説明

車両用サスペンション装置

【課題】 装置の大型化や動力損失の増大を招くことなく、車両姿勢を確実に制御できる車両用サスペンション装置を提供する。
【解決手段】 サスペンションユニット1A,1Bのアッパスプリングシート5に油圧による昇降調整機構14A,14Bを設け、共通のモータ15によって駆動される第1の油圧ポンプ16と第2の油圧ポンプ17を備えた油圧回路2に、両昇降調整機構14A,14Bを接続する。油圧回路2に、第1の油圧ポンプ16によって昇降調整機構14Aから昇降調整機構14Bに作動油を供給する第1の通路19と、第2の油圧ポンプ17によって昇降調整機構14Bから昇降調整機構14Aに作動油を供給する第2の通路20を設ける。両昇降調整機構14A,14Bを接続する通路19,20を第1,第2流路切換バルブ23,24によって適宜切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の姿勢を制御可能な車両用サスペンション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用サスペンション装置として、姿勢制御機能を備えたものが開発されている。この車両用サスペンション装置は、車両左右のサスペンションユニットに油圧によって昇降調整可能なアクチュエータが夫々設けられ、ローリング等の車両の運転状態に応じて車両左右のアクチュエータが制御されるようになっている。具体的には、例えば、ローリング時には、車体が沈み込もうとする側のアクチュエータに作動油を供給し、車体が浮き上がろうとする側のアクチュエータの作動油を排出することによって車両姿勢を安定保持するようになっている。
【特許文献1】特表2002−542977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この従来のサスペンション装置の場合、姿勢制御時に、一方のアクチュエータにリザーバタンク内の作動油を油圧ポンプによって供給すると共に、他方のアクチュエータ内の作動油をリザーバタンク内に戻すようになっているため、車両を持ち上げるアクチュエータの作動力を油圧ポンプがすべて作り出さなければならないうえ、逆側のアクチュエータからリザーバタンク内に戻される作動油の流れが無駄に消費されてしまう。このため、油圧ポンプのポンプ容量を大きくせざるを得ず、装置の大型化や駆動源の動力損失の増大を招くことが懸念される。
【0004】
そこでこの発明は、装置の大型化や動力損失の増大を招くことなく、車両姿勢を確実に制御できる車両用サスペンション装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車体左右、若しくは、前後の対を成すサスペンションユニット(例えば、後述の実施形態におけるサスペンションユニット1A,1B)が、車体と車輪を弾性的に連結するコイルスプリング(例えば、後述の実施形態におけるコイルスプリング3)と、このコイルスプリングの上端を車体側にて支持するアッパスプリングシート(例えば、後述の実施形態におけるアッパスプリングシート5)と、前記コイルスプリングの下端を車輪側にて支持するロアスプリングシート(例えば、後述の実施形態におけるロアスプリングシート6)と、を備えて成る車両用サスペンション装置において、前記各サスペンションユニットの、アッパスプリングシートとロアスプリングシートの少なくともいずれか一方に油圧による昇降調整機構(例えば、後述の実施形態における第1昇降調整機構14A,第2昇降調整機構14B)を設け、対を成すサスペンションユニットの昇降調整機構を、共通のモータ(例えば、後述の実施形態におけるモータ15)によって駆動される第1の油圧ポンプ(例えば、後述の実施形態における第1の油圧ポンプ16)と第2の油圧ポンプ(例えば、後述の実施形態における第2の油圧ポンプ17)を備えた油圧回路(例えば、後述の実施形態における油圧回路2)に接続し、この油圧回路に、前記第1の油圧ポンプの作動によって一方のサスペンションユニットの昇降調整機構内の作動油を他方のサスペンションユニットの昇降調整機構に供給する第1の通路と、前記第2の油圧ポンプの作動によって他方のサスペンションユニットの昇降調整機構内の作動油を一方のサスペンションユニットの昇降調整機構に供給する第2の通路と、前記両昇降調整機構に対する前記第1の通路と第2の通路の接続切換えが可能な流路切換バルブ(例えば、後述の実施形態における第1,第2流路切換バルブ23,24)と、を設け、前記流路切換バルブを車両の走行状態に応じて制御するようにした。
【0006】
この発明の場合、車両の姿勢制御時には、第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプを共通のモータで駆動し、車両の走行状態に応じて流路切換バルブを選択的に作動させる。流路切換バルブが、第1の通路と第2の通路の一方を両昇降調整機構に接続すると、その通路内の油圧ポンプの作用により、一方側の昇降調整機構内の作動油が他方側の昇降調整機構に供給される。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の通路と第2の通路のポンプ吸入側に、リザーバタンク(例えば、後述の実施形態におけるリザーバタンク28)に接続される分岐通路(例えば、後述の実施形態における分岐通路25,26)を設けると共に、この分岐通路を開閉する開閉バルブ(例えば、後述の実施形態における開閉バルブ27)を設けるようにした。
【0008】
この場合、開閉バルブによって分岐通路を開くと、第1の通路と第2の通路のポンプ吸入側がリザーバタンクに接続される。このため、リザーバタンクから吸入した作動油を第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプの作動によって両昇降調整機構に供給し、或いは、両昇降調整機構内の作動油をリザーバタンクに排出することが可能になる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によると、第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプのいずれかによって一方側の昇降調整機構内の作動油を他方側の昇降調整機構に供給し、それによって車両の姿勢制御を行うものであるため、油圧ポンプの小さな動力で確実な姿勢制御を行うことができる。即ち、第1または第2の油圧ポンプは、吸入側の昇降調整機構内の圧力にポンプ動力を加算するかたちでポンプ作動を行うだけで良いため、小さな動力で吐出側の昇降調整機構に作動油を供給することができる。
したがって、この発明によれば、装置の大型化とモータの動力損失を抑えつつ、確実な姿勢制御を実現することができる。
また、この発明の場合、車両の姿勢制御時には、共通のモータで第1のポンプと第2のポンプを作動させたまま流路切換バルブによって第1の通路と第2の通路を切り換えることにより、対を成す車高調整装置の昇降作動を切り換えることができるため、作動応答性が良く、運転状態に応じた迅速な姿勢制御が可能であるという利点がある。
【0010】
また、請求項2に記載の発明によると、油圧回路の僅かな改良によって車高調整機能を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図4は、この発明にかかる車両用サスペンション装置(以下、「サスペンション装置」と呼ぶ。)を車両の前輪側に適用した実施形態を示す構成図である。この実施形態のサスペンション装置は、図示しない車体左右の前輪に車体を懸架させる一対のサスペンションユニット1A,1Bと、これらのサスペンションユニット1A,1Bを制御する油圧回路2と、を備えている。
【0012】
各サスペンションユニット1A,1Bは、車体と車輪の間の振動や衝撃を吸収するコイルスプリング3と、オイルの流通抵抗によって減衰力を発生するショックアブソーバ4と、を備えており、コイルスプリング3はアッパスプリングシート5とロアスプリングシート6を介して車体側と車輪側に夫々支持されている。ショックアブソーバ4は、オイルが充填されたシリンダチューブ7と、このシリンダチューブ7に進退自在に挿入嵌合されたピストンロッド8を備え、シリンダチューブ7の下端が図示しないサスペンションアームを介して車輪側に結合されると共に、ピストンロッド8の上端が前記アッパスプリングシート5と共に車体側に結合されている。コイルスプリング3はショックアブソーバ4の外周側に配置され、ロアスプリングシート6はシリンダチューブ7の外周面に結合され、このシリンダチューブ7を介して車輪側に支持されている。
【0013】
アッパスプリングシート5は、環状のシリンダ穴9aを有しピストンロッド8と共に車体側に直接固定されるベース部材9と、このベース部材9のシリンダ穴9a内に摺動自在に嵌合されてシリンダ穴9aとの間に作動室10を形成する環状ピストン11と、この環状ピストン11に連結壁12を介して結合されコイルスプリング3の上端部を直接支持するシート本体13と、を備え、ベース部材9と環状ピストン11が油圧による昇降調整機構14A(14B)を構成している。なお、以下では、図中左側のサスペンションユニット1Aの昇降調整機構を第1昇降調整機構14Aと呼び、図中右側のサスペンションユニット1Bの昇降調整機構を第2昇降調整機構14Bと呼ぶものとする。
【0014】
油圧回路4は、共通のモータ15によって駆動される第1の油圧ポンプ16と第2の油圧ポンプ17を備えている。この実施形態では、第1の油圧ポンプ16と第2の油圧ポンプ17はプランジャポンプによって構成されている。また、油圧回路4には、第1昇降調整機構14Aと第2昇降調整機構14Bの給排ポート18A,18B同士を接続する2系統の通路である第1の通路19と第2の通路20が並列に設けられている。第1の通路19の途中には逆止弁21,22を介して前記第1の油圧ポンプ16が介装され、第2の通路20の途中には同様に逆止弁21,22を介して前記第2の油圧ポンプ17が介装されている。第1の通路19は第1の油圧ポンプ16の作動によって第1昇降調整機構14A内の作動油を第2昇降調整機構14Bに供給し、第2の通路20は第2の油圧ポンプ17の作動によって第2昇降調整機構14B内の作動油を第1昇降調整機構14Aに供給する。
【0015】
第1の通路19のポンプ吸入側(第1の油圧ポンプ16の吸入ポート16a側)と第2の通路20のポンプ吐出側(第2の油圧ポンプ17の吐出ポート17b側)は、第1流路切換バルブ23を介して第1昇降調整機構14Aの給排ポート18Aに接続され、第1の通路19のポンプ吐出側(第1の油圧ポンプ16の吐出ポート16b側)と第2の通路20のポンプ吸入側(第2の油圧ポンプ17の吸入ポート17a側)は、第2流路切換バルブ24を介して第2昇降調整機構14Bの給排ポート18Bに接続されている。第1,第2流路切換バルブ23,24は、電磁式の3ポート2位置切換弁によって構成され、図示しないコントローラによるオン・オフ制御によって第1,第2昇降調整機構14A,14Bの給排ポート18A,18Bを第1の通路19と第2の通路20のいずれかの対応するポートに選択的に導通し得るようになっている。なお、図1は、第1,第2流路切換バルブ23,24の通電がオフの状態を示し、この状態においては、第2の通路20と第1の通路19の各ポンプ吐出側が第1,第2流路切換バルブ23,24を介して第1,第2昇降調整機構14A,14Bに接続されている。
【0016】
また、第1の通路19と第2の通路20の各ポンプ吸入側には夫々分岐通路25,26が設けられ、これらの分岐通路25,26が共通の開閉バルブ27を介して作動油を貯留するリザーバタンク28に接続されている。開閉バルブ27は、電磁式の弁によって構成され、図示しないコントローラによるオン・オフ制御によって両分岐通路25,26を同時に開閉し得るようになっている。なお、開閉バルブ27はオフ状態において分岐通路25,26を閉塞するようになっている。
【0017】
このサスペンション装置は、能動的な車両姿勢制御を行わないノーマルモードと、運転状態に応じて車両姿勢を能動的に制御する姿勢制御モードに、運転者によるスイッチ操作によって切り換えられるようになっていると共に、別のスイッチ操作によって車高降調整を行えるようになっている。以下、ノーマルモード時、姿勢制御モード時、車高調整時の動作について順次説明する。
【0018】
<ノーマルモード>
ノーマルモードでは、図1に示すように、第1,第2流路切換バルブ23,24と開閉バルブ27がオフ状態にされると共に、モータ15もオフ状態とされている。このとき、第1昇降調整機構14Aが第1流路切換バルブ23を介して第2の通路20のポンプ吐出側に接続され、第2昇降調整機構14Bが第2流路切換バルブ24を介して第1の通路19のポンプ吐出側に接続されるが、第1の通路19と第2の通路20のポンプ吸入側は、メイン通路側が第1流路切換バルブ23と第2流路切換弁24によって閉じられると共に、分岐通路25,26側が開閉バルブ27によって閉じられているため、第1,第2昇降調整機構14A,14Bは作動油の流通が遮断されてロック状態となる。したがって、この状態においては、車体に対する左右のアッパスプリングシート5の全高は一定に維持されている。
【0019】
<姿勢制御モード>
姿勢制御モードでは、例えば、図2中の左側のサスペンションユニット1A側を下げ、右側のサスペンションユニット1B側を上げる姿勢制御を行う場合、図示しないコントローラによる制御によって第2流路切換バルブ24と開閉バルブ27をオフ状態にしたまま、第1流路切換バルブ23をオン状態に切り換え、その状態においてモータ15をオン作動させる。これにより、第1,第2の油圧ポンプ16,17がモータ15によって駆動され、第1昇降調整機構14Aと第2昇降調整機構14Bが第1の通路19によって接続される。したがって、このとき第1昇降調整機構14A内の作動油は、図2中の矢印で示すように第1の油圧ポンプ16に吸入され、さらに第1の油圧ポンプ16のポンプ作用によって第2昇降調整機構14Bへと供給される。この結果、車両は同図中左側を下げ右側を押し上げるように姿勢制御される。
また、図2中の左側のサスペンションユニット1A側を上げ、右側のサスペンションユニット1B側を下げる姿勢制御を行う場合、第1流路切換バルブ23に代わって第2流路切換バルブ24がオン状態に切り換えられ、第2の油圧ポンプ17の作動によって逆に第2昇降機構14B内の作動油が第1昇降機構14Aに供給される。
【0020】
なお、第1の油圧ポンプ16と第2の油圧ポンプ17の吐出ポート16b,17bと吸入ポート16a,17bの各間には、図示しないバルブによって開閉される還流通路が設けられており、一方の油圧ポンプ16(または17)が姿勢制御のための前述のポンプ作動を行っているときには、他方の油圧ポンプ17(または16)側の還流通路が開いて油圧ポンプ17(または16)の空転が許容されるようになっている。
【0021】
<車高調整−(1)上昇調整>
車高を上昇調整する場合には、図3に示すように、第1,第2流路切換バルブ23,24と開閉バルブ27をすべてオン状態にし、その状態においてモータ15をオン作動させる。これにより、第1,第2の油圧ポンプ16,17がモータ15によって駆動され、第1昇降調整機構14Aと第2昇降調整機構14Bが第2の通路20と第1の通路19の各ポンプ吐出側と分岐通路26,25を介してリザーバタンク28に接続される。このとき、リザーバタンク28内の作動油は第1,第2の油圧ポンプ16,17によって吸入され、両油圧ポンプ16,17のポンプ作動によって第2昇降調整機構14Bと第1昇降調整機構14Aに供給される。この結果、車高は上昇調整される。
【0022】
<車高調整−(2)下降調整>
車高を下降調整する場合には、図4に示すように、第1,第2流路切換バルブ23,24とモータ15をオフ状態にしたまま開閉バルブ27をオン状態する。これにより、第1昇降調整機構14Aと第2昇降調整機構14Bは第1の通路19と第2の通路20の各ポンプ吸入側と分岐通路25,26を介してリザーバタンク28に接続される。このとき、第1昇降調整機構14Aと第2昇降調整機構14B内の作動油はリザーバタンク28に排出され、その結果、車高は下降調整される。
【0023】
以上のようにこのサスペンション装置は、油圧ポンプ16(または17)の作用によって一方の昇降調整機構14A(または14B)内の作動油を他方の昇降調整機構14B(または14A)に供給することによって車両の姿勢制御を行うものであるため、一方の昇降調整機構14A(または14B)内の作動油の圧力に油圧ポンプ16(または17)の動力を加算するかたち他方の昇降調整機構14B(または14A)に作動油を供給するだけで良く、他方の昇降調整機構14B(または14A)に供給する作動油の圧力を油圧ポンプだけですべて作り出す場合に比較して小さなポンプ動力で姿勢制御を行うことができる。したがって、作動に必要なポンプ容量を小さくし、ポンプのコンパクト化を図ることができると共に、モータ15による電力消費を大幅に低減することができる。
【0024】
さらに、このサスペンション装置の場合、車両の姿勢制御時に、共通のモータ15で第1の油圧ポンプ16と第2の油圧ポンプ17を連続作動させたまま、第1流路切換バルブ23と第2流路切換バルブ24をコントローラによって切換制御することによって両昇降調整機構14A,14Bの作動油の給排を切り換えるものであるため、運転中の車両状態の変化に応じた姿勢制御を応答性良く行うことができる。
【0025】
また、このサスペンション装置は、第1の通路19と第2の通路20のポンプ吸入側に、リザーバタンク28に接続される分岐通路25,26と、その分岐通路25,26を開閉する開閉バルブ27を設けた簡単な構成でありながら、車両の確実な車高調整を実現することができる。そして、別体の車高調整装置を設けるのではなく、サスペンション装置の油圧回路2に簡単な構成を付加するだけで車高調整機能を得ることができるため、部品点数の削減による製造コストの低下と装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0026】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、サスペンションユニットのアッパスプリングシート5側にベース部材9と環状ピストン11による第1,第2昇降調整機構14A,14Bを設けたが、ロアスプリングシート6側に同様の昇降調整機構14A,14Bを設けることも可能である。また、車体前後のサスペンションユニットを対にして、これに前述と同様の構成を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態を示すものであり、ノーマルモード時の車両用サスペンション装置の油圧回路図。
【図2】同実施形態を示すものであり、姿勢制御時の車両用サスペンション装置の油圧回路図。
【図3】同実施形態を示すものであり、車高を上昇調整する際の車両用サスペンション装置の油圧回路図。
【図4】同実施形態を示すものであり、車高を下降調整する際の車両用サスペンション装置の油圧回路図。
【符号の説明】
【0028】
1A,1B…サスペンションユニット 2…油圧回路 3…コイルスプリング 5…アッパスプリングシート 6…ロアスプリングシート 14A…第1昇降調整機構(昇降調整機構) 14B…第2昇降調整機構(昇降調整機構) 15…モータ 16…第1の油圧ポンプ 17…第2の油圧ポンプ 19…第1の通路 20…第2の通路 23…第1流路切換バルブ(流路切換バルブ) 24…第2流路切換バルブ(流路切換バルブ) 25,26…分岐通路 27…開閉バルブ 28…リザーバタンク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体左右、若しくは、前後の対を成すサスペンションユニットが、車体と車輪を弾性的に連結するコイルスプリングと、このコイルスプリングの上端を車体側にて支持するアッパスプリングシートと、前記コイルスプリングの下端を車輪側にて支持するロアスプリングシートと、を備えて成る車両用サスペンション装置において、
前記各サスペンションユニットの、アッパスプリングシートとロアスプリングシートの少なくともいずれか一方に油圧による昇降調整機構を設け、
対を成すサスペンションユニットの昇降調整機構を、共通のモータによって駆動される第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプを備えた油圧回路に接続し、
この油圧回路に、
前記第1の油圧ポンプの作動によって一方のサスペンションユニットの昇降調整機構内の作動油を他方のサスペンションユニットの昇降調整機構に供給する第1の通路と、
前記第2の油圧ポンプの作動によって他方のサスペンションユニットの昇降調整機構内の作動油を一方のサスペンションユニットの昇降調整機構に供給する第2の通路と、
前記両昇降調整機構に対する前記第1の通路と第2の通路の接続切換えが可能な流路切換バルブと、を設け、
前記流路切換バルブを車両の走行状態に応じて制御するようにしたことを特徴とする車両用サスペンション装置。
【請求項2】
前記第1の通路と第2の通路のポンプ吸入側に、リザーバタンクに接続される分岐通路を設けると共に、この分岐通路を開閉する開閉バルブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−213119(P2006−213119A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26300(P2005−26300)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】