車両搭載型のナビゲーション装置に関する改善
本発明は、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の通常の自動車より大型の車両に対するナビゲーション経路計画を支援するためのデジタル地図情報の収集及び/又は向上を可能にする技術を提供する。車両の特性のプロファイル及び走行する1つ以上の経路は、ナビゲーションデバイス(200)によりログ記録され、地図データ更新によりナビゲーションデバイスをサポートするサーバ(150)にフィードバックされる。サーバ又は別の処理センタにおいて、複数のナビゲーションデバイスからフィードバックされたデータは、それらの車両により使用された道路のパターンを統計的に観察し且つ車種によりそれらを分類するために解析される(400〜404)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載型のナビゲーションデバイス及びそれに関連する方法の分野に関する。例えばそのような装置は、一体型車両機器として装備されてもよく、あるいは車両搭載型に構成されるか又は構成可能なポータブル装置であってもよい。本発明は、ナビゲーションデバイス内に少なくとも部分的に実現されてもよく且つ/又はナビゲーションデバイスが通信する他の機器により少なくとも部分的に実現されてもよい。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理機能性を含むポータブルナビゲーションデバイス(PND)は既知であり、車両搭載型又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的に、現在のPNDは、プロセッサ、メモリ(少なくとも1つは揮発性、不揮発性かであって、通常は両方)及び前記メモリ内に格納された地図データを含む。プロセッサ及びメモリは、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供するように協働し、また、PNDの機能性の制御を可能にし且つ種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的なことである。
【0004】
通常、これらのデバイスは、ユーザがデバイスと対話し且つデバイスを制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、ユーザに情報を中継する1つ以上の出力インタフェースとを更に含む。出力インタフェースの例には、表示装置及び可聴出力用スピーカが含まれる。入力インタフェースの例には、オン/オフ動作又はデバイスの他の特徴を制御する1つ以上の物理ボタン(ボタンは必ずしもデバイス自体にある必要はなく、デバイスが車両に内蔵されている場合はステアリングホイール上にあってもよい)及びユーザ音声を検出するマイクが含まれる。特定の1つの構成において、出力インタフェース表示装置は、ユーザが触れることでデバイスを動作させる際に使用する入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(又はタッチセンシティブオーバレイ等を使用して)構成されてもよい。
【0005】
多くの場合、この種のデバイスは、電力及びオプションとしてデータ信号をデバイスに対して送受信する際に使用する1つ以上の物理コネクタインタフェースを含み、オプションとして、セルラ電気通信、並びに例えばBluetooth、Wi−Fi、Wi−Max、GSM等の他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機を含む。
【0006】
この種のPNDは、場所データを含む衛星放送信号を受信し且つその後デバイスの現在地を判定するために処理する際に使用するGPSアンテナを更に含む。
【0007】
PNDは、現在の角度及び直線加速度、また、GPS信号から導出された場所情報に関連して速さ、並びにデバイス及びそれが搭載される車両の相対的な変位を判定するために処理される信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような機能は車両搭載型のナビゲーションシステムに備えるのが最も一般的であるが、PNDに備えることが得策である場合にはPNDに備えてもよい。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、主に、第1の場所(一般に、出発地又は現在地)と第2の場所(一般に、目的地(destination))との間の経路を判定する機能にある。デバイスのユーザは、多種多様な種々の方法、例えば郵便番号、道路名及び番地、以前に格納した「既知」の目的地(有名な場所、公共の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の目標地点等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪れた目的地のいずれかにより、これらの場所を入力できる。
【0009】
一般にPNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を算出するソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は、所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度である可能性があり、選択された経路は、既存の予測された動的に且つ/又は無線で受信された交通及び道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択肢を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい(例えば運転者は、経路が高速道路又は有料道路を含むべきでないことを指定してもよい)。PNDは、交通の流れの習慣的な交通量に従って1日のうちの異なる時間帯でどのように移動時間が変動するかを更に正確に予測するために実際の移動時間が記録され且つフィードバックされるように移動情報を記録してもよい。
【0010】
更にデバイスは、道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対して経路を変更することを提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し、その情報を通知システムに供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、一般に、車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されてもよいが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際には車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよい。これらの場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路計算及び計算経路に沿うナビゲーションの双方を実行するためにソフトウェアをデバイスにインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画及びナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動計算リソースにより提供されてもよい。例えば、Royal Automobile Club(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいてオンライン経路計画及びナビゲーション機能を提供する。この機能により、ユーザは出発地及び目的地を入力でき、その後、ユーザのPCが接続しているサーバは、経路(経路の方位はユーザにより指定されてもよい)を計算し、地図を生成し、選択した出発地から選択した目的地までユーザを案内するための全ナビゲーション命令の組を生成する。更にこの機能は、計算経路の擬似3次元レンダリングを提供し、ユーザが経路に沿って移動することをシミュレートし且つそれにより計算経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性を提供する。
【0013】
PNDにおいて、経路が計算されると、ユーザはオプションとして提案された経路のリストから所望の計算経路を選択するためにナビゲーションデバイスと対話する。オプションとして、ユーザは、例えば特定の経路、道路、場所又は基準が特定の行程に対して回避されること又は必須であることを指定することにより経路選択処理を仲介又は誘導してもよい。PNDの経路計算の側面は1つの主な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主な機能である。
【0014】
計算経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDは、経路の終点、すなわち所望の目的地まで選択した経路に沿ってユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供するのが一般的である。また、PNDは、ナビゲーション中に画面上に地図情報を表示するのが一般的である。そのような情報は、表示された地図情報がデバイスの現在地及び従ってデバイスが車両搭載型のナビゲーションに使用されている場合はユーザの現在地又はユーザの車両の現在地を表すように画面上で定期的に更新される。
【0015】
一般に画面上に表示されたアイコンは、デバイスの現在地を示し、デバイスの現在地近傍の現在の道路及び周囲の道路の地図情報の中央に置かれ、他の地図の特徴も表示される。更にナビゲーション情報は、オプションとして表示された地図情報の上側、下側又は片側のステータスバーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例には、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離が含まれ、場合によってはその進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンで表される。更にナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する際に使用される可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は、かなりの処理及び解析を必要とする。上述したように、デバイスとのユーザ対話は、タッチスクリーンによって行われてもよく、更に又はあるいはステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の適切なあらゆる方法によって行われてもよい。
【0016】
デバイスにより提供された更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れた(偶然又は意図的に)場合、別の経路の方が適切であることをリアルタイム交通状況が指示し、且つデバイスがそのような状況を自動的に認識することを適切に可能にされる場合、又はユーザが何らかの理由で能動的にデバイスに経路再計算を実行させる場合の自動経路再計算である。
【0017】
更に、ユーザが規定した基準で経路を計算できることは既知である。例えばユーザは、デバイスにより景色のよい経路が計算されることを好んでもよく、あるいは交通渋滞が起こる可能性が高いか、起こることが予想されるか又は現在起こっているあらゆる道路を回避することを要求してもよい。次に、デバイスのソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた目標地点(points of interest)(POIとして既知である)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路上の交通状況を示す格納情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそのために起こる遅滞のレベルに関して計算経路を順序付けする。更に他のPOIに基づく経路計算及びナビゲーション基準、並びに交通情報に基づく経路計算及びナビゲーション基準が可能である。
【0018】
経路計算及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性に対して必須であるが、デバイスを純粋に情報表示に使用できる。すなわち、デバイスの現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路が全く計算されておらず、デバイスが現在ナビゲーションを全く実行していない「フリードライビング」用に使用できる。多くの場合、そのような動作モードは、移動するのに使用するのが望ましい経路をユーザが既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能である。
【0019】
上述のこの種の装置、例えばTomTom International B.V.が製造及び供給する720Tモデルは、ユーザがある位置から別の位置までナビゲートできるようにする信頼できる手段を提供する。
【0020】
上述したように、PNDのメモリは、経路を計算し且つ必要なナビゲーション命令をユーザに提供するためだけでなく、PNDの表示装置を介して視覚情報をユーザに提供するためにPNDにより使用される地図データを格納する。
【0021】
従来技術において既知であるように、地図情報は、多くの方法で表現でき、実際にはPNDにより組み合わせて使用される多くの別個の情報構成要素を含むことができる。地図情報の1つの側面は、単なる道路の場所に付加的な情報を提供する補足道路情報である。補足道路情報は、例えば貨物車両(goods-vehicle)に対する道路の適性に関する情報を含んでもよい。殆どの道路が自動車に適するが、貨物車両のサイズ又は他の基準(例えば、高さ制限、重量制限、幅制限;危険物制限及び特別な速度制限)に依存して特別な基準が貨物車両に適用されてもよい。制限及び規制を課す代わりに、一部の道路は貨物車両にとって走行しやすいか又は好適な道路として、すなわち貨物車両に適していると特に示される道路として指定されてもよい。
【0022】
地図供給元は、地図に対する貨物車両別の情報が包括的であり且つ完璧であることを保証しようとして多くの労力及び費用を費やしている。これは、貨物車両別の情報が地図の範囲に含まれる全ての地域に対して信頼でき且つ完璧でない限り有用ではないからである。例えば車高の高い貨物車両が計算されたナビゲーション経路を通って行けるように、経路全体に沿うどの高さ制限も100%正確である必要がある。高さ制限のある橋が1つでも地図情報に不正確に記録されるか又は地図情報にないと、貨物車両は動けなくなるか、あるいは貨物車両又は橋に衝突の損害を与える危険がある。高信頼経路計画は、経路全体に沿う地域における正確な貨物車両別の情報に依存する。
【0023】
一般に、貨物車両別の情報を含む地図情報を取得する方法は2つ存在する。第1の方法は、政府当局及び本来の地図作成会社から情報を購入することである。しかし、そのような情報の完全性、品質及び現在の信憑性は保証されない可能性があり、国毎に異なる。第2の方法は、地図作成機器を使用して情報を収集するために道路網の周囲で特別な地図作成機器を装備した車両を運転することである。例えば車両に搭載したカメラからの画像素材は、貨物車両制限を示す道路標識を識別するために解析される。しかし、そのような処理は時間がかかり且つ面倒である。いくつかの国を範囲に含む正確な地図を準備しようとする場合、タスクは拡大する。更に技術は、道路標識により示される貨物車両別の情報に限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上記の地図作成技術により現在収集できない貨物車両別の情報の更なる態様が存在する。これは、経験豊富な貨物車両の運転者の個人の知識又は個人の経路の好みである。経験豊富な貨物車両の運転者は、自身の貨物車両に対して適切な経路又は個人的に好んでいる経路の個人の知識ベースを構築する(個人の体験から又は他の貨物車両の運転者との話から)。例えば貨物車両の運転者は、貨物車両が特定の経路を使用すること又は特定の方向転換を行うこと又は小さな集落の中心を通過することを防止するような正式な制限がそこにはないが、特定の方向転換、分岐点又は集落を通り抜けることが困難であるために、その特定の経路を回避することを好む場合が多い。場合によっては、ナビゲーションデバイスを使用する経験不足の貨物車両の運転者は、貨物車両にとって完全に合法であるが現地知識のある運転者が通ることを好まないナビゲーション経路に従うことにより、渋滞を起こす迷惑行為を招いたり建物に損害を与える可能性もある。そのような迷惑行為を起こした場合、結果として不評を買うことになる。ナビゲーションデバイスは、不案内な道路をナビゲートするのに非常に有用となることを意図すると考えられる。迷惑をかけられた一般の人の反応は一般にナビゲーションデバイスの使用を非難することであり、当惑した貨物車両の運転者は将来ナビゲーションデバイスの案内を信頼しなくなるだろう。
【0025】
本発明は、上記の課題を考慮して考案された。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の態様は請求の範囲において規定される。
【0027】
概略的に説明すると、本発明の1つの態様は、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の一般的な自動車より大型の車両に対する補足道路情報の収集及び/又は向上を可能にする技術を提供する。車両の特性のプロファイル及び走行する1つ以上の経路は、ナビゲーションデバイスによりログ記録され、地図データ更新によりナビゲーションデバイスをサポートするサーバにフィードバックされる。サーバ又は別の処理センタにおいて、複数のナビゲーションデバイスからフィードバックされたデータは、それらの車両により使用された道路のパターンを統計的に観察し且つ車種によりそのような情報を分類するために解析される。
【0028】
例えば貨物車両等の車両に一般に使用される道路は、そのような道路が貨物車両に特に適しているという正式な指定がないが、「貨物車両にとって一般的な道路」として識別及び指定される。そのような情報は、その道路を習慣的に使用する貨物車両の運転者の専門知識を表し、知識の現地体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。同様に、貨物車両により習慣的に回避される道路(あるいは分岐点、方向転換、又は他の既成市街地の集落の中心部)が統計的に判定される。貨物車両の運転者がナビゲーションシステムにより計画された経路を逸脱した場合、回避は特に重要であろう。そのような逸脱又は回避が1つの傾向になりつつある場合、その特定の道路(又は分岐点等)は「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定されてもよい。ここでも、そのような情報は、その地域を習慣的に運転する貨物車両の運転者の専門知識を表し、現地知識又は体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。
【0029】
デジタル地図における補足道路情報は、車種による上記の種類の統計的解析に基づいて更新され、更新されたデジタル地図データは、その後個々のナビゲーションデバイス及び/又はナビゲーション処理センタ(オンライン経路計画機能性をホストするサーバ等)にダウンロードされる。従って、ナビゲーションデバイス及び/又はセンタによる経路計画は、そのような専門知識を考慮に入れ、経験豊富な貨物車両の運転者が走行することを選択しない経路に沿って貨物車両が案内される危険性を低減できる。
【0030】
更に又はあるいは、経路又は経路区分に対する移動時間は、車両のカテゴリに従って解析されてもよい。そのような情報は、貨物車両等の特定の車両のカテゴリに適切な推定移動時間を提供するために使用されてもよい。
【0031】
本発明は、方法、装置、地図形式、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム又は地図形式を保持する記録媒体を含むがそれらに限定されない実現例の全ての態様を範囲に含む。
【0032】
本発明の教示の種々の態様及びそれらの教示を具体化する構成について、添付の図面を参照して例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は全地球測位システム(GPS)の概略図である。
【図2】図2はナビゲーションデバイスを提供する電子構成要素を示す概略図である。
【図3】図3はナビゲーションデバイスが無線通信チャネルで情報を受信するための概略図である。
【図4a】、
【図4b】図4a及び4bナビゲーションデバイスの外観図である。
【図5】図5は、ナビゲーションデバイスにおけるソフトウェア/ハードウェア階層を示す概略図である。
【図6】図6は、ソフトウェアモジュール間の情報の流れ及びソフトウェアモジュールによる処理を示す概略図である。
【図7】図7は、車両/経路基準選択モジュールの特性を示す概略図である。
【図8】図8は、サーバとの情報のやり取り及び情報のサーバ側処理を示す概略図である。
【図9】図9は、車両のカテゴリに従って経路パターンを識別するためのサーバにおける統計的解析動作を概略的に示すフローチャートである。
【図10】図10は、デジタル地図における補足道路情報に対する情報形式を示す概略図である。
【図11】図11は、車両のカテゴリに従って移動時間情報を識別するためのサーバにおける統計的解析動作を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の好適な実施形態を、特にPNDを参照して説明する。しかし、本明細書の教示はPNDに限定されず、経路計画及びナビゲーション機能性を提供するためにポータブル装置及び/又は移動装置としてナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能である。従って、本明細書で示す実施形態において、ナビゲーションデバイスは、PND、自動車等の乗り物、あるいは実際には例えば経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)であるポータブル計算リソースとして実装されるか否かにかかわらず、どんな種類の経路計画及びナビゲーションデバイスも含むことを意図する(それに限定されない)。
【0035】
本発明の教示は、ユーザが1つの地点から別の地点までのナビゲート方法に関する命令を要求していないが単に所定の場所のビューを提供してほしい状況においても有用であることが以下から明らかとなるだろう。そのような状況において、ユーザが選択した「目的地」の場所は、ユーザがナビゲートを開始したい対応する出発地を有する必要はないため、本明細書で「目的地」の場所又は実際には「目的地」のビューを参照することは、経路の生成が不可欠であること、「目的地」まで移動する必要があること又は実際には目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0036】
好適な実施形態は、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の、通常の自動車より大型の車両に対する補足道路情報の連続した収集及び向上を可能にする技術を実現する。本明細書で使用されるように、「貨物車両(goods-vehicle)」という用語は、トラック、バン及び連結車両を含むことを意図するがそれらに限定されない。本発明は、特定の車両のカテゴリ又はサブカテゴリに焦点を当ててもよく、あるいは複数のカテゴリを範囲に含むように適用されてもよい。車両の特性のプロファイル及び走行する経路は、ナビゲーションデバイスによりログ記録され、地図データ更新によりナビゲーションデバイスをサポートするサーバにフィードバックされる。サーバ又は別の処理センタにおいて、複数のナビゲーションデバイスからフィードバックされたデータは、それらの車両により使用された道路のパターンを統計的に観察し且つ車種によりそのような情報を分類するために解析される。これにより、貨物車両等の車両により一般に使用される道路は、そのような道路が貨物車両に特に適していると正式な指定がない可能性があるが、「貨物車両にとって一般的な道路」として識別及び指定される。そのような情報は、その道路を習慣的に使用する貨物車両の運転者の専門知識を表し、知識の現地体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。同様に、貨物車両により習慣的に回避される道路(あるいは分岐点、方向転換、又は他の既成市街地の集落の中心部)が統計的に判定される。貨物車両の運転者がナビゲーションシステムにより計画された経路を逸脱した場合、回避は特に重要であろう。そのような逸脱又は回避が1つの傾向になりつつある場合、その特定の道路(又は分岐点等)は「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定されてもよい。ここでも、そのような情報は、その地域を習慣的に運転する貨物車両の運転者の専門知識を表し、現地知識又は体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。デジタル地図における補足道路情報は、車種による上記の種類の統計的解析に基づいて更新され、更新されたデジタル地図データは、その後個々のナビゲーションデバイス及び/又は他の経路計画プロセッサにダウンロードされる。従って、ナビゲーションデバイス又はプロセッサによる経路計画は、そのような専門知識を考慮に入れ、経験豊富な貨物車両の運転者が走行することを選択しない経路に沿って貨物車両が案内される危険性を低減できる。
【0037】
更に又はあるいは、経路又は経路区分に対する移動時間は、車両のカテゴリに従って解析されてもよい。そのような情報は、貨物車両等の特定の車両のカテゴリに適切な推定移動時間を提供するために使用されてもよい。
【0038】
好適な実施形態は主に貨物車両に適用される技術を説明するが、同一の原理が例えばバス及び連結した自動車+トレーラハウスを含んでもよい他の種類の大型車両又は特殊車両又は特別カテゴリの車両にも適用される。
【0039】
図1は、ナビゲーションデバイスで利用可能な測位システムの例を示している。この例の測位システムは、全地球測位システム(GPS)として知られており、種々の目的で使用される。しかし、必要に応じて他の多くの測位システム(例えば衛星及び/又は無線ベース)を利用してもよい。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして既知であったGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0040】
GPSデータを受信する能力を特別に備えるデバイスがGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、デバイスは、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、デバイスは、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0041】
図1に示すように、GPSシステムは、一般に参照番号100で示される。複数の衛星120は地球に対する周回軌道にある。各衛星120の起動は、他の衛星の起動に同期する必要はなく、実際、非同期のようになっている。GPS受信機140は、複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号160を受信する。
【0042】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が、GPS受信機140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0043】
図2は、本発明の実施形態のナビゲーションデバイス200の電子構成要素の一例をブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーションデバイス200のブロック図は、ナビゲーションデバイスの全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0044】
ナビゲーションデバイス200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び/又は情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。本発明の少なくとも1つの実施形態において、入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0045】
ナビゲーションデバイスは、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーションデバイス200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができることが同様に理解されるべきである。
【0046】
ナビゲーションデバイス200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置240に動作可能に接続され且つ入力装置240から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置250のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーションデバイス200の外部のI/O装置280に接続可能である。例えばメモリリソース230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続となる。この場合、移動電話接続は、ナビゲーションデバイス200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するため及び/又はインターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0047】
図2は、接続255を介してプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中、符号250により示されるアンテナ及び受信機は、図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるべきである。
【0048】
当然、図2に示した電子構成要素は、従来の方法で1つ以上の電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるように、図2に示した構成要素の種々の構成が考えられる。例えば図2に示した構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本明細書で説明するナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200であってもよい。
【0049】
更に図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船等の乗り物に既知の方法で接続又は「ドッキング」される。そのようなナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションに使用するためにドッキングされた場所から取り外し可能である。
【0050】
次に図3を参照すると、ナビゲーションデバイス200は、デジタル接続(例えば、既知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を有するあらゆる装置等)を介してサーバ302との「モバイル」又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、移動装置は、そのネットワークサービスプロバイダを介してサーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。従って、「モバイル」ネットワーク接続は、ナビゲーションデバイス200(単独で且つ/又は車両に搭載されて移動するため移動装置であってもよく且つ多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立され、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供する。
【0051】
移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続は、例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用して既知の方法で確立される。これは、例えばTCP/IPレイヤプロトコルを使用することを含むことができる。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等のいかなる数の通信規格も利用できる。
【0052】
従って、例えば移動電話又はナビゲーションデバイス200内の移動電話技術を介したデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続に対して、サーバ302とナビゲーションデバイス200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続はテレコムオペレータにより提供された移動装置に対する高速データ接続であり、GPRSはインターネットに接続する方法である)を介して行われる。
【0053】
更にナビゲーションデバイス200は、既知の方法で、例えば既存のBluetooth技術を介する移動装置とのデータ接続及び最終的にはインターネット及びサーバ302とのデータ接続を完成できる。ここで、データプロトコルは、例えばGSRM、GSM規格に対するデータプロトコル規格等のいかなる数の規格も利用できる。
【0054】
ナビゲーションデバイス200は、ナビゲーションデバイス200自体に自身の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか又はオプションとしてナビゲーションデバイス200の内蔵アンテナを使用する)。ナビゲーションデバイス200内の移動電話技術は、上記で指定したように内蔵構成要素を含むことができ且つ/又は挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができ、例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナにより完成される。従って、ナビゲーションデバイス200内の移動電話技術は、あらゆる移動装置と同様の方法で例えばインターネットを介してナビゲーションデバイス200とサーバ302との間のネットワーク接続を同様に確立できる。
【0055】
GRPS電話設定に対して、Bluetooth対応ナビゲーションデバイスは、移動電話の機種、製造業者等の変化する範囲で正確に動作するために使用されてもよく、機種/製造業者別の設定は、例えばナビゲーションデバイス200に格納されてもよい。この情報に対して格納されたデータは更新可能である。
【0056】
図3において、ナビゲーションデバイス200は、多くの種々の構成のうちのいずれかにより実現される汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。サーバ302及びナビゲーションデバイス200は、通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーションデバイス200との間に確立された時に通信できる(尚、そのような接続は移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介した直接接続であってもよい)。
【0057】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、更に、通信チャネル318を介してナビゲーションデバイス200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションデバイス200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0058】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく、サーバ302に組み込まれてもよい。
【0059】
ナビゲーションデバイス200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、更に、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用される。更に、送信機320及び受信機322は、ナビゲーションデバイス200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0060】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーションデバイス200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーションデバイス200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーションデバイス200へのナビゲーションデータの送信を含む。本発明の少なくとも1つの実施形態によると、サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々アルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーションデバイス200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0061】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーションデバイス200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。本発明の少なくとも1つの実施形態によると、サーバ302及びナビゲーションデバイス200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0062】
通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態によると、通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成される。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、少なくとも1つの種々の実施形態によると、通信チャネル318は、例えば、ルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0063】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、例えば、通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、少なくとも1つの実施形態において、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できてもよい。更に、少なくとも1つの実施形態によると、通信チャネル318は衛星通信に適応できる。
【0064】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、Global System for Mobile Communications(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0065】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーションデバイス200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。また、サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置付けられるネットワークサーバを含んでもよい。
【0066】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーションデバイス200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーションデバイス200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーションデバイス200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーションデバイス200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0067】
ナビゲーションデバイス200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、ユーザがナビゲーションデバイス200をサーバ302に接続する場合に周期的に更新されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーションデバイス200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーションデバイス200のプロセッサ210も同様に、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0068】
図2に示す様に、ナビゲーションデバイス200はプロセッサ210、入力装置220、表示画面240を有する。入力装置220及び表示画面240は、一体化した入力及び表示デバイスに統合する。例えばタッチパネルスクリーンに適応すると、情報(直接入力、メニュー選択など)の入力及び情報の表示の両方を可能にする。タッチ入力LCDのような画面は当業者には周知のものである。更に、ナビゲーションデバイス200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる入力装置220及び/又は更なる出力装置241を有しても良い。
【0069】
図4a及び図4bは、ナビゲーションデバイス200の実施形態の実装した場合の斜視図を示している。図4aに示すように、ナビゲーションデバイス200は、一体となった入力及び表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220などを含むがこれに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0070】
ナビゲーションデバイス200は、アーム292上に備え付けられても良い。このアーム292は、大きな吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボード/窓/等に固定されても良い。このアーム292は、ナビゲーションデバイス200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0071】
図4bに示すように、ナビゲーションデバイス200は、例えば、アーム292に対してナビゲーションデバイス292をきちんと接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる。図4bにおける矢印で示すように、ナビゲーションデバイス200は、アーム292上で回転可能である。ナビゲーションデバイス200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーションデバイス200上のボタンを押下すればよい。ナビゲーションデバイス200をドッキングステーションに結合し且つドッキングステーションから分離する他の同様の適切な構成は、当業者には既知である。
【0072】
次に添付の図面の図5及び図6を参照すると、メモリリソース230は、機能性ハードウェア構成要素460により実行するためにメモリリソース230からオペレーティングシステム470をロードするために、プロセッサ210により実行されるブートローダプログラム(不図示)を格納し、機能性ハードウェア構成要素460は、アプリケーションソフトウェア480が実行可能である環境を提供する。オペレーティングシステム470は、機能性ハードウェア構成要素460を制御し、アプリケーションソフトウェア480と機能性ハードウェア構成要素460との間に常駐する。オペレーティングシステム470は、例えば現在の時間及びデータ情報を維持することを含むアプリケーションソフトウェアに対するユニバーサルサービスを提供してもよい。アプリケーションソフトウェア480は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及び関連する他の何らかの機能であるナビゲーションデバイス200の中核機能を実現する動作環境を提供する。
【0073】
メモリリソース230は、地図ビューを生成し且つナビゲーション経路を計算するためにアプリケーションソフトウェア480により使用されたデジタル地図490を更に格納する。デジタル地図490は、道路、既成市街地、地形の種類、高度等を規定する情報を含む。デジタル地図490は、道路情報490a(例えば、道路及び分岐点の位置を識別する)及びその道路に対する貨物車両別の情報等のその道路に対する補足道路情報490bを含むいくつかの異なる情報構成要素を含んでもよい。貨物車両別の情報は、貨物車両の使用に対する道路の適性を特徴付けてもよい。貨物車両が制限された道路、貨物車両にとって注意すべき道路、貨物車両にとって中立的な道路、貨物車両にとって一般的な道路、貨物車両にとって好適な道路のうちの1つ以上の指定等の種々の特性が使用されてもよい。貨物車両が制限された道路とは、重量制限、幅制限、長さ制限、高さ制限、速度制限、危険物輸送制限、1日のうちの特定の時間帯における貨物車両の使用の規制及び急カーブできない車両に対する規制のうちの1つ以上等の許可された貨物車両の使用を規制する正式な規制(例えば、政府情報又は道路標識に従った)を示す。貨物車両にとって好適な道路とは、貨物車両にとって走行しやすい経路として正式に指定されている(政府情報又は道路標識に従って)道路を示す。他の指定は、正式な供給元からの貨物車両情報を示すのではなく、本発明の原理に従って生成されたエキスパートシステム情報を示す。貨物車両にとって一般的な道路は、道路が貨物車両により頻繁に使用されることを意味する。貨物車両にとって注意すべき道路は、道路が貨物車両に適切でない可能性があるが、正式な規制がないことを意味する。貨物車両にとって中立的な道路は、道路を使用する貨物車両に対する情報がないことを意味する。
【0074】
上記指定が別個に一覧表示されるが、経路計画の目的で指定を区別する必要がない場合指定を組み合わせることができる。例えば、貨物車両にとって好適な道路及び貨物車両にとって一般的な道路の指定は、単一の貨物車両にとって適切な道路の指定に組み合わされてもよく、これは、道路が貨物車両に適していると考えられる(道路が適していると正式に認められているため又は道路が一般に貨物車両により使用されるため)ことを意味する。更に貨物車両にとって注意すべき道路の指定は、貨物車両が制限された道路の指定に組み合わされてもよい。複数の指定を使用することにより、経路計画の好みにおける選択肢は幅広くなる(後述するように)。しかし、そのような選択肢を提供する必要がない場合(例えば、ユーザが選択する必要がある選択肢を減少することにより装置の動作を簡略化するために)、指定を組み合わせることにより、動作が合理化され、補足道路情報490bのデータサイズを減少できる。
【0075】
経路計算をより精巧にするために且つ経路計画の好みに対するユーザの選択肢を増加するために、指定の数を増加できる。例えば、上記指定は、中型の貨物車両又は大型の貨物車両に対して個別の情報を提供するために異なるサイズ及び/又は重量グループに分割されてもよい。例えば道路は、大型の貨物車両に対しては貨物車両が制限された道路として指定されてもよいが、中型までの貨物車両に対しては貨物車両にとって一般的な道路として指定されてもよい。種々の別の例が各指定の相対的な採点に使用されてもよい。
【0076】
図10は、補足道路情報490bに対する形式の一例を示す。情報は、形式を直接使用して編成又は区画化されてもよく、あるいはこの形式を使用して単に編成可能であるか又は識別可能であってもよい。例えば、情報フィールドは、異なる方法で編成されるがタグ又はラベルにより識別されてもよい。全てのフィールドが全ての道路に対して使用される必要はない。一般に、道路情報に対して必要なフィールドのみが使用される。道路に対する補足道路情報490bは、正式な指定情報510及び専門知識ベース情報512を含んでもよい。正式な指定情報510は、例えば速度制限、特別な速度制限、高さ制限、重量制限、長さ制限、車軸制限、危険物制限、排出規制、貨物車両にとって好適な道路の指定、貨物車両が制限される道路の指定である政府供給元又は道路標識からの情報を含む。専門知識ベース情報512は、正式な供給元からではなく道路の使用の解析から得られる情報を含む。本発明において、専門知識ベース情報512は、車両のカテゴリによる道路の使用の履歴の統計的解析に基づく車両のカテゴリに従って使用することに対する道路の適性を少なくとも含む。例えば貨物車両に対する適性は、貨物車両にとって一般的な道路、貨物車両にとって中立的な道路又は貨物車両にとって注意すべき道路により示されてもよい。同様の指定は、関心車両カテゴリ毎に使用されてもよい。
【0077】
アプリケーションソフトウェア480は、以下に説明するように1つ以上のソフトウェアモジュールを含んでもよい。モジュールが別個に表現されるが、これは単なる説明のためであることが理解されるだろう。機能性はモジュール間で重複してもよく、且つ/又は1つのモジュールが別のモジュールを含んでもよく、且つ/又はより多くのモジュールが提供されてもよい。モジュールは以下のうちの1つ以上を含んでもよい:
・統一入出力インタフェースを提供することにより他のモジュールをサポートし且つ地図ビューに対して画像レンダラを提供するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)モジュール482;
・現在地情報を生成するためにリアルタイム位置判定を実現し、オプションとして上述したように外部測位システムハードウェアとインタフェースする測位システム(例えば、GPS)モジュール484;
・車種、出発地、目的地及びオプションとしてナビゲーション経路に対する1つ以上の中継地、並びに所望のナビゲーション経路の種類に関する情報を入力及び/又は格納する車両/経路基準モジュール486;
・出発地から目的地までのナビゲーション経路を計算するためのデジタル地図490に含まれた情報及び車両/経路基準モジュール486からの情報に応答可能な経路計画モジュール488。デジタル地図490は、メモリリソース230により更に格納される。
・計算経路に沿ってナビゲートするように車両の運転者を案内するためのリアルタイムナビゲーション案内を実現するための(i)測位システムモジュール482からの現在地情報、(ii)デジタル地図490及び(iii)経路計画モジュール488からの計算経路に応答可能なナビゲーションモジュール492。ナビゲーションモジュール492は、ナビゲーションを段階的に支援するために音声及び/又は視覚案内プロンプトを生成してもよい。車両が実質的に計算経路を逸脱したことをナビゲーションモジュール492が現在地情報から判定する場合、ナビゲーションモジュール492は、車両の現在地を考慮して新しい経路を計算するために経路計画モジュール488に対して別経路コマンド494を発行してもよい。
・移動情報をログ記録するデータログ記録モジュール496。移動情報は、測位システム484、経路計画モジュール488、ナビゲーションモジュール492、車両/経路基準モジュール486及びデジタル地図490(位置情報がデジタル地図からの情報に対して符号化される場合に有用である)のうちの1つ以上からの情報を含んでもよい。図6において、データログ記録のための情報の流れは破線で示される。
【0078】
図7は、車両/経路基準モジュール486により入力及び/又は格納される情報の一例を示す。車両情報500は、車両のカテゴリを識別することを意図する。車両パラメータの集合又は組は車両プロファイルを示してもよい。車両情報500は、車種又はカテゴリ502(例えば、自動車、貨物車両、バス等の所定のリストから選択される)、トレーラ情報504(自動車+トレーラハウス又は連結トレーラトラック)を含んでもよい。標準的な自動車より大型の車両の場合、車両情報は、車両高さ506、車両幅508、車両長さ510、積載なし車両重量512、オプションとして貨物車両に対する車両総重量514、貨物車両に対する危険物内容516を更に含んでもよい。種々の他の車両パラメータが更に格納されてもよく、且つ/又は上記パラメータの1つ以上が必要に応じて省略されてもよい。情報は、ユーザにより別個の値として自由に入力可能であってもよく、あるいは所定の値範囲(重量(メートルトン)の場合、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20等の範囲等)から選択されてもよい。情報の一部は、本質的に他の情報から判定されてもよい。例えば貨物車両が貨物車両の分類の種類又は車種識別子により識別される場合、1つ以上のパラメータは別個の入力を必要とせずにそのような情報から推論されてもよい。ナビゲーションデバイスがPNDとして実現される場合、車両/経路基準モジュール486は、ユーザが車両情報値を設定又は調整できるようにするインタフェースを含むのが好ましい。更に又はあるいは、値はPNDに接続された時にユーザのホームコンピュータで実行されるソフトウェアにより設定されてもよい。ナビゲーションデバイスがPNDとしてではなく単一の車両に永続的に装備される車両搭載型の機器として実現される場合、車両パラメータの少なくとも一部は製造時又は装備時に事前設定されてもよい。車両/経路基準モジュール486は、オプションとして車両搭載型の識別ユニット(不図示)から車両情報を取得するように構成されてもよい。ナビゲーションユニット200は、別個の車両搭載型の装置間に分散型通信網を実現するために自動車業界で広く使用されるバスプロトコルである制御エリアネットワークバス(CANバス)等の有線バス又は有線接続、あるいは無線接続(例えば、Bluetooth)を介する等のあらゆる適切な手段により車両搭載型の識別ユニットとの通信接続を確立してもよい。
【0079】
車両/経路基準モジュール486は、例えば出発地522、目的地524、1つ以上の中間中継地526、時間帯(又は所望の到着時間)528及び状態(選択又は選択解除)に従って好みを示すフラグにより一般に示される経路の種類の好みを含む経路情報520に対するインタフェースを更に提供する。フラグの例は、有料道路の使用530、高速道路の使用532、景色の良い経路の使用534、最速経路536、最も安全な経路538、貨物車両経路540、トレーラハウス経路544のうちの1つ以上を含む。必要に応じて、追加の好みが更に提供されてもよく、且つ/又は上記好みの1つ以上が省略されてもよい。好みは自由に設定可能であってもよく、且つ/又は1つ以上の好みは車両情報500に従って事前設定されてもよい(固定的に又は初期デフォルト値として)。例えば車両が貨物車両であると車両情報が示す場合、貨物車両経路フラグ540は選択状態に事前設定されてもよく、少なくとも景色の良い経路フラグ536が選択解除状態に事前設定されてもよい。好みのフラグは、好みの基準を満たす車両が走行する最善の経路を判定するために経路計画モジュール488により使用される。例えば貨物車両経路フラグ540が選択されている場合、ナビゲーション経路は、デジタル地図490の貨物車両別の補足道路情報490bに従って経路を最適化するために計算される。ナビゲーション経路は、貨物車両パラメータが制限又は規制を超えるか又は道路が貨物車両にとって注意すべき道路として指定される道路を回避する。貨物車両にとって適切な道路(貨物車両にとって好適な道路又は貨物車両にとって一般的な道路)である道路は、ナビゲーション経路に含めるためにより好適に重み付けされるか、あるいはナビゲーション経路は、可能であれば貨物車両にとって適切な道路として指定された道路を排他的に使用するために計算されてもよい。一形態において、重量及びサイズ等の車両特性が車両/経路基準モジュール486により格納される時、貨物車両経路フラグが選択状態でない場合でも、経路計画モジュール488はそれらの値と補足道路情報490bとを常に比較する。貨物車両経路フラグ540は、貨物車両にとって適切な道路(貨物車両にとって好適な道路又は貨物車両にとって一般的な道路)として指定された道路におけるナビゲーションを選択し且つ貨物車両にとって注意すべき道路を回避するために使用される。別の形態において、補足道路情報に対する車両の重量及びサイズの比較は、貨物車両経路フラグ540が選択状態である場合に経路計画モジュール488によってのみ実行される。経路計画で使用される貨物車両に対する車両パラメータを別個に制御するために副次的な好みを提供するために、1つ以上の追加の好みのフラグが提供されてもよい。例えば別個の好みのフラグは、(i)サイズ及び重量等の車両パラメータ及び(ii)貨物車両にとって適切な道路である道路に対して提供されてもよい。更に又はあるいは、デジタル地図490の補足道路情報490bにおけるそのような情報を区別する場合、別個の好みのフラグは、(i)貨物車両にとって好適な道路及び(ii)貨物車両にとって一般的な道路である道路を区別するために提供されてもよい。
【0080】
一形態において、車両/経路基準モジュール486は、基準が移動の種々の部分に対して異なる方法でプログラムされることを可能にしてもよい。例えばナビゲーション経路は、出発地から積載物を降ろす中継地まで積載状態で移動し且つ最終的な目的地(一般に、出発地と同一であってもよい)まで積載なしで戻る貨物車両に対して計算されてもよい。そのような場合、車両の重量は積載物を降ろす中継地において変更され、移動の復路部分に対して恐らくはより短い異なる経路を使用することが可能になるだろう。あるいは、2つの異なる個別の移動が種々の車両パラメータを使用して計算されてもよい。
【0081】
データログ記録モジュール496は、時間に伴う判定された位置のトレース(「GPSトレース」と呼ばれることもある)と呼ばれてもよい移動情報をログ記録する。情報をログ記録し、符号化し且つ/又は圧縮する種々の技術が使用されてもよい。技術は、(i)特定の閾値だけ変位したことが検出される度に位置情報がログ記録されるように車両のリアルタイム位置を位置サンプリングすることと、(ii)位置情報が設定された時間間隔でログ記録されるように車両のリアルタイム位置を時間サンプリングすることと、(iii)位置サンプリング及び時間サンプリングの双方の組合せと、(iv)車両パラメータ又は経路の好みの変更、ナビゲーション経路からの逸脱、ナビゲーション経路の再計算、ナビゲーション経路に沿う前進又は分岐点への到着、あるいは経由地又は目的地への到着等の重要な事象を事象ログ記録することとから選択された1つ以上のものを含んでもよい。移動情報は、実際の位置座標(例えば、GPS座標)、デジタル地図に対する座標、地図に示された道路上の位置、計画されたナビゲーション経路に沿う位置のうちの1つ以上として記録されてもよい。ログ記録されたデータは、オプションとしてオペレーティングシステム470により提供された現在の時間及び日付関数から取得される時間及び/又は日付スタンプ情報を含んでもよい。そのような情報は、どんな所望の形態で表現されてもよいことが理解されるだろう。例えば日付は、年間カレンダの日付又は月の日付又は曜日により表されてもよい。ログ記録されたデータは、計画されたナビゲーション経路を識別又は規定する情報を更に含んでもよい。ログ記録されたデータは、ナビゲーションデバイス又は車両の動きのシミュレーション又は再構成を容易にし、移動解析を可能にすることを意図する。
【0082】
データログ記録モジュール496は、接続が利用可能である場合、ログ記録されたデータをサーバ150にアップロードする(ステップ498)。接続が無線パスを介する(あるいは永続的なパス又はいわゆる一般に存在するパスを介する)場合、接続は、自動的に又はデータログ記録モジュール496の要求時に周期的に確立されてもよい。接続が例えばユーザの固定コンピュータ(PND等に対する)を使用して有線パスを介する場合、接続は、ユーザがナビゲーションデバイス200をホームコンピュータに結合する時に必ず確立されてもよい。サーバ150にアップロードされたデータは、移動情報及び車両パラメータに基づく車両情報を含む。車両情報は、ログ記録されたデータの一部として格納されてもよく、あるいはアップロード時に車両/経路基準モジュール486から読み出されてもよい。ログ記録されたデータの一部として車両情報を格納することにより、車両情報に対するあらゆる変更が車両に対する移動情報と共に時系列に記録される。これは、種々の車両と共に使用されてもよいPNDにとって、あるいは積載あり又は積載なしで又は異なる積載量で移動する貨物車両にとって重要だろう。
【0083】
図8を参照すると、サーバ150は、複数のナビゲーションデバイス200からアップロードされた移動情報を受信し、これをアップロードライブラリ400に格納し、移動情報を処理して統計的解析を導出するために統計的解析器402を実行する。個別の移動に対する移動情報が固有の移動事象により影響を受ける可能性があるが、複数の装置からの移動情報を解析することにより、運転者の習慣、移動時間パターン及び経路パターンを統計的に導出できる。統計的解析器402は、導出されるのが望ましい情報を示す特定の特性を認識するようにプログラムされる。
【0084】
図9を参照すると、好適な実施形態において、統計的解析器402は、特に貨物車両及びバス等の大型車両である車両パラメータ又はカテゴリに従う車両により、あるいは連結した自動車+トレーラハウス等の連結車両によりとられる経路パターンに関する情報を導出するように構成される。第1のステップ602において、例えば貨物車両である上記関心車両カテゴリの1つを識別するために、ログ記録された情報からの車種が比較される。車両が関心カテゴリの車両である場合、車両特性はステップ604で導出される。ステップ606において、車両が走行する経路は、解析され且つ貨物車両により使用された他の経路と統計的に比較される。統計的な比較は、どんな適切な技術が使用されて実行されてもよい。例えば経路は、好ましくは分岐点又は重要な分岐点の間の道路部分又は個々の道路に対応してもよい区分に分割されてもよい。ステップ608において、貨物車両により一般に使用されると判定された道路は、「貨物車両にとって一般的な道路」として指定される。ステップ610において、貨物車両が計画した経路に従っていたかが判定され、従っていた場合、ステップ612は貨物車両が経路を逸脱したかを判定する。逸脱した場合、ステップ614は、その逸脱が計画した経路からの他の貨物車両による逸脱のパターンに従うかを判定するために統計的解析を実行する。貨物車両が何らかの理由のために個別の移動の計画経路を逸脱する可能性があるが、貨物車両が明らかな理由(既知の道路工事又は全ての貨物車両に対する所定の位置での一時的な逸脱等)なしで特定の道路又は分岐点又は方向転換を回避する傾向があるという傾向を統計的解析が示す場合、これは、何らかの理由のために貨物車両が計画経路を走行しにくいと考えるか又は経験豊富な貨物車両の運転者がより適切な経路の自身の個人の知識を使用することを示す。必要に応じて、別の経路パターンの有効性の検証は、ログ記録された移動情報からの車両の速度プロファイル及び/又は移動時間を観察することにより確認されてもよい。ステップ616において、他の既知の理由なしで貨物車両が日常的に逸脱する道路又は分岐点は、「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定される。
【0085】
更に又はあるいは、図11を参照すると、統計的解析器402は、車両のカテゴリに従って移動時間パターンに関する情報を導出するように構成されてもよい。ステップ650において、車両が走行する経路は、解析され且つ好ましくは分岐点又は重要な分岐点の間の道路部分又は個々の道路に対応してもよい区分に分割される。ステップ652において、各区分に沿う移動時間は、ログ記録された日付/時間情報に従って判定される。ステップ654において、移動時間は、履歴として導出された他の移動時間と統計的に比較される。例えば、移動時間のクラスタが導出されてもよい。ステップ656において、移動時間(又はクラスタグループ化)は、各特性又はクラスタグループ化のための統一特性を判定するために解析される。(統一)特性の1つは車両カテゴリであってもよい。例えば自動車は、一般に貨物車両より迅速に経路に沿って移動できる。これは、自動車が貨物車両より迅速に操作、加速及び減速できる街の中心部において明らかであるだろう。高速道路において、貨物車両は自動車より遅い速度制限を守る必要があるだろう。別の(統一)特性は、日付の種類(例えば、登校日、出勤日又は休日)及び/又は時間帯(例えば、常に交通が混雑している時間又は常に交通がより混雑していない時間)であってもよい。ステップ658において、補足情報は、移動時間の履歴パターンに基づいて、車両カテゴリ、日付の種類及び時間帯等の種々の特性に従う各移動時間を使用して、道路又は道路区分に対する移動時間の指示を提供するために生成される。
【0086】
図8に戻ると、統計的解析器402による処理の後、サーバ150においてデジタル地図の作業バージョンを更新するためにデジタル地図更新器404に進む。デジタル地図からの更新データは、各ナビゲーションデバイス200が次に接続した時にサーバ150により対応される各ナビゲーションデバイス200にダウンロードするために入手可能である。ダウンロード更新ステップは、図6の499で示される。ナビゲーションデバイス200は、更新及び向上された貨物車両別の情報を収集し且つ供給される。
【0087】
従って、好適な実施形態により、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の大型車両又は特殊車両に対する専門知識の非常に有益な供給元の収集が可能になる。そのような情報は、そのような車両のカテゴリに対するナビゲーション経路計画を向上でき、不慣れな地域で車両をナビゲートする必要がある運転者又は経験不足の運転者が他の運転者の専門知識の恩恵を受けられる。そのような情報は、既存の地図作成技術を使用して収集することは不可能であり、道路の政府の正式指定及び道路標識の解析等の従来の供給元から抽出できない。更に本発明の技術は、追加の地図作成ハードウェアを必要とせず、高度に自動化され且つ費用対効果が大きい方法で情報を容易に収集できるようにする。
【0088】
本発明の種々の態様及び実施形態について上述したが、本発明の範囲は、本明細書で示された特定の構成に限定されず、添付の請求の範囲の範囲内に入る全ての構成、並びにそれらの構成に対する変形例及び変更例を含むことが理解されるだろう。
【0089】
例えば、上記の詳細な説明で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーションデバイスはGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーションデバイスは、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを用いることにより有用であってもよい。同様に、ナビゲーションデバイスは、衛星を用いたものに限定されず、地上ビーコン又は装置が地理的な場所を判定することを可能にする他の何らかの種類のシステムを使用して容易に機能できる。
【0090】
更に、デジタル地図の強化された内容は、移動データをログ記録しない可能性のあるナビゲーションサーバ等の他の装置により使用されてもよい。例えば、いくつかのインターネットウェブサイトは、ユーザが選択可能な基準に従って出発地から目的地までの経路計画の可能性を提供する。結果は後で使用するためにダウンロードされてもよく又は印刷されてもよい。デジタル地図の強化された補足情報を提供することにより、そのようなユーザは強化された貨物車両別の情報の恩恵を受けるだろう。本発明は、新しい移動データをログ記録せずにそのように使用することを範囲に含む。
【0091】
好適な実施形態はソフトウェアを使用してある特定の機能性を実現するが、その機能性はハードウェアでのみ(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)を使用することにより)又は実際にはハードウェアとソフトウェアとの組合せにより同様に実現可能であることが当業者にはよく理解されるだろう。従って、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることにのみ限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0092】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書で説明した特徴の特定の組合せを示すが、本発明の範囲は、以下に請求される特定の組合せに限定されず、特定の組合せが今回添付する請求の範囲に特に列挙されているか否かに関係なく、本明細書で開示された特徴又は実施形態のいかなる組合せも含む。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載型のナビゲーションデバイス及びそれに関連する方法の分野に関する。例えばそのような装置は、一体型車両機器として装備されてもよく、あるいは車両搭載型に構成されるか又は構成可能なポータブル装置であってもよい。本発明は、ナビゲーションデバイス内に少なくとも部分的に実現されてもよく且つ/又はナビゲーションデバイスが通信する他の機器により少なくとも部分的に実現されてもよい。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理機能性を含むポータブルナビゲーションデバイス(PND)は既知であり、車両搭載型又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的に、現在のPNDは、プロセッサ、メモリ(少なくとも1つは揮発性、不揮発性かであって、通常は両方)及び前記メモリ内に格納された地図データを含む。プロセッサ及びメモリは、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供するように協働し、また、PNDの機能性の制御を可能にし且つ種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的なことである。
【0004】
通常、これらのデバイスは、ユーザがデバイスと対話し且つデバイスを制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、ユーザに情報を中継する1つ以上の出力インタフェースとを更に含む。出力インタフェースの例には、表示装置及び可聴出力用スピーカが含まれる。入力インタフェースの例には、オン/オフ動作又はデバイスの他の特徴を制御する1つ以上の物理ボタン(ボタンは必ずしもデバイス自体にある必要はなく、デバイスが車両に内蔵されている場合はステアリングホイール上にあってもよい)及びユーザ音声を検出するマイクが含まれる。特定の1つの構成において、出力インタフェース表示装置は、ユーザが触れることでデバイスを動作させる際に使用する入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(又はタッチセンシティブオーバレイ等を使用して)構成されてもよい。
【0005】
多くの場合、この種のデバイスは、電力及びオプションとしてデータ信号をデバイスに対して送受信する際に使用する1つ以上の物理コネクタインタフェースを含み、オプションとして、セルラ電気通信、並びに例えばBluetooth、Wi−Fi、Wi−Max、GSM等の他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機を含む。
【0006】
この種のPNDは、場所データを含む衛星放送信号を受信し且つその後デバイスの現在地を判定するために処理する際に使用するGPSアンテナを更に含む。
【0007】
PNDは、現在の角度及び直線加速度、また、GPS信号から導出された場所情報に関連して速さ、並びにデバイス及びそれが搭載される車両の相対的な変位を判定するために処理される信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような機能は車両搭載型のナビゲーションシステムに備えるのが最も一般的であるが、PNDに備えることが得策である場合にはPNDに備えてもよい。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、主に、第1の場所(一般に、出発地又は現在地)と第2の場所(一般に、目的地(destination))との間の経路を判定する機能にある。デバイスのユーザは、多種多様な種々の方法、例えば郵便番号、道路名及び番地、以前に格納した「既知」の目的地(有名な場所、公共の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の目標地点等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪れた目的地のいずれかにより、これらの場所を入力できる。
【0009】
一般にPNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を算出するソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は、所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度である可能性があり、選択された経路は、既存の予測された動的に且つ/又は無線で受信された交通及び道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択肢を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい(例えば運転者は、経路が高速道路又は有料道路を含むべきでないことを指定してもよい)。PNDは、交通の流れの習慣的な交通量に従って1日のうちの異なる時間帯でどのように移動時間が変動するかを更に正確に予測するために実際の移動時間が記録され且つフィードバックされるように移動情報を記録してもよい。
【0010】
更にデバイスは、道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対して経路を変更することを提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し、その情報を通知システムに供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、一般に、車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されてもよいが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際には車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよい。これらの場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路計算及び計算経路に沿うナビゲーションの双方を実行するためにソフトウェアをデバイスにインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画及びナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動計算リソースにより提供されてもよい。例えば、Royal Automobile Club(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいてオンライン経路計画及びナビゲーション機能を提供する。この機能により、ユーザは出発地及び目的地を入力でき、その後、ユーザのPCが接続しているサーバは、経路(経路の方位はユーザにより指定されてもよい)を計算し、地図を生成し、選択した出発地から選択した目的地までユーザを案内するための全ナビゲーション命令の組を生成する。更にこの機能は、計算経路の擬似3次元レンダリングを提供し、ユーザが経路に沿って移動することをシミュレートし且つそれにより計算経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性を提供する。
【0013】
PNDにおいて、経路が計算されると、ユーザはオプションとして提案された経路のリストから所望の計算経路を選択するためにナビゲーションデバイスと対話する。オプションとして、ユーザは、例えば特定の経路、道路、場所又は基準が特定の行程に対して回避されること又は必須であることを指定することにより経路選択処理を仲介又は誘導してもよい。PNDの経路計算の側面は1つの主な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主な機能である。
【0014】
計算経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDは、経路の終点、すなわち所望の目的地まで選択した経路に沿ってユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供するのが一般的である。また、PNDは、ナビゲーション中に画面上に地図情報を表示するのが一般的である。そのような情報は、表示された地図情報がデバイスの現在地及び従ってデバイスが車両搭載型のナビゲーションに使用されている場合はユーザの現在地又はユーザの車両の現在地を表すように画面上で定期的に更新される。
【0015】
一般に画面上に表示されたアイコンは、デバイスの現在地を示し、デバイスの現在地近傍の現在の道路及び周囲の道路の地図情報の中央に置かれ、他の地図の特徴も表示される。更にナビゲーション情報は、オプションとして表示された地図情報の上側、下側又は片側のステータスバーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例には、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離が含まれ、場合によってはその進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンで表される。更にナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する際に使用される可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は、かなりの処理及び解析を必要とする。上述したように、デバイスとのユーザ対話は、タッチスクリーンによって行われてもよく、更に又はあるいはステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の適切なあらゆる方法によって行われてもよい。
【0016】
デバイスにより提供された更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れた(偶然又は意図的に)場合、別の経路の方が適切であることをリアルタイム交通状況が指示し、且つデバイスがそのような状況を自動的に認識することを適切に可能にされる場合、又はユーザが何らかの理由で能動的にデバイスに経路再計算を実行させる場合の自動経路再計算である。
【0017】
更に、ユーザが規定した基準で経路を計算できることは既知である。例えばユーザは、デバイスにより景色のよい経路が計算されることを好んでもよく、あるいは交通渋滞が起こる可能性が高いか、起こることが予想されるか又は現在起こっているあらゆる道路を回避することを要求してもよい。次に、デバイスのソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた目標地点(points of interest)(POIとして既知である)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路上の交通状況を示す格納情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそのために起こる遅滞のレベルに関して計算経路を順序付けする。更に他のPOIに基づく経路計算及びナビゲーション基準、並びに交通情報に基づく経路計算及びナビゲーション基準が可能である。
【0018】
経路計算及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性に対して必須であるが、デバイスを純粋に情報表示に使用できる。すなわち、デバイスの現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路が全く計算されておらず、デバイスが現在ナビゲーションを全く実行していない「フリードライビング」用に使用できる。多くの場合、そのような動作モードは、移動するのに使用するのが望ましい経路をユーザが既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能である。
【0019】
上述のこの種の装置、例えばTomTom International B.V.が製造及び供給する720Tモデルは、ユーザがある位置から別の位置までナビゲートできるようにする信頼できる手段を提供する。
【0020】
上述したように、PNDのメモリは、経路を計算し且つ必要なナビゲーション命令をユーザに提供するためだけでなく、PNDの表示装置を介して視覚情報をユーザに提供するためにPNDにより使用される地図データを格納する。
【0021】
従来技術において既知であるように、地図情報は、多くの方法で表現でき、実際にはPNDにより組み合わせて使用される多くの別個の情報構成要素を含むことができる。地図情報の1つの側面は、単なる道路の場所に付加的な情報を提供する補足道路情報である。補足道路情報は、例えば貨物車両(goods-vehicle)に対する道路の適性に関する情報を含んでもよい。殆どの道路が自動車に適するが、貨物車両のサイズ又は他の基準(例えば、高さ制限、重量制限、幅制限;危険物制限及び特別な速度制限)に依存して特別な基準が貨物車両に適用されてもよい。制限及び規制を課す代わりに、一部の道路は貨物車両にとって走行しやすいか又は好適な道路として、すなわち貨物車両に適していると特に示される道路として指定されてもよい。
【0022】
地図供給元は、地図に対する貨物車両別の情報が包括的であり且つ完璧であることを保証しようとして多くの労力及び費用を費やしている。これは、貨物車両別の情報が地図の範囲に含まれる全ての地域に対して信頼でき且つ完璧でない限り有用ではないからである。例えば車高の高い貨物車両が計算されたナビゲーション経路を通って行けるように、経路全体に沿うどの高さ制限も100%正確である必要がある。高さ制限のある橋が1つでも地図情報に不正確に記録されるか又は地図情報にないと、貨物車両は動けなくなるか、あるいは貨物車両又は橋に衝突の損害を与える危険がある。高信頼経路計画は、経路全体に沿う地域における正確な貨物車両別の情報に依存する。
【0023】
一般に、貨物車両別の情報を含む地図情報を取得する方法は2つ存在する。第1の方法は、政府当局及び本来の地図作成会社から情報を購入することである。しかし、そのような情報の完全性、品質及び現在の信憑性は保証されない可能性があり、国毎に異なる。第2の方法は、地図作成機器を使用して情報を収集するために道路網の周囲で特別な地図作成機器を装備した車両を運転することである。例えば車両に搭載したカメラからの画像素材は、貨物車両制限を示す道路標識を識別するために解析される。しかし、そのような処理は時間がかかり且つ面倒である。いくつかの国を範囲に含む正確な地図を準備しようとする場合、タスクは拡大する。更に技術は、道路標識により示される貨物車両別の情報に限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上記の地図作成技術により現在収集できない貨物車両別の情報の更なる態様が存在する。これは、経験豊富な貨物車両の運転者の個人の知識又は個人の経路の好みである。経験豊富な貨物車両の運転者は、自身の貨物車両に対して適切な経路又は個人的に好んでいる経路の個人の知識ベースを構築する(個人の体験から又は他の貨物車両の運転者との話から)。例えば貨物車両の運転者は、貨物車両が特定の経路を使用すること又は特定の方向転換を行うこと又は小さな集落の中心を通過することを防止するような正式な制限がそこにはないが、特定の方向転換、分岐点又は集落を通り抜けることが困難であるために、その特定の経路を回避することを好む場合が多い。場合によっては、ナビゲーションデバイスを使用する経験不足の貨物車両の運転者は、貨物車両にとって完全に合法であるが現地知識のある運転者が通ることを好まないナビゲーション経路に従うことにより、渋滞を起こす迷惑行為を招いたり建物に損害を与える可能性もある。そのような迷惑行為を起こした場合、結果として不評を買うことになる。ナビゲーションデバイスは、不案内な道路をナビゲートするのに非常に有用となることを意図すると考えられる。迷惑をかけられた一般の人の反応は一般にナビゲーションデバイスの使用を非難することであり、当惑した貨物車両の運転者は将来ナビゲーションデバイスの案内を信頼しなくなるだろう。
【0025】
本発明は、上記の課題を考慮して考案された。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の態様は請求の範囲において規定される。
【0027】
概略的に説明すると、本発明の1つの態様は、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の一般的な自動車より大型の車両に対する補足道路情報の収集及び/又は向上を可能にする技術を提供する。車両の特性のプロファイル及び走行する1つ以上の経路は、ナビゲーションデバイスによりログ記録され、地図データ更新によりナビゲーションデバイスをサポートするサーバにフィードバックされる。サーバ又は別の処理センタにおいて、複数のナビゲーションデバイスからフィードバックされたデータは、それらの車両により使用された道路のパターンを統計的に観察し且つ車種によりそのような情報を分類するために解析される。
【0028】
例えば貨物車両等の車両に一般に使用される道路は、そのような道路が貨物車両に特に適しているという正式な指定がないが、「貨物車両にとって一般的な道路」として識別及び指定される。そのような情報は、その道路を習慣的に使用する貨物車両の運転者の専門知識を表し、知識の現地体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。同様に、貨物車両により習慣的に回避される道路(あるいは分岐点、方向転換、又は他の既成市街地の集落の中心部)が統計的に判定される。貨物車両の運転者がナビゲーションシステムにより計画された経路を逸脱した場合、回避は特に重要であろう。そのような逸脱又は回避が1つの傾向になりつつある場合、その特定の道路(又は分岐点等)は「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定されてもよい。ここでも、そのような情報は、その地域を習慣的に運転する貨物車両の運転者の専門知識を表し、現地知識又は体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。
【0029】
デジタル地図における補足道路情報は、車種による上記の種類の統計的解析に基づいて更新され、更新されたデジタル地図データは、その後個々のナビゲーションデバイス及び/又はナビゲーション処理センタ(オンライン経路計画機能性をホストするサーバ等)にダウンロードされる。従って、ナビゲーションデバイス及び/又はセンタによる経路計画は、そのような専門知識を考慮に入れ、経験豊富な貨物車両の運転者が走行することを選択しない経路に沿って貨物車両が案内される危険性を低減できる。
【0030】
更に又はあるいは、経路又は経路区分に対する移動時間は、車両のカテゴリに従って解析されてもよい。そのような情報は、貨物車両等の特定の車両のカテゴリに適切な推定移動時間を提供するために使用されてもよい。
【0031】
本発明は、方法、装置、地図形式、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム又は地図形式を保持する記録媒体を含むがそれらに限定されない実現例の全ての態様を範囲に含む。
【0032】
本発明の教示の種々の態様及びそれらの教示を具体化する構成について、添付の図面を参照して例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は全地球測位システム(GPS)の概略図である。
【図2】図2はナビゲーションデバイスを提供する電子構成要素を示す概略図である。
【図3】図3はナビゲーションデバイスが無線通信チャネルで情報を受信するための概略図である。
【図4a】、
【図4b】図4a及び4bナビゲーションデバイスの外観図である。
【図5】図5は、ナビゲーションデバイスにおけるソフトウェア/ハードウェア階層を示す概略図である。
【図6】図6は、ソフトウェアモジュール間の情報の流れ及びソフトウェアモジュールによる処理を示す概略図である。
【図7】図7は、車両/経路基準選択モジュールの特性を示す概略図である。
【図8】図8は、サーバとの情報のやり取り及び情報のサーバ側処理を示す概略図である。
【図9】図9は、車両のカテゴリに従って経路パターンを識別するためのサーバにおける統計的解析動作を概略的に示すフローチャートである。
【図10】図10は、デジタル地図における補足道路情報に対する情報形式を示す概略図である。
【図11】図11は、車両のカテゴリに従って移動時間情報を識別するためのサーバにおける統計的解析動作を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の好適な実施形態を、特にPNDを参照して説明する。しかし、本明細書の教示はPNDに限定されず、経路計画及びナビゲーション機能性を提供するためにポータブル装置及び/又は移動装置としてナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能である。従って、本明細書で示す実施形態において、ナビゲーションデバイスは、PND、自動車等の乗り物、あるいは実際には例えば経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)であるポータブル計算リソースとして実装されるか否かにかかわらず、どんな種類の経路計画及びナビゲーションデバイスも含むことを意図する(それに限定されない)。
【0035】
本発明の教示は、ユーザが1つの地点から別の地点までのナビゲート方法に関する命令を要求していないが単に所定の場所のビューを提供してほしい状況においても有用であることが以下から明らかとなるだろう。そのような状況において、ユーザが選択した「目的地」の場所は、ユーザがナビゲートを開始したい対応する出発地を有する必要はないため、本明細書で「目的地」の場所又は実際には「目的地」のビューを参照することは、経路の生成が不可欠であること、「目的地」まで移動する必要があること又は実際には目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0036】
好適な実施形態は、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の、通常の自動車より大型の車両に対する補足道路情報の連続した収集及び向上を可能にする技術を実現する。本明細書で使用されるように、「貨物車両(goods-vehicle)」という用語は、トラック、バン及び連結車両を含むことを意図するがそれらに限定されない。本発明は、特定の車両のカテゴリ又はサブカテゴリに焦点を当ててもよく、あるいは複数のカテゴリを範囲に含むように適用されてもよい。車両の特性のプロファイル及び走行する経路は、ナビゲーションデバイスによりログ記録され、地図データ更新によりナビゲーションデバイスをサポートするサーバにフィードバックされる。サーバ又は別の処理センタにおいて、複数のナビゲーションデバイスからフィードバックされたデータは、それらの車両により使用された道路のパターンを統計的に観察し且つ車種によりそのような情報を分類するために解析される。これにより、貨物車両等の車両により一般に使用される道路は、そのような道路が貨物車両に特に適していると正式な指定がない可能性があるが、「貨物車両にとって一般的な道路」として識別及び指定される。そのような情報は、その道路を習慣的に使用する貨物車両の運転者の専門知識を表し、知識の現地体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。同様に、貨物車両により習慣的に回避される道路(あるいは分岐点、方向転換、又は他の既成市街地の集落の中心部)が統計的に判定される。貨物車両の運転者がナビゲーションシステムにより計画された経路を逸脱した場合、回避は特に重要であろう。そのような逸脱又は回避が1つの傾向になりつつある場合、その特定の道路(又は分岐点等)は「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定されてもよい。ここでも、そのような情報は、その地域を習慣的に運転する貨物車両の運転者の専門知識を表し、現地知識又は体験が少ない貨物車両の運転者に対して経路を計画するのに非常に有益な情報である。デジタル地図における補足道路情報は、車種による上記の種類の統計的解析に基づいて更新され、更新されたデジタル地図データは、その後個々のナビゲーションデバイス及び/又は他の経路計画プロセッサにダウンロードされる。従って、ナビゲーションデバイス又はプロセッサによる経路計画は、そのような専門知識を考慮に入れ、経験豊富な貨物車両の運転者が走行することを選択しない経路に沿って貨物車両が案内される危険性を低減できる。
【0037】
更に又はあるいは、経路又は経路区分に対する移動時間は、車両のカテゴリに従って解析されてもよい。そのような情報は、貨物車両等の特定の車両のカテゴリに適切な推定移動時間を提供するために使用されてもよい。
【0038】
好適な実施形態は主に貨物車両に適用される技術を説明するが、同一の原理が例えばバス及び連結した自動車+トレーラハウスを含んでもよい他の種類の大型車両又は特殊車両又は特別カテゴリの車両にも適用される。
【0039】
図1は、ナビゲーションデバイスで利用可能な測位システムの例を示している。この例の測位システムは、全地球測位システム(GPS)として知られており、種々の目的で使用される。しかし、必要に応じて他の多くの測位システム(例えば衛星及び/又は無線ベース)を利用してもよい。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして既知であったGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0040】
GPSデータを受信する能力を特別に備えるデバイスがGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、デバイスは、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、デバイスは、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0041】
図1に示すように、GPSシステムは、一般に参照番号100で示される。複数の衛星120は地球に対する周回軌道にある。各衛星120の起動は、他の衛星の起動に同期する必要はなく、実際、非同期のようになっている。GPS受信機140は、複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号160を受信する。
【0042】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が、GPS受信機140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0043】
図2は、本発明の実施形態のナビゲーションデバイス200の電子構成要素の一例をブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーションデバイス200のブロック図は、ナビゲーションデバイスの全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0044】
ナビゲーションデバイス200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び/又は情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。本発明の少なくとも1つの実施形態において、入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0045】
ナビゲーションデバイスは、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーションデバイス200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができることが同様に理解されるべきである。
【0046】
ナビゲーションデバイス200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置240に動作可能に接続され且つ入力装置240から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置250のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーションデバイス200の外部のI/O装置280に接続可能である。例えばメモリリソース230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続となる。この場合、移動電話接続は、ナビゲーションデバイス200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するため及び/又はインターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0047】
図2は、接続255を介してプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中、符号250により示されるアンテナ及び受信機は、図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるべきである。
【0048】
当然、図2に示した電子構成要素は、従来の方法で1つ以上の電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるように、図2に示した構成要素の種々の構成が考えられる。例えば図2に示した構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本明細書で説明するナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200であってもよい。
【0049】
更に図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船等の乗り物に既知の方法で接続又は「ドッキング」される。そのようなナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションに使用するためにドッキングされた場所から取り外し可能である。
【0050】
次に図3を参照すると、ナビゲーションデバイス200は、デジタル接続(例えば、既知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を有するあらゆる装置等)を介してサーバ302との「モバイル」又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、移動装置は、そのネットワークサービスプロバイダを介してサーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。従って、「モバイル」ネットワーク接続は、ナビゲーションデバイス200(単独で且つ/又は車両に搭載されて移動するため移動装置であってもよく且つ多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立され、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供する。
【0051】
移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続は、例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用して既知の方法で確立される。これは、例えばTCP/IPレイヤプロトコルを使用することを含むことができる。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等のいかなる数の通信規格も利用できる。
【0052】
従って、例えば移動電話又はナビゲーションデバイス200内の移動電話技術を介したデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続に対して、サーバ302とナビゲーションデバイス200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続はテレコムオペレータにより提供された移動装置に対する高速データ接続であり、GPRSはインターネットに接続する方法である)を介して行われる。
【0053】
更にナビゲーションデバイス200は、既知の方法で、例えば既存のBluetooth技術を介する移動装置とのデータ接続及び最終的にはインターネット及びサーバ302とのデータ接続を完成できる。ここで、データプロトコルは、例えばGSRM、GSM規格に対するデータプロトコル規格等のいかなる数の規格も利用できる。
【0054】
ナビゲーションデバイス200は、ナビゲーションデバイス200自体に自身の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか又はオプションとしてナビゲーションデバイス200の内蔵アンテナを使用する)。ナビゲーションデバイス200内の移動電話技術は、上記で指定したように内蔵構成要素を含むことができ且つ/又は挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができ、例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナにより完成される。従って、ナビゲーションデバイス200内の移動電話技術は、あらゆる移動装置と同様の方法で例えばインターネットを介してナビゲーションデバイス200とサーバ302との間のネットワーク接続を同様に確立できる。
【0055】
GRPS電話設定に対して、Bluetooth対応ナビゲーションデバイスは、移動電話の機種、製造業者等の変化する範囲で正確に動作するために使用されてもよく、機種/製造業者別の設定は、例えばナビゲーションデバイス200に格納されてもよい。この情報に対して格納されたデータは更新可能である。
【0056】
図3において、ナビゲーションデバイス200は、多くの種々の構成のうちのいずれかにより実現される汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。サーバ302及びナビゲーションデバイス200は、通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーションデバイス200との間に確立された時に通信できる(尚、そのような接続は移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介した直接接続であってもよい)。
【0057】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、更に、通信チャネル318を介してナビゲーションデバイス200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションデバイス200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0058】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく、サーバ302に組み込まれてもよい。
【0059】
ナビゲーションデバイス200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、更に、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用される。更に、送信機320及び受信機322は、ナビゲーションデバイス200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0060】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーションデバイス200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーションデバイス200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーションデバイス200へのナビゲーションデータの送信を含む。本発明の少なくとも1つの実施形態によると、サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々アルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーションデバイス200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0061】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーションデバイス200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。本発明の少なくとも1つの実施形態によると、サーバ302及びナビゲーションデバイス200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0062】
通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態によると、通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成される。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、少なくとも1つの種々の実施形態によると、通信チャネル318は、例えば、ルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0063】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、例えば、通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、少なくとも1つの実施形態において、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できてもよい。更に、少なくとも1つの実施形態によると、通信チャネル318は衛星通信に適応できる。
【0064】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、Global System for Mobile Communications(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0065】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーションデバイス200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。また、サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置付けられるネットワークサーバを含んでもよい。
【0066】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーションデバイス200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーションデバイス200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーションデバイス200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーションデバイス200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0067】
ナビゲーションデバイス200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、ユーザがナビゲーションデバイス200をサーバ302に接続する場合に周期的に更新されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーションデバイス200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーションデバイス200のプロセッサ210も同様に、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0068】
図2に示す様に、ナビゲーションデバイス200はプロセッサ210、入力装置220、表示画面240を有する。入力装置220及び表示画面240は、一体化した入力及び表示デバイスに統合する。例えばタッチパネルスクリーンに適応すると、情報(直接入力、メニュー選択など)の入力及び情報の表示の両方を可能にする。タッチ入力LCDのような画面は当業者には周知のものである。更に、ナビゲーションデバイス200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる入力装置220及び/又は更なる出力装置241を有しても良い。
【0069】
図4a及び図4bは、ナビゲーションデバイス200の実施形態の実装した場合の斜視図を示している。図4aに示すように、ナビゲーションデバイス200は、一体となった入力及び表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220などを含むがこれに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0070】
ナビゲーションデバイス200は、アーム292上に備え付けられても良い。このアーム292は、大きな吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボード/窓/等に固定されても良い。このアーム292は、ナビゲーションデバイス200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0071】
図4bに示すように、ナビゲーションデバイス200は、例えば、アーム292に対してナビゲーションデバイス292をきちんと接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる。図4bにおける矢印で示すように、ナビゲーションデバイス200は、アーム292上で回転可能である。ナビゲーションデバイス200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーションデバイス200上のボタンを押下すればよい。ナビゲーションデバイス200をドッキングステーションに結合し且つドッキングステーションから分離する他の同様の適切な構成は、当業者には既知である。
【0072】
次に添付の図面の図5及び図6を参照すると、メモリリソース230は、機能性ハードウェア構成要素460により実行するためにメモリリソース230からオペレーティングシステム470をロードするために、プロセッサ210により実行されるブートローダプログラム(不図示)を格納し、機能性ハードウェア構成要素460は、アプリケーションソフトウェア480が実行可能である環境を提供する。オペレーティングシステム470は、機能性ハードウェア構成要素460を制御し、アプリケーションソフトウェア480と機能性ハードウェア構成要素460との間に常駐する。オペレーティングシステム470は、例えば現在の時間及びデータ情報を維持することを含むアプリケーションソフトウェアに対するユニバーサルサービスを提供してもよい。アプリケーションソフトウェア480は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及び関連する他の何らかの機能であるナビゲーションデバイス200の中核機能を実現する動作環境を提供する。
【0073】
メモリリソース230は、地図ビューを生成し且つナビゲーション経路を計算するためにアプリケーションソフトウェア480により使用されたデジタル地図490を更に格納する。デジタル地図490は、道路、既成市街地、地形の種類、高度等を規定する情報を含む。デジタル地図490は、道路情報490a(例えば、道路及び分岐点の位置を識別する)及びその道路に対する貨物車両別の情報等のその道路に対する補足道路情報490bを含むいくつかの異なる情報構成要素を含んでもよい。貨物車両別の情報は、貨物車両の使用に対する道路の適性を特徴付けてもよい。貨物車両が制限された道路、貨物車両にとって注意すべき道路、貨物車両にとって中立的な道路、貨物車両にとって一般的な道路、貨物車両にとって好適な道路のうちの1つ以上の指定等の種々の特性が使用されてもよい。貨物車両が制限された道路とは、重量制限、幅制限、長さ制限、高さ制限、速度制限、危険物輸送制限、1日のうちの特定の時間帯における貨物車両の使用の規制及び急カーブできない車両に対する規制のうちの1つ以上等の許可された貨物車両の使用を規制する正式な規制(例えば、政府情報又は道路標識に従った)を示す。貨物車両にとって好適な道路とは、貨物車両にとって走行しやすい経路として正式に指定されている(政府情報又は道路標識に従って)道路を示す。他の指定は、正式な供給元からの貨物車両情報を示すのではなく、本発明の原理に従って生成されたエキスパートシステム情報を示す。貨物車両にとって一般的な道路は、道路が貨物車両により頻繁に使用されることを意味する。貨物車両にとって注意すべき道路は、道路が貨物車両に適切でない可能性があるが、正式な規制がないことを意味する。貨物車両にとって中立的な道路は、道路を使用する貨物車両に対する情報がないことを意味する。
【0074】
上記指定が別個に一覧表示されるが、経路計画の目的で指定を区別する必要がない場合指定を組み合わせることができる。例えば、貨物車両にとって好適な道路及び貨物車両にとって一般的な道路の指定は、単一の貨物車両にとって適切な道路の指定に組み合わされてもよく、これは、道路が貨物車両に適していると考えられる(道路が適していると正式に認められているため又は道路が一般に貨物車両により使用されるため)ことを意味する。更に貨物車両にとって注意すべき道路の指定は、貨物車両が制限された道路の指定に組み合わされてもよい。複数の指定を使用することにより、経路計画の好みにおける選択肢は幅広くなる(後述するように)。しかし、そのような選択肢を提供する必要がない場合(例えば、ユーザが選択する必要がある選択肢を減少することにより装置の動作を簡略化するために)、指定を組み合わせることにより、動作が合理化され、補足道路情報490bのデータサイズを減少できる。
【0075】
経路計算をより精巧にするために且つ経路計画の好みに対するユーザの選択肢を増加するために、指定の数を増加できる。例えば、上記指定は、中型の貨物車両又は大型の貨物車両に対して個別の情報を提供するために異なるサイズ及び/又は重量グループに分割されてもよい。例えば道路は、大型の貨物車両に対しては貨物車両が制限された道路として指定されてもよいが、中型までの貨物車両に対しては貨物車両にとって一般的な道路として指定されてもよい。種々の別の例が各指定の相対的な採点に使用されてもよい。
【0076】
図10は、補足道路情報490bに対する形式の一例を示す。情報は、形式を直接使用して編成又は区画化されてもよく、あるいはこの形式を使用して単に編成可能であるか又は識別可能であってもよい。例えば、情報フィールドは、異なる方法で編成されるがタグ又はラベルにより識別されてもよい。全てのフィールドが全ての道路に対して使用される必要はない。一般に、道路情報に対して必要なフィールドのみが使用される。道路に対する補足道路情報490bは、正式な指定情報510及び専門知識ベース情報512を含んでもよい。正式な指定情報510は、例えば速度制限、特別な速度制限、高さ制限、重量制限、長さ制限、車軸制限、危険物制限、排出規制、貨物車両にとって好適な道路の指定、貨物車両が制限される道路の指定である政府供給元又は道路標識からの情報を含む。専門知識ベース情報512は、正式な供給元からではなく道路の使用の解析から得られる情報を含む。本発明において、専門知識ベース情報512は、車両のカテゴリによる道路の使用の履歴の統計的解析に基づく車両のカテゴリに従って使用することに対する道路の適性を少なくとも含む。例えば貨物車両に対する適性は、貨物車両にとって一般的な道路、貨物車両にとって中立的な道路又は貨物車両にとって注意すべき道路により示されてもよい。同様の指定は、関心車両カテゴリ毎に使用されてもよい。
【0077】
アプリケーションソフトウェア480は、以下に説明するように1つ以上のソフトウェアモジュールを含んでもよい。モジュールが別個に表現されるが、これは単なる説明のためであることが理解されるだろう。機能性はモジュール間で重複してもよく、且つ/又は1つのモジュールが別のモジュールを含んでもよく、且つ/又はより多くのモジュールが提供されてもよい。モジュールは以下のうちの1つ以上を含んでもよい:
・統一入出力インタフェースを提供することにより他のモジュールをサポートし且つ地図ビューに対して画像レンダラを提供するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)モジュール482;
・現在地情報を生成するためにリアルタイム位置判定を実現し、オプションとして上述したように外部測位システムハードウェアとインタフェースする測位システム(例えば、GPS)モジュール484;
・車種、出発地、目的地及びオプションとしてナビゲーション経路に対する1つ以上の中継地、並びに所望のナビゲーション経路の種類に関する情報を入力及び/又は格納する車両/経路基準モジュール486;
・出発地から目的地までのナビゲーション経路を計算するためのデジタル地図490に含まれた情報及び車両/経路基準モジュール486からの情報に応答可能な経路計画モジュール488。デジタル地図490は、メモリリソース230により更に格納される。
・計算経路に沿ってナビゲートするように車両の運転者を案内するためのリアルタイムナビゲーション案内を実現するための(i)測位システムモジュール482からの現在地情報、(ii)デジタル地図490及び(iii)経路計画モジュール488からの計算経路に応答可能なナビゲーションモジュール492。ナビゲーションモジュール492は、ナビゲーションを段階的に支援するために音声及び/又は視覚案内プロンプトを生成してもよい。車両が実質的に計算経路を逸脱したことをナビゲーションモジュール492が現在地情報から判定する場合、ナビゲーションモジュール492は、車両の現在地を考慮して新しい経路を計算するために経路計画モジュール488に対して別経路コマンド494を発行してもよい。
・移動情報をログ記録するデータログ記録モジュール496。移動情報は、測位システム484、経路計画モジュール488、ナビゲーションモジュール492、車両/経路基準モジュール486及びデジタル地図490(位置情報がデジタル地図からの情報に対して符号化される場合に有用である)のうちの1つ以上からの情報を含んでもよい。図6において、データログ記録のための情報の流れは破線で示される。
【0078】
図7は、車両/経路基準モジュール486により入力及び/又は格納される情報の一例を示す。車両情報500は、車両のカテゴリを識別することを意図する。車両パラメータの集合又は組は車両プロファイルを示してもよい。車両情報500は、車種又はカテゴリ502(例えば、自動車、貨物車両、バス等の所定のリストから選択される)、トレーラ情報504(自動車+トレーラハウス又は連結トレーラトラック)を含んでもよい。標準的な自動車より大型の車両の場合、車両情報は、車両高さ506、車両幅508、車両長さ510、積載なし車両重量512、オプションとして貨物車両に対する車両総重量514、貨物車両に対する危険物内容516を更に含んでもよい。種々の他の車両パラメータが更に格納されてもよく、且つ/又は上記パラメータの1つ以上が必要に応じて省略されてもよい。情報は、ユーザにより別個の値として自由に入力可能であってもよく、あるいは所定の値範囲(重量(メートルトン)の場合、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20等の範囲等)から選択されてもよい。情報の一部は、本質的に他の情報から判定されてもよい。例えば貨物車両が貨物車両の分類の種類又は車種識別子により識別される場合、1つ以上のパラメータは別個の入力を必要とせずにそのような情報から推論されてもよい。ナビゲーションデバイスがPNDとして実現される場合、車両/経路基準モジュール486は、ユーザが車両情報値を設定又は調整できるようにするインタフェースを含むのが好ましい。更に又はあるいは、値はPNDに接続された時にユーザのホームコンピュータで実行されるソフトウェアにより設定されてもよい。ナビゲーションデバイスがPNDとしてではなく単一の車両に永続的に装備される車両搭載型の機器として実現される場合、車両パラメータの少なくとも一部は製造時又は装備時に事前設定されてもよい。車両/経路基準モジュール486は、オプションとして車両搭載型の識別ユニット(不図示)から車両情報を取得するように構成されてもよい。ナビゲーションユニット200は、別個の車両搭載型の装置間に分散型通信網を実現するために自動車業界で広く使用されるバスプロトコルである制御エリアネットワークバス(CANバス)等の有線バス又は有線接続、あるいは無線接続(例えば、Bluetooth)を介する等のあらゆる適切な手段により車両搭載型の識別ユニットとの通信接続を確立してもよい。
【0079】
車両/経路基準モジュール486は、例えば出発地522、目的地524、1つ以上の中間中継地526、時間帯(又は所望の到着時間)528及び状態(選択又は選択解除)に従って好みを示すフラグにより一般に示される経路の種類の好みを含む経路情報520に対するインタフェースを更に提供する。フラグの例は、有料道路の使用530、高速道路の使用532、景色の良い経路の使用534、最速経路536、最も安全な経路538、貨物車両経路540、トレーラハウス経路544のうちの1つ以上を含む。必要に応じて、追加の好みが更に提供されてもよく、且つ/又は上記好みの1つ以上が省略されてもよい。好みは自由に設定可能であってもよく、且つ/又は1つ以上の好みは車両情報500に従って事前設定されてもよい(固定的に又は初期デフォルト値として)。例えば車両が貨物車両であると車両情報が示す場合、貨物車両経路フラグ540は選択状態に事前設定されてもよく、少なくとも景色の良い経路フラグ536が選択解除状態に事前設定されてもよい。好みのフラグは、好みの基準を満たす車両が走行する最善の経路を判定するために経路計画モジュール488により使用される。例えば貨物車両経路フラグ540が選択されている場合、ナビゲーション経路は、デジタル地図490の貨物車両別の補足道路情報490bに従って経路を最適化するために計算される。ナビゲーション経路は、貨物車両パラメータが制限又は規制を超えるか又は道路が貨物車両にとって注意すべき道路として指定される道路を回避する。貨物車両にとって適切な道路(貨物車両にとって好適な道路又は貨物車両にとって一般的な道路)である道路は、ナビゲーション経路に含めるためにより好適に重み付けされるか、あるいはナビゲーション経路は、可能であれば貨物車両にとって適切な道路として指定された道路を排他的に使用するために計算されてもよい。一形態において、重量及びサイズ等の車両特性が車両/経路基準モジュール486により格納される時、貨物車両経路フラグが選択状態でない場合でも、経路計画モジュール488はそれらの値と補足道路情報490bとを常に比較する。貨物車両経路フラグ540は、貨物車両にとって適切な道路(貨物車両にとって好適な道路又は貨物車両にとって一般的な道路)として指定された道路におけるナビゲーションを選択し且つ貨物車両にとって注意すべき道路を回避するために使用される。別の形態において、補足道路情報に対する車両の重量及びサイズの比較は、貨物車両経路フラグ540が選択状態である場合に経路計画モジュール488によってのみ実行される。経路計画で使用される貨物車両に対する車両パラメータを別個に制御するために副次的な好みを提供するために、1つ以上の追加の好みのフラグが提供されてもよい。例えば別個の好みのフラグは、(i)サイズ及び重量等の車両パラメータ及び(ii)貨物車両にとって適切な道路である道路に対して提供されてもよい。更に又はあるいは、デジタル地図490の補足道路情報490bにおけるそのような情報を区別する場合、別個の好みのフラグは、(i)貨物車両にとって好適な道路及び(ii)貨物車両にとって一般的な道路である道路を区別するために提供されてもよい。
【0080】
一形態において、車両/経路基準モジュール486は、基準が移動の種々の部分に対して異なる方法でプログラムされることを可能にしてもよい。例えばナビゲーション経路は、出発地から積載物を降ろす中継地まで積載状態で移動し且つ最終的な目的地(一般に、出発地と同一であってもよい)まで積載なしで戻る貨物車両に対して計算されてもよい。そのような場合、車両の重量は積載物を降ろす中継地において変更され、移動の復路部分に対して恐らくはより短い異なる経路を使用することが可能になるだろう。あるいは、2つの異なる個別の移動が種々の車両パラメータを使用して計算されてもよい。
【0081】
データログ記録モジュール496は、時間に伴う判定された位置のトレース(「GPSトレース」と呼ばれることもある)と呼ばれてもよい移動情報をログ記録する。情報をログ記録し、符号化し且つ/又は圧縮する種々の技術が使用されてもよい。技術は、(i)特定の閾値だけ変位したことが検出される度に位置情報がログ記録されるように車両のリアルタイム位置を位置サンプリングすることと、(ii)位置情報が設定された時間間隔でログ記録されるように車両のリアルタイム位置を時間サンプリングすることと、(iii)位置サンプリング及び時間サンプリングの双方の組合せと、(iv)車両パラメータ又は経路の好みの変更、ナビゲーション経路からの逸脱、ナビゲーション経路の再計算、ナビゲーション経路に沿う前進又は分岐点への到着、あるいは経由地又は目的地への到着等の重要な事象を事象ログ記録することとから選択された1つ以上のものを含んでもよい。移動情報は、実際の位置座標(例えば、GPS座標)、デジタル地図に対する座標、地図に示された道路上の位置、計画されたナビゲーション経路に沿う位置のうちの1つ以上として記録されてもよい。ログ記録されたデータは、オプションとしてオペレーティングシステム470により提供された現在の時間及び日付関数から取得される時間及び/又は日付スタンプ情報を含んでもよい。そのような情報は、どんな所望の形態で表現されてもよいことが理解されるだろう。例えば日付は、年間カレンダの日付又は月の日付又は曜日により表されてもよい。ログ記録されたデータは、計画されたナビゲーション経路を識別又は規定する情報を更に含んでもよい。ログ記録されたデータは、ナビゲーションデバイス又は車両の動きのシミュレーション又は再構成を容易にし、移動解析を可能にすることを意図する。
【0082】
データログ記録モジュール496は、接続が利用可能である場合、ログ記録されたデータをサーバ150にアップロードする(ステップ498)。接続が無線パスを介する(あるいは永続的なパス又はいわゆる一般に存在するパスを介する)場合、接続は、自動的に又はデータログ記録モジュール496の要求時に周期的に確立されてもよい。接続が例えばユーザの固定コンピュータ(PND等に対する)を使用して有線パスを介する場合、接続は、ユーザがナビゲーションデバイス200をホームコンピュータに結合する時に必ず確立されてもよい。サーバ150にアップロードされたデータは、移動情報及び車両パラメータに基づく車両情報を含む。車両情報は、ログ記録されたデータの一部として格納されてもよく、あるいはアップロード時に車両/経路基準モジュール486から読み出されてもよい。ログ記録されたデータの一部として車両情報を格納することにより、車両情報に対するあらゆる変更が車両に対する移動情報と共に時系列に記録される。これは、種々の車両と共に使用されてもよいPNDにとって、あるいは積載あり又は積載なしで又は異なる積載量で移動する貨物車両にとって重要だろう。
【0083】
図8を参照すると、サーバ150は、複数のナビゲーションデバイス200からアップロードされた移動情報を受信し、これをアップロードライブラリ400に格納し、移動情報を処理して統計的解析を導出するために統計的解析器402を実行する。個別の移動に対する移動情報が固有の移動事象により影響を受ける可能性があるが、複数の装置からの移動情報を解析することにより、運転者の習慣、移動時間パターン及び経路パターンを統計的に導出できる。統計的解析器402は、導出されるのが望ましい情報を示す特定の特性を認識するようにプログラムされる。
【0084】
図9を参照すると、好適な実施形態において、統計的解析器402は、特に貨物車両及びバス等の大型車両である車両パラメータ又はカテゴリに従う車両により、あるいは連結した自動車+トレーラハウス等の連結車両によりとられる経路パターンに関する情報を導出するように構成される。第1のステップ602において、例えば貨物車両である上記関心車両カテゴリの1つを識別するために、ログ記録された情報からの車種が比較される。車両が関心カテゴリの車両である場合、車両特性はステップ604で導出される。ステップ606において、車両が走行する経路は、解析され且つ貨物車両により使用された他の経路と統計的に比較される。統計的な比較は、どんな適切な技術が使用されて実行されてもよい。例えば経路は、好ましくは分岐点又は重要な分岐点の間の道路部分又は個々の道路に対応してもよい区分に分割されてもよい。ステップ608において、貨物車両により一般に使用されると判定された道路は、「貨物車両にとって一般的な道路」として指定される。ステップ610において、貨物車両が計画した経路に従っていたかが判定され、従っていた場合、ステップ612は貨物車両が経路を逸脱したかを判定する。逸脱した場合、ステップ614は、その逸脱が計画した経路からの他の貨物車両による逸脱のパターンに従うかを判定するために統計的解析を実行する。貨物車両が何らかの理由のために個別の移動の計画経路を逸脱する可能性があるが、貨物車両が明らかな理由(既知の道路工事又は全ての貨物車両に対する所定の位置での一時的な逸脱等)なしで特定の道路又は分岐点又は方向転換を回避する傾向があるという傾向を統計的解析が示す場合、これは、何らかの理由のために貨物車両が計画経路を走行しにくいと考えるか又は経験豊富な貨物車両の運転者がより適切な経路の自身の個人の知識を使用することを示す。必要に応じて、別の経路パターンの有効性の検証は、ログ記録された移動情報からの車両の速度プロファイル及び/又は移動時間を観察することにより確認されてもよい。ステップ616において、他の既知の理由なしで貨物車両が日常的に逸脱する道路又は分岐点は、「貨物車両にとって注意すべき道路」として指定される。
【0085】
更に又はあるいは、図11を参照すると、統計的解析器402は、車両のカテゴリに従って移動時間パターンに関する情報を導出するように構成されてもよい。ステップ650において、車両が走行する経路は、解析され且つ好ましくは分岐点又は重要な分岐点の間の道路部分又は個々の道路に対応してもよい区分に分割される。ステップ652において、各区分に沿う移動時間は、ログ記録された日付/時間情報に従って判定される。ステップ654において、移動時間は、履歴として導出された他の移動時間と統計的に比較される。例えば、移動時間のクラスタが導出されてもよい。ステップ656において、移動時間(又はクラスタグループ化)は、各特性又はクラスタグループ化のための統一特性を判定するために解析される。(統一)特性の1つは車両カテゴリであってもよい。例えば自動車は、一般に貨物車両より迅速に経路に沿って移動できる。これは、自動車が貨物車両より迅速に操作、加速及び減速できる街の中心部において明らかであるだろう。高速道路において、貨物車両は自動車より遅い速度制限を守る必要があるだろう。別の(統一)特性は、日付の種類(例えば、登校日、出勤日又は休日)及び/又は時間帯(例えば、常に交通が混雑している時間又は常に交通がより混雑していない時間)であってもよい。ステップ658において、補足情報は、移動時間の履歴パターンに基づいて、車両カテゴリ、日付の種類及び時間帯等の種々の特性に従う各移動時間を使用して、道路又は道路区分に対する移動時間の指示を提供するために生成される。
【0086】
図8に戻ると、統計的解析器402による処理の後、サーバ150においてデジタル地図の作業バージョンを更新するためにデジタル地図更新器404に進む。デジタル地図からの更新データは、各ナビゲーションデバイス200が次に接続した時にサーバ150により対応される各ナビゲーションデバイス200にダウンロードするために入手可能である。ダウンロード更新ステップは、図6の499で示される。ナビゲーションデバイス200は、更新及び向上された貨物車両別の情報を収集し且つ供給される。
【0087】
従って、好適な実施形態により、貨物車両、バス及び連結した自動車+トレーラハウス等の大型車両又は特殊車両に対する専門知識の非常に有益な供給元の収集が可能になる。そのような情報は、そのような車両のカテゴリに対するナビゲーション経路計画を向上でき、不慣れな地域で車両をナビゲートする必要がある運転者又は経験不足の運転者が他の運転者の専門知識の恩恵を受けられる。そのような情報は、既存の地図作成技術を使用して収集することは不可能であり、道路の政府の正式指定及び道路標識の解析等の従来の供給元から抽出できない。更に本発明の技術は、追加の地図作成ハードウェアを必要とせず、高度に自動化され且つ費用対効果が大きい方法で情報を容易に収集できるようにする。
【0088】
本発明の種々の態様及び実施形態について上述したが、本発明の範囲は、本明細書で示された特定の構成に限定されず、添付の請求の範囲の範囲内に入る全ての構成、並びにそれらの構成に対する変形例及び変更例を含むことが理解されるだろう。
【0089】
例えば、上記の詳細な説明で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーションデバイスはGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーションデバイスは、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを用いることにより有用であってもよい。同様に、ナビゲーションデバイスは、衛星を用いたものに限定されず、地上ビーコン又は装置が地理的な場所を判定することを可能にする他の何らかの種類のシステムを使用して容易に機能できる。
【0090】
更に、デジタル地図の強化された内容は、移動データをログ記録しない可能性のあるナビゲーションサーバ等の他の装置により使用されてもよい。例えば、いくつかのインターネットウェブサイトは、ユーザが選択可能な基準に従って出発地から目的地までの経路計画の可能性を提供する。結果は後で使用するためにダウンロードされてもよく又は印刷されてもよい。デジタル地図の強化された補足情報を提供することにより、そのようなユーザは強化された貨物車両別の情報の恩恵を受けるだろう。本発明は、新しい移動データをログ記録せずにそのように使用することを範囲に含む。
【0091】
好適な実施形態はソフトウェアを使用してある特定の機能性を実現するが、その機能性はハードウェアでのみ(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)を使用することにより)又は実際にはハードウェアとソフトウェアとの組合せにより同様に実現可能であることが当業者にはよく理解されるだろう。従って、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることにのみ限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0092】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書で説明した特徴の特定の組合せを示すが、本発明の範囲は、以下に請求される特定の組合せに限定されず、特定の組合せが今回添付する請求の範囲に特に列挙されているか否かに関係なく、本明細書で開示された特徴又は実施形態のいかなる組合せも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両カテゴリに従って道路の使用の適性を表すデジタル地図に対する補足情報を生成する装置であって、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信し、
(b)貨物車両;バス;連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両;所定の幅閾値を超える車両;所定の高さ閾値を超える車両;所定の長さ閾値を超える車両;所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析し、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析し、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析し、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて前記補足情報を生成する
ように構成された処理リソースを備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記パターンは、道路を使用した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理リソースは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適しているとして指定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記傾向は、所定の時間間隔の間、少なくとも前記関心カテゴリの所定の数の車両が道路を使用したことにより確立されることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記パターンは、計画経路を逸脱した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記処理リソースは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適していないとして指定するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記傾向は、所定の時間間隔の間、少なくとも前記関心カテゴリの所定の数の車両が経路を逸脱したことにより確立されることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記処理リソースは、車両カテゴリによる道路適性の指定を正式に表す補完情報と、前記補足道路情報とを組み合わせるように更に構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理リソースは、前記補足情報によりデジタル地図情報を更新するように更に構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
車両搭載型のナビゲーションデバイスであって、
前記車両を分類するための前記車両の特性を表す車両情報に対するストアと、
前記ナビゲーションデバイスのリアルタイム位置を判定する位置判定システムと、
少なくとも1つの車両移動を表すデータをログ記録するデータログ記録システムと、
車両カテゴリに従う道路使用のパターン解析のために前記ログ記録されたデータ及び前記車両情報を受信機にアップロードするデータアップロードシステムと
を備えたことを特徴とするナビゲーションデバイス。
【請求項11】
デジタル地図情報に対するストアと、
出発地から目的地までの経路を計算する経路計算システムと、
前記計算経路に従うように運転者を案内するために案内情報を生成するナビゲーションシステムとを更に備えたことを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項12】
前記経路計画システムは、前記車両情報又は前記車両情報から少なくとも部分的に導出された選択基準に従って経路を計算するように動作可能であることを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項13】
車両カテゴリに従って道路適性を識別する更新済み地図情報を受信する更新システムを更に備えたことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項14】
車両カテゴリに従って道路の使用の適性を表すデジタル地図に対する補足情報を生成する方法であって、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信するステップと、
(b)貨物車両、バス、連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両、所定の幅閾値を超える車両、所定の高さ閾値を超える車両、所定の長さ閾値を超える車両、所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析するステップと、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析するステップと、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析するステップと、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて前記補足情報を生成するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記パターンは、道路を使用した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生成ステップは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適しているとして指定することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パターンは、計画経路を逸脱した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記生成ステップは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適していないとして指定するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(a)車両を分類するための前記車両の特性を表す車両情報を格納し、
(b)電子ナビゲーションデバイスのリアルタイム位置を判定し、
(c)少なくとも1つの車両移動を表すデータをログ記録し、
(d)車両カテゴリに従う道路の使用のパターン解析のために前記ログ記録されたデータ及び前記車両情報を受信機にアップロードする
ようにナビゲーションデバイスの動作を実現することを特徴とする方法。
【請求項20】
複数の電子ナビゲーションデバイスからアップロードされたログ記録されたデータを解析し、
前記解析から、車両カテゴリに従った道路使用パターンを判定する
ステップを更に含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
車両カテゴリに従って経路計画に影響を及ぼすために前記判定された道路使用パターンを使用するステップを更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デジタル地図を表すためのフォーマットであって、前記デジタル地図は、
(a)前記地図において少なくとも道路の位置を表す道路情報構成要素と、
(b)車両カテゴリによる道路使用の履歴の統計的解析に基づいて、少なくとも車両カテゴリに従う使用に対する前記道路の適性を含む補足情報を前記道路に対して表す補足道路情報構成要素とを含むことを特徴とするフォーマット。
【請求項23】
前記補足情報は、道路毎に、車両カテゴリによる道路の使用の前記統計的解析に基づいて、道路が貨物車両により使用される種類の道路であることを示す情報を含むことを特徴とする請求項22に記載のフォーマット。
【請求項24】
処理リソースにより実行されることで、前記処理リソースを、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信し、
(b)貨物車両;バス;連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両;所定の幅閾値を超える車両;所定の高さ閾値を超える車両;所定の長さ閾値を超える車両;所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析し、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析し、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析し、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて車両カテゴリに従う道路の使用の適性を表す補足情報を生成する
方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のコンピュータプログラムを保持又は具体化することを特徴とするマシン可読情報媒体。
【請求項1】
車両カテゴリに従って道路の使用の適性を表すデジタル地図に対する補足情報を生成する装置であって、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信し、
(b)貨物車両;バス;連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両;所定の幅閾値を超える車両;所定の高さ閾値を超える車両;所定の長さ閾値を超える車両;所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析し、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析し、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析し、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて前記補足情報を生成する
ように構成された処理リソースを備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記パターンは、道路を使用した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理リソースは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適しているとして指定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記傾向は、所定の時間間隔の間、少なくとも前記関心カテゴリの所定の数の車両が道路を使用したことにより確立されることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記パターンは、計画経路を逸脱した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記処理リソースは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適していないとして指定するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記傾向は、所定の時間間隔の間、少なくとも前記関心カテゴリの所定の数の車両が経路を逸脱したことにより確立されることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記処理リソースは、車両カテゴリによる道路適性の指定を正式に表す補完情報と、前記補足道路情報とを組み合わせるように更に構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理リソースは、前記補足情報によりデジタル地図情報を更新するように更に構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
車両搭載型のナビゲーションデバイスであって、
前記車両を分類するための前記車両の特性を表す車両情報に対するストアと、
前記ナビゲーションデバイスのリアルタイム位置を判定する位置判定システムと、
少なくとも1つの車両移動を表すデータをログ記録するデータログ記録システムと、
車両カテゴリに従う道路使用のパターン解析のために前記ログ記録されたデータ及び前記車両情報を受信機にアップロードするデータアップロードシステムと
を備えたことを特徴とするナビゲーションデバイス。
【請求項11】
デジタル地図情報に対するストアと、
出発地から目的地までの経路を計算する経路計算システムと、
前記計算経路に従うように運転者を案内するために案内情報を生成するナビゲーションシステムとを更に備えたことを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項12】
前記経路計画システムは、前記車両情報又は前記車両情報から少なくとも部分的に導出された選択基準に従って経路を計算するように動作可能であることを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項13】
車両カテゴリに従って道路適性を識別する更新済み地図情報を受信する更新システムを更に備えたことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項14】
車両カテゴリに従って道路の使用の適性を表すデジタル地図に対する補足情報を生成する方法であって、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信するステップと、
(b)貨物車両、バス、連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両、所定の幅閾値を超える車両、所定の高さ閾値を超える車両、所定の長さ閾値を超える車両、所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析するステップと、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析するステップと、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析するステップと、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて前記補足情報を生成するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記パターンは、道路を使用した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生成ステップは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適しているとして指定することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パターンは、計画経路を逸脱した前記関心カテゴリの車両の傾向であることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記生成ステップは、道路に対して前記パターンを検出したことに応答して、前記道路を前記関心車両カテゴリによる使用に適していないとして指定するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(a)車両を分類するための前記車両の特性を表す車両情報を格納し、
(b)電子ナビゲーションデバイスのリアルタイム位置を判定し、
(c)少なくとも1つの車両移動を表すデータをログ記録し、
(d)車両カテゴリに従う道路の使用のパターン解析のために前記ログ記録されたデータ及び前記車両情報を受信機にアップロードする
ようにナビゲーションデバイスの動作を実現することを特徴とする方法。
【請求項20】
複数の電子ナビゲーションデバイスからアップロードされたログ記録されたデータを解析し、
前記解析から、車両カテゴリに従った道路使用パターンを判定する
ステップを更に含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
車両カテゴリに従って経路計画に影響を及ぼすために前記判定された道路使用パターンを使用するステップを更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デジタル地図を表すためのフォーマットであって、前記デジタル地図は、
(a)前記地図において少なくとも道路の位置を表す道路情報構成要素と、
(b)車両カテゴリによる道路使用の履歴の統計的解析に基づいて、少なくとも車両カテゴリに従う使用に対する前記道路の適性を含む補足情報を前記道路に対して表す補足道路情報構成要素とを含むことを特徴とするフォーマット。
【請求項23】
前記補足情報は、道路毎に、車両カテゴリによる道路の使用の前記統計的解析に基づいて、道路が貨物車両により使用される種類の道路であることを示す情報を含むことを特徴とする請求項22に記載のフォーマット。
【請求項24】
処理リソースにより実行されることで、前記処理リソースを、
(a)複数のナビゲーションデバイスからログ記録された移動のセッションを表す移動情報であり、ログ記録された移動の各セッションが前記ログ記録された移動を行う車両に関して車両カテゴリ情報を含む移動情報を受信し、
(b)貨物車両;バス;連結した自動車+トレーラハウス、所定の重量閾値を超える車両;所定の幅閾値を超える車両;所定の高さ閾値を超える車両;所定の長さ閾値を超える車両;所定の危険物を輸送する車両から選択された少なくとも1つを含む関心車両カテゴリに対応する少なくとも1つのセッションを識別するために前記車両カテゴリ情報を解析し、
(c)移動の際に前記車両により使用された経路又は経路部分を識別するために少なくとも1つの関心車両カテゴリに対応する前記移動情報を解析し、
(d)前記関心車両カテゴリによる少なくとも1つの道路使用パターンを統計的に識別するために複数のセッションから複数の経路又は経路部分を解析し、
(e)前記関心車両カテゴリによる前記少なくとも1つの道路使用パターンに基づいて車両カテゴリに従う道路の使用の適性を表す補足情報を生成する
方法を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のコンピュータプログラムを保持又は具体化することを特徴とするマシン可読情報媒体。
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図8】
【公表番号】特表2012−515325(P2012−515325A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544808(P2011−544808)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050370
【国際公開番号】WO2010/081540
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050370
【国際公開番号】WO2010/081540
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
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