説明

車載光ビーコン装置

【課題】ダウンリンクデータを確実に取得することができる車載光ビーコン装置を提供する。
【解決手段】第1のフレーム62aを正常に受信できなかったので、次の第1のフレーム62eが送信されている時間帯にアップリンクを行わないようにする。第2のフレーム62bを正常に受信できたので、次の第2のフレーム62fが送信される時間帯にアップリンク63aを行うようにする。第3のフレーム62cを正常に受信できなかったので、次の第3のフレーム62gが送信されている時間帯にアップリンクを行わないようにする。第4のフレーム62dを正常に受信できたので、次の第4のフレーム62hが送信される時間帯にアップリンク63bを行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上に設置された光ビーコン装置との間で光信号による双方向通信を行う車載光ビーコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
路上設置の路上機と自動車に設置の車載機との間で、波長850nmの近赤外線を用いて双方向通信を行う光ビーコンが従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−332803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のような従来の光ビーコンでは、アップリンクを行うときの近赤外線の波長とダウンリンクを行うときの近赤外線の波長とがどちらも850nmであり、同一である。このため、ダウンリンクとアップリンクとが重なると、近赤外線の相互干渉が起こり、車載機がダウンリンクデータの一部を取得できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の車載光ビーコン装置は、路上光ビーコン装置から繰り返し送信されるダウンリンクデータを受信する受信手段と、受信手段によるダウンリンクデータの正常な受信を判定する判定手段と、判定手段によって正常な受信が判定されたダウンリンクデータの次回以降の送信タイミングを算出する算出手段と、送信タイミングにおいて路上光ビーコン装置へアップリンクデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の車載光ビーコン装置において、判定手段は、ダウンリンクデータを構成するフレームごとに受信手段によるダウンリンクデータの正常な受信を判定し、算出手段は、判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが路上光ビーコン装置によって次回以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の車載光ビーコン装置において、算出手段は、フレームを構成するヘッダ部の情報に基づいて、判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが路上光ビーコン装置によって次回もしくはそれ以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2に記載の車載光ビーコン装置において、算出手段は、ダウンリンクデータを構成するフレームのうちの所定のフレームの受信時間に基づいて、判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが路上光ビーコン装置によって次回以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4に記載の車載光ビーコン装置において、所定のフレームは、ダウンリンクデータを構成するフレームの中で先頭のフレームであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、正常に受信することができたダウンリンクデータの次回以降の送信タイミングにアップリンクを行うようにしたので、ダウンリンクデータを確実に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態による車載光ビーコン装置1の構成の概略について、図1を参照して説明する。車載用ビーコン装置1は、近赤外線式の双方向通信により、車両IDなどの情報を道路上に設けられた光ビーコン装置(以下路上光ビーコン装置と呼ぶ)に送信するとともに、路上光ビーコン装置より交通情報などを受信する。図1に示すように、車載光ビーコン装置1は、マイコン11、ROM12、RAM13、赤外線受光部14、受信回路15、赤外線発光部16および送信回路17を備えている。車載光ビーコン装置1は不図示のナビゲーション装置と接続している。
【0007】
マイコン11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。また、マイコン11は、受信回路15から出力される電気信号を交通情報などの情報に変換し、変換した情報を不図示のナビゲーション装置に出力する。また、路上光ビーコン装置に送信するための車両IDなどの情報を電気信号に変換したり、赤外線発光部16の発光タイミングを指示などしたりする。
【0008】
赤外線受光部14は、フォトダイオードで構成され、路上光ビーコン装置から照射された赤外線を受光する。そして、受光した赤外線を電気信号に変換し、受信回路15に出力する。受信回路15は、赤外線受光部14から出力された電気信号を増幅し、マイコン11へ出力する。
【0009】
赤外線発光部16は、発光素子として近赤外線LEDを備え、近赤外線LEDから変調した光信号を路上光ビーコン装置へ送光する。送信回路17は、近赤外線LEDの駆動を制御する。
【0010】
次に、図2を参照してアップリンク領域とダウンリンク領域について説明する。路上光ビーコン装置の投受光器21は8.0mの高さに設けられているものとして説明する。投受光器21の路面上の位置から車両22が6.9mの距離に接近すると、車両22はアップリンク領域およびダウンリンク領域に進入する。この領域では、路上光ビーコン装置と車載光ビーコン装置1との間でアップリンクとダウンリンクとが行われる。車両22がアップリンク領域に進入してから、1.6m通過すると、アップリンク領域は終了する。車両22がアップリンク領域を通過すると、原則としてアップリンクを行わないが、路上光ビーコン装置がアップリンクデータを受信していない場合は、アップリンクを行う。そして、投受光器21の路面上の位置から車両22が3.2mの距離に接近すると、車両22はダウンリンク領域を通過し、路上光ビーコン装置と車載光ビーコン装置1との間で行われるアップリンクとダウンリンクが終了する。
【0011】
次に、図3を参照して、路上光ビーコン装置のダウンリンクで送信されるダウンリンクデータ構造を説明する。ダウンリンクデータは、複数の情報種別から構成され、それぞれの情報種別は、図4に示すように構成される1または複数のフレーム40より構成される。たとえば、図3に示すように、ダウンリンクデータ30には、車線通知情報、現在地位置情報、接続ネットワーク情報、緊急メッセージ情報、注意警戒情報、メッセージ情報、簡易図形1情報、簡易図形2情報、駐車場情報、事象規制リンク情報、センタネット障害通知情報、障害情報および渋滞リンク情報が含まれる。
【0012】
ダウンリンクデータ30は路上光ビーコン装置21から繰り返し送出されるが、路上光ビーコン装置が車載光ビーコン装置1のアップリンクを受信すると、アップリンク受信開始時から最後のアップリンク受信後250ミリ秒までのダウンリンクデータ30には、渋滞リンク情報の代わりに渋滞・旅行時間リンク情報が含まれる。
【0013】
ひとつの情報種別が複数のフレームで構成される場合、後述するヘッダ部によって順序付けられたフレームの実データ部を連続的につなぎ合わせることで、ひとつの情報種別データが全て揃うことになる。ダウンリンクデータ30の総フレーム数は最大80である。
【0014】
図4を参照して、フレーム40の構成について説明する。フレーム40は、伝送制御部(同期)、ヘッダ部、実データ部および伝送制御部(CRC等)を含んで構成される。伝送制御部(同期)には、ビット同期用符号が格納されている。ヘッダ部には、フレームの内容を表すデータが格納されている。実データ部には、各情報種別の情報種別データが格納されている。実データ部のデータ数は123バイトに固定されている。したがって、情報種別データが123バイトを越える場合、情報種別は複数のフレームで構成されることになる。伝送制御部(CRC等)には、アイドルの固定符号、アイドルまでの誤り検定符合、ビット同期用符号が格納されている。
【0015】
図5を参照して、ヘッダ部の構成を説明する。ヘッダ部50は、規格フラグ、情報フラグ、情報種別、提供時刻情報、最終フレームフラグ、同一情報種別内フレーム番号、フレームデータ有効データ長、ワンフレームタイムおよびダウンリンク総フレーム数を含んで構成されている。
【0016】
規格フラグとして、フレームの情報の規格がUTMS( Universal Traffic Management System )規格であるか、またはUTMS規格外であるかを表すフラグが用いられる。情報フラグとして、フレームのデータが運用データであるか、または試験用データであるかを表すフラグが格納されている。情報種別は、情報種別を表すIDである。提供時刻情報として、情報センタにてデータ編集した時刻が用いられる。最終フレームフラグとして、情報種別を構成する複数のフレームの中で最終のフレームであるか否かを表すフラグが用いられる。同一情報種別内フレーム番号は、情報種別を構成する複数のフレームの中の順序番号である。フレームデータ有効データ長は、123バイトの実データ部のうちの有効なデータのバイト数を表わす。ワンフレームタイムは、ひとつのフレームを送信するのに要する時間である。ダウンリンク総フレーム数は、ダウンリンクデータを構成する総フレーム数である。
【0017】
次に、本発明の実施形態における車載光ビーコン装置1のアップリンク処理について、図6を参照して説明する。図6は、路上光ビーコン装置から送信されたダウンリンクデータを構成するフレームの送信タイミングと、車載光ビーコン装置1から送信されたアップリンクデータを構成するフレームの送信タイミングとを説明するための図である。
【0018】
この例では、路上光ビーコン装置から、4つのフレーム62a〜62dで構成される第1番目のダウンリンクデータと、4つのフレーム62e〜62hで構成される第2番目のダウンリンクデータが連続して送信される。すなわち、矢印61にしたがって8つのフレーム62a〜62hが順次送信される。
【0019】
そして、車載光ビーコン装置1は、第1番目のダウンリンクデータの受信処理において、白抜きの文字で示した第1フレーム62aおよび第3フレーム62cを正常に受信することができず、黒抜きの文字で示した第2フレーム62bおよび第4フレーム62dを正常に受信している。フレームが正常に受信できたか否かは、たとえば、受信フレームのバイト数が本来のバイト数であるか否かにより判断する。
【0020】
一方、車載光ビーコン装置1から、1つのフレーム63aで構成される第1番目のアップリンクデータと、1つのフレーム63bで構成される第2番目のアップリンクデータが、以下で詳細に説明する所定のタイミングで送信される。上述したように、路上光ビーコン装置と車載光ビーコン装置1との間での行われるダウンリンクとアップリンクではそれらの相互干渉があり、ダウンリンクデータの受信不良という問題が発生する。そこで、本発明者等は、ダウンリンクデータを送信するタイミングにおいてアップリングデータを送信しなければ相互干渉による受信不良が解消されることに想到した。
【0021】
図6に示す例では、第1番目のダウンリンクデータの受信処理において車載光ビーコン装置1が受信できなかった第1フレーム62aおよび第3フレーム62cは、第2番目のダウンリンクデータの第1フレーム62eおよび第3フレーム62gに対応している。そこで、第2番目のダウンリンクデータの第1フレーム62eおよび第3フレーム62gを送信するタイミングにおいてアップリンクデータの送信をせず、相互干渉による受信不良を解決することができる。
【0022】
すなわち、路上光ビーコン装置から第2番目のダウンリンクデータの第1フレーム62eを送信するタイミングでは、車載光ビーコン装置1がアップリンクを行わないようにする。その結果、路上光ビーコン装置から第1フレーム62eを送信する赤外線と、アップリンクデータを送信する赤外線とが相互干渉を起こさず、車載光ビーコン装置1は第1フレーム62eを正常に受信することができる。
【0023】
なお、路上光ビーコン装置から第2番目のダウンリンクデータの第2フレーム62fを送信するタイミングで、車載光ビーコン装置1が第1フレーム63aをアップリンクした場合、ダウンリンクデータの第2フレーム62fを送信する赤外線と、アップリンクデータの第1フレーム63aを送信する赤外線とが相互干渉を起こし、ダウンリンクデータの第2フレーム62fを正常に受信できないおそれがあるが、すでに第2のフレーム62bを正常に受信しているので、第2のフレーム62fを正常に受信できなくても問題ない。
【0024】
以上のように、車載光ビーコン装置1で受信できなかった第1番目のダウンリンクデータのフレームを第2番目のダウンリンクデータの対応フレームで受信するようにした。そのため、第2番目のダウンリンクデータの第1フレーム62eおよび第3フレーム62gの送信タイミングを以下のステップS702で計算し、そのタイミングでのアップリンクデータの送信をしない。
【0025】
一実施形態における車載光ビーコン装置1のアップリンク処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7の処理は、路上光ビーコン装置に車両が接近してダウンリンクデータの受信を開始するとスタートするプログラムをマイコン11で実行して行われる。
【0026】
ステップS701では、ダウンリンクデータのフレームを正常に受信できたか否かを判定する。フレームを正常に受信できたか否かの判定は、受信したデータのバイト数より判断する。たとえば、135バイトのデータであるフレームについては、受信データのバイト数が135バイトであれば、正常に受信できたと判定する。しかし、受信データが134バイト以下であれば、正常に受信できなかったと判定する。ダウンリンクデータのフレームが正常に受信された場合はステップS701が肯定判定され、ステップS702に進む。ダウンリンクデータのフレームが正常に受信されなかった場合はステップS701が否定判定され、ステップS703に進む。
【0027】
ステップS702では、車載光ビーコン装置1がアップリンクを行う時間帯(以下、アップリンク時間帯と呼ぶ)を算出する。アップリンク時間帯は以下のように算出する。フレーム40のヘッダ部50のワンフレームタイムとダウンリンク総フレーム数(図4参照)を読み出す。そして、正常に受信したフレームの受信開始時刻に、ワンフレームタイムの時間をダウンリンク総フレーム数で乗算した時間のn倍(n=1,2,3,・・・)を加算する。こうして算出した時刻がアップリンク時間帯の開始時刻となる。さらに開始時刻にワンフレームタイムの時間を加算した時刻がアップリンク時間帯の終了時刻となる。路上光ビーコン装置は、情報を送信するたびに総フレームを繰り返し送信する。したがって、上記のようにして算出した時間帯が、正常に受信されたフレームが路上光ビーコン装置より送信される時間帯になる。
【0028】
ステップS703では、現在の時刻がアップリンク時間帯であるか否かを判定する。現在の時刻がアップリンク時間帯である場合はステップS703が肯定判定され、ステップS704へ進む。現在の時刻がアップリンク時間帯でない場合はステップS703が否定判定され、ステップS701に戻る。ステップS704では、アップリンクを行う。ステップS705では、現在の時刻がアップリンク時間帯であるか否かを判定する。現在の時刻がアップリンク時間帯である場合はステップS703が肯定判定され、ステップS704に戻る。現在の時刻がアップリンク時間帯でない場合はステップS705が否定判定され、ステップS706に進む。ステップS706では、アップリンクを終了する。
【0029】
ステップS707では、ダウンリンクデータを構成する情報種別で、渋滞・旅行時間リンク情報を受信したか否かを判定する。路上光ビーコン装置がアップリンクを受信すると渋滞リンク情報の代りに渋滞・旅行時間リンク情報を送信する。したがって、上記判定により、路上光ビーコン装置がアップリンクを受信できたか否かを判定することができる。渋滞・旅行時間リンク情報を受信した場合はステップS707が肯定判定され、アップリンク処理を終了する。渋滞・旅行時間リンク情報を受信しない場合はステップS707が否定判定され、ステップS701に戻る。
【0030】
以上説明した実施の形態による車載光ビーコン装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)正常に受信することができたダウンリンクデータについて、路上光ビーコン装置より次に送信される時間帯(送信タイミング)にアップリンクを行うようにした。これにより、ダウンリンクとアップリンクとの間の相互干渉が原因で正常に受信できなかったダウンリンクデータが再び正常に受信できないことを防止することができる。したがって、ダウンリンクデータを確実に取得することができる。
【0031】
(2)正常に受信することができたフレームの次回の送信時間帯にアップリンクを行うようにした。ダウンリンクにおいては、ダウンリンクデータを構成する総フレームを繰り返し送信するので、正常に受信することができたフレームが次回に送信される時間帯を算出することができる。したがって、ダウンリンクデータの正常に受信できたフレームが路上光ビーコン装置より送信される時間帯に確実にアップリンクを行うことができる。
【0032】
(3)フレーム40を構成するヘッダ部50の情報に基づいてアップリンクデータを送信する時間帯を算出するようにしたので、フレーム40を正常に受信した後、すぐにアップリンクを行う時間帯を算出することができる。
【0033】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)正常に受信できたフレームの次回の送信時間帯を算出したが、次回以降の送信タイミングを算出してもよい。また、算出手段は、たとえば、ダウンリンクデータ30を構成するフレームのうちの所定のフレームの受信時間に基づいて、正常に受信できたフレームの次回の送信時間帯を算出するように構成してもよい。基準となる第1のフレームの受信終了からt1秒後に受信が開始され、第1のフレームの受信終了からt2秒後に受信が終了したフレームを、正常に受信できたとする。この場合、第1のフレーム受信終了のt1秒後から、第1のフレーム受信終了のt2秒後までの時間帯がアップリンクを行う時間帯となる。したがって、第1のフレームを再び受信すると、第1のフレームの受信終了からt1秒後にアップリンクを開始し、第1のフレームの受信終了からt2秒後にアップリンクを終了する。特に、ダウンリンクデータの先頭のフレーム(車線通知情報のフレーム)の受信時間を基準にすることによって、総フレームを繰り返し送信する周期が多少変化しても、正常に受信することができたフレームが送信される時間帯にアップリンクを行うことができる。
【0034】
(2)複数のダウンリンクデータが繰り返し路上光ビーコン装置より送信される場合、フレーム単位ではなく、ダウンリンクデータ単位でアップリンクを行うタイミングを決めるようにしてもよい。図8に示すように、フレームA1〜A4で構成されるダウンリンクデータAとフレームB1〜B4で構成されるダウンリンクBとが矢印81にしたがって繰り返し送信される場合について説明する。上述の実施形態と同様に、白抜き文字のフレームは正常に受信でき、黒抜き文字のフレームは正常に受信できなかったものとして説明する。図8に示すように、第1のダウンリンクデータAの送信82aでは、すべてのフレームA1〜A4について正常に受信できた。次に、第1のダウンリンクデータBの送信82bでは、フレームB1とフレームB3とが正常に受信できなかった。そこで、第2のダウンリンクデータAの送信82cのタイミングで、アップリンクC1を繰り返し行い、第2のダウンリンクデータAの送信82dのタイミングではアップリンクを行わないようにする。複数のダウンリンクデータが繰り返し路上光ビーコン装置より送信される場合に、ダウンリンクデータ単位でアップリンクを行うと、アップリンクを繰り返し連続して行えるので、効率がよい場合がある。
【0035】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0036】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本願発明の受信手段は赤外線受光部14および受信回路15に対応し、判定手段および算出手段はマイコン11に対応する。送信手段は赤外線発光部16および送信回路17に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態による車載光ビーコン装置の構成を示すブロック図である。
【図2】アップリンク領域とダウンリンク領域を説明するための図である。
【図3】ダウンリンクデータのデータ構造を説明するための図である。
【図4】フレームの構成を説明するための図である。
【図5】ヘッダ部の構成を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態における車載光ビーコン装置のアップリンク処理を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態における車載光ビーコン装置のアップリンク処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】車載光ビーコン装置のアップリンク処理の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
1 車載光ビーコン装置
11 マイコン
14 赤外線受光部
16 赤外線発光部
21 路上光ビーコン装置の投受光器
22 車両
30,82a〜82d ダウンリンクデータ
40,62a〜62h,63a,63b フレーム
50 ヘッダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上光ビーコン装置から繰り返し送信されるダウンリンクデータを受信する受信手段と、
前記受信手段によるダウンリンクデータの正常な受信を判定する判定手段と、
前記判定手段によって正常な受信が判定されたダウンリンクデータの次回以降の送信タイミングを算出する算出手段と、
前記送信タイミングにおいて前記路上光ビーコン装置へアップリンクデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする車載光ビーコン装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載光ビーコン装置において、
前記判定手段は、前記ダウンリンクデータを構成するフレームごとに前記受信手段によるダウンリンクデータの正常な受信を判定し、
前記算出手段は、前記判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが前記路上光ビーコン装置によって次回以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする車載光ビーコン装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載光ビーコン装置において、
前記算出手段は、前記フレームを構成するヘッダ部の情報に基づいて、前記判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが前記路上光ビーコン装置によって次回もしくはそれ以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする車載光ビーコン装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車載光ビーコン装置において、
前記算出手段は、前記ダウンリンクデータを構成するフレームのうちの所定のフレームの受信時間に基づいて、前記判定手段によって正常に受信されたと判定されたフレームが前記路上光ビーコン装置によって次回以降に送信される送信タイミングを算出することを特徴とする車載光ビーコン装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載光ビーコン装置において、
前記所定のフレームは、前記ダウンリンクデータを構成するフレームの中で先頭のフレームであることを特徴とする車載光ビーコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−292347(P2008−292347A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138991(P2007−138991)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】