説明

車載システム、通信装置、及び制御装置

【課題】通信装置と運転補助等を行う制御装置とが伝送路で接続されている場合において、通信装置から路側機へのデータの送信時刻を制御装置にて精度良く推定することが可能な車載システムを提供する。
【解決手段】光ビーコン受信機は、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信終了後から250msの待ち時間が経過した際に、路側機から受信したダウンリンク情報に基づくデータを、複数のパケットとしてナビゲーション装置に対して送信する処理であるデータ送信処理を開始する。そして、ナビゲーション装置は、最初に受信した上記パケットの受信終了時刻と、このパケットの受信に要した時間と、250msの待ち時間とに基づき、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を推定する(S330)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側機との通信可能領域において、路側機からダウンリンク情報を受信する車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路を走行する車両に情報を提供するシステムとして光ビーコンが広く用いられている。このシステムでは、道路の脇に設置された路側機の付近の3.7m程度の道路区間が通信可能領域として設定される。そして、路側機は、この通信可能領域を通過する車両に搭載された通信装置に対し、光信号を投光することによりダウンリンク情報を送信する。ダウンリンク情報を受信した通信装置は、光信号によりアップリンク情報を路側機に対して送信する。そして、アップリンク情報を受信した路側機は、通信装置に対して渋滞情報や交通規制情報等を含むダウンリンク情報を送信する。
【0003】
今後、光ビーコンにより路側機と、この路側機の先の交差点等との間の距離情報等を提供し、この距離情報等を用いて車両が上記交差点を通過する際の挙動を制御して運転補助を行うという構想がある。しかし、このような運転補助を行うためには、路側機の付近を通過後の車両と上記交差点との距離を、運転補助を行う制御装置(以下、単に「制御装置」と記載)にて精度良く把握する必要がある。この距離を把握するためには、例えば、車両が通信可能領域に到達した際の到達時刻と、現在時刻と、通信可能領域に到達後から現在に至るまでの速度の履歴とにより、通信可能領域に到達後の車両の移動距離を算出し、路側機から上記交差点等までの距離情報から移動距離を減算することが考えられる。この方法により車両と上記交差点との距離を精度良く把握するためには上記移動距離を精度良く把握することが必要となり、そのためには、少なくとも車両が通信可能領域に到達した際の到達時刻を精度良く把握しなければならない。
【0004】
到達時刻を精度良く特定する一つの方法として、路側機により正常に受信されたアップリンク情報の送信時刻を通信装置または制御装置にて特定し、この送信時刻を到達時刻とみなすという方法を挙げることができる。ここで、例えば、通信装置が制御装置に内蔵されている場合であれば、制御装置における路側機との通信を行う通信部と運転補助を行う制御部とが十分に早い速度で通信を行うことや、通信部と制御部との間で時刻を同期させることが可能となる。このため、通信部にてアップリンク情報の送信時刻を特定して制御部に通知することや、アップリンク情報の応答としてダウンリンク情報を受信した旨を、通信部から制御部に大きな遅延無く通知することや可能となる。したがって、路側機により正常に受信されたアップリンク情報の送信時刻を制御部にて精度良く特定することができ、制御部にて精度良く到達時刻を把握することが可能となる。
【0005】
しかしながら、例えば、通信装置が制御装置に外付けされている場合のように、通信装置と制御装置とが通信速度の遅いシリアルバス等で接続されている場合には、通信装置がダウンリンク情報を受信後、このダウンリンク情報に基づくデータを制御装置が受信するまでの間に遅延が生じる。例えば、路側機から通信装置に対してダウンリンク情報として10kbyteのデータが送信され、通信装置と制御装置との間のボーレートが19.2kbpsで転送効率が50%であると仮定する。このとき、通信装置がこのデータを全て制御装置に転送する場合には、制御装置が上記データを全て受信するまでにおよそ10sの時間が必要となる。このとき、仮に車両が36km/hにて走行しているのであれば、この間に車両は100mの距離を走行し、さらに、車両の速度の増加によりこの走行距離は増加する。車両と上記交差点等との間の距離の誤差が100mも生じてしまった場合には、制御装置は、車両が上記交差点を通過する際の挙動を適切に制御することはできない。このように、通信装置が外付けされている制御装置にて到達時刻を特定する際には、制御装置がダウンリンク情報に基づくデータを通信装置より受信するために必要な時間を考慮する必要がある。
【0006】
ここで、特許文献1には、通信可能領域の始端と終端との間の距離を所定の範囲に設定することにより、通信可能領域に到達した自車両と交差点等との距離を精度良く認識することを可能とする路車間通信システムが記載されている。また、特許文献2に記載の距離認証システムでは、アップリンク情報を受信した路側機から送信されるダウンリンク情報には、通信可能領域と交差点等との距離情報と共に、アップリンク情報受信後、路側機が最初にダウンリンク情報を送信したタイミングを基準とする送信経過情報が含まれている。この送信経過情報に基づき通信可能領域に到達後の自車両の移動距離を算出し、距離情報に対する補正を行うことにより、通信可能領域を通過中の自車両と交差点等との間の距離をより正確に算出することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2には、制御装置に光ビーコンの通信装置が外付けされている場合のように、制御装置がダウンリンク情報に基づくデータを通信装置より受信するために必要な時間を考慮する必要がある場合において、自車両が通信可能領域に到達した際の到達時刻を制御装置にて精度良く特定する方法は記載されていない。
【特許文献1】特開2007−293660号公報
【特許文献2】特開2007−293825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は上記課題を解決するためになされたものであり、通信装置と運転補助等を行う制御装置とが伝送路で接続されている場合において、通信装置から路側機へのデータの送信時刻を制御装置にて精度良く推定することが可能な車載システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車載システムは、路側機と通信を行う通信装置と、通信装置と伝送路で接続されている制御装置とを有する。そして、この通信装置は、路側機から送信されたダウンリンク情報を受信するダウンリンク情報受信手段と、ダウンリンク情報受信手段がダウンリンク情報を受信すると、路側機に対しアップリンク情報を送信するアップリンク情報送信手段とを備える。また、この通信装置は、アップリンク情報送信手段が路側機に対してアップリンク情報の送信に成功すると、ダウンリンク情報受信手段が受信したダウンリンク情報に基づくデータを、伝送路を介して制御装置に送信する処理であるデータ送信処理を、送信に成功したアップリンク情報の送信タイミングを起点として所定の待ち時間が経過したタイミングであるデータ送信開始タイミングにおいて開始するデータ送信手段を備える。また、制御装置は、通信装置から送信されたデータを受信するデータ受信手段と、データ受信手段がデータの受信を開始した時刻である受信開始時刻を特定する受信開始時刻特定手段と、受信開始時刻特定手段により受信開始時刻が特定されると、特定した受信開始時刻と所定の待ち時間とに基づき、通信装置によるアップリンク情報の送信時刻を推定する送信時刻推定手段とを備える。
【0010】
尚、データ送信手段は、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信を開始したタイミングを送信タイミングとみなしても良いし、このアップリンク情報の送信が終了したタイミングを送信タイミングとみなしても良い。また、このアップリンク情報の送信中のいずれかのタイミングを、送信タイミングとなしても良い。
【0011】
また、送信時刻推定手段は、通信装置によるアップリンク情報の送信開始時刻を推定することにより、通信装置によるアップリンク情報の送信時刻を推定しても良いし、通信装置によるアップリンク情報の送信終了時刻を推定することにより、通信装置によるアップリンク情報の送信時刻を推定しても良い。また、通信装置によりアップリンク情報の送信が行われている際のいずれかのタイミングにおける時刻を推定することにより、通信装置によるアップリンク情報の送信時刻を推定しても良い。
【0012】
通信装置と路側機とが通信可能な領域である通信可能領域を自車両が通過するために要する時間は、自車両の速度等に応じて異なるため、路側機と通信装置との間の通信時間は、自車両の速度に応じて異なる時間となる。そこで、請求項1に記載の車載システムを構成する通信装置は、路側機への送信が成功したアップリンク情報の送信タイミングを起点として所定の待ち時間が経過した際に、制御装置に対し、路側機から受信したダウンリンク情報に基づくデータの送信を開始する。また、制御装置は、通信装置から送信された上記データの受信開始時刻を特定し、特定した受信開始時刻と所定の待ち時間とに基づき、通信装置による上記アップリンク情報の送信時刻を推定する。
【0013】
こうすることにより、通信装置は、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信タイミングから、路側機から受信したダウンリンク情報に基づくデータについて制御装置に対するデータ送信処理を開始するまでの間の時間の変動を抑えることができる。そして、制御装置は、ダウンリンク情報に基づくデータの受信開始時刻と所定の待ち時間とに基づき、通信装置から路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を推定するため、精度良く送信時刻を推定することができる。
【0014】
したがって、制御装置は、推定した送信時刻と、送信時刻を経過した後の自車両の速度の履歴とに基づき、送信時刻における自車両の位置を起点とした自車両の移動距離を算出することができる。そして、例えば、通信装置が路側機から交差点等までの距離情報を受信した場合には、受信した距離情報から移動距離を減算することにより、自車両と上記交差点等との距離を精度良く把握することが可能となる。これにより、制御装置は、自車両が上記交差点等を通過する際の運転補助を精度良く行うことが可能となる。
【0015】
また、通信装置は、次のような場合には、路側機へのアップリンク情報の送信に成功したとみなしても良い。
すなわち、請求項2に記載されているように、データ送信手段は、アップリンク情報送信手段がアップリンク情報を送信した後、路側機がアップリンク情報の受信に基づき送信したダウンリンク情報をダウンリンク情報受信手段が受信することにより、アップリンク情報送信手段による路側機へのアップリンク情報の送信が成功したとみなしても良い。
【0016】
こうすることにより、通信装置から路側機へのアップリンク情報の送信に成功したか否かを的確に判断することができる。
また、シリアルバス等の伝送路を介して通信を行う場合には、一般的には、データを複数のパケットに分割し、このパケットの送受信が行われる。一般的に、パケットの送受信を制御するマイクロコントローラのハードウェアは、パケットの受信終了時刻を特定することが可能な構成となっているが、パケットの受信開始時刻を特定することができない構成となっている場合や、パケットの受信開始時刻を正確に特定することが困難な構成となっている場合が多い。
【0017】
そこで、請求項3に記載の車載システムでは、データ送信手段は、データ送信処理において、ダウンリンク情報受信手段が受信したダウンリンク情報に基づくデータを、複数のパケットとして制御装置に送信し、受信開始時刻特定手段は、データ受信手段がデータ送信手段により最初に送信されたパケットの受信を完了した時刻を特定し、特定した時刻と、データ送信手段により最初に送信されたパケットのデータ長とに基づき、受信開始時刻を特定する。
【0018】
こうすることにより、制御装置のマイクロコントローラが、パケットの受信開始時刻を特定することができない構成となっている場合や、受信開始時刻を正確に特定することが困難な構成となっている場合であっても、パケットの受信終了時刻に基づき、パケットの受信開始時刻を正確に特定することができる。
また、通信装置は、次のようにして路側機との通信を行っても良い。
【0019】
すなわち、請求項4に記載されているように、ダウンリンク情報受信手段は、路側機から投光された光信号を介してダウンリンク情報を受信し、アップリンク情報送信手段は、光信号を介してアップリンク情報を送信しても良い。
【0020】
こうすることにより、通信装置が光ビーコンの路側機と光信号を介して通信を行う場合に、制御装置は、光ビーコンの路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を精度良く把握することができる。
【0021】
ところで、例えば、光ビーコンでは、発光ダイオードを発光素子として光信号を生成し、この光信号により路側機と通信装置との間の通信が行われる。光信号を生成する際には、発光ダイオードを高輝度で発光させる必要があり、これにより発光ダイオードが発熱する。このため、光ビーコンでは、十分な送信間隔を空けてダウンリンク情報またはアップリンク情報の送信を行わないと、発熱により発光ダイオードが破壊されてしまうおそれがある。しかしながら、通信装置から路側機へのアップリンク情報の送信に失敗した場合、通信装置はアップリンク情報を再送するが、送信間隔を長くすると、最初にアップリンク情報を送信した送信時刻と、二回目以降にアップリンク情報を送信した送信時刻の差異が大きくなってしまう。したがって、自車両の走行速度が速い場合には、最初にアップリンク情報を送信する位置と、二回目以降にアップリンク情報を送信する位置との差異が大きくなってしまう。これにより、路側機から交差点等までの距離情報を受信し、送信時刻等に基づき算出された送信時刻後の自車両の移動距離を用いて自車両と上記交差点等との距離を算出する場合に、この移動距離の起点となる位置の差異が大きくなってしまう。その結果、制御装置は、自車両と上記交差点等との距離を精度良く算出することができなくなってしまう。
【0022】
そこで、請求項5に記載の車載システムでは、アップリンク情報送信手段は、最初にアップリンク情報を送信した後、アップリンク情報の送信が成功するまでの間、アップリンク情報を繰り返し送信する。そして、アップリンク情報送信手段が最初にアップリンク情報を送信した後、二回目にアップリンク情報を送信するまでの時間間隔は、アップリンク情報送信手段が二回目以降にアップリンク情報を送信した後、次にアップリンク情報を送信するまでの時間間隔よりも短い。
【0023】
こうすることにより、自車両が高速で走行している際に最初に送信したアップリンク情報の送信に失敗した場合、最初にアップリンク情報を送信した位置と、二回目以降にアップリンク情報を送信した位置との差異を低減させることができる。したがって、自車両が高速で走行している場合において、制御装置が自車両と上記交差点等との距離を算出する際の精度を向上させることが可能となる。また、最初にアップリンク情報が送信された後、二回目にアップリンク情報が再送されるまでの時間間隔のみが、三回目以降にアップリンク情報が再送される際の時間間隔よりも短く設定されているため、発熱により発光ダイオードが破壊されてしまうといった事態の発生を抑えることができる。
【0024】
また、今後、光ビーコンの路側機の設置台数が増える可能性があり、路側機の設置台数の増加により、路側機が隣接して設置されてしまうといった状況を想定することができる。このような場合において、通信装置は、路側機から受信したダウンリンク情報に基づくデータ送信処理を終了する前に、他の路側機から新たなダウンリンク情報を受信するといったケースを想定することができる。例えば、路側機から通信装置に対してダウンリンク情報として10kbyteのデータが送信され、通信装置と制御装置との間のボーレートが19.2kbpsで転送効率が50%であると仮定する。このとき、通信装置がこのデータを全て制御装置に送信する場合には10sの時間が必要となり、仮に車両が36km/hにて走行しているのであれば、この間に車両は100mの距離を走行する。したがって、上記仮定の下では、少なくとも100m以上の間隔を空けて路側機が設置されていなければ、通信装置は、既に受信したダウンリンク情報に基づくデータ送信処理を終了する前に、他の路側機から新たなダウンリンク情報を受信してしまう可能性がある。
【0025】
そこで、請求項6に記載の車載システムでは、ダウンリンク情報受信手段が路側機からダウンリンク情報を受信後、受信されたダウンリンク情報に関するデータ送信処理が終了するまでの間に、ダウンリンク情報受信手段が他の路側機から新たなダウンリンク情報を受信した場合、先に受信されたダウンリンク情報と新たに受信されたダウンリンク情報との内容に基づき、先に受信されたダウンリンク情報と新たに受信されたダウンリンク情報とのうち、優先度の高いダウンリンク情報を判定する判定手段を、通信装置はさらに備える。尚、他の路側機とは、既に受信されたダウンリンク情報の送信元である路側機以外の他の路側機を意味する。そして、データ送信手段は、判定手段により、ダウンリンク情報受信手段により新たに受信されたダウンリンク情報が優先度の高いダウンリンク情報として判定された場合、新たに受信されたダウンリンク情報に係る送信開始タイミングにおいて、このダウンリンク情報に関するデータ送信処理を開始する。
【0026】
尚、ダウンリンク情報に、路側機から交差点等までの距離情報等といった、送信時刻の推定が必要な情報が含まれている場合と、このような情報が含まれていない場合とを想定することができる。判定手段は、送信時刻の推定が必要な情報が含まれているダウンリンク情報の優先度を、送信時刻の推定が必要な情報が含まれていないダウンリンク情報の優先度よりも高いと判定しても良い。
【0027】
こうすることにより、例えば、通信装置が先に受信したダウンリンク情報には送信時刻の推定が必要な情報が含まれておらず、新たに受信したダウンリンク情報には送信時刻の推定が必要な情報が含まれている場合に、通信装置は、新たに受信したダウンリンク情報に関して、送信開始タイミングにおいてデータ送信処理を開始することができる。したがって、制御装置は、通信装置が新たに受信したダウンインク情報に関して、送信時刻を精度良く推定することができる。
【0028】
また、路側機が十分な間隔を設けて設置されていない場合を想定して、車載システムは、次のような構成を有していても良い。
すなわち、請求項7に記載の車載システムでは、データ送信手段は、ダウンリンク情報受信手段が路側機からダウンリンク情報を受信後、受信したダウンリンク情報に関するデータ送信処理が終了するまでに、ダウンリンク情報受信手段が他の路側機から新たなダウンリンク情報を受信した場合において、新たに受信されたダウンリンク情報に係る送信開始タイミングを経過しても、先に受信されたダウンリンク情報に関するデータ送信処理が終了していない場合には、先に受信されたダウンリンク情報に係るデータ送信処理が終了した後に、新たに受信されたダウンリンク情報に係るデータ送信処理を開始しても良い。尚、他の路側機とは、既に受信されたダウンリンク情報の送信元である路側機以外の他の路側機を意味する。また、通信装置は、データ送信手段が、送信開始タイミングを経過した後にデータ送信処理を開始する場合には、送信開始タイミングと、データ送信処理を開始するタイミングとの間の遅延時間を特定する遅延時間特定手段と、遅延時間特定手段により特定された遅延時間を、伝送路を介して制御装置に送信する遅延時間送信手段とを備えていても良い。
【0029】
こうすることにより、通信装置がデータ送信処理を終える前に他の路側機から新たなダウンリンク情報を受信し、新たに受信したダウンリンク情報に基づくデータ送信処理を開始するタイミングが遅延した場合であっても、制御装置は遅延時間を把握することができる。そして、制御装置は、新たなダウンリンク情報の送信元である他の路側機に対するアップリンク情報の送信時刻を、遅延時間を加味して推定することにより、精度良く送信時刻を推定することができる。
【0030】
また、請求項6や請求項7に記載の構成を有することにより、路側機が隣接して設けられている場合であっても制御装置は送信時刻を精度良く推定することができるため、路側機を設置する際には、他の路側機との間隔を考慮することなく路側機を設置することが可能となる。
【0031】
ところで、請求項1から請求項7に記載した車載システムの通信装置を、単体で構成して市場に流通させても良い。また、請求項1から請求項7に記載した制御装置を単体で構成して市場に流通させても良い。通信装置及び制御装置を単体で構成しても、対応する制御装置又は通信装置と組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0033】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1は、車載システム1の構成を示すブロック図である。車載システム1は、光ビーコン受信機10と、ナビゲーション装置20とから構成される。光ビーコン受信機10と、ナビゲーション装置20は、バス30を介して接続されている。また、ナビゲーション装置20は、図示しない車内LANを介して、速度等といった自車両の挙動を制御する外部装置(図示なし)に接続されている。
【0034】
光ビーコン受信機10は、路側機40との通信可能領域において、近赤外線による光信号を介してこの路側機40との双方向通信を行う装置である。自車両が通信可能領域に到達し光ビーコン受信機10が通信可能領域に進入した際、光ビーコン受信機10は、自車両が通信可能領域に進入した旨を知らせるためのダウンリンク情報(以後、アイドル情報としてのダウンリンク情報とも記載)を、路側機40から受信する。そして、このダウンリンク情報を受信した光ビーコン受信機10は、路側機40に対してアップリンク情報を送信する。アップリンク情報を受信した路側機40は、光ビーコン受信機10に対して、渋滞情報や道路規制情報等の情報や、通信可能領域を通過する車両の前方に存在する交差点等までの距離情報等が含まれているダウンリンク情報を送信する。光ビーコン受信機10は、路側機40から受信した渋滞情報や距離情報等を、バス30を介してナビゲーション装置20に送信する。
【0035】
ナビゲーション装置20は、経路案内等を行う周知のナビゲーション装置である。ナビゲーション装置20は、光ビーコン受信機10から受信した渋滞情報等に基づき経路案内等を行う。また、ナビゲーション装置20は、自車両が通信可能領域に到達した後、光ビーコン受信機10から受信した距離情報と、通信可能領域に到達後の自車両の速度の履歴に基づき、通信可能領域に到達後の自車両の走行距離を算出し、さらに、距離情報から走行距離を減算することにより、自車両と上記交差点等との距離を算出する。そして、ナビゲーション装置20は、算出した距離に基づき、自車両が上記交差点を通過するタイミングを特定する。そして、例えば、自車両が上記交差点等を通過する手前や、自車両が上記交差点等を通過する際に、自車両の速度を適切な速度するための指示を、自車両の挙動を制御する外部装置(図示なし)に対して行うことにより、自車両が上記交差点等を通過する際の運転補助を行う。また、ナビゲーション装置20は、算出した自車両と上記交差点等との距離に基づき、例えば、自車両が上記交差点等を通過する際の警告メッセージ等を報知することにより、自車両が上記交差点等を通過する際の運転補助を行う。
【0036】
路側機40は、近赤外線による光信号の投光と、近赤外線による光信号の受光とを行う投受光部41を備え、近赤外線による光信号を介して、通信可能領域における光ビーコン受信機10と双方向通信を行う装置である。路側機40は、所定の周期にてアイドル情報としてのダウンリンク情報を送信する。そして、光ビーコン受信機10を搭載した車両が通信可能領域に進入し、アイドル情報としてのダウンリンク情報を受信した光ビーコン受信機10からアップリンク情報を受信すると、路側機40は、所定の期間、渋滞情報や距離情報等を含むダウンリンク情報(以後、路側機40がアップリンク情報の受信に基づき送信するダウンリンク情報とも記載)を所定の周期にて送信する。
【0037】
(2)通信可能領域について
次に、路側機40と光ビーコン受信機10との通信可能領域について、図2に記載の説明図を用いて説明する。
【0038】
路側機40の投受光部41は、車両の走行路の真上に設置され、走行路上に形成した通信可能領域に存在する光ビーコン受信機10との間で近赤外線を用いた双方向通信を行う。この通信可能領域は、路側機40の投受光部41が、光ビーコン受信機10から送信されたアップリンク情報を受信可能な領域であるアップリンク領域と、光ビーコン受信機10が、路側機40の投受光部41から送信されたダウンリンク情報を受信可能な領域であるダウンリンク領域とから構成されている。尚、アップリンク領域の付近の領域においても、路側機40は光ビーコン受信機10から送信されたアップリンク情報を受信する場合があり、また、ダウンリンク領域の付近の領域においても、光ビーコン受信機10は路側機40から送信されたダウンリンク情報を受信する場合がある。
【0039】
図2の(a)は、走行路上に対向した位置から見た場合のアップリンク領域を示す説明図であり、図2の(c)は、走行路上を横から見た場合のアップリンク領域を示す説明図である。また、図2の(b)は、走行路上に対向した位置から見た場合のダウンリンク領域を示す説明図であり、図2の(d)は、走行路上を横から見た場合のダウンリンク領域を示す説明図である。尚、ダウンリンク領域と通信可能領域とは、同一の領域となっており、アップリンク領域は、ダウンリンク領域よりも狭い領域となっている。
【0040】
ここで、ダウンリンク領域に対するアップリンク領域の位置関係について説明する。アップリンク領域は、通信可能領域に到達した車両が、アップリンク領域かつダウンリンク領域である領域に進入するように配置されている。また、アップリンク領域は、通信可能領域に到達した車両が走行路に沿って進行すると、最初にアップリンク領域を抜け、次にダウンリンク領域を抜けるように配置されている。尚、アップリンク領域における底部の車両進行方向の長さは1.6mとなっており、ダウンリンク領域における底部の車両進行方向の長さは3.7mとなっている。
【0041】
(3)光ビーコン受信機について
次に、車載システム1を構成する光ビーコン受信機10の構成について説明する。図3は、光ビーコン受信機10の構成を示すブロック図である。光ビーコン受信機10は、受光部11と、送光部12と、制御部13とから構成される。
【0042】
受光部11は、路側機40から投光されたダウンリンク情報を示す光信号を受光し、受光した光信号を、制御部13にて読み取り可能な形式に変換する部位である。具体的には、フォトダイオード等により構成されている。
【0043】
送光部12は、制御部13にて生成されたアップリンク情報に基づき、近赤外線による光信号を生成し、路側機40に向けて投光する部位である。具体的には、発光ダイオード等から構成されている。
【0044】
制御部13は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部13は、ROMに記憶されているプログラムに従い光ビーコン受信機10の各部位を制御する部位である。また、制御部13は、現在時刻を1ms単位で特定可能な時計機能を有している。
【0045】
通信部14は、バス30を介してナビゲーション装置20と種々の情報の送受信を行う部位である。
(4)ナビゲーション装置について
次に、車載システム1を構成するナビゲーション装置20の構成について説明する。図4は、ナビゲーション装置20の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は、操作部21、表示部22、音声出力部23、記憶部24、地図データ入力器25、制御部26、位置検出器27、車内LAN通信部28、及び、通信部29から構成されている。
【0046】
操作部21は、ユーザからの各種指示を受け付ける部位であり、具体的にはメカニカルなキースイッチや、タッチスイッチ等から構成される。
表示部22は、各種表示を行う部位であり、具体的にはLCDや有機EL等から構成される。
【0047】
音声出力部23は、制御部26から入力された信号に基づき音声を出力する部位である。
記憶部24は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種情報を記憶することができる。
【0048】
地図データ入力器25は、経路案内等を行う際に使用する地図データや、所定の施設を検索する際に用いる施設検索情報等の各種データを入力するための装置である。これらのデータの記憶媒体としては、そのデータ量が膨大であるため、DVD−ROM等を用いるのが一般的である。
【0049】
制御部26は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部26は、ROMに記憶されているプログラムに従いナビゲーション装置20の各部位を制御する部位である。また、制御部26は、現在時刻を1ms単位で特定可能な時計機能を有している。
【0050】
位置検出器27は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信して車両の位置、方位、速度等を検出するGPS受信器27aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ27bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ27cとを備えている。そして、これらは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0051】
車内LAN通信部28は、図示しない車内LANを介して種々の情報の送受信を行う部位である。
通信部29は、バス30を介して光ビーコン受信機10と種々の情報の送受信を行う部位である。
【0052】
[動作の説明]
次に、車載システム1の動作について説明する。
(1)ダウンリンク情報受信処理について
まず、自車両が路側機40との通信可能領域を走行する際、通信可能領域に進入した光ビーコン受信機10にて、路側機40から送信されたダウンリンク情報を受信する処理であるダウンリンク情報受信処理について、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。このダウンリンク情報受信処理は、自車両の走行開始時に開始される。
【0053】
S105では、光ビーコン受信機10の制御部13は、受光部11を介して路側機40から送信されたダウンリンク情報の受信を行う。ダウンリンク情報を受信すると、制御部13は、S110に処理を移行する。
【0054】
S110では、制御部13は、受信したダウンリンク情報が正常であるか否かを判定する。具体的には、受信したダウンリンク情報が、自車両が通信可能領域に進入した旨を知らせるためのダウンリンク情報(アイドル情報としてのダウンリンク情報)であるか否かを判定する。受信したダウンリンク情報がアイドル情報としてのダウンリンク情報である場合(S110:Yes)、制御部13は、S115に処理を移行する。受信したダウンリンク情報がアイドル情報としてのダウンリンク情報でない場合(S110:No)、制御部13は、S105に処理を移行する。
【0055】
S115では、制御部13は、送光部12を介して路側機40に対しアップリンク情報を送信する。そして、送信が終了すると、制御部13は、S120に処理を移行する。
S120では、制御部13は、時計機能により1ms単位で現在時刻(T0)を特定し、S125に処理を移行する。
【0056】
S125では、制御部13は、S115にて送信したアップリンク情報に対する応答待ち時間を設定し、S130に処理を移行する。尚、制御部13は、最初のアップリンク情報の送信時には、応答待ち時間として20msを設定し、以後、40ms付近のランダムな時間を応答待ち時間として設定する。
【0057】
S130では、制御部13は、受光部11を介して路側機40から送信されたダウンリンク情報の受信を行う。ダウンリンク情報を受信した場合、または、アップリンク情報送信後の応答待ち時間が経過した場合には、制御部13はS135に処理を移行する。
【0058】
S135では、制御部13は、S115にて行ったアップリンク情報の送信に成功したか否かを判定する。具体的には、制御部13は、S130にて受信したダウンリンク情報が、S115にて送信されたアップリンク情報に基づき路側機40から送信されたダウンリンク情報である場合、正常なダウンリンク情報を受信したとみなす。S130にて受信したダウンリンク情報が正常である場合(S135:Yes)、制御部13は、S150に処理を移行する。S130にて受信したダウンリンク情報が正常でない場合(S135:No)、制御部13は、S140に処理を移行する。
【0059】
S140では、制御部13は、アップリンク情報送信後の応答待ち時間が経過したか否かを判定する。応答待ち時間が経過した場合(S140:Yes)、制御部13は、S145に処理を移行する。応答待ち時間が経過していない場合(S140:No)、S130に処理を移行する。
【0060】
S145では、制御部13は、S130にてダウンリンク情報を受信したか否かを判定する。ダウンリンク情報を受信した場合(S145:Yes)、自車両が路側機40との通信可能領域を通過中であるとみなし、制御部13は、S115に処理を移行する。ダウンリンク情報を受信していない場合(S145:No)、制御部13は、自車両が路側機40との通信可能領域を通過したとみなし、S105に処理を移行する。
【0061】
S150では、制御部13は、S120にて特定した現在時刻(T0)に250msを加算した時刻を、ダウンリンク情報の受信終了時刻として設定し、S155に処理を移行する。
【0062】
S155では、制御部13は、後述するデータ送信処理が、S120にて特定した現在時刻(T0)から250ms経過後にタイマ割込み処理としてコールされるように設定を行い、S170に処理を移行する
S170では、制御部13は、受信したダウンリンク情報を制御部13が備えるRAMに一時的に記憶し、S175に処理を移行する。
【0063】
S175では、制御部13は、時計機能により1ms単位で現在時刻を特定し、現在時刻がS150にて設定した受信終了時刻を経過しているか否かを判定する。受信終了時刻を経過している場合(S175:Yes)、制御部13は、S180に処理を移行する。受信終了時刻を経過していない場合(S175:No)、制御部13は、S160に処理を移行する。
【0064】
ダウンリンク情報の受信終了時刻を経過していない場合に移行するS160では、制御部13は、受光部11を介して路側機40から送信されたダウンリンク情報の受信を行う。ダウンリンク情報を受信すると、制御部13は、S165に処理を移行する。
【0065】
S165では、制御部13は、S160にて正常なダウンリンク情報を受信したか否かを判定する。具体的には、制御部13は、S160にて受信したダウンリンク情報が、路側機40により、S115にて送信されたアップリンク情報に基づき送信されたダウンリンク情報である場合、正常なダウンリンク情報を受信したとみなす。正常なダウンリンク情報を受信した場合(S165:Yes)、制御部13は、S170に処理を移行する。正常なダウンリンク情報を受信していない場合(S165:No)、制御部13は、S175に処理を移行する。
【0066】
S175にて受信終了時刻を経過していると判定された場合に移行するS180では、制御部13は、自車両がダウンリンク領域を通過するまでウェイトする。具体的には、制御部13は、受光部11を介してダウンリンク情報を受信したか否かを判定し、例えば、1s間ダウンリンク情報の受信が無い場合、自車両がダウンリンク領域を通過したとみなしてS185に処理を移行する。
【0067】
S185では、制御部13は、ダウンリンク情報に基づくデータの送信が終了するまでウェイトする。具体的には、タイマ割込み処理としてコールされたデータ送信処理が終了した場合、ダウンリンク情報に基づくデータの送信が終了したとみなす。ダウンリンク情報に基づくデータの送信が終了すると、制御部13は、ダウンリンク情報受信処理を終了する。
【0068】
(2)データ送信処理について
次に、光ビーコン受信機10が、受信したダウンリンク情報に基づくデータを、パケットとしてバス30を介してナビゲーション装置20に送信する処理であるデータ送信処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。この処理は、タイマ割込み処理としてコールされる処理であり、路側機40への送信に成功したアップリンク情報の送信終了後、250msを経過したタイミングである送信開始タイミングにコールされる処理である。
【0069】
S205では、制御部13は、チェックサムを行う等して、制御部13が有するRAMに一時的に記憶されているダウンリンク情報が正常か否かを判定する。ダウンリンク情報が正常でない場合、制御部13は、データ送信処理を終了する。ダウンリンク情報が正常である場合、制御部13は、S210に処理を移行する。
【0070】
S210では、制御部13は、制御部13が有するRAMに記憶されているダウンリンク情報のデータ量に基づき、ナビゲーション装置20に送信する総パケット数Nを設定する。また、制御部13は、パケットを送信する際のカウンタiに1を設定し、S215に処理を移行する。
【0071】
S215では、制御部13は、パケットの送信に失敗した場合に行うリトライ送信のタイムアウト時間として1sを設定し、S220に処理を移行する。
S220では、制御部13は、RAMに一時的に記憶されているダウンリンク情報に基づきi番目のパケットを生成し、通信部14を介してナビゲーション装置20に対し、生成したi番目のパケットを送信する。そして、制御部13は、S225に処理を移行する。尚、1番目のパケットは、固定されたデータ長を有している。
【0072】
S225では、制御部13は、送信したパケットがナビゲーション装置20にて正常に受信されたか否かを判定する。具体的には、ナビゲーション装置20から応答としてACKが返された場合には、ナビゲーション装置20にてパケットが正常に受信されたと判定し、ナビゲーション装置20から応答としてNACが返された場合には、ナビゲーション装置20にてパケットが正常に受信されなかったと判定する。送信したパケットがナビゲーション装置20にて正常に受信された場合(S225:Yes)、制御部13は、S230に処理を移行する。送信したパケットがナビゲーション装置20にて正常に受信されなかった場合(S225:No)、制御部13は、S240に処理を移行する。
【0073】
S230では、制御部13は、カウンタiに1を加算することによりカウンタiを更新し、S235に処理を移行する。
S235では、制御部13は、全てのパケットの送信が終了したか否かを判定する。具体的には、カウンタiが総パケット数Nよりも大きい場合、全てのパケットの送信が終了したとみなす。全てのパケットの送信が終了した場合(S235:Yes)、制御部13は、データ送信処理を終了する。全てのパケットの送信が終了していない場合(S235:No)、制御部13は、S220に処理を移行する。
【0074】
送信したパケットがナビゲーション装置20にて正常に受信されなかった場合に移行するS240では、制御部13は、i番目のパケットを最初に送信した後、タイムアウト時間(1s)が経過したか否かを判定する。タイムアウト時間が経過した場合(S240:Yes)、制御部13は、データ送信処理を終了する。タイムアウト時間が経過していない場合(S240:No)、制御部13は、S220に処理を移行する。
【0075】
(3)パケット受信処理について
次に、ナビゲーション装置20が、光ビーコン受信機10から送信されたパケットを受信する処理であるパケット受信処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ナビゲーション装置20の通信部29が、光ビーコン受信機10から送信されたパケットの受信信号を検出した際に開始される処理である。
【0076】
S305では、ナビゲーション装置20の制御部26は、通信部29を介して、光ビーコン受信機10から送信されたパケットの受信を行う。受信が終了すると、制御部26は、S310に処理を移行する。
【0077】
S310では、制御部26は、時計機能により、現在時刻(T1)を1ms単位で特定し、S315に処理を移行する。
S315では、制御部26は、チェックサムを行う等して、受信したパケットのデータが正常であるか否かを判定する。受信したパケットのデータが正常である場合(S315:Yes)、制御部26は、S320に処理を移行する。受信したパケットのデータが異常である場合(S315:No)、S340に処理を移行する。
【0078】
S320では、制御部26は、受信したパケットを、制御部26が有するRAMに記憶し、S325に処理を移行する。
S325では、制御部26は、S320にてRAMに記憶したパケットが、1番目のパケットであるか否かを判定する。1番目のパケットである場合(S325:Yes)、制御部26は、S330に処理を移行する。1番目のパケットでない場合(S325:No)、制御部26は、S335に処理を移行する。
【0079】
S330では、制御部26は、S310にて特定した現在時刻(T1)を1番目のパケットの受信完了時刻とする。また、制御部26は、1番目のパケットのデータ長に基づき、このパケットの受信に要した時間を推定し、受信完了時刻からこの時間を減算した時刻を、ダウンリンク情報に基づくデータの受信開始時刻とする。そして、受信開始時刻から、送信に成功したアップリンク情報を光ビーコン受信機10が送信後、1番目のパケットの送信を開始するまでの待ち時間である250msを減算することにより、送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を推定する。そして、制御部26は、S335に処理を移行する。
【0080】
S335では、制御部26は、S320にて受信したパケットが、N番目のパケットであるか否かを判定する。N番目のパケットである場合(S335:Yes)、制御部26は、パケット受信処理を終了する。N番目のパケットでない場合(S335:No)、制御部26は、S305に処理を移行する。
【0081】
S305にて受信したパケットのデータが正常でない場合に移行するS340では、制御部26は、S315にて最初にパケットのデータの異常を検知後、1sが経過したか否かを判定する。1sが経過した場合(S340:Yes)、制御部26はパケット受信処理を終了する。1sが経過していない場合(S340:No)、制御部26は、S345に処理を移行する。
【0082】
S345では、制御部26は、通信部29を介して、光ビーコン受信機10から送信されたパケットの受信を行う。受信が終了すると、制御部26は、S315に処理を移行する。
【0083】
[効果]
本実施形態の車載システム1によれば、光ビーコン受信機10は、路側機40から、自車両が通信可能領域に進入した旨を知らせるためのダウンリンク情報(アイドル情報としてのダウンリンク情報)を受信すると(S105)、路側機40に対してアップリンク情報を送信する(S115)。また、アップリンク情報の送信に成功すると、光ビーコン受信機10は、路側機40から複数回にわたってダウンリンク情報(路側機40が、受信したアップリンク情報に基づき送信したダウンリンク情報)を受信する(S130、S160)。そして、光ビーコン受信機10は、路側機40への送信に成功したアップリンク情報の送信タイミングを起点として250ms経過後に、S130またはS160にて受信したダウンリンク情報に基づくデータをナビゲーション装置20に対して送信する処理であるデータ送信処理を開始する。また、ナビゲーション装置20は、光ビーコン受信機10から送信された1番目のパケットを受信すると、このパケットの受信完了時刻を特定する。そして、受信完了時刻と1番目のパケットのデータ長とに基づき、ダウンリンク情報に基づくデータの受信開始時刻を算出する。そして、算出した受信開始時刻から、アップリンク情報の送信に成功後、1番目のパケットの送信を開始するまでの待ち時間である250msを減算することにより、送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を推定する(S330)。こうすることにより、光ビーコン受信機10は、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信タイミングから、ダウンリンク情報に基づくデータの送信を開始するまでの間の時間の変動を抑えることができる。そして、ナビゲーション装置20は、1番目のパケットの受信完了時刻と、1番目のパケットのデータ長と、250msの待ち時間とに基づき、路側機への送信に成功したアップリンク情報の送信時刻を精度良く推定することができる。
【0084】
これにより、ナビゲーション装置20は、推定した送信時刻と、送信時刻を経過した後の自車両の速度の履歴とに基づき、送信時刻における自車両の位置を起点とした自車両の移動距離を算出することができる。そして、例えば、ダウンリンク情報に路側機40から交差点等までの距離情報が含まれている場合には、受信した距離情報から移動距離を減算することにより、自車両の上記交差点等との距離を精度良く把握することが可能となる。これにより、ナビゲーション装置20は、自車両が上記交差点等を通過する際の運転補助を精度良く行うことが可能となる。
【0085】
また、光ビーコン受信機10は、光ビーコン受信機10が送信したアップリンク情報に基づき路側機40が送信したダウンリンク情報を受信した場合に、アップリンク情報の送信に成功したとみなしている(S135)。したがって、アップリンク情報の送信に成功したか否かを的確に判断することができる。
【0086】
また、光ビーコン受信機10は、アップリンク情報の送信に成功するまで、繰り返しアップリンク情報を送信する。このとき、光ビーコン受信機10は、最初にアップリンク情報を送信した後、次にアップリンク情報を送信するまでの時間間隔として20msを設定し、以後、二回目以降にアップリンク情報を送信した後、次にアップリンク情報を送信するまでの時間間隔として40ms付近のランダムな時間を設定する。
【0087】
こうすることにより、最初にアップリンク情報が送信された際の自車両の位置と、二回目以降にアップリンク情報が送信された際の自車両の位置との差異を低減させることができる。したがって、自車両が高速で走行している場合において、ナビゲーション装置20が自車両と上記交差点等との距離を算出する際の精度を向上させることが可能となる。また、最初にアップリンク情報が送信された後、次のアップリンク情報が再送されるまでの時間間隔が20msとなっており、以後、アップリンク情報を再送する際の時間間隔は、40ms付近の時間となっている。このため、発熱により発光ダイオードが破壊されてしまうといった事態の発生を抑えることができる。
【0088】
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、光ビーコン受信機10は、送信に成功したアップリンク情報の送信終了時を起点として250ms経過した際にデータ送信処理を開始し、ナビゲーション装置20は、送信終了時の時刻を送信時刻として推定している。しかし、光ビーコン受信機10は、送信に成功したアップリンク情報の送信開始時を起点として250ms経過した際にデータ送信処理を開始し、ナビゲーション装置20は、送信開始時の時刻を送信時刻として推定しても良い。また、光ビーコン受信機10は、このアップリンク情報の送信中のいずれかのタイミングを起点として250ms経過した際にデータ送信処理を開始し、ナビゲーション装置20は、上記タイミングの時刻を送信時刻として推定しても良い。このような構成を有する場合であっても、ナビゲーション装置20は精度良く送信時刻を推定することができ、推定した送信時刻と、送信時刻を経過した後の自車両の速度の履歴とに基づき、送信時刻における自車両の位置を起点とした自車両の移動距離を精度良く算出することができる。
【0089】
(2)本実施形態では、光ビーコン受信機10が最初にアップリンク情報を送信した後、パケットのデータ送信処理を開始するまでの待ち時間として250msが設定されている。しかし、言うまでもなく、この待ち時間として異なる時間が設定されていても良い。待ち時間として250ms以外の時間が設定されている場合であっても、同様の効果を得ることが可能である。
【0090】
(3)路側機40が隣接して設置されている場合、光ビーコン受信機10は、路側機40から受信したダウンリンク情報に関するデータ送信処理を終了する前に、自車両が他の路側機40の通信可能領域に到達してしまうといったケースを想定することができる。本実施形態の光ビーコン受信機10は、データ送信処理の終了後にダウンリンク情報受信処理を終了するため、データ送信処理を終える前に、他の路側機40から送信されたダウンリンク情報の受信が行われることはない。
【0091】
しかし、光ビーコン受信機10は、データ送信処理の終了前であっても、他の路側機40の通信可能領域に進入した場合には、ダウンリンク情報の受信を開始しても良い。そして、制御部13は、先に受信したダウンリンク情報と新たに受信したダウンリンク情報との内容に基づき、これらのダウンリンク情報のうち、優先度の高いダウンリンク情報を判定しても良い。そして、制御部13は、新たに受信したダウンリンク情報が優先度の高いと判定した場合、先に受信したダウンリンク情報に関するデータ送信処理を中断しても良い。そして、制御部13は、他の路側機40に対しての送信が成功したアップリンク情報の送信終了時を起点として250ms経過したタイミングである送信開始タイミングにおいて、新たに受信したダウンリンク情報に関するデータ送信処理を開始しても良い。
【0092】
尚、制御部13は、ダウンリンク情報の優先度を判定する際、送信時刻の推定が必要な情報が含まれているダウンリンク情報の優先度を、送信時刻の推定が必要な情報が含まれていないダウンリンク情報の優先度よりも高いと判定しても良い。
【0093】
こうすることにより、例えば、光ビーコン受信機10が先に受信したダウンリンク情報には送信時刻の推定が必要な情報が含まれておらず、新たに受信したダウンリンク情報には送信時刻の推定が必要な情報が含まれている場合、新たに受信したダウンリンク情報についての送信開始タイミングにおいてデータ送信処理を開始することができる。したがって、ナビゲーション装置20にて、新たに受信したダウンインク情報に関して、送信時刻を精度良く推定することができる。
【0094】
また、このような構成を有することにより、路側機40が隣接して設けられている場合であってもナビゲーション装置20は送信時刻を精度良く推定することができるため、路側機40を設置する際には、他の路側機40との間隔を考慮することなく設置することが可能となる。
【0095】
(4)また、光ビーコン受信機10が路側機40からダウンリンク情報を受信後、受信したダウンリンク情報に関するデータ送信処理が終了するまでに他の路側機40から新たなダウンリンク情報を受信した場合、制御部13は、次のような処理を行っても良い。すなわち、制御部13は、先に受信されたダウンリンク情報に関するデータ送信処理が終了した後に、新たに受信されたダウンリンク情報に関するデータ送信処理を開始しても良い。そして、このとき、新たに受信したダウンリンク情報に関する送信開始タイミングと、データ送信処理を開始するタイミングとの間の遅延時間を特定し、遅延時間を、通信部14を介してナビゲーション装置20に送信しても良い。そして、ナビゲーション装置20は、遅延時間を加味して他の路側機40に対するアップリンク情報の送信時刻を推定することにより、精度良く送信時刻を推定しても良い。
【0096】
こうすることにより、他の路側機40に対するアップリンク情報の送信時刻を、ナビゲーション装置20にて精度良く送信時刻を推定することができる。また、このような構成を有することにより、路側機40が隣接して設けられている場合であってもナビゲーション装置20は送信時刻を精度良く推定することができるため、路側機40を設置する際には、他の路側機40との間隔を考慮することなく設置することが可能となる。
【0097】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0098】
光ビーコン受信機10が通信装置に相当する。そして、光ビーコン受信機10の受光部11と制御部13とがダウンリンク情報受信手段に、送光部12と制御部13とがアップリンク情報送信手段に、制御部13と通信部14とがデータ送信手段に、制御部13が判定手段及び遅延時間特定手段に、通信部14が遅延時間送信手段に相当する。
【0099】
また、ナビゲーション装置20が制御装置に相当する。そして、ナビゲーション装置20の制御部26が受信開始時刻特定手段及び送信時刻推定手段に、通信部29がデータ受信手段に相当する。
【0100】
また、ダウンリンク情報受信処理におけるS115が終了したタイミングが、送信タイミングに相当する。
また、路側機40への送信に成功したアップリンク情報の送信終了から、光ビーコン受信機10がデータ送信処理を開始するまでの待ち時間である250msが、所定の待ち時間に相当する。
【0101】
また、データ送信処理がタイマ割込み処理として起動されるタイミングが、データ送信開始タイミングに相当する。
また、路側機40への送信に成功したアップリンク情報の送信後に特定された現在時刻(T0)が、送信時刻に相当する。
【0102】
また、バス30が伝送路に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】車載システム1を示すブロック図である。
【図2】通信可能領域についての説明図である。
【図3】光ビーコン受信機10を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置20を示すブロック図である。
【図5】ダウンリンク情報受信処理について説明するためのフローチャートである。
【図6】データ送信処理について説明するためのフローチャートである。
【図7】パケット受信処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
1…車載システム、10…光ビーコン受信機、11…受光部、12…送光部、13…制御部、14…通信部、20…ナビゲーション装置、21…操作部、22…表示部、23…音声出力部、24…記憶部、25…地図データ入力器、26…制御部、27…位置検出器、27a…GPS受信器、27b…ジャイロスコープ、27c…距離センサ、28…車内LAN通信部、29…通信部、30…バス、40…路側機、41…投受光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機と通信を行う通信装置と、前記通信装置と伝送路で接続されている制御装置とを有する車載システムであって、
前記通信装置は、
前記路側機から送信されたダウンリンク情報を受信するダウンリンク情報受信手段と、
前記ダウンリンク情報受信手段が前記ダウンリンク情報を受信すると、前記路側機に対しアップリンク情報を送信するアップリンク情報送信手段と、
前記アップリンク情報送信手段が前記路側機に対して前記アップリンク情報の送信に成功すると、前記ダウンリンク情報受信手段が受信した前記ダウンリンク情報に基づくデータを、前記伝送路を介して前記制御装置に送信する処理であるデータ送信処理を、送信に成功した前記アップリンク情報の送信タイミングを起点として所定の待ち時間が経過したタイミングであるデータ送信開始タイミングにおいて開始するデータ送信手段とを備え、
前記制御装置は、
前記通信装置から送信された前記データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が前記データの受信を開始した時刻である受信開始時刻を特定する受信開始時刻特定手段と、
前記受信開始時刻特定手段により前記受信開始時刻が特定されると、特定した前記受信開始時刻と前記所定の待ち時間とに基づき、前記通信装置による前記アップリンク情報の送信時刻を推定する送信時刻推定手段とを備えること、
を特徴とする車載システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車載システムにおいて、
前記データ送信手段は、前記アップリンク情報送信手段が前記アップリンク情報を送信した後、前記路側機が前記アップリンク情報の受信に基づき送信した前記ダウンリンク情報を前記ダウンリンク情報受信手段が受信することにより、前記アップリンク情報送信手段による前記路側機への前記アップリンク情報の送信が成功したとみなすこと、
を特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載システムにおいて、
前記データ送信手段は、前記データ送信処理において、前記ダウンリンク情報受信手段が受信した前記ダウンリンク情報に基づく前記データを、複数のパケットとして前記制御装置に送信し、
前記受信開始時刻特定手段は、前記データ受信手段が前記データ送信手段により最初に送信された前記パケットの受信を完了した時刻を特定し、特定した時刻と、前記データ送信手段により最初に送信された前記パケットのデータ長とに基づき、前記受信開始時刻を特定すること、
を特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載システムにおいて、
前記ダウンリンク情報受信手段は、前記路側機から投光された光信号を介して前記ダウンリンク情報を受信し、
前記アップリンク情報送信手段は、光信号を介して前記アップリンク情報を送信すること、
を特徴とする車載システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車載システムにおいて、
前記アップリンク情報送信手段は、最初に前記アップリンク情報を送信した後、前記アップリンク情報の送信が成功するまでの間、前記アップリンク情報を繰り返し送信し、
前記アップリンク情報送信手段が最初に前記アップリンク情報を送信した後、二回目に前記アップリンク情報を送信するまでの時間間隔は、前記アップリンク情報送信手段が二回目以降に前記アップリンク情報を送信した後、次に前記アップリンク情報を送信するまでの時間間隔よりも短いこと、
を特徴とする車載システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の車載システムにおいて、
前記ダウンリンク情報受信手段が前記路側機から前記ダウンリンク情報を受信後、受信された前記ダウンリンク情報に関する前記データ送信処理が終了するまでの間に、前記ダウンリンク情報受信手段が他の前記路側機から新たな前記ダウンリンク情報を受信した場合、先に受信された前記ダウンリンク情報と新たに受信された前記ダウンリンク情報との内容に基づき、先に受信された前記ダウンリンク情報と新たに受信された前記ダウンリンク情報とのうち、優先度の高い前記ダウンリンク情報を判定する判定手段を、前記通信装置はさらに備え、
前記データ送信手段は、前記判定手段により、前記ダウンリンク情報受信手段により新たに受信された前記ダウンリンク情報が前記優先度の高い前記ダウンリンク情報として判定された場合、新たに受信された前記ダウンリンク情報に係る前記送信開始タイミングにおいて、このダウンリンク情報に関する前記データ送信処理を開始すること、
を特徴とする車載システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の車載システムにおいて、
前記データ送信手段は、前記ダウンリンク情報受信手段が前記路側機から前記ダウンリンク情報を受信後、受信した前記ダウンリンク情報に関する前記データ送信処理が終了するまでに、前記ダウンリンク情報受信手段が他の前記路側機から新たな前記ダウンリンク情報を受信した場合において、新たに受信された前記ダウンリンク情報に係る前記送信開始タイミングを経過しても、先に受信された前記ダウンリンク情報に関する前記データ送信処理が終了していない場合には、先に受信された前記ダウンリンク情報に係る前記データ送信処理が終了した後に、新たに受信された前記ダウンリンク情報に係る前記データ送信処理を開始し、
前記通信装置は、
前記データ送信手段が、前記送信開始タイミングを経過した後に前記データ送信処理を開始する場合には、前記送信開始タイミングと、前記データ送信処理を開始するタイミングとの間の遅延時間を特定する遅延時間特定手段と、
前記遅延時間特定手段により特定された前記遅延時間を、前記伝送路を介して前記制御装置に送信する遅延時間送信手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする車載システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の車載システムにおける前記通信装置について記載した構成を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の車載システムにおける前記制御装置について記載した構成を備えることを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−296446(P2009−296446A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149452(P2008−149452)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】