説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】 地図画像およびランドマークを特異な態様で表示させることができ、ひいては、エンターテイメント性を向上させることができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】 キーワードを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいてキーワードを認識するキーワード認識手段2と、このキーワード認識手段2が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示する処理を行う表示処理手段2とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、道路等の地図画像およびこの地図画像上に重ねて表示される施設等を示すランドマークを、表示部に年代別に表示するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用ナビゲーション装置は、最新(現行)の地図情報を用いることによって、表示部に道路画像、背景画像および文字画像等によって構成される地図画像を表示するようになっていた。また、ナビゲーション装置は、地図画像上に、施設等を示すランドマークを重ねて表示するようになっていたが、このランドマークについても、最新のランドマーク情報を用いて表示するようになっていた。
【0003】
そして、車載用ナビゲーション装置は、表示部に最新の地図画像およびランドマークを表示しながら、ユーザを現在地から目的地まで案内するルート案内を行うようになっていた。
【0004】
【特許文献1】特開2000−111351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、常に、最新の地図画像およびランドマークが表示されるのでは、地図画面が至ってシンプルでありふれたものとなり、エンターテイメント性に欠けることになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、地図画像およびランドマークを特異な態様で表示させることができ、ひいては、エンターテイメント性を向上させることができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワードを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて前記キーワードを認識するキーワード認識手段と、このキーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ユーザの文字入力操作によって入力された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0010】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザの文字入力操作によって入力された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0011】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ユーザの発話音声情報を取得し、この取得した発話音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0012】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザの発話音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0013】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、音声再生手段によって再生された楽曲に付加された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0014】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、音声再生手段によって再生された楽曲に付加された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、音声再生手段によって再生された楽曲の音声情報を取得し、この取得した音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0016】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、音声再生手段によって再生された音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ラジオ放送またはテレビ放送についての放送受信手段によって受信された受信音声情報を取得し、この取得した受信音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0018】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ラジオ放送またはテレビ放送についての放送受信手段によって受信された受信音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ブラウザに入力された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0020】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ブラウザに入力された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ブラウザによって取得された文字情報または音声情報を取得し、この取得した文字情報または音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0022】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ブラウザによって取得された文字情報または音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ナビゲーションの目的地または経由地の設定の際にユーザによって設定された目的地または経由地に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0024】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザによって設定されたナビゲーションの目的地または経由地に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0025】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ナビゲーションの周辺検索によって検索された施設に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0026】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ナビゲーションの周辺検索によって検索された施設に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が、キーワードを含む情報として、ナビゲーションの経路探索によって探索された推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていることを特徴としている。
【0028】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0029】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、表示処理手段が、表示部に、キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する複数の年代候補を、ユーザによる選択が可能な状態として表示し、この表示した複数の年代候補の中からユーザによって選択された年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示するように形成されていることを特徴としている。
【0030】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、キーワードに関連する複数の年代候補を提供し、その中からユーザによって選択された年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0031】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、同一の場所についての互いに異なる複数の年代の地図画像およびランドマークを、表示部に分割して表示することが可能に形成されていることを特徴としている。
【0032】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、ユーザが、同一の場所における道路や建物等についての時間的な推移を一目で把握することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード情報と年代情報とが互いに対応関係を有した状態で格納されたキーワードデータベースと、現行の地図情報およびランドマーク情報を含めた複数の年代の地図情報およびランドマーク情報が格納された年代地図データベースとを備え、キーワード認識手段が、前述したキーワードを含む情報と、前記キーワードデータベース内の前記キーワード情報とを比較して、前記キーワードを含む情報に対応する前記キーワード情報を抽出することによって、前記キーワードを認識するように形成され、前記表示処理手段が、前記キーワード認識手段によって抽出された前記キーワード情報に対応する前記キーワードデータベース内の前記年代情報を抽出し、この抽出した年代情報に対応する前記年代地図データベース内の前記地図情報および前記ランドマーク情報を取得し、この取得した地図情報およびランドマーク情報に基づいて、前記キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示する処理を行うように形成されていることを特徴としている。
【0034】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを、簡易な構成によって確実に表示することが可能となる。
【0035】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワードデータベースおよび年代地図データベースが更新可能とされていることを特徴としている。
【0036】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードデータベースおよび年代地図データベースを更新することにより、キーワードに関連するより多くの年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0037】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示しつつ、ルート案内を行うことが可能に形成されていることを特徴としている。
【0038】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示しつつ、ルート案内を行うことが可能となる。
【0039】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークが、未来の地図画像およびランドマークとされていることを特徴としている。
【0040】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する未来の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、地図画像およびランドマークを特異な態様で表示させることができ、エンターテイメント性および有用性を向上させることができる。また、特異な態様で表示される地図画像およびランドマークが運転者の神経を刺激して覚醒作用をもたらすことにより、運転者の惰性運転を防止して運転の安全性を向上させることができる。
【0042】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザの文字入力操作によって入力された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、ユーザの好みのキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示することができ、ユーザにとって更に面白みのある地図画面を実現することができる。
【0043】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザの発話音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、簡便な発話音声入力によって、ユーザの好みのキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示することができ、ユーザにとって更に面白みのある地図画面を簡便に実現することができる。
【0044】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、音声再生手段によって再生された楽曲に付加された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、楽曲を聴取しながら、この楽曲が発売された当時あるいはこの楽曲がテーマとする年代を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0045】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、音声再生手段によって再生された音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、楽曲を聴取しながら、この楽曲がテーマとする年代あるいはこの楽曲が発売された当時を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0046】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ラジオ放送またはテレビ放送についての放送受信手段によって受信された受信音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、ラジオ放送を聴取しながら、あるいはテレビ放送を視聴しながら、放送の内容に関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0047】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ブラウザに入力された文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、ブラウザによる検索内容に関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0048】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ブラウザによって取得された文字情報または音声情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、ブラウザによって取得された情報に関する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0049】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、ユーザによって設定されたナビゲーションの目的地または経由地に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、目的地または経由地に関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。例えば、目的地または経由地が、歴史上の有名な土地や施設である場合には、その目的地または経由地の有名な時代を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。また、目的地または経由地が、特定の年代に有名なイベントが開催された土地である場合には、そのイベントが開催された当時の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0050】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、周辺検索によって検索された施設に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、周辺検索によって検索された施設に関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。例えば、周辺検索によって検索された施設が、歴史上の有名な施設である場合には、その施設が建築された当時を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0051】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字情報に基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができ、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。例えば、推奨経路上に存在する地点が、歴史上の有名な土地や施設である場合には、その地点の有名な時代を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。また、推奨経路上に存在する地点が、特定の年代に有名なイベントが開催された土地である場合には、そのイベントが開催された当時の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0052】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、表示処理手段により、キーワードに関連する複数の年代候補を提供し、その中からユーザによって選択された年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、キーワードに関連するユーザの好みに応じた年代の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0053】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、ユーザが、同一の場所における道路や建物等についての時間的な推移を一目で把握することができる結果、エンターテイメント性および有用性に加えて利便性を向上させることができる。
【0054】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを、簡易な構成によって確実に表示することができる結果、装置の小型化およびコストの低廉化を図ることができる。
【0055】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードデータベースおよび年代地図データベースを更新することにより、キーワードに関連するより多くの年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0056】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示しつつ、ルート案内を行うことができる結果、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【0057】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、キーワードに関連する未来の地図画像およびランドマークを表示部に表示することができる結果、エンターテイメント性および有用性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0059】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、キーワード認識手段および表示処理手段として機能するCPU等の制御部2を有しており、この制御部2の入力側には、ユーザ入力部3が、出力側には、表示部5が、それぞれ接続されている。
【0060】
また、制御部2には、オーディオ/通信部6が接続されており、このオーディオ/通信部6の入力側には、マイクロフォン7が、出力側には、スピーカ8が、それぞれ接続されている。
【0061】
さらに、制御部2には、ROM10、RAM11および不揮発性メモリ12が、それぞれ接続されている。
【0062】
ROM10またはRAM11には、図2に示すキーワードデータベース14と、図3に示す年代地図データベース15とが記憶されている。
【0063】
図2に示すように、キーワードデータベース14には、イベント名や事物等を示すキーワードデータ(キーワード情報)と、キーワードで表されたイベント名や事物等に関連する年代を示す年代データ(年代情報)とが、互いに対応関係を有した状態で格納されている。例えば、キーワードデータが「長野オリンピック」の場合には、これに対応する年代データが、長野オリンピックが開催された「1998年」となっている。
【0064】
一方、年代地図データベース15には、現行の地図データ(地図情報)およびランドマークデータ(ランドマーク情報)を含めた複数の年代の地図データおよびランドマークデータが格納されている。
【0065】
具体的には、図3に示すように、年代地図データベース15には、例えば、5年あるいは10年等のある程度の長い年代を隔てるようにして、複数の全体地図データが格納されている。
【0066】
全体地図データには、該当する年代(年度)における全ての地図データと、ランドマークデータとが含まれている。
【0067】
なお、図3には、1990年版、2000年版および2005年版の全体地図データが模式的に示されている。
【0068】
さらに、年代地図データベース15には、全体地図データに対する地図データの経時変化(差分)を示す差分地図データと、全体地図データに対するランドマークデータの経時変化(差分)を示す差分ランドマークデータとが格納されている。なお、図3には、差分地図データおよび差分ランドマークデータが、球体として示されている。
【0069】
例えば、図3においては、2000年版の全体地図データに2000年〜2003年までの差分地図データおよび差分ランドマークデータを順次足したり引いたりすることによって、2003年版の全体地図データを構成することができるようになっている。
【0070】
本実施形態において、ユーザは、ユーザ入力部3を介して文字入力操作を行うことにより、キーワードを含む情報として、キーワードそのものを入力することができるようになっている。
【0071】
このユーザ入力部3を介した文字入力操作は、制御部2により、キーワードを入力するための操作画面を表示部5に表示した上で、この操作画面に対して行うようにしてもよい。
【0072】
また、ユーザ入力部3としては、リモコン、リニアエンコーダあるいは表示部5のタッチパネル等の種々の手段を用いるようにしてもよい。
【0073】
ユーザ入力部3によって入力されたキーワード(以下、入力キーワードと称する)は、制御部2に入力され、制御部2によって取得されるようになっている。
【0074】
制御部2は、ユーザ入力部3から入力キーワードを取得すると、キーワード認識手段として機能し、入力キーワードと、キーワードデータベース14内のキーワードデータとを比較するようになっている。そして、制御部2は、入力キーワードに対応するキーワードデータを抽出することにより、キーワードを認識するようになっている。
【0075】
さらに、キーワードを認識した後、制御部2は、表示処理手段として機能し、前記抽出したキーワードデータに対応するキーワードデータベース14内の年代データを抽出するようになっている。
【0076】
そして、制御部2は、抽出した年代データに対応する年代地図データベース15内の地図データおよびランドマークデータを取得し、この取得した地図データおよびランドマークデータに基づいて、地図画像およびランドマークを表示部5に表示する処理を行うようになっている。
【0077】
例えば、入力キーワードが「長野オリンピック」であれば、1998年の地図画像およびランドマークが表示部5に表示されることになる。
【0078】
したがって、本実施形態においては、制御部2の表示処理手段としの機能により、制御部2のキーワード認識手段としての機能によって認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0079】
さらに、このようなキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを、キーワードデータベース14および年代地図データベース15を用いることによって簡便かつ確実に表示することが可能となる。
【0080】
なお、前述のように、ユーザ入力部3を介して入力キーワードそのものを入力することに限る必要はなく、キーワードを一部に含む文字データを入力するようにしてもよい。この場合であっても、制御部2が、入力された文字データに含まれるキーワードを、キーワードデータベース14内のキーワードデータを用いて認識することができるので、認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に確実に表示することができる。
【0081】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、ユーザが、マイクロフォン7に発話音声入力を行うと、この発話音声入力によって入力された発話音声データは、オーディオ/通信部6を経て制御部2に入力され、制御部2によってキーワードを含む情報として取得されるようになっている。
【0082】
そして、制御部2は、取得した発話音声データを、文字データに変換(テキスト変換)した上で、キーワードデータベース14内のキーワードデータと比較するようになっている。そして、制御部2は、発話音声データ(実体は文字データ)に対応するキーワードデータを抽出することによって、発話音声データに対応するキーワードを認識するようになっている。
【0083】
これ以降の制御部2の処理は、前述したユーザ入力部3による文字入力操作の場合と同様である。すなわち、制御部2は、認識したキーワードに対応する年代データをキーワードデータベース14から抽出し、この抽出した年代データに対応する年代地図データベース15内の地図データおよびランドマークデータを取得し、この取得した地図データおよびランドマークデータに基づいて、地図画像およびランドマークを表示部5に表示する処理を行うようになっている。
【0084】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、ユーザの発話音声データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0085】
なお、発話音声データは、キーワードそのものを発話した音声データであってもよく、または、キーワードを一部に含む語を発話した音声データであってもよい。
【0086】
また、発話音声入力は、制御部2により、表示部5に、発話音声入力を実行するための操作ボタンを表示して、この操作ボタンが選択された上で行われるように構成してもよい。
【0087】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、オーディオ/通信部6は、音声再生手段として機能し、CDやDVD等のメディアに格納された楽曲を再生するようになっている。
【0088】
本実施形態において、オーディオ/通信部6によって再生される楽曲は、MPEG2等のフォーマットの音声データとされており、この音声データには、付加情報として発売日や曲名等の文字データが付加されている。
【0089】
オーディオ/通信部6によって再生された楽曲に付加された文字データは、制御部2に入力され、制御部2によってキーワードを含む情報として取得されるようになっている。
【0090】
そして、制御部2は、キーワードデータベース14を用いることにより、オーディオ/通信部6から入力された文字データに基づいたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示部5への表示を行うようになっている。
【0091】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、オーディオ/通信部6によって再生された楽曲に付加された文字データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0092】
この結果、楽曲を聴取しながら、この楽曲が発売された当時を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0093】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、楽曲に付加された文字データを選択可能とされた操作画面を表示し、この操作画面において楽曲に付加された文字データが参照先として選択された場合に、楽曲に付加された文字データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0094】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、オーディオ/通信部6によって再生された楽曲の音声データを、キーワードを含む情報として取得するようになっている。
【0095】
そして、制御部2は、取得した音声データをテキスト変換した上で、この音声データに基づいたキーワードの認識および年代データの抽出を、キーワードデータベース14を用いて行い、さらに、年代データに対応する地図画像およびランドマークの表示を、年代地図データベース15を用いて行うようになっている。
【0096】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、オーディオ/通信部6によって再生された音声データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0097】
この結果、楽曲を聴取しながら、例えば、楽曲がテーマとする時代を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0098】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、楽曲の音声データを選択可能とされた操作画面を表示し、この操作画面において楽曲の音声データが参照先として選択された場合に、楽曲の音声データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0099】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、オーディオ/通信部6は、ラジオ放送およびテレビ放送の放送受信手段として機能し、ラジオ放送およびテレビ放送を受信するようになっている。
【0100】
ラジオ放送およびテレビ放送の受信音声データは、制御部2に入力され、制御部2によってキーワードを含む情報として取得されるようになっている。
【0101】
そして、制御部2は、取得した受信音声データをテキスト変換した上で、キーワードデータベース14を用いることにより、受信音声データに基づいたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示を行うようになっている。
【0102】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、オーディオ/通信部6によって受信された受信音声データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0103】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、ラジオ放送またはテレビ放送の受信音声データを選択可能とされた操作画面を表示し、この操作画面において当該受信音声データが参照先として選択された場合に、受信音声データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0104】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、ROM10には、Webブラウザが格納されている。
【0105】
制御部2は、ユーザ入力部3の操作によってWebブラウザの起動が指示されると、ROM10からWebブラウザを読出して表示部5に表示するようになっている。
【0106】
そして、表示部5に表示されたWebブラウザの検索画面に対してユーザ入力部3の操作によって入力された文字データは、不揮発性メモリ12内に、履歴データとして保存されるようになっている。
【0107】
また、Webブラウザによって取得された文字データおよび音声データも、不揮発性メモリ12内に履歴データとして保存されるようになっている。
【0108】
制御部2は、このような履歴データをキーワードを含む情報として取得するようになっている。
【0109】
そして、制御部2は、取得した履歴データに基づいてキーワードデータベース14を用いたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、当該年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示部5への表示を行うようになっている。
【0110】
なお、履歴データが音声データの場合には、この音声データをテキスト変換した上で、キーワードデータベース14を用いたキーワードの認識を行うことになる。
【0111】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、履歴データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0112】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、履歴データを選択可能とされた操作画面を表示するようにし、この操作画面において履歴データが参照先として選択された場合に、履歴データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0113】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、表示部5に、ナビゲーションの目的地および経由地を設定するための操作画面を表示するようになっている。
【0114】
そして、この操作画面において、ユーザ入力部3の操作によって設定された目的地および経由地に関する文字データは、制御部2によってキーワードを含む情報として取得されるようになっている。
【0115】
なお、目的地および経由地に関する文字データとしては、目的地や経由地の地名、施設名あるいは住所等を示す文字データを挙げることができる。
【0116】
制御部2は、取得した目的地および経由地に関する文字データに基づいて、キーワードデータベース14を用いたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、当該年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示部5への表示を行うようになっている。
【0117】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、ユーザによって設定されたナビゲーションの目的地または経由地に関する文字データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0118】
この結果、目的地または経由地が、歴史上の有名な土地や施設である場合には、その目的地または経由地の有名な時代を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。また、目的地または経由地が、特定の年代に有名なイベントが開催された土地である場合には、そのイベントが開催された当時の地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0119】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、目的地または経由地に関する文字データを選択可能とされた操作画面を表示し、この操作画面において目的地または経由地に関する文字データが参照先として選択された場合に、目的地または経由地に関する文字データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0120】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、表示部5に、特定の地点(自車位置等)の周辺に存在する施設(以下、周辺施設と称する)を検索するナビゲーションの周辺検索を行うための操作画面を表示するようになっている。
【0121】
そして、周辺施設に関する文字データ(周辺施設名を示す文字データ等)は、制御部2によってキーワードを含む情報として取得されるようになっている。
【0122】
制御部2は、取得した周辺施設に関する文字データに基づいて、キーワードデータベース14を用いたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、当該年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示部5への表示を行うようになっている。
【0123】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、周辺施設に関する文字データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0124】
この結果、周辺施設が、歴史上の有名な施設である場合には、その周辺施設が建築された当時を彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。例えば、周辺検索で、敦賀城が検索された場合には、自車が敦賀城の近辺に到達した場合に、その当時の城下町の町並みや道を地図画像として表示するようにしてもよい。
【0125】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、周辺施設に関する文字データを選択可能とされた操作画面を表示し、この操作画面において周辺施設に関する文字データが参照先として選択された場合に、周辺施設に関する文字データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0126】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、図示しない自車位置検出手段によって検出された自車位置から、ユーザ入力部3によって設定された目的地まで自車をルート案内するための推奨経路を経路探索(ルート計算)するようになっている。
【0127】
この制御部2による推奨経路の探索は、年代地図データベース15に格納された現行の地図データ(特に、道路ネットワークデータ)を用いることによって行われるようになっている。
【0128】
本実施形態において、制御部2は、経路探索によって探索された推奨経路上またはその近傍に存在する地点(複数であってもよい)に関する文字データ(地名や施設名を示すデータ等)を、キーワードを含む情報として取得するようになっている。
【0129】
そして、制御部2は、取得した推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字データに基づいて、キーワードデータベース14を用いたキーワードの認識および年代データの抽出を行い、次いで、年代地図データベース15を用いることにより、当該年代データに対応する地図データおよびランドマークデータに基づいた地図画像およびランドマークの表示部5への表示を行うようになっている。
【0130】
したがって、本実施形態においては、制御部2により、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字データに基づいて認識されたキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することが可能となる。
【0131】
なお、この場合には、推奨経路上における自車の実際の進行にあわせて、自車が到達した推奨経路上の各地点または各地点の近傍の地点にそれぞれ対応する年代の地図画像およびランドマークを、表示部5に順次表示するようにしてもよい。あるいは、ナビゲーションにおけるデモ走行を行う際に、推奨経路上の各地点または各地点の近傍の地点にそれぞれ対応する年代の地図画像およびランドマークを、デモ走行の進行にあわせて順次表示するようにしてもよい。
【0132】
なお、制御部2は、表示部5に、キーワードを認識する際の参照先として、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字データを選択可能とされた操作画面を表示するようにしてもよい。そして、この操作画面において推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字データが参照先として選択された場合に、推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字データに基づいたキーワードの認識および当該キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示を行うようにしてもよい。
【0133】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、キーワードデータに対応する年代データが複数存在する場合には、各年代データを年代候補としてユーザが選択可能な状態に表示するようになっている。例えば、キーワードの参照先として、ナビゲーションの目的地に関する文字データを選択する場合において、目的地が、複数の年代において有名な土地であれば、この目的地(キーワード)に対応する年代データが複数存在することになる。
【0134】
そして、このように、複数の年代データを年代候補として表示部5に表示した後、ユーザがユーザ入力部3の操作によって特定の年代を選択した場合に、制御部2は、選択された特定の年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示するようになっている。
【0135】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、制御部2は、地図画像に推奨経路を重ねて表示することや、交差点拡大画像の表示等によって、自車を目的地まで案内するルート案内を行うようになっている。
【0136】
制御部2は、このルート案内の際に、現行の地図画像およびランドマークを用いた通常のルート案内のみならず、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを用いたルート案内を行うことが可能とされている。
【0137】
したがって、本実施形態においては、特異な態様で表示される地図画像およびランドマークを用いたルート案内によって、ユーザを楽しませることが可能となる。
【0138】
また、ある地域について、ユーザが記憶している年代の地図画像およびランドマークを表示することもできるので、ユーザが記憶している過去の風景と現在の風景とが異なることによるユーザの混乱を防止することができ、運転の安全性を向上させることも可能となる。
【0139】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、制御部2が、未来の地図画像およびランドマークを表示部5に表示可能とされている。なお、そのためには、年代地図データベース15内に、未来の地図データおよびランドマークデータを保有する必要がある。あるいは、通信によって、情報センタから未来の地図データおよびランドマークデータを取得する必要がある。
【0140】
上記構成以外にも、制御部2が、ある年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示する際に、その年代に対応するキーワードを表示部5に字幕表示するようにしてもよい。
【0141】
そのようにすれば、ユーザが、表示部5に表示されている地図画像およびランドマークの年代に流行した事物等を知得することができる。
【0142】
なお、字幕表示を行う場合には、キーワードの認識の際に制御部2が抽出したキーワードデータのみを表示するようにしてもよく、あるいは、1つの年代データに対応するキーワードデータが、制御部2が抽出したキーワードデータ以外にも存在する場合には、1つの年代データに対応する複数のキーワードデータを表示するようにしてもよい。この字幕表示は、キーワードデータベース14を用いることによって簡便に行うことができる。
【0143】
次に、本実施形態の作用について、図4乃至図6を参照して説明する。
【0144】
なお、図4は、制御部2による前述した各種の動作を模式的に示したものである。制御部2は、次のようなアルゴリズムに従って動作する。
【0145】
すなわち、図4に示すように、制御部2には、ユーザ側から、ユーザ入力部3を用いたキーワードの文字入力または発話音声入力がなされる。
【0146】
また、制御部2には、位置情報として、目的地、経由地または奨励経路上あるいはその近傍の地点(図4における推奨経路上地点)に関する文字データの入力がなされる。
【0147】
さらに、制御部2には、放送(ラジオまたはテレビ)またはメディア(CD、不揮発性メモリ12等)から、楽曲の発売日、曲名、放送内容、Webブラウザの履歴等の文字データまたは音声データの入力がなされる。
【0148】
次いで、制御部2は、キーワードデータベース14を用いることによって、前記入力された文字データあるいは音声データ(ただし、テキスト変換する)に対応するキーワードデータを抽出する。これにより、キーワードが認識される。
【0149】
次いで、制御部2は、キーワードデータベース14を用いることによって、前記抽出したキーワードデータに対応する年代データを抽出する。
【0150】
このとき、キーワードデータに対応する年代データが複数存在する場合には、制御部2は、複数の年代を年代候補として表示部5に表示することによって、ユーザに選択肢を提供する。
【0151】
ユーザは、提供された選択肢の中から、所望の年代を選択(図4における年代選択)して入力することができる。
【0152】
次いで、制御部2は、前記抽出した年代データに対応する年代地図データベース15内の地図データおよびランドマークデータを取得する。
【0153】
次いで、制御部2は、前記取得した地図データおよびランドマークデータに基づいて、前記認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示する。
【0154】
これにより、ユーザに対して、キーワードに対応する年代の地図画像およびランドマークを提供することができる。
【0155】
このとき、制御部2は、キーワードデータベース14から取得したキーワードデータを表示部5に字幕表示することによって、現在提供している地図画像およびランドマークの年代の話題(キーワード)をユーザに提示することができる。
【0156】
ここで、地図画像およびランドマークのより具体的な表示態様として、例えば、メディアから入力された楽曲に、この楽曲が1999年10月に発売された旨の文字情報が付加されている場合を考える。
【0157】
この場合、文字情報に基づいて、キーワード「1999年10月」が認識された場合には、図5に示すように、楽曲の発売された1999年10月頃の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することができる。
【0158】
これにより、ユーザは、楽曲を聴取しつつ、この楽曲が発売された1999年10月当時のことを彷彿させる地図画像およびランドマークの表示を楽しむことができる。
【0159】
なお、図5に示すように、制御部2は、表示部5の表示画面を分割することによって、互いに同一の場所(地点)についての現行の地図画像およびランドマークと1999年10月頃の地図画像およびランドマークとを並列表示するようにしてもよい。
【0160】
そのようにすれば、同一の場所における道路や建物等についての時間的な推移をユーザが一目で把握することが可能となる。なお、図5においては、現在のデパートAの場所に、1999年10月頃にはデパートBが存在していたことが分かり、現在の駐車場の場所に、1999年10月頃にはデパートCが存在していたことが分かる。
【0161】
また、例えば、楽曲の音声データ中に未来をイメージした歌詞がキーワードとして含まれていて、このキーワードに基づいて、3年後という年代が抽出された場合には、図6に示すように、3年後の地図画像およびランドマークを表示するようにしてもよい。
【0162】
この場合においても、図5と同様に、表示部5の表示画面を分割することによって、互いに同一の場所(地点)についての現行の地図画像およびランドマークと3年後の図画像およびランドマークとを並列表示するようにしてもよい。なお、図6においては、道路が3年後に増設されることが分かる。
【0163】
以上述べたように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1によれば、制御部2により、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを表示部5に表示することができる結果、地図画像およびランドマークを特異な態様で表示させることができ、エンターテイメント性および有用性を向上させることができる。
【0164】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0165】
例えば、キーワードデータベース14および年代地図データベース15は、更新可能とされていることが好ましい。そのようにすれば、キーワードに関連するより多くの年代の地図画像およびランドマークを表示部に表示することが可能となる。
【0166】
また、キーワードデータに対応する年代データが1つの場合であっても、直ちにその年代データに対応する地図画像およびランドマークを表示するのでなく、その年代データの年代を含めて、その年代の周辺の年代(例えば、1年前、2年前等)を、年代候補として一旦表示部5に選択可能に表示するようにしてもよい。そして、選択された年代に対応する地図画像およびランドマークを表示部5に表示するようにしてもよい。
【0167】
また、例えば、「オリンピック」等の定期的なイベントがキーワードとして認識された場合には、キーワードに関連する年代候補として、開催周期に相当する時間間隔(4年おき)を隔てた複数の年代を年代候補として提示するようにしてもよい。
【0168】
さらに、制御部2は、取得した文字データや、音声データに含まれる複数のキーワードを総合判断して、特定の年代データを抽出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、キーワードデータベースを模式的に示す図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、年代地図データベースを模式的に示す図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、制御部の動作内容を模式的に示す図
【図5】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示態様の一例を示す図
【図6】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、キーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークの表示態様の図5と異なる一例を示す図
【符号の説明】
【0170】
1 車載用ナビゲーション装置
2 制御部
5 表示部
14 キーワードデータベース
15 年代地図データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像およびこの地図画像上に重ねて表示されるランドマークを、表示部に年代別に表示可能とされた車載用ナビゲーション装置であって、
キーワードを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて前記キーワードを認識するキーワード認識手段と、
このキーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ユーザの文字入力操作によって入力された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ユーザの発話音声情報を取得し、この取得した発話音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、音声再生手段によって再生された楽曲に付加された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、音声再生手段によって再生された楽曲の音声情報を取得し、この取得した音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ラジオ放送またはテレビ放送についての放送受信手段によって受信された受信音声情報を取得し、この取得した受信音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ブラウザに入力された文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ブラウザによって取得された文字情報または音声情報を取得し、この取得した文字情報または音声情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ナビゲーションの目的地または経由地の設定の際にユーザによって設定された目的地または経由地に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ナビゲーションの周辺検索によって検索された施設に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報として、ナビゲーションの経路探索によって探索された推奨経路上またはその近傍に存在する地点に関する文字情報を取得し、この取得した文字情報に基づいて前記キーワードを認識するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記表示処理手段は、前記表示部に、前記キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する複数の年代候補を、ユーザによる選択が可能な状態として表示し、この表示した複数の年代候補の中からユーザによって選択された年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項13】
同一の場所についての互いに異なる複数の年代の地図画像およびランドマークを、前記表示部に分割して表示することが可能に形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項14】
キーワード情報と年代情報とが互いに対応関係を有した状態で格納されたキーワードデータベースと、
現行の地図情報およびランドマーク情報を含めた複数の年代の地図情報およびランドマーク情報が格納された年代地図データベースと
を備え、
前記キーワード認識手段が、前記キーワードを含む情報と、前記キーワードデータベース内の前記キーワード情報とを比較して、前記キーワードを含む情報に対応する前記キーワード情報を抽出することによって、前記キーワードを認識するように形成され、
前記表示処理手段が、前記キーワード認識手段によって抽出された前記キーワード情報に対応する前記キーワードデータベース内の前記年代情報を抽出し、この抽出した年代情報に対応する前記年代地図データベース内の前記地図情報および前記ランドマーク情報を取得し、この取得した地図情報およびランドマーク情報に基づいて、前記キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示する処理を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記キーワードデータベースおよび前記年代地図データベースが、更新可能とされていること
を特徴とする請求項14に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークを前記表示部に表示しつつ、ルート案内を行うことが可能に形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項17】
前記キーワード認識手段が認識したキーワードに関連する年代の地図画像およびランドマークが、未来の地図画像およびランドマークとされていること
を特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−78408(P2007−78408A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263885(P2005−263885)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】