説明

送信回路及び通信機器

【課題】小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力する送信回路を提供する。
【解決手段】信号生成部11は、振幅信号m(t)及び位相信号を生成する。角度変調部17は、位相信号を角度変調して、角度変調信号を出力する。振幅演算部12は、振幅信号m(t)の大きさに応じた複数の離散値を有する離散値信号V(t)を出力する。割算部13は、振幅信号m(t)を離散値信号V(t)で割算して、振幅信号M(t)を出力する。デルタシグマ変調部14は、振幅信号M(t)をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号を出力する。可変利得増幅部15は、デルタシグマ変調信号を離散値信号V(t)に応じた利得で増幅する。振幅増幅部16は、デルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部18に供給する。振幅変調部18は、角度変調信号を振幅増幅部16から供給された電圧で振幅変調し、変調信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話や無線LAN等の通信機器に用いられる送信回路に関し、より特定的には、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力する送信回路、及びそれを用いた通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や無線LAN等の通信機器は、出力電力の大きさに関係なく、送信信号の精度を確保しつつ、かつ低消費電力で動作することが求められている。そして、このような通信機器には、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力する送信回路が用いられる。以下に、従来の送信回路について説明する。
【0003】
従来の送信回路としては、例えば、特許文献1の図1に開示されている送信回路がある。図22は、特許文献1に開示されている従来の送信回路700の構成の一例を示すブロック図である。図22において、従来の送信回路700は、信号生成部71、デルタシグマ変調部72、角度変調部73、掛け算部74、バンドパスフィルタ75、出力端子76、及び可変利得増幅部77を備える。
【0004】
従来の送信回路700において、信号生成部71は、振幅信号及び位相信号を生成する。振幅信号は、デルタシグマ変調部72に入力される。デルタシグマ変調部72は、入力された振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力する。デルタシグマ変調信号は、可変利得増幅部77に入力される。可変利得増幅部77は、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報に応じた利得で、デルタシグマ変調信号を増幅する。可変利得増幅部77で増幅されたデルタシグマ変調信号は、掛け算部74に入力される。
【0005】
位相信号は、角度変調部73に入力される。角度変調部73は、位相信号を角度変調し、角度変調信号として出力する。角度変調信号は、掛け算部74に入力される。掛け算部74は、デルタシグマ変調信号と、角度変調信号とを掛け算し、変調信号として出力する。バンドパスフィルタ75は、変調信号に含まれる量子化雑音を除去する。バンドパスフィルタ75で量子化雑音が除去された変調信号が、送信信号として出力端子76から出力される。
【0006】
また、従来の送信回路としては、例えば、特許文献2の図11,17に開示されている送信回路がある。図23Aは、特許文献2に開示されている従来の送信回路800の構成の一例を示すブロック図である。図23Aにおいて、従来の送信回路800は、データ生成部81、ベクトル変調部82、増幅部83、バンドパスフィルタ84、及びアンテナ85を備える。
【0007】
従来の送信回路800において、データ生成部81は、互いに直交する第1データ及び第2データを生成する。データ生成部81の詳細については後述する。ベクトル変調部82は、第1データ及び第2データをベクトル変調し、変調信号として出力する。増幅部83は、変調信号を増幅する。バンドパスフィルタ84は、変調信号に含まれる量子化雑音を除去する。バンドパスフィルタ84で量子化雑音が除去された変調信号が、送信信号としてアンテナ85から出力される。
【0008】
図23Bは、データ生成部81の構成の一例を示すブロック図である。図23Bにおいて、データ生成部81は、原データ生成部811、デルタシグマ変調部812、掛け算部813、及び掛け算部814含む。原データ生成部811は、ベースバンド信号に基づいて、振幅信号、規格化I信号、及び規格化Q信号を生成する。規格化I信号は、ベースバンド信号であるI信号(in-phase signal)を振幅信号で割り算することによって算出される。同様に、規格化Q信号は、ベースバンド信号であるQ信号(quadrature-phase signal)を振幅信号で割り算することによって算出される。
【0009】
振幅信号は、デルタシグマ変調部812に入力される。デルタシグマ変調部812は、入力された振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力する。掛け算部813は、規格化I信号とデルタシグマ変調信号とを掛け算し、掛け算した信号を第1データとして出力する。掛け算部814は、規格化Q信号とデルタシグマ変調信号とを掛け算し、掛け算した信号を第2データとして出力する。
【0010】
また、従来の送信回路としては、例えば、特許文献3の図24Aに開示されている送信回路がある。図24Aは、特許文献3に開示されている従来の送信回路900の構成の一例を示すブロック図である。図24Aにおいて、従来の送信回路900は、データ生成部91、データ変換部92、変調部93、増幅部94、バンドパスフィルタ95、及びアンテナ96を備える。
【0011】
従来の送信回路900において、データ生成部91は、I信号及びQ信号を生成する。I信号及びQ信号は、データ変換部92に入力される。データ変換部92は、入力されたI信号及びQ信号を2値の量子化信号に変換する。データ変換部92の詳細については後述する。変調部93は、量子化信号を変調し、変調信号として出力する。増幅部94は、変調信号を増幅する。バンドパスフィルタ95は、増幅部94で増幅された変調信号に含まれる量子化雑音を除去する。バンドパスフィルタ95で量子化雑音が除去された変調信号が、送信信号としてアンテナ96から出力される。
【0012】
図24Bは、データ変換部92の構成の一例を示すブロック図である。図24Bにおいて、データ変換部92は、ベクトル引き算部921、ベクトル積分部922、及びベクトル量子化部923を含む。データ変換部92には、データ生成部91からI信号及びQ信号が入力される。I信号及びQ信号は、ベクトル引き算部921を介して、ベクトル積分部922に入力される。ベクトル積分部922は、I信号及びQ信号をそれぞれ積分する。ベクトル積分部922から出力された信号は、ベクトル量子化部923に入力される。ベクトル量子化部923は、入力された信号を量子化し、2値の量子化信号として出力する。ベクトル引き算部921は、入力されたI信号及びQ信号から量子化信号を引き算し、量子化信号の出力を安定化させる。
【特許文献1】特開2004−048703号公報
【特許文献2】特開2004−072734号公報
【特許文献3】特開2004−159319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図22に示す従来の送信回路700においては、信号生成部71が生成する振幅信号の包絡線が大きく変動するため、デルタシグマ変調部72で量子化雑音が多く発生していた。このため、バンドパスフィルタ75は、量子化雑音を除去するために、急峻な特性が求められ、消費電力及びサイズが大きくなっていた。従って、従来の送信回路700は、送信回路としての電力効率が低下し、回路規模も大きくなるという課題があった。また、バンドパスフィルタ75で除去されなかった量子化雑音によって、送信信号が劣化する可能性もあった。
【0014】
また、図23A及び図23Bに示す従来の送信回路800においては、原データ生成部811が生成する振幅信号の包絡線が大きく変動するため、デルタシグマ変調部812で量子化雑音が多く発生していた。このため、バンドパスフィルタ84は、量子化雑音を除去するために、急峻な特性が求められ、消費電力及びサイズが大きくなっていた。従って、従来の送信回路800は、送信回路としての電力効率が低下し、回路規模も大きくなるという課題があった。また、バンドパスフィルタ84で除去されなかった量子化雑音によって、送信信号が劣化する可能性もあった。
【0015】
また、図24A及び図24Bに示す従来の送信回路900においては、ベクトル量子化部923に入力される信号の包絡線が大きく変動するため、ベクトル量子化部923で量子化雑音が多く発生していた。このため、バンドパスフィルタ95は、量子化雑音を除去するために、急峻な特性が求められ、消費電力及びサイズが大きくなっていた。従って、従来の送信回路900は、送信回路としての電力効率が低下し、回路規模も大きくなるという課題があった。また、バンドパスフィルタ95で除去されなかった量子化雑音によって、送信信号が劣化する可能性もあった。
【0016】
それ故に、本発明の目的は、上記課題を解決し、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力する送信回路、及びそれを用いた通信機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、入力データに基づいて送信信号を生成して出力する送信回路に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の送信回路は、入力データに所定の信号処理を施して、振幅信号と角度変調信号とを生成する信号生成部と、振幅信号に所定の演算処理を施して、振幅信号の大きさに応じた複数の離散値を有する離散値信号として出力する振幅演算部と、振幅信号を離散値信号に基づいてデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調信号生成部と、デルタシグマ変調信号の大きさに応じた信号を出力する振幅増幅部と、角度変調信号を振幅増幅部から出力された信号に応じて増幅することで、角度変調信号を振幅変調し、角度変調及び振幅変調された送信信号として出力する振幅変調部とを備える。振幅演算部は、少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、所定時間毎に振幅信号が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を離散値信号として出力する。
【0018】
好ましくは、デルタシグマ変調信号生成部は、振幅信号を離散値信号で割算し、包絡線の変動が小さな振幅信号として出力する割算部と、割算部が出力した振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調部と、デルタシグマ変調信号を離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部とを含む構成である。
【0019】
また、デルタ信号変調信号生成部は、振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調部を含む構成であってもよい。デルタシグマ変調部は、離散値信号の大きさと正特性の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する。
【0020】
好ましくは、デルタシグマ変調部は、離散値信号の大きさと正比例の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する。
【0021】
デルタシグマ変調部は、離散値信号の大きさに応じて、予め最適値が設定されたルックアップテーブルを参照して、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する。
【0022】
好ましくは、信号生成部は、入力データを信号処理することによって得られる振幅成分及び位相成分に基づいて、振幅信号及び位相信号を生成する極座標信号生成部と、位相信号を角度変調して、角度変調信号として出力する角度変調部とを含む。
【0023】
また、信号生成部は、入力データを信号処理することによって、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号を生成する直交信号生成部と、ベクトル信号をベクトル変調するベクトル変調部と、ベクトル変調部から出力された信号の包絡線成分を検波し、検波した包絡線成分を前記振幅信号として出力する包絡線検波部と、ベクトル変調部から出力された信号の包絡線成分を一定の大きさに制限し、大きさを制限した信号を前記角度変調信号として出力するリミッタとを含む構成であってもよい。
【0024】
好ましくは、振幅演算部は、所定時間毎に振幅信号の最大値を検出する最大振幅検出部と、少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、所定時間毎に振幅信号の最大値が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を離散値信号として出力する量子化部とを含む。
【0025】
好ましくは、送信回路は、振幅変調部の後段に接続され、振幅変調部が出力した送信信号から量子化雑音を除去するバンドパスフィルタをさらに備える。
【0026】
また、送信回路は、振幅増幅部と振幅変調部との間に接続され、振幅増幅部から出力された信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えてもよい。また、送信回路は、デルタシグマ変調信号生成部と振幅増幅部との間に接続され、デルタシグマ変調信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えてもよい。
【0027】
振幅増幅部は、スイッチングレギュレータで構成され、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給する。また、振幅増幅部は、シリーズレギュレータで構成され、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給する構成であってもよい。あるいは、振幅増幅部は、電流駆動型レギュレータで構成され、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電流を振幅変調部に供給する構成であってもよい。
【0028】
好ましくは、振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、振幅演算部から出力された離散値信号の大きさ応じた電圧をシリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含む。
【0029】
好ましくは、送信回路は、振幅演算部とスイッチングレギュレータとの間に接続され、スイッチングレギュレータの立ち上がりを補償するように、振幅演算部から出力された離散値信号をスイッチングレギュレータに入力するタイミングを制御するタイミング制御部をさらに備える。
【0030】
また、送信回路は、信号生成部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備える構成であってもよい。掛け算部は、信号生成部が生成した振幅信号に電力情報を掛け算する。振幅演算部及びデルタシグマ変調信号生成部には、掛け算部から振幅信号が入力される。
【0031】
また、送信回路は、振幅演算部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備える構成であってもよい。振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、掛け算部の出力信号の大きさに応じた電圧をシリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含む。掛け算部は、振幅演算部が出力した離散値信号に電力情報を掛け算する。スイッチングレギュレータ及び可変利得増幅部には、掛け算部から電力情報と掛け算された離散値信号が入力される。
【0032】
また、送信回路は、振幅演算部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備える構成であってもよい。振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、電力情報に応じた電圧をシリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含む。掛け算部は、振幅演算部が出力した離散値信号に電力情報を掛け算する。可変利得増幅部には、掛け算部から離散値信号が入力される。
【0033】
また、振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給する複数のシリーズレギュレータと、複数のシリーズレギュレータと振幅変調部との接続を切替えるスイッチと、振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を複数のシリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、複数のシリーズレギュレータは、スイッチを介して、振幅変調部と接続される第1のシリーズレギュレータと、第1のシリーズレギュレータよりもサイズが大きく、スイッチを介して、振幅変調部と接続される第2のシリーズレギュレータとを含む構成であってもよい。このような場合、振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値よりも小さいときに、第1のシリーズレギュレータと振幅変調部とが接続されるようにスイッチを切替え、デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値以上であるときに、第2のシリーズレギュレータと振幅変調部とが接続されるようにスイッチを切替える。
【0034】
また、振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給するスイッチングレギュレータと、振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧をスイッチングレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含む構成であってもよい。
【0035】
振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を振幅変調部に供給する複数のスイッチングレギュレータと、複数のスイッチングレギュレータと振幅変調部との接続を切替えるスイッチと、振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を複数のスイッチングレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、複数のスイッチングレギュレータは、スイッチを介して、振幅変調部と接続される第1のスイッチングレギュレータと、第1のスイッチングレギュレータよりもサイズが大きく、スイッチを介して、振幅変調部と接続される第2のスイッチングレギュレータとを含む構成であってもよい。このような場合、振幅増幅部は、デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値よりも小さいときに、第1のスイッチングレギュレータと振幅変調部とが接続されるようにスイッチを切替え、デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値以上であるときに、第2のスイッチングレギュレータと前記振幅変調部とが接続されるようにスイッチを切替える。
【0036】
また、本発明の送信回路は、入力データに基づいて、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号と、ベクトル信号の大きさを表す振幅信号とを生成する信号生成部と、振幅信号に所定の演算処理を施して、振幅信号の大きさに応じた複数の離散値を有する離散値信号を出力する振幅演算部と、離散値信号に基づいてベクトル信号を変調し、変調信号を生成する変調信号生成部と、離散値信号の大きさに応じた信号を出力する振幅増幅部と、変調信号を振幅増幅部から出力された信号に応じて増幅し、送信信号として出力する増幅部とを備える構成であってもよい。振幅演算部は、少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、所定時間毎に振幅信号が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を離散値信号として出力する。
【0037】
好ましくは、変調信号生成部は、ベクトル信号を離散値信号で割算する割算部と、割算部で割算されたベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部と、ベクトル変調部が出力した変調信号を離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部とを含む。
【0038】
また、変調信号生成部は、ベクトル信号を離散値信号で割算する割算部と、割算されたベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、量子化信号を離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部と、可変利得増幅部で増幅された量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部とを含む構成であってもよい。
【0039】
また、変調信号生成部は、ベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部とを含む構成であってもよい。信号処理部は、離散値信号の大きさと正特性の関係になるように、量子化信号の大きさを変更する。
【0040】
好ましくは、信号処理部は、離散値信号の大きさと正比例の関係になるように、量子化信号の大きさを変更する。
【0041】
信号処理部は、離散値信号の大きさに応じて、予め最適値が設定されたルックアップテーブルを参照して、量子化信号の大きさを変更する。
【0042】
好ましくは、信号処理部は、割算部から割算されたベクトル信号が入力され、入力されたベクトル信号を、入力されたベクトル信号の大きさを表す信号と、入力されたベクトル信号を入力されたベクトル信号の大きさを表す信号で割算することで算出される規格化ベクトル信号とに変換する信号変換部と、入力されたベクトル信号の大きさを表す信号をデルタシグマ変調するデルタシグマ変調部と、デルタシグマ変調された信号と、規格化ベクトル信号とを掛け算し、量子化信号として出力する掛け算部とを含む。
【0043】
信号処理部は、割算部から割算されたベクトル信号が入力されるベクトル演算部と、ベクトル演算部の出力信号を量子化し、量子化信号として出力するベクトル量子化部とを含む。ベクトル演算部は、入力された信号から量子化信号を引き算するベクトル引き算部と、ベクトル引き算部を介して入力された信号を積分して出力するベクトル積分部とを有する。
【0044】
好ましくは、信号処理部は、ベクトル演算部の出力にさらに1つ以上のベクトル演算部を備える。
【0045】
好ましくは、送信回路は、増幅部が出力した送信信号から量子化雑音を除去するバンドパスフィルタをさらに備える。
【0046】
あるいは、送信回路は、振幅増幅部から出力された信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えてもよい。
【0047】
所定時間とは、送信回路の出力電力を制御する時間よりも短い時間である。好ましくは、振幅演算部は、送信信号の包絡線の変動幅に応じて、所定時間の長さを変化させる。具体的には、振幅演算部は、送信信号の包絡線の変動幅が少ない場合、所定時間を短く変化させ、送信信号の包絡線の変動幅が大きい場合、所定時間を長く変化させる。
【0048】
あるいは、振幅演算部は、送信信号の変調モードに応じて、所定時間の長さを変化させてもよい。
【0049】
好ましくは、送信回路は、信号生成部の出力に、振幅信号、又は位相信号のうち少なくともいずれかの信号を、少なくとも振幅変調部で発生する歪みが抑制されるように補償する歪み補償部をさらに備える。
【0050】
あるいは、送信回路は、信号生成部の出力に、振幅信号、又はベクトル信号のうち少なくともいずれかの信号を、少なくとも増幅部で発生する歪みが抑制されるように補償する歪み補償部をさらに備える。
【0051】
また、本発明は、上述した送信回路を備える通信機器にも向けられている。通信機器は、送信信号を生成する送信回路と、送信回路で生成された送信信号を出力するアンテナとを備える。また、通信機器は、アンテナから受信した受信信号を処理する受信回路と、送信回路で生成された送信信号をアンテナに出力し、アンテナから受信した受信信号を受信回路に出力するアンテナ共用部とをさらに備える構成であってもよい。
【発明の効果】
【0052】
以上のように、本発明の送信回路によれば、デルタシグマ変調部が、包絡線の変動が小さな振幅信号をデルタシグマ変調するので、デルタシグマ変調時に発生する量子化雑音を低減することができる。このため、量子化雑音を低減するためのフィルタには、急峻な特性が求められず、消費電力及びサイズを小さくすることができる。これによって、送信回路は、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力することができる。
【0053】
また、送信回路は、振幅増幅部がシリーズレギュレータとスイッチングレギュレータとを含み、シリーズレギュレータとスイッチングレギュレータとの特性を利用して、振幅変調部にデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を供給する。これによって、送信回路は、さらに高効率かつ低歪みに動作することができる。
【0054】
また、送信回路は、振幅演算部の後段に、タイミング制御部を備えることで、スイッチングレギュレータの立ち上がりの不安定さを解消し、さらに低歪みな動作を実現することができる。また、送信回路は、出力電力の大きさを示す電力情報に基づいて、振幅増幅部が振幅変調部に供給する電圧を振幅変調部にとって最適なレベルに調整することで、さらに高効率かつ低歪みな動作を実現することができる。
【0055】
また、送信回路は、信号処理部が、I信号及びQ信号を離散値信号で割算することで算出されたIv信号及びQv信号を量子化するので、量子化時に発生する量子化雑音を低減することができる。このため、量子化雑音を低減するためのフィルタには、急峻な特性が求められず、消費電力及びサイズを小さくすることができる。これによって、送信回路は、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力することができる。
【0056】
また、本発明の送信回路は、少なくとも振幅変調部あるいは増幅部で発生する歪みを補償するための歪み補償部をさらに備えることで、より低歪みな動作を実現することができる。さらに、通信機器は、上述した送信回路を用いることで、出力電力の大きさに関係なく、送信信号の精度を確保しつつ、かつ低消費電力で動作することができる。
【0057】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信回路1の構成の一例を示すブロック図である。図1において、送信回路1は、信号生成部11、振幅演算部12、割算部13、デルタシグマ変調部14、可変利得増幅部15、振幅増幅部16、角度変調部17、振幅変調部18、バンドパスフィルタ(BPF)19、電源端子20、及び出力端子21を備える。信号生成部11は、入力データを信号処理することによって得られる振幅成分及び位相成分に基づいて、振幅信号m(t)及び位相信号を生成する。なお、信号生成部11は、極座標系の信号である振幅信号m(t)及び位相信号を生成するので、極座標信号生成部と記してもよい。
【0059】
振幅信号m(t)は、振幅演算部12、及び割算部13に入力される。振幅演算部12は、振幅信号m(t)に所定の演算処理を施して、振幅信号m(t)の大きさに応じて制御された複数の離散値を有する離散値信号V(t)を出力する。振幅演算部12の詳細については後述する。離散値信号V(t)は、割算部13及び可変利得増幅部15に入力される。割算部13は、振幅信号m(t)を離散値信号V(t)で割算し、振幅信号M(t)として出力する。振幅信号M(t)は、離散値信号V(t)で割算されているので、振幅信号m(t)に比べて、包絡線の変動が小さな信号となる。典型的には、振幅信号M(t)は、振幅信号m(t)の大きさに関係なく、包絡線の大きさがほぼ一定の信号となる。ここで、振幅信号M(t)は、式(1)を用いて表すことができる。
M(t)=m(t)/V(t) ・・・(式1)
【0060】
振幅信号M(t)は、デルタシグマ変調部14に入力される。デルタシグマ変調部14は、振幅信号M(t)をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号D1として出力する(図2A参照)。デルタシグマ変調部14は、包絡線の変動が小さな振幅信号M(t)をデルタシグマ変調するので、デルタシグマ変調時に発生する量子化雑音を抑制することができる。デルタシグマ変調信号D1は、可変利得増幅部15に入力される。可変利得増幅部15は、離散値信号V(t)の大きさに応じた利得でデルタシグマ変調信号D1を増幅し、デルタシグマ変調信号D2として出力する(図2B参照)。デルタシグマ変調信号D2は、可変利得増幅部15で増幅されることで、図2Bに示すように、包絡線の最大値が振幅信号m(t)に応じて変動する信号となる。振幅増幅部16には、電源端子20から直流電圧が供給されている。振幅増幅部16は、可変利得増幅部15を介して入力されたデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧を振幅変調部18に供給する。典型的には、振幅増幅部16は、入力されたデルタシグマ変調信号D2の大きさに比例した電圧を振幅変調部18に供給する。なお、振幅増幅部16は、入力されたデルタシグマ変調信号D2の大きさに比例した電流を振幅変調部18に供給してもよい。
【0061】
一方、位相信号は、角度変調部17に入力される。角度変調部17は、位相信号を角度変調し、角度変調信号として出力する。角度変調信号は、振幅変調部18に入力される。振幅変調部18は、角度変調信号を振幅増幅部16から供給された電圧に応じて増幅することで、角度変調信号を振幅変調し、角度変調及び振幅変調された変調信号として出力する。バンドパスフィルタ19は、変調信号に含まれる量子化雑音を除去する。バンドパスフィルタ19で量子化雑音が除去された変調信号は、出力端子21から送信信号として出力される。
【0062】
なお、送信回路1において、割算部13、デルタシグマ変調部14、及び可変利得増幅部15は、振幅信号m(t)と離散値信号V(t)とに基づいて、図2Bに示すようなデルタシグマ変調信号D2を生成するための構成あるので、まとめてデルタシグマ変調信号生成部と記すことができる。
【0063】
次に、振幅演算部12の詳細について説明する。振幅演算部12には、信号生成部11から振幅信号m(t)が入力される。振幅演算部12は、少なくとも1つ以上のしきい値と、当該1つ以上のしきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持している。振幅演算部12は、所定の検出時間T毎に振幅信号m(t)の最大値が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択する。なお、振幅演算部12は、所定の検出時間T毎に振幅信号m(t)に含まれるいずれかの値が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択してもよい。
【0064】
図3は、振幅演算部12の構成の一例を示すブロック図である。図3において、振幅演算部12は、最大振幅検出部121と量子化部122とで構成される。この場合、最大振幅検出部121には、信号生成部11から振幅信号m(t)が入力される。最大振幅検出部121は、所定の検出時間T毎に、振幅信号m(t)の最大値を検出する。図4Aは、最大振幅検出部121に入力される振幅信号m(t)の波形の一例を示す図である。図4Aを参照して、検出時間Tは、振幅信号m(t)の波形のシンボル時間よりも長く、かつ送信回路1の平均出力電力を制御する時間(以下、スロット時間と記す)よりも短い時間に設定される。最大振幅検出部121は、検出時間T毎に、振幅信号m(t)のサンプリング点の最大値を検出する。例えば、検出時間Tをシンボル時間の16倍とし、サンプリング時間をシンボル時間の8倍とすると、検出時間Tにおいては、1024のサンプリング点が存在することになる。
【0065】
量子化部122は、少なくとも1つ以上のしきい値と、当該1つ以上のしきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持している。量子化部122は、振幅信号m(t)の最大値が1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択する。図4Bは、量子化部122の出力信号の波形の一例を示す図である。この例では、量子化部122は、1つのしきい値Aと、当該しきい値Aに対応した2つの離散値B1,B2とを保持しているものとする。ただし、B1>B2である。図4Bに示すように、量子化部122は、振幅信号m(t)の最大値の大きさが、しきい値Aを超えるときは離散値B1を、しきい値Aを超えないときは離散値B2を選択し、離散値信号V(t)として出力する。
【0066】
なお、上述した説明では簡略化のため、量子化部122が1つのしきい値Aを設定して、2つの離散値B1,B2を出力する場合を示したが、量子化部122は、2つのしきい値を設定して3つの離散値を出力してもよいし、さらに多くのしきい値を設定して多くの離散値を出力することも可能である。
【0067】
図5は、振幅信号m(t)と離散値信号V(t)との関係を示す図である。ただし、点線は、検出時間Tの代わりに、スロット時間を用いた場合に出力される離散値信号を参考のために示している。図5に示すように、振幅演算部12は、検出時間Tをスロット時間よりも短い時間に設定することで、スロット時間よりも短い時間毎に、振幅信号m(t)の大きさに応じて制御された離散値信号V(t)を出力することができる。これによって、送信回路1は、スロット時間よりも短い時間毎に送信信号の電力を制御することができ、スロット時間毎に送信信号の電力を制御する場合よりも、消費電力を低減することができる。
【0068】
ここで、第1の実施形態に係る送信回路1において、検出時間Tを決定する方法についてもう少し詳しく説明する。上述したように、検出時間Tは、振幅信号m(t)の波形のシンボル時間よりも長く、かつスロット時間よりも短い時間に設定されるが、この条件を満たす範囲において、以下のように設定される。なお、W−CDMAシステムの場合、シンボル時間は、0.26μs(1/3.84MHz)に、スロット時間は666μsに設定される。
【0069】
送信回路1は、検出時間Tを、振幅信号m(t)の波形のシンボル時間よりも長く、かつスロット時間よりも短い時間を満たす範囲において、長めに設定したとき、振幅増幅部16に求められる速度が比較的低速となる。このため、特に振幅増幅部16をスイッチングレギュレータで構成した場合に、振幅増幅部16の効率が高くなるという利点が生じる。ただし、検出時間Tを長めに設定することで、振幅信号m(t)が小さくても、振幅増幅部16の出力信号が高いままの区間が大きくなるので、送信回路1としての損失は増すことになる。
【0070】
一方、送信回路1は、検出時間Tを、振幅信号m(t)の波形のシンボル時間よりも長く、かつスロット時間よりも短い時間を満たす範囲において、短めに設定したとき、振幅増幅部16の出力信号が、振幅信号m(t)の大きさに応じて細かく制御されるので、送信回路1としての損失が低減されるという利点が生じる。ただし、検出時間Tを短めに設定することで、振幅増幅部16に求められる速度が比較的高速になり、振幅増幅部16の効率が低下することになる。すなわち、検出時間Tは、これらトレードオフの関係を考慮して、送信回路1が最も効率良く動作するように設定される。
【0071】
次に、振幅増幅部16の詳細について説明する。振幅増幅部16は、振幅変調部18に安定した電圧を供給するため、例えば、シリーズレギュレータ、あるいはスイッチングレギュレータで構成される。図6Aは、シリーズレギュレータ16aの構成の一例を示すブロック図である。図6Aにおいて、シリーズレギュレータ16aは、入力端子161a、比較器162、電源端子163a、トランジスタ164、及び出力端子165aを含む。ここでは、トランジスタ164を電界効果トランジスタとする。入力端子161aには、可変利得増幅部15を介してデルタシグマ変調信号D2が入力される。デルタシグマ変調信号D2は、比較器162を介してトランジスタ164のゲート端子に入力される。トランジスタ164のドレイン端子には、電源端子163aから直流電圧が供給されている。
【0072】
トランジスタ164は、入力されたデルタシグマ変調信号D2の大きさに比例した電圧をソース端子から出力する。トランジスタ164のソース端子から出力された電圧は、比較器162にフィードバックされる。比較器162は、フィードバックされた電圧に基づいて、トランジスタ164のゲート端子に入力されるデルタシグマ変調信号D2の大きさを調整する。このようにして、シリーズレギュレータ16aは、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧を出力端子165aから安定して供給することができる。なお、トランジスタ164は、バイポーラトランジスタであっても同様の効果が得られる。
【0073】
図6Bは、スイッチングレギュレータ16bの構成の一例を示すブロック図である。図6Bにおいて、スイッチングレギュレータ16bは、入力端子161b、信号変換部166、電源端子163b、増幅器167、ローパスフィルタ168、及び出力端子165bを含む。入力端子161bには、可変利得増幅部15を介してデルタシグマ変調信号D2が入力される。信号変換部166は、入力端子161bを介して入力された信号をPWM等のスイッチング信号に変換する。信号変換部166で変換された信号は、増幅器167に入力される。増幅器167は、入力された信号を増幅して出力する。なお、増幅器167には、電源端子163bから直流電圧が供給されている。増幅器167には、D級アンプなどの高効率スイッチングアンプが用いられる。
【0074】
増幅器167が出力した信号は、ローパスフィルタ168に入力される。ローパスフィルタ168は、増幅器167が出力した信号から量子化雑音やスイッチング雑音などのスプリアス成分を除去する。ローパスフィルタ168でスプリアス成分が除去された信号は、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧として、出力端子165bから出力される。なお、スイッチングレギュレータ16bは、出力する電圧を安定化させるために、ローパスフィルタ168から出力される信号を、信号変換部166にフィードバックしてもよい。
【0075】
また、スイッチングレギュレータは、図2Bに示すように離散的に大きさが変化するデルタシグマ変調信号D2が入力されるので、図6Cに示すスイッチングレギュレータ16cのように構成することもできる。図6Cは、スイッチングレギュレータ16cの構成の一例を示すブロック図である。図6Cにおいて、スイッチングレギュレータ16cは、図6Bに示すスイッチングレギュレータ16bと比較して、信号変換部166とローパスフィルタ168とを備えない構成である。増幅器167は、入力端子161bを介して入力されたデルタシグマ変調信号D2を増幅して出力する。増幅器167には、D級アンプなどの高効率スイッチングアンプが用いられる。
【0076】
また、振幅増幅部16は、電流駆動型のレギュレータで構成されてもよい。図6Dは、電流駆動型のレギュレータ16dの構成の一例を示すブロック図である。図6Dにおいて、電流駆動型のレギュレータ16dは、入力端子161d、電源端子163d、可変電流源169、トランジスタ164x、トランジスタ164y、及び出力端子165dを含む。入力端子161dには、可変利得増幅部15からデルタシグマ変調信号D2が入力される。電源端子163dには、直流電圧が供給されている。入力端子161dを介して入力されたデルタシグマ変調信号D2は、可変電流源169、トランジスタ164x、及びトランジスタ164yを介して、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電流として、出力端子165dから出力される。このような電流駆動型のレギュレータ16dは、振幅変調部18がバイポーラトランジスタで構成されているときに有用である。なお、トランジスタ164x、及びトランジスタ164yは、電界効果トランジスタであっても、バイポーラトランジスタであっても同様の効果が得られる。
【0077】
図7Aは、振幅変調部18の構成の一例を示すブロック図である。図7Aにおいて、振幅変調部18は、入力端子181、整合回路182、バイアス回路183、電源端子184、電源端子185、バイアス回路186、トランジスタ187、整合回路188、及び出力端子189を含む。ここでは、トランジスタ187をバイポーラトランジスタとする。入力端子181には、角度変調部17から角度変調信号が入力される。角度変調信号は、整合回路182を介して、トランジスタ187のベース端子に入力される。
【0078】
また、電源端子184には、直流電圧が印加されている。すなわち、トランジスタ187のベース端子には、電源端子184、及びバイアス回路183を介して、バイアス電圧が供給される。電源端子185には、振幅増幅部16からデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧が供給される。デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧は、バイアス回路186を介して、トランジスタ187のコレクタ端子に供給される。トランジスタ187は、角度変調信号をデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧で増幅して出力する。
【0079】
トランジスタ187から出力された変調信号は、整合回路188を介して、出力端子189から送信信号として出力される。なお、トランジスタ187は、電界効果トランジスタであっても同様の効果が得られる。また、振幅変調部18は、電源端子184と、電源端子185とに入力される電圧を入替えてもよく、この場合も、同様の効果を得ることができる。また、振幅増幅部16が電流駆動型のレギュレータ16dで構成されている場合、電源端子185には、電流駆動型のレギュレータ16dからデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電流が入力される。この場合、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電流は、バイアス回路186を介して、トランジスタ187のコレクタ端子に入力される。トランジスタ187は、角度変調信号をデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電流で増幅して出力する。
【0080】
なお、振幅変調部18は、上述した振幅変調部18aとは異なる構成であってもよい。図7Bは、振幅変調部18bの構成の一例を示すブロック図である。図7Bにおいて、振幅変調部18bは、基本的には、上述した振幅変調部18aを直列に2つ接続した構成である。ここでは、トランジスタ187、及びトランジスタ191をバイポーラトランジスタとする。トランジスタ187のベース端子には、バイアス回路183を介して、電源端子184からバイアス電圧が供給される。トランジスタ191のベース端子には、バイアス回路194を介して、電源端子190からバイアス電圧が供給される。
【0081】
トランジスタ187のコレクタ端子には、電源端子185、及びバイアス回路186を介して、振幅増幅部16からデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧が供給される。また、トランジスタ191のコレクタ端子には、電源端子185、及びバイアス回路192を介して、振幅増幅部16からデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧が供給される。このような構成によって、振幅変調部18bは、図7Aに示した振幅変調部18aと比較して、より大きなダイナミックレンジを有する変調信号を出力することができる。なお、トランジスタ187、及びトランジスタ191を電界効果トランジスタとしても同様の効果が得られる。また、2つのバイアス回路186、192に供給される電圧は全く同じである必要はない。すなわち、一方のバイアス回路へ供給される電圧が固定電圧であって、他方のバイアス回路へ供給される電圧のみがデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧であってもよい。
【0082】
なお、上述した送信回路1は、振幅変調部18の出力信号に量子化雑音があまり含まれていない場合には、バンドパスフィルタ19を備えない構成であってもよい。また、送信回路1は、図8Aに示す送信回路1aのように、バンドパスフィルタ19の代わりに、振幅増幅部16と振幅変調部18との間にローパスフィルタ(LPF)19aを備える構成であってもよい。図8Aは、本発明の第1の実施形態に係る送信回路1aの構成の一例を示すブロック図である。図8Aにおいて、ローパスフィルタ19aは、振幅増幅部16から出力された信号から量子化雑音を除去する。また、図示しないが、送信回路1は、デルタシグマ変調信号生成部と振幅増幅部16との間にローパスフィルタ19aを備える構成であってもよい。この場合、ローパスフィルタ19aは、デルタシグマ変調信号生成部が出力するデルタシグマ変調信号から量子化雑音を除去する。
【0083】
ここで、図1に示す送信回路1と、図8Aに示す送信回路1aとの違いについてもう少し詳しく説明する。図1に示すように振幅変調部18の後段にバンドパスフィルタ19を備える場合、バンドパスフィルタ19は、変調信号の周波数に応じて、通過させる周波数帯を制御する必要がある。一方、図8Aに示すように振幅変調部18の前段にローパスフィルタ19aを備える場合、ローパスフィルタ19aは、変調信号の周波数に応じて、通過させる周波数帯を制御する必要がなくなる。すなわち、振幅変調部18の前段にローパスフィルタ19aを備える方が簡単な制御で量子化雑音を除去することが可能となる。
【0084】
ただし、図8Aに示すように振幅変調部18の前段にローパスフィルタ19aを備える場合、振幅変調部18は、ローパスフィルタ19aを介して入力される信号を用いて、線形に振幅変調を行う必要があり、振幅変調部18に高線形性が要求されることになる。一方、図1に示すように振幅変調部18の後段にバンドパスフィルタ19を備えた場合、振幅変調部18には、振幅増幅部16から離散的に大きさが変化する信号が入力されるため、振幅変調部18に要求される線形性が緩和されることになる。このようなメリット・デメリットを考慮して、送信回路が設計される。
【0085】
また、上述した送信回路1は、図8Bに示す送信回路1bのように、デルタシグマ変調信号生成部の構成が異なっていてもよい。図8Bは、本発明の第1の実施形態に係る送信回路1bの構成の一例を示すブロック図である。図8Bにおいて、送信回路1bは、信号生成部11、振幅演算部12、デルタシグマ変調部14b、振幅増幅部16、角度変調部17、振幅変調部18、バンドパスフィルタ19、電源端子20、及び出力端子21を備える。デルタシグマ変調信号生成部は、デルタシグマ変調部14bを含む。デルタシグマ変調部14bには、振幅信号m(t)及び離散値信号V(t)が入力される。
【0086】
デルタシグマ変調部14bは、離散値信号V(t)の大きさと正特性の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する。典型的には、デルタシグマ変調部14bは、離散値信号V(t)の大きさと正比例の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する。具体的には、デルタシグマ変調部14bは、予め最適値が設定されたルックアップテーブルを参照したり、離散値信号V(t)に基づいて所定の演算処理を行うことによって、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを算出する。これによって、デルタシグマ変調信号生成部は、図2Bと同様のデルタシグマ変調信号を出力することができる。出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更する具体例として、例えば、離散値信号V(t)が小さい場合には、デルタシグマ変調部14bの内部に含まれる量子化器は、その入力が1以上のときは1を、そうでない場合は0を出力し、離散値信号V(t)が大きい場合には、デルタシグマ変調部14bの内部に含まれる量子化器は、その入力が2以上のときは2を、そうでないときは0を出力するといった構成が考えられる。
【0087】
また、上述した送信回路1は、図8Cに示す送信回路1cのように、角度変調部の代わりに、信号生成部11cが角度変調信号を生成する構成であってもよい。図8Cは、本発明の第1の実施形態に係る送信回路1cの構成の一例を示すブロック図である。図8Cにおいて、信号生成部11cは、入力データに所定の信号処理を施して、振幅信号m(t)と角度変調信号とを生成する。図8Dは、信号生成部11cの構成の一例を示すブロック図である。図8Dにおいて、信号生成部11cは、直交信号生成部111、ベクトル変調部112、包絡線検波部113、及びリミッタ114を含む。直交信号生成部111は、入力データを信号処理して、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号を生成する。ベクトル信号は、ベクトル変調部112に入力される。
【0088】
ベクトル変調部112は、ベクトル信号をベクトル変調する。ベクトル変調部112には、例えば、直交変調器が用いられる。ベクトル変調部112から出力された信号は、包絡線検波部113及びリミッタ114に入力される。包絡線検波部113は、ベクトル変調部112から出力された信号の包絡線成分を検波し、検波した包絡線成分を振幅信号m(t)として出力する。リミッタ114は、ベクトル変調部112から出力された信号の包絡線成分を一定の大きさに制限し、大きさを制限した信号を角度変調信号として出力する。以降の動作は、送信回路1の動作と同一である。
【0089】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る送信回路1によれば、デルタシグマ変調部14が、包絡線の変動が小さな振幅信号M(t)をデルタシグマ変調するので、デルタシグマ変調時に発生する量子化雑音を低減することができる。このため、量子化雑音を低減するためのフィルタには、急峻な特性が求められず、消費電力及びサイズを小さくすることができる。これによって、送信回路1は、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力することができる。
【0090】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る送信回路2の構成の一例を示すブロック図である。図9において、送信回路2は、信号生成部11、振幅演算部12、割算部13、デルタシグマ変調部14、可変利得増幅部15、振幅増幅部26、角度変調部17、振幅変調部18、バンドパスフィルタ19、電源端子20、及び出力端子21を備える。送信回路2は、振幅増幅部26の構成が第1の実施形態と異なっている。振幅増幅部26は、シリーズレギュレータ26aと、スイッチングレギュレータ26bとを含む。なお、送信回路2において、送信回路1と同一の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0091】
スイッチングレギュレータ26bには、振幅演算部12から離散値信号V(t)が入力される。また、スイッチングレギュレータ26bには、電源端子20から直流電圧が供給されている。スイッチングレギュレータ26bは、離散値信号V(t)の大きさに応じた電圧をシリーズレギュレータ26aに供給する。シリーズレギュレータ26aには、可変利得増幅部15からデルタシグマ変調信号D2が入力される。シリーズレギュレータ26aは、入力されたデルタシグマ変調信号D2をスイッチングレギュレータ26bから供給された電圧で増幅することで、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧を振幅変調部18に供給する。
【0092】
シリーズレギュレータ26aは、スイッチングレギュレータ26bから供給される電圧が離散値信号V(t)の大きさ応じて制御されているため、高効率に動作することができる。シリーズレギュレータ26aは、図6Aに示すシリーズレギュレータ16aと同様に構成することができる。スイッチングレギュレータ26bは、図6Bに示すスイッチングレギュレータ16b、あるいは図6Cに示すスイッチングレギュレータ16cと同様に構成することができる。また、上述した振幅増幅部26は、図8A、図8B、及び図8Cに示すいずれの送信回路にも適用可能である。
【0093】
また、送信回路2は、図10Aに示す送信回路2aのように、タイミング制御部25aをさらに備える構成であってもよい。図10Aは、本発明の第2の実施形態に係る送信回路2aの構成の一例を示すブロック図である。図10Aにおいて、タイミング制御部25aは、振幅演算部12とスイッチングレギュレータ26bとの間に接続される。タイミング制御部25aは、スイッチングレギュレータ26bの立ち上がりを補償するように、振幅演算部12が出力した離散値信号V(t)をスイッチングレギュレータ26bに入力するタイミングを制御する。
【0094】
図10Bは、送信回路2aが扱う信号のタイミングチャートの一例を示す図である。以下、送信回路2aの動作について、図10Bを参照しながら説明する。振幅演算部12には、信号生成部11から振幅信号m(t)が入力される(図10B(a)参照)。振幅演算部12は、第1の実施形態と同様の処理を行なって、離散値信号V(t)を出力する(図10B(b)参照)。離散値信号V(t)は、タイミング制御部25aに入力される。
【0095】
タイミング制御部25aは、スイッチングレギュレータ26bの立ち上がりを補償するために、離散値信号V(t)を出力するタイミングをΔtxだけ進めて、離散値信号Vx(t)として出力する(図10B(c)参照)。離散値信号Vx(t)は、スイッチングレギュレータ26bに入力される。スイッチングレギュレータ26bは、離散値信号Vx(t)の大きさにに応じた電圧Vy(t)をシリーズレギュレータ26aに供給する(図10B(d)参照)。シリーズレギュレータ26aは、デルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧Vz(t)を振幅変調部18に供給する(図10B(e)参照)。
【0096】
このように、送信回路2aは、振幅演算部12とスイッチングレギュレータ26bとの間に、タイミング制御部25aを備えることで、スイッチングレギュレータ26bの立ち上がりの不安定さを解消し、さらに低歪みな動作を実現することができる。なお、タイミング制御部25aが、離散値信号V(t)を出力するタイミングをΔtxだけ進める代わりに、信号生成部11が割算部13側に出力する振幅信号m(t)と、角度変調部17に出力する位相信号とをΔtxだけ遅らせてもよい。
【0097】
また、送信回路2は、図11Aに示す送信回路2b、あるいは図11Bに示す送信回路2bのように、振幅増幅部26が備えるシリーズレギュレータ26aをスイッチングレギュレータ26cと置き換えた構成であってもよい。図11Aは、本発明の第2の実施形態に係る送信回路2bの構成の一例を示すブロック図である。図11B、本発明の第2の実施形態に係る送信回路2cの構成の一例を示すブロック図である。図11A及び図11Bにおいて、スイッチングレギュレータ26cは、図6Bに示すスイッチングレギュレータ16b、あるいは図6Cに示すスイッチングレギュレータ16cと同様に構成することができる。送信回路2は、シリーズレギュレータ26aの代わりに、スイッチングレギュレータ26cを備えることで、高効率に動作することができる。
【0098】
また、送信回路2は、図11Cに示す送信回路2dのように、シリーズレギュレータ26a1と、シリーズレギュレータ26a2と、スイッチングレギュレータ26bと、スイッチとから構成される振幅増幅部26を備える構成であってもよい。シリーズレギュレータ26a1と、シリーズレギュレータ26a2とはそれぞれサイズが異なるものとする。ここでは、シリーズレギュレータ26a1の方が、シリーズレギュレータ26a2よりもサイズが小さいものとする。振幅増幅部26は、振幅演算部12が出力する離散値信号V(t)の大きさに応じて、シリーズレギュレータ26a1、26a2と振幅変調部18との接続を切替える。
【0099】
このときの振幅増幅部26の動作を図11Dを用いて具体的に説明する。図11Dは、可変利得増幅部15が出力するデルタシグマ変調信号D2(t)の波形の一例を示す図である。デルタシグマ変調信号D2(t)と離散値信号V(t)とは、互いに比例する関係にあるので、図11Dに示す例では、離散値信号V(t)の大きさは区間T1では小さく、区間T2では大きく、区間T3では小さくなる。振幅増幅部26は、離散値信号V(t)の大きさが所定のしきい値よりも小さいときには(すなわち、区間T1、T3では)、シリーズレギュレータ26a1と振幅増幅部18とが接続されるようにスイッチを切替え、離散値信号V(t)の大きさが所定のしきい値以上であるときには(すなわち、区間T2では)、シリーズレギュレータ26a2と振幅増幅部18とが接続されるようにスイッチを切替える。これによって、送信回路2dは、離散値信号V(t)の大きさに応じて、最適なサイズのシリーズレギュレータを選択することができるので、より高効率に動作することができる。
【0100】
また、送信回路2dは、図11Eに示す送信回路2eのように、シリーズレギュレータ26a1、26a2をスイッチングレギュレータ26c1,26c2に置き換えた構成であってもよい。また、図示しないが、送信回路2d、2eは、さらにタイミング制御部25aを備えた構成であってもよい。
【0101】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る送信回路2によれば、振幅増幅部26がシリーズレギュレータ26aとスイッチングレギュレータ26bとを含み、シリーズレギュレータ26aとスイッチングレギュレータ26bとの特性を利用して、振幅変調部18にデルタシグマ変調信号D2の大きさに応じた電圧を供給する。これによって、送信回路2は、さらに高効率かつ低歪みに動作することができる。
【0102】
また、送信回路2は、振幅演算部12の後段に、タイミング制御部25aを備えることで、スイッチングレギュレータ26bの立ち上がりの不安定さを解消し、さらに低歪みな動作を実現することができる。
【0103】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3の構成の一例を示すブロック図である。図12において、送信回路3は、第1の実施形態に係る送信回路1と比較して、信号生成部11の後段に掛け算部27を備える。図13は、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3の動作を説明する図である。掛け算部27には、ベースバンドから出力され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報Pが入力される(図13(a)参照)。電力情報Pは、例えば、W−CDMAシステムの場合、基地局によって制御され、基地局との間の送信電力制御はスロット時間毎に行なわれる。なお、送信回路3は、基地局からの情報に基づいて、信号生成部11が電力情報Pを出力する構成であっても構わない。
【0104】
掛け算部27は、電力情報Pと振幅信号m(t)とを掛け算し、電力制御された振幅信号mp(t)として出力する(図13(b)参照)。振幅演算部12は、第1の実施形態と同様の処理を行なって、所定の時間毎に、振幅信号mp(t)の最大値に応じて離散値を選択し、当該選択した離散値を離散値信号Vp(t)として出力する(図13(c)参照)。なお、振幅演算部12は、この例では、3つのしきい値と、4つの離散値とを保持している。送信回路3の以降の動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。また、図示しないが、このような掛け算部27は、図8A、図8B、及び図8Cに示すいずれの送信回路にも適用可能である。
【0105】
また、第3の実施形態に係る送信回路3は、図14Aに示す送信回路3aのように、第2の実施形態に係る送信回路2にも適用可能である。図14Aは、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3aの構成の一例を示すブロック図である。図14Aにおいて、送信回路3aは、第2の実施形態に係る送信回路2と比較して、信号生成部11の後段に掛け算部27aをさらに備える。掛け算部27a及び振幅演算部12の動作は、上述した送信回路3と同様である。
【0106】
また、上述した送信回路3aは、図14Bに示す送信回路3bのように、掛け算部27bを振幅演算部12とスイッチングレギュレータ26bとの間に備える構成であってもよい。図14Bは、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3bの構成の一例を示すブロック図である。図14Bにおいて、掛け算部27bは、離散値信号V(t)と電力情報Pとを掛け算して、電力制御された離散値信号Vp(t)として出力する。離散値信号Vp(t)は、可変利得増幅部15及びスイッチングレギュレータ26bに入力される。送信回路3aの以降の動作は、第2の実施形態と同様であるので省略する。
【0107】
また、上述した送信回路3aは、図14Cに示す送信回路3cのように、掛け算部27cを振幅演算部12と可変利得増幅部15との間に備える構成であってもよい。図14Cは、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3cの構成の一例を示すブロック図である。図14Cにおいて、掛け算部27cは、離散値信号V(t)と電力情報Pとを掛け算して、電力制御された離散値信号Vp(t)として出力する。離散値信号Vp(t)は、可変利得増幅部15に入力される。また、スイッチングレギュレータ26bには、電力情報Pが入力される。スイッチングレギュレータ26bは、電力情報Pに応じた電圧をシリーズレギュレータ26aに供給する。シリーズレギュレータ26aは、スイッチングレギュレータ26bから供給される電圧が電力情報Pによって制御されているため、高効率に動作することができる。また、図示しないが、このような掛け算部27a〜cは、図10A、図11A、図11B、図11C、及び図11Eのいずれの送信回路にも適用可能である。
【0108】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る送信回路3によれば、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報Pに基づいて、振幅増幅部16,26が振幅変調部18に供給する電圧を振幅変調部18にとって最適なレベルに調整することで、さらに高効率かつ低歪みな動作を実現することができる。
【0109】
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態に係る送信回路4の構成の一例を示すブロック図である。図15において、送信回路4は、信号生成部41、振幅演算部42、割算部43、信号処理部44、ベクトル変調部45、可変利得増幅部46、振幅増幅部47、電源端子48、増幅部49、バンドパスフィルタ50、及び出力端子51を備える。信号生成部41は、入力データに基づいて、振幅信号m(t)と、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号とを生成する。なお、振幅信号m(t)は、(式2)を用いて表すことができる。振幅信号m(t)は、振幅演算部42に入力される。I信号及びQ信号は、割算部43に入力される。
m(t)=(I2+Q21/2 ・・・(式2)
【0110】
振幅演算部42は、上述した振幅演算部12と同様の動作を行って、離散値信号V(t)を出力する。離散値信号V(t)は、割算部43、可変利得増幅部46、及び振幅増幅部47に入力される。割算部43は、I信号及びQ信号を離散値信号V(t)で割算して、Iv信号及びQv信号として出力する。Iv信号及びQv信号は、(式3)を用いて表すことができる。
Iv,Qv=I/V(t),Q/V(t) ・・・(式3)
【0111】
割算部43から出力されたIv信号及びQv信号は、信号処理部44に入力される。信号処理部44は、入力されたIv信号及びQv信号を所定の信号処理に基づいて量子化して、量子化信号として出力する。信号処理部44の詳細については後述する。信号処理部44から出力された量子化信号は、ベクトル変調部45に入力される。ベクトル変調部45は、入力された量子化信号をベクトル変調し、変調信号として出力する。ベクトル変調部45から出力された変調信号は、可変利得増幅部46に入力される。可変利得増幅部46は、離散値信号V(t)の大きさに応じた利得で変調信号を増幅する。可変利得増幅部46で増幅された変調信号は、増幅部49に入力される。
【0112】
振幅増幅部47には、電源端子48から直流電圧が供給されている。振幅増幅部47は、振幅演算部42から入力された離散値信号V(t)の大きさに応じた電圧を増幅部49に供給する。典型的には、振幅増幅部47は、離散値信号V(t)の大きさに比例した電圧を増幅部49に供給する。なお、振幅増幅部47は、離散値信号V(t)の大きさに比例した電流を増幅部49に供給してもよい。増幅部49は、入力された変調信号を振幅増幅部47から供給された電圧に応じて増幅する。バンドパスフィルタ50は、変調信号に含まれる量子化雑音を除去する。バンドパスフィルタ50で量子化雑音が除去された信号は、出力端子51から送信信号として出力される。
【0113】
振幅増幅部47には、シリーズレギュレータ、スイッチングレギュレータ、あるいは電流駆動型レギュレータなどを用いることができる。シリーズレギュレータは、図6Aに示すシリーズレギュレータ16aと同様に構成することができる。スイッチングレギュレータは、図6Bに示すスイッチングレギュレータ16b、あるいは図6Cに示すスイッチングレギュレータ16cと同様の構成にすることができる。電流駆動型レギュレータは、図6Dに示す電流駆動型レギュレータ16dと同様に構成することができる。また、増幅部49は、図7A又は図7Bに示す振幅変調部18a,18bと同様に構成することができる。
【0114】
なお、送信回路4において、割算部43、信号処理部44、ベクトル変調部45、及び可変利得増幅部46は、離散値信号V(t)に基づいてI信号及びQ信号を変調し、増幅部49に入力する変調信号を生成するための構成であるので、まとめて変調信号生成部と記すことができる。
【0115】
次に、信号処理部44aの詳細について説明する。図16Aは、信号処理部44aの構成の一例を示すブロック図である。図16Aにおいて、信号処理部44aは、信号変換部441、デルタシグマ変調部442、掛け算部443、及び掛け算部444を含む。信号変換部441には、割算部43からIv信号及びQv信号が入力される。信号変換部441は、入力されたIv信号及びQv信号に基づいて、Iv信号及びQv信号の大きさを表す振幅信号mv(t)、規格化Iv信号、及び規格化Qv信号を出力する。振幅信号mv(t)は、(式4)を用いて表すことができる。
mv(t)=(Iv2+Qv21/2 ・・・(式4)
【0116】
規格化Iv信号は、入力されたIv信号を振幅信号mv(t)で割り算することによって算出される。同様に、規格化Qv信号は、入力されたQv信号を振幅信号mv(t)で割り算することによって算出される。なお、規格化Iv信号及び規格化Qv信号を、規格化ベクトル信号と記してもよい。
【0117】
振幅信号mv(t)は、デルタシグマ変調部442に入力される。デルタシグマ変調部442は、振幅信号mv(t)をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力する。掛け算部443は、規格化Iv信号と、デルタシグマ変調信号とを掛け算し、掛け算した信号を第1データとして出力する。掛け算部444は、規格化Qv信号と、デルタシグマ変調信号とを掛け算し、掛け算した信号を第2データとして出力する。第1データ及び第2データは、量子化信号として信号処理部44aから出力される。
【0118】
図16Bは、信号処理部44bの構成の一例を示すブロック図である。図16Bにおいて、信号処理部44bは、ベクトル引き算部445、ベクトル積分部446、及びベクトル量子化部447を含む。図16Bにおいて、信号処理部44bには、割算部43からIv信号及びQv信号が入力される。Iv信号及びQv信号は、ベクトル引き算部445を介して、ベクトル積分部446に入力される。ベクトル積分部446は、Iv信号及びQv信号をそれぞれ積分して出力する。ベクトル積分部446から出力された信号は、ベクトル量子化部447に入力される。ベクトル量子化部447は、入力された信号を量子化し、量子化信号として出力する。ベクトル引き算部445は、Iv信号及びQv信号からベクトル量子化部447の出力を引き算し、ベクトル積分部446に出力する。なお、ベクトル引き算部445、及びベクトル積分部446は、まとめてベクトル演算部と記してもよい。
【0119】
図16Cは、信号処理部44cの構成の一例を示すブロック図である。図16Cにおいて、信号処理部44cは、複数のベクトル引き算部445、複数のベクトル積分部446、及びベクトル量子化部447を含む。ベクトル引き算部445、ベクトル積分部446、及びベクトル量子化部447の動作は、図16Bで説明したものと同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0120】
また、上述した送信回路4は、増幅部49の出力信号に量子化雑音があまり含まれていない場合には、バンドパスフィルタ50を備えない構成であってもよい。また、送信回路4は、図17Aに示すように、バンドパスフィルタ50の代わりに、振幅増幅部47と増幅部49との間にローパスフィルタ50aを備える構成であってもよい。図17Aは、本発明の第4の実施形態に係る送信回路4aの構成の一例を示すブロック図である。図17Aにおいて、ローパスフィルタ50aは、振幅増幅部47から出力された信号から量子化雑音を除去する。
【0121】
また、上述した送信回路4は、図17Bに示す送信回路4bのように、ベクトル変調部45と可変利得増幅部46との位置を入替えた構成であってもよい。図17Bは、本発明の第4の実施形態に係る送信回路4bの構成の一例を示すブロック図である。図17Bにおいて、可変利得増幅部46には、信号処理部44から量子化信号が入力される。可変利得増幅部46は、離散値信号V(t)の大きさに応じた利得で量子化信号を増幅する。ベクトル変調部45は、可変利得増幅部46で増幅された量子化信号をベクトル変調し、変調信号として出力する。送信回路4bにおいて、可変利得増幅部46及びベクトル変調部45以外の動作は、送信回路4と同様である。
【0122】
また、上述した送信回路4は、図17Cに示す送信回路4cのような構成であってもよい。図17Cは、本発明の第4の実施形態に係る送信回路4cの構成の一例を示すブロック図である。図17Cにおいて、送信回路4cは、信号生成部41、振幅演算部42、信号処理部44c、ベクトル変調部45、振幅増幅部47、電源端子48、増幅部49、バンドパスフィルタ50、及び出力端子51を備える。信号処理部44cには、I,Q信号及び離散値信号V(t)が入力される。信号処理部44cは、離散値信号V(t)の大きさと正特性の関係になるように、出力する信号の大きさを変更する。典型的には、信号処理部44cは、離散値信号V(t)の大きさと正比例の関係になるように、出力する信号の大きさを変更する。なお、信号処理部44cとしては、図16Aに示す信号処理部44aや、図16Bに示す信号処理部44bを用いることができる。
【0123】
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る送信回路4によれば、信号処理部44が、I信号及びQ信号を離散値信号V(t)で割算することで算出されたIv信号及びQv信号を量子化するので、量子化時に発生する量子化雑音を低減することができる。このため、量子化雑音を低減するためのフィルタには、急峻な特性が求められず、消費電力及びサイズを小さくすることができる。これによって、送信回路4は、小型かつ高効率に動作し、線形性の高い送信信号を出力することができる。
【0124】
なお、上述した第1〜4の実施形態に係る送信回路において、振幅演算部12,42は、送信回路の消費電力をより低減させるために、送信信号の変調モードによって、所定時間Tの長さを変化させてもよい。図18は、所定時間Tの長さを変化させた場合の消費電力の低減効果を説明する図である。図18(a)に示すように、送信信号の包絡線の変動が少ない場合、振幅演算部12,42は、所定時間Tを短くしても消費電力の低減効果は少ない。このため、振幅演算部12,42は、所定時間Tを長めに変化させる。一方、図18(b)に示すように、送信信号の包絡線の変動が大きい場合、信号処理部12,42は、所定時間Tを短くすることによって、消費電力の低減効果を大きくすることができる。例えば、振幅演算部12,42は、QPSK変調モードよりも、16QAM変調モードの方が包絡線の変動が大きいので、16QAM変調モードのときに所定時間Tを短くする。これによって、振幅演算部12,42は、送信回路の消費電力をより低減させることができる。
【0125】
また、上述した第1〜3の実施形態に係る送信回路は、少なくとも振幅変調部18の非線形性を補償するために、信号生成部11の出力に、振幅信号および/または位相信号の歪みを補償する歪み補償部22をさらに備えてもよい。例えば、第1の実施形態に係る送信回路1は、図19に示す送信回路1dのような構成にすることができる。図19は、歪み補償部22を備える送信回路1dの構成の一例を示すブロック図である。図19において、歪み補償部22は、信号生成部11で生成された振幅信号、および/または位相信号を、少なくとも振幅変調部18で発生する歪みが抑圧されるように補償する。これによって、送信回路1dは、上述した送信回路よりも、送信信号の線形性を高めることができる。
【0126】
また、上述した第4の実施形態に係る送信回路は、少なくとも増幅部49の非線形性を補償するために、信号生成部41の出力に、振幅信号および/またはI,Q信号の歪みを補償する歪み補償部52をさらに備えてもよい。図20は、歪み補償部52を備える送信回路4dの構成の一例を示すブロック図である。図20において、歪み補償部52は、信号生成部41で生成された振幅信号、および/またはI,Q信号を、少なくとも増幅部49で発生する歪みが抑圧されるように補償する。これによって、送信回路4dは、上述した送信回路よりも、送信信号の線形性を高めることができる。
【0127】
(第5の実施形態)
図21は、本発明の第5の実施形態に係る通信機器の構成の一例を示すブロック図である。図21を参照して、第5の実施形態に係る通信機器200は、送信回路210、受信回路220、アンテナ共用部230、及びアンテナ240を備える。送信回路210は、上述した第1〜4のいずれかに記載の送信回路である。アンテナ共用部230は、送信回路210から出力された送信信号をアンテナ240に伝達し、受信回路220に送信信号が漏れるのを防ぐ。また、アンテナ共用部230は、アンテナ240から入力された受信信号を受信回路220に伝達し、受信信号が送信回路210に漏れるのを防ぐ。
【0128】
従って、送信信号は、送信回路210から出力され、アンテナ共用部230を介してアンテナ240から空間に放出される。受信信号は、アンテナ240で受信され、アンテナ共用部230を介して受信回路220で受信される。第5の実施形態に係る通信機器200は、第1〜4の実施形態に係る送信回路を用いることで、送信信号の線形性を確保しつつ、かつ無線装置としての低歪みを実現することができる。また、送信回路210の出力に方向性結合器などの分岐がないため、送信回路210からアンテナ240までの損失を低減することが可能であり、送信時の消費電力を低減することができ、無線通信機器として、長時間の使用が可能となる。なお、通信機器200は、送信回路210とアンテナ240とのみを備えた構成であってもよい。
【0129】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明に係る送信回路は、携帯電話や無線LANなどの通信機器等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送信回路1の構成の一例を示すブロック図
【図2A】デルタシグマ変調部14が出力するデルタシグマ変調信号D1の波形の一例を示す図
【図2B】可変利得増幅部15が出力するデルタシグマ変調信号D2の波形の一例を示す図
【図3】振幅演算部12の構成の一例を示すブロック図
【図4A】最大振幅検出部121に入力される振幅信号m(t)の波形の一例を示す図
【図4B】量子化部122の出力信号の波形の一例を示す図
【図5】振幅信号m(t)と離散値信号V(t)との関係を示す図
【図6A】シリーズレギュレータ16aの構成の一例を示すブロック図
【図6B】スイッチングレギュレータ16bの構成の一例を示すブロック図
【図6C】スイッチングレギュレータ16cの構成の一例を示すブロック図
【図6D】電流駆動型のレギュレータ16dの構成の一例を示すブロック図
【図7A】振幅変調部18aの構成の一例を示すブロック図
【図7B】振幅変調部18bの構成の一例を示すブロック図
【図8A】本発明の第1の実施形態に係る送信回路1aの構成の一例を示すブロック図
【図8B】本発明の第1の実施形態に係る送信回路1bの構成の一例を示すブロック図
【図8C】本発明の第1の実施形態に係る送信回路1cの構成の一例を示すブロック図
【図8D】信号生成部11cの構成の一例を示すブロック図
【図9】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2の構成の一例を示すブロック図であり、
【図10A】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2aの構成の一例を示すブロック図
【図10B】送信回路2aが扱う信号のタイミングチャートの一例を示す図
【図11A】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2bの構成の一例を示すブロック図
【図11B】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2cの構成の一例を示すブロック図
【図11C】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2dの構成の一例を示すブロック図
【図11D】可変利得増幅部15が出力するデルタシグマ変調信号D2の波形の一例を示す図
【図11E】本発明の第2の実施形態に係る送信回路2eの構成の一例を示すブロック図
【図12】本発明の第3の実施形態に係る送信回路3の構成の一例を示すブロック図
【図13】本発明の第3の実施形態に係る送信回路3の動作を説明する図
【図14A】本発明の第3の実施形態に係る送信回路3aの構成の一例を示すブロック図
【図14B】本発明の第3の実施形態に係る送信回路3bの構成の一例を示すブロック図
【図14C】本発明の第3の実施形態に係る送信回路3cの構成の一例を示すブロック図
【図15】本発明の第4の実施形態に係る送信回路4の構成の一例を示すブロック図
【図16A】信号処理部44aの構成の一例を示すブロック図
【図16B】信号処理部44bの構成の一例を示すブロック図
【図16C】信号処理部44cの構成の一例を示すブロック図
【図17A】本発明の第4の実施形態に係る送信回路4aの構成の一例を示すブロック図
【図17B】本発明の第4の実施形態に係る送信回路4bの構成の一例を示すブロック図
【図17C】本発明の第4の実施形態に係る送信回路4cの構成の一例を示すブロック図
【図18】所定時間Tの長さを変化させた場合の消費電力の低減効果を説明する図
【図19】歪み補償部22を備える送信回路1dの構成の一例を示すブロック図
【図20】歪み補償部52を備える送信回路4dの構成の一例を示すブロック図
【図21】本発明の第5の実施形態に係る通信機器の構成の一例を示すブロック図
【図22】従来の送信回路700の構成の一例を示すブロック図
【図23A】従来の送信回路800の構成の一例を示すブロック図
【図23B】データ生成部81の構成の一例を示すブロック図
【図24A】従来の送信回路900の構成の一例を示すブロック図
【図24B】データ変換部92の構成の一例を示すブロック図
【符号の説明】
【0132】
1〜4 送信回路
11,11c 信号生成部
111 直交信号生成部
112 ベクトル変調部
113 包絡線検波部
114 リミッタ
12 振幅演算部
121 最大振幅検出部
122 量子化部
123 DAコンバータ(DAC)
13 割算部
14 デルタシグマ変調部
15 可変利得増幅部
16,26 レギュレータ
16a シリーズレギュレータ
16b スイッチングレギュレータ
16c 電流駆動型レギュレータ
161 入力端子
162 比較器
163 電源端子
164 トランジスタ
165 出力端子
166 信号変換部
167 増幅器
168 ローパスフィルタ
169 可変電流源
17 角度変調部
18 振幅変調部
181 入力端子
182,188,193 整合回路
183,186,192,194 バイアス回路
184,185,190 電源端子
187,191 トランジスタ
189 出力端子
19 バンドパスフィルタ(BPF)
19a ローパスフィルタ(LPF)
20 電源端子
21 出力端子
22 歪み補償部
27 掛け算部
41 信号生成部
42 振幅演算部
43 割算部
44 信号処理部
441 信号変換部
442 デルタシグマ変調部
443,444 掛け算部
445 ベクトル引き算部
446 ベクトル積分部
447 ベクトル量子化部
45 ベクトル変調部
47 レギュレータ
48 電源端子
49 増幅部
50 バンドパスフィルタ(BPF)
50a ローパスフィルタ(LPF)
51 出力端子
52 歪み補償部
200 通信機器
210 送信回路
220 受信回路
230 アンテナ共用部
240 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データに基づいて送信信号を生成して出力する送信回路であって、
前記入力データに所定の信号処理を施して、振幅信号と角度変調信号とを生成する信号生成部と、
前記振幅信号に所定の演算処理を施して、前記振幅信号の大きさに応じた複数の離散値を有する離散値信号として出力する振幅演算部と、
前記振幅信号を前記離散値信号に基づいてデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調信号生成部と、
前記デルタシグマ変調信号の大きさに応じた信号を出力する振幅増幅部と、
前記角度変調信号を前記振幅増幅部から出力された信号に応じて増幅することで、前記角度変調信号を振幅変調し、角度変調及び振幅変調された送信信号として出力する振幅変調部とを備え、
前記振幅演算部は、
少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、
所定時間毎に前記振幅信号が前記1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を前記離散値信号として出力することを特徴とする、送信回路。
【請求項2】
前記デルタシグマ変調信号生成部は、
前記振幅信号を前記離散値信号で割算し、包絡線の変動が小さな振幅信号として出力する割算部と、
前記割算部が出力した振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調部と、
前記デルタシグマ変調信号を前記離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項3】
前記デルタシグマ変調信号生成部は、前記振幅信号をデルタシグマ変調し、デルタシグマ変調信号として出力するデルタシグマ変調部を含み、
前記デルタシグマ変調部は、前記離散値信号の大きさと正特性の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項4】
前記デルタシグマ変調部は、前記離散値信号の大きさと正比例の関係になるように、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項3に記載の送信回路。
【請求項5】
前記デルタシグマ変調部は、前記離散値信号の大きさに応じて、予め最適値が設定されたルックアップテーブルを参照して、出力するデルタシグマ変調信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項3に記載の送信回路。
【請求項6】
前記信号生成部は、
前記入力データを信号処理することによって得られる振幅成分及び位相成分に基づいて、振幅信号及び位相信号を生成する極座標信号生成部と、
前記位相信号を角度変調して、前記角度変調信号として出力する角度変調部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項7】
前記信号生成部は、
前記入力データを信号処理することによって、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号を生成する直交信号生成部と、
前記ベクトル信号をベクトル変調するベクトル変調部と、
前記ベクトル変調部から出力された信号の包絡線成分を検波し、当該検波した包絡線成分を前記振幅信号として出力する包絡線検波部と、
前記ベクトル変調部から出力された信号の包絡線成分を一定の大きさに制限し、大きさを制限した信号を前記角度変調信号として出力するリミッタとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項8】
前記振幅演算部は、
前記所定時間毎に前記振幅信号の最大値を検出する最大振幅検出部と、
少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、前記所定時間毎に前記振幅信号の最大値が前記1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を前記離散値信号として出力する量子化部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項9】
前記振幅変調部の後段に接続され、前記振幅変調部が出力した送信信号から量子化雑音を除去するバンドパスフィルタをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項10】
前記振幅増幅部と前記振幅変調部との間に接続され、前記振幅増幅部から出力された信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項11】
前記デルタシグマ変調信号生成部と前記振幅増幅部との間に接続され、前記デルタシグマ変調信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項12】
前記振幅増幅部は、スイッチングレギュレータで構成され、前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給することを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項13】
前記振幅増幅部は、シリーズレギュレータで構成され、前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給することを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項14】
前記振幅増幅部は、電流駆動型レギュレータで構成され、前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電流を前記振幅変調部に供給することを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項15】
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、
前記振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を前記シリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項16】
前記振幅演算部と前記スイッチングレギュレータとの間に接続され、前記スイッチングレギュレータの立ち上がりを補償するように、前記振幅演算部から出力された離散値信号を前記スイッチングレギュレータに入力するタイミングを制御するタイミング制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項15に記載の送信回路。
【請求項17】
前記信号生成部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備え、
前記掛け算部は、前記信号生成部が生成した振幅信号に前記電力情報を掛け算し、
前記振幅演算部及び前記デルタシグマ変調信号生成部には、前記掛け算部から振幅信号が入力されることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項18】
前記振幅演算部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備え、
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、
前記掛け算部の出力信号の大きさに応じた電圧を前記シリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、
前記掛け算部は、前記振幅演算部が出力した離散値信号に前記電力情報を掛け算し、
前記スイッチングレギュレータ及び前記可変利得増幅部には、前記掛け算部から前記電力情報と掛け算された離散値信号が入力されることを特徴とする、請求項2に記載の送信回路。
【請求項19】
前記振幅演算部の後段に接続され、送信回路の出力電力の大きさを示す電力情報が入力される掛け算部をさらに備え、
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給するシリーズレギュレータと、
前記電力情報に応じた電圧を前記シリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、
前記掛け算部は、前記振幅演算部が出力した離散値信号に前記電力情報を掛け算し、
前記可変利得増幅部には、前記掛け算部から離散値信号が入力されることを特徴とする、請求項2に記載の送信回路。
【請求項20】
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給する複数のシリーズレギュレータと、
前記複数のシリーズレギュレータと前記振幅変調部との接続を切替えるスイッチと、
前記振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を前記複数のシリーズレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、
前記複数のシリーズレギュレータは、前記スイッチを介して、前記振幅変調部と接続される第1のシリーズレギュレータと、前記第1のシリーズレギュレータよりもサイズが大きく、前記スイッチを介して、前記振幅変調部と接続される第2のシリーズレギュレータとを含み、
前記デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値よりも小さいときに、前記第1のシリーズレギュレータと前記振幅変調部とが接続されるように前記スイッチを切替え、前記デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値以上であるときに、前記第2のシリーズレギュレータと前記振幅変調部とが接続されるように前記スイッチを切替えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項21】
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給するスイッチングレギュレータと、
前記振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を前記スイッチングレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項22】
前記振幅増幅部は、
前記デルタシグマ変調信号生成部で生成されたデルタシグマ変調信号の大きさに応じた電圧を前記振幅変調部に供給する複数のスイッチングレギュレータと、
前記複数のスイッチングレギュレータと前記振幅変調部との接続を切替えるスイッチと、
前記振幅演算部から出力された離散値信号の大きさに応じた電圧を前記複数のスイッチングレギュレータに供給するスイッチングレギュレータとを含み、
前記複数のスイッチングレギュレータは、前記スイッチを介して、前記振幅変調部と接続される第1のスイッチングレギュレータと、前記第1のスイッチングレギュレータよりもサイズが大きく、前記スイッチを介して、前記振幅変調部と接続される第2のスイッチングレギュレータとを含み、
前記デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値よりも小さいときに、前記第1のスイッチングレギュレータと前記振幅変調部とが接続されるように前記スイッチを切替え、前記デルタシグマ変調信号の大きさが所定のしきい値以上であるときに、前記第2のスイッチングレギュレータと前記振幅変調部とが接続されるように前記スイッチを切替えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項23】
入力データに基づいて送信信号を生成して出力する送信回路であって、
前記入力データに基づいて、互いに直交するI信号及びQ信号からなるベクトル信号と、前記ベクトル信号の大きさを表す振幅信号とを生成する信号生成部と、
前記振幅信号に所定の演算処理を施して、前記振幅信号の大きさに応じた複数の離散値を有する離散値信号として出力する振幅演算部と、
前記離散値信号に基づいて前記ベクトル信号を変調し、変調信号を生成する変調信号生成部と、
前記離散値信号の大きさに応じた信号を出力する振幅増幅部と、
前記変調信号を前記振幅増幅部から出力された信号に応じて増幅し、送信信号として出力する増幅部とを備え、
前記振幅演算部は、
少なくとも1つ以上のしきい値と、当該しきい値に対応した2つ以上の離散値とを保持し、
所定時間毎に前記振幅信号が前記1つ以上のしきい値を超えるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて出力する離散値を選択し、当該選択した離散値を前記離散値信号として出力することを特徴とする、送信回路。
【請求項24】
前記変調信号生成部は、
前記ベクトル信号を前記離散値信号で割算する割算部と、
前記割算部で割算されたベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、
前記量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部と、
前記ベクトル変調部が出力した変調信号を前記離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部とを含むことを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項25】
前記変調信号生成部は、
前記ベクトル信号を前記離散値信号で割算する割算部と、
前記割算されたベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、
前記量子化信号を前記離散値信号の大きさに応じた利得で増幅する可変利得増幅部と、
前記可変利得増幅部で増幅された量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部とを含むことを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項26】
前記変調信号生成部は、
前記ベクトル信号に所定の信号処理を施して量子化し、量子化信号として出力する信号処理部と、
前記量子化信号をベクトル変調して、変調信号として出力するベクトル変調部とを含み、
前記信号処理部は、前記離散値信号の大きさと正特性の関係になるように、前記量子化信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項27】
前記信号処理部は、前記離散値信号の大きさと正比例の関係になるように、前記量子化信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項26に記載の送信回路。
【請求項28】
前記信号処理部は、前記離散値信号の大きさに応じて、予め最適値が設定されたルックアップテーブルを参照して、前記量子化信号の大きさを変更することを特徴とする、請求項26に記載の送信回路。
【請求項29】
前記信号処理部は、
前記割算部から割算されたベクトル信号が入力され、前記入力されたベクトル信号を、前記入力されたベクトル信号の大きさを表す信号と、前記入力されたベクトル信号を前記入力されたベクトル信号の大きさを表す信号で割算することで算出される規格化ベクトル信号とに変換する信号変換部と、
前記入力されたベクトル信号の大きさを表す信号をデルタシグマ変調するデルタシグマ変調部と、
前記デルタシグマ変調された信号と、前記規格化ベクトル信号とを掛け算し、前記量子化信号として出力する掛け算部とを含むことを特徴とする、請求項24に記載の送信回路。
【請求項30】
前記信号処理部は、
前記割算部から割算されたベクトル信号が入力されるベクトル演算部と、
前記ベクトル演算部の出力信号を量子化し、前記量子化信号として出力するベクトル量子化部とを含み、
前記ベクトル演算部は、
入力された信号から前記量子化信号を引き算するベクトル引き算部と、
前記ベクトル引き算部を介して入力された信号を積分して出力するベクトル積分部とを有することを特徴とする、請求項24に記載の送信回路。
【請求項31】
前記信号処理部は、前記ベクトル演算部の出力にさらに1つ以上のベクトル演算部を備えることを特徴とする、請求項30に記載の送信回路。
【請求項32】
前記増幅部が出力した送信信号から量子化雑音を除去するバンドパスフィルタをさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項33】
前記振幅増幅部から出力された信号から量子化雑音を除去するローパスフィルタをさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項34】
前記所定時間とは、送信回路の出力電力を制御する時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項35】
前記振幅演算部は、前記送信信号の包絡線の変動幅に応じて、前記所定時間の長さを変化させることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項36】
前記振幅演算部は、前記送信信号の包絡線の変動幅が少ない場合、前記所定時間を短く変化させ、前記送信信号の包絡線の変動幅が大きい場合、前記所定時間を長く変化させることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項37】
前記振幅演算部は、前記送信信号の変調モードに応じて、前記所定時間の長さを変化させることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項38】
前記信号生成部の出力に、前記振幅信号、又は前記角度変調信号のうち少なくともいずれかの信号を、少なくとも前記振幅変調部で発生する歪みが抑制されるように補償する歪み補償部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の送信回路。
【請求項39】
前記信号生成部の出力に、前記振幅信号、又は前記ベクトル信号のうち少なくともいずれかの信号を、少なくとも前記増幅部で発生する歪みが抑制されるように補償する歪み補償部をさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載の送信回路。
【請求項40】
通信機器であって、
送信信号を生成する送信回路と、
前記送信回路で生成された送信信号を出力するアンテナとを備え、
前記送信回路は、請求項1に記載の送信回路であることを特徴とする、通信機器。
【請求項41】
前記アンテナから受信した受信信号を処理する受信回路と、
前記送信回路で生成された送信信号を前記アンテナに出力し、前記アンテナから受信した受信信号を前記受信回路に出力するアンテナ共用部とをさらに備えることを特徴とする、請求項40に記載の通信機器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公開番号】特開2008−104160(P2008−104160A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230308(P2007−230308)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】