説明

車体フロア構造

【課題】車両の中央部のフロアトンネル内に配置された機能部品を側面衝突等の外部入力から保護することを可能にするとともに、側面衝突等の外部入力を効率よく分散させることを可能にする。
【解決手段】車体のフロアパネル13の中央に、車体前後方向にフロアトンネル14を延ばし、このフロアトンネル14へ収納部品22を収納する車体フロア構造10において、収納部品22内に車幅方向に延びる通路53を形成し、この通路53内にクロスメンバー25を通し、このクロスメンバー25に弾性部材26を介して収納部品22を支持し、クロスメンバー25の両端をフロアトンネル側壁内面31,31へそれぞれ結合した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のフロアトンネル内に燃料タンクや燃料電池スタックなどの機能部品を収納する車体フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フロア構造として、車両、特に自動車では衝突に対して様々な対策が提案されている。例えば、通常の車両では側面衝突時に車両の変形を抑えるためにフロアトンネル内にクロスメンバーを追加し、車体の変形量を抑えているものがある。また、シートの構造を利用して側面衝突時の荷重を車両全体に分散する構造などがある。
このような、車体フロア構造として、車体側方からの荷重をセンタコンソール内に伝達するものや、車体側方からの荷重をフロアトンネルの上面に伝達するものが知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
特許文献1の車体フロア構造は、センタコンソールの両側側壁に中空の梁を渡すとともに、この中空の梁を前部座席の背もたれ部分に位置させ、車体側方からの荷重をセンタコンソール内に伝達できるようにしたものである。
【0004】
特許文献2の車体フロア構造は、車体側方に且つ車体前後方向に左右のサイドシルが配置され、これらのサイドシルに平行に且つ車体中央にフロアトンネルが延ばされ、このフロアトンネルを挟んで左右のシートが配置され、左のシートの下部に、左のサイドシルとフロアトンネルとを繋ぐ左のクロスメンバーが設けられ、右のシートの下部に、右のサイドシルとフロアトンネルとを繋ぐ右のクロスメンバーが設けられたものである。
【0005】
例えば、図5に示された従来の一般的な車体のフロア構造200では、フロアトンネル201内にトンネル内クロスメンバー202を付設し、側面衝突時に、サイドシル203からシートクロスメンバー204を介してフロアトンネル201に伝達される荷重による車体の変形を抑制している。また、シート205の構造を利用して側面衝突時の荷重を車体全体に分散する。
【0006】
しかしながら、近年、環境にやさしい車がクローズアップされており、それらの車両は一般的な車両に対してシステムが複雑である。そのため、車載システムが大きくなりがちである。
【0007】
従って、図6に示された従来の車体のフロア構造210のように、車両中央のフロアトンネル211内に機能部品212を車載することがある。ここで車載される機能部品212は、例えば、燃料電池スタック、ハイブリット車両の高圧電装系システム、内燃機関の燃料タンク、電気自動車のバッテリ等である。機能部品212は、サブシャーシ213でフロアトンネル211に支持される。
このように、フロアトンネル211内に機能部品212を配置すると、機能部品212の保護の観点から側面衝突の荷重をフロアトンネル211に伝達することができなくなる。
【0008】
そこで、図7に示された従来の車体のフロア構造220では、機能部品222を強固に形成し、この強固に形成された機能部品222をサブシャーシ223に搭載し、このサブシャーシ223をフロアトンネル221に取付ける。これにより、側面衝突の荷重をフロアトンネル221に伝達することが可能となる。しかし、機能部品213自体の重量が嵩み、車体重量の増加を招く。
【0009】
図8に示された従来の車体のフロア構造230では、機能部品232,232を強固に形成することなく、機能部品232,232を隔壁234に取付け、これらの機能部品232,232及び隔壁234をサブシャーシ233に搭載し、このサブシャーシ233をフロアトンネル231に取付ける。
しかし、車体側方から荷重が作用したときに、隔壁234に取付けた機能部品232,232も引きずられ、機能損傷に至る可能性は大きい。
【0010】
すなわち、車両中央のフロアトンネル内に機能部品を配置するときにも、上記の特許文献1,2の車体フロア構造に示されたような、側突時に発生する車体側方からの荷重を分散させて伝達するとともに、フロアトンネル内の機能部品に車体側方からの荷重が作用しないような配慮が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−136575号公報
【特許文献2】特開2005−67427公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、車両の中央部のフロアトンネル内に配置された機能部品を側面衝突等の外部入力から保護するとともに、側面衝突等の外部入力を効率よく分散させることができる車体フロア構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、車体のフロアパネル中央に、車体前後方向にフロアトンネルを延ばし、このフロアトンネルへ収納部品を収納する車体フロア構造において、収納部品内に車幅方向に延びる通路を形成し、この通路内にクロスメンバーを通し、このクロスメンバーに弾性部材を介して収納部品を支持し、クロスメンバーの両端をフロアトンネル側壁内面へそれぞれ結合したことを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、収納部品が、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムであることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、機能部品が、燃料電池スタックであることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る発明は、クロスメンバーが、弾性部材によりフローティングされたステー部材を介して収納部品を支持するものであることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明は、クロスメンバーが、フロアトンネル側壁内面に直角三角形状に突出するブラケット水平底面へ締結することを特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明は、クロスメンバーとステー部材とが、互いに直交することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車体のフロアパネル中央に、車体前後方向にフロアトンネルを延ばし、このフロアトンネルへ収納部品を収納する。収納部品内に車幅方向に延びる通路を形成し、この通路内にクロスメンバーを通し、このクロスメンバーに弾性部材を介して収納部品を支持し、クロスメンバーの両端をフロアトンネル側壁内面へそれぞれ結合した。
収納部品内に車幅方向に延びる通路を車体前後方向にずらすことで、クロスメンバーを任意の位置に設定することができる。これにより、クロスメンバーを側方からの荷重伝達の効率のよいところ(荷重入力位置)に設定できる。この結果、車体の補強を強化する必要がないので、車体の軽量化を図ることができる。
クロスメンバーに弾性部材を介して収納部品を支持し、収納部品がフローティングして支持されているので、組立誤差を吸収することができる。従って、組付け時のクロスメンバーのフロアトンネル側壁内面への位置合わせが簡単となる。
クロスメンバーに弾性部材を介して収納部品を支持し、収納部品がフローティングして支持されているので、クロスメンバーに側突荷重が入力されても、収納部品には側突荷重が入力されない。
【0020】
請求項2に係る発明では、収納部品が、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムとした。上述のように、クロスメンバーに弾性部材を介して収納部品を支持し、収納部品がフローティングして支持されているので、収納部品として、機能部品、若しくは高圧電装系システムが収納可能となる。すなわち、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムを、フロアトンネル内に収納することができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、機能部品が、燃料電池スタックである。燃料電池スタックは電気発生時に振動やノイズが発生する。収納部品である燃料電池スタックが、弾性部材によりフローティングして支持されているので、フロアトンネル側に振動やノイズを伝えにくい。この結果、車室内のノイズを低減することができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、クロスメンバーを、弾性部材によりフローティングされたステー部材を介して収納部品を支持するようにしたので、予め、クロスメンバーに収納部品を取付けておくことができる(予め、サブアッセンブリすることができる)。この結果、車体への組付けが容易となる。
【0023】
請求項5に係る発明では、クロスメンバーを、フロアトンネル側壁内面に直角三角形状に突出するブラケット水平底面へ締結するようにしたので、フロアトンネルに車体下方から締結することができ、クロスメンバーの取付けの作業性の向上を図ることができる。
【0024】
請求項6に係る発明では、クロスメンバーとステー部材とが、互いに直交するようにしたので、例えば、車体前後方向に長い収納部品を安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る車体フロア構造の分解斜視図である。
【図2】図1に示された車体フロア構造の正面断面図である。
【図3】図1に示された車体フロア構造の荷重伝達の一例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る別実施例の車体フロア構造の分解斜視図である。
【図5】従来の一般的な車体フロア構造の説明図である。
【図6】従来のフロアトンネルに収納部品を収納した説明図である。
【図7】従来のフロアトンネルに強固な収納部品を収納した説明図である。
【図8】従来のフロアトンネルに隔壁とともに収納部品を収納した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0027】
図1及び図2に示された車体フロア構造10は、車室の下部を形成するフロアパネル13と、このフロアパネル13の中央に車体前後方向に延ばされたフロアトンネル14と、このフロアトンネル14に取付けるサブシャーシ21と、このサブシャーシ21に搭載される収納部品22と、サブシャーシ21に取付けられ、収納部品22の前後を保持する前後の保持部材23,23と、収納部品22に貫通して、フロアトンネル14に取付けられるクロスメンバー25と、クロスメンバー25に弾性部材26を介して取付けられ、収納部品22を支持するステー部材27とからなる。
【0028】
フロアトンネル14は、フロアトンネル側壁内面31,31に、クロスメンバー25を取付ける左右のブラケット33,33が設けられる。ブラケット33は、フロアトンネル側壁内面31から突出させた前後の突出部35,35と、これらの突出部35,35の下部に設けられ、クロスメンバー25を取付けるブラケット水平底面37と、突出部35,35の側部に設けられ、フロアトンネル側壁内面31に溶接される溶接面38とからなる。
【0029】
さらに、ブラケット33は、正面から見たときに、フロアトンネル側壁内面31から直角三角形状に突出するブラケットである。ブラケット水平底面37には、ボルト39,39をねじ込むボルト孔41,41が形成される。
【0030】
サブシャーシ21は、車体前後方向に延ばされた左右の縦メンバー42,43と、これらの縦メンバー42,43の前端を繋ぐ前横メンバー44と、縦メンバー42,43の後端を繋ぐ後横メンバー45と、左右の縦メンバー42,43の中間を繋ぐ第1及び第2の中間メンバー46,47とからなる。
【0031】
左右の縦メンバー42,43の前端に、前の保持部材23を取付けるための孔48,48が形成され、左右の縦メンバー42,43の後端に後の保持部材23を取付けるための孔49,49が形成される。第1及び第2の中間メンバー46,47には、収納部品22を弾性的に支持するクッション材(弾性部材)51,51が設けられる。すなわち、サブシャーシ21は、車体前後方向に長い矩形のシャーシである。
【0032】
収納部品22は、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくはハイブリット車両の高圧電装系システムである。具体的には、機能部品は、燃料タンク、燃料電池スタック若しくはバッテリであり、実施例の収納部品22は、燃料電池スタックである。
【0033】
燃料電池スタック22には、左右の側面52,52を貫通した通路53が設けられる。この通路53は、クロスメンバー25を貫通するとともにステー部材27を収納する。通路53の上面53aには、ステー部材27の取付部54,54が設けられる。取付部54,54には、燃料電池スタック22の上面22aから取付部54,54まで貫通させた貫通部55,55が形成されている。貫通部55,55からステー部材27に取付ける取付ねじ56,56が挿入される。
【0034】
前後の保持部材23,23は、燃料電池スタック22を車体前後方向に挟み込むことで、燃料電池スタック22を車体前後方向に保持する。保持部材23は、下部に貫通孔61,61が形成され、ボルト62,62でサブシャーシ21とともにフロアトンネル14側の溶接ナット63,63(図2参照)に締結される。
【0035】
クロスメンバー25は、燃料電池スタック22の通路53に貫通させる本体部64と、この本体部64の両端に形成され、左右のブラケット33,33に取付けられる左右の取付部65,65とを備える。取付部65には、ボルト39,39の貫通孔69,69が設けられる。さらに、クロスメンバー25は、平面視で略I形の形状を呈する。
【0036】
ステー部材27は、前端及び後端に燃料電池スタック22を取付ける取付ねじ56,56のねじ孔66,66が形成されている。ステー部材27は、クロスメンバー25に直交して設けられる。
【0037】
図3(a)に示されたように、側面衝突時には、白抜き矢印a1の如くサイドシル16や車両用シート17に側突荷重が作用する。図3(b)に示されたように、サイドシル16や車両用シート17に作用した荷重は、車両用シート17からフロアトンネル14に向けて矢印a2の如く伝達されるとともに、シートクロスメンバー18を経由してフロアトンネル14に向けて矢印a3の如く伝達される。
【0038】
図3(c)に示されたように、車両用シート17から伝達される荷重は、矢印a4の如くフロアトンネル14の上面14aを経由して車体側方に伝達され、シートクロスメンバー18を経由してフロアトンネル14に伝達される荷重は、矢印a5の如くクロスメンバー25を経由して車体側方に伝達される。フロアトンネル14に収納された燃料電池スタック22は、弾性部材26やクッション材51でサブシャーシ21及びフロアトンネル14からフローティングされているので、燃料電池スタック22に側突荷重が入力し難い。
【0039】
図1〜図3に示されてように、車体フロア構造10では、車体のフロアパネル13の中央に、車体前後方向にフロアトンネル14を延ばし、このフロアトンネル14へ収納部品22を収納する。収納部品22内に車幅方向に延びる通路53を形成し、この通路53内にクロスメンバー25を通し、このクロスメンバー25に弾性部材26を介して収納部品22を支持し、クロスメンバー25の両端をフロアトンネル側壁内面31,31へそれぞれ結合した。
【0040】
収納部品22内に車幅方向に延びる通路53自体を車体前後方向にずらすことで、クロスメンバー25を任意の位置に設定することができる。これにより、クロスメンバー25を側方からの荷重伝達の効率のよいところ(荷重入力位置)に設定できる。この結果、車体の補強を強化する必要がないので、車体の軽量化を図ることができる。
【0041】
クロスメンバー25に弾性部材26を介して収納部品22を支持し、収納部品22がフローティングして支持されているので、組立誤差を吸収することができる。従って、組付け時のクロスメンバー25のフロアトンネル側壁内面31,31への位置合わせが簡単となる。
【0042】
クロスメンバー25に弾性部材26を介して収納部品22を支持し、収納部品22がフローティングして支持されているので、クロスメンバー25に側突荷重が入力されても、収納部品22には側突荷重が入力されない。
【0043】
収納部品22は、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムである。上述のように、クロスメンバー25に弾性部材26を介して収納部品22を支持し、収納部品22がフローティングして支持されているので、収納部品22として、機能部品、若しくは高圧電装系システムが収納可能となる。すなわち、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムを、フロアトンネル14内に収納することができる。
【0044】
実施例では、機能部品が、燃料電池スタック22である。燃料電池スタック22は電気発生時に振動やノイズが発生する。収納部品22である燃料電池スタック22が、弾性部材26によりフローティングして支持されているので、フロアトンネル14側に振動やノイズを伝えにくい。この結果、車室内のノイズを低減することができる。
【0045】
クロスメンバー25を、弾性部材26によりフローティングされたステー部材27を介して収納部品22を支持するようにしたので、予め、クロスメンバー25に収納部品22を取付けておくことができる(予め、サブアッセンブリすることができる)。この結果、車体への組付けが容易となる。
【0046】
また、クロスメンバー25を、フロアトンネル側壁内面31,31に直角三角形状に突出するブラケット水平底面37へ締結するようにしたので、フロアトンネル14に車体下方から締結することができ、クロスメンバー25の取付けの作業性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、クロスメンバー25とステー部材27とが、互いに直交するようにしたので、例えば、車体前後方向に長い収納部品22を安定して支持することができる。
【0048】
図4に示されたように、別実施例の車体フロア構造100は、フロアパネル(不図示)の中央に車体前後方向に延ばされたフロアトンネル104と、このフロアトンネル104のフロアトンネル側壁内面111,111に設けられる直角三角形状に突出する左右のブラケット113,113と、フロアトンネル104に収納される収納部品102と、この収納部品102に貫通され、左右のブラケット113,113に取付けられるクロスメンバー105と、このクロスメンバー105に弾性部材106を介して取付けられ、収納部品102を支持するステー部材107とからなる。
【0049】
ブラケット113は、フロアトンネル側壁内面111から突出させた前後の突出部115,115と、これらの突出部115,115の下部に設けられ、クロスメンバー105を取付けるブラケット水平底面117と、突出部115,115の側部に設けられ、フロアトンネル側壁内面111に溶接される溶接面118とからなる。
【0050】
さらに、ブラケット113は、正面から見たときに、フロアトンネル側壁内面111から直角三角形状に突出するブラケットである。ブラケット水平底面117には、クロスメンバー105を取付けるボルト119,119をねじ込むナット121,121が溶接される。
【0051】
実施例の収納部品102は、燃料を貯留する燃料タンクである。燃料タンク102には、クロスメンバー105及びステー部材107を貫通可能な通路(開口)133が形成され、ステー部材107をボルト136,136で取付ける左右のフランジ134,134が形成される。左右のフランジ134,134には、ボルト136,136を貫通させる貫通孔137,137を備える。
【0052】
クロスメンバー105は、燃料タンク102の通路に貫通させる本体部144と、この本体部144の両端に形成され、左右のブラケット113,113に取付ける左右の取付部145とを備える。さらに、クロスメンバー105は、平面視で略I形の形状を呈する。左右の取付部145は、ボルト119,119を貫通させる貫通孔149,149を備える。
【0053】
ステー部材107は、弾性部材106に支持されるステー本体147と、このステー本体147の両端から折り曲げ形成された取付フランジ部148,148とからなる。取付フランジ部148には、燃料タンク102のフランジ134を取付けるボルト136のボルト孔146が形成されている。
また、ステー部材107は、クロスメンバー105に平行に設けられる。
【0054】
フロアトンネル104に収納された燃料タンク102は、弾性部材106でフロアトンネル104からフローティングされているので、車体フロア構造10と同様に側突荷重が作用し難い。
【0055】
尚、本発明に係る車体フロア構造は、図1に示すように、収納部品22内に車幅方向に延びる通路53を形成したが、これに限るものではなく、通路53は切り欠きであってもよい。
また、前後の保持部材23,23と収納部品22との間に別の弾性部材を介在させるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る車体フロア構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0057】
10,100…車体フロア構造、13…フロアパネル、14…フロアトンネル、22…収納部品(燃料電池スタック)、25…クロスメンバー、26…弾性部材、31…フロアトンネル側壁内面、27…ステー部材、37…ブラケット水平底面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロアパネル中央に、車体前後方向にフロアトンネルを延ばし、このフロアトンネルへ収納部品を収納する車体フロア構造において、
前記収納部品内に車幅方向に延びる通路を形成し、この通路内にクロスメンバーを通し、このクロスメンバーに弾性部材を介して前記収納部品を支持し、前記クロスメンバーの両端をフロアトンネル側壁内面へそれぞれ結合したことを特徴とする車体フロア構造。
【請求項2】
前記収納部品は、燃料貯留機能、発電機能若しくは蓄電機能を有する機能部品、若しくは高圧電装系システムであることを特徴とする請求項1記載の車体フロア構造。
【請求項3】
前記機能部品は、燃料電池スタックであることを特徴とする請求項2記載の車体フロア構造。
【請求項4】
前記クロスメンバーは、前記弾性部材によりフローティングされたステー部材を介して前記収納部品を支持するものであることを特徴とする請求項1記載の車体フロア構造。
【請求項5】
前記クロスメンバーは、前記フロアトンネル側壁内面に直角三角形状に突出するブラケット水平底面へ締結することを特徴とする請求項1記載の車体フロア構造。
【請求項6】
前記クロスメンバーとステー部材とは、互いに直交することを特徴とする請求項4記載の車体フロア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−195150(P2010−195150A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41008(P2009−41008)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】