説明

車両部品用上下支持機構

【課題】ばねの弓なり変形が生じず、車両部品に加わる上下方向の衝撃を効果的に低減することができる上下支持機構を提供する。
【解決手段】車両部品1に設けられる車両部品側ブラケット15と、車体10aに設けられる車体側ブラケット14g、14hと、車両部品側ブラケット15と車体側ブラケット14g、14hの間に設けられ、夫々の径が異なる第一ばね7及び第二ばね8とを有する上下支持機構2aにおいて、第一ばね7及び第二ばね8に、車両部品側ブラケット15及び車体側ブラケット14g、14hに支持されるピン16が挿通される。ピン16の外径は、第一ばね7に挿通する部分は第一ばね7の内径より小さく、第二ばね8に挿通する部分は第二ばね8の内径より小さく、車体に対して上下方向に、車両部品と連動可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両部品を車体に弾性的に支持するための車両部品用上下支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、一般に車体と、車体に取付けられる制御盤等が収められた車両部品を有する。車両部品の多くは、走行時や荷物の積み下ろしの際に生じる衝撃が車体から車両部品に伝わらないように車体に支持されることが好ましい。従来、車体からの衝撃を低減しつつ部品を本体に支持し得る車両部品用支持装置が知られている(例えば、特許文献1)。このものは、車両部品を車体に対して上下方向に弾性的に支持する車両部品用上下支持機構を有する。
【0003】
この車両部品用上下支持機構は、車両部品に設けられる上下一対の車両部品側ブラケットと、車体に設けられる車体側ブラケットを備えている。そして、上側の車両部品側ブラケットと車体側ブラケットとの間には第一ばねが設けられ、車体側ブラケットと下側の車両部品側ブラケットととの間には第一ばねと略同軸上に第二ばねを有する。第一ばねは、車両部品の重さや車両走行中の車体上方への衝撃により圧縮方向の力を受けて弾性変形する。第二ばねは車両走行中の車体下方への衝撃によって圧縮方向の力を受けて弾性変形する。それぞれのばねの弾性変形により、車体から車両部品への衝撃を軽減する。また、第二ばねは通常は自然長で車両部品が車体に対して上方へ移動した際にのみ弾性変形して上方への衝撃を軽減する。また、第一ばねは車両部品の重さによる圧縮方向の力を受けているため、第一ばねの径が第二ばねの径よりも大きくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3157951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の構成による車両部品用上下支持機構においては、一般的に第一ばねもしくは第二ばねの縮み代もしくは伸び代を大きくするために、ばねの径に対してばねの長さを長くする。このような第一ばね、第二ばねでは、車両に衝撃が加わり第一ばねもしくは第二ばねに圧縮方向の力が加わった時、ばねの変形が圧縮方向に対して一直線である正常状態ではなく、圧縮方向に対して円弧状となってしまう、いわゆる弓なり変形となってしまう場合がある。このように、第一ばねもしくは第二ばねに弓なり変形が生じてしまうと、ばねの弾性変形による衝撃低減機能を十分に発揮できない虞がある。
【0006】
一方、前記弓なり変形を防止するために、第一ばねと第二ばねの内側に棒状の部材を挿通させる方法が考えられる。これにより、ばねが弓なり変形しようとした時に、ばねの内側に棒状の部材の外周部分が当接することになり、前記弓なり変形を防止することができる。
しかし、ばねの弓なり変形を効果的に防止しようとすると、棒状の部材をばねの径に対応させた径にする必要がある。このように棒状の部材の径を第一ばねと第二ばねのそれぞれの径に対応させた径とすると、必然的に棒状の部材には、前記第一ばねに対応する部分と、前記第二ばねに対応する部分において段差部分が存在することとなる。棒状の部材を車体側ブラケット等の車体の部分に固定すると段差部分が車体側ブラケット等と干渉し、第一ばね、第二ばねのうち、特に径が大きい第一ばねの弾性変形の阻害となる。したがって、上述のような第一ばね、第二ばねの径の異なる車両部品用上下支持機構では衝撃を効果的に低減することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は夫々の径が異なる第一ばね及び第二ばねを使用した上下支持機構において、第一ばねもしくは第二ばねの弓なり変形を防止して車両部品に加わる上下方向の衝撃を効果的に低減することができる車両部品用上下支持機構の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、車両部品を車体に弾性的に支持するために前記車両部品に設けられる車両部品側ブラケットと、前記車体に設けられる上下一対の車体側ブラケットと、下側の前記車体側ブラケットと前記車両部品側ブラケットとの間に設けられる第一ばねと、前記車両部品側ブラケットと上側の前記車体側ブラケットとの間に設けられる第二ばねと、を有し、前記第一ばねの径が前記第二ばねの径よりも大きい車両部品用上下支持機構において、前記第一ばね及び前記第二ばねには、前記車両部品側ブラケット及び前記車体側ブラケットに支持される棒状のガイド部材が挿通され、前記ガイド部材の外径は、前記第一ばねに挿通する部分は第一ばねに対応した径を有し、前記第二ばねに挿通する部分は第二ばねに対応した径を有し、前記第一ばねに挿通する部分と前記第二ばねに挿通する部分の径は異なり、前記ガイド部材は、車体に対して上下方向に、前記車両部品の移動と連動可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、車体に対して上下方向に、車両部品と連動可能に設けた棒状のガイド部材が第一ばね及び第二ばねに挿通されている。そして、棒状のガイド部材は、第一ばねに挿通する部分は第一ばねに対応した径を有し、第二ばねに挿通する部分は第二ばねに対応した径を有している。そのため、車両部品の自重により、もしくは車両走行中の車体への衝撃等によって、第一ばねもしくは第二ばねが圧縮変形する時に弓なりに変形しようとしても、第一ばね及び第二ばねは、前記ガイド部材との当接によりその正常な状態の圧縮方向に案内される。これにより、前記第一ばねもしくは第二ばねの弓なり変形を防止することができる。
ここで、第一ばね又は第二ばねに対応した径とは、第一ばね又は第二ばねよりもわずかに小さい径であり、第一ばね又は第二ばねが正常な状態で圧縮変形した際に、変形を妨げることが無く、第一ばね又は第二ばねが弓なり変形を防止することができる径をいう。
また、ガイド部材は車体に対して上下方向に、車両部品の移動と連動可能に支持されている。つまり、第一ばねもしくは第二ばねが圧縮方向の力を受けて弾性変形する場合には、ガイド部材はその弾性変形に伴って、車両部品の上下運動と同時に、もしくは車両部品の上下運動と微小時間差を有しながら、上下運動に連動する。したがって、第一ばねと第二ばねの径の違いによるガイド部材の段差があったとしても、夫々のばねの弾性変形を阻害することなく、車体から車両部品に加わる上下方向の衝撃を効果的に低減することができる。
【0010】
また、本発明は、前記ガイド部材は、前記車体側ブラケットにおいて移動補助部材により支持されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、移動補助部材はガイド部材の上下方向の移動を補助するので、第一ばねもしくは第二ばねの弾性変形に伴うガイド部材における上下方向の移動が安定したものとなる。
【0012】
本発明は、請求項2に記載の発明において、前記移動補助部材は、低摩擦の樹脂であることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、移動補助部材を低摩擦の樹脂として、ガイド部材の外周に対して支持するので、ガイド部材の上下方向の移動を安定させることができる。この場合、移動補助部材を車両部品側ブラケットに設けるだけでよいのでガイド部材の移動を補助するための複雑な構成を必要としない。したがって、簡易かつ安価に、前記ガイド部材を上下方向に安定して移動させることができる。
【0014】
本発明は、前記ガイド部材は、前記第一ばねと前記第二ばねの間に設けた低摩擦性の環状部材に挿通され、前記環状部材の内径は、前記ガイド部材の外径より大きな径を持つとともに、前記車両部品側ブラケットを挟持することを特徴とする。
【0015】
本発明よれば、前記ガイド部材は第一ばねと第二ばねの間に設けられた低摩擦性の環状部材に挿通されている。ここで、車体に載置した荷の重量により、前記車体側ブラケットと前記車両部品側ブラケットとの相対的な位置関係を変化させる力が発生することがある。このような場合であっても、車両部品側ブラケットを低摩擦性の環状部材にて挟持されているので、前記ガイド部材と前記環状部材、及び前記車両部品側ブラケットと前記環状部材の当接部は低摩擦であり、滑らかにずれることができる。したがって、ガイド部材と車体側ブラケットとの間で過剰な力が発生することを防止できる。
また、ガイド部材の外周部分と環状部分の間に所定の間隔を有しているので、車体側ブラケットと車両部品側ブラケットの相対的な位置関係に変化が生じても、ガイド部材と車体側ブラケットが干渉することはない。
【0016】
本発明は、2つの低摩擦性の環状部材を嵌合して前記車両部品側ブラケットを挟持することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、前記環状部材は、2つの低摩擦性の環状部材を嵌合して構成される。そのため、2つの前記環状部材を、前記車両部品側ブラケットの上下から挟み込んで挟持し、嵌合することができる。したがって、ガイド部材と環状部材と車両部品側ブラケットの組み付けが容易となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、夫々の径が異なる第一ばね及び第二ばねを使用した車両部品用上下支持機構において、車両部品に加わる上下方向の衝撃に対して第一ばね及び第二ばねの弓なり変形が生させることなく効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両の斜視図である。
【図2】車両部品と取付ベースの側面図である。
【図3】車両部品の前側部の斜視図である。
【図4】取付ベースの正面図である。
【図5】図4の一部拡大図である。
【図6】水平支持機構の正面図である。
【図7】図2のVI―VI線断面矢視図である。
【図8】図2のVII―VII線断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、第一の実施形態に係る車両部品用支持装置について図1〜図8に基づき説明する。
図1に示すように車両10は、無人搬送車両等の産業車両であって、自動走行にて船舶用コンテナ等の荷を運搬し得る。車両10は、車体10aと、制御盤1d等が収納されている車両部品としての制御盤ユニット1と、制御盤ユニット1を車体10aに対して弾性的に支持し、衝撃が伝わることを防止する支持装置2を有する。
ここで、車両の進行方向は図1では左下方向を前とした状態を基準として、「前」、「後」、「左」および「右」を示すものとする。
【0021】
車体10aは、図1に示すように荷が載置され得る荷台10bを有する。荷台10bは、例えば荷の形状に合わせて所定箇所に上方に突出する凸部を有する。あるいは車体10aの上面全体にて平面状に形成されている。車体10aの前左右部には第一車輪(前輪)11aが設けられる。車体10aの後左右部には第二車輪(後輪)11bが設けられる。第一車輪11aの近傍には第一モータとしての走行用モータ12aと操舵用モータ13aが設けられ、第二車輪11bの近傍には第二モータとしての走行用モータ12bと操舵用モータ13bが設けられる。
【0022】
走行用モータ12a、12bは、制御盤1dに設けられた制御器によって制御されて、第一車輪11aと第二車輪11bを所定の速度で回転させる。これにより車両10は、所定の速度にて前進または後退する。操舵用モータ13a、13bは、制御盤1dの制御器によって制御されて、第一車輪11aと第二車輪11bの回転軸の向きを調整する。これにより車両10の走行方向が決定され得る。
【0023】
車体10aの左右各サイドには、図1に示すように制御盤ユニット1が取付けられる第一取付ベース14aと第二取付ベース14bが設けられる。第一取付ベース14aは、第一車輪11aの後側において車体10aの本体部から下方に延出する。第二取付ベース14bは、第二車輪11bの前側において車体10aの本体部から下方に延出する。第一取付ベース14aと第二取付ベース14bの間に制御盤ユニット1が取付けられる。
第一取付ベース14a及び第二取付ベース14bは、図2、4に示すように車体10aの本体部の下面に取付けられる取付部材14cと、取付部材14cから下方に延出する二本のベース縦部材14dと、ベース縦部材14dの下端部に取付けられるベース横部材14fと、ベース横部材14fと取付部材14cとを斜めに接続して補強する補強部材14eを有する。
【0024】
制御盤ユニット1は、図2、3に示すように制御盤ユニット枠3と複数の板部材4を有する。制御盤ユニット枠3は、水平方向に延出する複数の横材3aと、上下方向に延出する複数の縦材3bを有する。何本かの横材3aは、制御盤ユニット1の上下面にて車両前後方向に延出し、少なくとも左右端縁に位置する。何本かの横材3aは、制御盤ユニット1の上下面にて車両幅方向に延出し、少なくとも前後端縁に位置する。何本かの縦材3bは、制御盤ユニット1の左右面にて所定間隔に配され、少なくとも前後端縁に位置する。縦材3bの上下端部は、横材3aに固着されている。
【0025】
板部材4は、図2、3に示すように制御盤ユニット枠3に取付けられて、制御盤ユニット枠3内を複数の部屋(第一部屋1a〜第三部屋1c)に仕切る。第一部屋1aは、制御盤ユニット枠3の中央に位置して、板部材4によって全面が覆われる。第一部屋1aを形成する板部材4と制御盤ユニット枠3の間には、図示しないシール部材が設けられる。これにより第一部屋1aが防塵及び防水されている。そして第一部屋1aに制御盤1d等が収納されている。
【0026】
第一部屋1aの車両外側面(例えば左面)は、図2に示すように複数の下側の板部材4aと、複数の上側の板部材4bによって構成されている。下側の板部材4aは、制御盤ユニット枠3に移動不能に取付けられる。上側の板部材4bは、上端部が制御盤ユニット枠3に回転可能に取付けられ、制御盤1dを整備する際に上端部を中心に上方へ回転され得る。
【0027】
第二部屋1bは、図2に示すように第一部屋1aの前に位置し、第一部屋1aの前面を仕切る板部材4cによって第一部屋1aから仕切られる。第三部屋1cは、第一部屋1aの後ろに位置し、第一部屋1aの後面を仕切る板部材4dによって第一部屋1aから仕切られる。第二部屋1bと第三部屋1cは、第一部屋1aよりも小さく、第一部屋1aから延出する配線6が配設されている。配線6は、板部材4c、4dの下部を貫通して第一部屋1aから第二部屋1bまたは第三部屋1cに延出している。
【0028】
板部材4c、4dには、図2に示すように第一部屋1aから延出する配線6の基部6aの上方に張出す張出し部4c1、4d1が形成されている。したがって張出し部4c1、4d1によって配線6の基部6aに水が落ちることが抑制され、これにより板部材4cを伝って水が第一部屋1aに浸入することが抑制され得る。
【0029】
図3に示すように第二部屋1bの上面は、板部材4eによって覆われる。板部材4eには配線6が挿通され得る開口部4e1が形成されている。第二部屋1bの下面は、格子状の板部材4fによって構成されている。したがって第二部屋1bに浸入した水は、板部材4fから下方に排出され得る。第二部屋1bの前面は、複数の板部材4gによって仕切られる。板部材4gは、左右方向に延出して両端部が縦材3bに取付けられる。
【0030】
図3に示す制御盤ユニット1と図4に示す取付ベース14の間には、制御盤ユニット1を取付ベース14に対して弾性的に支持する支持装置2が設けられる。
【0031】
支持装置2は、図3、4に示すように上下方向の衝撃を受けて発生する振動を低減し得る車両部品用上下支持機構2a(以下、単に「上下支持機構2a」と表記する)と、左右方向(水平方向)の衝撃を受けて発生する振動を低減し得る水平支持機構2bと、前後方向の衝撃と振動を低減し得る前後支持機構2cを有する。
【0032】
上下支持機構2aは、図4に示す取付ベース14の左右に(図3に示す制御盤ユニット1の左右)に位置している。上下支持機構2aは、上下一対の上側車体側ブラケット(上側の車体側ブラケット)14g及び下側車体側ブラケット(下側の車体側ブラケット)14h、車両部品側ブラケット15、車両部品側ブラケット15を把持する環状部材20、上側車体側ブラケット14gと車両部品側ブラケット15の間に設けられる第一ばね7、及び車両部品側ブラケット15と下側車体側ブラケット14hとの間に設けられる第二ばね8とから構成されている。上下支持機構2aは更に、第一ばね7、第二ばね8に挿通される棒状のピン16を有している。また、上下支持機構2aは、振動を低減するためのダンパ9も有している。
【0033】
上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hは、垂直部から直角に延びる水平部を備えたL字型の部材であり、水平部に平行になるように車体にボルト等で締結されている。水平部には、ピン16が挿通するための孔が設けられている。
【0034】
車両部品側ブラケット15は、図3に示すように制御盤ユニット1の板部材4gにおける制御盤ユニット1の外側面の左右に、所定の間隔を有して設けられる。車両部品側ブラケット15は、H型部材である。車両部品側ブラケット15には、ピン16が挿通する孔15aが設けられる。車両部品側ブラケット15は、孔15aが設けられた面が、車体が走行する面に対して略平行となるように制御盤ユニット1にボルト等で締結される。
【0035】
第一ばね7と第二ばね8は、上下に同軸上に配置され、車両部品側ブラケット15に対して第一ばね7が下側、第二ばね8が上側に位置している。
第一ばね7は、下端部が下側車体側ブラケット14hの上面と当接し、上端部は、後述する環状鉄板部材18に当接している。同様に、第二ばね8は、上端部が上側車体側ブラケット14gの下面と当接し、下端部は環状の環状鉄板部材19aに当接している。第一ばね7と第二ばね8は、共に圧縮コイルばねであり第一ばね7及び第二ばね8は同様の材質のばねが使用されている。
第二ばね8は、第一ばね7の軸方向の長さより短い軸方向の長さを有し、第一ばね7の内径より小さい内径を有する。第二ばね8のばね定数は、第一ばね7のばね定数とほぼ同じに設定されており、より具体的には第一ばね7のばね定数との差が10%以内になるように設定されている。ここで、制御盤ユニット1が車体に支持されている状態では、第一ばね7は通常は制御盤ユニット1の重量によって圧縮変形しており、一方、第二ばね8は、通常は制御盤ユニット1等から力をほとんど受けない。したがって、第一ばね7の径が第二ばね8の径より大きくなっている。
第一ばね7は、通常は制御盤ユニット1の重量によって圧縮変形して制御盤ユニット1を下方から上方へ付勢し、車両走行中に車体10aに上方から下方への衝撃が発生し、車体10aが制御盤ユニット1に対して下方に移動した場合には第一ばね7はさらに圧縮変形して制御盤ユニット1を上方向に付勢する。
第二ばね8は、通常は力をほとんど受けず自然長(自然長の±10%以内も含む)であり、車両走行中に車体に下方から上方への衝撃が発生し、車体が制御盤ユニット1に対して上方に移動した場合には第二ばね8は圧縮変形して制御盤ユニット1を上方に付勢する。
このように、第一ばね7又は、第二ばね8が圧縮変形することによって、制御盤ユニット1を車体10aに対して弾性的に支持している。
【0036】
そして、第一ばね7と第二ばね8には、図5に示すように、ガイド部材としてのピン16が挿通されている。ピン16の長さは第一ばね7又は第二ばね8が最大に圧縮変形した時でも、上側車体側ブラケット14g又は下側車体側ブラケット14hから抜けないように、上側車体側ブラケット14gと下側車体側ブラケット14hの間の距離よりに対応した十分な長さを有している。また、ピン16は、上側車体側ブラケット14gに設けられた孔14g1、下側車体側ブラケット14hに設けられた孔14h1、及び車両部品側ブラケット15に設けられた孔15aを挿通する。
ピン16には、第一ばね7に挿通する部分である第一ばね部16aと、第二ばね8に挿通する部分である第二ばね部16bと、第一ばね部16aと第二ばね部16bの境部分にフランジ部16aが設けられている。
第一ばね部16aの外径は、第一ばね7に対応する径、すなわち、第一ばね7が弓なりに変形しようとした時、ばねの内側がピン16の外周部分に速やかに当接し、弓なり変形を防止する事が可能な程度に第一ばね7よりもわずかに小さい径を有する。同様に、第二ばね部16bの外径も、第二ばね8に対応する径、すなわち第二ばね8が弓なりに変形しようとした時、ばねの内側がピン16の外周部分に速やかに当接し、弓なり変形を防止する事が可能な程度に、第二ばね8よりもわずかに小さい径を有する。フランジ部16aは、第一ばね7の上端及び、第二ばね8の下端がフランジ部の下側端面及び上側端面に夫々当接可能な程度の外径を有する。
【0037】
第一ばね7の上端部には、第一ばね7と略同一の内径を有する環状鉄板部材18が当接している。そして、環状鉄板部材18にはピン16が挿通されている。環状鉄板部材18の上側端面は、ピン16に設けられたフランジ部16aの下側端面に当接している。第二ばね8の下端部には、第二ばね8に挿通しているピン16の部分の外径と略同一の径を有する環状鉄板部材19aが当接している。そして、環状鉄板部材19aにはピン16が挿通されている。
【0038】
上側車体側ブラケット14gの孔14g1には、孔14g1の内径と略同一の径を有する円形挿通部17a1を有する移動補助部材17aが挿通されている。そして、移動補助部材17aには、ピン16における、第二ばね8に挿通する部分の外径と略同一の径を有する孔17a2が設けられている。また、孔17a2は、円形挿通部17a1と略同心円に設定されている。移動補助部材17aは、ピン16の上下方向のみの移動を効果的に補助できる程度の厚みを有する。さらに、移動補助部材17aは、例えば環状の部材であって、上側車体側ブラケット14gに、ボルト等により締結される。移動補助部材17aには、例えば樹脂等の低摩擦部材が用いられる。したがって、ピン16は移動補助部材17aに挿通されて支持される。これによりピン16は軸方向の移動のみ許容され、その他の方向への移動が制限される。
同様に、下側車体側ブラケット14hの孔14h1には、孔14h1の内径と略同一の径を有する円形挿通部17b1を有する移動補助部材17bが挿通されている。そして、移動補助部材17bには、ピン16における、第一ばね7に挿通する部分の外径と略同一の径を有する孔17b2が設けられている。また、孔17b2は、円形挿通部17b1と略同心円に設定されている。内周面は、上記のように低摩擦部材であるため、孔17b2内に挿通されるピン16の外周面とは低摩擦で摺動する。したがって、ピン16はピン16の軸方向の移動のみ許容され、その他の方向への移動が制限される。
【0039】
次に、環状部材20について説明する。車両部品側ブラケット15には、上側と下側から挟み込むように環状部材としての上側環状部材20aと、下側環状部材20bが設けられている。
下側環状部材20bは、低摩擦性の樹脂であり、断面は略L字状である。下側環状部材20bには、ピン16が挿通する孔が設けられている。下側環状部材20bの孔の内径はピン16の外径よりも大きな径を持っており、下側環状部材20bとピン16の間には隙間Sが設けられている。この隙間Sの大きさは、ピン16が車体に対して傾いたときに、ピン16と下側環状部材20bが接触することを防止できる程度に設定されている。
【0040】
上側環状部材20aは、低摩擦性の樹脂であり、下側環状部材20bと嵌合する内径を有している。
上側環状部材20aの上には、環状の環状鉄板部材19aが設けられており、環状鉄板部材19aには、ピン16と略同一の内径を有する孔が設けられている。環状鉄板部材19aの下面は、上側環状部材20aと下側環状部材20bに当接しており、上面は、第二ばね8の下端部と当接している。
【0041】
また、下側環状部材20bの下には環状の環状鉄板部材19bが設けられており、下側環状部材20bには、ピン16と略同一の内径を有する孔が設けられている。環状鉄板部材19bの上面は下側環状部材20bに当接しており、下面はピン16のフランジ部16aと当接している。
したがって、上側環状部材20aは、車両部品側ブラケット15との当接面が低摩擦であり、上側環状部材20aと車両部品側ブラケット15との移動を許容するとともに、環状鉄板部材19aとの当接面も低摩擦であり、上側環状部材20aと環状鉄板部材19aとの移動を許容する。
また、下側環状部材20bは、車両部品側ブラケット15、上側環状部材20a、環状鉄板部材19bとの当接面が低摩擦であり、下側環状部材20bと車両部品側ブラケット15、上側環状部材20a、環状鉄板部材19bとの移動を許容する。
【0042】
なお、下側環状部材20bの下端面には、第二ばね8が挿通している部分のピン16の外径と略同一の径を有する環状鉄板部材19bが当接し、ピン16が挿通されている。そして、環状鉄板部材19bは、ピン16におけるフランジ部16aの上側端面に保持されている。
【0043】
上側環状部材20a及び下側環状部材20bは、環状鉄板部材19a、19bと車両部品側ブラケット15との摩擦を低減し、夫々の相対的な位置関係の変化を許容する。すなわち、上側環状部材20a及び下側環状部材20bの環状鉄板部材との当接面が低摩擦であり、さらに、上側環状部材20a及び下側環状部材20bの車両部品側ブラケット15との当接面も低摩擦であるため、上側環状部材20a及び下側環状部材20bが、ピン16に対して、滑らかに近接もしくは離間することができる。
【0044】
上側環状部材20aの内径は、車両部品側ブラケット15に設けられた孔15aの径と略同一に設定されており、その外径は、下側環状部材20bの延設部分の外径と略同一に設定されている。そして、上側環状部材20aの下側端面と、下側環状部材20bの延設部20b1の上側端面との間に、車両部品側ブラケット15が挟持されている。つまり、上側環状部材20aと下側環状部材20bが嵌合して車両部品側ブラケット15を挟持している。
【0045】
次に、ダンパ9について説明する。
ダンパ9は、図4に示すようにシリンダ9aとロッド9bを有する。シリンダ9aには、液体または気体が封入されている。ロッド9bは、シリンダ9a内の液体の液圧または気体の気圧によって抵抗を受けつつシリンダ9aに対して移動する。シリンダ9aの上端部は、取付ベース14に設けられたダンパ取付部14nに取付けられる。ロッド9bの先端部には、取付部9cが取付けられており、取付部9cが図3に示す板部材4gに設けられたダンパ取付部5bに取付けられる(図8参照)。
【0046】
水平支持機構2bは、図4に示す取付ベース14の上下部(図3に示す制御盤ユニット1の上下部)に位置している。水平支持機構2bは、図3に示すガイド板5cと図4に示すユニット22を有する。ガイド板5cは、図3に示すように板部材4gに対して起立して、上下方向に延出している。ガイド板5cの上下端部は、板部材4gに起立する補強部材5dに連結されている。ガイド板5cは、図6に示すようにユニット22の一対の当接部材22e間に挿入されている。
【0047】
ユニット22は、図4、6に示すようにユニットベース22aと弾性部材22cと当接部材22eを有する。ユニットベース22aは、板状であって、左右端部がそれぞれベース縦部材14dに取付けられる。ユニットベース22aには、一対の起立部材22bが起立した状態で取付けられる。一対の起立部材22bは、対向しており、対向する面に複数の弾性部材22cが取付けられる。
【0048】
弾性部材22cは、図6、7に示すようにゴム製でかつ円柱状である。弾性部材22cの端部には支持部材22dが取付けられる。したがって弾性部材22cを介して各起立部材22bに支持部材22dが取付けられ、一対の支持部材22dが対向する。各支持部材22dには当接部材22eが出没可能に取付けられる。当接部材22eは、円柱状のローラ本体22e1とスタット22e2を有する。スタット22e2は、ローラ本体22e1の偏心位置から突出して、支持部材22dに回転可能に取付けられる。
【0049】
一対の当接部材22eの間には、図6に示すようにガイド板5cが設置されている。当接部材22eは、スタット22e2を中心に支持部材22dに対して回転されている。これにより当接部材22eがガイド板5cに向けて移動し、ガイド板5cに押付けられる。そして弾性部材22cが圧縮変形されて、当接部材22eが弾性部材22cの弾性力によってガイド板5cに付勢されている。
【0050】
前後支持機構2cは、図4に示す取付ベース14の四隅(図3に示す制御盤ユニット1の四隅)に位置している。前後支持機構2cは、図3に示す滑り板5fと図4に示す突出部材23を有する。滑り板5fは、ステンレス鋼等から形成されており、図3に示すように板部材4gに取付けられる。突出部材23は、図4、7に示すように本体部23aと、本体部23aの端部に取付けられるライナ23bを有する。本体部23aは、ベース縦部材14dから制御盤ユニット1に向けて突出する。ライナ23bは、弾性変形し得る材料から形成されており、滑り板5fにスライド可能に当接されている。
【0051】
図2に示す第三部屋1cは、第二部屋1bと同様に形成されている。第三部屋1cの後面と第二取付ベース14bの間にも支持装置2が設けられる。したがって制御盤ユニット1は、前後両側部が支持装置2によって車体10aに支持されている。
【0052】
次に、この実施の形態1に係る上下支持機構2aの作用について説明する。
車両の走行時等に、車体10aに対して下向きの衝撃が生じ、制御盤ユニット1が車体10aに対して相対的に上方へ移動した場合、第一ばね7が圧縮変形して衝撃が軽減され得る。この時、ピン16は、制御盤ユニット1の上方への移動と連動して上方に移動する。また、ピン16は、上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hに対しても相対的に上方に移動することになる。この場合、上側車体側ブラケット14gと下側車体側ブラケット14hには、低摩擦性の樹脂で移動補助部材17a、17bが設けられているため、ピン16の外周に対して支持するので、ピン16の上方向の移動を低摩擦で安定して案内する。
したがって、制御盤ユニット1の移動に対して、ピン16も連動して移動し、上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hには、低摩擦で移動する。
また、第一ばね7が圧縮変形する際には、力が加わる方向と、変形する方向が一致せずに、弓なり変形をしようとする。しかし、この時、第一ばね7の内側と、ピン16の第一ばね部16aの外周部分に当接して、第一ばね7の正常な弾性変形を補助し、弓なり変形を防止している。
【0053】
一方、車体10aに対して上向きの衝撃が生じ、制御盤ユニット1が車体10aに対して相対的に下方へ移動した場合は、第二ばね8が圧縮変形して衝撃が軽減され得る。この時、ピン16は、制御盤ユニット1の下方への移動と連動して下方に移動する。また、ピン16は上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hに対しても相対的に下方に移動することになる。そして、上側車体側ブラケット14gと下側車体側ブラケット14hには、低摩擦性の樹脂である移動補助部材17a、17bが設けられているため、ピン16の下方向の移動を低摩擦で案内する。そして、第二ばね8においても、圧縮変形する際には力が加わる方向と、変形する方向が一致せずに、弓なりに変形しようとする。しかし、この時、第二ばね8の内側と、ピン16の第二ばね部16bの外周部分に当接して、ばねの正常な弾性変形を補助し、弓なり変形を防止している。
なお、ピン16は、制御盤ユニット1の上下運動と同時に連動する場合だけでなく、慣性等によって制御盤ユニット1の上下運動と微小時間差を有しながら、上下運動に連動する場合もある。
【0054】
このように、ピン16は、第一ばね7と第二ばね8の径が違っており、それに対して正常な弾性変形をさせるためにピン16の外径を第一ばね7及び第二ばね8に対してわずかに小さい径とし、ピン16の外径に段差が生じたものとなっている。しかし、ピン16を制御盤ユニット1の移動と連動可能である構成としているので、ピン16が第一ばね7及び第二ばね8の弾性変形を阻害することはない。したがって、制御盤ユニット1に加わる上下方向の衝撃に対して、第一ばね7及び第二ばね8の弓なり変形を生じさせることなく、衝撃を効率的に低減することができる。
さらに、上側車体側ブラケット14gと下側車体側ブラケット14hに、樹脂等の低摩擦部材からなる移動補助部材17a、17bを設けたので、ピン16が移動補助部材17a、17bに案内されながら上下方向には滑らからに移動する。したがって、ピン16の上下方向の移動が安定したものとなる。
また、移動補助部材17a、17bは樹脂を成型した構成であり、成型した樹脂を上側車体側ブラケット14gと下側車体側ブラケット14hに設けるだけで良いので、ピン16の上下方向の移動を補助するための複雑な構成を必要としない。したがって、樹脂という簡易かつ安価な構成で、ピン16を上下方向に安定して移動させることができる。
【0055】
次に、重量がある荷物を車体10aに載置した場合の作用について説明する。
重量のある荷物を車体に載置すると車体10aにたわみが生じる。それによって、車体側ブラケット14g、14hが、図2の破線で示したように支持装置の下端が車両部品側と反対方向に向く状態に変形する場合がある。なお、図2においては、後方のみを示しているが、車体10aの前方でも同様に変形が生じている。
図2に示すように、下端が制御盤ユニット1側と反対方向に向く状態に変形すると、制御盤ユニット1は水平を保った状態のままであるため、ピン16は制御盤ユニット1に対して傾斜することになる。すなわち、環状鉄板部材19a、19b及び上側環状部材20a及び下側環状部材20bと、上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hの間で傾斜することになる。そして、車体10aに衝撃が生じた場合には、ピン16は傾斜した状態のまま制御盤ユニット1の移動と連動して移動する。この時、ピン16が傾斜した状態となっていることによって、ピン16と共に傾斜した状態なる環状鉄板部材19a、19b及び上側環状部材20a及び下側環状部材20bと、水平を保った状態のままである上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hに応力がかかることになる。しかし、上側環状部材20a及び下側環状部材20bが低摩擦性の部材であるため、環状鉄板部材19a、19bと上側環状部材20a及び下側環状部材20bとの当接面及び上側環状部材20a及び下側環状部材20bと上側車体側ブラケット14g及び下側車体側ブラケット14hとの当接面が低摩擦であり、滑らかにそれぞれの位置関係がずれることができる。
また、ピン16の外周部分と、上側環状部材20a及び下側環状部材20bとの間には、図5に示すように所定の隙間Sを有している。このように所定の隙間Sを有しているため、ピン16が制御盤ユニット1に対して傾斜した状態となったとしても、ピン16と車両側ブラケット、正確には上側環状部材20a及び下側環状部材20bとが干渉することはない。
上側環状部材20aと下側環状部材20bとを嵌合して構成している。これにより車両部品側ブラケット15を上側環状部材20aと下側環状部材20bを挟み込んで把持し、嵌合することができる。したがって、上下支持機構2aを車体10aに組み付ける際のピン16と上側環状部材20aと下側環状部材20b、車両部品側ブラケット15の組み付けが容易となる。
【0056】
上記実施形態は、上記に限定されるものではなく、以下のように変更しても良い。
○実施形態では、車両部品は、制御盤ユニット1であると説明したが、車体からの衝撃が伝わらないようにすべき部材であれば特に限定されない。
○実施形態では、第一ばね7及び第二ばね8を圧縮ばねの例で説明したが、引張りばねであっても良い。
○実施形態では、移動補助部材17a、17bは、低摩擦部材の樹脂を例として説明したが、移動補助部材17a、17bは、ガイド部材の上下方向の移動を滑らかにするものであればよく、樹脂部材に限られない。例えば、ベアリングを車体側ブラケット14g、14hに設けても良い。
○実施形態では、上側車体側ブラケット14g、下側車体側ブラケット14hが上下一対であり、車両部品側ブラケット15は一部品である場合を例として説明したが、車両部品側ブラケットが上下一対であっても良い。
○実施形態では、第一ばね7を下側、第二ばね8を上側に夫々配置し、第一ばね7の径が第二ばね8より大きいとして説明したが、材質等を変更することによって第一ばね7と第二ばね8の配置が逆でもよく、第一ばね7の径は第二ばね8の径より小さくてもよい。要は、制御盤ユニット1の重量を受けることが可能なばね定数となるように夫々のばねを設定すればよい。
【符号の説明】
【0057】
1・・・制御盤ユニット
2・・・支持装置
2a・・・上下支持機構
7・・・第一ばね
8・・・第二ばね
10・・・車両
10a・・・車体
14g・・・上側車体側ブラケット
14h・・・下側車体側ブラケット
15・・・車両部品側ブラケット
16・・・ピン
17a、17b・・・移動補助部材
18、19a、19b・・・環状鉄板部材
20a・・・上側環状部材
20b・・・下側環状部材
S・・・隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両部品を車体に弾性的に支持するために前記車両部品に設けられる車両部品側ブラケットと、
前記車体に設けられる上下一対の車体側ブラケットと、
下側の前記車体側ブラケットと前記車両部品側ブラケットとの間に設けられる第一ばねと、前記車両部品側ブラケットと上側の前記車体側ブラケットとの間に設けられる第二ばねと、を有し、
前記第一ばねの径が前記第二ばねの径よりも大きい車両部品用上下支持機構において、前記第一ばね及び前記第二ばねには、前記車両部品側ブラケット及び前記車体側ブラケットに支持される棒状のガイド部材が挿通され、
前記ガイド部材の外径は、前記第一ばねに挿通する部分は第一ばねに対応した径を有し、
前記第二ばねに挿通する部分は第二ばねに対応した径を有し、前記第一ばねに挿通する部分と前記第二ばねに挿通する部分の径は異なり、
前記ガイド部材は、車体に対して上下方向に、前記車両部品の移動と連動可能であることを特徴とする車両部品用上下支持機構。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記車体側ブラケットにおいて移動補助部材により支持されることを特徴とする請求項1に記載の車両部品用上下支持機構。
【請求項3】
前記移動補助部材は、低摩擦の樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の車両部品用上下支持機構。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記第一ばねと前記第二ばねの間に設けた低摩擦性の環状部材に挿通され、前記環状部材の内径は、前記ガイド部材の外径より大きな径を持つとともに、前記車両部品側ブラケットを挟持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両部品用上下支持機構。
【請求項5】
前記環状部材は、2つの低摩擦性の環状部材を嵌合して前記車両部品側ブラケットを挟持することを特徴とする請求項4に記載の車両部品用上下支持機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−215194(P2012−215194A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79443(P2011−79443)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】