説明

車両用警報装置

【課題】電動シートの各部位を作動させるために予め設けられているモータを利用して運転者に振動による警報を発する構成とすることにより、新たに追加する部品を抑えて、コストを低減すると共に搭載スペースの問題も解消する。
【解決手段】車両の車線逸脱予知・検知手段あるいは/および運転者の居眠り検知手段を含む危険検知手段と、前記危険検知手段からの検知信号を受信すると正逆回転信号を出力し、電動シートを作動するモータを正逆回転させて前記電動シートに警報用振動を発生させる警報用モータ制御手段と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用警報装置に関し、詳しくは、車両が車線から逸脱するおそれがある場合や、運転者が居眠りをしている場合に、電動シートを作動させるためのモータを用いて電動シートに振動を発生させて運転者に警報を発するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両が車線から逸脱するおそれがある場合や、運転者が居眠りをしている場合に、メータ表示部への表示による警告、音声による警告あるいは/および振動による警告により、運転者に危険を知らせる種々の車両用警報装置が提供されている。
例えば、この種の警報装置として、特開2001−341599号公報(特許文献1)において、危険が検知されたときにシートクッション部、シートバック部、フロアカーペット部に設けたバイブレータを振動させることにより運転者に警報を発する警報装置が提供されている。
このような振動により警報を発する警報装置であると、音声による警告と異なり運転者以外の同乗者には認識されないため、警報により運転者以外の同乗者に不快感を与えることがないという利点がある。
【0003】
しかしながら、特許文献1で提供されている車両用警報装置では、振動を発生させるためのバイブレータ等のアクチュエータを新たに設ける必要がある。特に、シートには快適性を向上させるための電装品が増加する傾向にあり、前記アクチュエータや該アクチュエータをシートに固定するためのブラケットを搭載するスペースを確保するのが困難であるという問題がある。
また、新たにアクチュエータを追加するため、アクチュエータ、ブラケット、配線およびコネクタ等の新規材料費やその加工費が必要となり、コスト高となる問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−341599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、電動シートを作動させるために予め設けられているモータを利用して運転者に振動による警報を発する構成とすることにより、新たに追加する部品を抑えて、コストを低減すると共に搭載スペースの問題も解消することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、車両の車線逸脱予知・検知手段あるいは/および運転者の居眠り検知手段を含む危険検知手段と、
前記危険検知手段からの検知信号を受信すると正逆回転信号を出力し、電動シートを作動するモータを正逆回転させて前記電動シートに警報用振動を発生させる警報用モータ制御手段と、
を備えていることを特徴とする車両用警報装置を提供している。
【0007】
本発明の車両用警報装置によれば、危険検知手段により車両の車線逸脱の危険性あるいは運転者の居眠り等が検知されると、警報用モータ制御手段により電動シートを前後へスライドさせたりリクライニングさせるために設けたモータを繰り返し正逆回転させて電動シートに振動を与えるため、この振動が運転者への警報となり、運転者に危険を知らせることができる。
本発明では、運転者への警報のために電動シートを振動させているが、この振動を生じさせるために、電動シートをスライドさせたりリクライニングさせたりするために予め設けられたモータを利用しているため、電動シートに振動を生じさせるために新たなアクチュエータを搭載する必要がない。よって、新たに追加する部品を抑えてコストを低減できると共に、電動シートの限られたスペース内にアクチュエータ等の新たな部品を搭載するためのスペースを設ける必要がなく、設計を容易にすることができる。
【0008】
前記危険検知手段による危険検知時に前記警報用モータ制御手段で駆動されるモータは、スライドモータ、リクライニングモータ、リフターモータ、フロントバーチカルモータ、ランバーモータ、クッション長可変モータ、ヘッドレスト上下モータのうちの1つ又は複数個であることが好ましい。
前記モータの中では、スライドモータまたはリクライニングモータにより電動シートを振動させることが運転者に危険を確実に知らせるには効果的であり、また、必要に応じて1つのモータに限らず、複数のモータを同時に正逆回転させて電動シートの複数部位を振動させてもよい。
【0009】
なお、スライドモータとは、電動シートを前後方向にスライドさせるモータである。
リクライニングモータとは、背もたれの傾斜角度を調整するためのモータである。
リフターモータとは、クッション部の高さを調整するためのモータである。
フロントバーチカルモータとは、クッション部の傾斜角度を調整するためのモータである。
ランバーモータとは、背もたれのランバーサポートの位置を調整するためのモータである。
クッション長可変モータとは、クッション部の長さを調整するためのモータである。
ヘッドレスト上下モータとは、ヘッドレストの上下高さを調整するためのモータである。
【0010】
電動シートが前記モータにより位置制御される各部位の位置を記憶するポジションメモリーECUを備えていない場合には、前記電動シートに前記警報用モータ制御手段となる警報制御ボックスを設け、該警報制御ボックス内に前記モータを正逆回転させるスイッチング回路と、前記危険検知手段からの検知信号を受信して前記スイッチング回路に正逆回転信号を送信する警報回路とを設けていることが好ましい。
なお、前記モータ制御手段は単体で設けた警報制御ボックスに限らず、電動シートを操作するためのスイッチ装置や該スイッチ装置とモータとを接続するコネクタに一体に設けてもよい。
【0011】
電動シートが、前記モータにより位置制御される電動シートの各部位の位置を記憶するポジションメモリー部を有するポジションメモリーECUを備えている場合には、該ポジションメモリーECUに、前記モータを正逆回転させるスイッチング回路と前記危険検知手段からの検知信号を受信して前記スイッチング回路に正逆回転信号を送信する警報回路からなる前記警報用モータ制御手段を設け、
前記スイッチング回路は前記ポジションメモリー部から位置情報を取得すると共に前記警報回路より正逆回転信号を受信して前記モータを正逆回転させることが好ましい。
前記構成によれば、警報用モータ制御手段のために新たなボックスを設ける必要がなくなり、コストの低減および省スペース化を図ることができる。
【0012】
前記スイッチング回路は、前記ポジションメモリー部より電動シートの振動発生部位が作動範囲の限界位置に近接する位置であることを受信すると、前記振動発生部位を前記限界位置から所定の振動幅よりも離れた位置に退避させてから前記モータを正逆回転させる制御を行うことが好ましい。
前記電動シートの振動部位が警報時の振動幅よりも作動範囲の限界位置に近接する位置にある状態で振動させてしまうと、振動した部位が作動範囲の限界位置、即ちロック位置で作動範囲を規制している部材と干渉したり、振動した部位がロックされてしまい、運転者に過剰な不快感を与えてしまうと共に過大な音が発生して運転者以外の乗員に不快感を与えてしまう。よって、このような場合には、電動シートを作動範囲の限界位置から振動幅よりも離れた位置に一旦退避させてから電動シートを振動させることにより、運転者や他の乗員に不快感を与えないようにしている。
【0013】
具体的には、前記モータが電動シートを前後方向にスライドさせるスライドモータであり、
前記電動シートのクッション部が、前記警報時の振動幅よりも作動範囲の限界位置である前端あるいは後端に近接する位置にあると前記ポジションメモリー部により認識された場合には、前記警報用モータ制御手段により前記クッション部を前記前端あるいは後端から振動幅よりも離れた位置に退避させてから前記スライドモータを正逆回転させて振動させる構成としていることが好ましい。
【0014】
電動シートを前後方向にスライドさせるためのモータはほぼ全ての電動シートに設けられているため、スライドモータにより電動シートを振動させる警報装置は汎用性が高く、かつ、運転者が座っている電動シート自体を前後に振動させるため、運転者に確実に危険を知らせることができる。
【0015】
前記警報用モータ制御手段により、前記モータの回転方向を1秒間に1〜40回切り替え、前記電動シートの振動発生部位の振動幅を1〜50mmの範囲に制御していることが好ましい。
前記モータの1秒間における回転方向の切り替えが1回より少なかったり、40回より多かったりすると、運転者に早急に危険を知らせることができないからである。
また、前記振動部位の振動幅が1mmより小さいと運転者に確実に危険を知らせることができないからであり、前記振動部位の振動幅が50mmより大きいと運転者が正常な状態で運転できなくなり、かえって運転時の安全に支障をきたすからである。
【発明の効果】
【0016】
前述したように、本発明によれば、危険検知手段により車両の車線逸脱の危険性あるいは運転者の居眠り等が検知されると、警報用モータ制御手段により電動シートを前後へスライドさせたりリクライニングさせるために設けたモータを繰り返し正逆回転させて電動シートに振動を与えるため、この振動が運転者への警報となり、運転者に危険を知らせることができる。
このように、電動シートに振動を生じさせるために、電動シートをスライドさせたりリクライニングさせたりするために予め設けられたモータを利用しているため、電動シートに振動を生じさせるために新たなアクチュエータを搭載する必要がない。よって、新たに追加する部品を抑えてコストを低減できると共に、電動シートの限られたスペース内にアクチュエータ等の新たな部品を搭載するためのスペースを設ける必要がなく、設計を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に、本発明の第1実施形態を示す。
本実施形態の車両用警報装置10(以下、警報装置10と称す)は、自動車の運転席の電動シート11を前後方向にスライドさせるためのスライドモータ12を短時間のうちに繰り返し正逆回転させることにより、電動シート11を前後方向に振動させて、この振動により運転者に危険を知らせるものである。
【0018】
本実施形態の電動シート11は、電動シート11の前後方向の位置や背もたれの傾斜角度といった各部位の位置を記憶するポジションメモリーECUを備えておらず、スライドモータ12の正逆回転を制御するための警報制御ボックス13を設けている。該警報制御ボックス13は、スライドモータ12を正逆回転させるスイッチング回路13aと、後述する危険検知手段からの検知信号を受信してスイッチング回路13aに正逆回転信号を送信する警報回路13bを備えている。
前記警報制御ボックス13は、図2に示すように、電動シート11の各部位の作動を運転者が操作するためのスイッチ装置14とスライドモータ12との間に介設しており、また、危険検知手段を構成する警報発生判断ボックス15と信号線16を介して接続している。
【0019】
車両の車線逸脱の危険性を検知する危険検知手段は、前記警報発生判断ボックス15と、該警報発生判断ボックス15に接続されたカメラ17および車速センサ18からなり、警報発生判断ボックス15、カメラ17および車速センサ18はいずれも車両側に配置されている。
警報発生判断ボックス15は、画像処理部15aと判断処理部15bを備え、画像処理部15aにおいてカメラ17で撮影された走行車両前方の映像が画像処理されて車線が認識され、この車線情報と車速センサ18で検出された車速情報から判断処理部15bにより車両の車線逸脱の危険性が判断される。判断処理部15bは、前記車線情報と車速情報から、車速が時速50km以上で、かつ、約1秒後に車線より逸脱すると判断した場合に危険性を検知し、検知信号を警報制御ボックス13へ送信する。
【0020】
警報制御ボックス13が前記検知信号を受信すると、警報制御ボックス13の警報回路13bにより正逆回転信号が発生し、該正逆回転信号を受信したスイッチング回路13aによりスライドモータ12が繰り返し正逆回転するように制御される。本実施形態では、スライドモータ12の回転方向が1秒間に7回等間隔で切り替えられ、前後方向の振動幅を1mmとしているため、電動シート11が前後方向に振動し、この振動が警報となって運転者に危険が知らされる。
【0021】
なお、電動シート11には、リクライニングモータ21、リフターモータ22、フロントバーチカルモータ23、ランバーモータ24、クッション長可変モータ25、ヘッドレスト上下モータ26も搭載されており、それぞれ警報制御ボックス13を介さずにスイッチ装置14に直接接続されている。
前記検知信号が発せられていない通常時には、運転者がスイッチ装置14を操作することによりスライドモータ12および前記モータ21〜26が回転し、電動シート11の所要部位が移動する構成としている。
【0022】
次に、前記警報装置10の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、車両の走行を開始すると、カメラ17により走行車両の前方が撮影されると共に、車速センサ18により車両の車速が測定される(ステップS1)。
次いで、警報発生判断ボックス15の画像処理部15aによりカメラ17で撮影された映像が画像処理されて車線が認識される(ステップS2)。
次いで、警報発生判断ボックス15の判断処理部15bで、画像処理部15aによる車線情報と車速センサ18で検出された車速情報から車両の車線逸脱の危険性が判断される(ステップS3)。ここで、車速が時速50km以上で、かつ約1秒後に車両が車線より逸脱すると判断された場合には危険性を検出し、検知信号が警報制御ボックス13へ送信される(ステップS4)。
次いで、警報制御ボックス13の警報回路13bが前記検知信号を受信すると、警報回路13bにより正逆回転信号が発生する(ステップS5)。
そして、前記正逆回転信号を受信したスイッチング回路13aによりスライドモータ12が繰り返し正逆回転するように制御され、電動シート11が前後方向に振動し、この振動が警報となって運転者に危険が知らされる(ステップS6)。
【0023】
前記構成によれば、車両の車線逸脱の危険性が検知されると、警報制御ボックス13によりスライドモータ12が繰り返し正逆回転するように制御され、電動シート11が振動するため、この振動が運転者への警報となり、運転者に危険を知らせることができる。
また、運転者への警報のために電動シート11を振動させているが、この振動を生じさせるために、電動シート11をスライドさせるために予め設けられたスライドモータ12を利用しているため、電動シート11に振動を生じさせるための新たなアクチュエータを搭載する必要がない。よって、新たに追加する部品を抑えてコストを低減できると共に、電動シート11の限られたスペース内にアクチュエータ等の新たな部品を搭載するためのスペースを設ける必要がなく、設計を容易にすることができる。
なお、本実施形態では、スライドモータ12を正逆回転させて電動シート11を振動させているが、他のリクライニングモータ21、リフターモータ22、フロントバーチカルモータ23、ランバーモータ24、クッション長可変モータ25、ヘッドレスト上下モータ26のいずれかを正逆回転させて電動シート11の所要部位を振動させてもよい。
また、警報のために正逆回転させるモータは1つに限らず、複数のモータを正逆回転させて、電動シート11の複数部位を振動させてもよい。
【0024】
図4及び図5に、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態の電動シート11は、モータにより位置制御される各部位の位置を記憶するポジションメモリーECU30を備えており、該ポジションメモリーECU30に、ポジションメモリー部30aと、第1実施形態と同様の構成からなる警報回路30bと、スイッチング回路30cを設けている。即ち、本実施形態では、警報時にスライドモータ12を正逆回転させる警報用モータ制御手段を設けるために新たなボックスを不要としている。
【0025】
前記ポジションメモリーECU30の警報回路30bが警報発生判断ボックス15から検知信号を受信すると、該警報回路30bがスイッチング回路30cに正逆回転信号を送信する。
前記正逆回転信号を受信したスイッチング回路30cは、ポジションメモリー部30aより電動シート11の位置情報を受信する。
このとき、電動シート11が、図5(A)に示すように、警報時の振動幅Lよりも作動範囲の限界位置である後端R(図5の後端Rは、電動シート11が後端位置でロックされたときのクッション部の後端位置を示す)に近接する位置にあることが検知された場合には、図5(B)に示すように、スイッチング回路30aにより電動シート11を後端Rから振動幅Lよりも離れた位置に退避させてからスライドモータ12を正逆回転させて振動させて警報を発している。
なお、電動シート11の退避距離は振動幅L以上としている。
また、電動シート11が振動幅Lよりも作動範囲の限界位置である前端に近接する位置にある場合にも、同様に退避動作を行ってから振動させている。
【0026】
前記構成によれば、スライドモータ12を正逆回転させる警報用モータ制御手段のために新たなボックスを設ける必要がなくなり、コストの低減および省スペース化を図ることができる。
また、電動シート11を作動範囲の限界位置から離れた位置に一旦退避させてから電動シート11を振動させているため、電動シート11が作動範囲の限界位置、即ちロック位置で作動範囲を規制している部材と干渉したり、振動中にロックされるのを防止でき、過剰な振動や過大な音が発生するのを防止でき、運転者や他の乗員に不快感を与えることがない。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
図6に、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、危険検知手段により運転者の居眠りを検知し、電動シートを振動させて警報を発する構成としている。
【0028】
前記危険検知手段は、運転者を撮影する室内カメラ19と、警報発生判断ボックス15からなる。
警報発生判断ボックス15の画像処理部15aにおいて室内カメラ19で撮影された運転者の眼球の動きや運転者の姿勢等が認識され、この運転者情報から判断処理部15bにより運転者が居眠りしているか判断される。判断処理部15bにより運転者が居眠りしていると判断された場合に検知信号を警報制御ボックス13へ送信する。該検知信号を受けた警報制御ボックス13は前記実施形態と同様スライドモータ12を正逆回転させて電動シートを振動させることにより運転者に警報を発する。
【0029】
なお、運転者の居眠りを検知する手段はカメラによるものに限らず、運転者の脈波を測定する等の他の手段であってもよい。
また、第1、第2実施形態の車線逸脱の危険性を検出する危険検出手段と本実施形態の居眠り検出手段を併用してもよい。
さらに、第2実施形態のように、電動シートにポジションメモリーECUを設け、振動による警報を発する前に電動シートの退避動作を行う構成としてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態の電動シートを示す斜視図である。
【図2】車両用警報装置のブロック図である。
【図3】車両用警報装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態の車両用警報装置のブロック図である。
【図5】(A)は電動シートを退避動作させる前の状態を示す図面、(B)は退避動作後の状態を示す図面である。
【図6】第3実施形態の車両用警報装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
10 車両用警報装置
11 電動シート
12 スライドモータ
13 警報制御ボックス
14 スイッチ装置
15 警報発生判断ボックス
17 カメラ
18 車速センサ
19 室内カメラ
21 リクライニングモータ
22 リフターモータ
23 フロントバーチカルモータ
24 ランバーモータ
25 クッション長可変モータ
26 ヘッドレスト上下モータ
30 ポジションメモリーECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車線逸脱予知・検知手段あるいは/および運転者の居眠り検知手段を含む危険検知手段と、
前記危険検知手段からの検知信号を受信すると正逆回転信号を出力し、電動シートを作動するモータを正逆回転させて前記電動シートに警報用振動を発生させる警報用モータ制御手段と、
を備えていることを特徴とする車両用警報装置。
【請求項2】
前記危険検知手段による危険検知時に前記警報用モータ制御手段で駆動されるモータは、スライドモータ、リクライニングモータ、リフターモータ、フロントバーチカルモータ、ランバーモータ、クッション長可変モータ、ヘッドレスト上下モータのうちの1つ又は複数個である請求項1に記載の車両用警報装置。
【請求項3】
前記電動シートに前記警報用モータ制御手段となる警報制御ボックスを設け、該警報制御ボックス内に前記モータを正逆回転させるスイッチング回路と、前記危険検知手段からの検知信号を受信して前記スイッチング回路に正逆回転信号を送信する警報回路とを設けている請求項1または請求項2に記載の車両用警報装置。
【請求項4】
前記モータにより位置制御される電動シートの各部位の位置を記憶するポジションメモリー部を有するポジションメモリーECUを備え、該ポジションメモリーECUに、前記モータを正逆回転させるスイッチング回路と前記危険検知手段からの検知信号を受信して前記スイッチング回路に正逆回転信号を送信する警報回路からなる前記警報用モータ制御手段を設け、
前記スイッチング回路は前記ポジションメモリー部から位置情報を取得すると共に前記警報回路より正逆回転信号を受信して前記モータを正逆回転させる請求項1または請求項2に記載の車両用警報装置。
【請求項5】
前記スイッチング回路は、前記ポジションメモリー部より電動シートの振動発生部位が作動範囲の限界位置に近接する位置であることを受信すると、前記振動発生部位を前記限界位置から所定の振動幅よりも離れた位置に退避させてから前記モータを正逆回転させる制御を行う請求項4に記載の車両用警報装置。
【請求項6】
前記警報用モータ制御手段により、前記モータの回転方向を1秒間に1〜40回切り替え、前記電動シートの振動発生部位の振動幅を1〜50mmの範囲に制御している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−260444(P2008−260444A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105507(P2007−105507)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】