走行時には、自動運転時のみマッサージ機3の作動を許容するように制御するとよい。このようにすれば、車両走行時にマッサージ機3が作動することで運転者に影響が及んだとしても、アクセルの誤操作は防止することができ、事故防止に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るマッサージ機を搭載した車両の概略構成図である。
【図2】本発明に係るECUにおけるマッサージ機の強度制御要領を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るECUにおけるマッサージ機の強度制御要領を示すフローチャートである。
【図4】安全機能を実行するためのマッサージ機の作動制御要領を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
2 シート
3 マッサージ機
5 加速度センサ
6 傾斜角センサ
7 振動センサ
9 車速センサ
15 ナビゲーションシステム
20 車間距離検出器
30 オートクルーズシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートに搭載され、前記シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、
車体の振動を検出する振動検出手段と、
前記車両の走行時において、前記振動検出手段により検出された車体の振動に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両搭載健康器具装置。
【請求項2】
車両のシートに搭載され、前記シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、
車体の前後方向の傾斜角を検出する傾斜検出手段と、
前記車両の走行時において、前記傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両搭載健康器具装置。
【請求項3】
前記車両が走行する路面の情報を取得するナビゲーション手段を更に備え、
前記制御手段は、前記路面状態検出手段により取得された路面の情報に基づいて車体の振動または車体の傾斜角を推定し、該車体の振動または車体の傾斜角に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両搭載健康器具装置。
【請求項4】
車両のシートに搭載され、前記シートに着座した運転者にマッサージを施すマッサージ手段と、
車両の前後加速度を検出する加速度検出手段と、
前記車両の走行時において、前記加速度検出手段により検出された車両の前後加速度に応じて前記マッサージ手段によるマッサージの強度を変化させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両搭載健康器具装置。
【請求項5】
前記制御手段は、車両走行中である場合に前記マッサージ手段によるマッサージの強度を所定値以上に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両搭載健康器具装置。
【請求項6】
前記シートに運転者が着座していることを検出する着座検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記着座検出手段により前記シートに運転者が着座していることが検出された場合にのみ前記マッサージ手段の作動を許可することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両搭載健康器具装置。
【請求項7】
車両の前方を走行している車両との距離を検出する車間距離検出手段を更に備え、
前記制御手段は、車両走行時において前記車間距離検出手段により検出された車間距離が所定値以上である場合にのみ前記マッサージ手段の作動を許可することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両搭載健康器具装置。
【請求項8】
前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記車間距離検出手段により検出された車間距離と前記車速検出手段により検出された車速に基づいて追突の危険性を判定し、追突の危険性がある場合には所定値以上の強度で前記マッサージ手段を作動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両搭載健康器具装置。
【請求項9】
車両のアクセル操作が自動的に行われる自動運転を実施する自動運転手段を更に備え、
前記制御手段は、車両走行時において前記自動運転手段による自動運転時にのみ前記マッサージ手段の作動を許可することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車両搭載健康器具装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−195595(P2009−195595A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42782(P2008−42782)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】