説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】表示部が小型であっても、目的地付近における走行地点の誤認を迅速かつ確実に解消することができ、ひいては、目的地に迅速かつ確実に到達することができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】到着判定手段24による到着判定以後の自車両の走行軌跡に基づいて、自車両が到着判定以後に同一の地点を予め設定された所定回数通行したか否かの判定を行う通行判定手段26と、通行判定手段26によって前記同一の地点を前記所定回数通行した旨の判定結果が得られた場合には、広域地図28に替わって詳細地図31を表示する地図表示処理部18とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、小型の表示部が搭載された車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置では、表示領域(表示画面)の対角寸法が6.5インチ〜8インチに形成されたディスプレイを用いることが一般的とされていた。このような十分な大きさのディスプレイを有する車載用ナビゲーション装置においては、広域地図と詳細(狭域)地図との2つの地図をディスプレイに同時に表示することが可能とされていた。
【0003】
一方、PND(Personal Navigation DeviceもしくはPortable Navigation Device)のような小型のディスプレイを有する車載用ナビゲーション装置においては、広域地図と詳細地図とを同時に表示する場合には、各地図が非常に小さく表示されてしまうことになる。
【0004】
このため、この種の小型のディスプレイを有する車載用ナビゲーション装置においては、例えば、経路誘導の際には、ディスプレイに広域地図のみを表示する場合が多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−137882号公報
【特許文献2】特開平8−159796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来から、車載用ナビゲーション装置においては、自車両が経路誘導にともなって目的地までの経路上における目的地から所定の距離(例えば、目的地の手前300m)の地点に到達した場合には、自車両が目的地に到着したと判断して経路誘導を終了するようになっていた。
【0007】
したがって、目的地の付近においては、ディスプレイに表示された地図や車外の景色を頼りに目的地まで経路誘導をともなわずに走行することが必要であった。
【0008】
しかしながら、前述のような小型のディスプレイに広域地図が表示された状態では、細街路のような細かい道路は表示されていないため、自車両が実際に通行している道路に対するユーザの認識が誤っている場合があり、この結果、ユーザが道を間違えていることに気付かずに何度も同じ地点を通行してしまうことがあるといった問題が生じていた。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、表示部が小型であっても、目的地付近における通行地点の誤認をすみやかに解消することができ、ひいては、目的地に迅速に到達することができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、表示領域が所定の大きさ以下に形成された表示部と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、地図データが記憶された地図データ記憶手段と、この地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを用いることによって、前記目的地設定手段によって設定された前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、この経路探索手段によって探索された前記経路に沿って自車両を前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置から前記目的地へと誘導する経路誘導を行う経路誘導手段と、この経路誘導手段による前記経路誘導によって前記自車位置が前記経路上における前記目的地から所定の距離以内の地点に到達した際に、前記自車両が前記目的地に到着した旨の判定である到着判定を行う到着判定手段と、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを用いることによって、前記自車位置の周辺の領域を示す地図を前記表示部に表示する地図表示手段とを備え、前記経路誘導手段が、前記到着判定手段による前記到着判定が行われた場合に、前記経路誘導を終了するように形成された車載用ナビゲーション装置であって、前記自車両の走行軌跡を蓄積する走行軌跡蓄積手段と、この走行軌跡蓄積手段から、前記到着判定手段による前記到着判定以後の走行軌跡を取得し、この取得した走行軌跡に基づいて、前記自車両が前記到着判定以後に同一の地点を予め設定された所定回数通行したか否かの判定を行う通行判定手段とを備え、前記地図表示手段は、前記経路誘導手段による前記経路誘導の際には、所定の縮尺以下の縮尺を有する広域地図を表示するように形成され、前記到着判定以後においては、前記通行判定手段によって前記同一の地点を前記所定回数通行していない旨の判定結果が得られた場合には、前記広域地図の表示を続行し、前記通行判定手段によって前記同一の地点を前記所定回数通行した旨の判定結果が得られた場合には、前記広域地図に替わって、その縮尺が前記自車位置および前記目的地の双方を同時に確認し得る限度において最大とされた詳細地図を表示するように形成されていることを特徴としている。
【0011】
そして、このような構成によれば、地図表示手段によって表示された詳細地図により、ユーザが、到着判定手段による到着判定以後における通行地点の誤認に容易に気付くことができるので、表示部が小型であっても、目的地付近における通行地点の誤認をすみやかに解消することができ、ひいては、目的地に迅速に到達することができる。
【0012】
また、前記地図表示手段が前記広域地図に替わって前記詳細地図を表示する際に、前記目的地への行き方が誤っている可能性を示唆する案内を行う案内手段を備えるようにしてもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、案内手段による案内により、ユーザが、目的地付近における通行地点の誤認にさらに容易に気付くことができる。
【0014】
さらに、前記走行軌跡蓄積手段は、前記走行軌跡の蓄積を前記到着判定が行われた時点から開始するように形成されていてもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、走行軌跡蓄積手段の記憶容量を低減することができ、ひいてはコストを削減することができる。
【0016】
さらにまた、前記詳細地図上における前記自車位置に対応する位置に前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示手段と、前記詳細地図上における前記目的地に対応する位置に前記目的地を示す目的地マークを重畳表示する目的地表示手段とを備えるようにしてもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、詳細地図上に自車位置マークおよび目的地マークを重畳表示することによって、目的地付近における通行地点の誤認をさらに迅速に解消することができる。
【0018】
また、前記地図表示手段は、前記詳細地図上に、前記経路を重畳表示するように形成されていてもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、詳細地図上に経路を重畳表示することによって、目的地までの順路をいちはやく把握することができる。
【0020】
さらに、本発明は、PNDに適用するようにしてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、PNDにおいても、目的地付近における通行地点の誤認をすみやかに解消することができ、目的地に迅速に到達することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表示部が小型であっても、目的地付近における通行地点の誤認をすみやかに解消することができ、ひいては、目的地に迅速に到達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、広域地図の表示状態を示す図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、(a)に示す広域地図から(b)に示す詳細地図への表示の切り替え状態を説明するための説明図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続された表示部としての液晶ディスプレイ3、GPSレシーバ5、自律航法センサ7、スピーカ8および入力操作部10とによって構成されている。
【0026】
液晶ディスプレイ3は、その表示領域が所定の大きさ以下(例えば、対角寸法が5インチ以下)に形成された小型のディスプレイとされている。
【0027】
GPSレシーバ5は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。
【0028】
また、自律航法センサ7は、自車両の加速度、車速および自車方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。この自律航法センサ7は、ジャイロセンサ等からなるものであってもよい。なお、自律航法センサ7は、必要に応じて設けるようにしてもよい。
【0029】
さらに、入力操作部10は、液晶ディスプレイ3のタッチパネル等であってもよい。
【0030】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット2は、システムバス11にそれぞれ接続されたナビCPU12、FlashROM14、SDRAM15およびユーザインターフェース(I/F)16とによって構成されている。
【0031】
ここで、ナビCPU12は、地図表示機能、経路探索機能および経路誘導機能等の車載用ナビゲーション装置1の諸機能を実行するようになっている。
【0032】
また、FlashROM14には、ナビCPU12の実行プログラムが記憶されており、ナビCPU12は、この実行プログラムを実行することによって車載用ナビゲーション装置1の機能を実行するようになっている。
【0033】
さらに、このFlashROM14には、地図データが記憶されており、これにより、FlashROM14は、地図データ記憶手段として機能するようになっている。
【0034】
さらにまた、SDRAM15は、ナビCPU12による処理結果等のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0035】
また、ユーザインターフェース16には、前述した入力操作部10が接続されており、このユーザインターフェース16を介して入力操作部10による操作結果がナビCPU12に入力されるようになっている。
【0036】
次に、ナビCPU12についてさらに詳述すると、図1に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、自車位置検出手段としての自車位置算出部17を有しており、この自車位置算出部17には、GPSレシーバ5から出力されたGPS情報および自律航法センサ7から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部17は、GPSレシーバ5側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(検出)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部17は、自律航法センサ7側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出(検出)する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部17は、FlashROM14に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部17は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0037】
また、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、地図表示手段としての地図表示処理部18を有している。この地図表示処理部18は、自車位置算出部17の算出結果およびFlashROM14に記憶されている地図データを用いることによって、自車位置算出部17によって算出された自車位置の周辺の領域を示す地図を生成し、生成された地図を液晶ディスプレイ3に表示するようになっている。
【0038】
さらに、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとしての自車位置表示処理部19を有しており、この自車位置表示処理部19は、地図表示処理部18によって液晶ディスプレイ3に表示された地図上における自車位置算出部17によって算出された自車位置に対応する位置に、自車位置を示す自車位置マークを重畳表示するようになっている。
【0039】
さらにまた、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部20を有しており、この目的地設定部20は、液晶ディスプレイ3にナビゲーションの目的地を設定するための操作画面を表示した上で、この操作画面に対するユーザの入力操作部10を用いた入力操作に応じた目的地を設定するようになっている。
【0040】
また、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、経路探索手段としての経路探索部21を有しており、この経路探索部21は、FlashROM14に記憶されている地図データを用いることによって、自車位置算出部17によって算出された自車位置から目的地設定部20によって設定された目的地までの経路(例えば、推奨経路)を探索するルート計算を行うようになっている。
【0041】
さらに、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、経路誘導手段としての経路誘導部22を有しており、この経路誘導部22は、経路探索部21によって探索された経路に沿って自車両を目的地へと誘導する経路誘導(換言すればルート案内)を行うようになっている。この経路誘導は、例えば、液晶ディスプレイ3に交差点拡大図を表示することや、地図表示処理部18によって液晶ディスプレイ3に表示された地図上に、経路探索部21によって探索された経路を重畳表示すること、あるいは、スピーカ8を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行うようになっている。
【0042】
さらにまた、ナビCPU12は、到着判定手段としての到着判定部24を有しており、この到着判定部24は、経路誘導部22による経路誘導によって自車位置が経路上における目的地から所定の距離以内の地点に到達した際に、自車両が目的地に到着した旨の判定である到着判定を行うようになっている。
【0043】
そして、本実施形態において、経路誘導部22は、経路誘導を行っている際に、到着判定部24による到着判定が行われた場合には、経路誘導を終了するようになっている。
【0044】
また、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとしての走行軌跡記録部25を有しており、この走行軌跡記録部25は、自車位置算出部17の算出結果に基づいて自車両の走行軌跡を自車位置の変動にともなって逐次求め、求められた走行軌跡をSDRAM15に記録するようになっている。これにより、自車両の走行軌跡がSDRAM15に逐次蓄積されることになり、SDRAM15が走行軌跡蓄積手段として機能するようになっている。なお、走行軌跡記録部25は、到着判定部24による到着判定以後における自車両の走行軌跡のみをSDRAM15に記録することが好ましい。このようにすれば、SDRAM15が、到着判定が行われた時点から走行軌跡の蓄積を開始することができるので、SDRAM15の記憶容量を低減することができる。
【0045】
さらに、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、通行判定手段としての通行判定部26を有しており、この通行判定部26は、到着判定部24による到着判定以後、SDRAM15から到着判定以後の走行軌跡を逐次取得するようになっている。そして、通行判定部26は、取得された走行軌跡および地図データに基づいて、自車両が到着判定以後に同一の地点を予め設定された所定回数(例えば、2回)通行したか否かの判定を行うようになっている。この通行判定部26の判定処理は、到着判定が行われた時点で開始し、これ以後、自車両のエンジンが停止または自車位置が目的地にマッチングされるまでの間、所定周期ごとあるいは自車位置が変動する都度、継続的に行うようにすればよい。
【0046】
そして、このような構成を備えた上で、本実施形態における地図表示処理部18は、経路誘導部22による経路誘導の際には、図2に示すように、予め設定された所定の縮尺以下の縮尺を有する広域地図28のみを生成して液晶ディスプレイ3に表示するようになっている。なお、図2に示すように、広域地図28上における自車位置に対応する位置には、自車位置表示処理部19によって自車位置マーク29が重畳表示されている。また、広域地図28上には、経路誘導部22によって目的地までの経路30が重畳表示されている。
【0047】
また、本実施形態において、地図表示処理部18は、到着判定部24による到着判定以後においては、通行判定部26によって前記同一の地点を前記所定回数通行していない旨の否定的な判定結果が得られている場合には、図3(a)に示すように、図2に示したものと同一の縮尺の広域地図28の表示を続行するようになっている。
【0048】
一方、地図表示処理部18は、到着判定以後において、通行判定部26によって前記同一の地点を前記所定回数通行した旨の肯定的な判定結果が得られた場合には、図3(a)(b)に示すように、広域地図28に替わって、その縮尺が自車位置および目的地の双方を地図31上で同時に確認し得る限度において最大とされた詳細地図31を生成して液晶ディスプレイ3に表示するようになっている。なお、地図表示処理部18は、詳細地図31の縮尺を、例えば、自車位置と目的地とを結ぶ仮想直線を直径とした円形領域または当該仮想直線を対角線とした矩形領域を定義し、当該円形領域または矩形領域と液晶ディスプレイ3の表示領域のサイズの情報と、車載用ナビゲーション装置1において設定可能な地図の縮尺の範囲(連続的な範囲または段階的な範囲のいずれであってもよい)の情報とを比較して、円形領域または矩形領域が表示領域内に最も大きい状態で収まるような縮尺を選択することによって設定するようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態において、自車位置表示処理部19は、自車位置表示手段として機能し、図3(b)に示すように、詳細地図31上における自車位置に対応する位置に、自車位置を示す自車位置マーク29を重畳表示するようになっている。
【0050】
さらに、図1に戻って、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、目的地表示手段としての目的地表示処理部32を有しており、この目的地表示処理部32は、図3(b)に示すように、詳細地図31上における目的地に対応する位置に、目的地を示す目的地マーク33を重畳表示するようになっている。
【0051】
なお、地図表示処理部18は、経路探索部21による探索結果を利用して、詳細地図31上に目的地までの経路を重畳表示するようにしてもよい。
【0052】
さらにまた、図1に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、案内手段としての案内部34を有しており、この案内部34は、図3に示すように、地図表示処理部18が広域地図28に替わって詳細地図31を表示する際に、目的地までの行き方が誤っている可能性を示唆する案内を行うようになっている。ここで、図3(b)には、案内部34によって「道を間違えていませんか?詳細地図で確認して下さい」といった音声案内が行われていることが示されている。
【0053】
なお、地図表示処理部18は、詳細地図31を表示した後に、自車両が前記同一の地点を再度通行することなく所定距離以上進行した場合には、再び広域地図28へと表示を切り替えるようにしてもよい。
【0054】
また、地図表示処理部18は、経路誘導をともなわない走行時における地図表示の際には、ユーザが地図の縮尺を変更するための入力操作を行わない限り、図2に示したものと同様の広域地図28を表示すればよい。
【0055】
さらに、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、PDAであってもよいことは勿論である。
【0056】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0057】
なお、便宜上、初期状態においては、目的地設定部20によって目的地が設定されている上に、経路探索部21によって目的地までの経路が探索されているものとする。
【0058】
そして、初期状態から、まず、図4のステップ1(ST1)においては、地図表示処理部18により、図2に示したような広域地図28を液晶ディスプレイ3に表示する。
【0059】
次いで、ステップ2(ST2)においては、経路誘導部22により、目的地までの経路に沿った経路誘導を行う。
【0060】
次いで、ステップ3(ST3)においては、到着判定部24により、到着判定の条件が満たされたか否か、すなわち、自車位置が経路上における目的地から所定の距離以内の地点に到達したか否かを判定し、到達した場合には、ステップ4(ST4)に進み、到達していない場合には、ステップ2(ST2)に戻って経路誘導を続行する。
【0061】
次いで、ステップ4(ST4)においては、到着判定部24により、自車両が目的地に到着したと判断して到着判定を行う。
【0062】
次いで、ステップ5(ST5)においては、経路誘導部22による経路誘導を終了する。
【0063】
次いで、ステップ6(ST6)においては、SDRAM15により、到着判定以後における自車両の走行軌跡を走行軌跡記録部25による記録動作にともなって逐次蓄積する。
【0064】
次いで、ステップ7(ST7)においては、通行判定部26により、SDRAM15から到着判定以後における自車両の走行軌跡を取得し、取得された走行軌跡に基づいて、自車両が到着判定以後に同一の地点を予め設定された所定回数通行したか否かの判定を行う。そして、このステップ7(ST7)における判定によって肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ8(ST8)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ9(ST9)に進む。
【0065】
次いで、ステップ8(ST8)においては、地図表示処理部18により、図3に示したように、広域地図28から詳細地図31へと表示を切り替えるとともに、案内部34により、図3(b)に示したような音声案内を行って処理を終了する。
【0066】
一方、ステップ9(ST9)においては、広域地図28の表示を続行した上でステップ6(ST6)に戻る。
【0067】
以上述べたように、本実施形態によれば、地図表示処理部18によって表示された詳細地図31により、ユーザが、到着判定部24による到着判定以後における通行地点の誤認に容易に気付くことができるので、液晶ディスプレイ3が小型であっても、目的地付近における通行地点の誤認をすみやかに解消することができ、ひいては、目的地に迅速かつ確実に到達することができる。
【0068】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 車載用ナビゲーション装置
3 液晶ディスプレイ
14 FlashROM
15 SDRAM
17 自車位置算出部
18 地図表示処理部
20 目的地設定部
21 経路探索部
22 経路誘導部
24 到着判定部
26 通行判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域が所定の大きさ以下に形成された表示部と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
この地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを用いることによって、前記目的地設定手段によって設定された前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
この経路探索手段によって探索された前記経路に沿って自車両を前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置から前記目的地へと誘導する経路誘導を行う経路誘導手段と、
この経路誘導手段による前記経路誘導によって前記自車位置が前記経路上における前記目的地から所定の距離以内の地点に到達した際に、前記自車両が前記目的地に到着した旨の判定である到着判定を行う到着判定手段と、
前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを用いることによって、前記自車位置の周辺の領域を示す地図を前記表示部に表示する地図表示手段と
を備え、
前記経路誘導手段が、前記到着判定手段による前記到着判定が行われた場合に、前記経路誘導を終了するように形成された車載用ナビゲーション装置であって、
前記自車両の走行軌跡を蓄積する走行軌跡蓄積手段と、
この走行軌跡蓄積手段から、前記到着判定手段による前記到着判定以後の走行軌跡を取得し、この取得した走行軌跡に基づいて、前記自車両が前記到着判定以後に同一の地点を予め設定された所定回数通行したか否かの判定を行う通行判定手段と
を備え、
前記地図表示手段は、前記経路誘導手段による前記経路誘導の際には、所定の縮尺以下の縮尺を有する広域地図を表示するように形成され、前記到着判定以後においては、前記通行判定手段によって前記同一の地点を前記所定回数通行していない旨の判定結果が得られた場合には、前記広域地図の表示を続行し、前記通行判定手段によって前記同一の地点を前記所定回数通行した旨の判定結果が得られた場合には、前記広域地図に替わって、その縮尺が前記自車位置および前記目的地の双方を同時に確認し得る限度において最大とされた詳細地図を表示するように形成されていること
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図表示手段が前記広域地図に替わって前記詳細地図を表示する際に、前記目的地への行き方が誤っている可能性を示唆する案内を行う案内手段を備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記走行軌跡蓄積手段は、前記走行軌跡の蓄積を前記到着判定が行われた時点から開始するように形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記詳細地図上における前記自車位置に対応する位置に前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示手段と、
前記詳細地図上における前記目的地に対応する位置に前記目的地を示す目的地マークを重畳表示する目的地表示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地図表示手段は、前記詳細地図上に、前記経路を重畳表示するように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
PNDとされていること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−169557(P2010−169557A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12854(P2009−12854)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】