説明

車載装置

【課題】エンジン始動操作からシフト操作に至るまでのユーザの操作性を向上させることのできる車載装置を提供する。
【解決手段】この車載装置は、車載エンジンの始動・停止を行う際に操作されるエンジンスイッチを備え、電子キー3との無線通信を通じて車載エンジンの始動許可を行うとともに、車載エンジンの始動が許可されているときにエンジンスイッチが操作されることに基づいて車載エンジンの始動を行う。ここでは、電子キー3を挿入するためのスロット10aをシフタ10に形成するとともに、スロット10aに挿入された電子キー3がエンジンスイッチとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンエンジン車や電気自動車(EV車)などの各種車両に搭載されて、車両に搭載されるエンジン(動力機関)を駆動させる際、並びに変速機のシフトレンジを切り替える際にユーザによって操作される車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子キーを所持したユーザが車室内に入ることによりエンジンの始動許可が行われる、いわゆるスマートイグニッションシステムが周知である。そして従来、このようなスマートイグニッションシステムとしては、例えば特許文献1に記載のシステムが知られている。図12及び図13に、この特許文献1に記載のシステムも含めて、従来一般に採用されているスマートイグニッションシステムの概要を示す。
【0003】
同図12に示されるように、このスマートイグニッションシステムでは、電子キー50を所持したユーザが、図中の二点鎖線で示す通信可能エリア、すなわち車室内に設定された通信可能エリアAに進入したときに、車両に搭載された車載装置40と電子キー50との間で無線通信が行われる。そして、車載装置40は、電子キー50との無線通信を通じて、自身に登録されているIDコード(識別コード)と電子キー50に登録されているIDコードとの照合を行い、この照合を通じて互いのIDコードが一致している旨を判断するとエンジンの始動許可を行う。ちなみに、図13に示されるように、このシステムでは、例えばユーザによって押圧操作されるエンジンスイッチ41が車両のインストルメントパネル42に設けられている。そして、車載装置40は、エンジンの始動を許可しているときにエンジンスイッチ41の押圧操作を検知するとエンジンの始動を行う。こうしたスマートイグニッションシステムによれば、ユーザは、乗車した後にエンジンスイッチ41を押圧操作するだけでエンジンを始動させることができるようになる。このため、例えばユーザがキーシリンダにメカニカルキーを挿し込んだ後にこれを所定の位置まで回動させることでエンジンを始動させる、いわゆるキー式のイグニッションシステムと比較すると、エンジンを始動させる際のユーザの操作が簡易なものとなるため、車両の操作にかかる利便性が向上するようになる。
【0004】
ところで、こうしたスマートイグニッションシステムでは、例えば電子キー50に電池切れなどの異常が生じると、車載装置40と電子キー50との間で無線通信を行うことができなくなるおそれがある。すなわちこの場合には、電子キー50を所持したユーザが上記通信可能エリアAに進入したとしてもエンジン始動許可が行われないため、ユーザがエンジンを始動させることができなくなるなどの不都合が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、図13に示されるように、例えば特許文献1に記載のスマートイグニッションシステムでは、車両のインストルメントパネル42に開口部を有して、同開口部から電子キー50を挿入することが可能なスロット43を設けるとともに、このスロット43の内部に駆動電波を発信するようにしている。すなわち、このシステムでは、ユーザが電子キー50をスロット43に挿入したときに、駆動電波が電子キー50によって受信される。そしてこの駆動電波は、電子キー50に内蔵されるトランスポンダにより受信されるとともに、トランスポンダは、受信した駆動電波から駆動電源を得ることにより起動して、IDコードを含むトランスポンダ信号を送信する。さらに、このトランスポンダ信号は車載装置40により受信されて、車載装置40は、受信されたトランスポンダ信号に含まれるIDコードと、自身に登録されているIDコードとの照合を行い、この照合を通じてエンジンの始動許可を行う。
【0006】
スマートイグニッションシステムとしてのこうした構成によれば、仮に電子キー50に電池切れなどの異常が生じた場合であっても、ユーザが電子キー50をスロット43に挿入すれば車載装置40と電子キー50との間で無線通信を行うことが可能となる。このため、上述したユーザがエンジンを始動させることができないような異常事態を好適に回避することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−162261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このようなスマートイグニッションシステムでは上述のように、エンジンを始動する際にユーザが操作する必要のある車載部品、すなわちエンジンスイッチ41とスロット43とが互いに離間した位置に配置されているため、ユーザは、スロット43に電子キー50を挿入する動作を一旦行った後にエンジンスイッチ41を押圧する動作を行う必要がある。すなわちユーザは、車両に乗車してからエンジンを始動させるまでに少なくとも2つの動作を行う必要があるため、このことが操作動線の複雑化やユーザの操作性の悪化を招く要因となっていた。
【0009】
また、ユーザは、エンジンを始動させた後、例えば車両のセンターコンソールの近傍に配置されているシフトレバーを操作することにより車両の変速機のシフトレンジを切り替える必要もある。したがって、ユーザは、エンジンスイッチ41を押圧操作した後に自身の手を動かしてシフトレバーを操作する必要もあるため、このこともユーザの操作性の悪化を招く要因の一つとなっていた。
【0010】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジン始動操作からシフト操作に至るまでのユーザの操作性を向上させることのできる車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車載エンジンの始動・停止を行う際に操作されるエンジンスイッチと、車両の変速機のシフトレンジを切り替える際に操作されるシフタと、車両の電子キーが挿入されるスロットとを備え、前記電子キーとの間の無線通信を通じて前記車載エンジンの始動を許可するとともに、前記車載エンジンの始動が許可されているときに前記エンジンスイッチが操作されることに基づいて前記車載エンジンの始動を行う車載装置において、前記スロットが前記シフタに形成されるとともに、前記スロットに挿入された前記電子キーが前記エンジンスイッチとして機能することを要旨としている。
【0012】
同構成によるように、シフタにスロットを形成するとともに、同スロットに挿入された電子キーをエンジンスイッチとして用いるようにすれば、スロット及びエンジンスイッチの双方の機能をシフタに集約することができるようになる。これにより、ユーザは、シフタの付近で手を動かすだけでエンジンを始動させてからシフト操作に至るまでの一連の操作を行うことができるようになるため、ユーザの操作性が向上するようになる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載装置において、前記電子キー全体を前記スロットの内部に収容するとともに、同スロットの内部に収容された電子キーを同スロットから排出する電子キー収容・排出機構を更に備えることを要旨としている。
【0014】
同構成にようるように、電子キー収容・排出機構によって電子キー全体をスロットの内部に収容するようにすれば、スロットに収容された電子キーをユーザは掴むことができなくなるため、例えばユーザによる車両走行中の誤った電子キーの抜き取りを未然に防止することができるようになる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車載装置において、前記電子キー収容・排出機構は、前記シフタに対して特定の操作が行われることを条件として前記スロットからの前記電子キーの排出を行うものであることを要旨としている。
【0016】
上述のように電子キー収容・排出機構を新たに設けるようにした場合、車載装置として次のような構成を採用することが考えられる。すなわち、電子キーがスロットに挿入されることを条件として電子キー全体をスロットに収容するとともに、ユーザによる特定の操作に基づいてスロットからの電子キーの排出を行うといった構成を採用することが考えられる。しかしながらこのような構成を採用した場合、スロットから電子キーを取り出す際にユーザによる新たな操作が必要となることから、ユーザの操作性の悪化を招くおそれがある。この点、上記構成によれば、ユーザは、シフタの付近で手を動かすだけで車載エンジンの駆動の停止から電子キーの取り出しまでの一連の操作を行うことができるようになるため、スロットから電子キーを取り出す際の好適な操作性を確保することができるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる車載装置によれば、エンジン始動操作からシフト操作に至るまでのユーザの操作性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる車載装置の一実施形態について同車載装置が設けられた車両内部の斜視構造を示す斜視図。
【図2】電子キーの斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態の車載装置を構成するシフト装置についてその部分断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態の車載装置を構成するシフト装置についてその上面構造を示す上面図。
【図5】同シフト装置のシャッタの動作例を示す上面図。
【図6】同実施形態の車載装置についてそのシステム構成を示すブロック図。
【図7】(a),(b)は、同実施形態の車載装置についてそのシフト装置の動作例を示す断面図。
【図8】(a),(b)は、同実施形態の車載装置についてそのシフト装置の動作例を示す断面図。
【図9】同実施形態の車載装置についてそのシフタの操作態様と車両の変速機のシフトレンジの変化態様との関係を示した状態遷移図。
【図10】同実施形態の車載装置についてその電子キー及びシフタの操作態様と、車載エンジンの始動・停止の状態及び電子キーの排出状態との関係を示した状態遷移図。
【図11】(a),(b)は、同実施形態の車載装置についてそのシフト装置の動作例を示す断面図。
【図12】スマートイグニッションシステムの概要を模式的に示す平面図。
【図13】同スマートイグニッションシステムを搭載した車両内部の斜視構造を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかる車載装置の一実施形態について図1〜図11を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、この実施形態にかかる車載装置の概要について説明する。なお、本実施形態にかかる車載装置も、電子キーに登録されたIDコードの照合を行うための構成は、先の図11に例示したスマートイグニッションシステムを構成する車載装置と基本的に同様である。すなわち、この車載装置も、電子キーと無線通信を行うことにより電子キーのIDコードの照合を行う装置であり、その照合にかかる動作も、基本的には前述のとおりである。
【0020】
同図1に示されるように、この車載装置では、車両のセンターコンソール2にシフト装置1が配設されるとともに、このシフト装置1を構成する円盤状のシフタ10の中央部に、電子キー3を挿入するためのスロット10aが形成されている。そして、この車載装置では、スロット10aに電子キー3が挿入されると、車載エンジンの始動準備が整う。すなわち、スロット10aに挿入された電子キー3がエンジンスイッチとして機能して、ユーザは電子キー3の頂面を押圧操作することにより車載エンジンの始動及びその停止を実行することができる。また、車載エンジンが始動した後にあっては、ユーザはシフタ10を回転操作することにより車両の変速機のシフトレンジを切り替えることができる。
【0021】
次に、図2を参照して、電子キー3の構成について詳述する。図2は、電子キー3の斜視構造を示したものである。
同図2に示されるように、電子キー3は円柱状に形成されるとともに、その頂面3aから中央部にかけて縊れ(くびれ)た形状を有している。そして、この電子キー3は、この縊れ部3bをユーザが把持する構造となっている。このように円柱状の電子キー3に縊れ部3bを形成するようにすれば、縊れ部3bを指で掴めばユーザは電子キー3を容易に把持ことができるため、例えばユーザによるスロット10aへの電子キー3の挿入が容易となる。
【0022】
続いて、図3〜図5を参照して、シフト装置1の近傍の構造について説明する。図3は、シフト装置1の部分断面構造を、また、図4及び図5は、シフト装置1の平面構造をそれぞれ示したものである。
【0023】
同図3に示されるように、このシフト装置1は、上記シフタ10に加えて、スロット10aへの電子キー3の収容やその排出を行うための電子キー収容・排出機構20を有している。ちなみに、このシフト装置1は、センターコンソール2に形成された断面円形状の溝部2aにその下方部分が収容されている。
【0024】
ここで、シフタ10は、溝部2aに形成された段差部2bに着座する第1の部材11と、この第1の部材11の外周に設けられた第2の部材12とから構成されている。すなわち、シフタ10では、第2の部材12がユーザによって操作される部分となっている。
【0025】
これらのうち、第1の部材11は、図中の軸線mを中心に略円筒状に形成されるとともに、その側面の下方部分が溝部2aの内壁面に当接している。そして第1の部材11は、この溝部2aに当接している部分を介してセンターコンソール2に固定されている。また、この第1の部材11の上端部にはフランジ11aが形成されるとともに、フランジ11aの内部にコイルアンテナ16aが埋め込まれている。ちなみに、このシフト装置1には、コイルアンテナ16aを介して駆動電波を送信するためのイモビライザ(図示略)が設けられるとともに、このイモビライザが、電子キー3から送信されるトランスポンダ信号を受信する部分としても機能している。さらに、この第1の部材11の上面には、上記スロット10aの開口部を開閉するためのシャッタ14が配設されるとともに、このシャッタ14の端部に、シャッタ駆動用モータ13の回転軸13aが連結されている。ちなみに、シャッタ駆動用モータ13は、第1の部材11の内部に形成された収容部11bに収容されている。また、図4に示されるように、シャッタ14は、回転軸13aに連結された部分からスロット10aの開口部にかけて扇状に広がる形状を有しており、この扇状に広がる部分によってスロット10aの開口部を閉塞している。そして、このシフト装置1では、シャッタ駆動用モータ13を駆動させて図中の矢印b1で示す方向にシャッタ14を回転させると、図5に示すようにスロット10aが開口する。なお、このようにスロット10aが開口しているときにあっては、シャッタ駆動用モータ13を駆動させて図中の矢印b2で示す方向にシャッタ14を回転させるとスロット10aが閉塞される。
【0026】
また、図3に示されるように、第2の部材12は、第1の部材11に組み付けられる部材であって、第1の部材11の上面及びそのフランジ11aの外周を覆うかたちで配設されている。そして、図4に示されるように、この第2の部材12は、例えばユーザによって矢印a1,a2で示す方向の回転力が印加されると、第1の部材11の外周面を摺動しながら矢印a1,a2で示す方向に回転する。ちなみに、この第2の部材12は、図中の位置を基準位置として、基準位置から矢印a1,a2で示す方向に回転すると基準位置まで自動復帰する、いわゆるモーメンタリ機構を有している。また、この第2の部材12の上面には、上記電子キー3の接近を検知するための赤外線センサ15が設けられている。ちなみに、このシフト装置1には、第2の部材12が矢印a1,a2で示す方向に回転したかを否か検知するための回転センサ(図示略)も設けられている。
【0027】
一方、図3に示されるように、上記電子キー収容・排出機構20には、軸線mを中心に円筒状に形成されたリフタ21が設けられており、このリフタ21の中央部よりも上方の部分が、第1の部材11の内壁に埋め込まれるかたちで配置されている。そして、リフタ21の上方部分の内径は電子キー3の外径よりも若干大きく形成されており、このリフタ21の上方部分の内壁面や第1及び第2の部材11,12の上端部の内壁面によって上記スロット10aの内壁面が構成されている。また、リフタ21の上方部分の内壁には、電子キー3の外径よりも若干小さい内径を有するO(オー)リング23が埋め込まれており、スロット10aに電子キー3が挿入されたとき、Oリング23によって電子キー3が狭持される。さらに、リフタ21の上方部分においてOリング23が埋め込まれている部分よりも下方の部分には、スロット10aへの電子キー3の挿入を感知するための電子キー感知スイッチ24が設けられている。ちなみに、この電子キー感知スイッチ24は、スロット10aの内部に突出するかたちで配置された突出部24aを有しており、スロット10aに挿入された電子キー3によって突出部24aが押されたときにオン状態となる。他方、センターコンソール2の溝部2aの底面には円柱状の凸部2cが形成されており、リフタ21の下方部分は、この凸部2cの外径よりも若干大きい内径を有している。また、センターコンソール2にはリフタ駆動用モータ25が埋設されており、このリフタ駆動用モータ25の回転軸25aがリフタ21の下方部分の側面に係合している。すなわち、この電子キー収容・排出機構20では、リフタ駆動用モータ25を駆動させることによりリフタ21を上昇、あるいは下降させることができる。さらに、リフタ21の下方部分の内部には、底面に凹部22aを有する円柱状のスイッチ操作部22が収容されている。このスイッチ操作部22は、図示しない付勢手段により上方に付勢されており、上記リフタ21の内壁面に形成された段差部に上面が当接した状態でその位置が保持されている。すなわち、この電子キー収容・排出機構20では、リフタ21が下降すると、リフタ21の動きに連動してスイッチ操作部22も図中の位置から下降する構造となっている。一方、上記センターコンソール2の凸部2cの上面には押圧検知スイッチ26が設けられており、この押圧検知スイッチ26は、スイッチ操作部22が下降したときにスイッチ操作部22の凹部22aに収容される。ちなみに、この押圧検知スイッチ26は、その上面から突出した突出部26aが下方に押圧されるとオン状態となる。
【0028】
図6は、こうした構成からなるシフト装置1を含めた車載装置全体の構成をブロック図として示したものである。次に、同図6を参照して、車載装置の構成、動作をより詳細に説明する。なお、図6では、先の図11で示した車室内に設定された通信可能エリアAを二点鎖線で示している。
【0029】
同図6に示されるように、この車載装置には、上記シフト装置1に加え、通信可能エリアAにリクエスト信号を送信するための送信装置31や、電子キー3から送信される応答信号を受信するための受信装置32が設けられている。そして、送信装置31によるリクエスト信号の送信制御や、受信装置32を通じて受信される応答信号の処理が、同じく車載装置に設けられている車両制御装置33を通じて統括的に行われる。また、この車両制御装置33は、シフト装置1に設けられた電子キー感知スイッチ24、押圧検知スイッチ26、赤外線センサ15、及び回転センサ27の出力信号を処理する部分でもある。ちなみに、回転センサ27は、上述のように、シフタ10の回転(より詳しくは第2の部材12の回転)を検知するセンサである。さらに、この車両制御装置33は、シフト装置1に設けられた各種機器の駆動を制御する。具体的には、車両制御装置33は、シフト装置1に設けられたイモビライザ16による駆動電波の送信制御や、同イモビライザ16を通じて受信されるトランスポンダ信号の処理を行うとともに、ドライバ回路13b,25bを介してシャッタ駆動用モータ13やリフタ駆動用モータ25の駆動を制御する。またさらに、この車両制御装置33は、エンジン制御装置34を介して車載エンジンの始動・停止を実行するとともに、変速制御装置35を介して車両の変速機のシフトレンジの切り替えも実行する。ちなみに、変速制御装置35は、車両制御装置33から伝達される指令に基づいて、変速機のシフトレンジを「P(パーキング)レンジ)」、「D(ドライブ)レンジ」、及び「R(リバース)レンジ」のいずれかのレンジに選択的に切り替える。
【0030】
このように構成された車載装置にあって、例えば送信装置31から通信可能エリアAにリクエスト信号が発せられているとしたときに、ユーザが所持する電子キー3がこの通信可能エリアAに進入したとすると、次のような態様にて車載装置と電子キー3との間で信号の授受が実行される。すなわち、送信装置31から送信されたリクエスト信号が電子キー3により受信されるとともに、電子キー3は、このリクエスト信号に対して、識別コード(IDコード)を含む応答信号を送信する。こうして応答信号が受信されることにより、車載装置の受信装置32によりこれが受信されるとともに、受信した応答信号が車両制御装置33に出力される。これにより車両制御装置33は、入力された応答信号に含まれるIDコードと同制御装置33が内蔵するメモリに記憶されているIDコードとの照合を行い、互いのIDコードが一致している旨を判断すると、車載エンジンの始動許可及びシャッタ14の駆動許可を行う。
【0031】
一方、この車載装置では、例えば電子キー3に電池切れなどの異常が生じて車載装置と電子キー3との間でリクエスト信号及び応答信号の授受を行うことができない状況では、ユーザが上記シフタ10の上方に電子キー3を近づければ、次のような態様にて車載装置と電子キー3との間で信号の授受を行うことができる。すなわち、上記シフト装置1のコイルアンテナ16aから発信されている駆動電波が電子キー3のトランスポンダ3cにより受信されるとともに、トランスポンダ3cは、受信した駆動電波から駆動電源を得ることにより起動して、IDコードを含むトランスポンダ信号を送信する。そして、このトランスポンダ信号は、シフト装置1のイモビライザ16により受信されるとともに、受信したトランスポンダ信号が車両制御装置33に出力される。そして、車両制御装置33は、入力されるトランスポンダ信号に含まれるIDコードと同制御装置33が内蔵するメモリに記憶されているIDコードとの照合を行い、互いのIDコードが一致している旨を判断したときにも、車載エンジンの始動許可及びシャッタ14の駆動許可を行う。
【0032】
続いて、図7〜図11を参照して、車両制御装置33によって車載エンジンの始動許可及びシャッタ14の駆動許可が行われた後のシフト装置1の動作について説明する。
図7(a)に示すように、シフタ10の上方の領域にユーザが電子キー3を近づけたとすると、上記車両制御装置33は、シフタ10への電子キー3の接近を上記赤外線センサ15を通じて検知する。そして、車両制御装置33は、シフタ10への電子キー3の接近を検知すると、上記シャッタ駆動用モータ13の駆動を通じてシャッタ14を回動させ、スロット10aを開口させる。これによりスロット10aへの電子キー3の挿入が可能になる。本実施形態では、このようにIDコードの照合に基づいてスロット10aを開口させるようにしているため、仮に第三者が不正な電子キーをスロット10aに挿入して車載エンジンを始動させるような不正行為を行おうとしたとしても、その不正行為を未然に防止することができるようになる。このため、車載装置としてのセキュリティ性を高めることができるようになる。
【0033】
そして、図7(b)に示すように、ユーザが電子キー3をスロット10aに挿入すると、同電子キー3の底面がスイッチ操作部22の上面に接触する際に電子キー感知スイッチ24の突出部24aが電子キー3により押されるため、同スイッチ24がオン状態になる。ここで車両制御装置33は、電子キー感知スイッチ24がオン状態になった旨を検知すると、上記リフタ駆動用モータ25を駆動させてリフタ21を下降させる。ちなみに、スロット10aに挿入されたときに電子キー3はOリング23によって狭持されるため、リフタ21の下降に伴って電子キー3も下降し、電子キー3がスロット10aの内部に吸い込まれる。
【0034】
そうすると、図8(a)に示すように、電子キー3の頂面3aとシフタ10の上面とが面一の状態となって電子キー3全体がスロット10aに収容された状態となるとともに、スイッチ操作部22の凹部22aの上面は上記押圧検知スイッチ26の突出部26aの直ぐ上方の位置まで移動する。このように電子キー3全体をスロット10aに収容するようにすれば、スロット10aに収容された電子キー3をユーザは掴むことができなくなるため、例えばユーザによる車両走行中の誤った電子キー3の抜き取りを未然に防止することができるようになる。
【0035】
こうして電子キー3全体がスロット10aに収容された後、図8(b)に示すように、ユーザが指で電子キー3の頂面3aを押圧操作したとすると、リフタ21の内壁を摺動しながら電子キー3が下方に移動するとともに、この電子キー3の動きに連動してスイッチ操作部22も下方に移動する。そしてこのとき、下方に移動したスイッチ操作部22によって押圧検知スイッチ26の突出部26aが押されて同スイッチ26がオン状態となる。このように、押圧検知スイッチ26は、スロット10aに挿入された電子キー3が押圧操作されたか否かを検知する押圧センサとして機能する。そして、車両制御装置33は、押圧検知スイッチ26がオン状態になった旨を検知すると車載エンジンを始動させる。ちなみに、車両制御装置33は、車載エンジンを始動させたとき、車両の変速機のシフトレンジを「Pレンジ」に設定する。
【0036】
そして車載エンジンを始動させた後にあっては、車両制御装置33は、上記回転センサ27を通じてシフタ10の回転態様を監視し、図9に示すように、検知されるシフタ10の回転態様に基づいて変速機のシフトレンジを切り替える。具体的には、車両制御装置33は、矢印a1で示す方向にシフタ10が回転したことを検知すると、図中に(i)で示すように変速機のシフトレンジを「Pレンジ」から「Dレンジ」に切り替える。そしてその後、矢印a1で示す方向にシフタ10が回転したことを再び検知すると、図中に(ii)で示すように変速機のシフトレンジを「Dレンジ」から「Rレンジ」に切り替える。一方、車両制御装置33は、矢印a2で示す方向にシフタ10が回転したことを検知すると、図中に(iii)及び(iv)で示すように「Rレンジ→Dレンジ→Pレンジ」の順で変速機のシフトレンジを選択的に切り替える。したがって、ユーザは、電子キー3の頂面3aを押圧操作してエンジンを始動させた後、矢印a1,a2で示す方向にシフタ10を回転操作すれば、変速機のシフトレンジを所望のレンジに切り替えることができる。
【0037】
一方、変速機のシフトレンジが「Pレンジ」に設定されているときにユーザが上記電子キー3の頂面3aを押圧操作して上記押圧検知スイッチ26が再度オン状態になったとすると、このシフト装置1は次のように動作する。すなわち、図10に(ii)で示すように、車両制御装置33は、押圧検知スイッチ26がオン状態になった旨を再度検知すると車載エンジンの駆動を停止させる。したがって、ユーザは、変速機のシフトレンジを「Pレンジ」に切り替えた後、電子キー3の頂面3aを押圧操作すれば、車載エンジンの駆動を停止させることができる。
【0038】
また一方、車両制御装置33は、車載エンジンの駆動を停止させた後にシフタ10が矢印a2で示す方向に回転したことを検知すると、図中に(iii)で示すように電子キー3の排出動作を実行する。すなわち、図11(a)に示すように、車両制御装置33は、上記リフタ駆動用モータ25を駆動させて先の図3に示した位置までリフタ21を上昇させる。これにより、電子キー3の上方部分がスロット10aの外部に露出するようになるため、ユーザは、電子キー3の縊れ部3bを掴んで電子キー3を引き上げることにより、電子キー3をスロット10aから取り出すことができる。したがって、ユーザは、車載エンジンの駆動を停止させた後、シフタ10を回転操作すれば、スロット10aから電子キー3を取り出すことができる。
【0039】
そして、図11(b)に示すように、このシフト装置1では、スロット10aから電子キー3が取り出されると上記電子キー感知スイッチ24がオフ状態となる。ここで、車両制御装置33は、電子キー感知スイッチ24がオフ状態になった旨を検知すると、同制御装置33に内蔵されるタイマにより経過時間の計測を開始する。そして、車両制御装置33は、電子キー感知スイッチ24がオフ状態になった時点から所定時間が経過した旨を判断すると、上記シャッタ駆動用モータ13の駆動を通じてシャッタ14を回動させ、スロット10aを閉塞する。ちなみに、所定時間は、電子キー感知スイッチ24がオフ状態になってからユーザが電子キー3を取り出すまでに必要とされるであろう十分長い時間に設定されている。
【0040】
車載装置としてのこうした構成によれば、従来のスロット及びエンジンスイッチの機能をシフタ10に集約することができるため、ユーザは、シフタ10の付近で手を動かすだけでエンジンを始動させてからシフト操作に至るまでの一連の操作を行うことができるようになる。したがって、ユーザの操作性が向上するようになる。一方、この車載装置では、スロット10aから電子キー3を取り出す際に必要なユーザの操作としてシフタ10の回転操作を採用するようにしているため、ユーザは、シフタ10の付近で手を動かすだけでエンジンの駆動の停止から電子キー3の取り出しまでの一連の操作を行うことができるようになる。このため、スロット10aから電子キー3を取り出す際のユーザの操作性を好適に確保することができるようにもなる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態にかかる車載装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)電子キー3を挿入するためのスロット10aをシフタ10に形成するとともに、スロット10aに挿入された電子キーをエンジンスイッチとして機能させるようにした。これにより、従来のスロット及びエンジンスイッチの機能をシフタに集約することができるため、ユーザの操作性が向上するようになる。また、このように各機能をシフタに集約するようにすれば、従来のようにスロットや、エンジンスイッチ、シフタを格別に設ける場合と比較して部品点数の削減を図ることができるようになる。
【0042】
(2)電子キー3全体をスロット10aの内部に収容するとともに、同スロット10aの内部に収容された電子キー3をスロット10aから排出する電子キー収容・排出機構20を設けるようにした。これにより、スロット10aに収容された電子キー3をユーザは掴むことができなくなるため、例えばユーザによる車両走行中の誤った電子キー3の抜き取りを未然に防止することができるようになる。
【0043】
(3)シフタ10が回転操作されることを条件としてスロット10aからの電子キー3の排出を行うようにした。これにより、ユーザは、シフタ10の付近で手を動かすだけで車載エンジンの駆動の停止から電子キー3の取り出しまでの一連の操作を行うことができるようになるため、スロット10aから電子キー3を取り出す際の好適な操作性を確保することができるようになる。
【0044】
(4)スロット10aに挿入された電子キー3が押圧操作されたか否かを検知する押圧検知スイッチ26を設けた上で、この押圧検知スイッチ26を通じて電子キー3の押圧操作が検知されたとき、車載エンジンの始動・停止を実行するようにした。これにより、押圧検知スイッチ26を設けるだけで電子キー3がエンジンスイッチとして機能するようになるため、電子キー3をエンジンスイッチとして機能させるための構成を容易に実現することができるようになる。
【0045】
(5)シフタ10を円盤状に形成するとともに、その中心部にスロット10aを形成するようにした。これにより、ユーザによってシフタ10が操作されたときにスロット10aの位置が変化することがないため、例えば電子キー収容・排出機構20を可動構造とする必要がなくなる。したがって、電子キー収容・排出機構20を簡易な構造とすることができるため、車載装置としての構造の複雑化を回避することができるようになる。
【0046】
(6)円柱状の電子キー3の側面に縊れ部3bを形成するようにした。これにより、縊れ部3bを掴めばユーザは電子キー3を容易に掴むことができるため、ユーザによるスロット10aへの電子キー3の挿入や、スロット10aからの電子キー3の取り出しが容易となる。
【0047】
(7)スロット10aの開口部を閉塞するシャッタ14を設けた上で、車載装置のIDコードと電子キー3のIDコードが互いに一致することを条件としてスロット10aを開口させるようにした。これにより、例えば第三者によるスロット10aへの不正な電子キーの挿入を未然に防止することができるようになるため、車載装置としてのセキュリティ性を高めることができるようになる。
【0048】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、車載装置及び電子キー3のそれぞれのIDコードが互いに一致していると判断されること、及びシフタ10への電子キー3の接近を赤外線センサ15を通じて検知することの双方の条件が成立することに基づいてスロット10aを開口させるようにした。これに代えて、例えば車載装置及び電子キー3のそれぞれのIDコードが互いに一致していると判断される期間、換言すれば電子キー3が上記通信可能エリアAに進入していると判断される期間、上記スロット10aを開口させるようにしてもよい。こうした構成を採用すれば、上記赤外線センサ15を省略することが可能になる。また、これらの構成の他、例えば単にシフタ10への電子キー3の接近を赤外線センサ15を通じて検知することに基づいてスロット10aを開口させるといった構成を採用してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、スロット10aからの電子キー3の抜き取りを防止すべく、電子キー3全体をスロット10aに挿入するようにした。これに代えて、例えば先の図7に例示した状態、すなわち縊れ部3bがスロット10aから突出した状態で電子キー3を保持する保持機構を新たに設け、同保持機構により電子キー3を保持することによりスロット10aからの電子キー3の抜き取りを防止するようにしてもよい。
【0050】
・上記実施形態では、車載エンジンの始動・停止を、スロット10aに挿入された電子キー3の押圧操作に基づいて行うようにしたが、これに代えて、例えば上述のように縊れ部3bがスロット10aから突出した状態で電子キー3を保持するようにした場合には、電子キー3が上記軸線mを中心に回転操作されることに基づいて車載エンジンの始動・停止を行うようにしてもよい。要は、スロットに挿入された電子キー3をエンジンスイッチとして機能させる構成であればよい。
【0051】
・上記実施形態では、電子キー3を円柱状に形成するとともに、その側面に縊れ部3bを形成するようにしたが、これに代えて、例えば電子キー3を直方体状に形成したり、あるいは板状に形成するようにしてもよい。また、シフタのスロットの形状を電子キーの形状に合わせて適宜変更することが可能であることについては言うまでもない。要は、電子キーが挿入されるスロットがシフタに形成されている構成であればよい。
【0052】
・上記実施形態では、変速機のシフトレンジが「Pレンジ」に選択されていること、及びシフタ10が回転操作されることに基づいてスロット10aからの電子キー3の排出を行うようにした。これに代えて、例えばセンターコンソール2に新たに操作ボタンを設けた上で、例えば変速機のシフトレンジが「Pレンジ」に選択されていること、及び操作ボタンが操作されることに基づいてスロット10aからの電子キー3の排出を行うようにしてもよい。
(付記)
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
【0053】
(イ)請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載装置において、前記スロットに挿入された電子キーが押圧操作されたか否かを検知する押圧センサを更に備え、前記車載エンジンの始動が許可されているときに前記押圧センサを通じて前記電子キーの押圧操作が検知されることに基づいて前記車載エンジンの始動・停止を行うことを特徴とする車載装置。同構成によれば、スロットに挿入された電子キーが押圧操作されたか否かを検知する押圧センサを設けるだけで電子キーがエンジンスイッチとして機能するようになるため、電子キーをエンジンスイッチとして機能させるための構成を容易に実現することができるようになる。したがって、上記請求項1〜4に記載の車載装置を容易に実現することができるようになる。
【0054】
(ロ)請求項1〜3、及び付記イのいずれか一項に記載の車載装置において、前記シフタは、円盤状に形成された部材であるとともに、前記シフトレンジの切り替えの際にその中心軸を中心に回転操作されるものであって、前記スロットは、前記シフタの中心部に形成されてなることを特徴とする車載装置。同構成によれば、ユーザによってシフタが操作されたときにスロットの位置が変化することがないため、例えば同スロットに挿入された電子キーをエンジンスイッチとして機能させるための機構など、スロットに対応して設けられる機構を可動構造とする必要がなくなる。したがって、こうした機構を簡易な構造とすることができるため、当該車載装置としての構造の複雑化を回避することができるようになる。
【0055】
(ハ)請求項1〜3、付記イ、及び付記ロのいずれか一項に記載の車載装置において、前記電子キーは、円柱状に形成されるとともに、その側面に縊れ部を有してなることを特徴とする車載装置。同構成によれば、仮に電子キーが円柱状に形成されていたとしても、電子キーの縊れ部を指で掴めばユーザは電子キーを容易に掴むことができるため、例えばユーザによるスロットへの電子キーの挿入が容易となる。
【0056】
(ニ)請求項1〜3、及び付記イ〜ハのいずれか一項に記載の車載装置において、前記電子キーを挿入するための前記スロットの開口部を閉塞するシャッタを更に備え、前記電子キーとの間の無線通信を通じて同電子キーに登録されている識別コードと当該車載装置に登録されている識別コードとの照合を行い、同照合を通じて互いの識別コードが一致していることを条件として前記シャッタを駆動させて前記スロットを開口させることを特徴とする車載装置。同構成によれば、電子キーの識別コードと車載装置の識別コードとが互いに一致していないときには、シャッタによりスロットが閉塞されるため、電子キーをスロットに挿入することができなくなる。したがって、仮に不正な電子キーをスロットに挿入して車載エンジンを始動させるような不正行為を第三者が行おうとしたとしても、その不正行為を未然に防止することができるため、車載装置としてのセキュリティ性を高めることができるようになる。
【符号の説明】
【0057】
1…シフト装置、2…センターコンソール、2a…溝部、2b…段差部、2c…凸部、3,50…電子キー、3a…頂面、3b…縊れ部、3c…トランスポンダ、10…シフタ、10a,43…スロット、11…第1の部材、11a…フランジ、11b…収容部、12…第2の部材、13…シャッタ駆動用モータ、13a…回転軸、13b…ドライバ回路、14…シャッタ、15…赤外線センサ、16…イモビライザ、16a…コイルアンテナ、20…電子キー収容・排出機構、21…リフタ、22…スイッチ操作部、22a…凹部、23…Oリング、24…電子キー感知スイッチ、24a…突出部、25…リフタ駆動用モータ、25a…回転軸、25b…ドライバ回路、26…押圧検知スイッチ、26a…突出部、27…回転センサ、31…送信装置、32…受信装置、33…車両制御装置、34…エンジン制御装置、35…変速制御装置、40…車載装置、41…エンジンスイッチ、42…インストルメントパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載エンジンの始動・停止を行う際に操作されるエンジンスイッチと、車両の変速機のシフトレンジを切り替える際に操作されるシフタと、車両の電子キーが挿入されるスロットとを備え、前記電子キーとの間の無線通信を通じて前記車載エンジンの始動を許可するとともに、前記車載エンジンの始動が許可されているときに前記エンジンスイッチが操作されることに基づいて前記車載エンジンの始動を行う車載装置において、
前記スロットが前記シフタに形成されるとともに、前記スロットに挿入された前記電子キーが前記エンジンスイッチとして機能する
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記電子キー全体を前記スロットの内部に収容するとともに、同スロットの内部に収容された電子キーを同スロットから排出する電子キー収容・排出機構を更に備える
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
前記電子キー収容・排出機構は、前記シフタに対して特定の操作が行われることを条件として前記スロットからの前記電子キーの排出を行うものである
請求項2に記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−5909(P2011−5909A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149967(P2009−149967)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】