説明

車体後部構造

【課題】上下方向の高さの相違を吸収するための連結部材を別途用いることなく,リヤサイドフレームとリヤバンパレインとの高さの相違を吸収させる。
【解決手段】前後方向に伸びる左右一対のリヤサイドフレーム6の後端に,クラッシュカン10を介して,車幅方向に伸びるリヤバンパレイン11が固定される。リヤバンパレイン11は,全体として金属板からなる一体成形品とされている。リヤバンパレイン11は,リヤサイドフレーム6の上面と略一致した高さとされた上面を有する左右一対のレイン肩部11Aと,左右一対のレイン肩部11Aの間に形成されて,上面がレイン肩部11Aの上面より低くされたレイン中央部11Bとを有する形状に設定される。左右一対のレイン肩部11Aが,クラッシュカン10に取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,車体後面にリヤハッチドアによって開閉されるハッチ開口部を有する車体後部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両としての自動車の中には,ワゴン車や1.5ボックスカー等に見られるように,車体後面にリヤハッチドアによって開閉されるハッチ開口部を有するものがある。このハッチ開口部への荷物の積み降ろしの容易化のために,ハッチ開口部の下端の高さ位置に対して,リアフロア面の高さおよびリヤバンパ上面の高さを略同一高さに設定することも行われている(いわゆる掃き出しフロア)。
【0003】
一方,リアフロア面の基礎を構成するリアフロアパネルの下面には,前後方向に伸びる左右一対のリヤサイドフレームが固定されている。そして,最近では,特許文献1に示すように,軽衝突時での車体本体への損傷防止のために,リヤサイドフレームの後端に,クラッシュカンを介して車幅方向に伸びるリヤバンパレインを取付けて,このリヤバンパレインにリヤバンパを取付けることが行われている。そして,リヤバンパレインは,通常,車幅方向の全長に渡って,上下方向幅が同一幅とされた直線状に形成されるのが一般的であった。
【0004】
ハッチ開口部を通しての荷物の積み降ろしのさらなる容易化のために,特に掃き出しフロアとする場合に,リアフロア面の高さつまりハッチ開口部の下端高さを,リヤサイドフレームの上面よりも低く設定することが要求される場合がある。この場合、リヤバンパのうちハッチ開口部の下端に相当する部分の高さもリヤサイドフレームの上面よりも低く設定する必要があり,これに応じてリヤバンパレインの高さもリヤサイドフレームの上面よりも低く設定する必要がある。
【0005】
前述のように,リヤサイドフレームの上面よりもリヤバンパレインの高さを低く設定した場合に,リヤバンパに入力される後方衝突時における前方への荷重を,リヤバンパレインからクラッシュカンを介してリヤサイドフレームへ効果的に伝達するために,クラッシュカンとリヤバンパレインとの間に,少なくとも上下方向に伸びる連結部材(特許文献1における拡大断面部32に相当)を別途介在させることが提案されている。すなわち,上記連結部材によって,リヤサイドフレームとリヤバンパレインとの高さ位置の相違を吸収することが提案されている。
【特許文献1】特開2002−29342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,リヤサイドフレームとリヤバンパレインとの高さの相違を吸収するのに,別途左右一対の連結部材を用いることは,コスト高や構造の複雑化さらには組立工程の複雑化となって好ましくないものとなる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、リヤバンパレインの形状を工夫することにより,別途連結部材を用いることなく,リヤサイドフレームとリヤバンパレインとの高さの相違を吸収できるようにした車体後部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
車体後面に開口されてリヤハッチドアによって開閉されるハッチ開口部を備え,リアフロアパネルの下面に固定された前後方向に伸びる左右一対のリヤサイドフレームの後端に,クラッシュカンを介してリヤバンパレインが固定された車体後部構造において,
前記リヤバンパレインは,全体として金属板からなる一体成形品とされており,
前記リヤバンパレインは,前記リヤサイドフレームの上面と略一致した高さとされた上面を有して前記クラッシュカンへの取付部となる左右一対のレイン肩部と,該左右一対のレイン肩部の間に形成されて,上面が該レイン肩部の上面よりも低く設定されると共に前記ハッチ開口部の下端の車幅に対応した車幅を有するレイン中央部とを有する形状に設定されている,
ようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば,リヤバンパレインは,リヤサイドフレームに固定されたクラッシュカンへの取付部が,部分的に高くされた形状とされているため,リヤバンパレインを全体的に金属板の一体成形品としつつ,別途連結部材を用いることなく,リヤサイドフレームつまりクラッシュカンとの高さの相違を吸収できる。
【0010】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち,
前記リヤバンパレインは,後壁部と,該後壁部の上端から前方に伸びる上壁部と,該後壁部の下端から前方に向けて伸びる底壁部とを有して,前方に向けて開口された断面略コ字状に形成され,
前記上壁部および後壁部は,前記レイン中央部の高さが前記レイン肩部の高さよりも低くされている,
ようにすることができる(請求項2対応)。この場合、リヤバンパレインを断面略コ字状として,強度特に剛性を十分に確保できる。
【0011】
リアフロア面の後端が連なる前記ハッチ開口部の下端の高さが,前記リヤサイドフレームの上面高さ位置よりも低い位置となるように設定され,
前記リヤバンパレインに取付けられるリヤバンパが,前記レイン肩部を後方および上方から覆う左右一対のバンパ肩部と,上面が該バンパ肩部の上面よりも低く設定されると共に前記ハッチ開口部の下端の車幅に対応した車幅を有して前記レイン中央部を後方および上方から覆うバンパ中央部とを有し,
前記バンパ中央部の上面が,前記ハッチ開口部の下端の高さ以下の高さに設定されている,
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合、ハッチ開口部の高さを十分に低くして,ハッチ開口部を通しての荷物の積み降ろしが極めて容易となる。また,リヤバンパも十分に低い位置に設定して,ハッチ開口部を通しての荷物の積み降ろしに際してリヤバンパが邪魔になる事態が確実に防止される。
【0012】
前記各リヤサイドフレームの後端部に,後端に向かうにつれて徐々に下方側に断面が拡大された拡大部が形成され,
前記クラッシュカンは,前記リヤサイドフレームの前記拡大部の最大上下幅と略同一の上下幅を有するように設定されている,
ようにすることができる(請求項4対応)。この場合、クラッシュカンを上下方向に極力拡大して,クラッシュカンによる衝撃吸収をより十分に行わせる上で,またクラッシュカンに伝達された後方衝突時の荷重をリヤサイドフレームに効果的に受け止めさせる上で好ましいものとなる。
【0013】
前記各クラッシュカンは,上方から見たときに,後方に向かうにつれて徐々に車幅方向幅長さが大きくなるように末広がり形状に形成されると共に,該クラッシュカンの後端の車幅方向長さが,前記リヤサイドフレームの車幅方向長さよりも大きく設定されており,
前記レイン肩部の車幅方向長さが,前記クラッシュカンの後端の車幅方向長さ以上の大きさとされている,
ようにすることができる(請求項5対応)。この場合、斜め後方衝突時での衝撃をもクラッシュカンによって効果的に吸収しつつ,この衝突荷重をリヤサイドフレームに効果的に受け止めさせる上で好ましいものとなる。
【0014】
前記左右一対のリヤサイドフレームの後端同士が,車幅方向に伸びるリヤクロスパネルによって連結されて,該リヤクロスパネルによって前記ハッチ開口部の下端縁が構成され,
前記ハッチ開口部の下端の車幅方向長さに対応した部分において,リアフロア面から前記リヤクロスパネルの上面を経て前記リヤバンパの上面までが略同一高さとなるように設定されている,
ようにすることができる(請求項6対応)。この場合、リヤクロスパネルによって,ハッチ開口部の下端の端部処理(リヤクロスパネルによるモール機能)と補強とを行ないつつ,リアフロア面とリヤバンパとをリヤクロスパネルによって滑らかに連結した構造となって,ハッチ開口部を通しての荷物の積み降ろしを容易に行う上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば,別途連結部材を用いることなく,リヤサイドフレームとリヤバンパレインとの高さの相違を吸収して,クラッシュカンによる後方衝突時の衝撃吸収を効果的に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1において,自動車の車体後面には,リヤハッチドア1によって開閉されるハッチ開口部2が形成されている。ハッチ開口部2は,車室とほぼ同程度の車幅を有すると共に,車体の低い位置からル−フ3に至るまでの上下方向に大きな開口とされていて,このハッチ開口部2を通して,車体後部に形成されている荷室内への荷物の積み降ろしが行われる。
【0017】
図2〜図4において,5はリアフロアパネルであり,その下面には,前後方向に伸びる左右一対のリヤサイドフレーム6が接合(実施形態では溶接接合)されている。リヤサイドフレーム6は,既知のように断面略ハット状とされて,リアフロアパネル5と共働して閉断面を構成する車体強度部材とされている。リアフロアパネル5は,左右一対のリヤサイドフレーム6の間において,リヤサイドフレーム6の上面よりも低くされた下方への段差面5aが形成されている。この段差面5a上に,リアフロア面を構成するフロア板7(図4一点鎖線)が載置されて,このフロア板7上に荷物が載置される。なお,フロア板7の下方には,段差面5aの一部をさらに下方へ膨出させることにより収納部8が形成されて,この収納部8内に,スペアタイヤ(実施形態では応急用のテンパタイヤ)9や図示を略すジャッキ等の工具類が収容されるようになっている。
【0018】
図1〜図3において,10はクラッシュカン,11はリヤバンパレイン,12はリヤバンパであり,以下この各部材10〜12の車体への取付態様について説明する。まず,左右一対のリヤサイドフレーム6の後端部には,後方に向かうにつれて徐々に下方に拡大された拡大部6aが形成されている。この拡大部6aを有する各リヤサイドフレーム6の後端に,エンドパネル13が溶接等により接合されて,リヤサイドフレーム6の後方開口部が施蓋される。
【0019】
上記エンドパネル13には,後方に向けて突出した複数本の取付ボルト14が一体化されている。そして,車幅方向に伸びるリヤクロスパネル15のフランジ部15aとクラッシュカン10のフランジ部10aとがエンドパネル13に積層された状態で,上記取付ボルト14が各フランジ部15a,10aを貫通して,この取付ボルト10にナット16を螺合することにより,エンドパネル13に対してリヤクロスパネル15およびクラッシュカン10が固定される(図2,図9参照)。
【0020】
リヤクロスパネル15は,リアパネル15bとフロントパネル15cとによって,そのフランジ部15a部分を除いて閉断面状に構成されている(図9,図10参照)。このようなリヤクロスパネル15によって,ハッチ開口部2の下端縁の端部処理(美的処理)と補強処理とが行われる。そして,ハッチ開口部2の下端部分において,リヤクロスパネル15の上面と前述のフロア板7とが略同一面とされている(図10参照)。
【0021】
クラッシュカン10は,上方から見たときに(平面視において),後方に向かうにつれて徐々に車幅方向幅が大きくなるように,つまり後方に向けて末広がりとなるように形成されている(図2,図3参照)。すなわち,クラッシュカン10の前端の車幅方向幅は,リヤサイドフレーム6後端(の閉断面部分)の車幅方向幅と略同一に形成されているが,クラッシュカン10の後端の車幅方向幅は,リヤサイドフレーム6(の閉断面部分)の車幅方向幅よりも大きく設定されている。この一方,クラッシュカン10の上下方向幅は,前後方向に渡ってほぼ同一に設定されていて,リヤサイドフレーム6後端部の最大上下方向幅(拡大部6aの後端での上下幅)と略同一となるように設定されている(図2,図9参照)。
【0022】
リヤバンパレイン11は,図1,図2,図5〜図8に示すように,車幅方向に伸びていて,後壁部11aと,後壁部11aの上端から前方へ伸びる上壁部11bと,後壁部11aの下端より前方へ伸びる底壁部11cとを有して,全体的に,前方に向けて開口された断面略コ字状に形成されている。リヤバンパレイン11の上面は,車幅方向各端部つまり左右一対のレイン肩部11Aとなる部分が,車幅方向中央部分つまりレイン中央部11Bとなる部分に比して,高く設定されている。すなわち,レイン肩部11Aに相当する部分の上壁部11bおよび後壁部11aが,レイン中央部11Bに相当する部分の上壁部11bおよび後壁部11aよりも部分的に高くなるように設定されている。なお,底壁部11cは,実施形態では上下方向にほぼ同一高さ(略水平)に設定されている。このようなリヤバンパレイン11は,例えば鉄系の1枚の金属板による一体成形品とされている(例えば1枚の金属板を例えば熱間プレス成形することにより形成)。なお,リヤバンパレイン11は,そのレイン肩部11Aとレイン中央部11Bとの中間部分において急激に上下方向幅が変化しないように,徐々にその高さが変化されるように設定されている。
【0023】
上記リヤバンパレイン11は,そのレイン肩部11A部分において,クラッシュカン10を後方,上方および下方から覆うようにして,ボルト等の固定具によってあるいは溶接等により固定される。このクラッシュカン10への固定状態において,レイン肩部11Aの車幅方向幅は,クラッシュカン10後端の車幅方向幅と略同一とされている。また,レイン中央部11Bの車幅方向長さは,ハッチ開口部2の下端の車幅方向幅と略同一とされている。そして,リヤバンパレイン11は,クラッシュカン10に固定した状態では,そのレイン肩部11Aの上面高さはリヤサイドフレーム6の上面高さと略同一とされており,したがってそのレイン中央部11Bの上面高さはリヤサイドフレーム6の上面よりも低い位置とされる。
【0024】
リヤバンパ12は,リヤバンパレイン11をその後方,上方および下方から覆うようにして,リヤバンパレイン11に対してボルト等の固定具を利用して固定されている。リヤバンパ12は,レイン肩部11Aに対応したバンパ肩部12Aと,レイン中央部11Bに対応したバンパ中央部12Bとを有する。勿論,バンパ肩部12Aの上面よりも,バンパ中央部12Bの上面の方が低くされている。リヤバンパ12をリヤバンパレイン11に固定した状態では,リヤバンパ12の上面が,ハッチ開口部2の下端に対応した部分のリヤクロスパネル15の上面と略同一高さとされる。つまり,リヤバンパ12の上面からリヤクロスパネル15の上面を経てフロア板7までの面が極力段差のないほぼ面一な平坦面となるように形成されて(図10参照),ハッチ開口部2を通しての荷物の積み降ろしが極めて容易に行われるようになっている。
【0025】
後方衝突時において,リヤバンパ12に入力される前方への荷重は,クラッシュカン10を介してリヤサイドフレーム6に入力される(受け持たされる)ことになる。軽衝突時においては,クラッシュカン10がつぶれ変形するのみで,リヤサイドフレーム6の変形が防止され,クラッシュカン10やその後方部分のリヤバンパレイン11,リヤバンパ12を交換するのみで補修が行われることになる。
【0026】
リヤサイドフレーム10の後端部に形成された上下方向の拡大部6aに対応して,クラッシュカン10の上下方向幅を大きく設定してあるので,クラッシュカン10による衝撃吸収能力が大きいものとなり,リヤサイドフレーム6の変形を防止する上で好ましいものとなる。また,上方から見たときにクラッシュカン10が後方に向けて末広がりに拡大されているので,斜めからの後方衝突時においても衝突荷重がクラッシュカン10に効果的に伝達されて,クラッシュカン10による効果的な衝撃吸収が行われる。
【0027】
図11は,リヤサイドフレーム6の後端部に拡大部6aを形成する場合の変形例を示すものである。すなわち,リヤサイドフレーム6が,上下方向幅がほぼ同一とされた前後方向に長いフレーム本体6Aの後端に対して,前後方向に短い連結フレーム材6Bの前端を突き合わせ溶接することにより構成されている。連結フレーム材6Bは,後端に向かうにつれて徐々に下方に向けて拡大された拡大部6aを構成する形状に設定されている。このように,拡大部6a部分を別部材でもって構成することにより,前後方向に長いリヤサイドフレーム6の後端部に直接拡大部6aを形成する場合に比して,コストや製造の容易化等の上で有利となる。
【0028】
図12は,リヤサイドフレーム6の後端部に拡大部6aを形成する場合のさらに別の変形例を示すものである。すなわち,本実施形態では,前後方向に長いフレーム本体6Aの後端部に対して,前後方向に短い連結フレーム材6Cを連結することにより構成する等点では,図11の場合と同じである。ただし,図12の実施形態では,連結フレーム材6Cの左右の側壁部でもってフレーム本体6A後端部の左右側壁部をはさみ込んだ状態で,この側壁部同士を溶接接合してある。また,本実施形態では,エンドパネル13の代わりに,取付ボルト14を有する断面略L字状とされた左右一対のブラケット20を,取付ボルト14が後方に伸びる状態でリヤサイドフレーム6後端部(の側壁部)に溶接接合するようにしてある。
【0029】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。ハッチ開口部2の下端の高さよりも,バンパ中央部12Bの上面高さを低い位置に設定してもよい。つまり,リアフロア面の高さよりリヤバンパ上面の高さを低く設定しても,荷物の積み降ろしの容易化は実現できる。この場合には段差面5aを形成することなく,リアフロア面を従来構造と同じくリヤサイドフレーム6の上面高さに設定してもよい。なお,フロア板7の高さ方向の厚さを増すことにより,段差面5aとリヤサイドフレーム6の上面との段差を解消したり,リヤクロスパネル15の上面の高さを段差面5aより高く設定した場合でも,この高さを吸収してフロア板7の上面とリヤクロスパネル15の上面との段差を解消することができる。別途フロア板7を用いることなく,リアフロアパネル5のうち左右一対のリヤサイドフレーム6の間に位置する部分を直接荷物が載置されるリアフロア面とすることもできる。クラッシュカン10のリヤサイドフレーム6に対する取付けは,適宜の手法を用いることができる。勿論,本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明が適用された車両を後方から見た図。
【図2】リヤバンパを取外した状態でのハッチ開口部付近の取付状態を示す斜視図。
【図3】車体後部の各部材の組付関係を示す分解平面図。
【図4】図3X4−X4線相当断面図。
【図5】リヤバンパレインの一例を示す斜視図。
【図6】図5のリヤバンパレインを後方から見た図。
【図7】図6のX7−X7線相当断面図。
【図8】図6のX8−X8線相当断面図。
【図9】組付完了状態でのリヤバンパレインのレイン肩部に相当する部分での側面断面図。
【図10】組付完了状態でのリヤバンパレインのレイン中央部に相当する部分での側面断面図。
【図11】リヤサイドフレームの後端部に拡大部を形成する場合の変形例を示す図。
【図12】リヤサイドフレームの後端部に拡大部を形成する場合の別の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0031】
1:リヤハッチドア
2:ハッチ開口部
5:リアフロアパネル
5a:段差面(リアフロア面高さ位置)
6:リヤサイドフレーム
6a:拡大部
7:フロア板(リアフロア面構成用)
10:クラッシュカン
11:リヤバンパレイン
11a:後壁部
11b:上壁部
11c:底壁部
11A:レイン肩部
11B:レイン中央部
12:リヤバンパ
12A:バンパ肩部
12B:バンパ中央部
15:リヤクロスパネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体後面に開口されてリヤハッチドアによって開閉されるハッチ開口部を備え,リアフロアパネルの下面に固定された前後方向に伸びる左右一対のリヤサイドフレームの後端に,クラッシュカンを介してリヤバンパレインが固定された車体後部構造において,
前記リヤバンパレインは,全体として金属板からなる一体成形品とされており,
前記リヤバンパレインは,前記リヤサイドフレームの上面と略一致した高さとされた上面を有して前記クラッシュカンへの取付部となる左右一対のレイン肩部と,該左右一対のレイン肩部の間に形成されて,上面が該レイン肩部の上面よりも低く設定されると共に前記ハッチ開口部の下端の車幅に対応した車幅を有するレイン中央部とを有する形状に設定されている,
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
請求項1において,
前記リヤバンパレインは,後壁部と,該後壁部の上端から前方に伸びる上壁部と,該後壁部の下端から前方に向けて伸びる底壁部とを有して,前方に向けて開口された断面略コ字状に形成され,
前記上壁部および後壁部は,前記レイン中央部の高さが前記レイン肩部の高さよりも低くされている,
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において,
リアフロア面の後端が連なる前記ハッチ開口部の下端の高さが,前記リヤサイドフレームの上面高さ位置よりも低い位置となるように設定され,
前記リヤバンパレインに取付けられるリヤバンパが,前記レイン肩部を後方および上方から覆う左右一対のバンパ肩部と,上面が該バンパ肩部の上面よりも低く設定されると共に前記ハッチ開口部の車幅に対応した車幅を有して前記レイン中央部を後方および上方から覆うバンパ中央部とを有し,
前記バンパ中央部の上面が,前記ハッチ開口部の下端の高さ以下の高さに設定されている,
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記各リヤサイドフレームの後端部に,後端に向かうにつれて徐々に下方側に断面が拡大された拡大部が形成され,
前記クラッシュカンは,前記リヤサイドフレームの前記拡大部の最大上下幅と略同一の上下幅を有するように設定されている,
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記各クラッシュカンは,上方から見たときに,後方に向かうにつれて徐々に車幅方向幅長さが大きくなるように末広がり形状に形成されると共に,該クラッシュカンの後端の車幅方向長さが,前記リヤサイドフレームの車幅方向長さよりも大きく設定されており,
前記レイン肩部の車幅方向長さが,前記クラッシュカンの後端の車幅方向長さ以上の大きさとされている,
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記左右一対のリヤサイドフレームの後端同士が,車幅方向に伸びるリヤクロスパネルによって連結されて,該リヤクロスパネルによって前記ハッチ開口部の下端縁が構成され,
前記ハッチ開口部の下端の車幅方向長さに対応した部分において,リアフロア面から前記リヤクロスパネルの上面を経て前記リヤバンパの上面までが略同一高さとなるように設定されている,
ことを特徴とする車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−69279(P2006−69279A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252594(P2004−252594)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】