説明

退行性脳疾患の診断用または治療用の医薬組成物

【課題】退行性脳疾患の診断用または治療用の医薬組成物の提供。
【解決手段】式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその塩、それらの製造方法及びそれらを有効成分として含有する退行性脳疾患の診断または治療用の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、その製造方法及びそれを有効成分として含有する退行性脳疾患の診断または治療用の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
老年人口の増加及び平均年齢の増加によってアルツハイマー病(AD)の発病率も増加しつつある。ADは、代表的な退行性脳疾患であって、1906年アルロス・アルツハイマー博士によって、この病の特徴的な所見が発見された。ADは、認知症をもたらす最も代表的な病名であり、記憶力喪失と知覚障害とを伴うことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。ADの発症から長期間が経過すると、合併症のリスクが高まり、最終的には死に至る。ADは、40〜50代の若年者に発症することもあり、経年により有病率が増加して、85〜90歳には発病率が40〜50%まで増加する(例えば、非特許文献2、3参照)。
【0003】
近年、多くの科学者によって、ADに対する研究が報告されており、さまざまな病気の予防と治療のための医薬品が開発されている。しかし、現在まで開発された薬剤は、既に発現された疾病の進行速度を緩める程度に留まっており、完治に至る医薬品はまだない。そのため、病の初期診断による疾病の進行速度の緩和が現在としては最善の方法といえる。ADの病理学的変化は、ADの顕著な症状がでる7年前から始まると推測されているため、早期診断と追跡治療とが強く望まれる。
【0004】
AD患者の脳組織の死後切片には、アミロイド斑と神経原線維変化(NFT)の存在が確認された。アミロイド斑は、細胞外アミロイドペプチドの沈着であり、神経原線維変化は、タウタンパク質に関する微小管の細胞内沈着である。上述した2つの病変の内、どちらが脳内に先行して発現するかに関してはまだ多くの議論があるが、アミロイド斑の存在がADの初期所見ということに関しては、大多数の科学者において異論がない。β‐アミロイドの存在は、他のタンパク質の沈着をもたらし、それにより、小膠細胞の食作用が活性化され、結果的に神経細胞の消滅と認識機能の消失をもたらす。
【0005】
このようなβ‐アミロイドの初期沈着は、臨床学的症状の発現より遥かに前に生じていると推測される。現在、ADの診断に対する「最小の顕微鏡的な基準」は、脳内で発見される老人斑(アミロイド斑)の数に基づいている(例えば、非特許文献4参照)。残念ながら、老人斑の計算による判断は、患者の死後まで待つ必要がある。このような老人斑のアミロイドは、主にβプリーツシート構造に配列されている39〜43個のアミノ酸からなるβ‐アミロイドとして知られるペプチドからなっている(例えば、非特許文献5参照)。その中で、疎水性アミノ酸残基のために、β‐アミロイド42は、β−アミロイド40に比較して、毒性が高く、アミロイドプレートのより高い生成率を示す(例えば、非特許文献6参照)。β‐アミロイドのアミノ酸配列を、表1に示す。

【0006】
近年まで、AD患者、またはADを有している疑いのある患者の脳内において、β‐アミロイド斑の存否を検出するための生前に用いるプローブはなかった。βアミロイドは、単に患者の死後に脳切片を染色することで判断することができるものであった。脳アミロイドは、式(I)のチオフラビンSまたは式(II)のコンゴレッドで脳切片を染色することで容易に判別することができる(例えば、非特許文献7参照)。コンゴレッドで染色されたアミロイドは、二色性外観(dichroic appearance)によって、黄緑色の偏光色を示す特性を有する。二色性結合は、アミロイドタンパク質のβプリーツシート構造によって生じる(例えば、非特許文献8参照)。

【0007】
現在まで、ADの診断は、たいていの場合、臨床診断基準に基づき、脳生検及び死後組職検査によりなされてきた。インビボでADを診断するために、多くの研究者が、免疫学的検定方法、画像化技術などの方法を開発すべく尽力している。
【0008】
免疫学的検定方法は、AD患者の神経科学的マーカーを検出するために開発されてきており、脳脊髄液中のAD関連アミロイドタンパク質を検出する(例えば、非特許文献9、10、特許文献1〜4参照)。免疫学的検定方法において用いられる抗体プローブの主な短所の一つとして、抗体のような大きな分子は血液脳関門(BBB)を通過し難いということである。抗体が血液脳関門を通過し、脳内に移行するためには、ADのインビボ診断に用いられる抗体を異常な状態にする必要がある。しかしながら、血液脳関門を通過するための異常な状態が、AD患者内で安定して存在することを機能的に証明することはできない。放射性標識アミロイドペプチドもまた、標識を拡散し、小型化し、AD患者の脳切片に神経型沈着させるために用いられていた(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、放射性標識アミロイドペプチドは抗体の持つ全ての短所を備えているため、放射性標識アミロイドペプチドも画像化に必要な量が血液脳関門を正常に通過することができない。
【0009】
前述したように、コンゴレッド及びチオフラビンSは、死後脳組織でβ‐アミロイド斑を染色する際に使われる染料である。コンゴレッド及びチオフラビンSの結合力と選択性は、インビボにおけるアミロイド中のβ‐アミロイド沈着の存在及び程度を診断することができる可能性を示唆する。しかし、これら二つの化合物は、血液脳関門を通過するには分子量が比較的大きいだけではなく、それぞれスルホン酸塩と4価アンモ二ウム塩とを有しているために、さらに血液脳関門を通過して脳に入りにくくなっている。また、コンゴレッドは、ジアゾ基を有しているが、これはよく知られた発癌物質であるだけではなく、腸内バクテリアなどによって遊離アミンに代謝されるため、経口投与時における体内利用度が格段に低くなるという短所がある。
【0010】
チオフラビンSは、一般的にアルツハイマー患者の死後脳組職でアミロイド斑を観察するために使われ、老人性沈着物を確認する最も感度が良いものうち一つである(例えば、非特許文献11参照)。それに比べて、式(III)のチオフラビンTは、可溶性アミロイドタンパク質がβシート線維性物質に凝固されることを研究するための試薬としてよく使われている(例えば、非特許文献12参照)。また、チオフラビンTに関連する4価アミン誘導体も、アミロイド造影剤として提案されているが、これらの造影剤が脳へ取り込まれる証拠はない。

【0011】
近年、電荷のない2‐アリールベンゾチアゾール構造を有するチオフラビンT構造から中性誘導体群が開発され、さまざまの置換基の変化を通じて中性誘導体群がβ‐アミロイド斑に強く結合し、血液脳関門もよく通過することが発見された。また、2‐アリールベンゾチアゾール構造の特性であるジアリールまたは共役ジアリール構造を有する他の異なる類似体も多くの研究者によって開発され、18F、11C、123I、125Iなどの放射性同位元素が標識された式(IV)〜(VII)の化合物により、生体内アミロイドの検出方法及び分布度が研究されている。式(IV)〜(VII)の化合物の詳細(略称、結合親和力(K)値)を以下に示す。式(IV)…[11C]PIB,K=2.8nM(例えば、非特許文献13参照)。式(V)…[18F]FDDNP,K=0.12nM(例えば、非特許文献14参照)。式(VI)…[11C]SB−13,K=1.2nM(例えば、非特許文献15参照)。式(VII)…[123I/125I]IMPY,K=15.0nM(例えば、非特許文献16参照)。

【0012】
式(IV)〜(VII)の化合物は、多様な研究の代表例であって、患者が生きている間にADの発症の有無及び進行度合いを診断するために開発された。式(IV)〜(VII)の化合物は、放射性同位元素が標識された放射性トレーサーとして陽電子放出断層撮影法(PET)と単光子放出型断層撮影法(SPECT)とを通じて生体内β‐アミロイド斑を検出することができる。
【0013】
生きている患者の脳内に存在するβ‐アミロイドを効果的に検出して診断するためには、いくつかの要件を満たさなければならない。まず、β‐アミロイド斑に対する結合力が強くなければならず、同時に神経原線維変化のような類似した生体物質との選択性が高くなければならない。そして、毒性が表れない最小限の濃度で、また、放射性同位元素を利用する断層撮影法において一般的に使われる放射線量で血液脳関門を通過して目的とするβ‐アミロイド斑に到逹しなければならない。究極的には、正常人の脳画像と明らかに区別することができる患者の脳画像を得なければならない。
【0014】
現在、死亡前に脳アミロイド斑の量を定量するプローブを用いる方法として、医者との臨床的面談による診断法とアミロイド斑の生成を遮断する目的に施行される治療法とが存在する。しかしながら、このような方法は、かなり不正確であり、臨床学的な症状が観察される時は既に症状が大分進行している状態なので、治療をする意味がない。したがって、死亡前の生きている状態で患者の脳内アミロイドを比較的初期段階で画像化してADを診断する安全で特定的な方法を開発することが非常に重要な課題となっている。また、このようなADに対する研究は、いまだによく明かされないADに対する研究とアミロイドを含む老人斑により特徴付けられるダウン症などの疾病を有している患者及びADの発病する可能性が高いアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型の染色体を有している人の診断のために重要である(例えば、非特許文献17参照)。
【0015】
たとえインビボAD診断のために多様な努力がなされていたとしても、現在まで脳内のβ‐アミロイドのための効果的な生前プローブはなく、上述した基準を満たすAD診断方法はない。
【0016】
さらなる放射性リガンド結合部位が同定されてきているが、現在知られている放射性リガンドの状況としては、コンゴレッド、チオフラビンT、FDDNPに対する結合部位を含む、β‐アミロイド沈着に対して開発されてきた3つの異なる放射性リガンド結合部位がある(例えば、非特許文献18参照)。
【0017】
近年、コンゴレッドがインビトロ実験でβ‐アミロイドによる神経毒性及び細胞変性を抑制することを提示する結果が報告された(例えば、非特許文献19〜21参照)。これは、コンゴレッドがβ‐アミロイドに結合することでβ‐アミロイドの線維形成を阻害すること、及び形成された線維の神経毒性を防止することの両方に伴う機構による(例えば、非特許文献22参照)。コンゴレッドはまた2型糖尿病の患者の膵臓のβ‐アミロイド又は線維に類似するアミリンの毒性から膵臓細胞を保護することも知られている(例えば、非特許文献23参照)。このような事実は、β‐アミロイド沈着に選択的に結合すると共に、β‐アミロイド沈着の形成を抑制する化合物が、ADの進行を阻害するか、又は治療する単一の治療剤、または組み合わせて用いられる治療剤としての可能性を有していることを意味する。
【0018】
このような状況下で、本発明者らは、ADの診断及び治療のための新規化合物の製造方法を研究するうちに、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を含む医薬組成物が、低分子量β−アミロイドペプチド結合化合物と結合することで、悪性の高分子量β−アミロイド沈着の生成を抑制することを発見した。従って、このような医薬組成物は、アルツハイマー病のような退行性脳疾患の治療薬として用いられうる。これらの発見に基づいて、本発明の発明者らは、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開第92/17152号
【特許文献2】米国特許第4,666,829号明細書
【特許文献3】国際公開第89/06242号
【特許文献4】米国特許第5,231,000号明細書
【特許文献5】国際公開第93/04194号
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】MaKhann et al.,Neurology,1984,34,939−944
【非特許文献2】Evans et al.,The Journal of the American Medical Association,1989,262,2551−2556
【非特許文献3】Katzman,Neurology,1993,43,13−20
【非特許文献4】Khachaturian,Arch.Neurol.,1985,42,1097−1105
【非特許文献5】Kirschner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,1986,83,503−507
【非特許文献6】Yoshiike,Y.;Takashima,A.Am.Soc.Biochem.Molecular Biol.,2003,278,23648−23655
【非特許文献7】Puchtler et al.,J.Histochem.Cytochem.,1962,10,355−364
【非特許文献8】Glenner.N.Engl.J.Med.,1980,302,1283−1292
【非特許文献9】Warner,Anal.Chem.,1987,59,1203A
【非特許文献10】Majocha et al.,J.Nucl.Med.,1992,33,2184
【非特許文献11】Vallet et al.,Acta.Neuropathol.,1992,84,170
【非特許文献12】LeVine,Prot.Sci.,1993,2,404−410
【非特許文献13】Mathis,C.A.,Wang,Y.,Holt,D.P.,Huang,G.F.,Debnath,M.L.,Klunk,W.E.Synthesis and evaluation of 11C−labeled 6−substituted 2−arylbenzothiazoles as amyloid imaging agents.,J.Med.Chem.,2003,46,2740−2754
【非特許文献14】Shoghi−Jadid,K.,Small,G.W.,Agdeppa,E.D.,Kepe,V.,Ercoli,L.M.,Siddarth,P.,Read,S.,Satyamurthy,N.,Petric,A.,Huang,S.C.,Barrio,J.R.,Localization of neurofibrillary tangles and beta−amyloid plaques in the brains of living patients with Alzheimer disease.,Am.J.Geriatr.Psychiatry,2002,10,24−35
【非特許文献15】Ono,M.,Wilson,A.,Nobrega,J.,Westaway,D.,Verhoeff,P.,Zhuang,Z.−P.,Kung,M.−P.,Kung,H.F.,11C−Labeled Stilbene Derivatives as Ab−aggregate−specific PET Imaging Agents for Alzheimer’s Disease.,Nucl.Med.Biol.,2003,30,565−571
【非特許文献16】Kung,M.P.,Hou,C.,Zhuang,Z.P.,Zhang,B.,Skovronsky,D.,TrojanowsKi,J.Q.,Lee,V.M.,Kung,H.F.,IMPY:an improved thioflavin−T derivative for in vivo labeling of beta−amyloid plaques.,Brain Res.,2002,956,202−210
【非特許文献17】Corder et al.,Science,1993,261,921−923
【非特許文献18】Cai,Innis,and Pike,Cur.Med.Chem.,2007,14,19−52
【非特許文献19】Burgevin et al.,NeuroReport,1994,5,2429
【非特許文献20】Lorenzo and Yankner,Proc.Natl.Acad.Sci.,1994,91,12243−12247
【非特許文献21】Pollack et al.,Neuroscience Letters,1995,184,113; Pollack et al.,NeuroscienceLetters,1995,197,211
【非特許文献22】Lorenzo and Yankner,Proc.Natl.Acad.Sci.,1994,91,12243−12247
【非特許文献23】Lorenzo and Yankner,Proc.Natl.Acad.Sci.,1994,91,12243−12247
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、かかる問題点を解決するため、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法を提供することである。
【0023】
本発明のまた他の目的は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の前駆体を提供することである。
【0024】
本発明の他の目的は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の前駆体の製造方法を提供することである。
【0025】
本発明のまた他の目的は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体前駆体の放射性同位元素の標識方法を提供することである。
【0026】
本発明のさらなる他の目的は、退行性脳疾患の診断または治療に用いられる、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
かかる目的を達成するため、本発明は、式(1)で表される2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。

【0028】
また、本発明は、前記2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法を提供する。
【0029】
さらに、本発明は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体前駆体を提供する。
【0030】
また、本発明は、前記2‐アリールベンゾチオフェン誘導体前駆体の製造方法を提供する。
【0031】
さらに、本発明は、前記2‐アリールベンゾチオフェン誘導体前駆体の放射性同位元素の標識方法を提供する。
【0032】
また、本発明は、退行性脳疾患の診断または治療に用いられる、前記2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明による誘導体は、β‐アミロイドに対して比較的高い結合親和力を有しているので、放射性同位元素で標識する場合、非侵襲的な方法でADの早期診断が可能な診断試薬として用いることができる。さらに、前記誘導体を含む医薬組成物は、低分子量β‐アミロイドペプチド結合化合物と結合し、悪性の高分子量β‐アミロイド沈着の生成を抑制させるので、ADのような退行性脳疾患の治療剤として有用に用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0035】
本発明は、式(1)で表される2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。

【0036】
望ましくは、R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ヒドロキシ基、置換されていないまたはヒドロキシ基またはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、またはC〜Cの直鎖または側鎖アルキルアミノ基であり、
及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、置換されていないまたはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換されていないまたはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルキルアミノ基、またはジメチルアミノ基であり、V、W、X、Y及びZは、独立的に、炭素または窒素であり、ここで、前記フッ素は、18Fまたは19Fである。
【0037】
さらに望ましくは、R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基、ニトロ基、アミノ基またはメチルアミノ基であり、R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、フルオロエチルアミノ基またはフルオロプロピルアミノ基であり、V、W、X、Y及びZは、独立的に、炭素または窒素であり、ここで、前記フッ素は、18Fまたは19Fである。
【0038】
本発明による前記式(1)で表される新たな構造の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の望ましい例は、下記の通りであるが、これに限定するものではない。
1.2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンと、
2.2−(3−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
3.2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
4.2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェンと、
5.2−(4−ニトロフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
6.2−(4−ニトロフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
7.2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンと、
8.2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
9.2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
10.2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
11.2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
12.2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
13.2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
14.2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−4−メトキシベンゾチオフェンと、
15.2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
16.2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
17.2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
18.2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
19.2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
20.2−(2−メトキシピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
21.2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
22.2−[2−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
23.2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
24.2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
25.2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
26.2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
27.2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
28.2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
29.2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
30.2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
31.2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
32.2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
33.2−[2−(N−(2−フルオロエチル)アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
34.2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
35.2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
36.2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
37.2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
38.2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
39.2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
40.2−[4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−2−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
41.2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
42.2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
43.2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
44.2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
45.2−[3−(3−フルオロプロポキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
46.2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
47.2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
48.2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
49.2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
50.2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
51.2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
52.2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
53.2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
54.2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
55.2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン。
【0039】
本発明による前記化合物の構造式を以下の表2に示す。

【0040】

【0041】
本発明による式(1)で表される新規アリール誘導体は、薬学的に許容可能な塩の形態で用いることができる。前記塩としては、薬学的に、又は生理学的に許容される多様な有機酸または無機酸によって形成された酸付加塩が有用である。適した有機酸としては、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マイレン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸などを使うことができる。望ましい無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などを使うことができる。
【0042】
本発明による式(1)で表される2‐アリールベンゾチオフェン誘導体は、薬学的に許容可能な塩だけではなく、通常の方法によって製造可能なあらゆる塩、水和物及び溶媒和物をすべて含みうる。
【0043】
また、本発明は、式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を製造する方法を提供する。
【0044】
具体的には、本発明による2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法は、反応式(1)に示すように、式(3)のベンゾチオフェン誘導体を有機溶媒下でホウ化物((iPrO)B)と反応させて式(4)の化合物を得る工程(工程1)と、工程1で得た式(4)の化合物を有機溶媒及び触媒下でハロゲン化アリールと反応させて式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を得る工程(工程2)とを含みうる。

【0045】
以下、本発明による2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法を詳細に説明する。
【0046】
本発明の製造方法において、前記工程1は、式(3)のベンゾチオフェン誘導体を有機溶媒下でホウ化物と反応させて式(4)の化合物を得る工程である。ここで、有機溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどを用いることができ、より好ましくはテトラヒドロフランである。まず、式(3)のベンゾチオフェン誘導体は、窒素雰囲気下の前記有機溶媒中でヘキサンに溶解させられた反応開始剤としてのn−ブチルリチウム試薬により反応が誘導される。この際、反応が爆発的に起きるため、得られる溶液を−70〜−80℃の範囲の温度に冷却する必要がある。冷却した溶液にn−ブチルリチウムを徐々に添加して1時間攪拌する。反応終了後、反応温度を常温まで上昇させ、反応混合液にホウ酸トリイソプロピル((iPrO)B)を添加する。0.5〜3時間攪拌した後、前記混合液に2mol/Lの塩酸溶液を添加して反応を停止させることで、式(4)の化合物が得られる。
【0047】
本発明の製造方法において、工程2は、工程1で得られた式(4)の化合物を有機溶媒中で触媒の存在下、ハロゲン化アリールと反応させて2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を得る工程である。前記有機溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ベンゼン、ジオキサンなどを利用することができ、より好ましくは、1,2−ジメトキシエタンである。前記触媒としては、パラジウムテトラキス触媒(Pd(PPh)またはパラジウムアセテート(Pd(OAc))を使うことができる。一例として、0.02〜0.05当量のPd(PPhが溶解されている1,2−ジメトキシエタン溶液にハロゲン化アリールを添加して常温で10分間攪拌する。これにより得られた混合溶液に、最小限のメタノール溶媒に溶解させた式(4)の化合物と2.0M炭酸ナトリウム水溶液とを添加する。前記混合溶液を前記有機溶媒の沸点以上の温度で、6〜12時間加熱還流することで、式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体が得られる。
【0048】
前記製造方法は、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体に異なる置換基を付加するための追加の置換をさらに行ってもよい。前記追加の置換は、通常行われる置換反応によりなされてもよい。
【0049】
さらに、本発明は、式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための式(2)で表される前駆体を提供する。

【0050】
本発明による式(1)のアリール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための式(2)で表される前駆体の好ましい例を、表3に示す。

【0051】
また、本発明は、式(1)のアリール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための式(2)で表される前駆体の製造方法を提供する。前記製造方法は、反応式(2)に示すように、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を有機溶媒及び塩基中でメタンスルホニルクロリドまたは無水メタンスルホン酸塩と反応させて式(2)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の前駆体の化合物を得る工程を含む。

【0052】
ここで、前記塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン及び4−N,N−ジメチルアミノピリジンからなる群から選択して用いることができる。反応式(2)の反応は、ジクロロメタンまたはピリジン溶媒において、−10〜0℃の範囲の温度で0.5〜3時間行われることが望ましい。
【0053】
前記前駆体の製造方法について、詳しく説明する。
【0054】
がメチル基である場合、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体をジクロロメタン溶媒に溶解させて、そこにメタンスルホニルクロリド(または、無水メタンスルホン酸塩)を添加する。その後、得られる混合溶液にトリエチルアミンを0℃条件下で徐々に滴加し、同一温度で30分間攪拌する。ここに水を入れて反応を停止させ、有機層を分離した後、ジクロロメタンで水層に残っている有機化合物を抽出し、次にカラムクロマトグラフィーを行って目標生成物を得る。
【0055】
がトリフルオロメチルである場合、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体をジクロロメタン溶媒に溶解させて無水トリフルオロメタンスルホン酸塩を添加した後、2,6−ルチジンや2,6−ジ−t−ブチルピリジンを−10℃で徐々に滴加し、同一温度で30分間攪拌する。ここに、水を入れて反応を停止させて有機層を分離した後、ジクロロメタンで水層に残っている有機化合物を数回反復抽出した後、集めた有機溶媒層を迅速にカラムクロマトグラフィーにかけ、減圧下で揮発性物質を除去して目標生成物を得る。
【0056】
がp‐トルエニルである場合、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体をピリジン溶媒に溶解させる。この際、4−N,N−ジメチルアミノピリジンをさらに添加してもよい。p−トルエンスルホニルクロリドを0℃で徐々に添加した後、同一温度で1時間攪拌する。ここに、水を入れて反応を停止させ、生成された有機化合物を酢酸エチルで抽出する。その後、塩化アンモニウムで洗浄し、水を硫酸ナトリウムで除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って目標生成物を得る。
【0057】
がp‐ニトロフェニルである場合、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体をピリジン溶媒に溶解させる。この際、4−N,N−ジメチルアミノピリジンをさらに添加してもよい。p−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを0℃で徐々に添加した後、同一温度で1時間攪拌する。ここに、水を入れて反応を停止させ、生成された有機化合物を酢酸エチルで抽出する。その後、塩化アンモニウムで洗浄して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って目標生成物を得る。
【0058】
また、本発明は、反応式(3)に示すように、2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を標識するために、式(2)の前駆体を18Fと反応させて、式(7)の18Fで標識された化合物を得る工程を含む18F標識方法を提供する。

【0059】
ここで、前記有機溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び第3級アルコールまたはこれらの混合溶媒からなる群から選択して用いることができる。
【0060】
本発明の18F標識方法は、ポリマーカートリッジを用いるか否かによって様々な手順で行われる。
【0061】
まず、ポリマーカートリッジを使う場合、サイクロトロンで生成された[18F]フッ化物/[18O]HO水溶液をカートリッジカラム(Chromafix)またはQMAカートリッジ内に捕集し、その後メタノールを用いてカートリッジ内に留まる水を除去する。即ち、83.8%アセトニトリル/水内に含まれているメタノール溶液によりカートリッジに捕集されている[18F]フッ化物を溶出する。この溶液に窒素ガスを吹き、100〜120℃の範囲の温度で1〜3分間加熱することで、水分とメタノール溶媒とを完全に除去する。
【0062】
前記製造された式(2)の18Fで標識するための前駆体化合物を反応容器に添加して反応溶媒を入れて溶解させる。溶解された反応混合物を100〜130℃の範囲の温度で3〜30分間加熱した後、この反応混合物に窒素ガスを吹き、同一温度で溶媒を除去する。溶媒が除去された残留物にアセトニトリルを添加して残っている化合物を溶解する。得られた溶液に、さらに1mol/LのHClを添加して50〜100℃の範囲の温度で2〜10分間加熱した後、常温に冷却して1mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液で中和する。次に、中和された混合物に蒸溜水を添加した後、反応混合物をC−18カートリッジ(Sep−Pak(商標)、Waters社製)に通過させ、蒸溜水で洗浄する。C−18カートリッジ内にアセトニトリルを流して残っている化合物を溶出させ、一部または全部を高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)に注入することで、18Fで標識された化合物を分離することができる。
【0063】
ポリマーカートリッジを使わない場合、サイクロトロンで生産された[18F]フッ化物/[18O]HO水溶液を反応容器に添加し、TBAHCOまたはTBAOHを添加した後、水分を除去するためにアセトニトリルを加えて窒素ガスを吹き、100〜120℃の範囲の温度で加熱する。水分が完全に除去されるまで、アセトニトリルを添加して除去する工程を3〜4回反復する。製造された式(2)の18Fで標識するための前駆体化合物を反応容器に添加して反応溶媒を入れて溶解させる。溶解された反応混合物を100〜130℃の範囲の温度で3〜30分間加熱した後、この反応混合物に窒素ガスを吹き、同一温度で溶媒を除去する。溶媒が除去された残留物にアセトニトリルを添加して残っている化合物を溶かす。1mol/LのHClを入れて50〜100℃の範囲の温度で2〜10分間加熱した後、常温に冷却して1mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液で中和する。中和された混合物に蒸溜水を添加した後、反応混合物をC−18カートリッジに通過させ、その後、蒸溜水で洗浄する。アセトニトリルを流してC−18カートリッジに残っている化合物を溶出させて、一部または全部をHPLCに注入することで、18Fで標識された化合物を分離することができる。
【0064】
さらに、本発明は、式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する退行性脳疾患の診断または治療用の医薬組成物を提供する。
【0065】
ここで、前記退行性脳疾患は、ADであることが望ましい。ADは、一次性認知症を起こす最も典型的な疾患であって、臨床的に認知症を診断することが難しいため、医師が患者の症状を観察することによって診断し、認知症の他の可能性のある原因を除外している。
【0066】
病理学的にさまざまな形態学的変化が観察されるが、その中でも、最も重要な二つの形態学的変化は、新皮質に幅広く分布された老人斑と神経原線維変性である。神経原線維変性は、異常にリン酸化されたタウフィラメントであるペアになったらせん状フィラメントを含む神経原線維変化及び神経網糸(neuropil threads)が観察される。老人斑で発見された主要なタンパク質であるβ−アミロイド(Aβ)は、ADの病因において最も重要な役割を果たし、老人斑のほとんどを占めている凝集されたベータアミロイドタンパク質は、さまざまな実験的証拠によってアルツハイマーの主要病因と思われている。
【0067】
Aβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)というタイプI内在性膜タンパク質由来のタンパク質分解酵素による代謝産物であって、細胞外領域と膜領域とからなっている39〜43個のアミノ酸ペプチドである。Aβが神経細胞死を誘導する工程を簡単に説明する。まず、APPから段階的に起きるタンパク質分解処理によってAβが生成され、このようにして生成されたAβは、互いに凝集してβ−プリーツシートを形成する。そして、このような凝集された形態のAβが最終的に神経細胞死を誘導するということが、一般的に受け入れられている仮説である。したがって、老人斑や神経原線維変化が生じる前にAβを検出することができれば、さらに早い時期にADを診断することができる。
【0068】
本発明の式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体のβ‐アミロイドペプチドを利用した結合率を調べるために実施した実験で、下記表4に示したように、本発明の実施例の化合物のβ‐アミロイドに対する結合親和力(K)値が対照群である式IVのPIB(Pittsburgh Compound B,2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−ヒドロキシベンゾチアゾール)が0.78nMのK値を示したものと比べて、同等の結合力を示した。特に、化合物12、16、25及び44は、それぞれ0.064nM、0.079nM、0.06nM及び0.065nMの優れた結合力を示すことが分かった。同時に、β‐アミロイドペプチドに対して強い結合力を有すると知られている[125I]TZDM(112,Kd=0.13nM)の結合を阻害する程度に本発明の誘導体はβ‐アミロイドに対してさらに優れた結合力を示すことが分かる。
【0069】
したがって、本発明の式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体は、β‐アミロイドによって誘発されるADの予防及び治療剤として有用に利用することができる。また、本発明の式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を18Fまたは11Cなどの放射性同位元素で標識して得た標識化合物を用いてADの科学的診断用試薬などの放射性医薬品として利用することができる。
【0070】
本発明の前記式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩は、臨床投与時に経口及び非経口のさまざまな剤型に投与されることがあるが、製剤化する場合には、通常の充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使って製造することができる。
【0071】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の本発明の前記式(1)のアリール誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトースまたはゼラチンなどを混ぜて調剤することができる。また、単純な賦形剤の以外にステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も使われる。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤またはシロップ剤などが該当するが、よく使われる単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれうる。
【0072】
非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、座剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使われる。座剤の基剤としては、活性のある化合物又は化合物、witepsol、マクロゴ−ル、tween61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどが用いられる。
【0073】
また、本発明の式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩の人体に対する投与量は、患者の年、体重、性別、投与形態、健康状態及び疾患程度によって変えることができ、体重が70kgである成人患者を基準にする時、一般的に0.1〜1000mg/日であり、望ましくは、1〜500mg/日であり、また医師、または薬剤師の判断によって一定時間間隔で1日1回ないし数回に分割投与することもできる。
【0074】
以下、本発明を実施例によって詳しく説明する。但し、下記の実施例は、本発明の内容を下記の実施例に限定するものではない。
<製造例1〜2>4−メトキシベンゾチオフェン及び6−メトキシベンゾチオフェンの製造

【0075】
ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(2.15g、15.0mmol)を2−メトキシチオフェノール(90、1.92mL、12.8mmol)と炭酸カリウム(2.65g、19mmol)のアセトン(50mL)溶液に常温で徐々に加えた後、反応混合物を常温で12時間攪拌した。水(100mL)を反応混合物に加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで水を除去した後、減圧下で濃縮させてカラムクロマトグラフィーで分離して薄い黄色液体の(2,2−ジエトキシエチル)(3−メトキシフェニル)スルファン(91、2.61g(収量)、80%(収率))を得た。(2,2−ジエトキシエチル)(3−メトキシフェニル)スルファンのNMRデータを以下に示す。
【0076】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.20(t、J=7.2Hz、6H)、3.13(d、J=5.6Hz、2H)、3.65−3.76(m、2H)、3.52−3.56(m、2H)、3.82(s、3H)、4.65(t、J=5.6Hz、1H)、6.70(dd、J=8.0Hz、2.0Hz、1H)、6.94(m、2H)、7.17(t、J=4.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 15.4、37.4、55.4、62.3、101.9、111.9、114.6、121.3、129.9、138.0、160.0。
【0077】
得られた(2,2−ジエトキシエチル)(3−メトキシフェニル)スルファン(91、3.6g、14.0mmol)が溶解されているジクロロメタン(70mL)にトリフルオロボラン・エーテル錯体(BF−EtO;1.75mL、13.72mmol)溶液を常温、窒素下で徐々に添加し、反応混合物を1時間攪拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液で中和させた。有機層を分離して水層に残っている有機化合物をジクロロメタンで抽出し、集められた有機溶液を硫酸ナトリウムを用いて水を除去した後、減圧下で濃縮させた。該濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィーを行って透明な液体の4−メトキシベンゾチオフェン(92a、368mg、16%)と6−メトキシベンゾチオフェン化合物(92b、1.38g(収量)、60%(収率))とを得た。
【0078】
[製造例1]4−メトキシベンゾチオフェン(92a);H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.95(s、3H)、6.74(d、J=7.6Hz、1H)、7.27(d、J=8.0Hz、1H)、7.32(d、J=5.6Hz、1H)、7.46(dd、J=0.8、7.2Hz、1H)、7.50(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.42、103.72、114.76、120.44、124.48、125.15、130.35、141.21、154.93。
【0079】
[製造例2]6−メトキシベンゾチオフェン(92b);H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.82(s、3H)、7.01(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.56(d、J=2.0Hz、2H)、7.82(m、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 56.0、105.3、114.9、125.1、131.4、135.3、138.9、144.9、158.0。
【0080】
[製造例3]6−ヒドロキシベンゾチオフェンの製造

【0081】
製造例2で得た6−メトキシベンゾチオフェン(92b、1.00g、6.09mmol)と濃ホウ酸(48%水溶液、3.00mL、18.27mmol)とを[bmim][BF](10mL)に入れて130℃で3時間加熱した。反応混合物を常温に冷却して水を加えた後、酢酸エチルで有機化合物を抽出した後、減圧下で溶媒を除去してカラムクロマトグラフィーを行って、薄い淡紅色の固体である6−ヒドロキシベンゾチオフェン(93、732mg(収量)、80%(収率))を得た。6−ヒドロキシベンゾチオフェン(93、732mg、80%のNMRデータを以下に示す。
【0082】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 5.67(brs、1H、OH)、6.90(dd、J=1.8、2.2Hz、1H)、7.22(s、2H)、7.29(d、J=1.8Hz、1H)、7.64(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 107.8、114.2、123.4、123.8、124.3、133.9、141.2、152.9。
<製造例4〜6>

【0083】
[製造例4]6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(94a)の製造
窒素下で、製造例3で得た6−ヒドロキシベンゾチオフェン(93、3.137g、20.9mmol)と水素化ナトリウム(60%NaH、1.254g、31.4mmol)とが入っている反応容器に無水テトラヒドロフラン(50mL)を入れて溶かし、0℃で15分間攪拌した後、2−フルオロエチルメタンスルホン酸塩(FCHCHOMs、2.969g、20.9mmol)を0℃で徐々に加えて、12時間加熱還流させた後、常温で冷やして水を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出して集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去し、カラムクロマトグラフィーを行って6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(94a、2.897g(収量)、71%(収率))を得た。6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0084】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.24(dm、J=28.0Hz、2H)、4.76(dm、J=47.2Hz、2H)、7.02(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.27−7.22(m、2H)、7.34(d、J=2.4Hz、1H)、7.69(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 67.9(d、J=20.5Hz)、82.2(d、J=169.8Hz)、106.2、115.0、123.6、124.3、124.4、134.3、141.2、156.3。
【0085】
[製造例5]6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(94b)の製造
製造例3で得た6−ヒドロキシベンゾチオフェン(93、2.00g、13.32mmol)、水素化ナトリウム(60%NaH、799mg、19.97mmol)及び3−フルオロプロピルメタンスルホン酸塩(FCHCHCHOMs、2.288g、14.65mmol)を用いて、製造例4と同じ方法で6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(94b、2.440mg(収量)、87%(収率))を得た。6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0086】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.18(dm、J=26.0Hz、2H)、4.13(t、J=6.0Hz、2H)、4.65(dt、J=46.8、6.0Hz、2H)、6.98(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.21−7.25(m、2H)、7.34(d、J=2.0Hz、1H)、7.67(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.1(d、J=20.5Hz)、63.6(d、J=5.3Hz)、80.4(d、J=163.0Hz)、105.3、114.2、122.9、123.4、123.7、133.4、140.7、156.1。
【0087】
[製造例6]6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(94c)の製造
製造例3で得た6−ヒドロキシベンゾチオフェン(93、1.38g、9.19mmol)、水素化ナトリウム(60%NaH、551mg、13.78mmol)及び3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)プロピルブロマイド(TBDMS−OCH2CHCHBr、2.560g、10.11mmol)を用いて、製造例4と同じ方法で6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(94c、2.95g(収量)、99%(収率))を得た。6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0088】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 0.05(s、6H)、0.89(s、9H)、2.04−1.98(m、2H)、3.82(t、J=6.0Hz、2H)、4.11(t、J=6.0Hz、2H)、6.98(dd、J=8.4、2.0Hz、1H)、7.24−7.22(m、2H)、7.35(d、J=2.4Hz、1H)、7.66(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ −5.2、18.4、26.0、32.5、59.5、64.9、105.6、114.7、123.3、123.5、123.9、133.4、141.0、156.7。
<製造例7〜11>

【0089】
[製造例7]4−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95a)の製造
窒素下で2.5Mのノーマルブチルリチウム(1.07mL、2.67mmol)ヘキサン溶液を製造例1で得た4−メトキシベンゾチオフェン(92a、368mg、2.24mmol)が溶解されている無水テトラヒドロフラン溶液に−78℃で徐々に添加した後、反応混合物を30分間攪拌した。反応混合物にホウ酸トリイソプロピル((iPrO)B、0.55mL、2.69mmol)溶液を常温で徐々に添加した後、1時間攪拌して2mol/Lの塩酸溶液を加えて反応を停止させた。生成物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで水を除去した後、減圧下で濃縮させて、ヘキサンと酢酸エチルとに再結晶して濾過して4−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95a、289mg(収量)、62%(収率))を得た。4−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸のNMRデータを以下に示す。
【0090】
H NMR(400MHz、CDCl and DMSO−d)δ 3.72(s、3H)、6.48(d、J=8.0Hz、1H)、7.04(dd、J=0.87.2Hz、1H)、7.20(d、J=5.6Hz、1H)、7.85(s、1H);13C NMR(100MHz、CDCl and DMSO−d)δ 54.8、77.3、102.7、114.2、125.4、129.0、131.0、144.4、154.6。
【0091】
[製造例8]6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b)の製造
製造例2で得た6−メトキシベンゾチオフェン(92b、1.38g、8.38mmol)を用いて、製造例7と同じ方法で6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、1.73g(収量)、99%(収率))を得た。6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸のNMRデータを以下に示す。
【0092】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.82(s、3H)、7.01(dd、J=8.8Hz、2.0Hz、1H)、7.56(d、J=2.0Hz、2H)、7.82(m、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 56.0、105.3、114.9、125.1、131.4、135.3、138.9、144.9、158.0。
【0093】
[製造例9]6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c)の製造
製造例4で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(94a、2.845g、14.50mmol)を用いて、製造例7と同じ方法で6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、3.478g(収量)、100%(収率))を得た。6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸のNMRデータを以下に示す。
【0094】
H NMR(400MHz、CDOD)δ 4.28(dm、J=29.2Hz、2H)、4.74(dm、J=48.0Hz、2H)、7.01(d、J=8.8Hz、1H)、7.43(s、1H)、7.76(m、2H);13C NMR(100MHz、CDOD)δ67.7(d、J=19.7)、82.0(d、J=168.3Hz)、104.7、114.8、124.8、132.9、135.4、144.8、157.4。
【0095】
[製造例10]6−(2−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d)の製造
製造例5で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(94b、2.377g、11.30mmol)を用いて、製造例7と同じ方法で6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、2.20g(収量)、77%(収率))を得た。−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸のNMRデータを以下に示す。
【0096】
H NMR(400MHz、CDOD)δ 2.18(dm、J=25.2Hz、2H)、4.16(t、J=6.0Hz、2H)、4.64(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.98(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.42(s、1H)、7.74(d、J=8.4Hz、1H)、7.78(s、1H);13C NMR(100MHz、CDOD)δ 30.4(d、J=20.0)、63.9(d、J=6.0Hz)、80.5(d、J=162.1Hz)、104.6、114.8、124.7、133.0、135.2、144.9、157.7。
【0097】
[製造例11]6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95e)の製造
製造例6で得た6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(94c、1.307g、4.05mmol)を用いて、製造例7と同じ方法で行って6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95e、1.157g(収量)、78%(収率))を得た。6−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸のNMRデータを以下に示す。
【0098】
H NMR(400MHz、CDOD)δ 0.01(s、6H)、0.85(s、9H)、1.91(q、J=6.0Hz、2H)、3.76(t、J=6.0Hz、2H)、4.02(t、J=6.0Hz、2H)、6.90(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.30(d、J=2.4Hz、1H)、7.65(d、J=8.8Hz、1H)、7.71(s、1H);13C NMR(100MHz、CDOD)δ −6.3、18.0、25.3、32.3、59.4、64.4、104.6、114.8、124.6、132.4、135.1、145.2、157.7。
<実施例1〜3>2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造

【実施例1】
【0099】
2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−1)の製造
パラジウムテトラキス触媒(Pd(PPh、49.7mg、0.043mmol)が入っている無水1,2−ジメトキシエタン(DME、20mL)懸濁液に4−ヨードニトロベンゼン(535.8mg、2.15mmol)を入れて常温で10分間攪拌した後、製造例7で得た4−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95a、470mg、2.26mmol)と2.0M炭酸ナトリウム水溶液(43mL、0.086mmol)とを加えた。反応混合物を10時間加熱還流させた後、常温で冷凍させて氷水を加えた後、生成物を酢酸エチルを使って抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した。カラムクロマトグラフィーを行って薄い黄色固体である目的化合物の2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−1、560mg(収量)、87%(収率))を得た。2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0100】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.02(dd、J=8.8Hz、2.4Hz、1H)、7.31(d、J=2.4Hz、1H)、7.63(s、1H)、7.70(d、J=8.8Hz、1H)、7.79(d、J=8.8Hz、2H)、8.26(d、J=8.8Hz、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.6、104.7、115.3、122.1、124.4、125.0、126.3、134.3、138.5、140.8、141.9、146.7、158.4。
【実施例2】
【0101】
2−(3−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−2)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、500mg、2.40mmol)と3−ヨードニトロベンゼン(586mg、2.30mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で薄い黄色固体である目的化合物の2−(3−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−2、393mg(収量)、65%(収率))を得た。2−(3−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0102】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.90(s、3H)、7.01(dd、J=0.8、2.4Hz、1H)、7.32(s、1H)、7.55−7.59(m、2H)、7.69(d、J=8.8Hz、1H)、7.95(d、J=6.0Hz、1H)、8.91(d、J=8Hz、1H)、8.51(s、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.6、104.8、115.1、120.6、121.0、122.1、124.8、129.9、131.7、134.3、136.3、138.4、141.4、148.0、158.1。
【実施例3】
【0103】
2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−3)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、470mg、2.26mmol)と4−ヨードニトロベンゼン(536mg、2.15mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で薄い黄色固体である目的化合物の2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−3、560mg(収量)、87%(収率))を得た。2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0104】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.02(dd、J=8.8Hz、2.4Hz、1H)、7.31(d、J=2.4Hz、1H)、7.63(s、1H)、7.70(d、J=8.8Hz、1H)、7.79(d、J=8.8Hz、2H)、8.26(d、J=8.8Hz、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.6、104.7、115.3、122.1、124.4、125.0、126.3、134.3、138.5、140.8、141.9、146.7、158.4。
【実施例4】
【0105】
2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(1−4)の製造

【0106】
実施例3で得た2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−3、419mg、1.47mmol)から製造例3と同じ方法で、融点が265.0−265.2℃の範囲の温度であり、薄いオレンジ色固体である目的化合物の2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(1−4、323mg(収量)、81%)を得た。2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0107】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 6.92(dd、J=8.8Hz、2.4Hz、1H)、7.31(d、J=2.0Hz、1H)、7.72(d、J=8.4Hz、1H)、7.94(dd、J=7.2、2.0Hz、2H)、7.98(s、1H)、8.27(dd、J=7.2、2.0Hz、2H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ 107.4、115.8、123.6、124.7、125.7、126.4、133.3、136.7、140.5、141.6、146.3、156.5。
<実施例5〜6>


【実施例5】
【0108】
2−(4−ニトロフェニル)−4−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−5)の製造
炭酸カリウム(611mg、4.42mmol)と2−フルオロエチルメタンスルホン酸塩(FCHCHOMs、251mg、1.77mmol)とを実施例4で得た2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(1−4、400mg、1.47mmol)が溶けているジメチルホルムアミド(DMF、100mL)に入れて8時間80℃で加熱した後、常温で冷やして水を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出した後、硫酸ナトリウムで水を除去して減圧下で溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーを行って融点が176.5−178.0℃の範囲の温度であり、黄色固体である目的化合物2−(4−ニトロフェニル)−4−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−5、224mg(収量)、48%(収率))を得た。2−(4−ニトロフェニル)−4−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0109】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.30(dt、J=27.6、4.2Hz、2H)、4.81(dt、J=47.6、4.2Hz、2H)、7.06(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.34(d、J=2.4Hz、1H)、7.64(s、1H)、7.72(d、J=8.8Hz、1H)、7.82(d、J=8.8Hz、2H)、8.27(d、J=8.8Hz、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ67.6(d、J=20.5Hz)、81.8(d、J=169.8Hz)、105.7、115.5、121.9、124.3、125.0、126.2、126.4、134.6、140.5、141.6、146.7、156.9。
【実施例6】
【0110】
2−(4−ニトロフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−6)の製造
炭酸ナトリウム(305mg、2.21mmol)と3−フルオロプロピルメタンスルホン酸塩(FCHCHCHOMs、137mg、0.88mmol)及び2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(1−4、200mg、0.74mmol)とを用いて、前記実施例5と同じ方法で融点が128.9−130.3℃の範囲の温度であり、黄色固体の目的化合物2−(4−ニトロフェニル)−4−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−6、224mg(収量)、92%(収率))を得た。
【0111】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.98(dt、J=26.4、5.8Hz、2H)、4.23(t、J=6.0Hz、2H)、4.72(dt、J=47.2、5.2Hz、2H)、6.75−6.78(m、1H)、7.06(d、J=2.0Hz、1H)、7.35(s、1H)、7.66(d、J=8.0Hz、1H)、7.75(d、J=8.8Hz、2H)、8.21(d、J=8.4Hz、2H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.4(d、J=19.7Hz)、63.9(d、J=5.3Hz)、80.6(d、J=162.9Hz)、105.4、115.4、121.9、124.2、124.9、126.1、126.3、134.3、138.4、140.5、141.7、146.5、157.3。
<実施例7〜10>

【実施例7】
【0112】
2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−7)の製造
実施例1で得た2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−1、200mg、0.71mmol)と10%パラジウム(Pd/C、5mg)とを無水メタノール(10mL)が入っている丸いフラスコに入れて隔壁(septum)でよく阻んだ後、水素ガスを満たした後、水素風船を差し込んで常温で12時間攪拌した。次いで、セライト(celite)を用いて濾過した後、減圧下でメタノール溶媒を除去して目的化合物2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−7、151mg(収量)、88%(収率))を得た。2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0113】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 3.79(br、2H)、3.97(s、3H)、6.66−6.72(m、3H)、7.18(t、J=8.0Hz、1H)、7.37(dd、J=8.0Hz、0.8Hz、1H)、7.49−7.51(m、2H)、7.54(d、J=0.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d) δ 55.4、104.1、113.8、114.6、115.2、124.6、124.9、127.5、131.6、140.2、143.2、146.5、154.5。
【実施例8】
【0114】
2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−8)の製造
実施例3で得た2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−3、160mg、0.56mmol)を用いて、実施例7と同じ方法で薄いオレンジ色固体である目的化合物2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−8、129mg(収量)、92%(収率))を得た。2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0115】
H NMR(200MHz、DMSO−d)δ 3.77(s、2H)、3.87(s、3H)、6.71(d、J=8.4Hz、2H)、6.81(dd、J=8.4Hz、2.6Hz、1H)、7.28(s、2H)、7.48(d、J=8.4Hz、2H)、7.59(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(50MHz、DMSO−d)δ 55.3、105.0、113.8、113.9、115.4、121.2、123.3、126.5、134.6、138.9、141.9、148.8、156.3。
【実施例9】
【0116】
2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−9)の製造
実施例5で得た2−(4−ニトロフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−5、222mg、0.67mmol)をエタノール(10mL)溶媒下で実施例7と同じ方法で融点が165.6−168.5℃の範囲の温度であり、薄いオレンジ色固体である目的化合物2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−9、136mg(収量)、68%(収率))を得た。2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0117】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 4.28(dt、J=30.4、3.4Hz、2H)、4.76(dt、J=47.6、3.4Hz、2H)、5.41(s、1H)、6.62(d、J=8.0Hz、2H)、6.98(dd、J=8.4、1.2Hz、1H)、7.37(s、1H)、7.40(d、J=5.2Hz、2H)、7.50(s、1H)、7.62(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ 67.3(d、J=18.9Hz)、82.0(d、J=165.2Hz)、106.0、113.8、114.3、115.4、121.0、123.4、126.5、134.9、138.8、142.2、148.9、155.1。
【実施例10】
【0118】
2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−10)の製造
実施例6で得た2−(4−ニトロフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−6、244mg、0.735mmol)を実施例7と同じ方法で融点が119.6−123.2℃の範囲の温度であり、薄いオレンジ色固体である目的化合物2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−10、175mg(収量)、79%(収率))を得た。2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0119】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.70(dt、J=26.0、6.1Hz、2H)、3.78(s、2H)、4.16(t、J=3.0Hz、2H)、4.67(dt、J=47.4、5.9Hz、2H)、6.71(d、J=7.8Hz、1H)、6.95(dd、J=7.9、2.3Hz、1H)、7.26−7.29(m、1H)、7.47(d、J=7.8Hz、2H)、7.58(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 30.5(d、J=19.7Hz)、64.0(d、J=5.3Hz)、80.7(d、J=163.0Hz)、105.8、114.4、115.1、116.6、123.5、124.9、127.2、135.1、140.1、142.3、146.2、155.9。
<実施例11〜13>

【実施例11】
【0120】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−11)の製造
実施例8で得た2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−8、100mg、0.41mmol)、ナトリウムメトキシド(NaOMe、45mg、0.83mmol)及びパラホルムアルデヒド((CH2O)n、60mg、2.08mmol)をメタノール溶媒(15mL)に入れて反応混合物を3時間加熱還流させた後、常温で冷やした。引き続き、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、70mg、1.85mmol)を加えた後、再び1時間加熱還流させた後、常温で冷やし、水を加えた。ジクロロメタンを用いて有機化合物を抽出した後、硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って白色固体である目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−11、97mg(収量)、87%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0121】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 2.85(s、3H)3.84(s、3H)、6.60(d、J=8.4Hz、2H)、6.91(dd、J=6.4、2.4Hz、1H)7.23−7.25(m、2H)、7.48(d、J=8.8Hz、2H)、7.55(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ30.7、55.6、104.9、112.4、114.0、116.2、123.4、123.6、127.2、135.1、140.1、142.4、149.0、156.8。
【実施例12】
【0122】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−12)の製造
実施例9で得た2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−9、70mg、0.244mmol)を用いて、実施例11と同じ方法で融点がm.p156.9−159.7℃の範囲の温度であり、薄いオレンジ色固体である目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−12、54mg(収量)、74%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0123】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 2.88(s、3H)、4.27(dt、J=27.6、4.2Hz、2H)、4.78(dt、J=47.2、4.4Hz、2H)、6.64(d、J=8.8Hz、2H)、6.98(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.27(s、1H)、7.29(d、J=2.4Hz、1H)、7.51(d、J=8.4Hz、2H)、7.59(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ 30.6、67.6(d、J=19.7Hz)、81.9(d、J=169.8Hz)、106.1、112.4、114.4、116.1、123.4、123.5、127.2、135.5、139.9、142.9、149.0、155.5。
【実施例13】
【0124】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−13)の製造
実施例10で得た2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−10、197mg、0.655mmol)を用いて、実施例11と同じ方法で融点が121.4−123.1℃の範囲の温度であり、薄いオレンジ色固体である目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−13、128mg(収量)、62%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0125】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 2.13−2.32(m、2H)、2.90(s、3H)、3.92(br s、1H)、4.18(t、J=5.8Hz、2H)、4.70(dt、J=47.2、5.9Hz、2H)、6.65(d、J=8.8Hz、2H)、6.97(dd、J=8.6、2.4Hz、1H)、7.29(s、1H)、7.31(d、J=2.6Hz、1H)、7.54(d、J=8.8Hz、2H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.6(d、J=27.3Hz)、63.9(d、J=5.3Hz)、80.7(d、J=163.0Hz)、105.8、112.4、114.3、116.1、123.4、123.5、127.1、135.2、140.6、142.5、148.9、155.8。
<実施例14〜15>

【実施例14】
【0126】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−4−メトキシベンゾチオフェン(1−14)の製造
実施例7で得た2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェン(1−7、100mg、0.40mmol)、パラホルムアルデヒド((CH2O)n、120mg、4.00mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(Na(CN)BH3、72mg、1.17mmol)を酢酸(10mL)に溶解した後、反応混合物を12時間常温で攪拌して水を加えた。炭酸ナトリウムをpHが8〜9程度になるように加えた後、得られた有機化合物をジクロロメタンで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−4−メトキシベンゾチオフェン(1−14、106mg(収量)、91%(収率))を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−4−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0127】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 2.96(s、6H)、3.93(s、3H)、6.69−6.72(m、3H)、7.15−7.19(m、1H)、7.36(d、J=8Hz、1H)、7.53−7.59(m、3H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 40.3、55.4、104.1、112.4、113.2、114.6、122.6、124.4、127.3、131.7、140.1、143.5、150.2、154.4。
【実施例15】
【0128】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−15)の製造
実施例8で得た2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェン(1−8、100mg、0.40mmol)、パラホルムアルデヒド((CH2O)n、120mg、4.00mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(Na(CN)BH3、72mg、1.17mmol)を用いて、実施例14と同じ方法で融点が130−133℃の範囲の温度である目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−15、100mg(収量)、86%(収率))を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0129】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.00(s、6H)、3.87(s、3H)、6.74(d、J=8.8Hz、2H)、6.94(dd、J=6.0、2.8Hz、1H)、7.26(d、J=8Hz、2H)、7.54−7.59(m、3H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 40.44、55.43、104.07、112.31、113.18、114.53、122.55、124.30、127.19、131.65、140.06、143.45、150.17、154.28。
<実施例16〜17>

【実施例16】
【0130】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−16)の製造
炭酸カリウム(35mg、0.245mmol)とヨウ化メチル(CH3I、21mL、0.330mmol)とを実施例12で得た2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−12、50mg、0.165mmol)が溶けている無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液に加えた後、12時間80℃で攪拌した後、反応混合物を常温で冷やして水を加えた。次に、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って、融点が183.9−195.9℃の範囲の温度である目的化合物である2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−16、24mg(収量)、46%(収率))を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0131】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 3.00(s、6H)、4.27(dt、J=27.8、4.2Hz、2H)、4.78(dt、J=47.2、4.2Hz、2H)、6.28(dd、J=8.6、2.4Hz、1H)、6.74(d、J=8.8Hz、1H)、7.28−7.30(m、2H)、7.52−7.62(m、3H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 40.6、67.6(d、J=20.4Hz)、81.9(d、J=169.0Hz)、106.1、112.5、114.5、116.2、123.5、127.0、135.5、140.0、142.8、149.9、155.4。
【実施例17】
【0132】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−17)の製造
実施例13で得た2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−13、120mg、0.380mmol)を用いて、実施例16と同じ方法で、融点が177.7−183.0℃の範囲の温度である目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−17、89mg(収量)、71%(収率))を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0133】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.16−2.25(m、2H)、3.00(s、6H)、4.16(t、J=6.2Hz、2H)、4.68(dt、J=46.8、5.8Hz、2H)、6.75(d、J=8.8Hz、2H)、6.95(dd、J=8.6、2.2Hz、1H)、7.28(s、1H)、7.29(d、J=2.4Hz、1H)、7.56(d、J=8.8Hz、2H)、7.58(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.5(d、J=20.5Hz)、40.4、64.0(d、J=5.3Hz)、80.7(d、J=163.0Hz)、105.8、112.3、114.3、116.1、123.4、127.0、135.2、140.0、150.6、155.8。
<製造例12〜14>

【0134】
[製造例12]2−メトキシ−5−ブロモピリジン(97a)の製造
5−ブロモ−2−クロロピリジン(96、500mg、2.59mmol)を溶解したメタノール(10mL)に0.5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(NaOMe in MeOH、10.4mL、5.19mmol)を常温で加え、続いて90℃で24時間攪拌した後、水を加えた。得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って2−メトキシ−5−ブロモピリジン(97a、160mg(収量)、33%(収率))を得た。2−メトキシ−5−ブロモピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0135】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.98(s、3H)、6.39(d、J=2.4Hz、1H)、7.47(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.16(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 14.1、53.5、60.3、111.6、112.5、140.9、147.4、162.9。
【0136】
[製造例13]2−(2−フルオロエトキシ)−5−ブロモピリジン(97b)の製造
窒素下で水素化ナトリウム(NaH60%、94mg、3.90mmol)が入っている無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液に2−フルオロエタノール(259mg、3.90mmol)を加えた後、5分間攪拌し、続いて5−ブロモ−2−クロロピリジン(96、500mg、2.59mmol)を加えて常温で3時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加えた後、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って2−(2−フルオロエトキシ)−5−ブロモピリジン(97b、230mg(収量)、40%(収率))を得た。2−(2−フルオロエトキシ)−5−ブロモピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0137】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.53(dt、J=28.8、4.0Hz、2H)、4.73(dt、J=48.0、4.0Hz、2H)、6.72(d、J=8.8Hz、1H)、7.65(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.16(d、J=2.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 70.4(d、J=27.0Hz)、83.1(d、J=160.0Hz)、97.3、111.9、112.9、141.1、147.3。
【0138】
[製造例14]2−(3−フルオロプロポキシ)−5−ブロモピリジン(97c)の製造
水素化ナトリウム(94mg、3.90mmol)、3−フルオロプロパノール(305mg、3.90mmol)及び5−ブロモ−2−クロロピリジン(96、500mg、2.60mmol)を用いて、製造例13と同一の方法により目的化合物2−(3−フルオロプロポキシ)−5−ブロモピリジン(97c、600mg(収量)、98%(収率))を得た。2−(3−フルオロプロポキシ)−5−ブロモピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0139】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.09−2.21(m、2H)、4.39(t、J=5.8Hz、2H)、4.62(dt、J=46.8、5.8Hz、2H)、6.63(d、J=8.8Hz、1H)、7.62(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.19(d、J=2.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ30.97(d、J=19.7Hz)、62.77(d、J=6.1Hz)、81.6(d、J=161.4Hz)、111.7、112.6、141.0、147.4、162.4。
[製造例15]2−(N,N−ジメチルアミノ)−5−ヨードピリジンの製造

【0140】
2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン(98、1.00g、5.55mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解した後、1M一塩化ヨウ素(ICl、6.10mL、6.10mmol)ジクロロメタン溶液を0℃で徐々に加えて30分間攪拌した。反応混合物に10%硫酸ナトリウム(Na)水溶液を加えた後、得られた有機化合物をジクロロメタン溶液で抽出して硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って黄色の2−(N−モノメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(99、800mg(収量)、62%(収率))を得た。2−(N−モノメチルアミノ)−5−ヨードピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0141】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.88(s、3H)、4.57(s、1H)、6.24(d、J=8.4Hz、1H)、7.62(d d、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.23(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 28.9、76.2、108.5、144.8、153.8、158.3。
【0142】
前記得られた2−(N−モノメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(99、1.00g、4.27mmol)、炭酸カリウム(2.95g、21.36mmol)及びヨードメタン(145mg、8.546mmol)をジメチルアセトアミド(30mL)に溶かし、反応混合物を90℃で24時間加熱した後、水を加えた。得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って2−(N,N−ジメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(100、603mg(収量)、57%(収率))を得た。2−(N,N−ジメチルアミノ)−5−ヨードピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0143】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.08(s、6H)、6.34(d、J=8.4Hz、1H)、7.60(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.27(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 38.1、105.9、107.1、139.2、148.3、157.7。
<実施例18〜26>

【実施例18】
【0144】
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−18)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、80mg、0.385mmol)と製造例13で得た2−(2−フルオロエトキシ)−5−ブロモピリジン(97b、77mg、0.350mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−18、74mg(収量)、78%(収率))を得た。2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0145】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.87(s、3H)、4.61(dt、J=28.8、4.4Hz、2H)、4.77(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.85(d、J=8.4Hz、1H)、6.98(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.29(d、J=2.0Hz、1H)、7.34(s、1H)、7.63(d、J=8.8Hz、1H)、7.85(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.42(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 56.1、65.5(d、J=19.7Hz)、81.5(d、J=168.2Hz)、105.3、111.8、115.1、119.3、124.5、125.0、134.9、137.1、138.1、141.2、144.4、157.9、163.1。
【実施例19】
【0146】
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−19)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、80mg、0.385mmol)と製造例14で得た2−(3−フルオロプロポキシ)−5−ブロモピリジン(97c、82mg、0.350mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−19、54mg(収量)、49%(収率))を得た。2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0147】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 2.13−2.22(dm、J=25.2Hz、2H)、3.88(s、3H)、4.47(t、J=6.4Hz、2H)、4.64(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.85(d、J=8.8Hz、1H)、7.00(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.47(d、J=2.4Hz、1H)、7.58(s、1H)、7.70(d、J=8.8Hz、1H)、7.99(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.47(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 30.97(d、J=19.7Hz)、55.9、62.77(d、J=6.1Hz)、81.6(d、J=161.4Hz)、101.5、105.6、111.9、115.5、120.0、125.0、135.5、137.2、138.2、141.5、144.7、158.6、164.0。
【実施例20】
【0148】
2−(2−メトキシピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−20)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、100mg、0.417mmol)と製造例12で得た2−メトキシ−5−ブロモピリジン(97a、78mg、0.379mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−メトキシピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−20、36mg(収量)、29%(収率))を得た。2−(2−メトキシピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0149】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.98(s、3H)、4.29(dt、J=27.6、4.0Hz、2H)、4.79(dt、J=47.6、4.4Hz、2H)、6.80(d、J=8.4Hz、1H)、7.02(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.31(d、J=2.0Hz、1H)、7.36(s、1H)、7.66(d、J=8.4Hz、1H)、7.84(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、8.47(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 53.6、67.5(d、J=20.4Hz)、81.7(d、J=169.8Hz)、105.8、110.9、114.8、118.5、123.8、124.0、134.9、136.3、138.2、140.4、144.0、155.9、163.5。
【実施例21】
【0150】
2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−21)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、101mg、0.421mmol)と2−アミノ−5−ヨードピリジン(101、84mg、0.383mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−21、39mg(収量)、33%(収率))を得た。2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0151】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 4.26(dt、J=28.4、4.0Hz、2H)、4.71(dt、J=48.0、4.0Hz、2H)、5.61(brs、2H)、6.46(d、J=8.8Hz、1H)、6.96(dd、J=8.8Hz、1H)、7.33(s、1H)、7.39(d、J=2.0Hz、1H)、7.58(d、J=8.8Hz、1H)、7.65(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.31(s、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 68.7(d、J=19.7Hz)、82.8(d、J=168.3Hz)、106.6、108.5、115.5、117.5、120.4、124.4、135.3、136.3、140.7、141.0、146.6、157.2、160.5。
【実施例22】
【0152】
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−22)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、102mg、0.425mmol)と製造例15で得た2−(N−モノメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(99、90mg、0.384mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−22、56mg(収量)、49%(収率))を得た。2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0153】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 2.89(d、J=4.8Hz、3H)、4.25(dt、J=28.4、4.4Hz、2H)、4.71(dt、J=48.0、4.4Hz、2H)、5.94(brd、J=4Hz、1H)、6.41(d、J=8.8Hz、1H)、6.95(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.32(s、1H)、7.38(d、J=2.0Hz、1H)、7.57(d、J=8.8Hz、1H)、7.65(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.37(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 28.9、68.7(d、J=20.5Hz)、82.8(d、J=169.1Hz)、106.6、107.7、115.5、117.3、119.8、124.3、134.9、136.4、140.8、141.0、146.6、157.1、160.4。
【実施例23】
【0154】
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−23)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、101mg、0.421mmol)と製造例15で得た2−(N,N−ジメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(100、95mg、0.383mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−23、61mg(収量)、51%(収率))を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.13(s、6H)、4.27(dt、J=28.0、4.4Hz、2H)、4.78(dt、J=47.2、4.0Hz、2H)、6.54(d、J=8.8Hz、1H)、6.99(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.26(s、1H)、7.29(d、J=2.0Hz、1H)、7.60(d、J=8.8Hz、1H)、7.70(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.49(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 38.7、68.1(d、J=20.5Hz)、82.45(d、J=169.0Hz)106.0、106.6、115.1、117.1、118.9、124.1、135.3、135.8、140.3、140.5、146.0、156.1、159.0。
【実施例24】
【0155】
2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−24)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、80mg、0.315mmol)と2−アミノ−5−ヨードピリジン(101、63mg、0.286mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−24、53mg(収量)、58%(収率))を得た。2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0156】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 2.13−2.25(dm、J=25.2、2H)、4.18(t、J=6.4Hz、2H)、4.66(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、5.71(brs、2H)、6.63(d、J=8.4Hz、1H)、6.99(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.43(s、1H)、7.46(d、J=2.4Hz、1H)、7.65(d、J=8.8Hz、1H)、7.74(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.34(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 31.2(d、J=19.7Hz)、64.8(d、J=6.1Hz)、81.4(d、J=161.4Hz)、106.6、108.9、115.5、117.8、120.5、124.5、135.5、135.9、140.1、140.8、146.2、157.2、160.2。
【実施例25】
【0157】
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−25)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、80mg、0.315mmol)と製造例15で得た2−(N−モノメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(99、67mg、0.286mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(25、36mg(収量)、39%(収率))を得た。2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0158】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.14−2.64(dm、J=25.6Hz、2H)、2.96(d、J=5.2Hz、3H)、4.15(t、J=6.0Hz、2H)、4.61(t、J=6.0Hz、1H)、4.73(t、J=5.6Hz、2H)、6.42(d、J=8.8Hz、1H)、6.95(dd、J=8.4、2.0Hz、1H)、7.26(s、1H)、7.28(d、J=2.0Hz、1H)、7.59(d、J=8.8Hz、1H)、7.70(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、8.42(d、J=2.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 29.7、31.0(d、J=10.5Hz)、64.5(d、J=5.3Hz)、81.2(d、J=163.0Hz)、106.3、106.5、115.1、117.5、120.5、124.1、135.4、135.7、139.7、140.6、146.2、156.6、159.3。
【実施例26】
【0159】
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−26)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、80mg、0.315mmol)と製造例15で得た2−(N,N−ジメチルアミノ)−5−ヨードピリジン(100、71mg、0.286mmol)とを用いて実施例1と同じ方法で目的化合物2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−26、34mg(収量)、36%(収率))を得た。2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0160】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.14−2.26(dm、J=26.0Hz、2H)、3.13(s、6H)、4.15(t、J=6.0Hz、2H)、4.67(dt、J=46.8、5.6Hz、2H)、6.54(d、J=8.8Hz、1H)、6.95(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.25(s、1H)、7.287(d、J=2.4Hz、1H)、7.32(d、J=8.4Hz、1H)、7.70(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.49(d、J=2.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.7(d、J=20.4Hz)、38.4、64.2(d、J=21.2Hz)、80.9(d、J=163.0Hz)、105.7、106.0、114.7、116.8、118.7、123.7、135.0、135.2、139.7、140.3、145.6、156.2、158.7。
<製造例16〜18>

【0161】
[製造例16]2−メトキシ−4−ブロモピリジン(103a)の製造
5−ブロモ−2−クロロピリジンに代えて、4−ブロモ−2−クロロピリジンを用いることを除いて、製造例12の方法と全く同一にして目的化合物2−メトキシ−4−ブロモピリジン(103a、192mg(収量)、98%(収率))を得た。
【0162】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.85(s、3H)、6.75(dd、J=6.0、2.4Hz)、6.83(d、J=2.0、1H)、8.18(d、J=6.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.4、109.29、109.56、150.0、152.4、167.1。
[製造例17]2−(2−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジン(103b)の製造
5−ブロモ−2−クロロピリジンに代えて、4−ブロモ−2−クロロピリジンを用いることを除いて、製造例13の方法と全く同一にして目的化合物2−(2−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジン(103b、185mg(収量)、81%(収率))を得た。2−(2−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0163】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.27(dt、J=27.6、3.6、2H)、4.77(dt、J=47.2、3.6Hz、1H)、6.79(dd、J=5.2、2.0、1H)、6.87(d、J=2.0Hz、1H)、8.22(d、J=6.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 67.3(d、J=20.5Hz)、81.1(d、J=171.3Hz)、109.9、110.0、150.4、152.7、166.1。
【0164】
[製造例18]2−(3−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジン(103c)の製造
5−ブロモ−2−クロロピリジンに代えて、4−ブロモ−2−クロロピリジンを用いることを除いて、製造例14の方法と全く同一にして目的化合物2−(3−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジン(103c、190mg(収得量)、78%(収率))を得た。2−(3−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジンのNMRデータを以下に示す。
【0165】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.16(dq、J=25.6、6.0Hz、2H)、4.43(t、J=6.0Hz、2H)、4.61(dt、J=46.8、6.0Hz、1H)、6.95(d、J=1.2Hz、1H)、7.02(dd、J=5.21.6Hz、1H)、7.97(d、J=6.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.1(d、J=19.7Hz)、62.2(d、J=6.0Hz)、80.8(d、J=163.7Hz)、114.3、120.4、133.8、147.5、164.3。
<実施例27〜30>

【実施例27】
【0166】
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−27)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、50mg、0.24mmol)と製造例17で得た2−(2−フルオロエトキシ)−4−ブロモピリジン(103b、48mg、0.22mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−27、20mg(収量)、30%(収率))を得た。2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.89(s、3H)、4.50(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.84(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.90(dd、J=5.6、2.4Hz、1H)、7.00(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.49(d、J=2.4Hz、1H)、7.58(d、J=2.4Hz、1H)、7.73(d、J=8.8Hz、1H)、7.99(s、1H)、8.38(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 56.0、68.4(d、J=19.7Hz)、82.6(d、J=167.5Hz)、101.6、105.5、105.8、110.2、115.6、121.9、125.6、135.3、143.3、151.5、155.1、159.1、166.1。
【実施例28】
【0167】
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−28)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、80mg、0.38mmol)と製造例18で得た2−(3−フルオロプロポキシ)−4−ブロモピリジン(103c、82mg、0.35mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−28、25mg(収量)、23%(収率))を得た。2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0168】
H NMR(200MHz、acetone−d6)δ 2.10−2.35(m、2H)、3.89(s、1H)、4.32(t、J=6.4Hz、2H)、4.67(dt、J=47.2、5.8Hz、2H)、6.87(dd、J=5.8、2.6Hz、1H)、6.99(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.48(d、J=2.4Hz、1H)、7.56(d、J=2.2Hz、1H)、7.72(d、J=8.6Hz、1H)、7.98(s、1H)、8.36(d、J=5.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 30.9(d、J=19.7Hz)、55.9、64.9(d、J=5.3Hz)、81.3(d、J=161.4Hz)、101.6、105.5、105.7、110.3、115.6、121.8、125.6、135.3、143.3、151.4、155.0、159.1、166.3。
【実施例29】
【0169】
2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−29)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、80mg、0.33mmol)と製造例16で得た2−メトキシ−4−ブロモピリジン(103a、82mg、0.35mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−29、40mg(収量)、44%(収率))を得た。2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0170】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.97(s、3H)、4.38(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.82(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.86(dd、J=5.6、2.4Hz、1H)、7.04(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.52(d、J=2.4Hz、1H)、7.54(d、J=2.4Hz、1H)、7.75(d、J=8.4Hz、1H)、7.98(s、1H)、8.37(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 55.9、68.6(d、J=19.7Hz)、82.9(d、J=166.7Hz)、101.6、105.3、106.5、110.0、115.9、121.7、125.8、135.7、143.2、151.4、154.9、157.9、167.2。
【実施例30】
【0171】
2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−30)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、90mg、0.35mmol)と製造例16で得た2−メトキシ−4−ブロモピリジン(103a、60mg、0.32mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−30、10mg(収量)、10%(収率))を得た。2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0172】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 2.15−2.27(m、2H)、3.97(s、1H)、4.23(t、J=6.4Hz、2H)、4.68(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.86(dd、J=5.6、2.4Hz、1H)、7.02(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.51(d、J=2.4Hz、1H)、7.53(d、J=2.4Hz、1H)、7.74(d、J=8.4Hz、1H)、7.97(s、1H)、8.36(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 31.2(d、J=19.7Hz)、55.9、64.9(d、J=6.1Hz)、81.5(d、J=161.4Hz)、101.6、105.3、106.4、109.9、115.8、121.7、125.7、135.5、143.3、151.4、154.9、158.2、167.2。
<製造例19〜21>

【0173】
[製造例19]:2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105a)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、500mg、2.40mmol)と2,6−ジクロロピリミジン(104、394mg、2.64mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105a、365mg(収量)、55%(収率))を得た。2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0174】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 3.88(s、3H)、7.00(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.48(d、J=2.4、1H)、7.75(d、J=8.8Hz、1H)、7.81(d、J=5.2Hz、1H)、8.18(s、1H)、8.58(d、J=5.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ56.0、105.5、115.1、116.9、126.7、127.4、135.0、138.7、145.0、160.72、160.77、162.6、163.4。
【0175】
[製造例20]2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(105b)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、500mg、2.08mmol)と2,6−ジクロロピリミジン(104、341mg、2.29mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(105b、469mg(収量)、73%(収率))を得た。2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0176】
H NMR(200MHz、DMSO−d)δ 4.36(dt、J=30.0、5.2Hz、2H)、4.81(dt、J=47.6、5.2Hz、2H)、7.11(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.67(s、1H)、7.87(d、J=8.8Hz、1H)、8.12(dd、J=5.2、1.4Hz、1H)、8.45(s、1H)、8.76(dd、J=5.2、1.4Hz、1H);13C NMR(50MHz、DMSO−d)δ 67.8、82.1(d、J=165.4Hz)、105.9、114.8、116.1、126.3、127.5、133.8、137.2、143.0、149.5、157.9、160.4、161.8。
【0177】
[製造例21]2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(105c)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、500mg、1.97mmol)と2,6−ジクロロピリミジン(104、322mg、2.16mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105c、426mg(収量)、67%(収率))を得た。2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0178】
H NMR(200MHz、DMSO−d)δ 2.14(dqt、J=24.6、5.8Hz、2H)、4.16(t、J=5.2Hz、2H)、4.62(dt、J=48.4、5.2Hz、2H)、7.05(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.62(s、1H)、7.81(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、8.07(dd、J=5.2、1.8Hz、1H)、8.39(d、J=1.4Hz、1H)、8.72(dd、J=5.0、1.8Hz、1H);13C NMR(50MHz、DMSO−d)δ 29.7(d、J=19.4Hz)、64.0、80.8(d、J=161.3Hz)、105.7、114.8、116.0、126.2、127.5、133.6、137.0、143.1、149.6、158.1、160.3、161.8。
<実施例31〜39>

【実施例31】
【0179】
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−31)の製造
窒素下で、2−フルオロエタノール(32mL、0.54mmol)と水素化ナトリウム(NaH、22mg、0.54mmol)とを無水テトラヒドロフラン(4mL)溶媒に溶解した後、製造例19で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105a、100mg、0.36mmol)が溶けている無水テトラヒドロフラン(3mL)溶液を常温で加えた後、10時間60℃で加熱して常温で冷却後、水を加えた。得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って薄い黄色固体である目的化合物2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−31、79mg(収量)、72%(収率))を得た。2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0180】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.89(s、3H)、4.66(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.83(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、7.01(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.48(d、J=2.4Hz、1H)、7.53(d、J=5.2Hz、1H)、7.75(d、J=9.2Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.52(d、J=5.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 55.9、67.3(d、J=19Hz)、82.5(d、J=166Hz)、105.3、110.4、116.1、125.9、126.4、134.7、139.9、143.9、159.8、160.2、162.1、165.7。
【実施例32】
【0181】
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−32)の製造
3−フルオロ−1−プロパノール(40mL、0.54mmol)、水素化ナトリウム(NaH、22mg、0.54mmol)及び製造例19で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105a、100mg、0.36mmol)を用いて、実施例31と同じ方法で薄い黄色固体である目的化合物2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−32、75mg(収量)、65%(収率))を得た。2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0182】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 2.16−2.29(dm、J=25.2Hz、2H)、3.90(s、3H)、4.52(t、J=6.4Hz、2H)、4.67(dt、J=47.6、6.0Hz、2H)、7.02(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.50(d、J=2.4Hz、1H)、7.52(d、J=5.2Hz、1H)、7.67(d、J=8.8Hz、1H)、8.13(s、1H)、8.52(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 30.76(d、J=19.7Hz)、55.9、64.0(d、J=5.3Hz)、81.53(d、J=162.2Hz)、105.4、110.1、116.1、125.8、126.4、134.7、140.1、143.8、159.8、160.2、162.0、165.9。
【実施例33】
【0183】
2−[2−(N−(2−フルオロエチル)アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−33)の製造
製造例19で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(105a、200mg、0.72mmol)と2−フルオロエチルアミン塩酸塩(FCHCHNH−HCl、86mg、0.87mmol)とをジメチルアセトアミド(DMA、7mL)に溶かして水酸化カリウム(60mg、1.1mmol)が入っているジメチルアセトアミド(DMA、3mL)を反応混合物に加えた後、20時間90℃で加熱した。得られた反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルを用いて有機化合物を抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って黄色の固体である目的化合物2−[2−(N−(2−フルオロエチル)アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−33、90mg(収量)、41%(収率))を得た。2−[2−(N−(2−フルオロエチル)アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0184】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.89(s、3H)、4.66(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.83(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、7.01(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.48(d、J=2.4Hz、1H)、7.53(d、J=5.2Hz、1H)、7.75(d、J=9.2Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.52(d、J=5.2Hz、1H)。
【実施例34】
【0185】
2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−34)の製造
製造例20で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(105b、80mg、0.26mmol)を無水テトラヒドロフラン(4mL)に溶かして0.5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(NaOMe in MeOH、1.0mL、0.5mmol)を加えた後、18時間常温で攪拌した。得られた反応混合物に水を加えた後、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って黄色の固体である目的化合物2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−34、60mg(収量)、70%(収率))を得た。2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0186】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 4.01(s、3H)、4.39(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.83(dt、J=48.0、4.0Hz、2H)、7.08(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.55(d、J=1.6Hz、1H)、7.56(d、J=5.6Hz、1H)、7.81(d、J=8.8Hz、1H)、8.17(s、1H)、8.54(d、J=5.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 54.9、68.55(d、J=19.7Hz)、82.77(d、J=166.7Hz)、106.3、110.1、116.4、125.8、126.5、135.1、140.5、143.7、158.7、160.3、162.0、166.5。
【実施例35】
【0187】
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−35)の製造
製造例20で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(105b、80mg、0.26mmol)を無水テトラヒドロフラン(4mL)に溶かして2.0Mメチルアミンメタノール溶液(NHMe in MeOH、0.26mL、0.52mmol)を加えた後、3日間常温で攪拌した。得られた反応混合物に水を加えた後、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って黄色の固体である目的化合物2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−35、50mg(収量)、63%(収率))を得た。2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0188】
H NMR(200MHz、acetone−d6)δ 3.00(d、J=9.2Hz、3H)、4.39(dt、J=28.8、4.0Hz、2H)、4.82(dt、J=48.0、4.0Hz、2H)、6.32(brs、1H)、7.07(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.12(d、J=5.6Hz、1H)、7.55(d、J=2.4Hz、1H)、7.80(d、J=8.6Hz、1H)、8.07(s、1H)、8.30(d、J=5.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 28.5、68.7(d、J=20.5Hz)、82.3(d、J=169.0Hz)、105.1、106.5、116.2、124.2、126.1、135.6、142.7、143.9、158.7、159.1、160.5、164.5。
【実施例36】
【0189】
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−36)の製造
製造例20で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(105b、80mg、0.26mmol)と2.0M ジメチルアミンメタノール溶液(NHMe2 in MeOH、0.26mL、0.52mmol)とを用いて、実施例35と同じ方法で黄色固体である目的化合物2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−36、77mg(収量)、93%(収率))を得た。2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0190】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.19(s、6H)、4.39(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.82(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.51(d、J=6.0Hz、1H)、7.06(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.52(d、J=2.4Hz、1H)、7.81(d、J=8.8Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.19(d、J=6.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 36.9、68.54(d、J=19.7Hz)、82.67(d、J=16.7Hz)、101.5、104.1、106.5、116.0、124.2、126.2、135.3、142.5、143.4、158.3、158.8、159.8。
【実施例37】
【0191】
2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−37)の製造
製造例21で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(105c、70mg、0.22mmol)と0.5M ナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.66mL、0.33mmol)とを用いて、実施例34と同じ方法で黄色固体である目的化合物2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−37、75mg(収量)、99%(収率))を得た。2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0192】
H NMR(200MHz、acetone−d6)δ 2.09−2.34(dm、J=25.6Hz、2H)、4.00(s、3H)、4.22(t、J=6.4Hz、2H)、4.68(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、7.04(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.52(s、1H)、7.53(d、J=5.2Hz、1H)、7.78(d、J=8.8Hz、1H)、8.15(s、1H)、8.53(d、J=5.0Hz、1H;13C NMR(50MHz、acetone−d6)δ 31.14(d、J=13.7Hz、54.9、64.93(d、J=5.7Hz)、81.47(d、J=162.4 Hz)、106.4、110.2、116.5、125.9、126.6、135.0、140.5、144.0、159.2、160.4、162.3、166.7。
【実施例38】
【0193】
:2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−38)の製造
製造例21で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(105c、70mg、0.22mmol)と2.0M メチルアミンメタノール溶液(NHMe in MeOH、0.17mL、0.34mmol)とを用いて、実施例35と同じ方法で黄色固体である2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−38、56mg(収量)、81%(収率))を得た。2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0194】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 2.17(dquintet、J=24.8、6.0Hz、2H)、2.96(s、3H)、4.17(t、J=6.0Hz、2H)、4.61(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.42(brs、1H)、6.98(d、J=5.6Hz、1H)、6.99(dd、J=8.0、2.4Hz、1H)、7.43(d、J=2.4、1H)、7.68(d、J=8.8Hz、1H)、7.93(s、1H)、8.22(s、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 28.5、31.5(d、J=20.5Hz)、65.0(d、J=6.1 Hz)、81.4(d、J=163.8Hz)、105.1、106.4、116.1、124.2、126.0、135.4、142.6、143.9、158.4、158.9、160.5、164.5。
【実施例39】
【0195】
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−39)の製造
製造例21で得た2−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(105c、70mg、0.22mmol)と2.0M ジメチルアミンメタノール溶液(NHMe2 in MeOH、0.17mL、0.34mmol)とを用いて、実施例36と同じ方法で黄色固体である目的化合物2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−39、50mg(収量)、70%(収率))を得た。2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0196】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 2.16−2.25(dm、J=25.2Hz、2H)、3.21(s、6H)、4.21(t、J=6.0Hz、2H)、4.67(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、7.03(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.05(d、J=5.2Hz、1H)、7.51(d、J=2.4Hz、1H)、7.76(d、J=8.8Hz、1H)、8.03(s、1H)、8.32(d、J=4.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、acetone−d6)δ 31.1(d、J=19.7Hz)、36.8、64.8(d、J=5.3Hz)、81.4(d、J=161.5Hz)、101.5、104.0、106.3、116.0、124.2、126.1、135.0、142.2、143.4、158.5、158.8、159.8、162.9。
<製造例22〜24>

【0197】
[製造例22]2−クロロ−4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン(106a)の製造
水素化ナトリウム(60%NaH、200mg、4.95mmol)が入っている無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液に2−フルオロエタノール(0.30mL、4.95mmol)を入れて2,4−ジクロロピリミジン(104、500mg、3.30mmol)が溶けている無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液を徐々に加えた。反応混合物を30分間攪拌した後、水を加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って白色固体である2−クロロ−4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン(106a、237mg(収量)、41%(収率))を得た。2−クロロ−4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジンのNMRデータを以下に示す。
【0198】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 4.63(dd、J=14.2、3.2Hz、2H)、4.82(dd、J=34.0、3.2Hz、2H)、6.80(d、 J=6.0Hz、1H)、8.37(d、J=5.8Hz、1H);13C NMR(50MHz、 CDCl)、δ 65.8(d、J=19.4Hz)、80.6(d、J=170.0Hz)、106.8、158.8、159.4、169.4。
【0199】
[製造例23]2−クロロ−4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン(106b)の製造
2,4−ジクロロピリミジン(104、500mg、3.30mmol)を2.0Mモノメチルアミンが溶けているメタノール(5mL)に溶解した後、常温で3時間攪拌した後、メタノールを減圧下で除去して反応混合物に水を加えた。その結果得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って黄色固体である2−クロロ−4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン(106b、128mg(収量)、27%(収率))を得た。2−クロロ−4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジンのNMRデータを以下に示す。
【0200】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.01(d、J=5.2Hz、3H)、5.97(brs、1H)、6.55(d、J=5.2、1H)、8.16(s、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 28.3、109.6、159.0、162.9.
[製造例24]2−クロロ−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン(106c)の製造
2,4−ジクロロピリミジン(104、500mg、3.30mmol)を2.0Mジメチルアミンが溶けているメタノール(5mL)溶液に溶解した後、常温で3時間攪拌してメタノール溶媒を減圧下で除去した。得られた反応混合物に水を加えた後、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って白色固体である2−クロロ−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン(106c、426mg(収量)、80%(収率))を得た。2−クロロ−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジンのNMRデータを以下に示す。
【0201】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.11(s、6H)、6.32(d、J=6.0Hz、1H)、7.99(d、J=6.4Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 37.0、100.9、156.3、160.1、162.8。
<実施例40〜43>

【実施例40】
【0202】
2−[4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−2−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−40)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、80mg、0.38mmol)と製造例22で得た2−クロロ−4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン(106a、60mg、0.336mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−2−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−40、22mg(収量)、21%(収率))を得た。2−[4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−2−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0203】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.91(s、3H)、4.78(dt、J=22.0、2.4Hz、2H)、4.88(dt、J=38.4、4.4Hz、2H)、6.78(d、J=5.6Hz、1H)、7.04(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.52(d、J=2.0Hz、1H)、7.83(d、J=8.8Hz、1H)、8.22(s、1H)、8.53(d、J=5.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 55.9、67.9(d、J=22.0Hz)、82.4(d、J=168.2Hz)、105.5、106.9、116.1、126.30、126.40、135.1、141.6、144.9、159.0、160.1、162.2、169.8。
【実施例41】
【0204】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−41)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、100mg、0.42mmol)と製造例23で得た2−クロロ−4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン(106b、46mg、0.32mmol)とを用いて、前記実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−41、60mg、48mmol)を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0205】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.00(d、J=4.8Hz、3H)、4.39(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.82(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.33(brs、1H)、7.07(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.12(d、J=5.2Hz、1H)、7.545(d、J=2.4Hz、1H)、7.80(d、J=8.8Hz、1H)、8.07(s、1H)、8.30(s、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 28.5、68.8(d、J=19.7Hz)、82.8(d、J=169.0Hz)、105.1、106.5、116.2、124.1、126.1、135.6、142.7、143.9、158.7、159.2、160.6、164.5。
【実施例42】
【0206】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−42)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、100mg、0.42mmol)と製造例24で得た2−クロロ−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン(106c、50mg、0.32mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−42、22mg、29mmol)を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0207】
H NMR(400MHz、acetone−d6)δ 3.19(s、6H)、4.39(dt、J=29.2、4.0Hz、2H)、4.82(dt、J=47.6、4.0Hz、2H)、6.51(d、J=6.0Hz、1H)、7.06(d、J=8.8、2.4、1H)、7.52(d、J=2.4Hz、1H)、7.81(d、J=8.8Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.19(d、J=6.0Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 37.0、68.7(d、J=20.5Hz)、82.9(d、J=169.0Hz)、101.4、106.5、115.5、124.9、126.0、135.7、144.06、144.41、156.4、158.4、161.4、163.0。
【実施例43】
【0208】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−43)の製造
製造例10で得た6−(2−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、80mg、0.31mmol)と製造例23で得た2−クロロ−4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン(106b、35mg、0.24mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で黄色の固体である目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−43、47mg(収量)、61%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0209】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 2.17(dq、J=25.2、6.0Hz、2H)、2.96(s、3H)、4.17(t、J=6.4Hz、2H)、4.61(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.42(brs、1H)、6.96(d、J=5.2Hz、1H)、6.97(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.43(d、J=2.0、1H)、7.68(d、J=8.8Hz、1H)、7.93(s、1H)、8.22(s、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 28.5、31.5(d、J=19.7Hz)、65.0(d、J=6.1Hz)、81.4(d、J=163.8Hz)、105.1、106.4、116.1、124.2、126.0、135.4、142.6、143.9、158.4、158.9、161.0、164,5。
<製造例25〜30>

【0210】
[製造例25]3−メトキシ−6−クロロピリダジン(108a)の製造
3,6−ジクロロピリダジン(107、500mg、3.36mmol)が溶けている無水テトラヒドロフラン(12mL)溶液に0.5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(NaOMe in MeOH、7.4mL、3.69mmol)を徐々に加えた後、常温で1時間攪拌して水を加えた。その結果得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って白色固体である3−メトキシ−6−クロロピリダジン(108a、436mg(収量)、90%(収率))を得た。3−メトキシ−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0211】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.12(s、3H)、6.98(d、 J=9.2Hz、1H)、7.38(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100 MHz、CDCl)δ 55.2、119.9、130.6、150.9、164.2。
【0212】
[製造例26]3−(2−フルオロエトキシ)−6−クロロピリダジン(108b)の製造
水素化ナトリウム(NaH60%、121mg、3.02mmol)が入っている無水テトラヒドロフラン(5mL)に3,6−ジクロロピリダジン(107、300mg、2.01mmol)が溶けている無水テトラヒドロフラン(2mL)を0℃で徐々に加えて2−フルオロエタノール(194mg、3.02mmol)を滴加した。反応混合物を1分間攪拌して気をつけて水を加えた後、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出して集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って白色固体である3−(2−フルオロエトキシ)−6−クロロピリダジン(108b、295mg(収量)、83%(収率))を得た。3−(2−フルオロエトキシ)−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0213】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.73(dm、J=12.0Hz、2H)、4.83(dm、J=26.8Hz、2H)、7.43(d、J=8.8Hz、1H)、7.06(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ66.6(d、J=19.7Hz)、81.3(d、J=169.1Hz)、120.1、131.0、151.3、163.6。
【0214】
[製造例27]3−(3−フルオロプロポキシ)−6−クロロピリダジン(108c)の製造
水素化ナトリウム(NaH60%、202mg、5.04mmol)、3,6−ジクロロピリダジン(107、500mg、3.36mmol)及び3−フルオロ−1−プロパノール(393mg、5.04mmol)を用いて、前記製造例26と同じ方法で白色固体である3−(3−フルオロプロポキシ)−6−クロロピリダジン(108c、557mg(収量)、87%(収率))を得た。3−(3−フルオロプロポキシ)−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0215】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.23(dm、J=25.6Hz、2H)、4.63(t、J=6.0Hz、2H)、4.64(dt、J=46.8、6.0Hz、2H)、7.01(d、J=9.2Hz、1H)、7.42(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(CDCl、100MHz)δ 29.5(d、J=19.7Hz)、63.4(d、J=5.3Hz)、80.2(d、J=163.7Hz)、119.8、130.5、150.5、163.7。
【0216】
[製造例28]3−アミノ−6−クロロピリダジン(108d)の製造
3,6−ジクロロピリダジン(107、500mg、3.36mmol)を2.0Mアンモニアメタノール溶液(NH in MeOH、17mL、33.6mmol)に徐々に加えた後、96時間130℃で加熱した後、常温で冷やしてゆっくりと水を加えた。その結果得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って白色固体である3−アミノ−6−クロロピリダジン(108d、265mg(収量)、61%(収率))を得た。3−アミノ−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0217】
H NMR(400MHz、CDOD)δ 6.95(d、J=9.6Hz、1H)、7.34(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDOD)δ 119.8、131.1、147.1、161.5。
【0218】
[製造例29]3−(N−モノメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108e)の製造
3,6−ジクロロピリダジン(107、500mg、3.36mmol)を2.0Mメチルアミンメタノール溶液(NHMe in MeOH、5mL、10mmol)に徐々に加えて常温で24時間攪拌した。反応混合物に水を加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って白色固体である3−(N−モノメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108e、505mg(収量)、88%(収率))を得た。3−(N−モノメチルアミノ)−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0219】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 2.84(d、J=4.4Hz、3H)、6.87(d、J=9.2Hz、1H)、7.06(brd、J=4.0Hz、1H)、7.33(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ27.9、117.9、128.2、144.9、158.6。
【0220】
[製造例30]3−(N,N−ジメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108f)の製造
3,6−ジクロロピリダジン(107、500mg、3.36mmol)と2.0Mジメチルアミンメタノール溶液(NHMe2 in MeOH、5mL、10mmol)とを用いて、製造例29と同じ方法で白色固体である3−(N,N−ジメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108f、510mg(収量)、96%(収率))を得た。3−(N,N−ジメチルアミノ)−6−クロロピリダジンのNMRデータを以下に示す。
【0221】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.09(s、6H)、6.72(d、J=9.6Hz、1H)、7.10(d、J=9.6Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 38.2、113.9、128.2、145.3、158.6。
<実施例44〜53>

【実施例44】
【0222】
2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−44)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、73mg、0.342mmol)と製造例26で得た3−(2−フルオロエトキシ)−6−クロロピリダジン(108b、74mg、0.419mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−44、104mg(収量)、98%(収率))を得た。2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0223】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.89(s、3H)、4.80−4.76(m、2H)、4.90−4.84(m、2H)、6.98(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.07(d、J=9.2Hz、1H)、7.34(d、J=2.4Hz、1H)、7.64(s、1H)、7.66(d、J=8.8Hz、1H)、7.82(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.5、66.4(d、J=19.7Hz)、81.6(d、J=168.3Hz)、104.7、114.9、117.7、121.5、124.7、126.0、133.8、137.9、142.4、151.6、158.2、163.2。
【実施例45】
【0224】
2−[3−(3−フルオロプロポキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−45)の製造
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、73mg、0.342mmol)と製造例27で得た3−(3−フルオロプロポキシ)−6−クロロピリダジン(108c、80mg、0.419mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(45、80mg(収量)、72%(収率))を得た。2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0225】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.26(dm、J=25.2Hz、2H)、3.89(s、3H)、4.65(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、4.70(t、J=6.0Hz、2H)、6.98(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、6.99(d、J=9.2Hz、1H)、7.34(d、J=2.4Hz、1H)、7.63(d、J=0.8Hz、1H)、7.66(d、J=8.4Hz、1H)、7.79(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.0(d、J=19.7Hz)、55.6、63.4(d、J=5.3Hz)、80.7(d、J=163.8Hz)、104.7、114.9、117.6、121.3、124.7、125.8、133.8、138.1、142.4、151.3、158.2、163.5。
【実施例46】
【0226】
2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−46)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、103mg、0.431mmol)と製造例25で得た3−メトキシ−6−クロロピリダジン(108a、75mg、0.518mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−46、42mg(収量)、32%(収率))を得た。2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0227】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.18(s、3H)、4.30(dm、J=27.6Hz、2H)、4.80(dm、J=47.6Hz、2H)、7.01(d、J=9.2Hz、1H)、7.03(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.35(d、J=2.4Hz、1H)、7.65(d、J=0.4Hz、1H)、7.69(d、J=8.4Hz、1H)、7.80(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.0、67.5(d、J=20.5Hz)、81.8(d、J=169.1Hz)、105.7、115.3、117.6、121.2、124.8、125.7、134.3、138.7、142.3、151.2、156.9、164.0。
【実施例47】
【0228】
2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−47)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、95mg、0.395mmol)と製造例28で得た3−アミノ−6−クロロピリダジン(108d、61mg、0.474mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(47、73mg(収量)、67%(収率))を得た。2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0229】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 3.02(d、J=5.2Hz、3H)、4.29(dm、J=28.4Hz、2H)、4.73(dm、J=48.0Hz、2H)、6.26(brd、J=4.8Hz、1H)、6.73(d、J=9.2Hz、1H)、6.95(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.44(d、J=2.0Hz、1H)、7.59(d、J=0.8Hz、1H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H)、7.70(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、 THF−d8)δ29.0、68.7(d、J=19.7Hz)、82.9(d、J=168.3Hz)、106.5、114.1、115.6、119.5、124.2、124.9、135.8、142.1、142.9、147.8、157.9、159.7。
【実施例48】
【0230】
2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−48)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、90mg、0.377mmol)と製造例29で得た3−(N−モノメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108e、65mg、0.452mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−48、72mg(収量)、63%(収率))を得た。2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0231】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 3.02(d、J=5.2Hz、3H)、4.29(dm、J=28.4Hz、2H)、4.73(dm、J=48.0Hz、2H)、6.26(brd、J=4.8Hz、1H)、6.73(d、J=9.2Hz、1H)、6.95(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.44(d、J=2.0Hz、1H)、7.59(d、J=0.8Hz、1H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H)、7.70(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 29.0、68.7(d、J=19.7Hz)、82.9(d、J=168.3Hz)、106.5、114.1、115.6、119.5、124.2、124.9、135.8、142.1、142.9、147.8、157.9、159.7。
【実施例49】
【0232】
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−49)の製造
製造例9で得た6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95c、90mg、0.373mmol)と製造例30で得た3−(N,N−ジメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108f、70mg、0.448mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(3−ジメチルアミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン(1−49、45mg(収量)、38%(収率))を得た。2−(3−ジメチルアミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0233】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.20(s、6H)、4.28(dm、J=27.6Hz、2H)、4.79(dm、J=47.2Hz、2H)、6.79(d、J=9.6Hz、1H)、6.99(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.33(d、J=2.4Hz、1H)、7.48(d、J=0.8Hz、1H)、7.59(d、J=9.6Hz、1H)、7.62(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 38.1、67.5(d、J=20.5Hz)、81.8(d、J=169.8Hz)、105.8、111.3、114.9、118.8、123.7、124.3、134.6、141.7、146.0、156.4、158.4。
【実施例50】
【0234】
2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−50)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、73mg、0.289mmol)と製造例25で得た3−メトキシ−6−クロロピリダジン(108a、50mg、0.347mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−50、69mg(収量)、75%(収率))を得た。2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0235】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.21(dm、J=25.6Hz、2H)、4.16(s、3H)、4.18(t、J=6.0Hz、2H)、4.68(dt、J=46.8、6.0Hz、2H)、6.97(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、6.98(d、J=9.2Hz、1H)、7.34(d、J=2.4Hz、1H)、7.61(d、J=0.4Hz、1H)、7.65(d、J=8.8Hz、1H)、7.77(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.4(d、J=19.7Hz)、63.9(d、J=5.3Hz)、54.9、80.6(d、J=163.0Hz)、105.6、115.0、117.5、121.2、124.7、125.7、134.0、138.4、142.4、151.2、157.3、163.9。
【実施例51】
【0236】
2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−51)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、73mg、0.289mmol)と製造例28で得た3−アミノ−6−クロロピリダジン(108d、45mg、0.347mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−51、70mg(収量)、80%(収率))を得た。2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0237】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 2.14(dm、J=25.6Hz、2H)、4.15(t、J=6.0Hz、2H)、4.63(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.60(brs、2H)、6.85(d、J=9.6Hz、1H)、6.99(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.56(d、J=2.0Hz、1H)、7.70(d、J=8.8Hz、1H)、7.90(d、J=9.2Hz、1H)、7.79(s、1H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ 29.8(d、J=19.7Hz)、63.9(d、J=6.1Hz)、80.8(d、J=160.7Hz)、105.9、114.1、114.6、119.4、124.29、124.33、133.9、139.8、140.7、146.3、156.4、159.6。
【実施例52】
【0238】
2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−52)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、90mg、0.354mmol)と製造例29で得た3−(N−モノメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108e、61mg、0.428mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−52、53mg(収量)、60%(収率))を得た。2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0239】
H NMR(400MHz、THF−d8)δ 2.17(dq、J=24.8、6.0Hz、2H)、3.01(d、J=4.8Hz、3H)、4.17(t、J=6.4Hz、2H)、4.62(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.21(brd、J=4.4Hz、1H)、6.71(d、J=9.2Hz、1H)、6.92(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.43(d、J=2.4Hz、1H)、7.58(d、J=0.4Hz、1H)、7.59(d、J=8.8Hz、1H)、7.69(d、J=9.2Hz、1H);13C NMR(100MHz、THF−d8)δ 29.0、31.6(d、J=19.7Hz)、64.9(d、J=5.4Hz)、81.5(d、J=162.9Hz)、106.5、113.9、115.4、119.5、124.2、124.8、135.6、142.0、143.0、147.8,、158.1、159.7。
【実施例53】
【0240】
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−53)の製造
製造例10で得た6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95d、82mg、0.323mmol)と製造例30で得た3−(N,N−ジメチルアミノ)−6−クロロピリダジン(108f、60mg、0.385mmol)とを用いて、実施例1と同じ方法で目的化合物2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェン(1−53、66mg(収量)、62%(収率))を得た。2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0241】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.20(dm、J=26.0Hz、2H)、3.15(s、3H)、4.15(t、J=6.0Hz、2H)、4.66(dt、J=47.2、6.0Hz、2H)、6.72(d、J=9.6Hz、1H)、6.93(dd、J=8.4、2.4Hz、1H)、7.32(d、J=2.4Hz、1H)、7.43(d、J=0.8Hz、1H)、7.52(d、J=9.6Hz、1H)、7.58(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.4(d、J=19.8Hz)、38.0、63.9(d、J=5.3Hz)、80.6(d、J=163.7Hz)、105.7、111.2、114.6、118.8、123.6、124.1、134.3、139.8、141.7、145.9、156.7、158.3。
【0242】
[製造例31]2−(2−クロロピラジン−6−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(110)の製造

【0243】
製造例8で得た6−メトキシベンゾチオフェン−2−ホウ酸(95b、500mg、2.40)と2,6−ジクロロピラジン(109、394mg、2.64)とを用いて、実施例1と同じ方法で2−(2−クロロピラジン−6−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(110、345mg(収量)、52%(収率))を得た。2−(2−クロロピラジン−6−イル)−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
<実施例54〜55>

【実施例54】
【0244】
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−54)の製造
製造例31で得た2−(2−クロロピラジン−6−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(110、100mg、0.36mmol)、水素化ナトリウム(13mg、0.54mmol)及び2−フルオロエタノール(25mg、0.40mmol)を用い、実施例31と同じ方法で目的化合物2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−54、69mg(収量)、63%(収率))を得た。2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0245】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.88(s、3H)、4.69(dt、J=24、4.8Hz、2H)、4.81(dt、J=43.2、4.4Hz、2H)、7.00(dd、J=6.4、2.0Hz、1H)、7.30(s、1H)、7.68(d、J=8.8Hz、1H)、7.80(s、1H)、8.13(s、1H)、8.60(s、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 55.6、65.2(d、J=20.5Hz)、81.5(d、J=169.1Hz)、104.7、115.0、122.0、125.0、132.3、133.1、134.1、138.2、142.3、144.7、158.2、158.5。
【実施例55】
【0246】
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−55)の製造
製造例31で得た2−(2−クロロピラジン−6−イル)−6−メトキシベンゾチオフェン(110、100mg、0.36mmol)、水素化ナトリウム(13mg、0.54mmol)及び3−フルオロ−1−プロパノール(31mg、0.40mmol)を用いて、実施例31と同じ方法で目的化合物2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェン(1−55、68mg(収量)、59%(収率))を得た。2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0247】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 2.20−2.30(m、2H)、3.89(s、3H)、4.58(t、J=6.4Hz、2H)、4.67(dt、J=47.2、6.4Hz、2H)、6.99(dd、J=7.6、2.4Hz、1H)、7.31(s、1H)、7.70(d、J=8.8Hz、1H)、7.82(s、1H)、8.07(s、1H)、8.57(s、1H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 30.3(d、J=20.5Hz)、55.9、62.5(d、J=5.3Hz)、81.0(d、J=163Hz)、94.6、105.0、115.2、132.2、133.3、134.4、138.4、138.7、142.6、145.2、158.4、159.3。
[実験例]β‐アミロイドペプチドを利用した結合分析
1−1:β‐アミロイド(Aβ1−42)原線維の作製
β‐アミロイドペプチド(Bachem社製)1mgを1mLのDMSOに完全に溶解させた後、リン酸緩衝食塩水(PBS、pH7.4)9mLを添加してよく混合した。これを37℃で60分間培養してβ‐アミロイド原線維を製造し、e−チューブに0.5mLずつ分注して−80℃の冷凍庫に保管した。
【0248】
1−2:β‐アミロイド原線維の同定
β‐アミロイドペプチドがβ‐アミロイド原線維内に正しく製造されたのかを確認するために、培養が終わったβ‐アミロイド原線維50μLに5μM濃度のThT(Thioflavin T)150μLを添加した後、分光計を用いてλex/λem(450nm/480nm)でβ‐アミロイド原線維と結合したThTの蛍光強度を測定した。
【0249】
1−3:2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−[125I]ヨードベンゾチアゾールの合成

【0250】
前駆体化合物(111、1mg)をエタノール1mLに溶解させた溶液50μLを取ってガラス試験管に入れた後、この溶液に30%過酸化水素(50μL)、1mol/Lの塩酸(50μL)、エタノール(200μL)を添加した。この混合溶液に[125I]NaIを1.0mCi/100μL添加した。このガラス試験管の蓋を閉じた後、室温で10分間放置した。10分後、NaHSO飽和水溶液100mLを加えて反応を終了させた後、酢酸エチル溶媒(500μL×2)を用いて有機層から結果物を抽出し、硫酸ナトリウムで処理して水を除去した。その後、得られた溶液を室温で高純度窒素ガスを吹きこんで、有機溶媒を除去した。有機溶媒をすべて除去した後、200μLエタノールを加えて希釈し、得られた混合物に対して高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を行ってI−123で標識された目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−[125I]ヨードベンゾチアゾール(112、[125I]TZDM)を得た。最終的な放射化学的収率は、89%であった。
【0251】
1−4:結合分析
1−4−1.[125I]TZDM(56)の解離定数(Kd)
12mm×75mmボロシリケイト試験管にβ‐アミロイド原線維を10nMの濃度(最終反応濃度)で準備し、ここに、125Iが標識されたTZDM(112)を50mL(0.046〜5.9pM)添加した後、10%エタノールで1mLを合わせて室温で3時間培養した。3時間培養後、セルハーベスタ(M−24R,Brandel社製)を用いてβ‐アミロイド原線維と結合している[125I]TZDM(112)と結合することができなかった[125I]TZDM(112)を分離した後、ガンマカウンタを用いて測定した後、解離定数であるKd値を求めた。この際、非特異結合は、ThT2μMを用いて行った。その結果、β‐アミロイド原線維と[125I]TZDM(112)とを用いて求めたTZDMの解離定数(Kd)は、0.13nMであった。
【0252】
1−4−2.阻害結合分析
12mm×75mmボロシリケイト試験管に10%エタノール0.850mLを入れて、β‐アミロイド原線維を50μL(最終反応濃度は、10nM)添加した後、阻害剤として作用する本発明の実施例の化合物(実施例1〜55で製造された化合物)を50μL(最終反応液での濃度は、1mM)添加した。比較群としては、前記式(IV)のPIB化合物を添加した。ここに、[125I]TZDM(112)を50μL(最終反応濃度は、0.05nM)添加して室温で3時間培養させた。3時間培養後、セルハーベスタを用いてβ‐アミロイド原線維と結合された[125I]TZDM(112)と結合することができなかった[125I]TZDM(112)を分離した後、ガンマカウンタを用いて測定した。この際、非特異結合は、ThT(Thioflavin T)2μMを用いて行った。
【0253】
実験結果、[125I]TZDM(112)に対する結合親和力(K)値を表4に示す。
【0254】
【表4】

【0255】

【0256】

【0257】
表4に示すように、本発明の化合物のβ‐アミロイドに対する結合親和力(K)値は、比較群であるPIBが0.78nMのK値を示すことに比べて、同等、またはさらに強い結合力を示している。特に、実施例12、16、25及び44の化合物は、それぞれ0.064nM、0.079nM、0.06nM及び0.065nMと優れた結合力を示すことがわかる。同時に、β‐アミロイドペプチドに対して強い結合力を有すると知られている[125I]TZDM(112)の結合を阻害する程度に、本発明の誘導体は、β‐アミロイドに対してさらに優れた結合力を示すということが分かる。
<実施例56〜58>F−18で標識される前駆体の合成
【実施例56】
【0258】
2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−メタンスルホンオキシエトキシ)ベンゾチオフェン(2−58)の製造

【0259】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(113、1.56g、4.52mmol)と炭酸カリウム(1.88g、13.57mmol)とをジメチルアセトアミド(40mL)に溶かして1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルブロマイド(TBDMSO−CHCHBr、114、1.08g、4.52mmol)を加えた後、反応混合物を80℃で24時間加熱した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って、融点が118−119℃の範囲の温度であり、黄色の固体である2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェン(115、804mg(収量)、43%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0260】
H NMR(CDCl、200MHz)δ 0.12(s、6H)、0.91(s、9H)、2.88(s、3H)、3.97−4.03(m、2H)、4.07−4.13(m、2H)、6.63(d、J=8.8Hz、2H)、6.95(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.26(s、1H)、7.28(d、J=2.2Hz、1H)、7.51(d、J=8.8Hz、2H)、7.58(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(CDCl、50MHz)δ −5.2、18.4、25.9、31.8、62.1、63.7、105.9、114.2、114.6、116.9、123.6、125.7、127.3、135.0、140.3、141.9、146.9、156.3。
【0261】
次に、2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェン(115、400mg、0.97mmol)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶かして(BOC)O(423mg、1.94mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、60mg、0.49mmol)とを加えた。反応混合物を80℃で加熱しながら三回にかけて12時間ごとに1当量の(BOC)O(91mg、0.97mmol)をさらに入れた。反応混合物に水を入れて反応を停止させ、生じた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って、融点が126−127℃の範囲の温度であり、白色固体である2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェン(116、232mg(収量)、53%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0262】
H NMR(CDCl、200MHz)δ 0.12(s、6H)、0.92(s、9H)、1.48(s、9H)、3.29(s、3H)、3.98−4.04(m、2H)、4.09−4.14(m、2H)、6.99(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.26−7.32(m、3H)、7.42(s、1H)、7.60−7.66(m、3H);13C NMR(CDCl、50MHz)δ −5.2、18.4、25.9、28.3、37.1、62.0、69.7、80.6、105.8、114.9、118.8、124.1、125.6、126.2、131.4、134.7、140.8、141.0、143.3、154.6、156.7。
【0263】
次に、2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェン(116、338mg、0.66mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した後、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、258mg、0.99mmol)を加えて30分間常温で攪拌した。反応混合物に水を加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って、融点が152−153℃の範囲の温度であり、白色の固体である目的化合物2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェン(117、200mg(収量)、90%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0264】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.48(s、9H)、3.29(s、3H)、3.98−4.05(m、2H)、4.11−4.18(m、2H)、7.00(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.26−7.32(m、3H)、7.42(s、1H)、7.67−7.60(m、3H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 28.3、37.1、61.5、69.6、80.6、105.8、114.8、118.8、124.2、125.6、126.2、131.3、135.0、140.8、141.3、143.4、154.6、156.3。
【0265】
次に、2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェン(117、207mg、0.52mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かしてトリエチルアミン(0.80mL、0.57mmol)を入れてメタンスルホニルクロリド(MsCl、0.44mL、0.57mmol)を0℃で徐々に添加した。1.5時間0℃で反応させた後、反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えた後、得られた有機化合物をジクロロメタンで抽出して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って、融点が146−147℃の範囲の温度であり、白色固体である目的化合物2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−メタンスルホンオキシエトキシ)ベンゾチオフェン(2−58、209mg(収量)、97%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−メタンスルホンオキシエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0266】
H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.48(s、9H)、3.07(s、3H)、3.26(s、3H)、4.29−4.27(m、2H)、4.58−4.56(m、2H)、6.95(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、7.27−7.25(m、3H)、7.39(s、1H)、7.63−7.57(m、3H);13C NMR(100MHz、CDCl)δ 28.4、37.1、37.8、66.3、67.9、80.6、106.1、114.5、118.7、124.3、125.5、126.2、131.0、135.3、140.7、141.6、143.4、154.4、155.5。
【実施例57】
【0267】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−メタンスルホンオキシエトキシ)ベンゾチオフェン(2−59)の製造

【0268】
実施例56で得た2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンゾチオフェン(115、150mg、0.36mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶かして炭酸カリウム(75mg、0.54mmol)とヨードメタン(0.23mL、0.36mmol)とを加えた。反応混合物を80℃で12時間攪拌した後、塩化アンモニウム水溶液と水とを入れ、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した。集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して硫酸ナトリウムで水を除去した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた混合物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶かして、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、143mg、0.54mmol)を入れて常温で30分間攪拌した。反応混合物に水を入れた後、酢酸エチルで有機化合物を抽出して集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウムで洗浄して硫酸ナトリウムで水を除去した後、カラムクロマトグラフィーを行って、融点が205−206℃の範囲の温度であり、白色固体である2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェン(118、96mg(収量)、85%(収率))を得た。2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0269】
H NMR(200MHz、DMSO−d)δ 2.94(s、6H)、3.74(brs、2H)、4.03(t、J=4.8Hz、2H)、4.93(brs、1H)、6.76(d、J=8.8Hz、2H)、6.96(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.48−7.54(m、4H)、7.62(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(50MHz、DMSO−d)δ 59.6、69.9、105.9、112.4、114.6、116.2、121.5、123.6、126.6、134.8、139.3、141.6、150.1、156.0。
【0270】
次に、2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾチオフェン(118、72mg、0.23mmol)、トリエチルアミン(0.39mL、0.28mmol)及びメタンスルホニルクロリド(MsCl、0.22mL、0.28mmol)を用いて、実施例56と同じ方法で、融点が193−194℃の範囲の温度であり、黄色固体である目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−メタンスルホンオキシエトキシ)ベンゾチオフェン(2−59、86mg(収量)、96%(収率))を得た。
【0271】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 3.04(s、6H)、3.11(s、3H)、4.31−4.27(m、2H)、4.63−4.58(m、2H)、6.85(br d、J=7.0Hz、2H)、6.95(dd、J=8.8、2.6Hz、1H)、7.27(d、J=2.2Hz、1H)、7.31(s、1H)、7.55−7.63(m、3H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 37.8、41.3、66.3、68.0、106.2、113.5、114.3、116.7、123.9、127.2、135.8、140.3、142.6、148.8、155.2。
【実施例58】
【0272】
2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−メタンスルホンオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(2−62)の製造

【0273】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−ヒドロキシベンゾチオフェン(115、150mg、0.59mmol)と炭酸カリウム(122mg、0.89mmol)とをジメチルアセトアミド(10mL)に溶かして3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロピルブロマイド(TBDMSO−CHCHCHBr、444mg、1.18mmol)を加えた後、反応混合物を90℃で6時間加熱した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え、得られた有機化合物を酢酸エチルで抽出した後、集められた有機溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去してカラムクロマトグラフィーを行って黄色の固体である2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェン(120、225mg(収量)、69%(収率))を得た。2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0274】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.05(s、9H)、2.05(m、2H)、2.87(s、3H)、3.88(t、J=5.8Hz、2H)、4.16(t、J=6.2Hz、2H)、6.63(d、J=8.6Hz、2H)、7.24(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.70(m、15H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 19.3、27.0、30.9、32.4、60.4、65.0、105.9、112.8、114.7、116.5、123.6、124.1、127.4、127.8、129.7、133.9、135.1、135.7、140.3、142.5、148.9、156.4。
【0275】
次に、2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェン(120、200mg、0.36mmol)、(BOC)O(158mg、0.72mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、22mg、0.18mmol)を用いて、実施例56と同じ方法で黄色液体である2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェン(121、194mg(収量)、83%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0276】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.05(s、9H)、1.47(s、9H)、2.06(m、2H)、3.29(s、3H)、3.89(t、J=5.8Hz、2H)、4.17(t、J=6.2Hz、2H)、6.94(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.25−7.42(m、10H)、7.59−7.69(m、7H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 19.2、26.9、28.3、32.2、37.1、60.3、64.9、80.5、105.7、114.9、118.9、124.1、125.6、126.2、127.6、129.6、131.5、133.8、134.7、135.6、140.9、143.4、154.6、156.9。
【0277】
次に、2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロポキシ]ベンゾチオフェン(121、169mg、0.26mmol)とテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、102mg、0.39mmol)とを用いて、実施例56と同じ方法で白色固体である目的化合物2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(122、90mg(収量)、84%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0278】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.48(s、9H)、2.09(m、2H)、3.29(s、3H)、3.89(t、J=5.8Hz、2H)、4.19(t、J=5.8Hz、2H)、6.97(dd、J=8.8、2.6Hz、1H)、7.30−7.31(m、2H)、7.41(s、1H)、7.66(m、3H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 28.3、31.9、37.1、60.4、66.1、80.6、105.7、114.8、118.8、124.2、125.6、126.2、131.3、134.8、140.8、141.1、143.4、154.6、156.5。
【0279】
次に、2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(121、76mg、0.18mmol)、トリエチルアミン(0.80mL、0.57mmol)及びメタンスルホニルクロリド(MsCl、0.44mL、0.57mmol)を用いて、実施例56と同じ方法で白色固体である目的化合物2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−メタンスルホンオキシプロポキシ)ベンゾチオフェン(2−62、89mg(収量)、99%(収率))を得た。2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(3−メタンスルホンオキシプロポキシ)ベンゾチオフェンのNMRデータを以下に示す。
【0280】
H NMR(200MHz、CDCl)δ 1.47(s、9H)、2.23(m、2H)、2.97(s、3H)、3.27(s、3H)、4.12(t、J=5.8Hz、2H)、4.44(t、J=5.8Hz、2H)、6.95(dd、J=8.8、2.2Hz、1H)、7.25−7.29(m、3H)、7.40(s、1H)、7.57−7.64(m、3H);13C NMR(50MHz、CDCl)δ 28.0、29.0、37.0、37.1、63.6、66.6、80.4、105.7、114.6、118.7、124.1、125.5、126.1、131.1、135.0、140.7、141.2、143.4、154.4、156.2。
<実施例59〜60>フッ素−18の標識
【実施例59】
【0281】
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ナフタリン([18F]1−12)の製造

【0282】
18F]フッ化物(166.1MBq)が溶けている蒸溜水(0.5mL)を反応容器に入れて、重炭酸テトラブチルアンモニウム(TBAHCO、8μL)を加えた後、アセトニトリル溶液(1mL)を添加した。反応混合物に窒素を吹き入れ、100℃で加熱して共沸的に水とともに溶媒を除去した。水がすべて無くなるまでアセトニトリル(1mL)を入れて水とともに加熱しながら溶媒を除去した。水がすべて除去された後、実施例56で得たメタンスルホン酸塩前駆体(2−58、2.0mg、4.18mmol)を反応容器に入れてアセトニトリル(0.1mL)とt−アミルアルコール(0.5mL)とを加えた。反応混合物を120℃で15分間加熱した後、radio−TLCスキャナで標識収率を確認して120℃で窒素を吹き入れて溶媒を除去して2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ナフタリン(123)を23%の放射化学的収率で得た。
【0283】
次に、2−[4−(N−メチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノフェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ナフタリン(123)反応混合物をアセトニトリル(0.1mL)に溶かして1mol/L の塩酸水溶液(0.5mL)を入れて100℃で5分間加熱した。反応混合物を常温で冷やした後、radio−TLCで目的化合物2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ナフタリン([18F]1−12)が12%の放射化学的収率で得られることを確認した。
【実施例60】
【0284】
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン([18F]1−16)の製造

【0285】
実施例57で得たメタンスルホン酸塩前駆体(2−59、2.0mg、5.11mmol)と[18F]フッ化物(166.1MBq)とを用いて、実施例59と同じ方法で目的化合物2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−[18F]フルオロエトキシ)ベンゾチオフェン([18F]1−16)を11%の放射化学的収率で得られることを確認した。
【0286】
一方、本発明による前記化合物は、目的によって多様な形態に製剤化が可能である。以下に示す製剤方法は、本発明による前記化合物を活性成分として含有させた幾つかの製剤化方法を例示したものであって、本発明をこれに限定するものではない。
【0287】
[製剤例1]錠剤の製造
本発明の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体化合物 5.0mg
ラクトース 14.1mg
クロスポピドンUSNF 0.8mg
ステアリン酸マグネシウム 0.1mg
本発明の誘導体化合物を篩にかけた後、ラクトース、クロスポピドンUSNF及びステアリン酸マグネシウムを混合して加圧して錠剤に製造した。
【0288】
[製剤例2]カプセル剤の製造
本発明の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体化合物 5.0mg
ラクトース 14.8mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.2mg
本発明の誘導体化合物を篩にかけた後に、ラクトース、ポリビニルピロリドン及びステアリン酸マグネシウムとともに混合した。前記混合物を通常のカプセル剤製造方法によって打錠してゼラチンカプセルに充填してゼラチンカプセルを製造した。
【0289】
[製剤例3]注射剤の製造
本発明の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体化合物 100mg
マンニトール 180mg
NaHPO4・12HO 26mg
蒸溜水 2974mg
本発明の誘導体化合物をマンニトール及びNaHPO4・12HOとともに蒸溜水溶解させてpHを約7.5に調節して滅菌させた後、通常の方法によって注射剤を製造した。
【0290】
ここまで、本発明の好ましい実施形態について説明してきた。しかしながら、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想及び技術領域から逸しない範囲で本発明を多様に修正又は変更することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。

【請求項2】
請求項1記載の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩において、
前記R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ヒドロキシ基、置換されていないまたはヒドロキシ基またはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、またはC〜Cの直鎖または側鎖アルキルアミノ基であり、
前記R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、置換されていないまたはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換されていないまたはフッ素で置換されたC〜Cの直鎖または側鎖アルキルアミノ基、またはジメチルアミノ基であり、
前記V、W、X、Y及びZは、独立的に、炭素または窒素であり、
ここで、前記フッ素は、18Fまたは19Fであることを特徴とする2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1記載の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩において、
前記R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基、ニトロ基、アミノ基またはメチルアミノ基であり、
前記R及びRは、独立的にまたは選択的に水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、フルオロエチルアミノ基またはフルオロプロピルアミノ基であり、
前記V、W、X、Y及びZは、独立的に、炭素または窒素であり、
ここで、前記フッ素は、18Fまたは19Fであることを特徴とする2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
請求項1記載の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩において、
前記2‐アリールベンゾチオフェン誘導体は、
2−(4−ニトロフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(3−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(4−ニトロフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(4−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチオフェンと、
2−(4−ニトロフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(4−ニトロフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(4−アミノフェニル)−4−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(4−アミノフェニル)−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(4−アミノフェニル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(4−アミノフェニル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−4−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−5−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(2−メトキシピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N−モノメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(2−アミノピリジン−5−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−5−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[2−(N−(2−フルオロエチル)アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(2−メトキシピリミジン−4−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(2−フルオロエトキシ)ピリミジン−2−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[4−(N−モノメチルアミノ)ピリミジン−2−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[3−(2−フルオロエトキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[3−(3−フルオロプロポキシ)ピリダジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(2−フルオロエトキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(3−メトキシピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−(3−アミノピリダジン−6−イル)−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[3−(N−モノメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)ピリダジン−6−イル]−6−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾチオフェンと、
2−[2−(2−フルオロエトキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと、
2−[2−(3−フルオロプロポキシ)ピラジン−6−イル]−6−メトキシベンゾチオフェンと
からなる群から選択されることを特徴とする2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
請求項1記載の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法であって、
下記反応式(1)に示すように、式(3)のベンゾチオフェン誘導体を有機溶媒中でホウ化物((iPrO)B)と反応させて式(4)の化合物を得る工程(工程1)と、
工程1で得た式(4)の化合物を有機溶媒及び触媒下でハロゲン化アリールと反応させて式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を得る工程(工程2)とを含むことを特徴とする2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の製造方法。

【請求項6】
式(1)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための式(2)で表される前駆体。

【請求項7】
請求項6記載の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための前駆体において、
前記前駆体は、



からなる群から選択されることを特徴とする前駆体。
【請求項8】
式(1)のアリール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を18Fで標識するための式(2)で表される前駆体の製造方法であって、
前記製造方法は、反応式(2)に示すように、式(6)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体を有機溶媒及び塩基中でメタンスルホニルクロリドまたは無水メタンスルホン酸塩と反応させて式(2)の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体の前駆体化合物を得る工程を含むことを特徴とする前駆体の製造方法。

【請求項9】
反応式(3)に示すように、式(2)の前駆体を有機溶媒中で18Fと反応させて、式(7)の18Fで標識された化合物を得る工程を含むことを特徴とする18F標識方法。

【請求項10】
退行性脳疾患の診断または治療に用いられる、請求項1の2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
請求項10記載の医薬組成物において、
前記退行性脳疾患がアルツハイマー病であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項12】
退行性脳疾患の診断または治療を必要としている患者に、請求項1記載の式(1)で表される2‐アリールベンゾチオフェン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を、診断的にまたは治療的に有効量を投与することを特徴とする退行性脳疾患を診断または治療する方法。
【請求項13】
請求項12記載の退行性脳疾患の診断または治療方法において、
前記退行性脳疾患が、アルツハイマー病であることを特徴とする請求項12に記載の退行性脳疾患を診断または治療する方法。


【公開番号】特開2010−241788(P2010−241788A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241899(P2009−241899)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(505162227)西江大学校 産学協力団 (11)
【Fターム(参考)】