説明

車両用情報提供装置

【課題】 利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供する。
【解決手段】 利用者に所定情報を表示するための表示手段D1(D2)と、この表示手段D1(D2)の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネル307と、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220とを有する車両用情報提供装置100であって、聴覚情報提供手段220は表示手段D1(D2)と透視パネル307との間に配設されたスピーカ224を備え、透視パネル307にスピーカ224から発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部104を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば少なくともブザーやスピーカを備えた聴覚情報提供手段を用いて利用者に各種情報を提供する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の聴覚情報提供手段を備えた車両用情報提供装置にあっては、例えば車両用計器内に搭載された指針式表示部からなる表示手段の背後に位置する回路基板の裏面に聴覚情報提供手段である警報用のブザーを取り付け、ドライバー(利用者)がシートベルトを装着していない場合には前記ブザーを鳴らし、前記ブザーの警報(吹鳴)音は前記回路基板の背後を覆うカバーに設けた複数のスリット(孔)を通って前記車両用計器の背後へ伝えられ、その後、前記車両用計器を収納するインパネ内部で反射を繰り返して前記利用者側に伝わるようになっていた。具体的には、前記警報音は前記車両用計器と前記インパネとの隙間から漏れた音あるいは前記インパネ内部に設けられた別の隙間を通り前記利用者の足下等から漏れた音として前記利用者に伝わる構成であった(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3094073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用情報提供装置の場合、車両用計器の背後へ伝えられるブザー音(警報音)は、インパネ内部で反射を繰り返し、前記車両用計器と前記インパネとの隙間から漏れた音、または前記インパネ内部に設けられた他の隙間を通って利用者の足下等から漏れた音として前記利用者に伝わる構成である。この結果、前記利用者には、元来、前記ブザーが持っている音に対して劣化された音(前記警報音)が必然的に伝わることから、前記警報音の音圧が不足してしまう、もしくは前記警報音の音質が悪化してしまうという問題があり、更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記表示手段と前記透視パネルとの間に配設されたブザーもしくはスピーカを備え、前記透視パネルに前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする。
【0005】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、この透視パネルの一部を覆い隠すように前記透視パネルの前方に配設されたバイザーと、前記前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記表示手段と前記バイザーとの間に配設されたブザーもしくはスピーカを備え、前記バイザーに前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記表示手段の背後には前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段を備えた回路基板が配設され、前記回路基板と前記ブザーもしくは前記スピーカとは接続部材を介して接続されてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記透視パネルの背後に配設されたブザーもしくはスピーカと、前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記透視パネル側に導く導音部材とを備えてなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記透視パネルに前記導音部材から出る音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、この透視パネルの一部を覆い隠すように前記透視パネルの前方に配設されたバイザーと、前記前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記バイザーの背後に配設されたブザーもしくはスピーカと、前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記バイザー側に導く導音部材とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記バイザーに前記導音部材から出る音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記表示手段の背後には前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段を備えた回路基板が配設され、前記前記ブザーもしくは前記スピーカは前記回路基板上に配設されてなることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記音伝達部が前記透視パネルもしくは前記バイザーに開口形成された孔部からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)以下、添付図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
【0015】
図1は、本第1実施形態における車両用情報提供装置の一例の概観図を示すもので、車両用情報提供装置100は、第1,第2の表示手段D1,D2を備えた車両用メータからなる。第1の表示手段(表示部)D1は、TFT等の液晶表示パネルや有機ELパネル等からなり、図1中、車両用情報提供装置100の中央下方に配設され、車速を含む各種情報の表示を行うものである。
【0016】
また第2の表示手段D2は、後述する指針と指標板とを備えた指針式表示部からなり、図1中、車両用情報提供装置100の左方に配設された回転計からなる第1の指針式表示部101と、図1中、車両用情報提供装置100の右方に配設された燃料計からなる第2の指針式表示部102と、温度計からなる第3の指針式表示部103とから構成される。また本実施形態の場合、各第2の表示手段D2における前記指標板の表面は、第1の表示手段D1の表示面と略同一面となるように設定されている。
【0017】
なお、104は後述するスピーカの音を車両内部である車室(車両を運転する利用者)に伝えるための音伝達部であり、この音伝達部104は車両用情報提供装置100の後述する透視パネルの一部に密集して開口形成された複数の孔部からなる。
【0018】
図2は、図1の車両用情報提供装置100のブロック図である。その構成としては、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両用情報提供装置100の制御を行う制御手段202と、処理プログラムを格納するROM等からなる記憶手段203と、表示部D1の表示制御及び各指針式表示部101,102,103の駆動制御を行う駆動手段204と、前記各種情報の聴覚的表示を行う聴覚情報提供手段220とを有している。
【0019】
また、聴覚情報提供手段220の構成としては、音/音声を再生する音/音声合成手段221と、この音/音声合成手段221からの出力信号(音/音声出力信号)を増幅するアンプ222と、このアンプ222からの増幅信号を出力するスピーカ224と、このスピーカ224から発せられる音を前記車室に伝える音伝達部104とを有している。
【0020】
なお、アンプ222とスピーカ224とは接続部材223を通じて接続されており、接続部材223はアンプ222側となる雌型コネクタ223aと、スピーカ224の末端部に設けた雄型コネクタ223bとで構成され、雄型コネクタ223bを雌型コネクタ223aに装着することでスピーカ224が接続部材223を介してアンプ222と接続される。
【0021】
また、スピーカ224は、本実施形態の場合、後述するセンターポールが挿入される貫通孔部を有するトッププレートと中央部に突出形成されたセンターポールを有するバックプレートと前記センターポールを取り巻くように前記両プレート間に狭持されたリング状マグネットとを備えた磁気回路と、前記センターポールと前記トッププレートとの間に形成される磁気空隙内に配設されるボイスコイルと、このボイスコイルの先端に連結されるコーン型の振動板と、前記磁気回路と前記振動板を所定の位置に支持するフレームとから主に構成され、前記ボイスコイルに電流を流すと前記ボイスコイルに力が作用し、前記ボイスコイルの動きに連動して前記振動板が振動することによって音を発する、所謂、動電型スピーカ(コーンスピーカ)からなる。
【0022】
そして、かかるスピーカ224は、その前記振動板が図示しない枠体の開口に臨むように前記枠体内に収納されているため、スピーカ224の前方に出る音はスピーカ224の裏から回り込む音によって打ち消されないようになっている。なお、図3中、224a,224bはスピーカ224の前記ボイスコイル両端部にそれぞれ電気的に接続された一対の電気コード(信号線)であり、各電気コード224a,224bの末端部は、雄型コネクタ223bに挿入固定されている。
【0023】
図3は、図1中、A−A線に沿った車両用情報提供装置100(第3の指針式表示部103)の断面図を示しており、以下、第3の指針式表示部103の構成について詳細説明を行う。なお、第1,第2の指針式表示部101,102の構成は第3の指針式表示部103の構成と略同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0024】
第3の指針式表示部103は、回路基板301と、この回路基板301に導通装着され回転軸302が前方に延びる駆動装置303と、回転軸302にて回転駆動される指針304と、この指針304の背後に位置して回路基板301上に配設される指標板305と、指針304と指標板305を露出させるための見返し部材306と、この見返し部材306の前方側に配置される透視パネル307とから構成されている。
【0025】
回路基板301は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、聴覚情報提供手段220を制御する制御手段202と、駆動装置303を駆動・制御する駆動手段204と、音/音声合成手段221と、アンプ222と、スピーカ224と接続されることでスピーカ224に駆動用電力を供給するための雌型コネクタ223aと、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)とが前記配線パターンに導通接続されている。
【0026】
駆動装置303は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回転軸302が回路基板301を貫通するように、その主要部が回路基板301の背後に装着され、且つ半田付け等の適宜導通手段により前記配線パターン(駆動手段204)に電気接続される。
【0027】
指針304は、合成樹脂からなり、その回転中心部はカバー(キャップ)にて覆われている。
【0028】
指標板305は、PC等の合成樹脂からなり、略薄板状に形成され、その表面には指針304の指示する目盛,数字等からなる指標部305aが形成されている。この場合、指標部305aは指針304の回転軌道に沿って円弧状に配列されている。
【0029】
見返し部材306は、例えば黒色の合成樹脂からなり、指針304、指標板5の指標部305aを前記利用者にそれぞれ露出する開口部306aを備えている。なお、306bは、スピーカ224を収納するための収納部であり、この収納部306bは、図3中、下方に位置する開口部306aの内壁面から略「L」字状にに延び、スピーカ224を覆うように構成される。
【0030】
透視パネル307は、透光性合成樹脂からなり、見返し部材306の前方を覆う被覆部材としての機能を有している。透視パネル307は、表示部D1によって表示される情報、並びに各指針式表示部D2の指針と指標板を前記利用者に対して視認可能に構成されている。そして、スピーカ224の前方となる透視パネル307箇所には、スピーカ224の発する音(音声)を前記車室に伝えるための音伝達部104が形成されている。この場合、音伝達部104は、スピーカ224に近接して配設されている。
【0031】
そして、かかる車両用情報提供装置100は、図2に示すように多重通信ライン230を介して走行制御装置231と操作手段232とに接続されている。
【0032】
次に、車両用情報提供装置100の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から、走行制御(オートクルーズ、レーンキープ)に関する車両状態、アラーム情報、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関する情報を入手し、この情報に基づいてオートクルーズ、レーンキープに関する車両状態報知、アラーム出力、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関するガイダンス、アンサーバックを、聴覚情報提供手段220のスピーカ224を介して効果音と音声(と表示部D1の画像)で行う。
【0033】
ここで、前記アラーム情報を例に挙げて制御手段202の入力時の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から車両に関する情報を入手し、この情報に基づいて警告の発生条件があるか否か判定する。ここで警告の発生条件を検出すると警告情報を聴覚情報提供手段220で効果音と音声とで報知するとともに、前記警告情報に関係する表示形態を表示部D1によって表示する。図4は、その具体例を示すものであり、制御手段202は、シートベルトが未着用(未装着)であることを示す検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」を出力するように聴覚情報提供手段220を制御する。なお、ここでは表示部D1を介して視覚情報も併用している。
【0034】
以上のように本実施形態では、前記利用者に所定情報を表示するための表示手段D1(D2)と、この表示手段D1(D2)の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネル307と、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220とを有する車両用情報提供装置100において、聴覚情報提供手段220は表示手段D1(D2)と透視パネル307との間に配設されたスピーカ224を有し、透視パネル307にスピーカ224から発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部104を形成してなるものである。従って、スピーカ224の音がこれに近接配置された複数の孔部からなる音伝達部104を通過して前記利用者(前記車室内)に直接、伝達される構成となるため、元来、スピーカ224の持っている音が劣化することなく前記利用者に聴覚情報(例えば警告情報)として与えられ、これにより音響特性の良好な車両用情報提供装置を提供することが
できる。
【0035】
また本実施形態では、音伝達部104が透視パネル307に開口形成された複数の微小孔部からなることによって、既存の透視パネルを用いてスピーカの音を容易に利用者に伝えることが可能となる。
【0036】
また本実施形態では、スピーカ224が音伝達部104に近接して配置されていた例について説明したが、スピーカ224はスピーカ224の音が劣化されることなく前記利用者に伝達されるものであれば、表示手段D1(D2)と透視パネル307との間に形成される間隙部分において任意の位置に配設することが可能であり、例えば音伝達部104から所定間隔離れた位置にスピーカ224を配設してもよい。
【0037】
(第2実施形態)次に、図5,図6を用いて、本発明の第2実施形態を説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この第2実施形態が前記第1実施形態と比べ異なる点は、スピーカ224を透視パネル307の背後となる回路基板301上に直接、搭載するとともにスピーカ224と透視パネル307の音伝達部104との間にスピーカ224の音を音伝達部104に導く例えば筒状の合成樹脂材や金属材からなる導音部材225を配設した点である。かかる第2実施形態においても、スピーカ224の音は導音部材225内を通過して音伝達部104に導かれ、この音がさらに音伝達部104をも通過して前記利用者に伝達される構成となるため、元来、スピーカ224の持っている音が劣化することなく前記利用者に聴覚情報(例えば警告情報)として与えられ、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
(第3実施形態)次に、図7を用いて、本発明の第3実施形態を説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この第3実施形態が前記第1実施形態と比べ異なる点は、透視パネル307の前方に透視パネル307の外周部のみを隠蔽するバイザー308を配設するとともにバイザー308に音伝達部104を形成し、さらに音伝達部104に近接するようにスピーカ224を配設した点である。かかる第3実施形態においてもスピーカ224の音がこれに近接配置されたバイザー308の音伝達部104を通過して前記利用者(前記車室内)に直接、伝達される構成となるため、前記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
(第4実施形態)次に、図8を用いて、本発明の第2実施形態の変形例である第4実施形態を説明するが、前述した第2実施形態と同一もしくは相当個所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この第4実施形態が前記第2実施形態と比べ異なる点は、透視パネル307の前方に透視パネル307の外周部のみを隠蔽するバイザー308を配設するとともにバイザー308とスピーカ224との間に導音部材225を配設した点である。かかる第4実施形態においても、スピーカ224の音は導音部材225内を通過してバイザー308の音伝達部104に導かれ、この音がさらに音伝達部104をも通過して前記利用者に伝達される構成となるため、前記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
また前記第2,第4実施形態では、スピーカ224が透視パネル307側となる回路基板301の表面に搭載された場合について説明したが、例えばスピーカ224を回路基板301の裏面に搭載してもよい。なお、この場合は、導音部材225は回路基板301を貫通するように配設し、さらに導音部材225を回路基板301の背後で迂回させる必要がある。つまり、このとき導音部材225は、略「J」字状に形成されることになる。
【0041】
また前記第2,第4実施形態では、スピーカ224が回路基板301上に搭載された場合について説明したが、例えばスピーカ224を接続部材を介して回路基板301の前方側に配設し、スピーカ224と音伝達部104との間に導音部材225を配設してもよい。
【0042】
なお前記第2,第4実施形態では、導音部材225から出る音を孔部からなる音伝達部104を通じて前記利用者に伝える例について説明したが、このように導音部材225を採用する場合には音伝達部104を形成しなくてもよい。
【0043】
また前記各実施形態ではスピーカ224を用いてスピーカ224の音が前記利用者に直接、伝達される場合について説明したが、例えばスピーカの代わりにブザーを用いてブザーの音を前記利用者に直接、伝えるようにしてもよい。
【0044】
また前記各実施形態では、透視パネル307またはバイザー308に複数の微小孔部からなる音伝達部104を設けた場合について説明したが、音伝達部104の開口形状は任意であり、例えば透視パネル307またはバイザー308に複数のスリットを形成してもよいし、透視パネル307またはバイザー308にスピーカ224全体を臨ませるような開口窓部を形成してもよい。
【0045】
なお前記各実施形態では、透視パネル307またはバイザー308に音伝達部104を形成した例について説明したが、例えば透視パネル307またはバイザー308ではなく見返し部材306に音伝達部104を設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、聴覚情報提供手段を利用した車両用情報提供装置に関し、車両情報を提供する車両用計器のみならず、車両に搭載されるマルチディスプレイ装置等の車両用情報提供装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用情報提供装置の概観図である。
【図2】同実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。
【図3】同実施形態による車両用情報提供装置の断面図である。
【図4】同実施形態による警告情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。
【図6】同第2実施形態による車両用情報提供装置の断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による車両用情報提供装置の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による車両用情報提供装置の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
100 車両用情報提供装置
104 音伝達部
202 制御手段
204 駆動手段
220 聴覚情報提供手段
221 音/音声合成手段
222 アンプ
223 接続部材
224 スピーカ
225 導音部材
301 回路基板
306 見返し部材
307 透視パネル
D1,D2 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記表示手段と前記透視パネルとの間に配設されたブザーもしくはスピーカを備え、
前記透視パネルに前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、この透視パネルの一部を覆い隠すように前記透視パネルの前方に配設されたバイザーと、前記前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記表示手段と前記バイザーとの間に配設されたブザーもしくはスピーカを備え、
前記バイザーに前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項3】
前記表示手段の背後には前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段を備えた回路基板が配設され、前記回路基板と前記ブザーもしくは前記スピーカとは接続部材を介して接続されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用情報提供装置。
【請求項4】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記透視パネルの背後に配設されたブザーもしくはスピーカと、
前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記透視パネル側に導く導音部材とを備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項5】
前記透視パネルに前記導音部材から出る音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
【請求項6】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記車両用情報提供装置は前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記所定情報を前記利用者に透視可能とする透視パネルと、この透視パネルの一部を覆い隠すように前記透視パネルの前方に配設されたバイザーと、前記前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は少なくとも前記バイザーの背後に配設されたブザーもしくはスピーカと、
前記ブザーもしくは前記スピーカから発せられる音を前記バイザー側に導く導音部材とを備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項7】
前記バイザーに前記導音部材から出る音を前記利用者側に伝達するための音伝達部を形成してなることを特徴とする請求項6記載の車両用情報提供装置。
【請求項8】
前記表示手段の背後には前記聴覚情報提供手段を制御する制御手段を備えた回路基板が配設され、前記前記ブザーもしくは前記スピーカは前記回路基板上に配設されてなることを特徴とする請求項4から請求項7のうちいずれか1つに記載の車両用情報提供装置。
【請求項9】
前記音伝達部が前記透視パネルもしくは前記バイザーに開口形成された孔部からなることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1つに記載の車両用情報提供装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−36096(P2006−36096A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220984(P2004−220984)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】