説明

車載用電子機器

【課題】ETC車載器を装着し得るナビゲーション装置において、ETCカードが装着されている場合には、前面パネルを半開位置までオープンしてナビゲーション装置を容易に操作可能にすることによってETCカードの盗難を防止できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置本体100と、ナビゲーション装置本体に一体或いは着脱式に組込まれたETC車載器20と、前面パネル110と、前面パネル110を開位置と閉位置との間で移動させる開閉手段9と、ETC車載器にETCカードが装着されているか否かを検出するETCカード検出手段22と、を備えるナビゲーション装置10であって、ETCカードが装着されている場合に、開閉手段9は前面パネル110を、開閉手段9を介して前記前面パネル110をETCカードの抜き取りができない半開位置まで移動させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード読み取り装置と電気的に接続される車載用電子機器に関するものであり、特に、カード読み取り装置に挿入されるカードの盗難防止機能を設けた車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からETC(Electronic Toll Collection)車載器、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載器や免許証読み取り装置などのカード読み取り装置が知られている。
【0003】
これらのカード読み取り装置は、ETC車載器やDSRC車載器に挿入されたICカードからカードIDなどを読み取る、または、免許証読み取り装置に挿入された運転免許証から運転手の情報を画像認識などにより読み取ることが可能である。
【0004】
そして、読み取った情報は、高速道路や駐車場での料金収受や、初心者運転手・高齢者運転手の判断などに用いられる。このようなカード読み取り装置を用いたシステムとして、例えば、ETCシステムが知られている。
【0005】
ETCシステムは、ETCカードが挿入されるETC車載器と、料金所のETC専用レーンに設置される無線アンテナ装置(路上機)と、ETCシステムの統括管理団体であるORSE(財団法人道路システム高度化推進機構)のネットワーク上の情報処理装置とで構成される。ユーザがETC専用レーンを通過する際には、ETC車載器と路上機との間で認証処理を行ってゲートの開閉動作が行われる。ORSEの情報処理装置では、ETCカードに対する課金処理やETCシステムの利用履歴等の管理が行われるように構成されている。
【0006】
このようなETCシステムによると、料金所での料金収受作業が短縮化されることによる交通渋滞の緩和や、料金収受にかかる人件費等の経費削減等の効果が得られることから、ETCシステムの普及が推進されており、これを受けて、ETC車載器を車両に設置するユーザが急増している。
【0007】
昨今では、このETC車載器を電気的に接続して、該ETC車載器で取得乃至生成される情報を利用して、各種処理を実行するナビゲーション装置も提案されている。例えば、下記の特許文献1(特開2007−285752号公報)に示されるナビゲーション装置は、ETC車載器に記憶されている通過料金所情報を、接続手段を介して取得することができ、この通過料金所を経路探索の際の目的地として選択的に指定することができるように構成している。また、ETC車載器から特定のデータを得ることがなくても、エンジン停止時にETC車載器にETCカードが装着されたままになっている場合や、エンジン始動時に装着がなされていないときにはその旨の音声報知等を、ナビゲーション装置を介して行うために、ETC車載器とナビゲーション装置が電気的に接続されるのが一般的となっている。
【0008】
一方、ナビゲーション装置においても、設置された車両の種別(大型車・普通車・小型車など)を登録しておき、探索した経路に高速道路の利用区間が含まれる場合、高速道路の利用区間の料金等を案内する機能を付加したものも提供されている。
【0009】
そこで、ナビゲーション装置とETC車載器を一体構造にしたナビゲーション装置も下記の特許文献2(特開平11−337348号公報)に開示されている。このナビゲーション装置は、人工衛星位置決定システム(GPS)及び道路交通情報システム(VICS)の各受信部と高速道路料金自動支払システム(ETC)の送受信部とを一体的に構成した単一ユニットにし、GPS、VICS、ETCの各信号処理部をカーナビゲーション装置に内蔵させ、かつ、カーナビゲーション装置の表示部をGPS、VICS、ETCで共用させるように構成されている。
【0010】
これらのETC車載器においては、ETCカードを抜き忘れた際に、盗難に遭い、正規のユーザでない第3者によってETCカードが不正に使用され、ユーザが損害を被るという問題点が懸念される。そこで、ETCカードの盗難を防止するための機能を備えたETC車載器が提案され、例えば、下記の特許文献3(特開2002−32802号公報)に開示されている。
【0011】
この特許文献3に開示されたETC車載器は、カード装着部とHMI部とを備え、カード装着部には、ユーザに固有のICカード(ETCカード)が装着されるようになっている。ICカード(ETCカード)は、IDコードが一致していることを条件として、カード装着部から抜き取り可能に構成され、正規のユーザが正しいIDコードを入力しない限りETCカードの抜き取りができないように構成して盗難を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−285752号公報
【特許文献2】特開平11−337348号公報
【特許文献3】特開2002−32802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般的にナビゲーション装置とETC車載器を連携させる場合、上記特許文献1のように、接続ケーブルを用いてそれぞれ個々に製造された機器を接続する構成、あるいは、上記特許文献2のようにナビゲーション装置とETC車載器を同一の筐体内に一体に組み込む構成とがある。
【0014】
個別に搭載されたナビゲーション装置とETC車載器を接続し連携させる場合、ナビゲーション装置とETC車載器を同時に車載する場合もあれば、当初はどちらか一方を車載して、後に他の一方を車載する場合もある。上記特許文献1のようにケーブルで両機器を接続する構成であればどのような形態にも対応可能であるが、接続ケーブル、接続作業が必要になり、手間とコストがかかるという問題点がある。
【0015】
一方、ナビゲーション装置とETC車載器を同一の筐体内に一体に組み込む構成であれば、接続ケーブル、接続作業は不用になるが、別の不具合が生じる。例えば、一体型の場合、一方を先に車載し、他方を後から車載したいというユーザの要求には応じられないことになり、自動車用品の販売業者にとって販売のフレキシビリティーが阻害されるという問題点が生じる。また、ナビゲーション装置とETC車載器の何れもが同じ製造事業者の製品であれば、両者を一体に組み込むことも容易であるが、何れか一方のみを製造する事業者にとっては、両者を一体に組み込んだ製品として販売するには一方を外部から調達しなければならず、コスト増を伴うという問題点がある。
【0016】
そこで、ナビゲーション装置本体に、任意にETC車載器を装着し得るETC車載器装着用ガイド部と、ETC車載器とナビゲーション装置とを接続する接続コネクタと、を備えたETC車載器装着用スロットを設ければ、上記のような問題点を解消することができる。また、一般的な車載用のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置本体の前面にスライドレールによって支持された液晶表示ユニットを有する表示パネルが設けられ、表示パネルをスライドして開き、ナビゲーション装置の前面に設けられたCD/DVD挿入口やCD/DVDイジェクトボタン、SDカード挿入口、地上波デジタル放送受信用のB−CASカード挿入口などの各部を用いて所望の機能を利用するように構成される。
【0017】
このようなETC車載器装着用スロットを設けたナビゲーション装置に、上記特許文献3に開示されたようなETCカードの盗難防止機能を適用する場合、ナビゲーション装置本体の前面に設けられた表示パネルをスライドして開く際に、ユーザに暗証コードの入力を要求し、暗証コードが正しい場合にのみ表示パネルをスライドさせて、ナビゲーション装置本体の前面に設けられたETC車載器を操作(ETCカードの装着や抜き取り)可能に構成すればよい。
【0018】
しかしながら、ナビゲーション装置本体の前面には、ETC車載器装着用スロットの他に、CD/DVD挿入口やCD/DVDイジェクトボタン、SDカード挿入口、地上波デジタル放送受信用のB−CASカード挿入口などが設けられており、ETCカードの抜き取り以外にそれらの各部を用いる場合にも、その都度ユーザに暗証コードの入力が要求されることになり、煩わしい操作を必要とするという問題点がある。
【0019】
一方、表示パネルを開く際には暗証コード等の入力を不用とし、ETC車載器自体に上記特許文献3に開示されたような盗難防止のためのコード照合を行わせるように構成することも考慮されるが、その場合、ETC車載器に照合用のコード入力手段を設けるようにすると、ETC車載器装着用スロットの設置スペースが大きくなり、コスト増を生じるという問題点が生じる。このような問題は、ETC車載器を一体に組み込んだナビゲーション装置においても同様に生じる。
【0020】
本願の発明者は上記の問題点を解消することを目的として、先に特願2010−139546号として「車載用電子機器」の発明を出願している。この「車載用電子機器」においては、車載用電子機器(ナビゲーション装置)にカード読み取り装置(ETC車載器)が装着されている状態で、前面の表示パネルをスライドさせる操作があった場合に、カード読み取り装置にカードが装着されているか否かを検出し、カードが装着されている場合には、表示パネルに設けられた表示部にカードの抜き取り操作をするか否かをユーザに問い合わせ、カードの抜き取り操作をする場合にのみ、暗証コードの照合を行うようにし、煩雑な操作を要することなくカードの盗難を防止できるようにしている。
【0021】
しかしながら、上記「車載用電子機器」の発明において、前面パネルのオープン要求がある場合に、カードが装着されていれば、前面パネルをオープン操作する前にカードの抜き取りか否かの確認画面をユーザに問い合わせる。従って、ユーザがCD/DVD挿入口やCD/DVDイジェクトボタン、SDカード挿入口、B−CASカード挿入口を操作したい場合でもその都度この確認画面に対して応答をしなければならず面倒である。
【0022】
従って、本発明の目的は、ETC車載器などのカード読み取り装置が搭載された車載用電子機器において、カード読み取り装置にカードが装着されていても、カードの抜き取り操作をするか否かの確認画面を問い合わせすることなく前面パネルを部分的にオープンすることで、操作を簡単にしつつも、カードの盗難防止を可能とすることである。また、カード読み取り装置以外の機器(CD/DVDドライブなど)を操作する場合を考慮し、カードの抜き取り操作をするか否かの確認画面を問い合わせすることなく前面パネルを部分的にオープンすることで、車載器以外の機器を利用することも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる車載用電子機器は、車載用電子機器と電気的に接続されたカード読み取り装置が車載用電子機器本体に一体または着脱式に組込まれた車載用電子機器において、前記カード読み取り装置は、カードを装着するカード挿入部を備え、前記車載用電子機器は、前記車載用電子機器本体の前面を閉位置において覆い、当該前面を開位置において露出するように構成した前面パネルと、前記前面パネルを開閉手段を介して前記閉位置と前記開位置との間で移動させる制御手段と、前記前面パネルの移動を要求する入力手段と、を備え、前記制御手段は、前記入力手段を介して前記前面パネルの移動が要求された場合、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記カードの抜き取りができない半開位置まで移動させることを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項2にかかる車載用電子機器は、請求項1に記載の車載用電子機器において、さらに、照合コードの入力を要求する入力画面を表示する表示手段を備え、前記制御手段は、前記前面パネルが前記半開位置まで移動した場合、前記表示手段に照合コードの入力を要求する入力画面を表示し、前記入力手段を介して入力された照合コードと予め設定された照合コードとを照合し、両者が一致した場合に、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記開位置まで移動させることを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項3にかかる車載用電子機器は、請求項1又は2に記載の車載用電子機器において、前記制御手段は、前記入力手段を介して前記前面パネルの移動が要求された際に、前記カード挿入部にカードが装着されている場合、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記カードの抜き取りができない半開位置まで移動させることを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項4にかかる車載用電子機器は、請求項1乃至3の何れかに記載の車載用電子機器において、前記前面パネルは、前記半開位置および前記開位置に移動する際には前記前面パネルの上端部が前記前面に沿って下方にスライド移動し、前記閉位置に移動する際には前記前面パネルの上端部が上方に向かってスライド移動することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項5にかかる車載用電子機器は、請求項1乃至4の何れかに記載の車載用電子機器において、前記前面パネルに、前記入力手段および前記表示手段が設けられることを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項6にかかる車載用電子機器は、請求項1乃至5の何れかに記載の車載用電子機器において、前記半開位置は、前記前面パネルが、前記カード挿入部を覆う位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本願の請求項1に記載の車載用電子機器によれば、車載用電子機器の前面パネルを開く場合、前面パネルをカードの抜き取りができない半開位置まで移動させる。これにより、カード挿入部は前面パネルによって隠蔽されたままになり、カードの抜き取りが自由にできないようになるため、カードの盗難を防止することが可能になる。更に、半開位置まで前面パネルを移動することによって車載用電子機器本体の前面は部分的に露出し、そこに設けられている各種の機器を自由に操作することが可能になる。
【0030】
また、本願の請求項2に記載の車載用電子機器によれば、前面パネルが半開位置に移動した場合、カードの抜き取りを許可するための照合コードの入力を求める入力画面を表示し、正しい照合コードが入力された場合に前面パネルを開位置まで移動させる。これにより、カードの抜き取る必要があるときにのみ照合コードの入力を求め、正しい照合コードが入力された場合に、前面パネルを開位置まで移動させ、カードの抜き取りを行うことが可能になる。
【0031】
また、本願の請求項3に記載の車載用電子機器によれば、前面パネルの移動が要求された際に、カード挿入部にカードが装着されている場合、カードの抜き取りができない半開位置まで移動させるため、カード挿入部は前面パネルによって隠蔽されたままになり、カードの抜き取りが自由にできないようになるため、カードの盗難を防止することが可能になる。
【0032】
また、本願の請求項4に記載の車載用電子機器によれば、開位置および半開位置に移動する際には前面パネルの上端部が操作面に沿って下方にスライドするので、半開位置では車載用電子機本体の前面の下側が前面パネルによって隠れるためにカードの抜き取りが阻止されるようになる。
【0033】
また、本願の請求項5に記載の車載用電子機器によれば、前面パネルに入力手段および表示手段が設けられるので、新たに車載用電子機器の前面に入力手段又は表示手段を設けることがなく、照合コードの入力などを行うことが可能となる。
【0034】
また、本願の請求項6に記載の車載用電子機器によれば、半開位置は、前面パネルが、カード挿入部を覆う位置であるため、前面パネルが半開位置の際は、カードの抜き取りができなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の内部分解斜視図である。
【図3】本発明の実施例にかかるETC車載器が装着されたナビゲーション装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】図1のナビゲーション装置において、前面パネルが半開位置にあるときを示す図である。
【図6】図1のナビゲーション装置において、前面パネルが開位置にあるときを示す図である。
【図7】図5のナビゲーション装置において、前面パネルが半開位置にあるときに液晶ディスプレイに表示される照合コード入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例と共に図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置を例示して説明するものであって、本発明をこのETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなくその他の実施形態の車載用電子機器にも等しく適用し得るものである。
【0037】
例えば、車載用電子機器は、ナビゲーション機能を有していないその他の車載用電子機器にも適用できるものである。
【0038】
また、本願発明では、カード読み取り装置の一例として、ETC車載器を例示するが、ETC車載器のように高速道路料金の料金収受に用いられる送受信器に限られず、例えば、他車両に搭載された送受信器との間でデータの送受信を行うもの(車車間通信用送受信器)や、道路上に設置された路上機との間でデータの送受信を行うもの(路車間通信用送受信器)であってもよく、また、双方の車両内に搭載され車車間通信を行うため、又は、道路上や駐車場に設置された路上機との間で料金収受を行うためなどに用いられるDSRC車載器などであってもよい。なお、本発明においては、データの送受信を行う送受信器に限らず、挿入されたカードの情報を読み取る装置であれば本願発明の効果を奏する。
【0039】
そして、これらを活用したシステムとしてITSシステム(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)がある。ITSシステムとは、他車両に搭載された送受信器や道路上に設置された路上機との間で交通情報の送受信を行うことで自車両周辺の交通状態(自車両に接近してくる緊急車両の存在や、前方に位置する道路の渋滞情報等)をリアルタイムに取得し報知できるものであり、このシステムの普及により交通渋滞の緩和や交通事故の低減が期待されている。
【0040】
さらに、本願発明では、カードの一例としてETCカードを例示するが、ETC車載器と同様に、高速道路料金の料金収受に用いられるICカードに限られず、例えば、上記のDSRC車載器を用いた駐車場での料金収受の際に用いられるICカードであってもよく、また、ICカードや、料金収受を行うカードに限られず、運転免許証など個人情報を含むようなカードであってもよく、運転免許証の情報は、例えば、特開平7−210628に開示されているような免許証読み取り装置を用いることで、免許証の情報を読み取ることが可能である。
【実施例】
【0041】
まず、図面を参照して本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の構造を説明する。図1は、本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の外観斜視図であり、図2は、本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の内部分解斜視図である。
【0042】
本実施例にかかるナビゲーション装置10は、図1の外観斜視図に示されるように、ナビゲーション装置本体100とその操作面(前面)101に開閉式に取付けられた前面パネル110を備えて構成される。図2は、図1のナビゲーション装置本体100から前面パネル110を取外して内部が見えるように図示したものであるが、ナビゲーション装置本体100の内部には、CD/DVDドライブ、SDカードリードライタ、ETC車載器装着部17、B−CASカード用のカードリーダーが設けられる。
【0043】
そして、ナビゲーション装置本体100の操作面101には、CD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15、ETC車載器装着用スロット16、B−CASカード挿入口18が露出するように設けられる。操作面101に設けられるもののうち、CD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15及びB−CASカード挿入口18は操作面101の上部に設けられる一方で、ETC車載器装着用スロット16は操作面101の中央よりも下部、或いは下部に設けられる。より詳細に説明すると、CD/DVD挿入口13とCD/DVDイジェクトボタン14は操作面101の最上部に形成され、その下部にSDカード挿入口15及びB−CASカード挿入口18が形成される。ETC車載器装着用スロット16はSDカード挿入口15及びB−CASカード挿入口18よりもさらに下方に形成される。
【0044】
なお、上記には、前面パネル110の上端が上から下方に向けてスライド移動して開く場合の、操作面101への各種機器の配置位置について説明したが、本発明はこれに限られずに、例えば、前面パネル110の下端が下から上方に向けてスライド移動して開く場合は、CD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15及びB−CASカード挿入口18が操作面101の下部に位置し、ETC車載器装着用スロット16が操作面101の上部に位置するように構成してもよい。或いは、前面パネル110の右端または左端が、右から左方または左から右方に向けてスライド移動して開く場合は、CD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15及びB−CASカード挿入口18が操作面101の左右のいずれか一方に位置し、ETC車載器装着用スロット16が操作面101のもう一方の側に位置するように構成してもよい。
【0045】
ETC車載器装着用スロット16は、後述するETC車載器20を挿入することができる所定幅及び高さを有する開口として形成される。ETC車載器装着用スロット16の後部には、ETC車載器装着部17が設けられる。このETC車載器装着部17は、ETC車載器装着用スロット16の両側部からナビゲーション装置本体100の奥部に向けて延設されるETC車載器装着用ガイド部172と、その奥部にETC車載器装着用スロット16に平行になるように設けられた接続コネクタ171と、接続コネクタ171とETC車載器装着用ガイド部172の底辺を接続する底面部材173と、を備える。接続コネクタ171は、ETC車載器装着用スロット16に挿入されたETC車載器20とナビゲーション装置10とを接続する。
【0046】
ETC車載器20をナビゲーション装置10に接続する際には、ETC車載器装着用スロット16にETC車載器20を挿入し、接続コネクタ171とETC車載器20側の接続用コネクタ(図示せず)とを接続する。これにより、ナビゲーション装置10とETC車載器20との接続が完了する。
【0047】
ETC車載器20の前面にはETCカードの挿入口19が設けられている。ETC車載器20を用いて高速道路などにおける料金収受を行う場合には、ETCカードをETCカードの挿入口19に差し込んで、ETC料金収受システムを利用することになる。
【0048】
ナビゲーション装置10にETC車載器20が装着されない場合には、ETC車載器装着用スロット16の開口部を蓋体等で覆っておく。蓋体はネジ止めする構成であってもよく、弾性を有する爪部材によって装着するような構成であってもよい。このようにすれば、ETC車載器20が装着されない状態でユーザが誤って他の機器をETC車載器装着用スロット16に装着するようなことがなくなる。
【0049】
このように、ナビゲーション装置10にETC車載器20を任意に装着できるようにしておけば、ナビゲーション装置10の製造事業者とETC車載器20の製造事業者とが異なる場合であっても、カー用品の販売事業者等によってナビゲーション装置10にETC車載器20を装着することができるようになる。
【0050】
前面パネル110は、その両側の下端部に取り付けられたスライド部材113によってナビゲーション装置本体100に接続されており、このスライド部材113を前後に移動させるとともに、前面パネル110の上端をナビゲーション装置本体100の操作面101に沿って移動させることによって、開閉される。
【0051】
前面パネル110は、その中央の大部分を構成する液晶ディスプレイ111と、その下部に設けられた操作ボタン群112から構成される。操作ボタン群112のうちの1つのボタンにパネルオープンボタンが設けられ、このボタンを操作することにより、スライド部材113が駆動されて前面パネル110が開き、操作面101を露出させることができる。なお、前面パネル110が開くとは、閉位置から開位置又は半開位置へ移動することであり、前面パネル110が閉まるとは、開位置又は半開位置から閉位置へ移動することである。ここで、移動とは、スライド移動や回動なども含まれるものとする。
【0052】
このようにナビゲーション装置10にETC車載器20を任意に装着することができるETC車載器装着用スロット16を設ければ、先ず、第1に、ナビゲーション装置10とETC車載器20が一体に組込まれている場合、例えば、ナビゲーション装置10が故障した場合に再度ETC登録(セットアップ)を行わなくてはならなくなるが、任意に装着可能であれば、ナビゲーション装置10が故障してもETC車載器20を他のナビゲーション装置10に載せ替えればよく、再セットアップの必要がない。また、逆にETC車載器20が故障した場合は、ETC車載器20のみを取り外して修理することもできる。第2にナビゲーション装置10にETC車載器20を接続するための専用の配線が必要なくなり、外観がきれいになる。第3に、カー用品の販売店としても配線作業が必要なくなる。第4にユーザがナビゲーション装置10にETC車載器20を後付けする場合にも配線の作業や費用が必要なくなるなどの利点が得られる。
【0053】
次に図3を使用して、本発明の内部構成について説明する。図3は、ETC車載器20が装着されたナビゲーション装置10のブロック図である。ナビゲーション装置10は、制御手段1、操作手段2、表示手段3、現在位置検出手段4、地図記憶手段5、経路探索手段6、経路記憶手段7、音声出力手段8、開閉手段9、ETC車載器20、車両区分特定手段26より構成される。
【0054】
制御手段1は、CPU、ROM、RAM等の内部メモリ(図示せず)を備えて構成され、ナビゲーション装置10の全体、また各手段の制御を統括する。
【0055】
操作手段2は、ナビゲーション装置10において目的地の入力やその他各種の入力を行うための各種のキー、スイッチ等から構成され、前述の操作ボタン群112やCD/DVDイジェクトボタン14もこれに含まれる。また、操作ボタン群112の代わりに、液晶ディスプレイ111をタッチパネル式構造のユニットで形成した場合には、操作手段2としてタッチパネル式スイッチを用い、液晶ディスプレイ111に表示されるアイコンをユーザが触れることによって選択入力が行われるような構成にしてもよい。
【0056】
表示手段3は、地図画像や最適経路画像を表示する液晶表示パネルなどで構成され、液晶ディスプレイ111もこれに含まれる。また、表示手段3は、後述する前面パネル110が半開位置の際に照合コード入力要求画面を表示するためのものである。
【0057】
現在位置検出手段4は、GPS信号受信装置、速度センサ、方位センサ等を含んで構成され、車両の現在位置を検出する。
【0058】
地図記憶手段5は、道路の交差点や分岐点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ道路をリンクとした道路リンクデータ、及びそれらのリンクのコスト情報(距離や所要時間)とをデータベースとして含む地図データおよび地図画像が記憶されている。
【0059】
経路探索手段6は、現在位置検出手段4によって検出された現在位置から、操作手段2によって入力指定された目的地までの最適な経路を探索する。より具体的には、地図記憶手段5に蓄積された地図データを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るまでのリンクを順次探索し、コスト情報が最小となるノード、リンクを探索して最適経路を決定する。なお、このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0060】
経路記憶手段7には、上述のようにして経路探索手段6で探索された最適経路が記憶される。
【0061】
制御手段1は経路案内時に、経路記憶手段7に記憶された最適経路を参照しながら、現在位置検出手段4により検出された現在位置を中心とした所定範囲の地図データおよび地図画像を地図記憶手段5から抽出し、表示手段3に地図画像を表示するとともに、後述する音声出力手段8を介して案内報知を行う。このように時々刻々変化する現在位置に応じて都度地図データの表示を切り替えながら目的地までの誘導案内を行う。
【0062】
音声出力手段8は、スピーカー(図示せず)等で構成され、最適経路の誘導案内時の案内報知、キー操作音、その他ナビゲーション装置10に関する種々の音声報知を行う。また、エンジン停止時にETC車載器20にETCカードが装着されたままになっている場合や、エンジン始動時に装着がなされていないときには、その旨を音声報知する際にも利用される。
【0063】
開閉手段9は、スライド部材113及びスライド部材113を駆動させるためのモータ(図示せず)等から構成されている。スライド部材113は、ナビゲーション装置本体100の下部両側に前後に移動可能に取付けられており、その前端部分が前面パネル110の下端部両側に回転可能に接続されている。スライド部材113の後端部分はナビゲーション装置本体100の内部にあってモータに接続されている。
【0064】
図1に示すように前面パネル110がナビゲーション装置本体100の操作面101の前面の全体を覆うように鉛直な状態、すなわち、閉位置にあるときに、制御手段1からの指示があると、開閉手段9はモータを始動させ、スライド部材113が前方に移動する。前面パネル110の上端部は、ナビゲーション装置本体100の操作面101の両側部に沿って上下に移動するように取付けられている。そのため、前面パネル110の下端が前方に引出されると同時に前面パネル110の上端が下方に移動することで、前面パネル110が水平に回転し、ナビゲーション装置本体100の操作面101が露出する。
【0065】
車両区分特定手段26は、ワンチップICとして構成され、デコーダとして機能させるための復号化プログラムが格納されている。詳細には、ETC車載器20に格納された暗号化されたセットアップ情報を復号化し、その中に含まれる車両区分情報を制御手段1に出力するように構成されている。なお、セットアップ情報は、秘密性の高い高度な暗号化処理が施されているため、ナビゲーション装置10の製造者に復号化プログラムが提供されることが前提になる。
【0066】
次に、ETC車載器20について説明する。ETC車載器20は、ETCカードリーダー21と、ETCカード検出手段22と、送受信手段23と、車載器識別情報記憶手段24と、セットアップ情報記憶手段25からなる。ETCカードリーダー21は、ETCカードを受け入れてETCカードのID情報を読み取る。また、ETCカード検出手段22は、ETCカードの装着有無を検知する。すなわち、ETCカードリーダー21は、カード挿入口19を含む構成として例示する。
【0067】
送受信手段23は無線アンテナ機能を有し、車両が有料道路の入口あるいは出口を通過する際に、入口、出口に設置された路上機との間で無線通信を行い、路上機へカードID情報やETC車載器20の識別情報等を送信し、路上機からは通過した料金所データ等を受信する処理を担う。
【0068】
車載器識別情報記憶手段24には、ETC車載器20に固有の車載器識別情報が格納されている。この車載器識別情報は、上述のように料金所の路上機との無線通信の際に利用される。
【0069】
セットアップ情報記憶手段25には、セットアップ情報が格納されている。ETC車載器20には、ユーザが購入する際にセットアップと呼ばれる作業が行われる。セットアップは、取付け対象となる車両の車両区分(特大・大型・中型・普通・小型等の有料道路の利用料金の区分)及び車両ナンバーといったセットアップ情報をETC車載器20のセットアップ情報記憶手段25に記憶(登録)させるものである。このセットアップが行われることにより、ETCレーンの通過時には、料金所の路上機とETC車載器20との間の無線通信によって車両区分が特定されるから、ユーザが車両区分をその都度指定しなくても自動的に車両区分に応じた利用料金が徴収される仕組みとなっている。
【0070】
セットアップ作業は登録認可を受けた専門業者により行われるが、その作業に先立ってORSEの側でセットアップ情報の暗号化が行われるようになっている。したがって、ユーザが勝手にセットアップ情報を書き換えることはできない。すなわち、車両区分情報とナンバー情報が登録されたETC車載器20と車両とは、取り付けられているか否かにかかわらず常に一体不可分の関係とされており、ETC車載器20を他の車両に載せ替えて使用することは原則としてできない。別の車両に載せ替えたいときには、再度のセットアップ作業を行わなければならない。なお、このような制限は、なりすまし防止等を理由としたORSEの運用規則によるものである。
【0071】
なお、本実施例では、ETC車載器20を例示しているため、送受信手段23、車載器識別情報記憶手段24、及びセットアップ情報記憶手段25を備えているが、カードを挿入する挿入口19を有するカード読み取り装置であれば本願発明の効果を奏するため上記構成については必須の構成ではない。
【0072】
次に、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置10の動作について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施例にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置の制御手段1の制御動作を示すフローチャートであり、図5は、前面パネル110が半開位置にあるときのナビゲーション装置10を示す図であり、図6は、前面パネル110が開位置にあるときのナビゲーション装置10を示す図であり、図7は、前面パネル110が半開位置にあるときに液晶ディスプレイ111に表示される照合コード入力画面を示す図である。
【0073】
図4のステップS401において、ユーザが操作ボタン群112を操作することによって前面パネル110のオープン要求を行うと、ステップS402において、ETCカード検出手段22によってETCカードの装着有無が検出され、ステップS403において、ETCカードが装着されているか否かを判定する。そして、ETCカードがETC車載器20に装着されている場合(ステップS403のYES)には、ステップS404の処理に進む。ステップS404において、制御手段1の制御により、開閉手段9はスライド部材113を移動させ、前面パネル110を、図5に示すような半開位置まで開く。なお、ステップS403のETCカードが装着されているか否かの判定では、ETC車載器20が装着されているか否かの判定を含むものとしてもよい。
【0074】
図5では、スライド部材113が前方に突出し、それに伴って前面パネル110の上端がナビゲーション装置本体100の操作面101に沿って上端から中央付近まで移動することによって前面パネル110が「半開」状態になっているのが示されている。この状態では、操作面101に設けられているCD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15、B−CASカード挿入口18が露出しており、ユーザはこれらの装置を自由に操作することが可能である。一方で、前面パネル110が半開位置にあるため、ETC車載器装着用スロット16は、前面パネル110の後ろに隠蔽されていて操作することが不可能になっている。なお、半開位置の位置は、予め制御手段1内の内部メモリなどに記憶され、記憶された位置に基づいて、スライド部材113を移動させることによって、半開位置に開くことが可能である。
【0075】
次に、前面パネル110が図5に示す半開位置にあるときに、図4のステップS405において、制御手段1は、表示手段3を介して図7に示すような照合コード入力画面を表示する。照合コード入力画面は、「ETCカードを抜き取る場合は照合コードを入力して下さい」という照合コードの入力を求める案内文と、照合コード入力欄から構成される。
【0076】
ステップS405において、ユーザが操作ボタン群112を操作することによって照合コードを入力すると、ステップS406の処理に進み、入力された照合コードが正しい照合コードか否かを判定する。照合コードは、ユーザが設定した暗証コードであってもよいし、ETCカードのIDコードであってもよく、ナビゲーション装置10の記憶手段(図示せず)に記憶されているものとする。
【0077】
照合の結果、正しい照合コードが入力されていると判定された場合には(ステップS406のYES)、ステップS407の処理に進み、制御手段1の制御により、開閉手段9が前面パネル110を開位置に移動させ、処理を終了する。このとき、スライド部材113は、半開位置の場合よりもさらに操作面101から前方に突出しており、また、前面パネル110の上端は半開位置の場合よりもさらに操作面101の下方に移動する。これにより、図6に示すように、ETC車載器装着用スロット16が露出し、ETCカードの抜き取りを自由に行うことができるようになる。
【0078】
なお、ステップS406において、入力された照合コードを照合した結果、正しい照合コードでないと判定した場合には(ステップS406のNO)、警告画面やエラー画面を表示手段3に表示した後にステップS405の処理に戻り、照合コードの再入力を求める。
【0079】
また、ステップS403において、ETCカードがETC車載器20に装着されていないと判定した場合には(ステップS403のNO)、ステップS408の処理に進み、制御手段1の制御により、開閉手段9がスライド部材113を操作面101の下端両側において前方に移動させ、同時に前面パネル110の上端が操作面101に沿って下方に移動し、前面パネル110を図6に示されるような開位置に移動させ、処理を終了する。これにより、操作面101に設けられているすべての機器、つまり、CD/DVD挿入口13、CD/DVDイジェクトボタン14、SDカード挿入口15、ETC車載器装着用スロット16、B−CASカード挿入口18が露出し、これを自由に操作することが可能となる。また、ETC車載器装着用スロット16に取付けられたETC車載器20にはETCカードが装着されていないために、不正に抜き取られる心配がなく、さらに、ETCカードを新たに挿入する際には、照合コードの入力が不要となる。
【0080】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置によれば、前面パネル110のオープン要求があった場合に、ETCカードがETC車載器20に装着されている場合には、ETC車載器20のETCカード挿入口19が露出しない位置まで前面パネル110を開く、つまり半開位置まで開くことにより、よりシンプルな操作で他の機器を操作可能にすることができるとともに、ETCカードの不正な抜き取りを防止することが可能となる。またETCカードを抜き取る場合には、半開位置のときに前面パネル110に表示される照合コード入力画面に照合コードを入力することで、前面パネル110を開位置まで開き、ETCカード挿入口19を露出させ、これにより、ETCカードの抜き取りを行うことが可能となる。さらに、ETCカードがETC車載器20に装着されていないときには、照合コードの入力を求めることなく、前面パネル110を開位置まで開くことにより、操作面101に設けられたすべての機器を操作可能にすることができる。
【0081】
上記の実施例は、ETC車載器着脱機構を有するナビゲーション装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ETC車載器を一体に備えたナビゲーション装置にも適用することができる。
【0082】
また、前面パネルの半開位置および開位置以外の位置を何段階か記憶し、例えば、操作ボタンの押下回数または押下時間によって段階的に前面パネルが開き、ユーザが見やすい位置に前面パネルを移動させることが可能なナビゲーション装置においては、ナビゲーション本体に、CD/DVDドライブなどのその他の機器を備えず、ETC車載器のみを備えた場合であっても、上記半開位置に到達するまでは、前面パネルの位置を任意に変更することが可能で、且つ、ETCカードの盗難を防止することも可能である。
【0083】
なお、上記実施例では、ETCカードがETC車載器20に装着されている場合(ステップS403のYES)に、制御手段1は、開閉手段9を介して前面パネル110を半開位置まで移動させたが、これに限ることはなく、ユーザが操作ボタン群112を操作して、前面パネル110をオープン要求(移動要求)を行なうと、制御手段1は、ETCカードがETC車載器20に装着されているか否かを判定することなく、開閉手段9を介して前面パネル110を半開位置まで移動させてもよい。そして、その後、ETCカードがETC車載器20に装着されているか否かを判定してもよい。すなわち、図4のフローチャートにおいて、ステップS404の処理がステップS401(又はステップS402)とステップS402(又はステップS403)の間に位置してもよい。
【0084】
なお、上記実施例では説明を省略したが、前面パネル110が半開位置又は開位置の際にユーザが操作ボタン群112を操作することによって前面パネル110のクローズ要求(移動要求)を行なうと、制御手段1は、開閉手段9を介して前面パネルを閉位置に移動させる。
【符号の説明】
【0085】
1 制御手段
2 操作手段
3 表示手段
4 現在位置検出手段
5 地図記憶手段
6 経路探索手段
7 経路記憶手段
8 音声出力手段
9 開閉手段
10 ナビゲーション装置
13 CD/DVD挿入口
14 CD/DVDイジェクトボタン
15 SDカード挿入口
16 ETC車載器装着用スロット
17 ETC車載器装着手段
18 B−CASカード挿入口
19 ETCカード挿入口
20 ETC車載器
21 ETCカードリーダー
22 ETCカード検出手段
23 送受信手段
24 車載器識別情報記憶手段
25 セットアップ情報記憶手段
26 車両区分特定手段
100 ナビゲーション装置本体
101 操作面
110 前面パネル
111 液晶ディスプレイ
112 操作ボタン群
113 スライド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用電子機器と電気的に接続されたカード読み取り装置が車載用電子機器本体に一体または着脱式に組込まれた車載用電子機器において、
前記カード読み取り装置は、カードを装着するカード挿入部を備え、
前記車載用電子機器は、前記車載用電子機器本体の前面を閉位置において覆い、当該前面を開位置において露出するように構成した前面パネルと、
前記前面パネルを開閉手段を介して前記閉位置と前記開位置との間で移動させる制御手段と、
前記前面パネルの移動を要求する入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力手段を介して前記前面パネルの移動が要求された場合、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記カードの抜き取りができない半開位置まで移動させることを特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記車載用電子機器は、さらに、照合コードの入力を要求する入力画面を表示する表示手段を備え、
前記制御手段は、前記前面パネルが前記半開位置まで移動した場合、前記表示手段に照合コードの入力を要求する入力画面を表示し、前記入力手段を介して入力された照合コードと予め設定された照合コードとを照合し、両者が一致した場合に、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記開位置まで移動させることを特徴とする請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記入力手段を介して前記前面パネルの移動が要求された際に、前記カード挿入部にカードが装着されている場合、前記開閉手段を介して前記前面パネルを前記カードの抜き取りができない半開位置まで移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記前面パネルは、前記半開位置および前記開位置に移動する際には前記前面パネルの上端部が前記前面に沿って下方にスライド移動し、前記閉位置に移動する際には前記前面パネルの上端部が上方に向かってスライド移動することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車載用電子機器。
【請求項5】
前記前面パネルに、前記入力手段および前記表示手段が設けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車載用電子機器。
【請求項6】
前記半開位置は、前記前面パネルが、前記カード挿入部を覆う位置であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−84264(P2011−84264A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170589(P2010−170589)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】