説明

車両

【課題】外部充電用の受電用コードおよびその巻取装置を搭載した車両において、受電用コードのタイヤへの引っ掛かりが生じた場合に、ユーザ操作を伴わずに受電用コードの引っ掛かり状態を解消する。
【解決手段】車両100は、受電用コード250と、それを巻き取って収納するためのコードリール600とを備え、受電用コード250を用いて、外部電源500Bからの電力を用いて車載の蓄電装置110の充電が可能である。車両100のECU300は、受電用コード250をコードリール600に巻取中に、受電用コード250の引っ掛かりを検出した場合には、操舵輪170の操舵角を変更することによって受電用コード250の引っ掛かり状態を解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、より特定的には、外部電源からの電力を用いて充電を行なうための受電用コードを搭載した車両における、受電用コードの巻取制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。そして、これらの車両に搭載される蓄電装置を発電効率の高い商用電源により充電する技術が提案されている。
【0003】
ハイブリッド車においても、電気自動車と同様に、車両外部の電源(以下、単に「外部電源」とも称する。)から車載の蓄電装置の充電(以下、「外部充電」とも称する。)が可能な車両が知られている。たとえば、家屋に設けられた電源コンセントと車両に設けられた充電口とを受電用コードで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置の充電が可能ないわゆる「プラグイン・ハイブリッド車」が知られている。これにより、ハイブリッド自動車の燃料消費効率を高めることが期待できる。
【0004】
特開平11−199189号公報(特許文献1)は、バッテリ充電用の充電器を搭載したバッテリ車において、充電器に電源側コンセントから電力を供給するための充電ケーブルと、この充電ケーブルを巻き取る巻取装置とが備えられる構成が開示される。このような構成とすることによって、充電ケーブルを設備側電源付近に置いておく必要がなく、また充電ケーブルが邪魔になったり紛失したりするおそれをなくすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−199189号公報
【特許文献2】特開2003−244832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開平11−199189号公報(特許文献1)のように、車両側に充電ケーブルと巻取装置を備える構成においては、充電ケーブルを巻き取る際に、車両のタイヤと地面とが接触する部分に充電ケーブルが引っ掛かってしまう場合がある。このような場合に、ユーザの操作によって引っ掛かりの解消動作を行なうことは、ユーザに対して不便さを与えてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外部充電用の受電用コードおよびその巻取装置を搭載した車両において、受電用コードのタイヤへの引っ掛かりが生じた場合に、ユーザ操作を伴わずに受電用コードの引っ掛かり状態を解消する可能性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による車両は、外部電源からの電力を用いて充電が可能な蓄電装置を搭載した車両であって、外部電源からの電力を蓄電装置へ伝達するためのコードと、コードを巻き取って収納するための電線格納装置と、車両の操舵輪の操舵角を変更するように構成されたアクチュエータと、制御装置とを備える。制御装置は、コードを電線格納装置へ巻取中にコードの引っ掛かりを検出するとともに、引っ掛かりが検出された場合には、操舵角を変更するようにアクチュエータを制御する。
【0009】
好ましくは、車両は、コードの引出方向を検出するための検出部をさらに備える。そして、制御装置は、検出部によって検出された引出方向に応じて、操舵輪の操舵方向を設定する。
【0010】
好ましくは、電線格納装置は、収納時にコードが周囲に巻回されるドラムと、コードをドラムに巻取る際の巻取トルクを供給するための巻取駆動部とを含む。そして、制御装置は、巻取駆動部による巻取トルクの供給を一時的に停止した状態で操舵角の変更を実行し、操舵角の変更が完了した後に巻取トルクの供給を再開する。
【0011】
好ましくは、制御装置は、予め定められた角度ごとに操舵角を変更する。
好ましくは、電線格納装置は、ドラムの回転角を検出するための回転角検出器をさらに含む。制御装置は、巻取トルクが供給されている場合に、回転角検出器により検出される回転角から定まるドラムの回転速度の変化の大きさが基準値を下回ったことに基づいて、引っ掛かりが生じたと判定する。
【0012】
好ましくは、巻取駆動部は、電動モータを含む。制御装置は、巻取トルクが供給されている場合に、電動モータに供給される負荷電力がしきい値を上回ったことに基づいて引っ掛かりが生じたと判定する。
【0013】
好ましくは、車両は、コードを外部電源に接続するために、コードの端部に設けられた接続器をさらに備える。接続器は、巻取駆動部を動作させてコードを巻き取るための巻取指示を、制御装置に対して出力するための操作スイッチを含む。
【0014】
好ましくは、操作スイッチからの巻取指示は、無線通信によって制御装置へ伝達される。
【0015】
好ましくは、制御装置は、コードの巻取りが完了した場合には、操舵角を予め定められた指定角度に移動させる。
【0016】
好ましくは、制御装置は、予め定められた動作可能角度まで操舵角を変更させても引っ掛かりが解消されない場合は、コードの巻取りを中止する。
【0017】
好ましくは、操作者に対して通知するための警報装置をさらに備える。制御装置は、予め定められた動作可能角度まで操舵角を変更させても引っ掛かりが解消されない場合は、警報装置に警報を出力させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部充電用の受電用コードおよびその巻取装置を搭載した車両において、受電用コードのタイヤへの引っ掛かりが生じた場合に、ユーザ操作を伴わずに受電用コードの引っ掛かり状態を解消する可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に従う車両の全体構成図である。
【図2】実施の形態1における、コードリールの詳細を示す図である。
【図3】実施の形態1において、受電用コードの引っ掛かりの検出手法の第1の例を説明するための図である。
【図4】実施の形態1において、受電用コードの引っ掛かりの検出手法の第2の例を説明するための図である。
【図5】受電用コードの引出方向検出を説明するための図である。
【図6】引出方向検出部の構成の一例を示す図である。
【図7】受電用コードの引出方向検出とステアリング動作を説明するための第1の図である。
【図8】受電用コードの引出方向検出とステアリング動作を説明するための第2の図である。
【図9】実施の形態1において、ECUで実行される受電用コードの巻取制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施の形態2において、ECUで実行される受電用コードの巻取制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
[実施の形態1]
図1は、電線格納装置であるコードリール600が搭載された、実施の形態1に従う車両100の全体ブロック図である。
【0022】
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150と、アクチュエータ160と、操舵輪170と、警報装置190と、ECU(Electronic Control Unit)300とを備える。なお、本実施の形態においては、駆動輪150と操舵輪170とが別個の場合を例として説明するが、車両の形態によっては、駆動輪150と操舵輪170とが同じ場合がある。
【0023】
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0024】
蓄電装置110は、電力線PL1および接地線NL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
【0025】
SMRに含まれるリレーは、蓄電装置110とPCU120とを結ぶ電力線PL1および接地線NL1にそれぞれ介挿される。そして、SMRは、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間での電力の供給と遮断とを切換える。
【0026】
PCU120は、いずれも図示しないが、蓄電装置110からの電源電圧を昇圧するためのコンバータや、コンバータにより昇圧された直流電力を、モータジェネレータ130を駆動するための交流電力に変換するためのインバータなどを含んで構成される。
【0027】
これらのコンバータおよびインバータは、ECU300からの制御信号PWC,PWIによってそれぞれ制御される。
【0028】
モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
【0029】
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
【0030】
なお、図1においては、モータジェネレータが1つ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータを複数設ける構成としてもよい。
【0031】
また、モータジェネレータ130の他にエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、このエンジンおよびモータジェネレータ130を協調的に動作させることによって、必要な車両駆動力が発生される。この場合、エンジンの回転による発電電力を用いて、蓄電装置110を充電することも可能である。
【0032】
すなわち、本実施の形態における車両100は、車両駆動力発生用の電動機を搭載する車両を示すものであり、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車、またはエンジンを搭載しない電気自動車および燃料電池自動車などを含む。
【0033】
アクチュエータ160は、操舵輪170の操舵角を変更するための駆動装置である。アクチュエータ160は、ECU300からの制御信号STRにより制御され、たとえば、電動モータまたは油圧装置(いずれも図示せず)などを用いて操舵輪170の操舵角を変更する。
【0034】
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0035】
ECU300は、蓄電装置110に備えられる電圧センサ,電流センサ(いずれも図示せず)からの電圧VBおよび電流IBの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。
【0036】
ECU300は、PCU120、SMRなどを制御するための制御信号を生成して出力する。なお、図1においては、ECU300を1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、PCU120用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
【0037】
車両100は、外部電源500Aからの電力によって蓄電装置110を充電するための構成として、インレット270と、充電装置200と、リレーRY2とを含む。
【0038】
インレット270は、車両100の外表面に設けられた受電ポート280に設けられる。また、受電ポート280には、外部充電を行なわないときにインレット270を覆うための、開閉可能な蓋部(以下、「リッド」とも称する。)285が結合される。
【0039】
インレット270には、充電ケーブル400の充電コネクタ410が接続される。そして、外部電源500Aからの電力が、充電ケーブル400を介して車両100に伝達される。
【0040】
充電ケーブル400は、充電コネクタ410に加えて、外部電源500Aのコンセント510Aに接続するためのプラグ420と、充電コネクタ410およびプラグ420とを接続する電線部430とを含む。なお、電線部430には、外部電源500Aからの電力の供給および遮断を切換えるための充電回路遮断装置(図示せず)が含まれるようにしてもよい。
【0041】
インレット270は、電力線ACL1,ACL2を介して、充電装置200に接続される。
【0042】
また、車両100は、外部電源500Bからの電力によって蓄電装置110を充電するための他の経路として、受電用コード250と、電線格納装置であるコードリール600とをさらに備える。
【0043】
受電用コード250の一方端には、外部電源500Bのコンセント510Bに接続するためのプラグ260が設けられる。また、受電用コード250の他方端は、充電装置200に接続された電力線ACL3,ACL4に接続される。
【0044】
プラグ260には、後述するように、コードリール600によって受電用コード250の巻取動作および引出動作を行なうための操作スイッチ261が設けられる。
【0045】
電力線ACL3,ACL4は、リレーRY3を介して、電力線ACL1,ACL2に接続される。リレーRY3は、ECU300からの制御信号SE3により制御される。リレーRY3は、受電用コード250を用いた外部充電が行なわれる場合に電気的に接続され、受電用コード250を用いた外部充電が行なわれない場合には非接続とされる。
【0046】
受電用コード250は、外部充電が行なわれないときには、コードリール600に巻き取られて収納される。そして、受電用コード250を用いて外部充電が行なわれる際には、車両100の外表面に設けられた受電ポート240の引出口(図示せず)から引き出される。そして、プラグ260がコンセント510Bに接続されることによって、外部電源500Bからの電力が車両100に伝達される。
【0047】
なお、図1においては、充電ケーブル400を用いる場合、および受電用コード250を用いる場合で、それぞれ外部電源500Aのコンセント510Aおよび外部電源500Bのコンセント510Bに接続される構成を示すが、外部電源500Aおよび500Bの電源電圧は同じ電圧であってもよいし、異なる電圧であってもよい。異なる電圧とする場合には、たとえば、外部電源の電圧が200Vの場合は充電ケーブル400を用いるようにし、外部電源の電圧が100Vの場合は受電用コード250を用いるようにしてもよい。また、本実施の形態においては、充電ケーブル400を用いて充電を行なう構成は必須ではなく、少なくとも受電用コード250を用いて充電を行なう構成を有すればよい。
【0048】
受電ポート240には、外部充電を行なわないときに引出口を覆うための、開閉可能なリッド245が結合される。また、受電ポート240の近傍には、受電用コード250が、受電ポート240から左右のいずれの方向に引き出されているかを検出するための引出方向検出部180が備えられる。
【0049】
充電装置200は、電力線ACL1,ACL2を介して、インレット270に接続される。また、充電装置200は、リレーRY2を介して、電力線PL2および接地線NL2によって蓄電装置110に接続される。
【0050】
充電装置200は、ECU300からの制御信号PWDによって制御され、インレット270または受電用コード250から供給される交流電力を、蓄電装置110の充電電力に変換する。
【0051】
リレーRY2は、ECU300からの制御信号SE2によって制御され、充電装置200から蓄電装置110への充電電力の供給と停止とを切換える。
【0052】
ここで、図1とともに図2をさらに参照して、コードリール600は、巻取駆動部である電動モータ610と、回転角検出器620と、ドラム630とを含む。
【0053】
ドラム630には、円筒状の胴部が設けられ、その胴部に受電用コード250が巻回される。そして、受電用コード250を用いて外部充電が行なわれるときには、ドラム630に巻回された受電用コード250が引き出される。また、外部充電が行なわれないときには、ドラム630は、受電用コード250を巻き取って収納する。
【0054】
電動モータ610は、ドラム630の回転軸に接続される。電動モータ610は、ECU300からの制御信号DRVにより駆動され、受電用コード250の巻取動作、または引出動作を行なう。また、電動モータ610の駆動回路に設けられた電流センサ(図示せず)からの負荷電流に関する信号IMが、ECU300へ出力される。
【0055】
なお、実施の形態1においては、少なくとも電動モータ610を用いて受電用コード250の巻取動作を行なうことができればよく、電動モータ610を用いた引出動作は必須の構成ではない。
【0056】
また、受電用コード250の巻取動作を行なうための巻取トルクを供給する巻取駆動部は、電動モータ610以外の構成とすることもできる。たとえば、巻取駆動部として、ドラム630の回転軸に取り付けられ、受電用コード250の巻取方向に回転力を付与するように構成されたコイル状のバネ機構を採用することも可能である。このような場合には、ドラム630の回転を停止させるための、ストッパあるいはブレーキまたはクラッチなどの摩擦係合要素などを併用することで、巻取動作の開始と停止とを制御することができる。
【0057】
回転角検出器620は、ドラム630の回転軸に接続され、ドラム630の回転角θを検出する。検出された回転角θに関する信号はECU300に送られ、ECU300においてドラム630の位置および回転速度ωが算出される。
【0058】
なお、上述のように、ECU300におけるコードリール600の巻取制御についての機能は、ECU300とは個別の、コードリール600に含まれる制御装置を用いて実行するようにしてもよい。
【0059】
ECU300は、プラグ260に設けられた操作スイッチ261からの操作信号SIGに応答して制御信号DRVを生成し、電動モータ610を駆動する。ECU300は、電動モータ610の負荷電流に関する信号IM、および回転角検出器620からの回転角θに関する信号を受ける。
【0060】
ECU300は、これらの信号に基づいて、巻取動作中に受電用コード250が、たとえば操舵輪170等の障害物に引っ掛かったか否かを判定する。そして、その判定によって引っ掛かりが検出された場合に、ECU300は、警報装置190に警報信号ALMを出力して、ユーザに引っ掛かりの発生を通知する。また、ECU300は、それとともに、後述するような受電用コードの引っ掛かりを解消するための巻取制御を実行する。
【0061】
警報装置190は、ECU300からの警報信号ALMに基づいて、受電用コード250の引っ掛かりなどの異常の有無をユーザに通知する。警報装置190としては、たとえば、表示ランプ、LED、または液晶表示パネルのように視覚的に異常の有無を表示するもの、あるいは、ブザーやチャイムなどのように聴覚的に異常の有無を出力するものなどが用いられる。
【0062】
なお、上記説明した操作スイッチ261からの操作信号SIGは、受電用コード250に含まれる配線を用いて有線でECU300へ伝達してもよいが、図2に示すように、プラグ260および車両100に、無線による通信が可能な通信装置262,195をそれぞれ設けることにより、無線通信により伝達する構成としてもよい。このような無線通信によって操作信号SIGを伝達する構成とすることは、通信装置195,262のような通信装置を別途備えることが必要となるが、一方で受電用コード内に信号伝達用の配線を設ける必要がなくなるという利点がある。このような通信手段の具体的な手法は、コスト等を勘案して適宜選択することができる。
【0063】
このような、受電用コードとそれを巻き取って収納するためのコードリールを備える車両においては、受電用コードの巻取動作中に、受電用コードが障害物等に引っ掛かってしまい巻取動作ができなくなる場合がある。このような場合には、一般的には、ユーザによって受電用コードの引っ掛かり状態を解消することが行なわれるが、解消操作の際に、地面の状態によってはユーザの手を汚してしまいユーザに不快感を与えてしまうおそれがある。
【0064】
受電用コードの引っ掛かり状態は様々な態様が考えられるが、たとえば、受電用コードが操舵輪と地面との間に引っ掛かっているような場合であれば、操舵輪を動作させることによって引っ掛かり状態を解消できる場合がある。
【0065】
そこで、本実施の形態においては、受電用コードの引っ掛かりを自動で検出するとともに、受電用コードの引っ掛かりを検出した場合には、操舵輪の操舵角を自動で駆動して引っ掛かりを解消するような巻取制御を行なう。このような制御を行なうことによって、受電用コードの巻取動作中に引っ掛かりが生じた場合であっても、ユーザ操作を伴わずに引っ掛かり状態を解消する可能性を高め、ユーザに与える不快感を低減することが期待できる。
【0066】
以下において、本実施の形態における巻取制御の詳細について説明する。まず、図3および図4を用いて、受電用コード250の引っ掛かりの検出手法について説明する。
【0067】
図3は、電動モータ610に流れる負荷電流IMを用いて受電用コード250の引っ掛かりを検出する手法を説明する図である。
【0068】
図3を参照して、時刻t1において、ユーザの操作によって電動モータ610が起動されて、受電用コード250の巻取動作が開始される。これによって、負荷に応じた負荷電流IMが流れる。なお、図3においては、巻取方向の負荷電流を正とする。
【0069】
そして、時刻t2において、受電用コード250の引っ掛かりが生じて負荷が増大すると、それに応じて負荷電流IMが増加する。そして、負荷電流IMが、所定のしきい値Ithを上回った場合(図3中の時刻t3)に、ECU300において受電用コード250に引っ掛かりが生じていることが判定される。
【0070】
なお、図3においては、電動モータ610に印加される電圧が一定の場合を前提として、負荷電力が負荷電流に比例する場合を例とした。しかしながら、電動モータ610の回転速度が可変であり、電動モータ610へ印加される電圧が変化するような場合には、上記の負荷電流と印加電圧との積で算出される負荷電力が所定のしきい値を上回ったか否かによって受電用コードの引っ掛かりを検出するようにすることが好ましい。
【0071】
図4は、電動モータ610の回転速度ωを用いて引っ掛かりを検出する手法を説明する図である。
【0072】
図4を参照して、時刻t11において、ユーザの操作によって電動モータ610が起動されて、受電用コード250の巻取動作が開始されるとドラム630が回転する。ECU300は、回転角検出器620で検出されたドラム630の回転角θに関する信号を用いて、その時間的変化である回転速度ωを演算により求める。受電用コード250に引っ掛かりがない状態では、ドラム630は所定の回転速度の範囲内で回転する。
【0073】
そして、時刻t12において受電用コード250の引っ掛かりが生じると、ドラム630の回転速度ωが低下する。そして、回転速度ωが、所定のしきい値ωthを下回った場合(図4中の時刻t13)に、ECU300において受電用コード250に引っ掛かりが生じていることが判定される。
【0074】
なお、上記の受電用コード250の引っ掛かり検出においては、図3においては負荷電流IMがしきい値Ithを上回ったこと、および図4においては回転相速度ωがしきい値ωthを下回ったことが、それぞれ一定時間継続した場合に引っ掛かりが生じていると判定するようにしてもよい。
【0075】
次に、図5から図8を用いて、実施の形態1における巻取制御の概要について説明する。実施の形態1においては、受電用コード250の引っ掛かりを検出した場合に、受電用コード250の引出方向に応じて、操舵輪170の操舵方向(以下、「ステアリング方向」とも称する。)を決定する。
【0076】
図5は、受電用コード250の引出方向検出を説明するための図である。図5を参照して、実施の形態1に従う車両100においては、受電用コード250の受電ポート240が車両のフロント部に備えられる。そして、受電用コード250は、車載のコードリール600から、引出方向検出部180を通って車両外部に引き出される。
【0077】
図6は、引出方向検出部180の具体的な構成の一例を示す図である。図6を参照して、引出方向検出部180は、角度検出器181と、角度検出器181の回転軸に取り付けられたピニオンギヤ182と、ピニオンギヤ182に係合するラック部183とを含む。
【0078】
ラック部183には、ラック部183に固定された支持部184が設けられ、受電用コード250はこの支持部184に通される。受電用コード250は、ユーザによって引き出される際に、一般的にその引出方向(車両進行方向に対して左側または右側の方向)側に引っ張られる。ユーザによるこの引出操作によって、受電用コード250を支持するラック部183が、図6中の矢印AR1の方向に移動する。
【0079】
そして、このラック部183の動作によって、ラック部183と係合しているピニオンギヤ182が回転され、角度検出器181の回転軸が動作する。ECU300は、角度検出器181で検出された回転角度αを受け、その回転角度αに基づいて、受電用コード250の引出方向を判定する。
【0080】
再び図5を参照して、ECU300は、図3および図4で説明したような手法によって、受電用コード250の引っ掛かりを検出した場合には、まずコードリール600による巻取動作を一時的に停止させる。ECU300は、引出方向検出部180からの回転角度αに基づいて受電用コード250の引出方向を判定する。そして、ECU300は、その引出方向に応じた操舵信号STRをアクチュエータ160へ出力し、操舵輪170の操舵角を予め定められた角度だけ変更する。
【0081】
操舵角の変更後、ECU300は、コードリール600による巻取動作を再開する。操舵角の変更によって、受電用コード250の引っ掛かりが解消された場合は、そのまま受電用コード250がコードリール600に巻き取られる。一方、受電用コード250の引っ掛かりが解消されていない場合、あるいは、一旦解消した後にさらに引っ掛かりが発生した場合には、ECU300は、再度コードリール600の巻取動作を一時的に停止させるとともに、操舵輪170の操舵角をさらに変更する。このような動作を繰り返すことによって、操舵輪170への受電用コード250の引っ掛かりが生じた場合に、ユーザ操作を伴うことなく、自動で引っ掛かりを解消する可能性を高めることができる。
【0082】
ただし、操舵輪170以外の障害物等に受電用コード250が引っ掛かった場合や、操舵輪170の操舵角がフルステアリング状態となった場合には、上記の操舵輪の動作によっても引っ掛かりを解消できない場合がある。このような場合には、ECU300は、ユーザ操作によって引っ掛かりを解消させるように促すために、警報装置190によってユーザに対してその旨を通知する。
【0083】
次に、図7および図8を用いて、受電用コード250の引出方向と、操舵輪170の動作方向について説明する。図7は、車両進行方向に対して左側に受電用コード250が引き出された場合を示し、図8は、車両進行方向に対して右側に受電用コード250が引き出された場合を示す。
【0084】
図7を参照して、受電用コード250が車両進行方向に対して左側に引き出されている場合は、多くの場合、図7の上段のように、左側の操舵輪に受電用コード250が引っ掛かることが考えられる。このような場合には、操舵輪170を車両進行方向に対して右側に動かすことによって、図7の下段のように、操舵輪170と受電用コード250とが平行に近づく。これにより操舵輪170への受電用コード250の引っ掛かりが解消されやすくなる。
【0085】
一方、図8のように、受電用コード250が車両進行方向に対して右側に引き出されている場合は、逆に右側の操舵輪に受電用コード250が引っ掛かることが多く考えられる。そのため、この場合には、操舵輪170を車両進行方向に対して左側に動かすことによって、受電用コード250の引っ掛かりが解消されやすくなる。
【0086】
なお、上記の説明においては、受電用コード250の引出口が車両のフロント側に配置される場合を例として説明したが、受電用コード250の引出口の位置はこれに限定されない。受電用コード250の引出口は、車両の側面あるいは車両の後面側に配置されてもよく、そのような場合には、受電用コード250の引っ掛かりが検出された場合のステアリング方向は、引出口の配置と操舵輪との位置関係で適宜決定される。
【0087】
図9は、実施の形態1において、ECU300で実行される受電用コード250の巻取制御処理を説明するためのフローチャートである。図9および後述する図10に示されるフローチャートは、ECU300に予め格納されたプログラムが所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部または全部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)で処理を実現することも可能である。
【0088】
図1および図9を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、操作信号SIGに基づいて、プラグ260に備えられた操作スイッチ261により、ユーザから巻取動作が指示されたか否かを判定する。
【0089】
巻取動作が指示されていない場合(S100にてNO)は、ECU300は、処理を終了する。
【0090】
巻取動作が指示されている場合(S100にてYES)は、S110にて、ECU300は、電動モータ610に対して駆動指令を出力して、受電用コード250の巻取動作を開始する。
【0091】
そして、ECU300は、S120にて、図3および図4で説明したような手法によって、巻取動作中に受電用コード250の引っ掛かりを検出したか否かを判定する。
【0092】
受電用コード250の引っ掛かりが検出された場合(S210にてYES)は、処理がS160に進められ、ECU300は、電動モータ610による巻取動作を停止する。そして、S170にて、ECU300は、引出方向検出部180からの信号に基づいて受電用コード250の引出方向を検出するとともに、図7および図8で示したように、その検出した引出方向に応じて操舵輪170のステアリング方向を決定する。
【0093】
その後、ECU300は、S180にて、操舵輪170が、決定したステアリング方向について、最大の操舵角であるフルステアリング状態であるか否かを判定する。
【0094】
フルステアリング状態でない場合(S180にてNO)は、ECU300は、S200にて、予め定められた指定量(操舵角)だけ操舵輪170のステアリング動作を実行する。そして、S110に処理が戻され、電動モータ610の駆動を再開して巻取動作を再開し、受電用コード250の引っ掛かりが解消されたか否かをS120にて判定する。
【0095】
一方、S180において、フルステアリング状態である場合(S180にてYES)は、それ以上、操舵輪170のステアリング動作を行なうことができないので、ECU300は、ユーザ操作を促すために、S190にて警報装置190によりユーザに対して警報を出力する。
【0096】
受電用コード250の引っ掛かりがない場合、あるいはS200におけるステアリング動作によって引っ掛かりが解消された場合で、受電用コード250の引っ掛かりが検出されないとき(S120にてNO)は、ECU300は、S130にて受電用コード250の巻取りが完了したか否かを判定する。なお、巻取りが完了したか否かを判定する具体的な手法としては、たとえば、回転角検出器620が巻取完了位置を示す角度となったことにより判定したり、プラグ260が巻取完了位置まで到達したことを検出するマイクロスイッチ(図示せず)等のセンサの信号によって判定したりすることができる。
【0097】
受電用コード250の巻取りが完了していない場合(S130にてNO)は、処理がS120に戻され、ECU300は、巻取動作を継続しつつ、受電用コード250の引っ掛かりが発生していないかを継続して監視する(S120)。
【0098】
一方、受電用コード250の巻取りが完了した場合(S130にてYES)は、S140に処理が進められ、ECU300は、コードリール600の電動モータ610の巻取動作を停止する。
【0099】
その後、ECU300は、S150にて、操舵輪170の位置を、車両進行方向または巻取動作開始時の操舵角に戻し、次回走行開始時にユーザの意図しない方向へ車両が移動することを防止する。
【0100】
このような処理に従って制御することによって、車両に搭載された受電用コードを用いて外部充電の実行が可能な車両において、受電用コードを収納するコードリールへの受電用コードの巻取動作中に、受電用コードのタイヤへの引っ掛かりが生じた場合に、ユーザ操作による操作を伴わずに受電用コードの引っ掛かり状態を解消する可能性を高めることができる。
【0101】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、受電用コードの引出方向に応じて操舵輪のステアリング方向を設定する構成について説明した。
【0102】
ところが、実施の形態1の構成においては、受電用コードの引出方向を検出するための引出方向検出部が必要となるので、機器を追加することによってコスト増加の要因となるおそれがある。また、引出方向検出部をもともと備えた構成であっても、受電用コードの引出方向から定まるステアリング方向とは逆の方向に操舵輪を動作させることで引っ掛かりが解消する場合もあり得る。
【0103】
そこで、実施の形態2においては、受電用コードの引出方向にかかわらず、左右両方のステアリング方向に操舵輪を動作させて引っ掛かりを解消する構成について説明する。
【0104】
図10は、実施の形態2において、ECU300で実行される受電用コード250の巻取制御処理を説明するためのフローチャートである。図10は、実施の形態1の図9のフローチャートにおけるステップS170およびS180が、ステップS161〜S166に置き換わったものとなっている。図10において、図9と重複するステップの説明は繰り返さない。
【0105】
図1および図10を参照して、ECU300は、受電用コード250の引っ掛かりを検出した場合(S120にてYES)は、電動モータ610を停止させ(S160)、次にS161にて右方向のフルステアリングフラグがオンに設定されているか否かを判定する。
【0106】
ここで、「フルステアリングフラグ」とは、S165およびS166の動作において後述するが、操舵輪170の操舵角がフルステアリング状態となった場合にオンに設定されるフラグである。なお、フローチャートには図示されていないが、このフルステアリングフラグは、当該巻取制御が終了した場合にはオフにリセットされ、当該巻取制御の開始時においてはオフの状態とされる。
【0107】
右方向のフルステアリングフラグがオンに設定されていない場合(S161にてNO)は、処理がS164に進められ、ECU300は、まず、ステアリング方向を右方向に設定する。そして、ECU300は、S165にて、操舵輪170が右方向にフルステアリング状態であるか否かを判定する。
【0108】
操舵輪170が右方向にフルステアリング状態でない場合(S165にてNO)は、S200に処理が進められ、ECU300は、右方向に指定量だけステアリング動作を実行して、処理をS110に戻す。ECU300は、受電用コード250の引っ掛かりが解消されなければ、操舵輪170が右方向のフルステアリング状態となるまで、巻取動作を停止させつつ指定量のステアリング動作を繰り返す。
【0109】
そして、操舵輪170が右方向にフルステアリング状態となった場合(S165にてYES)は、ECU300は、S166にて右方向フルステアリングフラグをオンに設定するとともに、S162にてステアリング方向を左方向に変更する。
【0110】
ECU300は、その後、S163にて、操舵輪170が左方向のフルステアリング状態であるか否かを判定する。
【0111】
操舵輪170が左方向のフルステアリング状態でない場合(S163にてNO)は、処理がS200に進められて、ECU300は、左方向に指定量だけステアリング動作を実行し、処理をS110に戻す。
【0112】
これによっても受電用コード250の引っ掛かりが解消されない場合(S120にてYES)は、電動モータ610が停止され(S160)、S161に処理が進められるが、今度は、右方向フルステアリングフラグがオンに設定されている(S161にてYES)ので、処理がS162に進められる。そして、受電用コード250の引っ掛かりが解消されなければ、ECU300は、操舵輪170が左方向のフルステアリング状態となるまで、巻取動作を停止させつつ指定量のステアリング動作を繰り返す。
【0113】
そして、左方向のフルステアリング状態までステアリング動作が実行された場合(S163にてYES)は、操舵輪170が左右両方向の可動範囲の全範囲の動作を行なったことになる。そのため、ECU300は、ステアリング動作によっては、受電用コード250の引っ掛かりを解消できないと判断し、処理をS190に進めて警報を出力して、ユーザ操作を促す。
【0114】
操舵輪170が可動範囲の全範囲の動作が行なわれるまでに引っ掛かりが解消されたとき(S120にてNO)には、図9で説明したように、S130以降の処理が行なわれる。なお、ステアリング動作によって、一旦受電用コード250の引っ掛かりが解消された場合には、フルステアリングフラグをリセットし、再度の引っ掛かりが生じた場合には、改めて操舵輪170の可動範囲の全範囲の動作が可能となるようにすることが好ましい。
【0115】
なお、図10においては、ステアリング方向のデフォルトを右方向とした例を説明したが、左方向をデフォルトのステアリング方向としてもよい。
【0116】
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、引出方向検出部を有しない構成においても操舵輪のステアリング動作によって、受電用コードの操舵輪への引っ掛かりを解消する可能性を高めることができる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
100 車両、110 蓄電装置、120 PCU、130 モータジェネレータ、140 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160 アクチュエータ、170 操舵輪、180 引出方向検出部、181 角度検出器、182 ピニオンギヤ、183 ラック部、184 支持部、190 警報装置、195,262 通信装置、200 充電装置、240,280 受電ポート、245,285 リッド、250 受電用コード、260,420 プラグ、261 操作スイッチ、270 インレット、300 ECU、400 充電ケーブル、410 充電コネクタ、430 電線部、500A,500B 外部電源、510A,510B コンセント、600 コードリール、610 電動モータ、620 回転角検出器、630 ドラム、ACL1〜ACL4,PL1,PL2 電力線、NL1,NL2 接地線、RY2,RY3 リレー、SMR システムメインリレー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源からの電力を用いて充電が可能な蓄電装置を搭載した車両であって、
前記外部電源からの電力を前記蓄電装置へ伝達するためのコードと、
前記コードを巻き取って収納するための電線格納装置と、
前記車両の操舵輪の操舵角を変更するように構成されたアクチュエータと、
前記コードを前記電線格納装置へ巻取中に、前記コードの引っ掛かりを検出するとともに、前記引っ掛かりが検出された場合には、前記操舵角を変更するように前記アクチュエータを制御するための制御装置とを備える、車両。
【請求項2】
前記コードの引出方向を検出するための検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記検出部によって検出された引出方向に応じて、前記操舵輪の操舵方向を設定する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記電線格納装置は、
収納時に前記コードが周囲に巻回されるドラムと、
前記コードを前記ドラムに巻取る際の巻取トルクを供給するための巻取駆動部とを含み、
前記制御装置は、前記巻取駆動部による前記巻取トルクの供給を一時的に停止した状態で前記操舵角の変更を実行し、前記操舵角の変更が完了した後に前記巻取トルクの供給を再開する、請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記制御装置は、予め定められた角度ごとに前記操舵角を変更する、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記電線格納装置は、
前記ドラムの回転角を検出するための回転角検出器をさらに含み、
前記制御装置は、前記巻取トルクが供給されている場合に、前記回転角検出器により検出される前記回転角から定まる前記ドラムの回転速度の変化の大きさが基準値を下回ったことに基づいて、前記引っ掛かりが生じたと判定する、請求項3または4に記載の車両。
【請求項6】
前記巻取駆動部は、電動モータを含み、
前記制御装置は、前記巻取トルクが供給されている場合に、前記電動モータに供給される負荷電力がしきい値を上回ったことに基づいて前記引っ掛かりが生じたと判定する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両。
【請求項7】
前記コードを前記外部電源に接続するために、前記コードの端部に設けられた接続器をさらに備え、
前記接続器は、前記巻取駆動部を動作させて前記コードを巻き取るための巻取指示を、前記制御装置に対して出力するための操作スイッチを含む、請求項3に記載の車両。
【請求項8】
前記操作スイッチからの前記巻取指示は、無線通信によって前記制御装置へ伝達される、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記制御装置は、前記コードの巻取りが完了した場合には、前記操舵角を予め定められた指定角度に移動させる、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記制御装置は、予め定められた動作可能角度まで前記操舵角を変更させても前記引っ掛かりが解消されない場合は、前記コードの巻取りを中止する、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
操作者に対して通知するための警報装置をさらに備え、
前記制御装置は、予め定められた動作可能角度まで前記操舵角を変更させても前記引っ掛かりが解消されない場合は、前記警報装置に警報を出力させる、請求項1に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−100503(P2012−100503A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248472(P2010−248472)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】